JP2010512345A - ヴィニヘラ種(genusvitis)の植物の果実の皮からの抽出物、これを含有する組成物およびこの製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、メタボリックシンドロームの症状、機能不全および他の発現の治療に、ならびにシンドロームによって引き起こされる疾病の予防または治療に有用である標準化医薬または獣医学製品を、ヴィニヘラ種の植物の果実の皮から得るための向上した方法に関する。
Description
本発明は、メタボリックシンドロームの症状、機能不全および他の発現の治療に、ならびにシンドロームによって引き起こされる疾病の予防または治療に有用である標準化医薬または獣医学製品を、ヴィニヘラ種の植物の果実の皮から得るための向上した方法に関する。
歴史資料は、ワイン(ヴィニヘラ種の植物の果実から生産される飲料)の医学的使用が2,000年より長きにわたる慣行であることを示している。1990年代からの研究により、赤ワインは、抗酸化剤効果を有すること、血小板凝集に対して作用すること、および小血管拡張活性を有することが明らかになった。
ワイン消費のすべての特性にもかかわらず、低い生産効率と低い工業収率の両方のため、医薬または獣医学製品を得る試みは、過去数年にわたって成功していない。
University of Rio de Janeiro(UERJ)の研究は、ヴィニヘラ種の2つの植物、ヴィチス・ヴィニフェラ(Vitis vinifera)およびヴィチス・ラブルスカ(Vitis labrusca)の果実の皮から得られる煎剤は、齧歯動物に経口投与されたとき、血圧降下作用を提示するという結論を下した。しかし、英国特許第0106328号明細書に開示されている製造方法は低い収率を示しており、ならびにこれは最終製品中の活性成分の量の標準化を提供していない。
従って、薬剤として使用するための標準化された医薬または獣医学製品を生じさせる好適な製造方法の開発が望まれている。
下に列挙するすべての図について、Aは本発明の製品であると解釈する。
本発明の製品での血圧の絶対的低下を示す。
本発明の製品での血圧の低下率を示す。
本発明の製品での血糖プロフィールを示す。
本発明の製品での血糖プロフィールを示す。
インスリン分泌の増加を示す。
インスリン分泌の増加を示す。
遺伝的高血圧のモデル(SHR)におけるグルコース代謝に対する本発明の製品の400mg/kg/日での効果を示す。
遺伝的高血圧のモデル(SHR)におけるグルコース代謝に対する本発明の製品の400mg/kg/日での効果を示す。
遺伝的高血圧のモデル(SHR)におけるグルコース代謝に対する本発明の製品の400mg/kg/日での効果を示す。
遺伝的高血圧のモデル(SHR)におけるグルコース代謝に対する本発明の製品の400mg/kg/日での効果を示す。
遺伝的高血圧のモデル(SHR)におけるグルコース代謝に対する本発明の製品の400mg/kg/日での効果を示す。
遺伝的高血圧のモデル(SHR)におけるグルコース代謝に対する本発明の製品の400mg/kg/日での効果を示す。
遺伝的高血圧のモデル(SHR)におけるグルコース代謝に対する本発明の製品の400mg/kg/日での効果を示す。
遺伝的高血圧のモデル(SHR)におけるグルコース代謝に対する本発明の製品の400mg/kg/日での効果を示す。
遺伝的高血圧のモデル(SHR)におけるグルコース代謝に対する本発明の製品の400mg/kg/日での効果を示す。
遺伝的高血圧のモデル(SHR)におけるグルコース代謝に対する本発明の製品の400mg/kg/日での効果を示す。
酸化窒素の合成の阻害(L−name)によって誘導された高血圧のモデルにおける血圧に対する本発明の製品の400mg/kg/日での効果を示す。
酸化窒素の合成の阻害(L−name)によって誘導された高血圧のモデルにおける相対内臓脂肪(精巣上体脂肪)に対する本発明の製品の400mg/kg/日での効果を示す。
酸化窒素の合成の阻害(L−name)によって誘導された高血圧のモデルにおけるグルコース代謝に対する本発明の製品の400mg/kg/日での効果を示す。
酸化窒素の合成の阻害(L−name)によって誘導された高血圧のモデルにおけるグルコース代謝に対する本発明の製品の400mg/kg/日での効果を示す。
酸化窒素の合成の阻害(L−name)によって誘導された高血圧のモデルにおけるグルコース代謝に対する本発明の製品の400mg/kg/日での効果を示す。
酸化窒素の合成の阻害(L−name)によって誘導された高血圧のモデルにおけるグルコース代謝に対する本発明の製品の400mg/kg/日での効果を示す。
酸化窒素の合成の阻害(L−name)によって誘導された高血圧のモデルにおけるグルコース代謝に対する本発明の製品の400mg/kg/日での効果を示す。
神経内分泌性肥満のモデルにおける相対内臓脂肪(精巣上体脂肪)に対する本発明の製品の400mg/kg/日での効果を示す。
外因性肥満(高カロリーコーヒーショップ食)のモデルにおける相対内臓脂肪(精巣上皮脂肪)に対する本発明の製品の400mg/kg/日での効果を示す。
外因性肥満(高カロリーコーヒーショップ食)のモデルにおける本発明の製品の400mg/kg/日での血糖曲線を示す。
外因性肥満(高カロリーコーヒーショップ食)のモデルにおける本発明の製品の400mg/kg/日でのインスリン曲線を示す。
外因性肥満(高カロリーコーヒーショップ食)のモデルにおける本発明の製品の400mg/kg/日でのグルコース曲線上面積を示す。
外因性肥満(高カロリーコーヒーショップ食)のモデルにおける本発明の製品の400mg/kg/日でのインスリン曲線上面積を示す。
外因性肥満(高カロリーコーヒーショップ食)のモデルにおける本発明の製品の400mg/kg/日でのインスリン感受性率を示す。
第一の態様において、本発明は、ヴィニヘラ種の植物の果実の皮から標準化医薬または獣医学製品を得るための向上した方法に関する。
本発明の製造方法は、
(a)時々振盪しながら約100から約140分間、特に約120分間、約90℃から約120℃、特に約100℃の一定温度を保ちながら、ヴィニヘラ種の植物の果実の皮を水に抽出する段階;
(b)イオン交換樹脂を備えた活性カラムにおいて抽出し、水分画を排出する段階;
(c)水アルコール溶液で活性成分を回収する段階;
(d)真空下、約60℃と約70℃の間の温度で濃縮する段階;および
(e)約170℃と約190℃の間、特に約180℃の入口温度、および約80℃と約90℃の間、特に約85℃の出口温度を有する噴霧乾燥機において乾燥する段階
を含む。
(a)時々振盪しながら約100から約140分間、特に約120分間、約90℃から約120℃、特に約100℃の一定温度を保ちながら、ヴィニヘラ種の植物の果実の皮を水に抽出する段階;
(b)イオン交換樹脂を備えた活性カラムにおいて抽出し、水分画を排出する段階;
(c)水アルコール溶液で活性成分を回収する段階;
(d)真空下、約60℃と約70℃の間の温度で濃縮する段階;および
(e)約170℃と約190℃の間、特に約180℃の入口温度、および約80℃と約90℃の間、特に約85℃の出口温度を有する噴霧乾燥機において乾燥する段階
を含む。
この原料は、限定ではないが、ヴィニヘラ種の1つ以上の種、特にヴィチス・ヴィニフェラまたはヴィチス・ラブルスカの果実の皮を含み得る。
本発明の方法のイオン交換樹脂は、活性成分を濃縮し、より極性の高い化合物を抜き取り、より非極性の化合物を残すために用いられる。
水アルコール溶液は、低級アルコール、特にメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールまたはこれらの混合物を含む。
活性成分の回収段階は、特に、
(c1)この方法で使用されるアルコールの3/4の量で樹脂を洗浄すること;
(c2)この方法で使用されるアルコールの残り1/4に相当する量と使用される水の量の1/3とを有する1:1のアルコール−水溶液でこの樹脂を洗浄すること;および
(c3)使用される水の量の残りの2/3でこの樹脂を洗浄すること
を順次含む。
(c1)この方法で使用されるアルコールの3/4の量で樹脂を洗浄すること;
(c2)この方法で使用されるアルコールの残り1/4に相当する量と使用される水の量の1/3とを有する1:1のアルコール−水溶液でこの樹脂を洗浄すること;および
(c3)使用される水の量の残りの2/3でこの樹脂を洗浄すること
を順次含む。
この方法で使用される水とアルコールの比率は、好ましくは5:1である。
噴霧乾燥機の入口および出口の特異的温度によって、追加のアジュバントおよび担体を使用する必要なく乾燥が保障される。
本発明の方法は、加工時間を短縮し、好適な収率を与え、および標準化ポリフェノール量を有する医薬または獣医学製品をもたらす結果となるので、工業的生産を可能にする。
本発明の医薬または獣医学製品は、式(I)、
のポリフェノールのうちの少なくとも1つを約0.01重量%から約90重量%、特に16重量%から20重量%含有する。
本発明の医薬または獣医学製品は、1日に1回以上に分割される、約1mg/kg/日と約5000mg/kg/日の間、特に約200mg/kg/日と約400mg/kg/日の間の様々な含有量のもとで、患者に直接投与するためにも、医薬または獣医学組成物を調製するために使用するためにも、有用である。
もう1つの態様において、本発明は、本発明の医薬もしくは獣医学製品を約1から約5000mg、特に約200から約400mgと、医薬的に許容される担体または獣医学的使用に許容されるものとを含有する、医薬または獣医学組成物に関する。
本発明に好適な担体は、例えば、限定ではないが、米国の出版社Mack Publishingからの本Remington’s Pharmaceutical Sciences、欧州薬局方(European Pharmacopaea)またはブラジル薬局方(Brazilian Pharmacopaea)によって述べられているようなものである。
本発明の医薬または獣医学製品および医薬または獣医学組成物は、メタボリックシンドロームの構成要素の治療に、ならびにシンドロームによって引き起こされる疾病の予防および治療に有用である。
メタボリックシンドロームは、個体において発現して彼または彼女に心血管疾患およびアテローム性動脈硬化症の素因を与える、一組のメタボリックリスク因子を含む。前述のメタボリックシンドロームのリスク因子または構成要素には、腹部肥満(腹周辺組織における過剰な脂肪)、異常脂質血症(血中脂肪機能不全−トリグリセリド増加、HDLコレステロール減少、LDLコレステロール増加)、血圧上昇、インスリン抵抗性およびグルコース不耐性(生体が血液からインスリンおよび糖を好適な様式で使用しない。)、空腹時血糖上昇、脂肪肝、前血栓状態および前炎症状態がある。
もう1つの態様において、本発明は、メタボリックシンドロームに関連した反応の治療のための、ならびにシンドロームによって引き起こされる疾病の予防または治療のための方法に関し、この方法は、前記治療が必要なヒトまたは動物患者に、本発明の製品またはこれを含有する医薬もしくは獣医学組成物の約1から約5000mg/kg、特に約200から約400mg/kgの1日量を投与することに存する。
本発明の具体的な実施形態の単なる例示的実施例を下記に提示するが、これらは、添付の特許請求の範囲に含まれるものを除き、本発明の範囲に対する制限を一切もたらさない。
製造方法
(実施例1A)
ヴィニヘラ種の果実の皮200kgを、時々攪拌しながら100℃の温度の水に添加し、前記状態で120分放置した。
(実施例1A)
ヴィニヘラ種の果実の皮200kgを、時々攪拌しながら100℃の温度の水に添加し、前記状態で120分放置した。
固体残留物を除去した後、この材料をイオン(カチオン)交換樹脂に通して水分画を排出した。
この樹脂をエタノール300リットル、エタノール−水溶液(1:1)200リットルおよび水200リットルで順次洗浄した。
得られた生成物を真空下、60℃で濃縮し、その後、噴霧乾燥機において、180℃の入口温度および85℃の出口温度を保つことにより、アジュバントおよび担体を添加せずに乾燥させた。
得られる製品は、4%の湿度を伴う微細な水溶性粉末である(2g/105℃/2時間)。さらに、Folin−Ciocalteauの方法によって、この得られた最終製品物が式(I)のポリフェノールを18%含有することを検証し、薄層クロマトグラフィー(TLC)によって関連プロフィールを検証した。
(実施例1B)
機械的振盪をもたらす抽出装置を有するタブに、温度を60℃に制御した加温チャンバーにおいて乾燥させたヴィチス・ヴィニフェラの果実の皮200kgを添加し、電気ミルにおいて粉砕した。
機械的振盪をもたらす抽出装置を有するタブに、温度を60℃に制御した加温チャンバーにおいて乾燥させたヴィチス・ヴィニフェラの果実の皮200kgを添加し、電気ミルにおいて粉砕した。
その後、100℃の温度の水280リットルを、頻繁に攪拌しながら、72から144時間(2から4日)の期間にわたって添加した。
この方法の後、生成物を真空下、100μmフィルターによって濾過した。得られた収量は、本発明の製品溶液約240リットルであった。
固体残留物を除去した後、この得られた溶液をイオン(カチオン)交換樹脂に通し、水分画を排出した。
この樹脂を、エタノール300リットル、エタノール−水溶液(1:1)200リットルおよび水200リットルで順次洗浄した。
得られた生成物を真空下、60℃で濃縮し、その後、噴霧乾燥機において、180℃の入口温度および85℃の出口温度を保つことにより、アジュバントおよび担体なしで乾燥させた。
得られる製品は、4%の湿度を伴う微細な水溶性粉末である(2g/105℃/2時間)。さらに、Folin−Ciocalteauの方法によって、この得られた最終製品物が式(I)のポリフェノールを30%含有することを検証し、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)によって関連プロフィールを検証した。
本製品の急性毒性(DL50)
特定病原体未感染(SPF)マウスを使用してこの試験を行った。0mg/kgと5000mg/kgの間で用量を変えて、実施例1の医薬または獣医学製品で動物を経口的に治療した。対照群には、担体(0.9%NaCl、10ml/kg、v.o.)を施した。
特定病原体未感染(SPF)マウスを使用してこの試験を行った。0mg/kgと5000mg/kgの間で用量を変えて、実施例1の医薬または獣医学製品で動物を経口的に治療した。対照群には、担体(0.9%NaCl、10ml/kg、v.o.)を施した。
この実験を通して、水および食餌消費量ならびに体重増加に対する医薬または獣医学製品の急性投与の起こり得る影響を調査し、幾つかの生命維持に重要な器官に対する影響も調査した。
表1のデータは、急性経口投与した医薬または獣医学製品が、十分に許容されたこと、および死につながる場合もある有意な毒性作用を生じさせなかったことを示している。DL50は、5000mg/kgの用量まで得られなかった。
動物の体重ならびにこれらの水および食餌消費量は有意に変化せず、幾つかの生命維持に重要な器官の色および大きさに関する目に見える変化も認められなかった。
慢性毒性アッセイ
続けて90日間、毎日、経口投与した本発明の製品(100から1000mg/kg)でのマウスの慢性治療は、下の表に示すように、対照動物と比較してトリグリセリドおよび全コレステロールの血漿中レベルを低下させた。
続けて90日間、毎日、経口投与した本発明の製品(100から1000mg/kg)でのマウスの慢性治療は、下の表に示すように、対照動物と比較してトリグリセリドおよび全コレステロールの血漿中レベルを低下させた。
本製品の血圧降下効果
この実験には、高血圧自然発症ラット(SHR)系統からの高血圧成体雄ラットを使用した。動物の左大腿動脈に、別のPE−50カテーテルに接続されたPE−10カテーテルを挿入した。PE−10末端は、大腿動脈経由で腹部大動脈まで進め、PE−50末端は、血圧の継続的記録のためのGouldポリグラフに連結されたStatham圧力変換機に接続するために使用した。
この実験には、高血圧自然発症ラット(SHR)系統からの高血圧成体雄ラットを使用した。動物の左大腿動脈に、別のPE−50カテーテルに接続されたPE−10カテーテルを挿入した。PE−10末端は、大腿動脈経由で腹部大動脈まで進め、PE−50末端は、血圧の継続的記録のためのGouldポリグラフに連結されたStatham圧力変換機に接続するために使用した。
実施例1によって得られた医薬または獣医学製品を蒸留水で希釈し、経口投与する溶液の量を0.8mlと1.3mlの間で変えた。
図1および2によって提示するグラフからわかるように、300mg/kgの用量のもとで経口投与した医薬または獣医学製品は、SHRラットの血圧を低下させ、この効率は、プラシーボより3倍高かった。
このような急性血圧降下効果は、高血圧治療用の製品として従来使用されているアムロジピン(0.5mg/kg)またはエナラプリル(1mg/kg)で得られるものに類似している。
アロキサンによって誘導した糖尿病における効果
12匹の動物、体重25gおよび30gの成体雄マウスの2つの群をこの試験に使用した(対照群および実験群)。最初に、動物を、12時間の絶食後の血糖について分析した。血糖値を得たら、動物は、随意に食餌および水を摂取した。
12匹の動物、体重25gおよび30gの成体雄マウスの2つの群をこの試験に使用した(対照群および実験群)。最初に、動物を、12時間の絶食後の血糖について分析した。血糖値を得たら、動物は、随意に食餌および水を摂取した。
第0日に、基礎血糖を得た後、食塩水で希釈したアロキサンで、300mg/kgの初期用量および日を続けてその後2回、150mg/kgの用量を適用して、動物を治療した。
第一のプロトコルでは、対照群を25日にわたってアロキサンのみで治療した。実験群は、アロキサンで治療したが、第0日に、血糖を測定した後、実施例1の製品100mg/kg/日を飲用水で動物に与え、その後、この用量を200mg/kg/日まで増加させた。血糖を25日間監視した。
第二のプロトコルでは、上に開示したようにアロキサンで動物を治療した。一方の群は、10日間、アロキサンのみを与え、この日から、飲用水中の200mg/kg/日の用量に基づいて実施例1の製品で治療した。他方の群は、第10日まで飲用水中200mg/kg/日の用量に基づいて実施例1の製品で治療し、第10日の時点で治療を中止した。第13日まで血糖を測定した。
図3は、マウスの2つの群(対照群:アロキサンのみでの治療;および治療群:アロキサンと実施例1の製品で治療)からの血糖の進展を示す。わかるように、アロキサンのみで治療した群は、糖尿病になり、血糖は約400mg/dlより高い値に達した。しかし、アロキサンと実施例1の製品で治療した群は、アロキサンのみで治療した群より有意に低い血糖値を示した。
図4は、10日間のアロキサンでの治療(対照群)で血糖が増加した後、200mg/kg/日の用量に基づく実施例1の製品での動物の経口的治療が、グルコースレベルの有意な低下を生じさせたことを示している。一方、実施例1の製品での治療を停止すると、血糖値は上昇した。
インビトロでのランゲルハンス島におけるグルコースによるインスリンの分泌への影響
島を単離するために、5匹の成体雄Wistarラットをチオペンタール(tiopental)の腹腔内投与(60mg/(体重のkg))によって犠牲にし、胆管の位置を突き止めるために腹膜切開手術を行った。前記管の末端部分(十二指腸付近)を閉塞させた。その後、肝pediculum付近を切開し、ポリビニルカテーテル(Bio vida)を膵臓に向けて導入した。このカテーテルにより、膵臓をふくらませる目的で10から20mlのクレブス液を注入し、このようにしてより良好な視覚化および除去を可能にした。存在するリンパ節および脂肪を除去した。
島を単離するために、5匹の成体雄Wistarラットをチオペンタール(tiopental)の腹腔内投与(60mg/(体重のkg))によって犠牲にし、胆管の位置を突き止めるために腹膜切開手術を行った。前記管の末端部分(十二指腸付近)を閉塞させた。その後、肝pediculum付近を切開し、ポリビニルカテーテル(Bio vida)を膵臓に向けて導入した。このカテーテルにより、膵臓をふくらませる目的で10から20mlのクレブス液を注入し、このようにしてより良好な視覚化および除去を可能にした。存在するリンパ節および脂肪を除去した。
除去した膵臓を細断し(小さな断片にし)、クレブス液で様々な回数洗浄して、膵臓組織と残りの脂肪組織を分離し、脂肪組織は遠心分離後に除去した。クレブス液をカルボジェーン気体混合物でバブリングし(pH7.4を保つため)、この使用が終わったら氷の中に置いた。
コラゲナーゼ技法(Lacy & Kostianovsky,1967)によって島を単離した。膵臓断片を目盛付き試験管の中に入れ、それぞれに膵臓1mlと、クレブス液500μlで希釈したコラゲナーゼ4mg(Collagenase P Boehringer Mannheim Biochemicals)を添加した。膵臓およびコラゲナーゼが入っている試験管を、カルボジェーン混合物のもと、37℃の浴に8分間入れた。曝気後、試験管をしっかりと閉じて、37℃の浴に入れたままで4分間ゆっくりと、および1分間激しく振盪させた。振盪後、膵臓を試験管の中でクレブス液および1%アルブミン(ウシ血清アルブミン−SIGMA(登録商標))で洗浄し、500rpm/分で30秒間遠心分離し、上清を処分した。沈降した材料の一部を分離し、拡大鏡およびシリコーンピペットを利用して島を観察し、回収した。約120の島をそれぞれの動物から得た。
回収後、これらの島を、37℃の温度で蠕動ポンプ(Bomba Buchler Polystaltic(登録商標))において1ml/分に流量を保ちながら、潅流チャンバーに詰めた。これらの島を潅流するために、異なるグルコース濃度(対照群については2.8および16.7M;実験群については2.8および16.7+実施例1の製品(50μg/ml))を有するクレブス液を使用した。最初に、グルコース2.8mMを有するクレブス液を使用し(20分静止を保つ)、その後、直ぐ、9つの潅流液を5分間隔で回収して(時間:−40、−35、−30、−25、−20、−15、−10、−5、0)、インスリン分泌についての基底値を得た。1方向弁によって潅流液を交換することにより、クレブス液についてのグルコース濃度を、対照群についてはグルコース16.7mMのみと、または実験群についてはグルコース16.7mM+実施例1の製品50μg/mlのみと交換し、潅流液を30分の間にそれぞれ2分回収した。後のインスリン投薬のために潅流液を−70℃で凍結させた。
潅流液に含有されているインスリン(例えば、インビトロで島によって分泌されたもの)を、Insulin 125 I RIAキット(MP Biomedicals,LLC−Orangeburg NY 10962)を使用してラジオイムノアッセイ法によって二重反復で分析した。
図5Aおよび5Bは、インビトロでランゲルハンス島の潅流液中のグルコース濃度を上昇させることによって誘導したインスリン分泌の増加が、実施例1の製品で動物を治療することによって、最大25分の潅流時間内に減少も、増加もされなかったことを示している。しかし、高グルコースおよび実施例1の製品での潅流の開始の30分後に観察されたインスリン分泌(55.5±0.89ng/ml)は、高グルコースを用い、実施例1の製品を用いずに島を潅流したときに観察された分泌(49.7±1.02ng/ml)より有意に高かった(図5A)。30分にわたって分泌されたインスリン値の曲線下面積の分析も、実施例1の製品がインスリン分泌を増加させることを示した(図5B)。
慢性投与によって得られるメタボリック効果のおよびアテローム性動脈硬化症に関する研究
実験モデル
A)高血圧モデル
1−遺伝的性質:成体雄SRHラットを使用した(週齢12から14週)。動物を3つの群に分けた。
実験モデル
A)高血圧モデル
1−遺伝的性質:成体雄SRHラットを使用した(週齢12から14週)。動物を3つの群に分けた。
a)群1(対照):連続12週間、担体で治療した。血圧測定のためにn=10、および代謝のためにn=7。
b)群2:飲用水に添加した実施例1の製品400mg/kg/日で連続12週間治療した(n=9)。
c)群3:実施例1の製品400mg/kg/日で1日4回の摂取で連続12週間治療した(n=6)。
2−誘導(L−Nameモデル):成体雄Wistarラットを使用した(週齢12から14週)。すべての動物において、飲用水に添加した50mg/kg/日の用量での酸化窒素合成阻害剤L−NAMEの連続8週間の投与により、高血圧を誘導した。これらの動物を2つの群に分けた。
a)群1(対照):連続8週間、ベッセル(vessel)で治療(n=5)。
b)群2:飲用水に添加した実施例1の製品400mg/kg/日で連続8週間治療した(n=5)。
B)肥満モデル
1−神経内分泌モデル−グルタミン酸一ナトリウム−MSG
この肥満モデルは、新生児期におけるグルタミン酸一ナトリウムの皮下注射による化学的視床下部(満腹中枢)損傷の誘導に存する。このようなモデルは、後に高コルチゾール症となり、体重の増加は少ないが、内臓脂肪含有量の増加を示す。
1−神経内分泌モデル−グルタミン酸一ナトリウム−MSG
この肥満モデルは、新生児期におけるグルタミン酸一ナトリウムの皮下注射による化学的視床下部(満腹中枢)損傷の誘導に存する。このようなモデルは、後に高コルチゾール症となり、体重の増加は少ないが、内臓脂肪含有量の増加を示す。
前記モデルを誘導するために、Wistar系統の雄ラットを使用し、これらのラットに、生後11日以内に、4g/kgの用量に基づいてグルタミン酸一ナトリウムの皮下注射を1日1回施した。
視床下部損傷を誘導した後、動物には成体期(週齢12週)に達するまで標準ラット食餌を給餌し、成体期に達したとき2つの群に分けた。
a)対照::連続12週間、ベッセルで治療(n=8)。
b)群1:飲用水に添加した実施例1の製品400mg/kg/日で連続12週間治療した(n=9)。
2−外因性モデル−コーヒーショップ食
このモデルは、動物に高カロリー食を与えることに存する。従って、Wistar系統の雄ラットは、離乳後、コーヒーショップ食(高カロリーで非常に美味なもの)の随意摂取を開始し、成体期(第12週)まで摂取した。これらの動物を2つの群に分けた。
このモデルは、動物に高カロリー食を与えることに存する。従って、Wistar系統の雄ラットは、離乳後、コーヒーショップ食(高カロリーで非常に美味なもの)の随意摂取を開始し、成体期(第12週)まで摂取した。これらの動物を2つの群に分けた。
a)対照:連続12週間、コーヒーショップ食で飼育し、担体で治療した動物(n=9)。
b)群1:連続12週間、コーヒーショップ食で飼育し、飲用水での実施例1の製品400mg/kg/日で治療した動物(n=9)。
実験群および対照群のすべての動物は、全治療期間(通常は12週、但し、L−NAME群は、その後8週間続けた。)の間、尾の血圧(電気的血圧測定(shygmoelectromanometrics)による。)および体重を週2回測定した。
すべての実験において、実施例1の製品を、飲用水で希釈した400mg/kg/日の用量に基づいて与えたが、但し、SHR動物の部分群には生成物を1日4回の摂取で経口投与した。
実験期間終了時に、経口耐糖能アッセイ(TOTG)中に血糖値およびインスリン値を測定する目的で、別のPE−50カテーテルに接続されたPE10カテーテルを動物の左大腿動脈に挿入して、血液を採取した。
カテーテルを内植する外科的手順の24時間後、最初の採血を行って血漿中の基礎グルコースおよびインスリンおよび脂質レベル(全コレステロール、HDL−コレステロール、トリグリセリド)を測定した。グルコース過負荷量(170g/kg)を経口投与し、この過負荷の15、30、60、90および120分後に新たな採血を行って血糖値およびインスリン値を測定した。
血糖値は、デジタルグルコースメーターに測定し、インスリンは、ラジオイムノアッセイ法によって測定した。
経口耐糖能試験終了時に動物を犠牲にし、精巣上体周辺の脂肪を切除し、計量した。その後、内臓脂肪を代表する前記脂肪の重量を所与の体重100gについて補正した。これを精巣上皮脂肪の相対含有率として提示する。
結果
A)高血圧モデル
1−群1:この群における場合、400mg/kg/日の用量の実施例1の製品での治療を2つの異なる方法(即ち、飲用水を用いる方法、および4回摂取で経口的方法)で行い、代謝結果を、製品の投与方式によるそれぞれの部分群について別々に提示し、および前記部分群の合計としても提示する。他の結果(血圧、体重および精巣上体脂肪)は、部分群の合計としてのみ提示する。
A)高血圧モデル
1−群1:この群における場合、400mg/kg/日の用量の実施例1の製品での治療を2つの異なる方法(即ち、飲用水を用いる方法、および4回摂取で経口的方法)で行い、代謝結果を、製品の投与方式によるそれぞれの部分群について別々に提示し、および前記部分群の合計としても提示する。他の結果(血圧、体重および精巣上体脂肪)は、部分群の合計としてのみ提示する。
図6Aから7Cは、対照群および治療群について得た、血糖およびインスリン曲線、前記曲線の面積ならびにインスリン感受性率を表す。
対照SHRラットは、正常空腹血糖値から、TOTGに対して糖尿病血糖曲線を示し、200mg/dlよりはるかに高い値に達することが観察された。一方、実施例1の製品での治療は、投与方式がいずれであったかに関係なく、空腹時血糖の有意な低下、およびTOTG中の値がグルコース不耐性レベルの範囲内に位置する血糖プロフィールの重要な改善をもたらした。インスリン曲線に関しては、対照群は、空腹時に正常なインスリン値を提示するが、これらがグルコース過負荷時に増加しないことが観察された。これは、膵臓によるインスリン放出不足を示唆しており、これがまさに糖尿病血糖曲線の根拠となる。一方、実施例1の製品で治療した動物は、前記製品の投与方式がいずれであったかに関係なく、グルコース過負荷に対する反応として、より高いインスリン値を提示し始めたこと、従って、これは、実施例1の製品での治療が、グルコース刺激に対する膵臓の反応を少なくとも一部分は回復させたことを示唆しており、これは、糖尿病レベルから不耐性レベルへと進む血糖曲線の有意な改善と解釈された。
これらの効果は、グルコースおよびインスリン曲線下面積を評価したときにも明瞭に示された。従って、実施例1の製品は、投与方式がいずれであるかにかかわらず、対照群において観察されるグルコース曲線の面積を約42%減少させるが、その後、インスリン曲線の面積を50%より大きく増加させることが観察される。結果として、実施例1の製品の2つの慢性投与方式で、インスリン感受性率の約24%増加が認められた。
図8Aから9Cは、SHRグルコースのグルコース代謝に対する実施例1の製品での治療の効果を示すものであり、これは、担体のみを摂取した対照群との比較での前記生成物の両方の投与方式の概要と考えられる。
観察されることとして、実施例1の製品の異なる投与方式でのSHR動物群の結果の概要は、インスリン曲線面積の増加が、今や対照群より有意であることを示している。従って、実施例1の製品でのSHRラットの治療は、グルコース曲線面積を42.8%減少させ、インスリン曲線面積を52.8%増加させ、およびインスリン感受性率を24.1%増加させたことがわかる。
図10は、基礎段階におけるおよび実施例1の製品での8週間の治療中の尾の血圧値を示す。
このモデルでは、本発明の製品が、L−NAMEでの酸化窒素の合成の阻害によって誘導された高血圧を部分的に予防することを観察することができる。従って、治療第3週と第6週の間の有意に低い血圧値、および治療群の第7週と第8週における尾の血圧値は、数値的には対照群より低いが、群間の統計的有意差を示さないことが観察される。従って、実施例1の製品において有意な慢性血圧降下効果が検出される。
図11は、L−NAMEおよび対照群ならびに実施例1の製品で治療した群における内臓(精巣上体)脂肪についての相対平均値を示す。
認められることとしては、この高血圧モデルにおける内臓脂肪の含有量は、増加し続け、本発明の製品の慢性投与は、精巣上体における脂肪の相対含有率の有意な減少(−15.7%)を促進した。
図12および13は、高血圧を誘導したこの実験モデルにおけるグルコース代謝の標準型、および実施例1の製品での治療の効果を示す。
図12Aおよび12Bにおいて観察できることとして、L−NAMEモデルからの動物の両方の群が、正常範囲内の空腹時血液レベルを提示し、本発明の製品で慢性治療した群は、対照群よりわずかに低かった。グルコース過負荷は、L−NAME群において、200mg/dlレベルを超える、従って糖尿病として分類される血糖の有意で漸進的な増加を誘導した。実施例1の製品での治療は、血糖曲線を有意に低下させた。同グラフの右のパネルに提示したインスリン曲線に関しては、空腹時インスリン値は正常値範囲内であったが、実施例1の製品で治療した群におけるほうがわずかに高かったことが観察される。TOTG中、両方の群において、グルコース過負荷に応じてのインスリンに類似した有意で漸進的な増加が認められた。
図13Aから13Cでは、TOTG中のグルコースおよびインスリン曲線下面積ならびにインスリン感受性率の平均結果を計算する。
その結果、実施例1の製品でのL−NAME動物の慢性治療は、インスリン曲線面積を24.4%低下させ、インスリン曲線面積を有意には修飾しなかったことがわかる。結果として、対照L−NAME群の2倍より大きい(+101.8%)インスリン感受性率の相当な増加が認められた。従って、1つの単一インスリン放出のために、血液中のグルコース率がTOTG中に低下された。これらの結果は、グルコースの末梢貯留における現実的な改善(インスリン感受性の増大)を意味する。
グルコース代謝の変化(インスリン抵抗性およびグルコース不耐性)を提示する高血圧モデルにおいて、本発明の製品の慢性投与は、インスリンに対する感受性を増大させるグルコースの末梢貯留についての効果(L−NAMEモデル)と、グルコース過負荷の場合に膵臓による前記ホルモンの不適切な放出を提示するモデル(SHRモデル)におけるインスリン放出に関する効果の両方を発揮するようである。
B)肥満モデル
1−神経内分泌モデル
図14は、試験群における内臓(精巣上体)脂肪の相対含有率を示す。内臓肥満を有する動物の精巣上体脂肪の相対含有率は、内臓肥満の特性を表す非常に高いもの(正常含有率の約3倍)であったことが認められる。実施例1の製品での12週間の治療は、このモデルにおける内臓脂肪の堆積量を有意に減少させ、グルタミン酸一ナトリウムによって誘導した動物精巣上体および神経内分泌肥満の場合に存在するような脂肪の相対含有率を約7%低下させた。
1−神経内分泌モデル
図14は、試験群における内臓(精巣上体)脂肪の相対含有率を示す。内臓肥満を有する動物の精巣上体脂肪の相対含有率は、内臓肥満の特性を表す非常に高いもの(正常含有率の約3倍)であったことが認められる。実施例1の製品での12週間の治療は、このモデルにおける内臓脂肪の堆積量を有意に減少させ、グルタミン酸一ナトリウムによって誘導した動物精巣上体および神経内分泌肥満の場合に存在するような脂肪の相対含有率を約7%低下させた。
2−外因性モデル−コーヒーショップ食
図15は、コーヒーショップ食による肥満動物の両方の群の内臓脂肪の相対含有率を示す。
図15は、コーヒーショップ食による肥満動物の両方の群の内臓脂肪の相対含有率を示す。
コーヒーショップ食によって誘導した肥満を有する動物は、全身肥満に加えて、精巣上体周辺で見出される脂肪に代表されるような内臓脂肪の相対含有率の重要な増加を提示することが認められる。実施例1の製品の慢性投与(12週間)は、コーヒーショップ食を給餌した動物における精巣上体脂肪の相対含有率を有意に減少させた(−17.7%)。
図16Aから17Cは、高カロリーのコーヒーショップ食によって誘導した肥満を有する動物の両方の群のグルコース代謝の標準型を示す。
コーヒーショップ食によって誘導した肥満を有する動物は、まだ正常範囲内の空腹時血糖値を提示するにもかかわらず、グルコース過負荷を受けたときに約200mg/dlよりかなり高い血糖値を伴う劣った糖尿病反応を示すことが観察される。これらの動物を実施例1の製品で慢性治療したとき、空腹時血糖値の減少、およびTOTG中の血糖プロフィールの相当な改善が観察され、ほぼ正常だがわずかに不耐性の曲線を提示した。前記血糖プロフィールと平行して、治療動物は、対照群よりわずかに高いとはいえ、通常の空腹時インスリン値を提示したが、対照コーヒーショップ群において観察されたものより有意に低かった過負荷中のインスリン値を示す、グルコース過負荷への非常に低い膵臓の反応を示したことが観察される。従って、実施例1の製品は、より低い血漿インスリン値が利用可能であるとき、前記動物の末梢組織によるグルコース貯留を促進して、血糖値の低下をもたらした。
例えば、グルコースおよびインスリン曲線下面積およびまたインスリンに対する感受性率を計算すると、実施例1の製品で慢性治療した動物は、対照コーヒーショップ群の動物と比較して、グルコース曲線の面積の有意な低下(−30.8%)とインスリン曲線の面積の有意な低下(−28.4%)、両方を示したことが観察される。インスリンの作用に対する末梢組織の感受性率の計算により、インスリンの作用に対する末梢組織の感受性の重要な増加を観察することができた。従って、実施例1の製品で治療した肥満動物群におけるインスリンに対する感受性率は、対照コーヒーショップ群において得られたもののほぼ倍であった(これより93.4%多かった。)。
このように、主な特徴が大きなインスリン抵抗性および内臓脂肪の蓄積増加である、試験した両方の肥満モデルにおいて、本発明の製品の慢性投与は、より高い組織グルコース貯留と、内臓脂肪蓄積(公知であるように、これは心血管リスクの重要な因子と見なされる。)の減少とをもたらす結果となる、インスリンに対する末梢組織の感受性の有意な改善を伴う重要な恩恵をもたらした。
表3は、インスリン抵抗性を示すこれら4つの実験モデルにおけるグルコース代謝に対する本発明の製品の、対応する対照群との比較での、効果をまとめたものである。
従って、次のことが観察される。
1−空腹時血糖:対照群より11.5%から19.4%低い;
2−TOTGにおけるグルコース曲線上面積:1つのモデル(MSG)では不変であり、他の3つのモデルでは対照群より24.4%から42.9%低い;
3−TOTGにおけるインスリン曲線上面積:対応する対照より、高血圧モデルでは増加する(SHR)または不変であり(L−NAME)、肥満モデルでは25.4%から28.4%低い;
4−インスリン感受性率:対応する対照について検出されたものより24.1%から101.8%高い;
5−内臓脂肪:不変であり(SHR)、および対照群より7.0%から17.7%低い;
6−体重増加:同様であり(L−NAME)、および他の群では対応する対照より3.2%から3.6%低い。
2−TOTGにおけるグルコース曲線上面積:1つのモデル(MSG)では不変であり、他の3つのモデルでは対照群より24.4%から42.9%低い;
3−TOTGにおけるインスリン曲線上面積:対応する対照より、高血圧モデルでは増加する(SHR)または不変であり(L−NAME)、肥満モデルでは25.4%から28.4%低い;
4−インスリン感受性率:対応する対照について検出されたものより24.1%から101.8%高い;
5−内臓脂肪:不変であり(SHR)、および対照群より7.0%から17.7%低い;
6−体重増加:同様であり(L−NAME)、および他の群では対応する対照より3.2%から3.6%低い。
Claims (29)
- (a)時々振盪しながら約100から約140分間、約90℃と約120℃の間の一定温度を保ちながら、ヴィニヘラ種の植物の果実の皮を水抽出する段階;
(b)イオン交換樹脂を備えた活性カラムにおいて抽出し、その後、水分画を排出する段階;
(c)水アルコール溶液で活性成分を回収する段階;
(d)真空下、約60℃と約70℃の間の温度で濃縮する段階;および
(e)約170℃と約190℃の間の入口温度および約80℃と約90℃の間の出口温度を有する噴霧乾燥機において乾燥する段階
を含むことを特徴とする、ヴィニヘラ種の植物の果実の皮から標準化医薬または獣医学製品の製造方法。 - 植物が、ヴィチス・ヴィニフェラおよび/またはヴィチス・ラブルスカであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 段階(a)の温度が約100℃に保たれること、およびこの時間が約120分であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- イオン交換樹脂がカチオン樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 水アルコール溶液が1つ以上の低級アルコールを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 低級アルコールが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールまたはこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
- 活性成分を回収する段階(c)が、(c1)この方法で使用されるアルコールの量の3/4で樹脂を洗浄すること、(c2)この方法で使用されるアルコールの量の残りの1/4と使用される水の量の1/3とを含む1:1の水アルコール溶液でこの樹脂を洗浄すること、および(c3)水の量の残りの2/3でこの樹脂を洗浄することを順次含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 噴霧乾燥機における入口温度が約180℃であること、および出口温度が約85℃であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- この方法において使用される水のアルコールに対する比率が、5:1であることを特徴とする、請求項1または8のいずれかに記載の方法。
- メタボリックシンドロームの構成要素の治療に有用なポリフェノールを約0.01から約90%含むことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項によって得られる標準化医薬または獣医学製品。
- メタボリックシンドロームの構成要素の治療に有用なポリフェノールを約16から約20%含むことを特徴とする、請求項10によって得られる標準化医薬または獣医学製品。
- 式(I)のポリフェノールのうちの少なくとも1つを約0.01から約90%含むことを特徴とする、請求項12に記載の標準化医薬または獣医学製品。
- 式(I)のポリフェノールのうちの少なくとも1つを約16から約20%含むことを特徴とする、請求項13に記載の標準化医薬または獣医学製品。
- 式(I)のポリフェノールのうちの少なくとも1つを約0.01から約90%含むことを特徴とする、請求項15に記載の標準化医薬または獣医学製品。
- 式(I)のポリフェノールのうちの少なくとも1つを16から20%含むことを特徴とする、請求項16に記載の標準化医薬または獣医学製品。
- メタボリックシンドロームの構成要素の治療、ならびにシンドロームによって引き起こされる疾病の治療または予防に有用な薬剤の調製を目的とすることを特徴とする、請求項10から17のいずれか一項によって得られる標準化医薬または獣医学製品の使用。
- メタボリックシンドロームの前記構成要素が、腹部肥満、異常脂質血症、高血圧、インスリン抵抗性およびグルコース不耐性、空腹時血糖値、脂肪肝、前血栓状態および前炎症状態からの1つ以上を含むことを特徴とする、請求項18に記載の使用。
- メタボリックシンドロームによって引き起こされる疾病が、心血管疾患、糖尿病およびアテローム性動脈硬化症からの1つ以上を含むことを特徴とする、請求項19に記載の使用。
- 式(I)のポリフェノールのうちの少なくとも1つを約200mgから約400mg、および医薬的に許容される担体または獣医学的使用に許容されるものとを含むことを特徴とする、請求項21に記載の医薬または獣医学組成物。
- メタボリックシンドロームの構成要素の治療またはシンドロームによって引き起こされる疾病の予防および/もしくは治療に有用な薬剤の調製を目的とすることを特徴とする、請求項21および22のいずれか一項に記載の医薬または獣医学製品の使用。
- メタボリックシンドロームの前記構成要素が、腹部肥満、異常脂質血症、高血圧、インスリン抵抗性およびグルコース不耐性、空腹時血糖値、脂肪肝、前血栓状態および前炎症状態からの1つ以上を含むことを特徴とする、請求項23に記載の使用。
- メタボリックシンドロームによって引き起こされる疾病が、心血管疾患、糖尿病およびアテローム性動脈硬化症からの1つ以上を含むことを特徴とする、請求項24に記載の使用。
- 請求項10から17に記載の医薬もしくは獣医学製品またはこれを含有する医薬もしくは獣医学組成物の約1から約5000mgの1日量が必要な患者への投与を含むことを特徴とする、メタボリックシンドロームの構成要素の治療またはシンドロームによって引き起こされる疾病の予防もしくは治療方法。
- 標準化医薬もしくは獣医学製品またはこれを含有する医薬もしくは獣医学組成物を約200から約400mg投与することを含むことを特徴とする、請求項23に記載の方法。
- メタボリックシンドロームの構成要素が、腹部肥満、異常脂質血症、高血圧、インスリン抵抗性およびグルコース不耐性、空腹時血糖値、脂肪肝、前血栓状態および前炎症状態からの1つ以上を含むことを特徴とする、請求項26または27のいずれか一項に記載の方法。
- メタボリックシンドロームによって引き起こされる疾病が、心血管疾患、糖尿病およびアテローム性動脈硬化症からの1つ以上を含むことを特徴とする、請求項26または27のいずれか一項に記載の方法。
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2007
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