JP2024517724A - オキシカム系化合物を含む筋疾患の予防または治療用組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、オキシカム系化合物を含む筋疾患に対する予防、改善または治療目的の組成物であって、前記組成物は、筋芽細胞の分化促進及び筋線維増加効果を通じて筋肉量を増加させて筋力を強化し、これにより様々な筋疾患に対する治療効果を有することができ、筋力強化または運動能力増加効果を有することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、オキシカム系化合物を含む筋疾患の予防、改善または治療用組成物に関する。
筋肉は、エネルギー代謝、運動能力などの身体機能の重要な部分を占めており、老化による筋減少症、栄養不均衡または運動量不足による筋萎縮症、その他のがんなどの他の疾患、老化などの様々な要因によって損傷または弱化することがある。
筋肉を損傷させる主な疾患である筋減少症(sarcopenia)は、老化によって筋肉量(skletal muscle mass)が減少するにつれて筋力が低下する疾患である。筋減少症の最大の特徴は筋肉量の減少であり、筋線維の種類が変化することもある。老化に伴い、タイプ1の筋線維及びタイプ2の筋線維が同様の比率で減少するのに対して、筋減少症患者においてタイプ1の筋線維の厚さがさらに顕著に減少する。このような筋減少症は、高齢者においておこる筋力低下と機能障害を引き起こすことが報告されている(Roubenoff R.,Can.J.Appl.Physiol.26,78-89,2001)。
また、筋萎縮症(Muscle atrophy)は、栄養不足や長期間筋肉を使用しない場合に誘発されるが、正常なタンパク質の合成と分解のバランスが崩壊し、筋肉内のタンパク質が分解することで発症する。
このような筋疾患を根本的に治療するための様々な治療方法が開発中であり、特に幹細胞から筋肉細胞の分化を促進して筋肉を強化するか、または筋肉の再生を促進するメカニズムを用いた治療方法が提案されている。このような方法は、筋疾患に対する根本的な治療が可能なので、これを可能にする様々な治療物質に対する研究が必要であるのが実状である。
本発明者らは、様々な化合物から前記効果を通じて筋疾患を改善できる効果を有する化合物に対する研究を進め、これにより本発明を完成した。
本発明者らは、オキシカム化合物が筋芽細胞の分化を促進し、筋肉のエネルギー代謝を向上させて筋力を強化し、特に筋萎縮症などの筋疾患に治療効果があることを見出し、本発明を完成した。
したがって、本発明の目的は、オキシカム化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む筋疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、オキシカム化合物またはその食品学的に許容可能な塩を含む筋疾患の予防または改善用健康機能食品組成物を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、オキシカム化合物を含む筋力強化用組成物を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、オキシカム化合物を含む運動遂行能力増進用組成物を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、オキシカム化合物を含む筋肉幹細胞分化促進用組成物を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、オキシカム化合物を含む筋肉再生用組成物を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、オキシカム化合物を含む筋肉量増加用組成物を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、オキシカム化合物を含む飼料添加用組成物を提供することである。
前記目的を達成するために、本発明は、オキシカム系化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む筋疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供する。
本発明の他の目的を達成するために、本発明は、オキシカム化合物またはその食品学的に許容可能な塩を含む筋疾患の予防または改善用健康機能食品組成物を提供する。
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、オキシカム化合物を含む筋力強化用組成物を提供する。
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、オキシカム化合物を含む運動遂行能力増進用組成物を提供する。
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、オキシカム化合物を含む筋肉幹細胞分化促進用組成物を提供する。
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、オキシカム化合物を含む筋肉量増加用組成物を提供する。
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、オキシカム化合物を含む飼料添加用組成物を提供する。
本発明は、オキシカム化合物を含む筋疾患に対する予防、改善または治療目的の組成物であって、前記組成物は、筋芽細胞の分化促進及び筋線維再生効果を通じて筋肉量を増加させて筋力を強化し、様々な筋疾患に対する治療効果があるので、それに対する薬学的または健康機能食品組成物として使用されてもよい。
図1は、オキシカム系化合物の筋芽細胞の分化に対する効果を確認したもので、各化合物の筋芽細胞の処理時、Myo及びeMHCの相対的発現量を比較した結果である。 図2は、メロキシカムの投与濃度による筋芽細胞(C2C12)の分化の程度を示す結果である。 図3は、メロキシカム投与濃度による筋芽細胞分化マーカーであるMHCの発現量を確認した結果である。 図4a、bは、17歳年齢のヒト筋肉幹細胞において、図5a、bは、66歳年齢のヒト筋肉幹細胞においてメロキシカム投与による筋芽細胞分化マーカーであるMHCの発現量を確認した結果である。 図6aは、メロキシカム投与時の体重変化を、図6bは、メロキシカム投与時、後肢の筋肉(TA、EDL、SOL、GAS)の重量変化を通じて筋肉量増加効果を確認したものである。 図7aは、メロキシカム投与による体重変化を、図7bは、骨格筋以外の他の器官の重量変化を確認したものである。 図8a、8bは、CTXによる筋肉の損傷を誘発したマウスモデルにメロキシカムを4、7、21日にそれぞれ投与時、筋肉の再生及び筋繊維のサイズをH&E染色を通じて確認したものである。 図9aは、CTXによる筋肉の損傷を誘発したマウスモデルにメロキシカム投与時、筋線維タイプの相対的発現量を、図9bは、筋線維断面積のサイズを、図9cは、発現タイプ(MHCII型)の面積を確認した結果である。 図10は、CTXによる筋肉の損傷を誘発したマウスモデルにメロキシカムを投与した場合、筋肉の代謝性酵素(glycolytic enzyme)であるGPDHが活性化された筋線維の断面積(図10a)及び相対的比率(図10b)を示したものである。 図11は、CTXによる筋肉の損傷を誘発したマウスモデルにメロキシカム投与時、握力テスト及び運動遂行能力試験の結果を示したものである。 図12は、28ヶ月齢の老化マウスにメロキシカムを投与した場合、体重と血糖変化量(図12a)及び後肢の筋肉の重量変化(図12b)を比較した結果を示したものである。 図13は、28ヶ月齢の老化マウスにメロキシカムを投与した場合、筋線維タイプの相対的発現量を比較した結果である。 図14は、28ヶ月齢の老化マウスにメロキシカムを投与した場合、運動遂行能力の変化をロータロッドテストを通じて比較した結果を示したものである。 図15は、14ヶ月齢の中年マウスにメロキシカムを投与した場合、体重及び握力の変化(図15a)と運動遂行能力の変化(図15b)を比較した結果を示したものである 図16は、4ヶ月齢の若いマウスにメロキシカムを投与した場合、体重の変化(図16a)及び摂取量(図16b)を比較したものであり、図17は、握力及び運動遂行能力の変化(図17a)と体重対比筋肉量の変化(図17b)を比較した結果を示したものである。
本発明は、オキシカム化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む筋疾患の予防または治療用薬学的組成物に関する。
本発明は、オキシカム化合物またはその食品学的に許容可能な塩を含む筋疾患の予防または改善用健康機能食品組成物に関する。
本発明は、オキシカム化合物を含む筋力強化用組成物に関する。
本発明は、オキシカム化合物を含む運動遂行能力増進用組成物に関する。
本発明は、オキシカム化合物を含む筋肉幹細胞分化促進用組成物に関する。
本発明は、オキシカム化合物を含む筋肉再生用組成物に関する。
本発明は、オキシカム化合物を含む筋肉量増加用組成物に関する。
本発明は、オキシカム化合物を含む飼料添加用組成物に関する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の一態様として、本発明は、前記オキシカム系化合物とその薬学的に許容可能な塩を含んでもよい。本発明のオキシカム化合物(オキシカム系化合物)は、非ステロイド性抗炎症剤として広く使用されている化合物であり、より具体的には、ロルノキシカム、ピロキシカム、テノキシカム、アンピロキシカム、ドロキシカム、メロキシカム、クロノテキシカム、テノキシカム及びピロキシカムを含んでもよく、より好ましくは、メロキシカム(化1)、ピロキシカム(化2)、テノキシカム(化3)またはロルノキシカム(化4)であってもよいが、これに制限されるものではない。前記オキシカム系化合物は、下記化学式で表される。
Figure 2024517724000002
Figure 2024517724000003
Figure 2024517724000004
Figure 2024517724000005
本発明の一態様として、本発明のオキシカム系化合物は、老化、筋機能低下、筋肉消耗、筋肉退化または筋肉損傷によって誘発される筋疾患の予防または治療効果を有する。前記「筋疾患」とは、筋肉が老化または疾病によって損傷または損失されて筋力が弱まった状態にあることを意味し、これは遺伝的素因、高血圧、耐糖能障害、糖尿病、肥満、脂質異常症、アテローム性硬化症または心血管疾患などの年齢に関連した疾患、がん、自己免疫疾患、感染性疾患、AIDS、慢性炎症性疾患、関節炎、栄養失調、腎臓疾患、慢性閉塞性肺疾患、肺気腫、クル病、慢性下部脊椎痛、末梢神経損傷、中枢神経損傷及び化学的損傷などの疾患の慢性疾患、骨折、外傷などの原因または長期間の寝床療養による運動損失、老化など多様な原因による。
これに制限されるものではないが、前記筋疾患は、緊張減退症(atony)、筋萎縮症(muscular atrophy)、筋肉退化、筋硬直症、筋萎縮性側索硬化症、筋無力症、悪液質(cachexia)及び老人性筋肉減少症(sarcopenia)からなる群から選ばれる少なくとも1つの筋疾患、具体的には、老人性筋萎縮またはがんによる筋肉関連疾患、より具体的には、老人性筋萎縮またはがんによる筋萎縮症(muscular atrophy)、筋肉縮退、筋硬直症、筋萎縮性側索硬化症、筋無力症、悪液質(cachexia)、老人性筋肉減少症(sarcopenia)及び筋肉消失症を含んでもよい。すなわち、一態様として、前記筋疾患は、緊張減退症(atony)、筋萎縮症(muscular atrophy)、筋肉退化、筋硬直症、筋萎縮性側索硬化症、筋無力症、悪液質(cachexia)及び筋肉減少症(sarcopenia)を含む群から選ばれる疾患を意味する。
本発明において前記筋疾患に対する予防、治療または改善効果は、筋芽細胞の分化促進によるものであってもよい。本発明の一実施例において、オキシカム系化合物が筋芽細胞の分化を促進することを確認した。前記「筋芽細胞の分化」とは、単核である筋芽細胞(myoblast)が融合を通じて多核の筋管(myotube)を形成する過程を意味し、筋管を形成する分化段階の細胞は、Pax7-、MyoD+、MyoGなどのマーカーを用いて区別してもよい。前記筋管を形成する分化初期段階の細胞は、ミオシンD(Myo D)のような筋原性転写因子(myogenic transcription factor)の発現が増加し、中期にはミオシンG(MyoG)が増加する。分化がほぼ終わる後期には、ミオシン重鎖(MHC,Myosin Heavy Chain)の発現が増加する。本発明の一実施例では、オキシカム系化合物であるメロキシカムを筋芽細胞に処理した場合、MHC及びミオゲニンの発現が増加したことを確認した。
本発明のオキシカム系化合物は、運動性能を向上させることができる。「運動遂行能力」とは、筋力を用いて運動を行う能力をいい、このとき、筋力は筋肉の量、筋持久力、酸化性筋肉量の増加、筋肉回復力及び筋肉内のエネルギー収支の改善により向上され、また、筋肉内の疲労物質の減少などによっても増進される。本発明のオキシカム系化合物は、前記列挙した様々な筋肉に対する効果を通じて、筋肉による運動遂行能力を増進させる効果を有する。前記効果に関連して、本発明の一実施例では、メロキシカムを投与した群において、実際の筋力と運動能力(performance)が増加したことが確認できた。
すなわち、本発明のオキシカム系化合物は、筋肉量の増加、筋力向上、筋肉回復力増加などの筋肉機能を改善できる効果を有し、筋肉に関連した疾患に対して、予防、治療及び改善効果を有することができる。
本発明のオキシカム系化合物は、損傷したマウスの筋肉再生を通じて筋疾患に対する予防、治療または改善効果を有することができる。本発明の一実施例において、メロキシカムを筋肉が損傷したマウスモデル(CTX-injury)に投与したときの効果を確認した。その結果、対照群対比筋肉量が増加したことが確認でき、メロキシカムの投与時、筋肉及び筋線維が再生される程度を観察したところ、より細かく増加したことが確認できた。また、メロキシカムなどのオキシカム系化合物を投与した場合、2型筋繊維(MHC type II)比率が対照群に比べて大きく増加したことを確認した。また、CTXによって損傷された筋肉だけでなく、老化によって損傷または弱化したマウスの筋肉組織においても筋肉幹細胞の分化促進及び筋線維のサイズの増加、筋肉量増加効果を通じて筋力及び運動遂行能力向上効果を有することができる。
また、本発明のオキシカム系化合物は、筋疾患または老化によって損傷した筋肉の再生だけでなく、正常筋肉における筋肉再生及び筋肉量増加効果を通じて、筋力向上、筋機能改善効果を有することができる。本発明の一実施例では、若い年齢のマウス(14ヶ月、4ヶ月)の筋肉幹細胞分化及び筋肉量増加効果を確認し、若い年齢の筋肉でもメロキシカムを長期投与する場合、筋力増加及び運動を遂行能力を向上させる効果があることを確認した。
本発明の前記組成物は、医薬品、健康機能食品、機能性食品、動物用飼料、細胞培養液組成物などの様々な用途として活用されてもよく、筋芽細胞の分化促進または筋肉内のミトコンドリアの活性を増進させ、筋疾患に対する予防、改善または治療効果を有する。
本明細書において用語の「予防」とは、本発明による前記薬学的組成物の投与によって筋疾患を抑制させるか、または発症を遅延させることができるすべての行為を意味する。
本明細書において用語の「治療」とは、本発明による前記薬学的組成物の投与によって症状が好転するか、または有利に変更されるすべての行為をいう。
本発明の前記薬学的組成物は、通常の方法により、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁液、エマルジョン、シロップ、エアロゾルなどの経口型剤形、外用剤、坐剤及び滅菌注射液の形態で剤形化して使用されてもよく、前記剤形化に必要な担体または賦形剤などをさらに含んでもよい。前記有効成分にさらに含まれてもよい薬学的に許容可能な担体、賦形剤及び希釈剤としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、デンプン、アカシアゴム、アルギネート、ゼラチン、カルシウムホスフェイト、カルシウムシリケート、セルロース、メチルセルロース、非晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、マグネシウムステアレート及び鉱物油などが含まれる。製剤化する場合には、通常使用する充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を使用して調製される。
例えば、経口投与用固形製剤には、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれ、このような固形製剤は、前記抽出物または化合物に少なくとも一つの賦形剤、少なくともメン、デンプン、カルシウムカーボネート(calcium carbonate)、スクロース(sucrose)またはラクトース(lactose)、ゼラチンなどを混合して調製される。また、単純な賦形剤の他に、マグネシウムスチレートタルクなどの潤滑剤も使用される。経口投与用液状製剤としては、懸濁剤、内容液剤、乳剤、シロップ剤などが該当するが、よく使用される単純希釈剤である水、リキドパラフィンの他に様々な賦形剤、例えば、湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが含まれてもよい。
非経口投与用製剤には、滅菌水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤、坐剤が含まれる。非水性溶剤、懸濁溶剤としては、プロピレングリコール(propylene glycol)、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、エチルオレートなどの注射可能なエステルなどが使用されてもよい。坐剤の基剤としては、ウィテプソル(witepsol)、マクロゴール、ツイン(tween)61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロールゼラチンなどが使用されてもよい。
本発明の薬学的組成物は、所望の方法に従って経口または非経口投与(静脈注射、皮下、腹腔内または局所に適用)されてもよく、投与量は患者の状態及び体重、疾患の程度及び薬物形態、投与経路及び時間によって異なり、当業者によって適切な形態で選ばれてもよい。
本発明の前記薬学的組成物は、薬学的に有効な量で投与する。本発明において、「薬学的に有効な量」とは、医学的治療に適用可能な合理的な量であり、疾病を治療するのに十分な量を意味し、その基準は、患者の疾患、重症度、薬物の活性、薬物に対する敏感度、投与時間、投与経路及び排出率、治療期間、併用される成分及びその他の事項によって決定されてもよい。本発明の前記薬学的組成物は、個別治療剤または他の治療剤と併用して投与されてもよく、従来の治療剤とは順次的または同時に投与されてもよい。前記要素をすべて考慮し、副作用を最小限に抑えることができるレベルで投与量を決定してもよく、これは当業者によって容易なレベルで決定されてもよい。具体的には、前記薬学的組成物の投与量は、患者の年齢、体重、重症度、性別などによって異なり、一般に体重1kg当たり0.001~150mg、好ましくは、0.01~50mg、より好ましくは、0.01~5mgの量を毎日または隔日、1日1~3回投与してもよい。ただし、これは例示的なものであり、前記投与量は、必要に応じて異なる設定ができる。
また、本発明の前記組成物は、食品または健康機能食品であってもよく、特に前記「健康機能食品」とは、健康機能食品に関する法律第6727号に基づく人体に有用な機能性を有する原料や成分を使用して製造及び加工した食品を意味し、「機能性」とは、人体の構造及び機能に対して栄養素を調節するか、または生理学的作用などの保健用途に有用な効果を得る目的で摂取することを意味する。
本発明の前記食品または健康機能食品は、筋疾患の予防及び改善のための目的で、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、懸濁液、エマルジョン、シロップなどの薬学的投与形態またはティーバッグ、浸出茶、飲料、キャンディー、ゼリー、ガムなどの健康機能食品として製造及び加工が可能である。
本発明の前記食品または健康機能食品組成物は、食品添加物として使用されてもよく、単独でまたは他の成分と組み合わせて製品化されてもよい。また、栄養剤、ビタミン、電解質、風味剤、着色剤及び増進剤、ペクチン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護コロイド増粘剤、pH調整剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に使用される炭酸化剤などが含まれてもよい。前記成分は、単独または組み合わせて使用されてもよく、適切な含量で組み合わせて使用してもよい。
本発明の一実施態様として、本発明は、オキシカム化合物を含む筋力強化用組成物に関する。
前記「筋力強化」とは、身体遂行の強化、最大持久力の強化、筋肉量の増加、筋肉回復の強化、筋肉疲労の減少、エネルギー収支の改善またはそれらの組み合わせ効果をいう。前記組成物は、筋芽細胞を筋肉細胞に分化させる能力を通じて筋肉量を増加させて全体の筋肉量を増加させることができ、最大持久力が強化され、これにより身体遂行が強化され、筋肉疲労も減少しうる。また、筋肉細胞を迅速に代替できるので、筋肉の損傷に対して迅速に治癒しうる。また、本発明の筋力強化用組成物は、食品組成物または食品添加剤の形態で製造されてもよく、特に健康食品組成物の形態で製造されてもよい。前記食品組成物は、前述の通りである。したがって、本発明の筋力強化用組成物は、老化による筋肉減少だけでなく、一般人の筋肉生成、筋力強化に対する補助剤などの形態で使用されてもよい。
本発明の他の実施態様として、本発明は、オキシカム化合物を含む飼料または飼料添加用組成物に関する。
本発明において「飼料」とは、動物の生命を維持するために必要な有機または無機栄養素を供給する物質を意味する。前記飼料は、家畜などの動物が必要とするエネルギー、タンパク質、脂質、ビタミン、鉱物質などの栄養素を含み、穀物類、根果類、食品加工副産物類、藻類、繊維質類、油脂類、澱粉類、フクベ類、穀物副産物類などの植物性飼料またはタンパク質類、無機物類、油脂類、鉱物性類、油脂類、単細胞タンパク質などの動物性飼料が挙げられるが、これに制限されるものではない。
本発明において、「飼料添加剤」とは、動物の生産性向上や健康を増進させるために飼料に添加される物質を意味し、これに制限されるものではないが、成長促進、疾病予防などのためのアミノ酸剤、ビタミン剤、酵素剤、香味剤、ケイ酸塩剤、緩衝剤、抽出剤、オリゴ糖などをさらに含んでもよい。
発明の実施のための形態
以下、本明細書を具体的に説明するために実施例を挙げて詳細に説明する。しかし、本明細書による実施形態は、様々な他の形態に変形されてもよく、本明細書の範囲が後述する実施例に限定されるものと解釈されるべきではない。本明細書の実施例は、当業界で平均的な知識を有する者に本明細書をより完全に説明するために提供されるものである。
<実施例1>筋肉細胞の分離及び培養
C2Cl2は、C3H種の生マウスから得られた筋芽細胞株であり、筋細胞分化研究に広く使用されている。前記C2C12細胞は、一般的な細胞培養用培地と分化用培地でそれぞれ培養した。正常な細胞培養用培地(GM,growth media)としては10%ウシ胎児血清(fetal bovine serum)が添加されたDMEMを使用し、分化用培地(DM,differentiation media)としては2%ウマ血清が含まれたDMEMを使用した。
また、17歳と66歳のコーカシアン男性の腹直筋(Rectus Abdominis)から分離されたヒト筋肉幹細胞(skMDC Human Skeletal Muscle Cells(Standard Donors),Cat NO:SK-1111)は、MyoSite社から購入して使用した。
<実施例2>筋損傷(CTX-injury)マウスモデルの作製
実験動物は、生後5ヶ月齢のC57BL/6雄マウス30匹を用いた。実験動物は、体重が似ているマウスが5匹ずつ割り当てられ、メロキシカムを投与していない対照群とメロキシカムを投与した実験群に分類した。前記実験群マウスにメロキシカムを0.02mg/kgの用量で7日間経口投与した。その後、20μMのカルジオトキシン(cardiotoxin:CTX)を50μlずつtibialis anterior(TA)筋肉に直接注射して筋損傷を誘導し、21日間メロキシカム(0.02mg/kg)を経口投与した。
<実験例1>筋芽細胞(myoblast)分化亢進効果の確認
1-1.マウス筋肉幹細胞分化亢進効果
実施例1のC2Cl2細胞株を細胞培養用培地に分注してDMEM培地で24時間培養した後、分化培地にオキシカム系化合物であるメロキシカム(F03)、ロルノキシカム(F03-1)、ピロキシカム(F03-2)及びテノキシカム(F03-3)を処理し、分化マーカーであるMyogenin及びMHC(myosin heavy chain)の相対的発現量を分析した。前記実施例1で分化を誘導したC2C12細胞を得て、lysis buffer(20mM Tris-HCl,pH8.0,150mM NaCl,1% Triton X,Proteinase Inhibitor)を加えて溶解した後、細胞溶解サンプルを定量し、同量のタンパク質をSDS-PAGE電気泳動を行い、PVDF membraneに移した。前記メンブレンを5%skim milkでブロッキングし、TTBS(0.03%Tween 20,Tris 2.42g,NaCl9g,pH7.41L)で洗浄した。5%BSAを含むTTBSに分化マーカーであるMHC(myosin heavy chain)一次抗体を1:500に希釈して添加した後、4℃でovernight反応させた。その後、5%skim milkを含むTTBSに二次抗体を1:5000に希釈して添加した後、常温で反応させた後、ECL(Enhanced Chemiluminescent solution,Pierce)を添加した。その後、前記メンブレンをX-rayフィルムに露出させてタンパク質発現量を確認した。
その結果、図1に示すように、対照群(DMSO)に比べて、オキシカム系化合物を処理した場合、筋芽細胞の分化マーカーの相対的発現量が増加したことが確認できた。
また、前記化合物のうち、メロキシカムをC2C12細胞にそれぞれ1、10、100、1,000及び10,000nMの濃度別に処理し、前記培地を隔日に交換しながら3日間分化を誘導した。分化後、細胞を顕微鏡で確認し、細胞を破砕して分化マーカーであるMyogenin及びMHC抗体を用いてウェスタンブロット分析を行った。C2C12細胞を1XPBSで洗浄した後、4%パラホルムアルデヒド(paraformaldehyde)で常温で固定した後、透過用バッファー(permeabilization buffer)を入れて常温で反応させた。5%Goat serumが入っているPBST(blocking buffer)、0.05%Tween 20を含むPBSで反応させて、不特定の抗体結合を抑制した。Myosin heavy chain(MHC)に対する一次抗体を添加した後、常温で反応させた。ブロッキングバッファー(blocking buffer)に1:5000に希釈した二次抗体を添加して常温で反応させた後、mounting solution(40%glycerol in DW)塗布及び固定後、蛍光顕微鏡で写真を撮って結果を分析した。
その結果、図2に示すように、高濃度のメロキシカムを処理した筋芽細胞でMHC(myosin heavy chain)が鮮明に観察され、図3のように発現量も増加したことが確認できた。
1-2.ヒト筋肉幹細胞分化亢進効果
メロキシカムのヒト筋肉幹細胞でも分化を増進する効果を有するかどうかを確認するために、実験を行った。
17歳と66歳のコーカシアン男性の腹直筋(Rectus Abdominis)から分離されたヒト筋肉幹細胞(skMDC Human Skeletal Muscle Cells(Standard Donors),Cat NO:SK-1111)は、MyoSite社から購入して使用した。ヒト筋肉幹細胞を細胞培養用培地に分注して24時間培養した後、分化培地にオキシカム系化合物であるメロキシカム(1μM)を処理し、4日間筋線維への分化を誘導した。筋線維マーカーであるMHC(myosin heavy chain)免疫染色を通じて筋線維への分化の程度を測定した。分化は筋線維の直径で分析した。
その結果、図4に示すように、17歳の被験者から抽出された筋肉幹細胞の場合、筋管径が増加したことが確認でき、図5から確認されるように66歳の被験者から抽出された筋肉幹細胞は、発現量及び筋管径の両方が増加したことが確認できた。
<実験例2>筋損傷マウスモデルの筋肉回復効果の確認
2-1.筋損傷マウスモデルの筋肉量増加効果
CTX-injuriedマウスモデルを用いて筋肉回復効果を確認するための実験を行った。CTX-injuried 21日後、メロキシカムを投与し、後肢(Hindlimb)の筋肉組織であるTA(Tibialis anterior muscle,前脛骨筋)、EDL(Extensor digitorum longus muscle、長趾伸筋)、Sol(Soleus muscle、ヒラメ筋)、Gas(Gastrocnemius muscle,腓腹筋)の重量をそれぞれ測定して比較した結果、それぞれ対照群に対してTAで5.8%、EDLで14.1%、Gasで5.4%、及びSolで3.4%の筋肉量が増加したことが確認できた(図6)。これは同期間、体重及び他の臓器の重量の変化が殆どなかったこと(図7)と比較される結果であり、メロキシカムが骨格筋の量を特異的に増加させるという結果を示すものである。
2-2.筋損傷マウスモデルの筋肉再生及び筋線維のサイズの増加効果
CTX-injuriedマウスモデルに対して、メロキシカムによる筋肉再生及び筋線維のサイズの増加効果を確認するために、実験動物の組織から分離したTA筋肉を使用してH&E染色(hematoxylin & eosin staining)を行った。4%パラホルムアルデヒド(paraformaldehyde)で固定された凍結切片をヘマトキシリン(hematoxylin)で染色し、対照染色のためにエオシン(eosine)で染色し、mounting solutionで固定して光学顕微鏡で観察し、筋肉の損傷後、回復4日、7日、21日目から筋肉の回復力及び筋線維のサイズが増加したことを図8のように確認した。
また、増加した筋肉のタイプに対してさらに確認するために、筋肉のタイプに関連したmRNAの相対的発現量を比較した。その結果、図9に示すように、メロキシカム投与群では、特に損傷後21日目のTypeII筋線維の量が対照群に比べて有意に増加していることを確認した。
さらに、筋線維のサイズを分析するためにLaminin抗体を用いてTA筋肉組織に免疫組織化学染色を行い、蛍光顕微鏡で観察した結果、図9の下段の写真に示すように、Laminin染色により見られる筋線維の断面積(CSA,Cross Section Area)が増加したことが確認でき、MHCが発現する代謝性筋線維の断面積がより多く観察されることが分かる。これを通じて、増加した筋線維及びこれによる筋肉量の増加は、代謝性筋線維の直径及び比率の増加によるものであることが確認できる。
2-3.筋損傷マウスモデルの筋肉内代謝性酵素の活性増加
CTX-injuriedマウスモデルに損傷後、21日経過後にメロキシカムを投与して投与群において筋肉内のミトコンドリアでの代謝性酵素(glycolytic enzyme)活性増加効果を確認した。
実験動物の組織から分離したTA筋肉切片に酵素GPDH(Glycerol-3-phosphate dehydrogenase)の基質であるα-glycerol phosphateを添加し、GPDHの活性に応じて筋線維の色変化を確認した。変化した筋肉切片は、Merck社のaquatexで固定し、顕微鏡で観察した。その結果、図10に示すように、メロキシカム投与群の場合、代謝性筋線維のサイズが増加し(左)、ここでGPDHが活性化されている筋線維の割合が対照群に比べて多いことが確認できた。以上の結果から、メロキシカム投与により、筋肉内代謝性酵素の活性が増加することが分かる。
2-4.筋損傷マウスモデルの筋力及び運動能力増加効果
CTX-injuryを誘発した後、21日目にメロキシカム投与群と対照群の筋力と運動能力を確認するために、筋力及び運動能力評価のための実験を行った。投与群と対照群の筋力を確認するために、握力(Grip strength)テストを行った。握力(Grip strength)テストは、BIOSEB社のマウス用握力測定器を使用して測定した。力の強さをモニタリングできる計器板に付着した金網の上にマウスを置き、尻尾を引っ張りながらマウスが金網をつかむ力を測定した。連続的に4回繰り返して測定された平均値を体重で割って導出した。その結果、図11のように筋力の場合、メロキシカム投与群が対照群に対して約21.9%が増加し、運動能力を評価するための実験でもメロキシカムを投与した群において最大72.3%の運動能力増加効果を確認した。投与群と対照群の運動遂行能力を確認するために、ロータロッド(Rotarod)テストを行った。ロータロッド(Rotarod)テストは、Ugo Basile社のマウス用ロータロッド機器を使用して測定した。回転するロータからマウスが落ちるまでの距離を測定する。ロータロッドテストの測定は、適応訓練を行った後に測定し、適応訓練は、8rpm 5分、10rpm 3分、13rpm 1分ずつ2日間行った。等速ロータロッド(constant rotatod)テストは、13rpmでマウスが落ちるまで測定し、加速ロータロッド(accelerated rotarod)テストは、40秒で5rpmから18rpmまで上昇する加速で測定した。両実験とも500秒まで最大値基準で測定し、500秒では実験を中断して測定した。
<実験例3>メロキシカム長期投与時、年齢に応じた筋肉量及び運動能力増加効果の確認
3-1.老化マウスの筋肉量、筋肉のタイプ及び運動能力の変化
24ヶ月齢の老化したマウスに対して、4ヶ月間メロキシカムを投与した後、後肢(hindlimb)及び骨格筋量の変化を重量をそれぞれ測定して比較した。その結果、図12に示すように、後肢の筋肉とEDL筋肉の場合、筋肉量が増加したことが確認でき(下)、これは全体の体重増加(上)と比較すると、筋肉量の増加が相対的に高い割合で発生されたことが分かる。
また、発現される筋肉のタイプについてmRNAの相対的発現量を通じて確認した結果、図13に示すように、メロキシカム投与群では、特にMyh TypeII筋線維の発現割合が増加した。すなわち、メロキシカムを投与した老化マウスは、筋肉量及び代謝性筋線維の割合が増加することを確認した。
また、メロキシカム投与群と対照群の運動能力の変化を確認するために、ロータロッド(rotaroad)機構での運動能力実験を行った。その結果、図14のように、メロキシカム投与群が対照群に対して50%以上の運動能力が増加することを確認した。一方、老化マウスだけでなく7ヶ月齢のマウスにおいても運動能力増加効果が確認できた。すなわち、メロキシカムによる運動能力改善効果は、老化した筋肉だけでなく、正常な筋肉においても効果を示すことを確認した。
3-2.マウス(4ヶ月)齢の筋力及び運動能力の変化
相対的に低年齢のマウスにおいてもメロキシカム投与による筋力及び運動能力の変化を測定するために実験を行った。CTX-injuryを誘発した後、21日目にメロキシカム投与群と対照群の筋力を測定するための握力(Grip strength)テスト及び運動能力を確認するための実験を行った。握力(Grip strength)テストは、BIOSEB社のマウス用握力測定器を使用して測定した。力の強さをモニタリングできる計器板に付着した金網の上にマウスを置き、尻尾を引っ張りながらマウスが金網をつかむ力を測定した。連続的に4回繰り返して測定された平均値を体重で割って導出した。その結果、図15のように筋力の場合、メロキシカム投与群が対照群に対して約21.9%が増加し、運動能力を評価するための実験でもメロキシカムを投与した群において最大72.3%の運動能力増加効果を確認した。
3-3.正常マウス(4ヶ月齢)の長期投与時の筋力及び運動能力の変化
4ヶ月齢の正常マウスに対して、メロキシカムの長期投与時、筋力及び運動能力の変化を観察するために実験を行った。まず、2ヶ月間正常マウスにメロキシカムを投与した後、非投与群と体重変化を比較した結果、有意な変化は観察されず(図16a)、摂取量の変化も見られなかった(図16b)。投与群と対照群の運動遂行能力を確認するために、握力テスト(Grip test)及びトレッドミル(treadmill)テストを行った。トレッドミル(treadmill)テストは、Columbus Instruments社のマウス用トレッドミル機器を使用して測定した。測定は、10%の勾配と8m/minで開始し、2分で1m/minずつ増加させてマウスが疲れるまで測定した。握力テストの結果、筋力はメロキシカム投与群において向上されたことを確認し、運動持続時間も非投与群に比べて向上されたことを確認した(図17a)。また、メロキシカム投与群において、体重に対して筋肉量が対照群に比べてさらに増加したことが確認された(図17b)。すなわち、前記実験結果から、正常な若いマウスでもメロキシカムの投与時、筋肉機能が向上し、筋力及び運動遂行能力が増加することが分かる。
以上、本発明に対してその好ましい実施例を中心に察しみた。本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者は、本発明が本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形された形態で具現されてもよいことが理解できるだろう。したがって、開示された実施例は、限定的な観点ではなく説明的な観点から考慮されるべきである。本発明の範囲は、前述した説明ではなく請求範囲に示されており、それと同等の範囲内にあるすべての相違点は、本発明に含まれたものと解釈されなければならない。

Claims (18)

  1. オキシカム系化合物及びその薬学的に許容可能な塩を含む筋疾患の予防または治療用薬学的組成物。
  2. 前記オキシカム系化合物は、ロルノキシカム、ピロキシカム、テノキシカム、アンピロキシカム、ドロキシカム、メロキシカム、クロノテキシカム、テノキシカム及びピロキシカムからなる群から選ばれるものである、請求項1に記載の薬学的組成物。
  3. 前記筋疾患は、緊張減退症(atony)、筋萎縮症(muscular atrophy)、筋肉退化、筋硬直症、筋萎縮性側索硬化症、筋無力症、悪液質(cachexia)及び筋肉減少症(sarcopenia)からなる群から選ばれるものである、請求項1に記載の薬学的組成物。
  4. 前記筋疾患は、老化、筋機能低下、筋肉消耗、筋肉退化または筋肉損傷によって誘発されるものであることを特徴とする、請求項3に記載の組成物。
  5. オキシカム系化合物またはその食品学的に許容可能な塩を含む筋疾患の予防または改善用健康機能食品組成物。
  6. オキシカム系化合物を含む筋力強化用組成物。
  7. オキシカム系化合物を含む筋機能改善用組成物。
  8. オキシカム系化合物を含む運動遂行能力向上用組成物。
  9. 前記組成物は、食品、機能性食品、健康機能食品、医薬品、動物用飼料または飼料添加物のうち少なくとも1つが選ばれるものである、請求項6~8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 前記オキシカム系化合物は、ロルノキシカム、ピロキシカム、テノキシカム、アンピロキシカム、ドロキシカム、メロキシカム、クロノテキシカム、テノキシカム及びピロキシカムからなる群から選ばれるものである、請求項6~8のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  11. オキシカム系化合物を含む筋肉幹細胞分化促進用組成物。
  12. オキシカム系化合物を含む筋肉再生用組成物。
  13. オキシカム系化合物を含む筋肉量増加用組成物。
  14. 前記組成物は、損傷または老化した筋肉において筋肉幹細胞分化、筋肉再生または筋肉量増加効果を有することを特徴とする、請求項11~13のいずれか一項に記載の組成物。
  15. 前記組成物は、正常な筋肉に長期投与時、筋肉幹細胞分化、筋肉再生または筋肉量増加効果を有することを特徴とする、請求項11~13のいずれか一項に記載の組成物。
  16. 前記オキシカム系化合物は、ロルノキシカム、ピロキシカム、テノキシカム、アンピロキシカム、ドロキシカム、メロキシカム、クロノテキシカム、テノキシカム及びピロキシカムからなる群から選ばれるものである、請求項11~13のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
  17. オキシカム系化合物及びその薬学的に許容可能な塩を用いて筋疾患を予防、改善または治療する方法。
  18. オキシカム系化合物及びその薬学的に許容可能な塩の筋疾患の予防、改善または治療用途。
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