JP2010514939A - 熱炭素法 - Google Patents

熱炭素法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010514939A
JP2010514939A JP2009544343A JP2009544343A JP2010514939A JP 2010514939 A JP2010514939 A JP 2010514939A JP 2009544343 A JP2009544343 A JP 2009544343A JP 2009544343 A JP2009544343 A JP 2009544343A JP 2010514939 A JP2010514939 A JP 2010514939A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum
carbon
bath
aluminum carbide
hydrogen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009544343A
Other languages
English (en)
Inventor
サヤード−ヤグビ,ヤグブ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Thermical IP Pty Ltd
Original Assignee
Thermical IP Pty Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from AU2007900009A external-priority patent/AU2007900009A0/en
Application filed by Thermical IP Pty Ltd filed Critical Thermical IP Pty Ltd
Publication of JP2010514939A publication Critical patent/JP2010514939A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22BPRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
    • C22B5/00General methods of reducing to metals
    • C22B5/02Dry methods smelting of sulfides or formation of mattes
    • C22B5/10Dry methods smelting of sulfides or formation of mattes by solid carbonaceous reducing agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22BPRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
    • C22B21/00Obtaining aluminium
    • C22B21/02Obtaining aluminium with reducing
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22BPRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
    • C22B5/00General methods of reducing to metals
    • C22B5/02Dry methods smelting of sulfides or formation of mattes
    • C22B5/06Dry methods smelting of sulfides or formation of mattes by carbides or the like

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)

Abstract

固体炭化アルミニウム含有生成物の塊が、粒状アルミナを、溶融アルミニウム金属の浴(30)に吹き込み;炭素からなるか、炭素を含有するか又は炭素を発生させる炭素系材料を、溶融アルミニウム金属の浴(30)に吹き込む。炭素系材料の炭素を加熱させ、かつ浴(30)の溶融アルミニウムと反応させるのに充分な過熱温度に、溶融アルミニウム金属の浴を維持して、固体炭化アルミニウムを製造し、それをアルミナと混合して、閉じ込められたガス及び閉じ込められた溶融アルミニウム金属を含有し、かつ浴のアルミニウムよりも低いかさ密度又は見かけ密度を有する塊(36)を形成する。ガス及びアルミニウム金属を含有する、アルミナと混合した固体炭化アルミニウムの塊を、固体炭化アルミニウム含有生成物の塊として、浴の上部表面に蓄積させる。炭素系材料が、炭化水素材料であるか、炭化水素材料の熱分解、分解又はクラッキングによって製造される。

Description

本発明は、アルミナを伴う熱炭素反応に関する。
アルミニウム製造のためには、熱炭素法に基づく技術が有望であり、ホール・エルー電気分解技術に代わるものとしての候補を提供する。熱炭素法の成功は、電気分解ルートに比較して設備投資要求を50〜70%減らし、運転費を25〜35%減らす潜在能力を有するであろう。また、フッ化物放出の問題が回避されると同時に、発生する炭素含有ガスの量が電気分解的アルミニウム製造の場合よりも実質的に低くなるであろう。
熱炭素法によってアルミニウムを製造する試みは100年余りにわたり実施されている。しかし、工業的アルミニウム生産を成し遂げることを可能にする熱炭素法の最適化は未だ達成されていない。この段階まで研究されている方法は、2000℃を超える温度ならびに様々な複合段階における反応体及び生成物の正確な制御を要する。段階としては、
(a)2000℃超でアルミナと炭素とを反応させて炭化アルミニウムを製造する段階、
(b)2150℃超で炭化アルミニウムをアルミナと反応させてアルミニウム金属を製造する段階、及び
(c)アルミニウムを残りの材料から分離する段階
がある。
このような熱炭素法で解決されなければならない課題としては、高レベルの揮発アルミニウムをうまく回収すること、耐火損失のレベルを下げること、段階間での材料の移行の難題及び多量の一酸化炭素の生成の問題がある。このような問題は、2000〜2250℃の高さの作業温度では不可避である。
熱炭素法に中心的な反応は以下である。
2Al23+9C→Al43+6CO (1)及び
Al23+Al43→6Al+3CO (2)
これらの反応は以下の総括反応を与える。
Al23+3C→2Al+3CO (3)
これらの反応によるアルミニウム製造に関する以前の研究が、いずれもBarnetらへの米国特許第1219797号及び第1222593号、いずれもKruhへの米国特許第2090451号及び第2255549号、Rasmussenへの米国特許第27555178号、Grunertへの米国特許第2776884号、Millerらへの米国特許第2829961号及びGrunertへの米国特許第2974032号によって例示されている。より最近の研究は、炭化アルミニウム及びアルミナの溶融スラグを有する溶融浴中でアルミナと炭素とを反応させることに関する。溶融浴は通常、二つのゾーンで作動し、第一ゾーンの中で炭化アルミニウムが製造され、その炭化物が第二ゾーンに通過してアルミナと反応して金属アルミニウムを製造する。この研究は、Perssonへの米国特許第4385930号、Johansenらへの米国特許第6440193号、LaCarmeraへの米国特許第6475260号、Lindstadへの米国特許第6530970号、Fruehanらへの米国特許第6849101号及び米国特許出願公開公報2006/0042413によって例示されている。同じく興味深いものは、1989年にドイツデュッセルドルフのAluminium-Verlag社によって出版されたMotzfeldtらによる刊行物「Carbothemal Production of Alminium」及び共同研究開発契約DE−FC36−00ID13900号の下、MJ Bruno and Alcoa社によって米国エネルギー省に提出された2004年12月31日付の刊行物「Aluminium Carbothermic Technology」である。
本発明は、先に「背景技術」で考察した従来技術で採用されている手法に代わるものを提供することに関する。本発明はまた、開示内容が本開示の一部として読まれるように本明細書に取り込まれる2006年7月27日出願の本出願人の先行出願PCT/AU2006/001048に開示された方法に代わるものを提供しようとするものである。PCT/AU2006/001048の方法と同様に、本発明によって採用される手法は、以下の記載から明らかになるように、従来技術に対して数多くの利点を有する。しかし、簡潔にいうと、そのような利点は、従来技術で必要な温度と比較して相対的に低い温度で炭化アルミニウムを製造する能力及び炭化アルミニウムを製造したのち、従来技術よりも少ないアルミニウム蒸気を発生させる全体工程でその炭化物から金属アルミニウムを製造する能力を含む。
第一の態様にしたがって、本発明は、固体炭化アルミニウム含有生成物の塊を製造する方法であって、
(a)粒状アルミナを、溶融アルミニウム金属の浴に吹き込む(inject into)ステップ、
(b)炭素系材料(すなわち、炭素からなるか、炭素を含有するか又は炭素を発生させる材料)を、溶融アルミニウム金属の浴に吹き込むステップ、
(c)炭素系材料の炭素を加熱させ、かつ浴の溶融アルミニウムと反応させるのに充分な過熱温度に、溶融アルミニウム金属の浴を維持して、固体炭化アルミニウムを製造し、アルミナと混合して、閉じ込められたガス及び閉じ込められた溶融アルミニウム金属を含有し、かつ浴のアルミニウムよりも低いかさ密度又は見かけ密度を有する塊を形成するステップ、及び
(d)ガス及びアルミニウム金属を含有する、アルミナと混合した固体炭化アルミニウムの塊を、固体炭化アルミニウム含有生成物の塊として、浴の上部表面に蓄積させるステップ
を含み、
ここで、炭素系材料が、炭化水素材料であるか、炭化水素材料の熱分解、分解又はクラッキングによって製造されるものである方法を提供する。
供給源の炭素が、結果として、以下の反応による炭化アルミニウムの製造を生じさせる。
4Al+3C→Al43 (4)
この反応は約1100℃で認められる。しかし、1400℃を超えると、より高い反応速度で進行する。反応は発熱性であり、上記式(1)の炭化物形成反応とは対照的に、一酸化炭素ガスを発生させない。式(1)の反応は従来技術の熱炭素法で発生する一酸化炭素の実質量の2/3を発生させるため、これは本発明の非常に有意な利点である。
炭素系材料及び粒状アルミナが吹き込みされると、浴の溶融アルミニウム中のアルミナの存在で式(4)の反応が起こる。その結果、式(4)の反応によって製造される固体炭化アルミニウムがアルミナ粒子に堆積して、閉じ込められたガス及びアルミニウム金属を有し、溶融アルミニウム金属のかさ又は見かけ密度よりも低いかさ又は見かけ密度を有する炭化アルミニウム含有生成物の塊を製造することができる。
本発明の第一の形態で、溶融アルミニウムの浴に吹き込みされる炭素系材料は、少なくとも部分的には、溶融アルミニウムの浴に直接吹き込みされる少なくとも一つの炭化水素からなる炭化水素材料である。炭素系材料は炭化水素材料を実質的に含むことができる。あるいはまた、炭素系材料は、炭化水素材料と組み合わさった粒状炭素材料、すなわち、遊離又は元素炭素含有材料を含むことができる。いずれの場合でも、炭化水素材料は、単一の炭化水素を実質的に含むこともできるし、少なくとも二つの炭化水素の混合物を実質的に含むこともできる。
本発明の第二の形態で、溶融アルミニウムの浴に吹き込みされる炭素系材料は、少なくとも部分的に、炭化水素材料の少なくとも部分的な熱分解、分解又はクラッキングによって製造される炭素含有材料を含む。この第二の形態で、炭素含有材料の炭素は、すすの形態にあるような元素炭素であってもよいし、低次炭化水素材料又は元素炭素と低次炭化水素材料との混合物であってもよい。低次炭化水素材料とは、低次材料を製造するために熱分解、分解又はクラッキングに付される元の高次炭化水素材料よりも低い平均分子量を有する炭化水素材料をいう。本発明の第一の形態と同様に、粒状炭素が炭素含有材料と組み合わさっていてもよい。
本発明の第二の形態で、熱分解、分解又はクラッキングによって製造される炭素系材料は、他の物質、とりわけ水素を含む。水素の少なくとも一部を、炭素系材料を溶融アルミニウムの浴に吹き込むためのキャリヤガスとして使用することができる。好ましくは、水素のすべてがキャリヤガスとして使用される。しかし、少なくとも、炭素系材料が元素炭素である場合、水素の少なくとも一部を分離し、他の目的に使用又は販売することもできる。したがって、たとえば、製造された炭素系材料が少なくとも実質的に元素炭素及び水素を含む場合、炭素をバッグフィルタ中に捕集することによって炭素と水素との混合物を分離することができ、その後、水素の一部を別の用途のために分離することができ、残りを再循環させて、溶融アルミニウムへの吹き込みのために炭素を伴出させる用途に使用することができる。製造される水素の全量を保持し、炭素とともに吹き込むこともできるが、水素の一部のそのような分離が有用であるかもしれない。また、再循環水素によって供給されるよりも多量のキャリヤガスが必要であるならば、アルゴンを再循環水素に加えてキャリヤガスの量を増すことができる。
本発明の第一の形態では、溶融アルミニウムの浴に直接吹き込みされた炭化水素をその場で反応させる。すなわち、炭化水素は、アルミニウムと直接反応することができるか、又は、その場で熱分解、分解又はクラッキングされて、元素炭素及び/又は低次炭化水素を製造し、それがその場でアルミニウムと反応する。元素炭素の場合、溶融アルミニウムとの反応は、上記反応(4)によって示されるとおりである。炭化水素材料では、最初に吹き込みされた炭化水素であるのか、低次炭化水素であるのかにかかわらず、有効な一般的反応は以下のように表すことができる。
3Cn2(n+1)+4nAl→nAl43+3(n+1)H2 (5)
したがって、具体的に炭化水素としてメタンを使用する場合、反応は以下のようになる。
3CH4+4Al→Al43+6H2 (6)
気体、液体又は固体の炭化水素は、高温で熱分解、分解又はクラッキングすることができる。脂肪族化合物の場合、これは以下によって表すことができる。
n2(n+1)→nC+(n+1)H2 (7)
具体的にメタンの場合、反応は以下のようになる。
CH4→C+2H2 (8)
しかし、高温の炭化水素流からの炭素抽出の速度は、炭素に対して親和性を有する媒体によって高めることができる。平衡状態では、水素の値は、アルミニウムが存在するとき反応するメタンよりも桁違いに高い。
反応(5)〜(8)は非置換の脂肪族化合物に関する。しかし、同様な一般的及び具体的な反応が他の炭化水素にも当てはまる。また、非置換の炭化水素、すなわち、炭素及び水素以外の元素を実質的に有しない炭化水素が好ましい。理由は、アルミニウム、炭素及び/又はアルミナとの起こりうる望ましくない反応ならびにその結果としての浴又は炭化アルミニウムの汚染を未然に防いでくれるからである。
反応(7)は、吹き込みされた炭化水素材料の、その構成要素への完全な分解を示す。分解は、当然、部分的であってもよいし、二つ以上のステップで完全な分解まで進行してもよい。製造された低次炭化水素材料は、さらに分解することもできるし、反応(5)及び/又は(8)のような反応によって消費されることもできる。
本発明の第二の形態では、反応(7)及び(8)によって部分的に示されるような反応を溶融アルミニウムの浴の外で起こさせる。それに続き、元素炭素及び/又は低次炭化水素材料が、製造された水素の少なくとも一部とともに、溶融アルミニウムに吹き込みされて、その結果、反応(4)〜(8)の一つ以上を含む反応が起こる。
本発明の第一及び第二の形態それぞれにおいて、溶融アルミニウムの浴に吹き込みされる炭素系材料は、気体、液体、吹き込み可能な形態の固体又は気体、液体及び吹き込み可能な固体材料の混合物であることができる。吹き込み可能であるためには、固体は、適当な粒子形態になければならない。
溶融アルミニウムの浴に吹き込みされる粒状アルミナ及び炭素系材料は、同じ場所又はそれぞれの場所に吹き込みされることができる。いずれの場合でも、アルミナと混合した固体炭化アルミニウムの必要な塊を形成するために、製造された炭化アルミニウムをアルミナと混合しなければならない。吹き込みされる炭素系材料が流体である場合、粒状アルミナを流体炭素系材料に伴出させて(entrain)アルミナの吹き込みを容易にしてもよい。
前記のように、本発明の第二の形態で溶融アルミニウムに吹き込みされる炭素系材料は、水素中に伴出された元素炭素、たとえばすすである、又はそれを含むことができる。この形態の炭素系材料は、カーボンブラックを製造するために長年にわたり使用されている形態の工業的方法によって製造することができる。そのような工業的方法では、メタン・空気火炎を使用して煉瓦炉を充分な温度まで加熱したのち、吸気供給を停止して、高温の炉中、反応(8)によってメタンを分解させ、その後、炉を冷却してすすを回収する。その反応によって製造された水素を燃焼させて炉及びメタン原料を加熱するが、本発明の第二の形態で炭素系材料を製造する場合にこの方法を採用する場合、水素の少なくとも一部が、アルミニウムへの吹き込みのために炭素系材料を伴出させるためのキャリヤガスとして使用されるであろう。
本発明の第二の形態で使用するためのカーボンブラック法の変形態様では、高温の粒状アルミナ、たとえばメタンの吹き込みによって流動床中に維持されるアルミナの中でメタンを分解することができる。得られた炭素すすをアルミナ粒子上に捕集し、メタンの分解によって製造された水素を、アルミナ及び捕集された炭素を伴出させ、アルミニウムに吹き込むのキャリヤガスとして使用することができる。
炭化水素が分解し、クラッキングするとき(式5及び6)、製造される水素ガス中に固体炭素が微分散する。この炭素は小さな粒度(たとえば20〜500μ)及び高い表面積(たとえば1〜10m2/g)を有する。この炭素は非常に反応性であり、高温で溶融アルミニウムと反応し、炭化アルミニウムを製造するということがわかった。そのうえ、炭化アルミニウムは、粒状アルミナの存在で製造されて、本発明によって求められる塊を形成することができるということがわかった。
粒状アルミナ及び粒状炭素(使用される場合)は、伴出キャリヤ流体中、浴への効率的な吹き込みを容易にするのに充分に小さな粒度を有する。アルミナは、アルミニウム回収のための電気分解法における使用に適した等級であることができ、そのような使用の場合と同様に、比較的微細な粉末であることができる。粒状炭素は石油コークスであってもよい。あるいはまた、粒状炭素は木炭であってもよい。コークスであるのか木炭であるのか他のタイプの炭素であるのかにかかわらず、シリカ含有率が低い、たとえば0.3重量%未満であることが望ましい。
溶融アルミニウムの浴は、吹き込みされた炭素系材料の炭素が溶融アルミニウムと反応して炭化アルミニウムを製造することができる過熱温度に維持される。充分な反応速度を達成するためには、浴温度は、好ましくは約1400℃を超え、たとえば約1550℃〜1650℃である。
本発明の吹き込みステップは安全に進行することができることがわかった。このステップは、同程度以上の作業温度を用いる高温冶金法で通常に使用される要件を超える特別な要件を必要とすることなく実施することができる。実際、より高い、約1650℃を超える温度を使用することもできるが、そのような高温は運転費を不必要に増すため、避けることが好ましい。吹き込みステップの手順は、そのような手順が充分に確立され、より極限的な条件下で使用される転炉(BOF)中での製鋼で使用される手順に似ている。
別々での又はキャリヤ流体中に伴出された状態での炭素系材料及びアルミナの浴への吹き込みの結果、溶融アルミニウムの少なくとも一領域中に炭素及びアルミナが分散する。したがって、アルミニウムと炭素とが反応して固体炭化アルミニウムを形成するとき、アルミナ及び炭化アルミニウムの粒子が密接に混合し、結合して、固体炭化アルミニウム含有生成物を含む塊を形成する。形成する塊の中に少量のアルミニウム金属が閉じ込められることは避けられない。また、ガスが炭素及びアルミナとともに分散するため、ガスのポケットが、形成する塊の中に閉じ込められる。閉じ込められたガスは、浴の高温に暴露される前又は暴露されたとき熱分解、分解又はクラッキングされた炭化水素から生じる水素を実質的に含むかもしれない。
前記のように、炭化水素はメタンであることができる。あるいはまた、炭化水素は、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、高級アルカン又は天然炭化水素ガス及び石油液化ガスにおけるようなそのような炭化水素の混合物、アルケン、たとえばエチレン、ブチレン及びトリメチレンであることができる。単一の炭化水素又は少なくとも二つの炭化水素の混合物を使用することができる。炭化水素は、加熱されて炭素含有キャリヤガスを形成することができる液体又は固体、たとえば高級アルカン及びアルケンであることができる。タールピッチならびに他の液体及び固体炭化水素の場合、分解及び熱クラッキングは、場合によって水素及び炭素の製造を伴いながら気体炭化水素の製造を生じさせることがある。これが起こる程度に、炭素源を供給する炭化水素は、気体である、又は気体になることができる。しかし、少なくとも、溶融アルミニウムの浴に吹き込みされる瞬間には、いくらかの液体炭化水素が、たとえば小滴のスプレーの形態で存在することができ、したがって、吹き込み可能な炭化水素の範囲を、液体及び/又は気体であるもの、ひいては流体であるものとして考慮することが適切である。これはまた、溶融アルミニウムに吹き込みされるまで分解及び熱クラッキングが始まらないものであるとしても、粒状固体炭化水素の使用を包含する。理由は、粒状固体炭化水素は、キャリヤガス中に伴出される結果として、流体状態になければならないためである。伴出キャリヤガスそのものは、炭化水素であることもできるし、アルゴン又は水素のような不活性ガスであることもできる。
溶融アルミニウムへの吹き込みによって形成される固体炭化アルミニウム含有生成物を含む塊の性質は、式(2)の反応によるアルミニウム金属の回収を容易にする。塊は、炭化アルミニウム及びアルミナ、すなわち式(2)のための反応体を含有する。溶融アルミニウムへの吹き込みによって供給される炭素とアルミナとの比を制御することにより、塊中の炭化アルミニウムとアルミナとの比を、式(2)の要件を満たすように制御することができる。これに関して、炭素が塊中に捕らえられる程度を考慮に入れなければならない。理由は、この炭素が式(4)にしたがってアルミニウム金属のポケットと反応してさらなる炭化アルミニウムを製造することになるからである。
さらなる態様にしたがって、本発明はまた、アルミニウム金属を回収する方法を提供する。この方法では、本発明の第一の態様にしたがって炭化アルミニウム含有生成物を第一ゾーンで製造し、その炭化アルミニウム含有生成物を第二ゾーンで加熱して、その生成物の炭化アルミニウムとアルミナとを反応させてアルミニウム金属及び一酸化炭素を製造する。
炭化アルミニウム含有生成物が加熱される第二ゾーンは、その生成物が形成される反応容器から離れていてもよい。すなわち、炭化アルミニウム含有生成物を別個の第二の反応容器に移し、その中で加熱することもできる。しかし、炭化アルミニウム含有生成物を、それが形成されるところと同じ設備で加熱することにより、有意な利点を達成することができる。これらの利点のうち無視できないものは、生成物を一つの容器から別の容器に移す必要がないこと、及び式(2)の反応によってアルミニウム金属を回収するために製造物を第二ゾーンで加熱する前の熱エネルギー損失が最小限になることである。
第二ゾーンは、好ましくは、炭化アルミニウム含有生成物が形成される第一ゾーンのすぐ上方にあって、生成物が浴の上部表面に蓄積するにつれ、生成物が第二ゾーンに入ることができるようになっている。したがって、第一及び第二のゾーンは、1個の反応容器の垂直に隣接するリアクタ又は1個のリアクタ設備の垂直に隣接する別個のリアクタによって画定されることができる。その結果、式(2)の反応によって製造されたアルミニウム金属は溶融アルミニウムの浴へと流れることができる。したがって、第一ゾーンにおける炭化アルミニウム形成によって消費される浴からのアルミニウムが浴に戻される。第二ゾーンにおけるアルミナ消費によって製造されたアルミニウムが浴のアルミニウム含量に加わり、アルミニウムの排出が必要になる。
炭化アルミニウム含有生成物は、適当な方法で加熱することができる。生成物は電気的に加熱してもよい。炭化アルミニウム含有生成物は導電性であり、生成物の誘導加熱を可能にするため、誘導加熱が可能である。しかし、アーク式電気加熱が好ましく、もっとも実用的な加熱形態である。
好ましい態様では、炭化アルミニウム含有生成物が加熱されるところである第二ゾーンは、生成物を加熱するための電気エネルギーを供給するための複数の電極を有するアーク式電気炉(EAF)の形態にある。EAFは、浴の上方に配置され、そのベースに開口を有し、その開口の中に、炭化アルミニウム含有生成物が形成するとともに位置することができる。電極は、それぞれが炭化アルミニウム含有生成物の上側部分でアークを発生させて、生成物の炭化アルミニウムとアルミナとが反応させられるところである強烈な局部加熱の領域を提供するように配設される。
各電極によって発生するアークによる強烈な局部加熱の結果、非常に高い温度が生じることができる。しかし、アークからの距離が増すにつれ炭化アルミニウム含有生成物の温度は低下する。好ましくは、EAFの周囲で炭化アルミニウム含有生成物の温度が約1000〜1300℃の低さになるように強烈な局部加熱が沈められているような配置である。この配置により、電極の周囲の生成物の本体は約1700〜2000℃の温度になる。この範囲内での加熱が、少なくとも本発明によって許される好ましい条件下、式(2)の反応がアルミニウム金属の回収に許容可能な速度で進行することを許すのに充分であることがわかった。
約1700℃の低さの温度で式(2)の反応の速度を高める本発明の好ましい形態では、炭化アルミニウム含有生成物の上部表面及びアークによって発生する強烈な局部加熱の領域から一酸化炭素が除去される。これは、
(a)第二ゾーン中、炭化アルミニウム含有生成物の上方に、一酸化炭素を抽出するのに充分な低さのガス圧を維持すること、及び
(b)炭化アルミニウム含有生成物の上部表面を、アークによって発生する強烈な局部加熱の領域を含め、水素又は、アルゴンが使用される場合には、アルゴンと水素との混合物でフラッシュすること
によって達成することができる。
もっとも好ましくは、一酸化炭素は、炭化アルミニウム含有生成物の上方に減圧を作用させることと、その生成物の上部表面を水素又はアルゴンと水素との混合物でフラッシュすることとの組み合わせによって除去される。
一酸化炭素の除去は式(2)の正反応に好都合である。これが起こる程度は、反応が、約1700℃〜2000℃の温度で許容可能な速度で進行するような程度である。したがって、従来技術の発案とは対照的に、式(2)の反応を進行させるために2150℃を超える温度で作動させる必要はない。
第一及び第二のゾーンは、好ましくは、大気の侵入を防ぐのに充分であるシールされた設備の中にある。第二ゾーンの、炭化アルミニウム含有生成物の上方のガス空間が、ガス空間中の圧力を適当なレベルまで下げるように作動することができる真空発生システムと連絡することができる。充分に下げられた圧力は、式(2)の正反応が約1700℃で充分な速度で進行することを可能にする。
炭化アルミニウム含有生成物の上方の減圧は、ガスをその生成物に通して上側に引き出す。したがって、溶融アルミニウムの浴に吹き込みされた、又はその中で発生した流れからのガスは、浴から発生し、次いでその生成物に通して引き出されることができる。水素又はアルゴンと水素との混合物からなるガスは、炭化アルミニウム含有生成物の上部表面から一酸化炭素をフラッシュする。しかし、このガスのフラッシュ作用が不充分であるならば、アルゴン又は水素を炭化アルミニウム含有生成物の上部表面に吹き付けて、それによってその上部表面から一酸化炭素をフラッシュすることもできる。吹き付けるガスは、第二ゾーンの中又は各電極内に画定された縦通路の中に延びるランスを介して供給することができる。
本発明をより容易に理解することができるよう、本発明の方法で使用されるリアクタ設備の略断面図である添付図面を参照する。
反応(6)及び(8)に関する温度に対する平衡定数のプロットである。 Al−3H2O系の場合の熱力学的結果を示す。 本発明の方法で使用されるリアクタ設備の略断面図である。
本発明の出発点は、アルゴンを、アルミナ及び炭素を溶融アルミニウムに吹き込むためのキャリヤガスとして、また、アルミニウムを製造するために得られた固体炭化アルミニウム含有塊を加熱したとき発生する一酸化炭素を希釈するための不活性ガスとして使用する本発明者の実験研究であった。アルゴンの代替を供給する際に気体、液体又は固体炭化水素を使用する可能性が、アルミニウム及び炭化水素系の本質的に未踏の熱力学の調査ならびにさらなる実験研究を必要とした。式(5)〜(8)を参照して先に示したように、気体形態にある、又は揮発、分解又はクラッキングによって気相に転換されることができる炭化水素が、アルゴンの代替のためのキャリヤガスとして使用し、かつ炭素源を供給するのに適した気相を製造する可能性を提供する。
図1は、反応(6)及び(8)に関する熱力学的ポテンシャルを示す。反応(6)の場合、ポテンシャルは反応(8)の場合よりも高い。したがって、炭化水素の高温流からの炭素抽出の速度は、炭素に対して親和性を有する媒体としての溶融アルミニウムによって高めることができる。
メタンのような炭化水素が式(7)及び(8)によって分解し、熱的にクラッキングされると、微分散した炭素が製造されると同時に水素ガスが放出される。微分散した炭素は、小さな粒度、たとえば約20μm〜約500μm及び高い表面積、たとえば約1〜10m2/gを有する。炭素は非常に反応性であり、溶融アルミニウムへの炭化水素の吹き込みから分解及び熱クラッキングが生じると、反応(4)によって炭化アルミニウムが製造される。炭化水素吹き込みの全体効果は、反応(5)及び(6)によって示されるとおりである。
固体炭化アルミニウムを製造するために溶融アルミニウムにメタンガスを吹き込む可能性を判定するための実験を実施した。実験は黒鉛るつぼの中で実施した。一定量の固体アルミニウムを各るつぼに入れた。そして、るつぼを、中央に穴を穿孔しておいたアルミナキャップによって覆った。キャップをるつぼの上に載せたのち、るつぼの縁とキャップとの間の周界面を炭化ケイ素ペーストによってシールした。次いで、熱電対をるつぼに固定して、温度計測を実施することができるようにした。
メタンをるつぼに吹き込むためのランスとして使用されるアルミナ管を、るつぼのアルミナキャップ中の穴に端から通して下降させた。そして、るつぼを加熱チャンバに入れ、その中で加熱してアルミニウムを加熱し、融解させた。アルミニウムは、その融点を超える所要温度レベルまで加熱し、融解させた。その温度レベルが達成されると、アルミナ管を下降させてその下端を溶融アルミニウムの中に沈め、次いで、管を介してメタンをアルミニウムに吹き込んだ。意図は、式(6)の反応により、又は式(8)の反応と式(4)の反応との組み合わせにより、水素ガスを発生させながら固体炭化アルミニウムを製造することであった。発生した水素の除去を保証し、加熱チャンバ中の水素圧増大を防止するために、メタン供給を開始する前に、いくつかの通気口を有する耐火カバーをチャンバの上に装着しておいた。
設定されたアルミニウムの割合に対するメタンの消費に基づく充分な期間、吹き込みを継続した。アルミニウムの量は、固体反応生成物のために必要な空間の増分を考慮して、シールされたるつぼ及びそのキャップによって包囲される容積の約半分を占める量であった。その期間の最後に、メタン吹き込みを停止し、るつぼ及びその内容物を加熱チャンバ中で冷ました。冷めたところで、るつぼを取り出し、破壊して開き、その内容物の検査を可能にした。
るつぼの内容物は、一体的な固体の塊であることがわかった。塊の下寄り部分は、るつぼに入れた金属の初期重量の約半分を占めるアルミニウムであった。その金属中には、明らかに吹き込みされたメタンによって分散されたものである炭化アルミニウムであると判定される粒子があった。アルミニウム金属の上方で、塊は、溶融体及び炭素微粒子からの小さな割合の閉じ込められたアルミニウムを含有する炭化アルミニウムを実質的に含むものと判定された。
約1050℃の最低溶融アルミニウム過熱温度が望ましいということがわかった。このレベル未満では、反応速度が遅くなる傾向がある。約1200℃までの温度で、炭化アルミニウムは微細な繊維状の成層構造にあった。約1200℃を超えると、炭化物は、繊維状よりも凝集したものになり、高密度の炭化物層が薄いアルミニウム金属層によって分けられた状態であった。炭化アルミニウム層は、堆積した炭素を含有したが、堆積した炭素は、反応温度の上昇とともに減少する傾向を示した。また、一部の炭素は、るつぼの内面、溶融体レベルの周囲の内面及びキャップの内面にも見られた。
約1050℃超える温度では、炭化物形成が急速であることが認められて、吹き込みされたメタンガスから与えられる炭素の高い反応性を示唆した。炭化物形成が大量ではない、又はアルミニウムが溶融していない、より低い温度では、大量の炭素堆積が起こったことがわかった。
1050℃で実施された一連の試行では、400〜1000ml/minの範囲の異なる流量でメタンを吹き込んだ。いずれの場合でも、成層炭化アルミニウム構造が形成され、溶融アルミニウムの表面から押し上げられており、炭素が成層構造上ならびにるつぼ及びそのキャップの内面に堆積していることがわかった。メタン流量の変化が性能における有意な差を生じさせたとは認められなかった。
前記のように、炭素の堆積は温度の上昇とともに減少することがわかり、温度上昇に伴う反応(4)の速度の増大を示した。約1200℃未満で繊維状の成層炭化物構造が増大する傾向は、炭化物の限られた核形成及び成長に起因するものと思われる。
これらの試行において、メタンの吹き込み及びその結果として炭化アルミニウムの製造が、系による要求される熱入力に有意な影響を及ぼさないということが注目された。すなわち、系の温度プロフィールを実質的に変化させなかった。この観測は、式(6)の反応によって示されるような、製造される炭化アルミニウム1モルあたりメタン3モルを要する炭化物形成の場合の熱収支と合致している。この反応の場合の熱収支は、3モルのメタンをクラッキングするために必要な熱(約66.5kcal)は、炭化アルミニウム1モルの形成によって発生する熱(約66.0kcal)よりもわずかに高いということを示す。この熱収支に基づくと、溶融アルミニウムへのメタンガスの吹き込みが系の温度プロフィールに対して有意な影響を及ぼさず、エネルギー収支制御問題を生じさせないということが明らかであった。唯一の必要な予防措置は、水素発生に関するものであった。この方法では、システムに吹き込みされるガス1容量から水素2容量が製造される。これが加熱チャンバ中の圧力を増大させるおそれがある。しかし、充分な通気を供給することで、工業規模の運用で再現することができる安全な実験条件を保証した。
生成された炭化アルミニウム生成物は非常に微細であり、溶融アルミニウムによって湿潤した粒状アルミナと混合するのに充分に適している。したがって、炭化アルミニウムは、炭化物がアルミナと混合している固体炭化アルミニウム含有塊を製造するための、本発明の第一の態様の方法のための条件下での製造に充分に適している。同様に、炭化アルミニウムは、本発明の第二の態様にしたがってアルミニウム金属を製造するための使用にも充分に適している。
化学量論的量の炭化アルミニウム含有塊を製造するためには、アルミナ1モル及び炭素3モルが必要である。したがって、唯一の炭素源としてメタンが使用されるのならば、STPで67.2リットルのメタンが必要になる。対照的に、同じ量の材料を運ぶために必要なアルゴンの量は約3〜4リットルでよい。メタン及び他の炭化水素を含む炭素系材料は、アルミナのキャリヤとして使用することもできるし、炭素源として使用することもできる。炭化水素は、必要な炭素の一部又は全部を供給することができる。また、炭化水素は、非常に高純度で反応性の炭素を供給することができ、不要な不純物を避けることができる。
リアクタ中の溶融アルミニウムへの多量の炭化水素の吹き込みは、リアクタの炭化アルミニウム塊製造ゾーンで高度な撹拌及びより良い混合を誘発することができる。同時に、水素ガスの製造は、金属製造ゾーン中のリアクタCO雰囲気を希釈するために使用することもできる。メタンが唯一の炭素源として使用されるならば、メタンの所要量は、アルミニウム1トンの製造あたり約1250Nm3である。この量のメタンは、リアクタ中で約2500m3の水素を製造するであろう。この水素量は、製造される金属1トンあたりリアクタ中で製造される一酸化炭素ガスの2倍の大きさである。したがって、水素は、気相を希釈し、アルミニウム製造のための反応温度を下げることができる。
メタンを唯一の炭素源として使用すると、排ガス処理ユニットのコストを下げることができる。CO−2H2組成の排ガスは、発電に使用することができる。リアクタ中のメタン量を減らすことは、流出ガス中のCO含量を濃縮し、必要な排気レベルが高くなる。
リアクタ中で製造された水素は、実質的な程度にアルミニウム又はアルミニウム化合物と反応しない。図2は、0℃〜2500℃の範囲のAl−3H2系を示す。この系における熱力学的計算に基づくと、少量の原子水素及びより少ない程度のアルミニウム水和物が2000℃超で製造されることがわかる。
本発明の第一の態様の方法及び本発明の第二の態様の方法の対応する炭化アルミニウム製造段階では、処理は、好ましくは1550℃〜1650℃の温度範囲で実施される。すなわち、水素ガスに暴露される溶融アルミニウムは、好ましくはその範囲の温度にある。図2によって示すように、その範囲の温度では、原子水素又はアルミニウム水和物のいずれも製造されるとは予想されない。原子水素及びアルミニウム水和物が存在するためには、より高い温度が必要である。
より高い温度は、本発明の第二の態様の方法のアルミニウム金属製造段階で発生することができる。これは、金属製造ゾーンでサブマージアークが使用され、アーク部位にいくらかの元素水素が存在することができ、それらの部位でアルミニウム水和物が製造される場合、特に当てはまる。しかし、水和物と、溶融アルミニウムに溶解した水素とは、アルミナの存在で、約1400℃超で、以下の式にしたがって反応する。
Al23(s)+6H(Al溶融体)→2Al(l)+3H2O(g) (8)
式中、(s)、(l)及び(g)は、それぞれ、固相、液相及び気相を示し、(Al溶融体)は、溶融アルミニウムの浴のアルミニウムを示す。
このように、水素の存在がアルミニウム金属製造効率を促進する。
技術的には、本発明の方法で、メタンのような炭化水素材料を含む炭素系材料を唯一の炭素源として使用することが可能である。このオプションに関して、たとえば年50,000トンのアルミニウム製造設備のメタンレートは毎時約9,500Nm2であり、排ガス量が毎時28,500Nm2であろう。これらのガスの量は、たとえば100〜110トン容量の転炉、すなわち、製鋼技術においては小さな転炉と同等の大きさのリアクタ中で扱うことができる。
図3は、切頭円柱の形を有する周壁16を含むリアクタ設備10を示す。このように、壁16は、円柱の垂直軸に対して傾斜したほぼ平行な面にある上下の縁を有する。設備は、壁16の上縁にドーム形のカバー18を有する。設備は、壁16の下縁に傾斜したベース又は炉床20を有する。ベース20が壁16の下縁を含む平面よりも緩く傾斜しているため、ベース20と壁16の下縁との間にアーチ形の開口22が画定されている。設備10は、開口22から外に、壁24及びカバー25(壁24の上縁と壁16との間)によって画定されるアーチ形のチャンバ23を有する。図示されていないが、ベース20は、壁16よりも先まで延びて壁24の下縁とつながっている。チャンバ23は、ベース20中の開口を介して円柱形のサブチャンバ26と連絡し、このサブチャンバは、ベース20及びチャンバ23の下で、壁16から外方に延びている。
設備10は、開口22の高さの範囲で上下することができる上部表面30aを有する溶融アルミニウムの浴30を保持する。面30aの低位は、サブチャンバ26に通じる開口のところにベース20によって画定されたせき31によってセットされる。浴30のアルミニウムがサブチャンバ26及び第一リアクタ32を満たす。リアクタ設備10では、第一リアクタ32は、開口22から壁16に対して内にある、溶融アルミニウムによって占められる容積にある。リアクタ32は、溶融アルミニウムへの吹き込みを可能にする入口34を有する。図示されていないが、入口34は、壁16の円周の一部分に壁を貫通する開口の円周方向の列を設けて、各開口を介する同時吹き込みを可能にするアーチ形マニホルドの形態にある。
設備10を使用する場合、第一リアクタ32中の溶融アルミニウムは、好ましくは1400℃超の、より好ましくは1550℃〜1650℃の範囲の過熱温度に維持される。リアクタ32への入口34の各開口を介して、キャリヤ流体に伴出されたアルミナを有する、炭化水素材料である、又は炭化水素材料の熱分解、分解もしくはクラッキングによって製造される炭素系材料を含む流れが過熱溶融アルミニウムに吹き込みされて、炭素源を供給する。吹き込みされた流れの炭素は溶融アルミニウムと反応して、式(5)の反応により、又は式(7)の反応と式(4)の反応との組み合わせにより、固体炭化アルミニウムを形成する。キャリヤ流体は、炭化水素であることもできるし、炭化水素と、アルゴン及び水素の少なくとも一方との混合物であることもできる。炭化水素は、周囲温度で気体であってもよいし、周囲温度で液体又は固体であってもよいが、吹き込み中に加熱されたとき適当なガスを製造することができる。炭素は、過熱されたアルミニウムに吹き込みされる前又は吹き込みされるときに熱分解、分解又はクラッキングされる、本明細書で先に詳述したような炭化水素によって少なくとも部分的に供給されることができる。炭化水素の分解又はクラッキングによって供給される炭素は非常に微細な粒度を有する。アルミナ粒子及び、供給される場合、炭素粒子は、好ましくは、約5mm以下の最大寸法を有する。粒子は、より好ましくは2〜4mmであるが、約20μmまで小さくてもよい。
第一リアクタ32中に形成した固体炭化アルミニウムは、吹き込みされたアルミナとで凝集し、その際、いくらかの溶融アルミニウム及びガスがその凝集材料中に捕らえられる。ガスは、アルゴン又は水素であるキャリヤガスであってもよいし、炭化水素キャリヤガスの分解又はクラッキングによって製造される水素であってもよい。凝集材料は、浮上して溶融アルミニウムの表面で固体炭化アルミニウム含有生成物の塊36を形成するような見かけ密度又はかさ密度を有する。
設備10は、周壁16の中、第一リアクタ32の上方に位置する第二リアクタ38を有する。塊36がリアクタ32中の溶融アルミニウムの上方に突出してリアクタ38に入る。リアクタ38は、ドーム形カバー18の中を下に延びる複数の黒鉛消耗電極40を含む。電極は、「アーク」40aによって図示するようなアーク式電気加熱を供給して、塊36をリアクタ32中の温度よりも高く加熱するように作動することができる。アーク式電気加熱は、塊36の強烈な局部加熱を発生させるために実施され、進むにつれ、サブマージ加熱になる。このため、電極は、好ましくは、壁16の円柱形の軸に対していくぶん中央寄りに集められている。塊36の温度は、強烈な局部加熱から壁16に近づくにつれ低下し、壁のところでは約1000℃の低さであることもできるが、好ましくは約1300℃以上である。これは、塊36の本体又は体積が約1700℃〜約2000℃の温度になることを可能にして、式(2)にしたがって塊36の炭化アルミニウムとアルミナとを反応させて、一酸化炭素を放出しながら溶融アルミニウムを製造する。
電極によって印加される電流による塊36の加熱によって製造されるアルミニウム金属は、塊36の中をしたたり落ちて、第一リアクタ32中の浴30の溶融アルミニウムに達することができる。これは、充分な空隙率を有する塊36及び塊36の周囲と壁16との間の隙間によって可能になる。
式(2)の反応は、一般に約1700℃〜約2000℃である塊36の温度にもかかわらず、充分な速度で進行することができる。この範囲の温度は、上記引用例で詳述されているような従来技術法における温度レベルに比較して低い。反応速度は、リアクタ32から発生したガスがリアクタ38中の塊36の中を上昇し、反応によって発生した一酸化炭素を掃去することによって高められる。この一酸化炭素除去は、好ましくは、中空である電極40及び各電極40の上端に接続された供給源から供給されるアルゴン又は水素によって支援される。供給源からのガスは、矢印Aによって示すように、各電極40の長手方向に流れて、それぞれのアーク発生部位に達する。
電極は交流電流の供給源に接続されて、隣接する電極の間でアーク放電することができる。あるいはまた、電極は直流供給源に接続され、アーク放電は、破線で示す電極46によって維持されることもできる。電極45は塊36の中にさらに深く貫入し、好ましくは水で冷却される。
リアクタ38中でアルミニウム金属が回収される際の比較的低い温度にもかかわらず、いくらかのアルミニウム蒸気が発生する。これが起こる程度は上記引用例の従来技術に比べて低い。しかし、それでもなお、発生した金属を捕獲するための処理を保証するのには充分である。図示されていないが、設備10のドーム形カバー18の区域は、各電極40によって実質的に埋められる各開口の間が穿孔されている。穿孔は、矢印Bによって示すように、いくらかの発生したアルミニウム蒸気がチャンバ46の中に逃げ込むことを可能にする。蒸気はチャンバ46中で膨張し、その結果、以下の反応による酸化を実質的に阻止されるところの温度まで冷却される。
6Al+3CO→Al23+Al43 (9)
また、式(9)の反応は、リアクタ38から一酸化炭素を掃去するガスによる一酸化炭素の希釈により、あまり好ましいものではなくなる。結果として、ドーム形カバー18を通過するアルミニウム蒸気は、ほとんど酸化されることなく、アルミニウム金属として凝縮することができる。
式(9)の反応が進行することができる程度に、反応は、カバー18を越える空間で優勢であるより高い温度のせいで、カバー18の下のリアクタ38の空間の中で起こる傾向がある。また、生成物はカバー18の下面に集まる傾向がある。このようにして形成した堆積物は最終的にカバー18から剥離する。したがって、集められた堆積物は落下して塊36に戻り、そのアルミニウム含量の回収が可能になる。
チャンバ46は出口48を有し、この出口48に接続された真空源(図示せず)によってガスがこの出口を通って引き出される。したがって、チャンバ46の中、ひいてはリアクタ38の中には減圧が維持される。この減圧が、式(2)の反応が起こっている塊36の領域からの一酸化炭素の除去を直接的に促進する。また、リアクタ38中の減圧が、リアクタ32からのガスが塊36の中に引き通される際の速度を高めて、一酸化炭素除去をさらに増強する。前記のように、これらの要因が式(2)の反応の速度を改善し、反応が約1700℃〜2000℃の比較的低い温度で効果的に進行することを可能にする。
作動期間にわたり、リアクタ38中の塊36の中の炭化アルミニウムとアルミナとの比に不均衡が生じるおそれがある。その場合、反応体の補充量を入口49を介して塊36に供給することができる。
浴30のアルミニウムは、サブチャンバ26の周囲に設けられた誘導加熱コイル50により、1400℃超の、好ましくは1550℃〜1650℃の範囲の過熱温度に維持されることができる。必要ならば、他の加熱手段を設けて、浴30のすべてのアルミニウムが充分な過熱温度にあることを保証することもできる。特に、炭素系材料炭化水素及びアルミナの吹き込みによって固体炭化アルミニウムの製造が起こる、リアクタ38よりも下にある浴30の領域が、1400℃超の、好ましくは1550℃〜1650℃の範囲の充分な温度にあることが適切である。
溶融アルミニウムが塊36の中をしたたり落ちて浴30に達するとともに、浴30の体積が漸増する。したがって、アルミニウム生成物を設備10から排出することが必要である。このために、吐出し管52がサブチャンバ26のベースから出口栓54まで下に延びている。管52は、好ましくは、その中のアルミニウムの温度を下げるために冷却され、その場合、水冷が好ましい。
吐出し口54は、管52の下端から上方に少し離れたところに位置している。これは、サブチャンバ26及び管52中のアルミニウムからドロスを沈降させて、管52中で出口54よりも下に集めることを可能にするためである。ときおりドロスを排出することができるよう、さらなる出口56が管52の下端に設けられている。
リアクタ32は排液出口32aを有し、サブチャンバ26もまた排液出口26aを有する。いずれの場合も、たとえば設備10の保守点検を可能にするため、溶融金属の完全な取り出しを可能にするためである。
理解されるように、水素の溶解度は、固化アルミニウムでは非常に低いが、溶融アルミニウムでは高く、過熱された溶融アルミニウムでは非常に高い。したがって、吹き込みされる流れ中に炭素系材料炭化水素を使用することにより、炭化水素の熱分解、分解又はクラッキングによって製造される水素の実質的部分が過熱溶融アルミニウム中に溶解する。同じことが、たとえば粒状固体炭化水素のためのキャリヤガスとして使用される水素にも当てはまる。
アルゴンによる水素のパージ又は掃去は、入口59を介して管52に吹き込みされて管52の中を上昇し、押し退けられる水素をそれとともに運ぶアルゴンの使用によって達成することができる。したがって、全体的に、すべてのガスが、回収、再循環又は再利用を可能にするために、出口48を介して排出されることが好ましい。
最後に、本発明の本質又は範囲を逸することなく、前記部品の構造及び配設に対して様々な改変、修正及び/又は追加を加えることができることが理解されよう。

Claims (21)

  1. 固体炭化アルミニウム含有生成物の塊を製造する方法であって、
    (a)粒状アルミナを、溶融アルミニウム金属の浴に吹き込むステップ、
    (b)炭素からなるか、炭素を含有するか又は炭素を発生させる炭素系材料を、溶融アルミニウム金属の浴に吹き込むステップ、
    (c)炭素系材料の炭素を加熱させ、かつ浴の溶融アルミニウムと反応させるのに充分な過熱温度に、溶融アルミニウム金属の浴を維持して、固体炭化アルミニウムを製造し、それをアルミナと混合して、閉じ込められたガス及び閉じ込められた溶融アルミニウム金属を含有し、かつ浴のアルミニウムよりも低いかさ密度又は見かけ密度を有する塊を形成するステップ、及び
    (d)ガス及びアルミニウム金属を含有する、アルミナと混合した固体炭化アルミニウムの塊を、固体炭化アルミニウム含有生成物の塊として、浴の上部表面に蓄積させるステップ
    を含み、
    ここで、炭素系材料が、炭化水素材料であるか、炭化水素材料の熱分解、分解又はクラッキングによって製造されるものである方法。
  2. 粒状アルミナが約5mmの最大粒度を有する、請求項1記載の方法。
  3. 炭化水素材料が粒状炭素をも含有する、請求項1又は2記載の方法。
  4. 粒状炭素が約5mmの最大粒度を有する、請求項3記載の方法。
  5. 炭素系材料の炭素が、浴に吹き込みされたとき又はその前に分解又はクラッキングされて炭素及び水素を発生させる炭化水素材料を含むキャリヤガスによって少なくとも部分的に供給される、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. 炭素系材料の炭素が、浴に吹き込みされたとき又はその前に分解又はクラッキングされて炭素及び水素を発生させる炭化水素材料に伴出された粒状炭素の組み合わせによって供給される、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  7. 炭化水素が、アルゴン、水素又はアルゴンと水素との混合物と混合している、請求項5又は6記載の方法。
  8. 溶融アルミニウムの浴を1400℃を超える温度に過熱する、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
  9. 温度が約1550℃〜1650℃である、請求項8記載の方法。
  10. 炭化水素が、メタン、エタン、ブタン、ペンタン、高級アルカン、天然炭化水素ガス、石油ベース、石油液、アルケン及びタールピッチの少なくとも一つを含む、請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
  11. アルミニウム金属を回収する方法であって、請求項1〜10のいずれか1項記載の方法によって炭化アルミニウム含有生成物を第一ゾーンで製造し、炭化アルミニウム含有生成物を第二ゾーンで加熱して、生成物の炭化アルミニウムとアルミナとを反応させてアルミニウム金属及び一酸化炭素を製造する方法。
  12. 第二ゾーンが第一ゾーンの上にあって、炭化アルミニウム含有生成物が浴の上部表面に蓄積するにつれ、生成物が第二ゾーンに入ることができる、請求項11記載の方法。
  13. 第二ゾーンにおける加熱が誘導加熱による加熱である、請求項11又は12記載の方法。
  14. 第二ゾーンにおける加熱がアーク式電気加熱による加熱である、請求項11又は12記載の方法。
  15. 加熱が、それぞれが炭化アルミニウム含有生成物の上側部分でアークを発生させて生成物の炭化アルミニウムとアルミナとが反応するところである強烈な局部加熱の領域を提供するように配設された複数の電極による加熱である、請求項14記載の方法。
  16. 炭化アルミニウム含有生成物の本体を電極の周囲で約1700〜約2000℃の温度に加熱する、請求項15記載の方法。
  17. 炭化アルミニウム含有生成物の上部表面及び強烈な局部加熱の領域から一酸化炭素を除去する、請求項11〜16のいずれか1項記載の方法。
  18. 第二ゾーン中、炭化アルミニウム含有生成物の上方に充分に低い圧を維持することによって一酸化炭素を少なくとも部分的に除去する、請求項17記載の方法。
  19. 炭化アルミニウム含有生成物の上部表面をアルゴン、水素又はアルゴンと水素との混合物でフラッシュすることによって一酸化炭素を少なくとも部分的に除去する、請求項17又は18記載の方法。
  20. 第二ゾーン中、炭化アルミニウム含有生成物の上方に減圧を維持する、請求項11〜19のいずれか1項記載の方法。
  21. 減圧が、アルゴン、水素又はアルゴンと水素との混合物を第一ゾーンから炭化アルミニウム含有生成物に通して上側に引き出す、請求項20記載の方法。
JP2009544343A 2007-01-02 2007-12-21 熱炭素法 Pending JP2010514939A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
AU2007900009A AU2007900009A0 (en) 2007-01-02 Carbothermic Processes
PCT/AU2007/001986 WO2008080188A1 (en) 2007-01-02 2007-12-21 Carbothermic processes

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010514939A true JP2010514939A (ja) 2010-05-06

Family

ID=39588070

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009544343A Pending JP2010514939A (ja) 2007-01-02 2007-12-21 熱炭素法

Country Status (8)

Country Link
US (1) US7896945B2 (ja)
EP (1) EP2121521A4 (ja)
JP (1) JP2010514939A (ja)
CN (1) CN101616867B (ja)
AU (1) AU2007339733B2 (ja)
CA (1) CA2674121C (ja)
EA (1) EA015053B1 (ja)
WO (1) WO2008080188A1 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7824468B2 (en) * 2005-07-27 2010-11-02 Thermical Ip Pty Ltd. Carbothermic processes
CN102066591B (zh) 2008-05-09 2014-12-17 瑟米克尔Ip公司 碳热还原法
US20100263876A1 (en) * 2009-04-21 2010-10-21 Frazier W Lynn Combination down hole tool
WO2014043051A1 (en) 2012-09-11 2014-03-20 D4 Energy Group Process and device for devolatizing a feedstock
CN105731510B (zh) * 2016-04-15 2017-03-29 中原工学院 一种可控制备多种形貌的氧化铝粉体的方法
CN107807065B (zh) * 2017-09-21 2019-02-01 西北工业大学 用于研究熔渣沉积条件下Al-O-C体系反应动力学的实验装置
CN108059153B (zh) * 2018-02-05 2021-02-09 苏州第一元素纳米技术有限公司 一种合成器及其制备石墨烯的方法
CN109518004B (zh) * 2018-11-26 2019-10-29 昆明理工大学 一种碳热还原制备金属铝的方法
CN110527833B (zh) * 2019-07-29 2021-10-01 孙旭阳 利用单原子碳还原制备单质材料的方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1565065A (en) * 1976-08-23 1980-04-16 Tetronics Res & Dev Co Ltd Carbothermal production of aluminium
US4334917A (en) * 1980-04-16 1982-06-15 Reynolds Metals Company Carbothermic reduction furnace
US4490169A (en) * 1980-07-21 1984-12-25 Lectromelt Corporation Method for reducing ore
US4385930A (en) * 1981-02-02 1983-05-31 Reynolds Metals Co. Method of producing aluminum
NO306998B1 (no) * 1998-02-26 2000-01-24 Norsk Hydro As Fremgangsmåte for fremstilling av aluminium
US6530970B2 (en) * 2001-05-21 2003-03-11 Alcoa Inc. Method for recovering aluminum vapor and aluminum suboxide from off-gases during production of aluminum by carbothermic reduction of alumina
US6805723B2 (en) * 2003-03-06 2004-10-19 Alcoa Inc. Method and reactor for production of aluminum by carbothermic reduction of alumina
US6849101B1 (en) * 2003-12-04 2005-02-01 Alcoa Inc. Method using selected carbons to react with Al2O and Al vapors in the carbothermic production of aluminum
US7824468B2 (en) * 2005-07-27 2010-11-02 Thermical Ip Pty Ltd. Carbothermic processes
CN1304613C (zh) * 2005-10-18 2007-03-14 昆明理工大学 真空碳热还原炼铝的方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20100064850A1 (en) 2010-03-18
US7896945B2 (en) 2011-03-01
CN101616867B (zh) 2012-02-08
AU2007339733A1 (en) 2008-07-10
AU2007339733B2 (en) 2013-08-22
EP2121521A4 (en) 2011-09-28
WO2008080188A1 (en) 2008-07-10
CA2674121A1 (en) 2008-07-10
CA2674121C (en) 2015-05-26
EP2121521A1 (en) 2009-11-25
CN101616867A (zh) 2009-12-30
EA200970664A1 (ru) 2010-02-26
EA015053B1 (ru) 2011-04-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010514939A (ja) 熱炭素法
JPS6261657B2 (ja)
US7790099B2 (en) Process and apparatus for extracting zinc
JP2008511760A (ja) 単一炉を使用し、炉内温度制御による炭素熱還元方法
JP2009502708A (ja) カーボサーミック法
US4334917A (en) Carbothermic reduction furnace
JPS61275124A (ja) 金属珪素の製造方法ならびにその装置
NO132586B (ja)
RU2407816C1 (ru) Способ получения низкоуглеродистого алюминия с использованием карботермического восстановления в одной печи с обработкой и рециклированием отходящих газов
JPH101728A (ja) 酸化錫の還元処理方法及び装置
AU2006274499B2 (en) Carbothermic processes
NO783972L (no) Fremgangsmaate og apparat til fremstilling av mg ut fra mgo ad kjemisk-termisk vei
JPS59126730A (ja) アルミニウム又はアルミニウム合金の製錬方法
AU2003269603B2 (en) Process and apparatus for extracting zinc
US4314846A (en) Method for carbothermic production of aluminum
GB2067224A (en) Carbothermic production of aluminum
US8388921B2 (en) Carbothermic processes
JPS5914093B2 (ja) アルミナの炭素熱還元法