JP2010523218A - 質問信号を放出することによって、皮下の目標組織を見出すと共にカテーテルを該目標に位置決めするための医学的/外科的ツール - Google Patents

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Abstract

カテーテルまたはワイヤを皮下組織内に導入するためのツール(10)は、ハウジング(11)を備えている。ニードルが、このハウジングから前方に延在し、カテーテルまたはワイヤが挿通する部材として機能するようになっている。ハウジングに取り付けられた導入アセンブリ(40,240)によって、開業医は、片手で、ハウジングを保持しながらカテーテルまたはワイヤを前進/後退させることが可能となる。ハウジング上の他の制御部材(62a,62b)によって、開業医は、同じ手で、ニードル、カテーテル、またはワイヤに供給される刺激付与信号のレベルを調整することが可能となり、かつニードルまたはカテーテルまたはワイヤに関連付けられた導体のいずれに、刺激付与信号が印加されるべきかを選択することが可能となる。

Description

本発明は、刺激付与ニードルおよびカテーテル挿入アセンブリを単一ハンドピース内に組み込んでいるツールを対象としている。さらに詳細には、本発明のツールは、開業医によって、片手で保持されると共に、位置決めされることが可能になっている。
治療剤を患者の体内の特定箇所に送達することを目的とする多くの異なる医学的処置が知られている。薬剤をこのように送達することが望ましいこのような1つの処置は、神経ブロック処置として知られている。「神経ブロック」処置は、体内の特定領域から生じている苦痛を抑えるために、行われるものである。この処置では、苦痛が生じている箇所の下流の神経に、麻酔剤が導入されることになる。麻酔剤は、カテーテルとして知られている細長の柔軟チューブを通して導入されるようになっている。麻酔剤は、神経網による脳への苦痛信号の下りラインの伝達を阻止するものである。苦通信号を伝達させている神経に麻酔剤を選択的に導入することによって、体の全体にわたって効き目のある他の薬剤を用いる必要性がなくなる。また、体の広い範囲に及ぶこれらの薬剤を用いないことによって、それらの使用に付随する副作用を同様になくすことが可能となる。
治療剤を目標部位に正確に導入することを目的とする神経ブロック処置または他の処置を行う上での重要なステップは、カテーテルの遠位側の開端を該部位に正確に位置決めすることである。この処置が神経ブロック処置の場合、カテーテルの遠位端は、苦痛信号を伝達させている神経に近接して位置決めされるべきである。このプロセスは、神経およびその周辺組織が脆弱な構造なので、注意深く行われねばならない。このために、医学装置は、神経の位置を、その神経を損傷させることなく、正確に見つける必要がある。神経の位置を見出す1つの周知の方法では、患者の外部の既知の地理的な箇所、すなわち、脚、腕、骨構造などを用いて、開業医は、中心孔を有するニードルを、治療剤(麻酔剤)が施される患者の神経の近くに挿入することになる。ニードルを片手で挿入しながら、開業医は、通常、他の手を用いて、超音波装置のような別の装置を操作している。超音波装置は、基となる組織の画像を生成するものである。超音波装置によって生じた画像は、さらなる指針として機能し、これによって、開業医は、ニードルを所望の神経の比較的近くに挿入するのみならず、他の組織、具体的には、もし突き刺された場合または引き裂かれた場合に損傷する可能性のある腱および血管構造を、ニードルが貫通することを避けることが可能となる。
ニードルが神経に近接しているかどうかを決定するために、電気信号をニードルから放出させることは、周知の処置である。ニードルが神経に近づくにつれて、ニードルの周囲に生じた電場が、神経を刺激する、すなわち、筋肉の痙攣または他の応答を生じさせることになる。これらの応答は、ニードルが神経に隣接していることを開業医にフィードバックして知らせることになる。
ニードルが適切に配置された時点で、カテーテルがニードルの孔内に挿入されることになる。ニードル内へのカテーテルの挿入によって、ニードルの配置が変化しないことが極めて重要である。現状では、ニードルのずれを最小限に抑えるために、多くの場合、開業医は、超音波プローブから手を離し、この空いた手を用いて、カテーテルをニードル内に挿入し、皮下の目標部位に向かって前進させている。この仕事を行いながら、開業医は、ニードルの元の配置を崩さないように、ニードルを可能な限り堅実にさらに保持しなければならない。
カテーテルの適切な位置決めを確実にするために、多くの場合、信号がカテーテルの遠位端開口に隣接しているある種の電極に印加されるようになっている。ニードルと同様、カテーテルプローブに供給された電気信号によって生じる電場が、神経を刺激することになる。これによって、カテーテルの最終的な配置に関する情報が、開業医にもたらされることになる。カテーテルが正確に配置されると、治療剤(麻酔剤)が、カテーテルを通して、患者の所望の神経に導入されることになる。典型的には、ニードルは、引き出されるようになっている。これによって、患者に挿入された流体送達カテーテルのみが残されることになる。
上記のプロセスにおいて、開業医がニードルを片手で保持し、カテーテルを他方の手で前進させるとき、問題が生じることになる。両方の手が用いられているので、開業医は、超音波プローブを操作することができない。超音波がなければ、開業医は、患者内へのカテーテルの前進を視覚的に追跡および案内することができず、カテーテルが正確に配置されているかどうかを知るために、カテーテルの電気信号によって生じた応答に頼る以外にない。これによって、患者内の組織、具体的には、動脈を不必要に引き裂きまたは突き刺す危険が高まることになる。
上記の問題を解消するために、開業医は、超音波プローブを位置決めするために、助手に頼ることがある。この場合、開業医と助手は、連係して、ニードル/カテーテルの挿入および超音波プローブの配置を同時に行うことが必要である。しかし、任意の二人が連係して同時に動作を行うことが必要なので、処置の複雑さが増すことになる。
本発明は、開業医が患者の特定の解剖学的部位、例えば、神経の位置を正確に見出し、かつカテーテルを該部位に位置決めすることを可能にする新規の有用な医学的/外科的カテーテル挿入ツールに関するものである。さらに詳細には、この医学的/外科的カテーテル挿入ツールは、ハウジングを備えており、該ハウジングから、ニードル、例えば、刺激付与ニードルが延在している。カテーテル挿入アセンブリは、ハウジングに一体化されている。ハウジングは、ニードルまたはカテーテルに印加された信号のレベルと該信号の印加の始動の両方を制御するためのアクチュエータも収容している。ハウジングは、開業医がツールを片手で保持することを可能にするように形作られている。
本発明のツールのニードルは、ハウジングから延在し、かつ中心孔を有している。ニードルは、ハウジングの最遠位端を除いて、絶縁材料によって被覆されているとよい。電気信号は、ニードルに供給されるようになっている。この信号は、ニードルの遠位先端の周囲に電場を形成することになる。
カテーテル導入アセンブリは、ハウジングの内側に配置されている。このアセンブリによって、開業医は、カテーテルをニードルを通して該ニードルの遠位端の外に移動させることが可能となる。もしカテーテルが、そのカテーテルに刺激付与信号が印加される形式のものであるなら、ハウジングも、カテーテルからのこの信号の出力を制御する調整器を備えるようになっている。
本発明のいくつかの代替的な態様では、代替的な導入アセンブリが、ハウジング内に配置されている。この導入アセンブリによれば、開業医は、ガイドワイヤのようなワイヤを選択的に前進/後退させることが可能となる。ガイドワイヤの遠位端が目標部位に位置決めされた時点で、カテーテルが該ガイドワイヤの周りに装着されるとよい。これによって、カテーテルの適切な位置決めが得られることになる。カテーテルがこのように位置決めされた時点で、ガイドワイヤは、カテーテルから引き出されるようなっている。次いで、開業医は、治療剤をカテーテル内に導入し、これによって、治療剤は、所望の目標部位の方に流れ、該治療部位において、放出されることになる。
いくつかの処置では、カテーテルは、排液装置の機能を果たすために、移植されてもよいことを理解されたい。
本発明の細部は、請求項に記載されている。本発明の前述のおよび他の特徴ならびに利得は、添付の図面と関連して、以下の「発明を実施するための形態」を参照することによって、理解されるだろう。
本発明の医学的/外科的挿入ツールの第1の実施形態の側面図である。 医学的/外科的挿入ツールの第1の実施形態の斜視図である。 医学的/外科的挿入ツールと一体の代替的なカテーテル前進/後退システムを示す斜視図である。 いかに刺激付与信号が本発明のツールのニードルにまたはツールを用いて位置決めされたカテーテルに印加されるか示す概略図である。 本発明の代替的なカテーテル/ワイヤ前進システムを示す本発明の代替的なツールの側面図である。 単極カテーテルの実施形態の側面図である。 図2のカテーテルの断面図である。 双極カテーテルの実施形態の側面図である。 図4のカテーテルの断面図である。 本発明のさらに他の実施形態の側面図である。
医学的/外科的挿入ツール10の第1の実施形態が、図1Aに示されている。ツール10は、カテーテル42を挿入するために用いられるので、以下、カテーテル挿入具と呼ぶこともある。以下に述べるように、カテーテル以外の医学的装置を挿入するには、本発明の他のツールが用いられるとよい。挿入ツール10は、3つのサブアセンブリを備えている。ニードルアセンブリ30は、ニードル32を備え、このニードル32を通って、カテーテルが患者の皮下領域に導入されるようになっている。また、ニードルアセンブリ30は、刺激電流を供給するようになっている。カテーテル導入アセンブリ40は、カテーテルを目標の解剖学的部位に位置決めするものである。これによって、カテーテルから放出された治療剤(流体)が、所望の治療効果をもたらすことになる。制御アセンブリ60は、刺激電流の印加およびカテーテル42の前進/後退を調整するものである。ニードルアセンブリ30と、カテーテル導入アセンブリ40と、制御アセンブリ60の作動可能な主制御部は、単一ハウジング11に取り付けられている。ハウジング11は、ツール10を片手で用いることが可能になるように形作られている。
ニードルアセンブリ30のニードル32は、その近位端36がハブ34に取り付けられている。(「近位側(proximal)」は、処置を行う開業医に向かう側を意味していると理解されたい。「遠位側(distal)」は、開業医から離れて患者の内部の目標部位に向かう側を意味している。)ニードル32は、中空であり、ニードルを軸方向に貫通する中心孔(図示せず)を有している。ニードル32は、導体材料から形成されていてもよいし、または非導体材料から形成されていてもよい。導体材料から形成されているとき、典型的には、ニードル32は、絶縁材料によって少なくとも部分的に被覆または包囲されており、通常、近位端36および遠位端38が除外されている。非導体材料から形成されているとき、多くの場合、ニードルは、遠位先端の周囲に導体リングを有するように形成されている。この導体リングは、金属被覆から形成されているとよい。
患者の内部の所望の解剖学的な目標部位、すなわち、神経を見出す手段を開業医にもたらすために、典型的には、電気信号がニードル32に供給されるようになっている。この信号は、質問信号(interrogation signal)と考えられる。図1Dは、この信号を印加する基本的なアセンブリを示している。具体的には、信号は、信号生成器150から生じるようになっている。信号生成器150は、DC信号を出力するものである。多くの場合、DC信号の電流は、調整可能になっている。典型的には、この電流は、0.1mAから1.5mAの間である。もし信号生成器150がAC信号を出力するようになっている場合、典型的には、周波数が調整可能になっている。もし信号生成器がDC信号を出力できるなら、信号は、一定パルス長および/またはパルス波信号であるとよい。以下に述べるように、信号生成器は、遠隔的に設定可能であり、かつ作動可能である。従って、遠隔的に生成された信号に基づいて、信号生成器150は、刺激付与信号の特性を定めると共に、該信号をニードル32またはカテーテル42の遠位端のいずれかに選択的に印加することになる。信号生成器150の実際の構造は、本発明の対象ではない。
信号生成器によって生じた刺激付与信号は、ケーブル152を通じて、ツールハウジング11に供給されるようになっている。図1Dにおいて、導体153は、その導体を通して、信号をツールのハウジング11に供給するものである。ハウジング11内において、信号は、導体153を通じて、ニードル32に印加されることになる。本発明のいくつかの態様では、導体153は、ニードル32に半田によって固定されているか、または別の方法によって堅固に固定されている。導体153をこのように接続する他の代替的手段として、ネジが挙げられる。代替的に、ハウジングの内部の部品が、実質的にニードルに固定して接続されずに、導体153からニードルまでの導体経路をもたらすようになっていてもよい。板バネまたはコイルバネのような導体バネが、この機能を果たすことが可能である。
以下に説明するように、刺激付与信号の特性の設定と信号の印加の両方が、制御アセンブリ60によって調整されるようになっている。
患者内に挿入され、電流が印加されると、電流の流れているニードル32は、患者の組織と接触するニードルの非絶縁部分、すなわち、遠位端38の周囲に生じた電場によって、神経を刺激することになる。ニードル32は、単極ニードルから構成されているとよい。単極ニードルを用いる場合、図1Dに概略的に示されている(一般的に接地パッド154と呼ばれている)患者に取り付けられた補助的な導体材料が必要であることが、当技術分野においてよく知られている。このようなニードル32が用いられるとき、接地パッドは、通常、接着剤によって患者に取り付けられるようになっている。接地パッド154は、その接地パッドを通して戻り信号が信号生成器150に印加される電極として、機能するものである。接地パッドは、本発明の一部をなすものではない。双極ニードルが、ツール10と関連して用いられてもよいことを理解されたい。典型的な双極ニードルは、2つの露出した導体表面を有している、その1つの導体表面は、アース端子に接続され、他の導体表面に、電気信号が供給されるようになっている。本発明のこの態様では、ケーブル152は、戻り信号を信号生成器150に送給する導体も備えている。(この戻り導体は、図示されていない)。図示されていないが、導体151、すなわち、信号をカテーテル導体164に印加する導体が、ケーブル152内に収容されていてもよいことを理解されたい。
ハブ34は、ニードル32の近位端36に連結されている。ハブ34には、ニードルアセンブリ30をハウジング11に連結させる特徴部が形成されている。これは、初期段階において、ハウジング11を保持することなく、ニードル32を挿入することを望む開業医の要求を満たすことになる。具体的に、ハブに設けられる連結用の特徴部の種類として、ネジ部、ラッチ、スナップクリップ、または磁石が挙げられる。これらの特徴部によって、開業医は、ニードルアセンブリ32をハウジング11から切り離すことも可能になる。
また、ハブ34は、ニードル32の中心孔をカテーテル導入アセンブリ40と軸方向に位置合わせする手段をもたらしている。その位置合わせによって、ハウジング11からニードル32内へのカテーテル42の移動が容易になる。
カテーテル導入アセンブリ40は、カテーテル42の遠位端、すなわち、ニードル32の前方に突出している端が、薬剤が施される組織(目標部位)またはその近くに配置されるように、カテーテル42を患者の体内に位置決めするものである。カテーテル導入アセンブリ40は、刺激付与信号をカテーテル42の遠位端に隣接する組織に印加することができる構成部品も備えている。この刺激付与は、カテーテルの遠位端を位置決めするガイドとして用いられることになる。
カテーテル42は、非導体材料から形成されている。カテーテル42は、遠位開端を有している。図1Dに示されているように、カテーテル42は、窓状開口160を有するように形成されている。これらの窓状開口160は、カテーテルの中心管腔からの貫通ポートとして機能するように、カテーテルを半径方向に貫通している。窓状開口160は、遠位端のごく近位側(後方)に位置している。開口160は、治療剤(薬剤)をカテーテルから周囲の組織に流出させるものである。導体金属から形成された小さいボール162が、カテーテル42の遠位開端に配置されている。ボール162は、カテーテル42の遠位端の位置を決定するために、刺激付与信号が印加される導体部材である。部分的に点線として示されている導体164が、カテーテルの近位端の外側からカテーテルの管腔内を延在し、ボール162に接続されている。導体164の近位端は、導体151によって信号生成器150に接続されている。導体164は、刺激付与信号をボール162に印加する導体部材として機能している。
代替的カテーテル100が、図2および図3に示されている。カテーテル100は、管腔104を有する管状構造102を備えている。管腔104は、管状構造をその長さの全体にわたって軸方向に貫通している。ワイヤ106が、管状構造102内に配置され、近位端108から遠位端110に延在している。このワイヤ106は、管腔104内に配置されていてもよいことを理解されたい。近位端108において、ワイヤ106は、カテーテル100の外側に配置された導体バンド112に接続されている。導体バンド112は、カテーテルの(信号生成器150からのケーブルが接続された)露出した導体部材として機能している。導体バンド112の遠位側(前方)において、ワイヤ106は、遠位端110まで直線的に延在している。しかし、螺旋ワイヤまたは螺旋と直線が組み合わされたワイヤが、ワイヤ106として用いられてもよいことを理解されたい。カテーテル100の遠位端110において、ワイヤ106は、導体先端116に取り付けられている。刺激付与信号が導体先端116に印加されると、その先端の周囲に、電場が生じることになる。また、カテーテル100の遠位端において、管状構造102は、管腔104を通して送達された流体がカテーテル100の遠位端110の周囲に流出することを可能にするために、少なくとも1つの窓状開口114を有している。
カテーテル42,100は、「単極」カテーテルである。従って、カテーテルのアクティブ先端(電極)から信号を生じさせるために、接地パッド154を戻り電極として設けることが必要である。
図4および図5を参照すると、双極カテーテル120の例が示されている。カテーテル120は、管腔124を有する管状構造122を備えている。管腔124は、この管状構造を軸方向に貫通している。第1のワイヤ126および第2のワイヤ128は、管状構造122内に配置され、近位端130から遠位端132に延在している。菅状構造122内に配置されて図示されているが、第1のワイヤ126および第2のワイヤ128は、それぞれ、管腔124内に配置されていてもよい。近位端において、2つの導体バンド、すなわち、第1の導体バンド134および第2の導体バンド136が、管状構造122の周囲に巻き付けられている。第1のワイヤ126は、第1の導体バンド134に接続されている。具体的には、第1の導体バンド134の遠位側(前方)において、第1のワイヤ126は、外壁123内に直線状に配置されている。第1のワイヤ126は、螺旋状であってもよいし、または螺旋および直線の組合せであってもよいことを理解されたい。遠位端132において、第1のワイヤ126は、管状構造122の遠位側(前方)の導体先端138に接続されている。第2のワイヤ128は、近位端において、第2の導体バンド136に接続されている。第1のワイヤ126と同じように、第2のワイヤ128も、直線ワイヤまたは螺旋ワイヤのいずれかから構成されていてもよい。カテーテルの遠位端132において、第2のワイヤ128は、管状構造122の周囲に巻き付けられた第3の導体バンド140に接続されている。少なくとも1つの窓状開口142が、カテーテルの遠位端132に形成されている。
第1の導体バンド134は、ハウジング11の内部の導体に接続されているとよく、この導体を通して、能動信号が信号生成器I50から第1の導体バンド134に印加されることになる。第2の導体バンドは、ハウジングの内部の(信号生成器150の戻り端末に接続された)導体に接続されているとよい。第3の導体バンド140は、カテーテル120の戻り電極として機能している。導体先端138に供給された電気信号は、第3の導体バンド140に接地されることになる。これによって、カテーテル120の遠位端132の周囲に電場が生じることになる。この電場によって、先端138およびバンド140に隣接する神経を刺激することが可能となる。
以下、ニードル32の中心孔を通して、カテーテル42を患者の体内に前進させ、かつ患者の体内から後退させる導入アセンブリ40について、説明する。カテーテル42を前進/後退させるために設けられたこの手段は、カテーテルの前進/後退の触覚を開業医にもたらすようになっていると好ましい。開業医は、この触覚を利用して、この触覚を既知の情報、すなわち、カテーテル42がどのような種類の組織と遭遇しているのかという情報と関連付けることができる。また、開業医は、この触覚を利用して、カテーテルが患者の体内においてさらなる前進を妨げる対象物に遭遇したのかどうかを判断することも可能となる。
図1Bに示されている本発明の開示された態様では、導入アセンブリ40の一部である摩擦係合システム44は、カテーテル42と係合し、該カテーテルを前進/後退させるようになっている。摩擦係合システム44は、カテーテル42と摩擦係合する任意の数および任意の種類のカテーテル移動ローラ46を備えているとよい。本発明の例示的な態様では、ローラ46は、ツールのハウジング11に回転可能に取り付けられた互いに平行の円筒体である。カテーテル42は、ローラ46間に押し付けられることになる。ローラ46は、滅菌可能な弾性材料から形成することが可能である。ローラ46の回転によって、ローラ46間に挟み込まれたカテーテル42の直進運動が生じることになる。本発明の他の態様では、カテーテルを実質的に移動させる摩擦係合部材は、ホィール、直進スライダ、多角形構造、回転部材、直進部材、ラチェット式部材、ガイド要素などから構成されていてもよい。摩擦係合システム44を作製するために、各摩擦係合部材は、独立して用いられてもよいし、または他の任意の種類の摩擦係合部材と併せて用いられてもよい。
カテーテル導入アセンブリ40は、カテーテル42が前進または後退する大きさを直接的または間接的に決定することができる変換器を備えていてもよい。これらの変換器によって出力された信号は、制御アセンブリ60に加えられるとよい。制御アセンブリ60は、これらの信号をフィードバック信号として用いて、カテーテル導入アセンブリの作動を調整することができる。カテーテルの前進/後退を調整するのに加えて、1つまたは複数の変換器は、カテーテル42の速度または加速度を決定するのに用いられてもよい。ここでも、カテーテル速度を表すデータは、カテーテルを前進/後退させるカテーテル導入アセンブリ40の構成部品を調整するフィードバック信号として用いられるとよい。
例示されている導入アセンブリ40の場合、このカテーテル導入アセンブリは、カテーテル移動ローラ46を作動させる円筒状の駆動ローラ48も備えている。駆動ローラ48は、指先による作動が可能になるように、ハウジング11に回転可能に取り付けられている。駆動ローラ48は、ハウジングの側壁に形成された窓(図示せず)内に部分的に延在している。駆動ローラ48は、カテーテル移動ローラ46の1つと当接し、該ローラを作動するようになっている。従って、駆動ローラ48は、ローラ46を駆動する手動操作部材として機能することになる。
本発明のいくつかの態様では、円筒状ホィールの回転は、変換器によって監視されている。変換器によって出力された電気信号を用いて、カテーテルの前進/後退に関するデータを制御アセンブリ60に対して生成することが可能である。ローラ48を操作するために、典型的には、開業医が、1つまたは複数の指を用いて、ホィールをいずれかの方向に回転させることになる。第1の方向へのローラ48の回転によって、カテーテル42は、患者内に前進し、反対方向へのローラ48の回転によって、カテーテルは、患者から外に後退することになる。
カテーテルを前進/後退させる他の方法は、図1Cに見られるシステム50を備えている。医学的/外科医カテーテル挿入ツール10cは、典型的には、開業医の指(好ましくは、親指および人差し指)がカテーテル54にアクセスすることを可能にする空間52を有している。この空間によって、開業医の指は、カテーテルと操作可能に係合し、単純なプッシュ/プル技術によって、カテーテルを前進/後退させることができる。図1Eに見られるように、ツール10cは、ハウジング11cの円筒部、すなわち、空間52を画定するハウジングの一部に取り付けられたスライドプレート90を備えていてもよい。スライドプレート90の上端および下端は、それぞれ、ハウジングに形成された細長の溝92,94内に着座している。また、1対のバネ96も、各溝92,94内に取り付けられている。各溝92,94において、スライドプレート90は、バネ96間に配置されている。バネ96は、通常、スライドプレート90を空間52内の中心位置に保持している。スライドプレート90は、カテーテル54に隣接するように位置決めされていることをさらに理解されたい。本発明のいくつかの態様では、スライドプレート90には、横方向に延在する溝が形成され、この溝内には、カテーテル54が着座されている。
カテーテル54は、開業医が指をカテーテルおよびそのカテーテルに隣接するスライドプレート90に押し付けることによって、前進することになる。従って、カテーテル54は、指とスライドプレート90との間に捕捉されている。次いで、開業医は、指を前進/後退させ、カテーテルの同様の移動を生じさせることになる。開業医の指が前進/後退指サイクルの終端に達すると、開業医は、指をカテーテル54およびスライドプレート90から離すことになる。この指圧力の解除によって、バネ96は、カテーテルをその前進/後退位置にとどめたまま、スライドプレート90をその静止位置に戻すことになる。次いで、開業医は、指をカテーテル54およびスライドプレート90に再び押し付け、カテーテルの位置をさらに調整することができる。
システム50の利点は、体液がカテーテルに入ったどうかを、開業医が観察することができる点にある。
制御アセンブリ60は、本発明のツール10によってなされる多くのプロセスを開業医が調整することを可能にするものである。制御アセンブリ60は、少なくとも1つの制御部材48または62、すなわち、プッシュボタン、トリガー機構、ホィール、スイッチ、レバー、回転部材、直進部材、ヒンジ部材、などを備えている。各制御部材48または62は、ツール10の1つまたは複数の機能を制御するようになっていてもよい。従って、図1Bに関して前述した本発明の態様による駆動ローラ48は、カテーテル導入アセンブリ40を作動するのに用いられる制御部材として機能している。
例えば、トリガーまたはプッシュボタンのような制御部材62aの係合を用いることによって、信号生成器150への第1のデジタル信号を選択的に有効とすることができる。信号生成器150が第1の状態にあるとき、制御部材62aを押すことによって、信号生成器150への信号を有効とし、これによって、信号生成器が、導体153を通じて、刺激付与信号をニードル32に供給することになる。信号生成器150が、制御部材62aの第2の設定によって第2の状態に設定されたとき、信号生成器150からの出力信号は、カテーテル導体164、従って、カテーテル導体先端162に供給されることになる。制御部材62aは、刺激付与信号をニードル32またはカテーテル42のいずれにも供給する必要がないときに位置する第3の状態を有していてもよいことを理解されたい。
図1Dのツールは、可変レベルDC信号を出力することができる制御部材62bを有するものとしてさらに示されている。図では、制御部材62bは、ポテンシオメータによって表わされている。信号生成器150は、制御部材62bによって調整された信号の電圧レベルに基づいて、ニードルまたはカテーテル先端に出力される刺激付与信号の電流レベルを設定するように構成されている。制御部材62bを調整することによって、ニードル32またはカテーテル42または54に供給される刺激付与信号の電圧をゼロ電圧状態、最大電圧、または中間電圧レベルのいずれかに設定することができる。
本発明のいくつかの態様は、3つ以上の制御部材を有することが可能である。本発明のいくつかの態様では、カテーテル導入アセンブリ40は、カテーテルを前進/後退させるのに用いられるモータを備えている。本発明のこれらの態様では、付加的な制御部材、すなわち、図1Aの部材62cが設けられている。この第3の制御部材62cは、モータの作動を調整するために、選択的に作動されるようになっている。ハウジングに取り付けられたさらに他の制御部材が、別の制御部材の機能を制御するのに用いられてもよい。このように、第1の制御部材を用いて、電極、すなわち、ニードルまたはカテーテルのいずれに、信号生成器が刺激付与信号を出力するのかを制御することが可能である。また、前述したように、第2の制御部材を用いて、信号生成器から刺激付与信号を実際に出力させることが可能である。
図1Aに示されているように、ニードルアセンブリ30、カテーテル導入アセンブリ40、および制御アセンブリ60は、各々、ハウジング11内に組み込まれているかまたはハウジング11に取り付けられている。各アセンブリ30,40を一体化することによって、開業医は、片手で、医学的/外科的カテーテル挿入ツール10およびその関連する特徴部を効果的に操作することが可能となる。
図面において、ハウジング11は、ピストル形状を有して概略的に示されている。円筒部14が設けられ、この円筒部から、ニードルおよびカテーテルが延在し、またこの円筒部から、グリップ18が下方に延在している。本発明のツール10は、この特定の形状を有するハウジングに制限されるものではない。例えば、本発明の代替的なツールは、細長の鉛筆形状のハウジングを有していてもよい。代替的に、ハウジングは、遠位端(前端)から下方にわずかに傾斜した近位側当接端を有することによって、ハンドグリップを形成するようになっていてもよい。ハウジング11は、好ましくは、プラスチックまたは金属から形成されている。
本発明の例示的な態様では、円筒部14は、そこからニードルアセンブリ30が延在している部品である。導入アセンブリ40および制御アセンブリ60は、グリップ18および円筒部14に配置された制御部材を備えている。
グリップ18は、円筒部14から近位側に傾斜して延在している。円筒部14に対するグリップ18の角度は、好ましくは、90°から180°の間、さらに好ましくは、110°から160°の間、最も好ましくは、120°から140°の間である。第1の実施形態では、グリップ18は、医学的/外科的カテーテル挿入ツール10の遠位部を向いている溝状の指特徴部28を有しているとよい。この溝状の指特徴部28は、ツール10を保持するとき、人間工学的な感触を開業医にもたらすようになっている。
また、グリップ18は、少なくとも1つのユーザ制御区域を備えているとよい。このユーザ制御区域は、開業医に、ツール10の運動、例えば、カテーテル42の前進および後退を操作し、ニードル32およびカテーテルに供給される電気信号を修正し、ツール10とニードルアセンブリ30との係合を制御し、かつ流体を患者に送達する手段をもたらす区域である。図1Aには、2つのユーザ制御区域、すなわち、第1のユーザ制御区域20aおよび第2のユーザ制御区域20bが、示されている。各ユーザ制御区域20a,20bは、1つまたは複数の制御部材62を備えているとよい。第1の制御区域20aは、グリップ18の遠位面に配置されている。第1のユーザ制御区域20aの配置によって、開業医は、装置を片手で保持しながら、操作可能に指をツール10の特徴部に係合させることができる。例えば、第1の制御区域20aは、摩擦係合システム44と併せて用いられるとよい。換言すると、第1の制御区域20aの制御部材62は、摩擦係合システム44との一体化によって、カテーテルを前進/後退させることができる。第2のユーザ制御区域20bは、グリップ18の前方に位置するハウジングの上面に配置されている。制御区域20bの制御によって調整される典型的な特徴として、刺激付与信号のオン/オフ状態、およびニードル32またはカテーテル先端162のいずれの構成部品に信号が印加されるかの選択が挙げられる。
グリップ18は、少なくとも1つの挿入可能/取出し可能なカートリッジ15を受け入れる空間17(図1B)をさらに備えているとよい。図1Aに示されているように、カートリッジ15は、カテーテル導入アセンブリ40の上り線上にカテーテル42を収容している。カートリッジ14を医学的/外科的カテーテル挿入ツール10内に挿入するとき、カートリッジがツール内に正確に着座されているかどうかを、センサが読み取るようになっている。カートリッジ15がツール10内に正確に挿入または着座された時点で、センサは、入力信号を制御アセンブリ60に送給することになる。制御アセンブリ60は、スピーカまたはLEDアレイを介して、カテーテル42がカテーテル導入アセンブリ40と連動されて手動によって前進させる準備が整っていることを、ユーザに警告することが可能となっている。カテーテル貯蔵装置として説明したが、カートリッジ15は、追加的または代替的に、少なくともいくらかの電力をツール10に供給する充電式バッテリを含んでいてもよい。バッテリは、電力を制御アセンブリ60に供給し、接続された補充装置からの電力に頼ることなく、自家動力による入力および出力を可能にするものである。
補充ユニット74が、ケーブル72によって、ツールハウジング11に接続されているとよい。補充装置74は、電源、潅注装置、神経刺激付与装置、などとして作動するようになっているとよい。典型的に、ケーブル72は、補充装置74とツール10との間の必要な機能性をもたらす手段を有している。
ツール10は、滅菌可能な材料または廃棄可能な材料のいずれから作製されていてもよいことを理解されたい。もし滅菌可能な材料から作製される場合、ツール10は、廃棄可能なカテーテル貯蔵カテーテル15を備えているとよい。ツール10をプラスチック、従って、廃棄可能な材料から作製することによって、滅菌プロセスが施されることを意図して作製された装置の重量よりも、ツール重量を著しく軽くすることができる。
医学的/外科的カテーテル挿入ツール10の使用は、以下の通りである。医学的/外科的カテーテル挿入ツール10を片手で操作可能に保持している開業医は、ニードル32を患者に挿入する。医学的/外科的挿入ツール10を片手で保持しているので、開業医は、超音波プローブのような補助装置を他の手で保持することができる。超音波プローブは、開業医がニードル32を配置するのを補助するものである。
超音波装置によって生じた画像を視覚的な補助として用いることによって、開業医は、ニードル32を前進させることができる。ニードルを前進させるプロセス中に、開業医は、制御部材62の1つを作動することによって、信号をニードル32の遠位端の導体部品に選択的に印加する。ニードルが神経の近傍にあるとき、ニードルによって出力された信号が、神経を刺激することになる。開業医は、患者がこのような刺激に対して生理学的な応答(多くの場合、不随意的な筋肉運動)をもたらしているかどうかを判断するために、患者を監視する。従って、この刺激付与信号は、質問信号と考えることができる。このプロセス中、開業医は、制御特徴部62の他の1つによって、ニードル32に供給される電気信号のパラメータを変更させてもよい。可変電気信号による刺激付与と併用される超音波撮像によって、開業医は、所望のニードル配置を達成することが可能となっている。
ニードル32が所望の神経の略近傍に位置した時点で、開業医は、ニードル32に供給される刺激付与信号の電気パラメータ、例えば、電圧または電流を調整する。出力信号の電圧または電流を低減することによって、開業医は、神経に対するニードル32の遠位端の位置をより正確に決定することが可能となっている。
ニードル32が正確に配置された時点で、開業医は、導入アセンブリ40を用いて、カテーテル42を患者内に前進させる。カテーテル導入アセンブリ40がハウジング11内に収容されているので、開業医は、片手で、カテーテルを位置決めすると共に、該カテーテルを前進させることができる。
カテーテル42または54の挿入中、適切な制御特徴部の作動によって、開業医は、信号をカテーテル先端162から選択的に出力させることが可能となる。ここでも、開業医は、カテーテルの遠位端が目標組織に隣接していることを示す患者の生理学的な応答を監視している。この監視によって、開業医によるカテーテル42の適切な位置決めが補助されることになる。カテーテルが正確に配置された時点で、カテーテル導体164は、信号生成器から遮断されることになる。ニードル32をカテーテルの周囲に沿って滑らせることによって、ツール10が、患者から引き出される。ツールが取り外された時点で、カテーテルは、患者に固定されており、かつ薬剤を保持している容器に連結されている。次いで、薬剤が、カテーテルを通して、所望の解剖学的部位に送達されることになる。
[代替的実施形態]
前述の説明は、本発明の挿入ツールのいくつかの実施形態のみを記述しているにすぎない。従って、このツールの代替的な実施形態が可能である。
例えば、本発明の代替的態様において、本発明のツールは、カテーテルを患者内に正確に位置決めすることができるツールに制限されるものではない。本発明の1つの代替的なツールは、ワイヤを患者内に導入することができる挿入アセンブリを備えている。本発明のいくつかの態様では、ワイヤの配置は、医学装置を患者内に最終的に配置するのに役立つことになる。従って、これらのワイヤは、治療効果をもたらすように設計された電極または変換器を含んでいるワイヤ、または他の方法では容易に監視することができない皮下組織を監視するのに用いられるワイヤである。
代替的に、ワイヤは、カテーテルを患者の内部の目標部位に導入させるガイド部材として機能するようになっていてもよい。この種の処置では、ワイヤは、ガイドワイヤと呼ばれている。この種の処置では、ガイドワイヤが適切に位置決めされた時点で、カテーテルがガイドワイヤの周囲にスリップ嵌合されることになる。ガイドワイヤは、患者の内部の所望の目標位置で終端しているので、カテーテルは、ガイドワイヤの周囲に沿って送給され、この位置に到達することが可能となる。カテーテルが適切に位置決めされた時点で、ガイドワイヤは、カテーテルから引き出されることになる。次いで、カテーテルを通して、治療剤を目標部位に導入することができる。代替的に、カテーテルは、排液チューブとして機能するために、挿入されてもよい。
ここでも、ガイドワイヤの位置を決定するために、超音波監視装置のような他の装置が用いられてもよい。
医学的装置を神経以外の体内の目標箇所に位置決めするために、本発明のツールが用いられてもよいことも、同様に明らかである。すなわち、このツールを用いて、開業医は、特定の解剖学的部位、例えば、管腔器官、心臓血管、すなわち、動脈または静脈、関節または空洞にアクセスすることができる。ガイドワイヤを用いて、カテーテルをこのように管腔器官または血管内に位置決めするとき、この処置は、セルジンガー(Seldinger)技術と呼ばれることがある。
図6に示されるように、医学的/外科的ガイドワイヤ挿入ツール200は、ツール10と同様の特徴部を備えている。ツール10とツール200との間には、いくつかの違いがある。すなわち、カテーテルがガイドワイヤ242に置き換えられ、カテーテル導入アセンブリ40の名前がガイドワイヤ導入アセンブリ240に変更され、カートリッジ215がカテーテルの代わりにガイドワイヤ242を収容している。
医学的/外科的ガイドワイヤ挿入ツール200の使用は、以下の通りである。ツール200を片手で操作可能に保持している開業医は、ニードル232を患者内に挿入する。ツール200を片手で保持することができるので、開業医は、超音波装置のような補助装置を他の手で保持することを選択することが可能となる。超音波装置を用いることによって、開業医によるニードル232の配置を補助することが可能となると共に、ニードルによって引き裂かれるかまたは突き刺されたときに損傷する可能性のある構造、すなわち、心臓血管構造、腱構造、などを回避することが可能となる。超音波装置によって生じた画像を視覚的な補助として用いることによって、開業医は、ニードル232を所望の解剖学的部位に前進させることが可能となる。
ニードル232が正確に位置決めされた時点で、例えば、ニードル232が所望の解剖学的部位を突き刺した時点で、開業医は、ガイドワイヤ242をニードルを通して選択的に送給するために、ガイドワイヤ導入アセンブリ240を用いて、ガイドワイヤ242を患者内に前進させる。ガイドワイヤ導入アセンブリ240がツール200のハウジングの内部にあるので、開業医は、片手でガイドワイヤ242を位置決めしながら、該ガイドワイヤを前進させることができ、これによって、超音波装置のような補助装置を操作することが可能になる。
ガイドワイヤ242が患者内に正確に配置されると、ツール200は、ニードル232をガイドワイヤ242の周囲に沿って滑らせることによって、患者から引き出されることになる。ツール200が取り外された時点で、カテーテル、カニューレ、または管状構造、例えば、排液チューブが、ガイドワイヤの周囲に沿って、ガイドワイヤの遠位端が位置している解剖学的部位内に通されることになる。次いで、ガイドワイヤは、患者内に位置決めされた管状構造のみを残して、患者から引き出されるとよい。
さらに、本発明の全ての態様が前述した特徴を必ずしも備えている必要がないことは、明らかである。本発明のいくつかの態様において、本発明のツール10は、ニードル、カテーテル、またはガイドワイヤの遠位端の位置を決定するために、電気信号を印加しない処置に用いられるように設計されていなくてもよい。従って、本発明のこれらの態様では、信号をニードル、カテーテル、またはガイドワイヤに印加する手段と共に、信号を調整し、かつ信号を生じさせる制御部材をツールのハウジングに設ける必要がない。同様に、本発明のいくつかの態様では、刺激付与信号をニードル、カテーテル、またはガイドワイヤの1つのみに印加する特徴部をハウジングに設けることだけが必要とされるようになっていてもよい。
同様に、カテーテルまたはガイドワイヤ用の導入アセンブリは、前述した特徴部と異なる特徴部を有していてもよい。具体的には、図1Cのツールは、単一ローラまたは単一ホィールを有していてもよい。この回転部材は、カテーテル/ガイドワイヤが貫通する窓内に配置されている。この回転部材は、開業医の親指または親指以外の指によって、カテーテル/ガイドワイヤが押し付けられる部品として機能するものである。カテーテル/ガイドワイヤは、開業医の指をカテーテル/ガイドワイヤに対して移動させることによって、前進することになる。カテーテル/ガイドワイヤは、開業医の指と回転部材との間に押し付けられているので、カテーテル/ガイドワイヤが配置されるべき方向に移動することになる。
代替的に、導入機構は、爪/ラチェットアセンブリを備えていてもよい。本発明のいくつかの態様では、導入アセンブリは、2つの爪/ラチェットアセンブリを備え、これらのアセンブリの各々は、独自の制御部材によって作動されるようになっているとよい。例えば、第1の爪/ラチェットアセンブリは、カテーテル/ガイドワイヤを延長させるように、作動されるようになっているとよい。第2の爪/ラチェットアセンブリは、カテーテル/ガイドワイヤを後退させるように、作動されるようになっているとよい。
単一のトリガー爪/ラチェットアセンブリも、本発明の範囲内に含まれている。本発明のこの実施形態では、単一トリガーを用いて、カテーテルまたはガイドワイヤの延長および後退の両方を生じさせるように、ユニットを駆動することが可能である。本発明のこの実施形態のいくつかの態様では、トリガーを初期状態から第1の方向に移動させることによって、アセンブリは、カテーテルまたはガイドワイヤを延長させるようにしてもよい。また、トリガーを第1の方向と反対の第2の方向に移動させることによって、アセンブリは、カテーテルまたはガイドワイヤを後退させるようにしてもよい。
本発明のこの実施形態の代替的な態様では、爪/ラチェットアセンブリは、レバーのような第2の制御部材を有している。レバーが第1の位置にあるとき、トリガーの作動によって、爪/ラチェットアセンブリがカテーテルまたはガイドワイヤを延長させることになる。レバーが第2の位置にあるとき、トリガーの作動によって、爪/ラチェットアセンブリは、カテーテルまたはガイドワイヤを後退させることになる。
もし導入アセンブリが駆動モータを備えているなら、ツールは、モータを作動させる2つの制御部材、すなわち、カテーテル/ガイドワイヤを前進させるようにモータを駆動させる第1の部材、およびカテーテル/ガイドワイヤを後退させるようにモータを作動させる第2の部材を備えているとよい。
同様に、ツールによって前進するカテーテルまたはガイドワイヤは、取外し可能なカートリッジに必ずしも収容されている必要がないことを理解されたい。本発明のいくつかの態様では、ハウジングには、カテーテルまたはガイドワイヤをツール製造中に予圧する空間が形成されていてもよい。本発明のさらに他の態様では、ツールのハウジングは、どのような空所、すなわち、ツールまたはカートリッジを受け入れるどのような空間も有していなくてもよい。本発明のこれらの態様では、ハウジングには、カテーテル/ガイドワイヤを導入アセンブリ内に送給する開口が形成されている。
代替的に、本発明のいくつかの態様では、刺激付与電流をカテーテルまたはガイドワイヤに印加する導体部材が、ツールのハウジング内に配置されている。
従って、本発明のツールは、神経ブロック処置用のカテーテルの位置決め以外に多くの用途を有していることが、前述の説明から明らかである。
それ故、添付の請求項の目的は、本発明の真の精神および範囲内に含まれるこのような変更および修正の全てを包含することにある。

Claims (12)

  1. 片手で保持されるように形作られたハウジング(11)と、
    前記ハウジングから前方に延在しているニードル(32)であって、前記ニードルは、孔を有しており、かつ皮下に挿入されるように形作られており、前記ニードル孔は、カテーテル(42,54)またはワイヤ(242)を受け入れるように寸法決めされている、ニードル(32)と、
    前記ニードルに接続された導体(153)または前記カテーテルまたはワイヤと関連付けられた導体(164)であって、刺激付与信号が前記ニードルまたは前記カテーテルまたはワイヤと関連付けられた前記導体に印加されることが可能になっている、導体(153)または導体(164)と、
    を備えているカテーテル/ワイヤ導入装置(10,10c,200)において、
    前記カテーテルまたはワイヤを、前記カテーテルまたはワイヤの遠位端が前記ニードルの前方に選択的に位置決めされることが可能となるように、前記ニードル孔を通して前進させるためのカテーテル/ワイヤ導入アセンブリ(40,240)が、前記ハウジングに取り付けられており、前記導入アセンブリは、前記カテーテルまたはワイヤの前進のユーザ制御を可能にするための手動によって作動可能な構成部品(48,62)を前記ハウジング上に有しており、前記手動によって作動可能な構成部品は、前記ハウジングを保持している前記手によって作動されるように位置決めされており、
    前記ニードルにまたは前記カテーテルまたはワイヤに関連付けられた前記導体に印加される前記刺激付与信号のレベルを調整するための第1の制御部材(62b)が、前記ハウジングに取り付けられており、前記第1の制御部材は、前記ハウジングを保持している前記手によって作動されるように位置決めされていることを特徴とするカテーテル/ワイヤ導入装置。
  2. 前記ハウジングは、前記ニードル(32)に接続された前記導体(153)と、前記カテーテルまたはワイヤに関連付けられた前記導体(164)の両方を備えており、前記刺激付与信号は、前記導体のいずれかに印加されることが可能になっており、
    前記ニードルに接続された前記導体(153)または前記カテーテルまたはワイヤに関連付けられた前記導体(164)のいずれに、信号生成器(150)からの前記刺激付与信号が供給されるかを調整するための第2の制御部材(62a)が、前記ハウジングに取り付けられており、前記第2の制御部材は、前記ハウジングを保持している前記手によって作動されるように位置決めされていることを特徴とする、請求項1に記載のカテーテル/ワイヤ導入装置。
  3. 片手で保持されるように形付けられたハウジング(11)と、
    前記ハウジングから前方に延在しているニードル(32)であって、前記ニードルは、孔を有しており、かつ皮下に挿入されるように形付けられており、前記ニードル孔は、カテーテル(42,54)またはワイヤ(242)を受け入れるように寸法決めされており、前記カテーテルまたはワイヤは、刺激付与信号が印加されることが可能になっている導体(164)を有している、ニードル(32)と、
    前記ハウジング内に配置された導体(153)であって、刺激付与信号が前記導体を通して前記ニードルに供給されることが可能となるように前記ニードルに接続されている、導体(153)と、
    を備えているカテーテル/ワイヤ導入装置(10,10c,200)において、
    前記カテーテルまたはワイヤを、前記カテーテルまたはワイヤの遠位端が前記ニードルの前方に選択的に位置決めされることが可能となるように、前記ニードルを通って前進させるためのカテーテル/ワイヤ導入アセンブリ(40,240)が、前記ハウジングに取り付けられており、前記導入アセンブリは、前記カテーテルまたはワイヤの前進のユーザ制御を可能にするための手動によって作動可能な構成部品(48,62)を前記ハウジング上に有しており、前記手動によって作動可能な構成部品は、前記ハウジングを保持している前記手によって作動されるように位置決めされており、
    前記ニードルに接続された前記導体(153)または前記カテーテルまたはワイヤと関連付けられた前記導体(164)のいずれに、信号生成器(150)からの刺激付与信号が供給されるかを調整するための制御部材(62a)が、前記ハウジングに取り付けられていることを特徴とするカテーテル/ワイヤ導入装置。
  4. 前記信号生成器は、前記ハウジングから分離されており、前記制御部材(62a)は、前記信号生成器に接続されていることを特徴とする、請求項2または3に記載のカテーテル/ワイヤ導入装置。
  5. 片手で保持されるように形作られたハウジング(11)と、
    前記ハウジングから前方に延在しているニードル(32)であって、前記ニードルは、孔を有しており、かつ皮下に挿入されるように形作られており、前記ニードル孔は、カテーテル(42)またはワイヤ(242)を受け入れるように寸法決めされている、ニードル(32)と、
    前記ニードルに接続された導体(153)であって、刺激付与電流が、前記導体を通して前記ニードルに印加されるようになっている導体(153)と、
    前記ニードルへの前記刺激付与電流の印加を調整するために、前記ハウジングに取り付けられた制御部材(62)と、
    を備えているカテーテル/ワイヤ導入装置(10,10c,200)において、
    カテーテルまたはワイヤを、前記カテーテルまたはワイヤの遠位端が前記ニードルの前方に選択的に位置決められることが可能となるように、前記ニードル孔を通して前進させるためのカテーテル/ワイヤ導入アセンブリ(40,240)が、前記ハウジングに取り付けられており、前記導入アセンブリは、前記カテーテルまたはワイヤの前進のユーザ制御を可能にするための手動によって作動可能な構成部品(48,62)を前記ハウジング上に有しており、前記手動によって作動可能な構成部品は、前記ハウジングを保持している前記手によって作動されるように位置決めされていることを特徴とするカテーテル/ワイヤ導入装置。
  6. 前記ハウジングは、カートリッジを取外し可能に受け入れる空間(17)を画定するように形成されており、前記ハウジング空間内に位置決めされるカートリッジ(15)が設けられ、前記カートリッジ(15)は、前記ニードル内に挿入される前記カテーテルまたはワイヤを収容していることを特徴とする、請求項1,2,3,4,または5に記載のカテーテル/ワイヤ導入装置。
  7. 前記カテーテル/ワイヤ導入アセンブリは、前記カテーテル/ワイヤと係合して前記カテーテル/ワイヤを前記ニードルの前方に前進させるかまたは前記カテーテル/ワイヤを前記ニードル内に後退させるための部材(46)を備えていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6に記載のカテーテル/ワイヤ導入装置。
  8. 前記カテーテル/ワイヤ導入アセンブリは、部材(48)を備えており、前記部材(48)は、第1の方向に作動されたとき、前記導入アセンブリが前記カテーテルまたはワイヤを前記ニードルの前方に移動させ、第2の方向に作動されたとき、前記導入アセンブリが前記カテーテル/ワイヤを前記ニードル内に後退させるようになっていることを特徴とする、請求項1,2,3,4,5,6,または7に記載のカテーテル/ワイヤ導入装置。
  9. 前記ハウジングには窓が形成されており、前記窓を通して、前記カテーテル/ワイヤ導入アセンブリの前記手動によって作動可能な構成部品にアクセスすることが可能になっていることを特徴とする、請求項1,2,3,4,5,6,7,または8に記載のカテーテル/ワイヤ導入装置。
  10. 前記カテーテル/ワイヤ導入アセンブリ(40,240)は、前記カテーテル/ワイヤを前進させるための少なくとも1つの爪/ラチェットアセンブリを備えていることを特徴とする、請求項1,2,3,4,5,6,7,8,または9に記載のカテーテル/ワイヤ導入装置。
  11. 前記ニードル(32)は、前記ハウジングに取外し可能に取り付けられていることを特徴とする、請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,または10に記載のカテーテル/ワイヤ導入装置。
  12. 前記ニードルにまたは前記カテーテルまたはワイヤと関連付けられた前記導体に印加される前記刺激付与信号を供給するために、前記ハウジングに接続された電気ケーブル(152)をさらに備えていることを特徴とする、請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,または11に記載のカテーテル/ワイヤ導入装置。
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