JP2010516685A - 軟骨形成を促進するペプチド組成物および方法 - Google Patents

軟骨形成を促進するペプチド組成物および方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、骨および軟骨などの硬組織の形成を刺激するペプチド化合物である。本発明はまた、該ペプチドを使用して、骨および軟骨などの硬組織における欠損を治療する方法に関する。本発明の方法を用いて、関節リウマチまたは変形性関節症によって生じた骨および軟骨における欠損を治療または予防することができ、これは欠損部またはその周りでの新たな骨または軟骨の再生を伴う。

Description

背景
骨形成
哺乳動物の骨は、身体の構造形状を付与するばかりでなく、身体の機械的負荷を支持する身体の骨格を形成している。
骨破損などの骨の欠損は、タイミング良く適切に治療が施されなければ、死亡および病的状態の様々な問題を引き起こす。さもなければ、欠損を保持しているそのような損傷した骨は、後に修復がより困難になるか、または損傷は時間が経過するにつれてさらに悪化する恐れがある。
現在、そのような骨欠損の治療は、人工骨を含む様々な医療用具または自然治癒過程に大きく依存している。損傷した骨の再構築に利用可能な治療薬は、極めて限られている。そのため、新規な骨増殖因子を同定する試みがなされてきた。
その結果として、いくつかの分子が同定され、骨形成活性を有することが主張された。しかしながら、それらのうちいくつかのみが実際に開発され、治療薬として商業的に使用されているに過ぎない。
新たな骨形成を促進することができる利用可能な治療薬の一例は、より広いトランスフォーミング増殖因子β(TGFβ)スーパーファミリーに属する、骨形成タンパク質またはBMPと命名された増殖因子分子の1つの群である。いくつかのBMP分子は、骨細胞の分化、成熟、および石灰化を促進して、新たな骨形成を促進することが知られている。しかしながら、異所性骨化または異所性石灰化と称される、軟組織に対する非選択的な骨形成活性のために、それらを骨以外の組織に投与することができない。そのため、BMP分子は、治療的BMP分子が周囲の軟組織において異所性骨化も石灰化も引き起こさずに、硬組織にのみ適用され得るように、骨欠損部に直接埋め込み可能な担体材料と共に使用する必要がある。BMPの中でもBMP-2は、骨の欠損部に埋め込む担体材料と併用する医療品として認可されている。しかし、この製品(Infuse(登録商標))は、その異所性骨化活性のために、治療薬として単独で用いられる。
異所性骨化または石灰化の問題を克服するために、骨に対してのみ特異性および選択性を有する新規な骨増殖因子を同定するさらなる試みがなされてきた。そのような試みから同定された分子の1つは、AC-100またはDentonin(登録商標)である。AC-100またはDentonin(登録商標)は、MEPE(基質細胞外ホスホ糖タンパク質)という名称の大きな分子内の小断片として同定され、ヒト骨芽細胞の増殖、分化、および石灰化を促進することが実証された(Nigel, et. al., Journal of Cellular Biochemistry 2004;93(6):1107-1114;米国特許第6,911,425号;同第7,078,021号、および同第7,160,862号)。AC-100はまた、インビボで骨形成活性も示した(Hayashibara, et. al., Journal of Bone and Mineral Research 2004;19(3):455-462;Lazarov, et. al., ASBMR Abstract, 2004)。AC-100またはDentonin(登録商標)は、インビトロにおいてヒト歯髄細胞の増殖の促進を(Liu et al., Journal of Dental Research 2004;83(6):496-499)、およびその臨床治験においてヒトの歯の欠損における新たな象牙質の形成(Lazarov et. al., IADR Abstract, 2006)を実証した。
AC-100は、RGDインテグリン結合モチーフおよびSGDGグリコサミノグリカンモチーフなどのいくつかの独特のモチーフを含むという点で特徴的であり、これらのモチーフは、分子に対してその生物活性に必須の構造を付与すると考えられている。
また、AC-100が有する硬組織形成活性は、骨および歯の象牙質に限定されると考えられた。
変形性関節症
変形性関節症(OA)は変性疾患であり、関節炎の中で最もよくみられる形態である(米国立関節炎、骨格筋、皮膚疾患研究所(NIAMS)、米国立衛生研究所(NIH))。OAは身体のあらゆる部位の軟骨を侵し得るが、腰および膝で最もよく見られ、より程度は低いものの指でも見られる。関節リウマチ(RA)とは異なり、OAの発生率は典型的に年齢と共に増加する。この疾患の特異的原因は不明であるが、関節の過剰な摩耗および裂傷による経年的な変性に関連している場合が多い。これは局所炎症を引き起こし得、次にこの炎症はゆっくりと軟骨を侵食し始める。身体的傷害により変性過程が加速される場合には、OAは若年者でも発症し得る(Buckwalter et al., J Orthop Sports Phy Ther 1998;28:192)。
軟骨は骨とは異なり、それ自身を効果的に修復することができない(Mankin, J., Bone Joint Surg [Am] 1982;64A:460)(Hunziker, Clin Othop 1999;367:135)。したがって、この変性過程がひとたび始まれば、それを逆転させることはほとんどできない。しかしながら、潜在的な新規治療アプローチをもたらした軟骨生物学に新たな関心がもたれている。しかし現在、ほとんどの治療選択肢は、疾患に伴う疼痛に対処すること、または疾患進行を遅らせることを目的としている。一時的な修復を達成する上で成否が様々である外科的選択肢がいくつか存在する。しかしながら、これらの選択肢は、変性過程を遅らせるが停止させない場合が多い。持続的な変性は軟骨および下層の骨が破壊されるまで続き、関節置換術を必要とするようになる(米国整形外科学会(AAOS))。
現在の治療選択肢:
現在、変形性関節症の治療法はなく、それが引き起こした損傷を逆転させる方法もない。関節の劣化の速度を遅らせるには、通常、身体活動の変更または体重減少による関節ストレスの軽減が推奨される。アセトアミノフェン、NSAID、および選択的シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害薬などの薬理的治療選択肢は、OAに伴う疼痛に対処するが、一時的な疼痛緩和をもたらすに過ぎず、疾患修飾性ではない。加えて、ステロイドを関節および周囲の滑液に直接注射することもできるが、この場合も同様に一時的な疼痛緩和をもたらすに過ぎず、疾患進行の改変を提供しない。滑液腔に粘着性物質を注射することも、1つの治療選択肢である。ヒアルロン酸(HA)は、関節を滑らかにするために、様々な成否の度合いで使用されている。HA産物は何回かの注射で投与し、数カ月にわたって関節痛の軽減に役立つが、OAによって生じた損傷を逆転させることはない。
グルコサミンおよび/またはコンドロイチンなどの栄養補助食品が、変形性関節症に伴う疼痛の症状を緩和し得ることを示唆する研究もいくつかある。これらの栄養補助食品は、処方箋なしで広く入手可能である。これらの薬剤の有効性を評価する十分に管理された臨床治験は、あるとしてもごくわずかである。米国立衛生研究所(NIH)は、変形性関節症の治療におけるグルコサミンおよびコンドロイチンの研究を行っている。最初の研究では、最も重篤な変形性関節症を有する人の疼痛を緩和する際の軽微な有効性しか実証されなかった。さらなる研究によって、このような種類の産物の潜在的有効性を明らかにすべきである。
基礎疾患に対処するには、何らかの形の外科的手技が通常必要とされる。慢性炎症がある場合には、炎症およびさらなる変性を止める目的で、炎症組織(滑膜)を場合により除去することができる。関節痛を軽減するかまたはいくらかの修復を開始するために使用される関節鏡技法がある(Hayes et al., Bone Cart Wound Heal 2001;18:35)(Beris et al., 2005;36S:S14)。関節鏡視下の創傷郭清および洗浄により、緩んで擦り切れた軟骨が除去されるが、これは関節痛を軽減するための常法である(Jackson et al., Arthroscopy 2003;19:13)。しかしながら、軟骨修復が促進されるという証拠はない。穿孔および微小破壊などのその他の関節鏡技法は、軟骨を通して軟骨下骨まで孔(それぞれ2〜2.5 mmまたは0.5〜1 mm)を開ける段階を含む。軟骨下骨が露出して間葉系幹細胞と接触すると、欠損部は線維軟骨(大きな孔)、または硝子軟骨と線維軟骨の混合物(小さな孔)のいずれかで満たされる(Steadman et al., Oper Technol Orthop 1997;7:300)。既存の軟骨の修復にも新たな関心がもたれている。骨軟骨移植の形式として、自家骨軟骨移植(mosaicplasty)も行われる。大きな全層欠損部を埋めるには骨軟骨同種移植片が用いられ、より小さな全層欠損部には自己移植片が用いられる(Czitrom et al., Clin Orthop 1986;208:141)。自己骨軟骨移植では、円柱状の骨軟骨プラグを関節の非体重負荷部分から採取し、創傷郭清された全層欠損部にこれを移植する。
インビトロで培養した軟骨細胞(cartilage cell)(軟骨細胞(chondrocyte))は、軟骨再生のために首尾よく使用されている(自己軟骨移植:ACI)(Brittberg et al., Clin Orthop 1996;326:270)。この手技は2つの手術を含む。第一の手術は、健常な関節軟骨の採取を含む。組織を消化し、培養のために軟骨細胞を単離して、20〜50倍まで細胞数を拡大する。第二の手術では、損傷した軟骨を軟骨下骨に至るまで除去する。医学的脛骨に別の切開を加え、そこで一片の骨膜を採取する。この骨膜弁は、フィブリン糊を併用して欠損部に縫合する。培養した軟骨細胞を欠損部に注射する。時間の経過と共に、軟骨細胞は増殖し、新たな軟骨基質を産生する。いくつかの症例では成功しているものの、この過程はかなりばらつきが大きく、健常な自己軟骨細胞(通常は非罹患関節による)の利用可能性に依存している。ACIと自家骨軟骨移植の有効性を比較する研究からは、矛盾する結果が得られている(Horas et al., J Bone Joint Surg [Am] 2003;83:185)(Bentley et al., J Bone Joint Surg [Br] 2003;85:223)。ACI手技は非常に侵襲的であり、小さな軟骨欠損の治療に使用できるに過ぎない。幹細胞の使用を伴う研究も進行中であり、最終的には、細胞移植による軟骨修復の別法をもたらすものと考えられる。
しかしながらほとんどの症例では、OAは最終的に、関節置換術(例えば、腰または膝)の形式で、より重度の手技を必要とする。この手技では、損傷した軟骨を除去し、人工関節と置換する。埋込物の正確な種類、ならびに切開の方法および位置は、特定の患者の必要性およびその手技を行う外科医に依存する。膝関節置換術(または関節形成術)は典型的に、大腿成分、脛骨成分、および膝蓋成分からなる。人工膝関節の製造業者および設計は多数存在する。大部分の人工関節は少なくとも10年持ちこたえ、より新しい埋込物には最長20年耐え得るものもある。
要約すると、材料科学および軟骨生物学に顕著な進展は認められるものの、OAから起こる軟骨損傷を治療するための満足できる方法は依然として存在しない。
概要
本発明は、硬組織(骨および軟骨)の治療において使用するために製造されたペプチド化合物、および薬学的に許容される担体を伴う該ペプチドの製剤を含む。ペプチド化合物は、本明細書に開示するペプチドのいずれかであってよく(単独または互いに併用する)、担体は、注射液、および/または例えば8時間、12時間、24時間、2日、5日、10日、もしくはそれ以上といった長期にわたりペプチドの制御放出を提供し得る固体の生体適合性、生分解性ポリマー埋込物であってよい。
本発明は、
Figure 2010516685
(Xは任意のアミノ酸である)という共通アミノ酸配列モチーフによって表されるペプチドの群に関する。この共通配列を共有する複数のペプチドは、骨および軟骨などの硬組織の増殖を促進することが本明細書において示される。
特に、
Figure 2010516685
(Xは任意のアミノ酸である)という共通配列モチーフを共有する、SEQ ID NO:1のペプチドの下位群もまた開示する。この共通配列を共有する複数のペプチドは、骨および軟骨などの硬組織の増殖を促進することが本明細書において示される。
さらなる態様では、上記の共通配列モチーフを同様に共有し、
Figure 2010516685
(Xは任意のアミノ酸である)というより大きなアミノ酸配列モチーフをさらに共有するわずかにより大きなペプチドの群もまた開示する。この共通配列を共有する複数のペプチドは、骨および軟骨などの硬組織の増殖を促進することが本明細書において示される。
本発明はまた、硬組織形成、特に軟骨形成を促進する方法を包含する。ヤギモデルにおいて、これに限定されないが、
Figure 2010516685
を含む本発明のペプチド化合物の治療的有効量と、担体材料とを含む製剤を投与すると、膝軟骨の欠損部において新たな軟骨の形成が促進されることが実証された。
本発明の1つの局面は、薬学的に許容される賦形剤と
Figure 2010516685
のペプチドとを含む製剤を含む。
本発明の別の局面は、薬学的に許容される賦形剤と
Figure 2010516685
のペプチドとを含む薬学的製剤である。
本発明の別の局面は、標的部位に存在する軟骨のレベルを決定する段階、該レベルを正常よりも下回ると決定する段階、およびSEQ ID NO:1のペプチドをその中に有する、薬学的に許容される賦形剤を含む製剤の治療的有効量を対象に投与する段階を含む治療方法である。
本発明の別の局面は、標的部位に存在する軟骨のレベルを決定する段階、該レベルを正常よりも下回ると決定する段階、およびSEQ ID NO:2または3のペプチドをその中に有する、薬学的に許容される賦形剤を含む製剤の治療的有効量を対象に投与する段階を含む治療方法である。
本発明の1つの局面は、薬学的に許容される賦形剤とSEQ ID NO:1のペプチドとを含む製剤であって、SEQ ID NO:1における任意のアミノ酸であるXの置換が、配列がSEQ ID NO:21の配列とならないようなものである製剤を含む。
本発明の1つの局面は、薬学的に許容される賦形剤とSEQ ID NO:2または3のペプチドとを含む製剤であって、SEQ ID NO:2または3における任意のアミノ酸であるXの置換が、配列がSEQ ID NO:21の配列ではなく、例えばSEQ ID NO:22、23、24、25、26、または27などの配列となるような製剤を含む。
本発明の1つの局面は、シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)の活性化により軟骨を促進する方法を含む。
本発明のこれらおよびその他の局面、目的、利点、および特徴は、以下に詳述する本発明の詳細を読むことにより、当業者に明らかになるであろう。
本発明は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を読むことにより最も理解される。一般的な習慣に従い、図面の様々な特徴は一定の縮尺でないことを明記しておく。一方、様々な特徴の寸法は、明瞭さのために任意に拡大または縮小してある。図面には以下の図が含まれる。
トリチウム標識チミジンの取り込みによる、ヒト間葉系幹細胞(hMSC)におけるいくつかの実験材料の増殖活性を示す棒グラフである。SEQ ID NO:34のペプチドを、CMP-2およびIGF-1と比較して、ヒト間葉系幹細胞におけるその増殖活性について試験した。 いくつかの実験材料による、ラット頭蓋冠欠損の架橋による骨形成活性を示す棒グラフである。AC-101、102、および103を、AC-100と比較して、それらの欠損架橋活性について試験した。 それぞれ初期処置の最初の12週(84日)および24週(168日)中に、AC-100が軟骨形成を増加させ得たことを実証する形態学的データを示す棒グラフである。コラーゲンスポンジによって運ばれた10 mg(4×2.5 mg)および100 mg(4×25 mg)のAC-100はいずれも、ヤギ変形性関節症モデルにおいて軟骨の形成を促進した。高用量および低用量のAC-100を、欠損を治癒するそれらの活性について試験した。活性は用量依存的であった。 それぞれ初期処置から最初の12週(84日)間および24週(168日)間中に、AC-100が軟骨形成を増加させ得たことを実証する組織学的データを示す棒グラフである。コラーゲンスポンジによって運ばれた10 mg(4×2.5 mg)および100 mg(4×25 mg)のAC-100はいずれも、ヤギ変形性関節症モデルにおいて軟骨の形成を促進した。高用量および低用量のAC-100を、欠損を治癒するそれらの活性について試験した。活性は用量依存的であった。 一連のAC-100関節内注射が、6週間後に全層軟骨欠損において新たな軟骨の増殖を用量依存的に促進することを例証する肉眼的組織修復スコアを示す棒グラフである。 一連の関節内注射として投与した場合に、全層軟骨欠損において軟骨修復組織の形成を用量依存的に増加させるAC-100の能力を例証する組織学スコアを示す棒グラフである。
発明の詳細な説明
本発明の方法、ペプチド、類似体、および製剤について説明する前に、本発明は記載する特定の態様に限定されず、当然のことながらそれ自体変わり得ることが理解されるべきである。本明細書で使用する専門用語は、特定の態様を説明する目的のためのみのものであって、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲を限定する意図はないこともまた理解されるべきである。
ある値域が提供される場合、特記されない限り下限値の単位の10分の1まで、その範囲の上限値と下限値の間にある各媒介値もまた具体的に開示されることが理解される。規定範囲内の任意の規定値または媒介値とその規定範囲内の任意の他の規定値または媒介値との間のより小さな各範囲も、本発明に包含される。これらのより小さな範囲の上限値および下限値は、独立的にその範囲内に含まれても範囲から除外されてもよく、より小さな範囲内にいずれかの限界値が含まれる、いずれの限界値も含まれない、または両限界値が含まれる各範囲もまた、具体的に除外される任意の限界値が規定範囲内にある限り本発明に包含される。規定範囲が限界値の一方または両方を含む場合、それら含まれた限界値のいずれか一方または両方を除外する範囲もまた本発明に含まれる。
AC-100またはDentonin(登録商標)を用いた以前の研究から、骨または骨細胞を処置すると、COX-2およびプロスタグランジンE2(PGE2)産生の誘導が増加することが実証された。プロスタグランジン産生に関与する2つの重要な酵素は、構成的に産生されるCOX-1、および炎症性サイトカインなどの刺激に応答して増加するCOX-2である。COX-2はまた、関節リウマチ(RA)および変形性関節症(OA)においても高度に発現される(それぞれ、Vane JR, Bakhle YS, and Botting RM. Annual Rev. Pharmacol. Toxocol. 1998, 38:35-57、およびAmin AR et al. J. Clin Invest. 1997, 99(6):1231-1237)。COX-2およびそれに続くPGE産生の増加は、これらの病態で見られる疼痛および炎症に関与していると考えられている。したがって、RAおよびOAの管理に現在使用されている多くの治療薬は、COX-2およびそれに続くプロスタグランジンの産生の阻害を対象としている。さらに、軟骨細胞に及ぼすNSAIDおよびより特異的なCOX-2阻害薬の効果に関する矛盾した報告がある。NSAIDおよび/またはCOX-2阻害薬は、アポトーシスを誘導する、プロテオグリカン合成を阻害する、および軟骨細胞におけるケモカインの産生を促進すると報告されている(Nakamura H et al., 2007, Clin. Exp Rheumatol. 25(1):11-16)。他の研究者らは、NSAIDにより軟骨細胞の増殖が阻害されること、およびCOX-2阻害薬によってアポトーシスに対する効果がほとんどないことを報告している(Chang JK et al., 2006, Toxicology. 228(2-3):111-123)。AC-100は、COX-2を誘導することが以前に示されたが、AC-100がCOX-2およびPGE2合成を誘導し得ることが以前に報告されているにもかかわらず、コラーゲンスポンジと併用して、OAのヤギモデルにおいて修復応答を誘導することができた。この予想外の知見が、本発明の1つの主題である。
特記されない限り、本明細書で使用する専門用語および科学用語はすべて、本発明が属する分野の当業者によって共通に理解されるものと同じ意味を有する。本発明の実施または試験において、本明細書に記載したものと類似または同等の任意の方法および材料を使用することもできるが、本明細書に記載した方法および材料が好ましい。本明細書で言及した出版物はすべて、その出版物の引用に関連する方法および/または材料を開示および説明するために、参照により本明細書に組み入れられる。本開示と参照により組み入れられる出版物との間に矛盾がある範囲では、本開示が優先する。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用する単数形「1つの」、「および」、および「その」とは、特記する場合を除き、その対象物の複数形も含むことに留意されたい。したがって、例えば「1つのペプチド」への言及は複数のそのようなペプチドを含み、「その方法」への言及は1つまたは複数の方法および当業者に公知のその同等物を含み、以下同様である。
本明細書で考察する出版物は、単に本出願の出願日以前にそれらが開示されたという理由で提供されている。本明細書中のいかなるものも、本発明が先行発明のせいでそのような出版物を先行できないことを認めると解釈されるべきではない。さらに、提供する出版物の日付は実際の発行年月日と異なる可能性があり、独立して確認する必要がある場合がある。
定義
「ペプチド」および「ペプチド化合物」という用語は本明細書で互換的に用いられ、コードおよび非コードアミノ酸、化学的もしくは生化学的に修飾されたアミノ酸または誘導体化アミノ酸、L-アミノ酸、またはD-アミノ酸、修飾ペプチド骨格を有するペプチド、ならびにアミノ酸類似体を含むペプチドを含み得る、約10〜約50アミノ酸の重合体型アミノ酸(少なくとも20アミノ酸でありかつ50アミノ酸以下からなり得る)を指す。ペプチド化合物は:(a)天然アミノ酸残基;(b)非天然アミノ酸残基、例えばN-置換グリシン、アミノ酸置換物等;または(c)天然および非天然アミノ酸残基/置換物両方のポリマーであってよい。言い換えると、本ペプチド化合物はペプチドまたはペプトイドであってよい。ペプトイド化合物およびその調製法はWO 91/19735に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み入れられる。本発明のペプチド化合物は、23アミノ酸または18〜28アミノ酸または20〜26アミノ酸を含み得るか、またはそれからなり得る。本発明の活性アミノ酸配列は、インテグリン結合モチーフ配列;グリコサミノグリカン結合モチーフ配列;およびカルシウム結合モチーフである重複し得る3つのモチーフを含むか、またはそれらからなる。
「治療」、「治療すること」等という用語は、本明細書において、一般的に、所望の薬理学的効果および/または生理学的効果、例えば血管新生の促進を得ることを意味するよう用いられる。効果は、疾患もしくはその症状を完全にもしくは部分的に防ぐという点で予防的であってもよく、ならびに/または疾患および/もしくは疾患に起因する副作用を部分的にもしくは完全に治癒させるという点で治療的であってもよい。本明細書で使用する「治療」は、哺乳動物、特にヒトの疾患の任意の治療を包含し、(a)疾患に罹患しやすい傾向があるが未だその疾患を有すると診断されていない対象において、疾患もしくは病態の発症を予防すること(例えば、軟骨の喪失を予防すること);(b)疾患を抑制すること、例えば軟骨の喪失を抑止すること;または(c)疾患を緩和すること(例えば軟骨の発達を強化すること)を含む。
「抗体」という用語は、抗体と結合し得る免疫グロブリンタンパク質を意味する。本明細書で使用する「抗体」という用語は、関心対象の抗原または抗原性断片と結合し得る抗体断片(例えば、F(ab’)2、Fab’、およびFab)を含むことが意図される。
「特異的に結合する」という用語は、特定のペプチド、具体的には本発明のペプチドに対する抗体の高結合活性および/または高親和性結合を意味する。特定の標的エピトープに対する抗体結合は、該ペプチド上の他のエピトープまたは他のペプチド上の他のエピトープに対する該抗体の結合よりも強い。関心対象のペプチドに特異的に結合する抗体は、弱いが検出可能なレベルで(例えば、関心対象のペプチドに対して示す結合の10%またはそれ未満)、他のペプチドに結合し得る場合もある。そのような弱い結合またはバックグラウンド結合は、例えば適切な対照を用いることにより、関心対象のペプチドに対する特異的な抗体結合から容易に識別される。
「対象」、「個体」、「患者」、および「宿主」という用語は本明細書で互換的に用いられ、任意の脊椎動物、詳細には任意の哺乳動物を指し、最も詳細にはヒト対象、家畜、および哺乳動物ペットを含む。対象は、医師などの医療専門家の看護の下にあってよいが、必ずしもその必要はない。
ペプチド化合物
本発明のペプチド化合物は、それらの配列内に約20〜50アミノ酸を含むペプチドであり、少なくとも20アミノ酸でありかつ50アミノ酸以下からなり得る。アミノ酸は好ましくは、20種の天然L-アミノ酸の1つである。しかしながら、D-アミノ酸が存在してもよく、同様にアミノ酸類似体が存在してもよい。
本発明のペプチドは
Figure 2010516685
の一般的アミノ酸配列を含み、この配列のみからなってもよい。この共通配列モチーフを有するペプチドは、インビトロおよびインビボにおいて強力な硬組織形成活性を有することが本明細書において示される。
具体的には、本発明のペプチドは、
Figure 2010516685
の一般的アミノ酸配列もまた含むそれらの配列内に約20〜50アミノ酸を含み、この配列のみからなってもよい。
より具体的には、本発明のペプチドは、
Figure 2010516685
の一般的アミノ酸配列もまた含むそれらの配列内に約21〜35アミノ酸を含み、この配列のみからなってもよい。このより大きな一般的配列(SEQ ID NO:3)は、上記のより小さな一般的配列、すなわち2つめのアミノ酸残基「D」から21番目のアミノ酸残基「F」までを含む。この共通配列モチーフを有するペプチドは、インビボにおいて骨および軟骨形成活性などの強力な硬組織形成活性を示した。
個々のアミノ酸はLまたはDアイソフォームとしてペプチド内に存在し得るが、好ましくはL型である。本発明のペプチドは、そのC末端がアミド化されてもアミド化されなくてもよく、またはそのN末端がカルボキシル化されてもカルボキシル化されなくてもよい。
本発明のペプチドの具体例は、
Figure 2010516685
の一般的アミノ酸配列を含み、これには以下のものが含まれる:
Figure 2010516685
Figure 2010516685
Figure 2010516685
SEQ ID NO:17〜20および34〜37を除くこれらの配列はすべて、
Figure 2010516685
の一般的アミノ酸配列を含む本発明のペプチドの例である。この一般的アミノ酸配列は、いずれもげっ歯類オーソログに対する相同性と比較して相互に比較的高い相同性を示す、ヒト、チンパンジー、マカク、およびイヌなどの比較的進化した哺乳動物種におけるAC-100に対応する配列の共通配列を示す。
さらに、SEQ ID NO:21〜33は、
Figure 2010516685
の一般的アミノ酸配列を含む本発明のペプチドの例である。
上記のSEQ ID NO:21のペプチドは、RGDインテグリン結合モチーフ(SEQ ID NO:42)、SGDGグリコサミノグリカン結合モチーフ(SEQ ID NO:43)、およびカルシウム結合モチーフである
Figure 2010516685
などのいくつかの特徴的なモチーフを含み、骨または歯において硬組織形成活性を有するペプチドの1つとして、米国特許第6,911,425号に示されたものである。
しかし本発明において示すように、それらの正確な配列および位置でのこれらの特徴的なモチーフは、いずれも硬組織形成活性に必要でないことが判明した。
Figure 2010516685
という別の共通アミノ酸配列モチーフが、そのような活性に必須であることが本明細書において示される。
AC-100としても知られるSEQ ID NO:21のペプチドのRGDおよび/またはSGDGモチーフの両方またはいずれかを、それぞれDGRおよびGDGSとなるように順番を入れ替えた場合、これらはいずれも骨形成を促進するその活性を失わなかった。実施例2を参照されたい。Hayashibara, et. al. はJournal of Bone and Mineral Research 19(3):455-462, 2004において、RGDまたはSGDG配列の順番を入れ替えるとAC-100の骨形成活性が減少することを以前に報告したが、報告された実験では非常に低用量の入れ替えペプチドが試験されたに過ぎず、それ以来さらなる検討はなされていない。本発明の実験では、最適用量を使用した。
加えて、RGDをDGRとなるように順番を入れ替えた場合、これにより、モチーフの最初の「D」が「R」に変化することによって、DXDXSXFXGXXQのカルシウム結合モチーフも自動的に破壊された。しかし、このペプチドは骨形成活性を失わなかった。
これらの結果から、SEQ ID NO:21のペプチドすなわちAC-100は硬組織形成において活性を有するが、活性に必須のアミノ酸配列モチーフはRGD、SGDG、またはDXDXSXFXGXXQではないことが示唆された。
AC-100のチンパンジーオーソログが最近同定され、そのアミノ酸配列がRGDを含まず、代わりにRWD(SEQ ID NO:28)であることが判明した。このことはまた、RGDインテグリン結合モチーフが、AC-100に伴う骨増殖活性に必須でないことを示している。
AC-100配列は、元はヒトMEPEの部分配列に由来した。哺乳動物細胞によって産生されたMEPEの最近の構造解析において、分子量約22〜30 kDaのコンドロイチン硫酸鎖が、SGDGグリコサミノグリカン結合モチーフ中の「S」に結合していることが発見された(Grimm, et. al., Protein Society, Boston, July 21-25, 2007)。このことから、MEPE分子においてSGDG配列は大きな炭水化物鎖によってマスクされていること、ひいては、SGDG配列自体が、元の天然MEPE分子において何らかの特定の生物学的役割を有する可能性が低いことが示唆される。したがって、AC-100内のSGDG配列の順番を入れ替えても、AC-100ペプチドの全体的な生物学的機能に影響がないかもしれないと推測することは理にかなっている。
いくつかのアミノ酸配列モチーフを合成し、ヒト間葉系幹細胞アッセイ法およびラット頭蓋冠欠損モデルにおいてそれらの骨形成活性について試験した。これらの実験の結果と、マカク(SEQ ID NO:30)、ラット/マウス(SEQ ID NO:34)、およびイヌ(SEQ ID NO:38)などのMEPEのいくつかの他のオーソログにおけるAC-100に対応する配列の配列解析を考え合わせると、骨形成活性に必須のアミノ酸配列モチーフは
Figure 2010516685
であると結論づけられた。
これらの結果に加えて、SEQ ID NO :1よりも大きないくつかのアミノ酸配列モチーフも合成し、硬組織形成活性について試験した。
結果として、
Figure 2010516685
という同じアミノ酸配列モチーフを共有するいくつかのペプチドが、硬組織形成活性に関して強力な活性を示した。本発明の実施例3および実施例4に示されるように、同様にこのアミノ酸配列モチーフを有するSEQ ID NO:21のペプチドすなわちAC-100は、ヤギ変形性関節症モデルの膝関節において用量依存的な軟骨形成活性を示した。
上記の通り、変性した関節において新たな軟骨を再生する有効な治療法はほとんど存在しない。骨は高度に血管化されているのに対し、軟骨はそれほど血管化されていない。そのため、全身投与した薬物の軟骨への送達は非常に難しい。より重要なことには、そのために、軟骨細胞(cartilage cell)(軟骨細胞(chondrocyte))および修復軟骨に分化し得る細胞の利用可能性が顕著に減少する。
実施例3は、軟骨欠損が軟骨下骨に到達するほど深いヤギOAモデルを用いた埋め込み試験である。処置過程の最初から、軟骨欠損は軟骨下細胞に曝露されていた。軟骨下骨は多くの間葉系幹細胞を含むため、そのような細胞は、欠損部に直接埋め込まれたコラーゲン足場中に含まれるAC-100によって刺激され得た。それぞれ図3および4に示されるように、AC-100処置群が、組織学的に検証された、軟骨の用量依存的再生を示したことは、驚くべきことであった。このモデルのように、埋め込み可能な足場による深い骨軟骨欠損の標準的な治療では、典型的な応答は線維軟骨の形成であり、これは様々な割合の白色繊維組織と軟骨組織の混合物からなり、したがって純粋に軟骨ではない。
軟骨欠損が軟骨下骨に到達するほど深くない重症度の低いOAの症例では、軟骨が血管化されないために、軟骨を修復し得る利用可能な細胞の数が限られる。細胞の唯一考えられ得る供給源は、滑膜における血管化である。
そのようなOAの症例に対して細胞の利用可能性を増加させるために、関節鏡下手術技法が開発された。上記の通り、穿孔および微小破壊などの関節鏡技法は、軟骨を通して軟骨下骨まで孔(それぞれ2〜2.5 mmまたは0.5〜1 mm)を開ける段階を含む。軟骨下骨が露出して間葉系幹細胞と接触すると、欠損部は線維軟骨(大きな孔)、または硝子軟骨と線維軟骨の混合物(小さな孔)のいずれかで満たされる(Steadman et al., Oper Technol Orthop 1997;7:300)。
実施例4の実験は、微小破壊方法とAC-100の関節内注射の併用療法を含んだ。このモデルでは、関節内に注射したAC-100が、微小破壊手術によって作製された孔を通して軟骨下骨から動員された細胞を刺激すると考えられた。それぞれ図5および6の左側半分に示されるように、AC-100は、この実験において欠損部における新たな軟骨形成を用量依存的に増加させた。この実験における生理食塩水群は、OA治療の標準的治療法の1つとして現在使用されている微小破壊治療法を表す。
実施例4はまた、微小破壊手術なしでのAC-100の関節内注射を伴った。このモデルでは、軟骨欠損は軟骨下骨まで到達しておらず、微小破壊孔も開けなかった。したがって、軟骨下骨からの細胞供給はなかった。軟骨修復の唯一考えられ得る細胞供給源は、滑液中に最初に存在した細胞、および滑膜内の血管から供給され得る細胞であった。これら唯一の細胞供給源は少数であった。
しかし驚くべきことに、この非微小破壊OAモデルにおいて関節内に注射したAC-100は、それぞれ図5および図6の右側に示されるように、欠損部において新たな軟骨形成を用量依存的に増加させた。
AC-100の2つの特に高い用量群(それぞれ25 mgおよび125 mg)が、微小破壊実験の生理食塩水群よりも多くの軟骨形成を示したことは、さらに予想外の結果であった(それぞれ図5および6の両側を比較されたい)。上記の通り、他の処置なしでの微小破壊手術は現在の標準的治療法である。孔を介した軟骨下骨からの修復細胞の動員が、軟骨修復を助けると広く考えられている。それにもかかわらず、非常に限られた細胞供給しかないと考えられる滑膜腔へのAC-100の単純な関節内注射は、細胞動員方法と比較して、軟骨修復のより良好な治療法であるようであった。
OA患者の大多数は、軟骨欠損が軟骨下骨まで到達していない非重症群と分類され得る。これら患者らのほとんどは、現在、疾患の進行を遅らせることが予測される抗炎症薬、鎮痛薬、関節内HA注入等による治療を受けている。実施例4の結果から、AC-100の最小の関節内注射は、疾患進行を遅らせ得るばかりでなく、変性した軟骨をも治癒させ得ることが示唆される。
配列
上記配列のすべてまたは任意のアミノ酸はD-構造またはL-構造であってよく、また等価な類似体で置換することができる。好ましい態様は、L-構造の天然アミノ酸を含む。
すべてまたは任意の上記配列は、そのC末端がアミド化されても、アミド化されなくても、もしくは別の方法で修飾されてもよく、またはそのN末端がカルボキシル化されても、カルボキシル化されなくても、もしくは別の方法で修飾されてもよい。
加えて、前記ペプチドのいずれの多量体も提供する。多量体には、二量体、三量体、四量体、五量体、六量体等が含まれる。したがって、約20〜約50アミノ酸の長さを有する本発明のペプチドは、本ペプチドが2コピー、3コピー、4コピー、5コピー、6コピー、またはそれ以上直列に並んで存在するように、任意に介在性リンカーを用いて多量体化することができる。さらに、本発明の2つまたはそれ以上の異なるペプチドは相互に多量体化して、「ヘテロ多量体」を形成し得る。したがって例えば、多量体は、任意にグリシン残基1〜10個のようなリンカー分子を用いて、ペプチド結合により共に連結された第1ペプチドおよび第2ペプチドを含み得る。
本発明のペプチド化合物は、例えば当業者に公知の技法である固相ペプチド合成技法を含む任意の公知の方法を用いて得ることができる。ペプチドを合成する方法は当技術分野で周知であり、例えば、「The Practice of Peptide Synthesis」 M. Bodanszky and A. Bodanszky, eds.(1994)Springer-Verlag;およびJones, The Chemical Synthesis of Peptides(Clarendon Press, Oxford)(1994)を含む多くの出版物に十分に記載されている。一般にこのような方法では、ペプチドは、成長しつつあるペプチド鎖が結合されている固相に、活性化した単量体単位を順次付加していくことにより生成される。その開示が参照により本明細書に組み入れられるWO 94/06451に記載されているように、固相合成におけるサブモノマーの使用も対象となる。
固相合成の代わりに、ペプチド化合物をコードするポリヌクレオチドを含む発現系を発現させることにより、本発明の本ペプチド化合物を調製することも可能である。任意の簡便な方法を使用することができ、それらの方法は典型的に、本ペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子の調製、コード領域の発現用ベクターへの導入、宿主細胞のベクターによる形質転換、ならびに産物の発現および回収を含む。上記の各段階を達成するプロトコールは、当技術分野において周知である。Sambrook, Fritsch & Maniatis, Molecular Cloning, A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Press, Inc.)(1989)を参照されたい。
治療法
本発明はまた、SEQ ID NO:21のアミノ酸配列を有するペプチドすなわちAC-100を含む、SEQ ID NO:1の共通アミノ酸配列モチーフを有するペプチド化合物の治療的有効量を投与することによって、軟骨形成を促進する方法を開示する。本発明の方法を用いて、単独でまたは担体材料と併用してペプチド化合物の有効量を投与することにより、哺乳動物の身体において、軟骨の病的なまたは外傷性の減少または欠損を伴う疾患および病態を治療または予防することができる。
本発明の方法による治療に適している病態および疾患の例には、関節リウマチのような病的状態によって、または変形性関節症などの外傷性状態によって生じた軟骨の欠損を伴う任意の病態が含まれる。
関節リウマチは、自己の免疫系が自己組織、特に全身の関節の軟骨を攻撃し破壊する自己免疫疾患である。そのような病態では、患者の関節は炎症によって損傷を受け、関節の軟骨も多くの場合破壊され、そのいずれもが著しい疼痛を引き起こす。今日ではそのような自己免疫反応を調節するためのいくつかの治療法が利用可能であるが、痛みのない屈伸など、関節運動を滑らかにする軟骨組織を再生するための治療法はほとんど存在しない。疾患によって失われた軟骨の迅速な再構築は、患者を大いに助けることになるであろう。
本発明の治療方法の1つの局面は、本発明の製剤を投与することによる、関節リウマチまたは変形性関節症などの疾患の治療を含み得る。本方法は、疾患を起こしやすい対象の部位を決定する段階、および疾患の該部位に製剤を局所投与する段階を含む。本発明は、患者を診断する段階および疾患の部位を特定する段階のみならず、実行可能な関節の屈曲の程度などの疾患のレベルを決定するために該部位を試験する段階、およびその後製剤を投与する段階、該部位において製剤を作用させる段階、ならびにその後関節の屈曲の程度の改善などの該部位の改善のレベルを決定するために患者を再度試験する段階をさらに含み得る。本開示を読む当業者は、他の疾患に基づいた患者の他の試験も行うことができること、およびそのような試験を行った後に本発明の製剤を投与し、続いて製剤を作用させる時間をおき、続いて改善のレベルを決定するために対象を再度試験することができることを理解するであろう。本方法のいずれにおいても、本明細書に開示する種々の投与方法を使用することができる。特定の方法は、スポンジに吸収させた、本明細書に教示するペプチドの治療的有効量を有するコラーゲンからなるスポンジを埋め込む段階を含む。別の特定の方法は、本明細書に教示する微小破壊手術後の、ペプチドの治療的有効量の関節内注射である。微小破壊手術を伴わない治療過程において、同じ関節内注射を用いることもできる。
変形性関節症は、関節の軟骨が失われて、典型的に罹患関節を動かした際に著しい痛みを引き起こす点で関節リウマチと似ている。しかし、この病態は病的事象によるものではなく、関節における機械的ストレスによるものである。したがって、この病態は大きな機械的負荷を受ける関節で起こる傾向があり、これによって影響を受ける最も一般的な関節は膝である。この病態は加齢と共に多くなるが、若い運動選手に起こる場合も多い。そのような場合には、運動競技の専門性の部位に応じて、この病態は膝、肩等の膝以外の関節で起こる。そのような関節で失われた軟骨の迅速な再構築は、患者を大いに助けることになるであろう。
本明細書で使用する「有効量」または「治療的有効量」は互換的に用いられ、本方法と共に使用するためのペプチド化合物の量を指し、軟骨形成を増強する量であり、測定可能な量であり、適切な対照と比較した場合に少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、もしくは少なくとも約60%、またはそれ以上であり得る。実験動物の場合の適切な対照は、ペプチドで処置していない動物、例えば媒体で処置するかまたは非関連ペプチドで処置した動物である;ヒト対象の場合には、偽薬で処置したヒト対象、または本発明のペプチドで処置する前のヒト対象である。
いくつかの態様において、本方法と共に使用するためのペプチド化合物の有効量は、適切な対照と比較した場合に少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、もしくは少なくとも約60%、またはそれ以上であり得る測定可能な量だけ、軟骨形成を加速させる量である。
他の態様において、ペプチド化合物の有効量は、関節炎または任意の他の軟骨損傷病態に罹患している個体の治癒速度を加速させる量である。例えば、これらの態様において、ペプチド化合物の有効量は、該ペプチド化合物の投与を行わない場合に予測される治癒速度と比較して、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、もしくは少なくとも約25%、またはそれ以上であり得る測定可能な量だけ、軟骨再生を伴う関節炎病態の治癒を加速させるのに有効な量である。
投与経路
本方法と共に使用するためのペプチド化合物の製剤は、インビボ法およびエクスビボ法、ならびに全身性および局所性の投与経路を含む、薬物送達に適した任意の利用可能な方法および経路を用いて個体に投与する。
従来の薬学的に許容される投与経路には、鼻腔内、肺内、筋肉内、気管内、皮下、皮内、関節内、局所適用、静脈内、直腸、経鼻、経口、およびその他の非経口の投与経路が含まれる。投与経路は必要に応じて組み合わせることができ、または免疫調節核酸分子および/または免疫応答に及ぼす所望の効果に応じて調整することができる。本発明の方法と共に使用するためのペプチド化合物製剤は、単回用量または複数回用量で投与することができる。
ペプチド化合物製剤は、全身経路または局部経路を含む、従来の薬物の送達に適した任意の利用可能な従来の方法および経路を用いて対象に投与することができる。一般に、本発明によって意図される投与経路には、必ずしもこれらに限定されないが、腸内、非経口、埋め込み型、または吸入経路が含まれる。
吸入投与以外の非経口投与経路には、必ずしもこれらに限定されないが、局所、経皮、皮下、筋肉内、眼窩内、嚢内、脊髄内、胸骨内、関節内、および静脈内経路、すなわち消化管を通らない任意の投与経路が含まれる。非経口投与は、本発明のペプチドの全身または局所送達をもたらすように行うことができる。全身送達が所望される場合、投与は典型的に、薬学的調製物の浸潤性のまたは全身に吸収される局所または粘膜投与を含む。
本発明のペプチド化合物製剤は、腸内投与によって対象に送達することもできる。腸内投与経路には、必ずしもこれらに限定されないが、経口送達および直腸送達(例えば、坐剤を使用)が含まれる。
皮膚または粘膜を介したペプチド化合物製剤の投与方法には、必ずしもこれらに限定されないが、透過促進剤を用いるまたは用いない適切な薬学的調製物の局所適用、経皮伝達、注射、および表皮投与が含まれる。本発明のペプチドをその中に含むパッチもまた、本発明のペプチド化合物製剤の送達に対して意図される。パッチは、皮膚、または例えば歯肉組織などの他の組織に適用することができる。経口送達系に適した任意の公知のパッチ送達系を使用することができる。例えば米国特許第6,146,655号を参照されたい。
本発明のペプチド化合物は、該ペプチド化合物を含み得る担体材料と共に製剤化することができる。そのような担体材料は、患者の必要性に応じて注射用であるかまたは埋め込み型であってよい。一例として、ペプチド化合物は、実施例3に示すようなコラーゲン担体と共に製剤化し、罹患関節の軟骨欠損部に外科的に直接埋め込むことができる。この治療方法では、担体は、本発明のペプチド化合物の持続放出を可能にする生分解性であってよく、この場合、治療の有効性を増加させ得る長期にわたり、軟骨の罹患部位を本発明の治療ペプチド化合物に曝露することができる。
別の態様において、本発明のペプチド化合物は、該ペプチド化合物を含み得る担体材料と共に製剤化することができ、関節などの関節内の空間に直接投与することができる。例えば、本発明のペプチド化合物を、関節の運動を単に滑らかにするために関節病態の治療に広く用いられているヒアルロン酸と共に製剤化する場合、この製剤は関節内の空間に直接注射することができる。
本発明のペプチド化合物は、注射液に懸濁することができる生分解性担体材料の微粒子と共に製剤化して、関節内に直接注射することもできる。これによってまた、軟骨形成に及ぼすその有効性を延長するための本発明のペプチド化合物の持続放出が可能になると考えられる。
本発明のペプチド化合物製剤は、本発明のペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を個体に投与することにより、個体に送達することもできる。「ポリヌクレオチド」および「核酸分子」という用語は本明細書において互換的に用いられ、任意の長さの重合体型ヌクレオチドを指す。ポリヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、および/またはこれらの類似体を含み得る。発現には、発現カセットを使用することができる。発現ベクターは、誘導性または構成的であってよい転写および翻訳開始領域ならびに転写および翻訳終結領域を提供し、コード領域は転写開始領域の転写調節下で機能的に連結される。これらの調節領域は、本ペプチドをコードする遺伝子にとって天然のものであってもよいし、または外因性供給源に由来してもよい。
発現ベクターは一般に、プロモーター配列の近傍に位置する利便な制限部位を有し、異種タンパク質をコードする核酸配列の挿入を提供する。発現宿主において作動する選択マーカーが存在してもよい。発現ベクターは融合タンパク質の産生に使用することができ、この場合、外因性融合ペプチドは付加的な機能性、すなわちタンパク質合成の増加、安定性、規定の抗血清との反応性、酵素マーカー、例えばβ-ガラクトシダーゼ等を提供する。
発現カセットは、転写開始領域、遺伝子またはその断片、および転写終結領域を含めて調製することができる。ベクターには、これらに限定されないが、プラスミド;コスミド;ウイルスベクター;人工染色体(YAC、BAC等);ミニ染色体等が含まれる。ベクターは、例えばShort Protocols in Molecular Biology,(1999)F. Ausubel, et al., eds., Wiley & Sonsを含む、当技術分野で周知の数多くの出版物に十分に記載されている。
発現ベクターを使用して、AC-100ペプチドをコードする核酸分子を個体の細胞に導入することができる。このようなベクターは一般に、プロモーター配列の近傍に位置する利便な制限部位を有し、核酸配列の挿入を提供する。転写カセットは、転写開始領域、標的遺伝子またはその断片、および転写終結領域を含めて調製することができる。転写カセットは、例えばプラスミド;レトロウイルス、例えばレンチウイルス;アデノウイルス等の様々なベクターに導入することができ、この場合、ベクターは細胞内に一過性にまたは安定して、通常は少なくとも約1日、より一般的には少なくとも約数日〜数週間維持され得る。
本発明のペプチド化合物をコードするヌクレオチド配列を含む発現ベクターは、ウイルス感染、マイクロインジェクション、または小胞融合を含む多くの経路で組織または宿主細胞に導入することができる。Furth et al.(1992), Anal Biochem 205:365-368に記載されているように、ジェット式注射を筋肉内投与に使用することもできる。金微小粒子を発現ベクターで被覆した後に皮膚細胞に照射する手順に関する文献(例えば、Tang et al.(1992), Nature 356:152-154)に記載されているように、発現ベクターで金微粒子を被覆して、微粒子銃装置すなわち「遺伝子銃」により皮内に送達することができる。
用量
使用する用量は達成すべき臨床目標に応じて変動するが、適切な用量範囲は、最大約1μg、約1,000μg、約10,000μg、約25,000μg、約50,000μg、または約100,000μgの、本発明の対象の方法と共に使用するAC-100などSEQ ID NO:1のペプチドの製剤を提供する範囲である。本発明の製剤は、単回用量で、または長期にわたる数回のより少ない用量で投与することができる。または、ペプチドの標的用量は、ペプチド投与直後の24〜48時間以内に採取した宿主血液試料中の約0.1〜1000μM、約1〜500μM、または約5〜250μMとみなすことができる。1つの態様では、製剤は一度だけ投与し、再度投与しない。
軟骨形成に及ぼす効果は、用量依存的であってよい。したがって、効力を2倍に増大させるには、各単回用量の濃度を2倍にする。所望の治療目標を達成するためには、用量増加が必要な場合もある。したがって本発明は、軟骨形成を促進するための、複数回用量の投与を意図する。複数回用量を投与する場合には、次の用量を前回用量の約16週、約12週、約8週、約6週、約4週、約2週、約1週、約5日、約72時間、約48時間、約24時間、約12時間、約8時間、約4時間、もしくは約2時間以内、またはそれ未満の期間内に投与する。
本開示によって提供される教示を考慮して、本開示を読む臨床分野の当業者は、本発明によるペプチドの投与の適切なパラメータを熟知するようになるか、またはこれを容易に確認することができる。
併用療法
いくつかの態様において、軟骨の形成または再生を伴う疾患または病態を治療する本方法は、ペプチド化合物および少なくとも第2の治療薬を個体に投与する段階を含む。イブプロフェンまたはステロイドなどの炎症または疼痛を制御する因子は、血管新生を伴う疾患または病態に付随する腫脹および炎症を軽減するために、薬学的組成物の一部であってよい。
本併用治療での使用に適したさらなる治療薬には、これらに限定されないが、抗炎症薬または鎮痛薬が含まれる。
抗炎症薬
適切な抗炎症薬には、これらに限定されないが、ナプロキセンナトリウム、ジクロフェナクナトリウム、ジクロフェナクカリウム、セレコキシブ、スリンダク、オキサプロジン、ジフルニサル、エトドラク、メロキシカム、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナブメトン、レフェコキシブ、メトトレキセート、レフルノミド、スルファサラジン、金塩、RHo-D免疫グロブリン、ミコフェノール酸モフェチル、シクロスポリン、アザチオプリン、タクロリムス、バシリキシマブ、ダクリズマブ、サリチル酸、アセチルサリチル酸、サリチル酸メチル、ジフルニサル、サルサラート、オルサラジン、スルファサラジン、アセトアミノフェン、インドメタシン、スリンダク、メフェナム酸、メフェナム酸ナトリウム、トルメチン、ケトロラク、ジクロフェナク、フルルビプロフェン、オキサプロジン、ピロキシカム、メロキシカム、アンピロキシカム、ドロキシカム、ピボキシカム、テノキシカム、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、アンチピリン、アミノピリン、アパゾン、ジロートン、アウロチオグルコース、金チオリンゴ酸ナトリウム、オーラノフィン、メトトレキセート、コルヒチン、アロプリノール、プロベネシド、スルフィンピラゾン、ベンズブロマロン、ベタメタゾン、グルココルチコイドプロピオン酸誘導体、アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロキシ酸、カプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ミロプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸、チオキサプロフェン、インドメタシン、アセメタシン、アルクロフェナク、クリダナク、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、フェンクロジン酸、フェンチアザク、フロフェナク、イブフェナク、イソキセパク、オキシピナク、スリンダク、チオピナク、トルメチン、ジドメタシン、ゾメピラック、フルフェナム酸、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ニフルミン酸、トルフェナム酸、ジフルニサル、フルフェニサル、イソキシカム、ピロキシカム、スドキシカム、テノキシカム、アセチルサリチル酸、スルファサラジン、アパゾン、ベズピペリロン、フェプラゾン、モフェブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン、セレコキシブ、およびロフェコキシブが含まれる。
製剤
一般に、ペプチド化合物製剤は、宿主に送達するための薬学的に許容される組成物中に調製する。本発明のペプチドとの使用に好ましい薬学的に許容される担体には、滅菌水溶液または非水溶液、懸濁液、および乳濁液が含まれ得る。非水性溶媒の例には、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、およびオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルがある。水性担体には、水、アルコール/水溶液、乳濁液、または生理食塩水および緩衝培地を含む懸濁液が含まれる。非経口媒体には、塩化ナトリウム溶液、ブドウ糖リンゲル液、ブドウ糖および塩化ナトリウム、乳酸加リンゲル液、または不揮発性油が含まれる。静脈内媒体には、液体および栄養補充剤、電解質補充剤(ブドウ糖加リンゲル液に基づくものなど)等が含まれる。本発明のペプチドを含む組成物は、当技術分野で周知の手段により凍結乾燥した後に、再構成して本発明に従って使用することもできる。また、リポソーム送達用の製剤、およびマイクロカプセル化されたペプチド化合物を含む製剤も対象となる。
一般に、薬学的組成物は、顆粒剤、錠剤、丸剤、坐剤、カプセル剤、懸濁剤、軟膏剤、ローション剤等の様々な形状で調製することができる。経口および局所使用に適した製薬等級の有機または無機担体および/または希釈剤を使用して、治療活性化合物を含む組成物を生成することができる。当技術分野で公知の希釈剤には、水性媒体、植物性および動物性油脂が含まれる。安定化剤、湿潤剤および乳化剤、浸透圧を変化させるための塩類、または適切なpH値を保つための緩衝液、および皮膚浸透促進剤を助剤として用いることができる。例えば抗菌剤、抗酸化剤、キレート化剤、および不活性ガス等の保存剤およびその他の添加物も存在してよい。
吸収促進剤、界面活性剤、および化学的刺激剤(例えば、ケラチン溶解剤)は、ペプチド製剤の標的組織への伝達(例えば、皮膚を介する)を増強することができる。有機およびペプチドベースの薬物の粘膜送達に用いて成功している吸収促進剤および界面活性剤に関する一般的原理については、例えばChien, Novel Drug Delivery Systems, Ch.4(Marcel Dekker, 1992)を参照されたい。特に適切な経鼻吸収促進剤の例は、Chien、前記のCh.5、表2および3に記載されている。より穏やかな薬剤が好ましい。粘膜/経鼻送達に関して本発明の方法での使用に適した薬剤はまた、Chang, et al., Nasal Drug Delivery, 「Treatise on Controlled Drug Delivery」, Ch.9およびそのTable 3-4B(Marcel Dekker, 1992)に記載されている。皮膚を介した薬物の吸収を増強することが知られている適切な薬剤は、Sloan, Use of Solubility Parameters from Regular Solution Theory to Describe Partitioning-Driven Processes, Ch. 5, 「Prodrugs:Topical and Ocular Drug Delivery」(Marcel Dekker, 1992)、および本文中の別の箇所に記載されている。これらの参考文献はすべて、薬物送達技法に関する技術分野における知識および技能のレベルを示すことを唯一の目的として、本明細書に組み入れられる。
特定の組織に対するペプチド化合物の標的送達には、コロイド分散系を使用することができる。コロイド分散系には、高分子複合体、ナノカプセル、ミクロスフェア、ビーズ、ならびに水中油型乳濁液、ミセル、混合ミセル、およびリポソームを含む脂質ベースの系が含まれる。
リポソームは、インビトロおよびインビボにおける送達媒体として有用な人工膜小胞である。0.2〜4.0 Fmという大きさの大型単層小胞(LUV)が、大型の巨大分子を含む水性緩衝液をかなりの割合で封入できることが示されている。RNAおよびDNAを水性内部に封入し、生物活性型として細胞に送達することができる(Fraley, et al.,(1981)Trends Biochem. Sci., 6:77)。リポソームの組成は通常、一般的にステロイド、特にコレステロールと組み合わせた、リン脂質、特に相転移温度が高いリン脂質の組み合わせである。他のリン脂質または他の脂質を使用することも可能である。リポソームの物理的特性は、pH、イオン強度、および二価陽イオンの存在に依存する。リポソームの生成に有用な脂質の例には、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミンなどのホスファチジル化合物、スフィンゴ脂質、セレブロシド、およびガングリオシドが含まれる。特に有用なのは、脂質部分が炭素原子14〜18個、特に炭素原子16〜18個を含み、飽和しているジアシルホスファチジルグリセロールである。例示的なリン脂質には、卵ホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、およびジステアロイルホスファチジルコリンが含まれる。本方法での使用に適した例示的なリポソーム/治療核酸組成物は、Louria-Hayon et al.(2002)Vaccine 20:3342に記載されている。
必要に応じて、リポソームの標的化は、解剖学的要素および機構的要素に基づいて分類することができる。解剖学的分類は、選択性、例えば器官特異的、細胞特異的、および細胞小器官特異的な選択性のレベルに基づく。機構的標的化は、受動的かまたは能動的かに基づいて区別することができる。受動的な標的化では、リポソームが、洞様毛細血管を含む器官の細網内皮系(RES)の細胞に分布する天然の性質を利用する。一方、能動的な標的化は、天然の局在部位以外の器官および細胞型への標的化を達成するための、リポソームと特異的リガンド(モノクローナル抗体、糖、糖脂質、またはタンパク質など)との結合による、またはリポソームの組成もしくは大きさの変更による、リポソームの変化を伴う。
標的送達系の表面は、様々な方法で修飾することができる。リポソーム標的送達系の場合には、標的化リガンドをリポソーム二重層と安定に結合した状態で維持するために、脂質基をリポソームの脂質二重層に取り込むことができる。脂質鎖を標的化リガンドに結合させるには、様々な周知の連結基を用いることができる(例えば、Yanagawa, et al.,(1988)Nuc. Acids Symp. Ser., 19:189;Grabarek, et al.,(1990)Anal. Biochem., 185:131;Staros, et al.,(1986)Anal. Biochem. 156:220、およびBoujrad, et al.,(1993)Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90:5728を参照されたい)。治療ペプチド製剤の標的送達は、ウイルスおよび非ウイルス組換え発現ベクターに、抗原もしくはその他のリガンドに、モノクローナル抗体に、または所望の結合特異性を有する任意の分子に、治療製剤を結合させることによって達成することもできる。
インビボにおける軟骨形成の誘導
インビボにおける軟骨形成の促進を達成するために(例えば、治療的軟骨形成の状況において)、ペプチド化合物製剤は、好ましくは薬学的に許容される担体と共に、任意の適切な様式で投与することができる。本発明の状況における本発明のペプチド化合物を含む製剤を対象に投与する様々な適切な方法が利用できること、および複数の経路を用いて特定の化合物を投与することができるが、特定の経路によって、別の経路よりもより迅速で、より効果的で、および/または伴う副作用がより少ないものを提供できることを、当業者は容易に理解するであろう。一般に、ペプチド化合物製剤は、例えば非経口、皮下(subcutaneous)、静脈内、動脈内、心膜内、筋肉内、腹腔内、関節内、経皮(transdermal)、経皮(transcutaneous)、皮下(subdermal)、皮内、または肺内経路により、本発明の方法に従って投与することができる。
ペプチド化合物は、例えば、所望の治療部位またはその近傍への直接注射(例えば、関節内または皮下注射)、所望の治療部位の近傍部位へのペプチドの皮下導入(例えば、軟骨再生が所望される関節への皮下注射)、関節内注射、治療部位内またはその隣接部位への生体適合性ゲルまたはカプセル中のペプチド製剤の導入(例えば、罹患軟骨への直接的な埋め込みにより)、関節内の空間または軟骨形成の増加が所望される他の組織への直接注射などにより、局所投与することができる。
対象となる別の態様では、ペプチド製剤を、埋め込み可能な生体適合性ゲルの形状で送達する(例えば、治療部位またはその隣接部位への注射、治療しようとする組織またはその隣接部位への押し出しなどによる)。ペプチド製剤を含むゲル製剤は、長期にわたる(例えば、数時間、数日間、数週間等にわたる)局所放出を促進するように設計することができる。ゲルは、例えば針または他の送達用具を用いて、治療部位またはその近傍に注射することができる。1つの態様では、器具の内部またはその表面にゲルを配置し、この器具を組織に挿入し、次いでゆっくりと引き抜いてゲルの痕跡を残し、これにより器具が通った経路に沿って軟骨形成が促進される。
他の態様では、例えば、例として耳の再構築といった軟骨形成を伴う必要がある創傷治癒を促進するための、例えば局所送達のために、製剤を局所的に送達することが望ましい場合がある。局所適用は、パッチの形状で提供され得る生体適合性のゲルの使用により、またはクリーム、泡等の使用により達成することができる。創傷への適用に適したいくつかのゲル、パッチ、クリーム、泡等は、本発明による製剤の送達のために改変することができる(例えば、米国特許第5,853,749号;同第5,844,013号;同第5,804,213号;同第5,770,229号等を参照されたい)。一般に、局所投与は、親水コロイドまたは湿潤環境を提供する他の材料などの担体を用いて達成される。
他の態様では、製剤は、経皮パッチを用いて、局所的または全身的に、好ましくは局所的に送達する。いくつかの経皮パッチは、禁煙を促進するためのニコチンの全身送達に関して当技術分野において周知であり、そのようなパッチは、本発明による、軟骨形成を促進するのに有効な量のペプチド化合物の送達を提供するように改変することができる。
他の送達方法において、製剤は、イオン導入技法を用いて投与することができる。イオン導入で使用するための方法および組成物は、当技術分野において周知である(例えば、米国特許第5,415,629号;同第5,899,876号;同第5,807,306号等を参照されたい)。
本発明の製剤は、任意の他の公知の薬剤、例えば抗炎症薬と共に投与することができる。本発明のペプチドは、別の薬剤と同時に(例えば、混合して、または別の製剤として)、別の薬剤の約15分、約30分、約60分、約2時間、約5時間、約10時間、約12時間、約24時間、約36時間、約4日、約7日以内、またはそれ以上の期間内に投与することができる。特定の態様において、ペプチドは一度だけ投与し、再度投与しない。
実施例
以下の実施例は、当業者に本発明の作製法および使用法の完全な開示および説明を提供するために提示するものであり、本発明者らが自身の発明と見なす範囲を制限することを意図するものではなく、下記の実験が実施した実験のすべて、または実施した実験のみを示していることを意図するものでもない。使用した数字(例えば、量、温度等)に関しては正確性を期すよう努力したが、いくらかの実験誤差および偏差が考慮されるべきである。特記しない限り、割合は重量割合であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏、圧力は大気圧またはその近傍である。
実施例1
本発明のペプチドの合成
数種の異なるペプチドをt-Boc戦略により合成し、C末端アミド型として調製した。これらのペプチドは以下の通りである。
Figure 2010516685
(C末端アミド化)
SEQ ID NO:21のペプチドは、本明細書ではAC-100またはDentonin(登録商標)とも称する。
アミノ酸誘導体および樹脂は商業的供給元から購入し、ベンズヒドリルアミン樹脂から開始する標準的な固相t-Boc化学により合成した。合成は室温で行う。合成中に、ジクロロメタン(DCM)中のトリフルオロ酢酸(65%)を使用して、ブチルオキシカルボニル(Boc)保護基を除去する。アミノ酸はすべて、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)すなわちDICおよびヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を活性化剤として用いて結合させる。
標準的なフッ化水素(HF)技法を用いて、ペプチドを樹脂から切り離す。副反応を最小限にするために、アニソールをスカベンジャーとして使用する。反応は、-8〜-5℃で行う。HFは樹脂からペプチドを切り離しながら、同時にSer、Asp、Lys、Arg、Glu、およびThr残基の側鎖のベンジル保護基も除去する。ベンズヒドリルアミン樹脂を使用することにより、切り離した後に、アミド化C末端を有するポリペプチド(COOHではなくCONH2)が得られる。酢酸を用いて粗ペプチドを抽出し、乾くまで凍結乾燥する。
精製は、トリエチルアンモニウムアセテート/水、pH 5.5中の、アセトニトリル勾配を形成した逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)により、C18樹脂上で達成する。0.2%酢酸水溶液で平衡化した前の段階からの同じ分取カラムを用いるイオン交換により、ペプチドのTEAA塩を酢酸塩に変換し、次いでアセトニトリル勾配で溶出する。処理中の分析的なRP-HPLC純度チェックに基づき、≧95%純粋である画分をプールし、1200 mL凍結乾燥フラスコ中に分注し、瞬時凍結し、乾くまで凍結乾燥する。
実施例2
SEQ ID NO:34のペプチドを、ヒト間葉系幹細胞(hMSC)を使用する増殖アッセイ法で試験した。このアッセイ法では、AC-100が、骨形成タンパク質-2(BMP-2)およびインスリン様増殖因子-1(IGF-1)と比較して同様の活性レベルを示している、(Nigel, et. al., Journal of Cellular Biochemistry 93(6):1107-1114, 2004)。本実験でも、同様のプロトコールおよび陽性対照を使用した。
SEQ ID NO:34は、このペプチドのアミノ酸配列が、ラットおよびマウスMEPEにおける、ヒトMEPE由来のAC-100に対応する領域に由来するという理由から、本実験に選択した。さらに、他のすべての公知の哺乳動物のAC-100対応領域と比較して、これがAC-100(ヒト配列)に対して最も相同性が低い。
媒体と比較して、トリチウム標識チミジンの取り込みによるhMSCの有意な増殖活性が、SEQ ID NO:34のペプチド、BMP-2、およびIGF-1により示された。活性の程度は、これら3つの物質間で非常に類似していた。
結果から、
Figure 2010516685
の共通アミノ酸配列を共有するペプチドが、AC-100と同等のレベルの硬組織形成活性を有すると結論づけられた。
次の段階では、骨形成活性に対するRGDインテグリン結合モチーフ(SEQ ID NO:42)およびSGDGグリコサミノグリカン結合モチーフ(SEQ ID NO:43)の必要性を、ラット頭蓋冠欠損モデルにおいて、実施例1で合成した選択されたペプチドを試験することにより調べた。このモデルでは、直径8 mmの欠損をラットの頭頂骨に形成し、その大きさに切断したコラーゲンスポンジを欠損部に挿入する。被験物質をスポンジに染み込ませる。手術後6日間にわたり、皮下注射を毎日行う。手術の28日後に、ラットを安楽死させ、頭蓋冠を採取する。定性的スコア化システムを用いる組織学解析により、骨架橋の程度を決定した。試験したペプチドはSEQ ID NO:22、23、および24であり、これらはそれぞれAC-101、AC-102、およびAC-103としても記載される。
RGDインテグリン結合モチーフおよびSGDGグリコサミノグリカン結合モチーフを両方含むAC-100を、最適用量で陽性対照として使用した。
図2に示すように、AC-101、AC-102、およびAC-103処置によって誘導された骨架橋の程度は、生理食塩水処置のみと比べて改善されており、AC-100の活性に匹敵した。
これらの結果を考え合わせると、RGDモチーフもSGDGモチーフもAC-100の硬組織形成活性に必要ではない、および
Figure 2010516685
の共通アミノ酸配列を共有するペプチドが、AC-100と同等のレベルの硬組織形成活性を有すると結論づけられた。
実施例3
導入
正常な関節軟骨は、衝撃を吸収し、負荷に耐え、可動関節に関節連結表面を提供するように機能する。関節軟骨組織の組成は、関節表面上の解剖学的位置、年齢、および表面からの深さによって異なる(Lipshitz H, Etheredge R 3d and Glimcher MJ. In vitro wear of articular cartilage. J Bone Joint Surg [AM], 1975 Jun, 57:4, 527-34)。関節軟骨は、外傷性のまたは病的な苦痛の後に自己再生する能力がないという点で、他の筋骨格組織と異なる。疾患または外傷が関節軟骨の健康に影響を及ぼすと、回避不能な変性過程が生じ得る(Convery FR, Akeson WH, and Keown GH. The repair of large osteochondral defects. An experimental study in horses. Clin Orthop, 1972 Jan, 82:, 253-62)。軟骨が変性する過程において、間隙水の量は増加し、プロテオグリカン含量は減少し、プロテオグリカンの凝集も減少する(McDevitt CA and Muir H. Biochemical changes in the cartilage of the knee in experimental and natural osteoarthritis in the dog. J Bone Joint Surg [Br], 1976 Feb, 58:1, 94-101)。プロテオグリカン含量が減少すると、軟骨は軟化し(Kempson GE, Spivey CJ, Swanson SA and Freman MA. Patterns of cartilage stiffness of normal and degenerate human femoral heads. J Biomech, 1971 Dec, 4:6, 597-609;Jurvelin J, Kiviranta I, Tammi M and Helminen JH. Softening of canine articular cartilage after immobilization of the knee joint. Clin Orthop, 1986 Jun:, 207, 246-52)、損傷を起こしやすくなる。成人の関節軟骨は無血管性で、たった5%の細胞しかないため、この組織の治癒は達成するのが非常に困難である(Bora FW Jr. and Miller G. Joint physiology, cartilage metabolism, and the etiology of osteoarthritis. Hand Clin, 1987 Aug, 3:3, 325-36)。
本試験では、2つの異なる濃度(表1を参照されたい)のAC-100とコラーゲンスポンジを併用したもの、およびコラーゲンスポンジのみの対照を埋め込んで、骨および軟骨(骨軟骨)欠損の修復におけるAC-100の有効性を評価した。埋込物は、細胞および基質の内部増殖のための骨軟骨同種移植片として役立つことが意図された。軟骨修復の有効性は、修復組織の肉眼的検査および組織学的検査により評価した。主な目的は、このモデルを用いて、AC-100が、試験対照群および歴史的対照の自然な進行と比較して、骨軟骨欠損の治癒を修飾するおよび/または改善するかどうかを決定することであった。本報告では、12週および24週時点の、インビボの肉眼的および組織学的知見を記載する。
試験物質
以下の情報を提供する。
試験物質名 生理食塩水とコラーゲンスポンジ
被験物質の解析法 手術時に、200μl生理食塩水(0μl AC-100)をスポンジに吸収させる。0.5 mL生理食塩水を、手術した後膝関節に3週間にわたり週に1度注射する。
埋込物 およそ直径6 mm×厚さ6 mm

試験物質名 25 mg AC-100とコラーゲンスポンジ(図3および4のHDすなわち高用量)
被験物質の解析法 手術時に、200μlのAC-100、200 mg/mlをスポンジに吸収させる。0.5 mLのAC-100 80 mg/mL(200μlのAC-100、200 mg/mlに相当)を、手術した後膝関節に3週間にわたり週に1度注射する。
埋込物 およそ直径6 mm×厚さ6 mm

試験物質名 2.5 mg AC-100とコラーゲンスポンジ(図3および4のLDすなわち低用量)
被験物質の解析法 手術時に、200μlのAC-100、20 mg/mlをスポンジに吸収させる。0.5 mLのAC-100 8 mg/mL(200μlのAC-100、20 mg/mlに相当)を、手術した後膝関節に3週間にわたり週に1度注射する。
埋込物 およそ直径6 mm×厚さ6 mm
CollaPlug(登録商標)(Integra)を、本試験で使用するためのコラーゲンスポンジとして選択した。
試験物質の投与
コラーゲンスポンジは無菌で提供した。スポンジは、収縮約30%を考慮して、欠損部の大きさに打ち抜くかまたは切った。手術時に、被験物質をスポンジに吸収させてから、欠損部に埋め込んだ。埋込物の手術時に使用しない余分な物質は、いずれも-20℃で凍結した。被験物質の分割量を、複数回の注射用に提供した。
全動物の反対側の関節は手術をせずに、ベースライン正常測定用とした。
実験手順
本試験には、全部で15頭の骨格的に成熟した雌スペインヤギを使用した。これらの動物は、認可されたUSDA供給元から取得した。ヤギの体重は、試験開始時に50〜80 lbであった。
ヤギは、相対的な後膝関節の大きさが大きく、取り扱いが容易であり、また他の軟骨修復試験(Shahgaldi BF, Amis AA, Healey FW, McDowell J and Bentley G. Repair of cartilage lesions using biological implants. A comparative histological and biomechanical study in goats. J Bone Joint Surg [Br], 1991 Jan, 73:1, 57-64)でも使用されたという理由で選択した。
動物の識別
固有の番号タトゥーまたは耳標により、各動物を識別した。
動物のグループ分け
動物は、識別番号のランダム割り付けに基づいて、3群のうちの1つに割り当てた。
処置
試験設計を以下に示す。
(表1)
Figure 2010516685
動物は、試験過程を通して、全般的な健康状態について毎日観察した。動物が術後合併症の何らかの徴候、または疾患、疼痛、もしくはストレスの他の徴候を示した場合には、適切な処置がなされた。剖検の際には、AVMA安楽死委員会(JAVMA, March 2000)に記載されている指針に従って、人道的な様式で安楽死を行った。
動物が疾病徴候を示した場合、担当獣医は、動物に対して臨床診断および治療を行った。スポンサーには、任意の疾病、ならびに必要な治療およびその効果が通知された。
手術および埋め込み
単一の全層軟骨欠損を右側後肢の後膝関節に形成した。病変部位は、前内側大腿顆に位置した。基本的な外科的手技はいずれの対象についても同じであった。手術はすべて、厳密な無菌状態下で行った。周術期抗生物質および麻酔前投薬は、外科医の裁量で使用した。麻酔はケタミン-キシラジンの混合物で誘導し、イソフルランおよび酸素のガス状混合物で維持した。
コラーゲンスポンジ足場を手に持ち、6 mm長の埋込物を提供する特注の直径6 mm生検パンチを用いて、円柱状プラグを切り取った。手術前にこのような様式でいくつかのスポンジ足場を準備し、病変部位を形成して埋め込みの用意ができるまで、覆っておいた。
外科的アプローチは、右側大腿骨の遠位1/3から脛骨プラトーのレベルまで形成された曲線状の側方皮膚切開からなった。この方法を用いて、皮膚を鈍的に切開し、牽引して、後膝関節への外側傍膝蓋アプローチを可能にした。膝蓋骨および膝蓋靱帯の外側縁に平行に切開を行った。これは、大腿二頭筋の前縁に沿って大腿筋膜の側面から、後膝関節の外側筋膜に達した。大腿二頭筋および付着している外側筋膜を牽引して、関節包への切開を可能にした。関節を伸ばし、膝蓋骨を内側に脱臼させて、後膝関節を露出させた。この時点で、脂肪パッドを牽引して、内側大腿顆の可視化を可能にした。
内側大腿顆(MFC)に印付けして準備する点は、内側顆溝接合部の遠位15 mmであり、滑車溝の内側稜と並ぶと定義した。6 mm生検パンチを使用して軟骨外層を切り取り、軟骨が裂けるのを防いだ。典型的なMFC欠損は、直径6 mmで深さ6 mmであった。
軟骨欠損部を滅菌乳酸加リンゲル液で十分に洗い流し、拭き取った後に、足場および被験物質を適用した。準備したコラーゲンスポンジ足場を病変部位に埋め込んだ。スパーテルも使用して、スポンジ足場を病変部位にさらに設置した。次に、スポンサーの指示に従って、病変部位に充填されたスポンジ足場に被験物質を添加した。動物に割り当てられた群に応じて、適切な被験物質をマイクロピペット中に引き上げ、これを用いて病変部位内のスポンジ足場に被験物質を送達し、約3分間浸漬させた。
関節の残りの部分を検査し、必要に応じて閉鎖前に慎重に洗い流した。次いで、膝蓋骨を整復した。これに続き、適切な縫合材料および外科用ステープルを使用して、関節を3層または4層で常法により閉鎖した。動物を回復させ、許容に応じて体重負荷を再開した。
術後不快感の徴候を示す任意の動物に関して、術後検査を行った。手術直後の期間中は、すべての動物に術後鎮痛薬を投与した。加えて、動物が不快による苦痛の何らかの徴候を示す場合にも、鎮痛薬を投与した。さらなる術後処置は、その試験群に対して適切な被験物質を、手術した膝に3回にわたって週に1度関節内注射すること(3週間にわたる、麻酔下での週1度の注射)、およびその後動物を回復させることからなった。処置はすべて、適切な試験書類に記録した。最終評価時の総術後時間は、1A、2A、および3A群については12週間であり、または1B、2B、および3B群については24週間であった。
週1度の注射
術後1、2、および3週間の時点で、適切な被験物質0.5 mLを、各動物の手術した膝関節に注射した。
剖検
動物は、術後84日(12週)目または168日(24週)目に、人道的に屠殺した。屠殺直前に体重を記録した。ケタミン-キシラジンの混合物で深麻酔を誘導し、AVMA安楽死委員会(JAVMA, March, 2000)に記載されている指針に従って、対象を放血させた。
徹底的な肉眼的剖検を行った(表2を参照されたい)。肉眼的評価は、心臓、肝臓、肺、腎臓、脾臓、および膝窩リンパ節において、埋込物質による任意の全身毒性について行った。関節に近位のリンパ節も調べた。欠損部位と反対側の関節連結表面を任意の異常な関節表面について調べ、必要に応じて、フィブリル化を判定するために墨汁で染色した。加えて、膝関節の肉眼的評価を行い、表3に記載される以前のスコア化基準に基づいて軟骨修復を判定した。大腿骨、脛骨、滑膜、および膝窩リンパ節を採取し、適切に表示した容器に入れた。組織採取の直後に、軟骨表面の肉眼的な形態学的検査を行い、各標本の写真記録を作成した。
後膝関節は、最初に肉眼的に評価した。標本および反対側の内側大腿顆を、中性緩衝ホルマリン中に保存した。手術した内側大腿顆のみを組織学的処理に提出した。反対側の手術していない内側大腿顆および任意の他の軟組織を処理した。
(表2)肉眼的評価および試料採取
Figure 2010516685
1=必要に応じて、フィブリル化を判定するために墨汁で染色
膝関節を採取した後、関節を開放し、写真を撮影し、欠損部位の表面を表3に示す通りにスコア化した。滑膜を任意の炎症について調べた。
肉眼的な形態学的観察
(表3)肉眼的な形態学的評価のスコア化基準
Figure 2010516685
組織学および組織学的評価
解剖の直後、および肉眼的な関節表面の観察後に、関節を10%リン酸緩衝ホルマリン(少なくとも10倍量)中に少なくとも48時間置いた。10%リン酸緩衝ホルマリン中で固定した後、標本を肉眼的に切り取り余分な組織を除去した。
次に、Veterinary Pathology Servicesにより作製された脱灰溶液(クエン酸ナトリウム緩衝ギ酸)中で組織を脱灰した。完全に脱灰するまで、脱灰溶液中に残存した標本を判定した。完全な脱灰後、標本を一連のエタノールにより脱水し、パラフィンに包埋した。標本から5〜10μmの切片を作製し、1枚目の切片をH&Eで染色し、2枚目の切片をサフラニンOで染色し、ファストグリーンで対比染色した。切片の組織学的解析には、表4に示すスコア化尺度を使用した。
(表4)組織学的スコア化尺度
Figure 2010516685
表4の注記:本ヤギ試験において、組織が「4=硝子軟骨」とスコア化された場合、組織は本質的に硝子軟骨からのみなり、微量の線維軟骨も含まなかった。修復組織の性質を「3=主に硝子軟骨」とするスコア化は、線維軟骨をいくらか微量に有するが、視覚的に決定して25%未満である切片に付与した。「2=硝子軟骨と線維軟骨が混合」というスコアは、およそ75%ヒアリン/25%線維性から25%ヒアリン/75%線維性まで様々な、ヒアリンおよび線維性組織を両方有する修復組織に付与した。「1=主に線維軟骨」というスコアは、いくらか微量(25%未満)のヒアリンを示すが、事実上主として線維性である修復組織に付与した。「0=いくらかは線維軟骨で、主に非軟骨細胞」というスコアは、ヒアリン組織を全く示さない修復組織に付与した。
肉眼的形態の結果
肉眼的評価において、変性関節軟骨変化は、手術した膝関節と反対側の膝関節との間で良好に一致した。いくつかの例では、反対側の膝で認められた変性変化は同じスコアであったが、対応する手術した膝と比較してより小さな領域が侵されていた。顆溝接合部および遠位滑車溝(大腿骨溝)は、ほぼ同等の変性変化を示した。MFC病変部位と同じ位置の領域およびこれに隣接する領域おいて、骨増殖症が認められた。これは、対象処置群ならびに高用量群および低用量群で認められた。歴史的対照もまた、欠損部と同じ位置でおよびこれに隣接してこの骨増殖症を示し、これが生体力学の変化および結果として生じたおおまかな適応リモデリングによるものであることが示唆され、修復組織は、術後12週の時点(「A」群)でヤギ6頭中4頭のMFC病変部位で検出され、また術後24週時(「B」群)のMFC領域の9部位中9部位で検出された。一般に、修復組織の存在に関して、2A、3A、2B、および3B群は、より良好な肉眼的スコアに反映されるように良好であった。肉眼的に見て、1A群(生理食塩水)における病変は、本質的に空であると等級付けされた。より長期の1B群(生理食塩水)動物における病変は、いくらかの修復組織、おそらくは線維軟骨を示し、これが肉眼的スコアに一役買った。MFC病変部位の周囲の関節軟骨のわずかな陥没が、一般的に認められた。12週の時点では、MFC病変部位の周りにわずかな〜顕著な陥没が認められ、処置した欠損部のいずれも周囲の軟骨に対して平坦ではなかった。24週の対象も病変部位の周りに陥没を示し、肉眼的に見て動物9頭中5頭でわずかであり、動物9頭中2頭で顕著であり、および動物9頭中2頭では平坦であった。組織像により、これは、欠損を形成する際の深さ6 mmの軟骨下骨穿孔に起因すると考えられる。
データは、最初の評価スコアと、存在する修復組織の肉眼的評価量(%面積)を掛け合わせることによって正規化した。2Aおよび2B群は最良の肉眼的応答を有し、これらは最も高い増殖因子濃度で処置した欠損であった。次に最良なのは3Aおよび3B群であり、これらは低用量増殖因子で処置した病変であった。24週時には、ほとんどの場合、総病変面積に対する修復組織の総面積が75〜100%であったため、群間で正規化スコアに大きな差は認められなかった。50%修復を有するものが1頭存在した(ヤギ243ピンク、3B群(AC100LD))。12週群の動物はすべて、総病変面積に対する修復組織の総面積の割合が低かった。
組織学的解析の結果
12週の時点で、AC-100濃度A+コラーゲンスポンジで処置した軟骨欠損は、対照群(250μl生理食塩水+コラーゲンスポンジ)およびAC-100濃度B+コラーゲンスポンジ群(それぞれスコア9.0おおよび10.0)よりもわずかに良好な治癒結果(最大スコア28のうち平均スコア13.5)を示した。軟骨欠損の充填は、主に線維増多/線維増殖によるものであった。調べた切片すべてにおいて、埋込物は1つまたは複数の嚢胞性空間を含み、埋込物の表面は隣接する関節表面に対してくぼんでいた。
調べた24週の標本に関して、AC-100濃度A+コラーゲンスポンジで処置した軟骨欠損は、対照群(250μl生理食塩水+コラーゲンスポンジ)およびAC-100濃度B+コラーゲンスポンジ群(それぞれスコア17.5〜19.7*および15.7)よりも良好な治癒結果(最大スコア28のうち平均スコア20.3)を示した。対照群の値は、誤解を招かないように範囲を有する。再度切断した標本が1つ存在し、欠損の中心部が空であったために、等級付けは、肉眼的に軟骨流入のように見える欠損の縁に沿ってのみ行った。この動物を含めない場合、対照群のスコアは17.5であり、この動物を含めた場合には、スコアは19.7に増加した。軟骨欠損の充填は、主に、欠損のより深い領域では線維増多/線維増殖により、関節表面では硝子軟骨によるものであった。調べたいずれの切片においても、炎症反応の証拠は認められなかった。
要約すると、このヤギ変形関節症モデルにおいて、2つの異なる用量のAC-100は、軟骨形成に対して用量依存的活性を示した。特に、高濃度群(4×25 mg AC-100およびコラーゲンスポンジ)は、対照群と比較して統計的に有意な改善を示した。
肉眼的観察解析からも、死後組織病理学解析からも、有害事象は同定されなかった。
実施例4
全層軟骨欠損モデル±微小破壊におけるAC-100の複数回関節内注射および濃度の効果:ヤギの膝での検討
関節内注射でのAC-100の効果を、ヤギ後膝関節における軟骨病変治癒に対して評価した。AC-100処置は、微小破壊および非微小破壊欠損の治癒を、用量依存的様式で有意に改善した。修復組織で覆われた欠損部の%面積と掛け合わせることによって、肉眼的形態生スコアを正規化スコアに変換した。図5は、正規化スコア 対 ミリグラム表示でのAC-100の投与量を示す。グラフから、AC-100が、インビボにおいて硬組織増殖に対する用量依存的再生効果を誘導することが示される。
36頭の成体雌ヤギを8群に分割した。これらは、試験A=欠損部の微小破壊ありおよびB=欠損部の微小破壊なしの2つの治療群であった。各治療群は4群(生理食塩水;AC-100 5、25、125 mg/用量)を有した。各ヤギの右側後肢の内側大腿顆に、全層軟骨欠損を形成した。関節包を閉鎖した後、手術した関節に被験物質または媒体(生理食塩水)のいずれか1つを1.5 ml注射した。手術後1、2、および3週間の時点で、すべての動物に同じ被験物質または生理食塩水をさらに注射した。手術および最初の注射後42日(6週)目に、すべての動物を人道的に安楽死させた。関節のMR像を撮像し、軟骨表面、滑膜、および流入領域リンパ節に対する特定の変化について関節を肉眼的に評価した。肉眼的および組織学的解析を行い、早期の軟骨治癒、ならびに滑膜および膝窩リンパ節の反応に及ぼす効果を判定した。
AC-100処置は、非微小破壊および微小破壊欠損の治癒を有意に改善した。微小破壊欠損に及ぼすAC-100の効果は、おそらくは自発的治癒の程度が高いために、それほど有意ではなかった。
試験物質
被験物質1:AC-100 5 mg
試験物質名 AC-100 5mg/注射
供給業者 Acologix, Inc.
ロット番号 2K06028
被験物質2:AC-100 25 mg
試験物質名 AC-100 25mg/注射
供給業者 Acologix, Inc.
ロット番号 2K06028
被験物質3:AC-100 125 mg
試験物質名 AC-100 125mg/注射
供給業者 Acologix, Inc.
ロット番号 2K06028
偽物質:生理食塩水
試験物質名 滅菌生理食塩水
供給業者 AmTech
ロット番号 511471F
実験手順
動物
本試験には、全部で36頭の骨格的に成熟した雌スペインヤギを使用した。
ヤギは、相対的な後膝関節の大きさが大きく、取り扱いが容易であり、また他の関節内補充療法試験でも使用されたという理由で選択した。
動物収容条件は、実験動物に関する関係法令、すなわち動物保護法、公法99-198で改定された公法89-544、連邦公報52:16、米農務省-動植物検疫局(USDA-APHIS)、1985年付、および実験動物の人道的管理に関する米公衆衛生局規範、研究リスク保護局/米国立衛生研究所(OPRR/NIH)、1986年9月付と一致した。
処置
試験設計を以下に示す:
Figure 2010516685
MFx=微小破壊
手術および埋め込み
基本的な手技はいずれの対象についても同じであった。注射はすべて、厳密な無菌状態下で行った。術前に、血清解析のために血液試料を採取した。注射期の抗生物質として、手技の開始時に240万単位のBicillin(登録商標)を筋肉内投与した。ケタミン-キシラジンの混合物で、短時間の麻酔を誘導した。後膝関節に標準的な外側傍膝蓋アプローチを行った。滑液を解析用に採取し、凍結した。内側滑車顆隆線と並ぶ、内側顆溝接合部の遠位10 mmの位置に、全層軟骨欠損(ACD1/2)を形成した。この手技のために開発された特殊な器具を使用して、6 mm欠損を形成した。6 mm全層欠損を形成した後、関節包を閉鎖した。この時点で、2インチ×20ゲージの滅菌針を、前内側アプローチにより関節内の空間に導入した。外側大腿顆の内壁を感知し、針をわずかに後ろに引いた。適量(1.5 mL)の適切な試験物質を関節内に注射した。針を抜き、注射部位で圧力を維持した。次に、皮下および皮膚を複数層で縫合閉鎖した。
手術後の1、2、および3週の時点で、関節内注射を繰り返した。注射はすべて、厳密な無菌状態下で行った。動物は、最初に、ジアゼパム(0.1〜0.5 mg/kg)およびケタミン(4.4〜7.5 mg/kg)の静脈内注射で麻酔を行った。注射部位領域を剪毛し、無菌的外科的技法を用いてベタジンおよびアルコール洗浄で準備した。皮膚の準備をした後、その部位に10%ポビドンヨードを噴霧した。標準的技法を用いて、後膝関節に注射した。2インチ×21ゲージの滅菌針を、前内側アプローチにより関節内の空間に導入した。外側大腿顆の内壁を感知し、針をわずかに後ろに引いた。前に注射したものと同じ被験物質の適量(1.5 mL)を、右側関節に注射した。針を抜き、注射部位で圧力を維持した。次に、注射した後膝関節を、全可動域にわたり20回動かした。
苦痛および不快感の徴候を示す任意の動物に関して、術後検査を行い、必要に応じて鎮痛薬を投与する。
剖検
動物は、42+2日(6週)目に人道的に屠殺した。屠殺前に、血清解析のために血液試料を採取した。屠殺直前に体重を記録した。ケタミン-キシラジンの混合物で深麻酔を誘導し、AVMA安楽死委員会(JAVMA, March 2000)に記載されている指針に従って、対象を放血させた。
死後磁気共鳴画像化法(MRI)のため、右側および左側後肢を摘出し、冷却した。
MR画像化の後、写真記録を用いて、注射した、偽、および対照(非注射)後膝関節の肉眼的評価を行った。滑液を採取し、粘度(糸引き)および色について評価し、また顕微鏡解析用の塗沫標本およびウェットマウントを作製した。滑液試料をクリオバイアル中に採取し、凍結した。各後肢から流入領域リンパ節(膝窩)を摘出し、表示し、ホルマリン中で固定し、組織病理学的評価のために保存した。
肉眼的な形態学的観察
膝関節の採取および死後MRIの後、関節を開放し、写真撮影を行い、関節軟骨の表面を剖検シートに記述されている標準的な手順に従ってスコア化した。滑膜を任意の炎症についたて調べた。修復組織で覆われた欠損部の%面積を掛け合わせることによって、肉眼的形態生スコアを正規化スコアに変換した。
Figure 2010516685
組織学および組織学的評価
解剖の直後、および肉眼的な関節表面の評価後に、以下の組織を関節から採取した:後部滑液嚢および右内側大腿顆。これらの組織を10%リン酸緩衝ホルマリン(少なくとも10倍量)中に少なくとも48時間置き、組織学的処理のために送った。
前記は、単に本発明の原理を例証するに過ぎない。当業者は、本明細書において明確に説明されていないまたは示されていないが、本発明の原理を具体化し、本発明の精神および範囲内に含まれる種々の取り合わせを考案できることが理解されよう。さらに、本明細書で引用するすべての実施例および条件付き用語は、本発明の原理、および当技術分野を推進するために本発明者らによって付与された概念を読者が理解するのを手助けするように主に意図され、そのような具体的に引用された実施例および条件に限定されないものと解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、局面、および態様、ならびにそれらの具体例を引用する本明細書におけるすべての言明は、それらの構造的および機能的均等物を両方包含するよう意図される。加えて、そのような均等物は、現在公知である均等物および将来開発される均等物の両方、すなわち、構造にかかわらず同じ機能を果たす任意の開発された要素を含むことが意図される。したがって、本発明の範囲は、本明細書において示したおよび説明した例示的な態様に限定されるように意図されない。むしろ、本発明の範囲および精神は、添付の特許請求の範囲により具体化される。

Claims (25)

  1. 少なくとも20アミノ酸残基でかつ50以下のアミノ酸残基を含む、軟骨の治療に使用するために製造されたペプチド化合物であって、配列が
    Figure 2010516685
    の式を有し、Xが任意のアミノ酸であり、ペプチドが硬組織増殖を増強する生物活性によってさらに特徴づけられ、かつアミノ酸がD-構造またはL-構造であってよい、ペプチド。
  2. ペプチド配列が、
    Figure 2010516685
    のコンセンサスアミノ酸配列を含み、Xが任意のアミノ酸である、請求項1記載の化合物。
  3. 少なくとも21アミノ酸残基でかつ35以下のアミノ酸残基を含む化合物であって、配列が、
    Figure 2010516685
    のコンセンサスアミノ酸配列を含み、XがL-構造の任意のアミノ酸である、請求項1記載の化合物。
  4. ペプチドが、
    Figure 2010516685
    Figure 2010516685
    からなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
  5. ペプチドが軟骨増殖を増強する生物活性によってさらに特徴づけられる、請求項1記載の化合物。
  6. 薬学的に許容される担体と共に使用するために製造された、請求項1記載の化合物。
  7. 担体が、化合物と組み合わせて注射可能な生理食塩水溶液である、請求項6記載の化合物。
  8. 担体が、哺乳動物と生体適合性のある生体適合性ポリマーである、請求項6記載の化合物。
  9. 担体が生体適合性であり、ペプチドの持続放出を提供する、請求項8記載の化合物。
  10. 担体が、欠損部において骨または軟骨の形成を促進するために外科的手技によって骨または軟骨の欠損部に埋め込み可能となるように製造されたコラーゲンスポンジを含む、請求項8記載の化合物。
  11. 全身投与用に製造された、請求項6記載の化合物。
  12. 局所投与用に製造された、請求項6記載の化合物。
  13. 皮下、静脈内、動脈内、心膜内、および関節内注射から選択される注射による投与用に製造された、請求項6記載の化合物。
  14. 欠損部の硬組織の再生を促進するために、硬組織欠損部に担体上のペプチドを埋め込む外科的手技による埋め込みによる投与用に製造された、請求項12記載の化合物。
  15. 軟骨形成を刺激するために製造され、かつSEQ ID NO:21を有する、請求項14記載の化合物。
  16. 変形性関節症または関節リウマチにおける軟骨欠損の治癒を加速させるために製造された、請求項1記載の化合物。
  17. 注射用製剤として関節内注射による投与用に製造された、請求項6記載の化合物。
  18. 軟骨の欠損部への埋め込み可能な担体材料中のペプチドの、外科的手技による埋め込みによる投与用に製造された、請求項6記載の化合物。
  19. 軟骨が異常に欠損している対象を治療するために製造された、請求項6記載の化合物。
  20. 軟骨細胞の増殖および分化が異常に欠損している対象を治療するために製造された、請求項6記載の化合物。
  21. 関節リウマチに罹患している対象を治療するために製造された、請求項6記載の化合物。
  22. 変形性関節症に罹患している対象を治療するために製造された、請求項6記載の化合物。
  23. 抗炎症薬の治療的有効量と共に投与するために製造された、請求項6記載の化合物。
  24. 軟骨細胞またはその前駆細胞においてシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)を活性化することによって軟骨形成を促進するために製造された、請求項6記載の化合物。
  25. Figure 2010516685
    からなる群より選択されるペプチド化合物。
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