JP2010510156A - モリブデン酸塩から精製された工業用酸化モリブデン - Google Patents

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Abstract

工業用モリブデン酸化物、部分的に酸化されたMoS、またはMoSの酸化工程から得られる規格外の生成物を酸化して精製された三酸化モリブデン生成物に変える方法が提供される。この方法は一般的に、残留したMoS,MoOおよび他の酸化可能のモリブデン酸化物種を酸化してMoOにし、また金属酸化物の不純物を浸出させ;MoO種を適当な結晶形で沈澱させ;結晶化したMoO生成物を濾過乾燥し;可溶化されたモリブデンを回収して循環させることを含んで成っている。
【選択図】図1

Description

モリブデンは、主として石英の中に非常に細かい細脈として分布したモルブデナイト(MoS)の形で地殻の中に見出され、これは高度に珪化した変性花崗岩から主として成る鉱体の中に存在している。このような鉱体の中におけるモリブデン酸塩の濃度は比較的低く、典型的には約0.05〜約0.1重量%である。モリブデン酸塩は比較的軟らかい六方晶形の黒色の細片になった結晶の形で存在している。この結晶は、種々の公知の方法の一つにより鉱石本体から抽出して濃縮し、二硫化モリブデンの含量を通常は濃縮物の約80重量%以上のレベルまで増加させる。得られた濃縮物に対して酸化段階を行うが、これは通常空気の存在下における焙焼操作によって行われ、これによって二硫化モリブデンを酸化モリブデンに変える。この酸化モリブデンは元の鉱体の中に存在する金属性の汚染物を含む種々の不純物を含有している工業用の酸化物(工業用酸化物)である。
モリブデン酸塩は種々の選鉱法の一つによって製造することができ、この場合鉱体中のモリブデン酸塩成分は約40%以下、通常は約20%以下のレベルまで母岩を減少させるように濃縮される。モリブデン酸塩濃縮物を製造する通常の方法は、鉱石を含むモリブデン酸塩を粉砕工程にかけ、ここで鉱石の平均粒径を通常は約100メッシュ以下になるまで減少させ、しかる後粉砕された鉱石に対して炭化水素油を種々の湿潤剤と組み合わせて使用する油浮遊抽出法を行い、主として二硫化モリブデンから成る粒子が浮遊する泡の中に保持されるようにし、同時に主としてシリカから成る母岩が鉱泥の後尾部分に保持されるようにする方法を含んで成っている。浮遊選鉱法は通常一連の順次行われる浮遊抽出操作を含み、それぞれの操作の間には粉砕操作が介在しており、これによって濃縮物中の母岩の成分が逐次所望のレベルまで減少して行くような操作を含んでいる。油浮遊選鉱法で工業的につくられた工業用のモリブデン酸塩濃縮物は通常約10%以下、もっと普通の場合約5〜約6%の母岩を含み、残りは実質的に二硫化もから成っている。
モリブデン酸塩濃縮物は次に二硫化モリブデン成分を酸化モリブデンに変えるために酸化工程にかけられる。ここで使用される最も普通の酸化方法は過剰の酸素を存在させ約500℃から酸化モリブデンが熔融するまでの間の高温において濃縮物を焙焼する方法を含んで成っている。一般に下記の化学反応

2MoS + 7O → 2MoO + 4SO
MoS + 6MoO → 7MoO+2SO
2MoO + O → 2MoO

に従って進行する焙焼操作は、垂直な空間的関係で配置された多数の環状の炉床を含む多数の炉床炉を使用することができ、高温の向流煙道ガスに対して露出させながら最も上にある炉から最も下にある炉へとモリブデン酸塩濃縮物を移送する。上記の型の典型的な焙焼装置はHerreshoff、McDougall、Wedge、Nicholsなどの商標で市販されている。
焙焼して得られた濃縮物は主として酸化モリブデンから成り、その中で大部分は三酸化モリブデンの形をしている。供給材料は一般に約200メッシュ以上の粒径をもっているか、または焙焼操作の際に粒子は若干の凝集を起こしているが、通常は焙焼した濃縮物に対して補足的な摩砕操作または粉砕操作、例えばボールミルにかける操作を行い、存在する凝集物を取り除き、濃縮物の平均粒径を200メッシュより、好ましくは約100メッシュより小さくすることが好適である。
焙焼操作に加えて、分離したMoSを種々の酸化法、例えば特許文献1および2に記載されたような高圧湿式酸化法(即ちオートクレーブ処理)により酸化モリブデン反応生成物(主としてMoO)に変えることができる。
例えば特許文献1および2の方法ではそれぞれ、水中にMoSを含むスラリまたは懸濁液をつくった後、オートクレーブ中でスラリを加熱することによりMoSをMoOに変化させる(酸化する)ことができる。加熱工程の間オートクレーブの内部は酸素雰囲気に保たれる。
これらの特許文献は両方とも、スラリの密度を調節して系の内部で適切な温度レベルを保つために、種々の反応生成物を工程の最初の段階に循環させて戻すことについて論じている。特許文献2では、懸濁液の密度(例えば水対固体の比)を常に調節することによりオートクレーブの温度をコントロールしている。密度の値が高いとオートクレーブ中の温度が高くなる。同様に低温が望ましい場合は、流体を加えて懸濁液の密度を低下させることができる。
特許文献2に記載された方法においては、スラリ化装置の中で水およびMoSを一緒にして懸濁液をつくり、次にこれをオートクレーブに移す。次にオートクレーブの内容物に酸素を加えて酸化された懸濁液をつくり、その後これを濾過して固体生成物および第1の濾液をつくる。次に、かなりの量の硫酸を含んでいる第1の濾液を沈澱反応器の中で処理し、石灰石(炭酸カルシウム)を加えて中和する。その結果硫酸カルシウム二水和物(例えば石膏)が生じるのでこれを濾過して固体の石膏生成物と第2の濾液をつくる。その内部にある懸濁液に加える水の量およびオートクレーブに供給する酸素の量を調節する一連の弁の操作を容易にするために、オートクレーブは調節器およびそれに付属したセンサーを含んでいることができる。低い温度レベルが望ましい場合には多量の水を加え、逆の場合には逆の操作を行う。
特許文献1は上記特許文献2と緊密に関連しており、懸濁液の密度と温度を所望のレベルに保って酸化モリブデンを回収する方法が記載されている。特定的に述べれば、この密度および温度のレベルには1リットル当たり固体分100〜150gの密度、230〜245℃の温度が含まれる。
特許文献3には、MoS原料をオートクレーブ中で水と一緒にしてスラリをつくる方法が記載されている。その後で純粋な酸素、空気、または両方の混合物をオートクレーブに加えてMoSを酸化する。得られた生成物を次に第1のフィルターに送ってMoOを濾液から分離することができる。次に濾液を中和器に送り、この中でアルカリ性の化合物を加えてMoOを溶解させる。その後に得られるMoOを第2のフィルターの中に集める。次いで第1のフィルターにから得られたフィルターケーキ(未反応のMoSを含む)を水酸化アンモニウムで洗滌してMoOを溶解させ、MoSはそのまま残し、次いで第3のフィルターを使って溶解しなかった材料を集める。
捕集したMoOを次に第2のオートクレーブに装入し、この中でMoOを水と一緒にしてスラリをつくる。その後このスラリを上記の方法により酸素含有ガスで酸化する。次いで酸化されたスラリを第4のフィルターで濾過し、得られた固体のMoOを捕集する。濾液を中和器に移送する。第4のフィルターから得られたフィルターケーキを水酸化アンモニウム水溶液で洗滌し、これによって再びMoOを溶解し(モリブデン酸アンモニウムをつくるため)、残留した不純物(例えば未反応のMoS)は溶解させないで残す。第5のフィルターを使用して溶解しない不純物を集めた後それを廃棄する。第5のフィルターから得られる濾液は第3のフィルターから得られた濾液と混合し、蒸発器または晶出器で処理した後、カ焼して精製されたMoOを得る。
特許文献3には、FeおよびCu不純物を含むモリブデン酸塩を水と一緒にしてスラリをつくる方法が含まれている。次いでこのスラリを酸素雰囲気中において約200〜600psiの圧力で30〜60分間約100〜150℃に加熱する。この段階の後に水性スラリを反応容器から取り出し、濾過して浸出液からの固体残渣を分離する。この残渣は上記の金属性不純物(例えばCuおよびFe)と共に主としてMoS(約80〜90重量%)から成っている。
特許文献4には、MoO、モリブデン酸アンモニウムまたはパラモリブデン酸アンモニウムを焙焼してMoO(二酸化モリブデン)をつくる方法が記載されている。MoOからカリウム不純物を除去するために、この材料を水洗してスラリをつくる。カリウム不純物を含む得られた水洗液を系から除去する。
特許文献5には、MoSをMoOの蒸気と一緒にしてMoSを直接MoOに変える方法が記載されている。MoOの蒸気は前につくったMoOの一部をフラッシュ炉に入れ、ここでMoOを酸化するために「フラッシュ昇華」を行うことが好ましい。その結果MoOの供給流がつくられ、上記のようにこれを使用してMoSの初期供給流を処理することができる。
非特許文献1にはモリブデン酸塩を温度700〜1100℃において水蒸気と接触させることによりMoSをMoOに変える方法が記載されている。廃ガスはSO,HS,HおよびHOの混合物である。
特許文献6には種々の逐次的な加熱および浮遊選鉱段階を使用してMoSを精製し高品質のMoS濃縮物つくる詳細な方法が記載されている。
上記の方法にもかかわらず、MoSから精製されたMoO生成物を得る、湿式化学の効率に焦点を合わせた高度に効率的な方法に対する要求がなお残されている。上記の方法はモリブデン酸化物へのMoSの部分的な酸化だけが起こるように操作することができる。別法として、これらの方法から規格外の生成物をつくることもできる。これらの場合には、湿式化学を用いて部分的に酸化されたMoSまたは規格外の生成物を精製された三酸化モリブデン生成物に変えることができる。
ある場合には、金属性の汚染物を比較的含まない三酸化モリブデン(MoO)をつくり、或いは低濃度の二酸化モリブデン(MoO)または原子価が+6より低い他の酸化モリブデン種、例えばMo11を処理することが望ましいか、または必要なことがある。本明細書においては簡単のためにこれらの他のモリブデン種をMoOと呼ぶことにする。この高純度材料は種々のモリブデン化合物、触媒、化学薬品などの製造に使用することができる。本明細書においては工業用モリブデン酸化物と言う言葉は約1〜約99重量%のMoOを含み、随時さらにMoSまたは他の硫化モリブデン、鉄、銅または鉛の化学種を含んで成る材料を意味するものとする。高純度のMoOの製造は種々の化学的または物理的方法、例えば高温で工業用酸化物を昇華させ結晶化した二モリブデン酸アンモニウムをカ焼する方法、或いは種々の浸出法または化学的湿式酸化法により既に達成されている。しかしこれらの方法はコストが高く、収率が低いかおよび/または汚染物の除去に効果がないことが多い。
Bauer等に対する米国特許第4,379,127号明細書。 Bauer等に対する米国特許第4,512,958号明細書。 Barryet等に対する米国特許第3,656,888号明細書。 Cheresnowskyに対する米国特許第4,724,128号明細書。 McHug等に対する米国特許第 4,553,749号明細書。 Spedden等に対する米国特許第3,834,894号明細書。
Oxidation of Molybdenite by Water Vapor, Blanco et al., Sohn Internatioanl Symposium Advanced Processing of Metals and Materials, Vol. I, 2006。
本発明の一具体化例においては、工業用モリブデン酸化物、部分的に酸化されたMoS濃縮物、またはMoS酸化工程から得られる規格外の生成物を精製された三酸化モリブデン生成物に変える方法が提供される。一般にこの方法は、残留したMoS、MoO、および他の酸化可能な酸化モリブデン種を酸化してMoOに変えることができ、且つ酸化モリブデン不純物を浸出できる適切な条件下において反応器の中で工業用モリブデン酸化物を酸化剤および浸出剤と一緒にし;適当な結晶の形でMoO種を沈殿させ;結晶化したMoO生成物を濾過して乾燥し;可溶化したモリブデンを回収して循環させる段階を含んで成っている。処理条件に依存して、固体生成物は結晶または半結晶のHMoO、HMO・HO、MoO、または他の多形体または擬似多形体として沈殿させすることができる。反応はバッチ法、半連続法または連続法として行うことができる。反応条件はMoOの溶解度を最小にし、結晶化収率を最大にするように選ぶことができる。随時所望の結晶形の種子を用いることができる。濾液は反応器へと循環させてMoOの損失、並びに酸化剤および浸出剤の消費を最低限度に抑制する。濾液の一部を取り出して回収工程に送り、ここで例えば石灰または炭酸カルシウムでモリブデン酸を沈澱させCaMoOをつくるか、化学組成に従ってFe(MoO・xHOおよび他の沈澱として沈澱させるような種々の方法を用いることができる。同様に、イオン交換または抽出、例えば苛性ソーダによる再生法を用いる陰イオン交換法を使用してモリブデン酸ナトリウムをつくり、これを反応工程に循環させ結晶化させてMoOにすることができる。金属酸化物の不純物は回収および/または中和、濾過および廃棄するために例えばイオン交換により別に処理することができる。
下記の添付図面は本明細書の一部を構成し、本発明の或る種の態様をさらに説明するために添付されたものである。これらの一つまたはそれ以上の図面を本明細書に記載された特定の具体化例と組み合わせて参照することにより本発明はさらに良く理解されるであろう。
本発明方法のブロック式流れ図。 HNO中におけるMoOの溶解を示すグラフ。 HNOを用いる金属不純物の浸出の変化を示すグラフ。 SO(比率固定)/HNO(比率変化)溶液中におけるMoOの酸化を示すグラフ。 SO(比率固定)/HNO(比率変化)溶液中におけるMoOの溶解を示すグラフ。 SO(比率変化)/HNO(比率固定)溶液中におけるMoOの溶解を示すグラフ。 SO(比率変化)/HNO(比率固定)溶液を用いる金属不純物の浸出の変化を示すグラフ。 SO(比率変化)/HNO(比率固定)溶液中におけるMoOの酸化を示すグラフ。 SO/H溶液中におけるMoOの酸化を示すグラフ。 SO/KMnOまたはKS溶液中におけるMoOの酸化を示すグラフ。 カロー酸溶液中におけるMoOの酸化を示すグラフ。
工業用酸化物
本発明に使用するのに適した工業用酸化物はいくつかの市販品として入手することができる。下記の表1には本明細書に記載された方法に使用するのに適した工業用酸化物の本発明を限定しないいくつかの例が示されている。ここに提示されたのと同様な工業用酸化物の他に、二硫化モリブデンも原料として使用することができることに注目すべきである。下記の元素分析は、逐次X線蛍光分光光度計(XRF)および誘導結合プラズマ(ICP)分光光度計を用いて行った。ICP分析には試料をアンモニア水に溶解してMoOを溶解させ、不溶物を濾過する。表中には、二モリブデン酸アンモニウム溶液から得られるモリブデンはMoOと記され、不溶物から得られるモリブデンはMoOと記されている。
Figure 2010510156
上記のように、工業用酸化物の他に、硫化モリブデン粗原料、例えば部分的に酸化されたMoS,またはMoSの酸化法から得られる規格外生成物を本発明に使用することができる。
図1を参照すれば、工業用酸化物および/または二硫化モリブデン原料を反応容器(100)に導入する。この反応容器は好ましくはジャケット付きの連続撹拌式タンク反応器であるが、任意の適当な反応容器を用いることができる。反応容器の中で原料を金属性不純物を溶解するための浸出剤、およびMoSおよびMoOをMoOへ酸化するための酸化剤と混合する。
通常の浸出剤または通常の浸出剤の混合物を使用することができるが、浸出剤としては硫酸および塩酸が好適である。同様に、これだけには限定されないが、次亜塩素酸塩、オゾン、酸素−アルカリ、酸−過マンガン酸塩、過硫酸塩、酸−塩化第二鉄、硝酸、塩素、臭素、酸−塩素酸塩、二酸化マンガン−硫酸、過酸化水素、カロー酸、またはバクテリア酸化剤を含む通常の酸化剤または通常の酸化剤の混合物を使用することができるが、カロー酸および塩素が好適な酸化剤である。
浸出剤および酸化剤は任意の順序で加えるか、或いは浸出と酸化が同時に起こるように一緒に加えることができる。或る場合には、例えばカロー酸を使用する場合には、同じ試剤の作用により浸出と酸化が同時に起こる。他の場合には、酸化剤を加えることによりその場で浸出剤をつくることができる。例えば反応混合物に塩素または臭素を加えると塩化水素酸または臭化水素酸が生じる。残留したMoS、MoOおよび他の酸化可能な酸化モリブデン種を酸化してMoOにし、任意の金属酸化物の不純物を浸出するのに適した時間および工程条件において、例えば温度約30〜約150℃において約15分〜約24時間の間、反応容器(100)の中で反応混合物を撹拌する。特定の酸化剤に依存して反応圧力は約1〜約6バールの範囲であることができる。使用する浸出剤に依存して反応混合物のpHは約−1〜約3の範囲であることができる。浸出剤および酸化剤を順次に投与して両者を別々に作用させることができるが、酸化おい浸出の反応を完結させるためには浸出剤および酸化剤を同時に作用させるのが有利なことが観測された。
不純物の浸出とMoSおよびMoOの酸化が起こる際、大部分のMoOは溶液から沈澱するか晶出する。しかし酸化によって生じるか出発原料中のMoOから溶解したMoOは種々の理由によって溶液中に残留することができる。理論によって拘束されるつもりはないが、一般にスラリ過程中における湿った状態での化学的酸化反応は、機構的には、固体−液体界面における化学種の酸化的溶解か、或いは酸化可能な化学種の酸化的溶解、恐らくは遅い溶解の後に液相において起こる酸化のいずれかによって説明できると考えられている。溶解したMoOとして記述されるMo6+の最も可能性のある形はHMoOと考えられているが、他の種々の化学種も可能である。酸化が完了しない場合、溶解した酸化モリブデンを多量に含む青色の溶液が生じる。青色は多核の混合Mo5+/Mo6+酸化物種を示している。また結晶化は低温においては遅い過程であり、従って選んだ結晶化の条件によって酸化モリブデン種が少量にまたは多量に生じることができる。このようにして沈澱した三酸化物をまだ溶解していないMoOまたは他の化学種と共に濾過(200)によって原料の工業用酸化物から除去した後、濾液を反応容器(100)に循環させることができる。浸出させた金属不純物も反応容器(100)に循環させるから、循環された材料の後流を取り出し、処理して金属不純物の除去または回収を行うことができる。フィルターケーキ(MoO生成物)を乾燥させ(400)充填して配布する(500)ことができる。
後流の中のモリブデンを回収するためには、適当なイオン交換ベッド(300)の中で処理することができる。好適なイオン交換ベッドの一つは前以て硫酸塩または塩化物陰イオンを装入(load)された弱塩基性の陰イオン交換樹脂(N,N’−ジメチルベンジルアミン官能基をもった交叉結合したポリスチレン)を含んで成り、モリブデン酸塩イオンは樹脂を充填する際硫酸塩イオンまたは塩化物イオンと交換し、約1.0〜2.5Mの希薄水酸化ナトリウムを用いて樹脂から放出させる(unload)。放出されたモリブデンは希薄モリブデン酸ナトリウム(NaMoO)流(再生剤)として反応容器(100)に循環させて回収される。
モリブデンを回収した後、後流を順次他のイオン交換ベッド(600)で処理し、他の金属種を除去することができる。残った金属不純物は沈澱(700)させ、濾過(800)して最終的に廃棄する。これらの処理過程の後には、選ばれた化学試剤に依存してNa
ClおよびNaSOのような主として溶解した塩を含む残留溶液が得られ、これらは排出することができる。
下記の説明の中では化学量論的な図式が説明されていることに注目されたい。理論に拘束されることを望むものではないが、下記の図式は本明細書において説明される機構を正確に記述していると考えられる。
75gの工業用酸化物を下記に列挙した種々の酸性溶液250mlと混合した。テフロン被覆した磁気撹拌機でこの混合物を撹拌し、70℃に2時間加熱した。この混合物を室温に冷却し、90mmの黒色リボンフィルターで濾過した。フィルターケーキを20mlの脱イオン水で洗滌した。濾液を250mlの容積にし、フィルターケーキを一晩120℃で乾燥した。乾燥したフィルターケーキを含有量並びに金属不純物について分析した。濾液は金属不純物について分析した。
硝酸
工業用酸化物(TO)およびカ焼した工業用酸化物(TOC)の浸出は0.1〜10NのHNOの一連の酸溶液の中で行った。浸出および酸化は単一の試薬の作用により起こる。酸化の化学量論的関係は下記のようにまとめることができる。

MoO+2H+2(NO → MoO+2NO(g)↑+H

試料中のMoOは硝酸により完全にMoOに変わった。暗青色(Mo5+)から草緑色/青緑色への色の変化も見られた。図2に示すように酸の濃度と共にMoOの溶解度は減少した。低濃度の硝酸の中でCuおよびFeは容易に溶解した。図3および表2に示されているように、若干の金属(Ba、Pb、SrおよびCa)は溶解するのに1Nの硝酸をもっと必要とした。過剰のHNOの場合褐色のNOの煙霧が見られた。硝酸を用いた工業用酸化物の浸出/酸化の結果を表2にまとめる。
Figure 2010510156
硫酸/硝酸
SOの濃度を4Nに固定し、HNOの濃度を6回に分けて0から2Nまで変化させて一連の酸溶液をつくった。各溶液に工業用酸化物を混合し、HSO/HNO混合物による浸出/酸化の結果を表3にまとめた。HNOが過剰な場合、褐色のNOの煙霧が認められた。溶液の色は暗青色から明るい草色に変わった。0.2NのHNOから始まって酸化は殆ど完全に完了した。図4参照。種々の濃度の酸の溶液の中へのMoOの溶解を図5に示す。Ca、FeおよびCuは良く溶解したが、Pbは溶解しなかった。
Figure 2010510156
HNOの濃度を0.15Nに固定し、HSOの濃度を0.12Nから4Nまで変化させて一連の酸溶液をつくった。各溶液に工業用酸化物を混合し、HSO/HNO混合物による浸出/酸化の結果を表4にまとめた。種々の濃度の酸の溶液の中へのMoOの溶解を図6に示す。これらの条件下においてCaおよびKはHSOの濃度が2Nよりも高い場合だけ溶解した。図7参照。FeおよびCaは0.1NのHSOに良く溶解した。
Figure 2010510156
MoOはHSOの濃度が2Nより高い場合だけ酸化され、酸化は常に完結するとは限らなかった。図8参照。0.25Nおよび0.5NのHNOを用い追加的な実験を行った。結果を図8および表4にまとめる。
硫酸/過酸化水素
濃度4NのHSOおよび種々の濃度のHを用いて一連の酸溶液をつくった。酸、水および過酸化水素の全容積が250mlに等しくなるように水の量を選んだ。過酸化水素を徐々には反応混合物に滴下して激しい反応を抑制した。酸化の化学量論的図式は次のようにまとめることができる。

2H → O(g)↑ + 2H
2MoO + O → 2MoO
酸素が失われるから低い効率で酸化が進行するため、過剰のHを必要とする。図9参照。少量の硝酸を加えても酸化の効率は著しくは増加しなかった。HSO/H混合物を用いた浸出/酸化の結果を表5にまとめる。
過酸化水素は下記の化学量論的図式に従い直接MoOと反応することもできる。

MoO+H → HMoO(溶解)またはMoOへ変化+H

次いで結晶化を起こし、HMoOまたはMoOの固体になる。MoO酸素との反応は主としてオートクレーブの条件(約200℃以上の温度)で起こる。
Figure 2010510156
硫酸/過マンガン酸カリウム
濃度4NのHSOおよび種々の濃度のKMnOを用い一連の酸溶液をつくった。酸化の化学量論的図式は次のようになると考えられる。

3MoO+2MnO +2H → 3MoO+2MnO(s)+H
2MnO(s)+2MoO+4H → 2MoO+2Mn2++2H
MnO が過剰な場合、
3Mn2++2MnO +2HO → 5MnO(s)+4H
SO/KMnO混合物を用いた浸出/酸化の結果を表6および図10にまとめる。
Figure 2010510156
硫酸/過硫酸カリウム
濃度4NのHSOおよび種々の濃度のKSを用い一連の酸溶液をつくった。酸化の化学量論的図式は次のようになると考えられる。

MoO+S 2−+HO → MoO+2SO 2−+2H

SO/KMnO混合物を用いた浸出/酸化の結果を表6および図10にまとめる。
カロー酸
カロー酸は濃硫酸(通常96〜98%)および濃過酸化水素(通常60〜70%)からつくられ、パーオキシモノ硫酸を含んで成っている。カロー酸は下記の関係をもった平衡混合物である。

+ HSO ←→ HSO + H

カロー酸中のMoOに対する酸化の化学量論的関係は下記のように進行すると考えられている:

MoO + HSO → MoO + HSO
工業用酸化物75gを水およびカロー酸(HSO:H=3:1,2:1および1:1)と混合した。或る具体化例においてはこれよりも大きな割合、例えば4:1および5:1も使用することができる。別の実験においては反応混合物の温度を冷却するか、またはT=25、70および90℃に加熱して2時間の間混合した。カロー酸混合物を用いた浸出/酸化の結果を図11にまとめる。
塩素、塩素化化合物および臭素
反応器として250mLのジャケット付き三つ口振盪フラスコを使用した。これには塩素添加用の1/8インチのテフロン管(浸漬管)、凝縮器、温度計、およびpH計が備えられていた。凝縮器の頭部をT形連結管を用いてゴム管(圧力指示計として)に連結し、またストップコックおよびノックアウトポットを介して苛性ソーダ洗滌器に連結した。このフラスコを磁気撹拌機に取り付ける。フラスコのジャケットを循環浴に連結した。天秤の上に載せたレクチャーボトル(lecture bottle)から塩素を供給し、流量計を使用して塩素の供給をコントロールした。各実験の前後においてレクチャーボトルを秤量し、装入された塩素の量を決定した。
工業用酸化物(50g)を95gの水および/または前の実験のイオン交換工程から得られる循環されたモリブデン溶液中に懸濁させた。濃硫酸を滴下し、反応混合物のpHを0.2に低下させ、この懸濁液を磁気撹拌機で撹拌した。循環浴を用いて懸濁液を60℃に加熱し、この温度で約30分間撹拌した。流量計を用いて塩素を供給し、懸濁液の中に泡にして通した。温度が約62℃に上昇することによって示されるように、この反応は発熱反応であった。圧力が上昇し温度が約60℃に低下することによって示されるように、Clがもはや消費されなくなった時に、塩素の供給を停止した。塩素で僅かに圧力をかけ60℃で反応混合物の撹拌を1時間続け、確実に酸化を完了させた。次いで窒素または空気を30分間泡にして通し、未反応の塩素を除去した。NaOHの20%溶液を注意して滴下し、pHを最高0.2にした。pHを調節した後、この混合物を1時間60℃で撹拌した。次いで30℃に冷却し、フリットガラスの濾斗(M)を使って吸引濾過した。濾斗上の固体を5%硫酸25gで洗滌し、次いで25gの水で洗滌した。湿ったフィルターケーキを秤量した後、オーブンの中で95℃において約15時間乾燥した。乾燥した固体をモリブデンおよび他の金属に対しICPで分析した。また乾燥した固体を金属不純物に対してICPにより分析した。若干の固体試料はMoOおよびMoOの量に対して分析した。
塩素を用いる酸化
工業用酸化物の試料20gを水60gに懸濁させた。濃硫酸(10g)を加え、この混合物を60℃に加熱した。この混合物を60℃で30分間撹拌した後、塩素(3.6g)を40分間に亙りゆっくりとこの混合物の中に通した。灰色のスラリは明るい緑色になった。この混合物を90℃に加熱し、30分間90℃で撹拌した。この混合物の中に窒素を90℃で30分間通し、未反応の塩素を抜き取った。混合物を室温に冷却した。次にスラリを吸引濾過し、20gの2%塩酸および20gの水で洗滌した。湿ったフィルターケーキ(22.6g)をオーブン中で90℃において15時間乾燥し、16.8gの生成物を得た。
原料の工業用酸化物および生成物のICPによる分析
Figure 2010510156
実施例1に使用したのと同じ工業用酸化物の試料50gを水95gの中でつくり、30分間60℃で撹拌した。塩素(6.8g)を40分間に亙りこの混合物の中に通し、この間反応器の中を正の塩素圧力下に保った。灰色のスラリは淡い緑色に変わった。30分間窒素を通して過剰の塩素を抜き取った。この混合物に濃HNO(5.0g)を60℃で滴下し、添加後30分間60℃で撹拌した。次に20%のNaOH溶液を加えてpHを0.5に調節した。この混合物を25℃に冷却し、吸引濾過した。湿ったフィルターケーキ(62.3g)をオーブン中で90℃において16時間乾燥し、49.5gの生成物を得た。酸化された生成物のICP分析の結果、この混合物は502ppmのFe,58ppmのCuおよび15ppmのAlを含んでいることが示された。
Figure 2010510156
工業用酸化物(実施例1および2とは異なった生産地のもの)に水150g中に含まれた濃HCl(8.8g)を加え、この混合物のpHを0.4に調節した。この混合物を60℃に加熱し、この温度で30分間撹拌した。反応器の中の塩素圧が正の値になるまで塩素をゆっくりと混合物の中に通した。35分の間に1.4gの塩素が吸収された。塩素添加後この混合物を60℃で30分間撹拌し、次いで窒素を30分間この混合物の中に通した。スラリの液相のpHは0.4であった。スラリを室温に冷却し吸引濾過した。固体を25gの5重量%HClおよび25gの水で洗滌した。湿ったフィルターケーキ(55.0g)をオーブン中で90℃において16時間乾燥し、47.4gの生成物を得た。
原料の工業用酸化物および生成物のICPによる分析
Figure 2010510156
次亜塩素酸ナトリウムを用いた酸化
100mLのジャケット付きフラスコの中に入れた45gの水および5gの濃硫酸の中に工業用酸化物(20g)を加えた。この混合物を60℃に加熱し、その温度で30分間磁気撹拌機により撹拌した。10〜13%の活性塩素を含む次亜塩素酸ナトリウム溶液を
滴下濾斗の中に入れ、30分に亙って滴下した。スラリの色は灰色から青ないし淡緑色に変わり、酸化が完了したことを示した。スラリの液体の部分のpHはpH紙により0であることが示された。この混合物を室温に冷却し、吸引濾過した。濾斗上の固体を20gの5重量%硫酸および20gの水で洗滌した。湿った生成物(22.4g)をオーブンの中で90℃において16時間乾燥し、18.3gの生成物を得た。
原料の工業用酸化物および生成物のICPによる分析
Figure 2010510156
臭素を用いた酸化
120gの水の中に実施例1および2と同じ工業用酸化物(40g)を含むスラリをジャケット付きのフラスコに入れ、60℃で30分間撹拌した。滴下濾斗に入れた臭素(10g)をゆっくりと滴下した。臭素の赤色が消失することによって反応したことが示された。臭素の添加は約30分かかった。この混合物を90℃に加熱し、90℃で30分間撹拌した。90℃においてこの混合物に30分間窒素を通し未反応の臭素を抜き取った。混合物を室温に冷却し、吸引濾過した。固体を20gの2重量%HClおよび20gの水で洗滌した。湿ったフィルターケーキ(60.4g)を90℃で16時間乾燥し、38.6gの生成物を得た。酸化生成物は約5000ppmのFe、600ppmのCuおよび200ppmのAlを含んでいた。
Figure 2010510156
塩素酸ナトリウムを用いた酸化
250mLのジャケット付きフラスコの中で工業用酸化物(50g)を80gの水および5gの濃硫酸と混合し、60℃で30分間撹拌した。塩素酸ナトリウム(3g)を15gの水に溶解し、この溶液を滴下濾斗に入れる。60℃において塩素酸ナトリウム溶液をゆっくりと工業用酸化物に滴下した。滴下には約30分かかった。スラリの色が淡緑色に変わることによって酸化の完結が示された。スラリを室温に冷却し吸引濾過した。固体を25gの2重量%硫酸および25gの水で洗滌した。湿ったフィルターケーキ(65.4g)をオーブンの中で90℃において16時間乾燥した。生成物(48.2g)をICPにより金属不純物について分析した。
Figure 2010510156
以上異なった具体化例により本発明の組成物および方法を説明したが、当業界の専門家にとって、本発明の精神および範囲を逸脱することなく組成物、方法および/または工程、並びに上記方法の段階、または段階の順序を変化させ得ることは明らかであろう。さらに具体的に述べれば、化学的に関連がある或る種の試薬は本明細書記載の試薬で代用し得ることは明らかであり、その際同じようなまたは同様な結果が得られるであろう。当業界の専門家には明らかなこのような代用または変形はすべて本発明の範囲および概念の中に入るべきものであると考えられる。

Claims (16)

  1. 硫化モリブデン原料を精製された三酸化モリブデン生成物に変える方法であって、該方法は
    a.硫化モリブデンの少なくとも一部をMoO、金属不純物および未変化のMoSを含んで成るモリブデン酸化物に変え、
    b.このモリブデン酸化物を、金属不純物を浸出するのに有効な量の少なくとも1種の浸出剤、およびMoSをMoOもしくはMoOに酸化し且つMoOをMoOに酸化するのに有効な量の少なくとも1種の酸化剤と一緒にすることによって反応混合物をつくり、
    c.この反応混合物を固体の精製された三酸化モリブデンと不純物を含有する残留した液体とに分離する段階を含んで成ることを特徴とする方法。
  2. 残留した液体から溶解したモリブデンの少なくとも一部を回収し、回収したモリブデンを反応混合物へと循環させる段階をさらに含んで成ることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 硫化モリブデン原料は焙焼操作から誘導されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 該焙焼操作は硫化モリブデンの一部だけがMoOおよびMoOに変化する条件下において行われることを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 浸出剤は硫酸、塩酸、硝酸、臭化水素酸、またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項2記載の方法。
  6. 酸化剤は塩素、臭素、過酸化水素、またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項5記載の方法。
  7. 反応混合物を約30〜約150℃の範囲の温度に加熱することを特徴とする請求項1記載の方法。
  8. 反応混合物を約15分〜約24時間撹拌することを特徴とする請求項1記載の方法。
  9. 単一の物質を用い金属不純物を浸出し且つMoOをMoOへと酸化する両方の作用を行うことを特徴とする請求項2記載の方法。
  10. 該単一の物質はHSO:Hの比が約1:1〜5:1の範囲のカロー酸であることを特徴とする請求項9記載の方法。
  11. 反応混合物に酸化剤を添加しその場で浸出剤を生成させることを特徴とする請求項2記載の方法。
  12. 酸化剤は塩素、臭素またはその混合物であることを特徴とする請求項11記載の方法。
  13. 反応混合物を約30〜約150℃の範囲の温度に加熱することを特徴とする請求項12記載の方法。
  14. 反応混合物を約15分〜約24時間撹拌することを特徴とする請求項13記載の方法。
  15. 溶解したモリブデンの少なくとも一部をイオン交換により回収することを特徴とする請
    求項2記載の方法。
  16. 請求項1記載の方法でつくられた固体の精製された三酸化モリブデン。
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