JP2010527360A - 神経細胞の代謝低下の処置のためのアセチル−coaカルボキシラーゼの阻害剤 - Google Patents

神経細胞の代謝低下の処置のためのアセチル−coaカルボキシラーゼの阻害剤 Download PDF

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Abstract

この発明は、例えば加齢関連性記憶障害(AAMI)、軽度認知障害(MCI)、アルツハイマー病、パーキンソン病、フリードライヒ失調症(FRDA)、GLUT1欠損型てんかん、レプレコーニズムおよびラブソン・メンデンホール症候群、冠動脈バイパス移植(CABG)痴呆、麻酔に誘導される記憶の喪失、ハンチントン病および多くの他のもののような、神経細胞の代謝低下および/または減少した神経細胞の代謝により引き起こされる認知機能の低下と関係する疾患の処置、予防、抑制または緩和のために、酵素アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)の阻害剤を用いる方法に関する。
【選択図】なし

Description

この発明は、アルツハイマー病、軽度認知障害、ならびにパーキンソン病、ハンチントン病、およびてんかんを含む減少した神経細胞の代謝と関係のある他の疾患の処置のための治療薬の分野に関する。
多くの病気が減少した神経細胞のグルコース代謝と関係しており、これらの病気を処置する必要性が存在する。本発明の化合物はこれらの病気を処置するために有用である可能性がある。
アルツハイマー病(AD)は、主に老人を冒す進行性の神経変性疾患である。1984年に、BlassおよびZemcov(Blass and Zemcov 1984)は、ADはコリン作動性神経細胞の亜集団における低下した代謝速度に起因すると提案した。しかし、ADはコリン作動系に限られず、多くのタイプの伝達物質系およびいくつかの分離した脳の領域が関わっていることが明らかになった。低下した代謝速度はグルコースの利用の低下と関連しているようである。脳イメージングの技法は、AD患者の脳における放射性標識したグルコースの取込みの減少を明らかにし、これらの欠如は痴呆の臨床徴候が現れるかなり前に検出される(Reiman, Caselli et al. 1996)。大脳のグルコース代謝の測定は、ADにおいてグルコース代謝が20〜40%減少し、その結果ATPの危険なほどに低いレベルをもたらしていることを示している。
低下したグルコース代謝の原因は確かでないままだが、アミロイド前駆体タンパク質(APP)のプロセシングに関連している可能性がある。APPのプロセシングを変える変異は早期発症型ADに関わりがあることが示されている。早期発症型の症例は、60歳より前に起こり、多くの症例において3種類の遺伝子:APP、プレセニリン1(presenilin 1)(PS1)およびプレセニリン2(presenilin 2)(PS2)における変異と関係がある。これらの遺伝子における変異は、APPタンパク質の異常なプロセシングをもたらす(総説に関して(Selkoe 1999)参照)。調べたところ、これらの病的変異は結果として大脳のグルコース代謝の早期欠如をもたらす。APP670/671において二重変異(”スウェーデン型変異”)を有する人は、しばしば痴呆の臨床症状が明らかになる前に、側頭葉におけるグルコース代謝の病的低下を示す。APP V717F導入遺伝子を有するマウスは、大脳のグルコース代謝の局所的な欠如を示す。また、プレセニリン遺伝子における変異は、グルコース欠乏に対する感受性を直接増大させる可能性がある。
ADにおける低下した大脳の代謝速度を補う試みはいくらかの成功を経験した。AD患者において血清ケトン体レベルを高めることは、認知スコアを上昇させる(Reger, Henderson et al. 2004)。しかし、この報告された方法は十分なレベルのケトン体を生じさせるために大量の脂肪の投与を必要とする。従って、大量の脂肪の消費無しでケトン体のレベルを上昇させることのできる化合物が必要とされている。
パーキンソン病(PD)は、ADの次に2番目に一般的な神経変性疾患である。PDは、振戦、筋肉強直、随意運動の欠如、および体位の不安定を含む運動性の異常に特徴づけられる。PDの主な神経病理学的な特徴は、黒質緻密部(SNpc)におけるドーパミン作動性ニューロンの喪失である。
散発性PDの原因ははっきりしないが、いくつかの線の証拠は、酸化的リン酸化における欠陥がその発病の一因である可能性があることを示唆している。例えば、1-メチル-4-フェニル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン(MPTP)はミトコンドリア電子伝達系の複合体I(NADH−ユビキノンオキシドレダクターゼ)を妨害し、PDの典型的な症状およびドーパミン作動性ニューロンの喪失を引き起こす。複合体Iの活性の低下は、PDの組織においても報告されている。この欠陥は脳のみに限定されず、PD患者からの血小板でも見つかっている。
D−β−ヒドロキシブチレート(BHB)は、肝細胞により、およびより低い程度で星状細胞により生産されるケトン体である。BHBは、飢餓時のようにグルコースの供給が限られている際に脳における代替エネルギー源として働く。BHBは酸化的リン酸化を増進することによりMTPTに関連する複合体Iの阻害から保護することが分かっている(Tieu, Perier et al. 2003)。
FRDAは進行性の失調症、肥大性心筋症、インスリン抵抗性糖尿病の早期発症、病弱、および早死にに特徴付けられる劣性遺伝病である。FRDAは210アミノ酸の核にコードされるミトコンドリアタンパク質であるフラタキシン(frataxin)の欠損により引き起こされる遺伝病である。そのタンパク質のレベルが低いのは、mRNAレベルの低下をもたらすイントロンのGAAリピートの拡大によるものである。FRDAの患者はミトコンドリア酵素であるアコニターゼの活性の低下を示す。アコニターゼはクレブス(クエン酸またはTCAとしても知られる)回路の第1段階であるクエン酸のイソクエン酸への変換を担っている。ヒトの患者におけるフラタキシンの欠損は、主にTCA回路の欠陥をもたらすと考えられる。
最近の研究は、空腹への通常の反応である血液ケトン体の上昇は、ミトコンドリアのクエン酸およびイソクエン酸のレベルを増大させ、そうしてFRDAで見られるアコニターゼの遮断を克服する可能性がある。ケトン体に基づく療法は、このグループの患者に有効な処置を提供することができるであろう。
GLUT1欠損型てんかんは、乳児の発作、発育の遅延、および精神遅滞を伴う後天性小頭症により特徴づけられる。GLUT1欠損型てんかんは、GLUTの遺伝子におけるいくつかのタイプの変異に起因する。グルコーストランスポーター1(GLUT1)は、グルコースの血流から脳の中への輸送を担う主なタンパク質である。標準的な食事条件の下では、脳はエネルギーに関して血中グルコースにほぼ完全に依存している。しかし、ある状況、例えば飢餓の下では、ケトン体はグルコースとは異なるエネルギー源を提供することができる。ケトン体は脳の中への輸送に関してGLUT1に頼らず、従ってGLUT1欠損症候群においてエネルギーを供給することができる。従って、ケトン体療法はこれらの患者の生涯にわたる処置のための実用的な方法となる可能性がある。
レプレコーニズム(Leprechaunism)およびラブソン・メンデンホール(Rabson−Mendenhall)症候群は、インスリン抵抗性、持続性高血糖および成長の遅滞に特徴づけられる珍しい疾患である。患者が20歳を過ぎて生きることはめったにない。これらの症候群は、インスリン受容体遺伝子における、受容体のインスリンへの親和性を低下させる変異に起因する。一般に行われている処置は、増大する用量のインスリン(1日あたり数千ユニットまで)の投与からなる。この処置は、インスリンのその受容体との結合が乏しいため、ごく弱い結果しかもたらさない。ケトン体はインスリンのPDH多酵素複合体の刺激の作用をまね、それによりクレブスTCA回路の代謝産物のレベルを増大させ、ATPの形のエネルギー出力を増大させ、代謝効率を増進させることが示されている。ケトンに富む、またはケトンを生成する食物は、これらの病気の有効な処置であることが示される可能性がある。
非常に多数の他の疾患および症候群が、低下した神経細胞の代謝と関係している。その病気には、加齢関連性記憶障害(AAMI)、軽度認知障害(MCI)、冠動脈バイパス移植(CABG)痴呆、麻酔に誘導される記憶の喪失、ハンチントン病および多くの他のものが含まれる。代謝への介入(metabolic intervention)がその苦悩に苦しむ人々を助ける可能性があることは明らかである。その療法は現時点ではまだ利用できない。
アセチル−補酵素Aカルボキシラーゼ(ACC)(EC6.4.1.2)は、アセチル−CoAのカルボキシル化を触媒してマロニル−CoAを生成する。
ATP+アセチル−CoA+HCO3− = ADP+ホスフェート+マロニル−CoA
マロニル−CoAを生成することにより、ACCは脂肪酸合成の調節において重要な役割を果たす。マロニル−CoAはカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼIを阻害し、それにより脂肪酸の酸化を妨害する。マロニル−CoAが無い場合、脂肪酸の酸化は調節されずに進み、ケトン体の生成につながる。哺乳類では、ACCの2種類のイソ型;ACC1およびACC2が存在する。ACC1は脂肪生成組織(例えば肝臓、脂肪(adipose)、授乳乳腺および他のもの)で発現している。これらの組織において、ACCにより生成されるマロニル−CoAは脂肪酸合成酵素複合体(FAS)による長鎖脂肪酸の生合成において用いられる。次いで長鎖脂肪酸はトリアシルグリセリド類およびリン脂質類中へ組み込まれることができる。それに対し、ACC2は主として心筋および骨格筋において発現しており、これらの組織においてマロニル−CoAは主に脂肪酸酸化の強力な阻害剤として機能する(総説に関して(Tong 2005)参照)。
ACCの筋における形であるACC2のノックアウトを有するように設計されたマウスは、ACCの阻害が多くの代謝的結果を有することを明らかにした。ACC活性の欠失により、これらの動物はそれらの心筋および骨格筋において大幅に減少したレベルのマロニル−CoAを有する。マロニル−CoAの枯渇の結果として、ACC2−/−マウスはより多くの餌を消費する(過食)にも関わらず持続的な脂肪酸酸化、減少した体脂肪量および体重を示す。それらは、高脂肪/高炭水化物食により誘導される糖尿病および肥満に対して守られてもいる。これらの観察は、ACC2の阻害剤が肥満、糖尿病および一般的なメタボリックシンドロームに対する新規の治療薬である可能性があることを示唆する。加えて、これらのマウスは高炭水化物/高脂肪食を消費しているにも関わらず、より低いインスリンおよびグルコースの、一方で同時に高いケトン体のレベルを示した(Abu−Elheiga, Oh et al. 2003)。
発明者は以前に、中鎖トリグリセリド類(MCT)の経口投与によるケトーシスの誘導はおそらく軽症〜中程度であるアルツハイマー病の対象の認知機能を向上させることを示した(米国特許第6,835,750号;{Reger, 2004 #136}。しかし、この処置は大量のMCTが投与されることを必要とし、いくつかの腸の苦痛(intestinal distress)を引き起こす。MCTの投与と関係する問題を解決する必要がある。
加齢関連性記憶障害(AAMI)、軽度認知障害(MCI)、アルツハイマー病、パーキンソン病、フリードライヒ失調症(FRDA)、GLUT1欠損型てんかん、レプレコーニズムおよびラブソン・メンデンホール症候群、冠動脈バイパス移植(CABG)痴呆、麻酔に誘導される記憶の喪失、ハンチントン病および多くの他のもののような疾患の処置の大きな必要性が残っている。例えば、アルツハイマー病に関して一般に行われている処置はその疾患を遅らせる、または処置するためにほとんど何もできない。
米国特許第6,835,750号
Blass and Zemcov 1984 Reiman, Caselli et al. 1996 Selkoe 1999 Reger, Henderson et al. 2004 Tieu, Perier et al. 2003 Tong 2005 Abu−Elheiga, Oh et al. 2003 Reger, 2004 #136
1態様において、本発明は減少した神経細胞の代謝により引き起こされる認知機能の低下を処置する方法を含み、ここでその処置は、アセチルCoAカルボキシラーゼを阻害することのできる化合物を含む医薬組成物の、それを必要とする患者への、その患者において高ケトン血症を引き起こし結果としてケトン体が脳におけるエネルギーのために利用されるのに十分である量での投与を含む。1態様において、患者におけるD−ベータ−ヒドロキシブチレートのレベルを、約0.1〜50mMまで上昇させる;約0.2〜20mMまで上昇させる;約0.3〜5mMまで上昇させる;約0.5〜2mMまで上昇させる;約1〜10mMまで上昇させる。
本発明の別の態様は、ケトン体濃度を高めることのできる化合物を用いた処置のために患者を選ぶことを含み、それは次の段階を順不同で含む;減少した神経細胞の代謝により引き起こされる認知機能の低下を有する患者を選ぶ;患者のアポリポタンパク質Eの遺伝子型を決定する;およびAPOE4の欠損を有する患者にアセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤を含む医薬組成物を、減少した神経細胞の代謝により引き起こされる認知機能の低下を処置するために有効な量で与える。
本発明の1態様において、認知機能の低下および/または減少した神経細胞の代謝は、加齢関連性記憶障害(AAMI)、軽度認知障害(MCI)、アルツハイマー病、パーキンソン病、フリードライヒ失調症(FRDA)、GLUT1欠損型てんかん、レプレコーニズムおよびラブソン・メンデンホール症候群、冠動脈バイパス移植(CABG)痴呆、麻酔に誘導される記憶の喪失、および/またはハンチントン病により引き起こされる。本発明の別の態様において、患者のアポリポタンパク質Eの遺伝子型はAPOE4(−)である。本発明は、患者が炭水化物の摂取を制限していない食事をとった際に患者において高ケトン血症を引き起こす医薬組成物も含む。
別の態様において、適切なアセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤は次のものの1種類以上であることができる:[(3R)-1-[1-(アントラセン-9-カルボニル)ピペリジン-4-イル]ピペリジン-3-イル]-モルホリン-4-イルメタノン(本明細書では(R)-アントラセン-9-イル(3-(ピペリジン-1-カルボニル)-1,4’-ビピペリジン-1’-イル)メタノンとも呼ばれる) (CP 640186);CP-610432 (S-1’-(アントラセン-9-カルボニル)-N,N-ジエチル-1,4’-ビピペリジン-3-カルボキサミド);CP-610431 (R-1’-(アントラセン-9-カルボニル)-N,N-ジエチル-1,4’-ビピペリジン-3-カルボキサミド);CP-497485 (1’-(アントラセン-9-カルボニル)-N,N-ジエチル-1,4’-ビピペリジン-3-カルボキサミド);フェニルメチル 5-(1-{[(2-{[N-(2,4-ジヒドロキシ-3,3-ジメチルブタニル)-5-(6-アミノオクタヒドロ-9H-プリン-9-イル)-4-(ヒドロキシル-2-[(ホスホノオキシ)テトラヒドロフラン-2-イル] メチル 二水素 ジホスフェート-β-アラニル]アミノ}エチル)チオ]アセチル}-2-オキソヘキサヒドロ-1H-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル)ペンタノエート;5-(テトラデシルオキシ)-2-フラン-カルボン酸(TOFA;3,3-ジメチルヘキサノエート,モノグリセリド(AC-0417-9);MEDICA 16 (β,β,β’,β’-テトラメチルヘキサデカン酸);ESP-55016 (8-ヒドロキシ-2,2,14,14-テトラ-メチルペンタデカンジオチック酸(8-hydroxy-2,2,14,14-tetra-methylpentadecanediotic acid));S2E ((+)-p-[1-p-tert-ブチルフェニル)-2-オキソ-4-ピロリジニル]メトキシ安息香酸)、および1S,2S,3E,5R,6S,11S,14S,15R,16R,17S,18S)-15,17-ジヒドロキシ-5,6,16-トリメトキシ-2,14,18-トリメチル-11-フェニル-12,19-ジオキサビシクロ[13.3.1]ノナデカ-3-エン-13-オン(ソラフェン(Soraphen)A);1’-N-クロロアセトアミド-ビオチン,ベンジルエステル(CABI)。
アセチルCoAカルボキシラーゼの阻害は、代謝低下および/または減少した神経細胞の代謝により引き起こされる認知機能の低下と関係する疾患、例えば加齢関連性記憶障害(AAMI)、軽度認知障害(MCI)、アルツハイマー病、パーキンソン病、フリードライヒ失調症(FRDA)、GLUT1欠損型てんかん、レプレコーニズムおよびラブソン・メンデンホール症候群、冠動脈バイパス移植(CABG)痴呆、麻酔に誘導される記憶の喪失、ハンチントン病および多くの他のものを処置する、予防する、抑制する、または緩和するであろうことは本発明の新規の洞察である。
本発明は、哺乳類に酵素アセチルCoAカルボキシラーゼの阻害剤を投与することにより高ケトン血症を誘導すること、およびそれにより循環ケトン体レベルを上昇させることを記述する。ケトン体、特にβ−ヒドロキシブチレート(βHB)およびアセトアセテートは、大脳の神経細胞の成長および健康において重要な役割を担っている。多くの研究が、成長している哺乳類の新生児の脳のための好ましい基質はケトン体であることを示している。ケトン体が成人の脳により、老人においてさえ、濃度依存のやり方で用いられていることを示す大部分の証拠が存在する。脳においてグルコースを補うケトン体の能力は、脳への低いグルコースの利用可能性の状態を処理するために用いられてきた。Glut−1は構成的なグルコーストランスポーターであり、それはグルコースを中枢神経系(CNS)の中へと輸送する。脳の高いグルコース要求は、GLUT−1遺伝子の2個の機能するコピーが存在することを必要とする。もしGLUT−1の1個のコピーが機能しないと、これは結果としてGLUT−1欠損症候群をもたらす。成長の間に結果としてもたらされる低いグルコースレベルは乳児の発作、発育の遅延および小頭症につながる。ケトンを生成する食物の投与により血清ケトンレベルを上昇させることで、これらの症状の部分的な軽減を得ることができる。
ケトーシスの誘導は低下した神経細胞のグルコース利用と関係する病気を緩和するであろうこと、およびアセチルCoAカルボキシラーゼの阻害剤は患者の代謝状態に関わらずケトーシスを起こすであろうことは、発明者の新規の洞察である。
次のものをそのまま本明細書に援用する:2007年5月14日に出願された優先権出願、米国仮出願第60/917,886号、タイトル”Inhibitors of Acetyl-CoA Carboxylase for Treatment of Hypometabolism,”;2002年5月20日に出願された米国特許第6,835,750号、タイトル”Use of Medium Chain Triglycerides for the Treatment and Prevention of Alzheimer's Disease and Other Diseases Resulting from Reduced Neuronal Metabolism,”;2004年12月22日に出願された米国特許出願第11/021,920号、タイトル”Use of Medium Chain Triglycerides for the Treatment and Prevention of Alzheimer's Disease and Other Diseases Resulting from Reduced Neuronal Metabolism II,”;2006年1月13日に出願された米国特許出願第11/331,673号、タイトル”Use of Medium Chain Triglycerides for the Treatment and Prevention of Alzheimer's Disease and Other Diseases Resulting from Reduced Neuronal Metabolism,”;2006年12月14日に出願された米国特許出願第11/611,114号、タイトル”Compositions and Methods for Improving or Preserving Brain Function,”; 2007年6月29日に出願された米国特許出願第11/771,431号、タイトル”Combinations of Medium Chain Triglycerides and Therapeutic Agents for the Treatment and Prevention of Alzheimer’s Disease and Other Diseases Resulting from Reduced Neuronal Metabolism,”;2005年5月3日に出願された米国特許出願第11/123,706号、タイトル”Method for Reducing Levels of Disease Associated Proteins,”;2006年6月15日に出願された米国特許出願第11/424,429号、タイトル”Method To Reduce Oxidative Damage And Improve Mitochondrial Efficiency,”;および2008年2月26日に出願された米国特許出願第12/064,850号、タイトル”Use of Ketogenic Compounds for Treatment of Age-Associated Memory Impairment,”。
1態様において、本発明は減少した神経細胞の代謝により引き起こされる認知機能の低下を処置する方法を含み、ここでその処置は、アセチルCoAカルボキシラーゼを阻害することのできる化合物を含む医薬組成物の、それを必要とする患者への、その患者において高ケトン血症を引き起こし結果としてケトン体が脳におけるエネルギーのために利用されるのに十分である量での投与を含む。
ACCを阻害することのできる化合物を含む医薬組成物の療法上の有効量は、望まれる抗痴呆作用を起こすために十分ないずれかの量または用量であることができ、病気の重さおよびステージ、患者の大きさおよび状態、さらに当業者にはすぐに分かる他の要素にある程度依存することができる。投薬は1回のみの用量として、または例えば数週間のコースに渡って分けられた数回の用量として与えることができる。
1態様において、医薬組成物は経口投与される。別の態様において、医薬組成物は静脈内に投与される。医薬組成物の経口投与および静脈内医薬組成物溶液の調製は、当業者には周知である。
本発明の医薬組成物の経口および静脈内投与は、結果として高ケトン血症をもたらす。高ケトン血症の結果、ケトン体はグルコースの存在下においてさえもエネルギーに利用される。加えて、高ケトン血症は結果として大脳の血流のかなりの(39%)増加をもたらす。高ケトン血症は、通常のヒトにおいて全身性低血糖と関係する認知機能障害を低減することが報告されている。全身性低血糖は、ADにおいて起こるグルコース代謝の局所的な欠如とは異なる。
この発明はまた、減少した神経細胞の代謝により引き起こされる認知機能の低下の処置または予防のための、アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)を阻害することのできる化合物を含む医薬組成物を含む治療薬を、それを必要とする患者へ、その患者において高ケトン血症を引き起こし結果としてケトン体が脳におけるエネルギーのために利用されるのに十分である量で提供する。好ましい態様において、治療薬は様々な入れ物(container)の中に組み込まれた投薬単位を含む組成物の、投与において都合のよい配合物で提供される。治療薬の投薬は、好ましくは減少した神経細胞の代謝により引き起こされる認知機能の低下で苦しむ患者の認知能力を増大させるのに十分なケトン体濃度をもたらすために有効な量で投与される。例えば、血中ケトン体レベルは約0.1〜50mMまで上昇し、約0.1〜50mMまで上昇し(直接、または尿中排泄による約5mg/dL〜約160mg/dLの範囲での測定のどちらか)、約0.2〜20mMまで上昇し、約0.3〜5mMまで上昇し、約0.5〜2mMまで上昇するが、例えば配合物およびホストに依存して必然的に変動が生じるであろう。アセチルCoAカルボキシラーゼの阻害により誘導されるケトーシスは、当業者に周知のいくつかの方法により検出することができる。
ケトン体の監視のために様々な方法が開発されており、次のものを含む:尿計量棒(urine dipsticks)、実験室での読み取り、および毛細管β−ヒドロキシブチレート(BHB)メーター。尿計量棒はアセトアセテート(ACA)のみを測定し、ケトーシスの間に最も広く行き渡るケトンであるBHBを測定しない。実験室での方法は通常は酵素的発色反応を利用し、BHB、ACAまたは両方のレベルを測定するために用いることができ、その試験は最も正確である。毛細管BHBメーターは全血に対して用いることができ、BHBのみを測定するが、これらのメーターは血液の滴での測定に有用であり、血液を抜く必要が無い。これらの方法のいずれも、本出願において記述されるようなケトーシスを測定するために用いることができる。BHBのACAに対する典型的な比率は約3:1である。当業者によりBHBのレベルおよび総ケトン体濃度の変換がなされてよい。
ACCを阻害することのできる化合物の有効量の投薬量は、当業者には明らかであろう。
都合のよい単位投薬量の入れ物および/または配合物には、数ある中で、錠剤、カプセル、ロゼンジ、トローチ、ハンドキャンディー、栄養バー、栄養ドリンク、定量式スプレー(metered sprays)、クリーム、および坐剤が含まれる。組成物は医薬的に許容できる賦形剤、例えばゼラチン、油、および/または他の医薬的に有効な薬剤(類)と組み合わせてよい。例えば、組成物は、対象化合物と異なる他の治療薬または予防薬と組み合わせる、および/またはそれらとの組み合わせで用いるのが都合がよい可能性がある。多くの場合で、対象組成物と共に投与することでその薬剤の有効性が増進される。例えば、化合物は抗酸化剤、グルコースの利用の効率を増進させる化合物、およびそれらの混合物と共に用いるのが都合がよい可能性がある(例えばGoodman et al. 1996を参照)。
当業者は患者に投与するための適切な投薬量を決定することができる。特に、当分野には、本明細書で参照された化合物の、全部ではないにしろ多くに関して、哺乳類においてACCを阻害するための適切な投薬量に関する手引きが存在する。減少した神経細胞の代謝により引き起こされる認知機能の低下を予防するまたは処置するために有効な、本明細書で教えるそれぞれの化合物の適切な投薬量は、例えば、マウスのような哺乳類に様々なレベルで投与し、投与の後に適切なレベルのD−ベータ−ヒドロキシブチレートを血中に生じた用量を決定することにより決定することができる。そのデータはヒトに外挿することができる。血中のD−ベータ−ヒドロキシブチレートのレベルの適切なレベルは、例えば約0.1〜50mMである(直接、または尿中排泄による約5mg/dL〜約160mg/dLの範囲での測定のどちらか)、より好ましくは約0.2〜20mMまで上昇させる、より好ましくは約0.3〜5mMまで上昇させる、約0.5〜2mMまで上昇させることができる。発明者は、1態様において、例えば、少なくとも約0.2mMのD−ベータ−ヒドロキシブチレートの血中レベルが、減少した神経細胞の代謝により引き起こされる認知機能の低下を処置するのに有効であることを見出した。他の態様において、D−ベータ−ヒドロキシブチレートの、少なくとも約0.1mM、少なくとも約0.2mM、少なくとも約0.25mM、少なくとも約0.3mM、少なくとも約0.35mM、少なくとも約0.4mM、少なくとも約0.45mM、少なくとも約0.5mM、少なくとも約0.55mM、少なくとも約0.6mM、少なくとも約0.7mM、少なくとも約0.8mM、少なくとも約0.9mM、および/または少なくとも約1mMの血中レベルが、減少した神経細胞の代謝により引き起こされる認知機能の低下を処置するのに有効である。
一部の態様において、患者におけるD−ベータ−ヒドロキシブチレートの血中レベルを、約0.1〜50mMまで上昇させる;約0.2〜20mMまで上昇させる;約0.3〜5mMまで上昇させる;約0.5〜2mMまで上昇させる;または約1〜10mMまで上昇させる。
本発明は、医薬的に許容できるキャリヤーと組み合わせた療法上の有効量の本明細書で記述した化合物を含む医薬組成物も提供する。組成物は、1種類以上の毒性の無い医薬的に許容できるキャリヤーと一緒に配合された本発明の化合物を含む。医薬組成物は、経口投与のために固体または液体の形で、非経口の注射のために、または直腸投与のために配合することができる。
本明細書で用いられる用語”療法上許容できるキャリヤー”は、毒性の無い、固体、半固体または液体の、増量剤、希釈剤、封入物質、またはいずれかのタイプの補助となる配合物を意味する。療法上適切な賦形剤の例には、糖類;セルロースおよびその誘導体;油;グリコール類;溶液;緩衝、着色、放出、コーティング、甘味、香味、および芳香剤;および同様のものが含まれる。これらの治療組成物は、非経口で、大槽内に、経口で、直腸に、または腹膜内に投与することができる。
本化合物の経口投与のための液体剤形には、同じものの乳濁液、微乳濁液、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシルが含まれる。化合物に加え、液体剤形は希釈剤および/または可溶化もしくは乳化剤を含むことができる。不活性な希釈剤の他に、経口組成物は湿潤、乳化、甘味、香味、および芳香剤を含むことができる。
本化合物の注射可能な調製品には、無菌の、注射可能な、水性および油性の溶液、懸濁液または乳濁液が含まれ、それらのいずれも場合により非経口の適切な希釈剤、分散、湿潤、または懸濁化剤と一緒に配合することができる。これらの注射可能な調製品は、細菌を保持する(bacterial−retaining)フィルターを通した濾過により滅菌する、または注射可能な媒体中に溶解した、もしくは分散した殺菌剤と一緒に配合することができる。
本発明の化合物によるACCの阻害は、乏しい水溶性を有する結晶質の、または非結晶の物質の液体懸濁液を用いることにより遅延させることができる。化合物の吸収の速度はそれらの溶解速度に依存し、それは今度はそれらの結晶化度に依存する。非経口で投与された化合物の遅延した吸収は、化合物を油の中に溶解する、または懸濁することにより成し遂げることができる。化合物の注射可能なデポー剤形は、同じものの生分解性ポリマー中でのマイクロ封入によっても調製することができる。化合物のポリマーに対する比率および用いるポリマーの性質によって、放出の速度を制御することができる。デポー剤の注射可能な配合物は、化合物を体組織と適合可能なリポソームまたは微乳濁液中に捕らえる(entrapping)ことによっても調製することができる。
本化合物の経口投与のための固体の剤形には、カプセル、錠剤、ピル、粉末、および顆粒が含まれる その形で、化合物は少なくとも1種類の不活性な、療法上適切な賦形剤、例えばキャリヤー、増量剤(filler,extender)、崩壊剤、溶液緩染剤、湿潤剤、吸収剤、または潤滑剤と混合される。カプセル、錠剤、およびピルでは、賦形剤は緩衝剤も含むことができる。直腸投与のための坐剤は、化合物を普通の温度では固体だが直腸内では液体である適切な刺激性の無い賦形剤と混合することにより調製することができる。
本化合物は、上記で論じた1種類以上の賦形剤でマイクロ封入することができる 錠剤、糖衣丸、カプセル、ピル、および顆粒の固体剤形は、腸溶性(enteric)および放出制御のようなコーティングおよび殻(shells)をつけて調製することができる これらの形で、化合物は少なくとも1種類の不活性な希釈剤と混合することができ、場合により錠剤にするための(tableting)潤滑剤および補助物質(aids)を含むことができる。カプセルは場合により、腸管の望まれる部分において化合物の放出を遅延させる不透明化剤(opacifying agents)を含むこともできる。
経皮パッチは、本化合物の体への制御された送達を提供するという追加の利点を有する。その剤形は、化合物を適切な媒体に溶解する、または分散させることにより調製される。吸収増進剤を用いて化合物の皮膚を越えた流入を増大させることもでき、吸収の速度は、速度を制御する膜を与えることにより、または化合物をポリマー母材もしくはゲルの中に分散させることにより制御することができる。
本発明の化合物は、医薬的に許容できる、無機または有機酸に由来する塩類、エステル類、またはアミド類の形で用いることができる。本明細書で用いられる用語”医薬的に許容できる塩類、エステル類、およびアミド類”は、式(I)の化合物の塩類、双性イオン類、エステル類、およびアミド類を含み、それは、健全な医学的判断(sound medical judgment)の範囲内において、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、および同様のもの無しで、ヒトおよび低級動物の組織と接触させて用いるのに適しており、理にかなった便益/リスク比と釣り合っており、それらの意図される用途に有効である、
医薬的に許容できる塩類は、当分野で周知である。塩類は化合物の最後の単離および精製の間に、または別に、化合物のアミノ基を適切な酸と反応させることにより調製することができる。代表的な塩類には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、カンファー酸塩、カンファースルホン酸塩、二グルコン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ギ酸塩、イセチオン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフチレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、グルタミン酸塩、パラ−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、塩酸塩、臭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、および同様のものが含まれる。化合物のアミノ基をアルキル塩化物、臭化物、およびヨウ化物、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ラウリル、ミリストイル、ステアリル、および同様のものを用いて四級化することもできる。本発明は、式(I)の窒素において形成される医薬的に適切な塩類を熟考する。
患者に療法上有効量の本発明の化合物を、望まれる結果を得るために必要な量で、および時間の間投与することにより、患者において疾患を処置または予防できる。用語”療法上有効量”は、あらゆる医学的処置に適用できる理にかなった便益/リスク比で、ACCを阻害することにより疾患を効果的に改善するための、式(I)の化合物の十分な量を指す。あらゆる個別の患者に関する具体的な療法上有効な用量レベルは、次のことを含む様々な要素に依存する:処置される疾患および疾患の重さ;用いる化合物の活性;用いる具体的な組成物;患者の年齢、体重、全身の健康、性別、および食事;投与の時間、投与経路、排出率;処置の期間;および組み合わせまたは同時療法で用いる薬物。
ACCの機能を1回または分けた用量で阻害するために必要な本発明の化合物の合計1日量は、例えば、約0.1から50mg/kg体重までの量である。より好ましい範囲では、本発明の化合物は約1から25mg/kg体重までの1回または分けた用量でACCの機能を阻害する、1回量の組成物はその量、またはその約数の用量の本発明の化合物を含んで、1日量を構成することができる。一般に、処置の養生法(regimen)は、その処置を必要とする患者への一日あたり約1mgから約1000mgまでの化合物の1回または複数回の用量での投与を含む。
1態様において、ACCを阻害することのできる化合物は、減少した神経細胞の代謝により引き起こされる認知機能の低下を処置するおよび/または予防するのに有効である。一部の態様において、認知機能の低下および/または減少した神経細胞の代謝は、アルツハイマー病または軽度認知障害により引き起こされる。他の態様において、認知機能の低下および/または減少した神経細胞の代謝は、加齢関連性記憶障害(AAMI)、軽度認知障害(MCI)、アルツハイマー病、パーキンソン病、フリードライヒ失調症(FRDA)、GLUT1欠損型てんかん、レプレコーニズムおよびラブソン・メンデンホール症候群、冠動脈バイパス移植(CABG)痴呆、麻酔に誘導される記憶の喪失、および/またはハンチントン病のような疾患において減少した神経細胞の代謝により引き起こされる。
1態様において、本発明の医薬組成物のいずれかの使用は、患者が炭水化物の摂取を制限していない食事をとった際に患者において高ケトン血症を引き起こす。高ケトン血症の結果、ケトン体はグルコースの存在下においてさえも脳においてエネルギーに利用される。加えて、高ケトン血症は結果として大脳の血流のかなりの(39%)増加をもたらす。
適切なACC阻害剤については本明細書のどこか他の箇所でより完全に論じるが、典型的なアセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤は1種類以上の次の化合物のいずれかを含むことができる:[(3R)-1-[1-(アントラセン-9-カルボニル)ピペリジン-4-イル]ピペリジン-3-イル]-モルホリン-4-イルメタノン(本明細書では(R)-アントラセン-9-イル(3-(ピペリジン-1-カルボニル)-1,4’-ビピペリジン-1’-イル)メタノンとも呼ばれる) (CP 640186);CP-610432 (S-1’-(アントラセン-9-カルボニル)-N,N-ジエチル-1,4’-ビピペリジン-3-カルボキサミド);CP-610431 (R-1’-(アントラセン-9-カルボニル)-N,N-ジエチル-1,4’-ビピペリジン-3-カルボキサミド);CP-497485 (1’-(アントラセン-9-カルボニル)-N,N-ジエチル-1,4’-ビピペリジン-3-カルボキサミド);フェニルメチル 5-(1-{[(2-{[N-(2,4-ジヒドロキシ-3,3-ジメチルブタニル)-5-(6-アミノオクタヒドロ-9H-プリン-9-イル)-4-(ヒドロキシル-2-[(ホスホノオキシ)テトラヒドロフラン-2-イル]メチル 二水素 ジホスフェート-β-アラニル]アミノ}エチル)チオ]アセチル}-2-オキソヘキサヒドロ-1H-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル)ペンタノエート;5-(テトラデシルオキシ)-2-フラン-カルボン酸(TOFA);3,3-ジメチルヘキサノエート,モノグリセリド(AC-0417-9);MEDICA 16 (β,β,β’,β’-テトラメチルヘキサデカン酸);ESP-55016 (8-ヒドロキシ-2,2,14,14-テトラ-メチルペンタデカンジオチック酸);S2E ((+)-p-[1-p-tert-ブチルフェニル)-2-オキソ-4-ピロリジニル]メトキシ安息香酸);および1S,2S,3E,5R,6S,11S,14S,15R,16R,17S,18S)-15,17-ジヒドロキシ-5,6,16-トリメトキシ-2,14,18-トリメチル-11-フェニル-12,19-ジオキサビシクロ[13.3.1]ノナデカ-3-エン-13-オン(ソラフェンA));1’-N-クロロアセトアミド-ビオチン,ベンジルエステル(CABI)。
当業者はこれらの典型的な化合物のそれぞれに関する適切な投薬量を決定することができる。[(3R)-1-[1-(アントラセン-9-カルボニル)ピペリジン-4-イル]ピペリジン-3-イル]-モルホリン-4-イルメタノン(本明細書では(R)-アントラセン-9-イル(3-(ピペリジン-1-カルボニル)-1,4’-ビピペリジン-1’-イル)メタノンとも呼ばれる) (CP 640186)ならびに関連化合物CP-497485、CP-610431、およびCP-610432に関して、これらの化合物はACCの特異的な阻害剤であり、かなり低い投与量においてACCを阻害するのに有効である。1態様において、これらの阻害剤は約1mg/kg〜約10mg/kgで投与される;別の態様において、これらの阻害剤は約5mg/kg〜約10mg/kgで投与される。当業者は血中に望まれるケトン体レベルを刺激するための正確な投薬量を容易に決定することができる。
フェニルメチル 5-(1-{[(2-{[N-(2,4-ジヒドロキシ-3,3-ジメチルブタニル)-5-(6-アミノオクタヒドロ-9H-プリン-9-イル)-4-(ヒドロキシル-2-[(ホスホノオキシ)テトラヒドロフラン-2-イル]メチル 二水素 ジホスフェート-β-アラニル]アミノ}エチル)チオ]アセチル}-2-オキソヘキサヒドロ-1H-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル)ペンタノエートおよび関連化合物に関して、これらの化合物はCoA隔離剤(sequestration agents)であり、広い範囲の投与量においてACCを阻害するのに有効である。1態様において、これらの阻害剤は約500mg/kg〜約2000mg/kgで投与される;別の態様において、これらの阻害剤は約1000mg/kg〜約2000mg/kgで投与される。当業者は血中に望まれるケトン体レベルを刺激するための正確な投薬量を容易に決定することができる。
5-(テトラデシルオキシ)-2-フラン-カルボン酸(TOFA)および関連化合物に関して、これらの化合物はCoA隔離剤であり、広い範囲の投与量においてACCを阻害するのに有効である。1態様において、これらの阻害剤は約0.5mg/kg〜約1000mg/kgで投与される;別の態様において、約0.5mg/kg〜約5mg/kg;別の態様において、約200mg/kg〜約1000mg/kg。当業者は血中に望まれるケトン体レベルを刺激するための正確な投薬量を容易に決定することができる。
3,3-ジメチルヘキサノエート,モノグリセリド(AC-0417-9)および関連化合物に関して、これらの化合物はCoA隔離剤であり、広い範囲の投与量においてACCを阻害するのに有効である。1態様において、これらの阻害剤は約500mg/kg〜約3000mg/kgで投与される;別の態様において、約1000mg/kg〜約2000mg/kg;別の態様において、約1500mg/kg。当業者は血中に望まれるケトン体レベルを刺激するための正確な投薬量を容易に決定することができる。
MEDICA 16 (β,β,β’,β’-テトラメチルヘキサデカン酸)および関連化合物に関して、これらの化合物はCoA隔離剤であり、広い範囲の投与量においてACCを阻害するのに有効である。1態様において、これらの阻害剤は約500mg/kg〜約3000mg/kgで投与される;別の態様において、約1000mg/kg〜約2000mg/kg;別の態様において、約15000mg/kg。当業者は血中に望まれるケトン体レベルを刺激するための正確な投薬量を容易に決定することができる。
ESP-55016 (8-ヒドロキシ-2,2,14,14-テトラ-メチルペンタデカンジオチック酸)および関連化合物に関して、これらの化合物はCoA隔離剤であり、広い範囲の投与量においてACCを阻害するのに有効である。1態様において、これらの阻害剤は約500mg/kg〜約3000mg/kgで投与される;別の態様において、約1000mg/kg〜約2000mg/kg;別の態様において、約15000mg/kg。当業者は血中に望まれるケトン体レベルを刺激するための正確な投薬量を容易に決定することができる。
S2E ((+)-p-[1-p-tert-ブチルフェニル)-2-オキソ-4-ピロリジニル]メトキシ安息香酸)および関連化合物に関して、これらの化合物はCoA隔離剤であり、広い範囲の投与量においてACCを阻害するのに有効である。1態様において、これらの阻害剤は約500mg/kg〜約3000mg/kgで投与される;別の態様において、約1000mg/kg〜約2000mg/kg;別の態様において、約15000mg/kg。当業者は血中に望まれるケトン体レベルを刺激するための正確な投薬量を容易に決定することができる。
1S,2S,3E,5R,6S,11S,14S,15R,16R,17S,18S)-15,17-ジヒドロキシ-5,6,16-トリメトキシ-2,14,18-トリメチル-11-フェニル-12,19-ジオキサビシクロ[13.3.1]ノナデカ-3-エン-13-オン(ソラフェンA)および関連化合物に関して、これらの化合物はACCの特異的な阻害剤であり、低い範囲の投与量においてACCを阻害するのに有効である。1態様において、これらの阻害剤は約1mg/kg〜約10mg/kgで投与される;別の態様において、これらの阻害剤は約5mg/kg〜約10mg/kgで投与される。当業者は血中に望まれるケトン体レベルを刺激するための正確な投薬量を容易に決定することができる。
別の態様において、本発明は対象化合物を1種類以上のプロドラッグの形で提供し、それは受容者ホスト(recipient host)により代謝的に対象化合物に変換されることができる。本明細書で用いられるプロドラッグは、体内で化学的な転換を経た後薬理学的活性を示す化合物である。そのプロドラッグは、血中ケトン体を減少した神経細胞の代謝により引き起こされる認知機能の低下を処置するのに有用であるレベルまで増大させるのに必要な投薬量で投与されるであろう。多種多様なプロドラッグ配合物が当分野で既知である。例えば、プロドラッグの結合はエステル類もしくは無水物のように加水分解性であり、またはアミド類のように酵素的に生分解性である。
1態様において、本発明は医薬組成物を含むことができ、および/または医薬組成物を提供し、それはACC阻害剤および例えば中鎖トリグリセリド(MCT)のようなケトン体レベルを上昇させることのできる他の化合物の混合物を含む。その医薬組成物の性質は、投与の期間および経路に依存するであろう。その配合物は、約0.05g/kg/日〜10g/kg/日のMCTおよび約0.05mg/kg/日〜10mg/kg/日のカルニチンまたはその誘導体の範囲内であろう。1態様において、MCTの用量は約0.05g/kg/日〜10g/kg/日のMCTの範囲内であろう。別の態様において、用量は約0.25g/kg/日〜5g/kg/日のMCTの範囲内であろう。別の態様において、用量は約0.5g/kg/日〜2g/kg/日のMCTの範囲内であろう。別の態様において、用量は約0.25g/kg/日〜0.5g/kg/日のMCTの範囲内であろう。その量は、標準的な68kgの人を用いてすぐにg/日に変換できる。例えば配合物および/またはホストに依存して必然的に変動が生じるであろう。
1態様において、本発明の医薬組成物は患者および/またはヒトの対象において高ケトン血症を3〜4時間誘導する。別の態様において、化合物は患者および/またはヒトの対象において高ケトン血症を1時間未満;1〜2時間;2〜3時間;4〜5時間;5〜6時間;7〜8時間;9〜10時間;および/または10時間、またはそれより長くの間誘導する。
別の態様において、本発明は医薬組成物を受容者による内因性の脂肪酸代謝を増進させる薬剤と一緒に含む。その治療薬は、アルツハイマー病の発生を処置および予防するのに必要なレベルまで血中ケトン体を増大させる、または増加させるのに必要な投薬量で投与されるであろう。ケトン体は、脂肪酸の酸化により、その酸化が可能である組織において持続的に生産される。脂肪酸酸化に関する主要な器官は肝臓である。通常の生理的条件下では、ケトン体は迅速に利用されて血液から取り除かれる。飢餓または低炭水化物の食事のような一部の条件下では、ケトン体は過剰に生産されて血流中に蓄積する。脂肪酸の酸化を増大させる作用を真似する化合物は、ケトン体濃度を代謝が弱っている神経細胞のために代替エネルギー源を提供できるレベルまで上昇させるであろう。その化合物の有効性は、それらの脂肪酸の利用を増大させる、および血中ケトン体濃度を上昇させる能力に由来するため、それらは本発明の態様に依存する。脂肪酸の酸化を増大させる作用を真似してケトン体濃度を上昇させるであろう化合物には、ケトン体、D−β−ヒドロキシブチレートおよびアセトアセテート、ならびにこれらの代謝上の前駆体が含まれるが、それらに限定されない。本明細書で用いられる用語である代謝上の前駆体は、1,3 ブタンジオール、アセトアセチルまたはD−β−ヒドロキシブチレート部分を含む化合物、例えばアセチル-1-1,3-ブタンジオール、アセトアセチル-D-β-ヒドロキシブチエート(acetoacetyl-D-β-hydroxybutyate)、およびアセトアセチルグリセロールを指す。あらゆるその化合物と一価、二価または三価アルコール類のエステル類も考えられる。代謝上の前駆体にはD−β−ヒドロキシブチレートのポリエステル類、およびD−β−ヒドロキシブチレートのアセトアセテートエステル類も含まれる。D−β−ヒドロキシブチレートのポリエステル類には、ヒトまたは動物がすぐに消化できる、および/または代謝できるように設計されたこのポリマーのオリゴマー類が含まれる。これらは好ましくは2〜100回の繰り返しの長さであり、通常は2〜20回の繰り返しの長さであり、最も好都合なのは3〜10回の繰り返しの長さである。ケトン体前駆体として使用可能であるポリD−β−ヒドロキシブチレートまたは末端が酸化されたポリD−β−ヒドロキシブチレートエステル類の例を下記に示す:
Figure 2010527360
[0001]
化合物1
Figure 2010527360
化合物2、および
Figure 2010527360
化合物3。
それぞれの場合において、nはそのポリマーまたはオリゴマーがヒトまたは動物の体に投与された際にすぐに代謝されて血中で高いケトン体レベルをもたらすように選択される。nの好ましい値は、0〜1,000、より好ましくは0〜200、さらにもっと好ましくは1〜50、最も好ましくは1〜20、特に好都合なのは3から5までの整数である。それぞれの場合において、mは1またはより大きな整数であり、療法または栄養補給における使用のためのそれの1種類以上の陽イオンとの錯体またはそれの塩である。陽イオンおよび通常の生理的な塩類の例は本明細書で記述されており、加えて次のものを含む:ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、それぞれは錯塩を形成する生理的なカウンターイオンにより緩衝されている、L−リシン、L−アルギニン、メチルグルカミン、および当業者に既知の他のもの。その代謝上の前駆体の調製および使用はVeech,WO98/41201およびVeech,WO00/15216で詳しく述べられており、そのそれぞれをそのまま本明細書に援用する。
別の態様において、本発明は療法用の化合物または化合物の混合物を提供し、その組成および投薬量は患者の遺伝子型に、特にアポリポタンパク質(apoliproprotein)E遺伝子の対立遺伝子に影響される。他の場合で(Elswhere)、発明者はE4ではない保因者は高いケトン体レベルが誘導された際にE4対立遺伝子を有する保因者よりもよい結果を出した(performed better)ことを開示する。また、E4対立遺伝子を有する保因者はより高い空腹時のケトン体レベルを有し、そのレベルは2時間の間隔において上昇し続けた。従って、E4保因者は、より高いケトンレベルまたは存在するケトン体を用いる能力を増大させる薬剤を必要とする可能性がある。
従って、1態様において、本発明はケトン体濃度を高めることのできる化合物を用いた処置のために患者を選ぶ方法を含み、それは次のことを含む:a)減少した神経細胞の代謝により引き起こされる認知機能の低下を有する患者を選ぶ;b)患者のアポリポタンパク質E遺伝子の遺伝子型を決定する;および
c)アセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤を含む医薬組成物を、APOE4欠損を有する患者に、減少した神経細胞の代謝により引き起こされる認知機能の低下を処置するのに有効である量で提供する。
減少した神経細胞の代謝により引き起こされる認知機能の低下を処置するおよび、または予防する方法は、本発明の医薬組成物を、その人のアポリポタンパク質E遺伝子型がAPOE4(−)を含む患者に投与することも含む。
適切なACC阻害剤は、例えば植物のACC、原核生物のACC、または真核生物のACCのようなあらゆるACC阻害剤への特異性を有する当分野で既知のあらゆるACC阻害剤を含むことができる。当分野(the rt)で既知のいくつかの典型的なACC阻害剤を本明細書で記述する。これらの化合物およびこれらの化合物のプロドラッグのそれぞれは、本発明と共に用いることができる。典型的なアセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤は、1種類以上の下記の化合物のいずれかを含むことができる(これらの化合物のそれぞれの短い記述を次に続ける):
1態様において、適切なACC阻害剤は、減少した神経細胞の代謝により引き起こされる認知機能の低下を処置するまたは予防するためのあるクラスの化合物のうち1種類以上であり、式Iに記述するような化合物である。式Iの化合物は、循環するケトン体を高めること、および神経細胞の代謝低下と関係する疾患の処置、予防、抑制または緩和に有効である。式Iは米国特許第6,979,741号で記述されている。米国特許第6,979,741号で記述されている属式Iおよび全ての種、さらに同じものの生成の全ての方法の記述を、特に本明細書に援用する。加えて、米国特許第6,979,741号の開示全体をそのまま本明細書に援用する。要するに、式Iの化合物は次のように記述される:
Figure 2010527360
そのプロドラッグ、またはその化合物もしくはそのプロドラッグの医薬的に許容できる塩類;
ここでA-BはN--CHまたはCH--Nであり;
Kは(CH2)rであり、ここでrは2,3または4であり;
A-BがN--CHである場合はmおよびnはそれぞれ独立して1, 2または3であり、A-BがCH--Nである場合はmおよびnはそれぞれ独立して2または3であり;
点線は任意の二重結合の存在を表し;
Dはカルボニルまたはスルホニルであり;
Eは次のどれかであり:
a.)2個の融合した完全に不飽和の5〜7員環からなる二環式環、それらは独立して選ばれ、その環のそれぞれは場合により酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、または
b.)2個の融合した完全に不飽和の5〜7員環からなる三環式環、それらは独立して選ばれ、その環のそれぞれは場合により酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有し、その2個の融合した環は第3の部分的に飽和した、完全に不飽和の、もしくは完全に飽和した5〜7員環と融合しており、その第3の環は場合により酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、または
c.)2個の融合した完全に不飽和の5〜7員環からなる二環式環を含む四環式環、それらは独立して選ばれ、その環のそれぞれは場合により酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有し、その二環式環は独立して選ばれた2個の完全に飽和した、部分的に飽和した、もしくは完全に不飽和の5〜7員単環式環と融合しており、その環のそれぞれは場合により酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有し、もしくはその二環式環は2個の完全に飽和した、部分的に飽和した、もしくは完全に不飽和の5〜7員環からなる第2の二環式環と融合しており、それらは独立して選ばれ、その環のそれぞれは場合により酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、または
d.)完全に不飽和の5〜7員環を含むターアリール環(teraryl ring)、その環は場合により酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有し、その環は完全に不飽和の5〜7員環で独立して二置換されてターアリール非融合環系を形成しており、その置換基環のそれぞれは場合により酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有し、
ここでそのEの二、三もしくは四環式環またはターアリール環は場合により、二、三もしくは四環式環またはターアリール環を形成するのに用いられるそれぞれの環上で独立して次のもので一、二または三置換されており:ハロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、オキソ、カルボキシ、(C1 -C6)アルキル、(C2 -C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、(C1 -C6)アルコキシ、(C1 -C4)アルキルチオ、(C1-C6)アルコキシカルボニル、(C1 -C6)アルキルカルボニル、(C1-C6)アルキルカルボニルアミノ、またはモノ-N-もしくはジ-N,N-(C1 -C6)アルキルアミノ、モノ-N-もしくはジ-N,N-(C1-C6)アルキルアミノカルボニル、ここでその(C1 -C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシおよび(C1 -C4)アルキルチオ置換基も、場合により独立してクロロ、ブロモ、ヒドロキシ、(C1-C6)アルコキシ、アミノ、モノ-N-もしくはジ-N,N-(C1 -C6)アルキルアミノもしくは1〜9個のフッ素で一、二または三置換されており;ならびに
ここでそのEの二、三もしくは四環式環またはターアリール環は場合により部分的に飽和した、完全に飽和した、または完全に不飽和の3〜8員環R10で一置換されており、これは場合により酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子もしくは二環式環R11を有し、これは2個の融合した部分的に飽和した、完全に飽和した、もしくは完全に不飽和の3〜8員環からなり、それらは独立して選ばれ、その環のそれぞれは場合により酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有し、そのR10およびR11の環は場合により追加で橋かけされており(bridged)、およびそのR10およびR11の環は場合により完全に飽和した、部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の1〜4員の直鎖または分岐炭素鎖を通してつながっており、ここでそのEの二環式環が少なくとも1個の置換基を有しておりEの二環式環のDに結合している原子が炭素であるならば、炭素(carbon(s))は場合により酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1もしくは2個のヘテロ原子で置き換えられていてよく;
ここでそのR10またはR11の環は場合により次のもので独立して一、二または三置換されており:ハロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、オキソ、カルボキシ、(C1-C6)アルキル、(C2 -C6)アルケニル、(C2 -C6)アルキニル、(C1-C6)アルコキシ、(C1 -C4)アルキルチオ、(C1 -C6)アルコキシカルボニル、(C1-C6)アルキルカルボニル、(C1 -C6)アルキルカルボニルアミノ、またはモノ-N-もしくはジ-N,N-(C 1 -C6)アルキルアミノまたはモノ-N-もしくはジ-N,N-(C1 -C6)アルキルアミノカルボニル、ここでその(C1-C6)アルキルおよび(C1 -C6)アルコキシ置換基も、場合により独立してハロ、ヒドロキシ、(C1-C6)アルコキシ、アミノ、モノ-N-もしくはジ-N,N-(C1 -C6)アルキルアミノもしくは1〜9個のフッ素で一、二または三置換されており;
Gはカルボニル、スルホニルまたはCR7R8であり;
ここでR7およびR8はそれぞれ独立してH、(C1-C6)アルキル、(C2 -C6)アルケニルまたは(C2 -C6)アルキニルまたは場合により酸素、硫黄および窒素から選択される1個のヘテロ原子を有する5〜7員の部分的に飽和した、完全に飽和した、もしくは完全に不飽和の環であり;
JはOR1、NR2R3またはCR4 R5 R6であり;
ここでR1、R2およびR3はそれぞれ独立してH、Q、または(C1-C10)アルキル、(C3 -C10)アルケニルまたは(C3 -C10)アルキニル置換基であり、ここでその炭素(carbon(s))は場合により酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1もしくは2個のヘテロ原子で置き換えられていてよく、ここでその硫黄は場合によりオキソで一または二置換されており、その炭素(carbon(s))は場合によりオキソで一置換されており、その窒素は場合によりオキソで二置換されており、その炭素(carbon(s))は場合によりハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、(C1-C4)アルキルチオ、(C1 -C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-もしくはジ-N,N-(C 1 -C6)アルキルアミノまたはモノ-N-もしくはジ-N,N-(C1 -C6)アルキルアミノカルボニルで独立して一、二または三置換されており;
その鎖は場合によりQ1で一置換されており;
ここでQおよびQ1はそれぞれ独立して、場合により酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する部分的に飽和した、完全に飽和した、もしくは完全に不飽和の3〜8員環、または2個の融合したもしくはスピロ環式の部分的に飽和した、完全に飽和した、もしくは完全に不飽和の3〜6員環からなる二環式環であり、それらは独立して選ばれ、その二環式環は場合により酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有し、その単または二環式環は場合により追加で(C1-C3)アルキレンで橋かけされており、ここでその(C1 -C3)アルキレンの炭素は場合により酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子で置き換えられており;
ここでそのQおよびQ1環は、それぞれ独立して場合により次のもので独立して一、二、三または四置換されており:ハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1-C6)アルキル、(C2 -C6)アルケニル、(C2 -C6)アルキニル、(C1-C6)アルコキシ、(C1 -C4)アルキルチオ、(C1 -C6)アルキルカルボニル、(C1-C6)アルキルカルボニルアミノ、(C1 -C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-もしくはジ-N,N-(C1-C6)アルキルアミノ、モノ-N-もしくはジ-N,N-(C1 -C6)アルキルアミノスルホニル、モノ-N-もしくはジ-N,N-(C1-C6)アルキルアミノカルボニル、ここでその(C1 -C6)アルキル置換基は、場合により独立してハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1-C6)アルコキシ、(C1 -C4)アルキルチオ、(C1 -C6)アルキルオキシカルボニルまたはモノ-N-もしくはジ-N,N-(C1-C6)アルキルアミノで一、二または三置換されており、ここでその(C1 -C6)アルキル置換基は、場合により1〜9個のフッ素でも置換されており;
またはここでR2およびR3はそれらが結合している窒素原子とまとめられて場合により酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1〜3個の追加のヘテロ原子を有する部分的に飽和した、完全に飽和した、もしくは完全に不飽和の3〜8員環、または2個の融合した、橋かけされたもしくはスピロ環式の部分的に飽和した、完全に飽和した、もしくは完全に不飽和の3〜6員環からなる二環式環(それらは独立して選ばれ、その二環式環は場合により酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1〜3個の追加のヘテロ原子を有する)、または3個の融合した、橋かけされたもしくはスピロ環式の部分的に飽和した、完全に飽和した、もしくは完全に不飽和の3〜6員環からなる三環式環(それらは独立して選ばれ、その三環式環は場合により酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1〜3個の追加のヘテロ原子を有する)を形成することができ;
ここでそのNR2R3環は場合により次のもので独立して一、二、三または四置換されており:R15、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1-C6)アルキル、(C2 -C6)アルケニル、(C2 -C6)アルキニル、(C1-C6)アルコキシ、(C1 -C4)アルキルチオ、(C1 -C6)アルキルカルボニルアミノまたはモノ-N-もしくはジ-N,N-(C1-C6)アルキルアミノ、ここでその(C1-C6)アルキル置換基は、場合により独立してハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1-C6)アルコキシ、(C1 -C4)アルキルチオ、(C1 -C6)アルキルオキシカルボニル、モノ-N-もしくはジ-N,N-(C1-C6)アルキルアミノで一、二または三置換されており、その(C1 -C6)アルキル置換基は、場合により1〜9個のフッ素でも置換されており;
ここでR15はH、(C1-C6)アルキル、(C1 -C6)アルキルオキシ、(C1 -C6)アルキルオキシカルボニル、(C1-C6)アルキルオキシカルボニル(C1 -C6)アルキル、モノ-N-もしくはジ-N,N-(C1-C6)アルキルアミノで置換されたカルボニル、カルバモイル、スルホニルもしくはスルファモイルであり、ここでその(C1-C6)アルキル置換基は場合によりハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1 -C6)アルコキシ、(C1-C4)アルキルチオ、(C1 -C6)アルキルオキシカルボニル、(C1-C6)アルキルカルボニルオキシ、モノ-N-もしくはジ-N,N-(C1 -C6)アルキルアミノで独立して一、二もしくは三置換されており、またはR15のカルボニル、カルバモイル、スルホニルもしくはスルファモイルとつながった置換基は部分的に飽和した、完全に飽和した、もしくは完全に不飽和の3〜8員環であり、これは場合により(C1-C6)アルキルを通してつながっており、場合により酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1〜3個の追加のヘテロ原子を有し、ここでその環は場合によりハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C1-C6) アルキル、(C2 -C6)アルケニル、(C2 -C6)アルキニル、(C1-C4)アルキルチオ、(C1 -C6)アルコキシ、(C1 -C6)アルキルカルボニルアミノ、モノ-N-もしくはジ-N,N-(C1-C6)アルキルアミノで一、二または三置換されており;
ここでそのNR2R3環は、場合により酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する部分的に飽和した、完全に飽和した、もしくは完全に不飽和の3〜8員環、または2個の融合した部分的に飽和した、完全に飽和した、もしくは完全に不飽和の3〜6員環からなる二環式環(それらは独立して選ばれ、その二環式環は場合により酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する)で場合により置換されており、その単または二環式環は場合により追加で橋かけされており、その環は場合により酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有し、ここでその(C1-C6)アルキルおよびその環は場合によりハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C2 -C6)アルケニル、(C3-C6)アルキニル、(C1 -C8)アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシ、(C1-C6)アルコキシ、(C1 -C4)アルキルチオ、(C1 -C6)アルコキシ、モノ-N-もしくはジ-N,N-(C1-C6)アルキルアミノで一、二もしくは三置換されており;
ここでR4、R5およびR6は独立してH、ハロ、ヒドロキシ、(C1-C6)アルキルであり、またはR4およびR5はまとめられて部分的に飽和した、完全に飽和した、もしくは完全に不飽和の3〜8員環を形成しており、その環は場合により酸素、硫黄および窒素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有し、ここでその(C1-C6)アルキルおよびその環は場合によりハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、オキソ、カルボキシ、(C2 -C6)アルケニル、(C3-C6)アルキニル、(C1 -C8)アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシ、(C1-C6)アルコキシ、(C1 -C4)アルキルチオ、(C1 -C6)アルコキシ、モノ-N-もしくはジ-N,N-(C1-C6)アルキルアミノで一、二または三置換されており、
ただし、1’-(アントラセン-9-カルボニル)-[1,4’]ビピペリジニル-3-カルボン酸 ジエチルアミド;1’-(1-オキサ-2,3-ジアザ-シクロペンタ[a]ナフタレン-5-スルホニル)-[1,4’]ビピペリジニル-3カルボン酸 ジエチルアミド;1’-(5-ジメチルアミノ-ナフタレン-1-スルホニル)-[1,4’]ビピペリジニル-3-カルボン酸 ジエチルアミド;1’(9,10,10-トリオキソ-9,10-ジヒドロ-チオキサンテン-3-カルボニル)-]1-4’]ビピペリジニル-3-カルボン酸 ジエチルアミド;および1’-(2-オキソ-2H-クロメン-3-カルボニル)-[1-4’]ビピペリジニル-3-カルボン酸 ジエチルアミドは含まれないという条件が付く。
米国特許第6,979,741号で記述された全ての種に加え、この属の中には置換されたビピペリジルカルボキサミド類が含まれる。式Iに従う化合物の好ましいグループは、次の化合物である:(3R)-アントラセン-9-イル-[3-(モルホリン-4-カルボニル)-[1,4’]ビピペリジニル-1’-イル]-メタノン;(3R)-1’-(アントラセン-9-カルボニル)-[1,4’]ビピペリジニル-3-カルボン酸 ジイソプロピルアミド;(3R)-1’-(アントラセン-9-カルボニル)-[1,4’]ビピペリジニル-3-カルボン酸 (2,2,2-トリフルオロ-エチル)-アミド;(3R)-[7-クロロ-2-(4-クロロ-フェニル)-6-メチル-キノリン-4-イル]-[3-(モルホリン-4-カルボニル)-[1,4’]ビピペリジニル-1’-イル]-メタノン;(3R)-1’-(アントラセン-9-カルボニル)-[1,4’]ビピペリジニル-3-カルボン酸 シクロヘキシル-イソプロピル-アミド;(3R)-1’-(アントラセン-9-カルボニル)-[1,4’]ビピペリジニル-3-カルボン酸 シクロヘキシル-エチル-アミド;(3R)-アントラセン-9-イル-[3-(6-フルオロ-2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボニル)-[1,4’]ビピペリジニル-1’-イル]-メタノン;(3R)-1’-(アントラセン-9-カルボニル)-[1,4’]ビピペリジニル-3-カルボン酸 シクロブチルアミド;(3R)-(2,6-ジフェニル-ピリジン-4-イル)-[3-(モルホリン-4-カルボニル)-[1,4’]ビピペリジニル-1’-イル]-メタノン;(3R)-4-[1’-(アントラセン-9-カルボニル)-[1,4’]ビピペリジニル-3-カルボニル]-ピペラジン-1-カルボン酸 ジメチルアミド;(シス-)(1’S,3’R)-アントラセン-9-イル-{4-[3-(モルホリン-4-カルボニル)-シクロヘキシル]-ピペラジン-1-イル}-メタノン;(3R)-[1’-(2,6-ジフェニル-ピリジンe-4-カルボニル)-[1,4’]ビピペリジニル-3-イル]-(2-オキサ-5-アザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-イル)-メタノン;(3R)-アントラセン-9-イル-[3-(メソ-3,5-ジメチル-モルホリン-4-カルボニル)-[1,4’]ビピペリジニル-1’-イル]-メタノン;(3R)-アントラセン-9-イル-[3-(3R,5R-ジメチル-モルホリン-4-カルボニル)-[1,4’]ビピペリジニル-1’-イル]-メタノン;アントラセン-9-イル-[3-(モルホリン-4-スルホニル)-[1,4’]ビピペリジニル-1’-イル]-メタノン (3R)-アントラセン-9-イル-[3-(3S,5S-ジメチル-モルホリン-4-カルボニル)-[1,4’]ビピペリジニル-1’-イル]-メタノン;(3R)-アントラセン-9-イル-{3-[3-(モルホリン-4-カルボニル)-ピペリジン-1-イル]-アゼチジン-1-イル}-メタノン;またはその化合物の医薬的に許容できる塩類。1態様において、本発明は式IIに示される化合物、
Figure 2010527360
式II
典型的な化合物[(3R)-1-[1-(アントラセン-9-カルボニル)ピペリジン-4-イル]ピペリジン-3-イル]-モルホリン-4-イルメタノン(本明細書では(R)-アントラセン-9-イル(3-(ピペリジン-1-カルボニル)-1,4’-ビピペリジン-1’-イル)メタノンとも呼ばれる) (CP-640186)を含む。CP-640186およびこのクラスの多くの他の化合物は、CT(カルボキシルトランスフェラーゼ)反応の強力で可逆的な、イソ酵素非選択的阻害剤であり、カルボキシビオチン部分への結合部位の付近の領域の酵素活性中心の内部で相互作用する。本発明における使用に適したこのクラスの他の典型的な化合物には、次に示すCP-497485、CP-610431、および/またはCP-610432が含まれる;(CP-610432 (S-1’-(アントラセン-9-カルボニル)-N,N-ジエチル-1,4’-ビピペリジン-3-カルボキサミド);CP-610431 (R-1’-(アントラセン-9-カルボニル)-N,N-ジエチル-1,4’-ビピペリジン-3-カルボキサミド);CP-497485 (1’-(アントラセン-9-カルボニル)-N,N-ジエチル-1,4’-ビピペリジン-3-カルボキサミド))。
Figure 2010527360
1態様において、適切なACC阻害剤は、減少した神経細胞の代謝により引き起こされる認知機能の低下を処置または予防するためのあるクラスの化合物のうち1種類以上であり、それは例えばCoAのチオールおよびビオチンの1’−Nの間のアシルの橋を介してビオチンをCoAにつなぐことにより製造される二基質類似体CT阻害剤ならびにいくつかのシリーズのアシルスルホンアミド類を含む。このタイプの典型的な化合物には、1’-N-クロロアセトアミド-ビオチン,ベンジルエステル(CABI);フェニルメチル 5-(1-{[(2-{[N-(2,4-ジヒドロキシ-3,3-ジメチルブタニル)-5-(6-アミノオクタヒドロ-9H-プリン-9-イル)-4-(ヒドロキシル-2-[(ホスホノオキシ)テトラヒドロフラン-2-イル]メチル 二水素 ジホスフェート-β-アラニル]アミノ}エチル)チオ]アセチル}-2-オキソヘキサヒドロ-1H-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル)ペンタノエートが含まれる。化合物III(さらに化合物IV、下記)は、本明細書にそのまま援用する米国特許第6485941号において記述されており、化合物IIIおよびIVならびに製造の方法に関してもそれを援用する。
Figure 2010527360
化合物III
このタイプの別の典型的な化合物には化合物IVが含まれる;下記参照。
Figure 2010527360
化合物IV.
1態様において、適切なACC阻害剤は、減少した神経細胞の代謝により引き起こされる認知機能の低下を処置または予防するためのあるクラスの化合物のうち1種類以上であり、式Vの化合物を含む。式Vは本明細書にそのまま援用する米国特許公開第2006/0178400号において記述されている。米国特許公開第2006/0178400号を、属式Vおよびその明細書で記述される全ての種、さらにその明細書で記述される全ての製造の方法に関しても援用する。下記に示し、式Vの化合物を含む:
Figure 2010527360
化合物V
そのプロドラッグ、またはその化合物のもしくはそのプロドラッグの医薬的に許容できる塩類;ここで
Aはアルケニル、アルコキシアルキル、アルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロ環、およびヘテロ環アルキルからなるグループから選択され;
Bはアリール環およびヘテロアリール環からなるグループから選択され;
Dはアリール環およびヘテロアリール環からなるグループから選択され;
L1は存在しない、またはヒドロキシアルキレン、--C(RaRb)--、--C(O)--、--C(O)O--、--C(O)NH--、--NRc--、--NRcCH2--、--NRcC(O)--、--NRcC(O)--O--、--NH--N.dbd.CH--、--NRcS(O)2--、--O--、--OC(O)NH--、--OC(O)--、--O--N.dbd.CH--、--S--、--S(O)2--、--S(O)2NH--からなるグループから選択され;
L2は--C(RdRe)--、--(CH2)n--、--NH--、--O--、および--S--からなるグループから選択され;
nは1、2または3であり;
Zはアルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、Rg--O--およびRj--NH--からなるグループから選択されるメンバーであり;
R1は水素、C1-6ハロアルキルまたはC1-6アルキルであり;RaおよびRbはそれぞれ独立して水素、アルキル、ハロアルキルおよびヒドロキシからなるグループから選択され、またはRaおよびRbはそれらが結合している原子と一緒にRfN.dbd.を形成しており;
Rcは水素、アルキル、アリール、ハロアルキル、およびヘテロアリールからなるグループから選択され;
Rdはアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシおよびハロからなるグループから選択され;
Reは水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシおよびハロからなるグループから選択され、またはRdおよびReはそれらが結合している原子と一緒にオキソを形成しており;
Rfはアルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシおよびヒドロキシからなるグループから選択され;
RgはH2N--C(O)--またはC1-6アルキルHN--C--(O)--であり;ならびに
Rjはアルキルカルボニル、アルキル-NH--C(O)--、アルコキシアルキル、アルコキシアルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニル-NH-アルキル-NHC(O)--、アルコキシ-NH--C(O)--、シアノアルキルカルボニル、ヒドロキシ、HONH--C(O)--、H2NC(O)--、H2NC(.dbd.NH)--、H2NC(O)アルキル-NHC(O)--、H2N--O--C(O)--、ヘテロアリール、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロ環、およびヘテロ環カルボニルからなるグループから選択されるメンバーである。
式Vの典型的な化合物には、N-{3-[2-(4-アルコキシフェノキシ)チアゾール-5-イル]-1-メチルプロパ-2-イニル}カルボキシ誘導体、特に4-(チアゾール-5-イル)ブタ-3-イン-2-アミノモチーフを含むものが含まれる。
1態様において、適切なACC阻害剤は、減少した神経細胞の代謝により引き起こされる認知機能の低下を処置または予防するためのあるクラスの化合物のうち1種類以上であり、親油性脂肪酸ミメティックス(mimetics)を含む。このクラスによる阻害剤作用は、ある場合において、それらのCoAチオエステル類へのそれらの細胞内での変換に依存する。このクラスの化合物は、ACCの活性を、その酵素のCT反応においてアセチルCoAと競合することにより阻害している可能性がある。このクラスの典型的な化合物は、循環するケトン体を高めることおよび代謝低下と関係する疾患の処置、予防、抑制または緩和のための5-(テトラデシルオキシ)-2-フラン-カルボン酸(TOFA)を含み、そのプロドラッグ、またはその化合物のもしくはそのプロドラッグの医薬的に許容できる塩類を含む。
Figure 2010527360
[5-(テトラデシルオキシ)-2-フラン-カルボン酸]
このクラスの他の化合物には、アリールオキシフェノキシプロピオネートおよびシクロヘキサンジオン除草剤、例えばハロキシホップ(haloxyfop)およびセトキシジム(sethoxydim);MEDICA 16 (β,β,β’,β’-テトラメチルヘキサデカン酸)、ESP-55016 (8-ヒドロキシ-2,2,14,14-テトラ-メチルペンタデカンジオチック酸)、およびS2E ((+)-p-[1-p-tert-ブチルフェニル)-2-オキソ-4-ピロリジニル]メトキシ安息香酸)が含まれる。
Figure 2010527360
ハロキシホップ。
Figure 2010527360
セトキシジム。
MEDICA 16 (β,β,β’,β’-テトラメチルヘキサデカン酸)、
Figure 2010527360
ESP-55016 (8-ヒドロキシ-2,2,14,14-テトラ-メチルペンタデカンジオチック酸)、およびS2E ((+)-p-[1-p-tert-ブチルフェニル)-2-オキソ-4-ピロリジニル]メトキシ安息香酸)。
このクラスの別の化合物は、次の式のAC-0417-9 (3,3-ジメチルヘキサノエート、モノグリセリド)であり:
Figure 2010527360
ここでnは1〜50個の炭素である。この化合物はマウスに経口投与した場合血清ケトンレベルの上昇をもたらす(実施例参照)。
1態様において、適切なACC阻害剤は、減少した神経細胞の代謝により引き起こされる認知機能の低下を処置または予防するためのあるクラスの化合物のうち1種類以上であり、それは例えばソラフェンAおよび誘導体のようなポリケチド系の天然生成物の殺真菌剤として知られるクラスのACC阻害剤を含む。これらの化合物は、酵素とアロステリック部位において相互作用してビオチンカルボキシラーゼ(BC)ドメインの二量体化/オリゴマー化を妨げることにより活性を阻害している可能性がある。別の好ましい態様は、米国特許出願公開第2003/0144345号に記述されているようなソラフェンAおよびソラフェン誘導体の使用であり、それをそのまま本明細書に援用する;特にソラフェンAおよび誘導体の記述および製造に関しても、そのプロドラッグまたはその化合物のもしくはそのプロドラッグの医薬的に許容できる塩類を含め、この出願を援用する。ソラフェンA((1S,2S,3E,5R,6S,11S,14S,15R,16R,17S,18S)-15,17-ジヒドロキシ-5,6,16-トリメトキシ-2,14,18-トリメチル-11-フェニル-12,19-ジオキサビシクロ[13.3.1]ノナデカ-3-エン-13-オン)は、次の式を有する:
Figure 2010527360
本発明は、式(I)のソラフェン誘導体の使用を含み、
Figure 2010527360
ここで
R 1は水素またはヒドロキシであり、
R 2は水素または低級アルキルであり、
R 3は水素または低級アルキルであり、
1態様において、式IはソラフェンA1αであり、それは次の式の化合物:
Figure 2010527360
およびその医薬的に許容できるエステル類である。
別の態様にはソラフェンA4−αが含まれ、それは上記の式(I)の化合物であり、ここでR 1、R 2およびR 3は水素である。本発明の別の態様は次の式の化合物:
Figure 2010527360
およびその医薬的に許容できるエステル類である。
別の化合物はソラフェンB2−αであり、それは次の式の化合物:
Figure 2010527360
およびその医薬的に許容できるエステル類である。
1態様において、適切なACC阻害剤は、減少した神経細胞の代謝により引き起こされる認知機能の低下を処置または予防するためのあるクラスの化合物のうち1種類以上であり、それは、循環するケトン体を高めること、および代謝低下と関係する疾患の処置、予防、抑制または緩和のために、アセチルCoAカルボキシラーゼの遺伝子発現を、発現を低下させることを含めて調節するための、短鎖干渉核酸(short interfering nucleic acid)(siNA)分子として知られるクラスのACC阻害剤(例えば、米国特許出願第2005/0124568号に記述されており、それをそのまま本明細書に援用し、特に、同じものの全ての配列を含め、その明細書で開示されている短鎖干渉核酸(siNA)、短鎖干渉RNA(siRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、マイクロRNA(miRNA)、および短鎖ヘアピンRNA(shRNA)分子の全ての種に関してもそれを援用する)を含む。RNA干渉は、動物における短鎖干渉RNA(siRNAs)に仲介される配列特異的転写後遺伝子サイレンシングの過程を指す。1態様において、本発明は、アセチルCoAカルボキシラーゼ遺伝子を下方制御するための方法であって、本明細書の別の箇所で記述されるような減少した神経細胞の代謝と関係する認知機能の低下の処置または予防のために短鎖干渉核酸(siNA)分子を用いる方法を含む。小さい核酸分子を用いるRNA干渉(RNAi)によりアセチルCoAカルボキシラーゼの遺伝子の発現および/または活性の経路に関わる他の遺伝子の発現および活性を調節するために有用な化合物、組成物、および方法も含まれる。特に、本発明は小さい核酸分子、例えば短鎖干渉核酸(siNA)、短鎖干渉RNA(siRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、マイクロRNA(miRNA)、および短鎖ヘアピンRNA(shRNA)分子ならびにアセチルCoAカルボキシラーゼ遺伝子、例えばアセチルCoAカルボキシラーゼ1および/またはアセチルCoAカルボキシラーゼ2の発現を調節するために用いられる方法を大きく取り上げる。
1態様において、適切なACC阻害剤は、減少した神経細胞の代謝により引き起こされる認知機能の低下を処置または予防するためのあるクラスの化合物のうち1種類以上であり、それは米国特許出願公開第2007/0225332号において記述されている、神経細胞の代謝低下と関係する疾患の処置および予防のための化合物を含む。米国特許出願公開第2007/0225332号をそのまま本明細書に援用し、特に下に示す属、全ての種、さらに同じものを製造する方法の記述を援用する。
本発明は式VIの化合物、
Figure 2010527360
式VI.
または医薬的に許容できる塩、プロドラッグ、プロドラッグの塩、またはそれらの組み合わせに向けられており、ここで
R 1は水素、シクロアルキル、アルキルおよびハロアルキルからなるグループから選択され;
Yは-(CR4a R 4b ) m -、-C(O)-、-O-、-N(H)-、-N(アルキル)-および-S-からなるグループから選択され;ここで
mは1、2または3であり;
mが1、2または3である場合、R4a 、R 4bのそれぞれは、それぞれの場合において、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、およびハロアルキルからなるグループから独立して選択され;
あるいは、mが1である場合、R4a およびR 4bは、それらが結合している炭素と一緒に単環式シクロアルキルまたはヘテロ環式環を形成しており;
Ar 3はフェニルまたは単環式ヘテロアリールであり;ここでAr 3は次のものからなるグループから独立して選択される1、2または3または4個の置換基で置換されている:アルキル、アルケニル、-CN、-NO2 、ハロゲン、-OR 5 、-O-N=CH(R 2 )、-OC(O)R 2 、-OC(O)N(R3 )(R 5 )、-OC(O)OR 2 、-OS(O) 2 R 5、-SR 2 、-S(O)R 2 、-S(O) 2 R 5 、-S(O)2OR 5 、-S(O) 2 N(R 3 )(R 5 )、-C(O)R5 、-C(O)N(R 3 )(R 5 )、-C(O)OR 5 、-C(O)N(R3 )(R 5 )、-N(R 3 )(R 5 )、-N(H)-N=CH(R2 )、-N(R 3 )C(O)R 2 、-N(R 3 )C(O)OR5 、-N(R 3 )S(O) 2 R 5 、-N(R 3)C(O)N(R 3 )(R 5 )、-N(R 3 )S(O) 2N(R 3 )(R 5 )、-R 8 、ハロアルキル、シアノアルキル、ニトロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ハロアルコキシアルキル、-アルキレニル-OC(O)R2、-アルキレニル-OC(O)N(R 3 )(R 5 )、-アルキレニル-OC(O)OR 2、-アルキレニル-OS(O) 2 R 5 、-アルキレニル-SR 2 、-アルキレニル-S(O)R2 、-アルキレニル-S(O) 2 R 5 、-アルキレニル-S(O) 2 OR5 、-アルキレニル-S(O) 2 N(R 3 )(R 5 )、-アルキレニル-C(O)R5 、-アルキレニル-C(O)N(R 3 )(R 5 )、-アルキレニル-C(O)OR 5、-アルキレニル-C(O)N(R 3 )(R 5 )、-アルキレニル-N(R 3 )(R5 )、-アルキレニル-N(R 3 )C(O)R 2 、-アルキレニル-N(R 3)C(O)OR 5 、-アルキレニル-N(R 3 )S(O) 2 R 5、-アルキレニル-N(R 3 )C(O)N(R 3 )(R 5 )、-アルキレニル-N(R3 )S(O) 2 N(R 3 )(R 5 )、および-アルキレニル-R8
R 2は、それぞれの場合において、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、ハロアルコキシアルキル、-R 8 、および-アルキレニル-R8 からなるグループから独立して選択され;
R 3は、それぞれの場合において、水素、アルキル、アリールアルキル、ハロアルキル、およびヘテロアリールアルキルからなるグループから独立して選択され;
R 5は、それぞれの場合において、水素、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、ハロアルコキシアルキル、-R 8 、および-アルキレニル-R8 からなるグループから独立して選択され;
Ar 1はフェニルおよび単環式の5または6員ヘテロアリールからなるグループから選択され;-Ar2は単環式の5員ヘテロアリールであり、ここでそれぞれのAr 2は独立して、置換されていない、または次のものからなるグループから選択される1もしくは2個の置換基で置換されており:アルキル、アルケニル、ハロゲン、-CN、-NO2 、ヒドロキシ、アルコキシ、-NH 2 、-N(H)(アルキル)、-N(アルキル) 2 、-C(O)OH、-C(O)Oアルキル、-C(O)H、-C(O)アルキル、およびハロアルキル;
Zは-OR9a 、-アルキレニル-OR 9a 、-NR 6 R 9b および-アルキレニル-NR6 R 9b からなるグループから選択され;
R 6は、それぞれの場合において、水素、アルキルおよびハロアルキルからなるグループから独立して選択され;
R 9aは、それぞれの場合において、水素、アルキル、ハロアルキル、R 8 、-C(O)OR 10 、-S(O)2 R 10 、-C(O)NR 7 R 11 、-S(O) 2NR 7 R 11 、-C(O)R 10 、-アルキレニル-OR 10、-アルキレニル-NR 7 R 11 、-アルキレニル-N(R 7 )C(O)OR10 、-アルキレニル-N(R 7 )C(O)R 10 、-アルキレニル-C(O)OR 10、-アルキレニル-S(O) 2 R 10 、-アルキレニル-S(O) 2 NR 7R 11 、-アルキレニル-C(O)NR 7 R 11 、-アルキレニル-C(O)R10 、および-アルキレニル-R 8 からなるグループから独立して選択され、
R 9bは、それぞれの場合において、水素、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、R 8 、-C(=NH)NH 2 、-C(O)OR10 、-S(O) 2 R 10 、-C(O)NR 7 R 12、-C(O)ONH 2 、-S(O) 2 NR 7 R 12 、-C(O)R10 、-C(O)CH 2 C(O)R 10 、ハロアルキル、-アルキレニル-OR 10、-アルキレニル-NR 7 R 12 、-アルキレニル-N(R 7 )C(O)OR10 、-アルキレニル-N(R 7 )C(O)R 10 、-アルキレニル-C(O)OR 10、-アルキレニル-S(O) 2 R 10 、-アルキレニル-S(O) 2 NR 7R 12 、-アルキレニル-C(O)NR 7 R 12 、-アルキレニル-C(O)R10 、および-アルキレニル-R 8 からなるグループから独立して選択され、
R 7は、それぞれの場合において、それぞれ独立して水素、アルキルおよびハロアルキルからなるグループから選択され;
R 10は、それぞれの場合において、水素、アルキル、アルコキシアルキル、シアノアルキル、ハロアルキル、-R 8 、およびアルキレニル-R8 からなるグループから独立して選択され;
R 11は、それぞれの場合において、水素、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルキル、シアノアルキル、ハロアルキル、-R 8 、および-アルキレニル-R8 からなるグループから独立して選択され;
R 12は、それぞれの場合において、水素、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、-R 8 、アルコキシアルキル、シアノアルキル、ハロアルキル、-アルキレニル-C(O)NH2 、-アルキレニル-C(O)N(H)(アルキル)、-アルキレニル-C(O)N(アルキル) 2 、-アルキレニル-N(H)C(O)Oアルキル、-アルキレニル-N(アルキル)C(O)Oアルキル、および-アルキレニル-R8 からなるグループから独立して選択され;ならびに
R 8は、それぞれの場合において、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、シクロアルキルおよびシクロアルケニルからなるグループから独立して選択され;ならびに
Ar 1、R 3 およびR 8 で表される、アリールアルキルのフェニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、アリール部分、およびヘテロアリールアルキルのヘテロアリール部分は、それぞれ独立して、置換されていない、または次のものからなるグループから独立して選択される1、2、3もしくは4個の置換基で置換されており:アルキル、アルケニル、-CN、-NO2 、ハロゲン、エチレンジオキシ、メチレンジオキシ、オキソ、-OR a 、-OC(O)R a 、-OC(O)ORa 、-OS(O) 2 R a 、-S(アルキル)、-S(O)アルキル、-S(O) 2アルキル、-S(O) 2OR a 、-S(O) 2 NR a Rb 、-C(O)OR a 、-C(O)NR a R b 、-C(O)ORa 、-C(O)NR a R b 、-NR a R b 、-NORa 、-N(R b )C(O)R a 、-N(R b )C(O)ORa 、-N(R b )S(O) 2 R a 、-N(R b)C(O)NR a R b 、-N(R b )S(O) 2 NRa R b 、ハロアルキル、シアノアルキル、ニトロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ハロアルコキシアルキル、-アルキレニル-OC(O)Ra 、-アルキレニル-OC(O)OR a 、-アルキレニル-OS(O) 2 アルキル、-アルキレニル-S(アルキル)、-アルキレニル-S(O)アルキル、-アルキレニル-S(O)2 アルキル、-アルキレニル-S(O) 2OR a 、-アルキレニル-S(O) 2NR a R b 、-アルキレニル-C(O)R a 、-アルキレニル-C(O)NRa R b 、-アルキレニル-C(O)OR a 、-アルキレニル-C(O)NR aR b 、-アルキレニル-NR a R b 、-アルキレニル-N(R b)C(O)R a 、-アルキレニル-N(R b )C(O)OR a 、-アルキレニル-N(Rb )S(O) 2 R a 、-アルキレニル-N(R b )C(O)NRa R b 、および-アルキレニル-N(R b )S(O) 2 NRa R b ;ここでR a はそれぞれの場合において水素、アルキル、アルケニルおよびハロアルキルからなるグループから独立して選択され、Rb はそれぞれの場合において水素およびアルキルからなるグループから独立して選択される。本発明は、本発明の化合物を含む医薬組成物にも向けられている。その組成物は、本発明の方法に従って、通常はACCに関連する病気および疾患の処置または予防のための治療計画の一部として投与することができる。本発明の別の観点は、ACC活性を阻害する方法に関する。
1態様において、適切なACC阻害剤は、減少した神経細胞の代謝により引き起こされる認知機能の低下を処置または予防するためのあるクラスの化合物のうち1種類以上であり、それは米国特許出願第5602164号において記述される1種類以上の化合物を含み、それをそのまま本明細書に援用し、特に一般式(I):R4 --(CH2)n --CO--N(R1)--CH(R2)--CO(--R3)を有する天然アミノ酸の親油性誘導体を含む化合物および同じものを作る方法に関してもそれを援用し、ここでR1はHまたはCH3を表し;R2は天然由来アミノ酸の側鎖を表し;R3はOH、OCH2CH3およびNH2を表し;nは6〜18であり;ならびにR4はCH3または一般式(II): R3 --CO--CH(R2)--N(R1)--CO--を有する基を表し、ここでR1、R2およびR3は上記の意味を有する。
1態様において、適切なACC阻害剤は、減少した神経細胞の代謝により引き起こされる認知機能の低下を処置または予防するためのあるクラスの化合物のうち1種類以上であり、それは米国特許第4,689,344号において記述される、生体内でエネルギー代謝に不都合な影響を及ぼすこと無くコレステロールおよび中性脂肪の合成を妨害するのに有効であることが分かった化合物を含む。米国米国特許第4,689,344号をそのまま本明細書に援用し、特に下記の一般式および全ての種に関しても、同じものを製造する方法を含め、それを援用する。本出願において、それらは神経細胞の代謝低下と関係する疾患、例えば加齢関連性記憶障害(AAMI)、軽度認知障害(MCI)、アルツハイマー病、パーキンソン病、フリードライヒ失調症(FRDA)、GLUT1欠損型てんかん、レプレコーニズムおよびラブソン・メンデンホール症候群、冠動脈バイパス移植(CABG)痴呆、麻酔に誘導される記憶の喪失、ハンチントン病および多くの他のものの処置、予防、抑制または緩和に有用であることが分かる。
その有効な化合物は次の一般式を有し、
Figure 2010527360
またはそのカルボキシル基の生体内で加水分解可能な機能する誘導体であり、
ここで
R1およびR2はそれぞれ独立して、置換されていない、または置換されたヒドロカルビルまたはヘテロシクリル基を表し;
XおよびYはそれぞれ独立して水素、場合により置換された低級アルキル、ハロゲン、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニルまたはカルバモイルを表し;ならびに
Qは8〜14個の炭素原子の直鎖からなるジラジカル(diradical)を表し、その1個以上はヘテロ原子により置き換えられていてよく、その鎖は場合により不活性な置換基により置換されており、その炭素またはヘテロ原子(heteratom)の鎖のメンバーの1個以上は場合により環構造の一部を形成している。
本発明による医薬組成物は、好ましくは投薬単位の形であり、それぞれの単位は50から500mgまでの上記の式(I)の有効成分を含む。本発明による上記の式(I)の化合物の1日の投薬量は、個々の患者の年齢、必要性および耐性に依存するであろうが、通常は1日あたり50mgから5000mgまでの範囲であろう。
1態様において、適切なACC阻害剤は、減少した神経細胞の代謝により引き起こされる認知機能の低下を処置または予防するためのあるクラスの化合物のうち1種類以上であり、それは米国特許第4908385号において記述される医薬組成物を含む。特に米国特許第4,903,385号をそのまま本明細書に援用し、特に下記の一般式、全ての種、および同じものを製造する方法に関しても、それを援用する。化合物は、神経細胞の代謝低下と関係する疾患、例えば加齢関連性記憶障害(AAMI)、軽度認知障害(MCI)、アルツハイマー病、パーキンソン病、フリードライヒ失調症(FRDA)、GLUT1欠損型てんかん、レプレコーニズムおよびラブソン・メンデンホール症候群、冠動脈バイパス移植(CABG)痴呆、麻酔に誘導される記憶の喪失、ハンチントン病および多くの他のものの処置、予防、抑制または緩和に有用であり、少なくとも1種類の次の一般式のαハロゲン化ジカルボン酸:
Figure 2010527360
ここでHaIは塩素、臭素またはフッ素原子であり、Rは水素原子またはHaIであり、mは4から16までの数である;および/またはそれの少なくとも1種類の医薬的に許容できる塩、エステルまたはアミドを含む。
[0001] 下記の実施例は説明として提供するものであり、限定としてではない。
実施例1
マウス薬物動態(PK)試験
目的:マウスにおいてTOFAの経口(po)および腹膜内(ip)投与の後の様々な時点におけるケトン体の血中レベルを測定する。
動物:75匹の6〜7週齢のICR系のオスのマウスを用いた。それぞれのマウスの体重は20〜30グラムであった。
全体的な試験設計:動物(ケージあたり3匹入れた)を投与の前に少なくとも3日間順応させた。マウスに、1回po用量(0.5mg/kgから5mg/kgまでの範囲)の化合物、または1回ip用量(1mg/kg)のどちらかを与えた。動物を、血液を集めるために0.5、1、2および3時間の時点において麻酔した。全血(〜0.4ml)を心穿刺により集め、ヘパリンナトリウム(Na ヘパリン、1:9の比率)抗凝固剤の中に集めた。血液を13,000rpmで8分間遠心分離して血漿を分離した。血漿を、あらかじめラベルを貼った色分けした(color−coded)エッペンドルフチューブの中に移し、−70℃で冷凍した。毒性の徴候に関して動物を観察し、臨床的な観察結果を記録した。ベータ−ヒドロキシブチレート(BHB)の血漿レベルを、ベータ−ヒドロキシブチレート検出キットを用いて製造業者の説明書(StanBio Inc.)に従って測定した。
材料:化合物、マウス強制栄養針(gavage needles)、ビヒクル、イソフルラン、血液を集めるための51本の1cc注射器および26g針、血液を集めるための63本のエッペンドルフチューブ、血漿の保管のための63本のエッペンドルフチューブ、遠心分離機、試料の保存のための容器、血漿の発送のための容器およびドライアイス。AC−8632(5-(テトラデシルオキシ)-2-フラン-カルボン酸 (TOFA))は白色の結晶質の固体であり、重量により100%活性の化合物である。それは水溶液に不溶性である。それはエタノール(1mg/ml)、DMSO(2mg/ml)およびDMF(10mg/ml)に可溶性である。水性緩衝液に最大限に溶解させるためには、AC−8632をまずDMFに溶かし、次いで選択した水性緩衝液で希釈するべきである。AC−8632をDMF::PBS(pH7.2)の1:1溶液中で0.5mg/mlの濃度で溶解させた。ip処置のために、AC−8632をDMSOと2mg/mlで混合した。
結果:AC−8632(TOFA)は血清BHBレベルを、それぞれの用量において0.5mg−kgから5mg/kgまで高めた。BHBのレベルは3時間の期間の間上昇し続け、最高レベルは3時間の時点に存在した。BHBのレベルは、投与の用量によって、または経路によって有意に異ならなかった。poおよびip投与は共に3時間の時点で血漿BHBの上昇をもたらした。表1参照。これらの結果は、TOFAの経口投与が血中のケトン体濃度を高めたことを示す。
表1 用量および時点による平均BHBレベル。
Figure 2010527360
実施例2
ラットのモデルにおいて血清ケトンレベルを高めるためのACC阻害剤の使用、Sprague−Dawleyラットに標準的な市販のラットの固形飼料を与えた。15日間順応させた後、2個のグループのラットに1〜50mg/kg/日のACC阻害剤、例えば5-(テトラデシルオキシ)-2-フラン-カルボン酸(TOFA)またはCP−610431を含む試験飼料を与えた。対照グループは標準的な固形飼料で飼育した。
それぞれのラットの体重を毎日測定した。尿試料を毎日集め、3−ヒドロキシブチレートに関して酵素アッセイにより分析した。試験飼料での5日間の後、ラットを安楽死させ、血液試料を集め、3−ヒドロキシブチレート、アセトアセテートおよびアセトンに関して標準的な酵素的技法により分析した。
安楽死の時点で集めたラットの血液の血漿中のケトン体の濃度を酵素的方法により測定する。対照グループは通常の3−ヒドロキシブチレートおよびアセトアセテート濃度であるおおよそ0.02〜0.07mMを示すことが予想される。ACC阻害剤を与えられたラットは、高い3−ヒドロキシブチレート、アセトアセテートおよびマレート濃度を有することが予想される。これらの結果は、ACC阻害剤を与えられたラットがそれらの血液中に増大したレベルのケトン体を有していたことを示す。
TOFAまたは化合物1を与えられたラットの尿中の3−ヒドロキシブチレートの濃度は、GC−MSによりそれぞれおおよそ1〜10mMであると測定される。3−ヒドロキシブチレートは対照ラットの尿中では検出できない。これらの結果は、TOFAまたはCP−610431の経口投与が血中および尿中のケトン体濃度を高めることを示す。
実施例3
ACC阻害剤のMPTP障害マウスにおける神経細胞保護作用。1-メチル-4-フェニル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン(MPTP)は、ミトコンドリア電子伝達系の複合体I(NADH−ユビキノンオキシドレダクターゼ)を妨害し、パーキンソン病(PD)の典型的な症状およびドーパミン作動性ニューロンの喪失を引き起こす。C57BL6マウスに、0.001〜5mg/kg/日の範囲の用量において、それらがMPTPで障害される前に7日間、毎日CP−610431を経口強制栄養摂取させる。7日間のMPTP処置の間、動物は化合物1による、またはプラセボによる処置を続けるであろう。7日間の終了の時点で、動物をMPTP処置の行動への作用に関して試験し、組織病理検査を実施した。
3個の10匹の動物のグループをこの試験に用いた。グループ1はCP−610431で処置してMPTPで障害し、グループ2はプラセボで処置してMPTPで障害し、グループ3はプラセボで処置して擬似物(sham)で障害する。7日間のMPTP処置の後、行動および運動性の能力を全てのマウスについて試験した。3種類の試験を用いて保護的な行動への作用を評価する:オープンフィールド行動、ビーム歩行試験、およびロータロッド試験。CP−610431で処置した動物において、向上した行動および運動性の能力が予想される。
行動および運動性試験の後に、マウスから脳組織および血液を集め、試料とする。概観染色(overview staining)を実施する。薬物で処置した、および対照の動物の障害された側における、黒質中のチロシン−ヒドロキシラーゼ−陽性(TH+)神経細胞および線条中のTH+神経末端の密度を比較することで、(Nissle)およびドーパミン組織病理検査を免疫組織化学的に評価する。CP−610431で処置した動物において、増大した数のTH+神経細胞が予想される。
実施例4
AC−0417−9のマウス薬物動態(PK)試験
目的:マウスにおいてAC−0417−9(3,3-ジメチルヘキサノエート,モノグリセリド)の経口投与の後の様々な時点におけるケトン体の血中レベルを測定する。
動物:12匹の6〜7週齢のICR系のオスのマウスを用いた。それぞれのマウスの体重は20〜30グラムであった。
全体的な試験設計:動物(ケージあたり3匹入れた)を投与の前に少なくとも3日間順応させた。マウスに、3g/kgの1回po用量を与えた。動物を、血液を集めるために0.5、1、2および3時間の時点において麻酔した。全血(〜0.4ml)を心穿刺により集め、ヘパリンナトリウム(Na ヘパリン、1:9の比率)抗凝固剤の中に集めた。血液を13,000rpmで8分間遠心分離して血漿を分離した。血漿を、あらかじめラベルを貼った色分けしたエッペンドルフチューブの中に移し、−70℃で冷凍した。毒性の徴候に関して動物を観察し、臨床的な観察結果を記録した。ベータ−ヒドロキシブチレート(BHB)の血漿レベルを、ベータ−ヒドロキシブチレート検出キットを用いて製造業者の説明書(StanBio Inc.)に従って測定した。
材料:化合物、マウス強制栄養針、ビヒクル、イソフルラン、血液を集めるための1cc注射器および26g針、血液を集めるためのエッペンドルフチューブ、血漿の保管のためのエッペンドルフチューブ、遠心分離機、試料の保存のための容器、血漿の発送のための容器およびドライアイス。AC−0417−9は透明な液体であり、重量により100%活性の化合物である。
結果:AC−0417−9は血清BHBレベルを高めることが示された。BHBのレベルは3時間の期間の間上昇し続け、最高レベルは3時間の時点に存在した。
Figure 2010527360
これらの結果は、AC−0417−9の経口投与が血中のケトン体濃度を高めたことを示す。
実施例5
CP−610431のアルツハイマー病における安全性、認容性および有効性を評価する。
CP−610431を、軽症〜中程度のおそらくアルツハイマー病を有する対象において、1日1回90日間投与する。ランダム化した、二重盲検式の、プラセボを対照とした、平行、多施設の計画を用いた。4週間までのスクリーニング期間の後、対象はTOFAまたはプラセボのどちらかを90日間与えられ、その後2週間の休薬期間(washout period)が続く。
試験対象は、おそらく軽症〜中程度の重さのアルツハイマー病を有すると診断された100人の通院患者である。試験計画の二重盲検期間の間、50人の対象は有効薬剤投与を受け、50人の対象はプラセボを与えられる。
CP−610431または合わせたプラセボを、1日1回90日間投与するであろう。90日間の投与期間の終了の後、対象は2週間の試験薬剤投与の休薬期間を有するであろう。それぞれの対象を5(five(5))回観察する:スクリーニング、ベースライン、およびベースラインの45、90、および104日後において。有害な出来事、生命徴候、体重、身体検査、12誘導心電図、実験室での試験を検査した。主な結果の尺度は次のものである:アルツハイマー病評価スケール−認知サブスケール(Alzheimer’s Disease Assessment Scale−Cognitive Subscale)(ADAS−Cog)、アルツハイマー病共同研究−変化に対する医師の包括的印象(Alzheimer’s Disease Cooperative Study - Clinician’s Global Impression of Change)(ADCS−CGIC)およびミニメンタルステート検査(Mini−Mental State Examination)(MMSE)。化合物IIIで処置された対象は、ADAS−Cog、ADCS−CGICまたはMMSEを含め、1種類以上の結果の尺度において向上を示すであろうと予想される。
β−ヒドロキシブチレートレベルを、0日目(ベースライン)、45日目、および90日目の投与前および投与の2時間後において測定する。β−ヒドロキシブチレートのCminのレベルも、スクリーニングにおいて、および休薬期間の終わり(104日目)において測定する。ApoE遺伝子型を、承諾を得た対象について測定するであろう。CP−610431で処置した対象は高い血清ケトン体レベルを示すであろうと予想される。
あたかもそれぞれの個別の刊行物または特許出願を具体的かつ個別に援用したと示したかのように、この明細書において言及されているすべての刊行物および特許出願を本明細書に援用する。
本発明を典型的な態様に関して記述したが、本発明の範囲を逸脱することなく様々な変更がなされてよいことおよび均等物がそれの要素の代用とされてよいことは、当業者には理解されるであろう。加えて、個別の状況または材料を教えに適合させるために、それの本質的な範囲から逸脱することなく多くの修正がなされてよい。従って、本発明はこの発明を実行するために熟考された最高のやり方として開示された特定の態様に限定されるのではなく、本発明は添付した特許請求の範囲の範囲内に収まる全ての態様を含むであろうことを意図する。

Claims (20)

  1. 減少した神経細胞の代謝により引き起こされる認知機能の低下を処置する方法であって、その処置がアセチルCoAカルボキシラーゼを阻害することのできる化合物を含む医薬組成物の、それを必要とする患者への、その患者において高ケトン血症を引き起こし結果としてケトン体が脳におけるエネルギーのために利用されるのに十分である量での投与を含む方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、患者におけるD−ベータ−ヒドロキシブチレートの血中レベルを約0.1〜50mMまで上昇させる方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって、D−ベータ−ヒドロキシブチレートの血中レベルを約0.2〜20mMまで上昇させる方法。
  4. 請求項1に記載の方法であって、D−ベータ−ヒドロキシブチレートの血中レベルを約0.3〜5mMまで上昇させる方法。
  5. 請求項1に記載の方法であって、D−ベータ−ヒドロキシブチレートの血中レベルを約0.5〜2mMまで上昇させる方法。
  6. 請求項1に記載の方法であって、D−ベータ−ヒドロキシブチレートの血中レベルを約1〜10mMまで上昇させる方法。
  7. 請求項1に記載の方法であって、認知機能の低下がアルツハイマー病または軽度認知障害により引き起こされる方法。
  8. 請求項1に記載の方法であって、患者のアポリポタンパク質Eの遺伝子型がAPOE(−)である方法。
  9. 請求項1に記載の方法であって、医薬組成物が、患者が炭水化物の摂取を制限していない食事をとった際に患者において高ケトン血症を引き起こす方法。
  10. 請求項1に記載の方法であって、アセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤が次のものからなるグループから選択される方法:
    [(3R)-1-[1-(アントラセン-9-カルボニル)ピペリジン-4-イル]ピペリジン-3-イル]-モルホリン-4-イルメタノン(CP 640186)、
    CP-610432 (S-1’-(アントラセン-9-カルボニル)-N,N-ジエチル-1,4’-ビピペリジン-3-カルボキサミド);
    CP-610431 (R-1’-(アントラセン-9-カルボニル)-N,N-ジエチル-1,4’-ビピペリジン-3-カルボキサミド);
    CP-497485 (1’-(アントラセン-9-カルボニル)-N,N-ジエチル-1,4’-ビピペリジン-3-カルボキサミド);
    フェニルメチル 5-(1-{[(2-{[N-(2,4-ジヒドロキシ-3,3-ジメチルブタニル)-5-(6-アミノオクタヒドロ-9H-プリン-9-イル)-4-(ヒドロキシル-2-[(ホスホノオキシ)テトラヒドロフラン-2-イル]メチル 二水素 ジホスフェート-β-アラニル]アミノ}エチル)チオ]アセチル}-2-オキソヘキサヒドロ-1H-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル)ペンタノエート、
    5-(テトラデシルオキシ)-2-フラン-カルボン酸(TOFA)、
    3,3-ジメチルヘキサノエート,モノグリセリド(AC-0417-9)、
    MEDICA 16 (β,β,β’,β’-テトラメチルヘキサデカン酸)、
    ESP-55016 (8-ヒドロキシ-2,2,14,14-テトラ-メチルペンタデカンジオチック酸)、
    S2E ((+)-p-[1-p-tert-ブチルフェニル)-2-オキソ-4-ピロリジニル]メトキシ安息香酸);
    1S,2S,3E,5R,6S,11S,14S,15R,16R,17S,18S)-15,17-ジヒドロキシ-5,6,16-トリメトキシ-2,14,18-トリメチル-11-フェニル-12,19-ジオキサビシクロ[13.3.1]ノナデカ-3-エン-13-オン(ソラフェンA);および
    1’-N-クロロアセトアミド-ビオチン,ベンジルエステル(CABI)。
  11. ケトン体濃度を高めることのできる化合物を用いた処置のために患者を選ぶ方法であって、次のことを含む方法:
    a)減少した神経細胞の代謝により引き起こされる認知機能の低下を有する患者を選ぶ;および
    b)患者のアポリポタンパク質Eの遺伝子型を決定する;および
    c)APOE4の欠損を有する患者にアセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤を含む医薬組成物を、減少した神経細胞の代謝により引き起こされる認知機能の低下を処置するために有効な量で与える。
  12. 請求項11に記載の方法であって、遺伝子型がAPOE4(−)であると決定される方法。
  13. 請求項11に記載の方法であって、患者におけるD−ベータ−ヒドロキシブチレートの血中レベルを約0.1〜50mMまで上昇させる方法。
  14. 請求項11に記載の方法であって、D−ベータ−ヒドロキシブチレートの血中レベルを約0.2〜20mMまで上昇させる方法。
  15. 請求項11に記載の方法であって、D−ベータ−ヒドロキシブチレートの血中レベルを約0.3〜5mMまで上昇させる方法。
  16. 請求項11に記載の方法であって、D−ベータ−ヒドロキシブチレートの血中レベルを約0.5〜2mMまで上昇させる方法。
  17. 請求項11に記載の方法であって、D−ベータ−ヒドロキシブチレートの血中レベルを約1〜10mMまで上昇させる方法。
  18. 請求項11に記載の方法であって、認知機能の低下がアルツハイマー病または軽度認知障害により引き起こされる方法。
  19. 請求項11に記載の方法であって、医薬組成物が、患者が炭水化物の摂取を制限していない食事をとった際に患者において高ケトン血症を引き起こす方法。
  20. 請求項1に記載の方法であって、アセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤が次のものからなるグループから選択される方法:
    [(3R)-1-[1-(アントラセン-9-カルボニル)ピペリジン-4-イル]ピペリジン-3-イル]-モルホリン-4-イルメタノン(CP 640186);
    CP-610432 (S-1’-(アントラセン-9-カルボニル)-N,N-ジエチル-1,4’-ビピペリジン-3-カルボキサミド);
    CP-610431 (R-1’-(アントラセン-9-カルボニル)-N,N-ジエチル-1,4’-ビピペリジン-3-カルボキサミド);
    CP-497485 (1’-(アントラセン-9-カルボニル)-N,N-ジエチル-1,4’-ビピペリジン-3-カルボキサミド);
    フェニルメチル 5-(1-{[(2-{[N-(2,4-ジヒドロキシ-3,3-ジメチルブタニル)-5-(6-アミノオクタヒドロ-9H-プリン-9-イル)-4-(ヒドロキシル-2-[(ホスホノオキシ)テトラヒドロフラン-2-イル]メチル 二水素 ジホスフェート-β-アラニル]アミノ}エチル)チオ]アセチル}-2-オキソヘキサヒドロ-1H-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル)ペンタノエート;
    5-(テトラデシルオキシ)-2-フラン-カルボン酸(TOFA);
    3,3-ジメチルヘキサノエート,モノグリセリド(AC-0417-9);
    MEDICA 16 (β,β,β’,β’-テトラメチルヘキサデカン酸);
    ESP-55016 (8-ヒドロキシ-2,2,14,14-テトラ-メチルペンタデカンジオチック酸);
    S2E ((+)-p-[1-p-tert-ブチルフェニル)-2-オキソ-4-ピロリジニル]メトキシ安息香酸);
    1S,2S,3E,5R,6S,11S,14S,15R,16R,17S,18S)-15,17-ジヒドロキシ-5,6,16-トリメトキシ-2,14,18-トリメチル-11-フェニル-12,19-ジオキサビシクロ[13.3.1]ノナデカ-3-エン-13-オン(ソラフェンA);および
    1’-N-クロロアセトアミド-ビオチン,ベンジルエステル(CABI)。
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