JP2010512733A - プラバスタチンを調製するための方法 - Google Patents
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Abstract
【選択図】図1
Description
本発明は、プラバスタチンの産生のための方法に関する。
スタチン系薬剤は、3−ヒドロキシ−3−メチルブチリルコエンザイムAレダクターゼ、コレステロール生合成における律速酵素の既知のインヒビターである。従って、スタチン系薬剤は、ヒトを含むさまざまな哺乳動物において血漿コレステロールレベルを減少することが可能であり、従って、化合物は、高コレステロール血症の治療に有効である。市場には、いくらかのタイプのスタチン系薬剤、中でも、アトルバスタチン、プラバスタチン、コンパクチン、ロバスタチンおよびシンバスタチンが存在する。前者は化学合成を介して作製される一方、後者の4つは、直接発酵または前駆体発酵のいずれかを介して産生される。これらの(前駆体)発酵は、ペニシリウム(Penicillium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属およびモナスカス(Monascus)属の真菌によって行われる。
本発明に関して、用語「保存的置換」は、アミノ酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基で置き換えられる置換を意味することが意図される。これらのファミリーは、当該技術分野において公知であり、そして塩基側鎖(例えば、リジン、アルギニンおよびヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン類、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β−分岐側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)ならびに芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニントリプトファン、ヒスチジン)を伴うアミノ酸を含む。
・コドンがコンパクチンヒドロキシラーゼを発現させるために使用される宿主種に適応されるような方法で、コドン使用頻度を改善すること。
・コドンがコンパクチンヒドロキシラーゼを発現させるために使用される宿主種に適応されるような方法で、コドン対使用頻度を改善すること。
・半減期が増加したmRNA分子を生じるコンパクチンヒドロキシラーゼをコードする遺伝子情報への安定化配列の付加。
・無作為変異を誘導するためのエラープローンPCR、それに続く、得られる変種のスクリーニング(実施例4において本質的に記載されている)および改善された動態特性を伴う変種の単離。
・コンパクチンヒドロキシラーゼの関連変種のファミリーシャッフリング、それに続く、得られる変種のスクリーニング(実施例4において本質的に記載されている)および改善された動態特性を伴う変種の単離。
(i)コンパクチンヒドロキシラーゼをコードする目的の遺伝子を含んでなるポリヌクレオチドで宿主細胞を形質転換すること、
(ii)形質転換された細胞のクローンを選択すること、
(iii)前記選択された細胞を培養すること、
(iv)場合により、前記培養細胞を処理する(即ち、固定化する)こと、
(v)コンパクチンを前記培養細胞に供給すること、
(vi)前記培養からプラバスタチンを単離すること。
(i)本発明の第1の態様のポリヌクレオチドで宿主細胞を形質転換すること;
(ii)形質転換細胞のクローンを、コンパクチンをヒドロキシル化するそれらの能力について選択すること;
(iii)これらの単離されたクローンを、様々なポリヌクレオチドで再形質転換すること;
(iv)形質転換細胞のクローンを、コンパクチンをヒドロキシル化するそれらの改善された能力について選択すること;
(v)プラスミドを単離すること;
(vi)プラスミドの挿入物を配列決定すること。
[一般的方法]
標準的なDNA手順および原核生物培養は、その他(サンブルック,J(Sambrook,J.)ら、1989年、Molecular cloning:a laboratory manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York)に記載のとおりに行った。DNAは、プルーフリーディング酵素Phusionポリメラーゼ(Finnzymes)を使用して、増幅した。制限酵素は、InvitrogenまたはNew England Biolabs製であった。コンパクチンを、20mg/mlの最終濃度でエタノールに溶解することによって、コンパクチンの加水分解を行った。NaOHを、4Mストックから、0.1Mの最終濃度まで添加した。溶液を、50℃で1〜2時間、加熱し、続いて、室温まで冷却した。この溶液は、室温で3箇月間、貯蔵することができる。両方の化合物を20mg/mlでエタノールに溶解することによって、プラバスタチンおよび非加水分解コンパクチンストック溶液を作製した。
[効率的な全細胞のコンパクチンからプラバスタチンへの生体変換のスクリーニング]
多様な原核および真菌種(表1)を試験して、加水分解されたコンパクチンからの改善された変換を伴う種を単離した。すべての種を、1〜3日間(種の増殖速度に依存する)、25mlの2×YT培地中でプレ培養し、洗浄し、そして25ml新鮮2×YT培地中に懸濁した。280rpmおよび30℃で振盪しながら数時間の順応期間後、加水分解したコンパクチンを、0.1、0.2、0.5および1mg/mlの最終濃度で添加した。24時間のインキュベーション後、振盪フラスコの内容物を50mlグライナーチューブに移すことによって、ブロスを回収した。サンプルを−20℃で凍結し、続いて、凍結乾燥した。1〜2mlメタノールの凍結乾燥サンプルへの添加、それに続く、ボルテックス撹拌の反復によって、スタチン系薬剤を抽出した。遠心分離によって、液相から固体を分離した。200μlのメタノール抽出物をHPLCバイアルに移し、続いて、以下のようなHPLC分析を行った:
[コンパクチンの生物学的加水分解]
実施例1に記載の種がまた、コンパクチンをラクトン型で加水分解および/またはヒドロキシル化するかどうかを確立するために、選択した4つの種を、1〜3日間(種の増殖速度に依存する)、25mlの2×YT培地中でプレ培養し、洗浄し、そして25ml新鮮2×YT培地中に再懸濁した。280rpmおよび30℃で振盪しながら数時間の適応後、非加水分解コンパクチンを、0.2mg/mlで添加した。24時間のインキュベーション後、振盪フラスコの内容物を50mlグライナーチューブに移すことによって、ブロスを回収した。サンプルを−20℃で凍結し、続いて、凍結乾燥した。1〜2mlメタノールの添加、それに続くボルテックス撹拌の反復によって、スタチン系薬剤を抽出した。遠心分離によって、液相から固体を分離した。200μlのメタノール抽出物をHPLCバイアルに移し、続いて、実施例1に記載のようにHPLC分析を行った。4つのすべての種(アクチノキネオスポラ・リパリア(Actinokineospora riparia)、大腸菌(Escherichia coli)、ストレプトマイセス・カルボフィラス(Streptomyces carbophilus)およびアミコラトプシス・オリエンタリス(Amycolatopsis orientalis))は、コンパクチンを加水分解するが、これは、プラバスタチン形成に不可欠ではない。アミコラトプシス・オリエンタリス(Amycolatopsis orientalis)は、プラバスタチンを合成するのに最も効率的な種であった。
[アミコラトプシス・オリエンタリス(Amycolatopsis orientalis)は、極めて効率的なコンパクチンヒドロキシル化を有する]
実施例1から、アミコラトプシス・オリエンタリス(Amycolatopsis orientalis)は、コンパクチンヒドロキシル化について、ストレプトマイセス・カルボフィラス(Streptomyces carbophilus)より優れていると結論付けた。さらなる研究のために、両方の種を、24時間、25mlの2×YT培地中でプレ培養し、洗浄し、そして25ml新鮮2×YT培地に再懸濁した。280rpmおよび30℃で振盪しながら数時間後、加水分解コンパクチンを、0.1および0.2mg/mlで添加した。24時間のインキュベーション後、振盪フラスコの内容物を50mlグライナーチューブに移すことによって、ブロスを回収した。サンプルを−20℃で凍結し、続いて、凍結乾燥した。1〜2mlメタノールの乾燥サンプルへの添加、それに続く、ボルテックス撹拌の反復によって、スタチン系薬剤を抽出した。遠心分離によって、液相から固体を分離した。200μlのメタノール抽出物をHPLCバイアルに移し、続いて、実施例1に記載のようにHPLC分析を行った。表3において認められ得るように、アミコラトプシス・オリエンタリス(Amycolatopsis orientalis)は、100%の効率でコンパクチンをプラバスタチンに変換することが可能であり、ここで、ストレプトマイセス・カルボフィラス(Streptomyces carbophilus)では認められない。
[コンパクチンをプラバスタチンに変換する生体触媒をコードする遺伝子フラグメントの単離]
[アミコラトプシス・オリエンタリス(Amycolatopsis orientalis)の遺伝子ライブラリー]
液体培地(10g/lグルコース、5g/l酵母抽出物、20g/lデンプン、1g/lのCaCO3および0.5g/lカザミノ酸、バッフルフラスコ)中にアミコラトプシス・オリエンタリス(Amycolatopsis orientalis)のコロニーを28℃で、OD=2.0まで増殖させた。一部を使用して、グリセロールストックを調製し、そして一部を使用して、ゲノムDNA単離のための細胞の調製のために50mlの液体培地を伴うフラスコに播種(比1/50)した。28℃で16時間後、ゲノムDNAを単離するために、培養を使用した。それに対し、インキュベーションの最後の1時間の間に、アンピシリンを200μg/mlの最終濃度で添加した。細胞を、遠心分離(8000rpmで15分間)に回収し、そしてペレットを50mMのEDTAを伴うpH8.0に調整した5mlの50mMのTris−HClに再懸濁した。100μlのリゾチーム(100mg/ml)および40μlプロテイナーゼK(20mg/ml)を添加した後、懸濁液を30分間、37℃でインキュベートした。Promega製のNuclei Lysis Solution(6ml)を添加した。80℃で15分間、および65℃で30分間のインキュベーションにより、ほぼ完全な細胞溶解物がもたらされた。RNase処置(10μlの100mg/mlのRNaseA溶液)の後、2mlのPromega製のProtein Precipitation Solutionを添加し、混合物をボルテックス撹拌(20秒間)し、そして氷上でインキュベート(15分間)した。遠心分離(5000rpmで15分間)後、上清を、0.1容積のNaAc(3M、pH5)および2容積のEtOH(96%)と混合した。沈殿したゲノムDNAの目視で認められる複合体をパスツールピペットで移し、そして500μlの10mMのTris(pH8.0)に溶解した。第2のプロテイナーゼK処置(10μlの20mg/mlストック溶液を200μlのサンプルあたりに使用し、続いて、37℃で30分間のインキュベーションを行った)を適用して、残留するタンパク質を取り出した。プロテイナーゼK工程後、500μlのフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(PCI、25:24:1)を添加し、そして混合物を14,000rpmで5分間、遠心分離した。上相を新しいバイアルに移し、そして微量に残留するフェノールを取り出すために、500μlのPCI(24:1)を添加した。相を遠心分離により分離し、そしてDNAの沈殿のために、上相を0.1容積のNaAc(3M、pH5)および2容積のEtOH(96%)と混合した。ゲノムDNAをピペットで採取し、70%冷EtOHで洗浄し、そして500μlのTris−EDTA緩衝液に溶解した。これにより、1.85のA260nm/A280nmを伴う134μgの精製されたゲノムDNAを生じた。Sau3AI(0.067単位/μgのDNA)を使用して、単離されたアミコラトプシス・オリエンタリス(Amycolatopsis orientalis)DNAを部分的に消化して、4〜10kbの範囲のより小さなフラグメントを得た。ゲノムDNA(50μg)を消化し、そしてQiagen QIAquick抽出キットを使用して、調製用0.6%アガロースゲルから4〜10kbの間のフラグメントを単離し、そして最終的に20μlの10mMのTris、pH8.0に溶解した。これらのフラグメントをBamHIで消化したpZErO−2(Invitrogen)に連結し、そして大腸菌(Escherichia coli)DH10Bに形質転換して、約39,000個のコロニーを得た。20個の個々のコロニーを使用して、10mlの2×YT培地に播種して、ライブラリーの多様性を確認し、そして平均的な挿入物のサイズを決定した。19のプラスミドが異なるサイズの挿入物を含有した一方、1個のコロニーが挿入物を有さなかった(自己連結ベクター5%)。pZErO−2におけるgDNAフラグメントの平均挿入物サイズは、約3.8kbであった。得られたすべての形質転換体をプレートから回収し、そしてカナマイシンを伴う液体2×YT培地に再懸濁し、そして8%(v/v)の最終濃度でグリセロールを添加し、そして−80℃で貯蔵した。
アミコラトプシス・オリエンタリス(Amycolatopsis orientalis)遺伝子ライブラリーを2×YT寒天+カナマイシン(50mg/L)上にプレート化し、そして72時間、室温でインキュベートした。ほぼ12,000個のコロニーを使用して、0.2mlの2×YT培地+35mg/Lカナマイシンを含有する120枚の96ウェルマイクロタイタープレート(MTP)に播種した。MTPを、25℃、500rpmで48時間、インキュベートした。各ウェルから、140μlの細胞懸濁液を、10分間、3,000rpmで遠心分離し、そしてプレートをティッシュペーパー上で軽くたたくことによって上清を廃棄した(培養物の残りを50μlの20%グリセロールに添加し、そして−80℃で貯蔵した)。1ウェルあたり250μlの基質溶液(加水分解されたコンパクチン、200mg/L;グルコース、2g/l;リン酸緩衝液、50mM;pH6.8を伴う2×YT培地)。ウェル中の細胞ペレットを懸濁し、そして48時間、30℃で、280rpmでインキュベートした。1ウェルあたり0.35mlメタノールの添加後、スタチン系薬剤を抽出し、そして1時間、280rpmで混合した。細胞破砕物を、15分間、2750rpmの遠心分離によって取り出した。100μlのサンプルを、LC−MSによって分析した。
ヘリウム雰囲気2における撹拌下、1晩中MeOH中1.5MのNaOH(1:2)によるメバスタチン(A.G.Scientific、ロット番号A7413、純度99.36%)の加水分解によって、コンパクチン標準を調製した。pHをHCl(4M)の添加によって減少し、そして標準物を水でさらに希釈する。サンプルを、ACT(Advanced Chromatography Technologies)製のショート(20mm)CNカラムを伴うWaters LC/MSシステム上、移動相として水およびアセトニトリル(両者は0.1%ギ酸を伴う)で分析する。LC−部分の詳細は以下のとおりである:
[コンパクチンからプラバスタチンへの生体触媒をコードする遺伝子の同定]
[アミコラトプシス・オリエンタリス(Amycolatopsis orientalis)由来の推定コンパクチンヒドロキシラーゼの再試験]
実施例4の分析を、推定クローンとして第1ラウンドにおいて同定した4個のクローンで反復した。しかし、今回、クローンを、MTPの代わりに振盪フラスコにおいて増殖させ、そしていくつかの培養培養条件を変動させた。クローンを、推定コンパクチンヒドロキシラーゼを含有する大腸菌(Escherichia coli)細胞を播種した10mlの2×YT中でプレ培養し、そして24時間、30℃、280rpmで増殖させた。続いて、0.1〜0.5mMのIPTGおよび0.5mMのδ−アミノレブリン酸を添加し、そして培養物を22℃で、280rpm、12時間、インキュベートした。細胞を回収し、洗浄し、そして(加水分解されたコンパクチン、200mg/L;グルコース、2g/l;リン酸緩衝液、50mM;pH6.8で補充した)新鮮2×YT培地中でボルテックス撹拌することによって、再懸濁した。細胞懸濁液を、30または37℃のいずれか、24または48時間、280rpmでインキュベートした。スタチン系薬剤を抽出し、そして実施例4に記載のように分析した。
大腸菌(Escherichia coli)クローン11H9を、カナマイシンを伴う2×YTにおいて培養し、そしてQiagen QIAprepepキットを使用して、プラスミドDNAを単離し、そしてpZERO−2プラスミドにおけるアミコラトプシス・オリエンタリス(Amycolatopsis orientalis)ゲノム挿入物の配列を決定した。挿入物の配列は、2545ヌクレオチド長(配列番号1を参照のこと)である。DNA配列の分析を実施して、そして2つのオープンリーディングフレーム(ORF)を同定することができた(図2)。第1のORFは、既知のp450酵素(即ち、最良は、ストレプトマイセス・ツベルシジクス(Streptomyces tubercidicus)由来のシトクロムP450モノオキシゲナーゼCYP105S2である)にいくつかの相同性を有する401アミノ酸(配列番号2および3)の推定タンパク質をコードする。第2のORFはいくつかの膜貫通領域を有し、そしてATP型Binding Cassette(ABC)タンパク質をコードし得る。
コンパクチンを加水分解することが可能な構造遺伝子を同定するために、SalIおよびXhoIによる二重消化を介して、pZERO−Ao−11H9からORF−2を欠失させた。続いて、4.9kbフラグメントを単離し、そして自己連結させた。得られるプラスミドpZERO−Ao−11H9は、完全ORFとしてただ1つのORF−1を含有する(図3)。このクローンは、クローンpZERO−Ao−11H9と同じ変換率を有し、ORF−1がcmpHと命名される機能的なコンパクチンヒドロキシラーゼをコードすることを示す。
[大腸菌(Escherichia coli)におけるストレプトマイセス・カルボフィラス(Streptomyces carbophilus)コンパクチンヒドロキシラーゼの活性]
[p450−SCA大腸菌(E.coli)発現クローンの構築]
ストレプトマイセス・カルボフィラス(Streptomyces carbophilus)p450をコードする遺伝子を、配列番号7および配列番号8のプライマーを使用して、株FERM−BP1145から単離したゲノムDNAからPCR増幅した。PCRフラグメントを、供給者の指示書(Invitrogen)に従って、pCR2.1TOPO/TAベクターにおけるクローンであった。発現クローンを、pACYC−taq(Kraemer,M.,2000.Untersuchungen zum Einfluss erhoehter Bereitstellung von Erythrose−4−Phosphat und Phosphoenolpyruvat auf den Kohlenstofffluss in den Aromatenbiosyntheseweg von Escherichia coli. Berichte des Forschungszentrums Juelich 3824,ISSN 0944−2952,PhD Thesis,University of Duesseldorf)を、Acc65Iで消化し、そしてpCR2.1TOPO/TAベクターから単離したAcc65Iフラグメントに連結することによって、構築し、pACYC−taqScp450(図4)を得た。
pACYC−taqScp450を含有する大腸菌(Escherichia coli)細胞を、クロラムフェニコールを伴う10mlの2×YTにおいて培養した。細胞懸濁液を、基本的に処理し、そして実施例5に記載のようにコンパクチンと共にインキュベートした。この場合、培養温度は37℃であり、そしてクロラムフェニコールおよびIPTG(0.1mM)を、反応混合物に添加した。反応物を、30℃および220rpmでインキュベートした。サンプルを様々な時点で採取し、そして実施例1に記載のようなHPLCプロトコルを使用して、分析した。24時間後、プラバスタチンを決定することができなかった。
[大腸菌(Escherichia coli)におけるアミコラトプシス・オリエンタリス(Amycolatopsis orientalis)コンパクチンヒドロキシラーゼの活性]
[Ao−cmpH大腸菌(Escherichia coli)発現クローンの構築]
アミコラトプシス・オリエンタリス(Amycolatopsis orientalis)p450をコードする遺伝子を、配列番号9および配列番号10のプライマーを使用して単離したゲノムDNAからPCR増幅した。PCRフラグメントを、供給者の指示書(Invitrogen)に従って、pCR2.1TOPO/TAベクターにクローニングした。発現クローンを、pACYC−taq(Kraemer,2000)をAcc65Iで消化し、そしてpCR2.1TOPO/TAベクターから単離したAcc65Iフラグメントを連結することによって、構築し、pACYC−taqAop450(図5)を得た。
pACYC−taqAop450(図5)を含有する大腸菌(Escherichia coli)細胞を、クロラムフェニコールを伴う2×YT(10ml)において培養した。細胞懸濁液を、実施例5に記載のようにコンパクチンと共にインキュベートした。培養温度は37℃であり、そしてクロラムフェニコールおよびIPTG(0.1mM)を添加した。反応物を、30℃および220rpmでインキュベートした。サンプルを様々な時点で採取し、そして実施例1に記載のようなHPLCプロトコルを使用して、分析した。24時間後、プラバスタチンの大きなピークを検出した。この結果は、アミコラトプシス・オリエンタリス(Amycolatopsis orientalis)p450酵素が他のp450よりも大腸菌(Escherichia coli)においてコンパクチンを加水分解するのにかなり良好に適切であることを明確に実証する。
[大腸菌(Escherichia coli)におけるアミコラトプシス・オリエンタリス(Amycolatopsis orientalis)コンパクチンヒドロキシラーゼの誘導体の活性]
遺伝子配列番号11〜18、27〜34を合成的に生成し、そして(配列番号9について)attB1および(配列番号10について)attB2が付加された組み換え部位を伴うオリゴヌクレオチド配列番号9および10によるPCR反応のテンプレートとして使用した。BP反応(Invitrogen Corporation)を実施することによって、PCRフラグメントを、Gateway pDONR221ベクター(Invitrogen Corporation、オランダ)にクローニングした;配列をDNA配列決定によって確認して、PCR関連のエラーを排除した。Gateway LR reactionを使用して、遺伝子を、pDONR221ベクターからpET−DEST42ベクターにトランスファーし、最終発現ベクターpET−DEST42−P450を得た。pET−DEST42−P450(挿入物として配列番号11〜18、27〜34)を所有する大腸菌(Escherichia coli)BL21 DE3を、カナマイシンを伴う10mlの2×YT中、30℃でOD600=0.5〜1.0まで培養した。続いて、培養物を0.1〜0.3mMのIPTGおよび0.5mMのδ−アミノレブリン酸で補充し、そして22℃、280rpmで12時間、インキュベートした。細胞を回収し、洗浄し、そして(加水分解されたコンパクチン、200mg/L;グルコース、2g/l;リン酸緩衝液、50mM;pH6.8で補充した)新鮮2×YT培地に再懸濁した。細胞懸濁液を、30または37℃のいずれか、24または48時間、280rpmでインキュベートした。スタチン系薬剤を抽出し、そして実施例4に記載のように分析した。24時間後、極めて大きなプラバスタチンピークを同定することができた。実施例7に記載の実験とは対照的に、配列番号3または配列番号6によってコードされるコンパクチンヒドロキシラーゼ酵素と比較する場合、生成したプラバスタチンの大部分は、それぞれ配列番号19〜26および配列番号35〜42の酵素の有意に変化した立体特異性の証拠を示すβ−変異である。
Claims (14)
- 配列番号3、配列番号6、配列番号43〜59に従うアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号3に対して少なくとも50%の同一性の程度を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号6に対して少なくとも60%の同一性の程度を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド、および配列番号43〜59と3アミノ酸以下異なるアミノ酸配列を有するポリペプチドからなる群から選択される、ポリペプチド。
- 配列番号3、配列番号6、配列番号19〜26もしくは配列番号35〜59に記載のアミノ酸配列を有するか、または配列番号3、配列番号6、配列番号19〜26もしくは配列番号35〜59に対して少なくとも90%の同一性の程度を有するアミノ酸配列を有する請求項1に記載のポリペプチド。
- 少なくとも50%の効率でコンパクチンをプラバスタチンに変換することが可能なポリペプチド。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードするDNA配列を含んでなるポリヌクレオチド。
- 配列番号1、2、4または5である、請求項4に記載のポリヌクレオチド。
- プラバスタチンを産生させるための方法であって、以下の工程:
(i)産生宿主において請求項4または5に記載のポリヌクレオチドを発現させる工程と;
(ii)工程(i)において得られる産生宿主を増殖させる工程と;
(iii)工程(ii)において得られる混合物からプラバスタチンを単離する工程と、
を含んでなる、方法。 - コンパクチンからプラバスタチンへの変換を改善することが可能なポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを単離するための方法であって、以下の工程:
(i)請求項4または5に記載のポリヌクレオチドで宿主細胞を形質転換する工程と;
(ii)形質転換細胞のクローンを、コンパクチンをヒドロキシル化するそれらの能力について選択する工程と;
(iii)これらの単離されたクローンを、様々なポリヌクレオチドで再形質転換する工程と;
(iv)形質転換細胞のクローンを、コンパクチンをヒドロキシル化するそれらの改善された能力について選択する工程と;
(v)プラスミドを単離する工程と;
(vi)プラスミドの挿入物を配列決定する工程と、
を含んでなる、方法。 - 工程(i)において得られた産生宿主において請求項7に記載の単離されたポリヌクレオチドを共発現させる工程をさらに含んでなる、請求項6に記載の方法。
- コンパクチンは、前記産生宿主の増殖中に添加される、請求項8に記載の方法。
- 前記産生宿主は、真菌細胞または細菌細胞である、請求項8または9に記載の方法。
- 前記真菌細胞は酵母または糸状菌細胞であり、そして前記細菌細胞は、アクチノマイセテス(Actinomycetes)およびプロテオバクテリア(Proteobacteria)からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
- 前記酵母はサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、クリュイベロマイセス・ラクティス(Kluyveromyces lactis)またはピキア・パストリス(Pichia pastoris)であり、そして前記糸状菌細胞はアスペルギルス・テレウス(Aspergillus terreus)、アスペルギルス・ニダランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、ペニシリウム・シトリナム(Penicillium citrinum)、ペニシリウム・クリソゲナム(Penicillium chrysogenum)、モナスカス・ルバー(Monascus ruber)またはモナスカス・パキシー(Monascus paxii)であり、そして前記アクチノマイセテス(Actinomycetes)はストレプトマイセス(Streptomyces)、アミコラトプシス(Amycolatopsis)またはアクチノマジュラ(Actinomadura)であり、そして前記プロテオバクテリア(Proteobacteria)はエシェリキア(Escherichia)またはバチルス(Bacillus)である、請求項11に記載の方法。
- 前記ストレプトマイセス(Streptomyces)はストレプトマイセス・カルボフィラス(Streptomyces carbophilus)、ストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)、ストレプトマイセス・コエリカラー(Streptomyces coelicolor)またはストレプトマイセス・クラブリゲルス(Streptomyces clavuligerus)であり、そして前記アミコラトプシス(Amycolatopsis)はアミコラトプシス・オリエンタリス(Amycolatopsis orientalis)であり、そして前記エシェリキア(Escherichia)は大腸菌(Escherichia coli)であり、そして前記バチルス(Bacillus)はバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)または枯草菌(Bacillus subtilis)である、請求項12に記載の方法。
- 請求項6および8〜13のいずれか一項に従って得られるプラバスタチンを含んでなる、医薬組成物。
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