JP2010505410A - 変異体dnaポリメラーゼ及びそれらの遺伝子 - Google Patents

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Abstract

本発明は、変異体DNAポリメラーゼ、それらの遺伝子、及びそれらの使用に関する。より具体的には、本発明は、Thermococcus sp. NA1株から最初に単離され、そして部位特異的変異生成によって生産される変異体DNAポリメラーゼ、それらのアミノ酸配列、前記変異体DNAポリメラーゼをコードする遺伝子、それらの核酸、及びそれらを用いたRCR法に関する。本発明による変異体DNAポリメラーゼは、野生型DNAポリメラーゼと比較して、有効に、弱められたプルーフリーディング活性及び変更されたイノシン感知を有するので、特定の核酸を有するプライマーを用いたPCRは進行が速くなった。したがって、本発明は、さまざまな分子遺伝子工学におけるPCRのために広く利用可能である。
【選択図】なし

Description

本発明は、変異体DNAポリメラーゼ、それらの遺伝子、及びそれらの使用に関する。より具体的には、本発明は、Thermococcus sp. 株から最初に単離され、そして部位特異的変異生成によって生産される変異体DNAポリメラーゼ、それらのアミノ酸配列、前記変異体DNAポリメラーゼをコードする遺伝子、及びそれらを用いたPCR法に関する。
ゲノム研究の最近の進歩は、莫大な量の配列情報を生み出した。従来の遺伝子操作技術とゲノム研究技術とを一般に利用可能なように組合せることで、いくつかの超好熱性微生物のゲノム配列が、耐熱性酵素のために相当な生物工学的興味をひき、そして多くの超熱安定性酵素(extremely thermostable enzymes)が、生物工学的目的のために開発されている。
PCRは、熱安定性DNAポリメラーゼを用いるものであるが、タンパク質及び遺伝子の研究に対する最も重要な貢献の一つであり、そして広範な生物学的応用において現在用いられている。様々な生物から50以上のDNAポリメラーゼ遺伝子がクローニングされており、それらには好熱菌及び古細菌が含まれる。近年では、一般に用いられるTaqポリメラーゼよりも、そのプルーフリーディング活性に基づいて、PCRにおける高い正確性を有することから、超好熱古細菌であるPyrococcus及びThermococcus由来のファミリーB DNAポリメラーゼが広く用いられている。しかし、DNA伸長活性が比較的低いため、この高い正確性の酵素の改良が求められている。
本発明者らは、PACMANUS領域の深海熱水噴出孔地帯から新しい超好熱菌株を単離した。それは、16S rDNA配列解析に基づいて、Thermococcusの仲間であると同定され、そしてその全ゲノム配列決定が現在行われている最中であり、多くの超熱安定性酵素が探索されている。ゲノム情報の解析により、この株がファミリーB型DNAポリメラーゼを持つことが示された。本発明者らは、このDNAポリメラーゼに対応する遺伝子をクローニングし、E. coliにおいて発現させた。さらに、組換え酵素を精製し、そしてその酵素の特性を調べた。したがって、本発明者らは、高いDNA伸長及び高い正確性の活性を有するDNAポリメラーゼについて特許を出願した(韓国特許2005-0094644号)。
強いエキソヌクレアーゼ活性及びイノシン感知(inosine sensing)により、高い正確性のDNAポリメラーゼはイノシンを有するプライマーを用いたPCRに適さない。それ故、本発明者らは、イノシンを有するプライマーを用いたPCR反応に適するDNAポリメラーゼを、韓国特許2005-0094644号の野生型TNA1_pol DNAポリメラーゼから開発する必要がある。
それにより、継続的努力の結果、本発明者らは、Thermococcus sp. 株から単離した超好熱性DNAポリメラーゼに部位特異的変異生成を導入し、そして変更されたエキソヌクレアーゼ活性及びイノシン感知能を有する変異体DNAポリメラーゼを選び出した。同定された変異体DNAポリメラーゼは、イノシンを有するプライマーを用いたPCRのために有用である。それによって、本発明は完成された。
韓国特許2005-0094644号
本発明の目的は、変異体DNAポリメラーゼ及びそれらの遺伝子を提供することである。
本発明は、Thermococcus sp. 株から単離された、韓国特許2005-0094644号の野生型TNA1_pol DNAポリメラーゼに由来する、エキソヌクレアーゼ活性部位及びイノシン感知領域に対する部位特異的変異生成によって生産された変異体DNAポリメラーゼを提供する。
好ましくは、前記エキソヌクレアーゼ活性部位は、ExoIモチーフ、ExoIIモチーフ及びExoIIIモチーフから成る群から選択される1以上のモチーフであってよい。
また、本発明は、イノシン感知ドメインに対して同時に1以上の変異生成を行うことによって生産される変異体DNAポリメラーゼを提供する。
図1は、変異体DNAポリメラーゼのSDS-PAGE解析の結果を示す。M:標準試料、W:野生型、1:変異体I、2:変異体II、3:変異体III。 図2は、変異体DNAポリメラーゼを用いたPCR解析の結果をそれぞれ示す。M:標準試料、W:野生型、1:変異体I、2:変異体II、3:変異体III。 図3は、変異体DNAポリメラーゼ及びイノシンを有するプライマーを用いたPCR解析の結果をそれぞれ示す。M:標準試料、W:野生型、1:変異体I、2:変異体II、3:変異体III。 図4は、本発明による、組換えプラスミドの切断マップを示す。
第一の側面によれば、本発明は、SEQ ID NO: 1のアミノ酸配列91〜106、及びアミノ酸配列205〜220から本質的に成るDNAポリメラーゼを提供する。具体的には、前記DNAポリメラーゼは、SEQ ID NO: 1のアミノ酸配列91〜315から本質的に成る。より具体的には、前記DNAポリメラーゼは、SEQ ID NO: 1のアミノ酸配列から成る。また、本発明は、SEQ ID NO: 1のアミノ酸配列をコードするDNAポリメラーゼ遺伝子も提供する。また、本発明は、前記DNAポリメラーゼ遺伝子を含む組換えベクター及び前記組換えベクターで形質転換した宿主細胞も提供する。
第二の側面によれば、本発明は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列91〜106、アミノ酸配列133〜148、アミノ酸配列205〜220、及びアミノ酸配列300〜315から本質的に成るDNAポリメラーゼを提供する。具体的には、前記DNAポリメラーゼは、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列91〜315から本質的に成る。より具体的には、前記DNAポリメラーゼは、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列から成る。また、本発明は、SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列をコードするDNAポリメラーゼ遺伝子も提供する。また、本発明は、前記DNAポリメラーゼ遺伝子を含む組換えベクター及び前記組換えベクターで形質転換した宿主細胞も提供する。
第三の側面によれば、本発明は、SEQ ID NO: 3のアミノ酸配列91〜106、アミノ酸配列107〜122、アミノ酸配列133〜148、アミノ酸配列205〜220、及びアミノ酸配列300〜315から本質的に成るDNAポリメラーゼ遺伝子を提供する。具体的には、前記DNAポリメラーゼは、SEQ ID NO: 3のアミノ酸配列91〜315から本質的に成る。より具体的には、前記DNAポリメラーゼは、SEQ ID NO: 3のアミノ酸配列から成る。また、本発明は、SEQ ID NO: 3のアミノ酸配列をコードするDNAポリメラーゼも提供する。また、本発明は、前記DNAポリメラーゼ遺伝子を含む組換えベクター及び前記組換えベクターで形質転換した宿主細胞も提供する。
第四の側面によれば、本発明は、SEQ ID NO :1、2及び3の群から選択される一つのDNAポリメラーゼ遺伝子を含む発現プラスミド、及び形質転換された宿主細胞を用いてDNAポリメラーゼを生産する方法を提供する。より具体的には、本発明は、変異体DNAポリメラーゼ遺伝子を含む発現プラスミドで形質転換した細胞を培養する工程、本発明に従って組換えタンパク質の発現を誘導する工程、及びその変異体DNAポリメラーゼを精製する工程を含む、DNAポリメラーゼを生産する方法を提供する。
本明細書において用いられる場合、“DNAポリメラーゼ”という語は、遊離の3'-水酸基へヌクレオチドを連続的に付加することによって、相補的鋳型DNA鎖とプライマーを用いることにより、デオキシヌクレオチド三リン酸から5'→3'の方向でDNAを合成する酵素を意味する。鋳型鎖は、ワトソン−クリック塩基対合によって、付加されるヌクレオチドの配列を決定する。
本明細書において用いられる場合、“機能的均等物”という語は、いくつかのまたは全てのDNAポリメラーゼにおけるアミノ酸置換を有するアミノ酸配列変異体、またはいくつかのDNAポリメラーゼにおけるアミノ酸付加若しくは欠失を有するアミノ酸配列変異体を含むことを意図する。アミノ酸置換は、好ましくは同類置換である。天然のアミノ酸の同類置換の例は次のようなものである;脂肪族アミノ酸(Gly、Ala及びPro)、疎水性アミノ酸(Ile、Leu及びVal)、芳香族アミノ酸(Phe、Tyr及びTrp)、酸性アミノ酸(Asp及びGlu)、塩基性アミノ酸(His、Lys、Arg、Gln及びAsn)、及び含硫アミノ酸(Cys及びMet)。DNAポリメラーゼにおけるアミノ酸欠失は、DNAポリメラーゼの活性に直接関与しない領域に位置することが好ましい。
本発明は、変異体DNAポリメラーゼをコードするDNA断片を提供する。本明細書において用いられる場合、“DNA断片”という語には、SEQ ID NO: 1から3のDNAポリメラーゼをコードする配列、それらの機能的均等物及び機能的誘導体が含まれる。さらに、本発明は、例えばプラスミド、コスミド、ファージミド、ファージ及びウイルスといった、前記DNA断片を含む様々な組換えベクターを提供する。前記組換えベクターの調製方法は、当該技術分野においてよく知られている。
本明細書において用いられる場合、“ベクター”という語は、それに結合した別の核酸を運搬することができる核酸分子を意味する。本明細書において用いられる場合、“発現ベクター”という語は、プラスミド、コスミドまたはファージを含むことを意図し、それらは前記ベクターにより運搬される組換え遺伝子によってコードされるタンパク質を合成することができる。好ましいベクターは、自己複製することができ、そしてそれに結合した核酸を発現することができるベクターである。
本明細書において用いられる場合、“形質転換”という語は、外来性DNAまたは外来性RNAが細胞の中に取り込まれ、その細胞の遺伝子型を変えることを意味する。
形質転換に適した細胞には、原核細胞、真菌の細胞、植物細胞、及び動物細胞が含まれるが、これらには限定されない。最も好ましくは、E. coli細胞が用いられる。
以下、実施例を参照して本発明をさらに詳細に記述する。しかし、これらの実施例は、単に例示を目的としたものであり、本発明の範囲を限定するものとは解釈されないことを理解されたい。
[参照実施例1]野生型DNAポリメラーゼTNA1_pol遺伝子のクローニング及び一次配列解析
Thermococcus sp. NA1 は、パプアニューギニアのPACMANUS領域の深海熱水噴出孔地帯(南緯3°14'、東経151°42')から単離された。YPS培地を用いて、DNA操作のためにThermococcus sp. NA1を培養し、そしてThermococcus sp. NA1の培養及び維持は標準的方法に従って行った。Thermococcus sp. NA1の種培養(たねばいよう)を調製するために、25 ml血清瓶(serum bottle)中のYPS培地へphytagelプレート上に形成されたシングルコロニーを植菌し、そして90℃で20時間培養した。この種培養を用いて、嫌気ジャー中の700 mlのYPS培地へ植菌し、そして90℃で20時間培養した。
[参照実施例2]野生型DNAポリメラーゼTNA1_pol遺伝子の調製
Thermococcus sp.から単離されたDNAポリメラーゼTNA1_pol遺伝子を含むプラスミド増殖(plasmid propagation)及びヌクレオチド配列解析のためにE. coli DH5αを用いた。E. coli BL21-Codonplus(DE3)-RIL細胞(Stratagene, La Jolla, California)及びプラスミドpET-24a(+)(Novagen, Madison, Wisconsin)を、遺伝子発現のために用いた。E. coli株をLuria-Bertani培地中37℃で培養し、そして終濃度50μg/mlで培地にカナマイシンを添加した。
また、DNA操作は、Sambrook及びRussellにより記述された標準的方法に従って行った。Thermococcus sp. NA1のゲノムDNAは、標準的方法に従って単離した。制限酵素及び他の修飾酵素は、Promega(Madison, Wiscomsin)から購入した。E. coli細胞からの小スケールのプラスミドDNAの調製は、プラスミド・ミニキット(Qiagen, Hilden, Germany)を用いて行った。DNAの配列解析は、BigDye terminatorキットを用いた自動シーケンサー(ABI3100)(PE Applied Biosystems, Foster City, California)で行った。
ゲノム配列解析を通じて、1308アミノ酸から成るタンパク質をコードするオープンリーディングフレーム(3927 bp)が見つかり、そしてそれは、ファミリーB DNAポリメラーゼと非常に高い類似性を示した。推定アミノ酸配列から導かれるタンパク質の分子量は151.9 kDaであり、これは、熱安定性DNAポリメラーゼの平均分子量について予測される大きさよりとても大きかった。配列解析により、DNAポリメラーゼ遺伝子は、真核生物と古細菌のα様DNAポリメラーゼ(Pol III)の間で保存された領域(Pol III)の中央に、推定上の3'-5'エキソヌクレアーゼドメイン、α様DNAポリメラーゼドメイン、及び1605-bp(535アミノ酸)のインフレーム介在配列を含むことが示された。また、ポリメラーゼのインテイン(intein)の推定アミノ酸配列は、他の古細菌のポリメラーゼのインテインと極めて類似し、そしてpol_1インテイン1(Thermocuccus sp. GE8株のDNAポリメラーゼに由来;537アミノ酸;AJ25033)と81.0%の同一性、IVS-B(KOD DNAポリメラーゼに由来;537アミノ酸;D29671)と69.0%の同一性、そしてインテイン(深海噴出孔DNAポリメラーゼに由来;537アミノ酸;U00707)と67.0%の相同性を示した。
また、インテインのN末端においてはCysまたはSerがよく保存されており、そしてC末端スプライス部位においてはHis-Asn-Cys/Ser/Thrがよく保存されていたので、インテインのスプライシング部位は配列解析によって予測可能であった。よって、インテインを含まない成熟ポリメラーゼ遺伝子(TNA1_pol)を予測可能であり、そしてそれは773アミノ酸残基から成るタンパク質をコードする2322 bpの配列と予測された。TNA1_polの推定配列は、他のDNAポリメラーゼの成熟ポリメラーゼ遺伝子と比較された。ペアワイズアライメントにおいて、成熟TNA1_pol遺伝子の推定アミノ酸配列はKOD DNAポリメラーゼ(gi:52696275)と91.0%の同一性、深海噴出孔DNAポリメラーゼ(gi:436495)と82.0%の同一性、そしてpfu DNAポリメラーゼ(gi:18892147)と79.0%の同一性を示した。PCR増幅におけるTNA1_polの性能を試験するために、上述のように全長ポリメラーゼからインテインを除くことによって、TNA1_pol DNAを構築した。
インテインを含まない成熟DNAポリメラーゼを、以下の方法で構築した。重複配列を含むように設計されたプライマーを用いて、TNA1-polのN末端部分及びC末端部分のそれぞれを増幅した。次いで、2つのプライマー及び鋳型として前記の部分的にPCR増幅したN末端断片及びC末端断片の混合物を用いたPCRによって、NdeI部位及びXhoI部位を隣接する全長TNA1_pol遺伝子を増幅した。増幅された断片を、NdeI及びXhoIで消化し、そしてNdeI/XhoIで消化されたpET-24a(+)とライゲーションした。ライゲーションしたものを、E. coli DH5αに形質転換した。正しい構造を有する候補を、制限酵素消化によって選択し、そしてクローンのDNA配列を解析することによって、成熟DNAポリメラーゼを有することを確認した。
[実施例1]部位特異的変異生成による変異体NA1 DNAポリメラーゼの構築
変異体DNAポリメラーゼNA1を調製するために、特定の部位に対応するさまざまな合成プライマーを使ったPCRを用いる手順に従って、部位特異的変異生成をそれぞれ実行した。変異のためのプライマー及び調製された変異体DNAポリメラーゼは、表1に記載された。
Figure 2010505410
図1は、変異体DNAポリメラーゼのSDS-PAGE解析の結果を示す。M:標準試料、W:野生型、1:変異体I、2:変異体II、3:変異体IIIである。
PCR反応を以下の条件で行った:95℃で5分の1回の変性工程、次いで95℃で15秒、55℃で1秒、及び72℃で20秒の温度条件による15サイクル、その後72℃で7分の最後の伸長。
図2は、変異体DNAポリメラーゼを用いたPCR解析の結果をそれぞれ示す。
図3は、変異体DNAポリメラーゼ及びイノシンを有するプライマーを用いたPCR解析の結果をそれぞれ示す。
[実施例2]変異体NA1 DNAポリメラーゼの発現及び精製
とても強く厳密なT7/lacプロモーターを有するpETシステムは、E. coliにおける異種タンパク質のクローニング及び発現のために開発された、最も強力なシステムの一つである。組換えタンパク質の過剰発現及びHisタグ精製を促進するために、実施例1より精製された変異体NA1 ポリメラーゼ遺伝子を、プラスミドベクターpET-24a(+)のNdeI及びXhoI部位に導入した(図4)。変異体NA1ポリメラーゼは、前記組換え発現プラスミドで形質転換したE. coli BL21-codonPlus(DE3)-RILの細胞質中に可溶型で発現した。
具体的には、対数増殖期の中期においてイソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド(IPTG)を添加し、その後37℃で3時間の定温培養することによって、変異体NA1ポリメラーゼの過剰発現を誘導した。細胞を遠心分離(4℃及び6000×gで20分)によって回収し、そして0.1 M KCl及び10%グリセロールを含む50 mM Tris-HCl緩衝液(pH 8.0)中に再懸濁した。細胞を、超音波で破砕し、そして遠心分離(4℃及び20000×gで30分)によって単離し、そして粗酵素試料を80℃で20分熱処理した。得られた上清を、TALONTM金属親和性樹脂(BD Bioscience Clontech, Palo Alto, California)のカラム中で処理し、そして0.1 M KCl及び10%グリセロールを含む50 mM Tris-HCl緩衝液(pH 8.0)中の10 mMイミダゾール(Sigma, St. Louis, Mo.)で洗浄し、そして変異体NA1ポリメラーゼを、緩衝液中の300 mMイミダゾールで溶出した。集めた画分を、50 mM Tris-HCl(pH 7.5)、1 mM DTT、1mM EDTA及び10%グリセロールを含む保存緩衝液中で透析した。タンパク質の濃度は、Bradfordの比色アッセイによって測定した。タンパク質の精製度は、標準的方法に従い、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)解析によって測定した(図1)。
80℃で20分行った熱処理は、いくつかのE. coliのタンパク質を効果的に除去できた。しかし、いくらかのE. coliのタンパク質は熱処理後に安定な形で残った。熱処理した液体の可溶性上清を、TALONTM金属親和性樹脂のカラム上でクロマトグラフィーした。精製タンパク質の比活性は231.33 unit/mgであり、そして精製の収率は26.155%であった。SDS-PAGE解析は、80 kDaの分子量を有する主要タンパク質のバンドを示した。精製タンパク質は、繰り返された凍結と解凍のサイクル中も可溶性のままであった。
Figure 2010505410
[実施例3]変異体NA1 DNAポリメラーゼを用いたPCR解析
熱安定性の変異体DNAポリメラーゼの主要な応用は、DNA断片のin vitroの増幅である。in vitroの増幅のための組換えポリメラーゼの性能を試験するために、前記酵素をPCR反応に供した。2.5 UのさまざまなDNAポリメラーゼをそれぞれ、鋳型としての50 ngのThermococcus sp. NA1由来ゲノムDNA、10 ピコモルの各プライマー、200μMのdNTP、及びPCR反応緩衝液を含む50μlの反応混合液に添加した。Thermococcus sp. NA1のゲノムDNAから2 kbの断片を増幅するために、プライマーを設計した。製造業者より提供されるPCR緩衝液を、市販のポリメラーゼの増幅に用いた。また、前記ポリメラーゼのPCR増幅のためには、20 mM Tris-HCl(pH 8.5)、30 mM (NH4)2SO4、60 mM KCl、及び1 mM MgCl2から成る緩衝液を用いた。PCR反応は以下の条件で行った:95℃の1回の変性工程、次いで94℃で1分、55℃で1分及び72℃で2分の温度条件で30サイクル、その後72℃で7分の最後の伸長。PCR産物を、0.8%アガロースゲル電気泳動において解析した。長鎖のDNAの増幅における組換えポリメラーゼの性能をテストするために、鋳型としての50 ngのTermococcus sp. NA1由来ゲノムDNA、200μM dNTP、及びPCR反応緩衝液を含む50μlの反応混合液中でPCR反応を行った。本発明による変異体DNAポリメラーゼ及びイノシンを有するプライマーを用いてPCRを行った。結果として、本発明によるDNAポリメラーゼは、野生型よりも高い効率で増幅された(図3)。
上述のように、本発明は、単離されたThermococcus sp NA1株から部位特異的変異生成によって生産されるDNAポリメラーゼ、それらのアミノ酸配列、前記変異体DNAポリメラーゼをコードする遺伝子、それらの配列、それらの調製方法、及びそれらを用いたPCRの使用に関する。本発明による変異体DNAポリメラーゼは、変更されたエキソヌクレアーゼ及びイノシン感知を同時に有するので、本発明は、さまざまな分子遺伝子工学において、イノシンを有するプライマーを用いたPCRに広く利用可能である。

Claims (19)

  1. SEQ ID NO: 1のアミノ酸配列91〜106、及びアミノ酸配列205〜220から本質的に成る、DNAポリメラーゼ。
  2. SEQ ID NO: 1のアミノ酸配列91〜315から本質的に成る、請求項1に記載のDNAポリメラーゼ。
  3. SEQ ID NO: 1のアミノ酸配列から成る、請求項1に記載のDNAポリメラーゼ。
  4. SEQ ID NO: 1のアミノ酸配列をコードする、DNAポリメラーゼ遺伝子。
  5. 請求項4のDNAポリメラーゼ遺伝子を含む、組み換えベクター。
  6. 請求項5の組換えベクターで形質転換した、宿主細胞。
  7. SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列91〜106、アミノ酸配列133〜148、アミノ酸配列205〜220、及びアミノ酸配列300〜315から本質的に成る、DNAポリメラーゼ。
  8. SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列91〜315から本質的に成る、請求項7に記載のDNAポリメラーゼ。
  9. SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列から成る、請求項7に記載のDNAポリメラーゼ。
  10. SEQ ID NO: 2のアミノ酸配列をコードする、DNAポリメラーゼ遺伝子。
  11. 請求項10のDNAポリメラーゼ遺伝子を含む、組換えベクター。
  12. 請求項11の組換えベクターで形質転換した、宿主細胞。
  13. SEQ ID NO: 3のアミノ酸配列91〜106、アミノ酸配列107〜122、アミノ酸配列133〜148、アミノ酸配列205〜220、及びアミノ酸配列300〜315から本質的に成る、DNAポリメラーゼ。
  14. SEQ ID NO: 3のアミノ酸配列91〜315から本質的に成る、請求項13のDNAポリメラーゼ。
  15. SEQ ID NO: 3のアミノ酸配列から成る、請求項13に記載のDNAポリメラーゼ。
  16. SEQ ID NO: 3のアミノ酸配列をコードする、DNAポリメラーゼ遺伝子。
  17. 請求項16のDNAポリメラーゼ遺伝子を含む、組換えベクター。
  18. 請求項17の組換えベクターで形質転換した、宿主細胞。
  19. (a) 請求項6、12又は18の宿主細胞を培養する工程;
    (b) 組換えタンパク質の発現を誘導する工程;及び
    (c) DNAポリメラーゼを精製する工程
    を含む、DNAポリメラーゼを生産する方法。
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