テレビ広告市場及びインターネット広告市場はともに広告市場全体の重要な部分である。インターネット広告及びテレビ広告の動向は段階的に収束に向かっているが今日でもまだ大きな違いがある。
テレビ広告は典型的にテレビ番組の合間の休憩の間及びテレビ番組の最中にテレビ視聴者に示される。広告は普通、映像と音声との両方を含むショート・フィルムの形式である。具体的な広告のコンテンツ及びマーケティング・メッセージは宣伝される製品をとても購入しそうな特定のターゲット・グループを引き付けることが意図される。広告のターゲット・グループは好適にはテレビ視聴者にマッチングするべきである。性別、年齢などのような視聴者に関する全般的な知識は広告用休憩に隣り合うテレビ番組のコンテンツに基づく。例えば、ファミリー・カーについての広告はファミリー番組に隣り合う休憩に示され得る。問題となるのは、テレビ広告主が広告を見る視聴者の推測及び見積もりしかできないということである。
インターネット広告は典型的にウェブページ上のバナーとして又はウェブ検索からのキーワードに基づいて示される。これらは単純キストからオーディオ、ピクチャ、及びビデオまでのすべてのものを含む。具体的な広告のコンテンツ及びメッセージはインターネット広告の場合でも特定のターゲット・グループを引き付けるこが意図される。インターネット・ユーザに関する知識及びユーザの興味がどれだけうまく広告にマッチングするかに関する知識は広告が示される文脈から引き出すことができる。例えば、自動車のウェブサイトは恐らくは自動車に興味を持つ個人を引き付けるだろう。自動車のウェブサイトの文脈で示される自動車の広告は恐らくはユーザからいくらかの注目を引き付けるだろう。同様にして、ユーザが「自動車」を検索する際に示される自動車の広告はいくらかの興味を取得できるだろう。結果として、広告のターゲット・グループはインターネット・ウェブサイトのユーザとある程度は同じであるだろう。
よって、説明された先行技術は、広告のマーケティング・メッセージと実際のターゲット・グループの実際の嗜好との間のマッチングの精度に制限を有する。これにより、多くの場合に広告が示されるすべての人に広告が関連しているわけでなく、従って広告主のマーケティング資金の浪費となる。また、顧客は多くのマーケティング・メッセージにたえず攻め立てられていると感じ、これにより、反感が大きくなり、広告に対する拒絶反応が生じる。
インターネット広告に関して、広告のターゲット・グループと広告を視聴する実際のユーザとの間でより正確なマッチングを達成することができる。これを行う既知の方法は、ユーザが自身についての情報及び自身のプロファイルをフォームに埋めることである。この手続きは個別のユーザ・ログイン及びパスワードを伴う特別なユーザ・アカウントを必要とする。
ハンソンらによる特許文献1によれば、ユーザの注目に対して最も代金を支払いそうな広告主及び入札金額がユーザ端末のスクリーンに示される。ユーザが特定の広告主のメッセージを見ることを選ぶと、ユーザは払い戻される。すなわちメッセージを視聴された広告主によって約束された入札額に対してユーザ・サービス・アカウントにクレジットが適用される。よって、広告を視聴するとユーザは代金の支払いを得る。
本発明は先行技術の装置の欠点を克服し、本発明の総括的な目的は、パーソナライズされた広告をテレビ視聴者におけるテレビ・クライアントに供給する方法及びシステムを提供することである。このようなテレビ・システムにおける宣伝アプリケーション・サーバを提供することも総括的な目的である。
本発明の特定の目的は、サービス・プロバイダとのオークション・ベースの取引関係を介して広告プロバイダがパーソナライズされた広告を供給することを可能にする方法並びに装置及びシステムを提供することである。
これらの目的及びその他の目的は、添付の特許請求の範囲に規定された発明によって達成される。
本発明の第1の側面では、テレビ・クライアントとユーザ嗜好データベースと広告プロバイダ・データベースと宣伝アプリケーション・サーバとを含むテレビ・システムにおいてパーソナライズされた広告を管理する方法が公開される。宣伝アプリケーション・サーバは、テレビ・クライアントにおいてユーザが存在することを検出し、検出に応じて、検出されたユーザの嗜好を受信する。宣伝アプリケーション・サーバにおいて、広告プロバイダ・データベース内の広告に関する情報も受信される。ユーザ嗜好と受信された広告とを用いて宣伝アプリケーション・サーバにおいてマッチングが行われる。マッチングから、ユーザに示すことが出来る一つ以上の広告が選択される。
広告の選択は、ベスト・マッチング基準のみに従って、又は一番人気広告基準と組み合わせたベスト・マッチング基準に従って行われ得る。
本発明の第2の側面では、上記方法は、オークション方法に関連するステップをさらに有する。宣伝アプリケーション・サーバにおいて、二つ以上の広告プロバイダからの広告が選択されたことが判定される。この判定に応じて、オークションが実行されるトランザクション・ブローカにオークション案内が送信される。宣伝アプリケーション・サーバは最高金額入札を有する広告プロバイダに関する情報を受信し、その後に最高金額入札者からの広告の送信を開始することができる。
本発明の第3の側面では、テレビ・システム内のテレビ・クライアントに供給されるパーソナライズされた広告を管理するシステム内の宣伝アプリケーション・サーバが公開される。上記の宣伝アプリケーション・サーバはいくつかの機能ユニットを備える。テレビ・クライアントにおけるユーザ・プレゼンスを検出する検出ユニットがある。ユーザ嗜好を記憶する嗜好記憶装置と相異なる広告プロバイダからの広告を記憶する広告記憶装置とがある。ユーザ嗜好と広告とのマッチングのために、一つの広告プロバイダからの広告が選択されているかどうかを判定する選択ユニットと、テレビ・クライアントへの一つ以上の広告の供給を開始する送信ユニットとに接続されたマッチング・プロセッサがある。
本発明の第4の側面では、パーソナライズされた広告をテレビ・クライアントに供給するテレビ・システムが存在する。本システムは、テレビ・クライアントにおけるユーザ・プレゼンスを判定するプレゼンス・サーバと、ユーザ嗜好を記憶するユーザ嗜好データベースと、ユーザ・プレゼンスが検出された際に、ユーザ嗜好と利用可能な広告とをマッチングする宣伝アプリケーション・サーバとを含む。宣伝アプリケーション・サーバは、テレビ・クライアントへのマッチングされた広告の供給を開始する。
本発明の第5の側面では、テレビ・システムは、オークションを実行して、最高金額入札を有する広告プロバイダに関する情報を宣伝アプリケーション・サーバに返送するための、宣伝アプリケーション・サーバに接続されたトランザクション・ブローカを含む。
本発明の第6の側面では、パーソナライズされた広告をテレビ・クライアントに供給するテレビ・システムにおける方法であって、ユーザ嗜好がユーザ嗜好データベースに記憶されており、利用可能な広告分野が広告プロバイダ・データベースに記憶されている方法が公開される。本方法は、テレビ・クライアントにおけるユーザ・プレゼンスを監視することを含み、ユーザ・プレゼンスの検出に応じて、入力として用いられるユーザ嗜好と利用可能な広告とで行われるマッチングが存在し、マッチング手続きの後に、テレビ・クライアントに供給される一つ以上の広告を選択するステップが存在する。
テレビ・システムにおける方法はまた、唯一つの広告プロバイダが選択するステップにおいて選択された広告を有する場合に、テレビ・クライアントに選択された広告又は広告群を示すことを含む。
本発明はさらに、二つ以上の広告プロバイダからの広告が選択された場合にオークションを実行し、最高入札者を判定することを伴う。最高入札者からの広告(群)はテレビ・クライアントに示される。
本発明の第1の利点は、テレビ・クライアントのユーザが関連する広告だけを受信することである。なぜなら、広告はパーソナライズされており、且つテレビ・システムは本発明で利用されるユーザ・プレゼンスを認識しているからである。本発明の第2の利点は、ユーザに対して選択されたマッチングする広告を有する広告プロバイダが複数存在する場合に、オークション方法を導入することである。本発明の更なる利点は、公開される技術的システムが広告プロバイダとパーソナライズされた広告を管理するサービス・プロバイダとの間の取引関係をサポートすることである。例えば、サービス・プロバイダにより所有され管理される広告プロバイダ・データベースに広告プロバイダが広告情報を入力した場合に、広告プロバイダにより第1の代金支払いが行われる。選択された広告(群)が視聴者に示された場合に、広告プロバイダからサービス・プロバイダへの第2の代金支払いが行われる。
本発明は添付の図面と併せて以下の説明を参照することによって理解される。
図面を通して、同一の参照符号が対応する要素及び類似の要素に用いられるだろう。本明細書を通して、Adは広告のために用いられ、Ad.ASの場合にはAdは宣伝のために用いられる。
本発明は、通信システムにおける広告の管理に関し、特にユーザに供給されるパーソナライズされた広告に関する。一つの利点は、関心のある範囲の広告を見ることができる視聴者の満足度が増加する一方で、広告主は恐らくは興味のある受信者だけに宣伝費用を費やすことである。
本発明による教唆は、ユーザがシステムに接続された端末又はクライアントでテレビの視聴を開始する際にユーザを認証する任意のテレビ・システムに適用され得る。示される例によれば、制御信号の管理のためのIPマルチメディアIMSシステムを含むインターネット・プロトコル・テレビジョンIPTVが存在する。IPTV(インターネット・プロトコル・テレビ)はIPネットワーク、典型的にはブロードキャスト・アクセス・ネットワークを介してブロードキャストされるテレビ・サービスを供給する際に用いられる用語である。説明される例では、シグナリングはIMSシステムに対して適用できるSIP、セッション管理プロトコルのシグナリングであるが、他のシグナリング・システムが同様に用いられてもよい。
図1は本発明を実装するIPTVシステムのブロック図を公開する。IPTVクライアント103を伴うセット・トップ・ボックスSTB102を有するユーザ101であるジョン・ブラウンは最初にサービス・プロバイダSP110とIPTVサービスについての加入契約を結ぶ。IPTVクライアント103は宣伝アプリケーション・サーバAS105に登録されていて、宣伝AS105はこの例では図1でIPTV広告プロバイダ110と名付けられたサービス・プロバイダSPにより所有される。登録106は破線で示される。宣伝AS105は、APプロバイダ及びこれらの利用可能な広告に関する情報を得るために、広告プロバイダ・データベース108に接続される。宣伝ASは、広告に関連するユーザ・プロファイルに関する情報を受信するために、ユーザ嗜好データベースDB109にも接続される。本発明によれば、ユーザ・プロファイル情報は、ユーザに送信して示すために最も適切な広告を判定するために用いられる。ユーザ嗜好データベース109はホーム加入者サーバHSS120から加入契約情報がロードされ、このロードは破線107で示される。従って、嗜好データベース109はIMSシステムにおけるユーザ識別子と関連性を有する。HSSは加入者データと認証データとを管理するメイン・データベースである。宣伝AS105は広告プロバイダDB108及びユーザ嗜好DB109と一緒にこの例ではIPTV広告プロバイダ110と名付けられるサービス・プロバイダSPを形成する。
本発明に従うパーソナライズされた広告サービスはIMSのプレゼンス・サービスに基づく。IMS標準で規定されるように、IMSのプレゼンス・シナリオには、三つの主なアクターが存在する。第1のアクターは、プレゼンス・ユーザ・エージェントPUAの役割を果たすIPTVクライアント103である。このエンティティは自身のプレゼンス状態を、プレゼンス・アプリケーション・サーバである第2のアクターに公開する。図1ではプレゼンス・アプリケーション・サーバはプレゼンス・サーバ128である。例えば、プレゼンス状態は、ユーザのジョン・スミスが現在、オンライン、オフライン、ビジーなどであることであってもよい。従って、IMSのプレゼンス・サーバ128は相異なるPUAから現在のプレゼンス状態を受信して記憶する。IMSのプレゼンス・シナリオにおける第3のアクターは、PUAのプレゼンス状態をサブスクライブするエンティティであるウォッチャーである。図1で説明される実施形態では、ウォッチャーの役割は前述の宣伝アプリケーション・サーバ宣伝AS105により果たされる。三つの主なアクターの間のプレゼンス・サービスの相互作用は以下のようである。宣伝AS105は、パーソナライズされた広告に興味を持つユーザのIPTV加入契約に対応するユーザIMS識別子のリストを有する。宣伝AS105はこれらのユーザのプレゼンス状態をサブスクライブする。(例えばジョン・スミスの)IPTVクライアントがIMSコアに登録する際に、プレゼンス状態に関する情報がプレゼンス・サーバ128に自動的に転送される。宣伝サーバ105はPwインタフェースを介してユーザのプレゼンス状態の更新、例えばユーザのジョン・スミスが今はオンラインであることについて通知される。
HSS120はIMSコア・システム122の中にあり、IMSコア・システム122はサービング呼セッション制御機能S−CSCFも含み、S−CSCFのノードはサービスに対する主制御ポイントであり、またユーザを認証する。S−CSCFはユーザのホーム・ネットワーク内に位置し、認証とサービスの承認とを実行するためにHSS内のデータにアクセスする。HSSはすべてのユーザについて加入契約情報を含み、加入契約は特定のユーザがアクセスできるIMSサービスのリストを特定する。この認証及びサービスの承認は詳細には説明されないが、図1では破線125で示される。ユーザからのサービス要求によって、S−CSCF124は、認証及びサービスの承認の後に、テレビ・サービスを開始するためにIPTV AS126と相互作用する。ユーザがIPTV AS(アプリケーション・サーバ)126に登録されてオンラインになると、宣伝ASはプレゼンス・サーバ128により通知される。これは、仕様書3GPP TS23.141に従って行われ、さらには説明されない。IPTV AS126は次いで、ユーザがログインしてIPTVサービスを使用しているという情報を記憶するプレゼンス・サーバ128に接続される。この情報は、ユーザが存在してテレビを見ていることを意味する。IMSコア・システム内のプレゼンス・サーバ128は、上記の説明に従うユーザ登録に関する情報を送信するために、宣伝AS105に接続される。プレゼンス・サーバ128からプレゼンス情報を得るためにユーザがIPTV広告プロバイダ110を認証していたことが本発明では重要である。広告を有するテレビ番組をIPTVクライアント103及びSTB102に送信するためのメディア・サーバ130もIMSコア122内にある。テレビ番組又はテレビ・コンテンツは例えばリアルタイム・トランスポート・プロトコルRTPのトラフィックを伝えるブロードバンド接続で視聴者に送信される。RTPはRFC3550で特定される。制御プレーンのプロトコルはユニキャスト用のRTSP又はマルチキャスト用のIGMPのどちらかであり得るだろう。メディア・サーバ130は、H.248プロトコルを実装するインタフェースを介して宣伝AS105により制御され、このインタフェースを介して宣伝AS105に接続される。
図1では、広告ファーム140の例はトランザクション・ブローカ142と広告メディア・レポジトリ144とで構成される。トランザクション・ブローカ142は、二つ以上の広告プロバイダがユーザに広告を供給することができる場合に、オークションに関連する通信のために宣伝AS105に接続される。広告メディア・レポジトリ144は、IPTVクライアント103にさらに供給するためにメディア・サーバ130に送信するための広告に関する情報を得るために、宣伝AS105に接続される。広告プロバイダ146は、ショート・フィルムのような様々な広告を広告ファーム140に供給していて、この広告は広告メディア・レポジトリ144に記憶される。トランザクション・ブローカ142と宣伝AS105との間には(線590、592で説明される)接続が存在する。また、トランザクション・ブローカ142と広告プロバイダとの間に接続591が存在する。これらの接続は、以下の図2の説明に従って、広告プロバイダからIPTVプロバイダへの代金支払いの相互作用に用いられ得る。
言及された接続590、592は、個人向け広告及び代金支払い方法の供給を可能とする各パーティの責任を分類するSLA(サービス・レベル・アグリーメント)を設定するためのサービス・プロバイダ110と広告プロバイダ146との間のインタフェースを示すために用いられ得る。
広告プロバイダ・データベースにデータを入力する方法を例示するために、広告プロバイダからの破線111により接続が公開される。しかしながら、広告メディア・レポジトリ144から広告プロバイダ・データベースにデータを入力することができる。
図2では、本発明を実行する主なステップが説明される。図2aで、最初のステップ200では、宣伝AS105はテレビ/STBにおけるユーザ・プレゼンスを監視する。ステップ202で、テレビにおいてユーザが存在することすなわちオンラインであることが検出されるとすぐに、マッチング・ステップ204が実行される。マッチング・ステップ204において、マッチングして、視聴者に送信するのに最も適切な広告を見つけるために、広告に対するユーザの嗜好が相異なる広告プロバイダからの広告と比較される。ステップ206で、一つ以上の広告Adが選択される。視聴者に関連し、取り得る広告の量は膨大であり得る。視聴者に示される一つ又は少数の広告を選択するために、本発明はどの広告を視聴者に表示するかを判定するいくつかのフィルタリング基準を規定する。
用いられる主なフィルタリング基準はベスト・マッチング基準である。このフィルタは広告が視聴者の嗜好にどれくらいよくマッチングするかに基づいて広告を表示する。ベスト・マッチング基準と組み合わせて用いられる別のフィルタリング基準は、一番人気広告基準である。このフィルタは他の視聴者により広告が何回視聴されていたかに基づいて広告を表示する。人気のある広告は、人気の無い広告よりも視聴者の興味が高いと想定される。宣伝される製品は高品質、低価格でありそうであり、流行にのっていて、又は何らかの方法で多くの視聴者を引き付ける。特定の製品の一般顧客認知度は高い。ベスト・マッチング基準がユーザに供給可能ないくつかの広告をもたらす場合に、表示される広告の数を減らすために、一番人気広告基準も適用されてもよい。一つ又は両方のフィルタリング基準を適用した後に一つの広告が選択された場合に、この広告は図2bに公開されるステップ212、213に従ってユーザに表示される。いくつかの広告が同じ広告プロバイダからである場合に、いくつかの広告であってもよい。IPTV広告プロバイダすなわちサービス・プロバイダ110は広告プロバイダ146と取引関係を有するため、サービス・プロバイダは、図2bのステップ213を参照して、選択された広告がユーザに示された場合に、広告プロバイダにより代金が支払われ得る。いくつかの代金支払い方法が存在する。一つの例によれば、いくつかの広告が選択されている。このような状況では、広告のリストがユーザに示され得、サービス・プロバイダへの代金支払いの代替の実装が、ユーザ/視聴者が広告のリストから広告を選んだ場合に、なされ得る。
一つの広告プロバイダから二つ以上の広告が選択されていた場合に、広告のリストをIPTVクライアントに示すことが可能であり、これは図2dのステップ209で示される。このリストがユーザに示される際に、サービス・プロバイダはステップ210で公開される第1の代金支払いを得る。ステップ211で、ユーザがリストからいずれかの広告を選んだ場合に、ステップ215で、選択された広告はユーザに示される。これは、ステップ217で、サービス・プロバイダが第2の代金支払いを得ることを始める。
いくつかの状況では、説明されたフィルタリング基準の両方がマッチング・ステップ204で適用された後でさえ、二つ以上の広告プロバイダからの広告が、ユーザ又はテレビ視聴者に表示されるために、宣伝AS105によって選択される。二つ以上の広告プロバイダがマッチングする広告を有するこのような状況では、宣伝AS105はステップ216で宣伝オークション機会を開始する。ステップ218で、オークションはトランザクション・ブレーカ142(図1)の関与によって実行される。オークションで最高入札者が判定される。ステップ220で、最高入札者からの広告がユーザ/テレビ視聴者に送信され、オプションとしてサービス・プロバイダは代金支払いを得る。最高入札者からの可能ないくつかの広告が存在する場合にここでステップ213と同じ手順が適用されてもよい。
従って、上述のフィルタリング方法を用いることによって一つの広告が選択されて、ユーザが一つの広告222、224を受信した後に図2cが続く。広告の映像コンテンツとともに、視聴者に表示されるすべての広告における相互作用のコンポーネントが規定される。この相互作用のコンポーネントの目的は、視聴者が広告に興味を示していたことを報告する方法をIMSのIPTVプロバイダが広告プロバイダ146に提供することである。別の目的は様々な広告の人気に関する情報を管理することである。ユーザが広告に表示されたオファーをクリックする(ステップ226)場合に、ステップ228で、この広告がユーザにより相互作用したという情報でユーザ嗜好データベースDB109が更新されることがこの図2cにおいて公開される。オプションとして、ステップ228で、サービス・プロバイダは、この情報がユーザ嗜好データベースにおいて更新された際に、ユーザにより選択された広告を有する広告プロバイダにより代金支払いを得る。
図3は、図1におけるIPTV広告プロバイダ110内のユーザ嗜好データベースDB109の実施形態を示す。1番目の列はユーザに関する情報を管理する。この例では、IMS識別子(John.Brown@op.net)が用いられる。次の列で、ユーザ嗜好がカテゴリ及びグループでリストされる。STBのIPTVクライアント103は、広告をそれぞれ表すサムネイル表示のような双方向性のためのユーザ・インタフェースを提供することができる。サムネイルの各クリック(広告はユーザによって視聴されている)は、(図1の)宣伝AS105に送信されて視聴者の嗜好情報の更新と、広告プロバイダからサービス・プロバイダへの代金支払いのような対応するビジネス・トランザクションとの更新を引き起こす関連SIPメッセージをもたらすだろう。最後且つ3番目の列は広告相互作用履歴を管理する。この例では、二つの相異なるグループ〔電話〕及び〔mp3〕を有する一つのカテゴリ〔エレクトロニクス〕が存在する。別のカテゴリ〔自動車〕では、二つのグループ〔スポーツ・モデル〕及び〔ファミリー・モデル〕が存在する。広告相互作用履歴は各カテゴリ及びグループに対するクリックの回数だけでなく各クリックに対するタイムスタンプをも示す。カテゴリ又はグループを用いる代わりに、嗜好情報は、ユーザが人気のあるキーワード又は同様のものをちょうど言及したタグに基づくことができるだろう。カテゴリにグループを追加した組み合わせはデータベースに投入する方法の単なる一つの例である。
図4は、図1内の広告プロバイダDB108の例を示す。このデータベースは相異なる広告プロバイダから利用可能なすべての広告に関する情報を管理する。広告プロバイダ、広告番号、カテゴリ、グループ、及びバージョンのための五つの列が存在する。この例における広告プロバイダは、カテゴリ〔エレクトロニクス〕内のELEC_A、ELEC_Bである。マッチング手続き(図2aのステップ204)で、図3のユーザ嗜好の列は図4のカテゴリ及びグループの列と比較され、この比較の結果は一つ以上の広告番号である。比較がどのようになされるかについてのアルゴリズムは本発明の部分ではなく、本特許出願でさらなる説明はしない。しかしながら、結果は一つ以上の広告プロバイダからの一つ以上の広告であってもよい。
本発明のより深い理解を得るために、図5のシーケンス図は図1に従うシステム内の様々なノード内の相互作用を示す。ホーム・ローカル・エリア・ネットワークLANに存在するSTB102は最終視聴者101へのテレビ・コンテンツ及び広告コンテンツを含む映像ストリームを表示する。本発明の前提は、STBがIMSクライアントを有し、IMSパブリック識別子IMPUを用いてIMSシステムにログインすることによって、視聴者がIPTVにアクセスできることである。本発明では、これは、IPTVクライアント103がIMSクライアント104へのインタフェースを有する方法によって実装される。シナリオが非IMSシナリオである場合に、IPTVクライアントは、IPTV AS126に到達可能な別の通信エンティティを用いることができる。IMSクライアントを有するIMSのSTB102はSIPメッセージ500を用いてS−CSCF124に登録する。S−CSCF124はユーザを認証し、テレビ・サービスに登録するためにIPTV AS126にSIPメッセージ510を送信する。IPTV ASはユーザ登録に関するメッセージ520をプレゼンス・サーバ128に送り、プレゼンス・サーバ128は次いで、IMSコア・システムにおいてユーザがIPTVサービスに登録されたことを宣伝アプリケーション・サーバ105に通知530する。よって、宣伝AS105は、ユーザがテレビ・サービスにログインしてIPTVクライアントにおいて存在していることをここで検出していて、テレビ視聴者は本発明によってパーソナライズされた広告を得るだろう。ユーザに送られる広告を処理するために、宣伝ASは、ユーザ嗜好を得るためにユーザ嗜好DB109にメッセージ540を送り、ユーザ嗜好はメッセージ550で宣伝ASに送られる。次のステップで、相異なる広告プロバイダからの広告のリストが広告プロバイダDB108から受信570される。図4の説明によれば、リストは相異なる広告プロバイダからの広告に関する情報を公開する。マッチング手続き580は宣伝ASにおいて行われ、この手続きのもとでユーザ嗜好リストは広告のリストと比較される。マッチング手続きにより、広告と嗜好との間にマッチングが存在する場合に一つ以上の広告が選択581される。
上記選択ステップは選択を行うための適切な基準の使用を含む。一つの有用な基準はベスト・マッチング基準であり、これは明らかであり、図3及び図4からは例えば電話グループであり得、電話グループは従って広告番号1及び2に対してマッチングを生成する。ベスト・マッチング基準を用いる際に取り得る多くの広告が存在する場合に、取り得る広告の数を減らすために一番人気広告についての基準をベスト・マッチング基準に組み合わせることができる。
選択手続きにおいて、マッチングする広告を二つ以上の広告プロバイダが有すると判定された場合に、宣伝AS105は宣伝オークション機会に類似するオークション案内をトランザクション・ブローカ142に送信590する。トランザクション・ブローカ142は広告プロバイダの間でオークションを実行591する。この手続きは詳細には説明されない。オークションの結果は最高額入札者であり最高額入札者に関する情報はトランザクション・ブローカ142から、この情報が受信される宣伝AS105に送信592される。ここで、宣伝ASは、どの広告プロバイダが最高額入札を有するか及びその結果としてどの広告が視聴者に送信されるかについて通知される。オプションとして、前述のとおり、リストにおいてクリックすることにより広告を選択できる視聴者に広告のリストが送信され得る。
上述の本発明によれば、ユーザがテレビを見る際に、ユーザの興味によく適合する個人向け広告を受信するだろう。これにより、ユーザが広告に興味を持つことになる。本システムはパーソナライズされた広告を管理して供給し、それにより広告プロバイダ及びサービス・プロバイダの両方が利益を得られる。本システムのさらなる利点は、ユーザが広告を視聴する際又はサービス・プロバイダがユーザ嗜好データベースを更新する際に、広告プロバイダからサービス・プロバイダへの代金支払いを含むことのオプションである。
ステップ593で、「認可コンテンツ転送」というメッセージが広告メディア・レポジトリ144に送信される。このメッセージは広告DBからのどの広告が視聴者に送信されるかに関する情報を含む。広告メディア・レポジトリはその後にメッセージ594で実際の広告をメディア・サーバ130に送信する。宣伝AS105からメディア・サーバ130への「ストリーミング広告開始」という信号で、メディア・サーバはテレビ・コンテンツのストリーミング内に広告を含める。これは示す。
宣伝アプリケーション・サーバAS105のブロック図が図6に示される。ブロック図は宣伝AS105の機能的な視点である。図1のプレゼンス・サーバ128からの通知でユーザ・プレゼンス情報を検出する検出ユニット610が存在する。相異なる広告プロバイダからの広告を記憶する広告記憶装置615も存在する。記憶装置615の代わりに、実装では、単に、広告に関する情報が入力されるが記憶されない入力部615であってもよい。広告記憶装置又は入力部615はIPTV広告プロバイダ110(図1参照)の広告プロバイダDBに接続される。嗜好記憶装置620は、検出ユニットによりTV視聴者として存在すること、すなわちオンラインであることが検出されたユーザのプレゼンスを記憶するために用いられる。別の実施形態では、嗜好記憶装置が入力部であってもよいし、情報が記憶されないで使用されるために入力されてもよい。検出ユニット610は、検出されたユーザについての嗜好をダウンロード又はフェッチするための情報を送信するために嗜好記憶装置620に接続される。記憶装置の例によれば、広告記憶装置615及び嗜好記憶装置620は宣伝AS105のRAM(ランダムアクセスメモリ)の一部であり、これらは適切なデータへの高速なアクセスのために(図1における)データベース108、109からのすべてのエントリを最初に配置するために用いられる。マッチング・プロセッサ625は広告記憶装置620、嗜好記憶装置615、及び検出ユニット610に接続される。マッチング・プロセッサ625は、識別されたユーザがSTBに存在することを意味する検出ユニット610からの開始命令612によって、嗜好記憶装置620内の情報及び広告記憶装置615内の情報を処理する。どのように処理が行われるかは前述した。マッチング・プロセッサ625からの結果は接続された選択ユニット630に送信され、選択ユニット630は適切な基準に従って広告を選択するタスクと、マッチング・プロセッサからの結果として広告を有する二つ以上の広告プロバイダが存在するかどうかを判定する更なるタスクとを有する。IPTVクライアントへの一つ以上の広告の供給を開始する送信ユニット632が選択ユニット630に接続される。送信ユニット632は、ストリーム開始メッセージを送信するために、前述の広告メディア・レポジトリ144に接続され、前述のメディア・サーバ130にも接続される。
宣伝AS105は、二つ以上の広告主からの広告が選択された場合の通信のためにトランザクション・ブローカ142に接続されたオークション通信ユニット635も含む。オークション通信ユニット635は、トランザクション・ブローカ142にいつコンタクトするかに関する情報を受信するために選択ユニット142にも接続される。オークション通信ユニット(635)はトランザクション・ブレーカ(142)に広告オークション機会を送信し、最高金額入札を有する広告プロバイダに関する情報を返信として受信する。
IPTVのパーソナライズされた広告サービスの加入者に関する情報を管理する加入者記憶装置640も存在する。サービスへの加入者としてのIPTVクライアントIDの受信によって、プレゼンス・サーバ128からプレゼンス状態をサブスクライブするために加入者記憶装置640から検出ユニット610への通知がある。加入者記憶装置640は図6において破線で示されるように検出ユニット610に接続される。
本発明は、SIP(セッション開始プロトコル)を有するIMS(IPマルチメディア・サブシステム)で実装されるものとして説明されるが、本発明はこのような技術システムに限定されない。また、システムがログイン情報を管理でき、システムにおいて利用可能なクライアント又は端末上でテレビをユーザがいつ見ているかを認識する限り、その他のシステム及び信号が用いられ得る。例えば、端末又はクライアントは、例によればSTBセット・トップ・ボックスであってもよいし、若しくはPC端末又は移動体端末であってもよい。