JP2010517086A - フレキシブル遠近両用レンズのオプティマイザ - Google Patents

フレキシブル遠近両用レンズのオプティマイザ Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、詳細には、遠用部基準点及び/又は近用部基準点の個々の垂直方向位置を可変に調節できる累進多焦点眼鏡レンズ用の個々の眼鏡レンズ設計を計算するための方法に関する。
【解決手段】前記方法は、遠用部基準点及び/又は近用部基準点の所定の垂直方向位置を示す開始設計を決定する工程と、遠用部基準点及び/又近用部基準点における所要の各々の垂直方向位置を含むように個々の眼鏡レンズ設計を計算する工程とを含み、前記個々の眼鏡レンズ設計を計算する工程は、個々の眼鏡レンズの少なくとも一つの光学的特性の空間分布についてのターゲット値Starget(y)を、マッピングStarget(y)=S’target(y’)及び式1によって表される変換によって計算する工程と、開始設計の対応するターゲット値S’target(y’)を計算する工程と、を含む。ここで、y’は、開始設計のターゲット値の垂直方向座標を表し、yは個々の眼鏡レンズ設計の変換後のターゲット値の垂直方向座標を表す。

Description

本発明は、個々の眼鏡レンズ設計を計算する方法、個々の累進多焦点眼鏡レンズを製造するための方法、及び個々の累進多焦点眼鏡レンズを製造するための対応する装置、コンピュータプログラム製品、記憶媒体、及び眼鏡レンズの使用方法に関する。
累進多焦点眼鏡レンズの計算又は最適化を夫々の着用位置及び着用状態で行うことにより、高度の技術的及び光学的標準が実現されている。例えば、従来技術によれば、累進多焦点眼鏡レンズの最適化及び計算を、一種のオンラインで、注文を受けた後に、個人的処方(度数、乱視度数、中心軸、加入度数、プリズム、ベース)、及び眼鏡着用者の眼の前方におけるレンズの個々の位置又は構成(例えば、角膜頂点間距離(CVD)、顔が形成する角度(FFA)、前方傾斜又は広角視角度)、並びに生理学的パラメータ(例えば瞳孔間距離)を考慮して行うことができる。しかしながら、顧客の眼に対する眼鏡レンズの位置、即ち眼鏡フレームにおける眼鏡レンズの位置は、製造者によって固定的に特定(例えば基準点の要件によって)されており、この位置を変えることができない。更に、顧客は、幾つかの(通常は二つの)、累進帯長が異なるに過ぎない眼鏡レンズ設計からしか選択を行うことができない。視認ゾーンを、個々の主視線及び用途における優先に関する顧客の特定のニーズに合わせるフィッティングは、フレームの選択の特定的制限とあいまって、これまでは不可能であった。
更に、従来技術によれば、新たに開発されるべき各設計に対して、および、とりわけ各累進帯長に対して、個々のターゲット値(設計)が生成され、課せられている。例えば、汎用累進多焦点レンズに加え、様々な特殊累進多焦点レンズについての設計が開発された。このような特殊累進多焦点レンズは、多くの場合、主視認機能に関して、及びかくして近用部ゾーン及び遠用部ゾーンにおける主視認方向に関して異なっているに過ぎない。従って、PCT/DE01/00188は、様々な用途(運転手、パイロット、時計製作者、等)について設計をすぐに特定することを提案している。設計開発に関する、及び製作者の多くの様々な設計の論理に関するこの非常に複雑な手順、及び眼鏡士の必要な製品トレーニングコースにも関わらず、多くの場合、これらの標準的設計で着用者の個々の状況に対して満足のいく対応を行うことは不可能であった。これは、これらの態様では、基準点及び主視認ゾーンを後に変更することができないためである。
PCT/DE01/00188
本発明の目的は、個々の眼鏡レンズ設計を計算するための迅速かつ効率的な方法、並びに計算によって得られた個々の眼鏡レンズ設計に基づいて眼鏡を製造するための方法を提供することである。更に、本発明の目的は、個々の眼鏡レンズを製造するための対応する装置、並びに対応するコンピュータプログラム製品及び記憶媒体を提供することである。
上記目的は、請求項1に記載の特徴を含む個々の眼鏡レンズ設計を計算するための方法、請求項28に記載の特徴を含む個々の眼鏡レンズ設計を計算するための方法、請求項31に記載の特徴を含む個々の累進多焦点眼鏡レンズを製造するための方法、請求項32に記載の特徴を含む個々の眼鏡レンズを製造するための装置、請求項33に記載の特徴を含むコンピュータプログラム製品、請求項34に記載の特徴を含む記憶媒体、及び請求項35に記載の特徴を含む眼鏡レンズの使用方法によって解決される。
本発明によれば、遠用部基準点及び近用部基準点の各々の垂直方向位置を可変に調節できる累進多焦点眼鏡レンズ用の個々の眼鏡レンズ設計をコンピュータを用いて計算するための方法において、
−遠用部基準点及び/又は近用部基準点の所定の垂直方向位置を示す開始設計を特定する工程と、
−遠用部基準点及び/又は近用部基準点における所要の各々の垂直方向位置を示すように、個々の眼鏡レンズ設計を計算する工程とを含み、個々の眼鏡レンズ設計の計算は、個々の眼鏡レンズの少なくとも一つの光学的特性の空間分布についてのターゲット値Starget(y)を、マッピングStarget(y)=S’target(y’)及び開始設計の対応するターゲット値S’target(y’)の変換Y:
Figure 2010517086
によって計算する工程を含み、ここで、y’は、開始設計のターゲット値の垂直方向座標であり、yは個々の眼鏡レンズ設計の変換後のターゲット値の垂直方向座標である、方法が提供される。
垂直方向は、眼鏡レンズが、例えば、平均的な(例えばDIN58 208第2部に定義されているように)又は着用者の個々の位置に配置された、眼鏡レンズの着用位置での垂直方向に関する。好ましくは、眼鏡レンズは、着用者の個々の位置に配置される。
座標系は、好ましくは、眼鏡レンズの物体側表面の座標系であり、座標系の原点は、例えば、未加工の丸味を帯びた(raw round)眼鏡レンズの幾何学的中心と一致し、又は眼鏡レンズのセントレーション点即ちフィッティング点と一致する。垂直方向軸線及び水平方向軸線は、幾何学的中心又はセントレーション点即ちフィッティング点の物体側表面に関して接線平面内にある。勿論、変換を他の適切な座標系で定義することは可能である。
眼鏡レンズの設計は、眼鏡レンズの最適化においてターゲット値として考慮される一つ又はそれ以上の光学的特性又は収差についてのターゲット値の分布を含み、また任意ではあるが、適切な物体モデルを含んでいる。物体モデルは、例えば、眼鏡レンズの主線に沿った物体距離の逆数として定義される物体距離関数を含む。適切な物体モデルの一例が、DIN58 208第2部(画像6参照)に定義されている。同様に、標準的着用位置がDIN58 208第2部に定義されている。
様々な設計を持つ(即ち、収差について、詳細には非点収差偏差(astigmatic deviation)について様々なターゲット値を持つ)累進多焦点レンズを製造するため、対応する様々な設計及びターゲット値が生成され、これに関して最適化が行われなければならない。
眼鏡レンズ設計は、詳細には、屈折異常(refractive error)(即ち眼鏡レンズの屈折力と屈折によって決定された屈折力との差)の分布及び/又は非点収差異常(astigmatic error)即ち非点収差偏差(即ち、眼鏡レンズの非点収差と屈折によって決定された非点収差との差)の分布によって特徴付けられる。更に、眼鏡レンズ設計は、倍率異常、歪み異常、又は他の収差についてのターゲット値の分布を含んでいてもよい。これらの値は、表面値であってもよく、又は好ましくは着用屈折力(powers of wear)、即ち眼鏡レンズの着用位置における屈折力であってもよい。個々の眼鏡レンズ設計の計算は、この意味において、個々の眼鏡レンズ設計に帰せられるべき個々の光学的特性及び収差(例えば、屈折異常、非点収差偏移、倍率、歪み、等)についてのターゲット値の計算を含む。
累進多焦点眼鏡レンズ設計は、通常は、遠用部ゾーン、近用部ゾーン、及び中間ゾーン即ち累進多焦点ゾーンを含む。通常は、個々の視認ゾーンの境界を周辺に対して定めるために0.5−D非点収差線を使用する。しかしながら、視認ゾーンの境界を定めるため、0.75−D等非点収差線又は1.0−D等非点収差線等の他の等非点収差線を使用することが可能である。
眼鏡着用者に対して処方された、及び必要とされる遠用部及び/又は近用部の屈折率についての値が夫々の基準点で得られる場合、設計は、遠用部基準点及び/又は近用部基準点の所定の空間位置を含む。換言すると、設計と関連した、収差(詳細には、非点収差偏移及び屈折異常)についてのターゲット値は、遠用部基準点及び/又は近用部基準点においてできるだけ小さくなければならない(好ましくは実質的にゼロでなければならない)。
本発明によれば、新たなターゲット値即ち個々の眼鏡レンズ設計のターゲット値は、既存の古いターゲット値即ち開始設計のターゲット値からの変換により得られ、即ちyでの新たなターゲット値は、y’での古いターゲット値から得られる。ここで、y’=y−Δy(y)である。
ターゲット値の変換は、垂直方向(y方向)でのみ行われる。開始設計のターゲット値の水平方向の変換は行われない。従って、表現Starget(y)は、Starget(x、y)の省略であり、表現S’target(y’)は、S’target(x、y’)の省略である。変形例では、ターゲット値は、座標系{x、y}でなく座標系{u、y}で与えられる。ここでuは、所定の主線からの水平方向距離である。この座標系では、表現Starget(y)は、Starget(u、y)と対応し、表現S’target(y’)は、S’target(u、y’)と対応する。
従って、開始設計は、好ましくは、主線の経路のための値、及び個々の眼鏡レンズ設計の主線の変換の計算のための値を含む。変換後の主線のx座標は、開始設計の所定の主線から、以下のように計算される。
0(y)=x0(y’)
ここで、y’=y−Δ(y)
0(y’)は、y値y’についての開始設計における所定の主線のx座標であり、
0(y)は、y値yについての変換後の主線のx座標である。
かくして、本発明の方法によって、近用部基準点及び遠用部基準点及び主視認ゾーンの垂直方向位置が任意の累進多焦点レンズを、現存の累進多焦点レンズ設計(開始設計)から直接的に得ることができ且つ最適化でき、かくして設計特徴が維持される。この目的のため、遠用部基準点BF 及び/又は近用部基準点BN (下文において、遠用部基準点BF 及び近用部基準点BN と呼ぶ)の所望の各々の位置を特定するだけで十分である。累進多焦点表面の累進多焦点ゾーンの垂直方向位置及び長さは、個々の着用情況に対して自動的に適合される。これを行うに当たり、眼鏡レンズの最適化を行うために遠用部基準点BF 及び近用部基準点BN の任意の位置が考慮される。
従って、本発明の重要な利点は、特に個々の累進多焦点眼鏡レンズについて、適切なターゲット値を生成するための上述の追加の努力をなくすことである。更に、本発明の方法によれば、一つの所定の開始設計のみから、比較的容易であり且つ速く行うことができる計算によって、累進多焦点が長い及び短い変形例及び設計を生成できる。更に、視認ゾーンは、開始設計又は基本的設計の設計特性及び良好な結像特性を失うことなく、垂直方向で任意に位置決めされる。
好ましい実施例によれば、変換Y:Δy(y)=y0 (y0 は定数)について、真である。
例えば、眼鏡着用者の主視認方向のみが眼鏡の遠用部基準点から垂直方向に所定距離ずれている場合、ターゲット値の垂直方向位置が可変であれば、即ちΔy(y)=y0 (y0 は定数)であれば、眼鏡レンズ設計が眼鏡着用者のニーズに良好に適合する。y0 の正の値は、新たなターゲット値が、以前の基準値と比較して上方にシフトするように見えるということを意味する。
別の好ましい実施例によれば、変換Y:Δy(y)=αy+y0 について、真であり、
αは定数であり、
α>0の場合には、変換により開始設計が延伸し、
α<0の場合には、変換により開始設計が圧縮する。
上文中に説明したように、眼鏡レンズ設計は、垂直方向位置とは別にターゲット値が延伸され又は圧縮される場合には、即ちΔy(y)=αy+y0 である場合には、眼鏡着用者のニーズにより良好に適合する。ここで、αは、延伸するように設計される場合には正の定数であり、圧縮するように設計される場合には負の定数である。
好ましくは、変換Y:Δy(y)=f(y)+y0 について、真であり、
f’(y)>0の場合には、変換により開始設計の局所的延伸が生じ、
f’(y)<0の場合には、変換により開始設計の局所的圧縮が生じる。
延伸又は圧縮及びシフトがアフィン関数Δy(y)=αy+y0 によって制御される場合には、近用部及び遠用部の全ての視野並びに累進多焦点ゾーンが、変化により等しく影響される。しかしながら多くの場合、遠用部及び近用部の特定の特性を得、そして累進多焦点ゾーンの位置だけを変化するのが好ましい。好ましくは、特定の特性を持つ関数Δy(y)を選択した場合には、例えば、関数は、累進多焦点ゾーンにおいて、遠用部又は近用部におけるよりも急であり、一般的にはΔy(y)=f(y)+y0 の形態である。導関数f’(y)の正の値は局所的延伸を表し、負の値は局所的圧縮を表す。
好ましくは、関数f(y)は単調関数であり、更に好ましくは、|f’(y)|は、累進多焦点ゾーンにおける値が近用部又は遠用部における値よりも高い。そのため、これらは延伸又は圧縮によって更に強く影響される。
好ましくは、変換Yは、個々の眼鏡レンズ設計の遠用部基準点及び/又は近用部基準点の垂直方向位置の差、及び開始設計の遠用部基準点及び/又は近用部基準点の垂直方向位置の差に依存している。
関数f(y)において、パラメータ決定の様々な可能性がある。
適切な関数には、以下のものが挙げられる。
Figure 2010517086
以上の関数b)乃至g)は、例えば、AISNソフトウェア社が版権(1996年)を持つ「二次元曲線表(Table Curve 2D)」第4版についての使用者マニュアルに更に詳細に説明されている。更に、上文中に説明した特性を持つ別の適切な関数を本明細書中に説明する。
例えば、関数f(y)のパラメータは、関数f(y)が特定の特性を満たすように、目標に向けられた方法で選択されてもよい。別の態様では、パラメータの値が直接的に特定される。
好ましくは、新たな遠用部基準点及び近用部基準点のy座標yF 及びyN は、元のy座標y’F 及びy’N に関し以下の所定の関係を持つことが必要とされる。
Figure 2010517086
ここで、
F は、個々の眼鏡レンズ設計の遠用部基準点の垂直方向位置であり、
FDは、開始設計の遠用部基準点の垂直方向位置であり、
N は、個々の眼鏡レンズ設計の近用部基準点の垂直方向位置であり、
NDは、開始設計の近用部基準点の垂直方向位置である。
関数f(y)の変換係数は、好ましくは、所与の開始値から始めて反復法によって特定される。
好ましくは、関数f(y)の変換係数は、
−個々の眼鏡レンズ設計の遠用部基準点の垂直方向位置yFと、開始設計の遠用部基準点の垂直方向位置yFDとの差yF −yFD 、及び/又は
−個々の眼鏡レンズ設計の近用部基準点の垂直方向位置yN と、開始設計の近用部基準点の垂直方向位置yNDとの差yN −yND に応じて設定される。
二重漸近関数
Figure 2010517086
の変換係数は、以下の式によって計算される。
Figure 2010517086
ここで、
D =yFD−yNDは、開始設計の累進帯長であり、
l=yF −yN は、個々の眼鏡レンズ設計の累進帯長であり、
F は、個々の眼鏡レンズ設計の遠用部基準点の垂直方向位置であり、
FDは、開始設計の遠用部基準点の垂直方向位置であり、
N は、個々の眼鏡レンズ設計の近用部基準点の垂直方向位置であり、
NDは、開始設計の近用部基準点の垂直方向位置であり、
1+εは、関数f(y)の遠用部漸近線と近用部漸近線との間の距離aが、累進帯長の変化をどの程度越えるのかを決定するファクタであり、好ましくは、ε=0.01である。
好ましくは、眼鏡レンズの少なくとも一つの光学的特性は、非点収差又は非点収差偏差である。
非点収差偏差は、選択されたレンズの非点収差(表面値として又は好ましくは着用値として)と、眼鏡着用者の眼の補正されるべき非点収差との間の差と定義される。
更に、個々の眼鏡レンズ設計は、眼鏡レンズの主視線に沿った個々の物体距離関数を含んでいてもよく、開始設計は、更に、眼鏡レンズの主線に沿った開始物体距離関数を含んでいてもよい。個々の物体距離関数は、好ましくは、開始物体距離関数の第2変換Y2 によって得られる。変換Y及び第2変換Y2 は同じであってもよい。
しかしながら、変換Y及び第2変換Y2 は異なっていてもよい。好ましくは、第2変換Y2 の変換係数は、個々の眼鏡レンズ設計の遠用部基準点及び近用部基準点での眼鏡レンズの屈折力が、開始設計の遠用部基準点及び近用部基準点での眼鏡レンズの屈折力と適合するように、ニュートン反復法によって決定される。
物体距離関数、即ち物体距離の逆数S1(u0、y)は、係数aS、bS、cS、dS、mSの二重漸近関数
Figure 2010517086
によって記載され、
ここで、所定の係数aS、bS、mS及び係数cS、dSは、ニュートン反復法によって決定される。
更に、個々の眼鏡レンズ設計は、眼鏡レンズの複数の光学的特性の対応する空間分布についての個々のターゲット値を含んでいてもよく、好ましくは、全ての個々のターゲット値は、開始設計の対応するターゲット値の変換Yによって計算される。
更に好ましくは、個々の眼鏡レンズ設計のターゲット値は、スケールファクタl/lD
Figure 2010517086
によって掛け算され、または基準化される。ここで、lは、個々の眼鏡レンズ設計の累進帯長であり、lD は、開始設計の累進帯長である。
好ましくは、
Figure 2010517086
(a、bは定数)となっている。
更に、本発明によれば、遠用部基準点及び近用部基準点の個々の垂直方向位置を可変に調節できる累進多焦点眼鏡レンズ用の個々の眼鏡レンズ設計をコンピュータを用いて計算するための方法が提供される。この方法は、
−遠用部基準点及び/又は近用部基準点の所定の垂直方向位置を示す開始設計を特定する工程と、
−遠用部基準点及び/又は近用部基準点の、必要とされる個々の垂直方向位置を示すように、個々の眼鏡レンズ設計を計算する工程とを含み、個々の眼鏡レンズ設計の計算は、
個々の物体距離関数S1(y)を、眼鏡レンズの主線に沿って、マッピングS1(y)=S1’(y’)及び対応する物体距離関数のS1’(y’)の変換Y:
Figure 2010517086
によって計算する工程を含み、ここで、y’は、眼鏡レンズの主線に沿った垂直方向座標であり、yは個々の眼鏡レンズ設計の変換後の物体距離の眼鏡レンズの主線に沿った垂直方向座標である。
更に、本発明によれば、遠用部基準点及び/又は近用部基準点の個々の垂直方向位置を可変に調節できる個々の累進多焦点眼鏡レンズを製造するための方法が提供される。この方法は、
−遠用部基準点及び/又は近用部基準点の必要な垂直方向位置を示す個々の眼鏡レンズ設計を、本発明の好ましい方法による個々の眼鏡レンズ設計を計算するための方法に従って計算する工程と、
−個々の眼鏡レンズ設計に従って眼鏡レンズを計算し、最適化する工程とを含む。
様々な設計(収差、詳細には非点収差偏移について様々なターゲット値を持つ)の累進多焦点眼鏡レンズを製造するため、対応する様々な設計及びターゲット値を生成し、これに関して最適化を行わなければならない。累進多焦点レンズの設計をベースとした最適化は、以下の式17の形態の物体関数を最小化することによって行われる。
Figure 2010517086
ここで、
i,target は、i番目の評価点での少なくとも一つの光学的特性の空間分布についての局所的ターゲット値であり;
i は、i番目の評価点での実際の局所的光学的特性であり;
i,S 局所的重み付け(weighting) である。
好ましくは、累進多焦点レンズの最適化は、以下の式18の形態の物体関数を最小にすることによって行われる。
Figure 2010517086
上式において、
ΔRi,target は、i番目の評価点での局所的屈折異常のターゲット値であり;
ΔRi は、i番目の評価点での実際の局所的屈折異常の値であり;
Asti,target は、i番目の評価点での局所的非点収差偏移即ち局所的非点収差異常のターゲット値であり;
Asti は、i番目の評価点での実際の局所的非点収差偏差であり;
i,ΔR は、i番目の評価点での屈折異常の局所的重み付けであり;
i,Ast は、i番目の評価点での非点収差偏差の局所的重み付けである。
好ましくは、眼鏡レンズの計算又は最適化は、眼鏡着用者の個人データを考慮して行われる。
更に、製造方法は、
−計算及び最適化が行われた眼鏡レンズの表面データを提供する工程と、
−眼鏡レンズの提供された表面データに従って眼鏡レンズを製造する工程とを含む。
製造及び機械加工は、CNC機械によって行ってもよく、鋳造法によって行ってもよく、これらの二つの方法の組み合わせによって行ってもよく、又は別の適切な方法によって行ってもよい。
更に、本発明によれば、遠用部基準点及び/又は近用部基準点の個々の垂直方向位置を可変に調節できる個々の累進多焦点眼鏡レンズを製造するための装置が提供される。この装置は、
−本発明の好ましい方法による個々の眼鏡レンズ設計を計算するための方法を実施するように適合された設計計算手段と、
−個々の眼鏡レンズ設計に従って眼鏡レンズの計算及び最適化を行うように適合された最適化−計算手段とを含む。
更に詳細には、設計計算手段は、
−遠用部基準点及び/又は近用部基準点の(個々の)所定の垂直方向位置を示す開始設計を特定するための開始設計特定手段と、
−個々の眼鏡レンズ設計を、遠用部基準点及び/又は近用部基準点における所要の各々の垂直方向位置を持つように計算するための計算又は最適化手段とを含む。この計算又は最適化手段では、個々の眼鏡レンズ設計の計算は、個々の眼鏡レンズの少なくとも一つの光学的特性の空間分布についてのターゲット値S(y)を、マッピングStarget(y)=S’target(y’)及び開始設計の対応するターゲット値S’target(y’)の変換Y:
Figure 2010517086
によって計算する工程を含む。ここで、y’は、開始設計のターゲット値の垂直方向座標であり、yは、個々の眼鏡レンズ設計の変換後のターゲット値の垂直方向座標である。
好ましくは、開始設計特定手段は、開始設計を記憶するための記憶手段、並びに記憶された開始設計を読み出すための手段を含む。
更に、遠用部基準点及び/又は近用部基準点の垂直方向位置が可変に調節可能な個々の累進多焦点眼鏡レンズを製造するための装置は、好ましくは、眼鏡レンズの仕上げを行うための機械加工手段を含む。この機械加工手段は、ブランクを個々の最適化値に従って直接的に機械加工するためのCNC機械を含んでいてもよい。
好ましくは、個々の累進多焦点眼鏡レンズを製造するための装置は、更に、眼鏡着用者の個人データを得るための手段を含む。眼鏡着用者の個人データには、詳細には、眼鏡着用者が個々に必要とする眼鏡レンズの屈折力に関するデータが含まれる。
好ましくは、完成した眼鏡レンズは、単純な球面、又は回転対称非球面と、本発明及び眼鏡着用者の個々のパラメータに従って計算された個々の設計値に従って個々に最適化された累進多焦点表面とを有する。好ましくは、球面、又は回転対称非球面は、眼鏡レンズの前面(即ち物体側表面)となっている。個々に最適化された表面を眼鏡レンズの前面に配置することもできる。更に、眼鏡レンズの両面を累進多焦点表面にすることもできる。
更に、本発明によれば、コンピュータプログラム製品及びこのコンピュータプログラム製品を記憶した記憶媒体が提供される。コンピュータにローディングし、実行するとき、眼鏡レンズの計算及び最適化を行うための方法を実施するようになったコンピュータプログラム製品において、
当該方法は、
−遠用部基準点及び/又は近用部基準点における所要の垂直方向位置を示す個々の眼鏡レンズ設計を、個々の眼鏡レンズ設計を計算するための本発明の好ましい方法に従って計算する工程と、
−個々の眼鏡レンズ設計に従って眼鏡レンズを計算し、又は最適化する工程とを含む。
更に、眼鏡着用者の視力の欠陥を補正するため、眼鏡着用者の眼の前方で、好ましい製造方法に従って製造した眼鏡レンズの所定の平均的又は個々の着用位置で眼鏡レンズを使用する方法を提供する。
好ましくは、本発明の方法及び装置の利点は以下の通りである。
−差yF −yFDおよびyN −yND は任意である。従って、任意の垂直方向位置を考慮でき;
−現存の最適化値及び現存の設計を、可変のY変換によって任意に延伸でき且つ圧縮でき、及びかくして個々の着用状況に適合でき;
−異なる設計(例えば累進帯長が異なる、異なる開始設計)のターゲット値を介在させる必要がなく;
−現存の開始設計即ち基本的設計から、様々な(長い又は短い)累進多焦点ゾーン及び累進帯長の変形例を手早く且つ効率的に生成でき;
−物体距離表面が自動的に適合される場合には、ターゲット屈折力コースの自動適合を行うことができる。
下文において、本発明の好ましい実施例を、添付図面を参照して説明する。
図1は、好ましい実施例による二つの関数を示す図であり、図1aは圧縮を示し、図1bは延伸を示す図である。 図2は、圧縮変換の一例を示す図である。 図3は、累進多焦点眼鏡レンズの主線の例示のコースを示す図である。 図4は、例示の開始設計の図である。 図5は、例示の個々の眼鏡レンズ設計の図である。 図6は、所望の周辺状態及び/又は変換及び/又は基準点の位置を入力し又は特定するための例示の入力又は使用者インターフェースの図である。 図7は、着用位置での累進多焦点眼鏡レンズの概略図であり、図7aは従来の累進多焦点眼鏡レンズであり、図7bは好ましい方法に従って計算し最適化した眼鏡レンズである。 図8aは、開始設計の等屈折力線の図である。 図8bは、本発明による個々の設計の等屈折力線の図である。 図9aは、図8aに示す基本的設計の等非点収差線の図である。 図9bは、図8bに示す個々の設計の等非点収差線の図である。 図10は、個々の顧客のパラメータを入力するためのマスク即ちグラフィックユーザーインターフェースの一例である。 図11は、現在の眼鏡に関するデータを入力するためのマスク即ちグラフィックユーザーインターフェースの一例である。 図12は、視認ゾーンの個々の好み及び優先事項に関するデータを入力するためのマスク即ちグラフィックユーザーインターフェースの一例である。 図13は、個々の眼鏡レンズ設計の遠用部基準点及び近用部基準点の位置を示す概略図である。 図14は、視認高さが異なる二つの目の一例である。 図15aは、主視認距離(近)(principal viewing distance near)の概略図であり、図15bは、屈折距離(近)(refraction distance near)の概略図である。 図16は、結果を表示するためのグラフィックユーザーインターフェースの一例である。 図17は、結果及び設計変更及び調整を示す、グラフィックユーザーインターフェースの一例である。 図18は、オーダーフォームの一例である。 図19は、着用者の特定の位置での眼鏡レンズの生理学的及び物理学的モデルの概略図である。 図20a及び図20bは、リスティングの規則(Listing's rule)を考慮していない場合(図20a参照)及びリスティングの規則を考慮した場合(図20b参照)の眼鏡レンズの軸位置の概略図である。 図21a及び図21bは、個々に計算した累進多焦点眼鏡レンズの非永久的スタンピングの二つの例を示す。 図22は、個々に最適化した左側の累進多焦点眼鏡レンズの恒久的エングレービング(engraving) の一例である。 図23は、個々に最適化した眼鏡レンズ用のレンズパケットの一例である。 図24は、レンズパケットで使用された絵文字記載に対するキーである。 図25a及び図25bは、眼鏡着用者の目の前方の個々の眼鏡レンズ(図25a参照)又は標準的眼鏡レンズ(図25b参照)のセントレーションの例である。 図26a、図26b、及び図26cは、個々の眼鏡レンズの屈折。
本発明は、個々の眼鏡レンズ設計、詳細には累進多焦点眼鏡レンズを、一方では技術的に簡単であり及びかくして対費用効果に優れた方法で、及び他方では短時間で特定し、提供できる。詳細には、遠用部基準点及び/又は近用部基準点(distance and/or near reference point)の可変に調節可能な各々の垂直方向位置を持つ累進多焦点眼鏡レンズの設計を提供できる。更に詳細には、唯一の所定の眼鏡レンズ設計から、累進焦点(progression)が長い又は短い変形例を形成でき、これらを、開始設計又は基本的設計の設計特性及び良好な結像特性を失わずに、垂直方向で任意に位置決めできる。
遠用部基準点及び/又は近用部基準点の最適な位置が各々決定された後、遠用部基準点及び/又は近用部基準点が各々に決定された個々の設計が決定される。各々決定された遠用部基準点及び/又は近用部基準点が、個々の眼鏡レンズ設計の計算又は最適化における設計パラメータとして考慮される。下文において、各々画定される遠用部基準点及び近用部基準点を、設計点「遠用部」及び設計点「近用部」と呼び、又は遠用部設計点及び近用部設計点と呼ぶ。
好ましくは、眼鏡レンズ設計のターゲット値は、既存のターゲット値から変換される。即ち、場所yでの新たなターゲット値が、場所y’での元のターゲット値から得られ、詳細には、y’=y−Δy(y)である。
好ましい実施例では、Δy(y)=y0 を使用する。例えば、遠用部において、眼鏡着用者の主視認方向のみがレンズの遠用部基準点から垂直方向にずれている場合、当該眼鏡レンズ設計が眼鏡着用者の用途に良好に適合する。この場合、ターゲット値の垂直方向位置は可変または適合され得るようになっており、即ちΔy(y)=y0 となっている。ここで、y0 は定数である。y0 の正の値は、好ましくは、新たなターゲット値が、元の基準値と比較して上方にシフトしているように見えるということを意味する。
別の好ましい実施例では、Δy(y)=αy+y0 を使用する。これは、ターゲット値を垂直方向に位置決めすることに加え、垂直方向に延伸したり圧縮したりする場合に特に有利である。更に詳細には、設計は、定数α>0で延伸し、α<0で圧縮する。
別の好ましい実施例では、Δy(y)=f(y)+y0 を使用する。詳細には、導関数f’(y)の正の値は局所的延伸を示し、負の値は局所的圧縮を示す。好ましくは、f(y)は単調であり、更に好ましくは、|f’(y)|は、累進焦点ゾーンにおいて、近用部及び遠用部におけるよりも、即ち近用部ゾーン又は遠用部ゾーンにおけるよりも大きい。これは、延伸及び圧縮によって更に大きな影響を受けるようにするためである。
図1は、好ましい実施例による二つの関数f(y)を示す。ここで、図1aは、圧縮を示し、図1bは延伸を示す。
下文において、非限定的な例示の例を、本発明の好ましい実施例で説明する。
例示の方法の第1の好ましい実施例では、遠用部設計点及び近用部設計点の位置、又はこれらの設計点の基本的設計の基準点からの偏差が、眼鏡レンズにおいて決定され及び/又は特定される。更に、この第1実施例の方法は、基準点又は基準点位置の差から、延伸及び圧縮についての簡単であり且つフレキシブルな変換を決定し、計算する工程を含む。以下の説明によって定義されるように、遠用部設計点及び近用部設計点は、詳細には、眼鏡レンズ又は眼鏡レンズ設計の遠用部基準点及び近用部基準点の夫々であると理解されるべきである。
第2の好ましい実施例では、例示の方法は、別の態様として、又は追加として、延伸及び圧縮についての変換を特定する工程を含む。これによって、好ましくは基準点の位置及び遷移が明快に特定される。好ましくは、基準点を主視認点に合わせて調節するため、反復が実行される。
好ましくは、例示の方法は、着用位置の計算において物体距離関数に変換を適用する工程を含む。これによって、物体距離関数の係数が、好ましくは、維持される。別の態様として、又は追加として、方法は、好ましくは、物体距離の逆数(の延伸及び/又は圧縮)を、主視認線S1HBL(y)に沿って、例えば二次元ニュートン反復法(two-dimensional Newton iteration)によって自動的に調節する工程を含む。
好ましくは、例示の方法は、評価点のY変換によって全ての最適化値を決定し、計算し、及び変換する工程を含む。ターゲット値関数(ターゲット非点収差、ターゲット屈折力、重み付け(weighting) 等)は、好ましくは、元のままである。好ましくは、ターゲット非点収差は、詳細には、l/lD の関係に従って基準化される。ここで、lD は、開始設計の累進帯長(progression length)を表し、lは個々のレンズの累進帯長を表す。これは、ミンクウィッツ(Minkwitz)のセンテンスを特に好ましい方法で考慮に入れており、これに従って、水平方向における非点収差の増大が、累進帯長(progressive zone length) の変化に従って変化する。好ましい実施例では、ターゲット非点収差の値が再び基準化される。別の好ましい実施例では、非点収差記載関数(astigmatism-describing function) の係数が一致する。
次いで、所定の眼鏡レンズ設計をベースとした眼鏡レンズの最適化を、様々な周知の確立されたソフトウェアツールによって実行する。
下文において、変換又は変換関数の別の好ましい特徴を、本発明の好ましい実施例に従って例示する。好ましくは、以下の式19による二重漸近線をf(y)として使用する。
Figure 2010517086
これにより、好ましい変換関数として以下の式20が得られる。
Figure 2010517086
ここで、yは、新たな眼鏡レンズ設計の座標であり、ターゲット値の特定の値が割り当てられるべきであり、y’は、不変ターゲット値関数が評価されるべき独立変数である。係数cの値が大きければ大きい程、近用部漸近線から遠用部漸近線までの遷移が速くなる。m=1の場合、関数は、y=−dに関して点対称である。即ち、以下の対称性があてはまる。
f(−d−y)−f(−d)=−(f(−d+y)−f(−d))
cが負であるように選択された場合には、
b =小さいyについての値(近用部漸近線)
b+a=大きいyについての値(遠用部漸近線)である。
かくして、眼鏡レンズの上部分では、a+bのyシフトを得る。下部分では、同様に一定のyシフトを得るが値bは得ない。この他の係数c、d、及びmが均等かつ穏やかな遷移を制御する。係数mを適正に選択することによって、遠用部漸近線から近用部漸近線までの遷移が特定される。設計特性を得るため、特に汎用レンズにおいて、m≒1の値が有利である。
初期値からの係数の計算。
F 個々の眼鏡レンズの遠用部設計点
N 個々の眼鏡レンズの近用部設計点
FD 開始設計の遠用部基準点
ND 開始設計の近用部基準点
D =yFD−yND 開始設計の累進帯長
l=yF −yN 個々の眼鏡レンズの累進帯長
所与の係数を有する延伸変換の一例を図2に示す。延伸変換の形態及びその係数を図2から直接得ることができる。
係数mが対称性を制御する。図2では、m=1である。
変換が直接的に特定される場合には、係数a、b、c、d、及びmは変換について簡単に特定され、次いで、その基準点が式1乃至式7のうちの一つによる変換に従って決定される。
遠用部設計点及び近用部設計点の位置又は基本的設計の基準点からのこれらの偏差を特定する場合、変換係数を決定する上で様々な可能性を使用できる。以下に二つの好ましい変形例を説明する。
Figure 2010517086
この場合、好ましくは、値εが特定される。これは、ファクタ1εを決定する。これによって、遠用部漸近線と近用部漸近線との間の距離aが、累進帯長の変化(代表的な値は、例えばε=0.01である)を越える。この場合、残りの係数は、好ましくは、以下の式21に従って決定される。
Figure 2010517086
b)m及びdは、任意に設定される。
この場合、cもまた特定され、a及びbは、好ましくは、ニュートン反復法によって数値的に決定される。この場合、y0 =yF −yFDに関して、以下の式22に従う変換の一つが近用部基準点及び遠用部基準点を満たすよう、すなわち以下の式23を満たすよう、a及びbが決定される。
Figure 2010517086
ここで、f(y)は、式1乃至式7のうちの一つによる、とりわけ式1による関数である。
下文において、主視認線S1HBL(y)=S1(x=x0(y),y)に沿った物体距離の逆数(reciprocal object distance)の、好ましくは自動的に行われるマッチング(延伸及び/又は圧縮)を、好ましい実施例に従って更に詳細に説明する。詳細には、好ましくは、S1(x=x0(y),y)=S1(u0,y) が真である。ここで、x0(y) は、主視認線上の一つの点の水平方向座標である。
例えば、以下のガウスのレンズ公式が基礎となっている。
Figure 2010517086
眼鏡レンズの遠用部から主視認線に沿って近用部を見たとき、各点に対して式25の概算が適用される。
Figure 2010517086
ここで、F 眼鏡レンズの屈折力
1 物体距離の逆数
S'1像側頂点長さの逆数。通常は0又は−Akk(y)となっている(眼に適合する)
レンズの最適化中に眼鏡レンズの屈折力のコース(course) を、好ましくは、上述の延伸及び圧縮と対応して眼鏡レンズの基準点の新たな位置に自動的に適合させるため、関数S1(u0,y) を対応して同様に変化させる。好ましくは、S1(u0,y)は自由に設定されるのでなく、設計特性を維持するために適切な関数によって設定される。開始レンズ(設計入力)の物体距離の逆数を、以下のように、二重漸近線関数の形態として記述するのが有利である。
Figure 2010517086
簡単なニュートン反復法によって(例えば、「数値レシピ」ISBN052138330に従って)、係数cS 及びdS だけを決定する。この場合、新たな基準点の変更された係数におけるS1 の値が、元の基準点の元の係数におけるS1 の値と正確に対応するよう、係数が決定される。
着用位置の計算において、(物体距離関数の係数を維持しながら)物体距離関数に変換を適用することと比較して、この方法は、物体距離関数を変更することにより、物体距離関数にアクセスすることができ、かつ、最適化プログラムの外側に既に存在することができる全ての計算プログラム及び評価プログラムをいつでも使用できる(例えば、製造についてのターゲット値計算、ターゲット値及び実際の値の比較、等)という点で有利である。
本発明の好ましい実施例のこの他の特徴及び利点は、更なる添付図面から理解される。
図3は、例示の眼鏡レンズについての主線HLのコースを示す。更に、遠用部基準点及び近用部基準点の各々を円で示す。BF は遠用部基準点を示し、BN は近用部基準点を示す。
図4は、屈折力を有する眼鏡レンズの例示の開始設計(基本設計又は初期設計ともいう)を示す。
度数(sph)=0.0D
乱視度数(cyl)=0.0D
軸線(A)=0°
プリズム(Pr)=0cm/m
プリズムベース=0°
加入度数(add)=2.0D
ここで、ターゲット非点収差についての等非点収差値(isoastigmatism value)が特定の開始設計に従って示されている。
この設計についての遠用部基準点(BF )及び近用部基準点(BN )の各々が円で示されている。BZ は、フィッティング(fitting) すなわちセントレーション点(centration point)を示す。
図4に類似しているが、図5は、本発明の好ましい形態による方法に従って図4の開始設計から決定された例示の眼鏡レンズ設計を示す。詳細には、図2に例示的に示されている以下の変換に従って、変換が実施されている。
Figure 2010517086
この変換は、少なくとも部分的に、累進帯長またはコリドー長(corridor length)が減少するよう圧縮を含む。
図4及び図5では、点Sは、開始設計の一つの点を示す。上文中に説明したように、点Sは、導かれた設計の点S’に変換される。
好ましくは、累進帯長は、少なくとも14mm乃至18mmの範囲内で変化できる。
更に、ターゲット値及びモデルを決定し提供するための最適化ツールが提供される。この最適化ツールは、もっともらしさ(plausibility)についての注文されたパラメータをチェックするためのチェックモジュールを含む。
図6は、基準点の所望の限界条件及び/又は変換及び/又は位置を入力し特定するための例示の使用者入力インターフェース10を示す。
使用者入力インターフェース10は、例えば屈折によって決まる、眼鏡レンズの度数、乱視度数、及びプリズム屈折力(球面、円柱、軸線、加入度数、水平方向プリズム、垂直方向プリズム、プリズム及びベース)のターゲット値を入力するための第1区分12を備える。全てのデータは、好ましくは、眼鏡レンズの着用者の位置に関する。
更に、使用者入力インターフェース10は、フレーム及びセントレーション値(瞳孔間距離、角膜頂点間距離、眼回旋点距離、眼回旋点(x、y、及びz座標)、ゼロ視認方向とz軸との間の角度、偏心(x、y、及びz座標)、等)を入力するための区分14を備える。
図7a及び図7bは、着用位置での眼鏡レンズの例示の断面を示す。ここでは、セントレーション点は、眼鏡着用者のゼロ視認方向で瞳孔の中心に配置されている。この眼鏡レンズの度数は0.00Dであり、加入度数は2.00Dである。図7a及び図7bは、更に、眼鏡レンズの主線に沿った夫々の屈折力のコースを示す。
図7aは、従来技術の眼鏡レンズを示し、図7bは遠用部基準点及び近用部基準点の各々の位置を持つ眼鏡レンズを示す。図7bに示す眼鏡レンズの遠用部基準点BF は、図7aに示す眼鏡レンズの遠用部基準点BF よりも5mm下方に配置されている。Z’は眼回旋点を示す。
図4及び図5に類似しているが、図8及び図9は、本発明の好ましい実施例による変換についての別の実施例を、等非点収差の図(図9参照)及び屈折力の等高線(図8参照)に基づいて示すものである。ここには、基本設計(図8a及び図9a参照)及びこれから得られた個々の設計(図8b及び図9b参照)が示してある。
図3、図4、及び図5、及び図8及び図9における座標系は、上文中に定義した座標系となっている。これらの図では、座標原点は、未加工の丸味を帯びた眼鏡レンズの幾何学的中心と一致する。
本発明のこの他の実施例、利点、及び特徴は、添付の例示の非限定的説明稿から理解されよう。
下文において、個々に決定できる遠用部基準点及び近用部基準点を、夫々、設計点「遠用部」及び設計点「近用部」と呼ぶ。詳細には、個々に決定された遠用部基準点即ち設計点「遠用部」は、眼鏡着用者を彼らの遠方視力(distance vision) を最適に補正する点と対応し、これは眼鏡着用者の個人的着用習慣と対応する。個々に決定された近用部基準点即ち設計点「近用部」は、眼鏡着用者の近方視力タスク(near vision task)を最適に補正する点と対応し、彼らの視界を彼らにとって快適な方法で下げることができる。
従来の累進多焦点眼鏡レンズ(多焦点レンズ)は、通常は、累進前面(progressive front surface) を有し、眼側の処方面は、注文を受けた後に製作される。ベース曲線システムによる製作では、限られた数(例えば72個)の累進表面(progressive surfaces)を使用する。これらの累進表面は様々な視力補正用であり、予め製作されており、及びかくして標準化されている。しかしながら、これらは各屈折力に別々に適用されるのでなく、屈折力範囲の特定のスペクトルに適用される。累進表面の最適化は、ベース曲線毎の平均屈折力即ち屈折力範囲について行われる。最適化した屈折力から屈折データが外れている場合には、使用可能な視認ゾーンが制限される。
従来の累進多焦点レンズでは、度数、乱視度数、中心軸、又は更にプリズム及びベースにおける注文された屈折力の、ブランクの下にある計算からの小さなずれが、設計が残るという可能性を制限し、そのような小さなずれが、使用者に不快感をもたらしうる。更に、従来の累進多焦点レンズの最適化は、標準値に基づいてのみ行われている。これは、多くの場合、レンズ、フレーム、及び眼鏡着用者の顧客データの個人的特質を満足しない。
屈折力を最適化した累進多焦点レンズでは、従来の累進多焦点レンズの欠点が、各屈折力の組み合わせについてオンラインで個々に最適化した非球面又は非トーリック処方面(atoric prescription surface)によって取り除かれる。フライフォルムテクノロジー(Freiformtechnologie、自由形態の技術)により、度数を最適化した累進多焦点レンズを製作できる。計算及び製作ノウハウにより、個々の累進多焦点レンズを自由形態の技術で製作できる。
更に、個々の処方(度数、乱視度数、中心軸、加入度数、プリズム、ベース)及び眼鏡着用者の目の前方における個々の位置(CVD、FFA、前方傾斜、瞳孔間距離)を考慮して最適化及び計算を行うことができる個々の累進多焦点レンズが周知である。
個々の累進多焦点レンズの第2群は、様々な方法で、例えば眼鏡着用者の個人的挙動又は彼らの好み等の個人に合わせて製作された累進多焦点レンズである。しかしながら、これらの累進多焦点レンズは、個々のパラメータを考慮しないか或いは部分的にしか考慮しない。これらの累進多焦点レンズは、標準的人相モデル (physiognomic standard model)に基づく。標準的人相モデルは、通常は、実際の情況と対応せず、及びかくして光学的偏差及び/又は性能低下をもたらす。
しかしながら、全ての場合において、累進多焦点眼鏡レンズの設計は、これまでは、固定的に定義されてきた。本発明の好ましい方法では、眼鏡レンズ設計を顧客の必要に合わせて、個々の顧客のパラメータ(例えば、瞳孔間距離(PD)、角膜頂点間距離(CVD)、フレーム形状、前方傾斜(FI)、顔が形成する角度(face form angle)、遠用部基準点及び/又は近用部基準点の各々の位置、個々の近方距離、等)を考慮して注文製作できる。
好ましくは、本発明の好ましい方法では、個々の設計を計算するため、及び眼鏡レンズを製造するため、顧客の視認経験及びニーズすなわち視界のニーズを考慮に入れる。かくして、例えば顧客(眼鏡着用者)の協力で、眼鏡製造業者の技術的ノウハウを使用して個々の累進多焦点眼鏡レンズを形成できる。好ましくは、従来のモデルの利点及び欠点を考慮に入れる。
空間位置の計算又は最適化、とりわけ遠用部基準点及び/又は近用部基準点の垂直方向位置及び/又は水平方向位置の計算又は最適化において、ローデンストック社の3Dビデオセンタリング装置インプレッションIST等の適切な3D計測装置によって自動的に決定される、又は従来の計測工具で決定される個々のパラメータ(例えば、瞳孔間距離PD、角膜頂点間距離CVD、前方傾斜FI、顔が形成する角度FFA等)を考慮する。
個々のパラメータは、以下の範囲で変化してもよい。
瞳孔間距離(PD):30mm乃至80mm
角膜頂点間距離(CVD):3mm乃至50mm
前方傾斜(FI):−10°乃至+20°
顔が形成する角度(FFA):−10°乃至+35°
更に、個々のパラメータに加え、眼鏡着用者の空間的視認習慣を考慮してもよい。
図10、図11、及び図12は、個々の顧客パラメータを入力するためのグラフィックユーザーインターフェースを示す。
例えば、第1マスク即ちグラフィックユーザーインターフェース(図示せず)では、顧客についての情報(例えば、氏名、連絡アドレス、選択したフレーム、等)を入力でき、又はデータベースから読み出すことができる。適切なトレーサ(例えば、ローデンストック社のインプレッションIST)によって直接計測できる、又はデータベースから検索できる、選択されたフレームを表示することもできる。
図10は、眼鏡着用者の個々のデータ(処方値)を入力するためのマスク即ちグラフィックユーザーインターフェース120の一例を示す。個々のデータは、マスク即ちグラフィックユーザーインターフェースの対応する入力場又は区分に直接的入力してもよいし、データベースから検索してもよい。背景が灰色のフィールドは、計算が自動的に行われ、データがプログラムによって入れられる。
図10に示すグラフィックユーザーインターフェース120は、
−「屈折データ」区分(区分122)であって、度数「sph」、乱視度数「cyl」、軸線、プリズム、ベース等の個々の屈折データを入力するための入力場を含む「屈折データ」区分と、
−「個々のパラメータ」区分(区分124)であって、眼鏡着用者の目及び/又は着用者の個々の位置に関する個々のパラメータ(瞳孔間距離(PD)、角膜頂点間距離(CVD)、前方傾斜(FI)、顔が形成する角度(FFA))を入力するための入力場を含む「個々のパラメータ」区分と、
−「フレーム及びセントレーションデータ」区分(区分126)であって、フレーム及びセントレーションデータ(フィッティング高さ、レンズの水平方向大きさ、レンズの垂直方向大きさ、レンズ間距離「AZG」)を入力するための入力場を含む「フレーム及びセントレーションデータ」区分と、
を備えている。任意ではあるが、ボックス寸法に適合した眼鏡のセントレーションを表示するためのディスプレー区分(区分127)をさらに備えていてもよい。
フレームデータを対応する入力場に入力できる。これらの値は、フレームが例えばトレーサによって、又はフレームのリストから選択された場合、自動的に入力される。セントレーションデータは、任意であるが、3Dビデオセンタリングシステム(例えば、ローデンストック社の3Dビデオセンタリングシステム)から直接適用される。「ボックス寸法への適合」機能により、フレームを、変化可能なフレームデータに合わせることができる。
「フレーム及びセントレーションデータ」区分即ち区分126では、例えばトレーサによって予め適用された又は計測されたフレームがない場合、フレームをデータベースから選択できる。詳細には、オープニングポップアップウィンドウのリストからフレームを選択できる。好ましくは、形状及びフレームデータも同時に表示される。選択は、確認することによって適用される。更に、多くの様々なフレーム形状(「おおまかな形状」)から適切なフレームを選択できる。ここでは、別のポップアップウィンドウを開き、一般的な形状の選択からフレームを選択できる。
図10に示すグラフィックユーザーインターフェース120は、更に、区分即ち入力場「インセット」(区分132)を含む。眼鏡着用者が、近方視力に標準的な場合からずれた収束挙動を持つ場合、入力場「インセット」における初期値を適切に変化させることができる。好ましくは、インセット値は、個々の顧客パラメータを考慮して計算される。
更に、グラフィックユーザーインターフェース120は、「設計パラメータ」区分即ち区分134を含む。この区分には、
−屈折力の決定における個々の近方距離(屈折距離(近方))、
−主視認距離(近方)、及び
−個々の加入度数(addition power)
を入力するための対応する入力場がある。
個々の近方距離に関するデータが入力されず、2.5Dの最大加入度数が仮定された場合、屈折力の決定において個々の近方距離が40cmとなる。換言すると、注文された加入度数が40cmに決定されたと仮定され、眼鏡着用者の主視認距離がこの距離であると仮定される。加入度数がこれよりも高い場合には、加入度数の逆数が最大近方距離と対応する。二つの入力場「屈折距離(近方)」及び「主視認距離(近方)」が埋められた場合、値は夫々の他の距離について真であり続けるものと仮定される。インセット及び非点収差を主視認距離(近方)について計算する。
屈折距離「近方」及び主視認距離「近方」についての様々な値が対応する入力場に入力されると、主視認距離についての個々の加入度数も自動的に計算される。個々の加入度数が送出範囲(delivery range)(0.75D乃至3.50D)の外側にある、又は注文された加入度数から0.5D以上ずれている場合、個々の加入度数が表示される。

注文された加入度数(屈折力)=2.00D、主視認距離(近方)=30cm、屈折距離(近方)=40cmとなっている。2.00Dの注文された加入度数は、30cmとして最適化され、加入度数が適合される。インセットに加え、斜め入射の場合の非点収差が所望の主視認距離について補正される。
ここで、一つの距離(主視認距離又は屈折距離)だけが特定された場合、注文された加入度数が与えられた距離と関連していると仮定される。この場合、加入度数の適合は行われず、眼鏡レンズ設計又は眼鏡レンズが、特定された近方距離における注文された加入度数について計算され、最適化される。近方距離(主視認距離又は屈折距離)が特定されていない場合、屈折が40cmで実施され、この屈折距離が近方視力における主視認方向と対応していると仮定される。この場合、加入度数の適合は行われず、眼鏡レンズ設計又は眼鏡レンズが、注文された加入度数について40cmで計算され、最適化される。通常、製造者から得られる加入度数は、0.75D乃至3.5Dの範囲内となっている。以下の簡単な計算に基づき、眼鏡製造業者は、眼鏡レンズが入手可能であるかどうかをチェックできる。
Figure 2010517086
ここで、
IZ は、個々の加入度数(D)であり、
Add は、加入度数(D)であり、
RDN は、屈折距離(近方)の量(m)であり、
MVDNは、主視認距離(近方)の量である。

(入手可能)
加入度数屈折(addition refraction)=1.75D
屈折距離(近方)=40cm
主視認距離(近方)=30cm
IZ=1.75D−2.50D+3.33D=2.58D
(入手不可能)
加入度数屈折(addition refraction)=2.00D
屈折距離(近方)=40cm
主視認距離(近方)=20cm
IZ=2.00D−2.50D+5.00D=4.50D
以上の計算において、近方距離の変化による調節の大きさ(Amplitude of accomodation) の変化は生じないものと仮定されている。しかしながら、これは、単に近似を表すに過ぎない。
図10に示すグラフィックユーザーインターフェース120は、更に、区分、即ち入力場「ベース曲線」(区分135)を含む。この区分には、選択されたフレームに最もよく適合するベース曲線を入力できる。詳細には、眼鏡フレームの曲げに応じてずれているベース曲線を入力でき、眼鏡レンズの最適化でこれを考慮できる。プログラムは、夫々の屈折データ及び夫々のベース曲線のニーズについて、最もよく適合できる曲げ即ちベース曲線を自動的に計算する。プログラムによって計算されたベース曲線は、入力場「ベース曲線」に入力されたベース曲線と異なっていてもよい。好ましくは、平面及び凸面が後側即ち強く湾曲した後面に生じていないことについて、入力又は注文されたベース曲線が自動的にチェックされる。このような平面及び凸面は、詳細には、縁部の厚さを非常に大きなものとしてしまうものである。
図11は、現在着用されている眼鏡に関する個々のデータを入力するためのマスク即ちグラフィックユーザーインターフェース140を示す。
前のレンズの情報が、わかっていれば、このマスクに入力される。例えば、リスト142(「レンズの種類」)から、顧客が単焦点レンズ、多焦点レンズ、又は累進多焦点レンズを持っているかどうか、又は顧客の最初の眼鏡レンズであるかどうか(前に眼鏡レンズを持ったことがないかどうか)が選択される。累進多焦点レンズが着用されていた場合には、例えば材料、屈折力、及び/又は累進帯長についての更なる情報が例えばポップアップメニューで形成される。更に、選択された以前の製品に基づいて、累進多焦点眼鏡レンズの累進帯長が自動的に入力され、又は手作業で入力される。詳細には、前の眼鏡レンズの累進帯長は、例えば、「標準」又は長累進帯長又は短累進帯長(「XS」)として大まかにクラス分けされる。
以前のレンズの加入度数がわかっている場合、加入度数が専用の入力場144「以前のレンズの加入度数」に入力される。かくして、以前のレンズの加入度数が新たな加入度数と比較される。加入度数が0.5D以上増大する場合、加入度数の増大の特殊性を指摘する注釈(note)場(例えばポップアップウィンドウ)が立ち上がってもよい。
図12は、個人の好み及び視認ゾーンの重み付けに関するデータを入力するためのマスク即ちグラフィックユーザーインターフェース146(「設計プロファイラー」)の一例を示す。
眼鏡着用者が設計プロファイルを選択するとき、遠方、中間距離、及び近方並びに眼鏡着用者の活動についての五つの異なる絵文字記載が、各々、眼鏡着用者が重きを置くゾーンを象徴的に表す。これらの絵文字記載は、夫々の距離ゾーンの例として役立ち、その距離についての可能な活動の小さな選択を表すに過ぎない。点が割り当てられることにより、ゾーンに重きが置かれる。
特定の例では、全部で九個の点が、四つの異なるゾーン(遠方、中間距離、近方、及び活動)に対して割り当てられる。各距離ゾーンが顧客にとって重要となり、顧客の活動が所定のゾーンに分類されるほど、このゾーンにより多くの点が割り当てられる。ゾーン毎の点の数、及び点の総数を制限してもよい。例えば、一つのゾーンに最大五個の点が割り当てられるが、点は全部で九個を越えない。
割り当てられた点が、眼鏡着用者個人の設計プロファイルを決定する。簡単に述べると、所与の全ての点に関し、遠方に割り当てられる点が多くなればなる程、個々の遠用部基準点が低くなり、所与の全ての点に関し、近方に割り当てられる点が多くなればなる程、個々の近用部基準点が高くなる。活動及び中間距離視力についての点は、主として、累進帯長に影響を及ぼし、及びかくしてどれ程歪みがない眼鏡レンズであるかを決定する。同じ数の点が各ゾーンに割り当てられた場合には、バランスがとれた汎用設計と対応する。
図13は、個々の眼鏡レンズ設計148の遠用部基準点及び近用部基準点の位置を示す。遠用部基準点(ゾーン150)及び近用部基準点(ゾーン152)を配置できるゾーン(150及び152)は、灰色の背景を有する。セントレーション点即ちフィッティング点の位置は、十字形即ちクロス154(セントレーションクロス)によって示されている。遠用部基準点は、二つの括弧156の中間にある。近用部基準点は、近用部計測円158の中にある。
遠用部基準点の垂直方向高さは、好ましくは、眼鏡着用者の個人データに応じて、製造者がこの眼鏡レンズについて設定したセントレーション点即ちフィッティング点に関して+4mm乃至−4mmの範囲内で自在に決定される。近用部基準点は、好ましくは、セントレーション点即ちフィッティング点の垂直方向下方に13mm乃至20mmの間で自在に決定される。これによって、累進帯長を自在に選択でき、これは、好ましくは、最小値が13mmとなり、最大値が24mmとなっている。好ましくは、遠用部基準点及び近用部基準点は、許容可能な範囲内において0.1mm刻みで自由に決定される。例えば遠用部基準点が−4mmの垂直方向高さにシフトされる場合、近用部基準点の垂直方向高さは、少なくとも−17mmとなっている。遠用部基準点が+4mmまでシフトされる場合、最小の累進帯長は17mmとなっている。これは、近用部基準点が、好ましくは、−13mmよりも大きくシフトされないためである。
フレーム下縁から近用部基準点までの垂直方向最小距離は、好ましくは2mmである。遠用部基準点は、好ましくは6mm、更に好ましくは8mmのフレーム上縁からの垂直方向最小距離を有している。許容可能な最大累進帯長は、フレームの上縁及び下縁の夫々からの遠用部基準点及び近用部基準点の許容可能な最小距離を用いて計算される。累進帯長は、遠用部基準点と近用部基準点との間の垂直方向距離と定義される。
累進多焦点レンズの設計点をシフトすることによって得られる効果は、以下の表1からわかる。
Figure 2010517086
遠用部基準点及び近用部基準点の位置は、好ましくは、左右の眼鏡レンズについて同じである。しかしながら、視認高さ(visual heights)が異なる場合には、一方の目の視認ゾーンに悪い影響が及ぼされる。両眼の視認ゾーンに対して完全に使用する場合には、セントレーション点からの近用部基準点の夫々の比較的小さな垂直方向距離を選択し決定するのが有利である。
図14はこの関係を示す。図14では、
F1L,R は、左(L)右(R)の眼鏡レンズの「セントレーション点−フレーム上縁」の垂直方向距離を示し、
F2L,R は、左(L)右(R)の眼鏡レンズの「下部セントレーション点−フレーム下縁」の垂直方向距離を示す。
図14では、セントレーション点と遠用部基準点とが一致している。近用部基準点の適切な垂直方向位置がフレーム下縁に基づいて選択される場合、右眼についてはセントレーション点からの近用部基準点の垂直方向距離が−18mmとなり、左眼については−17mmとなる。この場合、より小さな距離を選択し決定するのが好ましい。
屈折の決定における物体距離「遠方」及び「近方」についてのデータが、計算又は最適化で考慮される。かくして、実際の着用情況に対応するビーム経路が更に正確にシミュレートされ、従って、結像品質が改善される。
詳細には、レンズの計算を行うとき、眼鏡レンズの着用者の実際の位置における近方視力の主視認距離を考慮に入れることができる。図15aは、眼鏡レンズの実際の着用位置での近方視力における主視認距離を示し、図15bは、屈折決定での屈折距離(近方)即ち近方距離を示す。
一般的には、加入度数は、40cmの近方屈折距離(最大2.50Dの加入度数に適用され、更に高い加入度数については、加入度数の逆数があてはまる)で決定されたものと仮定されている。これは、40cmの近方視力における主視認距離に対応すると仮定されている。近方視力における主視認距離が近方屈折距離に対してずれている場合、個々の眼鏡レンズ設計がこの主視認方向について最適化される。
遠用部基準点及び近用部基準点の各々の最適な位置が眼鏡着用者の個々のデータに基づいて決定される場合、このようにして決定された遠用部基準点及び近用部基準点の位置に対応するとともに、眼鏡着用者の別の個々のパラメータが任意に考慮された眼鏡レンズ設計が、自動的に計算される。
図16に示すように、結果(推奨設計)を表示するため、設計の提案が適切なグラフィックユーザーインターフェース160Aによって視覚化される。設定における選択に応じて、追加のグラフィックユーザーインターフェース160B(設計チューナー)が示されていてもよい(図17参照)。これによって、結果の表示に加え、使用者には、遠用部基準点及び近用部基準点の各々の位置を変えることによって、及び/又は眼鏡着用者の個人データ(詳細には、好み、フレームのデータ、等)を変えることによって、設計を積極的に変更する可能性が与えられる。更に、適切なグラフィックユーザーインターフェース(好ましくは、立体的モジュールの形態のインターフェース)によって眼鏡レンズの対応する幾何学的データ(中央部の厚さ、縁部の厚さ、ベース曲線、重さ)が計算され且つ視覚化される。
グラフィックユーザーインターフェース160A及び160Bは、二つの領域に分けられる。上領域162には、提案された個々の眼鏡レンズ設計に関する「視認」及び/又は「性能」についての情報が示され、下領域164には、個々の眼鏡レンズ又は眼鏡の「外観」及び「形状」についての情報が示される。
「外観」の領域164には、特に、美容的特性及び縁のある眼鏡レンズの眼鏡レンズの美観に関するデータ(例えば、重さや、製造高さ、縁部の最大の厚さ、中央部の厚さ、ベース曲線、等の幾何学的データ)が視覚化され且つグラフィックで示される。眼鏡レンズの美容的特性の視覚化は、例えば図16及び図17に示すように、例えば、決定された幾何学的データによる眼鏡レンズ166のモデルを3Dグラフィックで表示することによって行われる。眼鏡レンズの美容的特性の表示は、ベース曲線及び屈折率の選択によって影響を及ぼされる。選択を、倍率(power)に応じて行なってもよい。
更に、「外観」164の領域は、製造高さ、縁部の最大の厚さ、中央部の厚さ、重さ、縁のあるレンズのベース曲線等の眼鏡レンズの幾何学的特性に関する数値が示されるサブ領域168を含んでいてもよい。これらの値は、レンズの実際の幾何学的データから任意にずれている概算値であってもよい。エングレービングに加え、個々に決定された遠用部基準点及び近用部基準点がマーク点として示されてもよい。
縁取られた眼鏡レンズの図169が、適切なボタンによって、様々な静的斜視図(上方からのフレーム、前方からのフレーム、側方からのフレーム、斜め方向上方からのフレーム)で示される。更に、アニメーションボタンを押すことによって、縁のある眼鏡レンズが、選択された図で動的に回転させられる。更に詳細に見るため、対応するボタンによって画像が拡大されてもよい。
更に、「外観」164の領域は、屈折率に関する数値を表示するための区分170及びベース曲線を表示するための区分(区分172)を含む。ベース曲線及び屈折率についての表示された値は、屈折力範囲、必要な直径、所望のベース曲線、及び屈折のデータを含む。従って、「注文値」のマスクに入力された所望のベース曲線からのずれが可能である。レンズのベース曲線及び屈折率についての技術的に実現可能な値を、対応する選択場を介して変更できる。初期のベース曲線、屈折率、等の変更が行われる場合には、「リフレッシュ」ボタンを押すことによって、グラフィック図及び幾何学的データを、変更値に従って再び計算できる。
眼鏡レンズの美容的特性の視覚化に加え、眼鏡レンズの光学的特性(視認ゾーン、詳細には個々の視認ゾーンの空間的位置及び大きさ)の視覚化が行われる。視認ゾーンの大きさの表示は、処方データに対してのみ行われ、起こりうる材料依存(possible material dependence)は考慮されない。勿論、これについて材料依存の配慮を行ってもよい。「外観」の視覚化に加え、眼鏡レンズを通した「見え方(Viewing)」 の視覚化も行われる。これについては、詳細には、見え方の快適さ(例えば、下転、ロッキング、周囲視野、歪み、等)の視覚化を行ってもよい。
更に、個々の眼鏡レンズの視認ゾーン、見え方の快適さ、及び/又は美容的特性、及び美観に関する性能値の適切な表示を行ってもよい。更に、別の設計的提案の性能値を表示してもよい。
従って、グラフィックユーザーインターフェース160A及び160Bの「視認」領域162は、常に幾つかのサブエリアに分けられる。
領域162の「双眼視認ゾーン表示」のサブエリア174では、顧客及び特定されたフレームにとって理想的な設計が楕円で概略に示されている。灰色領域は収差を含む(例えば、着用位置での非点収差が0.5Dよりも大きい)。更に、0.5−Dの等非点収差線が、任意に示されていてもよい。遠用部基準点及び近用部基準点の垂直方向高さは、各々、線175、176(任意に異なる色が付けられる)によって特徴付けられる。領域162のサブエリア177には、遠用部基準点及び近用部基準点の空間位置(詳細にはセントレーション点に関する垂直方向高さについての位置)についての数値が示されている。
領域162のサブエリア178「設計プロファイル」では、視認ゾーンの大きさの互いに関する定性的比較が、例えば様々な長さのバーの形態で示されている。ここでは、Fは、遠用部ゾーンを示し、Zは中間ゾーンを示し、Nは近用部ゾーンを示す。夫々のバー又はスライドの長さは、対応する遠用部ゾーンと関連した性質の夫々の設定と相関している。設計プロファイルにおける長さは、以前のマスクの値から得られたるため、顧客が予め行った好みや重み付けからずれている場合がある。更に、個々の眼鏡レンズを通した動的視覚的印象(dynamic visual impression) の定性的評価を表示できる。動的視覚的印象を表すバー(バー「動的」)が高ければ高い程、累進帯長が長くなり、眼鏡レンズが単焦点レンズと類似し、眼鏡レンズのロッキング効果が小さくなる。
更に、眼鏡製作者及び/又は眼鏡着用者は、眼鏡レンズを積極的に変更し、かくして計算することができる。変更は、例えば、空間位置、詳細には遠用部基準点及び近用部基準点の垂直方向高さを積極的に変えることによって行われる。別の態様では、視認ゾーンの重み付けを変更できる。
遠用部基準点及び近用部基準点及び/又は視認ゾーンに関する好みの位置の変更又は適合は、例えば、グラフィックユーザーインターフェースによって行われる。スライドコントロール180の形態の適切なグラフィックユーザーインターフェースの一例を図17に示す。図17に示すスライドコントロール180によって、遠用部基準点及び近用部基準点の位置の直接的な適合を行うことができる。
遠用部基準点及び近用部基準点の位置を変更した新たな眼鏡レンズ設計は、好ましくは、リアルタイムで計算され且つ視覚化される。好ましくは、新たな眼鏡レンズ設計の、古い眼鏡レンズ設計に関する光学的特性の相違又は変更も視覚化される。
推奨設計(図16参照)において説明した可能性に加え、楕円が、例えば、設計チューナーで次第にはっきりとされてもよく、この楕円は、ボックス寸法および特定されたセントレーションにおいて、おおよその双眼顧客フレームに対応する。更に、提案された個々の設計を、ここでは、例えばスライドコントロールを遠用部基準点及び近用部基準点について上方又は下方にスライドすることによって変更できる。遠用部基準点及び近用部基準点についてディスプレーに表示された注文パラメータでは、基準点の位置についての数値が対応して変化する。更に、遠用部基準点及び近用部基準点についての線が双眼視認ゾーンでシフトする。
推奨設計の灰色の視認ゾーンに加え、好ましくは、着色された(例えば黄色)視認ゾーン線(例えば0.5−D等非点収差線)が表示される。これは、変更した個々の設計を示す。更に、サブエリア設計プロファイル178では、視認ゾーンの互いに関する大きさの関係及びバー「動的」の長さが変化する。「設計プロファイラー」区分の割り当てられた点は、好ましくは、「設計チューナー」区分の変化の影響を受けない。
以下の例は眼鏡着用者について得られた個人データに応じて各々に決定された遠用部基準点及び近用部基準点を有する個々の累進多焦点の設計を示す。
例1:眼鏡着用者が建築家の場合
眼鏡着用者は、広い中間ゾーンが非常に重要であると考え、ロッキングモーションがほとんどない比較的「静かな眼鏡レンズ」を持つことを望む。これは、仕事と関連した理由により、一日の大半で中間ゾーン(中間距離)を使用するためである。眼鏡着用者が現在着用している眼鏡着に関し、眼鏡着用者は、累進帯長が18mmの累進多焦点レンズを着用している。
この眼鏡着用者に関し、選択されたフレーム及び対応するセントレーションについて、プログラムは、遠用部基準点をセントレーション点即ちフィッティング点の上方+2.4cmに設定することを提案する。任意であるが、近用部基準点は、セントレーション点即ちフィッティング点の下方−19mmとなっている。この累進多焦点眼鏡レンズに関し、建築家は、眼鏡着用者の視認習慣について、リラックスした状態の頭部の姿勢と、広い中間ゾーンと、ほとんどロッキングモーションがないことを良好に折衷する。
例2:眼鏡着用者がエディターの場合
眼鏡着用者エディターは、近用部ゾーンが非常に重要であると考え、視野を現在の眼鏡レンズにおけるよりも低くすることを望む。これは、仕事と関連した理由により、一日の大半を近用部ゾーンで仕事を行うためである。現在の眼鏡に関し、累進帯長が18mmの累進多焦点レンズを着用している。この眼鏡着用者に関し、選択されたフレーム及び対応するセントレーションについて、プログラムは、遠用部基準点をセントレーション点即ちフィッティング点の上方1.5cmに設定することを提案する。任意であるが、近用部基準点は、セントレーション点即ちフィッティング点の下方−15.5mmとなっている。かくして、エディターは、広い近用部ゾーン及びリラックスした状態の頭部の姿勢と、広い中間ゾーンとを良好に折衷する。
眼鏡着用者が、中間ゾーン及び近用部ゾーンが広いこと、及びロッキングモーションがほとんどないことが非常に重要であると考える場合には、プログラムは、遠用部基準点を他の入力パラメータに応じて上方にシフトすることを提案する。この場合、遠用部基準点は、セントレーション点即ちフィッティング点の上方にある。屈折データ及び個々のパラメータに応じて、セントレーション点即ちフィッティング点の最大+0.25Dの「ぶれ(burring)」を上げることができる。セントレーション点のこの僅かなぶれに加え、遠用部ゾーンにおける横方向制限も行うことができる。これは、遠用部基準点が上方にシフトされる場合、眼鏡レンズの累進多焦点が早期に始まるため、眼鏡着用者がゼロ視認方向(zero direction of sight) で見るためである。眼鏡レンズの累進多焦点ゾーンの位置が変更されたため、視認ゾーンは、従って、セントレーション点のレベルでより小さくなるかもしれない。これは、周囲収差が「上方」にシフトするためである。しかしながら、遠用部基準点の位置を選択するとき、眼鏡着用者は、眼鏡レンズ設計、即ち、個々の視認習慣に従って設計され、最適化された眼鏡レンズを得る。
例3:眼鏡着用者がフィールドで作業する場合
眼鏡着用者は、広い遠方ゾーンが非常に重要であると考える。これは、仕事と関連した理由により、一日の大半で遠方ゾーンを使用するためである。眼鏡着用者が現在着用している眼鏡の累進多焦点レンズの累進帯長は18mmである。この眼鏡着用者に対し、選択されたフレーム及び対応するセントレーションについて、プログラムは、遠用部基準点をセントレーション点即ちフィッティング点の下方−2.5mmのところに設定することを自動的に計算し提案する。任意であるが、近用部基準点は、セントレーション点即ちフィッティング点の下方−18.4mmのところにある。この累進多焦点レンズに関し、眼鏡着用者は、大きな遠方ゾーンを有するとともに、ほとんどロッキングモーションがなく、かつ及び良好に使用できる中間ゾーン及び近方ゾーンという良好な折衷を有している。
例4:
眼鏡着用者が眼鏡を使用することを必要とする活動及び視力についての質問に関し、例えば以下のプロフィールが得られる。
・いつも車を運転し、テレビを見ている;
・楽器を演奏し、オーケストラのリハーサルに週二回参加する;
・日刊新聞を夕方に読むことを好む;
・例えばジョギングやクラブでのハンドボール等のスポーツを週一回行う。
着用している現在の眼鏡は、通常の累進帯長の累進多焦点レンズを使用している。好みがわからないため、及びこの顧客の活動が遠方ゾーン、中間ゾーン、及び近方ゾーンに等しく分布するため、同数の点が全ての距離及び活動の挙動又は運動に割り当てられる。換言すると、全ての視認ゾーン及び動的挙動又は動的特性に等しく重きが置かれる。特定の例では、図12に示す「設計プロファイル」の全てのゾーンに二つの点が割り当てられる。グラフィックユーザーインターフェースの「推奨設計」では、前のマスクへの個々の入力を考慮した設計結果が表示される。プログラムは計算を自動的に行い、この顧客について、遠用部基準点を0mmに配置し、近用部基準点を−18mmに配置することを提案する。この眼鏡レンズは、累進帯長が18mmのバランスがとれた汎用累進多焦点眼鏡レンズ(例えば、ローデンストック社の「インプレッションILT」眼鏡レンズ)に対応する。これは、設計を選択するとき、遠方ゾーン、中間ゾーン、及び近方ゾーンのうちの一つのゾーンでの任意の活動が強調されないと仮定されるためである。
例5:
眼鏡着用者が眼鏡を使用することを必要とする活動及び視力についての質問に関し、例えば以下のプロフィールが得られる。
・顧客は、遠方視力に乱れがないことが特に重要であると考える。これは、仕事と関連した理由により、一日の大半を車の中で過ごすためである;
・ダッシュボードを明瞭に見る上では、中間距離視力のみを必要とする;
・近方視力は、契約の完了等の短い書き仕事にのみ必要とされる;
・休暇時には、テニスやスカッシュを行うことを好み、眼鏡レンズのロッキングモーションがほとんどないということが特に重要である。
現在の眼鏡では、通常の累進帯長の累進多焦点レンズ(PZL)を使用している。眼鏡着用者の好みは、明らかに遠方視力であり、中間視力及び近方視力は従属的役割を果たす。従って、この例では、遠方ゾーンに四つの点が割り当てられ、中間ゾーン及び近方ゾーンの各々に一つの点が割り当てられる(図12参照)。ダイナミックなスポーツの要件、例えば歪がないこと(freedom of distortion) 及び良好な空間知覚等のため、活動又は運動には、図12に示す「設計プロファイラー」で三つの点で重きが置かれる。グラフィックユーザーインターフェース「推奨設計」では、前のマスクへの個々の入力を考慮した計算結果が表示される。プログラムは計算を自動的に行い、この顧客について、遠用部基準点を−1.1mmに配置し、近用部基準点を−18.5mmに配置することを提案する。近用部基準点の位置及び関連した比較的長い累進帯長のため、眼鏡レンズは、単焦点レンズと類似し、ほとんど歪がない。これは、眼鏡着用者のスポーツ活動によい影響を及ぼす。
例6:
眼鏡着用者が眼鏡を使用することを必要とする活動及び視力についての質問に関し、例えば以下のプロフィールが得られる。
・自動車を運転するときに通常は眼鏡を外しているため、遠方視力が従属的役割を果たす;
・中間距離視力が特に重要である;
・眼鏡着用者は、例えば絵画のスケッチにおける曲線の場合、慣れない歪に対して非常に敏感である;
・仕事の後、探偵小説を読むことを好む;
・ストレスが大きい仕事のため、スポーツ等の活動を行う時間がない。
かくして、この眼鏡着用者にとっての最も重要な距離は中間距離であり、同様に近方視力が重要である。遠方視力及び活動は従属的役割を果たす。従って、図12に示す「設計プロファイラー」で遠方視力及び活動の各々に一つの点が割り当てられ、中間距離に三つの点が割り当てられ、近方視力に二つの点が割り当てられる。グラフィックユーザーインターフェース「推奨設計」では、前のマスクへの個々の入力を考慮した計算結果が表示される。プログラムは計算を自動的に行い、この顧客について、遠用部基準点を+0.7mmに配置し、近用部基準点を−18.5mmに配置することを提案する。かくして最大可能な中間ゾーンが実現する。近用部基準点の位置及び関連した比較的長い累進帯長のため、眼鏡レンズは単焦点レンズと類似し、ほとんど歪がない。これは、眼鏡着用者が絵画のスケッチを行っているときに有利である。
例7:
眼鏡着用者が眼鏡を使用することを必要とする活動及び視力についての質問に関し、例えば以下のプロフィールが得られる。
・遠方視力活動について眼鏡をほとんど使用せず、従って、遠方視力は従属的役割を果たす;
・仕事を行う上で、文献を読むことが特に重要である;
・近方視力の仕事について、快適な下転が重要であると考えている;
・仕事場で比較的同じ姿勢をとるため、ロッキングモーションは従属的役割を果たす;
・時折行うコンピュータ仕事に中間距離視力が必要である。
この眼鏡着用者にとっての最も重要な距離は近方距離である。中間距離も重要である。遠方視力及び活動は従属的役割を果たす。従って、図12に示す「設計プロファイラー」で近方視力に四つの点が割り当てられ、中間距離に二つの点が割り当てられ、遠方視力及び活動の各々に一二つの点が割り当てられる。グラフィックユーザーインターフェース「推奨設計」では、前のマスクへの個々の入力を考慮した計算結果が表示される。プログラムは計算を自動的に行い、この顧客について、遠用部基準点を+0.8mmに配置し、近用部基準点を−17.0mmに配置することを提案する。かくして、顧客の必要に対し、最大可能な中間ゾーン及び近方ゾーンが実現する。近用部基準点の位置のため、近方視力仕事についての快適な下転という眼鏡着用者の望みが個々の累進多焦点レンズで実現される。
「活動選択適用(Apply Active Selection)」ボタンにより、注文にいずれのデータを適用するべきかが決定される。例えば、現在有効な領域(背景にはない)についてのデータが常に適用される。「活動選択適用」ボタンを押した後、結果を記入した注文フォームが印刷される。注文フォームは、例えば色、コーティング、カラーマチック(colorMatic)カラー、計測フレーム等の更なる詳細を記入することにより完成する。更に、個々のデータを記憶でき及び/又は眼鏡レンズ製造者にオンラインで送出できる。
眼鏡着用者の個人データを適切な注文フォームによって得ることができ、これを眼鏡レンズ製造者に伝えることができる。図18は、例示の注文フォームを示す。この注文フォームには、得られた個々の屈折データ(度数、乱視度数、軸線、プリズム、ベース)、フレーム、及びセントレーションデータ、眼鏡着用者の目の個々のパラメータ、及び個々の着用位置(瞳孔間距離、顔が形成する角度、前方傾斜、隔膜頂点間距離、等)、及び任意に更なる個人データが示されている。注文フォームを用いることにより、遠用部基準点及び近用部基準点の位置を、これらの位置が汎用累進多焦点レンズ設計(例えば、ローデンストック社のインプレッション(インプレッション(impression)は登録商標である)又はインプレッションXS(インプレッションXS(impression XS)は登録商標である))の位置と対応するように選択できる。更に、中間累進帯長を16mmと特定できる。別の態様では、遠用部基準点及び近用部基準点の位置が個々のフレームデータ(フレームにより最適化した設計)に応じて特定される。このようにして、例えば、遠用部基準点をセントレーション点上に(即ち0mmに)特定でき、近用部基準点をフレーム下縁の上方2mmのところに特定できる。更に、上文中に詳細に説明したように、遠用部基準点及び近用部基準点の位置を、この他の個人データ(例えば活動の強調及び視認ゾーンに関する好み)を考慮して個々に決定できる。
次いで、個々の眼鏡レンズの計算及び最適化を行う。最適化は、得られた個々のデータの少なくとも一部、詳細には、眼鏡着用者の個々のパラメータ及び着用者の個々の位置に関するデータ(顔が形成する角度、前方傾斜、瞳孔間距離、隔膜頂点間距離、等)を考慮して行われる。
眼鏡レンズの着用状態での画像特性を説明し及び/又は計算するため、幾何光学で、以下の二つの計算方法が周知である。
−光線を用いた計算(光線追跡)(ray tracing)、及び
−波面を用いた計算(波面追跡)(wave tracing)。
「光線追跡」という用語は、光線(ドイツ語(Strahl))及び追跡(ドイツ語(Verfolgung) )から構成されている。幾何光学では、光線追跡法を使用して光学的画像(optical imaging)を説明する。しかしながら、光線追跡によって眼鏡レンズの計算を行うには非常に時間がかかる。これは、実際の光線即ち主光線を除く眼鏡レンズの各点について、眼鏡レンズを通る隣接した光線の「同伴」束もシミュレートしなければならないためである。
好ましくは、波面追跡法によって、詳細には局所的波面最適化(local wavefront optimization)によって個々の眼鏡レンズの計算を行う。波面追跡という用語は、波動(ドイツ語(Welle))及び追跡(ドイツ語(Verfolgung) )から構成されている。光学的画像を説明又は計算する上で、波面を光線のように使用できる。波面は、伝播する波動の同じ位相の表面である。このような波面の各々は、隣接した光線束の全ての特性を単一のオブジェクトで組み合わせる。これによって、計算時間が大幅に減少する。そのため、単一の眼鏡レンズの各々の個々の最適化を行うことができる。詳細には設計点(遠方)及び/又は(近方)が自由に選択されるため、眼鏡レンズの画像特性の分布を、眼鏡着用者の個々の視認習慣に合わせて注文通りに定めることができる。
図19は、眼鏡レンズの生理学的及び物理学的モデルの概略図を示す。無限遠の物体184からの光線は全て平行であり、これが平面波面186に反映するということが図19からわかる。これとは対照的に、近方物体188から来る光線は拡がる。波面190はこれに従って湾曲している。次に、好ましくは球状の前面192と、個々に計算された累進多焦点アトーリック後面194とを有する眼鏡レンズにより、対応する物体184、188が眼200の網膜に鮮明な像を結ぶよう、各波面196、198を眼側で湾曲させる必要がある。理想的には、これらの波面は、眼側で、全ての視認方向について同程度湾曲していなければならない。
眼鏡レンズの計算について、好ましくは、個々に計算されるべき累進多焦点表面のフレキシブル表面設計(flexible surface design) を使用する。この表面設計は、複数の評価点(好ましくは、7000個以上の評価点)を持ち、これらの評価点の各々は、それ自体の局所的波面追跡に割り当てられる。好ましくは、個々の累進多焦点表面は、評価点で評価されたターゲット関数を最小にすることによって、及び生理学的視力モデルを考慮に入れることによって最適化される。このようにして、眼鏡レンズの最適化を、可変のターゲット関数に従って、個々の波面追跡によって、非常に迅速に、及びかくして注文を受け取った後にオンラインで行うことができる。
眼鏡レンズの計算は、好ましくは、高次元空間(highly dimensional space)で2000個以上の最適化パラメータを用いて最適化する工程を含む。このようにして行われるリアルタイムのオンラインでの最適化において、マルチプロセッサメインフレームコンピュータを使用できる。
好ましくは、眼鏡レンズの個々の最適化では、低次の収差(度数、乱視度数、プリズム)ばかりでなく、高次の収差(例えばコマ及び球面収差)も最小化される。これに関し、米国特許第7,063,421 B1号を参照されたい。個々に計算した眼鏡レンズの製作は、例えば、精密機械、好ましくは、計算によって得られた表面データをμm単位の精度で実現できるCNC研削研磨機によって行われる。
好ましくは、個々の眼鏡レンズの最適化において、特に、リスティングの規則(Listing's rule)が考慮される。
図20a及び図20bは、リスティングの規則を考慮していない眼鏡レンズの軸線位置(axial positions)の概略図(図20a参照)及びリスティングの規則を考慮に入れた眼鏡レンズの軸線位置の概略図(図20b参照)である。
周辺視ずれ(peripheral sight deviation)中に眼が僅かな眼球回旋(cycloduction)を行い、即ち眼球が揺れる(eye excursions)ため、眼鏡レンズ全体に亘り、固定された乱視軸(cylinder axis) があってはならず、乱視軸は、水平方向から垂直方向への遷移において変化しなければならない。眼の乱視(屈折により周知)を眼鏡レンズによって良好に補正しなければならない場合には、眼鏡レンズの乱視の軸線位置が、眼がその眼球回旋により実際にとる軸線位置と良好に一致しなければならない。目の軸線位置と眼鏡レンズの軸線位置が一致しない場合、2つの斜めにクロスした乱視が生じる。視線を斜めに向ける場合及び横方向に向ける場合には、眼鏡着用者は非点収差を持ち、これは補正されない。これにより、一つのゾーンで視力が失われる。好ましくは、個々の眼鏡レンズの計算において、歪みの調節が考慮される。リスティングの規則を考慮することは、
−顧客の屈折シリンダーが高ければ高い程、及び/又は
−水平方向移動及び垂直方向移動からの視線のずれが強ければ強い程、及び/又は
−視線のずれが強ければ強い程、又は大きければ大きい程、
益々重要となる。
累進多焦点前面及び球面/トーリック処方面を持つ従来の累進多焦点眼鏡レンズでは、累進多焦点の個々の眼側自由形態面(eye-side freeform surface) を持つ眼鏡レンズとは対照的に、リスティングの規則を適用できない。
更に好ましくは、個々の累進多焦点眼鏡レンズの最適化及び計算において、個々の未加工レンズの偏心(predecentration) が考慮される。かくして、使用可能な直径が拡大する。最適な未加工レンズの偏心が、フレーム及び眼鏡レンズ形状に関するデータ及びセントレーションに関するデータに基づいて自動的に計算される。別の態様では、個々の未加工レンズの偏心を、眼鏡製作者自身によって設定できる。この場合、特殊なセントレーションカードによって決定された所望の直径も考慮に入れることができる。詳細には、最大5mmの未加工レンズの偏心を考慮できる。
個々に計算された眼鏡レンズは、好ましくは、球対称又は回転対称で非球面の物体側前面と、個々の累進多焦点眼側自由形態面とを有する。この累進多焦点眼側自由形態面は、個々に決定された基準点又は設計点(遠方)及び(近方)、個々の屈折データ、眼鏡レンズ着用者の個々のパラメータ、及び着用情況(例えば瞳孔間距離、前方傾斜、顔が形成する角度、角膜頂点間距離、等)に応じて最適化される。
好ましくは、非永久的マーキングによって個々にスタンプすることによって、遠用部基準点及び近用部基準点の各々に印が付けられる。好ましくは、遠用部基準点及び近用部基準点の各々の位置は、眼鏡レンズの永久的マーキング又はマイクロエングレービング、及び再構成規則(テンプレート、セントレーションカード)によって独特に再構成される。
図21a及び図21bは、二つの個々の累進多焦点眼鏡レンズの非永久的スタンピングの例を示す。
本発明の好ましい方法に従って最適化した個々の眼鏡レンズの非永久的マーキング即ちスタンピングは、「移動可能」部分及び「固定」部分を含む。移動可能部分は、遠用部基準点即ち設計点(遠方)の位置をマーキングする二つの括弧202、及び近用部基準点即ち設計点(近方)の位置をマーキングする近用部計測円204を含む。遠用部基準点は、括弧202の中間に位置し、近用部基準点は近方計測円204の中間に位置する。遠用部基準点及び近用部基準点の位置に応じて、個々の眼鏡レンズのスタンピングは異なっているように見える。セントレーション点即ちフィッティング点の位置には、クロス206(セントレーションクロス)がマーキングされている。
通常の場合には、プリズム基準点208は、セントレーション点の下方4mmのところに配置される。不同視(anisometropia) が大きく、顧客が特定の重み付けに関する所定の希望を有する場合事項に重きを置く所望がある場合(例えば、プリズム屈折力の垂直方向の差を近用部ゾーンで一致させようとする場合)には、プリズム屈折力の一致点を所望の方向にシフトできる。
図21aに示す例では、遠用部基準点は、セントレーション点と同じ高さに配置されている。近用部基準点は、セントレーション点の下方−18mmの垂直方向レベルに配置されている。図21bは、個々の眼鏡レンズの個々のスタンピング又は個々のスタンピング画像の別の例を示す。眼鏡レンズは、遠方ゾーンが大きいことが非常に重要であると考えている眼鏡着用者に対して個々に計算され、最適化される。遠用部基準点は、セントレーション点即ちフィッティング点の下方−4mmの垂直方向レベルに配置されており、近用部基準点は、セントレーション点即ちフィッティング点の下方−18mmの垂直方向レベルに配置されている。
好ましくは、遠用部基準点及び近用部基準点の位置についての値(詳細にはセントレーション点即ちフィッティング点に関する垂直方向レベル)もまた、眼鏡レンズに永久的に刻まれる。
例外的な場合には、スタンピングを上文中に説明したのとはことなる態様で行ってもよい。更に、遠用部基準点及び近用部基準点及び/又はセントレーション点即ちフィッティング点の位置の明示された非永久的マーキングを省略してもよい。しかしながら、基準点を、セントレーションカードと、1mm間隔でスタンピングされた目盛と、レンズパケットとを含む再構成規則によって、独特の方法で決定することができる。基準点を再構成するため、眼鏡フレームが、マークされたセントレーション点を有するセントレーションカードのセントレーションクロスの上に置かれ、そして、遠用部基準点及び近用部基準点の位置が眼鏡レンズの上に描かれる。鼻のベース曲線の下に永久的に刻まれた値及び屈折率エングレービング(engravings)を用いて遠用部基準点及び近用部基準点の位置を決定してもよい。
基準点の位置の再構成に加え、未加工の丸味を帯びた眼鏡レンズの最適の直径を、対応するセントレーションカードによって決定することが可能である。
セントレーションカードによる最適の直径の決定は以下のように行われる。
1)選択されたフレームに対応する最小直径を決定する。これは、横方向のセントレーションに関わらず、セントレーションカードの外接円の最小直径に対応する。この値は、例えば50/60の直径オーダー(diameter order)の第1値と対応する。
2)フィッティングプロセスで決定された視認点を、セントレーションカードのセントレーションクロスと一致するようにセントレーションカードに位置決めする。
3)最大必要直径を読み取る。多くの場合に行われる鼻方向での寄せ(decentration)において(これは、瞳孔間距離PDがフレームの中央距離よりも小さい)、これは、フレームのこめかみ側を取り囲む直径円である。この値は、例えば50/60の直径オーダーの第2値と対応する。好ましくは、使用可能な直径と最小直径との間の差は10mmよりも大きくない。
4)直径が鼻方向で及びこめかみ側で同じである場合には、注文のセントリックバージョンが推奨される。
非永久的マーキング又はスタンピングに加え、個々のレンズは、更に、永久的(マイクロ)エングレービングを有する。
図22は、最適化を行った個々の左側眼鏡レンズの、後方から(即ち眼側から)見た永久的エングレービングを示す。眼鏡レンズの整合についての機能的エングレービング即ち延久的マーキングには無限大の印が付けてある。二つの機能的エングレービング210、212は、セントレーション点即ちセントレーションクロスのレベルで34mmの相互距離のところに配置されている。鼻側の無限大の印212の下には、ベース曲線エングレービング214及び屈折率エングレービング216が配置されており、これらは、両方とも、二桁である。その下に遠用部基準点及び近用部基準点の位置についてのエングレービング218が設けられている。最初の数は、セントレーション点即ちフィッティング点に対する遠用部基準点の垂直方向距離を示す。第2の数は、セントレーション点即ちフィッティング点に対する近用部基準点の垂直方向距離を示す。
遠用部基準点は、好ましくは、セントレーション点の下方又は上方に−4mm乃至+4mmの範囲内にある。近用部基準点は、好ましくは、セントレーション点即ちフィッティング点の下方に−13mm乃至−20mmの範囲内にある。
二桁の加入度数エングレービング220が機能的エングレービング210のこめかみ側下方に配置されている。
簡単に述べると、図22には以下のことを示している。
∞ 機能的エングレービング
25 加入度数
65 ベース曲線
60 屈折率
−4 セントレーション点即ちフィッティング点からの遠用部基準点の個々の垂直方向距離
18 セントレーション点即ちフィッティング点からの近用部基準点の個々の垂直方向距離。
仕上げられスタンピングされた眼鏡レンズがレンズパケットによって包装され、眼鏡製造業者/顧客に供給される。レンズパケットの一例を図23に示す。図24は、レンズパケットで使用されている絵文字およびシンボルのリストを示す。
眼鏡着用者の個人データが各レンズパケットに印刷されている。更に詳細には、各レンズパケットには以下のデータが印刷されている。
−レンズの種類、材料、色、コーティング、直径
−注文値:度数、乱視度数、軸線、プリズム(結果的に得られる)、ベース(結果的に得られる)、加入度数;
−凹状頂点計測位置での距離及び加入度数のための計測点における焦点距離計についてのターゲット計測値。プリズム基準点の計測可能なプリズム(DPR及び注文されたプリズムからなる)が含まれる。;
−プリズマチック屈折データ:屈折の種類についての情報:PDセントレーション(PMZ)又は方程式ケース(FF)及び必要なセントレーション補正の大きさ及び方向;
−レンズパケットの後側に記載された、一般的な注文データ、追加の情報及び委任事項(commission);
−個々のパラメータについての情報:単眼PD、CVD、FI、FFA;
−設計点についての情報:セントレーション点即ちフィッティング点に対する遠用部基準点及び近用部基準点の位置;
−レンズのベース曲線、寄せ、及びインセット;レンズ形状及びセントレーションデータが周知である場合には、フィッティングのために補正されたPD(COR PD)。
レンズパケットには、詳細には、眼鏡フレームにおける正確なフィッティングのための関連データが、とりわけ、フレーム及びレンズの形状に関するデータが記載されている。
詳細には、レンズ形状及びセントレーションデータが示されている注文(スポーツ用アイウェアなど)においては、補正された瞳孔間距離PDがフィッティングのために計算される(COR PD)。これは、レンズが既に設けられた眼鏡において、顧客の正確なPDを得るために必要とされる。更に、プリズムが補正された眼鏡レンズにおいて、形状が表示されている場合には、フィッティングのため、顧客PDの代わりにCOR PDが使用される必要がある。水平方向ベース位置及び垂直方向ベース位置を持つプリズムに対する必要なセントレーション補正は、眼鏡レンズの計算で既に考慮されている。かくして、レンズパケットに記載されたセントレーション補正についての値は常にゼロである。
形状の表示がない注文では、COR PDを計算できない。これは、その計算に必要なパラメータ(フレーム及びセントレーションデータ)が伝えられないためである。好ましい最適化方法に従って個々に最適化された、プリズムが補正された累進多焦点眼鏡レンズでは、水平方向ベース位置及び垂直方向ベース位置を含むプリズムについてのセントレーション補正は、好ましくは、レンズの計算時に既に考慮されている。レンズパケットに記載したセントレーション補正の値はゼロのままである。形状が表示されていない注文では、この値はPDと関連している。
図25a及び図25bは、眼鏡着用者の目の前にある累進多焦点眼鏡レンズのセントレーション及び基準点の対応する位置を示す。図25aに示す眼鏡レンズは、遠用部基準点及び近用部基準点の各々の位置が、本発明の好ましい方法に従って決定された個々の眼鏡レンズである。詳細には、図25aに示す眼鏡レンズの位置が、フレームデータに応じて個々に特定される。図25bに示す眼鏡レンズは標準的な眼鏡レンズである。
個々に計算した累進多焦点眼鏡レンズが基準点の要求に従って調節される。このことは、ゼロ視認方向で習慣的にとる頭部及び身体の姿勢において、セントレーション点即ちフィッティング点(またはセントレーションクロス)が瞳孔の中間にこなければならないということを意味する。最小フィッティング高さは、近用部基準点の位置で決まる。しかしながら、好ましくは、フレームにおいて、少なくとも近用部基準点の下方2mmのままにされる。かくして、最小フィッティング高さは、好ましくは、セントレーション点の15mm下方となっている。累進多焦点レンズがセントレーション推奨とは別に調節される場合、結像特性が制限されてもよい。
眼鏡レンズでのセントレーションがエラーであった場合、特にセントレーションが低過ぎる場合には、この低いセントレーションにより遠用部ゾーンに僅かな制限が加えられる。差は、特に、眼鏡レンズが、最適化時の着用状態で着用されていないために生じる。
しかしながら、遠用部ゾーンとは対照的に、近用部ゾーンでは、セントレーションが低い眼鏡レンズに対してかなりの制限がなされる。一方では、これらの制限は、近方ゾーンが、フレームの大きさに応じて、フレームに全く存在しないためであり、また、眼鏡着用者が近方視野で累進多焦点ゾーンを通して見るためである。この場合、累進多焦点ゾーンは、明らかに近用部ゾーンよりも狭幅である。他方では、眼鏡レンズが最適化時の着用状態で着用されていないことにより、加入度数のエラーが生じる。更に、同じ下転で、近方屈折力(near power)が得られず、顧客は調節のための追加の努力を有する。
従って、遠用部基準点及び/又は近用部基準点を上文中に説明したようにシフトすることにより、視認ゾーンの強調を正確に形成できる。更に、例えば特に背が高い又は低い人の場合、主視認方向からのずれに従って、主視認ゾーンを、夫々の主視認方向と一致するように個々に構成できる。
基準点では、いわゆるターゲット計測値も計測される。計測されたターゲット値は、注文の値に加えて、個々の眼鏡レンズのレンズパケットに表示される。計測されたターゲット値は、好ましくは、凹状頂点計測位置と関連している。許容差の考慮は、計測されたターゲット値に関して行われるものであり、注文の値に関して行われるものではない。
遠用部屈折力(distance power)
度数、乱視度数、及び軸線についての計測されたターゲット値が、遠用部基準点においてチェックされる。この遠用部基準点は、好ましくはセントレーション点の前後+4mm乃至−4mmの範囲内に個々に様々な方法で配置される。遠用部基準点の正確な位置は、ベース曲線の下の加入度数エングレービング及び屈折率エングレービングから得られる。遠用部屈折力の計測が図26aに図示されている。
プリズム屈折力
プリズム基準点において、厚さ減少プリズム(thickness reduction prism)(ベース位置が常に270°)及び補正プリズムの組み合わせ屈折力が計測される。プリズム屈折力の計測が図26bに図示されている。
近用部屈折力
近用部基準点は、様々な方法で、セントレーション点の下方−13mm乃至20mmの範囲内に個々に配置される。近用部基準点の正確な位置が、ベース曲線の下の加入度数エングレービング及び屈折率エングレービングから得られる。近方屈折力の計測が図26cに図示されている。
加入度数
加入度数の計測されたターゲット値は、遠用部基準点及び近用部基準点間の平均屈折力(度数等価(spherical equivalent))の差に対応する。しかしながら、多くの場合において、注文された加入度数とエングレービングされた加入度数との一致をチェックするほうがより容易であり、また一般的にこれで十分である。
上文中に説明した方法に従って提供されたフレキシブル眼鏡レンズ設計は、詳細には、以下の有利な特徴によって特徴づけられる。
−全ての屈折データ(屈折力最適化)、フレーム及びセントレーションデータ、並びにPD、CVD、FI、及びFFAを考慮することによって、視覚的欠陥が最適に補正される。
−最適化において全ての個々のパラメータ及び屈折データが考慮されるため、視認ゾーンは常に、最適の大きさを有するとともに、理想的に重なる。
−最適化
−着用位置において、
−全ての屈折データについて、
−コマや球面収差等の高次の収差を考慮した波面最適化
−リスティングの規則の考慮
−自由形態の技術を用いる
−最高の自発的適合性
−100%の収束とは別に、ピンポイントの正確なインセットを注文できる(例えば、隻眼の人)
−不同視の場合にも左右の理想的視認ゾーンが得られる
−遠方視力について、屈折データを0.12D刻みで注文できる
−プリズム/MDMを注文できる
−完全美観。
好ましくは、顧客の必要及びパラメータに従って個々に決定されかつ計算された眼鏡レンズ設計は、バランスがとれた汎用眼鏡レンズ設計の特徴を示す。即ち、全ての方向に対し、視認ゾーンが最大に大きく、これと同時に中央視認ゾーンと周辺視認ゾーンとの間を調和がとれた態様で移行する。かくして、このような設計及びこのような眼鏡レンズは、毎日の情況(自動車の運転、余暇、読書、等)で広い範囲に亘り最適の視認快適性を提供する。

Claims (35)

  1. 遠用部基準点及び近用部基準点の各々の垂直方向位置を可変に調節できる累進多焦点眼鏡レンズのための個々の眼鏡レンズ設計をコンピュータを用いて計算するための方法において、
    前記遠用部基準点及び/又は近用部基準点の所定の垂直方向位置を示す開始設計を特定する工程と、
    前記遠用部基準点及び/又は近用部基準点における所要の各々の垂直方向位置を示すように、前記個々の眼鏡レンズ設計を計算する工程とを含み、
    前記個々の眼鏡レンズ設計の計算は、
    前記個々の眼鏡レンズの少なくとも一つの光学的特性の空間分布についてのターゲット値Starget(y)を、マッピングStarget(y)=S’target(y’)及び前記開始設計の対応するターゲット値S’target(y’)の変換Y:
    Figure 2010517086
    によって計算する工程を含み、
    ここで、y’は、前記開始設計の前記ターゲット値の垂直方向座標であり、yは前記個々の眼鏡レンズ設計の変換後のターゲット値の垂直方向座標である、方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、
    前記変換Y:Δy(y)=y0 (y0 は定数)について、真である、方法。
  3. 請求項1に記載の方法において、
    前記変換Y:Δy(y)=αy+y0 (αは定数)について、真であり、
    α>0の場合には、前記変換により前記開始設計が延伸され、
    α<0の場合には、前記変換により前記開始設計が圧縮される、方法。
  4. 請求項1に記載の方法において、
    前記変換Y:Δy(y)=f(y)+y0 について、真であり、
    f’(y)>0の場合には、前記変換により前記開始設計が局所的に延伸され、
    f’(y)<0の場合には、前記変換により前記開始設計が局所的に圧縮される、方法。
  5. 請求項4に記載の方法において、
    前記関数f(y)は単調関数である、方法。
  6. 請求項4又は5に記載の方法において、
    |f’(y)|は、前記累進多焦点ゾーンにおける値が近用部ゾーン又は遠用部ゾーンにおける値よりも高いことを仮定している、方法。
  7. 請求項4、5、又は6に記載の方法において、
    前記変換Yは、前記個々の眼鏡レンズ設計における前記遠用部基準点及び/又は近用部基準点の前記垂直方向位置の差、及び前記開始設計における前記遠用部基準点及び/又は近用部基準点の前記垂直方向位置の差に依存している、方法。
  8. 請求項4乃至7のうちのいずれか一項に記載の方法において、
    前記関数f(y)は、変換係数a、b、c、m、及びdを有する二重漸近関数
    Figure 2010517086
    となっている、方法。
  9. 請求項4乃至7のうちのいずれか一項に記載の方法において、
    前記関数f(y)は、変換係数a、b、cを有するガウスの累積関数
    Figure 2010517086
    となっている、方法。
  10. 請求項4乃至7のうちのいずれか一項に記載の方法において、
    前記関数f(y)は、変換係数a、b、cを有するローレンツの累積関数
    Figure 2010517086
    となっている、方法。
  11. 請求項4乃至7のうちのいずれか一項に記載の方法において、
    前記関数f(y)は、変換係数a、b、c、dを有する累積SDS関数
    Figure 2010517086
    となっている、方法。
  12. 請求項4乃至7のうちのいずれか一項に記載の方法において、
    前記関数f(y)は、変換係数a、b、cを有するロジスティック用量反応関数
    Figure 2010517086
    となっている、方法。
  13. 請求項4乃至7のうちのいずれか一項に記載の方法において、
    前記関数f(y)は、変換係数a、b、cを有するの対数正規累積関数
    Figure 2010517086
    となっている、方法。
  14. 請求項8乃至13のうちのいずれか一項に記載の方法において、
    前記関数f(y)の変換係数は、所与の開始値から開始して反復法によって決定される、方法。
  15. 請求項8乃至14のうちのいずれか一項に記載の方法において、
    前記関数f(y)の変換係数は、
    前記個々の眼鏡レンズ設計の前記遠用部基準点の前記垂直方向位置yF と、前記開始設計の前記遠用部基準点の前記垂直方向位置yFDとの差yF −yFD 、及び/又は
    前記個々の眼鏡レンズ設計の前記近用部基準点の前記垂直方向位置yN と、前記開始設計の前記近用部基準点の前記垂直方向位置yNDとの差yN −yND に依存して定められる、方法。
  16. 請求項8乃至15のうちのいずれか一項に記載の方法において、
    前記変換係数a及びbは、ニュートン反復法によって、
    0 =yF −yFDのとき、
    FD=yF−Δy(yF)及びyND=yN−Δy(yN
    の状態が満たされるように数値で決定され、
    ここで、
    F は、前記個々の眼鏡レンズ設計の前記遠用部基準点の前記垂直方向位置であり、
    FDは、前記開始設計の前記遠用部基準点の前記垂直方向位置であり、
    N は、前記個々の眼鏡レンズ設計の前記近用部基準点の前記垂直方向位置であり、
    NDは、前記開始設計の前記近用部基準点の前記垂直方向位置である、方法。
  17. 請求項8に記載の方法において、
    変換係数a、b、c、d、mについて、
    Figure 2010517086
    が真であり、
    ここで、
    D =yFD−yNDは、開始設計の累進帯長であり、
    l=yF −yN は、前記個々の眼鏡レンズ設計の累進帯長であり、
    F は、前記個々の眼鏡レンズ設計の前記遠用部基準点の前記垂直方向位置であり、
    FDは、前記開始設計の前記遠用部基準点の前記垂直方向位置であり、
    N は、前記個々の眼鏡レンズ設計の前記近用部基準点の前記垂直方向位置であり、
    NDは、前記開始設計の前記近用部基準点の前記垂直方向位置であり、
    1+εは、関数f(y)の遠用部漸近線と近用部漸近線との間の距離aが、前記累進帯長の変化をどの程度越えるのかを決定するファクタである、方法。
  18. 請求項1乃至17のうちのいずれか一項に記載の方法において、
    前記眼鏡レンズの少なくとも一つの光学的特性が、非点収差又は非点収差偏移(偏差?)である、方法。
  19. 請求項1乃至18のうちのいずれか一項に記載の方法において、
    前記個々の眼鏡レンズ設計は、更に、前記眼鏡レンズの主視線に沿った個々の物体距離関数を含み、
    前記開始設計は、更に、前記眼鏡レンズの主線に沿った開始物体距離関数を含み、
    個々の物体距離関数は、前記開始物体距離関数の第2変換Y2 によって得られる、方法。
  20. 請求項19に記載の方法において、
    前記第2変換Y2 の変換係数は、前記個々の眼鏡レンズ設計の前記遠用部基準点及び/又は近用部基準点における前記眼鏡レンズの屈折力が、前記開始設計の前記遠用部基準点及び/又は近用部基準点における前記眼鏡レンズの屈折力と適合するように、ニュートン反復法によって決定される、方法。
  21. 請求項19又は20に記載の方法において、
    前記物体距離の逆数S1(u0、y)は、係数aS、bS、cS、dS、mSを有する二重漸近関数
    Figure 2010517086
    によって記載され、
    ここで、所定の係数aS、bS、mS及び係数cS、dSは、ニュートン反復法によって決定される、方法。
  22. 請求項19に記載の方法において、
    前記変換Y及び前記第2変換Y2 は同じである、方法。
  23. 請求項1乃至22のうちのいずれか一項に記載の方法において、
    前記個々の眼鏡レンズ設計は、前記眼鏡レンズの複数の光学的特性の対応する空間分布についての個々のターゲット値を含み、
    全ての個々のターゲット値は、前記開始設計の対応するターゲット値の変換Yによって計算される、方法。
  24. 請求項1乃至23のうちのいずれか一項に記載の方法において、
    前記個々の眼鏡レンズ設計の前記ターゲット値は、スケールファクタl/lD を掛けられ、
    ここで、lは、前記個々の眼鏡レンズ設計の前記累進帯長であり、lD は、前記開始設計の前記累進帯長である、方法。
  25. 請求項1乃至24のうちのいずれか一項に記載の方法において、
    前記個々の眼鏡レンズ設計の前記ターゲット値は、関数
    Figure 2010517086
    により基準化され、
    Figure 2010517086
    となり、ここで、
    lは、前記個々の眼鏡レンズ設計の前記累進帯長であり、
    D は、前記開始設計の前記累進帯長である、方法。
  26. 請求項1乃至25のうちのいずれか一項に記載の方法において、
    前記個々の眼鏡レンズ設計の前記ターゲット値は、関数
    Figure 2010517086
    により基準化され、
    Figure 2010517086
    となり、ここで、
    lは、前記個々の眼鏡レンズ設計の前記累進帯長であり、
    D は、前記開始設計の前記累進帯長である、方法。
  27. 請求項26に記載の方法において、
    Figure 2010517086
    であり、ここで、a、bは定数である、方法。
  28. 遠用部基準点及び近用部基準点の個々の垂直方向位置を可変に調節できる累進多焦点眼鏡レンズ用の個々の眼鏡レンズ設計をコンピュータを用いて計算するための方法において、
    前記遠用部基準点及び/又は近用部基準点の所定の垂直方向位置を示す開始設計を特定する工程と、
    前記遠用部基準点及び/又は近用部基準点における所要の各々の垂直方向位置を示すように、前記個々の眼鏡レンズ設計を計算する工程と、を備え、
    前記個々の眼鏡レンズ設計の計算は、
    個々の物体距離関数S1(y)を、前記眼鏡レンズの主線に沿って、マッピングS1(y)=S1’(y’)及び対応する物体距離関数のS1’(y’)の変換Y:
    Figure 2010517086
    によって計算する工程を含み、
    ここで、y’は、前記眼鏡レンズの主線に沿った垂直方向座標であり、yは前記個々の眼鏡レンズ設計の変換後の物体距離関数における眼鏡レンズの主線に沿った垂直方向座標である、方法。
  29. 請求項28に記載の方法において、
    前記変換Yの前記変換係数は、ニュートン反復法によって、好ましくは二次元ニュートン−ラフソン反復法によって、前記個々の眼鏡レンズ設計の前記遠用部基準点及び/又は近用部基準点での前記眼鏡レンズの屈折力が、前記開始設計の前記遠用部基準点及び/又は近用部基準点での前記眼鏡レンズの屈折力と適合するように決定される、方法。
  30. 請求項28又は29に記載の方法において、
    前記物体距離の逆数S1(u0、y)は、係数aS、bS、cS、dS、mSの二重漸近関数
    Figure 2010517086
    によって記載され、
    ここで、所定の係数aS、bS、mS及び係数cS、dSは、ニュートン−ラフソン反復法によって決定される、方法。
  31. 遠用部基準点及び/又は近用部基準点の垂直方向位置を可変に調節できる個々の累進多焦点眼鏡レンズを製造するための方法において、
    前記遠用部基準点及び/又は近用部基準点における所要の垂直方向位置を示す個々の眼鏡レンズ設計を、請求項1乃至30のうちのいずれか一項に記載の個々の眼鏡レンズ設計を計算するための方法に従って計算する工程と、
    前記個々の眼鏡レンズ設計に従って前記眼鏡レンズを計算し、最適化する工程とを含む、方法。
  32. 遠用部基準点及び/又は近用部基準点の垂直方向位置を可変に調節できる個々の累進多焦点眼鏡レンズを製造するための装置において、
    請求項1乃至30のうちのいずれか一項に記載の個々の眼鏡レンズ設計を計算するための方法を実施するよう適合された設計計算手段と、
    個々の眼鏡レンズ設計に従って前記眼鏡レンズの計算及び最適化を行うよう適合された最適化−計算手段とを含む、装置。
  33. コンピュータにローディングし、実行するとき、眼鏡レンズの計算及び最適化を行うための方法を実施するよう適合されたコンピュータプログラム製品において、前記方法は、
    前記遠用部基準点及び/又は近用部基準点における所要の垂直方向位置を示す個々の眼鏡レンズ設計を、請求項1乃至30のうちのいずれか一項に記載の個々の眼鏡レンズ設計を計算するための方法に従って計算する工程と、
    前記個々の眼鏡レンズ設計に従って眼鏡レンズを計算し、又は最適化する工程とを含む、コンピュータプログラム製品。
  34. コンピュータにローディングし、実行するとき、眼鏡レンズの計算及び最適化を行うための方法を実施するよう適合されたコンピュータプログラムを記憶する記憶媒体において、前記方法は、
    前記遠用部基準点/又は及び近用部基準点における所要の垂直方向位置を示す個々の眼鏡レンズ設計を、請求項1乃至30のうちのいずれか一項に記載の個々の眼鏡レンズ設計を計算するための方法に従って計算する工程と、
    前記個々の眼鏡レンズ設計に従って眼鏡レンズを計算し、又は最適化する工程とを含む、記憶媒体。
  35. 請求項31の製造方法に従って製造した眼鏡レンズを使用する方法において、
    眼鏡着用者の視力の欠陥を補正するため、特定の眼鏡着用者の眼の前方での前記眼鏡レンズの所定の平均的又は個々の着用位置において眼鏡レンズを使用する方法。
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