JP2010503390A - 低圧環境下で培養細胞を梱包するための方法および対応する装置 - Google Patents

低圧環境下で培養細胞を梱包するための方法および対応する装置 Download PDF

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Abstract

低圧環境下で培養細胞を梱包するための方法および対応する装置。本発明は、培養生細胞を、その輸送を目的として、梱包するための方法であって、前記細胞は少なくとも一つの容器に入っている培地中にあり、前記方法が、所定の充填度に従って前記容器を充填する段階と、前記容器を封鎖するステップであって、前記容器を柔軟な小袋に袋詰めするステップと、および前記小袋内の圧力を低下させるステップと、その圧力低下を維持しながら、前記小袋を封止するステップとを含むステップとを含み、前記封鎖ステップが、前記圧力低下中に前記培地が沸騰するのを避けるために、前記充填度と相関する温度条件下で行われることを特徴とする方法に関する。

Description

本発明の分野は、培養細胞を、その輸送を目的として、梱包する分野である。より具体的には、本発明は、容器に入っている培地中の細胞、またはプレートに備わるウェルに入っている培地中の細胞を梱包するための方法に関する。
すぐに使用できる培養プレートの形態での細胞の売買には、製造者および/または販売者と最終使用者との間の輸送段階が必要である。培養プレートは、培地がウェルからこぼれ出てくるのを防ぐことが想定されたシステムがないため、そのままでは輸送することができない。しかし細胞は、培地と絶えず直接接触していなければ、輸送中に生き残ることができない。
この輸送ステップにはさまざまな技術的解決策が用いられる。
最もよく使用され最も安価な技術的解決策は、培地が充填されたプレートを粘着性プラスチックフィルムで覆うことからなる。粘着性フィルムを使った培養プレートの封止は、毒物が遊離する可能性があるなど、さまざまなタイプの課題に直面する。
そのうえ、ほとんどの場合、ウェルには気泡を形成する残りの容積が存在する(ウェルの100%充填は達成が極めて困難である)。フィルムの下に閉じ込められた前記の気泡は、各ウェルごとに、シリンジを使って手作業で排出しなければならない。気泡は、実際、輸送中に、特に単層細胞プレートの反転が起こると、細胞と接触して、細胞の損傷または死を引き起こしがちである。この場合は、シリンジによって作られた孔を封止するために、第2の粘着性プラスチックフィルムでプレートを覆う必要がある。したがって、輸送のためのこのプレート調製プロセスは、産業的観点からは、長い時間がかかり、したがって非生産的であるという欠点を伴う。
また、輸送中の外部温度は、大幅に変動しがちであり、航空便による長距離輸送の場合は特にそうである。これは、梱包材料の拡大および収縮を引き起こし、結果的に、その密閉性の喪失が起こり、封止されていないマルチウェルプレートのウェル外への培地の漏出を引き起こす。そのうえ、大きなウェルを持つプレート(特に6ウェルプレート)の輸送に粘着性フィルムを使用しても、ウェル中の液体の重量が粘着性フィルムの粘着力よりも大きいので、その密閉性を確保することできない。
熱封止可能なフィルムも存在し、その接着力は粘着剤よりも大きいが、封止を解くのが困難であり、封止を取り除いた時に、最終使用者には許容され得ない痕跡が残る。
ウェル上に置かれるプラスチック製またはゴム製のキャップなどといった他のマルチウェル封止システムも使用される。このシステムの欠点も非常に多い。まず最初に、前記封止システムの原価は高く、それが、この産業部門での使用を困難にしている。しかし、前記キャップ封止システムの主たる制約は、同じプレートまたはプレートバッチ間でのウェルの寸法変動のせいで、その密閉性が低いことである。この課題を解決するために柔軟なキャップを使用することは可能であるが、その場合は、ウェル上にキャップが存在することにより、各ウェル中の輸送培地の体積が3分の2は減ってしまうことになる。細胞上の利用可能な前記培地体積は、3日間は続き得る輸送の間ずっと、栄養の供給を確保し、pH安定性を確保するには不十分である。
もう一つの欠点は、プレートタイプごとに一つのキャップモデルを用意する必要があるという点であり、あらゆるタイプの基板に適合させることができる単一の解決策があれば、産業的観点からは、より有利である。
多糖ポリマー粉末を添加することによって輸送培地を固形にすることからなる手法も、本出願人の名で出願された仏国特許出願公開第2862980号明細書から知られている。培地への前記ポリマー粒子の添加は、細胞上に緻密なヒドロゲルの形成をもたらすことで、漏出という課題を、輸送培地の固化によって回避する。実際には、このシステムは、個々の異なる細胞タイプに対するヒドロゲルの中性を確保するために、かなりの開発を必要とすることがわかった。そのうえ、ポリマーの外観が最終使用者にとっては許容しがたいものであった。
米国特許出願公開第2005/0235368号に記載されているもう一つの輸送システムは、ある特定の細胞タイプ、すなわちトランスジェニックアフリカツメガエル(Xenopus laevis)卵母細胞を輸送するために開発された。この輸送方法では、ウェルにシリコーンプレートを押しつけることによって、封止が行われる。この圧力は圧迫によって加えられる。
前記の技術的解決策はいずれも長距離輸送段階の課題を、程度の差はあるが頻繁に見られる漏出という課題も、輸送培地の体積の課題(キャップ解決策)も、決定的に解決するものではない。
本発明の目的は、先行技術の欠点を改善することである。
より具体的には、本発明の目的は、輸送しようとする培養細胞を梱包するための手法であって、先行技術の手法よりも、特に細胞品質の保存という点で、信頼性が高い手法を提案することである。
本発明の目的は、培地を高い充填度で容器に充填することを可能にするような手法を提供することでもある。
本発明の目的は、容器の密閉性を確保することを可能にするような手法を提供することでもある。
本発明の目的は、どのタイプのプレートにも使えるような手法、または事実上どのタイプのプレートにも使えるような手法を提供することでもある。
本発明のさらなる目的は、容易かつ安価に使用することができるような手法を提供することである。
これらの目的は、以下に明細書中で明らかにされる他の目的と共に、培養細胞をその輸送を目的として梱包するための方法であって、前記細胞は少なくとも一つの容器に入っている培地中にあり、前記方法が、
所定の充填度に従って前記容器を充填する段階と、
前記容器を封鎖するステップであって、
前記容器を柔軟な小袋に袋詰めするステップと、
前記小袋内の圧力を低下させるステップと、
その圧力低下を維持しながら、前記小袋を封止するステップと
を含むステップと
を含み、前記封鎖ステップが、前記圧力低下中に前記培地が沸騰するのを避けるために、前記充填度と相関する温度条件下で行われる方法に関する本発明によって達成される。
このようにして、本発明は、米国特許出願公開第2005/0235368号の場合のように圧迫によってではなく、部分真空下で培養プレートを袋詰めすることによって行われる圧力低下によって、密閉性の確保を可能にする技術的解決策を提案する。
そのような手法は、一般に使用されるどのタイプのプレートにも使用することができ、前記プレートは6個から3456個のウェルを有し得る。
本発明が提案する技術的解決策はウェルを封止しようとするものであり、この減圧封止方法は可逆的である必要があることに留意する。
この解決策は本発明の分野の慣行に反している。というのも、細胞培養は強い減圧(すなわちほとんど0気圧の最終圧力)には耐えることができず、そのような条件は細胞輸送培地の沸騰をもたらし、細胞の生存能を損なうことが知られているからである。そのため、圧力低下による密閉性の確保を意図した前記の方法を当業者が思い浮かべることは、これまでなかった。
実際、培養ウェル内の圧力の低下中に、細胞上の輸送培地の「発泡」が観察される。この発泡は輸送培地の迅速な脱気によるものである。大気圧で前記培地に溶解した気体は、圧力の低下中に一部が気体状態に戻る(基本的にO、CO、N)。
したがって、前記の脱気を防止することが決定的に重要である。
そのような発泡は、飛沫飛散を誘発するという事実に加えて、培地および培養細胞の酸塩基平衡を変化させる。
前記の酸塩基平衡は、実際には、炭酸−重炭酸緩衝液によって形成され、これは以下の反応に従ってCOの可溶化を可能にする。
CO+HO→HCO +H
溶液の脱気は、たとえ部分的であっても、細胞にとって有毒な培地のアルカリ化を誘発する。
沸騰は、圧力パラメータ、体積パラメータおよび温度パラメータの組み合わせが誘発する他の物理化学的現象によって誘発され得ることに留意する。
いずれにせよ、気泡の形成は、細胞がウェルから剥離して培地中に再懸濁される原因になりやすい。その場合は、作業者による開封時に、(ウェルの底部にあると想定される)細胞にアクセスするために培地が除去されることによって、細胞の喪失が起こる。
以下に説明するさまざまな実施形態に従って温度および充填のパラメータを調節することにより、本発明は、細胞の酸塩基平衡を乱さず、その細胞培養物に応じた清浄条件下で作業し、ウェル(容器)の縁部の濡れ(沸騰による飛沫飛散が引き起こすもの)がその緊密な封鎖を妨げるのを防ぐことを可能にする、前記気泡形成を防ぐための技術的解決策を提案する。
本発明による技術的解決策は二つの要素、すなわち、培地の温度および体積、より正確には、ウェル内の培地の上に残された気体の体積を調節することからなる。
好ましくは、前記充填段階に先だって、前記培地が前記温度条件に対応する温度を示すように、前記培地の温度を上昇させるステップが行われる。
有利な解決策によれば、前記圧力低下ステップは、前記容器中の圧力が前記封鎖ステップ後に約20ミリバール〜約120ミリバールになるように、より好ましくは、約60ミリバールの圧力になるように行われる。
実際、減圧度が強すぎて約20ミリバール未満になると、細胞は窮迫の徴候を示し始めることが観察され、120ミリバールを上回ると、ウェルの封鎖部材上に均一な圧力を確保するには減圧度が不十分で、漏れがないことを保証できなくなる。
本発明の第1のアプローチによれば、前記容器は前記培地で実質上完全に満たされ、前記圧力低下ステップは、前記培地が0℃より高く約20℃より低い温度を示している間に、好ましくは前記培地が約4℃の温度を示している間に行われる。
このようにして、培地温度の低下が、外圧を低下させた際の脱気時間を遅らせる。
0℃未満では細胞が凍結し、20℃を上回ると、沸騰現象が過剰になることに注意する。
本発明の第2のアプローチによれば、前記圧力低下ステップが、前記培地が約20℃より高く約37℃より低い温度を示している間に行われ、前記容器には前記培地が約70%〜約95%の充填度、好ましくは約90%の充填度で充填される。
70%未満の充填度では、大きな気泡が本梱包方法の実施後にウェル中に残ることが観察され、前記気泡は、細胞シートとの長期間にわたる接触が輸送中に起こると、培養物の生存能力を損なう傾向がある。
95%を上回る充填度では、本梱包方法の際に培地があふれる。充填体積は上述のように調節されるため、この梱包システムが受ける圧力低下によって誘発される脱気は、ウェル内に存在する空気量が少ない(約10%)ことで、弱くなる。
これは培地の発泡を制限し、よって細胞シートの完全性を保存する。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記封鎖ステップは、変形しやすい封鎖材料を前記容器上に配置するステップを含む。
したがって、そのような変形可能材料はウェルに適合し、ウェルの輪郭に完全に適合することができ、それにより、封鎖の完全な密閉性が確保される。
この場合、前記封鎖材料は60ショアの平均硬度を示すと有利であり、前記封鎖材料は好ましくはエラストマー材料である。
エラストマー材料の変形性および柔軟性は重要である。というのも、ウェルに正しく適合しないであろうから、前記プレートは硬質すぎるべきではなく、本システムにおける減圧の適用中に変形を起こす原因となり、その変形は漏れを生じやすいため、柔軟すぎるべきではないためである。
好ましい解決策によれば、本方法は、前記封鎖材料を硬質固定材料で覆うステップを含む。
封鎖材料は柔軟な材料でできているが、それは、場合によっては、ウェル内で変形されて、ウェルの周囲に、漏れを生じやすくする不均一性を示すという危険を冒す傾向を持ち得る。
エラストマープレート上に配置される硬質プラスチックプレートの目的は、封鎖システムに所定の強度を与え、気圧の低下によって生じる圧力が、培養プレート全体に均一に分配されることを可能にすることである。
このプレートは、その気密性ゆえに、細胞保存性の改善を可能にする。
本発明は、上述の方法によって輸送しようとする培養生細胞の梱包物であって、前記梱包物が、前記細胞を含む培地で少なくとも部分的に充填された少なくとも一つの容器と、前記容器を含む小袋とを含み、前記容器が前記小袋中に減圧状態で維持される梱包物にも関する。
好ましくは、前記容器は変形しやすい封鎖材料によって封鎖される。
また、好ましくは、この梱包物は、容器の前記封鎖材料を覆う硬質固定材料プレートを含む。
本発明の他の特徴および利点は、限定ではなく説明的な例として記載される二つの好ましい実施形態に関する以下の記述と、添付の図面とを見れば、より明解になるだろう。
本発明による方法の概略図である。 本発明による方法を用いて製造される梱包物の模式図である。
上述のように、本発明の原理は、輸送用の梱包システムの周りに圧力低下を作り出すと、封鎖手段上に一定の高圧が均一な分布で間接的に適用されることにより、培地の漏出を伴わないプレートの輸送が保証されるという事実にある。
図1を参照すると、最初のステップ1は、以下に説明する所定の充填度で、容器に充填することからなる。
ウェルの封鎖は、好ましくは60ショアの硬度を示すエラストマー材料をウェル上に載置することからなるステップ2を含む。
前記材料は、使用前に通常の滅菌手法を使って滅菌される。
ステップ3では、硬質固定材料、好ましくは硬質透明材料が、エラストマープレート上に載置される。
続くステップ4は、エラストマープレートおよび硬質プレートによって閉じられた容器の、小袋への袋詰めを含む。
ステップ5では、小袋内に含まれる空気の吸引が行われる。小袋は、小袋内部の圧力低下が行われている間に、それ自体公知の手法を使って封止される。
圧力パラメータは、減圧の適用を担う装置によって、精密に制御される。
上述のステップ5では、さまざまな装置を使って、満足できる設定精度で減圧を20秒周期で作り出すことにより、極めて精密な減圧を作り出し、小袋を封止することができる。
したがって、各ウェルの封鎖は、エラストマープレートをウェルの縁部に押しつけることによって行われる。減圧によって作り出された圧力低下が、小袋の裏によって、エラストマープレートをウェル縁部と付着させるのに十分な力を発揮すれば、密閉性が確保される。
実施した試験では、60ミリバールという減圧の適用時に37℃で輸送培地の発泡の形成が迅速に検出された。ウェルの縁部に飛沫飛散を生じさせる沸騰は、ウェルの縁部におけるエラストマープレートの緊密で乾いた接触を妨げる。その場合、ウェルに入っている培地は、プレートが少し激しく揺り動かされると、毛管現象によってウェルの外側に移動する。システムの密閉性は保証されない。
前記の沸騰またはその影響は、同じ減圧度でも、
ウェルの部分的充填、または
4℃への培地の冷却
によって制限できるようである。
部分的充填(ステップ12に相当)の場合、培地は20℃〜37℃(好ましくは37℃)に予熱され、ウェルは70%〜95%(好ましくは90%)の充填度で充填される。
部分的充填の欠点は、輸送中にプレートの反転が起きると、梱包の細胞シート保存能力が限定されたものになるということである。実際、ウェル中に存在する気泡は大きく、長時間にわたって接触すると、細胞シートを乾燥させる場合もあり得る。
4℃に冷却された培地(ステップ11に相当)の場合、ウェルには3.25mlの培地(=メニスカスの存在を考慮してウェル中に導入することができる液量の100%)が充填される。
60ミリバールという減圧の適用中に、4℃に冷却された培地は「発泡」せず、したがって沸点が下がる。
培養プレートが長時間にわたって反転された場合も飛沫飛散および空気接触の問題はもはや起こらない。
試験の結果を下記表1に示す。
Figure 2010503390
この実施形態の例の場合、60ミリバール以上の減圧レベル(60→0ミリバール)については、密閉性が確保されることが確認された。しかし、40ミリバールを上回ると(40→0ミリバール)、エラストマー封鎖部材の著しい変形が観察された。減圧レベルが低いと(60ミリバールからほぼ大気圧まで)、培養プレートがある程度激しく揺り動かされた場合に、培地の漏出が観察された。
試験は24ウェルプレート中の初代肝細胞培養物で行った。
これらの細胞は、最も感受性が高い(脆弱な)部類に属するので、前記の新しい輸送システムの開発のために選択した。前記の細胞にとって理想的な条件を決定することにより、前記の条件が、細胞株などといった、より耐性の強い細胞タイプに最適化される。
初代肝細胞培養物を減圧下で72時間にわたって梱包した後、通常の条件下での培養に戻した。形態学的観察を下記表2に示す。
Figure 2010503390
エラストマープレートの変形を制限してウェル上でのその配置を最適化するための硬質固定プレートの追加も検討した。
表2に記載の結果によれば、硬質固定プレートは、(エラストマープレートだけの場合とは異なり)その気密性ゆえに、細胞保存の点で、結果を改善することがわかる。
外側の梱包を形成するために、2つのタイプの小袋、
厚い小袋、
柔軟な小袋
を試した。
減圧梱包(60ミリバール)時には、柔軟な小袋の方が、空気の完全な吸引がうまくいく。
実際、厚くて硬質なプラスチック小袋では、培養プレートのそれぞれの角で形成された折り目に空気が閉じ込められたまま残り、吸引が完全でない。したがって、圧力低下を用いた容器封鎖の信頼性が低下する。
上記で決定された最善のパラメータのそれぞれ、すなわち
60ミリバールで作り出した減圧、
4℃に冷却した輸送培地によるウェル体積の100%充填、
3mm厚のエラストマープレート、
硬質プレートの追加、
外側の梱包には柔軟な小袋
を再現することによって、初代肝細胞培養物を減圧梱包した。
初代肝細胞培養物の的確な保存を、72時間(現在、実験室で、細胞に要求される最大輸送時間)の梱包後に、形態基準および酵素基準に基づいて評価した。結果を下記表3に示す。
Figure 2010503390
輸送ステップ5では、この方法で梱包された培養プレートが、専門家の慣行に従って搬送される。前記慣行に従って、外部温度は制御されなければならない。また、このシステムは、ポリウレタン製保温ボックスに入れられるだろう。これらの慣行は本発明の主題ではない。
受け取ったら、最終使用者は培養プレートを引き出すために減圧を破らなければならない。これは、滅菌性の維持を確保する措置の他は、特別な措置を何もとらずに行われる。減圧包装された小袋は、例えば単に鋏を使って切断される。本発明の方法を使って得られる梱包物を図2に図解する。
そのような梱包物は、
部分真空下にある培地中の細胞を含有する複数のウェル211を呈するプレート21、
柔軟性を持つのでウェルの内側に向かって変形させることが可能な(点線で画いた変形221によって表される)エラストマープレート22、
エラストマープレート22をウェル上に固定する固定プレート23(または透明硬質プラスチックプレート)、
封止された柔軟な小袋24
からなる。

Claims (15)

  1. 培養生細胞をその輸送を目的として梱包するための方法であって、前記細胞は少なくとも一つの容器に入っている培地中にあり、前記方法が、
    所定の充填度に従って前記容器を充填する段階と、
    前記容器を封鎖するステップであって、
    前記容器を柔軟な小袋に袋詰めするステップと、
    前記小袋内の圧力を低下させるステップと、
    その圧力低下を維持しながら、前記小袋を封止するステップと
    を含むステップと
    を含み、前記封鎖ステップが、前記圧力低下中に前記培地が沸騰するのを避けるために、前記充填度と相関する温度条件下で行われる方法。
  2. 前記充填段階に先だって、前記培地が前記温度条件に対応する温度を示すように、前記培地の温度を上昇させるステップが行われる、請求項1に記載の生細胞梱包方法。
  3. 前記容器中の圧力が前記封鎖ステップ後に約20ミリバール〜約120ミリバールの圧力になるように前記圧力低下ステップが行われる、請求項1および2のいずれかに記載の培養細胞梱包方法。
  4. 前記容器中の圧力が前記封鎖ステップ後に約60ミリバールの圧力になるように前記圧力低下ステップが行われる、請求項3に記載の培養細胞梱包方法。
  5. 前記培地が0℃より高く約20℃より低い温度を示している間に前記圧力低下ステップが行われ、前記容器が前記培地で実質上完全に充填される、請求項1〜4のいずれかに記載の培養細胞梱包方法。
  6. 前記培地が約4℃の温度を示している間に前記圧力低下ステップが行われる、請求項5に記載の培養細胞梱包方法。
  7. 前記培地が約20℃より高く約37℃より低い温度を示している間に前記圧力低下ステップが行われ、前記容器が約70%〜約95%の充填度で前記培地で充填される、請求項1〜4のいずれかに記載の培養細胞梱包方法。
  8. 前記培地が約20℃より高く約37℃より低い温度を示している間に前記圧力低下ステップが行われ、前記容器が約90%の充填度で前記培地で充填される、請求項7に記載の培養細胞梱包方法。
  9. 前記封鎖ステップが、変形しやすい封鎖材料を前記容器上に配置するステップを含む、請求項1〜8のいずれかに記載の培養細胞梱包方法。
  10. 前記封鎖材料が約60ショアの平均硬度を示す、請求項9に記載の培養細胞梱包方法。
  11. 前記封鎖材料がエラストマー材料である、請求項9および10のいずれかに記載の培養細胞梱包方法。
  12. 前記封鎖材料を硬質固定材料で覆うステップを含む、請求項9〜11のいずれかに記載の培養細胞梱包方法。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の方法によって得られる、輸送しようとする培養生細胞の梱包物であって、前記梱包物が、前記細胞を含む培地で少なくとも部分的に充填された少なくとも一つの容器(21)と、前記容器を含む小袋(24)とを含み、前記容器(21)が前記小袋(24)中において減圧状態で維持される、梱包物。
  14. 前記容器(21)が変形しやすい封鎖材料(22)によって封鎖される、請求項13に記載の梱包物。
  15. 前記容器の前記封鎖材料を覆う硬質固定材料プレート(8)を含む、請求項14に記載の梱包物。
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