JP2010510329A - 7,8−飽和−4,5−エポキシ−モルフィナニウム類似体 - Google Patents

7,8−飽和−4,5−エポキシ−モルフィナニウム類似体 Download PDF

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Abstract

新規の7,8−飽和−4,5−エポキシ−モルフィナニウム類似体を開示する。7,8−飽和−4,5−エポキシ−モルフィナニウム類似体を含有する医薬組成物、およびそれらの医薬的使用の方法も開示する。開示する化合物は、特に、オピオイド受容体のモジュレータとして有用である。

Description

本発明は、概して、7,8−ジヒドロ−4,5−エポキシ−モルフィナニウム類似体を含む、新規の7,8−単結合−4,5−エポキシ−モルフィナニウム類似体(以下、「7,8−飽和−4,5−エポキシ−モルフィナニウム」と称される)、それらの製剤のための合成法、それらを含有する医薬品、およびそれらの使用法に関する。本出願は、2006年11月22日出願の米国暫定出願番号第US60/867,099号、および2006年11月27日出願の同第US60/867,390号に対して優先権を主張するものであり、参照することにより、その両方をその全体として本明細書に組み込でいる。
関連技術の説明
オピオイドは、原則的に中枢神経系および胃腸管で見られる、オピオイド受容体として周知の特定の受容体に結合する薬剤である。それらは、通常、アヘンまたはモルヒネ様の特性を呈する。それらは、通常、アヘンまたはモルヒネ様の特性を呈する。エピオイドは、次の4つの種類に広く分類される。体内で産出される内因性オピオイドペプチド、モルヒネ(原型的なオピオイド)およびコデイン等のアヘンアルカロイド、ヘロインおよびオキシコドン等の準合成オピオイド、およびアヘンアルカロイドと関連性のない構造を有するペチジンおよびメサドン等の完全合成オピオイド。「アヘン剤」という用語と同意語として使用されるが、天然アヘンアルカロイドに由来するオピオイド化合物、またはそのような誘導された化合物の準合成誘導体を説明するためにより正確に使用される。モルヒネ様活性を有するオピオイドの科学的分類には、フェナントレン(モルヒネおよびコデインは、両方ともフェナントレンまたはモルフィナン環構造を共有にする)およびベンジルイソキノリンから成るアヘンの精製アルカロイド、モルヒネの準合成誘導体、フェニルピペリジン誘導体、モルフィナン誘導体、ベンゾモルファン誘導体、ジフェニル−ヘプタン誘導体、およびプロピオンアニリド誘導体がある。
オピオイド化合物受容体は、ミュー(mu−1、mu−2、およびmu−3)、カッパ、およびデルタの少なくとも4つの主要な種類に分類されている。付加的なオピオイド受容体は、同定されている。この受容体は、ノシセプチン受容体またはORL1受容体である。これらの種類の受容体のそれぞれは、中枢神経系および末梢全体に分布されると考えられる。これらの受容体のすべては、GABA性神経伝達に作用するGタンパク質共役型受容体であると仮定されている。これらの受容体のアゴニスト活性化は、Kの流出、すなわち、過分極を増加させる、Kの流れを活性化し、それにより電位依存性Ca2+の侵入を減少させる。Kの流れによる膜電位の過分極およびCa2+の流入の抑制は、様々なニューロン経路における神経伝達物質放出および痛覚の伝達を予防する。オピオイドに対する薬理反応は、それが結合する受容体、受容体に対するその親和性、およびオピオイド化合物がアゴニストまたはアンタゴニスト的方法で結合するかどうかに依存する。別の受容体に対する1つの受容体の活性化は、独特の薬力学的プロファイルをもたらす場合がある。例えば、オピオイドアゴニストモルヒネによるmu−1受容体の活性化は、棘上無痛覚を引き起こす場合がある一方で、呼吸抑制および身体的依存性は、mu−2受容体の活性化、カッパ受容体の活性化による脊椎の無痛覚によって媒介される場合がある。
オピオイド化合物は、アゴニストおよびアンタゴニストに広く分けることができる。「アゴニスト」という用語は、受容体と結合し、反応を引き起こす構造変化を誘導する、シグナル伝達分子を指す。「アンタゴニスト」という用語は、アゴニストの効果を衰弱させる薬物を広く指す。
オピオイド化合物は、有効性のスライド段階で完全アゴニストからアンタゴニストまでに該当する。例えば、窒素原子に様々な置換基を有する、いくつかのモルフィナン誘導体は、麻薬性アンタゴニストおよび麻薬性鎮痛活性を呈することが明らかとなっている。そのような化合物は、アゴニストアンタゴニストと呼ばれる。PachterとMatossianは、米国特許番号第US3,393,197号において、通常、ナルブフィンと称されるN−シクロブチルメチル誘導体を含む、N−置換−14−ヒドロキシジヒドロノルモルヒネを開示する。MonkovikとThomasは、米国特許番号第US3,775,414号において、通常、ブトルファノールと称されるN−シクロブチルメチル−3,14−ジヒドロキシモルフィナンを開示する。Bentleyらは、米国特許番号第US3,433,791号において、通常、ブプレノルフィンと称される17−(シクロプロピルメチル)−.アルファ.−(1,1−ジメチルエチル)−4,5−エポキシ−18,19−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−6−メトキシ−.アルファ.−メチル−6,14−エテノモルフィナン−7−メタノールを開示する。
オピオイドアゴニストは、無痛覚および知覚麻痺を引き起こし、咳を抑制し、下痢を軽減し、息切れによる不安を改善するために(オキシモルホン)、およびオピオイドアンタゴニストの過量摂取の解毒において、多数の指標に対して臨床的に使用される。それらの臨床的に有用な効果以外に、オピオイドアゴニストには、便秘、違和感、呼吸抑制、目まい、吐き気、依存、および掻痒を含む、多数の副作用があることも報告されている。これらの副作用の一部は、中枢受容体ではなく、末梢受容体の活性化と関連する場合がある。例えば、ミューオピオイドアゴニストの投与は、腸壁の受容体によって、便秘等の腸機能不全を引き起こす場合がある。腸の正常な協調運動の分裂による、腸管または腸、特に結腸の閉塞である、イレウスとして周知の特に困難な症状に悩まされることは、オピオイドを長期間投与されている患者にとって稀な問題ではない。
国際公開第WO2004/029059号は、窒素がメチル置換基およびC−C置換基を有する、N−第四級ヒドロモルフォンアゴニストを開示する。そのような化合物は、血液脳関門を通過するのではなく、強力なmu−アゴニスト活性を提供し、それによって、オピオイドアゴニストの中枢神経系への副作用を減少させることが明らかである。同様に、国際公開第WO2004/043964号は、ミュー受容体の強力なアンタゴニストとして、アンタゴニストモルフィナンアルカロイドのN−メチル第四級誘導体、ナルトレキソンおよびナロキソンを開示し、それらのイオン電荷は、中枢神経系まで血液脳関門を通過しないため、両方が体外から同時に投与されるか、または自然に産出される内因性オピオイド化合物である場合、アゴニストオピオイドの中枢鎮痛活性を遮断しない。
特定のオピオイド類似体は、オピオイド受容体結合アンタゴニストとして作用することが周知であり、すなわち、類似体は、オピオイド受容体と結合し、受容体部位でオピオイド活性の発現を阻害する。オピオイドアンタゴニストは、無痛覚、鎮静状態、呼吸抑制および縮瞳等のオピオイド麻薬の主要な薬力学的作用を無効にする。アンタゴニストは、概して、競争的または非競争的であるかに基づいて、「克服可能」または「克服不可能」(あるいは、「克服不能」)の2つの広い種類に分類し得る。
Gタンパク質共役型受容体(GPCR)として分類されている、ミューオピオイド受容体は、μ(例えば、米国特許番号第US6,007,986号を参照)で表わされる場合がある構成的に活性な状態を有することが示唆されている。過去に薬物暴露がない場合(ナイーブ状態)、μ状態の活性は、最小限であると考えられる。mu−オピオイド受容体等の、基礎のシグナル伝達活性を有する特定のGPCRでアンタゴニスト活性を呈する化合物は、それらが相互作用に続くリガンドである、特定の受容体の基礎のシグナル伝達活性に対して呈する効果に基づいて、中性アンタゴニストまたは逆アゴニストのいずれかに分類されている。「逆アンタゴニスト」は、標的受容体でアゴニストの効果を遮断する薬剤であり、自発受容体活性も抑制する。「中性アンタゴニスト」は、活性を変化させずに単に受容体と結合する化合物を意味する。ヌルアンタゴニストは、静止している、薬剤感受性のあるミュー受容体の状態、または構成的に活性なミュー受容体の状態、あるいは両方の状態と選択的に結合し得る。
さらに他のN−置換モルフィナン誘導体は、アゴニスト活性をほとんど有しないか、または有さない純粋麻薬性アンタゴニストである。Lewensteinは、米国特許番号第US3,254,088号において、通常、ナロキソンとして周知のN−アリル−7,8−ジヒドロ−14−ヒドロキシノルモルフィノンを開示する。PachterとMatossianは、米国特許番号第US3,332,950号において、通常、ナルトレキソンとして周知の、N−シクロプロピルメチル類似体を含む、N−置換−14−ヒドロキシ−ジヒドロノルモルフィノンを開示する。これらの2つの特許の化合物は、麻薬性アンタゴニストである。
ナロキソンおよびナルトレキソンは、鎮痛作用を欠いている、実質的に純粋オピオイドアンタゴニストである(Bulberg,H.;Dayton,H.B.Narcotic Antagonists;Braude,M.C.,Harris,L.S.;May,E.L.;Smith,J.P.;Villarrela,J.E.,Ed.;Raven:New York,1974;pp.33−43)。ナロキソンおよびナルトレキソン等の競争的アンタゴニストは、アゴニストより高い親和性を有するオピオイド受容体を結合するが、受容体を活性化しない。これによって、アゴニストを移動させ、アゴニスト効果を衰弱および/または無効にする。これは、効果的に受容体を遮断し、体がオピオイド、およびエンドルフィン、オピオイド受容体と自然に結合するタンパク質を使用しないように予防する。一方、ナロルフィンおよびナルブフィンは、上記で示されるような、それらの強力なmu−アンタゴニスト活性にも関わらず、オピオイドκ受容体においてそれら自体の鎮痛作用を有すると報告されている(Casy,A.F.,Parfitt,R.T.,Opioid Analgesics,Chemistry and Receptors;Plenum:New York,1986;Chapter4,pp.153−214)。
何年もの間、オピオイドによって生じる身体的依存性または薬物依存は、ナルトレキソンおよびナロキソン等のオピオイドアンタゴニスト薬物の投与による薬物離脱によって治療されてきた。そのような治療プロトコルは、メサドン、ブプレノルフィン、またはオピオイドに対するメタジルアセテート等の他の薬物の置換を必要とする場合がある。オピオイド過量摂取も、オピオイドアンタゴニストによって急速に無効になることがある。
つい最近、ナロキソンまたはナルメフェン等の受容体アンタゴニストを使用して、オピオイド誘導副作用を選択的に中和する試みがなされた。しかしながら、これらの化合物は、無痛覚を無効にし、オピオイド離脱を誘導する場合もあるため、成功には限りがあったと言われるかもしれない(Yuan,C.−S.et al.,J.Pharm.Exp.Ther.300:118−123(2002))。例えば、ナロキソンおよびナルトレキソンは、胃腸管運動障害の治療において有用であることに関連があるとされている(特発性胃腸運動障害の治療に対するナロキソン、および他のモルフィナンベースのオピオイドアンタゴニスト(すなわち、ナロキソン、ナルトレキソン)を開示する、例えば、米国特許番号第US4,987,126号およびKreek,M.J.,Schaefer,R.A.,Hahn,E.F.,Fishman,L.Lancet,1983,1,8319,261を参照)。ナロキソンは、非オピオイド誘導腸管閉塞を効果的に治療することも報告され、薬剤が胃腸管または脳に直接作用するかもしれないことが暗示され(例えば、Schang,J.C.,Devroede,G.A.,Am.J.Gastroenerol.,1985,80,6,407を参照)、麻痺性イレウスの治療法に関係があるとされる(Mack,D.J.,Fulton,J.D.,Br.J.Surg.,1989,76,10,1101)。しかしながら、ナロキソンおよびナルトレキソンの活性は、末梢系に限定されていなく、オピオイド麻薬の鎮痛効果を阻害する場合があることは周知である。
オピオイド作用薬によってもたらされる多くの副作用は中枢性であると考えられる。かかる副作用を避けるために、血液脳関門を通過して中枢神経系に入り込まない、末梢性のオピオイド作用薬および拮抗薬が提案され、開発されてきた。
構造ナルトレキソン由来の末梢mu−アンタゴニストの一部を含む、麻薬性アンタゴニストの便秘作用を選択的に遮断するための四級化オピオイドアンタゴニストの使用が示唆されている(米国特許番号第US4,806,556号、Col.2、Lines51−53を参照)(Botros,et al.,J.Med.Chem.1989,32,2068−2071)。多数の開発された末梢オピオイドアンタゴニストは、オピオイドの胃腸副作用を予防する際のそれらの効用に対して試験されている。例えば、米国特許番号第US5,250,542号、米国特許番号第US5,434,171号、米国特許番号第US5,159,081号、および米国特許番号第US5,270,328号において、末梢選択的ピペリジン−N−アルキルカルボン酸塩オピオイドアンタゴニストは、特発性便秘、過敏性腸症候群、およびオピオイド誘導便秘の治療において有用であると記載される。上記で議論されるように、国際公開第WO2004/043964号は、ナルトレキソンおよびナロキソンのn−メチル第四級誘導体を、主に胃腸管に存在す末梢受容体と結合することによって、それらのアンタゴニスト活性により、便秘および吐き気等の、麻酔療法の好ましくない副作用を軽減するとして開示する。米国特許番号第US4,176,186号は、鎮痛有効性を低下させずに麻薬性鎮痛の腸管不動性副作用を予防または軽減すると言われる、ノルオキシモルホンの第四級誘導体(すなわち、メチルナルトレキソン)を記載する。米国特許番号第US5,972,954号は、オピオイドの使用に関連する腸運動の低下を含む、オピオイド投与に関連するオピオイドおよび/または非オピオイド誘導副作用を予防および/または治療するためのメチルナルトレキソン、腸溶性メチルナルトレキソン、またはノルオキシモルホンの他の第四級誘導体の使用を記載する。
明らかな中枢活性を有さないが、10K受容体、特にmu−オピオイド受容体を調節する他のオピオイド化合物が必要である。末梢オピオイド活性から保護、および/またはオピオイド投与の末梢副作用を最小限にしながら、無痛覚等の好ましいオピオイド効果を可能にするか、または腸管ホメオスタシスに対するオピオイド投与の悪影響を腸管的に最小限にするオピオイド化合物がさらに必要である。
米国特許番号第3,393,197号 米国特許番号第3,775,414号 米国特許番号第3,433,791号 国際公開第WO2004/043964号 国際公開第WO2004/029059号 米国特許番号第6,007,986号 米国特許番号第3,254,088号 米国特許番号第3,332,950号 米国特許番号第4,987,126号 米国特許番号第4,806,556号 米国特許番号第5,250,542号 米国特許番号第5,434,171号 米国特許番号第5,159,081号 米国特許番号第5,270,328号 米国特許番号第4,176,186号 米国特許番号第5,972,954号
Bulberg,H.;Dayton,H.B.Narcotic Antagonists;Braude,M.C.,Harris,L.S.;May,E.L.;Smith,J.P.;Villarrela,J.E.,Ed.;Raven:New York,1974;pp.33−43) Casy,A.F.,Parfitt,R.T.,Opioid Analgesics,Chemistry and Receptors;Plenum:New York,1986;Chapter4,pp.153−214 Yuan,C.−S.et al.,J.Pharm.Exp.Ther.300:118−123(2002) Kreek,M.J.,Schaefer,R.A.,Hahn,E.F.,Fishman,L.Lancet,1983,1,8319,261 Schang,J.C.,Devroede,G.A.,Am.J.Gastroenerol.,1985,80,6,407 Mack,D.J.,Fulton,J.D.,Br.J.Surg.,1989,76,10,1101 Col.2、Lines51−53 Botros,et al.,J.Med.Chem.1989,32,2068−2071
本明細書において、μ−オピオイド受容体と結合する、新規の7,8−飽和−4,5−エポキシ−モルフィナニウム化合物、特に7,8−ジヒドロ−4,5−エポキシ−モルフィナニウムについて記載する。一実施形態においては、7,8−飽和−4,5−エポキシ−モルフィナン化合物は、制限された血液脳関門を有するか、血液脳関門を有さないため、中枢性に作用し、著しい中枢副作用を引き起こさない。
本発明の一実施形態においては、式Iを有する化合物、
Figure 2010510329
もしくはその医薬的に許容される塩形態、多形体、またはプロドラッグが、開示される。
式I中、
17およびR18は、(a)または(b)より、代替的に互いに対して選択され、
(a)非置換または非ハロゲン置換:C4−C20(シクロアルキル)アルキルまたは(シクロアルケニル)アルキル、(シクロヘテリル)アルキル、(シクロアリール)アルキル;C4−C10(シクロアルキル)アルキルまたは(シクロアルケニル)アルキル、(シクロヘテリル)アルキル、(シクロアリール)アルキル、
(b)置換または非置換直鎖または分岐鎖のC1−C3アルキル、C2−C3アルケニル、またはC3アルキニルであって、
(b)がメチルとして選択され、以下のRが=Oとして選択される場合、
(a)は、非置換(シクロプロピル)メチルではなく、
は、O、=CH、−N(CH、または任意の環状環であるか、またはRとともに環状環を形成し、
およびRは、Hまたはアルキルであり、
14は、OH、ハロゲン化物、アミド、アミノであるか、R18とともに環状環を形成し、R=環状環であるか、Rとともに環状環を形成する場合、さらにアルコキシまたはアリールオキシであってもよく、Rが、=Oではない場合、R14は、アルコキシまたはアリールオキシであってもよく、
およびRは、独立してH、ハロゲン化物、アルコキシ、アルキル、またはアリールであり、
は、H、C1−C4アルキル、またはC1−C3アシル、−シリルであり、
は、H、OH、アルキル、アルコキシ、またはアリールオキシであり、
は、アニオンである。
他の実施形態においては、式I(a)を有する化合物、
Figure 2010510329
もしくはその医薬的に許容される塩形態、多形体、またはプロドラッグが、開示される。
式I(a)中、
およびRは、独立してH、OH、OR29、ハロゲン化物、シリル;
0−3R19で置換される(C−C)アルキル;
0−3R19で置換される(C−C)アルケニル;
0−3R19で置換される(C−C)アルキニル;
0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
0−3R20で置換されるアリールであるか、
またはRおよびRは結合して、C−C炭素環縮合環、ベンゾ縮合環、または5〜6員ヘテロアリール縮合環を形成し、
は、H、シリル;
0−3R19で置換される(C−C)アルキル;
0−3R19で置換される(C−C)アルケニル;
0−3R19で置換される(C−C)アルキニル;
0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
0−3R20で置換されるアリールであり、
は、H、OH、OR29
0−3R19で置換される(C−C)アルキル;
0−3R19で置換される(C−C)アルケニル;
0−3R19で置換される(C−C)アルキニル;
0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
0−3R20で置換されるアリールであり、
は、H、=O、N(CH、または任意の環状環であり、
は、H、OH、OR29
0−3R19で置換される(C−C20)アルキル;
0−3R19で置換される(C−C20)アルケニル;
0−3R19で置換される(C−C20)アルキニル;
0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
0−3R20で置換されるアリールであるか、
またはRおよびRは結合して、O−縮合環、C−C炭素環縮合環、ベンゾ縮合環、または5〜6員ヘテロアリール縮合環を形成し、
は、H、OH、OR29
0−3R19で置換される(C−C)アルキル;
0−3R19で置換される(C−C)アルケニル;
0−3R19で置換される(C−C)アルキニル;
0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
0−3R20で置換されるアリールであり、
14は、H、OH、ハロゲン化物、
0−3R19で置換される(C−C)アルキル;
0−3R19で置換される(C−C)アルケニル;
0−3R19で置換される(C−C)アルキニル;
0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
0−3R20で置換されるアリール;アリールオキシ、アシルオキシ、
または、O−縮合環、またはC−C炭素環縮合環を形成するようにR18と結合するか、またはR=環状環であるか、またはR7とともに環状環を形成する場合、さらにアルコキシまたはアリールオキシであってもよく、
=Oである場合、R14は、
0−3R19で置換される(C−C)アルキル;
0−3R19で置換される(C−C)アルケニル;
0−3R19で置換される(C−C)アルキニル;
0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
0−3R20で置換される(C−C10)炭素環であり、
17は、0−3R25で置換される(C−C20)アルキル;
0−3R25で置換される(C−C20)アルケニル;
0−3R25で置換される(C−C20)アルキニル;
0−3R26で置換される(C−C10)シクロアルキル;
0−3R26で置換される(C−C10)炭素環;
0−3R26で置換されるアリールであり、
18は、0−3R27で置換される(C−C)アルキル;
0−3R27で置換される(C−C)アルケニル;
0−3R27で置換される(C−C)アルキニルであり、
19は、各発生時に、
H、C−Cアルキル、CF、OR24、Cl、F、Br、I、=O、CN、NO、NR2223
0−3R21で置換されるC−C10炭素環;
0−3R21で置換されるアリール;または
窒素、酸素、および硫黄より選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜10員ヘテロ環であって、前記5〜10員ヘテロ環は、0−3R21で置換される、5〜10員ヘテロ環、
より独立して選択され、
20は、各発生時に、H、OH、Cl、F、Br、I、CN、NO、NR2223、アセチル、
−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルキル、
−Cハロアルコキシ、およびC−Cハロアルキル−S−より独立して選択され、
21は、各発生時に、H、OH、Cl、F、Br、I、CN、NO、NR2223、CF、アセチル、
−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルキル、
−Cハロアルコキシ、およびC−Cハロアルキル−S−より独立して選択されるか、または
NR2223は、ピペリジニル、ホモピペリジニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、およびモルホリニルの基より選択される複素環であってもよく、
22は、各発生時に、H、C−Cアルキル、
(C−Cアルキル)−C(=O)−、および(C−Cアルキル)−S(=O)−より独立して選択され、
23は、各発生時に、
H、(C−C)アルキル、
−Cアルキル)−C(=O)−、および(C−Cアルキル)−S(=O)
より独立して選択され、
24は、各発生時に、H、フェニル、ベンジル、(C−C)アルキル、および(C−C)アルコキシアルキルより独立して選択され、
25は、各発生時に、
H、C−Cアルキル、OR24、=O、CN、NO、NR2728
0−3R27で置換されるC−C10炭素環;
0−3R27で置換されるアリール;または
窒素、酸素より選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜10員ヘテロ環であって、前記5〜10員ヘテロ環は、0−3R27で置換される、5〜10員ヘテロ環、
より独立して選択され、
26は、各発生時に、
H、(C−C)アルキル、ベンジル、フェニル、フェネチル、(C−Cアルキル)−C(=O)−
より独立して選択され、
27は、各発生時に、
−OH、−OR28、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ
より独立して選択され、
28は、各発生時に、
−Cアルキル;(C−Cアルキル)−C(=O)−、および(C−Cアルキル)−S(=O)
より独立して選択され、および
29は、各発生時に、
H、C−Cアルキル、CF、アシル(C−C)アルキル;
0−3R21で置換されるアシルアリール;
0−3R21で置換されるC−C10炭素環;
0−3R21で置換されるアラルキル;
窒素、酸素、および硫黄より選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜10員ヘテロ環であって、前記5〜10員ヘテロ環は、0−3R21で置換されるか、または0−3R20で置換されるアリールである、5〜10員ヘテロ環、
より独立して選択され、
は、アニオンである。
さらに他の実施形態においては、式I(b)を有する化合物、
Figure 2010510329
もしくはその医薬的に許容される塩形態、多形体、またはプロドラッグが、開示される。式I(b)中、
およびRは、独立してH、OH、OR29、ハロゲン化物、シリル;
0−3R19で置換される(C−C)アルキル;
0−3R19で置換される(C−C)アルケニル;
0−3R19で置換される(C−C)アルキニル;
0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
0−3R20で置換されるアリールであるか、
またはRおよびRは結合して、C−C炭素環縮合環、ベンゾ縮合環、または5〜6員ヘテロアリール縮合環を形成し、
は、H、シリル;
0−3R19で置換される(C−C)アルキル;
0−3R19で置換される(C−C)アルケニル;
0−3R19で置換される(C−C)アルキニル;
0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
0−3R20で置換されるアリールであり、
は、H、OH、OR29
0−3R19で置換される(C−C)アルキル;
0−3R19で置換される(C−C)アルケニル;
0−3R19で置換される(C−C)アルキニル;
0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
0−3R20で置換されるアリールであり、
は、H、=O、
0−3R19で置換される(C−C)アルキル;
0−3R19で置換される(C−C)アルケニル;
0−3R19で置換される(C−C)アルキニル;
0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
0−3R20で置換されるアリール;アミン、アミド、スルホンアミド、エステル、ヘテロ環、環状カルボヒドリド、アリールであり、
は、H、OH、OR29
0−3R19で置換される(C−C20)アルキル;
0−3R19で置換される(C−C20)アルケニル;
0−3R19で置換される(C−C20)アルキニル;
0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
0−3R20で置換されるアリールであるか、
またはRおよびRは結合して、O−縮合環、C−C炭素環縮合環、ベンゾ縮合環、または5〜6員ヘテロアリール縮合環を形成し、
は、H、OH、OR29
0−3R19で置換される(C−C)アルキル;
0−3R19で置換される(C−C)アルケニル;
0−3R19で置換される(C−C)アルキニル;
0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
0−3R20で置換されるアリールであり、
14は、H、OH、
0−3R19で置換される(C−C)アルキル;
0−3R19で置換される(C−C)アルケニル;
0−3R19で置換される(C−C)アルキニル;
0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
0−3R20で置換されるアリール;アリールオキシ、アシルオキシであるか、
またはR14はR18と結合して、O−縮合環、またはC−C炭素環縮合環を形成し、
=Oである場合、R14は、
0−3R19で置換される(C−C)アルキル;
0−3R19で置換される(C−C)アルケニル;
0−3R19で置換される(C−C)アルキニル;
0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
0−3R20で置換される(C−C10)炭素環ではなく、
17は、0−3R25で置換される(C−C10)アルキル;
0−3R25で置換される(C−C10)アルケニル;
0−3R25で置換される(C−C10)アルキニル;
0−3R26で置換される(C−C10)シクロアルキル;
0−3R26で置換される(C−C10)炭素環;
0−3R26で置換されるアリールであり、
18は、0−3R27で置換される(C−C)アルキル;
0−3R27で置換される(C−C)アルケニル;
0−3R27で置換される(C−C)アルキニルであり、
19は、各発生時に、
H、C−Cアルキル、CF、OR24、Cl、F、Br、I、=O、CN、NO、NR2223
0−3R21で置換されるC−C10炭素環;
0−3R21で置換されるアリール;または
窒素、酸素、および硫黄より選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜10員ヘテロ環であって、前記5〜10員ヘテロ環は、0−3R21で置換される、5〜10員ヘテロ環、
より独立して選択され、
20は、各発生時に、H、OH、Cl、F、Br、I、CN、NO、NR2223、アセチル、
−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルキル、
−Cハロアルコキシ、およびC−Cハロアルキル−S−より独立して選択され、
21は、各発生時に、H、OH、Cl、F、Br、I、CN、NO、NR2223、CF、アセチル、
−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルキル、
−Cハロアルコキシ、およびC−Cハロアルキル−S−より独立して選択されるか、または
NR2223は、ピペリジニル、ホモピペリジニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、およびモルホリニルの基より選択される複素環であってもよく、
22は、各発生時に、H、C−Cアルキル、
(C−Cアルキル)−C(=O)−、および(C−Cアルキル)−S(=O)−より独立して選択され、
23は、各発生時に、
H、(C−C)アルキル、
(C−Cアルキル)−C(=O)−、および(C−Cアルキル)−S(=O)
より独立して選択され、
24は、各発生時に、H、フェニル、ベンジル、(C−C)アルキル、および(C−C)アルコキシアルキルより独立して選択され、
25は、各発生時に、
H、C−Cアルキル、OR24、=O、CN、NO、NR2728
0−3R27で置換されるC−C10炭素環;
0−3R27で置換されるアリール;または
窒素、酸素より選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜10員ヘテロ環であって、前記5〜10員ヘテロ環は、0−3R27で置換される、5〜10員ヘテロ環、
より独立して選択され、
26は、各発生時に、
H、(C−C)アルキル、ベンジル、フェニル、フェネチル、(C−Cアルキル)−C(=O)−
より独立して選択され、
27は、各発生時に、
−OH、−OR28、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ
より独立して選択され、
28は、各発生時に、
−Cアルキル;(C−Cアルキル)−C(=O)−、および(C−Cアルキル)−S(=O)
より独立して選択され、
29は、各発生時に、
H、C−Cアルキル、CF、アシル(C−C)アルキル;
0−3R21で置換されるアシルアリール;
0−3R21で置換されるC−C10炭素環;
0−3R21で置換されるアラルキル;
窒素、酸素、および硫黄より選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜10員ヘテロ環であって、前記5〜10員ヘテロ環は、0−3R21で置換されるか、または0−3R20で置換されるアリールである、5〜10員ヘテロ環、
より独立して選択され、
は、アニオンである。
さらに他の実施形態においては、式I(c)を有する化合物、
Figure 2010510329
もしくはその医薬的に許容される塩形態、多形体、またはプロドラッグが、開示される。
式I(c)中、
17およびR18は、(a)または(b)より、代替的に互いに対して選択され、
(a)非置換または非ハロゲン置換:C−C20(シクロアルキル)アルキルまたは(シクロアルケニル)アルキル、(シクロヘテリル)アルキル、(シクロアリール)アルキル;C−C10(シクロアルキル)アルキルまたは(シクロアルケニル)アルキル、(シクロヘテリル)アルキル、(シクロアリール)アルキル、
(b)置換または非置換直鎖または分岐鎖のC−Cアルキル、C−Cアルケニル、またはC−アルキニルであり、
(b)がメチルとして選択され、以下のRが=Oとして選択される場合、
(a)は、非置換(シクロプロピル)メチルではなく、
は、=O、=CH、−N(CH、または任意の環状環であるか、またはRとともに環状環を形成し、
およびRは、H、ヒドロカルビル、シクロヒドロカルビル、アルコキシ、アミン、アミド、ヒドロキシ、またはその置換部分であり、
14は、H、OH、ハロゲン化物、N−アルキル、N−ジアルキル、N−アリール、N−アルキルアリール、N−シクロアルキルアルキルであるか、またはR17またはR18とともに環状環を形成し、Rが、=Oではない場合、R14は、アルコキシ、アリールオキシ、またはアリール−アルコキシであってもよく、
およびRは、独立してH、ハロゲン化物、アルコキシ、アルキル、またはアリールであり、
は、H、C−Cアルキル、またはC−Cアシル、−シリルであり、
は、H、OH、アルキル、アルコキシ、またはアリールオキシであり、
は、アニオンである。
式1cの他の実施形態においては、RおよびRが、Hまたはアルキルである、化合物、もしくはその医薬的に許容される塩形態、またはプロドラッグが、開示される。
さらに他の実施形態においては、式I(d)を有する化合物、
Figure 2010510329
I(d)
もしくはその医薬的に許容される塩形態、多形体、またはプロドラッグが、開示される。
式I(d)中、
17およびR18は、Rが=Oである場合、置換または非置換ヒドロカルビルであり、少なくとも1つが、他方が非置換シクロプロピルメチルである場合、メチルではなく、
は、H、OH、OR25、=O、=CH、−N−アルキル、N−ジアルキル、アシルオキシ、アルコキシ、アルキル、=CR′R′′であり、R′およびR′′は、独立してHまたはC1−C10アルキル、または任意の環であるか、またはR6は、R7とともに環を形成し、
およびRは、Hまたはヒドロカルビル、シクロヒドロカルビル、アルコキシ、アミン、アミド、ヒドロキシ、またはその置換部分であり、
14は、H、OH、ハロゲン化物、N−アルキル、N−ジアルキル、N−アリール、N−アルキルアリール、N−シクロアルキルアルキル、SR25、S(=O)R25、SO25であるか、あるいはR17またはR18とともに環状環を形成し、Rが、=Oではない場合、R14は、アルコキシ、アリールオキシ、またはアリール−アルコキシであってもよく、
およびRは、独立してH、ハロゲン化物、アルコキシ、アルキル、またはアリールであり、
は、H、アルキル、C−Cアシル、シリルであり、
は、H、OH、アルキル、アルコキシ、またはアリールオキシであり、
25は、アルキル、アリール、アリールアルキルであり、
は、アニオンである。
式I(e)を有する化合物、
Figure 2010510329
I(e)
もしくはその医薬的に許容される塩形態、多形体、またはプロドラッグが、開示される。式I(e)中、
およびRは、独立してH、OH、OR29、ハロゲン化物、シリル;
0−3R19で置換される(C−C)アルキル;
0−3R19で置換される(C−C)アルケニル;
0−3R19で置換される(C−C)アルキニル;
0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
0−3R20で置換されるアリールであるか、
またはRおよびRは結合して、C−C炭素環縮合環、ベンゾ縮合環、または5〜6員ヘテロアリール縮合環を形成し、
は、H、シリル、CO19、SO19、B(OR19
0−3R19で置換される(C−C)アルキル;
0−3R19で置換される(C−C)アルケニル;
0−3R19で置換される(C−C)アルキニル;
0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
0−3R20で置換されるアリールであり、
は、H、OH、OR29
0−3R19で置換される(C−C)アルキル;
0−3R19で置換される(C−C)アルケニル;
0−3R19で置換される(C−C)アルキニル;
0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
0−3R20で置換されるアリールであり、
は、H、=O、N(CH)2、=(R19)(R19′)、=(0−3R20で置換されるヘテロ環)、=(0−3R20で置換されるC−C環)、または任意の環状で
あり、
は、H、OH、OR29
0−3R19で置換される(C−C20)アルキル;
0−3R19で置換される(C−C20)アルケニル;
0−3R19で置換される(C−C20)アルキニル;
0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
0−3R20で置換されるアリールであるか、
またはRおよびRは結合して、O−縮合環、C−C炭素環縮合環、ベンゾ縮合環、0−3R20を有する5、6、または5〜6員アリール、またはヘテロアリール縮合環を形成し、
は、H、OH、OR29、0−3R20を有するヘテロ環、0−3R20を有するアルキルアリール、0−3R20を有するアリールアルキルであり、
Figure 2010510329
式中、Xは、結合、=O、O、S、N(R29)、SO、SO、SON(R29)、CON(R29)、N(R29)CON(R29′)、N(R29)C(=NR29′)N(R29′′)、COO、
0−3R19で置換される(C−C8)アルキル;
0−3R19で置換される(C−C8)アルケニル;
0−3R19で置換される(C−C8)アルキニル;
0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
0−3R20で置換されるアリールであり、
14は、H、OH、ハロゲン化物、0−3R20を有するヘテロ環、0−3R20を有するアルキルアリール、0−3R20を有するアリールアルキルであり、
Figure 2010510329
式中、Xは、結合、=O、O、S、N(R29)、SO、SO、SON(R29)、CON(R29)、N(R29)CON(R29′)、N(R29)C(=NR29′)N(R29′′)、COO、
0−3R19で置換される(C−C8)アルキル;
0−3R19で置換される(C−C8)アルケニル;
0−3R19で置換される(C−C8)アルキニル;
0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
0−3R20で置換されるアリール;アリールオキシ、アシルオキシ、
または、O−縮合環またはC−C炭素環縮合環を形成するようにR18と結合するか、またはR=環状環、またはRとともに環状環を形成する場合、さらにアルコキシまたはアリールオキシであってもよく、
が=Oの場合、R14は、
0−3R19で置換される(C−C8)アルキル;
0−3R19で置換される(C−C8)アルケニル;
0−3R19で置換される(C−C8)アルキニル;
0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
0−3R20で置換される(C−C10)炭素環ではなく、
17は、0−3R20を有するヘテロ環、0−3R20を有するアルキルアリール、0−3R20を有するアリールアルキルであり、
Figure 2010510329
式中、Xは、結合、=O、O、S、N(R29)、SO、SO、SON(R29)、CON(R29)、N(R29)CON(R29′)、N(R29)C(=NR29′)N(R29′′)、COO、
0−3R25で置換される(C−C20)アルキル;
0−3R25で置換される(C−C20)アルケニル;
0−3R25で置換される(C−C20)アルキニル;
0−3R26で置換される(C−C10)シクロアルキル;
0−3R26で置換される(C−C10)炭素環;
0−3R26で置換されるアリールであり、
18は、0−3R27で置換される(C−C)アルキル;
0−3R27で置換される(C−C)アルケニル;
0−3R27で置換される(C−C)アルキニルであり、
19は、各発生時に、
H、0−3R20で置換されるアリール、C−Cアルキル、CF、OR24、Cl、F、Br、I、=O、CN、NO、NR2223
0−3R21で置換されるC−C10炭素環;
0−3R21で置換されるアリール;または
窒素、酸素、および硫黄より選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜10員ヘテロ環であって、前記5〜10員ヘテロ環は、0−3R21で置換される、5〜10員ヘテロ環、
より独立して選択され、
20は、各発生時に、H、OH、Cl、F、Br、I、CN、NO、NR2223、アセチル、OR25、XR25
−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルキル、
−Cハロアルコキシ、およびC−Cハロアルキル−S−より独立して選択され、
21は、各発生時に、H、OH、Cl、F、Br、I、CN、NO、NR2223、CF、アセチル、OR25、XR25
−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルキル、
−Cハロアルコキシ、およびC−Cハロアルキル−S−より独立して選択されるか、または
NR2223は、ピペリジニル、ホモピペリジニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、およびモルホリニルの基より選択される複素環であってもよく、
22は、各発生時に、H、C−Cアルキル、C−C10アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、アルキルアリール、アリールアルキル、
(C−Cアルキル)−C(=O)−、および(C−Cアルキル)−S(=O)−より独立して選択され、
23は、各発生時に、
H、(C−C)アルキル、C−C10アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、アルキルアリール、ハロアルキル、およびアリールアルキル、
(C−Cアルキル)−C(=O)−、および(C−Cアルキル)−S(=O)−より独立して選択され、
22およびR23はさらに結合して、0−3R20を有する5、6、5〜6員環を形成してもよく、
24は、各発生時に、H、フェニル、ベンジル、(C−C)アルキル、ハロアルキル、および(C−C)アルコキシアルキルより独立して選択され、
25は、各発生時に、
H、C−Cアルキル、ハロアルキル、OR24、=O、CN、NO、NR2728
0−3R27で置換されるC−C10炭素環;
0−3R27で置換されるアリール;または
窒素、酸素より選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜10員ヘテロ環であって、前記5〜10員ヘテロ環は、0−3R27で置換される、5〜10員ヘテロ環、
より独立して選択され、
26は、各発生時に、
H、(C−C)アルキル、ベンジル、フェニル、フェネチル、(C−Cアルキル)−C(=O)−
より独立して選択され、
27は、各発生時に、
−OH、−OR28、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ
より独立して選択され、
28は、各発生時に、
−Cアルキル;(C−Cアルキル)−C(=O)−、および(C−Cアルキル)−S(=O)
より独立して選択され、
29は、各発生時に、
H、C−Cアルキル、CF、アシル(C−C)アルキル;
0−3R21で置換されるアシルアリール;
0−3R21で置換されるC−C10炭素環;
0−3R21で置換されるアラルキル;
窒素、酸素、および硫黄より選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜10員ヘテロ環であって、前記5〜10員ヘテロ環は、0−3R21で置換されるか、または0−3R20で置換されるアリールである、5〜10員ヘテロ環、
より独立して選択され、
は、アニオンである。
本明細書において議論される症状に有用なものとして、式I、I(a)、I(b)、I(c)、I(d)、およびI(e)の化合物のプロドラッグ、医薬的に許容される塩、立体異性体、多形体、水和物、溶媒和物、酸性水和物およびN−酸化物も含まれる。例えば、プロドラッグは、多数の望ましい医薬的性質(例えば、溶解性、生物学的利用性、製造性、等)を強化することが周知である。式I、I(a)、I(b)、I(c)、I(d)、およびI(e)の化合物のプロドラッグは、改変が、定常的操作または体内のいずれかにおいて、親化合物に開裂されるような方法で、化合物に存在している官能基を改変することによって調製され得る。
17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−6−メチレンモルフィナニウム;
17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−14−ヒドロキシ−17−メチル−3−プロピルオキシ−6−オキソモルフィナニウム;
17−アリル−17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−6−オキソモルフィナニウム;
17−シクロブチルメチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−6−オキソモルフィナニウム;
17−シクロペンチルメチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−6−メチレンモルフィナニウム;
17−(3,3′−ジメチルアリル)−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−6−オキソモルフィナニウム;
17−(3′−フェニル−2′−ブチニル)−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−6−オキソモルフィナニウム;
17−(2′,2′−ジフルオロシクロプロピル)メチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−6−オキソモルフィナニウム;
17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3−ベンジルオキシ−14−ヒドロキシ−17−メチル−6α−メトキシ−モルフィナニウム;および
17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−6β−ヒドロキシ−8−プロポキシ−モルフィナニウム;
17−(2′−メチルシクロプロピル)メチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−6−オキソモルフィナニウム;
17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−6α−メトキシモルフィナニウム;
17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−6β−メトキシモルフィナニウム;
17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3−メトキシ−14−ヒドロキシ−17−メチル−6−メチレンモルフィナニウム;
17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチルモルフィナニウム;
3−アセチル−17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−14−ヒドロキシ−17−メチルモルフィナニウム;
17−[(2′−テトラヒドロフリル)メチル]−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−6−オキソ−モルフィナニウム;
17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3−ヒドロキシ−17−メチル−14−(3′−フェニルプロピルオキシ)モルフィナニウム;
17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3−ヒドロキシ−17−メチル−14−プロピルオキシモルフィナニウム;
17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3−ヒドロキシ−17−メチル−14−メトキシ−モルフィナニウム;
17−メチル−4,5α−エポキシ−3−ヒドロキシ−(17,14−N,O−エチレン−6−オキソ−モルフィナニウム;および
17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3−ヒドロキシ−(17,14−N,O−エチレン)−6−オキソ−モルフィナニウム
から成る1つ以上の基の、塩、多形体、またはプロドラッグより選択される物質の組成物が、本明細書においてさらに提供される。
発明を解決するための手段
オピオイド受容体を作動または中和する方法において使用し得る化合物が、特に、外因性オピオイドの投与に付随する好ましくない副作用を予防または治療する際に使用するために、必要である。本開示は、これらの所望の化合物、および他の重要な目的を対象にする。
本発明の実施形態においては、オピオイド受容体、特にmu−オピオイド受容体を作動または中和する方法において有用な化合物が開示される。特に対象となるものは、末梢に作用し、血液脳関門を通過しない化合物である。
オピオイド受容体結合活性は、当技術分野で周知の受容体結合アッセイを使用して判断され得る。例えば、放射性リガンド用量置換アッセイは、置換される薬剤としてジプレノルフィンを使用して行われ得る。ナロキソン等の非標識オピオイドアンタゴニストは、陽性対照として作用することができる。アッセイは、ウェルアレイにおいて、急速ろ過によって終了される結合反応およびハーベスタで採集することによって行われ得る。
概して、「発明の概要」における上記の式I、I(a)、I(b)、I(c)、I(d)、I(e)の化合物を開示する。
特定の実施形態においては、以下の構造を有するμ−受容体結合7,8−飽和−4,5−エポキシ−モルフィナニウムの群が開示される。
Figure 2010510329
Figure 2010510329
Figure 2010510329
単独または「アシルアミノ」等の用語内で使用される「アシル」という用語は、有機酸からヒドロキシルを除去した後の残基によって提供されるラジカルを意味する。「アシルアミノ」という用語は、アシル基で置換されるアミンラジカルを包含する。「アシルアミノ」ラジカルの例は、アセチルアミン(CHC(=O)−−NH−−)である。「アリールオキシ」という用語は、ヒドロキシ置換アリール部分(例えば、フェノール)からヒドリドを除去した後の残基によって提供されるラジカルを意味する。
本明細書において使用される「アルカノイル」は、−C(=O)−アルキル基を指し、アルキルは、既定の通りである。例示的なアルカノイル基として、アセチル(エタノイル)、n−プロパノイル、n−ブタノイル、2−メチルプロパノイル、n−ペンタノイル、2−メチルブタノイル、3−メチルブタノイル、2,2−ジメチルプロパノイル、ヘプタノイル、デカノイル、およびパルミトイルを含む。
「アルケニル」という用語は、長さ、および可能な置換において、上述のアルキルと類似するが、少なくとも1つの二重結合を含有し、少なくとも2個の炭素原子を含有しなければならない不飽和脂肪族基を含む。例えば、「アルケニル」という用語は、直鎖アルケニル基(例えば、エチレニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、等)、分枝鎖アルケニル基、シクロアルケニル(脂環状)基(シクロプロペニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル)、アルキルまたはアルケニル置換シクロアルケニル基、およびシクロアルキルまたはシクロアルケニル置換アルケニル基を含む。本明細書における「低級アルキレン」という用語は、約1〜約6個の炭素原子を有するそれらのアルキレン基を指す。「アルケニル」という用語は、「非置換アルケニル」および「置換アルケニル」の両方を含み、後者は、炭化水素骨格の1個以上の炭素上の水素を置換する置換基を有するアルケニル部分を指す。そのような置換基は、例えば、アルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボン酸塩、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、リン酸塩、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、およびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボン酸塩、硫酸塩、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルフォンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、あるいは芳香族またはヘテロ芳香族部分を含むことができる。
「アルケニレン」は、概して、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含有するアルキレン基を指す。例示的なアルケニレン基として、例えば、エテニレン(−CH=CH−)、およびプロペニレン(−CH=CHCH−)を含む。好ましいアルケニレン基は、2〜約4個の炭素を有する。
「アルコキシ」および「アルコキシアルキル」という用語は、メトキシラジカル等の、それぞれ1〜約10個の炭素原子のアルキル部を有する直鎖または分岐鎖のオキシ含有ラジカルを包含する。「アルコキシアルキル」という用語も、すなわち、モノアルコキシアルキルおよびジアルコキシアルキルラジカルを形成するように、アルキルラジカルに付着する2つ以上のアルコキシラジカルを有するアルキルラジカルを包含する。「アルコキシ」または「アルコキシアルキル」ラジカルは、「ハロアルコキシ」または「ハロアルコキシアルキル」ラジカルを提供するためのフルオロクロロまたはブロモ等の、1つ以上のハロ原子でさらに置換され得る。「アルコキシ」ラジカルの例として、メトキシブトキシおよびトリフルオロメトキシを含む。
「アルキル」は、概して、鎖に1〜約10個の炭素原子、例えば、4〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル、分岐シクロアルキルアルキル、分岐アルキルシクロアルキル等、その範囲のすべての組み合わせ、および副次的組み合わせを有する直線、分岐、または環状であり得る脂肪族炭化水素基を指す。「アルキル」という用語は、「非置換アルキル」および「置換アルキル」の両方を含み、後者は、骨格の1個以上の炭素上の水素を置換する置換基を有するアルキル部分を指す。「低級アルキル」は、1〜約6個の炭素原子を有するアルキル基を指す。アルキル基は、必ずしも以下のものに限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、シクロペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシル、シクロオクチル、アダマンチル、3−メチルペンチル、2−ジメチルブチル、および2,3−ジメチルブチル、シクロプロピルメチル、およびシクロブチルメチルを含む。アルキル置換基として、例えば、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボン酸塩、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、リン酸塩、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、およびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボン酸塩、硫酸塩、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルフォンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、あるいは芳香族またはヘテロ芳香族部分を含むことができる。「アラルキル」という用語は、ベンジル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、フェネチル、フェニルプロピル、およびジフェネチル等のアリール置換アルキルラジカルを包含する。ベンジルおよびフェニルメチルという用語は、同義である。「n−アルキル」という用語は、直線鎖(すなわち、分岐)非置換アルキル基を意味する。「分岐」は、メチル、エチル、またはプロピル等の低級アルキル基が、直線アルキル鎖に付着する、アルキル基を指す。
「アルキル化剤」は、通常、アルキル基を出発物質に共有結合させる出発物質と反応することができる化合物である。アルキル化剤は、通常、出発物質への付着時に、アルキル基から分離される離脱基を含む。離脱基は、例えば、ハロゲン、ハロゲン化スルホン酸塩、またはハロゲン化アセテートであり得る。アルキル化剤の例は、ヨウ化シクロプロピルメチルである。
「アルキルシリル」という用語は、アルキル基で置換されるシリルラジカルを意味する。「アルキルシリルオキシ」という用語は、アルキル基で置換されるシリルオキシラジカル(−−O−−Si−−)を意味する。「アルキルシリルオキシ」ラジカルの例は、−−O−−Si−t−BuMeである。
「アルキルスルフィニル」という用語は、二価−−S(=O)−−原子に付着する、1〜10個の炭素原子の直鎖または分岐鎖のアルキルラジカルを含有するラジカルを包含する。「アリールスルフィニル」という用語は、二価−−S(=O)−−原子(例えば、−−S=OAr)に付着するアリールラジカルを包含する。
「アルキルチオ」という用語は、二価硫黄原子に付着する、1〜10個の炭素原子の直鎖または分岐鎖のアルキルラジカルを含有するラジカルを包含する。「アリールスルフェニル」という用語は、二価硫黄原子(−−SAr)に付着するアリールラジカルを包含する。「アルキルチオ」の例は、メチルチオ(CH3−−(S)−−)である。
「アルキニル」という用語は、長さ、および可能な置換において、上述のアルキルと類似するが、少なくとも1個の三重結合および2個の炭素原子を含有する不飽和脂肪族基を含む。例えば、「アルキニル」という用語は、直鎖アルキニル基(例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、へプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル等)、分枝鎖アルキニル基、およびシクロアルキルまたはシクロアルケニル置換アルキニル基を含む。
「アミド」という用語は、単独で、または「アミドアルキル」、「N−モノアルキルアミド」、「N−モノアリールアミド」、「N,N−ジアルキルアミド」、「N−アルキル−N−アリールアミド」、「N−アルキル−N−ヒドロキシアミド」、および「N−アルキル−N−ヒドロキシアミドアルキル」等の他の用語とともに使用される場合、アミノラジカルで置換されるカルボニルラジカルを包含する。「N−アルキルアミド」および「N,N−ジアルキルアミド」という用語は、それぞれ、1つのアルキルラジカル、および2つのアルキルラジカルで置換されたアミド基を意味する。「N−モノアリールアミド」および「N−アルキル−N−アリールアミド」という用語は、それぞれ、1つのアリールラジカル、および1つのアルキル、および1つのアリールラジカルで置換されるアミドラジカルを意味する。「N−アルキル−N−ヒドロキシアミド」という用語は、ヒドロキシルラジカルおよびアルキルラジカルで置換されるアミドラジカルを包含する。「N−アルキル−N−ヒドロキシアミドアルキル」という用語は、N−アルキル−N−ヒドロキシアミドラジカルで置換されるアルキルラジカルを包含する。「アミドアルキル」という用語は、アミドラジカルで置換されるアルキルラジカルを包含する。
「アミノアルキル」という用語は、アミンラジカルで置換されるアルキルラジカルを包含する。「アルキルアミノアルキル」という用語は、アルキルラジカルで置換される、窒素原子を有するアミノアルキルラジカルを包含する。「アミジノ」という用語は、−−C(=NH)−−NHラジカルを意味する。「シアノアミジノ」という用語は、−−C(=N−−CN)−−NHラジカルを意味する。
単独または組み合わせて、「アリール」は、1個、2個、または3個の環を含有する炭素環式芳香族系を意味し、そのような環は、ペンダント状に互いに付着するか、縮合され得る。「アリール」という用語は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダン、およびビフェニル等の芳香族ラジカルを包含する。
「アリール置換アルキル」は、概して、任意に置換されたアリール基、好ましくは、任意に置換されたフェニル環で炭素において置換される直鎖アルキル基、好ましくは、低級アルキル基を指す。例えば、例示的なアリール置換アルキル基として、フェニルメチル、フェニルエチル、および3−(4−メチルフェニル)プロピルを含む。
「炭素環」という用語は、いずれも飽和、部分的不飽和、または芳香族であり得る、任意の安定した3〜7員単環または二環、または7〜13員二環または三環を意味することを目的とする。そのような炭素環の例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、シクロオクチル、[3.3.0]ビシクロオクタン、[4.3.0]ビシクロノナン、[4.4.0]ビシクロデカン(デカリン)、[2.2.2]ビシクロオクタン、フルオレニル、フェニル、ナフチル、インダニル、アダマンチル、またはテトラヒドロナフチル(テトラリン)(必ずしもこれらに限定されない)を含む。好ましい「炭素環」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルを含む。
「シクロアルキル」という用語は、シクロプロピルシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロヘプチル等の、3〜10個の炭素原子を有するラジカルを包含する。
「シクロアルキル置換アルキル」は、概して、シクロアルキル基、好ましくは、C−Cシクロアルキル基で、炭素鎖末端において置換される直鎖アルキル基、好ましくは、低級アルキル基を指す。典型的なシクロアルキル置換アルキル基として、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、シクロペンチルエチル、シクロペンチルプロピル、シクロプロピルメチル等を含む。
「シクロアルケニル」は、概して、約4〜約10個の炭素、およびその範囲のすべての組み合わせ、および副次的組み合わせを有するオレフィン系不飽和シクロアルキル基を指す。一部の実施形態においては、シクロアルケニル基は、C−Cシクロアルケニル基、すなわち、約5〜約8個の炭素を有するシクロアルケニル基である。
「双極性非プロトン性」溶剤は、不安定水素原子を提供することができず、永久双極子モーメントを呈するプロトン受容溶剤である。例として、アセトン、エチルアセテート、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、およびN−メチルピロリドンを含む。
「双極性プロトン性」溶剤は、不安定水素原子を提供でき、永久双極子モーメントを呈するものである。例として、水、2−プロパノール、エタノール、メタノール等のアルコール、ギ酸、酢酸、およびプロピオン酸等のカルボン酸を含む。
本明細書において使用される「実質的に通過しない」という語句は、本方法において使用される化合物の約20重量%未満が、血液脳関門を通過する、好ましくは、約15重量%未満、より好ましくは、約10重量%未満、さらにより好ましくは、約5重量%未満、および最も好ましくは、化合物の0重量%が、血液脳関門を通過するという意味である。
「ハロ」という用語は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子等のハロゲンを意味する。「ハロアルキル」という用語は、任意の1個以上のアルキル炭素原子が、上述に定義されるようなハロで置換される、ラジカルを包含する。特に、モノハロアルキル、ジハロアルキル、およびポリハロアルキルラジカルが包含される。一例として、モノハロアルキルラジカルは、ラジカル内でブロモ、クロロ、またはフルオロ原子のいずれかを有し得る。ジハロラジカルは、2つ以上の同じハロ原子、または異なるハロラジカルの組み合わせを有し得、ポリハロアルキルラジカルは、3つ以上の同じハロ原子、または異なるハロラジカルの組み合わせを有し得る。
本明細書において使用される「ヘテロ環」または「複素環」は、飽和、部分的不飽和、または不飽和(芳香族)であり、炭素原子、およびN、O、およびSから成り、任意の上述の複素環がベンゼン環と縮合される、任意の二環基を含む基より独立して選択される1個、2個、3個、または4個のヘテロ原子から成る、安定した5〜7員単環または二環、あるいは7〜14員二環複素環を意味することを目的とする。飽和ヘテロ環状ラジカルの例は、ピロリジルおよびモルホリニルを含む。
「ヒドロキシアルキル」という用語は、いずれか1つが、1つ以上のヒドロキシルラジカルで置換され得る1〜約10個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキルラジカルを包含する。
「ヒドリド」という用語は、単一水素原子(H)を意味する。このヒドリドラジカルは、例えば、ヒドロキシルラジカルを形成する酸素原子に付着され得、2つのヒドリドラジカルは、メチレン(−−CH−−)ラジカルを形成する炭素原子に付着され得る。
「N−アルキルアミノ」および「N,N−ジアルキルアミノ」という用語は、それぞれ、1つのアルキルラジカルおよび2つのアルキルラジカルで置換されたアミン基を意味する。
本明細書において使用される「N−酸化物」は、ヘテロ芳香族環または第三級アミンのいずれかの塩基窒素原子を酸化して、陽性形式電荷を有する第四級窒素、および陰性形式電荷を有する付着した酸素原子を発生させる、化合物を指す。
「有機溶剤」は、当業者にとって、その共通の一般的な意味を有する。本発明において有用な例示的な有機溶剤として、テトラヒドロフラン、アセトン、ヘキサン、エーテル、クロロホルム、酢酸、アセトニトリル、クロロホルム、シクロヘキサン、メタノール、およびトルエン(必ずしもこれらに限定されない)を含む。無水有機溶剤は、含まれる。
本明細書において使用される「患者」は、哺乳類、好ましくはヒトを含む、動物を指す。
本明細書において使用される「末梢」または「末梢作用性」は、中枢神経系の外部で作用する薬剤を指す。本明細書において使用される「中枢作用性」は、中枢神経系(CNS)内で作用する薬剤を指す。「末梢」は、化合物が、主に、生理系、および中枢神経系の外部の成分に作用することを指定する。本明細書において使用される「実質的に中枢神経系活性がない」という語句は、本方法において使用される化合物の薬理活性の約20%未満が、中枢神経系において呈され、本方法において使用される化合物の薬理活性の、好ましくは、約15%未満、より好ましくは、約10%未満、さらにより好ましくは、約5%未満、および最も好ましくは、0%が、中枢神経系において呈されることを意味する。
当然のことながら、本発明の化合物を指す場合、同発明の水和物、溶媒和物、および多形体を包含することを意味する。水和物は、水が固定二段燃焼率で化合物の結晶構造と結合する際に形成され、この比率は、概して、水和物が平衡状態になる周囲の湿度によって変化する。水和は、溶媒和のより具体的な形である。溶媒和物は、結晶構造内に取り込まれる溶剤の定比または不定比量のいずれかを含有する結晶性固体付加物である。取り込まれた溶剤が水である場合、溶媒和物は、水和物としても周知である。水和物および溶媒和物は、当業者に周知である。
医薬的多形は、結晶格子における分子の異なる配置および/または配座を有する2つ以上の結晶相として存在するための原薬の能力と見なされる。無定形固体は、分子の無秩序配置から成り、区別可能な結晶格子を有さない。多形は、同じ原薬の異なる結晶形の発生を指す。多形体は、当業者に周知である。
固形製剤の多形体または溶媒和物は、融点、化学反応性、見掛けの溶解性、溶出速度、光学および電気特性、蒸気圧、および密度等の異なる化学的および物理的特性を有する。これらの特性は、原薬の処理および製剤の質または性能に対する直接的影響を有する。化学的および物理的安定性、溶解、および生物学的利用性は、これらの質の一部である。準安定固形製剤型は、環境状態、処理、または時間の経過の変化に応じて、結晶構造、または溶媒和物、あるいは脱溶媒和物を変化し得る。新規の、以前は未知であった多形体は、時間とともに、自発的および予期せずに発達することができる
本明細書において使用される「プロドラッグ」は、所望の活性に対して、それ自体は、通常、不活性または最小限に活性であるが、生体内変化により生物活性代謝物へ変換される活性種の、所望の反応部位に到達する量を最大限にするよう特別に設計された化合物を指す。
本明細書において使用される「医薬的に許容される」は、正しい医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または妥当な利益/リスク率に相応する他の問題となる合併症なしで、ヒトおよび動物の組織との接触に適切なそれらの化合物、材料、組成物、および/または剤形を指す。本明細書において使用される「医薬的に許容される塩」は、親化合物が、その酸性または塩基性塩を作成することによって改変される、開示された化合物の誘導体を指す。医薬的に許容される塩の例として、アミン等の塩基性残基の無機または有機酸塩、カルボン酸等の酸性残基のアルカリまたは有機塩(必ずしもこれらに限定されない)を含む。医薬的に許容される塩として、従来の非毒性塩、または例えば、非毒性無機または有機酸から形成される親化合物の第四級アンモニウム塩を含む。例えば、そのような従来の非毒性塩として、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸等の無機酸由来のもの、および酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸等の有機酸から調製される塩を含む。これらの生理的に許容される塩は、例えば、含水アルコール中の過剰の酸で遊離アミン塩基を溶解するか、または水酸化物等のアルカリ金属塩基、またはアミンで遊離カルボン酸を中和することによる、当技術分野で周知の方法によって調製される。本発明の特定の酸性または塩基性化合物は、両性イオンとして存在し得る。遊離酸、遊離塩基、および両性イオンを含む、すべての形の化合物は、本発明の範囲内であることを意図する。アミノおよびカルボキシル基の両方を含有する化合物は、しばしば、それらの両性イオン型と均衡状態で存在することが、当技術分野で周知である。本明細書を通して記載される、例えば、アミノおよびカルボキシル基の両方を含有する任意の化合物は、それらの対応する両性イオンへの言及も含む。
本明細書において使用される「副作用」は、薬剤の投与によって利益がもたらされることを目指した結果以外の、特に組織または器官系に対する薬物によって生じる悪影響として、薬剤または対策が使用された結果以外の結果を指す。
本明細書において使用される「立体異性体」は、同一の化学構成を有するが、間隙を介して原子または基の配置に関して異なる化合物を指す。
「スルファミル」または「スルホンアミジル」という用語は、単独、または「N−アルキルスルファミル」、「N−アリールスルファミル」、「N,N−ジアルキルスルファミル」、および「N−アルキル−N−アリールスルファミル」等の用語とともに使用される場合、アミンラジカルで置換され、スルホンアミド(−−SONH)を形成するスルホニルラジカルを意味する。「N−アルキルスルファミル」および「N,N−ジアルキルスルファミル」という用語は、それぞれ、1つのアルキルラジカル、シクロアルキル環、または2つのアルキルラジカルで置換されるスルファミルラジカルを意味する。「N−アリールスルファミル」および「N−アルキル−N−アリールスルファミル」という用語は、それぞれ、1つのアリールラジカル、および1つのアルキル、および1つのアリールラジカルで置換されるスルファミルラジカルを意味する。
「スルホニル」という用語は、単独、またはアルキルスルホニル等の他の用語と連結して使用される場合、それぞれ、二価ラジカル−−SO−−を意味する。「アルキルスルホニル」は、アルキルが上記のように定義される、スルホニルラジカルに付着するアルキルラジカルを包含する。「アリールスルホニル」という用語は、アリールラジカルで置換されるスルホニルラジカルを包含する。
「第三級アミン」は、その共通の一般的な意味を有する。概して、本発明において有用な第三級アミンは、以下の一般式を有し、
Figure 2010510329
、R、およびRは、同一であるか、または異なる直鎖あるいは分岐鎖アルキル基、アルケニル基、アルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキル基、シクロアルキル置換アルキル基、シクロアルケニル基、アルコキシ基、アルコキシ−アルキル基、アシル基、アリール基、アリール置換アルキル基、およびヘテロ環状基の組み合わせである。本発明による有用な例示的な第三級アミンは、R1−3が、式(CnH2n+1、n=1−4)のアルキル基、または式(C(CH)n−[n=1−2]のアラルキル基であるものである。本発明による有用な例示的な第三級アミンは、シクロアルキル第三級アミン(例えば、N−メチルモルホリン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン)、ピリジン、およびProton Sponge(登録商標)(N,N,N′,N′−テトラメチル−1,8−ナフタレン)である。
本発明の化合物が投与され得る被験体は、脊椎動物、特に、哺乳類である。一実施形態においては、哺乳類は、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ウシ、ブタ、およびげっ歯類である。一実施形態においては、哺乳類は、ヒトである。
本発明の医薬品は、単独またはカクテルで使用される場合、治療有効量で投与される。治療有効量は、以下で論じられるパラメータによって判断されるが、いずれの場合も、本明細書において記載される状態のうちの1つを有するヒト等の被験体を治療するために有効な薬剤の濃度を確立する量である。有効量は、治療する状態、またはそれに関連する症状の発症を遅延する、重症度を軽減するか、または進行を完全に抑制、軽減するか、または合わせて発症あるいは進行を止めるために必要な、単独または複数回投与でのその量を意味する。
主に、オピオイドアゴニスト活性、特に、mu−オピオイドアゴニスト活性を有する本発明の医薬品の有効量は、急性または慢性疼痛、痛覚過敏、下痢、または息切れによる不安のうちの少なくとも1つの症状を予防、治療、または管理する量である。有効量は、場合によっては、咳を軽減する量である。オピオイドアゴニストの有効量は、鎮静状態または知覚麻痺を提供し得る。
当技術は、便秘を、(i)過去3日間で1回未満の排便、または(ii)過去1週間で3回未満の排便として定義する(例えば、米国特許第US6,559,158号を参照)。便秘の場合、オピオイドアンタゴニストの有効量は、例えば、排便の頻度を増加させるか、口から盲腸までの通過時間を減少させる、排便を誘導する、便秘の症状を軽減するその量である。したがって、有効量は、規則的な排便を確立または維持するために必要なそれらの量であることが可能である。
オピオイドを長期間使用する患者として、末期癌患者、変形性関節症変化を有する高齢の患者、メサドン維持患者、神経因性疼痛、および慢性腰痛患者を含む。これらの患者の治療は、生活の質の観点から、および痔等の慢性便秘、食欲抑制、粘膜破綻、敗血症、結腸癌リスク、および心筋梗塞から生じる合併症を減少させるために重要である。
本発明の化合物を使用する治療を受ける患者は、同時に、または連続してオピオイドを受けてもよい。本明細書において開示される化合物は、従来のオピオイド化合物と混合され得る。従来のオピオイドとして、アルフェンタニル、アニレリジン、アシマドリン、ブレマゾシン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、コデイン、デゾシン、ジアセチルモルヒネ(ヘロイン)、ジヒドロコデイン、ジフェノキシレート、フェドトジン、フェンタニル、フナルトレキサミン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、レバロルファン、レボメタジルアセテート、レボルファノール、ロペラミド、メペリジン(ペチジン)、メサドン、モルヒネ、モルヒネ−6−グルクロニド、ナルブフィン、ナロルフィン、アヘン、オキシコドン、オキシモルホン、ペンタゾシン、プロピラム、プロポキシフェン、レミフェンタニル、スフェンタニル、チリジン、トリメブチン、およびトラマドールから成る群より選択されるものを含む。任意で、アセトアミノフェン等の非オピオイド麻酔薬/解熱薬は、オピオイド、特に、オキシコドンと混合され得る。オピオイドは、本明細書において開示される化合物と合わせて移動され得、本明細書において記載される任意の形で提供され得る。
用量は、投与の形態によって、局所または全身の所望の薬物濃度を得るように適切に調節され得る。例えば、腸溶性製剤でのオピオイドの経口投与に対する用量は、即時放出経口製剤より低投与量であると見なされる。患者の反応が、そのような用量で十分ではない場合、さらに高投与量(または、異なる、より局所的な送達経路による、より高い有効量)が、患者の耐容性が許す程度に使用され得る。1日における複数回投与は、化合物の適切な全身濃度を得ることを意図する。適切な全身濃度は、例えば、患者における薬剤のピークまたは維持された血漿中濃度の測定によって判断することができる。「投与量」および「用量」は、本明細書において、ほとんど同じ意味で使用される。
多様な投与経路が利用可能である。選択される特定の形態は、当然のことながら、選択される薬剤の特定の組み合わせ、治療または予防されている症状の重症度、患者の状態、および治療効果に必要な用量によって異なる。本発明の方法は、概して言えば、臨床的に許容されない副作用を引き起こさずに、活性化合物の有効濃度をもたらす任意の形態という意味の、医学的に許容される投与の任意の形態を使用して履行され得る。投与のそのような形態として、経口、直腸、局所、経皮、舌下、静脈内注射、肺、動脈内、脂肪組織内、リンパ管内、筋肉内、腔内、エアロゾル、耳(例えば、点耳剤を介して)、鼻腔内、吸入、関節内、無針注射、皮下、または皮内(例えば、経皮)送達を含む。持続注入に対して、患者管理無痛法(PCA)装置または埋込型薬剤送達装置が使用され得る。経口、直腸、または局所投与は、予防的または長期治療に対して重要である場合がある。送達の好ましい直腸的形態として、坐薬、または腸洗浄としての投与を含む。
医薬品は、便宜上、単位剤形で提示され得、薬局の分野で周知の任意の方法によって調製され得る。すべての方法は、本発明の化合物を、1つ以上の副成分を構成する担体と関連付けるステップを含む。概して、組成物は、本発明の化合物を、一様かつ密接に、液体担体、微粉化した固体担体、または両方に関連付けることによって調製し、その後、必要に応じて、生成物を成形する。
投与の際、本発明の医薬品は、医薬的に許容される組成物において適用される。そのような製剤は、塩、緩衝剤、防腐剤、混合可能担体、潤滑剤、および任意に他の治療成分を定常的に含有し得る。医学の分野で使用される場合、塩は医薬的に許容されるべきであるが、非医薬的に許容される塩は、便宜上、その医薬的に許容される塩を調製するために使用され得、本発明の範囲から除外されない。そのような薬理的および医薬的に許容される塩として、次の酸から調製されるもの(ただし必ずしもこれらに限定されない)を含む。塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、p−トルエンスルホン酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、コハク酸、ナフタレン−2−スルホン酸、パモン酸、3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、およびベンゼンスルホン酸。
当然のことながら、本発明の化合物を指す場合、同発明の塩を包含することを意味する。そのような塩は、当業者に周知の種類である。医薬品において使用される場合、塩は、ヒトに使用できるように医薬的に許容されることが望まれる。臭化物は、そのような塩の一例である。
本発明の医薬品は、医薬的に許容される担体を含むか、または医薬的に許容される担体に希釈され得る。本明細書において使用される「医薬的に許容される担体」は、ヒト、または非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、またはヤギ等の他の哺乳類への投与に適切な、1つ以上の混合可能な固体または液体充填剤、希釈剤、または封入物質を意味する。「担体」という用語は、適用を容易にするために組み合わされる天然または合成の有機または無機成分を意味する。担体は、所望の医薬的有効性または安定性を実質的に損なう相互作用がない方法で、本発明の製剤、および互いに混合されることが可能である。経口投与、坐薬、および非経口投与等に適切な担体製剤は、Remington´s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Easton,Paにおいて見ることができる。
製剤は、キレート剤、緩衝剤、酸化防止剤、および任意で、等張化剤、好ましくはpH調節された等張化剤、および透過/浸透促進剤を含み得る。高圧蒸気殺菌法および長期保存に安定であるそのような製剤の実施例は、「医薬的製剤「Pharmaceutical Formulation」」と称される、同時係属米国出願第US10/821,811号に記載されている。
キレート剤として、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、およびその誘導体、クエン酸、およびその誘導体、ナイアシンアミド、およびその誘導体、デソキシコール酸ナトリウム、およびその誘導体、ならびにL−グルタミン酸、N,N−アセト酢酸、およびその誘導体を含む。EDTA誘導体として、エデト酸二カリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、およびエデト酸カリウムを含む。
緩衝剤は、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸、リン酸ナトリウムおよびリン酸、アスコルビン酸ナトリウム、酒石酸、マレイン酸、グリシン、乳酸ナトリウム、乳酸、アスコルビン酸、イミダゾール、重炭酸ナトリウムおよび炭酸、コハク酸ナトリウムおよびコハク酸、ヒスチジン、および安息香酸ナトリウムおよび安息香酸、またはそれらの組み合わせから成る群より選択されるものを含む。
酸化防止剤は、アスコルビン酸誘導体、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、アルキルガラート、メタ重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム、チオグリコール酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、トコフェロール、およびその誘導体、モノチオグリセロール、および亜硫酸ナトリウムから成る群より選択されるものを含む。好ましい酸化防止剤は、モノチオグリセロールである。
等張化剤は、塩化ナトリウム、マンニトール、ラクトース、デキストロース、グリセロール、およびソルビトールから成る群より選択されるものを含む。
本組成物とともに使用することができる防腐剤は、ベンジルアルコール、パラベン、チメロサール、クロロブタノール、および、好ましくは塩化ベンザルコニウムを含む。通常、防腐剤は、約2重量%までの濃度で組成物に存在する。しかしながら、防腐剤の正確な濃度は、使用目的によって異なり、当業者によって容易に把握することができる。
本発明の化合物は、凍結乾燥組成物、好ましくは、マンニトール、またはラクトース、スクロース、ポリエチレングリコール、およびポリビニルピロリジン等の抗凍結剤の存在下で調製することができる。6.0以下の再構成pHをもたらす抗凍結剤が好ましい。したがって、本発明は、本発明の治療薬の凍結乾燥調製剤を提供する。製剤は、好ましくは水中で中性または酸性である、マンニトールまたはラクトース等の抗凍結剤を含むことができる。
薬剤の経口、非経口、および坐薬製剤は、周知であり、市販されている。本発明の治療薬は、そのような周知の製剤に付加することができる。本発明の治療薬は、そのような製剤において溶液または半固溶体で合わせて混合することができ、そのような製剤内の懸濁液で提供することができるか、またはそのような製剤内の粒子に含有することができる。
本発明の治療薬、および任意で1つ以上の他の活性薬剤を含有する生成物は、経口投薬として構成することができる。経口投薬は、液体、半固体、または固体であり得る。オピオイドは、任意で、経口投薬に含まれ得る。経口投薬は、他の薬剤(および/またはオピオイド)の前、後、または同時に、本発明の治療薬を放出するように構成され得る。経口投薬は、本発明の治療薬および他の製剤を、胃の中で完全に放出する、胃の中で部分的および腸の中で部分的に放出する、腸で、結腸で、胃で部分的に、または結腸で全体的に放出するように構成され得る。経口投薬は、他の活性薬剤の放出が、それほど制限されていないか、本発明の治療薬とは異なって制限される一方、本発明の治療薬の放出が、胃または腸に制限されるようにも構成され得る。例えば、本発明の治療薬は、他の薬剤を先に放出し、本発明の治療薬が胃を通って腸へ通過した後にのみ、本発明の治療薬を放出する、丸薬またはカプセル内に含有される腸溶性コアまたはペレットであってもよい。本発明の治療薬は、それが胃腸管全体で放出され、他の薬剤が同じか、または異なる計画で放出される、持続放出材料の中にあってもよい。本発明の治療薬の放出に対する同目的は、本発明の腸溶性の治療薬と組み合わされる本発明の治療薬の即時放出で達成できる。これらの場合、他の薬剤は、胃の中、胃腸管の全体、または腸の中のみで、即時に放出することができる。
これらの異なる放出プロファイルを得るために有用な材料は、当業者に周知である。即時放出は、胃で溶解する結合剤を有する従来の錠剤によって得られる。胃のpHで溶解するか、温度の上昇で溶解するコーティングによって、同じ目的が達成される。腸の中のみでの放出は、腸(胃ではなく)のpH環境において溶解するpH感受性コーティング、または時間とともに溶解するコーティング等の従来の腸溶コーティングを使用して得られる。胃腸管全体での放出は、持続放出材料および/または即時放出システムおよび持続および/または遅延の意図的な放出システム(例えば、異なるpHで溶解するペレット)の組み合わせを使用することによって得られる。
本発明の化合物の経口生物学的利用性を改善するために、腸管膜透過性を増加させる賦形剤が使用され得る(Aungst,B.J.(2000)J.Pharm.Sci.,vol.89,issue 5,pp.429−442)。透過促進剤として、界面活性剤、脂肪酸、中鎖グリセリド、ステロイド洗浄剤、アシルカルニチンおよびアルカノイルコリン、N−アセチル化アルファアミノ酸およびN−アセチル化非アルファアミノ酸、およびキトサン、および他の粘膜接着性ポリマーを含み得る。特定の例として、コール酸、グリココール酸、グリコスルソデオキシコール酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、ヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−ガンマ−シクロデキストリン、ガンマ−シクロデキストリン、テトラデシル−ベータ−D−マルトース、オクチルグルコシド、クエン酸、グリシルレチン酸、およびTween−80を含む(Shah,R.B.et al.,J.Pharm Sci.,93(4):1070−82,2004)。
本発明の治療薬を先に放出することが望ましい場合、本発明の治療薬は、制御放出に対して定常的に使用される温度感性の医薬的に許容される担体等の、そのようなコーティング、および本発明の治療薬の放出を可能にするために適切な任意の医薬的に許容される担体における制御放出製剤の表面でコーティングすることができる。体内に配置される際に溶解する他のコーティングは、当業者に周知である。
本発明の治療薬は、他の薬剤の前、後、または同時に放出される、制御放出製剤全体で混合され得る。本発明の治療薬は、製剤の材料内で遊離、すなわち、可溶化され得る。本発明の治療薬は、製剤の材料全体で分散されるワックスでコーティングされたマイクロペレット等の小胞の形であってもよい。コーティングされたペレットは、温度、pH等に基づいて本発明の治療薬を即時に放出するように作成することができる。ペレットは、本発明の治療薬の放出を遅延させ、本発明の治療薬がその効果を発揮する前に作用する時間を他の薬剤に与えるように構成することもできる。本発明の治療薬のペレットは、従来技術の材料および当業者に周知の材料を使用して一次放出速度またはS状結腸段階放出速度を呈するパターンを含む、実質的に任意の持続放出パターンで、本発明の治療薬を放出するように構成することもできる。
本発明の治療薬は、制御放出製剤内のコア内に含有されることもできる。コアは、ペレットに関連して、上述の特性のいずれか1つ、またはいかなる組み合わせをも有し得る。本発明の治療薬は、例えば、材料でコーティングされる、材料全体に分散される、材料上にコーティングされるか、または材料内に、または全体に吸収されるコアの中にあってもよい。
当然のことながら、ペレットまたはコアは、実質的に任意の種類であってもよい。それらは、放出材料で薬剤をコーティングした、材料全体に薬剤を散在した、材料内に薬剤を吸収させたもの等であってもよい。材料は侵食可能または非侵食可能であってもよい。
本発明の治療薬は、粒子で提供され得る。本明細書において使用されるように、粒子は、本発明の治療薬、または本明細書において記載される他の薬剤の全体または一部に存在することができるナノまたはマイクロ粒子(または、場合によっては、より大きい)を意味する。粒子は、必ずしも以下のものに限定されないが、腸溶コーティングを含む、コーティングによって覆われるコアに治療薬を含有し得る。治療薬は、粒子全体に分散され得る。治療薬は、粒子内に吸収され得る。粒子は、ゼロ次放出、一次放出、二次放出、遅延放出、持続放出、即時放出、およびそれらの任意の組み合わせを含む、任意の段階の放出速度であってもよい。粒子は、治療薬に加えて、必ずしも以下のものに限定されないが、浸食可能、非浸食可能、生分解性、または非生分解性の材料、またはそれらの組み合わせを含む、薬局および医療の分野において定常的に用いられる任意のそれらの材料を含み得る。粒子は、溶液、または半固体の状態でアンタゴニストを含有するマイクロカプセルであってもよい。粒子は、実質的に任意の形状であってもよい。
非生分解性および生分解性高分子材料の両方が、治療薬を送達するための粒子の製造に使用することができる。そのようなポリマーは、天然または合成ポリマーであってもよい。ポリマーは、放出が所望される時間の長さに基づいて選択される。特に興味深い生体接着ポリマーは、その内容は本明細書において組み込まれる、H.S.Sawhney,C.P.Pathak、およびJ.A.Hubellによる、Macromolecules,(1993)26:581−587に記載される生体内分解性ヒドロゲルを含む。これらは、ポリヒアルロン酸、カゼイン、ゼラチン、グルテン、ポリ酸無水物、ポリアクリル酸、アルギン酸塩、キトサン、ポリ(メチルメタクリル酸塩)、ポリ(エチルメタクリル酸塩)、ポリ(ブチルメタクリル酸塩)、ポリ(イソブチルメタクリル酸塩)、ポリ(ヘキシルメタクリル酸塩)、ポリ(イソデシルメタクリル酸塩)、ポリ(ラウリルメタクリル酸塩)、ポリ(フェニルメタクリル酸塩)、ポリ(メチルアクリル酸塩)、ポリ(イソプロピルアクリル酸塩)、ポリ(イソブチルアクリル酸塩)、およびポリ(オクタデシルアクリル酸塩)を含む。
治療薬は、制御放出システムに含有され得る。「制御放出」は、製剤からの薬物放出の方法およびプロファイルが制御されている、任意の薬物含有製剤を指すことを目的とする。これは、持続放出および遅延放出製剤(必ずしもこれらに限定されない)を含む、即時および非即時放出製剤を指す。「持続放出」という用語(「徐放」とも称される)は、長時間かけて薬物をゆっくり放出し、好ましくは、(必ずしもそうではないが)長時間かけて薬物血中濃度を実質的に一定に保つ製剤を指す、その従来の意味において使用される。「遅延放出」は、製剤の投与とそこからの薬物の放出との間に時間遅延がある製剤を指す、その従来の意味において使用される。「遅延放出」は、長時間かけて薬物のゆっくりとした放出を含むか、または含まなくてもよいため、「持続放出」であるか、またはそうでなくてもよい。これらの製剤は、投与の任意の形態をとってもよい。
胃腸管に対して特異的な送達システムは、大きく3つの種類に分類される。1番目は、例えば、pH変化に応じて、薬物を放出するように設計される遅延放出システム、2番目は、所定の時間後に薬物を放出するように設計される持続放出型システム、および3番目は、胃腸管の下部における豊富な腸内細菌を活用する微生物叢酵素システム(例えば、結腸部位特異的放出製剤において)である。
遅延放出システムの一実施例は、例えば、アクリルまたはセルロースコーティング材料を使用し、pH変化に対して溶解するものである。製剤の容易性のため、そのような「腸溶コーティング」に関する多くの報告がなされている。概して、腸溶コーティングは、腸管の壁を通る活性薬剤の輸送(能動または受動)を可能にするように、胃の中で相当量(すなわち、胃の中で、10%放出未満、5%放出、およびさらに1%放出)の薬物を放出することなく、腸管の中で十分に分解することなく(ほぼ中性またはアルカリ性の腸液との接触によって)、胃を通過するものである。
コーティングが、腸溶コーティングとして分類されるかどうかを判断するための様々な生体外試験は、様々な国の薬局方において行われている。36〜38℃のpH1のHCl等の人工胃液に少なくとも2時間接触し、その後、pH6.8のKH2PO4緩衝液等の人工腸液において30分内で分解する、コーティングが、一実施例である。そのような1つの周知のシステムは、市販の、Behringer、Manchester University,Saale Co.,等によって報告されるEUDRAGIT材料である。腸溶コーティングは、下記でさらに論じられる。
持続放出型システムは、Fujisawa Pharmaceutical Co.,Ltd.のTime Erosion System(TES)、およびR.P.SchererのPulsincapによって代表される。これらのシステムによると、薬物放出の部位は、胃腸管における製剤の通過の時間によって決定される。胃腸管における製剤の通過が、胃内容排出時間によって大きく影響されるため、時間放出システムの一部も腸溶性である。
腸内細菌を活用するシステムは、Ohio Universityのグループ(M.Saffran,et al.,Science,Vol.233:1081(1986))、およびUtah Universityのグループ(J.Kopecek,et al.Pharmaceutical Research,9(12),1540−1545(1992))によって報告されるように、腸内細菌から産出されるアゾレダクターゼによる芳香族アゾポリマーの分解を使用するもの、およびHebrew Universityのグループ(PCT出願に基づく特開平5−50863号)、およびFreiberg Universityのグループ(K.H.Bauer et al.Pharmaceutical Research,10(10),S218(1993))によって報告されるように、腸内細菌のベータ−ガラクトシダーゼによる多糖の分解を使用するものに分類することができる。加えて、帝國製薬製のキトサナーゼ(特開平4−217924号、および特開平4−225922号)によって分解可能なキトサンを使用するシステムも含まれる。
腸溶コーティングは、必要ではないが、通常高分子材料である。好ましい腸溶コーティング材料は、生体内分解性、徐々に加水分解可能および/または徐々に水に溶けるポリマーを含む。「コーティング重量」、または1カプセル当たりのコーティング材料の相対量は、概して、摂取と薬物放出との時間間隔に影響する。任意のコーティングは、コーティング全体がpH約5以下で、胃腸液に溶解せず、pH約5およびそれ以上で溶解するように、十分な厚さで適用されるべきである。pH依存性溶解プロファイルを呈する任意のアニオン性ポリマーは、本発明の履行における腸溶コーティングとして使用することができると予想される。特定の腸溶コーティング材料の選択は、次の特性による。胃における溶解および分解に対する抵抗、胃の中にある際の、胃液、および薬物/担体/酵素に対する不透過性、対象の腸部位で急速に溶解または分解する能力、保存期間での物理的および化学的安定性、非毒性、コーティングとしての適用の容易性(基質に適した)、および経済的実用性。
適切な腸溶コーティング材料として、必ずしも以下のものに限定されないが、酢酸フタル酸セルロース、酢酸トリメリト酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロースポリマー、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリル酸塩、アクリル酸アンモニウムメチル、エチルアクリル酸塩、メチルメタクリル酸塩および/またはエチルメタクリル酸塩(例えば、EUDRAGITの商標名で販売されるそれらのコポリマー)から形成されるアクリル酸ポリマーおよびコポリマー、ポリビニルアセテート、酢酸フタル酸ポリビニル、酢酸ビニルクロトン酸コポリマー、およびエチレン−酢酸ビニルコポリマー等のビニルポリマーおよびコポリマー、ならびにセラック(精製ラック)を含む。異なるコーティング材料の組み合わせも、使用され得る。本明細書において使用される周知の腸溶コーティング材料は、Rohm Pharma(ドイツ)からEUDRAGITの商標名で入手可能なそれらのアクリル酸ポリマーおよびコポリマーである。EUDRAGITシリーズのE、L、S、RL、RS,およびNEコポリマーは、有機溶剤で可溶なもの、水分散液、または乾燥粉末として利用可能である。EUDRAGITシリーズのRL、NE、およびRSコポリマーは、胃腸管において不溶性であるが、透過性であり、主に徐放に対して使用される。EUDRAGITシリーズのEコポリマーは、胃において溶解する。EUDRAGITシリーズのL、L−30DおよびSコポリマーは、胃において不溶性であり、腸において溶解するため、本明細書において最も好ましい。
特定のメタクリルコポリマーは、EUDRAGIT L、特に、L−30D、およびEUDRAGIT L100−55である。EUDRAGIT L−30Dでは、遊離カルボキシル基とエステル基との比率は、約1:1である。さらに、コポリマーは、pH5.5以下、概して、1.5−5.5、すなわ ち、普通上部胃腸管液にあるpHを有する胃腸液において不溶性であるが、pH5.5以上、すなわち、概して下部胃腸管液にあるpHで、容易に溶解するか、または部分的に溶解することが周知である。他の特定のメタクリル酸ポリマーは、遊離カルボキシル基とエステル基との比率が、約1:2であるという点で、EUDRAGIT L−30Dと異なるEUDRAGIT Sである。EUDRAGIT Sは、pH5.5以下では不溶性であるが、EUDRAGIT L−30Dとは異なり、小腸等、5.5〜7.0の範囲のpHを有する胃腸液において難溶性である。このコポリマーは、pH7.0およびそれ以上、すなわち、概して結腸で見られるpHで溶解性である。EUDRAGIT Sは、大腸において薬物送達を提供するコーティングとして単独で使用することができる。代替として、pH7以下の腸液において難溶性であるEUDRAGIT Sは、腸管の様々な部分へ活性薬剤を送達するように調合することができる遅延放出組成物を提供するために、pH5.5以上の腸液において溶解性であるEUDRAGIT L−30Dと併用することができる。EUDRAGIT L−30Dが使用されるほど、近位放出および送達が開始され、EUDRAGIT Sが使用されるほど、遠位放出および送達が開始される。EUDRAGIT L−30DおよびEUDRAGIT Sの両方は、同様のpH溶解度特性を有する、他の医薬的に許容されるポリマーで置換することができることは、当業者には明らかである。本発明のある実施形態においては、好ましい腸溶コーティングは、ACRYL−EZE(登録商標)(メタクリル酸コポリマータイプC;Colorcon、West Point、PA)である。
腸溶コーティングは、概して予測可能なある位置で薬物放出を行うことができるように、活性薬剤の制御放出を提供する。腸溶コーティングは、治療薬および担体の口腔、咽頭、食道、および胃の上皮および粘膜組織への暴露、およびこれらの組織に関連する酵素への暴露も予防する。したがって、腸溶コーティングは、送達の所望の部位での薬物放出の前に、任意の有害事象から活性薬剤、担体、および患者の内部組織を保護することに役立つ。さらに、本発明のコーティングされた材料は、薬物吸収、活性薬剤保護、および安全性を最適化する。胃腸管における様々な領域で活性薬剤を放出することを目的とする複数の腸溶コーティングは、胃腸管全体で、より効果的で改善された持続送達を可能にする。
コーティングは、胃液の浸透を可能にする細孔および亀裂の形成を予防する可塑剤を含むことができ、通常、これを含む。適切な可塑剤は、必ずしも以下のものに限定されないが、クエン酸トリエチル(Citroflex2)、トリアセチン(三酢酸グリセリン)、アセチルクエン酸トリエチル(Citroflec A2)、Carbowax400(ポリエチレングリコール400)、フタル酸ジエチル、クエン酸トリブチル、アセチル化モノグリセリド、グリセロール、脂肪酸エステル、プロピレングリコール、およびフタル酸ジブチルを含む。特に、アニオン性カルボン酸アクリルポリマーから成るコーティングは、通常、可塑剤、特に、フタル酸ジブチル、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、およびトリアセチンの約10重量%〜25重量%を含有する。コーティングは、コーティング材料を可溶化または分散し、コーティング性能およびコーティングされた生成物を改善する、デタッキフィア(粘着除去剤)、消泡剤、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)、および安定剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、酸および塩基)等の他のコーティング賦形剤を含有することもできる。
コーティングは、従来のコーティング方法および機器を使用して、治療薬の粒子、治療薬の錠剤、治療薬を含有するカプセル等に適用することができる。例えば、腸溶コーティングは、コーティング皿、無気噴霧法、流動床コーティング機器等を使用して、カプセルに適用することができる。コーティングされた剤形を調製するための材料、機器、および処理に関する詳細な情報は、Pharmaceutical Dosage Forms:Tablet,eds.Lieberman et al.(New York:Marcel Dekker,Inc.,1989)、およびAnsel et al.Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery System,6th Ed.(Media,PA:Williams&Wilkin,1995)において見ることができる。上述のように、コーティングの厚さは、経口剤形が、下部腸管における局所送達の所望の部位に到達するまで、そのままの状態であることを保証するのに十分でなければならない。
他の実施形態においては、本発明の製剤を内臓する腸溶性浸透活性装置を備える薬物剤形が提供される。この実施形態においては、薬物含有製剤は、小開口部を含有する半透性膜またはバリアにおいてカプセル化される。いわゆる、「浸透圧ポンプ」薬物送達装置に関して当技術分野で周知のように、半透性膜は、いかなる方向にも、薬物ではなく水を通過させる。したがって、装置が、液体に暴露される場合、水は、装置の内部と外部との浸透圧の差によって装置内に流入する。水が、装置へ流入するにつれて、内部にある薬物含有製剤は、開口部を通って「吸い」出される。薬物放出速度は、水の流入速度×薬物濃度と同等である。水の流入および薬物の流出の速度は、組成物および装置の開口部の大きさによって制御することができる。半透性膜の適切な材料として、必ずしも以下のものに限定されないが、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、半透性ポリエチレングリコール、半透性ポリウレタン、半透性ポリアミド、半透性スルホン化ポリスチレンおよびポリスチレン誘導体、半透性ポリ(スチレンスルホン酸ナトリウム)、半透性ポリ(ビニルベンジルトリメチル塩化アンモニウム)、および酢酸セルロース、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、三吉草酸セルロース、トリル酸セルロース、三パルミチン酸セルロース、三オクタン酸セルロース、三プロピオン酸セルロース、二コハク酸セルロース、二パルミチン酸セルロース、二アクリル酸セルロース、酢酸コハク酸セルロース、プロピオン酸コハク酸セルロース、酢酸オクタン酸セルロース、吉草酸パルミチン酸セルロース、酢酸ヘプタン酸セルロース、アセトアルデヒドジメチルアセタールセルロース、酢酸カルバミン酸エチルセルロース、酢酸カルバミン酸メチルセルロース、酢酸ジメチルアミノセルロース、およびエチルセルロース等のセルロースポリマーを含む。
他の実施形態においては、本発明の製剤を内蔵する持続放出のコーティングされた装置を備える薬物剤形が提供される。この実施形態においては、薬物含有製剤は、持続放出膜またはフィルムにおいてカプセル化される。膜は、上述のように、半透性であってもよい。半透性膜によって、コーティングされた装置内の水の通過で、薬物を溶解することができる。溶解された薬物の溶液は、半透性膜を通って拡散する。薬物放出速度は、コーティングされたフィルムの厚さに依存し、薬物の放出は、胃腸管の任意の部分で開始することができる。そのような膜に適した膜材料として、エチルセルロースを含む。
他の実施形態においては、本発明の製剤を内蔵する持続放出装置を備える薬物剤形が提供される。この実施形態においては、薬物含有製剤は、一様に、持続放出ポリマーと混合される。これらの持続放出ポリマーは、水と接触すると膨張し、水が内部で拡散し、薬物を溶解するためのチャネルを作成する、高分子量の水溶性ポリマーである。ポリマーが膨張し、水中で溶解するにつれて、より多くの薬物が、溶解のために水に暴露される。そのようなシステムは、概して、持続放出マトリクスと呼ばれる。そのような装置の適切な材料として、ヒドロプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびメチルセルロースを含む。
他の実施形態においては、本発明の持続放出製剤を内臓する腸溶性装置を備える薬物剤形が提供される。この実施形態においては、上述の生成物を含有する薬物は、腸溶性ポリマーでコーティングされる。そのような装置は、胃において任意の薬物を放出しなく、装置が腸に到達する際、腸溶性ポリマーが、まず、溶解した後にのみ、薬物放出が開始する。薬物放出は、持続放出の方法で行われる。
腸溶性浸透活性装置は、従来の材料、方法、および機器を使用して製造することができる。例えば、浸透活性装置は、医薬的に許容されるソフトカプセルにおいて、上記に記載されるように、まず、本発明の化合物の液体または半固体製剤をカプセル化することによって作製され得る。その後、この内部カプセルは、例えば、空気サスペンション機を使用して、例えば、約0.05mmの十分に厚い層が形成されるまで、半透性膜組成物(例えば、塩化メチレン −メタノール混合剤等の適切な溶剤中の酢酸セルロースおよびポリエチレングリコール4000を含む)でコーティングされる。その後、半透性層状カプセルは、従来の技術を使用して乾燥させる。その後、所望の直径(例えば、約0.99mm)を有する開口部は、例えば、機械的穴開け、レーザー穴開け、機械的破壊、またはゼラチンプラグ等の浸食可能要素の浸食を使用して、半透性層状カプセル壁を通って提供される。その後、浸透活性装置は、上述のように腸溶性にコーティングされ得る。液体または半固体担体ではなく、固体担体を含有する浸透活性装置に対して、内部カプセルは任意である。すなわち、半透性膜は、担体−薬物組成物の周りに直接形成され得る。しかしながら、浸透活性装置の薬物含有製剤における使用のための好ましい担体は、溶液、懸濁液、液体、非混和液、乳液、ゾル、コロイド、および油である。特に好ましい担体として、必ずしも以下のものに限定されないが、液体または半固体製剤を含有する腸溶性カプセルに対して使用されるものを含む。
セルロースコーティングは、酢酸フタル酸およびトリメリト酸セルロース、少なくとも40%のメチルアクリル酸を含有するメタクリル酸コポリマー、例えば、メチルアクリル酸およびそのエステル由来のコポリマー、および特に、ヒドロキシプロピルメチルフタル酸セルロースのコーティングを含む。アクリル酸メチルは、約1:1の比率における、例えば、アクリル酸メチル、およびメチルまたはエチルアクリル酸メチルに基づく100,000ダルトン以上の分子量のものを含む。典型的な生成物として、Rohm GmbH、Darmstadt、ドイツによって販売される、Endragit L、例えば、L100−55を含む。典型的な酢酸フタル酸セルロースは、17〜26%のアセチル含有量、およびca.45〜90cPの粘性を有する30〜40%のフタル酸含有量を有する。典型的な酢酸トリメリト酸セルロースは、17〜26%のアセチル含有量、およびca.15〜20cSの粘性を有する25〜35%のトリメリト酸含有量を有する。酢酸トリメリト酸セルロースの例は、市販品CAT(Eastman Kodak Company、米国)である。通常、ヒドロキシプロピルメチルフタル酸セルロースは、20,000〜130,000ダルトンの分子量、5〜10%のヒドロキシプロピル含有量、18〜24%のメトキシ含有量、および21〜35%のフタリル含有量を有する。酢酸フタル酸セルロースの例は、市販品CAP(Eastman Kodak、Rochester N.Y.、米国)である。ヒドロキシプロピルメチルフタル酸セルロースの例は、HP50の商標で販売され、信越化学工業株式会社(東京、日本)から入手可能な、6〜10%のヒドロキシプロピル含有量、20〜24%のメトキシ含有量、21〜27%のフタリル含有量、約84,000ダルトンの分子量を有する市販品、およびHP55の商標で周知であり、同社から入手可能な、それぞれ、5〜9%、18〜22%、および27〜35%のヒドロキシプロピル含有量、メトキシル含有量、およびフタリル含有量、ならびに78,000ダルトンの分子量を有する市販品である。
治療薬は、コーティングされたか、またはされていないカプセルで提供され得る。カプセル材料は、ハードまたはソフトのいずれでもよく、当業者には明らかであるように、通常、ゼラチン、でんぷん、またはセルロース材料等の、無味で、容易に投与される、水溶性化合物を含む。カプセルは、ゼラチン帯等で密閉することが望ましい。例えば、カプセル製薬を調製するための材料および方法を記載する、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Nineteenth Edition(Easton、Pa.:Mack Publishing Co.,1995)を参照。
本発明の治療薬を含有する生成物は、坐薬として構成することができる。本発明の治療薬は、治療薬の相対的放出に好ましい影響を与えるように、坐薬内または坐薬上のいずれの位置に配置することができる。放出の性質は、所望に応じて、ゼロ次、一次、またはS状結腸であり得る。
坐薬は、直腸を介する投与を目的とする薬の固体剤形である。坐薬は、体腔(約98.6°F)において融解、軟化、または溶解し、その中に含有される医薬を放出するように調合される。坐薬基剤は、安定した、非刺激性、化学的に不活性、および生理的に不活性であるべきである。多くの市販坐薬は、しばしば、室温で融解または変形し、冷蔵または他の保存制限を必要とする、ココアバター、ココナツ油、パーム核油、およびヤシ油等の油または脂肪基剤の材料を含む。Tanakaらの米国特許番号第US4,837,214号には、20より少ないヒドロキシル値を有する、80〜99重量パーセントのラウリン型脂肪から成り、脂肪酸の1〜20重量パーセントのジグリセリド(エルカ酸がその例である)と組み合わされる、8〜18個の炭素原子を有する脂肪酸のグリセリドを含有する坐薬基剤が記載されている。これらの種類の坐薬の保存期間は、分解のため制限される。他の坐薬基剤は、融解温度を高めるアルコール、界面活性剤等を含有するが、局所粘膜の刺激によって、薬の吸収不良および副作用を引き起こす場合もある(例えば、Hartelendyらの米国特許番号第US6,099,853号、Ahmadらの米国特許番号第US第4,999,342号、およびAbidiらの米国特許番号第US第4,765,978号を参照)。
本発明の医薬的坐薬組成物において使用される基剤として、概して、カカオバター、ヤシ脂肪、パーム核油、ココナツ油、ヤシ油、ラード、およびWITEPSOL(登録商標)等のトリグリセリド、ラノリンおよび還元ラノリン等のワックスを主な成分として含む、油および脂肪、VASELINE(登録商標)、スクアレン、スクアラン、および流動パラフィン等の炭化水素、カプリル酸、ラウリン酸、ステアリン酸、およびオレイン酸等の長中鎖脂肪酸、ラウリルアルコール、セタノールおよびステアリルアルコール等の高級アルコール、ステアリン酸ブチル、およびマロン酸ジラウリル等の脂肪酸エステル、トリオレインおよびトリステアリン等のグリセリンの中長鎖カルボン酸エステル、アセト酢酸グリセリン等のグリセリン置換カルボン酸エステル、およびマクロゴールおよびセトマクロゴール等のポリエチレングリコールおよびその誘導体を含む。それらは、単一または2つ以上の組み合わせのいずれかで使用され得る。必要に応じて、本発明の組成物は、坐薬において通常使用される、表面活性剤、着色剤等をさらに含み得る。
本発明の医薬組成物は、必要であれば高温度で、撹拌または製粉機において、活性成分、吸収補助剤、および任意で基剤等の所定の量を一様に混合することによって調製され得る。得られた組成物は、例えば、混合物を鋳型に流すか、またはカプセル充填機を使用してゼラチンカプセルに形成することによって、単位剤形で坐薬に形成され得る。
本発明による組成物は、鼻噴霧、点鼻剤、懸濁液、ゲル、軟膏、クリーム、または粉末として投与することもできる。組成物の投与は、本発明の組成物を含有する鼻タンポンまたは鼻スポンジの使用を含むこともできる。
本発明で使用することができる鼻用送達システムは、水性製剤、非水性製剤、およびそれらの組み合わせを含む、様々な形態を採ることができる。水性製剤として、例えば、水性ゲル、水性懸濁液、水性リポソーム分散液、水性乳液、水性マイクロエマルション、およびそれらの組み合わせを含む。非水性製剤は、例えば、非水性ゲル、非水性懸濁液、非水性リポソーム分散液、非水性乳液、非水性マイクロエマルション、およびそれらの組み合わせを含む。様々な形態の鼻用送達システムは、pHを維持するための緩衝液、医薬的に許容される増粘剤、および保湿剤を含むことができる。緩衝液のpHは、鼻粘膜の全体で、治療薬の吸収を最適化するように選択することができる。
非水性鼻用製剤に関して、製剤が哺乳類の鼻腔に送達される際、選択されたpHの範囲が、例えば、鼻粘膜に接触する時にその中で到達されるように、緩衝剤の適切な形は、選択することができる。本発明においては、組成物のpHは、約2.0〜約6.0で維持され得る。組成物のpHが、投与の時に受容体の鼻粘膜に対して顕著な刺激を引き起こさないpHであることが望ましい。
本発明の組成物の粘性は、医薬的に許容される増粘剤を使用して、所望の濃度に維持することができる。本発明によって使用することができる増粘剤として、メチルセルロース、キサンタンゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボマー、ポリビニルアルコール、アルギン酸塩、アカシア、キトサン、およびそれらの組み合わせを含む。増粘剤の濃度は、選択した薬剤および所望の粘性に依存する。そのような薬剤は、上記で議論した粉末製剤において使用することもできる。
本発明の組成物は、粘膜の乾燥を軽減または予防し、その刺激を予防する保湿剤を含むこともできる。本発明において使用することができる適切な保湿剤は、ソルビトール、鉱油、植物油、およびグリセロール、緩和剤、膜調整剤、甘味料、ならびにそれらの組み合わせを含む。本発明における保湿剤の濃度は、選択される薬剤によって異なる。
1つ以上の治療薬は、鼻用送達システム、または本明細書において記載される、任意の他の送達システムに組み込まれ得る。
局所投与に対して製剤化される組成物は、液体または半固体(例えば、ゲル、ローション、乳液、クリーム、軟膏、スプレー、またはエアロゾルを含む)であってもよいか、または「有限」担体、例えば、湿布、生体接着剤、包帯、または救急絆を含む、その形を保持する非敷料と組み合わせて提供され得る。それは、水性または非水性であってもよく、溶液、乳液、分散液、懸濁液、または任意の他の混合物として製剤化され得る。
投与の重要な形態として、皮膚、目または粘膜への局所適用を含む。したがって、典型的な媒体は、体表面への医薬的または化粧用途に適切なものである。本明細書において提供される組成物は、患者の体における様々な部分に局所または限局的に適用され得る。上記のように、局所適用は、例えば、皮膚(外珠皮または被膜)および粘膜(粘膜産生、分泌および/または含有表面)等の接近可能な体表面の組織への適用を指すことを目的とする。例示的な粘膜面は、目、口(唇、舌、歯茎、頬、舌下、および口蓋等)、喉頭、食道、気管支、鼻道、膣、および直腸/肛門の粘膜面を含み、実施形態の一部においては、好ましくは、口、喉頭、食道、膣、および直腸/肛門の粘膜面を含み、他の実施形態においては、好ましくは、目、喉頭、食道、気管支、鼻道、および膣および直腸/肛門の粘膜面を含む。上記のように、本明細書における局所塗布は、例えば、関節、軟組織部(筋肉、腱、靱帯、眼球内、または他の肉質内部等)、または体の他の内部等、体の離れた内部への適用を指す。したがって、本明細書において使用されているように、局所塗布は、体の離れた部分への適用を指す。
本組成物の局所および/または限局投与に関して、望ましい有効性は、例えば、望ましい抗痛覚過敏の鎮痛を提供するために、痛覚過敏部分に実質的に到達する、皮膚および/または組織への本発明の治療薬の浸透を含み得る。本組成物の有効性は、例えば、中枢麻薬性鎮痛薬によって得られるものとほぼ同等であり得る。しかしながら、本明細書において詳細に述べられるように、本発明の治療薬によって得られる有効性は、本発明の治療薬が血液脳関門を通過しないと考えられるため、好ましくは、例えば、呼吸抑制、鎮静状態、および依存症を含む、通常、中枢アヘン剤に関連する好ましくない影響を伴わずに得られる。
また、水性媒体を含む実施形態を含む、ある実施形態においては、組成物は、グリコール、すなわち、2つ以上のヒドロキシ基を含有する化合物を含有し得る。組成物における使用に対して特に有用であり得るグリコールは、プロピレングリコールである。グリコールは、組成物の総重量に基づいて、0より高く約5重量%までの濃度で組成物に含まれ得る。
関節内投与等の局所内部投与に対して、組成物は、等張緩衝液等の水性媒介物中の溶液または懸濁液として製剤化されるか、または内部投与を目的とする生体適合担体または生体接着剤と組み合わされることが好ましい。
例えば、懸濁液、分散、または乳液の形であり得るローションは、1つ以上の化合物の有効濃度を含有する。有効濃度は、有効量を送達するためであることが好ましい。例えば、本発明の化合物は、本明細書において提供される1つ以上の化合物の約0.1〜50%[重量で]以上の濃度で使用することができる。ローションは、例えば、[重量で]1%〜50%の皮膚軟化剤および均衡水、適切な緩衝剤、および上述のような他の薬剤を含有し得る。人の皮膚への適用に適切な、当業者に周知の任意の皮膚軟化剤が使用され得る。これらとして、以下を含む(ただし必ずしも以下のものに限定されない):
(a)鉱油、ペトロラタム、パラフィン、セレシン、オゾケライト、微結晶ワックス、ポリエチレン、およびペルヒドロスクアレンを含む、炭化水素油およびワックス。
(b)ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、水溶性およびアルコール可溶性シリコーン−グリコールコポリマーを含む、シリコーン油。
(c)植物、動物、および海洋源由来のものを含む、トリグリセリド脂肪および油。例として、必ずしも以下のものに限定されないが、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、コーン油、オリーブ油、タラ肝油、アーモンド油、アボカド油、ヤシ油、ごま油、および大豆油を含む。
(d)アセチル化モノグリセリド等のアセトグリセリドエステル。
(e)エトキシル化モノステアリン酸グリセリン等のエトキシル化グリセリド。
(f)10〜20個の炭素原子を有する脂肪酸のアルキルエステル。脂肪酸のメチル、イソプロピル、およびブチルエステルは、本明細書において有用である。例として、必ずしも以下のものに限定されないが、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸イソヘキシル、パルミチン酸イソヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、オレイン酸イソデシル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸デシル、イソステアリン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソヘキシル、アジピン酸ジヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、および乳酸セチルを含む。
(g)10〜20個の炭素原子を有する脂肪酸のアルケニルエステル。それらの例として、必ずしも以下のものに限定されないが、ミリスチン酸オレイル、ステアリン酸オレイル、およびオレイン酸オレイルを含む。
(h)9〜22個の炭素原子を有する脂肪酸。適切な例として、必ずしも以下のものに限定されないが、ペラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノール酸、アラキドン酸、ベヘン酸、およびエルカ酸を含む。
(i)必ずしも以下のものに限定されないが、ラウリル、ミリスチル、セチル、ヘキサデシル、ステアリル、イソステアリル、ヒドロキシステアリル、オレイル、リシノレイル、ベへニル、エルキル、および2−オクチルドデシルアルコール等の10〜22個の炭素原子を有する脂肪アルコール。
(j)1〜50のエチレンオキシド基、または1〜50のプロピレンオキシド基、またはそれらの混合物からそれに付着した、必ずしも以下のものに限定されないが、ラウリル、セチル、ステアリル、イソステアリル、オレイル、およびコレステロールアルコール等の、10〜20個の炭素原子のエトキシル化脂肪アルコール(必ずしもこれらに限定されない)を含む、脂肪アルコールエーテル。
(k)エトキシル化脂肪アルコールの脂肪酸エステル等のエーテル−エステル。
(l)必ずしも以下のものに限定されないが、ラノリン、ラノリン油、ラノリンワックス、ラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸、ラノリン脂肪酸イソプロピル、エトキシル化ラノリン、エトキシル化ラノリンアルコール、エトキシル化コレステロール、プロポキシル化ラノリンアルコール、アセチル化ラノリン、アセチル化ラノリンアルコール、リノール酸ラノリンアルコール、リシノール酸ラノリンアルコール、リシノール酸ラノリンアルコールの酢酸、エトキシル化アルコール−エステルの酢酸、ラノリンの水素化分解、エトキシル化水素化ラノリン、エトキシル化ソルビトールラノリン、および液体および半固体ラノリン吸収基剤を含む、ラノリンおよび誘導体。
(m)必ずしも以下のものに限定されないが、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール[M.W.2000−4000]、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレングリコール、グリセロール、エトキシル化グリセロール、プロポキシル化グリセロール、ソルビトール、エトキシル化ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ポリエチレングリコール[M.W.200−6000]、メトキシポリエチレングリコール350、550、750、2000、5000、ポリ(エチレン酸化物)ホモポリマー[M.W.100,000−5,000,000]、ポリアルキレングリコールおよび誘導体、ヘキシレングリコール(2−メチル−2,4−ペンタンジオール)、1,3−ブチレングリコール、1,2,6,−ヘキサントリオール、エトヘキサンジオールUSP(2−エチル−1,3−ヘキサンジオール)、C15−C18隣接グリコール、およびトリメチルオルプロパンのポリオキシプロピレン誘導体を含む、多価アルコールおよびポリエーテル誘導体。
(n)必ずしも以下のものに限定されないが、エチレングリコールモノおよびジ脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノおよびジ脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール[M.W.200−6000]、モノおよびジ脂肪エステル、プロピレングリコールモノおよびジ脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール2000モノオレエート、ポリプロピレングリコール2000モノステアレート、エトキシル化プロピレングリコールモノステアレート、グリセリルモノおよびジ脂肪酸エステル、ポリグリセロールポリ脂肪酸エステル、エトキシル化モノステアリン酸グリセリン、1,3−ブチレングリコールモノステアレート、1,3−ブチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む、多価アルコールエステル。
(o)必ずしも以下のものに限定されないが、蜜ろう、鯨ろうを含む、ワックスエステル、ミリスチン酸ミリスチル、およびステアリン酸ステアリル、および、必ずしも以下のものに限定されないが、エーテル−エステルの混合物を形成する様々なエチレン酸化物含有量のエトキシル化ソルビトールとの、蜜ろうの反応生成物である、ポリオキシエチレンソルビトール蜜ろうを含む、蜜ろう誘導体。
(p)必ずしも以下のものに限定されないが、カルナバおよびカンデリラワックスを含む、植物ワックス。
(q)レシチンおよび誘導体等のリン脂質。
(r)必ずしも以下のものに限定されないが、コレステロールおよびコレステロール脂肪酸エステルを含む、ステロール。
(s)脂肪酸アミド、エトキシル化脂肪酸アミド、および固体脂肪酸アルカノールアミド等のアミド。
さらにローションは、乳化剤を[重量で]1%〜10%、含むことが好ましく、[重量で]2%〜5%含むことがより好ましい。乳化剤は、非イオン性、アニオン性、またはカチオン性であり得る。十分な非イオン性乳化剤の例として、必ずしも以下のものに限定されないが、10〜20個の炭素原子を有する脂肪アルコール、2〜20モルのエチレン酸化物またはプロピレン酸化物で縮合される10〜20個の炭素原子を有する脂肪アルコール、2〜20モルのエチレン酸化物で縮合されるアルキル鎖における6〜12個の炭素原子を有するアルキルフェノール、エチレン酸化物のモノおよびジ脂肪酸エステル、脂肪酸部分が10〜20個の炭素原子を含有するエチレングリコールのモノおよびジ脂肪酸エステル、ジエチレングリコール、分子量200〜6000のポリエチレングリコール、分子量200〜3000のプロピレングリコール、グリセロール、ソルビトール、ソルビタン、ポリオキシエチレンソルビトール、ポリオキシエチレンソルビタン、および親水性ワックスエステルを含む。適切なアニオン性乳化剤として、必ずしも以下のものに限定されないが、脂肪酸部分が、10〜20個の炭素原子を含有する、脂肪酸石鹸、例えば、ナトリウム、カリウム、およびトリエタノールアミン石鹸を含む。他の適切なアニオン性乳化剤として、必ずしも以下のものに限定されないが、アルカリ金属、アンモニウムまたは置換アンモニウムアルキル硫酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、およびアルキル部分において10〜30個の炭素原子を有するアルキルエトキシエーテルスルホン酸塩を含む。アルキルエトキシエーテルスルホン酸塩は、1〜50のエチレン酸化物単位を含有する。とりわけ、十分なカチオン性乳化剤は、第四級アンモニウム、モルフォリニウム、およびピリジニウム化合物である。前項に記載される特定の皮膚軟化剤は、乳化性も有する。そのような皮膚軟化剤を含有するローションが製剤化される場合、付加的な乳化剤は、組成物に含むことができるが、必要ではない。
ローションのバランスは、水またはC2またはC3アルコール、もしくは水とアルコールの混合物である。ローションは、単に、すべての成分を混合することによって製剤化される。ロペラミド等の化合物は、溶解、または懸濁されるか、そうでなければ、混合物において一様に分散されることが好ましい。
そのようなローションの他の従来の成分が、含まれ得る。そのような1つの添加剤は、組成物の1%〜10重量%の濃度の増粘剤である。適切な増粘剤の例として、必ずしも以下のものに限定されないが、架橋カルボキシポリメエチレンポリマー、エチルセルロース、ポリエチレングリコール、トラガカントゴム、カラヤゴム、キサンタンゴムおよびベントナイト、ヒドロキシエチルセルロース、ならびにヒドロキシプロピルセルロースを含む。
クリームは、治療される組織へ本発明の治療薬の有効量を送達するために有効な濃度、通常、約0.1%、好ましくは、1%〜50%まで、およびそれ以上、好ましくは、約3%〜50%、より好ましくは、約5%〜15%の本発明の治療薬を含有するように製剤化することができる。クリームは、5%〜50%、好ましくは、10%〜25%の皮膚軟化剤も含有し、残りは、水、または等張緩衝液等のその他の適切な非毒性担体である。ローション用の、上述のような皮膚軟化剤は、クリーム組成物において使用することもできる。クリームは、上述のような適切な乳化剤も含み得る。乳化剤は、3%〜50%、5%〜20%の濃度において組成物に含まれることが好ましい。
溶液または懸濁液として製剤化されるこれらの組成物は、皮膚に適用され得るか、またはエアロゾルあるいは発泡体として製剤化され、スプレー式のものとして皮膚に適用され得る。エアロゾル組成物は、通常、[重量で]25%〜80%、好ましくは、30%〜50%の適切な推進剤を含む。そのような推進剤の例として、塩素化、フッ素化、およびクロロフッ素化の分子量が低い炭化水素がある。亜硝酸酸化物、二酸化炭素、ブタン、およびプロパンも、推進剤ガスとして使用される。これらの推進剤は、当業者には明らかであるように、容器の含有量を放出するために適切な量および圧力下で使用される。
適切に調製された溶液および懸濁液は、眼および粘膜に局所的に適用され得る。溶液、特に、眼への使用を目的とするものは、適切な塩を有する、pH約5〜7の、好ましくは、約0.1%、好ましくは、1%以上で50%またはそれ以上の濃度まで、本明細書に記載される1つ以上の化合物を含有する、0.01%〜10%の等張液として製剤化され得る。適切な点眼剤は、周知である[例えば、局所適用に対する点眼洗浄液および溶液の典型的な組成物を記載する、米国特許番号第US5,116,868号を参照]。pHを約7.4に調整したそのような溶液は、例えば、90〜100mMの塩化ナトリウム、4〜6mMのリン酸水素二カリウム、4〜6mMのリン酸水素二ナトリウム、8〜12mMのクエン酸ナトリウム、0.5〜1.5mMの塩化マグネシウム、1.5〜2.5mMの塩化カルシウム、15〜25mMの酢酸ナトリウム、10〜20mMのD.L.−ナトリウム、.β.−ヒドロキシ酪酸塩、および5〜5.5mMのグルコースを含有する。
ゲル組成物は、単に、適切な増粘剤を前述の溶液または懸濁液組成物に混合することで製剤化することができる。適切な増粘剤の例は、ローションに対して前述されている。
ゲル状の組成物は、本発明の治療薬の有効量、通常、本明細書において提供される1つ以上の化合物の約0.1〜50重量%以上の濃度を含有し、前述のような有機溶剤の5%〜75%、好ましくは、10%〜50%、増粘剤の0.5%〜20%、好ましくは、1%〜10%であり、バランスは、例えば、有機液体または担体の混合物等の水、または他の水性あるいは非水性担体である。
製剤は、定常血漿中濃度を作成するように構成および用意することができる。定常血漿濃度は、当業者に周知のHPLC法を使用して測定することができる。定常状態は、薬物可用性の割合が、循環からの薬物脱離の割合と同等である場合に得られる。典型的な医療の場面においては、本発明の治療薬は、定期的な投与計画または一定の注入レジメンのいずれかで患者に投与される。血漿中の薬物濃度は、投与の開始直後に上昇する傾向があり、薬物が、代謝、または排出による、細胞および組織への分配によって、循環から脱離されるにつれて、時間とともに経時的に下がる傾向がある。定常状態は、平均薬物濃度が時間とともに一定になると得られる。間欠投与の場合、薬物濃度の周期パターンは、一定に留まる平均濃度で、各投与間隔において同一に繰り返される。一定注入の場合、平均薬物濃度は、ほとんど変化せずに一定になる。定常状態の達成は、周期が投与間で同一に繰り返されていることが確認できるように、少なくとも1つの周期の投与にわたって血漿中の薬物濃度を測定することによって判断される。通常、間欠投与計画では、定常状態の維持は、次の用量を投与する直前に、周期の継続的トラフにおける薬物濃度を判断することによって確認することができる。濃度の変化が少ない一定注入レジメンでは、定常状態は、薬物濃度の任意の2つの連続測定によって確認することができる。
オピオイド製剤を含有する容器、および本開示の化合物を含有する容器を含むキットが、実施形態に含まれる。キットは、医薬品バイアル、および医薬品希釈剤バイアルを含み得る。希釈剤バイアルは、例えば、化合物の濃縮溶液または凍結乾燥粉末となり得るものを希釈するための生理食塩水等の希釈剤を含有し得る。取扱説明書は、希釈剤の特定の量と濃縮医薬品の特定の量を混合し、注射または注入用の最終製剤を調製するための指示を含むことがある。取扱説明書は、化合物の有効量で患者を治療するための指示を含み得る。当然のことながら、製剤を含有する容器は、容器がボトル、隔壁付きバイアル、隔壁付きアンプル、輸液バッグ等であっても、製剤が加圧滅菌処理されたか、またはそうでなければ消毒された場合に色が変化する、従来のマーキング等の付加的しるしを含有することができる。
「実施例1」
17−アリル−17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−6−ヨウ化オキソモルフィナニウム(D0001)
Figure 2010510329
ナルトレキソン(2.0g、5.86mmol)は、窒素下で、DMF(10mL、無水)に溶解した。ヨウ化アリル(0.5mL、5.18mmol)を添加した。混合物は、室温で4日間撹拌した。DMFを除去した。残基は、10分間、50mLの水で撹拌した。水性溶液は、固体沈殿物から分離し、ジクロロメタン(50mL)で洗浄した。凍結乾燥し、吸湿性固体(1.2g)を得た。この固体の0.2グラムを水(30mL)に溶解した。水溶液のpHは、NaCOによって調整した。この溶液は、ジクロロメタン(2×20mL)で洗浄、凍結乾燥し、黄色固体を得た。この固体は、28mgの、生成物D0001を含有する固体になるまで、逆相カラム(4g、C−18)で精製した。
「実施例2」
17−イソブチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−6−オキソモルフィナニウムトリフラート(D0002)
Figure 2010510329
(i)17−イソブチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシモルフィナン−6−オン(2)
DMF(6ml)中のノルオキシモルホン1(0.574g、2mmol)、ヨウ化イソブチル(0.253ml、2.2mmole)、およびNaHCO(0.184g、2.2mmole)の混合物を、N下で、8時間、90℃まで加熱した。溶剤を蒸発させて乾燥させ、溶離剤として4%NHOH+4%MeOH+エチルアセテートを使用して、カラムクロマトグラフィーによって精製し、0.505g(67%)の生成物2を得た。1H NMRは、複素スペクトルを示したため、マススペクトル{(APCI+):344(M+1)}によって同定し、次のステップを行った。
(ii)17−イソブチル−4,5α−エポキシ−3−ベンジルオキシ−14−ヒドロキシモルフィナン−6−オン(3)
化合物2(560mg、1.63mmol)およびK2CO3(562mg、4.08mmol)は、無水DMF(20mL)中で組み合わせた。臭化ベンジル(0.21mL、1.80mmol)を添加した。得られた混合物は、Nの下、室温で一晩撹拌した。質量分析は、1の完全消費を示した。EtOAc(100mL)を添加した。溶液は、水(3×60mL)およびブライン(60mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ろ過した。ろ液は、蒸発させた。粘着性黄色固体残基をカラムで精製し(溶離剤:ヘキサン中の5〜50%EtOAc)、白色固体として3(510mg、72%)を得た。H NMR(300MHz,CDCl)δppm 7.43−7.50(m,2H)、7.29−7.41(m,3H)、6.72(d,J=8.0Hz,1H)、6.58(d,J=8.3Hz,1H)、5.22(s,1H)、5.18−5.34(m,2H)、4.70(s,1H)、2.88−3.17(m,3H)、2.09−2.66(m,7H)、1.59−1.95(m,4H)、0.95(t,J=6.6Hz,6H)。MS[M+H]:434.2。
(iii)17−イソブチル−4,5α−エポキシ−3−ベンジルオキシ−14−ヒドロキシモルフィナン−6−オンジメチルケタール(4)
化合物3(134mg、0.31mmol)およびHC(OMe)(0.34mL、3.1mmol)は、無水MeOH(10mL)中で組み合わせた。HCl(0.15mL、ジオキサン中の4M、0.6mmol)を添加した。得られた混合物は、Nの下、室温で一晩撹拌した。質量分析は、3の完全消費を示した。NaCO(2M、10mL)を添加した。MeOHを除去し、水性溶液をDCM(3×20mL)で抽出した。DCMの抽出物を組み合わせ、それをNaSO上で乾燥させ、ろ過した。ろ液は、蒸発させた。粘着性黄色固体生成物4(126mg、85%)は、精製せずに次の反応で使用した。MS[M+H]:480.3。
(iv)17−イソブチル−4,5α−エポキシ−3−ベンジルオキシ−14−ヒドロキシ−17−メチル−6オキソ−モルフィナニウムトリフラート(5)
化合物4(126mg、0.263mmol、上記の反応からの粗生成物)は、無水1,2−ジクロロエタン(5mL)に溶解した。メチルトリフラート(DCM中の0.78M、1.68mL、1.31mmol)を添加した。得られた混合物は、N2の下、室温で2日間撹拌した。質量分析は、>60%の変換を示した。反応液は、20gのシリカゲルのカラムに適用、精製し(溶離剤:DCM中の5〜10%MeOH)、白色固体として5(91.6mg、60%)を得た。H NMR(300MHz,メタノール−d)δppm 7.26−7.48(m,5H)、6.90(d,J=8.3Hz,1H)、6.80(d,J=8.3Hz,1H)、5.25(d,J=2.8Hz,2H)、4.94(s,1H)、3.95(d,J=5.0Hz,1H)、3.71(s,3H)、3.60−3.69(m,1H)、3.34−3.55(m,3H)、2.91−3.24(m,5H)、2.34−2.47(m,1H)、2.18−2.29(m,1H)、2.00−2.10(m,1H)、1.64−1.82(m,2H)、1.22(dd,J=12.4,6.6Hz,6H)。MS[M+H]:448.3。
(iv)17−イソブチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−6−オキソモルフィナニウムトリフラート(D0002)
化合物5(91.6mg、0.158mmol)は、MeOH(10mL)で溶解した。Pd/C(92mg、10%、湿潤、0.086mmol)を添加した。得られた混合物は、H2バルーンの下、室温で撹拌した。35分後の質量分析は、出発物質の生成物への完全変換を示した。反応液は、セリットのパッドを通してろ過した。セリットは、MeOH(2×10mL)で洗浄した。ろ液は、蒸発させた。残基は、水に(3mL)溶解し、凍結乾燥させ、白色固体としてD0002(71.6mg、92%)を得た。H NMR(300MHz,DO)δppm 6.77(d,J=8.3Hz,1H)、6.75(d,J=8.5Hz,1H)、4.98(s,1H)、3.98(d,J=5.0Hz,1H)、3.61(s,3H)、3.63(d,J=4.1Hz,1H)、3.27−3.54(m,2H)、2.73−3.21(m,5H)、2.16−2.39(m,2H)、1.97−2.09(m,1H)、1.68−1.83(m,2H)、1.10(dd,J=12.4,6.6Hz,6H)。HPLC純度:100%。MS[M+H]:358.1。
「実施例3」
17−(3,3′−ジメチルアリル)−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−6−ヨウ化オキソモルフィナニウム(D0003)
Figure 2010510329
(i)17−(3,3′−ジメチルアリル)−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−6−臭化オキソモルフィナニウム(1)
5mLのDMF中のノルオキシモルホン(498mg、1eq.)溶液に、重炭酸ナトリウム(160mg、1.1eq.)および臭化アリル(222μL、1.1eq.)を添加した。反応混合物は、90℃で一晩撹拌した。反応混合物は、室温まで冷却し、クロロホルム(20mL)で希釈し、ブラインで洗浄した。水性洗浄物を、クロロホルムで抽出し(3×50mL)、有機物を分離収集した。組み合わせたクロロホルム抽出物は、無水MgSO上で乾燥させ、濃縮した。粗生成物1は、溶離剤としてジクロロメタン−メタノール(98:2)を使用して、シリカカラムクロマトグラフィー(10gのSiO)によって精製し、388mg(63%)の中間化合物1を得た。
(ii)17−(3,3′−ジメチルアリル)−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−6−ヨウ化オキソモルフィナニウム
2mLのDMF中の化合物1の溶液(388mg、1eq.)に、ヨウ化メチル(680μL、10eq.)を添加し、55℃で5日間撹拌した。サンプルは、変換の割合を判断するために、HPLCで分析した。粗反応混合物は、ジクロロメタンと重炭酸ナトリウム溶液(pH>10)との間で分離した。水相は、凍結乾燥させ、溶離剤(勾配溶離)として水−メタノール溶剤混合物を使用して、逆相C−18カラムを通過することによって精製した固体を得て、分取HPLCによって再度精製した白色固体を得て、生成物D0003を得た。
「実施例4および5」
17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−6α−トリフルオロ酢酸メトキシモルフィナニウム(D0004)、および17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−6β−トリフルオロ酢酸メトキシモルフィナニウム(D0005)
Figure 2010510329
(i)17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3−ベンジルオキシ−6,14−ジヒドロキシモルフィナン(2)
以下の化合物D0010−D0013の方法によって調製される化合物1(1.64g、3.8mmol)は、THF(35mL)およびMeOH(35mL)の混合液に溶解し、0℃で撹拌した。NaBH(0.29g、7.63mmol)を添加した。得られた反応液は、1時間撹拌した。水(110mL)を添加し、混合物は、DCM(3×100mL)で抽出した。DCMの抽出物を組み合わせ、それをNaSO上で乾燥させ、ろ過した。ろ液を蒸発させ、残基をカラム(溶離剤:DCM中の3〜10%MeOH)によって精製し、白色発泡体として2(1.39g、84%)を得た。この化合物は、6α−および6β−ヒドロキシル異性体の混合物であるため、複雑な1H NMRを有する。MSは、正確な分子量を示した:[M+H]:434。
(ii)17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3−ベンジルオキシ−14−ヒドロキシ−6−メトキシモルフィナン(3)
化合物2(1.24g、3.8mmol)は、無水THF(50mL)に溶解し、Nの下、室温で撹拌した。MeI(0.66mL、6.86mmol)を添加し、その後、NaH(172mg、鉱油中で60%、4.29mmol)を添加した。得られた反応液は、17時間撹拌した。反応は、水(1.0mL)で急冷し、揮発物を除去した。残基は、カラム(溶離剤:ヘキサン中の50〜100%EtOAc)によって精製し、白色発泡体として3(0.37g、29%)を得た。この化合物は、6α−および6β−メトキシ異性体の混合物であるため、複雑なH NMRを有する。MSは、正確な分子量を示した:[M+H]:448。
(iii)17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3−ベンジルオキシ−14−ヒドロキシ−17−メチル−6−メトキシモルフィナニウムトリフラート(4)
化合物3(0.37g、0.83mmol)は、無水DCM(10mL)に溶解し、Nの下、室温で撹拌した。TfOMe(2.4mL、DCM中の0.69M、1.66mmol)を添加し、得られた溶液を22時間撹拌した。水性NaCO(5mL、2M)を添加し、混合物をDCM(2×20mL)で抽出した。DCMの抽出物を組み合わせ、それをNaSO上で乾燥させ、ろ過した。ろ液は、蒸発させ、残基は、カラム(溶離剤:DCM中の3〜10%MeOH)によって精製し、白色発泡体として4(154mg、30%)を得た。この化合物は、6α−および6β−メトキシ異性体の混合物であるため、複雑な1H NMRを有する。MSは、正確な分子量を示した:[M+H]:462。
(iv)17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−6α−トリフルオロ酢酸メトキシモルフィナニウム(D0004)、および(R)−17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−6β−トリフルオロ酢酸メトキシモルフィナニウム(D0005)
化合物4(150mg、0.25mmol)は、MeOH(10mL)に溶解した。Pd/C(152mg、10%、湿潤、0.141mmol)を添加した。得られた混合物は、Hバルーンの下、室温で撹拌した。2.5時間後の質量分析は、出発物質の生成物への完全変換を示した。反応液は、ろ過した。ろ液は、蒸発させ、残基は、分取HPLCによって精製し、白色発泡体としてD0004(29mg、21%)、および白色発泡体としてD0005(45mg、32%)を得た。
D−0004:H NMR(300MHz,DO)δppm 6.78(d,J=8.3Hz,1H)、6.66(d,J=8.3Hz,1H)、4.91(d,J=5.2Hz,1H)、3.81−4.00(m,3H)、3.57(s,3H)、3.59(d,J=21.0Hz,1H)、3.32(s,3H)、2.96−3.29(m,3H)、2.51−2.82(m,2H)、1.67−1.90(m,2H)、1.54−1.64(m,2H)、1.22−1.39(m,1H)、1.05−1.21(m,1H)、0.64−0.92(m,2H)、0.45−0.59(m,1H)、0.26−0.42(m,1H)。HPLC純度:100%。MS[M+H]:372.2。
D−0005:H NMR(300MHz,DO)δppm 6.80(d,J=8.3Hz,1H)、6.73(d,J=8.3Hz,1H)、4.57(d,J=6.3Hz,1H)、3.84−3.96(m,2H)、3.50−3.65(m,4H)、3.36(s,3H)、3.05−3.29(m,3H)、2.83−3.00(m,1H)、2.48−2.74(m,2H)、1.40−1.91(m,5H)、1.05−1.20(m,1H)、0.77−0.91(m,1H)、0.66−0.77(m,1H)、0.45−0.60(m,1H)、0.25−0.38(m,1H)。HPLC純度:100%。MS[M+H]:372.2。
「実施例6」
17−[(2′−テトラヒドロフリル)メチル]−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−モルフィナニウム−6−オントリフルオロ酢酸(D0006)
Figure 2010510329
(i)17−[(2′−テトラヒドロフリル)メチル]−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシモルフィナン−6−オン(2)
ノルオキシモルホン1(1.0g、3.48mmol)、2−クロロメチルテトラヒドロフラン(1.51mL、13.9mmol)、KI(1.16g、7.0mmol)、およびNaHCO(1.16g、13.9mmol)を、無水DMF(20mL)中で組み合わせ、Nの下、90〜100℃で撹拌した。19時間後の質量分析から、1のほとんどが消費されたことが判明した。反応液は、室温まで冷却し、水(80mL)を添加した。この混合物は、DCM(2×70mL)で抽出した。DCMの抽出物を組み合わせ、それをNaSO上で乾燥させ、ろ過した。ろ液は、蒸発させた。粘着性褐色固体は、カラムクロマトグラフィー(溶離剤:DCM中の0〜5%MeOH)によって精製し、黄色ゴムとして2(1.14、88%)を得た。H NMR(300MHz,CDCl)δppm 6.72(d,J=8.0Hz,1H)、6.60(d,J=8.3Hz,1H)、4.67(s,1H)、3.61−4.34(m,5H)、2.99−3.18(m,2H)、2.51−2.78(m,4H)、2.22−2.50(m,3H)、1.73−2.14(m,7H)、1.46−1.71(m,3H)。MS[M+H]:372.2。
(ii)17−[(2′−テトラヒドロフリル)メチル]−4,5α−エポキシ−3−イソブチルオキシ−14−ヒドロキシモルフィナン−6−オン(3)
化合物2(1.14g、3.08mmol)は、無水DCM(60mL)に溶解し、Nの下、0℃で撹拌した。EtN(iPr)(2.13mL、12.28mmol)を添加し、その後、塩化イソブチリル(0.65mL、6.15mmol)を滴下で添加した。得られた混合物は、室温で4時間撹拌した。水性NaCO(60mL、0.5N)を添加し、混合物は、DCM(2×60mL)で抽出した。DCMの抽出物を組み合わせ、それをNaSO上で乾燥させ、ろ過した。ろ液は、蒸発させた。粘着性褐色固体は、カラム(溶離剤:EtOAc)によって精製し、黄色発泡体として7(202mg、15%)を得た。H NMR(300MHz,CDCl)δppm 6.84(d,J=8.3Hz,1H)、6.69(d,J=8.0Hz,1H)、5.12(s,1H)、4.69(s,1H)、3.97−4.09(m,1H)、3.85−3.95(m,1H)、3.72−3.82(m,1H)、2.21−3.20(m,10H)、1.81−2.12(m,4H)、1.51−1.69(m,6H)、1.33(d,J=7.4Hz,6H)。MS[M+H]:442.2。
(iii)17−[(2′−テトラヒドロフリル)メチル]−4,5α−エポキシ−3−イソブチリルオキシ−14−ヒドロキシ−17−メチル−モルフィナニウム−6−オントリフラート(4)
化合物3(202mg、0.46mmol)は、無水DCM(10mL)に溶解し、Nの下、室温で撹拌した。TfOMe(2.4mL、DCM中の0.69M、1.66mmol)を添加し、得られた溶液は、22時間撹拌した。水性Na2CO3(5mL、2M)を添加し、混合物は、DCM(2×20mL)で抽出した。DCMの抽出物を組み合わせ、それをNaSO上で乾燥させ、ろ過した。ろ液は、蒸発させ、残基は、カラム(溶離剤:DCM中の2〜10%MeOH)によって精製し、白色発泡体として8(113mg、41%)を得た。H NMR(300MHz,CDCl)δppm 6.96(d,J=8.0Hz,1H)、6.82(d,J=8.3Hz,1H)、5.66(s,1H)、4.78(s,1H)、4.64(d,J=3.6Hz,1H)、4.35−4.48(m,1H)、3.99(s,3H)、3.80−3.96(m,2H)、2.79−3.71(m,10H)、2.39−2.51(m,1H)、2.18−2.36(m,2H)、1.92−2.06(m,2H)、1.84(d,J=10.7Hz,1H)、1.52−1.73(m,3H)、1.34(d,J=6.9Hz,6H)。MS[M+H]:456.2。
(iv)17−[(2′−テトラヒドロフリル)メチル]−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−モルフィナニウム−6−オントリフルオロ酢酸(D−0006)
化合物4(112mg、0.185mmol)は、MeOH(10mL)に溶解し、水性HBr(0.4mL、48%)を添加した。得られた溶液は、70℃で2.5時間撹拌した。溶剤は、蒸発させ、残基は、分取HPLCによって精製し、白色発泡体としてD−0006(27mg、26%)を得た。H NMR(300MHz,DO)δppm 6.77(d,J=8.3Hz,1H)、6.70(d,J=8.3Hz,1H)、4.97(s,1H)、4.44−4.56(m,1H)、4.01(d,J=3.9Hz,1H)、3.82(d,J=7.2Hz,3H)、3.68(s,3H)、3.28−3.45(m,3H)、2.74−3.19(m,4H)、2.14−2.28(m,2H)、1.98−2.08(m,1H)、1.66−1.96(m,4H)、1.51−1.65(m,1H)。HPLC純度:100%。MS[M+H]:386.2。
「実施例7」
4,5α−エポキシ−3−ヒドロキシ−(17,14−N,O−エチレン)モルフィナニウム−6−オントリフルオロ酢酸(D−0007)
Figure 2010510329
(i)ノルオキシモルホンジメチルケタール(2)
ノルオキシモルホン1(3.0g、10.4mmol)は、無水MeOH(100mL)中で懸濁した。オルトギ酸トリメチル(3.4mL、31.2mmol)を添加し、その後、HCl(EtO中の2M、15.6mL、31.2mmol)を添加した。得られた混合物は、室温で21時間撹拌した。NaCO(2M、50mL、100mmol)を添加した。10分間撹拌した後、MeOHは、回転蒸発で除去した。水性残基は、水(50mL)で希釈し、DCM(3×60mL)で抽出した。DCMの抽出物を組み合わせ、それをNaSO上で乾燥させ、ろ過した。ろ液は、蒸発させた。白色固体生成物(2.6g、75%)は、精製せずに、次の反応で使用した。MS[M+H]:334.2。
(ii)3−ベンジルオキシ−4,5α−エポキシ−17−(2′−ヒドロキシエチル)モルフィナン−6−オンジメチルケタール(3)
ノルオキシモルホンジメチルケタール2(2.4g、7.2mmol)、2−ヨードエタノール(0.67mL、8.65mmol)、およびNaHCO(0.79g、9.36mmol)を無水DMF(50mL)中で組み合わせ、Nの下、80〜90℃で1時間加熱した。臭化ベンジル(0.97mL、8.65mmol)を添加し、その後、KCO(1.98g、14.4mmol)を添加した。得られた混合物は、2時間撹拌し、室温まで冷却した。KCO(3.80g、27.5mmol)をさらに添加し、撹拌をさらに18時間継続した。臭化ベンジル(0.5mL、4.3mmol)をさらに添加し、反応をさらに24時間継続させた。反応液は、EtOAc(150mL)で希釈し、水(3×80mL)およびブライン(80mL)で洗浄した。NaSO上で乾燥させ、ろ過した。ろ液は、蒸発させ、残基は、カラム(溶離剤:ヘキサン中の30〜100%EtOAc、その後、DCM中の10%MeOH)で精製し、黄色ゴムとして3(0.91g、27%)を得た。H NMR(300MHz,CDCl)δppm 7.28−7.49(m,5H)、6.75(d,J=8.3Hz,1H)、6.53(d,J=8.3Hz,1H)、5.16−5.34(m,2H)、4.59(s,1H)、3.63−3.72(m,2H)、3.38(s,3H)、3.27−3.46(m,1H)、3.17(s,3H)、2.86−3.11(m,4H)、2.52−2.78(m,4H)、2.28−2.42(m,2H)、1.84−1.98(m,1H)、1.36−1.68(m,3H)。MS[M+H]:468.2。
(iii)3−ベンジルオキシ−4,5α−エポキシ−17−(2′−クロロエチル)モルフィナン−6−オンジメチルケタール(4)
モルフィナン3(0.91g、1.95mmol)は、無水DCM(20mL)に溶解し、Nの下、撹拌した。EtN(iPr)(1.06ml、5.85mmol)を添加し、その後、塩化メタンスルホニル(0.17mL、2.15mmol)を添加した。得られた混合物は、室温で1時間撹拌した。DCMは、除去し、残基は、カラム(溶離剤:ヘキサン中の20〜50%EtOAc)で精製し、白色固体として4(454mg、48%)を得た。H NMR(300MHz,CDCl)δppm 7.29−7.50(m,5H)、6.75(d,J=8.3Hz,1H)、6.53(d,J=8.5Hz,1H)、5.15−5.35(m,2H)、5.01(s,1H)、4.62(s,1H)、3.59(br.s.,2H)、3.40(s,3H)、3.08(s,3H)、2.48−3.01(m,6H)、2.25−2.42(m,2H)、1.89−2.03(m,1H)、1.34−1.71(m,4H)。MS[M+H]:486.2。
(iv)3−ベンジルオキシ−4,5α−エポキシ−(17,14−N,O−エチレン)モルフィナン−6−オンジメチルケタール(5)
化合物4(452mg、0.932mmol)およびKI(295mg、1.77mmol)を、無水THF(50mL)中で組み合わせ、Nの下、撹拌した。NaH(123mg、鉱油中の60%、3.08mmol)を添加し、得られた混合物は、還流で7時間加熱した。室温まで冷却した後、水(0.5mL)を添加した。10分間撹拌を継続し、溶剤を除去した。残基は、カラム(溶離剤:DCM中の4〜10%MeOH)によって精製し、白色固体として5(399mg、95%)を得た。H NMR(300MHz,CDCl)δppm 7.28−7.49(m,5H)、6.77(d,J=8.3Hz,1H)、6.56(d,J=8.3Hz,1H)、5.31(s,1H)、5.16−5.34(m,2H)、4.61(s,1H)、3.83−3.92(m,2H)、3.49−3.65(m,2H)、3.39(s,3H)、3.01−3.03(m,3H)、2.93−3.19(m,3H)、2.50−2.70(m,2H)、1.86−2.00(m,1H)、1.58−1.70(m,1H)、1.37−1.57(m,2H)、1.15−1.28(m,1H)。MS[M+H]:450.2。
(v)3−ベンジルオキシ−17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−(17,14−N,O−エチレン)モルフィナニウム−6−オンジメチルケタール(6)
化合物5(124mg、0.276mmol)は、無水DMF(5mL)に溶解し、Nの下、撹拌した。KI(137mg、0.828mmol)を添加し、その後、臭化シクロプロピルメチル(0.134mL、1.38mmol)を添加した。得られた混合物は、80〜90℃で18時間加熱した。臭化シクロプロピルメチル(0.10mL、1.03mmol)をさらに添加し、反応をさらに24時間継続させた。反応液は、濃縮し、残基は、カラム(溶離剤:DCM中の5〜10%MeOH)によって精製し、黄色固体として6(123mg、75%)を得た。H NMR(300MHz,DMSO−d)δppm 7.95(s,1H)、7.28−7.44(m,5H)、6.92(d,J=8.5Hz,1H)、6.68(d,J=8.5Hz,1H)、5.11(s、2H)、4.99(s,1H)、4.71(d,J=5.0Hz,1H)、4.62(d,J=6.6Hz,1H)、3.86−4.27(m,3H)、3.45(s,3H)、3.28−3.76(m,4H)、3.13−3.27(m,1H)、2.21−2.33(m,1H)、1.74−1.93(m,2H)、1.12−1.40(m,4H)、0.73(d,J=8.0Hz,2H)、0.48(d,J=2.2Hz,2H)。MS[M+H]:504.3。
(vi)(S)−17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3−ヒドロキシ−(17,14−N,O−エチレン)モルフィナニウム−6−オントリフルオロ酢酸(D0007)
化合物6(121mg、0.21mmol)は、TFA(5mL)に溶解し、60〜70℃で4.5時間加熱した。TFAは、除去した。褐色固体の残基は、他の反応からの粗生成物(67mgの2)を組み合わせ、分取HPLCによって精製し、白色発泡体としてD0007(71mg、TFA塩、46%)を得た。H NMR(300MHz,DO)δppm 6.79(d,J=8.3Hz,1H)、6.72(d,J=8.5Hz,1H)、5.06(s,1H)、4.64(d,J=5.5Hz,1H)、4.27−4.41(m,1H)、4.09−4.27(m,2H)、3.88−4.04(m,1H)、3.45−3.75(m,3H)、3.12−3.29(m,2H)、2.92−3.10(m,3H)、2.09−2.29(m,2H)、1.80(d,J=9.6Hz,1H)、1.50−1.68(m,1H)、1.06−1.23(m,1H)、0.69−0.89(m,2H)、0.35−0.55(m,2H)。HPLC純度:100%。MS[M+H]:368.1。
「実施例8〜11」

17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチルモルフィナニウムトリフラート(18)(D0008)、17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3−ヒドロキシ−17−メチル−14−(3−フェニルプロピルオキシ)モルフィナニウムトリフラート(21)(D0009)、17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3−ヒドロキシ−17−メチル−14−プロピルオキシモルフィナニウムトリフラート(20)(D0010)、および17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3−ヒドロキシ−14−メトキシ−17−メチルモルフィナニウムトリフラート(19)(D0011)
Figure 2010510329
17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシモルフィナン誘導体の3−O−ベンジル化に対する一般方法
の下におけるDMF(2mL/mmol)中の3−ヒドロキシ化合物(1eq.)の溶液に、KCO(1.3eq.)を添加し、その後、臭化ベンジル(1.1eq.)を添加し、得られた混合物を20時間撹拌した。反応混合物は、水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。組み合わされた有機物は、MgSO上で乾燥させ、濃縮した結果、個別の場合において記載されるように、さらに処理された粗3−O−ベンジル誘導体が得られた。
3−ベンジルオキシ−17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−14−ヒドロキシモルフィナン誘導体の14−O−アルキル化に対する一般方法
NaH(3eq.、鉱油中の60%の懸濁液)は、Nの下、DMF中の3−ベンジルオキシ−17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−14−ヒドロキシモルフィナン誘導体(1eq.)の溶液に添加した。20分後、ハロゲン化アルキル/アルキル硫酸塩を加え(1.3eq.)、得られた混合物は、室温で2〜5時間撹拌した。余分なNaHは、氷を加えることによって破壊した。水を添加し、反応混合物は、ジクロロメタンで抽出した。有機物は、分離収集し、乾燥(MgSO4)、蒸発させ、必要な際に精製するか、またはさらにそのようなものとして使用された粗生成物を得た。
水素化に対する一般方法:
10〜50モル%のパラジウム触媒(炭素上の10%Pd、湿潤50%)は、メタノールまたはメタノール−THF混合物(1:1)中の化合物の溶液に添加し、室温で、1気圧で、2〜3時間水素化した。触媒は、ろ過し、ろ液は、蒸発させ、次のステップのためにさらに精製せずに、そのようなものとして使用された粗生成物を得た。
17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチルモルフィナニウムトリフラート(18)(D0008)
3−ベンジルオキシ−14−シンナミルオキシ−17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシモルフィナン6は、一般方法に記載されるように、臭化シンナミルおよびNaHで処理することによって、3−ベンジルオキシ−17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−14−ヒドロキシモルフィナン3から合成した(収率=62%)。
H NMR(301MHz,クロロホルム−d)δppm 7.38−7.46(m,5H)、6.73(d,J=8.3Hz,1H)、6.66(d,J=16Hz,1H)、6.54(d,J=8.0Hz,1H)、6.29−6.47(m,1H)、5.16(dd,J=15.7,12.1Hz,2H)、4.78(t,J=7.4Hz,1H)、4.38(dd,J=5.0,1.4Hz,1H)、4.34(dd,J=5.5,1.7Hz,1H)、3.94−4.05(m,1H)、3.44(d,J=5.0Hz,1H)、3.11(d,J=18.4Hz,1H)、2.63−2.77(m,1H)、2.47−2.62(m,1H)、2.43(d,J=5.5Hz,1H)、2.31−2.39(m,5H)、2.05−2.22(m,4H)、1.68−1.77(m,2H)、1.30−1.39(m,1H)、0.99−1.17(m,1H)、0.76−0.91(m,1H)、0.34−0.59(m,2H)、0.13(d,J=5.0Hz,2H);APCI[M+H]534.3。
(ii)3−ベンジルオキシ−17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−14−ヒドロキシモルフィナン
ジクロロメタン中の3−ベンジルオキシ−14−シンナミルオキシ−17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシモルフィナン6(1eq.)の溶液は、メチルトリフラート(ジクロロメタン中の3eq.の0.69M溶液)を使用して、室温で36時間処理した。溶剤は、蒸発させ、残基は、シリカカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製し、3−ベンジルオキシ−17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−14−ヒドロキシモルフィナン14(MeOTfは、14−O−シンナミルエーテルを開裂する)を得た(95%)。
H NMR(301MHz,クロロホルム−d)δppm 7.30−7.39(m,5H)、6.84(d,J=8.25Hz,1H)、6.67(d,J=8.25.0Hz,1H)、5.16(s,2H)、4.78(t,J=7.4Hz,1H)、4.69(br.s.1H)、4.25(d,J=3.3Hz,1H)、4.79(m,4H)、3.36−3.47(m,2H)、3.10−3.22(m,2H)、2.59−2.88(m,3H)、2.11−2.16(m,1H)、1.64(d,J=13.17Hz,1H)、1.15−1.39(m,5H)、0.82−0.877(m,2H)、0.59−0.62(m,1H)、0.36−0.41(m,1H)APCI[M+H]432.3。
17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチルモルフィナニウムトリフラート(18)(D0008)
一般方法に記載されるように、14の水素化によって、収率98%で表題化合物D0008を得た。
H NMR(301MHz,重水)δppm 6.82(d,J=8.3Hz,1H)、6.77(d,J=8.0Hz,1H)、4.85(t,J=7.4Hz,1H)、3.80−4.02(m,2H)、3.53−3.66(m,4H)、3.12−3.34(m,3H)、2.90−3.04(m,1H)、2.63−2.74(m,1H)、2.44−2.62(m,1H)、2.06−2.20(m,1H)、1.54−1.75(m,2H)、1.35−1.50(m,2H)、1.07−1.25(m,2H)、0.68−0.93(m,2H)、0.49−0.61(m,1H)、0.30−0.40(m,1H);APCI[M+H]342.2;HPLC(0.1%TFAとともに、85/15の水/メタノール)RT=5.49分。
17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3−ヒドロキシ−17−メチル−14−(3−フェニルプロピルオキシ)モルフィナニウムトリフラート(21)(D0009)
(i)17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3−ヒドロキシ−14−(3−フェニルプロピルオキシ)モルフィナン
3−ベンジルオキシ−14−シンナミルオキシ−17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシモルフィナン(6)は、一般方法に記載されるように水素化し、定量的収率で、17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3−ヒドロキシ−14−(3−フェニルプロピルオキシ)モルフィナン(9)を得た。
1H NMR(301MHz,クロロホルム−d)δppm 6.99−7.44(m,5H)、6.70(d,J=8.0Hz,1H)、6.55(d,J=8.0Hz,1H)、4.75(t,J=7.4Hz,1H)、3.59−3.70(m,2H)、3.22−3.45(m,2H)、3.09(d,J=17.9Hz,1H)、2.78(t,J=8.0、7.4Hz,2H)、2.47−2.73(m,4H)、2.27−2.43(m,4H)、2.04−2.19(m,1H)、1.89−2.02(m,2H)、1.69(d,J=12.9Hz,1H)、1.19−1.35(m,2H)、0.93−1.13(m,1H)、0.68−0.85(m,1H)、0.42−0.44(m,2H)、0.04−0.17(m,2H);APCI[M+H]446.3。
(ii)3−ベンジルオキシ−17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−14−(3−フェニルプロピルオキシ)モルフィナン
の下、DMF中の9の溶液は、KCOおよび臭化ベンジルを使用して、室温で20時間処理した。反応混合物は、水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。組み合わされた有機物は、MgSO上で乾燥させ、溶剤を濃縮し、溶離剤としてヘキサン/エチルアセテートを使用して、シリカカラムクロマトグラフィーによって精製した後、3−ベンジルオキシ−17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−14−(3−フェニルプロピルオキシ)モルフィナン13が、収率68%で得られた。
H NMR(301MHz,クロロホルム−d)δppm 7.11−7.55(m,10H)、6.72(d,J=7.4Hz,1H)、6.52(d,J=8.0Hz,1H)、5.15(m,2H)、4.72(t,J=7.7Hz,1H)、3.54−3.67(m,1H)、3.35(d,J=4.7Hz,1H)、3.23−3.31(m,1H)、3.07(d,J=18.4Hz,1H)、2.78(t,J=7.7Hz,2H)、2.65(dd,J=11.6,4.7Hz,1H)、2.44−2.59(m,1H)、2.25−2.41(m,2H)、2.00−2.20(m,2H)、1.82−1.98(m,2H)、1.61−1.74(m,2H)、1.15−1.45(m,4H)、0.93−1.11(m,0H)、0.63−0.80(m,1H)、0.39−0.52(m,2H)、0.02−0.10(m,2H);APCI[M+H]536.2。
(iii)3−ベンジルオキシ−17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−17−メチル−14−(3−フェニルプロピルオキシ)モルフィナニウムトリフラート
ジクロロメタン中の13(1eq.)の溶液は、メチルトリフラート(ジクロロメタン中の3eq.の0.69M溶液)で、N2雰囲気下、室温で17時間処理した。溶剤は、蒸発させ、粗生成物は、分取TLC(1000マイクロプレート、溶離剤MeOH/DCM、5/95)によって精製し、白色固体として、55%の3−ベンジルオキシ−17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−17−メチル−14−(3−フェニルプロピルオキシ)モルフィナニウムトリフラート(17)を得た。
H NMR(301MHz,クロロホルム−d)δppm 7.16−7.48(m,10H)、6.84(d,J=8.5Hz,1H)、6.68(d,J=8.0Hz,1H)、5.16(s,2H)、4.66(t,t,J=8.0,7.4Hz,1H)、4.50(s,1H)、3.69−3.85(m,2H)、3.63(s,3H)、3.42−3.58(m,2H)、3.20−3.38(m,2H)、2.91−3.16(m,2H)、2.69−2.91(m,2H)、2.44−2.64(m,1H)、1.89−2.25(m,5H)、1.58−1.72(m,1H)、1.32(m,2H)、0.99−1.27(m,2H)、0.77−0.99(m,2H)、0.48−0.65(m,2H);APCI[M+H]550.4。
(iv)17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3−ヒドロキシ−17−メチル−14−(3−フェニルプロピルオキシ)モルフィナニウムトリフラート
17のメタノール溶液は、一般方法に記載されるように水素化し、定量的収率で、表題化合物21、D0009を得た。
H NMR(301MHz,クロロホルム−d)δppm 9.37(s,1H)、7.04−7.41(m,5H)、6.42−6.92(m,2H)、4.66(t,J=8.0,7.4Hz,1H)、4.27−4.32(m,1H)、3.70−3.84(m,1H)、3.51−3.65(m,2H)、3.46(s,3H)、3.39(d,J=1.9Hz,1H)、3.14−3.26(m,1H)、2.80−3.01(m,3H)、2.62−2.80(m,4H)、1.78−2.19(m,4H)、1.47(d,J=14.0Hz,1H)、0.98−1.31(m,4H)、0.45−0.88(m,2H)、0.14−0.42(m,1H);APCI[M+H]460.3;HPLC(0.1%TFAとともに、40/60の水/メタノール)R=4.50分。
17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3−ヒドロキシ−17−メチル−14−プロピルオキシモルフィナニウムトリフラート(20)(D0010)
(i)14−アリルオキシ−3−ベンジルオキシ−17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−17−メチルモルフィナン
ジクロロメタン中の14−アリルオキシ−3−ベンジルオキシ−17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシモルフィナン5(1eq.)の溶液は、メチルトリフラート(ジクロロメタン中の3eq.の0.69M溶液)を使用して、室温で17時間処理した。溶剤は蒸発させ、残基はシリカカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製した後、NMRによってわずかに不純であり、次のステップのためにそのようなものとして使用された、14−アリルオキシ−3−ベンジルオキシ−17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−17−メチルモルフィナン16を収率76%で得た。
H NMR(301MHz,クロロホルム−d)δppm 7.26−7.46(m,5H)、6.84(d,J=8.3Hz,1H)、6.69(d,J=8.3Hz,1H)、5.82−6.03(m,1H)、5.38(d,J=17.1Hz,1H)、5.21(d,J=10.5Hz,1H)、5.11(s,2H)、4.78(d,J=8.1Hz,1H)、4.58(br.s.,1H)、4.14−4.30(m,1H)、3.97−4.10(m,1H)、3.73(dd,1H)、3.59(s,3H)、3.55(br.s.,1H)、3.47(d,J=5.2Hz,1H)、3.34(d,J=10.7Hz,1H)、3.10(dd,J=20.4,3.6Hz,1H)、2.61−2.99(m,2H)、2.05−2.29(m,2H)、1.68(d,J=13.5Hz,1H)、1.33−1.49(m,3H)、1.14−1.29(m,2H)、0.71−1.01(m,2H)、0.25−0.66(m,2H);APCI[M+H]472.3。
(ii)17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3−ヒドロキシ−17−メチル−14−プロピルオキシモルフィナニウムトリフラート(20)(D0010)
16の水素化は、一般方法に記載されるように行った。粗生成物は、0.1%TFAとともに、メタノール/水(30/70)を使用して、分取HPLCカラムで精製し、白色固体として表題化合物D0010を得た(32%)。
H NMR(301MHz,メタノール−d)δppm 6.63−6.82(m,2H)、4.74(t,J=8.3,7.7Hz,1H)、4.29(d,J=3.6Hz,1H)、3.88(dd,J=14.0,3.9Hz,1H)、3.64(d,J=1.4Hz,1H)、3.61(s,3H)、3.52−3.58(m,2H)、3.40−3.48(m,1H)、3.04−3.12(m,3H)、2.95−3.04(m,1H)、2.68−2.81(m,2H)、2.12−2.25(m,1H)、2.02−2.11(m,1H)、1.62−1.78(m,2H)、1.48−1.56(m,1H)、1.41−1.47(m,1H)、1.20−1.34(m,2H)、1.03(t,J=7.4Hz,3H)、0.87−0.99(m,1H)、0.76−0.88(m,1H)、0.59−0.69(m,1H)、0.37−0.48(m,1H);APCI[M+H]384.3;HPLC(0.1%TFAとともに、50/50の水/メタノール)R=4.30分。
17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3−ヒドロキシ−14−メトキシ−17−メチルモルフィナニウムトリフラート(19)(D0011)
(i)3−ヒドロキシ−17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−14−ヒドロキシモルフィナン(2)
ジエチレングリコール(55mL)中のナルトレキソン塩酸塩(1.HCl、10g、1eq.)の溶液に、ヒドラジン水和物(98%、8mL)および水酸化カリウム(28g、30eq.)を添加し、混合物は、100℃で1時間、165℃で3時間加熱した。反応混合物は、冷却し、水(150mL)で希釈し、濃縮HClでpH6まで酸性にし、その後、固体NaHCOでpH10まで酸性にし、メタノール:ジクロロメタン(1:9)(2×200mL)で抽出した。組み合わされた有機物は、MgSO上で乾燥、濃縮し、褐色残基を得た。粗生成物は、ヘキサン/酢酸エチル/トリエチルアミン;50/45/5を使用して、カラムクロマトグラフィーによって精製し、白色固体として、4.5g(35%)の17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシモルフィナン2を得た。
H NMR(301MHz,クロロホルム−d)δppm 6.69(d,J=8.0Hz,1H)、6.51−6.62(d,J=8.0Hz,1H)、5.13(br.s.,1H)、4.73(t,J=8.22Hz,1H)、2.95−3.08(m,2H)、2.54−2.70(m,2H)、2.31−2.41(m,2H)、2.06−2.27(m,2H)、1.77(tt、J=12.9,3.0Hz,1H)、1.35−1.57(m,2H)、1.13−1.35(m,2H)、0.74−0.94(m,1H)、0.45−0.59(m,2H)、0.41−0.70(m,2H)、0.07−0.23(m,2H);APCI[M+H]328.2。
(ii)3−ベンジルオキシ−17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−14−ヒドロキシモルフィナン(3):
の下、DMF(10mL)中の2(0.991g、1eq.)の溶液は、一般方法に記載されるように、KCOおよび臭化ベンジルで処理した。混合物は、20時間撹拌した。反応混合物は、水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。組み合わされた有機物は、MgSO上で乾燥させ、溶剤は濃縮し、さらなる精製をせずに、次のステップで使用された、1.2g(95%)の表題化合物3を得た。
H NMR(301MHz,クロロホルム−d)δppm 7.29−7.47(m,5H)、6.75(d,J=8.3Hz,1H)、6.56(d,J=8.0Hz,1H)、5.17(dd,J=26.4,12.4Hz,2H)、5.08(s,1H)、4.73(t,J=8.0Hz,1H)、2.94−3.12(m,2H)、2.51−2.73(m,2H)、2.36(d,J=6.6Hz,2H)、2.03−2.28(m,3H)、1.67−1.99(m,1H)、1.10−1.65(m,5H)、0.72−0.92(m,1H)、0.53(d,J=7.7Hz,2H)、0.00−0.26(m,2H);APCI[M+H]418.3。
(iii)17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3−ヒドロキシ−14−メトキシ−17−メチルモルフィナン
ジクロロメタン中の3−ベンジルオキシ−17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−14−メトキシモルフィナン(4)(1eq.)の溶液は、メチルトリフラート(ジクロロメタン中の3eq.の0.69M溶液)を使用して、室温で17時間処理した。溶剤は蒸発させ、残基はシリカカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製し、17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3−ヒドロキシ−14−メトキシ−17−メチルモルフィナン15を収率90%で得た。
H NMR(301MHz,クロロホルム−d)δppm 7.21−7.42(m,5H)、6.83(d,J=8.3Hz,1H)、6.68(d,J=8.3Hz,1H)、5.14(dd,J=14.0,12.1Hz,2H)、4.72(t,J=8.0Hz,1H)、4.45(d,J=2.5Hz,1H)、3.72(dd,J=13.5,4.1Hz,1H)、3.60(s,3H)、3.49(d,J=20.4Hz,1H)、3.32−3.39(m,2H)、3.25(s,1H)、2.96−3.15(m,2H)、2.56−2.73(m,2H)、2.30−2.51(m,1H)、2.05−2.25(m,3H)、1.54−1.66(m,1H)、1.24−1.49(m,3H)、0.88−1.01(m,1H)、0.69−0.85(m,1H)、0.38−0.67(m,2H);APCI[M+H]446.2。
(iv)17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3−ヒドロキシ−14−メトキシ−17−メチルモルフィナニウムトリフラート(19)(D0011)
15の水素化は、一般方法に記載されるように行った。粗生成物は、0.1%TFAとともに、メタノール/水(35/85)を使用して、分取HPLCカラムで精製し、白色固体として、表題化合物D0011を得た(77%)。
H NMR(301MHz,重水)δppm 6.79(d,J=8.3Hz,1H)、6.71(d,J=8.3Hz,1H)、4.80(t,J=8.3Hz,1H)、4.24(d,J=3.6Hz,1H)、3.79−3.97(m,1H)、3.59(d,J=19.8Hz,1H)、3.49(s,3H)、3.26(s,3H)、3.12−3.22(m,1H)、2.82−3.09(m,2H)、2.49−2.71(m,2H)、2.02−2.22(m,1H)、1.94(d,J=14.0Hz,1H)、1.59(dd,J=14.9,3.3Hz,1H)、1.31−1.45(m,2H)、1.04−1.25(m,3H)、0.63−0.92(m,2H)、0.46−0.59(m,1H)、0.18−0.43(m,1H);APCI[M+H]356.3;HPLC(0.1%TFAとともに、75/25の水/メタノール)R=5.20分。
実施形態に関する声明
本発明は、実施例に関して説明されてきたが、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の精神または範囲を逸脱することなく、様々な変更および/または修正を本発明に加えることができることを、当業者は容易に理解するであろう。引用されるすべての文書は、付加的または代替的な詳細、特性および/または技術的背景の教示のために、必要に応じて、本明細書に参照によって組み込まれる。

Claims (32)

  1. 式I(e)を有する化合物、
    Figure 2010510329
    もしくはその医薬的に許容される塩形態、多形体、またはプロドラッグ。
    式(e)中、RおよびRは、独立してH、OH、OR29、ハロゲン化物、シリル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルキル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルケニル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルキニル;
    0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
    0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
    0−3R20で置換されるアリールであるか、
    またはRおよびRは結合して、C−C炭素環縮合環、ベンゾ縮合環、または5〜6員ヘテロアリール縮合環を形成し、
    は、H、シリル、CO19、SO19、B(OR19
    0−3R19で置換される(C−C)アルキル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルケニル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルキニル;
    0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
    0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
    0−3R20で置換されるアリールであり、
    は、H、OH、OR29
    0−3R19で置換される(C−C)アルキル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルケニル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルキニル;
    0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
    0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
    0−3R20で置換されるアリールであり、
    は、H、=O、N(CH、=(R19)(R19′)、=(0−3R20で置換されるヘテロ環)、=(0−3R20で置換されるC−C環)、または任意の環状環であり、
    は、H、OH、OR29
    0−3R19で置換される(C−C20)アルキル;
    0−3R19で置換される(C−C20)アルケニル;
    0−3R19で置換される(C−C20)アルキニル;
    0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
    0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
    0−3R20で置換されるアリールであるか、
    またはRおよびRは結合して、O−縮合環、C−C炭素環縮合環、ベンゾ縮合環、0−3R20を有する5、6、または5〜6員アリール、またはヘテロアリール縮合環を形成し、
    は、H、OH、OR29、0−3R20を有するヘテロ環、0−3R20を有するアルキルアリール、0−3R20を有するアリールアルキル、
    Figure 2010510329

    (式中、Xは、結合、=O、O、S、N(R29)、SO、SO、SON(R29)、CON(R29)、N(R29)CON(R29′)、N(R29)C(=NR29′)N(R29′′)、COOである。)、
    0−3R19で置換される(C−C8)アルキル;
    0−3R19で置換される(C−C8)アルケニル;
    0−3R19で置換される(C−C8)アルキニル;
    0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
    0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
    0−3R20で置換されるアリールであり、
    14は、H、OH、ハロゲン化物、0−3R20を有するヘテロ環、0−3R20を有するアルキルアリール、0−3R20を有するアリールアルキルであり、
    Figure 2010510329
    (式中、Xは、結合、=O、O、S、N(R29)、SO、SO、SON(R29)、CON(R29)、N(R29)CON(R29′)、N(R29)C(=NR29′)N(R29′′)、COOである。)、
    0−3R19で置換される(C−C8)アルキル;
    0−3R19で置換される(C−C8)アルケニル;
    0−3R19で置換される(C−C8)アルキニル;
    0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
    0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
    0−3R20で置換されるアリール;アリールオキシ、アシルオキシ、
    または、O−縮合環またはC−C炭素環縮合環を形成するようにR18と結合するか、またはR=環状環、またはRとともに環状環を形成する場合、さらにアルコキシまたはアリールオキシであってもよく、
    が=Oの場合、R14は、
    0−3R19で置換される(C−C8)アルキル;
    0−3R19で置換される(C−C8)アルケニル;
    0−3R19で置換される(C−C8)アルキニル;
    0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
    0−3R20で置換される(C−C10)炭素環ではなく、
    17は、0−3R20を有するヘテロ環、0−3R20を有するアルキルアリール、0−3R20を有するアリールアルキルであり、
    Figure 2010510329
    (式中、Xは、結合、=O、O、S、N(R29)、SO、SO、SON(R29)、CON(R29)、N(R29)CON(R29′)、N(R29)C(=NR29′)N(R29′′)、COOである。)、
    0−3R25で置換される(C−C20)アルキル;
    0−3R25で置換される(C−C20)アルケニル;
    0−3R25で置換される(C−C20)アルキニル;
    0−3R26で置換される(C−C10)シクロアルキル;
    0−3R26で置換される(C−C10)炭素環;
    0−3R26で置換されるアリールであり、
    18は、0−3R27で置換される(C−C)アルキル;
    0−3R27で置換される(C−C)アルケニル;
    0−3R27で置換される(C−C)アルキニルであり、
    19は、各発生時に、
    H、0−3R20で置換されるアリール、C−Cアルキル、CF、OR24、Cl、F、Br、I、=O、CN、NO、NR2223
    0−3R21で置換されるC−C10炭素環;
    0−3R21で置換されるアリール;または
    窒素、酸素、および硫黄より選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜10員ヘテロ環であって、前記5〜10員ヘテロ環は、0−3R21で置換される、5〜10員ヘテロ環、
    より独立して選択され、
    20は、各発生時に、H、OH、Cl、F、Br、I、CN、NO、NR2223、アセチル、OR25、XR25
    −Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルキル、
    −Cハロアルコキシ、およびC−Cハロアルキル−S−より独立して選択され、
    21は、各発生時に、H、OH、Cl、F、Br、I、CN、NO、NR2223、CF、アセチル、OR25、XR25
    −Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルキル、
    −Cハロアルコキシ、およびC−Cハロアルキル−S−より独立して選択されるか、または
    NR2223は、ピペリジニル、ホモピペリジニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、およびモルホリニルの基より選択される複素環であってもよく、
    22は、各発生時に、H、C−Cアルキル、C−C10アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、アルキルアリール、アリールアルキル、
    (C−Cアルキル)−C(=O)−、および(C−Cアルキル)−S(=O)−より独立して選択され、
    23は、各発生時に、
    H、(C−C)アルキル、C−C10アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、アルキルアリール、ハロアルキル、およびアリールアルキル、
    (C−Cアルキル)−C(=O)−、および(C−Cアルキル)−S(=O)−より独立して選択され、
    22およびR23はさらに結合して、0−3R20を有する5、6、5〜6員環を形成してもよく、
    24は、各発生時に、H、フェニル、ベンジル、(C−C)アルキル、ハロアルキル、および(C−C)アルコキシアルキルより独立して選択され、
    25は、各発生時に、
    H、C−Cアルキル、ハロアルキル、OR24、=O、CN、NO、NR2728
    0−3R27で置換されるC−C10炭素環;
    0−3R27で置換されるアリール;または
    窒素、酸素より選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜10員ヘテロ環であって、前記5〜10員ヘテロ環は、0−3R27で置換される、5〜10員ヘテロ環、
    より独立して選択され、
    26は、各発生時に、
    H、(C−C)アルキル、ベンジル、フェニル、フェネチル、(C−Cアルキル)−C(=O)−
    より独立して選択され、
    27は、各発生時に、
    −OH、−OR28、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ
    より独立して選択され、
    28は、各発生時に、
    −Cアルキル;(C−Cアルキル)−C(=O)−、および(C−Cアルキル)−S(=O)
    より独立して選択され、
    29は、各発生時に、
    H、C−Cアルキル、CF、アシル(C−C)アルキル;
    0−3R21で置換されるアシルアリール;
    0−3R21で置換されるC−C10炭素環;
    0−3R21で置換されるアラルキル;
    窒素、酸素、および硫黄より選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜10員ヘテロ環であって、前記5〜10員ヘテロ環は、0−3R21で置換されるか、または0−3R20で置換されるアリールである、5〜10員ヘテロ環、
    より独立して選択され、
    は、アニオンである。
  2. 式Iを有する化合物、
    Figure 2010510329
    もしくはその医薬的に許容される塩形態、多形体、またはプロドラッグ。
    式I中、
    17およびR18は、(a)または(b)より、代替的に互いに対して選択され、
    (a)非置換または非ハロゲン置換:C4−C20(シクロアルキル)アルキルまたは(シクロアルケニル)アルキル、(シクロヘテリル)アルキル、(シクロアリール)アルキル;C4−C10(シクロアルキル)アルキルまたは(シクロアルケニル)アルキル、(シクロヘテリル)アルキル、(シクロアリール)アルキル、
    (b)置換または非置換直鎖または分岐鎖のC1−C3アルキル、C2−C3アルケニル、またはC3アルキニルであって、
    (b)がメチルとして選択され、以下のRが=Oとして選択される場合、
    (a)は、非置換(シクロプロピル)メチルではなく、
    は、O、=CH、−N(CH、または任意の環状環であるか、またはRとともに環状環を形成し、
    およびRは、Hまたはアルキルであり、
    14は、OH、ハロゲン化物、アミド、アミノであるか、R18とともに環状環を形成し、R=環状環であるか、Rとともに環状環を形成する場合、さらにアルコキシまたはアリールオキシであってもよく、Rが、=Oではない場合、R14は、アルコキシまたはアリールオキシであってもよく、
    およびRは、独立してH、ハロゲン化物、アルコキシ、アルキル、またはアリールであり、
    は、H、C1−C4アルキル、またはC1−C3アシル、−シリルであり、
    は、H、OH、アルキル、アルコキシ、またはアリールオキシであり、
    は、アニオンである。
  3. 式I(a)を有する化合物、
    Figure 2010510329
    もしくはその医薬的に許容される塩形態、多形体、またはプロドラッグ。
    式I(a)中、RおよびRは、独立してH、OH、OR29、ハロゲン化物、シリル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルキル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルケニル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルキニル;
    0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
    0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
    0−3R20で置換されるアリールであるか、
    またはRおよびRは結合して、C−C炭素環縮合環、ベンゾ縮合環、または5〜6員ヘテロアリール縮合環を形成し、
    は、H、シリル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルキル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルケニル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルキニル;
    0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
    0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
    0−3R20で置換されるアリールであり、
    は、H、OH、OR29
    0−3R19で置換される(C−C)アルキル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルケニル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルキニル;
    0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
    0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
    0−3R20で置換されるアリールであり、
    は、H、=O、N(CH、または任意の環状環であり、
    は、H、OH、OR29
    0−3R19で置換される(C−C20)アルキル;
    0−3R19で置換される(C−C20)アルケニル;
    0−3R19で置換される(C−C20)アルキニル;
    0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
    0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
    0−3R20で置換されるアリールであるか、
    またはRおよびRは結合して、O−縮合環、C−C炭素環縮合環、ベンゾ縮合環、または5〜6員ヘテロアリール縮合環を形成し、
    は、H、OH、OR29
    0−3R19で置換される(C−C)アルキル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルケニル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルキニル;
    0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
    0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
    0−3R20で置換されるアリールであり、
    14は、H、OH、ハロゲン化物、
    0−3R19で置換される(C−C)アルキル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルケニル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルキニル;
    0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
    0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
    0−3R20で置換されるアリール;アリールオキシ、アシルオキシ、
    または、O−縮合環、またはC−C炭素環縮合環を形成するようにR18と結合するか、またはR=環状環であるか、またはR7とともに環状環を形成する場合、さらにアルコキシまたはアリールオキシであってもよく、
    =Oである場合、R14は、
    0−3R19で置換される(C−C)アルキル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルケニル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルキニル;
    0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
    0−3R20で置換される(C−C10)炭素環であり、
    17は、
    0−3R25で置換される(C−C20)アルキル;
    0−3R25で置換される(C−C20)アルケニル;
    0−3R25で置換される(C−C20)アルキニル;
    0−3R26で置換される(C−C10)シクロアルキル;
    0−3R26で置換される(C−C10)炭素環;
    0−3R26で置換されるアリールであり、
    18は、0−3R27で置換される(C−C)アルキル;
    0−3R27で置換される(C−C)アルケニル;
    0−3R27で置換される(C−C)アルキニルであり、
    19は、各発生時に、
    H、C−Cアルキル、CF、OR24、Cl、F、Br、I、=O、CN、NO、NR2223
    0−3R21で置換されるC−C10炭素環;
    0−3R21で置換されるアリール;または
    窒素、酸素、および硫黄より選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜10員ヘテロ環であって、前記5〜10員ヘテロ環は、0−3R21で置換される、5〜10員ヘテロ環、
    より独立して選択され、
    20は、各発生時に、H、OH、Cl、F、Br、I、CN、NO、NR2223、アセチル、SCH、S(=O)CH3
    −Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルキル、
    −Cハロアルコキシ、およびC−Cハロアルキル−S−より独立して選択され、
    21は、各発生時に、H、OH、Cl、F、Br、I、CN、NO、NR2223、CF、アセチル、SCH、S(=O)CH3
    −Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルキル、
    −Cハロアルコキシ、およびC−Cハロアルキル−S−より独立して選択されるか、または
    NR2223は、ピペリジニル、ホモピペリジニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、およびモルホリニルの基より選択される複素環であってもよく、
    22は、各発生時に、H、C−Cアルキル、ベンジル、フェネチル、
    (C−Cアルキル)−C(=O)−、および(C−Cアルキル)−S(=O)−より独立して選択され、
    23は、各発生時に、
    H、(C−C)アルキル、ベンジル、フェネチル、
    (C−Cアルキル)−C(=O)−、および(C−Cアルキル)−S(=O)
    より独立して選択され、
    24は、各発生時に、H、フェニル、ベンジル、(C−C)アルキル、および(C−C)アルコキシアルキルより独立して選択され、
    25は、各発生時に、
    H、C−Cアルキル、OR24、=O、CN、NO、NR2728
    0−3R27で置換されるC−C10炭素環;
    0−3R27で置換されるアリール;または
    窒素、酸素より選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜10員ヘテロ環であって、前記5〜10員ヘテロ環は、0−3R27で置換される、5〜10員ヘテロ環、
    より独立して選択され、
    26は、各発生時に、
    H、(C−C)アルキル、ベンジル、フェニル、フェネチル、(C−Cアルキル)−C(=O)−
    より独立して選択され、
    27は、各発生時に、
    −OH、−OR28、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ
    より独立して選択され、
    28は、各発生時に、
    −Cアルキル;(C−Cアルキル)−C(=O)−、および(C−Cアルキル)−S(=O)
    より独立して選択され、および
    29は、各発生時に、
    H、C−Cアルキル、CF、アシル(C−C)アルキル;
    0−3R21で置換されるアシルアリール;
    0−3R21で置換されるC−C10炭素環;
    0−3R21で置換されるアラルキル;
    窒素、酸素、および硫黄より選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜10員ヘテロ環であって、前記5〜10員ヘテロ環は、0−3R21で置換されるか、または0−3R20で置換されるアリールである、5〜10員ヘテロ環、
    より独立して選択され、
    は、アニオンである。
  4. 式I(b)を有する化合物、
    Figure 2010510329
    もしくはその医薬的に許容される塩形態、多形体、またはプロドラッグ。
    式I(b)中、
    およびRは、独立してH、OH、OR29、ハロゲン化物、シリル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルキル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルケニル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルキニル;
    0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
    0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
    0−3R20で置換されるアリールであるか、
    またはRおよびRは結合して、C−C炭素環縮合環、ベンゾ縮合環、または5〜6員ヘテロアリール縮合環を形成し、
    は、H、シリル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルキル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルケニル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルキニル;
    0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
    0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
    0−3R20で置換されるアリールであり、
    は、H、OH、OR29
    0−3R19で置換される(C−C)アルキル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルケニル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルキニル;
    0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
    0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
    0−3R20で置換されるアリールであり、
    は、H、=O、
    0−3R19で置換される(C−C)アルキル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルケニル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルキニル;
    0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
    0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
    0−3R20で置換されるアリール;アミン、アミド、スルホンアミド、エステル、ヘテロ環、環状カルボヒドリド、アリールであり、
    は、H、OH、OR29
    0−3R19で置換される(C−C20)アルキル;
    0−3R19で置換される(C−C20)アルケニル;
    0−3R19で置換される(C−C20)アルキニル;
    0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
    0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
    0−3R20で置換されるアリールであるか、
    またはRおよびRは結合して、O−縮合環、C−C炭素環縮合環、ベンゾ縮合環、または5〜6員ヘテロアリール縮合環を形成し、
    は、H、OH、OR29
    0−3R19で置換される(C−C)アルキル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルケニル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルキニル;
    0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
    0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
    0−3R20で置換されるアリールであり、
    14は、H、OH、
    0−3R19で置換される(C−C)アルキル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルケニル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルキニル;
    0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
    0−3R20で置換される(C−C10)炭素環;
    0−3R20で置換されるアリール;アリールオキシ、アシルオキシであるか、
    またはR14は、O−縮合環、またはC−C炭素環縮合環を形成するように、R18と結合し、
    =Oである場合、R14は、
    0−3R19で置換される(C−C)アルキル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルケニル;
    0−3R19で置換される(C−C)アルキニル;
    0−3R20で置換される(C−C10)シクロアルキル;
    0−3R20で置換される(C−C10)炭素環ではなく、
    17は、0−3R25で置換される(C−C10)アルキル;
    0−3R25で置換される(C−C10)アルケニル;
    0−3R25で置換される(C−C10)アルキニル;
    0−3R26で置換される(C−C10)シクロアルキル;
    0−3R26で置換される(C−C10)炭素環;
    0−3R26で置換されるアリールであり、
    18は、0−3R27で置換される(C−C)アルキル;
    0−3R27で置換される(C−C)アルケニル;
    0−3R27で置換される(C−C)アルキニルであり、
    19は、各発生時に、
    H、C−Cアルキル、CF、OR24、Cl、F、Br、I、=O、CN、NO、NR2223
    0−3R21で置換されるC−C10炭素環;
    0−3R21で置換されるアリール;または
    窒素、酸素、および硫黄より選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜10員ヘテロ環であって、前記5〜10員ヘテロ環は、0−3R21で置換される、5〜10員ヘテロ環、
    より独立して選択され、
    20は、各発生時に、H、OH、Cl、F、Br、I、CN、NO、NR2223、アセチル、SCH、S(=O)CH3
    −Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルキル、
    −Cハロアルコキシ、およびC−Cハロアルキル−S−より独立して選択され、
    21は、各発生時に、H、OH、Cl、F、Br、I、CN、NO、NR2223、CF、アセチル、SCH、S(=O)CH3
    −Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルキル、
    −Cハロアルコキシ、およびC−Cハロアルキル−S−より独立して選択されるか、または
    NR2223は、ピペリジニル、ホモピペリジニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、およびモルホリニルの基より選択される複素環であってもよく、
    22は、各発生時に、H、C−Cアルキル、ベンジル、フェネチル、
    (C−Cアルキル)−C(=O)−、および(C−Cアルキル)−S(=O)−より独立して選択され、
    23は、各発生時に、
    H、(C−C)アルキル、ベンジル、フェネチル、
    (C−Cアルキル)−C(=O)−、および(C−Cアルキル)−S(=O)
    より独立して選択され、
    24は、各発生時に、H、フェニル、ベンジル、(C−C)アルキル、および(C−C)アルコキシアルキルより独立して選択され、
    25は、各発生時に、
    H、C−Cアルキル、OR24、=O、CN、NO、NR2728
    0−3R27で置換されるC−C10炭素環;
    0−3R27で置換されるアリール;または
    窒素、酸素より選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜10員ヘテロ環であって、前記5〜10員ヘテロ環は、0−3R27で置換される、5〜10員ヘテロ環、
    より独立して選択され、
    26は、各発生時に、
    H、(C−C)アルキル、ベンジル、フェニル、フェネチル、(C−Cアルキル)−C(=O)−
    より独立して選択され、
    27は、各発生時に、
    −OH、−OR28、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ
    より独立して選択され、
    28は、各発生時に、
    −Cアルキル;(C−Cアルキル)−C(=O)−、および(C−Cアルキル)−S(=O)
    より独立して選択され、
    29は、各発生時に、
    H、C−Cアルキル、CF、アシル(C−C)アルキル;
    0−3R21で置換されるアシルアリール;
    0−3R21で置換されるC−C10炭素環;
    0−3R21で置換されるアラルキル;
    窒素、酸素、および硫黄より選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜10員ヘテロ環であって、前記5〜10員ヘテロ環は、0−3R21で置換されるか、または0−3R20で置換されるアリールである、5〜10員ヘテロ環、
    より独立して選択され、
    は、アニオンである。
  5. 17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−6−メチレンモルフィナニウム;
    17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−14−ヒドロキシ−17−メチル−3−プロピルオキシ−6−オキソモルフィナニウム;
    17−アリル−17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−6−オキソモルフィナニウム;
    17−シクロブチルメチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−6−オキソモルフィナニウム;
    17−シクロペンチルメチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−6−メチレンモルフィナニウム;
    17−(3,3′−ジメチルアリル)−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−6−オキソモルフィナニウム;
    17−(3′−フェニル−2′−ブチニル)−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−6−オキソモルフィナニウム;
    17−(2′,2′−ジフルオロシクロプロピル)メチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−6−オキソモルフィナニウム;
    17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3−ベンジルオキシ−14−ヒドロキシ−17−メチル−6α−メトキシ−モルフィナニウム;および
    17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−6β−ヒドロキシ−8−プロポキシ−モルフィナニウム;
    17−(2′−メチルシクロプロピル)メチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−6−オキソモルフィナニウム;
    17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−6α−メトキシモルフィナニウム;
    17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−6β−メトキシモルフィナニウム;
    17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3−メトキシ−14−ヒドロキシ−17−メチル−6−メチレンモルフィナニウム;
    17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチルモルフィナニウム;
    3−アセチル−17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−14−ヒドロキシ−17−メチルモルフィナニウム;
    17−[(2′−テトラヒドロフリル)メチル]−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−6−オキソ−モルフィナニウム;
    17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3−ヒドロキシ−17−メチル−14−(3′−フェニルプロピルオキシ)モルフィナニウム;
    17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3−ヒドロキシ−17−メチル−14−プロピルオキシモルフィナニウム;
    17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3−ヒドロキシ−17−メチル−14−メトキシ−モルフィナニウム;
    17−メチル−4,5α−エポキシ−3−ヒドロキシ−(17,14−N,O−エチレン−6−オキソ−モルフィナニウム;および
    17−シクロプロピルメチル−4,5α−エポキシ−3−ヒドロキシ−(17,14−N,O−エチレン)−6−オキソ−モルフィナニウム
    から成る群より選択される、その少なくとも1つの化合物、多形体、または塩を含む、組成物。
  6. 請求項5に記載の化合物、および医薬的に許容される担体を含む、医薬組成物。
  7. 前記医薬組成物が、即時放出製剤、腸溶コーティング、持続放出製剤、または凍結乾燥調製剤を含む、請求項6に記載の医薬組成物。
  8. 前記医薬製剤が、包装単位用量である、請求項7に記載の医薬組成物。
  9. 前記包装単位用量が、溶液である、請求項8に記載の医薬組成物。
  10. オピオイドをさらに含む、請求項6に記載の医薬組成物。
  11. 前記オピオイドが、アルフェンタニル、アニレリジン、アシマドリン、ブレマゾシン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、コデイン、デゾシン、ジアセチルモルヒネ(ヘロイン)、ジヒドロコデイン、シュウ酸ジフェニル、フェドトジン、フェンタニル、フナルトレキサミン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、レバロルファン、レボメタジルアセテート、レボルファノール、ロペラミド、メペリジン(ペチジン)、メサドン、モルヒネ、モルヒネ−6−グルクロニド、ナルブフィン、ナロルフィン、アヘン、オキシコドン、オキシモルホン、ペンタゾシン、プロピラム、プロポキシフェン、レミフェンタニル、スフェンタニル、チリジン、トリメブチン、トラマドール、およびそれらの組み合わせから成る群より選択される、請求項10に記載の組成物。
  12. オピオイドまたはオピオイドアンタゴニストではない、少なくとも1つの医薬品をさらに含む、請求項6に記載の医薬組成物。
  13. 少なくとも1つの医薬品は、非オピオイド鎮痛剤/解熱剤、抗ウイルス薬、抗感染症薬、抗癌剤、鎮痙薬、抗ムスカリン薬、抗炎症薬、機能調整薬、5HTアゴニスト、5HTアンタゴニスト、5HTアンタゴニスト、5HTアゴニスト、胆汁酸塩捕捉剤、膨張性剤、アルファ2−アドレナリン作動薬、鉱油、抗鬱剤、漢方薬、抗嘔吐薬、抗下痢薬、下剤、便軟化剤、繊維、または造血促進剤である、請求項12に記載の医薬組成物。
  14. 前記抗炎症薬は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、腫瘍壊死因子阻害剤、バシリキシマブ、ダクリズマブ、インフリキシマブ、ミコフェノール酸、モフェチル、アザチオプリン、タクロリムス、ステロイド、スルファサラジン、オルサラジン、メサラミン、およびそれらの組み合わせから成る群より選択される、請求項13に記載の組成物。
  15. 前記組成物が、経口製剤である、請求項6に記載の医薬組成物。
  16. 前記組成物が、凍結乾燥調製剤または非経口製剤である、請求項6に記載の医薬組成物。
  17. 前記組成物が、持続放出製剤である、請求項6に記載の医薬組成物。
  18. 調節有効量の請求項6に記載の組成物を、mu−オピオイド調節を必要とする患者に投与するステップを含む、mu−オピオイド受容体を調節するための方法。
  19. 前記mu−オピオイド受容体調節が、オピオイドアゴニストに整合的である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記mu−オピオイド受容体調節が、オピオイドアンタゴニストに整合的である、請求項18に記載の方法。
  21. カッパまたはデルタオピオイド受容体を調節するための方法であって、調節有効量の請求項6に記載の組成物を、そのような調節を必要とする患者に投与するステップを含む方法。
  22. 前記カッパ調節が、カッパアゴニストに整合的である、請求項21に記載の方法。
  23. 前記カッパ調節が、カッパアンタゴニストに整合的である、請求項21に記載の方法。
  24. 前記デルタ調節が、デルタアゴニストに整合的である、請求項21に記載の方法。
  25. 前記デルタ調節が、デルタアンタゴニストに整合的である、請求項21に記載の方法。
  26. 前記組成物が、皮下投与される、請求項18に記載の方法。
  27. 前記組成物が、静脈内投与される、請求項18に記載の方法。
  28. 前記組成物が、経口投与される、請求項18に記載の方法。
  29. 式I(c)を有する化合物、
    Figure 2010510329
    もしくはその医薬的に許容される塩形態、多形体、またはプロドラッグ。
    式I(c)中、
    17およびR18は、(a)または(b)より、代替的に互いに対して選択され、
    (a)非置換または非ハロゲン置換:C−C20(シクロアルキル)アルキルまたは(シクロアルケニル)アルキル、(シクロヘテリル)アルキル、(シクロアリール)アルキル;C−C10(シクロアルキル)アルキルまたは(シクロアルケニル)アルキル、(シクロヘテリル)アルキル、(シクロアリール)アルキル、
    (b)置換または非置換直鎖または分岐鎖のC−Cアルキル、C−Cアルケニル、またはC−アルキニルであり、
    (b)がメチルとして選択され、以下のRが=Oとして選択される場合、
    (a)は、非置換(シクロプロピル)メチルではなく、
    は、=O、=CH、−N(CH、または任意の環状環であるか、またはRとともに環状環を形成し、
    およびRは、H、ヒドロカルビル、シクロヒドロカルビル、アルコキシ、アミン、アミド、ヒドロキシ、またはその置換部分であり、
    14は、H、OH、ハロゲン化物、N−アルキル、N−ジアルキル、N−アリール、N−アルキルアリール、N−シクロアルキルアルキルであるか、またはR17またはR18とともに環状環を形成し、Rが、=Oではない場合、R14は、アルコキシ、アリールオキシ、またはアリール−アルコキシであってもよく、
    およびRは、独立してH、ハロゲン化物、アルコキシ、アルキル、またはアリールであり、
    は、H、C−Cアルキル、またはC−Cアシル、−シリルであり、
    は、H、OH、アルキル、アルコキシ、またはアリールオキシであり、
    は、アニオンである。
  30. およびRは、Hまたはアルキルである、請求項29に記載の化合物。
  31. 式I(d)を有する化合物、
    Figure 2010510329
    もしくはその医薬的に許容される塩形態、多形体、またはプロドラッグ。
    式I(d)中、
    17およびR18は、Rが=Oである場合、置換または非置換ヒドロカルビルであり、少なくとも1つが、他方が非置換シクロプロピルメチルである場合、メチルではなく、
    は、H、OH、OR25、=O、=CH、−N−アルキル、N−ジアルキル、アシルオキシ、アルコキシ、アルキル、=CR′R′′であり、R′およびR′′は、独立してHまたはC1−C10アルキル、または任意の環であるか、またはR6は、R7とともに環を形成し、
    およびRは、Hまたはヒドロカルビル、シクロヒドロカルビル、アルコキシ、アミン、アミド、ヒドロキシ、またはその置換部分であり、
    14は、H、OH、ハロゲン化物、N−アルキル、N−ジアルキル、N−アリール、N−アルキルアリール、N−シクロアルキルアルキル、SR25、S(=O)R25、SO25であるか、あるいはR17またはR18とともに環状環を形成し、Rが、=Oではない場合、R14は、アルコキシ、アリールオキシ、またはアリール−アルコキシであってもよく、
    およびRは、独立してH、ハロゲン化物、アルコキシ、アルキル、またはアリールであり、
    は、H、アルキル、C−Cアシル、シリルであり、
    は、H、OH、アルキル、アルコキシ、またはアリールオキシであり、
    25は、アルキル、アリール、アリールアルキルであり、
    は、アニオンである。
  32. 以下から成る群より選択される、少なくとも1つの化合物、その多形体または塩を含む組成物。
    Figure 2010510329
    Figure 2010510329
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