JP2010520271A - アデノシン誘導体、その合成方法、並びにこれを有効成分として含有する炎症性疾患の予防及び治療用医薬組成物 - Google Patents

アデノシン誘導体、その合成方法、並びにこれを有効成分として含有する炎症性疾患の予防及び治療用医薬組成物 Download PDF

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Abstract

アデノシン誘導体、その合成方法並びにこれを有効成分として含有する炎症性疾患の予防及び治療用医薬組成物が開示され、アデノシン誘導体は、アデノシン受容体に対して、特にAアデノシン受容体に対して高い結合親和性及び選択性を有し、Aアデノシン受容体アンタゴニストとして作用し、抗炎症活性を示す。したがって、アデノシン誘導体は、炎症性疾患の予防及び治療剤に有用である。

Description

本発明は、アデノシン誘導体に関する。より具体的には、本発明は、特定のAアデノシン受容体について高い結合親和性及び選択性を示すアデノシン誘導体及びその薬学的に許容可能な塩に関する。また、本発明は、アデノシン誘導体の合成方法並びにアデノシン誘導体又はその薬学的に許容可能な塩を含む、炎症性疾患の予防及び治療用医薬組成物に関するものである。
アデノシンは細胞のシグナル伝達を制御するリガンドであり、細胞膜に位置する特定のアデノシン受容体を通して多くの生理学的機能を行う。細胞外に存在するアデノシンは、多くの生理学的体系で神経伝達物質として作用するが、一般的に与えられた器官の過多活動を補償し、ストレスの有害な効果から身体を保護する作用をする(Jacobson,K.A.et al.,J.Med.Chem.,35,407―422,1992)。このような機能は、細胞内又は細胞外のATP(アデノシン三リン酸)の脱リン酸化で形成されたアデノシンによって細胞エネルギーが減少し、酸素の供給が増加する陰性フィードバックループの一部に基づく。アデノシンは、脳、心臓及び腎臓のような器官の恒常性維持のために重要な役割を果たす。例えば、脳に外部からアデノシンアゴニストを投与すると、神経保護作用を示すことが証明されており、疼痛、認知、運動又は睡眠にも関係があることが分かった。
アデノシン受容体は、現在まで薬理学的研究及び分子クローニング研究を通してP1とP2の2つに分類される。シグナル変換を媒介する際に、P1受容体は、アデノシンに適合し、P2受容体は、ATP、ADP、UTP及びUDPに適合する。P1受容体では、4個のサブタイプが確認されている。それらは、リガンド親和性、体内分布、作用経路などによってA、A又はAに分類され、Aは更にA2AとA2Bに分類される。これらアデノシン受容体は、G―タンパク質結合受容体ファミリーのメンバーである。アデノシンA、A2A及びA2B受容体の薬理学的機能は、多くの選択的なリガンドを使用して明らかにされている。A受容体は、1992年に最初に明らかにされ(Zhou,Q.Y,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,89,7432―7436,1992)、この受容体の病態生理学的な機能が大規模に研究されている。
アデノシンA及びA受容体アゴニストは、主にアデノシンの誘導体であり、血圧降下剤、精神病治療剤、不整脈治療剤、脂肪代謝抑制剤(糖尿病治療剤)、脳保護剤として使用するために大規模に研究されている。他方、そのアンタゴニストは、キサンチン誘導体であるか、2つ以上の複素環化合物が縮合された形で、抗喘息薬、抗憂鬱剤、抗不整脈剤、腎臓保護剤、パーキンソン病薬、知能増進剤などとして開発されている。大規模な研究にもかかわらず、上室性頻拍症の処置のためのアデノシン自体と、心臓手術後の血液凝固を防止するために、ワルファリンの補助剤として使用しているアデノシン運搬阻害薬であるジピリダモールを含むいくつかの市販品が開発されているのみである。アデノシン誘導体の商品化がほとんど進展しない理由は、アデノシン受容体が体中に広がっており、その活性化がさまざまな医薬活性を伴うからである。簡潔に言えば、所望の組織のアデノシン受容体のみを活性化させることができる化合物がないためである。
ごく最近に明らかになったアデノシンA受容体は、その機能が広く知られたアデノシンA及びAの受容体と比べて、その機能がよく知られていないままである。アデノシンA受容体の選択的なリガンドの開発のために大規模な研究が進行中である。この点において、アデノシンA受容体を薬理学的に研究するために、3個の放射性標識したリガンドである[125I]ABA (N―(4―アミノ―3―[125I]ヨードベンジル)―アデノシン)、[125I]APNEA (N―2―(4―アミノ―3―[125I]ヨードフェニル)―エチルアデノシン)、及び[125I](AB―MECA(N―(4―アミノ―3―[125I]ヨードベンジル)―アデノシン―5'―N―メチルカルボキサミド)が用いられている。例えば、放射性標識したリガンドに対する研究を通して、アデノシンA受容体をチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞に発現させたとき、A受容体は、ATPからcAMPを産生させる酵素であるアデニリルシクラーゼを抑制することが分かった。また、A受容体は、アゴニストによって活性化されるとき、脳でホスファチジルイノシトールをイノシトール三リン酸とジアシルグリセロール(DAG)に分解する触媒作用を有する酵素であるグアノシン三リン酸―依存性ホスホリパーゼCの活性化を媒介するという事実が証明された(Ramkumar,V.et al.,J.Biol.Chem.,268,168871―168890,1993;Abbracchio,M.P.et al.,Mol.Pharmacol.,48,1038―1045,1995)。このような知見は、脳虚血でのA受容体の活性化作用によって媒介される反応経路が存在する可能性を示す。その理由は、このような2次伝達物質体系が脳虚血での神経傷害を導く反応経路として作用するためである。また、A受容体アゴニストは、炎症媒介体であるTNF―α(腫瘍壊死因子)の放出を抑制し、かつ、すべてが炎症媒介体として作用するMIP―1α、インターロイキン―12及びインターフェロン―γの産生を抑制するとともに、癲癇などの脳疾患を予防し、心臓を保護することが知られている。一方、Aアデノシン受容体の不活性化は、肥満細胞からヒスタミンなどの炎症因子の放出、気管支の収縮、及び免疫細胞のアポトーシスを引き起こす。したがって、Aアデノシンアンタゴニストは、抗炎症剤及び抗喘息薬としての候補可能性を有する。したがって、薬物学的選択性を有する化合物は、喘息、炎症、脳虚血、心臓疾患、癌などの様々な疾患の処置に有用な薬物であると考えられる。
ヌクレオシド系化合物であるN―(3―ヨードベンジル)―5'―(N―メチルカルバモイル)―アデノシン(IB―MECA)、及び N―(3―ヨードベンジル)―2―クロロ―5'―(N―メチルカルバモイル)―アデノシン(CI―IB―MECA)は代表的なヒトアデノシンAアゴニストであり、A及びAアデノシン受容体に比べて、Aアデノシン受容体に対して高い親和性及び選択性を示す。一方、強力で選択的なヒトAアデノシン受容体アンタゴニストは、ほとんどが非プリン(nonpurine)作動性の複素環化合物を有する。しかしながらほとんどすべての非プリン作動性の複素環ヒトAアデノシンアンタゴニストは、ラットAアデノシン受容体に対しては、活性が弱いか活性がほとんどないので、臨床適用のための薬物の開発のために必須的な小動物モデルにおける評価に不向きであった(Baraldi,P.G.et al.,Curr.Med.Chem.,12,1319―1329,2005)。
しかしながら、非プリン作動性の複素環アンタゴニストに比べて、ヌクレオシド骨格を有するAARアンタゴニストは、種間と関係なしに高い親和性及び選択性を表すので、動物実験への適用によって、ヌクレオシド骨格に基づくAARアンタゴニストを好ましい薬物候補とする。したがって、ヌクレオシド化合物に基づく選択的Aアンタゴニストの開発に対し、需要が存在する。
本発明者たちは、多様な先行研究を通して、IB―MECAとCI―IB―MECAの代表物質のように、ヌクレオシド化合物が、Aアデノシン受容体アゴニストとして作用するために糖部分の5位にN―メチルカルバモイル基を有し、プリン部分の6位にアリールアミノ基又はアルキルアミノ基で置換された塩基を有するべきであることを見出した。したがって、糖部分の5位におけるN―メチルカルバモイル基は水素結合を形成して受容体のアゴニスト作用に必須的な構造変化を引き起こすので(Kim,S―K.et al.,J.Mol.Graph.Model.,25,562―577,2006)、糖部分の5位におけるN―メチルカルバモイル基を除去した化合物は、Aアデノシン受容体アンタゴニストのための有力な候補と考えられる。
本発明に先立って行われた、Aアデノシン受容体リガンド及び医薬的効果の大規模な研究親和性から、それらの構造−活性関係に基づいて選択された特定のアデノシン誘導体がA又はAアデノシン受容体と比較してアデノシンA受容体について高い結合親和性及び選択性を示し、Aアデノシン受容体について選択的なアンタゴニストとして作用することができ、炎症性疾患に高い治療効果を示すことが見出された。
本発明の目的は、選択的なAアデノシン受容体アンタゴニストとして作用し、炎症性疾患について治療活性を示す新規なアデノシン誘導体、それらの合成方法、及びこれらを有効成分として含有する炎症性疾患の予防及び治療用医薬組成物を提供することにある。
本発明の一局面によれば、下記の化学式1で表される新規なアデノシン誘導体、又はその薬学的に許容可能な塩が提供される。
Figure 2010520271
上記の式で、Aは、O又はSであり、Rは、非置換又は独立的に若しくは選択的に1つ以上のC〜C10のアリール基で置換された直鎖又は分岐鎖のC〜Cのアルキル、非置換又は独立的に若しくは選択的にハロゲン若しくは一つ以上の直鎖若しくは分岐鎖のC〜Cのアルコキシ基で置換されたベンジル、又はヒドロキシカルボニルで置換されたベンジルであり、Yは、H又はハロゲン原子である。
本発明のもう一つの局面によれば、上記新規なアデノシン誘導体、又はその薬学的に許容可能な塩の合成方法が提供される。
本発明の更なる局面によれば、上記アデノシン誘導体又はその薬学的に許容可能な塩を含むAアデノシン受容体アンタゴニストが提供される。
本発明のさらに更なる局面によれば、アデノシン誘導体又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む、炎症疾患を予防及び治療するための医薬組成物が提供される。
下記に本発明の詳細な説明を行う。
本発明の一局面によれば、本発明は下記化学式1で表されるアデノシン誘導体化合物、その薬学的に許容可能な塩、該化合物及び塩を有効成分として含む組成物に関する。
Figure 2010520271
上記の式で、Aは、O又はSであり、
Rは、非置換又は独立的に若しくは選択的に1つ以上のC〜C10のアリール基で置換された直鎖又は分岐鎖のC〜Cのアルキル、非置換又は独立的に若しくは選択的にハロゲン若しくは一つ以上の直鎖若しくは分岐鎖のC〜Cのアルコキシ基で置換されたベンジル、又はヒドロキシカルボニルで置換されたベンジルであり、
Yは、H又はハロゲン原子である。
化学式1の好ましい化合物において、
Aは、O又はSであり、
Rは、メチル、エチル、プロピル、ナフチルメチル、ベンジル、独立的に又は選択的にF、Cl、Br、I、C〜Cアルコキシ及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つの置換基に置換されたベンジル、又はトルイル酸であり、
Yは、H又はClである。
より好ましい実施形態において、
Aは、O又はSであり、
Rは、メチル、エチル、1―ナフチルメチル、ベンジル、2―クロロベンジル、3―フルオロベンジル、3―クロロベンジル、3―ブロモベンジル、3―ヨードベンジル、2―メトキシ―5―クロロベンジル、2―メトキシベンジル又は3―トルイル酸であり、
Yは、H又はClである。
本発明の好ましい実施形態による新規のアデノシン誘導体の具体例は、次の通りである。
1)(2R,3R,4S)―2―(2―クロロ―6―(3―フルオロベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオール;
2)(2R,3R,4S)―2―(2―クロロ―6―(3―クロロベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオール;
3)(2R,3R,4S)―2―(6―(3―ブロモベンジルアミノ)―2―クロロ―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオール;
4)(2R,3R,4S)―2―(2―クロロ―6―(3―ヨードベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオール;
5)(2R,3R,4S)―2―(2―クロロ―6―(2―クロロベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオール;
6)(2R,3R,4S)―2―(2―クロロ―6―(5―クロロ―2―メトキシベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオール;
7)(2R,3R,4S)―2―(2―クロロ―6―(2―メトキシベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオール;
8)(2R,3R,4S)―2―(2―クロロ―6―(ナフタレン―1―イルメチルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオール;
9)3―((2―クロロ―9―((2R,3R,4S)―3,4―ジヒドロキシテトラヒドロチオフェン―2―イル)―9H―プリン―6―イルアミノ)メチル)安息香酸;
10)2―(2―クロロ―6―メチルアミノ―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオール;
11)(2R,3R,4S)―2―(6―(3―フルオロベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオール;
12)(2R,3R,4S)―2―(6―(3―クロロベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオール;
13)(2R,3R,4S)―2―(6―(3―ブロモベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオール;
14)(2R,3R,4S)―2―(6―(3―ヨードベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオール;
15)(2R,3R,4R)―2―(6―(3―ブロモベンジルアミノ)―2―クロロ―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロフラン―3,4―ジオール;及び
16)(2R,3R,4R)―2―(2―クロロ―6―(3―ヨードベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロフラン―3,4―ジオール。
本発明によれば、化学式1で表される新規のアデノシン誘導体は、薬学的に許容可能な塩の形態で存在し得る。薬学的に許容される多様な有機酸又は無機酸によって形成された酸付加塩が有用である。適切な有機酸としては、例えば、カルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、デカン酸、グリコール酸、乳酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、マレイン酸、安息香酸、サリチル酸、フタル酸、フェニル酢酸、ベンゼンスルホン酸、2―ナフタレンスルホン酸、メチルスルホン酸、エチルスルホン酸、ドデシルスルホン酸などが挙げられる。適切な無機酸としては、例えば、塩酸、硫酸、ハロゲン酸及びリン酸などが挙げられる。
化学式1で表されるアデノシン誘導体は、薬学的に許容可能な塩のみならず、通常の方法によって製造される限り全ての塩、水和物及び溶媒和物を含むことを意図することに留意されたい。
本発明の別の局面によれば、本発明は化学式1で表される新規のアデノシン誘導体を製造する方法に関する。
この局面の一実施形態において、下記の反応式1にしたがってアデノシン誘導体は合成され得る。
化学式2の化合物を、ルイス酸触媒の存在下でシリル化プリン化合物と反応させ、化学式3のβ―アノマー化合物を生成する工程(工程1)と、化学式3のΒ―アノマー化合物に塩酸を添加し、化学式4のジオール化合物を生成する工程(工程2)と、化学式4のジオール化合物を塩基触媒の存在下でアミン化合物と反応させ、アデノシン誘導体を生成する工程(工程3)とを含む。
Figure 2010520271
上記で、A、R及びYは、上で定義した通りである。
本方法を段階別に詳細に説明する。
工程1は化学式2の化合物を出発物質とし、新規なアデノシン誘導体を合成する。ルイス酸触媒の存在下でこの出発物質をシリル化プリン化合物と反応させ、化学式3のβ―アノマー化合物を得る工程である。ルイス酸としては、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(TMSOTf)を使用することができる。工程1の溶媒としては、ジクロロエタン、クロロホルム、アセトニトリル、又はジクロロメタンを使用することが好ましい。そのうち、ジクロロエタンがより好ましい。シリル化プリン化合物は、化学式5のプリン化合物とヘキサメチルジシラザン(HMDS)とを硫酸アンモニウム触媒の存在下で反応させて得ることができる。
工程2は、化学式3の化合物からHClでアセトニドを除去し、化学式4のジオール化合物を得る工程である。HClの代わりに、酢酸、硫酸、又はp―トルエンスルホン酸を使用することができる。
工程3は、工程2で得た化学式4のジオール化合物を塩基触媒の存在下でアミン化合物と反応させ、アデノシン誘導体を得る工程である。
工程3で有用な塩基触媒としては、例えばトリエチルアミン、ピリジン、N,N―ジメチルアミノピリジン及び1,4―ジオキサンなどが挙げられ、そのうち、トリルエチルアミンが好ましい。また、反応は好ましくはメタノール及びエタノールなどの低級アルコール、1,4―ジオキサン、テトラヒドロフラン並びにクロロホルムから選択される溶媒中で実行され得る。
本発明のアデノシン誘導体の合成において、出発物質として使用される化学式2の化合物は、置換基Aの種類によって反応式2又は3のいずれかの反応経路で合成され得る。
置換基Aが硫黄(S)である場合、反応式2を出発物質の合成のために利用する。反応式2に示すように、出発物質の合成は、化学式6のD―マンノース化合物を酸触媒の存在下で2,2―ジメトキシプロパンと反応させ、化学式7のジアセトニド化合物を得る工程(工程a)と、工程aで得た化学式7の化合物を還元剤の存在下で開環させ、化学式8のジオール化合物を得る工程(工程a)と、工程aで得た化学式8のジオール化合物をメシル化して化学式9のジメシル化合物を得る工程(工程a)と、工程aで得た化学式9の化合物を環化させ、化学式10のチオ糖化合物を得る工程(工程a)と、工程aで得た化学式10の化合物を選択的に加水分解させ、化学式11のジオール化合物を得る工程(工程a)と、工程aで得た化学式11の化合物を、触媒の存在下で化学式2aのアセテート化合物に変換する工程(工程a)とによって達成される。
Figure 2010520271
反応式2で、化合物2aは、化学式2の化合物と同一である)
以下、化合物2aの合成を、段階別に更に詳細に説明する。
工程aの場合、化学式6のD―マンノースから化合物2の合成は始まる。D―マンノースを酸触媒の存在下で2,2―ジメトキシプロパンと反応させ、化学式7のジアセトニド化合物を得る。
化学式6のD―マンノースを化学式7の化合物に変換する触媒機能を有する、無水酢酸と組み合される酸は、濃硫酸又は塩酸などの無機酸、p―トルエンスルホン酸などの有機酸であり得る。
工程aは、化学式7の化合物を還元剤の存在下で開環させ、化学式8のジオール化合物を得る工程である。
化学式7の化合物を還元剤である水素化ホウ素ナトリウムで処理して化学式8の化合物が生成される。水素化ホウ素ナトリウムの代わりに、水素化アルミニウムリチウムなどの金属水素化物、又は亜硫酸ナトリウムなどを使用することができる。
工程aは、工程aで得た化学式8の化合物をメシル化して化学式9のジメシル化合物とする工程である。
化学式8の化合物をメタンスルホニルクロリド(MsCl)でメシル化して化学式9の化合物とする工程は、エチルエーテル、石油エーテル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン及びN,N―ジメチルホルムアミドなどの不活性溶媒中で行うことが好ましい。
工程aは、工程aで得た化学式9の化合物を環化させ、化学式10のチオ糖化合物とする工程である。
化学式10の化合物は、化学式9の化合物を硫化ナトリウムと反応させて得ることができる。あるいは、化学式10の化合物はチオ酢酸メチルなどのチオエステルで置換した後、ナトリウムアルコキシドと反応させて得ることができる。工程aで、溶媒としては、N,N―ジメチルホルムアミド、又はジメチルスルホキシドを使用することができる。
工程aは、工程aで得た化学式10の化合物を選択的に加水分解させ、化学式11のジオール化合物とする工程である。
化学式10の化合物を加水分解して化学式11の化合物とするために、酢酸が使用され得る。酢酸の代わりに、硫酸、塩酸、又はp―トルエンスルホン酸を使用することができる。
工程aは、工程aで得た化学式11の化合物を触媒の存在下で化学式2aのアセテート化合物に変換する工程である。
化学式2aの化合物は、化学式11の化合物をレッドテトラアセテート(Pd(OAc))と反応させて変換することができる。
置換基Aが酸素(O)である場合、反応式3を出発物質2の合成のために利用する。反応式3に示すように、出発物質の合成は、化学式12の化合物を還元剤と反応させ、化学式13のラクトール化合物を得る工程(工程b)と、工程bで得た化学式13の化合物を無水酢酸と反応させ、化学式2bのアセテート化合物を得る工程(工程b)とによって達成される。
Figure 2010520271
反応式3で、化合物2bは、化学式2の化合物と同一である。
以下、化学2bの合成を段階別に更に詳細に説明する。
工程bは、化学式12の化合物を還元させ、化学式13のラクトール化合物とする工程である。
容易に合成可能な化合物である化学式12の化合物を還元して化学式13の化合物とするために、水素化ジイソブチルアンモニウム(DIBAL)触媒を使用することができる。
工程bは、化学式13の化合物を無水酢酸と反応させ、化学式2bのアセテート化合物を得る工程である。
したがって化学式2bの化合物は、化学式13のラクトール化合物を無水酢酸と反応させて得ることができる。
本発明の更なる局面によれば、本発明は化学式1で表されるアデノシン誘導体又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含有するAアデノシン受容体アンタゴニストに関する。
本発明のさらに更なる局面によれば、本発明は化学式1で表されるアデノシン誘導体又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含有する炎症性疾患の予防及び治療用医薬組成物に関する。
アデノシン受容体をチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞に発現させたとき、Aアデノシン受容体は、ATPからcAMPを産生させる酵素であるアデニリルシクラーゼを抑制することが分かった。また、Aアデノシン受容体は、アゴニストによって活性化されるとき、脳でホスファチジルイノシトールをイノシトール三リン酸とDAGに分解する触媒作用を有する酵素であるグアノシン三リン酸―依存性ホスホリパーゼCの活性化を媒介するという事実が証明された(Ramkumar,V.et al.,J.Biol.Chem.,268,168871―168890,1993;Abbracchio,M.P.et al.,Mol.Pharmacol.,48,1038―1045,1995)。この2次伝達物質体系が脳虚血での神経傷害反応経路として作用するので、このような知見は、脳虚血でのAアデノシン受容体の活性化作用によって媒介される反応経路が存在する可能性を説明する。また、A受容体アゴニストは、炎症媒介体であるTNF―α(腫瘍壊死因子)の放出を抑制し、かつ、すべてが炎症媒介体として作用するMIP―1α、インターロイキンー12及びインターフェロン―γの産生を抑制するとともに、癲癇などの脳疾患を予防し、心臓を保護することが知られている。一方、Aアデノシン受容体の不活性化は、肥満細胞からヒスタミンなどの炎症因子の放出、気管支の収縮及び免疫細胞のアポトーシスを引き起こす。したがって、Aアデノシンアンタゴニストは、抗炎症剤及び抗喘息薬としての候補可能性を有する。
本発明のアデノシン誘導体をヒトアデノシン受容体(hAR)結合親和性及び選択性に関してアッセイした。結合親和性(実験例1を参照)に関するアッセイにおいて、本発明のアデノシン誘導体は、ヒトAアデノシン受容体(hAAR)対して高い結合親和性を有するが、A及びA2Aアデノシン受容体に対しては低い親和性であり、それにより高い選択性を示すことが分かった。特に、実施例12の化合物は、hAARに対して、1.50±0.40nMで測定されたK値で最も高い結合親和性を示し、その次に、実施例2の化合物(K=1.66±0.90nM)、実施例14の化合物(K=2.50±1.00nM)、実施例10の化合物(K=3.69±0.25nM)、及び実施例4の化合物(K=4.16±0.50nM)の順に結合親和性が低くなる。また、実施例4の化合物は、CHO細胞で発現されたラットAアデノシン受容体に対しても高い結合親和性(K=3.89±1.15nM)を有すると測定された。また、4’―Oオキソヌクレオシド形態を帯びるアデノシン誘導体である実施例15及び16の化合物も高い結合親和性と選択性を示す(表1を参照)。
抗炎症活性のアッセイにおいて(実験例3〜6を参照)、対照のヒドロコルチゾンに比べると低いが、本発明のアデノシン誘導体は抗炎症活性を有することが分かった。
アセトンで希釈した実施例2〜4の化合物を、TPA処理したマウスの耳に投与した場合、耳の炎症がある程度減少することが観察された(図2を参照)。また、実施例1及び6の化合物は、阻害率に基づいて測定した場合、実施例2〜4の化合物の4倍以上の抗炎症活性を有することが分かった(図3を参照)。
抗炎症活性のアッセイにおいて、蒸留水とアセトンとの混合物(1:4)の0.5%濃度に希釈した本発明の実施例5、7及びの化合物は、それぞれ17%、34%及び53%の炎症阻害率を有することが測定された(図4を参照)。、DMSOとアセトンとの混合物(1:9)の0.5%濃度に希釈した実施例15及び16の化合物は、それぞれ59%及び79%の炎症阻害率を有することが測定された(図5を参照)。本アッセイの観察に基づいて、本発明のアデノシン誘導体が抗炎症活性を有することを確認した。
したがって、本発明によれば化学式1で表されるアデノシン誘導体は、Aアデノシン受容体に対して高い結合親和性及び選択性を有するので、Aアデノシン受容体アンタゴニストとして効果的に用いることができる。また、本発明のアデノシン誘導体は、Aアデノシン受容体に対してアンタゴニストとして作用し、抗炎症活性を示すので、炎症性疾患の予防及び治療に有用である。
本発明のアデノシン誘導体を効果的に適用できる炎症性疾患は、急性及び慢性炎症疾患、例えば潰瘍性炎症、滲出性炎症、化膿性炎症、出血性炎症及び増殖性炎症などが挙げられる。
本発明のアデノシン誘導体又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物に関して、以下の実施例で説明されるように、それらは便宜的な方法で剤形に製剤化されるが、実施例は例示のみであり、本発明を限定する意図ではない。本発明の組成物は、全身的又は局部的に投与される。
本発明の化合物は臨床的に経口又は非経口投与され得る。希釈剤又は賦形剤、例えば充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤などと組み合わせて通常製剤化される。本発明の化合物を経口投与するための固形剤は、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などの形態であり得る。このような固形剤は、一つ以上の賦形剤、例えば、デンプン、炭酸カルシウム、スクロース、ラクトース又はゼラチンと組み合わせて製剤化される。また潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、タルクなども添加することができる。経口のための液状剤には、懸濁剤、内服液、エマルジョン、シロップ剤などが挙げられる。単純希釈剤、例えば水、流動パラフィンの他に、様々な賦形剤、例えば、湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが、本発明の化合物を経口投与するための液状剤に含まれ得る。
また、本発明の化合物の非経口剤形には、注射剤、エマルジョン、吸入剤及び坐剤が挙げられる。注射剤としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物性油、例えばオリーブオイル、エステル、例えばエチオラートから生成される滅菌水溶液、非水性溶剤及び懸濁剤が使用され得る。坐剤の基剤としては、ウィテプソル(witepsol)、マクロゴール、トゥイーン(tween)61、カカオ脂(paper)、ラウリン脂及びグリセロゼラチンなどが挙げられる。局所適用のためには、本発明の化合物を軟膏やクリームに製剤化することができる。
ヒトに対する本発明の化合物の投与量は、患者の状態、例えば年齢、体重、性別、投与経路及び疾患の重篤度によって異なり得る。典型的には、本発明の化合物を1日0.001〜100mg/体重kgの用量で、好ましくは、1日0.01〜30mg/体重kgの用量で投与する。化合物は、1日につき1回の投与又は分割投与することができる。本発明の化合物は、組成物の総重量に対して0.0001〜10重量%、好ましくは、0.001〜1重量%の量で含まれる。また、投与経路は、患者の健康状態及び疾患の重症度に依存する。
本発明の好ましい実施形態の適用は、添付の図面を用いて最良に理解され、ここで同じ参照番号は同じでありまた対応する部分に用いられる。
アゴニストCl―IB―MECAで処理したCHO細胞に対して実施例4の化合物のアンタゴニスト効果を示したグラフである。 本発明の化合物(実施例2、3及び4)の動物実験における抗炎症活性を示したグラフである。 本発明の化合物(実施例1及び6)の動物実験における抗炎症活性を示したグラフである。 本発明の化合物(実施例5、7及び8)の動物実験における抗炎症活性を示したグラフである。 本発明の化合物(実施例15及び16)の動物実験における抗炎症活性を示したグラフである。
以下の実施例に照らして本発明がより良く理解できるが、下記の実施例は、本発明を説明するためであり、本発明を限定するために解釈されるべきではない。
出発物質の合成
<製造例1>(3aR,4R,6aS)―2,2―ジメチルテトラヒドロチエノ[3,4―d][1,3]ジオキソール―4―イルアセテートの製造
工程a.(3aR,4R,6R,6aR)―6―(2,2―ジメチル―1,3―ジオキソラン4―イル)―2,2―ジメチル―テトラヒドロフロ[3,4―d][1,3]ジオキソール―4―オールの製造
アセトン(50ml)にD―マンノース(1.74g、6.52mmol)と2,2―ジメトキシプロパン(2.45ml、19.55mmol)を攪拌しながら添加し、溶液を0℃に冷却した。ここに、濃硫酸(0.45g、1.96mmol)を滴下した。得られた反応混合物は、室温で24時間撹拌し、その後トリエチルアミンで中和して、減圧濃縮した。濃縮物を、ヘキサン:エチルアセテートの混合物(1:1、v/v)を展開溶媒として使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、白色固体の目的化合物(1.61g、95%)を得た。
m.p.120.3―120.5℃;
1H―NMR(CDCl)δ 5.34(s,1 H),4.76―4.79(m,1 H),4.58(d,1 H,J=6.0Hz),4.34―4.39(m,1 H),4.15(dd,1 H,J=3.6,7.2Hz),4.00―4.08(m,2 H);
[α]25 11.71(c0.11,CHCl);
FAB―MS m/z 261[M+H]
工程a.(1R)―(2,2―ジメチル―1,3―ジオキソラン4―イル)((4R,5S)―5―(ヒドロキシメチル)―2,2―ジメチル―1,3―ジオキソラン4―イル)メタノールの製造
エタノール(25ml)に工程aで製造した(3aR,4R,6R,6aR)―6―(2,2―ジメチル―1,3―ジオキソラン4―イル)―2,2―ジメチル―テトラヒドロフロ[3,4―d][1,3]ジオキソール―4―オール(1.50g、5.76mmol)を慎重に添加し、溶液を0℃に冷却した。ここに、水素化ホウ素ナトリウム(NaHB,440mg,11.53mmol)を添加し、室温で2時間撹拌した。その反応混合物を酢酸で中和し、減圧濃縮した。その濃縮物をエチルアセテートと水を用いて抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウム(MgSO)で乾燥し、ろ過した後、減圧濃縮した。濃縮物を、ヘキサン:エチルアセテートの混合物(1:1、v/v)を展開溶媒として使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、シロップ形態の目的化合物(1.38g、92%)を得た。
H―NMR(CDCl)δ 4.33(dd,1 H,J=1.6,7.2Hz),4.24―4.28(m,1 H), 4.06―4.13(m,2 H), 3.92―3.97(m,1 H),3.76―3.85(m,2 H),3.59―3.61(m,1 H),1.48(s,3 H),1.38(s,3 H),1.36(s,3 H), 1.33(s,3 H);
[α]25 ―3.88(c0.44,CHCl);
FAB―MS m/z 263[M+H]
工程a.(1R)―(2,2―ジメチル―1,3―ジオキソラン4―イル)―((4S,5S)―2,2―ジメチル―5―((メチルスルホニルオキシ)メチル)―1,3―ジオキソラン4―イル)メチルメタンスルホネートの製造
ジクロロメタン(300ml)とトリエチルアミン(163.75ml、1.17mol)の混合物に工程aで製造した(1R)―(2,2―ジメチル―1,3―ジオキソラン4―イル)((4R,5S)―5―(ヒドロキシメチル)―2,2―ジメチル―1,3―ジオキソラン4―イル)メタノール(38.52g、146.85mmol)と4―ジメチルアミノピリジン(4―DMAP、5.38mg、44.06mmol)を添加し、溶液を攪拌して0℃に冷却した。ここに、ジメタンスルホニルクロライド(47.59ml、587.42mmol)を滴下した。1時間室温で撹拌した後、その反応混合物をジクロロメタンで抽出し、飽和重炭酸ナトリウム(NaHCO)溶液で洗浄した。このようにして得た有機層を無水硫酸マグネシウム(MgSO)で乾燥し、ろ過した後、減圧濃縮した。このようにして得た褐色シロップ形態のジメシル化合物を、ヘキサン:エチルアセテートの混合物(5:1、v/v)を展開溶媒として使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、シロップ形態の目的化合物(57.83g、94%)を得た。
H―NMR(CDCl)δ 4.75(pseudo t,1 H, J=7.4Hz),4.33―4.45(m,4 H),4.06―4.20(m,3 H), 3.12(s,3 H),3.07(s,3 H),1.51(s,3 H), 1.43(s,3 H),1.37(s,3 H),1.33(s,3 H);
[α]25 38.32(c0.29,CHCl);
FAB―MS m/z 419[M+H]
工程a.(3aR,4S,6aS)―4―(2,2―ジメチル―1,3―ジオキソラン4―イル)―2,2―ジメチルテトラヒドロチエノ[3,4―d][1,3]ジオキソールの製造
DMF(50ml)に工程aで製造した(1R)―(2,2―ジメチル―1,3―ジオキソラン4―イル)((4S,5S)―2,2―ジメチル―5―((メチルスルホニルオキシ)メチル)―1,3―ジオキソラン4―イル)メチルメタンスルホネート(993.80g、2.23mmol)を溶解させた。ここに、硫化ナトリウム(348.30g、4.46mmol)を添加した後、その溶液を80℃還流下で一晩撹拌した。その後、減圧で溶媒を除去し、その残留物をエチルアセテートと水を用いて抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウム(MgSO)で乾燥し、ろ過した後、減圧濃縮した。濃縮物を、ヘキサン:エチルアセテートの混合物(8:1、v/v)を展開溶媒として使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、シロップ形態の目的化合物(453.0mg、78%)を得た。
H―NMR(CDCl)δ 4.92(dt,1 H,J=1.8,5.6Hz),4.72(dd,1 H,J=2.0,6.0Hz),4.26―4.30(m,1 H),4.04(s,1 H),3.79(t,1 H,J=3.8Hz),3.31―3.32(m,1 H),3.19(dd,1 H,J=5.4,12.0Hz),2.84(dd,1 H,J=1.6,12.0Hz),1.51(s,3 H),1.43(s,3 H),1.32(dd,6 H,J=8.4Hz);
[α]25 ―96.04(c0.20,CHCl);
FAB―MS m/z 261[M+H]
工程a.1―((3aR,4S,6aS)―2,2―ジメチルテトラヒドロチエノ[3,4―d][1,3]ジオキソール―4−イル)エタン―1,2―ジオールの製造
60%の酢酸水溶液(250ml)に工程aで製造した(3aR,4S,6aS)―4―(2,2―ジメチル―1,3―ジオキソラン―4―イル)―2,2―ジメチルテトラヒドロチエノ[3,4―d][1,3]ジオキソール(21.78g、83.66mmol)を溶解させ、室温で2時間撹拌した。その反応混合物を減圧で濃縮し、濃縮物を、ヘキサン:エチルアセテートの混合物(1:2、v/v)を展開溶媒として使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、白色固体の目的化合物(14.85g、81%)を得た。
H―NMR(CDCl)δ 4.92(dt, 1 H,J=1.8,5.6Hz),4.72(dd,1 H,J=2.0,6.0Hz),4.26―4.30(m,1 H),4.04(s,1 H),3.79(t,1 H,J=3.8Hz),3.31―3.32(m,1 H),3.19(dd,1 H,J=5.4,12.0Hz),2.84(dd,1 H,J=1.6,12.0Hz),1.51(s,3 H),1.43(s,3 H),1.32(dd,6 H,J=8.4Hz);
[α]25 ―96.04(c0.20,CHCl);
FAB―MS m/z 261[M+H]
工程a.(3aR,4R,6aS)―2,2―ジメチルテトラヒドロチエノ[3,4―d][1,3]ジオキソール―4―イルアセテートの製造
エチルアセテート(300ml)に工程aで製造した1―((3aR,4S,6aS)―2,2―ジメチルテトラヒドロチエノ[3,4―d][1,3]ジオキソール―4―イル)エタン―1,2―ジオール(14.85g、67.41mmol)を溶解させ、0℃に冷却した。ここに、レッドテトラアセテート(Pb(OAc)、157.31g、337.06mmol)を添加した後、室温で一晩撹拌した。その反応混合物をセライトろ過し、そのろ液をエチルアセテートで希釈した。有機層をジクロロメタンで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム(NaHCO)水溶液で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。濃縮物を、ヘキサン:エチルアセテートの混合物(8:1、v/v)を展開溶媒として使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、シロップ形態の目的化合物(8.82g、60%)を得た。
H―NMR(CDCl)δ 5.03(dd,1 H,J=5.6,9.6Hz),4.79(dd,1 H,J=5.6,8.8Hz),3.21―3.27(m,2 H),3.01(dt,2 H,J=0.8,12.8Hz),2.05(s,3 H),1.50(s,3 H),1.31(s,3 H);
[α]25 ―258.15 (c0.18,CHCl);
FAB―MS m/z 218[M]
<製造例2>(3aS,4S,6aS)―2,2―ジメチル―テトラヒドロフロ[3,4―d][1,3]ジオキソール―4―イルアセテートの製造
工程b.(3aR,4R,6aR)―2,2―ジメチル―テトラヒドロフロ[3,4―d][1,3]ジオキソール―4―オールの製造
トルエン(20ml)に2,3―O―イソプロピリデン―D―エリスロノラクトン(1.04g、6.42mmol)を溶解させた後、1Mの水素化ジイソブチルアンモニウム(DIBAL)/THF溶液を−78℃で添加した。その反応混合物を同じ温度で30分間撹拌し、メタノールをゆっくり添加し、反応を終結させた。その懸濁液をセライトろ過し、ろ液をエチルアセテートと水で抽出した後、ヘキサン:エチルアセテートの混合物(3:1、v/v)を使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、シロップ形態の目的化合物(1.94g、96%)を得た。
1H―NMR(CDCl)δ 5.39(s,1 H),4.82(dd,1 H,J=3.6,6.0Hz),4.55(d,1 H,J=6.0Hz),4.05(dd,1 H,J=3.6,10.2Hz),4.00(d,1 H,J=10.0Hz),1.45(s,3 H),1.30(s,3 H)。
工程b.(3aS,4S,6aS)―2,2―ジメチル―テトラヒドロフロ[3,4―d][1,3]ジオキソール―4―イルアセテートの製造
ピリジン(10ml)中の工程bで製造したラクトール化合物(875.9mg、5.47mmol)の溶液に、無水酢酸(0.67ml、6.56mmol)を0℃で添加した。その反応混合物を室温で3時間撹拌し、減圧濃縮した。濃縮物をエチルアセテートと水で抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧濃縮した。その残留物を、ヘキサン:エチルアセテートの混合物(8:1、v/v)を使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、シロップ形態の目的化合物(702.1mg、65%)を得た。
H―NMR(CDCl)δ 6.16(s,1 H),4.86(dd,1 H,J=3.6,6.0Hz),4.66(d,1 H,J=6.0Hz),4.12(d,1 H,J=6.4Hz),3.99(dd,1 H,J=3.6,10.8Hz),2.05(s,3 H),1.48(s,3 H),1.33(s,3 H)。
<実施例1>(2R,3R,4S)―2―(2―クロロ―6―(3―フルオロベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの合成
工程1.2,6―ジクロロ―9―((3aR,4R,6aS)―2,2―ジメチルテトラヒドロチエノ[3,4―d][1,3]ジオキソール―4―イル)―9H―プリンの製造
ヘキサメチルジシラザン(HMDS、50ml)中の2,6―ジクロロプリン(2.29g、22.12mmol)と硫酸アンモニウム(438mg、3.32mmol)の溶液を、不活性の乾燥した条件で一晩還流させた。その反応混合物を減圧で濃縮し、このようにして得た固体混合物を冷1,2―ジクロロエタン(20ml)に再び溶解させた。ここに、1,2―ジクロロエタン(20ml)中の製造例1で得た(3aR,4R,6aS)―2,2―ジメチルテトラヒドロチエノ[3,4―d][1,3]ジオキソール―4―イルアセテート(1.41g、11.06mmol)を滴下し、その後トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(TMSOTf、4.0ml、22.12mmol)を滴下した。得られた溶液を0℃で30分間撹拌し、室温で1時間撹拌した後、攪拌しながら80℃で2時間加熱した。反応混合物を冷却し、ジクロロメタンで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム(NaHCO)水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウム(MgSO)で乾燥し、減圧濃縮して黄色シロップ形態の残留物を得た。その残留物を、ジクロロメタン:メタノールの混合物(50:1、v/v)を展開溶媒として使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、泡形態の目的化合物(3.03g、79%)を得た。
UV(CHCl)λmax 275.0nm;
H―NMR(CDCl)δ 8.17(s,1 H),5.87(s,1 H), 5.32(pseudo t,1 H,J=4.8Hz),5.21(d,1 H,J=5.6Hz),3.79(dd,1 H,J=4.4,12.8Hz),3.26(d,1 H,J=13.2Hz),1.59(s,3 H),1.36(s,3 H);
[α]25 ―42.04(c0.16,CHCl);
FAB―MS m/z 347[M+H]
工程2.(2R,3S,4S)―2―(2,6―ジクロロ―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの製造
テトラヒドロフラン(20ml)中の工程1で製造した2,6―ジクロロ―9―((3aR,4R,6aS)―2,2―ジメチルテトラヒドロチエノ[3,4―d][1,3]ジオキソール―4―イル)―9H―プリンの溶液に、2NのHClを添加した後、一晩溶液を撹拌した。その反応混合物を1Nの水酸化ナトリウムで中和し、慎重に減圧で濃縮した。濃縮物を、ジクロロメタン:メタノールの混合物(20:1、v/v)を展開溶媒として使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、白色固体の目的化合物(1.94g、96%)を得た。
m.p.198.3―200.3℃;
UV(MeOH)λmax 275.0nm;
H―NMR (CDOD)δ 8.87(s,1 H),6.08(d,1 H,J=6.8Hz),4.69(q,1 H,J=3.2Hz),4.48(q,1 H,J=3.6Hz),3.56(dd,1 H,J=4.4,11.2Hz),2.97(dd,1 H,J=3.4,11.2Hz);
[α]25 ―50.43(c0.12,DMSO);
FAB―MS m/z 307[M+H]
工程3.(2R,3R,4S)―2―(2―クロロ―6―(3―フルオロベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの製造
エタノール(5ml)に工程2で製造した(2R,3S,4S)―2―(2,6―ジクロロ―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオール(1当量)と3―フルオロベンジルアミン(1.5当量)を2〜3時間攪拌しながら室温で溶解させた。そ反応混合物を減圧濃縮し、濃縮物を、ジクロロメタン:メタノールの混合物(20:1、v/v)を展開溶媒として使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物(0.10g、80%)を得た。
m.p. 183.2―183.5℃;
UV(MeOH)λmax 275.0nm;
H―NMR(DMSO―d)δ 8.91(t,1 H―NH,J=5.8Hz),8.51(s,1 H),7.33―7.39(m,1 H),7.13―7.18(m,2 H),7.06(dt,1 H,J=2.8,11.6Hz),5.82(d,1 H,J=7.2Hz),5.56(d,1 H―OH,J=6.0Hz),5.37(d,1 H―OH,J=4.4Hz),4.65(d,1 H,J=6.0Hz),4.60(m,1 H),4.33―4.35(m,1 H),3.41(dd,1 H,J=4.0,10.8Hz),2.79(dd,1 H,J=2.8,10.8Hz);
[α]25 ―96.21(c0.12,DMSO);
FAB―MS m/z 396[M+H]
<実施例2>(2R,3R,4S)―2―(2―クロロ―6―(3―クロロベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの合成
工程1.2,6―ジクロロ―9―((3aR,4R,6aS)―2,2―ジメチルテトラヒドロチエノ[3,4―d][1,3]ジオキソール―4―イル)―9H―プリンの製造
実施例1の工程1と同一の方法を行って、泡形態の目的化合物を得た。
工程2.(2R,3S,4S)―2―(2,6―ジクロロ―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの製造
実施例1の工程2と同一の方法を行って、白色固体の目的化合物を得た。
工程3.(2R,3R,4S)―2―(2―クロロ―6―(3―クロロベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの製造
3―フルオロベンジルアミンの代わりに3―クロロベンジルアミンを使用した以外は、実施例1の工程3と同様の方法を行って、目的化合物(0.11g、83%)を得た。
m.p.163.3―165.3℃;
UV(MeOH)λmax 274.5nm;
H―NMR(CDOD)δ 8.34(s,1 H),7.41(s,1 H), 7.24―7.34(m,3 H),5.94(d,1 H,J=6.4Hz),4.75(brs,2 H),4.61(q,1 H,J=3.2Hz),4.45(q,1 H,J=4.0Hz),3.51(dd,1 H,J=4.8,11.2Hz),2.95(dd,1 H,J=3.6,10.8Hz);
FAB―MS m/z 411 [M]
<実施例3>(2R,3R,4S)―2―(2―クロロ―6―(3―ブロモベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの合成
工程1.2,6―ジクロロ―9―((3aR,4R,6aS)―2,2―ジメチルテトラヒドロチエノ[3,4―d][1,3]ジオキソール―4―イル)―9H―プリンの製造
実施例1の工程1と同一の方法を行って、泡形態の目的化合物を得た。
工程2.(2R,3S,4S)―2―(2,6―ジクロロ―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの製造
実施例2の工程2と同一の方法を行って、白色固体の目的化合物を得た。
工程3.(2R,3R,4S)―2―(2―クロロ―6―(3―ブロモベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの製造
3―フルオロベンジルアミンの代わりに3―ブロモベンジルアミノを使用した以外は、実施例1の工程3と同様の方法を行って、目的化合物(0.12g、83%)を得た。
m.p.184.0―185.0℃;
UV(MeOH)λmax 274.0nm;
H―NMR(DMSO―d)δ 8.91(brs,1 H―NH)、8.51(s,1 H),7.55(s,1 H),7.43(d,1 H,J=7.6Hz),7.33―7.35(m,1 H),7.26―7.30(m,1 H)、5.82(d,1 H,J=7.2Hz),5.57(d,1 H―OH,J=6.0Hz),5.38(d,1 H―OH,J=4.0Hz),4.60―4.63(m,3 H),4.34(s,1 H),3.41(dd,1 H,J=4.4,11.2Hz),2.80(dd,1 H,J=2.8,10.8Hz);
FAB―MS m/z 456[M+H]
<実施例4>(2R,3R,4S)―2―(2―クロロ―6―(3―ヨードベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの合成
工程1.2,6―ジクロロ―9―((3aR,4R,6aS)―2,2―ジメチルテトラヒドロチエノ[3,4―d][1,3]ジオキソール―4―イル)―9H―プリンの製造
実施例1の工程1と同一の方法を行って、泡形態の目的化合物を得た。
工程2.(2R,3S,4S)―2―(2,6―ジクロロ―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの製造
実施例1の工程2と同一の方法を行って、白色固体の目的化合物を得た。
工程3.(2R,3R,4S)―2―(2―クロロ―6―(3―ヨードベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの製造
3―フルオロベンジルアミンの代わりに3―ヨードベンジルアミンを使用した以外は、実施例1の工程3と同様の方法を行って、目的化合物(0.14g、84%)を得た。
m.p.198.7―199.9℃;
UV(MeOH)λmax 274.0nm;
H―NMR(DMSO―d)δ 8.90(t,1 H―NH,J=6.4Hz),8.51(s,1 H),7.74(s,1 H),7.60(d,1 H,J=7.6Hz),7.35(d,1 H,J=7.6Hz),7.13(t,1 H,J=8.0Hz),5.82(d,1 H,J=7.6Hz),5.56(d,1 H,J=6.4Hz),5.37(d,1 H,J=4.0Hz),4.60(d,3 H,J=4.4Hz),4.34(brs,1 H),3.38(dd,1 H,J=4.0,10.8Hz),2.80(dd,1 H,J=4.0,10.8Hz);
[α]25 ―78.91(c0.13,DMSO);
FAB―MS m/z 504[M+H]
<実施例5>(2R,3R,4S)―2―(2―クロロ―6―(2―クロロベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの合成
工程1.2,6―ジクロロ―9―((3aR,4R,6aS)―2,2―ジメチルテトラヒドロチエノ[3,4―d][1,3]ジオキソール―4―イル)―9H―プリンの製造
実施例1の工程1と同一の方法を行って、泡形態の目的化合物を得た。
工程2.(2R,3S,4S)―2―(2,6―ジクロロ―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの製造
実施例1の工程2と同一の方法を行って、白色固体の目的化合物を得た。
工程3.(2R,3R,4S)―2―(2―クロロ―6―(2―クロロベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの製造
3―フルオロベンジルアミンの代わりに3―クロロベンジルアミンを使用した以外は、実施例1の工程3と同様の方法を行って、目的化合物(0.11g、81%)を得た。
m.p.198.7―199.7℃;
UV(MeOH)λmax 273.5nm;
H―NMR(CDOD)δ 8.35(brs,1 H),7.45―7.47(m,1 H),7.39―7.43(m,1 H),7.25―7.29(m,2 H),5.95(d,1 H,J=6.4Hz),4.60―4.63(m,1 H),4.45(dd,1 H,J=3.6,8.0Hz),3.51(dd,1 H,J=4.8,10.8Hz),2.95(dd,1 H,J=4.0,10.8Hz);
[α]25 ―96.21(c0.12,DMSO);
FAB―MS m/z 412[M+H]
<実施例6>(2R,3R,4S)―2―(2―クロロ―6―(5―クロロ―2―メトキシベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの合成
工程1.2,6―ジクロロ―9―((3aR,4R,6aS)―2,2―ジメチルテトラヒドロチエノ[3,4―d][1,3]ジオキソール―4―イル)―9H―プリンの製造
実施例1の工程1と同一の方法を行って、泡形態の目的化合物を得た。
工程2.(2R,3S,4S)―2―(2,6―ジクロロ―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの製造
実施例1の工程2と同一の方法を行って、白色固体の目的化合物を得た。
工程3.(2R,3R,4S)―2―(2―クロロ―6―(5―クロロ―2―メトキシベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの製造
3―フルオロベンジルアミンの代わりに5―クロロ―2―メトキシベンジルアミンを使用した以外は、実施例1の工程3と同様の方法を行って、目的化合物(0.11g、78%)を得た。
m.p.188.8―189.8℃;
UV(MeOH)λmax 275.5nm;
H―NMR(DMSO―d)δ 8.64(t,1 H―NH,J=6.0Hz),8.51(s,1 H),7.21―7.25(m,1 H),7.12(d,1 H,J=7.2Hz),7.00(d,1 H,J=8.0Hz),6.85―6.89(m,1 H),5.82(d,1 H,J=7.6Hz),5.57(d,1 H―OH,J=6.4Hz),5.37(d,1 H―OH,J=4.0Hz),4.61―4.63(m,2 H),4.35(m,1 H),、3.84(s,3 H),3.71(dd,1 H,J=3.6,10.4Hz)、2.80(dd,1 H,J=2.4,10.8Hz);
[α]25 ―96.10(c0.21,DMSO);
FAB―MS m/z 442[M+H]
<実施例7>(2R,3R,4S)―2―(2―クロロ―6―(2―メトキシベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの製造
工程1.2,6―ジクロロ―9―((3aR,4R,6aS)―2,2―ジメチルテトラヒドロチエノ[3,4―d][1,3]ジオキソール―4―イル)―9H―プリンの製造
実施例1の工程1と同一の方法を行って、泡形態の目的化合物を得た。
工程2.(2R,3S,4S)―2―(2,6―ジクロロ―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの製造
実施例1の工程2と同一の方法を行って、白色固体の目的化合物を得た。
工程3.(2R,3R,4S)―2―(2―クロロ―6―(2―メトキシベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの製造
3―フルオロベンジルアミンの代わりに2―メトキシベンジルアミンを使用した以外は、実施例1の工程3と同様の方法を行って、目的化合物(0.12g、88%)を得た。
m.p.188.0℃;
UV(MeOH)λmax 276.5nm;
H―NMR(DMSO―d)δ 8.65(t,1 H―NH,J=6.0Hz),8.51(s,1 H),7.21―7.25(m,1 H),7.12(d,1 H,J=7.2Hz),7.00(d,1 H,J=8.0Hz),6.85―6.89(m,1 H),5.83(d,1 H,J=6.8Hz),5.58(d,1 H―OH,J=6.4Hz),5.39(d,1 H―OH,J=3.6Hz),4.62―4.64(m,2 H),4.35(s,1 H),3.84(s,1 H),3.42(dd,1 H,J=3.6,10.4Hz),2.79―2.82(m,1 H);
[α]25 ―93.53(c0.17,DMSO);
FAB―MS m/z 407[M+H]
<実施例8>(2R,3R,4S)―2―(2―クロロ―6―(ナフタレン―1―イルメチルベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの合成
工程1.2,6―ジクロロ―9―((3aR,4R,6aS)―2,2―ジメチルテトラヒドロチエノ[3,4―d][1,3]ジオキソール―4―イル)―9H―プリンの製造
実施例1の工程1と同一の方法を行って、泡形態の目的化合物を得た。
工程2.(2R,3S,4S)―2―(2,6―ジクロロ―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの製造
実施例1の工程2と同一の方法を行って、白色固体の目的化合物を得た。
工程3.(2R,3R,4S)―2―(2―クロロ―6―(ナフタレン―1―イルメチルベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの製造
3―フルオロベンジルアミンの代わりにナフタレン―1―イルメチルベンジルアミンを使用した以外は、実施例1の工程3と同様の方法を行って、目的化合物(0.13g、90%)を得た。
m.p.226.3℃(分解);
UV(MeOH)λmax 281.0nm;
H―NMR(DMSO―d)δ 8.96(t,1 H―NH,J=6.0Hz),8.51(s,1 H),8.25(d,1 H,J=8.0Hz),7.95―7.97(m,1 H),7.83―7.85(m,1 H),7.53―7.61(m,2 H),7.43―7.46(m,2 H),5.82(d,1 H,J=7.6Hz),5.56(d,1 H,J=6.4Hz),5.38(d,1 H,J=4.0Hz),5.12(d,1 H,J=6.0Hz)、4.59―4.61(m,1 H),4.34―4.35(m,1 H),3.40―3.44(m,1 H),2.80(dd,1 H,J=2.4,6.8Hz);
FAB―MS m/z 428[M+H]
<実施例9>3―((2―クロロ―9―((2R,3S,4R)―3,4―ジヒドロキシテトラヒドロチオフェン―2―イル)―9H―プリン―6―イルアミノ)メチル)安息香酸の合成
工程1.2,6―ジクロロ―9―((3aR,4R,6aS)―2,2―ジメチルテトラヒドロチエノ[3,4―d][1,3]ジオキソール―4―イル)―9H―プリンの製造
実施例1の工程1と同一の方法を行って、泡形態の目的化合物を得た。
工程2.(2R,3S,4S)―2―(2,6―ジクロロ―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの製造
実施例1の工程2と同一の方法を行って、白色固体の目的化合物を得た。
工程3.3―((2―クロロ―9―((2R,3S,4R)―3,4―ジヒドロキシテトラヒドロチオフェン―2―イル)―9H―プリン―6―イルアミノ)メチル)安息香酸の製造
3―フルオロベンジルアミンの代わりに3―(アミノメチル)安息香酸を使用した以外は、実施例1の工程3と同様の方法を行って、目的化合物(0.12g、84%)を得た。
m.p.254.0―256.9℃;
UV(MeOH)λmax 275.5nm;
H―NMR(DMSO―d)δ 8.95(t,1 H―NH,J=6.0Hz),8.52(s,1 H),7.89(d,1 H,J=8.4Hz),7.43(d,1 H,J=8.0Hz),5.82(d,1 H,J=7.6Hz),5.57(brs,1 H),5.38(brs,1 H),4.71(d,1 H,J=6.0Hz),4.60(brs,1 H),4.34(brs,1 H),3.41(dd,1 H,J=4.0,10.8Hz),2.80(dd,1 H,J=2.8,10.8Hz);
[α]25 ―94.55(c0.11,DMSO);
FAB―MS m/z 422[M+H]
<実施例10>2―(2―クロロ―6―メチルアミノ―プリン―9―イル)(2R,3S,4R)―(テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの合成
工程1.2,6―ジクロロ―9―((3aR,4R,6aS)―2,2―ジメチルテトラヒドロチエノ[3,4―d][1,3]ジオキソール―4―イル)―9H―プリンの製造
実施例1の工程1と同一の方法を行って、泡形態の目的化合物を得た。
工程2.(2R,3S,4S)―2―(2,6―ジクロロ―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの製造
実施例1の工程2と同一の方法を行って、白色固体の目的化合物を得た。
工程3.2―(2―クロロ―6―メチルアミノ―プリン―9―イル)(2R,3S,4R)―テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの製造
3―フルオロベンジルアミンの代わりにメチルアミンを使用した以外は、実施例1の工程3と同様の方法を行って、目的化合物(0.89g、90%)を得た。
UV(MeOH)λmax 269.5nm(pH7);
H―NMR(CDCl)δ 2.99(1H,dd,4'―CH,J=4.4,10.8Hz),3.12(3H,brs,NH―CH),3.44(1H,dd,4'―CH,J=4,10.8Hz),4.41(1H,m,2'―CH,J=5.6Hz),4.47(1H,m,3'―CH),5.89(1H,d,1'―CH,J=5.6Hz),8.40(s,1H,8―CH);
[α]25 ―34.8(c0.115,DMSO);
FAB―MS m/z 302.3[M+H]
<実施例11>(2R,3R,4S)―2―(6―(3―フルオロベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの合成
工程1.6―クロロ―9―((3aR,4R,6aS)―2,2―ジメチルテトラヒドロチエノ[3,4―d][1,3]ジオキソール―4―イル)―9H―プリンの製造
2,6―ジクロロプリンの代わりに6―クロロプリン(2.29g、22.12mmol)を使用した以外は、実施例1の工程1と同様の方法を行って、泡形態の目的化合物(1.84g、91%)を得た。
UV(CHCl)λmax 265.0nm;
H―NMR(CDCl)δ 8.67(pseudo t,1 H,J=1.4Hz),8.23(s,1 H),5.88(s,1 H),5.23(m,2 H),3.69(dd,1 H,J=4.0,13.2Hz),3.18(d,1 H,J=12.8Hz),1.52(s,3H),1.29(s,3H);
13C―NMR(CDCl)δ 152.05,151.39,151.09,144.34,132.56,111.90,89.60,84.31,70.30,40.76,26.40,24.63;
[α]25 ―157.64(c0.15,MeOH);
FAB―MS m/z 313[M+H]
工程2.(2R,3S,4S)―2―(6―クロロ―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの製造
工程1で製造した6―クロロ―9―((3aR,4R,6aS)―2,2―ジメチルテトラヒドロチエノ[3,4―d][1,3]ジオキソール―4―イル)―9H―プリン(1.84g、5.88mmol)から実施例1の工程2と同様の方法で合成を行って、白色固体の目的化合物(1.27g、79%)を得た。
m.p.192.3―192.8℃;
UV(MeOH)λmax 264.5nm;
H―NMR(DMSO―d)δ 9.02(s,1 H),8.82(s,1 H),6.02(d,1 H,J=7.6Hz),5.62(d,1 H―OH,J=6.0Hz),5.43(d,1 H―OH,J=4.0Hz),4.70―4.74(m,1 H),4.36―4.40(m,1 H),3.47(dd,1 H,J=4.0,10.8Hz),3.17(d,1 H,J=5.2Hz),2.84(dd,1 H,J=2.8,11.2Hz);
[α]25 ―109.15(c0.16,DMSO);
FAB―MS m/z 273[M+H]
工程3.(2R,3R,4S)―2―(6―(3―フルオロベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの製造
室温で2〜3時間攪拌しながらエタノール(5ml)に工程2で製造した(2R,3S,4S)―2―(6―クロロ―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオール(1当量)と3―フルオロベンジルアミン(1.5当量)を溶解させた。その反応混合物を減圧濃縮して、濃縮物をジクロロメタン:メタノールの混合物(20:1、v/v)を展開溶媒として使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物(0.11g、82%)を得た。
m.p.180.5―180.7℃;
UV(MeOH)λmax 273.5nm;
H―NMR(DMSO―d)δ 8.46(s,1 H),8.22(s,1 H),7.31―7.39(m,1 H),7.12―7.18(m,2 H),7.01―7.05(m,1 H),5.90(d,1 H,J=7.2Hz),5.53(d,1 H―OH,J=6.4Hz),5.35(d,1 H―OH,J=4.0Hz),4.67―4.71(m,2 H),4.35―4.37(m,1 H),3.39―3.43(m,1 H),3.17(d,1 H,J=5.2Hz),2.80(dd,1 H,J=3.2,11.2Hz);
[α]25 ―141.2(c0.11,DMSO);
FAB―MS m/z 362[M+H]
<実施例12>(2R,3R,4S)―2―(6―(3―クロロベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの合成
工程1.6―クロロ―9―((3aR,4R,6aS)―2,2―ジメチルテトラヒドロチエノ[3,4―d][1,3]ジオキソール―4―イル)―9H―プリンの製造
実施例11の工程1と同一の方法を行って、泡形態の目的化合物を得た。
工程2.(2R,3S,4S)―2―(6―クロロ―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの製造
実施例11の工程2と同一の方法を行って、白色固体の目的化合物を得た。
工程3.(2R,3R,4S)―2―(6―(3―クロロベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの製造
3―フルオロベンジルアミンの代わりに3―クロロベンジルアミンを使用した以外は、実施例11の工程3と同様の方法を行って、目的化合物(0.12g、85%)を得た。
m.p.165.0―165.3℃;
UV(MeOH)λmax 274.5nm;
H―NMR(DMSO―d)δ 8.47(s,1 H),8.22(s,1 H),7.39(s,1 H),7.26―7.35(m,3 H),5.91(d,1 H,J=7.2Hz),5.53(d,1 H―OH,J=6.4Hz),5.35(d,1 H―OH,J=4.0Hz),4.67―4.71(m,2 H),4.33―4.37(m,1 H),3.40―3.48(m,2 H),2.80(dd,1 H,J=3.2,10.4Hz);
[α]25 ―162.5(c0.10,DMSO);
FAB―MS m/z 378[M+H]
<実施例13>(2R,3R,4S)―2―(6―(3―ブロモベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの合成
工程1.6―クロロ―9―((3aR,4R,6aS)―2,2―ジメチルテトラヒドロチエノ[3,4―d][1,3]ジオキソール―4―イル)―9H―プリンの製造
実施例11の工程1と同一の方法を行って、泡形態の目的化合物を得た。
工程2.(2R,3S,4S)―2―(6―クロロ―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの製造
実施例11の工程2と同一の方法を行って、白色固体の目的化合物を得た。
工程3.(2R,3R,4S)―2―(6―(3―ブロモベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4ジオールの製造
3―フルオロベンジルアミンの代わりに3―ブロモベンジルアミンを使用した以外は、実施例11の工程3と同様の方法を行って、目的化合物(0.11g、70%)を得た。
m.p.183.0―184.0℃;
UV(MeOH)λmax 270.0nm;
H―NMR(DMSO―d)δ 8.46(s,1 H),8.22(s,1 H),7.53(s,1 H),7.39―7.42(m,1 H),7.34―7.35(m,1 H),7.24―7.28(m,1 H),5.90(d,1 H,J=7.2Hz),5.53(d,1 H―OH,J=6.4Hz),5.35(d,1 H―OH,J=4.0Hz),4.67―4.71(m,2 H),4.35―4.37(m,1 H),3.41(dd,1 H,J=4.0,10.8Hz),3.06(q,1 H,J=7.2Hz),2.80(dd,1 H,J=2.8,10.8Hz);
[α]25 ―100.72(c0.14,DMSO);
FAB―MS m/z 422[M+H]
<実施例14>(2R,3R,4S)―2―(6―(3―ヨードベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの合成
工程1.6―クロロ―9―((3aR,4R,6aS)―2,2―ジメチルテトラヒドロチエノ[3,4―d][1,3]ジオキソール―4―イル)―9H―プリンの製造
実施例11の工程1と同一の方法を行って、泡形態の目的化合物を得た。
工程2.(2R,3S,4S)―2―(6―クロロ―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオールの製造
実施例11の工程2と同一の方法を行って、白色固体の目的化合物を得た。
工程3.(2R,3R,4S)―2―(6―(3―ヨードベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4ジオールの製造
3―フルオロベンジルアミンの代わりに3―ヨードベンジルアミンを使用した以外は、実施例11の工程3と同様の方法を行って、目的化合物(0.12g、72%)を得た。
m.p.198.8―199.8℃;
UV(MeOH)λmax 271.5nm;
H―NMR(DMSO―d)δ 8.46(s,1 H),8.22(s,1 H),7.72(s,1 H),7.56―7.59(m,1 H),7.35―7.36(d,1 H,J=7.6Hz),7.01―7.12(m,1 H),5.90(d,1 H,J=7.2Hz),5.53(d,1 H―OH,J=6.4Hz),5.35(d,1 H―OH,J=4.4Hz),4.67―4.71(m,2 H),4.34―4.38(m,1 H),3.41(dd,1 H,J=4.0,10.8Hz),3.16(d,1 H,J=7.2Hz),2.80(dd,1 H,J=2.8,10.8Hz);
[α]25 ―97.08(c0.14,DMSO);
FAB―MS m/z 470[M+H]
<実施例15>(2R,3R,4R)―2―(6―(3―ブロモベンジルアミノ)―2―クロロ―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロフラン―3,4―ジオールの合成造
工程1.2,6―ジクロロ―9―((3aR,4R,6aR)―2,2―ジメチルテトラヒドロフロ[3,4―d][1,3]ジオキソール―4―イル)―9H―プリンの製造
製造例2で得た(3aR,4R,6aR)―2,2―ジメチルテトラヒドロフロ[3,4―d][1,3]ジオキソール―4―オール(702.1g、3.472mmol)を使用した以外は、実施例1の工程1と同一の方法で合成って、泡形態の目的化合物(793.0mg、69%)を得た。
UV(MeOH)λmax 276.5nm;
H―NMR(CDCl)δ 8.15(s,1 H),6.07(s,1 H),5.41(d,1 H,J=6.0Hz),5.26―5.29(m,1 H),4.25―4.31(m,2 H),1.57(s,3 H),1.41(s,3 H);
[α]25 ―21.00(c0.10,DMSO);
FAB―MS m/z 331[M+H]
工程2.(2R,3R,4R)―2―(2,6―ジクロロ―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロフロ―3,4―ジオールの製造
工程1で製造した2,6―ジクロロ―9―((3aR,4R,6aS)―2,2―ジメチルテトラヒドロフロ[3,4―d][1,3]ジオキソール―4―イル)―9H―プリン(900mg、2.0mmol)を使用して実施例1の工程2と同一の方法で合成を行って、白色固体の目的化合物(0.46g、80%)を得た。
m.p.122.7―123.4℃;
UV(MeOH)λmax 276.5nm;
H―NMR(DMSO―d)δ 8.98(s,1 H),5.96(d,1 H,J=6.4Hz),5.57(d,1 H―OH,J=6.0Hz),5.32(d,1 H―OH,J=4.0Hz),4.69―4.74(m,1 H),4.41(dd,1 H,J=3.6,9.2Hz),4.29―4.32(m,1 H),3.87(dd,1 H,J=2.0,9.6Hz);
[α]25 ―68.09(c0.14,DMSO);
FAB―MS m/z 291[M+H]
工程3.(2R,3R,4R)―2―(6―(3―ブロモベンジルアミノ)―2―クロロ―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロフロ―3,4―ジオールの製造
室温で2〜3時間撹拌しながらエタノール(5ml)に工程2で製造した(2R,3S,4S)―2―(2,6―ジクロロ―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロフロ―3,4―ジオール(1当量)と3―ブロモベンジルアミン(1.5当量)を溶解させた。その反応混合物を減圧濃縮して、濃縮物を、ジクロロメタン:メタノールの混合物(20:1、v/v)を展開溶媒として使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物(0.12g、82%)を得た。
m.p.181.5―181.7℃;
UV(MeOH)λmax 274.5nm;
H―NMR(DMSO―d)δ 8.92(t,1 H―NH,J=6.0Hz),8.43(s,1 H),7.55(s,1 H),7.44(d,1 H,J=8.0Hz),7.33―7.35(m,1 H),7.26―7.30(m,1 H),5.81(d,1 H,J=6.4Hz),5.47(d,1 H,J=6.4Hz),5.22(d,1 H,J=4.0Hz),4.66―4.69(m,1 H),4.62(s,2 H),4.32(dd,1 H,J=3.6,9.2Hz),4.25(brs,1 H),3.80(dd,1 H,J=1.6,9.2Hz);
[α]25 ―62.75(c0.10,DMSO);
FAB―MS m/z 440[M+H]
<実施例16>(2R,3R,4R)―2―(6―(3―ヨードベンジルアミノ)―2―クロロ―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロフロ―3,4―ジオールの合成
工程1.2,6―ジクロロ―9―((3aR,4R,6aR)―2,2―ジメチルテトラヒドロフロ[3,4―d][1,3]ジオキソール―4―イル)―9H―プリンの製造
実施例15の工程1と同一の方法を行って、泡形態の目的化合物を得た。
工程2.(2R,3R,4R)―2―(2,6―ジクロロ―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロフロ―3,4―ジオールの製造
実施例15の工程2と同一の方法を行って、シロップ形態の白色固体の目的化合物を得た。
工程3.(2R,3R,4R)―2―(6―(3―ヨードベンジルアミノ)―2―クロロ―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロフロ―3,4ジオールの製造
3―ブロモベンジルアミンの代わりに3―ヨードベンジルアミンを使用した以外は、実施例15の工程3と同様の方法を行って、目的化合物(0.13g、78%)を得た。
m.p.195.5―195.8℃;
UV(MeOH)λmax 274.0nm;
H―NMR(DMSO―d)δ 8.91(t,1 H―NH,J=6.4Hz),8.44(s,1 H),7.75(s,1 H),7.61(d,1 H,J=8.0Hz),7.36(d,1 H,J=7.6Hz),7.13(t,1 H,J=4.0Hz),5.81(d,1 H,J=6.8Hz),5.47(d,1 H―OH,J=6.8Hz),5.23(d,1 H―OH,J=4.0Hz),4.72(dd,1 H,J=6.4,10.8Hz),4.61(d,1 H,J=6.0Hz),4.34(dd,1 H,J=3.6,9.2Hz),3.81(dd,1 H,J=1.2,9.2Hz);
[α]25 ―68.07(c0.12,DMSO);
FAB―MS m/z 488[M+H]
<実験例1>アデノシン受容体に対する結合親和性のアッセイ
本発明のアデノシン誘導体を、ヒトA、A2A及びAアデノシン受容体に対する結合親和性に関して以下のようにアッセイした。
及びAアデノシン受容体を発現したCHO細胞(ATCC No.CCL―61)を、10%ウシ胎児血清(FBS)とフェニシリン/ストレプトマイシン(100ユニット/mlと100μg/ml)を添加したF―12(Gibco社、米国)培地で37℃、5%二酸化炭素の条件下で培養した。試験管中の50/10/1緩衝溶液で、所定量の適当なhAR発現CHO細胞と、A及びAアデノシン受容体に特異的に結合する標識リガンド(1nM[H]CCPA及び0.5nM[125I]AB―MECA)とを混合した。本発明の誘導体を、様々な濃度を有するジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させて緩衝溶液で希釈するが、DMSOの最終濃度は1%を超えないように注意する。37℃のインキュベーターで1時間インキュベーションした後、細胞収集器(TOMTEC社、米国)を使用して迅速に減圧ろ過した。引き続いて、試験管は3mlの緩衝液で3回洗浄した後、放射性をγ―カウンターを使用して決定した。非特異的結合に対する平行定数Kは、全体結合を測定するための条件と同一の条件で、非標識リガンドとして10μMの5'―N―エチルカルボキサミドアデノシン(NECA)の存在下で決定された。平衡定数Kは、[125I]AB―MECAが148nMのK値を有すると仮定した場合、チェン―プルソフ(Cheng―Prusoff)方程式にしたがって計算された。結合親和性に対するKは、全体結合値から非特異的結合値を減算して求めた。特異的結合値に基づいて、様々なアデノシン受容体に対する試料の結合親和性を求めた。
また、HEK293細胞上に発現されたA2Aアデノシン受容体の標識リガンドである[H]CGS―21680(2―(((4―(2―カルボキジエチル)フェニル)エチルアミノ)―5'―N―エチルカルバモイル)アデノシン)との結合は、次のようにアッセイした。アデノシンデアミナーゼは、脳膜を30℃で30分間インキュベーションした場合、単独で添加されるか、放射性リガンドと組み合わせて添加された。少なくとも6つの異なる濃度で、実施例で合成された各化合物に対するIC50を測定し、PLATソフトウェアを用いて測定値を分析し、K値を求めた。実施例で合成された化合物の化学構造、置換基及び結合親和性に対するK値を、表1にまとめる。
Figure 2010520271
Figure 2010520271
Figure 2010520271
表1のデータから理解し得るように、本発明の実施例で合成された化合物は、ヒトAアデノシン受容体(hAAR)に対して高い結合親和性を有するが、A及びA2Aアデノシン受容体に対しては低い親和性を有し、それにより高い選択性を示すことが分かった。特に実施例12の化合物は、hAARに対して、Kが1.50±0.40nMとして最も高い親和性を示し、その次に、実施例2の化合物(K=1.66±0.90nM)、実施例14の化合物(K=2.50±1.00nM)、実施例10の化合物(K=3.69±0.25nM)及び実施例4の化合物(K=4.16±0.50nM)の順に結合親和性が低くなる。また、実施例4の化合物は、CHO細胞で発現されたラットAアデノシン受容体に対しても高い親和性(K=3.89±1.15nM)を有することが測定され、ヒトA2Bアデノシン受容体に対するアゴニスト又はアンタゴニストとして観察されなかった。
また、ハロベンジル置換基を有する化合物は、Cl>I>F>Brの順に低くなる結合親和性を有することが分かった。3―クロロベンジルを有する実施例2の化合物は、2―クロロベンジルを有する実施例5の化合物(K=25.8±6.3nM)よりhAアデノシン受容体に対してより高い親和性を有した。また、本発明によれば、ベンゼン環の3位に置換基を有するアデノシン誘導体は、2位若しくは4位に置換基を有するか、又は2位及び5位に2つの置換基を有するアデノシン誘導体よりもhAARに対して強い結合親和性を有した。4’―Oオキソヌクレオシド形態を帯びるアデノシン誘導体である実施例15及び16の化合物も高い結合親和性及び選択性を有したが、対応する4’―Sチオヌクレオシド形態、例えば実施例3及び4の化合物の結合親和性及び選択性より優れていない。プリン塩基の2位のクロロ基を水素原子に置換した実施例10〜14の化合物は、結合親和性及び選択性に関して2―クロロ化合物に優れていることが観察された。
<実験例2>アデノシン誘導体のAアデノシン受容体に対するアンタゴニスト効果及びcAMP抑制
本発明の誘導体が、Aヒトアデノシン受容体アンタゴニストとしての効果を有するかを調べるために、CHO細胞を実施例4の化合物及びCl―IB―MECAで処理し、アンタゴニスト作用及びcAMP抑制のアッセイを行った。
図1に示すように、Aヒトアデノシン受容体が発現したCHO細胞を、実施例4の化合物の様々な濃度で処理した場合、100%純粋なアゴニストであるCl―IB―MECAのアゴニスト効果は、用量依存的に抑制されることが観察され、これは、本発明の化合物とCl―IB―MECAが同一の受容体結合部位に対して競争的に作用することを示す。CHO細胞におけるヒトAアデノシン受容を媒介性cAMP抑制試験の結果、本発明の実施例で合成された化合物は、100%純粋なAアデノシン受容体アンタゴニストであることが示される。したがって、本発明で合成された化合物は、Schild分析を用いて測定されるように、1.92nMの解離定数Kを示すことが分かる。
<実験例3〜6>アデノシン誘導体の抗炎症活性
本発明のアデノシン誘導体を、抗炎症活性について下記のような動物実験で調べた。7週齢の雄ICRマウスの右耳を、TPA(12―O―テトラデカノイルホルボール13―アセテート、20μl)で処理した。15分以内に実施例1〜16の化合物を、アセトン(20μl)、蒸留水又はDMSOとアセトンとの混合物(組成は、表2〜表5に示す。)で0.5%濃度に希釈し、これをマウスに投与した。対照として、ヒドロコルチゾンを同一の濃度で用いた。
TPA処理から6時間後に、マウスを本発明のアデノシン誘導体で二次処理した。TPA処理から24時間後に、実験動物を頸椎脱臼方法で安楽死させた。6mm直径のパンチを用いて右耳からサンプルを得た。その活性は、微量天秤を用いて耳サンプルの重さを測定することで観察された。阻害率(%)は、下記の方程式1を用いて計算した。3つの実験に用いた組成及び量を表2〜5にまとめ、その抗炎症活性を図2〜5に示す。
Figure 2010520271
Figure 2010520271
Figure 2010520271
Figure 2010520271
Figure 2010520271
図2に示すように、マウスに適用した場合、対照のヒドロコルチゾンに比べると非常に小さいが、実施例2〜4の化合物の希釈物は、マウスの耳のTPA誘導型炎症がある程度減少することが分かった。
図3に示すように、実施例1及び6の化合物の抗炎症活性は、実施例2〜4の化合物より4倍以上大きいことが測定された。
図4に示すように、蒸留水とアセトンとの混合物(1:4)で0.5%濃度に希釈した実施例5、7及び8の化合物は、それぞれ17%、34%及び53%の炎症阻害率を有することが測定された。
図5に示すように、DMSOとアセトンとの混合物(1:9)で0.5%濃度に希釈した実施例15及び16の化合物は、それぞれ59%及び79%の炎症阻害率を有することが測定された。この試験の観察に基づき、本発明のアデノシン誘導体は抗炎症活性を有することが分かった。
<実験例7>毒性アッセイ
本発明の実施例で合成された化合物を、動物における細胞傷害性に関してアッセイした。25±5gのICRラット(中央実験動物、韓国)と235±10gの特定病原体不在(SPF)スプラーグドーリーラット(中央実験動物、韓国)をそれぞれ3匹ずつ3群に分けて、実施例2の化合物をそれぞれ20mg/kg、10mg/kg、1mg/kgで腹腔投与した後、24時間観察した。
3群のメンバーのうちどれも死に至らなかった。体重増加または飼料摂取量において、対照群と試験群との間に差異を見出せなかった。したがって、本発明の誘導体化合物が安全であることが分かった。
本発明のアデノシン化合物は、下記の剤形で投与することができ、下記の製剤例は、本発明を説明するためであり、本発明を限定するものではない。
<製剤例1>散剤の製造
アデノシン誘導体 500mg
コーンスターチ 100mg
ラクトース 100mg
タルク 10mg
上記の成分を混合し、気密袋に充填した。
<製剤例2>錠剤の製造
アデノシン誘導体 100mg
コーンスターチ 100mg
ラクトース 100mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
上記の成分を混合し、通常の方法にしたがって打錠して錠剤を製造した。
<製剤例3>カプセル剤の製造
アデノシン誘導体 50mg
ラクトース 50mg
ステアリン酸マグネシウム 1mg
上記の成分を混合し、通常の方法にしたがってゼラチンカプセルに充填した。
<製剤例4>注射剤の製造
アデノシン誘導体 10mg
注射用滅菌水 適量
pH調節剤 適量
蒸留水中の活性成分溶液のpHを7.5に調整し、該溶液を滅菌水で希釈して2ml容量とした後アンプルに充填し、滅菌した。
<製剤例5>液剤の製造
アデノシン誘導体 1g
異性化糖 10g
スクロース 10g
レモン香料 適量
純水 適量
上記成分を純水に溶解させ、レモン香料を適量加えた後、純水を加えて容量を100mlに増大し、褐色のバイアルに充填して滅菌させて液剤を製造した。
上記のように、本発明のアデノシン誘導体は、アデノシン受容体、特にAアデノシン受容体に対して高い結合親和性及び選択性を有し、Aアデノシン受容体アンタゴニストとして作用して抗炎症活性を示す。したがって、本発明のアデノシン誘導体は、炎症性疾患の予防及び治療において有用である。
実施例を、本発明の好ましい実施形態の観点から説明した。しかしながら、このような開示は、本発明の明確な説明を限定するものではないことを理解されたい。本発明の説明及び特許請求の範囲は、本発明の真の範囲内におけるすべての変更及び改良を含むものと解釈すべきである。

Claims (20)

  1. 下記の化学式1で表示されるアデノシン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩。
    Figure 2010520271
  2. 前記Aは、OまたはSであり、
    前記Rは、メチル、エチル、プロピル、ナフチルメチル、ベンジル、独立的にまたは選択的にF、Cl、Br、I、C〜Cのアルコキシ及びこれらの組み合わせからなる群から選択される置換基で置換されたベンジル、またはトルイル酸であり、
    前記Yは、HまたはClである、請求項1に記載のアデノシン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩。
  3. 前記Aは、OまたはSであり、
    前記Rは、メチル、エチル、1―ナフチルメチル、ベンジル、2―クロロベンジル、3―フルオロベンジル、3―クロロベンジル、3―ブロモベンジル、3―ヨードベンジル、2―メトキシ―5―クロロベンジル、2―メトキシベンジルまたは3―トルイル酸であり、
    前記Yは、HまたはClである、請求項1に記載のアデノシン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩。
  4. 前記アデノシン誘導体が、
    1)(2R,3R,4S)―2―(2―クロロ―6―(3―フルオロベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオール;
    2)(2R,3R,4S)―2―(2―クロロ―6―(3―クロロベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオール;
    3)(2R,3R,4S)―2―(6―(3―ブロモベンジルアミノ)―2―クロロ―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオール;
    4)(2R,3R,4S)―2―(2―クロロ―6―(3―ヨードベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオール;
    5)(2R,3R,4S)―2―(2―クロロ―6―(2―クロロベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオール;
    6)(2R,3R,4S)―2―(2―クロロ―6―(5―クロロ―2―メトキシベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオール;
    7)(2R,3R,4S)―2―(2―クロロ―6―(2―メトキシベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオール;
    8)(2R,3R,4S)―2―(2―クロロ―6―(ナフタレン―1―イルメチルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオール;
    9)3―((2―クロロ―9―((2R,3R,4S)―3,4―ジヒドロキシテトラヒドロチオフェン―2―イル)―9H―プリン―6―イルアミノ)メチル)安息香酸;
    10)2―(2―クロロ―6―メチルアミノ―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオール;
    11)(2R,3R,4S)―2―(6―(3―フルオロベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオール;
    12)(2R,3R,4S)―2―(6―(3―クロロベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオール;
    13)(2R,3R,4S)―2―(6―(3―ブロモベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオール;
    14)(2R,3R,4S)―2―(6―(3―ヨードベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロチオフェン―3,4―ジオール;
    15)(2R,3R,4R)―2―(6―(3―ブロモベンジルアミノ)―2―クロロ―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロフラン―3,4―ジオール;及び
    16)(2R,3R,4R)―2―(2―クロロ―6―(3―ヨードベンジルアミノ)―9H―プリン―9―イル)テトラヒドロフラン―3,4―ジオール;
    から成る群から選択される、請求項1又は3に記載のアデノシン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩。
  5. 下記の反応式1に示されるように、
    (1)化学式2の出発物質を、触媒としてルイス酸の存在下でシリル化されたプリン化合物と反応させて、β―アノマーを与える工程、
    (2)工程(1)で得た化学式1の化合物に塩酸を添加して、化学式4のジオール化合物4を与える工程、及び
    (3)工程(2)で得た化学式4のジオール化合物を、触媒として塩基の存在下でアミン化合物と反応させて、化学式1のアデノシン化合物を与える工程、
    を包含する、請求項1乃至4のいずれかに記載のアデノシン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩の合成方法。
    Figure 2010520271
    (式中、A、R及びYは、化学式1で定義した通りである。)
  6. 工程(1)は、ジクロロエタン、クロロホルム、アセトニトリル及びジクロロメタンからなる群から選択される溶媒中で行われる、請求項5に記載の方法。
  7. 工程(1)のルイス酸は、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートである、請求項5に記載の方法。
  8. 工程(1)のシリル化されたプリン化合物は、化学式5のプリン化合物を、触媒として硫酸アンモニウムの存在下でヘキサメチルジシラザンと反応させることにより調製される、請求項5に記載の方法。
  9. 工程(3)の触媒は、トリエチルアミン、ピリジン、N,N―ジメチルアミノピリジン及び1,4―ジオキサンからなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
  10. 化学式2の出発物質は、下記の反応式2に示されるように、
    (a)化学式6のD―マンノースを、触媒として酸の存在下で2,2―ジメトキシプロパンと反応させて、化学式7のジアセトニド化合物を与える工程、
    (a)工程(a)で得た化学式7の化合物を、還元剤の存在下で開環させて、化学式8のジオール化合物を与える工程、
    (a)工程(a)で得た化学式8の化合物をメシル化して、化学式9のジメシル化合物にする工程、
    (a)工程(a)で得た化学式9の化合物を環化させて、化学式10のチオ糖化合物にする工程、
    (a)工程(a)で得た化学式10の化合物を選択的に加水分解させて、化学式11のジオール化合物にする工程、
    (a)工程(a)で得た化学式11の化合物を、触媒の存在下で化学式2aのアセテート化合物に変換する工程、
    により調製される請求項5に記載の方法。
    Figure 2010520271
    (式中、化合物2aは、化学式2の化合物と同一である。)
  11. 工程(a)の触媒は、濃硫酸、塩酸ガス及びp―トルエンスルホン酸からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
  12. 工程(a)の還元剤は、水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム及び亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
  13. 工程(a)が、メチル化剤として、メタンスルホニルクロライドの存在下で行われる、請求項10に記載の方法。
  14. 工程(a)が、エチルエーテル、石油エーテル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン及びN,N―ジメチルホルムアミドからなる群から選択される溶媒中で行われる、請求項10に記載の方法。
  15. 工程(a)が、酢酸、硫酸、塩酸及びp―トルエンスルホン酸からなる群から選択される酸の存在下で行われる、請求項10に記載の方法。
  16. 化学式2の出発物質は、反応式3に示されるように、
    (b)化学式12の化合物を還元剤と反応させて、化学式13のラクトール化合物にする工程、
    (b)工程(b)で得た化学式13の化合物を無水酢酸と反応させて、化学式2bのアセテート化合物を与える工程、
    により調製される、請求項5に記載の方法。
    Figure 2010520271
    (式中、化合物2bは、化学式2の化合物である。)
  17. 工程(b)の還元剤は、水素化ジイソブチルアンモニウムである、請求項16に記載の方法。
  18. 請求項1の化学式1で表示されるアデノシン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩を含むAアデノシン受容体アンタゴニスト。
  19. 請求項1の化学式1で表示されるアデノシン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩を含む炎症性疾患の予防及び治療用薬学的組成物。
  20. 前記炎症性疾患は、変質性炎症、滲出性炎症、化膿性炎症、出血性炎症、増殖性炎症及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項19に記載の薬学的組成物。
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