JP2010533531A - 眼内レンズを眼球内に挿入する装置 - Google Patents

眼内レンズを眼球内に挿入する装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、眼内レンズ搬送の分野において適用される、正確で低コストの装置を提供する。詳細には、本発明は、眼球に眼内レンズを挿入する装置であって、眼内レンズを収納することのできる内腔を有する本体と眼内レンズを内腔から眼球内に押し出すことのできるロッドを備え、ロッドは、第一形態が第二形態よりも大きな径方向断面プロファイルを有する眼内レンズ当接先端部を有することを特徴とする装置を提供する。本発明は、さらに、眼球に眼内レンズを挿入する装置であって、眼内レンズを収納することのできる内腔を有する本体と眼内レンズを内腔から眼球内に押し出すことのできるロッドとを備え、本体内腔はロッドの突起と係合するガイドを有し、ロッド先端部はガイドの少なくとも一部分に沿って動かされる際、本体内腔の壁から所定距離に維持可能であることを特徴とする装置を提供する。

Description

本発明は、患者の眼球内に眼内レンズを注入する眼内レンズ注入器に関する。
白内障を治療するのに使われる手術的治療法の一つには、患者の眼球から水晶体を取り除いた後に、水晶体の代わりに眼内レンズを注入する方法がある。眼内レンズを注入するには、以下の工程が通常行なわれる。まず、眼球に切れ込みを入れる工程;切れ込みを通して白濁した水晶体を砕き、吸引する工程;その後、切れ込みを通して眼球内に眼内レンズを注入し、水晶体の代わりに眼内レンズを埋め込む工程である。
切れ込みが大きく入れられると、眼球に負担となる可能性があり、また、術後の眼球の乱視の原因となることもある。このような欠点を防ぐために、眼内レンズ注入器を使用して、折り畳み式眼内レンズをより小さな切れ込みを通して眼球に注入する。この注入器では、注入器の収納部に保持される折り畳み式眼内レンズが、より小さな形状に折り畳まれながら、注入器の先端部に向かって押される。その後、折り畳まれた眼内レンズは、切れ込みを通して眼内に挿入された注入器の先端部から押し出され、眼球内で広がって(展開して)配置される。
本発明は、眼内レンズおよびその搬送の分野において適用される、正確で低コストの装置を提供する。
本発明は、第一態様では、眼球に眼内レンズを挿入する装置であって、眼内レンズを収納することのできる内腔を有する本体と眼内レンズを内腔から眼球内に押し出すことのできるロッドとを備え、ロッドは、第一形態が第二形態よりも大きな径方向断面プロファイルを有する眼内レンズ当接先端部を有することを特徴とする装置を提供する。
本発明は、第二態様では、眼球に眼内レンズを挿入する装置であって、眼内レンズを収納することのできる内腔を有する本体と眼内レンズを内腔から眼球内に押し出すことのできるロッドとを備え、本体内腔はロッドの突起と係合可能なガイド部を有し、ロッド先端部はガイドの少なくとも一部分に沿って動かされる際に、本体内腔の壁から所定距離に維持可能であることを特徴とする装置を提供する。
本明細書中では、用語「プロファイル」は、眼内レンズと当接するロッド先端部の端面の領域、および/または、ロッドの長手方向軸に直交するロッド先端部の端部で切り取られた径方向断面の領域を指す。好ましくは、用語「端部」はロッドの長さの最終部分を指し、より好ましくは最終部分1/4、さらに好ましくは最終部分1/5を指す。
ロッドの長さは50−250mmであるのが好ましく、より好ましくは75−200mm、さらに好ましくは100−175mmである。ロッドの「端部」は、使用時、眼内レンズと当接するロッド端部の最終部分35mm以下であり、好ましくは最終部分25mm、最も好ましくは最終部分10mmである。
従来の眼内レンズ搬送装置には、閉塞という問題があった。この閉塞は、装置の内腔で、ロッドの径方向のゆがみ、特に、眼内レンズと当接するロッド先端部の径方向のゆがみにより引き起こされる。このゆがみは、ロッドが、装置の内腔で自重によりたわむ材料(例えばプラスチック)で作られていることから起こる。あるいは、または、加えて、ロッドが眼内レンズに当接し、眼内レンズに対して押される際、ロッドは装置の内腔で径方向にゆがむ。ロッド先端部の径方向のゆがみにより、眼内レンズはロッド先端部と内腔壁との間に詰まり、装置から押出されない。さらに、眼内レンズは、ロッド先端部と内腔壁との間に詰まると損傷することもある。
本発明は、ロッド先端部が本体内腔に沿って動く際に、ロッド先端部の位置を制御することにより、これらの問題や他の問題を解消する。例えば、装置は、ロッド先端部が眼内レンズと当接または近接近するまでは少なくとも、本体内腔内のロッド先端部の径方向ゆがみを実質的に防ぐまたは抑えることができる。これにより、ロッド先端部と眼内レンズとの当接が制御される。ロッド端部の径方向ずれは、ロッドが本体内腔を長手方向に移動する間ずっと制御される。
あるいは、または、加えて、ロッド先端部は、眼内レンズの縁またはその接触感覚(haptics)を押さずに、眼内レンズの折り畳み部に入り込むこともある。これにより、本体内腔壁または注入器先端部においてレンズが束になるおそれがある。
本発明は、ロッド先端部の位置を制御することによりこの問題を解消する。ロッド先端部の位置を制御することは、ロッド先端部が本体内腔より小さい断面プロファイルを有する場合は、特に有用である。本発明により、眼内レンズの折り畳み部に入り込む可能性を減少または排除するために、ロッド先端部が眼内レンズと所定位置で当接するようにロッド先端部を制御することができる。
本明細書で使用される用語「近接近」とは、10mm未満、より好ましくは5mm未満を意味する。
ロッドのレンズ当接先端部は、第二形態では、ロッドの長手方向軸からの径方向変位が1mm未満であることが好ましく、より好ましくは0.5mm未満、より好ましくは0.1mm未満である。最も好ましくは、ロッドが長手方向軸から径方向に実質的に変位しないことである。
ロッド先端部の第一形態と第二形態には段階的移行があるのが好ましい。例えば、第一形態のロッド先端部は第一断面プロファイルを有し、離散点において第一形態の断面プロファイルと第二形態の断面プロファイルを切り換える。第一形態および第二形態間の移行はロッド先端部を押し込むことによってもたらされないのが好ましい。すなわち、本体内腔および/または注入器先端部内のロッドの長手方向変位の作用として連続的な方法でないのが好ましい。ロッドの先端部形態としては、2つだけであるのが好ましく、これら2つの形態間ではっきりと段階移行することが好ましい。
好ましくは、ロッド先端部の第二形態の断面プロファイルは、第一形態より5−95%小さく、より好ましく10−75%小さく、より好ましくは25−50%小さい。
本発明の注入器は、眼内レンズを装置から押出す注入器先端部を備えることが好ましい。注入器先端部は、装置の本体内腔と略同軸上にあるのが好ましい。注入器先端部は、装置の本体内腔と軸方向に略同直線上にあるのが好ましい。注入器先端部は、装置の本体部と一体に形成されてもよいし、別個に形成されてもよい。この注入器先端部は、眼内レンズが眼球内の位置に搬送されるように、切れ込みを通して眼球に挿入可能であるのが好ましい。
注入器先端部は、本体内腔の平均径方向断面領域より平均して小さい径方向断面領域を有する内腔を備えるのが好ましい。注入器先端部の内腔は、注入器先端部(すなわち、眼内レンズがそれを介して眼球に搬送される先端部)に近づくにつれ減少するテーパー状径方向断面領域を有するのが好ましい。
注入器先端部は、外径が3.0mm以下の開口部を備えるが好ましく、より好ましくは2.0以下、より好ましくは1.8mm以下、好ましくは約1.4mmの開口部を備える。
注入器先端部は、対称または非対称にテーパー状とされた部分を有する。
注入器先端部は、先端部でより小さい径方向断面領域になるように、開口部に向かってテーパー状であるのが好ましい。これにより、注入器先端部が眼球に挿入される際にできる外傷を少なくする。しかし、注入器先端部の断面プロファイルが小さくなると、より大きな径方向断面形状を有するロッドによって眼内レンズをロッド先端部までずっと押すことができなくなる。先端部内腔の断面が小さくなることにより、内腔内のロッドの移行動作が制限されるからである。
この問題の解決方法の1つには、装置の注入器先端部と一致する径方向断面プロファイルを有するロッドを提供することである。しかし、これは、ロッド端部の断面プロファイルが本体内腔よりも小さいことを意味する。そうすると、ロッドが本体内腔で径方向に変位し、上述の問題に至る可能性がある。
本発明は、眼内レンズと当接する先端部であって、本体内腔の断面プロファイルと近似する第一断面プロファイルを有する先端部を有するロッドを提供することにより、これらの問題に対する解決法を提供する。このように、ロッドの径方向変位は、装置の本体内腔内および注入器先端部内で、すなわち、ロッド先端部の両形態で、ロッドが移動する長さ全体を通して制御可能である。
ロッド先端部の端面の形状および/またはロッド先端部の端部で切断された径方向断面は、本体内腔および/または先端部内腔と、必ずしも同領域である必要はないが、略同形状であるのが好ましい。
ロッド先端部のプロファイルは断面が略円形であるのが好ましい。本体内腔および先端部内腔の径方向断面は、略円形であるのが好ましい。
ロッド先端部は凹部を備えてもよいし、そうでなければ、少なくとも眼内レンズの一部分を収納および/または操作するように形成されてもよい。
ロッドは、相対的に長手方向に移動するようになされた2つの部分からなるのが好ましい。相対的長手方向移動は、本体内腔および/または装置の注入器先端部内で行なわれるのが好ましい。2つの部分は、2つの端点間において、制御下で相対移動可能であるのが好ましい。2つのロッド部分の相対的長手方向移動により、ロッドの第一形態と第二形態との間の移行が可能になるのが好ましい。
ロッドは少なくとも2つの部分、好ましくは別個の部分からなり、使用の際、1つのロッドを形成するように構成されたものが好ましい。好ましくは、ロッドの少なくとも一部分は本体内腔の形状を補完し、それにより本体内腔の少なくとも一部分、好ましくは全長に沿ってロッドが長手方向に移動可能とする。
本体内腔は装置本体の一部分または全長にわたる。例えば、本体内腔は、装置本体の長さの20−100%、より好ましくは25−90%、より好ましくは30−75%の長さを占める。
ロッドは、第一形態では本体内腔の断面プロファイルを補完する断面プロファイルを有する少なくとも2つの部分からなるのが好ましい。ロッドは、本体内腔内で相対的長手方向移動が可能である。注入器先端部側の所定の長手方向変位ポイントで、少なくとも第一ロッド部分が1以上のロッドの他の部分から選択的に分離されることができ、それにより、他のロッド部分に対して第一ロッド部分が相対的に長手方向移動することが可能になる。
このように、第一部分が本体内腔および/または注入器先端部内の所定位置に実質的に留まる一方、1以上のロッドの他の部分は、注入器先端部に向かって本体内腔に沿って長手方向移動を継続することができる。このように、ロッドの第一形態および第二形態間の移行がなされる。
第一ロッド部分の長手方向位置は、抑制手段および/または接合手段を備えることにより、他の部分に対して維持される。例えば、引っ掛け部、キャッチ等が1以上のロッド部分に設けられる。引っ掛け部は、ロッドの1以上の他の構成部分、例えば、ロッドに形成されるノッチまたは凹部と係合するように構成されてもよい。あるいは、または、加えて、1以上のロッド部分は、1以上のロッドの他の構成部分との接触面に摩擦抵抗を与える面を備えてもよい。このような摩擦抵抗は、部分のパターニングまたはエッチングにより提供される。
抑制手段および/または接合手段が存在する場合(例えば、引っ掛け部)、所定位置で1以上の他のロッド部分から分離することができ、それにより、他の部分が注入器先端部に向かって本体内腔を長手方向移動し続けることができる。分離のなされる「所定位置」は、本体内腔内でロッドが通常長手方向移動する際、自動的に分離する位置でもよい。あるいは、分離のなされる「所定位置」は、ユーザがロッドを本体内腔に沿って押すだけとは別に分離させなければならない位置であってもよい。
摩擦抵抗がロッド部分の相対移動を抑制するのに使用される場合、ロッドが本体内腔を所定の長手方向距離を移動し、係止部位、部分係止部位、内腔の断面プロファイルの減少部位またはこれらの組み合わせに達した際に摩擦抵抗が解消されるように、ロッド部分が構成されるのが好ましい。例えば、「係止部位」は本体内腔内のフランジにより提供される。同様の手段が、1以上のロッド部分から抑制手段および/または接合手段を分離させるのに使用されてもよい。
1つの実施形態では、ロッド部分の1つは、ロッドの長手方向軸に対して横軸方向に弾性的に付勢される。この実施形態では、ロッド部分は、このような弾性的付勢を提供するために、ヒンジ構成とされているか、溝を入れられているか、鋳造されているか、成型されているか、またはこれらの組み合わせであるのが好ましい。本体内腔内のロッドの長手方向変位の所定位置で、このロッド部分の少なくとも一部分が弾性付勢のおかげで1以上の他のロッド部分から分離される。
ロッドのこの弾性付勢された部分は、抑制手段および/または接合手段を含むのが好ましい。この点において、本体内腔は、他のロッド部分から離れて弾性付勢された部分の径方向変位分を収納する手段を備えてもよい。例えば、本体内腔は、このような径方向変位分を収納できる、室、凹部、比較的大きな直径(本体内腔の残りの部分に対して)等を備えてもよい。
ロッドは、第一形態における本体内腔の断面プロファイルを実質的に補完する略円筒形断面を形成する2つの部分からなるのが好ましい。第二形態に移行する際、ロッド先端部の断面プロファイルは、注入器先端部の最狭部分の断面を実質的に補完するのが好ましい。
好適な実施形態では、ロッドは略半円プリズム状の部分を有する2つの部分からなる。これらは組み立てられた際に、少なくとも一部分が略円筒形プリズムであるロッドを形成してもよい。この円筒形プリズムの少なくとも一部分、好ましくは全体が、本体内腔の少なくとも一部分、好ましくは本体内腔全体を実質的に補完するように構成される。
ロッド部分の1つは他のロッド部分と係合するように構成されているのが好ましい。例えば、ロッド部分の1つは、他のロッド部分の補完部分と係合することができるガイドを備えてもよい。このガイドにより、ロッド構成部分の動きが、相対的に制御可能となり、好ましくは本体内腔に対して制御可能となる。例えば、このような構成は本体内腔/注入器先端部内でのロッドの回転を制御するのに使用されてもよい。
本体内腔および/または注入器先端部は、装置内でのロッドの回転を制御するのに使用されるガイドを備えてもよい。ガイドは、本体内腔と軸方向に同一直線状にあってもよい。あるいは、ガイドはらせん形または曲線形に形成されてもよく、それによりガイドが本体内腔に対して進むにつれ、ロッドを回転させる。
1つの実施形態において、ロッドは伸縮動作をする少なくとも2つの部分からなり、それにより第一形態と第二形態との間の移行を行うようにしてもよい。例えば、ロッドは、1以上の同軸上スリーブまたはカラーを有する略円筒形本体部を備えてもよい。ロッドの本体部は1以上のネック部を備えてもよい。
ネック部は、スリーブまたはカラーを収納および/または保持するように構成される。抑制手段および/または接合手段は、1以上のスリーブまたはカラーに形成または接続されるか、ロッドの本体部に形成または接続される。抑制手段および/または接合手段を補完する部分は、抑制手段および/または接合手段を備えない部分に形成されてもよい。例えば、スリーブ部分またはカラー部分は引っ掛け部を備えてもよく、ネック部は引っ掛け部と係合するように構成された凹部を備えてもよい。ロッドの本体部は、スリーブまたはカラーの長手方向移動を制御することができるように構成されるのが好ましい。長手方向移動は、ロッドの第一形態と第二形態をそれぞれ好適に規定する2つの端点の間で行なわれるのが好ましい。
抑制手段および/または接合手段は、比較的少ない力をもって係合位置から変位するように構成されるのが好ましい。このことは、比較的小さいプロファイルを有する抑制手段および/または接合手段を備えることにより得られる。あるいは、または、加えて、抑制手段および/または接合手段の係合位置は、相似形になるように構成されてもよい。例えば、凹部は比較的浅くされ、それにより小さな力によって凹部から引っ掛け部等を変位させてもよい。抑制手段および/または接合手段は、スリーブの内面またはロッドの本体部外面に環状フランジを備えてもよい。この環状フランジは、環状フランジを有しないスリーブまたはロッドのいずれかの表面に設けられた環状凹部と係合するように構成される。
別の実施形態では、本発明は、眼球に眼内レンズを挿入する装置であって、眼内レンズを収納することのできる内腔を有する本体と眼内レンズを内腔から眼球内に押し出すことのできるロッドとを備え、ロッドは、径方向に折り畳み式または部分的に径方向に折り畳み式眼内レンズ当接端部を有することを特徴とする装置を提供する。この実施形態では、使用時にレンズに近接するロッド端部は、断面直径を変更する1以上の手段を備えてもよい。例えば、ロッドは、少なくともロッド長さの一部分、場合によりロッドの全長に沿って、均一でない壁厚みを有する中空管または中空管状部を備えてもよい。
この場合、管状部は、1以上の比較的薄い壁部を有し、ロッド先端部からレンズ当接先端部にかけた部分よりも、レンズ当接先端部の径が小さくなるよう、薄部が二つ折り、折り畳み、湾曲、蛇腹状等にされてもよい。別の場合には、管状部は、レンズ当接先端部から切り込まれた1以上のスロットを有する。
スロットは、ロッド端部周りに等間隔で設けられるのが好ましい。折り畳まれた構成において、ロッドがレンズ当接先端部に向かってテーパー状になるように、スロットはレンズ当接先端部から離れるにしたがってテーパー状になってもよい。ロッドは、1個、2個、3個または4個のスロットを備えるのが好ましく、最も好ましくは3個のスロットを備える。これらの実施形態では、ロッドは径方向圧縮のための上記手段を1以上備えることが好ましく、それらは同じであっても異なってもよい。
ロッドは、一端に、ユーザに触られるように構成される部分を備えてもよい。例えば、ロッドは、ユーザの親指および/または指で触られる平坦または板状の部分を備え、それにより、ロッドが本体内腔に沿って押されて、および/または引っ張られて移動する。
ロッドは、本体内腔内での移行的長手方向移動に対して、弾性的に付勢されてもよい。例えば、装置は、装置内のロッドの凹部に力を与えるバネまたは弾性材料を備えてもよい。本発明では、バネの各種構成またはバネの組み合わせが適用される。例えば、コイルバネ、カンチレバーバネ、または、バネ構造の弾性特性および/またはバネを形成する材料の弾性特性を用いるバネ構成が挙げられる。
本発明のレンズ注入器は、眼内レンズが装置の注入器先端部から出る際、進行するロッドに対して相反する力を加え、眼内レンズが眼球内に制御放出されるように構成されてもよい。
好適な実施形態では、相反する力は、眼内レンズが注入器先端部から正に出ようとする際に、ストロークの終わり近くでのみ進行するロッドに加えられる。この構成は、ロッドがストローク距離の大半を比較的スムーズに自由に摺動するのを可能にしつつ、眼内レンズが注入器先端部を出る際にロッドが突然進行するのを防ぐためにストロークの終わりで十分な背圧を付与することが可能となる。
注入器は、レンズ受入部(以降、装填室と記す)を備えるのが好ましい。装填室は、装置本体の内部または本体上に配置されるのが好ましい。装填室は、装置の注入器先端部近傍に配置されるのが好ましい。装填室は、装置に眼内レンズを簡単に挿入可能とするのが好ましい。装填室は、眼内レンズが折り畳まれ、および/または、丸められ、眼球に搬送されるのに適した構成になるのを可能にするのが好ましい。装置の装填室は装填口を備えるのが好ましい。
装填口は、眼内レンズが装置に装填される第一開放形状、および、眼内レンズが装置内に装填されている第二閉鎖形状を有するのが好ましい。装填室は、装置と一体に形成されてもよいし、装置に装填されるカートリッジを備えてもよい。
装填室は、開放近位端部および本体内腔と同一線上の遠位端部を有するのが好ましい。
ロッドは、レンズが装填室に装填される場合、少なくともレンズの一部分をカバーするのに使用できるスリーブまたは部分的スリーブを備えてもよい。この実施形態では、ロッドは、装填室のちょうど後ろまで、すなわち、注入器先端部から一番遠い装填室の端部まで進められる。その後、眼内レンズが装填室に装填され、眼球に搬送される準備として折り畳まれたり丸められたりする。この時点で、装填室は開放されているのが好ましい。スリーブまたは部分的スリーブは、その後、レンズの少なくとも一部または全部上を覆うように進行させてもよいし、またはレンズの少なくとも一部または全部周囲を覆うよう進行させてもよい。その後、装填室は閉鎖される。
このように、スリーブまたは部分的スリーブは、装填室が閉鎖されている間、レンズを保護するため、および/またはレンズを適切な形状に保つために使用される。その後、ロッドは、ロッド先端部をレンズと当接させるために進められる。その後、レンズは装填室から押出される。その後、スリーブまたは部分的スリーブは、元の位置に戻されてもよいし、スリーブまたは部分的スリーブに対してロッド進行させてもよい。本発明によれば、眼内レンズは通常の方法で注入器先端部から押出される。
ロッドは、柔性先端部を備えてもよい。柔性先端部は、中空でなく、少なくとも最大伸張率400%以上および伸張率100%で689kPa以上2137kPa以下の弾性係数を有する材料で形成されるのが好ましい。柔性先端部は、少なくとも400%、好ましくは780%以上の最大伸張率を有し、熱可塑性エラストマーであるのが望ましい。柔性先端部は、ロッド先端部に着脱式に連結する、より剛性の高いインサートを内蔵することが好ましい。
装置の本体は、実質的に光透明または光半透明であるのが好ましい。装置は、ユーザが装置に装着された眼内レンズを視認できるように光透明部および/または光半透明部を備えるのが好ましい。装置は、眼内レンズの装填時点から搬送時点まで、眼内レンズを観察できるように構成されることが好ましい。
ロッドは、ユーザによりその場で視認されるように、不透明材料で製造されるのが好ましい。
装置の異なる部分は、異なる配色の材料またはパターニングで構成されてもよい。例えば、ロッド先端部またはロッドの一部分は、ロッド先端部がユーザからはっきり見えるように色づけされてもよいし、パターン化されてもよい。
本発明の装置は任意の適切な材料で製造される。本発明の装置の構成部分は1以上のポリマーを含む。
本発明の装置の1以上の部分を形成するのに独立的に使用される適切なポリマーは無制限であるが、例として、ポリアセタール、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリアミドイミド、ポリアミドエステル、ポリアミドエーテル、ポリカーボネートエステル、ポリアミドエーテル、ポリアクリレート;ポリブタジエン、ブタジエンと他の1以上のモノマーとの共重合体、ブタジエン・アクリロニトリル・ゴム、スチレン・ブタジエン・ゴム、ポリイソプレーン、イソプレーンと他の1以上のモノマーとの共重合体、ポリホスファゼン、天然ゴム、天然ゴムと合成ゴムの混合物、ポリジメチルシロキサン、ジフェニルシロキサン単位を含有する共重合体などのエラストマー;ポリアルキルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコールおよびポリビニルクロリドが挙げられる。
使用に当たって、眼内レンズを眼球に搬送する方法は、眼内レンズを装填室に配置する工程、ロッドを本体内腔の近位端部に挿入する工程、眼球の切れ込みを通して注入器先端部開口部を挿入する工程、および眼内レンズを装填室から注入器先端部のテーパー状の内腔まで付勢する工程を含むのが好ましい。眼内レンズは、ロッドにより、注入器先端部開口部から眼球へ付勢される。
上記は本発明の両態様に適用されるが、以下は特に本発明の第二態様に適用される。
本体内腔内のガイドはレール、凹部等を備えてもよい。ガイドは本体内腔と軸方向に同一直線状にあってもよい。あるいは、ガイドはらせん形または曲線形に形成されてもよく、それによりガイドが本体内腔に対して進むにつれ、ロッドを回転させる。
ガイドは、本体内腔部分長または全長に対応する長さを有し、例えば、内腔の長さの25%、50%、75%または100%の長さである。ガイドは、1個より多くてもよく、例えば、2個、3個、4個以上あってよい。1個より多く存在する場合、ガイドは本体内腔の外周に等間隔で配置されるのが好ましい。例えば、2個のガイドがある場合は、お互いに180間隔で配置される。同様に、4個のガイドがある場合は、お互いに90間隔で配置される。ガイドは、本体内腔と注入器先端部との接合点まで及ぶのが好ましい。
突起は、フラップまたはタブを備えるのが好ましい。突起は、ロッドの外周の少なくとも一部分から径方向に延出するのが好ましい。突起は、ロッドに取り付けられる第一端部、および、ガイドと係合可能な第二端部を有するのが好ましい。ロッドの突起の取り付け点は、たわみ、損壊、または屈曲し、その結果、突起がガイドとの係合部からはずれて動くように、損傷しやすく、弱くおよび/またはヒンジが付けられているのが好ましい。この点から、ロッドは、突起の第二端部がロッド側にたわめられたり、屈曲されたりしたら突起を収納するように構成された凹部を備えてもよい。ロッドは、1個より多い突起を備えてもよく、例えば、2個、3個、4個以上の突起を備えてもよい。
1個より多い突起がある場合、別々のガイドと係合するように配置されるのが好ましい。例えば、2個の突起がある場合は、お互いに180間隔で配置される。同様に、4個の突起がある場合は、お互いに90間隔で配置される。
突起は、使用時に眼内レンズと当接するのに使用されるロッドの端部側に配置されるのが好ましい。突起は、ロッドの長さの最終部分、好ましくは最終部分1/4、より好ましくは最終部分1/5内に配置される。突起は、使用時に眼内レンズと当接するロッド端部の最終部分35mm以下に配置されるのが好ましく、より好ましくは最終部分25mm、もっとも好ましくは最終部分10mmに配置される。
突起は、変形可能なプラスチック材料で製造されるのが好ましい。
突起は、ガイドの形状と補完する第二端部に凹部またはノッチを有するタブを備えるのが好ましい。このように、ロッドが本体内腔に沿って移動するにしたがい、ロッドの凹部またはノッチが、本体内腔壁に対するロッドの径方向変位を制御するガイドと係合する。
好適な実施形態では、ガイドは1個以上のレールを備える。本体内腔の内壁からのレールの高さは、0.1−2mmであるのが好ましく、より好ましくは、0.5−1.5mm、より好ましくは0.75−1.25mmである。レールの幅は、レールの長さにわたって一定であってもよいし、一定でなくてもよい。レールの幅は、レールの高さにわたって一定であってもよいし、一定でなくてもよい。例えば、レールは、自由端(ロッドの突起と係合する端部)側にテーパー状であってもよい。あるいは、レールは、自由端に近づくにつれ狭くなる、または広くなるように、階段状幅を有してもよい。
発明の第二態様では、ロッド先端部の断面プロファイルは、注入器先端部の開口部の断面を補完するのが好ましい。
ガイドと突起の組み合わせは、ロッド先端部を本体内腔壁から所定距離に維持可能にし、または、本体内腔壁に対してロッド先端部を保持する。使用の際、突起は、ガイドに沿ったロッドの長手方向移動の所定位置で折り畳めるのが好ましい。所定位置は、本体内腔または注入器先端部の直径が狭くなり始める領域近辺であるのが好ましい。
このように、所定位置において、突起は、係止部位、部分係止部位、または、本体内腔または注入器先端部の狭くなる直径と当接するのが好ましく、ロッドが本体内腔/注入器先端部に押し下げられるにしたがい、突起が曲げられる。係止部位や部分係止部位は、ガイドに設けられてもよいし、本体内腔壁または注入器先端部内壁面に属していてもよい。これにより、ロッド先端部が注入器先端部の開口端に向かって継続的に移動可能となる一方、突起はガイドとの係合から外れる。
本発明の第二態様において、ロッドは、少なくとも2種類の直径を有するのが好ましく、その直径は、明確な段階で区別されてもよいし、だんだんと小さくなっていってもよい。小さいほうの直径の断面プロファイルは、大きいほうの直径より5−95%小さいのが好ましく、より好ましく10−75%小さく、より好ましくは25−50%小さい。
本発明の第一態様の装置の一実施形態を示す断面図。 本発明の第一態様の装置の一実施形態を示す断面図。 本発明の第一態様の装置の一実施形態を示す断面図。 本発明の第一態様の装置の一実施形態を示す断面図。 ロッド先端ガイド部の拡大側面図。 本発明の第一態様の装置の別の実施形態を示す断面図。 本発明の第一態様の装置の別の実施形態を示す断面図。 本発明の第一態様の装置の別の実施形態を示す断面図。 本発明の第二態様の装置の一実施形態を示す断面図。 本発明の第二態様の装置の一実施形態を示す断面図。 本発明の第一態様のロッドの一実施形態を示す斜視図。 本発明の第一態様のロッドの一実施形態を示す斜視図。 本発明の第一態様のロッドの一実施形態を示す斜視図の端面図。
用語「含む」は、「備える」および「で構成される」を包含する。例えば、Xを「含む」装置は、Xのみで構成されてもよいし、追加の何かを備えてもよい(例、X+Y)。
数値xに関して用語「約」は、例えばx±10%を示す。
用語「略」は、「完全に」を排除しない。必要ならば、用語「略」は発明の定義から省いてもよい。
以下の説明で参照される詳細な特徴に参照符号が付されていても、この特徴が図において明示される必要はない。しかし、特徴が図示されない場合、出願人は、括弧に入れて「図示せず」と記すよう努めた。そうしなかったとしても、発明の範囲を限定すると考えられるべきではない。
図1Aは、本発明の第一態様の装置の一実施形態を示す断面図である。図1Aにおいて、ロッドは押されていない位置、つまり、眼内レンズと当接する前である。
装置1は第一端部3および第二端部4を有する本体2を備える。本体2は、本体2の第一端部3側に配置される内腔5を有する。内腔5は円筒状断面を有する。
本体2は、閉鎖形状では、本体内腔5と同軸上にある内腔7を有する装填室6を有する。しかし、図1Aでは、装填室6は開放形状で示される。装填室6は、内腔7の約半分となる半円形断面を有する凹部9を備えたヒンジ板8を備える。本体2は、さらに、第二板10(図示せず)および内腔の他方の半分となる半円形断面を有する凹部11(図示せず)を備える。使用に際し、眼内レンズ12は装填室6の凹部11に装填され、ヒンジ板8が第二板10に対して閉められてもよい。
テーパー状の注入先端部13は、スナップ式ロック14を介し、本体2の第一端部3に取り付けられる。注入先端部13は、開放端部16に近づくにつれテーパー状の断面を有する内腔15を備える。開放端部16は、本体内腔5の長手方向軸に対する角度で切断される。これにより、先端部の開放端部16を眼球の小さな切れ込みに押し込むのがより容易となる。
本体部18およびガイド部19を有するロッド17は、本体内腔5内に配置される。
ロッドの本体部18は、外形となるレンズ当接先端部21である第一端部20を有する。本体部18は、ガイド部19との接触面23の長さに達する凹部22(図示せず)を有する切頂円筒形断面を有する。
ガイド部19は、凹部22の補完をする三角形断面を有するレール24(図示せず)を有する。ロッド17の第二端部25は、ロッド17を眼内レンズ12と当接するように押すために使用者が親指や指で触る円形板26を有する。ガイド部19は、レンズ当接先端部21と略共末端である第一端部27を有する。ガイド部19は、ヒンジ28aを有する第二端部28を有する。第二端部28はガイド部19の長手方向軸に横断して弾性的に付勢する。
図1Bで、装填室は、レンズを配置した閉鎖形状で図示される。ロッド17の第一端部20は、装填室6内の眼内レンズ12近傍に置かれる。
図1Cは、装置1を示す。装置1では、ロッド17は、その先端部21が注入先端部のテーパー状内部壁の始点に近接するポイントまで押される。この時点で、ガイド部19の第二端部28は、本体内腔5の壁内にある凹部29に近接する。凹部29は第二端部28の形状に補完し、第二端部28がヒンジ28aを中心に回転する際第二端部28を収納することができる。
第二端部28は、ロッド17の本体部18の面にあるくぼみ31と係合する引っ掛け部30を有する。この係合により、ガイド部19に対する本体部18の相対的移動を防ぐ。しかし、図1Cでは、引っ掛け部30はくぼみ31からちょうど離れた状態で図示される。
図1Dでは、ロッドが図1Cで図示される位置と比べてさらに押し込まれた場合の装置1を示す。第二端部28は凹部29内に収納され、引っ掛け部30はくぼみ31から外される。ロッド17の本体部18は、さらに本体内腔5を進み注入器先端部13の内腔15まで押される。
外形となるレンズ当接先端部21は、注入器先端部13の開口部16から押出された眼内レンズ12と当接している。先端部21は先端部内腔15の内径を補完する最大径を有することが理解できる。
図2は、ガイド部19の拡大側面図(正確な縮尺ではない)を示し、第一端部27を示す。
ガイド部19は、ヒンジ28aを有し、ガイド部19の長手方向軸に横断して弾性的に付勢する第二端部28を有する。第二端部28は引っ掛け部30を有する。
図3Aは、本発明の第一態様の装置の別の実施形態を示す断面図である。さらに、図3Aは、本体内腔5の分解部分図である。
ロッド17は、第一端部33および第二端部34を有する本体部32を備える。
第二端部は、使用者が親指や指で接触し、ロッド17を眼内レンズ12(図示せず)と当接するように押す円形板26を有する。第一端部33は円筒形で、第二端部34より小さい径を有する。
第一端部は、本体部32と同軸上にあるスリーブ35を備える。第一端部33はレンズ当接先端部36を有する。スリーブ35は、レンズ当接先端部36の先端部から第一端部33および第二端部34の接合点まで摺動可能である。スリーブ35は、引っ掛け部38があることにより第一位置に保持される。
引っ掛け部38はスリーブ35の内面39にあり、ロッド17の第一端部33の外面にあるくぼみ40と係合する。くぼみ40は浅く、引っ掛け部38は低プロファイルを有し、それにより、内腔5内でロッド17を押すことにより加えられる所定の圧力を利用して、引っ掛け部38がくぼみ40から外れることが可能となる。
図3Bは図3Aの実施形態を示すが、ロッド17が内腔5に沿って進み、装填室6の内腔7内で眼内レンズ12と当接している。
図3Cは図3Bの実施形態を示すが、ロッド17が内腔5に沿って進み、注入器先端部13の内腔15まで進んでいる。さらに、図3Cは、注入器先端部13の分解部分図である。
外形となるレンズ当接先端部36は、注入器先端部13の開口部16に近い。しかし、眼内レンズ12は図示されない。第一端部33は先端部内腔15の内径を補完する最大径を有することが理解できる。
スリーブ35の第一端部41は、注入器先端部13の内腔15のテーパー状内面と当接する。内腔5に沿ってロッド17を動かすためにかけられる圧力のおかげで、引っ掛け部38とくぼみ40との摩擦抵抗がなくなる。スリーブ35は、テーパー状注入器先端部13の制限された径にはそれ以上進めないので、装置内の長手方向の同一位置に留まる。ロッドの第一端部33はスリーブ35に対して移動し、注入器先端部13の開口部16近くにある眼内レンズ12と当接する。
図4Aは、本発明の第二態様の装置の一実施形態を示す断面図である。さらに、図4Aは、本体内腔5および装填室6の分解部分図である。
ロッド17は第一端部43および第二端部44を有する本体部42を備える。
第二端部は、ロッド17を眼内レンズ12と当接するように押すために使用者が親指や指で触る円形板26を有する。
第一端部43は円筒形で、第二端部44より小さい径を有する。第一端部は、内腔5の内面に配置されるレール46まで延伸し係合する突起45を備える。第一端部43はレンズ当接先端部47を有する。
突起45は第一端部43との接合の弱い部分を有する。第一端部は突起45に隣接して凹部48を有する。突起45は、レール46のプロファイルを補完するくぼみ49(図示せず)を有し、これによってロッド17がレール46に沿って内腔5内を摺動可能となる。
図4Bは図4Aに図示される実施形態の注入器先端部13の詳細図であるが、ロッド17は内腔5に沿って進み、注入器先端部13の内腔15内まで進んでいる。
外形となるレンズ当接先端部47は、注入器先端部13の開口部16に近い。
第一端部43は先端部内腔15の内径を補完する最大径を有する。突起45は、突起45の止め具として働く、注入器先端部13の内腔15のテーパー状内面と当接する。
内腔5に沿ってロッド17を動かすためにかけられる圧力のおかげで、突起45は第一端部43との接合の弱い部分で曲がり、凹部48内に折り畳まれる。それにより、ロッド17が注入器先端部13に向かって移動を継続できる。
図5Aは、本発明の第一態様のロッドのレンズ当接先端部を示す斜視図である。
ロッド17は、円筒状ロッド17の壁51に切り込まれた2つのスロット50を備える。スロットは、先端部から所定の距離にある終端52にかけて先端部からテーパー状になっている。この距離は5mm〜40mmが好ましい。折り畳まれていない構成では、スロット53の縁部は、好ましくは0.1mm〜3mm離れている。折り畳まれた構成では、スロット53の縁部は互いに当接しているのが好ましい。これにより、ロッド端部が好適に円錐形または角錐形となる。
図5Bは、本発明の第一態様のロッドのレンズ当接先端部を示す斜視図である。
ロッド17は、壁に切り込みを入れて形成された2つの薄部55を有する壁54を有する円筒構造を備える。これらの薄部は埋め込みレールと呼ばれる。所定の径方向の圧力で、これらの埋め込みレールが折り畳まれ、ロッド端部が好適に円錐形または角錐形となる。
図5Cは、図5Bに図示されるロッドの端面図である。

Claims (17)

  1. 眼球に眼内レンズを挿入する装置であって、眼内レンズを収納することのできる内腔を有する本体と前記眼内レンズを前記内腔から眼球内に押し出すことのできるロッドを備え、前記ロッドは、第一形態が第二形態よりも大きな径方向断面プロファイルを有する眼内レンズ当接先端部を有することを特徴とする装置。
  2. 請求項1に記載の装置において、前記ロッド先端部の第一形態と第二形態には段階的移行があることを特徴とする装置。
  3. 請求項1または2に記載の装置において、前記ロッドが先端部形状を2つだけ有することを特徴とする装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の装置であって、前記ロッド先端部の第二形態の断面プロファイルが第一形態より5−95%小さいことを特徴とする装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の装置であって、前記ロッドは相対的に長手方向に移動する2つの部分からなることを特徴とする装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の装置であって、注入器先端部側の長手方向変位の所定位置で、前記ロッドの少なくとも第一部分が前記ロッドの1以上の他の部分から選択的に分離可能であり、それにより、前記ロッドの第一部分が、前記ロッドの他の部分に対して相対的に長手方向へ移動可能となることを特徴とする装置。
  7. 請求項6に記載の装置であって、前記第一ロッド部分の長手方向位置は、前記ロッド他方部分に対して、抑制手段および/または接合手段を備えることにより維持されることを特徴とする装置。
  8. 請求項7に記載の装置において、前記抑制手段および/または接合手段は引っ掛け部を備えることを特徴とする装置。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の装置であって、前記ロッドは、伸縮動作をする少なくとも2つの部分を備えることを特徴とする装置。
  10. 請求項9に記載の装置であって、前記ロッドは、1以上の同軸上スリーブまたはカラーを有する略円筒形本体部分を備えることを特徴とする装置。
  11. 眼球に眼内レンズを挿入する装置であって、眼内レンズを収納することのできる内腔を有する本体と眼内レンズを内腔から眼球内に押し出すことのできるロッドを備え、本体内腔は前記ロッドの突起と係合するガイドを有し、前記ロッド先端部は前記ガイドの少なくとも一部分に沿って動かされる際、前記本体内腔の壁から所定距離に維持可能であることを特徴とする装置。
  12. 請求項11に記載の装置において、前記本体内腔内のガイドはレールまたは凹部を備えることを特徴とする装置。
  13. 請求項11または12に記載の装置において、前記突起がフラップまたはタブを有することを特徴とする装置。
  14. 請求項11から13のいずれかに記載の装置であって、前記突起は前記ロッドの外周の少なくとも一部分から径方向に好適に延出することを特徴とする装置。
  15. 請求項11から14のいずれかに記載の装置であって、前記ロッドの前記突起の取り付け点は、損傷しやすく、弱くおよび/またはヒンジが付けられて、前記取り付け点がたわみ、損壊し、または屈曲することで前記突起と前記ガイドの係合が外れることを特徴とする装置。
  16. 請求項11から15のいずれかに記載の装置であって、前記ロッドは、前記突起が前記ロッド側にたわめられたり、曲げられたりする場合に、前記突起を収納する凹部を備えることを特徴とする装置。
  17. 眼内レンズを眼球に搬送する方法であって、眼内レンズを請求項1から16のいずれかに記載の装置に配置する工程、ロッドを本体内腔の近位端部に挿入する工程、注入器先端部の開口部を眼球の切れ込みを通して挿入する工程、および眼内レンズを装置から注入器先端部を通して眼球に付勢する工程を含むことを特徴とする方法。
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