JP2010509520A

JP2010509520A - 消波構造物

Info

Publication number: JP2010509520A
Application number: JP2009535173A
Authority: JP
Inventors: フェライオーロ，フランチェスコ
Original assignee: オフィシネマッカフェリイソシエタペルアチオニ
Priority date: 2006-11-06
Filing date: 2007-10-31
Publication date: 2010-03-25
Also published as: CR10816A; AU2007318965B2; WO2008056304A1; TN2009000152A1; PE20081148A1; CN101595265A; RU2009121573A; ITBO20060754A1; CA2668079A1; NO20092163L; US20100047018A1; ZA200903113B; IL198361A; US8142105B2; UY30691A1; EP2079880A1; MA31064B1; IL198361A0; KR20090094805A; CO6170378A2

Abstract

【課題】本発明は、消波構造物及び消波システムを提供することで従来技術の有する問題点を解決し、それらを用いて、波の実質的な減少だけでなく、それに加えて周辺域の海流のエネルギーを均一に再分配することで、海岸を保全し、海岸補充事業や海岸再構築事業の間隔期間を延長することを目的とする。
【解決手段】本発明は、水底への設置に適した消波手段と、水底に前記消波手段を堅固に固定することに適した固定手段とを備え、前記消波手段は、使用時に該消波手段に波打つ海流の方向と逆方向に傾斜するように配置されることを特徴とする消波構造物と、複数の前記消波構造物を備え、複数の前記消波構造物は、互いにほぼ平行に構成されかつ海流の波の動きに対抗するような方法で、長手方向に一列に配置されることを特徴とする消波システムとである。
【選択図】図４

Description

本発明は消波構造物の分野に関し、特に、消波構造物とそれを用いた消波システムに関する。

周知のように、海岸の浸食が進行中であり、この様な浸食を防ぐ施策が必要とされることが多い。防波堤や防砂堤などの浸食を防ぐために使用される既知の構造物は、一方で、浜辺の前方域に対して恩恵があるが、その一方で、その構造物の底辺や側面域、及びその構造物間において浸食作用を起こす。さらに、既知の構造物は、特に、海岸の損傷の原因となる陸地から沖合に向かう方向のいわゆる「引き波」や「底引き流」を起こす。その他のこれら既知の構造物の欠点として、前述したことから、高額で護岸の管轄機関に負担を課すような定期的なメンテナンス及び補充が必要である。

本発明は、消波構造物及び消波システムを提供することで従来技術の有する問題点を解決し、それらを用いて、波の実質的な減少だけでなく、それに加えて周辺域の海流のエネルギーを均一に再分配することで、海岸を保全し、海岸補充事業や海岸再構築事業の間隔期間を延長することを目的とする。

さらに、本発明は、海岸において使用された際に、隣接する浜辺での海水浴の事情に関して最大限の安全を図る消波システムを提供することを目的にし、また、例外的なメンテナンスをシステムまたはシステムに用いられる構造物に施すことなく、長周期波を効果的に減衰させることも目的にする。

さらに、本発明は、既知の方法と比較して、消波システムの管理及びメンテナンスの費用を低減することを目的にする。

本発明は、上述した目的を達成するために、添付した請求項に記載された消波構造物と消波システムとを特徴とする。

本発明の主な利点の１つは、特に、横方向及び側面方向の流れを減衰することと、水位線または設定線のレベルの上昇を防ぐこととにより、水底の元の構造を損傷すること無しに波のエネルギーを低減することであり、それにより、海岸形状の浸食及び変形を防ぐことである。

本発明に係る消波構造物及びそのシステムは、海岸補充事業を実施して持続的に浸食された浜辺を回復することができるように、浸食防止フィルターを組み合わせた場合に波のエネルギーを最適に低減することが可能である。

非制限的な単なる例として提供した添付した図面に関する以下の詳細な説明から、本発明の特徴及び利点がさらに明確となる。

消波構造物の１つの実施形態における側面図である。消波構造物の１つの実施形態における上面図である。図１及び図２に示される消波構造物のパネルの正面図である。消波システムの側面図である。バラストフィルターを備える消波システムの特定の構成における上面図である。

図面に関して、符号10である消波構造物は、これに限定しないが、少なくとも１つのパネル30などの消波手段と、特に使用時に水底に消波手段を固定することに適した固定手段とを備える。

図１〜図３に示される本発明の好適な実施形態によれば、固定手段は、水底に置かれるかまたは固定することに適したベースを備える。ベースは、細長い平行六面体形状などの１組の縦長部材20を備え、縦長部材20は、互いに平行に配置され、平面において全体的に長方形となるように交差部材26により互いに接続される。各縦長部材20は、上面に、垂直に対して傾いた２つの互いに平行な突壁22を備え、これら突壁22は、座部21を規定する。座部21は、パネル30をベースに取り付けられるように、特に、使用時にパネル30を固定するのに適したものである。

例えば、ほぼ平行六面体形状であるパネル30は、補完的に座部21に固定可能な脚部31などの下方部と、それぞれの下方肩部38を用いることで座部21と堅固に固定可能となる、使用時において座部21の内側に荷重を与える上方部37とを備える。パネル30は、パネル30に対して波打つ海流の方向と逆方向に傾斜するように配置される必要はないが、その方が望ましく、水平に対して30°〜90°となるのが良い。さらに、望ましくは、45°または60°である。

本発明の特に有益な実施形態によれば、ベースを構成する縦長部材20及び交差部材26は、例えば鉄筋コンクリートなど、水底に固定するために十分に重くかつ徐々に波の運動により生じる浸食に対して十分に耐性を有する材料で作製される。

本発明のもう１つの好適な実施形態によれば、消波手段は、自身を水底に掛止可能な固定手段を備える。そのため、消波構造物は、固定手段により水底に直接固定されるため、水底に置かれるベースを有していない。非制限的な例として、パネル30は、どの様な場合にでも堅固に固定されるように、水底の砂床に直接挿入させることができる下方部31を備える。

当然ながら、消波構造物のベースを形成する部材の組成及び構成は、本発明の範囲を逸脱せずに、上述したことに関連して大きく異なることも可能である。非制限的な例として、ベースは、３つ以上の縦長部材20を有するか、またはその代わりに、交差部材26を有さないか、若しくは、図に示したような傾斜したパネル30を固定する座部21が形成される、ほぼ平行六面体のベースブロックが１本からなることも可能である。

本発明の利点の１つは、固定手段の重量を同時に過剰増加させることなく、固定手段が水底で機能し、どの様な場合においても水底でより高い安定性を有する固定手段の構成を、様々に構築することができることである。そのため、運搬及び設置が簡単であり、特別な機材を用いる必要がない。

図４は、本発明に係る消波システムを示している。この消波システムでは、各パネル30がほぼ平行に構成され、海流の波の動きに対抗するような方法により、上述したような複数の消波構造物10が、好適には４つの消波構造物が長手方向に１列に配置される。同様に、幾つかのパネルが連続したパネルを形成するように消波構造物10が並べて配置されるか、または消波構造物10は、好適であるが非制限的な方法で15〜25メートルの長さ、特に20メートルの長さに達するように、パネルを固定するベースにより連結される。試験により、ベースは波の運動方向に長さ６メートルを有し、パネルは高さ1.5メートルで45°傾斜しているものが好ましいことが判明した。消波システムは、水深約３メートルの水底に設置されるのが好ましい。

上述したように構成された消波構造物の浸食の可能性のある領域において、消波システムは、例えば、非限定的な方法により、ジオテキスタイル材料で作製された浸食防止フィルター手段を備え、ジオテキスタイル材料は、好ましくはプラスティックでコーティングされた金属メッシュにより安定させたものである。当然であるが、フィルター手段は、水底の消波構造物を固定するために有用であるバラストマットなどの既知の異なる部材で作製することも可能である。

特に利点を有する消波システムの構成は、図５に示されているように、バラスト・フィルター・マット40が、波の運動と交差する方向に、上述したように構成された消波構造物と交互となる。消波システムは、消波構造物間において、幅６メートルで波の運動方向に消波構造物の全体長と同程度の長さを有する回廊形状を形成するフィルターマットで構成されるのが望ましい。また、消波システムは、波の運動方向に対して横方向に約100メートルに渡って広がり、さらに消波構造物10の端において、消波構造物10と同程度の幅のフィルターマット41を有することが望ましい。試験では、消波システムをこの特定の構成にすることで、浸食を低減し、海水浴客に対するリスクとなるような海流も解消する結果となった。

当然であるが、本発明に係る消波構造物及びそれを用いたシステムの様々な形態は、それにより本発明の範囲を逸脱しない範囲において提供されるものである。

10 消波構造物
20 縦長ブロック
21 座部
22 突壁
26 交差部材
30 パネル
31 下方部
37 上方部
40, 41 フィルター手段

Claims

水底への設置に適した消波手段と、水底に前記消波手段を堅固に固定することに適した固定手段とを備え、
前記消波手段は、使用時に該消波手段に波打つ海流の方向と逆方向に傾斜するように配置される
ことを特徴とする消波構造物。
前記固定手段は、水底に設置されるベース(20, 26)を備え、
前記ベースは、水底に固定するために十分に重くかつ波の運動により徐々に生じる浸食に対して十分に耐性を有する材料で作製される
ことを特徴とする請求項１記載の消波構造物。
前記ベースは、前記消波手段を掛止するための掛止部材を備えることを特徴とする請求項２記載の消波構造物。
前記掛止部材は、垂直に対して傾斜した２つの平行する突壁(22)を備え、前記突壁(22)は、使用時に前記消波手段の固定に特に適した座部(21)を規定することを特徴とする請求項３記載の消波構造物。
前記ベースは、互いに平行に配置されかつ交差部材(26)により互いに連結された複数の縦長ブロック(20)を備えることを特徴とする請求項４記載の消波構造物。
前記消波手段は、水底に固定されるパネル(30)を備えることを特徴とする請求項１〜５いずれか記載の消波構造物。
前記パネル(30)は、上方部(37)と、下方部(31)とを備え、前記下方部(31)は、水底に固定されることを特徴とする請求項６記載の消波構造物。
前記パネル(30)は、水平に対して30°〜90°の傾き、好ましくは45°または60°の傾きで配置されるように、水底に固定されることを特徴とする請求項７記載の消波構造物。
前記ベースは、所定の材料の単一のブロックで構成されることを特徴とする請求項２記載の消波構造物。
請求項１〜９のいずれか記載の複数の前記消波構造物を備え、複数の前記消波構造物は、互いにほぼ平行に構成されかつ海流の波の動きに対抗するような方法で、長手方向に一列に配置されることを特徴とする消波システム。
前記消波構造物は、少なくとも１つのパネル(30)を備え、複数の前記パネル(30)が隣り合わせて配置されることで連続したパネルを形成するように、前記消波構造物が隣り合わせで配置されることを特徴とする請求項１０記載の消波システム。
さらにフィルター手段を備えることを特徴とする請求項１０または１１記載の消波システム。
前記フィルター手段は、金属メッシュで安定させたジオテキスタイル材料を備え、好ましくは、前記金属メッシュがプラスティックコーティングされていることを特徴とする請求項１２の消波システム。
前記フィルター手段(40)は、波の運動方向に対して横方向に前記消波構造物と交互に置かれることを特徴とする請求項１２または１３記載の消波システム。
前記消波構造物(10)の端に配置されたフィルター手段(41)をさらに備えることを特徴とする請求項１４記載の消波システム。
前記フィルター手段は、前記消波構造物(10)と交互に置かれる場合において幅約６メートル、前記消波構造物(10)の端に配置される場合において前記消波構造物の幅と同程度の幅であり、前記消波システムが波の運動方向に対して横方向に約100メートルに渡って広がることを特徴とする請求項１２〜１５のいずれか記載の消波システム
１つ以上の消波手段を提供する提供ステップと、
前記消波手段を水底の所定の位置に配置する配置ステップと、
前記消波手段は該消波手段に波打つ海流の方向と逆方向に傾斜するように配置され、前記消波手段を水底に固定する固定ステップとを備える消波システム構築方法。