JP2010526527A - 抗腫瘍活性を有する新規なポリペプチド - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は内皮細胞のアポトーシスを誘導し抗腫瘍活性を有する、新規のポリペプチド及びその用途を提供する。
【解決手段】配列番号9のアミノ酸配列または配列番号9のアミノ酸配列と少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列を含むペプチド及び前記ペプチドを、これを必要とする個体に有効な量で投与することを含む内皮細胞のアポトーシスを誘導する方法及び癌の予防または治療方法に関するものである。
【選択図】なし
【解決手段】配列番号9のアミノ酸配列または配列番号9のアミノ酸配列と少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列を含むペプチド及び前記ペプチドを、これを必要とする個体に有効な量で投与することを含む内皮細胞のアポトーシスを誘導する方法及び癌の予防または治療方法に関するものである。
【選択図】なし
Description
本発明は抗腫瘍活性を有する新規なポリペプチドに関する。より詳しく言えば、本発明は内皮細胞のアポトーシス(apoptosis)の誘導による抗腫瘍活性を有する新規なポリペプチドに関する。
生命体を構成している多様な種類の細胞は、多様な経路を介して死滅する。1972年にケア等(Kerr et al.)により初めて言及された細胞死(apoptosis;アポトーシス)は多細胞生命体の組織の動的平衡(homeostasis)の維持と正常な器官の発達とに必須な生理現象の1つであり、これは或る刺戟に反応する細胞に選択的に生ずる細胞内の作用メカニズムである。具体的には、細胞は栄養分の枯渇(starvation)、ウィルス、酸素ラジカル、または染色体を損傷させる薬剤のような多様なストレスによりプログラム化された死を引起こすことができる。このようなアポトーシス現象は、染色体DNAの分断(chromosomal DNA fragmentation)、カスパーゼ酵素系(caspase family)の活性化、及びクロマチン凝集(chromatin condensation)、水泡形成、細胞の収縮(cell shrinkage)、死滅体(apoptotic body)形成のような特異な形態的な変化を観察することにより見出すことができる(John D R et al, 2000, J. Structur. Biol. 129, 346-358; Takeuchi M et al, 1999, Apoptosis 4, 461-468)。
前記アポトーシスは、組織の動的平衡維持のための生理的機能を遂行するばかりでなく、アポトーシスの非正常的な抑制または促進による細胞の増殖、または当該細胞の損失による各種疾患を誘発することが知られている。さらに、アポトーシスは、免疫反応の調節機構の一つであるリンパ球の動的平衡の維持とリンパ球による標的細胞の殺滅にも重要な役割を果たしている。
最近、アポトーシスが細胞増殖と共に、組織の動的平衡の維持に重要な役割をすることから、免疫疾患及び腫瘍を含めて多くの疾患がアポトーシスの調節異常により発生する新たな実例が見られるようになった。従って、ヒトの多くの疾患の発病機構の理解及びその治療のプロトコルの開発のため、アポトーシス調節の機構を理解することが大きな関心事として浮上し、ここに、アポトーシスは医薬的産業分野において付加価値が高い部分として浮上した。
一方、AIMP1(ARS-interacting multi-functional protein 1)は、従来、p43蛋白質として知られたものであり、本発明者等により再命名されたものである(Kim S. H. et al., Trends in Biochemical Sciences., 30: 569-574, 2005)。AIMP1は312個のアミノ酸からなる蛋白質であり、多重−tRNA合成酵素複合体(multi-tRNA synthetase complex)に結合して、前記多重−tRNA合成酵素の触媒的活性(catalytic activity)を増進させる蛋白質である。前記AIMP1は脳脊髄炎、神経炎及びブドウ膜炎のような実験上の自己免疫疾患部位にある微細神経細胞において、高い水準で発現するものの、このように特定発生段階及び組織においてAIMP1の発現水準が高く表れる現象は、AIMP1が炎症反応と細胞アポトーシス(cell apoptosis)に関与することを示唆している(Berger, A. C. et al,. J. Immunother. 23: 519-527, 2000)。本発明者等は、先にAIMP1及びこれのN−末端断片が効果的なサイトカイン、抗腫瘍剤及び血管新生抑制剤として利用し得ることを糾明している(Park H. et al., J. Leukoc. Biol., 71: 223-230, 2002; Park S. G. et al., J. Biol. Chem, 277: 45243-45248, 2002; Park H. et al., Cytokine, 21: 148-53, 2002)。
一方、数多くのアミノ酸からなるポリペプチドは、生体内に投与すると代謝されてペプチド結合が切断され、医薬に製剤化する段階で分解し易い短所がある。従って、一般的に、薬剤として使用するためにはポリペプチドの長さは出来るだけ短くすることが望ましいが、薬理活性は維持されなければならないので長鎖ペプチドの活性に匹敵する活性を有する最小長さのペプチドを見つけることが医薬品開発において重要な課題である。
ここで、本発明者等は新たな抗腫瘍剤を開発するための研究中に、公知のAIMP1蛋白質の中間域のアミノ酸配列の一部を含むポリペプチドが、内皮細胞のアポトーシスを誘導し抗腫瘍活性があることを確認して本発明を完成した。
従って、本発明の目的は配列番号9のアミノ酸配列または配列番号9のアミノ酸配列と少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列を含む分離されたポリペプチド、またはこれらをコードする分離されたポリヌクレオチド及びこれらの抗腫瘍活性に対する用途を提供することにある。
前記の目的を達成するために、本発明は配列番号9のアミノ酸配列または配列番号9のアミノ酸配列と少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列を含む分離されたポリペプチド及びこれらをコードする分離されたポリヌクレオチドを提供する。
さらに、本発明は前記ポリペプチド及びそのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む薬学的組成物を提供する。
さらに、本発明は前記ポリペプチドまたはそのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、これを必要とする個体に有効な量投与することを含む内皮細胞のアポトーシスを誘導する方法及び癌の予防または治療方法を提供する。
さらに、本発明は前記ポリペプチドまたはそのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、これを必要とする個体に有効な量投与することを含む内皮細胞のアポトーシスを誘導する方法及び癌の予防または治療方法を提供する。
さらに、本発明は、癌治療用の薬学的組成物を製造するための、前記ポリペプチドまたはそのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの用途を提供する。
以下、本発明を詳細に説明する。
以下、本発明を詳細に説明する。
[用語の定義]
他の定義がない限り、本明細書に使用されている全ての技術的及び科学的用語は、当業者により通常理解されるのと同一の意味を有する。
他の定義がない限り、本明細書に使用されている全ての技術的及び科学的用語は、当業者により通常理解されるのと同一の意味を有する。
本明細書で使用されている“有効な量”の用語は、試験管内、または生体内で内皮細胞のアポトーシスを誘導するか、または抗腫瘍活性を示す効果的な量を言う。
本明細書で使用されている“個体(subject)”の用語は、哺乳動物、特にヒトを含む動物、または前記動物の細胞または組織を意味する。前記個体は治療が必要な患者(patient)をも含む。さらに、前記細胞は好ましくは内皮細胞である。
本発明のポリペプチドは、AIMP1蛋白質の101−170アミノ酸配列を含む。一方、AIMP1(ARS-interacting multi-functional protein 1)は、従来p43蛋白質として知られたものであり、本発明者等により再命名されたものである(Sang Gyu Park. et al., Trends in Biochemical Sciences., 30: 569-574, 2005)。
前記AIMP1は312個のアミノ酸からなる蛋白質であり、多重tRNA合成酵素複合体(multi-tRNA synthetase complex)に結合して、前記多重−tRNA合成酵素の触媒的活性(catalytic activity)を増進させる蛋白質である。AIMP1は前立腺癌、免疫及び形質転換細胞を含む多様な形態の細胞から分泌され、分泌されたAIMP1は単核球/マクロファージ、内皮細胞及び線維芽細胞のような多様な標的細胞に作用することが知られている。前記AIMP1には、下記の3つの一塩基多型(SNPs)が知られている(NCBIのSNPデータベース参照)。すなわち、全長AIMP1蛋白質のアミノ酸配列(配列番号1)の内、79番目のアミノ酸であるアラニン(Ala)がプロリン(Pro)に置換されたもの(SNP accession no. rs3133166)、104番目のアミノ酸であるトレオニン(Thr)がアラニン(Ala)に置換されたもの(SNP accession no. rs17036670)、117番目のアミノ酸であるトレオニンがアラニン(SNP accession no. rs2230255)に置換されたものが知られている。
本発明者等は内皮細胞死に関連するAIMP1の機能ドメインを決定するために、AIMP1の一連の欠損断片を製造した後(図1及び図2参照)、内皮細胞のアポトーシスを誘導する各断片の活性を調査した(実施例2参照)。その結果、AIMP1の101−192番のアミノ酸域が内皮細胞のアポトーシスを誘導する活性を有するドメインであることが推定できた(図4及び図5参照)。
本発明者等は内皮細胞死に関連する機能を有するAIMP1のドメインをさらに特定するために、AIMP1−(101−192)の断片をさらに小さくした断片を製造し(実施例<3−1>)参照)、これらの断片について内皮細胞死の誘導活性を測定した(図8乃至図10参照)。
さらに、本発明者等はAIMP1−(101−170)断片の変異体が内皮細胞のアポトーシスを誘導できるか否かを確認するために、前記AIMP1−(101−170)ペプチドにC161S点変異を誘導して、AIMP1−(101−170)C161Sを製造した(実施例<4−1>参照)。さらに、AIMP1全長蛋白質、AIMP1−(101−170)ポリペプチド及びAIMP1−(101−170)変異体ポリペプチドの内皮細胞死活性を比較した結果、前記変異体ポリペプチド(AIMP1−(101−170)C161S)はジチオトレイトール(DTT)がない条件でも内皮細胞死を誘導する活性のあることを確認した(図11参照)。
さらには、本発明者等はAIMP1−1(101−170)ペプチドに抗腫瘍活性があるか否かを調べた。その結果、体重減量の副作用なしに、AIMP1全長蛋白質(図14参照)よりも優れた抗腫瘍効果のあることを確認できた(図12及び図13参照)。
従って、本発明は配列番号9のアミノ酸配列または配列番号9のアミノ酸配列と少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供する。
従って、本発明は配列番号9のアミノ酸配列または配列番号9のアミノ酸配列と少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供する。
前記本発明のポリペプチドは、これに限定はされるものではないが、好ましくは、配列番号4乃至8及び配列番号10乃至14からなる群から選ばれるアミノ酸配列からなる。前記配列番号11乃至14のアミノ酸配列は、前記配列番号9または配列番号10のアミノ酸配列の公知のSNPである。本発明のポリペプチドは最も好ましくは、配列番号9または10のアミノ酸配列からなる。
さらに、本発明のポリペプチドは、配列番号9のアミノ酸配列を含むポリペプチドの機能的同等物、及び好ましくは、配列番号9のアミノ酸配列を含むポリペプチドの機能的同等物並びにそれらの塩を含む。さらに詳しく言えば、前記機能的同等物とは、配列番号9のポリペプチドタイプと少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%の配列相同性(つまり、同一性)を有するもの、例えば、80%,81%,82%,83%,84%,85%,86%,87%,88%,89%,90%,91%,92%,93%,94%,95%,96%,97%,98%,99%,100%の配列相同性を有する、配列番号9のポリペプチドと実質的に同一の生理活性を示すポリペプチドを言う。本明細書で配列相同性及び同一性は、配列番号9のアミノ酸配列と候補配列を整列し、必要な場合、ギャップ(gaps)を導入した後の、配列番号9のアミノ酸配列に対する候補配列のアミノ酸残基の百分率で定義される。配列同一性の最大百分率を収得するために、配列同一の部分として保存的置換は考慮しない。配列番号9のアミノ酸配列のN−末端、C−末端または内部伸長、欠損または挿入は、配列同一性または相同性に影響を及ぼす配列としてはみなされない。さらに、前記配列同一性は、2個のポリペプチドのアミノ酸配列の類似した部分を比較するために使用される一般的な標準法により決定できる。BLASTまたはFASTAのようなコンピユータープログラムは、2個のポリペプチドをそれぞれのアミノ酸が最適にマッチング(matching)するように並べる(1つまたは2つの配列に沿ってまたは1つまたは2つの配列の予測された部分に沿って)。前記プログラムはデフォルトオープニングペナルティ(default opening penalty)及びデフォルトギャップペナルティ(default gap penalty)を提供し、コンピユータープログラムと連係して使用することができるPAM250(標準スコアリングマトリックス;Dayhoff et al., in Atlas of Protein Sequence and Structure, vol. 5, supp. 3 (1978))のようなスコアリングマトリックスを提供する。例えば、同一性の百分率は下記の通り計算することができる:一致する配列(identical matches)の総数に100を掛けた後、これを対応するスパン(matched span)内のより長い配列の長さと、2つの配列を並べるためにより長い配列内に導入されたギャップ(gaps)との数の和で割る。
本発明の機能的同等物には、ポリペプチドの基本骨格と内皮細胞死誘導活性または癌細胞増殖抑制活性を維持しながら本発明のポリペプチドの一部化学構造を変更することによって得られる誘導体が含まれる。例えば、ポリペプチドの安定性、貯蔵性、揮発性または溶解度等を変えるための構造上の変更がこれに含まれる。
本発明のポリペプチドはこれをコードする組替え核酸の発現による遺伝子工学的方法により製造できる。先ず、通常の方法により前記AIMP1またはその断片をコードするDNA配列を作製する。DNA配列は適切なプライマーを使用してPCR増幅することにより作製できる。他の方法としては当業界に公知の標準方法により、例えば、DNA合成器(Biosearch社またはApplied Biosystems社で販売するもの)を使用してDNA配列を合成することもできる。作製されたDNA配列は、このDNA配列に作動可能に連結され(operatively linked)、そのDNA配列の発現を調節する少なくとも1つの発現調節配列(expression control sequence)(例えば、プロモータ、エンハンサ等)を含むベクターに挿入させ、これより形成された組替え発現ベクターで宿主細胞を形質転換させる。形質転換された細胞を前記DNA配列が発現されるように、適切な培地及び条件下で培養し、培養物から前記DNA配列によりコードされた実質的に純粋なポリペプチドを回収する。この回収は当業界に公知の方法(例えば、クロマトグラフィー)を利用して行える。
ここで“実質的に純粋なポリペプチド”とは、本発明に伴うポリペプチドが宿主細胞に由来する如何なる他の蛋白質も実質的に含まないことを意味する。本発明のポリペプチド合成のための遺伝子工学的方法は下記の文献を参考にできる:Maniatis et al., Molecular Cloning; A laboratory Manual, Cold Spring Harbor laboratory 1982; Sambrook et al., supra; Gene Expression Technology, Method in Enzymology, Genetics and Molecular Biology, Method in Enzymology, Guthrie & Fink (eds.), Academic Press, San Diego, Calif. 1991; 及びHitzeman et al., J. Biol. Chem., 255, 12073-12080, 1990。
さらに、本発明のポリペプチドは当分野で公知の技術で化学的に合成できる(Creighton, Proteins: Structures and Molecular Principles, W. H. Freeman and Co., NY, 1983)。すなわち、本発明のポリペプチドは通常の段階的な液相または固相合成法、断片縮合法、F−MOCまたはT−BOC化学法を利用して製造できる(Chemical Approaches to the Synthesis of Peptides and Proteins, Williams et al., Eds., CRC Press, Boca Raton Florida, 1997; A Practical Approach, Atherton & Sheppard, Eds., IRL Press, Oxford, England, 1989)。
特に、好ましい生産方法は固相合成法(solid phase synthesis)を利用することである。本発明のポリペプチドは、保護されたアミノ酸間の縮合反応により、通常の固相法でC−末端から始まり、同定されたアミノ酸配列に従って、第1のアミノ酸、第2のアミノ酸、第3のアミノ酸などへと順次進行しながら合成できる。縮合反応後、保護基及びC−末端アミノ酸が結合した担体を酸分解(acid decomposition)またはアミノリス(aminolysis)のような公知の方法により除去する。前記のポリペプチド合成法は、関連文献に詳細に記述されている(Gross and Meienbofer's, The peptides, vol. 2, Academic Press, 1980)。本発明のポリペプチドの合成のために使用できる固体状の担体は、例えば、置換ベンジル型のポリスチレンレジン(polystyrene resins of substituted benzyl type)、ヒドロキシメチルフェニルアセチックアミド状のポリスチレンレジン、置換されたベンズヒドリルポリスチレンレジン、ペプチドに結合できる官能基を有するポリアクリルアミドレジン等が挙げられる。アミノ酸縮合もやはり通常の方法で実行でき、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)法、酸無水物(acid anhydride)法及び活性化エステル(activated ester)法等が使用できる。
本発明のペプチド合成に使用される保護基は通常のペプチド合成に使用される保護基であり、酸分解、還元またはアミノリシスのような通常の方法により容易に除去されるものである。アミノ保護基等の具体例としては、ホルミル;トリフルオロアセチル;ベンジルオキシカルボニル;(o−またはp−)クロロベンジルオキシカルボニル及び(o−またはp−)ブロモベンジルオキシカルボニルのような置換されたベンジルオキシカルボニル;t−ブトキシカルボニル及びt−アミルオキシカルボニルのような脂肪族オキシカルボニル等が挙げられる。アミノ酸のカルボキシル基はエステル基に転換させることにより保護することができる。エステル基にはベンジルエステル、メトキシベンジルエステルのような置換されたベンジルエステル;シクロヘキシルエステル、シクロヘプチルエステルまたはt−ブチルエステルのようなアルキルエステル等がある。グアニジノ基は保護基が必要でないものの、ニトロ;またはトシル、メトキシベンゼンスルホニルまたはメシチレンスルホニルのようなアリールスルホニルにより保護できる。イミダゾールの保護基には、トシル、ベンジル及びジニトロフェニル等がある。トリプトファンのインドール基はホルミル基によって保護されていてもよいし、保護されていなくてもよい。脱保護及び担体から保護基を分離することは、種々のスカベンジャー(scavenger)の存在下に無水ハイドロフルオライドを用いて遂行できる。スカベンジャーの例としては、アニソール、(o−、m−、p−)クレゾール、ジメチルスルフィド、チオクレゾール、エタンエンジオール及びメルカプトピリジン等、ペプチド合成において通常使用されるものが挙げられる。
前記遺伝子工学的方法により製造または化学的に合成された組替えペプチドは、例えば、抽出法、再結晶法、種々のクロマトグラフィー(ゲルろ過、イオン交換、沈澱、吸着、逆相)法、電気泳動、向流分配法等、当技術分野で公知の方法により分離及び精製できる。
さらに、本発明は配列番号9のアミノ酸配列またはそのアミノ酸配列と少なくとも90%の相同性を有する分離されたポリペプチドをコードする分離されたポリヌクレオチドを提供する。
前記ポリヌクレオチドはDNA、cDNA及びRNA配列を全て含む。好ましくは、前記ポリヌクレオチドは配列番号48乃至58からなる群から選択される塩基配列を有する。配列番号55乃至58のポリヌクレオチドは、配列番号9または10のポリペプチドの公知のSNPをコードする。前記ポリヌクレオチドは天然材料から分離されるか、または本発明が属する技術分野で公知の遺伝子工学的な方法により製造できる。
前記ポリヌクレオチドはDNA、cDNA及びRNA配列を全て含む。好ましくは、前記ポリヌクレオチドは配列番号48乃至58からなる群から選択される塩基配列を有する。配列番号55乃至58のポリヌクレオチドは、配列番号9または10のポリペプチドの公知のSNPをコードする。前記ポリヌクレオチドは天然材料から分離されるか、または本発明が属する技術分野で公知の遺伝子工学的な方法により製造できる。
さらに、本発明は前記本発明のポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。前記ベクターはこれに限定はされないものの、好ましくは、プラスミドまたはウィルスベクターである。前記本発明のポリヌクレオチドは、それをベクターに挿入し、次いでそのベクターを感染(infection)、形質感染(transfection)または形質導入(transduction)等の当分野で公知の方法により標的細胞内に導入することにより、発現型で標的細胞内に導入することができる。
従って、本発明はさらに、前記ベクターで形質転換された形質転換体を提供する。具体的には、プラスミド発現ベクターを利用した遺伝子伝達方法は、哺乳動物細胞に直接的にプラスミドDNAを伝達する方法であり、FDAから承認されたヒトに使用できる方法である(Nabel, E.G., et al., Science, 249: 1285-1288, 1990)。プラスミドDNAは、ウィルスベクターとは違って、均一に精製できる長所がある。本発明で使用できるプラスミド発現ベクターとしては、当分野で公知の哺乳動物発現プラスミドが挙げられる。例えば、これに限定はされないものの、pRK5(ヨーロッパ特許第307,247号)、pSV16B(国際特許公開第91/08291号)及びpVL1392(PharMingen)等が代表的なものである。前記ポリヌクレオチドを含むプラスミド発現ベクターは当分野で公知の方法、例えば、これに限定はされないものの、一時的形質感染(transient transfection)、微細注射法、形質導入法、細胞融合法、カルシウムホスフェート沈澱法、リポソーム媒介形質感染法、DEAEデキストラン媒介形質感染法(DEAE Dextran-mediated transfection)、ポリブレン媒介形質感染法(polybrene-mediated transfection)、電気穿孔法(electroporation)、遺伝子銃法(gene gun method)及び細胞内にDNAを導入する他の公知の方法により標的細胞内に導入できる(Wu et al., J. Bio. Chem., 267: 963-967, 1992; Wu and Wu, J. Bio. Chem., 263: 14621-14624, 1988)。
さらに、前記ポリヌクレオチドを含む本発明のウィルス発現ベクターには、これに限定はされないものの、レトロウィルス(retrovirus)、アデノウィルス(adenovirus)、ヘルペスウィルス(herpes virus)、アビポックスウィルス(avipox virus)及びレンチウィルス(lenti virus)等が含まれる。前記レトロウィルスベクターは、ウィルス遺伝子が全て除去されるかまたは変形され、非ウィルス蛋白質がそのウィルスベクターにより感染された細胞内で作れるように作製されたものである。遺伝子療法のためのレトロウィルスベクターの主要な長所は、多量の遺伝子を複製細胞内に伝達し、細胞DNA内に伝達された遺伝子を正確に統合し、遺伝子形質感染後連続的な感染が誘発されないことである(Miller, A.D., Nature, 357: 455-460, 1992)。FDAで承認されたレトロウィルスベクターはPA317アンホトロピック・レトロウィルスパッケージ細胞(PA317 amphotropic retrovirus packaging cells)を利用して製造したものである(Miller, A.D. and Buttimore, C., Molec. Cell Biol., 6: 2895-2902, 1986)。非レトロウィルスベクターには、前述のアデノウィルスがある(Rosenfeld et al., Cell, 68: 143-155, 1992; Jaffe et al., Nature Genetics, 1: 372-378, 1992; Lemarchand et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89: 6482-6486, 1992)。アデノウィルスの主要な長所は、多量のDNA断片(36kbゲノム)を運搬し、極めて高い力価で非複製細胞を感染し得る能力があることである。さらに、ヘルペスウィルスもヒト遺伝子療法のために有用に使用できる(Wolfe, J.H., et al., Nature Genetics, 1: 379-384, 1992)。レンチウィルスはレトロウィルスの1種であり、1990年代後半から開発され始めた、新たなレトロウィルスベクターとしてHIV骨格(backbone)を変形することにより作製したものである。既存のレトロウィルスベクターとは異なり、細胞分裂周期による影響を受けないので、分裂が活発な細胞ばかりでなく分裂が活発でない細胞でも遺伝子導入効率(transfection)が比較的良い。従って、造血幹細胞等のように分裂が遅い細胞でも、他のウィルスベクターより導入効率が良いことから、最近造血幹細胞や角質細胞を利用した細胞治療分野で遺伝子伝達用ベクターとしての研究が活発に進行されている。この他にも公知の適切なウィルスベクターも本発明に使用できる。
前記ベクターで形質転換することは、当分野に公知の形質転換技術により遂行できる。好ましくは、微細射出法(microprojectile bombardment)、電気衝撃遺伝子伝達法、リン酸カルシウム(CaPO4)沈澱法、塩化カルシウム(CaCl2)沈澱法、PEG媒介融合法(PEG-mediated fusion)、微細注入法(microinjection)及びリポソーム媒介法(liposome-mediated method)を利用することができるが、これに制限されるものではない。前記形質転換体としては、大腸菌(Escherichia coli)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、ストレプトマイセス(Streptomyces)、シュードモナス(Pseudomonas)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、スタフィロコクス(Staphylococcus)、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)が挙げられるが、これに制限されるものではない。
さらに、本発明は本発明のポリペプチドまたはこれをコードするポリヌクレオチドと薬学的に許容可能な塩を含む薬学的組成物を提供する。これに限定はされるものではないが、前記本発明の薬学的組成物は、好ましくは、癌治療用の薬学的組成物である。
本発明の薬学的組成物は、さらに薬学的に許容される担体または賦形剤を含んでもよい。このような担体または賦形剤には、分散剤、湿潤剤、懸濁剤、希釈剤及び充填剤が含まれる。本発明の薬学的組成物に含まれる薬学的に許容される担体と発現ベクターの比率は、組成物の溶解度及び化学的性質、または投与方式等により決定される。AIMP1をコードするポリヌクレオチドを含む本発明の薬学的組成物の治療学的または予防学的有効量は投与対象、年齢、個人差及び疾病の状態によって適切に選択される。
ここで、“薬学的に許容される”とは、生理学的に許容されるものであって、ヒトに投与した時、通常胃腸障害、目眩症等のようなアレルギー反応、またはこれに類似した反応を起こさないことを言う。
前記薬学的に許容される塩の例には、無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩及び塩基性または酸性アミノ酸との塩が含まれる。無機塩基との塩には、例えばナトリウム塩及びカリウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩及びアンモニウム塩が含まれる。有機塩基との塩としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン及びN,N−ジベンジルエチレンジアミンとの塩が挙げられる。無機酸との塩の例としては、塩酸、硼酸、硝酸、硫酸及びリン酸との塩が挙げられる。有機酸との塩の例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びp−トルエンスルホン酸との塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の例としては、アルギニン、リジン及びオルニチンとの塩が挙げられる。酸性アミノ酸との塩の例としては、アスパラギン酸及びグルタミン酸との塩が挙げられる。適切な塩のリストは、本明細書にその全文を参考に引用した文献(Remington's Pharmaceutical Sciences, 17th ed., Mack Publishing Company, Easton, PA, P1418, 1985)に開示されている。
さらに、本発明の薬学的組成物は、これに限定はされるものではないが、経口投与用製剤に処方される。経口投与用の場合、本発明のポリペプチド、これをコードするポリヌクレオチド、及び薬学的に許容可能な塩を賦形剤と混合し、経口摂取型錠剤、頬側錠剤、トローチ、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤及びウエーハ剤等の形態で製剤化できる。これらの製剤は有効成分以外に希釈剤(例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース及び/またはグリシン)と滑沢剤(例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸及びそのマグネシウムまたはカルシウム塩及び/またはポリエチレングリコール)を含んでも良い。前記製剤はマグネシウムアルミニウムシリケート、澱粉ペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース及び/またはポリビニルピロリドンのような結合剤を含むことができ、所望により、澱粉、寒天、アルギン酸またはそのナトリウム塩のような崩解剤、吸収剤、着色剤、香味剤及び/または甘味剤を追加して含むことができる。前記製剤は通常行われている混合、顆粒化またはコーデイング法により製造できる。
前記本発明の薬学的組成物は、それ自体をそのままで投与するか、または上述したような多くの剤形で投与することができ、好ましくは、所望の効果、すなわち内皮細胞死及び/または抗腫瘍効果が導出されるまで投与される。本発明の薬学的組成物は、当技術分野で公知の方法により、多様な経路で投与される。すなわち、経口または非経口、例えば、局所的な皮膚投与(skin locally)、筋肉内、静脈内、皮内、動脈内、骨髄内、髄腔内(intrathecal)、腹腔内、鼻腔内、膣内、直腸内、舌下または皮下投与されるか、または胃腸管、粘膜または呼吸器に投与される。例えば、本発明の薬学的組成物を皮膚に直接的に塗布する方法、または前記ポリペプチドを注射用剤形に製造してこれを30ゲージの細い注射針で皮膚下層に一定量を注入するか、または注射針で皮膚を軽く端刺(prick)する方法で投与することもできる。好ましくは、皮膚に直接塗布される。
さらに、本発明の薬学的組成物は標的細胞や組織(例えば、皮膚細胞や皮膚組織)に高親和性結合を誘発する分子と結合するか、または前記分子内にカプセル化された形態で投与することもできる。本発明の薬学的組成物は当技術分野で公知の技術を利用してステロール(例えば、コレステロール)、脂質(例えば、カチオン性脂質、ビロソームまたはリポソーム)または標的細胞特異的結合剤(例えば、標的細胞特異的レセプターにより認識されるリガンド)と結合できる。適切なカップリング剤または架橋剤には、例えば、蛋白質A、カルボジイミド、N−サクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)等が含まれる。
本発明の薬学的組成物においては、本発明のポリペプチドの総有効量が、個体に単一の投与(single dose)として投与することができ、また多数回の投与(multiple dose)を長期間行う分割治療プロトコル(fractionated treatment protocol)によって投与できる。本発明のポリペプチドを含む前記本発明の薬学的組成物中の有効成分の含量は、投与目的によって変えることができるが、一般的に1回当たり0.1μg乃至1gの有効投与量で1日に複数回投与することができる。しかしながら、ポリペプチドの有効投与量は、投与時間及び投与経路ばかりでなく、治療が必要な個体の年令、体重、健康状態、性別、疾患の重症度、食餌及び排泄等多様な要因により変わり得るものである点を考慮して、当技術分野の通常の知識を有する者であれば本発明のポリペプチドの上述の投与目的により適切な有効投与量を決定し得るであろう。本発明の薬学的組成物は本発明の効果を示す限りその剤形、投与経路及び投与方法は特に制限されない。
一方、本発明のポリペプチドまたはこれをコードするポリヌクレオチドは、個体の内皮細胞のアポトーシスを誘導する方法に利用できる。従って、本発明はポリペプチドまたはこれをコードするポリヌクレオチドを、これを必要とする個体に有効な量で投与することを含む内皮細胞のアポトーシスを誘導する方法を提供する。
さらに、本発明のポリペプチドまたはこれをコードするポリヌクレオチドを、これを必要とする個体に有効な量で投与することを含む癌の予防または治療方法を提供する。
本発明における“癌”としては、これらに限定されるものではないが、乳房癌、大腸癌、肺癌、小細胞肺癌、胃癌、肝臓癌、血液癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭部または頸部癌、皮膚または眼球内黒色腫、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、肛門付近癌、結腸癌、卵管癌腫、子宮内膜癌腫、子宮頸部癌、膣癌、陰門癌腫、ホジキン病、食道癌、小腸癌、内分泌腺癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、軟組織肉腫、尿道癌、陰莖癌、前立腺癌、慢性または急性白血病、リンパ球リンパ腫、膀胱癌、腎臓または輸尿管癌、腎臓細胞癌腫、腎臓骨盤癌腫、CNS腫瘍、1次CNSリンパ腫、脊髄腫瘍、脳間神経膠腫、脳下垂体腺腫のような癌、及びこれら癌の1つ以上の組合わせが含まれる。
さらに、本発明は薬剤として使用するための、本発明のポリペプチドまたはこれをコードするポリヌクレオチドを提供する。
また、本発明は、本発明のポリペプチドまたはこれをコードするポリヌクレオチドの癌治療用の薬学的組成物を製造するための用途を提供する。
本発明のポリペプチドまたはこれをコードするポリヌクレオチドは内皮細胞のアポトーシスを誘導して、癌細胞増殖を抑制する活性を有している。従って、本発明のポリペプチドまたはこれをコードするポリヌクレオチドは内皮細胞のアポトーシスの誘導、または癌の予防または治療に有効に使用できる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
ただし、下記実施例は本発明を例示するものであって、本発明の内容がこれに限定されるものではない。
ただし、下記実施例は本発明を例示するものであって、本発明の内容がこれに限定されるものではない。
<実施例1>
AIMP1蛋白質及びその断片の製造
312個のアミノ酸からなるAIMP1蛋白質(配列番号1)を公知の方法(Park S. G. et al., J. Biol. Chem, 277: 45243-45248, 2002)により製造した。さらに、図1に示すAIMP1の欠損断片、すなわち、AIMP1−(1−192)(配列番号2)、AIMP1−(6−192)(配列番号3)、AIMP1−(30−192)(配列番号4)、AIMP1−(47−192)(配列番号5)、AIMP1−(54−192)(配列番号6)、AIMP1−(101−192)(配列番号7)、AIMP1−(114−192)、AIMP1−(1−46)、AIMP1−(1−53)及びAIMP1−(193−312)断片は、AIMP1のcDNA(配列番号1)を鋳型にして、各断片に対する特異的なプライマーセット(表1)を利用してPCR増幅することにより製造した。PCR増幅条件は下記の通りである:95℃,2分間;95℃,30秒、56℃,30秒、72℃,1分間を30サイクル及び;72℃,5分間。
AIMP1蛋白質及びその断片の製造
312個のアミノ酸からなるAIMP1蛋白質(配列番号1)を公知の方法(Park S. G. et al., J. Biol. Chem, 277: 45243-45248, 2002)により製造した。さらに、図1に示すAIMP1の欠損断片、すなわち、AIMP1−(1−192)(配列番号2)、AIMP1−(6−192)(配列番号3)、AIMP1−(30−192)(配列番号4)、AIMP1−(47−192)(配列番号5)、AIMP1−(54−192)(配列番号6)、AIMP1−(101−192)(配列番号7)、AIMP1−(114−192)、AIMP1−(1−46)、AIMP1−(1−53)及びAIMP1−(193−312)断片は、AIMP1のcDNA(配列番号1)を鋳型にして、各断片に対する特異的なプライマーセット(表1)を利用してPCR増幅することにより製造した。PCR増幅条件は下記の通りである:95℃,2分間;95℃,30秒、56℃,30秒、72℃,1分間を30サイクル及び;72℃,5分間。
前記PCR産物等はEcoRI及びXhoIで切断し、同一の制限酵素で切断したpGEX4T3ベクター(Amersham Biosciences)にライゲートした。前記ベクターで、E.Coli BL21(DE3)を形質転換して、これを培養してポリペプチドの発現を誘導した。各ポリペプチド等はGTS−tag融合蛋白質として発現され、これをGSHアガロースで精製した。リポポリサッカライドを除去するために、蛋白質溶液をパイロジェン無添加(pyrogen-free)緩衝液(10mM リン酸カリウム緩衝液、pH6.0,100mM NaCl)で透析した。透析後、溶液を同一の緩衝液で予め平衡させたポリマイシン樹脂(Bi0−Rad)にローディングして20分間培養した後溶出させた。この際、前記残存リポポリサッカライド(LPS)の濃度をLimulus Amebocyte Lysate GCL-1000キットを使用して測定すると20pg/ml以下であった。精製されたペプチドをSDS−PAGEで分析した。その結果を図2に示した。
図2に示した通り、AIMP1−(1−192)(配列番号2),AIMP1−(6−192)(配列番号3)、AIMP1−(30−192)(配列番号4)、AIMP1−(47−192)(配列番号5)、AIMP1−(54−192)(配列番号6)、AIMP1−(101−192)(配列番号7)、AIMP1−(114−192)、AIMP1−(1−46)、AIMP1−(1−53)及びAIMP1−(193−312)断片を、それぞれ製造することができた。
<実施例2>
AIMP1の細胞死滅効果を有するドメインの同定
<2−1>内皮細胞アポトーシスを誘導する活性を有する断片の同定
前記<実施例1>で製造されたAIMP1欠損断片が、細胞死を誘導する活性があるか否かを確認するために、前記AIMP1断片で牛の大動脈内皮細胞(Bovine aorta endothelial cells;以下BAECsと称す)を処理して細胞死滅に及ぼす影響を調査した。
AIMP1の細胞死滅効果を有するドメインの同定
<2−1>内皮細胞アポトーシスを誘導する活性を有する断片の同定
前記<実施例1>で製造されたAIMP1欠損断片が、細胞死を誘導する活性があるか否かを確認するために、前記AIMP1断片で牛の大動脈内皮細胞(Bovine aorta endothelial cells;以下BAECsと称す)を処理して細胞死滅に及ぼす影響を調査した。
BAECs(Bovine aorta endothelial cells)を牛の下降胸部大動脈から分離し、20%FBS(fetal bovine serum)を含有したダルベッコ変法イーグル培地(DMEM;Dulbecco's modified Eagle's medium)で37℃、5%CO2雰囲気下で培養した。前記培養されたBAECsを24時間AIMP1欠損断片(50nM)で処理してアポトーシス細胞を計数した。
具体的には、高感度緑色蛍光タンパク質(EGFP;Enhanced Green Fluorescence Protein)でBAECsを形質転換した後、24時間発現させ、形質転換された細胞を24時間AIMP1断片(50nM)で処理した後、蛍光顕微鏡を使用してアポトーシスを起こした細胞の数を数えることにより細胞死の数を決定した。前記アポトーシスを起こした細胞(細胞死滅)のパーセント(%)は死滅形態を有する緑色細胞の数を、総緑色細胞の数で割って計算した。その結果を図3及び図4に示した。
図3及び図4に示される通り、<実施例1>にて製造されたAIMP1欠損断片中、AIMP1−(1−312)、AIMP1−(1−192)、AIMP1−(6−192)、AIMP1−(30−192)、AIMP1−(47−192)、AIMP1−(54−192)及びAIMP1−(101−192)は、内皮細胞のアポトーシスを強く誘導するが、AIMP1−(114−192)、AIMP1−(1−46)、AIMP1−(1−53)、AIMP1−(30−192)及びAIMP1−(193−312)はアポトーシスを誘導しないことが分かった。この結果から、AIMP1の中間域、特にAIMP1−(101−192)域が内皮細胞において細胞死を誘導するドメインであると推定された。
<2−2>カスパーゼ−3の活性測定
AIMP1がカスパーゼ(caspase)−3の活性を介して細胞死を誘導することから(S. G. Park, et al., J. Biol. Chem, 277: 45243-45248, 2002)、カスパーゼ−3の活性を測定することにより、AIMP1断片が細胞死誘導活性を有するか否かを再確認した。
AIMP1がカスパーゼ(caspase)−3の活性を介して細胞死を誘導することから(S. G. Park, et al., J. Biol. Chem, 277: 45243-45248, 2002)、カスパーゼ−3の活性を測定することにより、AIMP1断片が細胞死誘導活性を有するか否かを再確認した。
具体的には、前記培養されたBAECs(2×106)を300μlの細胞溶解緩衝液(20mM HEPES,pH7.5,1mM dithiothreitol(DTT),0.1mM EDTA,0.5%NP−40,及び0.1mM PMSF)に溶解させ、細胞溶解物を5分間遠心分離(15000×g)した後、上層液をカスパーゼ活性測定のために使用した。前記製造された細胞溶解物蛋白質(cell lysate protein,40μl)の試料(aliquot)をカスパーゼ−3基質(Ac-DEVD-P-nitroanilide)、またはカスパーゼ−1基質(Ac-YVAD-P-nitroanilide)を含有している分析用緩衝溶液(20mM HEPES,pH7.5,2mM DTT,10%グリセロール)で、30℃で2時間培養した。カスパーゼ活性により放出されたp−ニトロアニリンの量を405nmにおいて最適密度(OD値;optimal density)を測定することにより算出してその結果を図5に示した。
図5に示した結果は、前記図3及び図4に類似した結果を示した。この結果からAIMP1の中間域、特にAIMP1−(101−192)域が、内皮細胞における細胞死誘導ドメインであることが確認された。
<実施例3>
AIMP1−(101−192)の追加的欠損断片の製造及びその活性測定
<3−1>AIMP1−(101−192)の追加的欠損断片の製造
<実施例2>の結果により、内皮細胞で細胞死を誘導するドメインに推定されたAIMP1−(101−192)域の内、細胞死を誘導するドメインを、より具体的に特定するために、AIMP1−(101−192)の追加的欠損断片を製造した。
図6に示すように、前記AIMP1−(101−192)のC−末端部分が連続的に切断されたAIMP1−(101−192)断片を下記表2に示したプライマーを利用して製造した。具体的に前記断片を製造して精製する方法は前記<実施例1>と同一の方法で行い、精製蛋白質をSDS−PAGEで確認した。その結果を図7に示した。
AIMP1−(101−192)の追加的欠損断片の製造及びその活性測定
<3−1>AIMP1−(101−192)の追加的欠損断片の製造
<実施例2>の結果により、内皮細胞で細胞死を誘導するドメインに推定されたAIMP1−(101−192)域の内、細胞死を誘導するドメインを、より具体的に特定するために、AIMP1−(101−192)の追加的欠損断片を製造した。
図6に示すように、前記AIMP1−(101−192)のC−末端部分が連続的に切断されたAIMP1−(101−192)断片を下記表2に示したプライマーを利用して製造した。具体的に前記断片を製造して精製する方法は前記<実施例1>と同一の方法で行い、精製蛋白質をSDS−PAGEで確認した。その結果を図7に示した。
図7に示した通り、AIMP1−(101−192)(配列番号7)、AIMP1−(101−180)(配列番号8)、AIMP1−(101−170)(配列番号9)、AIMP1−(101−160)及びAIMP1−(101−146)断片が製造された。
<3−2>AIMP1−(101−192)の追加的欠損断片の内皮細胞死誘導の調査
前記<実施例2−1>の記載と同一の方法で培養されたBAECs(Bovine aorta endothelial cells)に前記<3−1>で製造したAIMP1断片と、前記<実施例1>で製造したAIMP1蛋白質及びAIMP1−(101−192)断片をそれぞれ50nMずつ処理し、光学顕微鏡(CX31 light microscope,OLYMPUS)を用いて細胞の形態の変化を見て内皮細胞死を調べた結果を図8に示した。
前記<実施例2−1>の記載と同一の方法で培養されたBAECs(Bovine aorta endothelial cells)に前記<3−1>で製造したAIMP1断片と、前記<実施例1>で製造したAIMP1蛋白質及びAIMP1−(101−192)断片をそれぞれ50nMずつ処理し、光学顕微鏡(CX31 light microscope,OLYMPUS)を用いて細胞の形態の変化を見て内皮細胞死を調べた結果を図8に示した。
さらに、前記<3−1>で製造したAIMP1断片、前記<実施例1>にて製造したAIMP1蛋白質及びAIMP1−(101−192)をそれぞれ50nMずつ、BAECsに24時間処理し、5mg/mlMTT溶液を細胞培養液体積の1/10ほど添加して1時間反応させ、培養液を全部除去した後、DMSOを200μl添加して570nm波長における吸光度を測定した結果を図9に示した。
図8及び図9に示した通り、AIMP1の蛋白質、AIMP1−(101−192)、AIMP1−(101−180)、AIMP1−(101−170)は内皮細胞死を誘導する効果があるが、AIMP1−(101−160)、AIMP1−(101−146)には、内皮細胞死を誘導する効果が無いことが分かった。この結果からAIMP1の中間域、特にAIMP1−(101−170)域が内皮細胞において細胞死を誘導するドメインであることが推定された。
さらに、前記データを検証するために、前記<実施例2−2>に記載されている方法と同様に、前記AIMP1−(101−192)の断片がカスパーゼ−3の活性に及ぼす効果を測定してその結果を図10に示した。
前記図8乃至図10に示した通り、AIMP1−(1−312)(配列番号1)、AIMP1−(101−192)(配列番号7)、AIMP1−(101−180)(配列番号8)、及びAIMP1−(101−170)(配列番号9)は、内皮細胞のアポトーシスを誘導する活性が高く表れたものの、AIMP1−(101−160)及びAIMP1−(101−146)は活性を示さないことが確認され、AIMP1の中間域、その中でも特にAIMP1−(101−170)域が内皮細胞で細胞死を誘導するドメインであることが分かった。従って、前記AIMP1−(101−170)(配列番号9)ドメインが抗腫瘍治療や、抗血管形成治療に効果的に利用できることが分かった。
<実施例4>
AIMP1−(101−170)変異体の製造及びその活性測定
<4−1>AIMP1−(101−170)C161S蛋白質の製造
AIMP1−(101−170)変異体を製造するために、前記<実施例3>で細胞死を誘導することが確認されたAIMP1−(101−170)ポリペプチドにC161S点突然変異をPCRを利用して誘発させた。具体的にはAIMP1のcDNAを鋳型にして下記プライマーセットを利用してPCR増幅で合成した。
AIMP1−(101−170)変異体の製造及びその活性測定
<4−1>AIMP1−(101−170)C161S蛋白質の製造
AIMP1−(101−170)変異体を製造するために、前記<実施例3>で細胞死を誘導することが確認されたAIMP1−(101−170)ポリペプチドにC161S点突然変異をPCRを利用して誘発させた。具体的にはAIMP1のcDNAを鋳型にして下記プライマーセットを利用してPCR増幅で合成した。
正方向プライマー:5′−CGCATATGGCAGTAACAACCGTATCTTCTGGT−3′(配列番号43)、逆方向プライマー:5′−CGCTCGAGTTAATCAGGGTGTTTTCTAGCAGTTATGATGCTACCAATTCGAAGATCCAGACGGGA−3′(配列番号44)を使用した。
PCR増幅条件は下記の通りである:鋳型DNAのプレ変性(pre-denaturation);92℃,2分間;92℃,30秒、56℃,30秒及び72℃,20秒を30サイクル、及び72℃,5分間。
合成後、各PCR反応産物をNdeI/XhoI制限酵素で消化(digest)し、同じ制限酵素で消化したpET49bベクター(Novagen)にライゲートすることによりクローニングし、前記<実施例1>の記載と同一の方法で精製してAIMP1−(101−170)C161S(配列番号10)を製造した。
合成後、各PCR反応産物をNdeI/XhoI制限酵素で消化(digest)し、同じ制限酵素で消化したpET49bベクター(Novagen)にライゲートすることによりクローニングし、前記<実施例1>の記載と同一の方法で精製してAIMP1−(101−170)C161S(配列番号10)を製造した。
<4−2>全長AIMP1、AIMP1−(101−170)ポリペプチド及びAIMP1−(101−170)変異体の細胞死効果の分析
本発明者等は全長AIMP1(配列番号1)またはAIMP1(101−170)ポリペプチド(配列番号9)は、強力な還元剤であるDTT(dithiothreitol)がない状態では、内皮細胞死を誘導する活性がないことを確認した(データは示さない。)。従って、前記<実施例1>で製造した全長AIMP1(配列番号1)及びAIMP1(101−170)ポリペプチド(配列番号9)は、DTTがある条件で、前記<実施例4−1>で製造したAIMP1−(101−170)C161S(配列番号10)は、DTTがない条件で内皮細胞死活性があるか否かについて調査した。
本発明者等は全長AIMP1(配列番号1)またはAIMP1(101−170)ポリペプチド(配列番号9)は、強力な還元剤であるDTT(dithiothreitol)がない状態では、内皮細胞死を誘導する活性がないことを確認した(データは示さない。)。従って、前記<実施例1>で製造した全長AIMP1(配列番号1)及びAIMP1(101−170)ポリペプチド(配列番号9)は、DTTがある条件で、前記<実施例4−1>で製造したAIMP1−(101−170)C161S(配列番号10)は、DTTがない条件で内皮細胞死活性があるか否かについて調査した。
具体的には、前記<実施例1>で製造した全長AIMP1(100nM)、AIMP1(101−170)ポリペプチド(10,100nM)はDTTがある条件で、前記<実施例4−1>で製造したAIMP1(101−170)C161S(10,100nM)はDDTがない条件で精製した後、収得した結果物をBAECsにそれぞれ投与して24時間培養し、前記<実施例3>の記載と同一の方法でMTTassayをして細胞生存率(cell viability)を測定し、その結果を図11に示した。
図11に示した通り、変異体であるAIMP1(101−170)C161S(配列番号10)は、強力な還元剤であるDTTがない条件においても、AIMP1全長(配列番号1)及びAIMP1(101−170)ポリペプチド(配列番号9)に匹敵する細胞死活性を有することが分かった。
<実施例5>
AIMP1(101−170)ポリペプチドの抗腫瘍活性
AIMP1(101−170)ポリペプチド(配列番号9)が抗腫瘍活性を有するか否かを確認するために、異種間移植(xenograft)システム(BALB/c-nu/nu mouse-MKN-45)を使用した。具体的には、マウス(BALB/c-nu/nu nude mice,5週,雄)を購入(Harlan Co. Ltd., 米国)して、12時間周期で昼夜を自動的に調節する無菌飼育室で育成し、MKN−45(ヒト胃癌細胞、human gastric adenocarcinoma)ラインをセルバンク機関(KRIBB)より分譲を受けた。
AIMP1(101−170)ポリペプチドの抗腫瘍活性
AIMP1(101−170)ポリペプチド(配列番号9)が抗腫瘍活性を有するか否かを確認するために、異種間移植(xenograft)システム(BALB/c-nu/nu mouse-MKN-45)を使用した。具体的には、マウス(BALB/c-nu/nu nude mice,5週,雄)を購入(Harlan Co. Ltd., 米国)して、12時間周期で昼夜を自動的に調節する無菌飼育室で育成し、MKN−45(ヒト胃癌細胞、human gastric adenocarcinoma)ラインをセルバンク機関(KRIBB)より分譲を受けた。
前記ヒトMKN−45細胞(2×105cells/ml)を総50μlのPBS(リン酸緩衝生理食塩水)に入れて前記マウスそれぞれの右側肩甲部に経皮注射で注入した後、腫瘍の成長程度をモニタリングした。この際、腫瘍の大きさをカリパスを使用して3次元で測定して、腫瘍の体積を長さ×幅×深さ×0.5で計算した。腫瘍の大きさが50mm3になった時、前記<実施例3−1>で製造したAIMP1(101−170)ポリペプチドをそれぞれ10μg/doseまたは50μg/doseを、毎日7日間投与しながら相対的な腫瘍の体積(RTV)を測定した。前記相対的な腫瘍の体積はVi(特定時間の体積)/Vo(初期体積)で計算してその結果を基にStudent's t-testを利用してp<0.01有意水準で腫瘍成長抑制データを分析し、その結果を図12に示した。
図12に示した通り、対照群では7日目腫瘍の体積が初期腫瘍の大きさの34倍に大きくなっているのに対して、10μg/doseのAIMP1(101−170)ポリペプチド投与群では15倍、50μg/doseAIMP1(101−170)ポリペプチド投与群では5倍に大きくなるのみであった。一方、実験対象であるマウスの体重減量の可否を測定した結果、前記AIMP1(101−170)ポリペプチド投与では体重減量は誘発しないことが確認された(図13参照)。
一方、前記7日目の腫瘍を摘出して重量を計り腫瘍成長抑制率(TGI)を下記式(1)により計算し、その結果を表3に示した。
一方、前記7日目の腫瘍を摘出して重量を計り腫瘍成長抑制率(TGI)を下記式(1)により計算し、その結果を表3に示した。
表3に示されるように、AIMP1(101−170)ポリペプチドは体重減量の副作用が無く、抗腫瘍活性を有することが確認され、抗腫瘍治療に有用であることが分かった。
<実施例6>
AIMP1(101−170)ポリペプチドとAIMP1全長蛋白質の抗腫瘍活性の比較
AIMP1(101−170)ポリペプチド(配列番号9)及びAIMP1全長蛋白質の抗腫瘍活性を比較するために、前記実施例<実施例5>と同一の方法を遂行した。ただし、各マウスにAIMP1(101−170)ポリペプチド及びAIMP1全長蛋白質をそれぞれ10μg/doseを投与し、10日間腫瘍の体積を測定し、その結果を図14に示した。
AIMP1(101−170)ポリペプチドとAIMP1全長蛋白質の抗腫瘍活性の比較
AIMP1(101−170)ポリペプチド(配列番号9)及びAIMP1全長蛋白質の抗腫瘍活性を比較するために、前記実施例<実施例5>と同一の方法を遂行した。ただし、各マウスにAIMP1(101−170)ポリペプチド及びAIMP1全長蛋白質をそれぞれ10μg/doseを投与し、10日間腫瘍の体積を測定し、その結果を図14に示した。
図14に示された通り、対照群では10日目腫瘍の体積が初期腫瘍の12.3倍になったのに対して、10μg/doseのAIMP1(101−170)ポリペプチド投与群では5倍(p=0.0052)、10μg/doseのAIMP1全長蛋白質投与群では9.2倍(p=0.022)に増加した。一方、実験対象であるマウスの体重減量可否を測定した結果、前記蛋白質投与は体重減量を誘発しないことが確認された(図15参照)。この実験結果から、10μg/doseのAIMP1(101−170)ポリペプチド投与群は、対照群に比べて腫瘍の体積が58.75%程減少し、10μg/doseのAIMP1全長蛋白質投与群に比べて腫瘍の体積が24.75%程減少したことが示され、AIMP1全長蛋白質よりAIMP1(101−170)ポリペプチドの抗腫瘍活性が優れていることが分かった。
本発明のポリペプチドまたはこれをコードするポリヌクレオチドは、内皮細胞のアポトーシスを誘導して癌細胞の増殖を抑制する活性を有している。従って、本発明のポリペプチドまたはこれをコードするポリヌクレオチドは、内皮細胞のアポトーシスを誘導するか、または癌の予防または治療に有効に使用できる。
Claims (13)
- 配列番号9のアミノ酸配列または配列番号9のアミノ酸配列と少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列を含む分離されたポリペプチド。
- 配列番号4乃至8及び配列番号10乃至14からなる群から選ばれるアミノ酸配列からなる請求項1記載の分離されたポリペプチド。
- 請求項1記載のポリペプチドをコードする塩基配列を有する分離されたポリヌクレオチド。
- 配列番号48乃至58からなる群から選ばれる塩基配列を有する請求項3記載のポリヌクレオチド。
- 請求項3記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
- 請求項5記載のベクターで形質転換された形質転換体。
- 配列番号9のアミノ酸配列または配列番号9のアミノ酸配列と少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列を有する分離されたポリペプチド(a);または(a)のポリペプチドをコードする分離されたポリヌクレオチド(b)、及び薬学的に許容可能な塩を含む薬学的組成物。
- 癌治療用の薬学的組成物である請求項7記載の薬学的組成物。
- 配列番号9のアミノ酸配列または配列番号9のアミノ酸配列と少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列を有する分離されたポリペプチド(a);または(a)のポリペプチドをコードする分離されたポリヌクレオチド(b)を、必要とする個体に有効量投与することを含む内皮細胞のアポトーシスを誘導する方法。
- 配列番号9のアミノ酸配列または配列番号9のアミノ酸配列と少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列を有する分離されたポリペプチド(a)、または(a)のポリペプチドをコードする分離されたポリヌクレオチド(b)を、必要とする個体に有効量投与することを含む癌の予防または治療方法。
- 薬剤として使用するための、配列番号9のアミノ酸配列または配列番号9のアミノ酸配列と少なくとも90%相同性を有するアミノ酸配列を有する分離されたポリペプチド。
- 薬剤として使用するための、配列番号9のアミノ酸配列または配列番号9のアミノ酸配列と少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列をコードする分離されたポリヌクレオチド。
- 配列番号9のアミノ酸配列、または配列番号9のアミノ酸配列と少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列を有する分離されたポリペプチド(a);または(a)のポリペプチドをコードする分離されたポリヌクレオチド(b)の癌治療用の薬学的組成物製造のための使用。
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