JP2010288040A - 輪郭補正方法及び輪郭補正装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像の輪郭を補正し、ノイズの少ない高解像度感の増した視覚上の画質を得る。
【解決手段】データ処理部13は、周波数分布情報に基づいて輪郭補正をする周波数帯域を決める輪郭補正周波数制御データと、輪郭を強調する程度を示す第1の輪郭補正度合い制御データと、輝度成分の微小振幅を抑制する閾値を決めることで粒状輪郭軽減度合いを示す第1の粒状輪郭軽減度合い制御データとを生成し、輝度成分ヒストグラムデータに基づいて第2の輪郭補正度合い制御データを生成し、色成分量データに基づいて第2の粒状輪郭軽減度合い制御データを生成する。輪郭補正部14は、これら制御データのうちいずれか一以上の制御データに基づく輪郭補正制御データを用いて、映像信号中の輝度成分に対して輪郭補正を行う。
【選択図】図1
【解決手段】データ処理部13は、周波数分布情報に基づいて輪郭補正をする周波数帯域を決める輪郭補正周波数制御データと、輪郭を強調する程度を示す第1の輪郭補正度合い制御データと、輝度成分の微小振幅を抑制する閾値を決めることで粒状輪郭軽減度合いを示す第1の粒状輪郭軽減度合い制御データとを生成し、輝度成分ヒストグラムデータに基づいて第2の輪郭補正度合い制御データを生成し、色成分量データに基づいて第2の粒状輪郭軽減度合い制御データを生成する。輪郭補正部14は、これら制御データのうちいずれか一以上の制御データに基づく輪郭補正制御データを用いて、映像信号中の輝度成分に対して輪郭補正を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は輪郭補正方法及び輪郭補正装置に係り、特にテレビジョン受像機やディスプレイ装置等の画像表示装置に表示する映像信号の輪郭を急峻に補正する輪郭補正方法及び輪郭補正装置に関する。
画像表示装置において、画像の画質を改善するために、例えば特許文献1に記載された、映像信号の輝度、色、エッジ、動きのヒストグラムから映像の特徴を抽出し、ヒストグラムパターンとそれに効果的なフィルタパラメータとのデータベースから、適切なフィルタとフィルタパラメータを決定し、それに基づきグレースケール、色彩、動きの各コントラストを向上させる処理を行うことで画質を向上することが考えられる。
しかしながら、上記の特許文献1記載の従来の表示装置では、映像信号から抽出した映像の特徴に基づいてコントラストが向上するような信号処理を行っているため、映像の特徴を利用して輪郭がぼけた画像の輪郭を補正する画質改善はできない。
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、画像の輪郭を補正し、ノイズの少ない高解像度感の増した視覚上の画質を得ることができる輪郭補正方法及び輪郭補正装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、第1の発明の輪郭補正方法は、映像信号の画面内の所定の領域に含まれる複数の画素データそれぞれに対して、映像信号の輝度成分が取り得る最大輝度レベルから最小輝度レベルまでのレベル範囲を複数の階調に分割し、輝度成分に基づいて複数の画素データを複数の階調に振り分けて、各階調における複数の画素データの分布を示す輝度成分ヒストグラムデータを生成し、映像信号の色信号成分に基づいて複数の画素データの色信号成分が予め設定した色範囲内にあるか否かを判定し、色範囲内にあると判定された複数の画素データの数を示す色成分量データを生成し、映像信号の輝度成分の所定の周波数以上である周波数帯域を複数に分割し、複数の画素データを複数の周波数帯域に振り分けて周波数分布情報を生成し、周波数分布情報に基づいて、輪郭補正をする周波数帯域を決める輪郭補正周波数制御データと、輪郭を強調する程度を示す第1の輪郭補正度合い制御データと、輝度成分の微小振幅を抑制するための粒状輪郭軽減度合いを示す第1の粒状輪郭軽減度合い制御データとを生成し、輝度成分ヒストグラムデータに基づいて第2の輪郭補正度合い制御データを生成し、色成分量データに基づいて第2の粒状輪郭軽減度合い制御データを生成し、輪郭補正周波数制御データと、第1の輪郭補正度合い制御データ及び第2の輪郭補正度合い制御データと、第1の粒状輪郭軽減度合い制御データと第2の粒状輪郭軽減度合い制御データのうちいずれか一方の粒状輪郭軽減度合い制御データとに基づく輪郭補正制御データを用いて、映像信号中の輝度成分に対して輪郭補正を行うことを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、第2の発明の輪郭補正方法は、輪郭補正周波数制御データの値が大きいほど、高い周波数帯域での輝度成分の輪郭補正を行い、第1の輪郭補正度合い制御データと第2の輪郭補正度合い制御データとに基づいて第3の輪郭補正度合い制御データを生成し、第3の輪郭補正度合い制御データの値が大きいほど輝度成分の輪郭補正度合いを強くし、値が小さいほど輪郭補正度合いを弱くし、第1の粒状輪郭軽減度合い制御データの値に基づいて、映像信号の解像度が低いほど輝度成分に含まれる微少振幅を抑制するための第1の閾値を大きい値に設定して、第1の閾値以下の輝度成分の微小振幅を抑制するコアリング処理を行い、第2の粒状輪郭軽減度合い制御データの値に基づいて、色成分量が多いときほど輝度成分に含まれる微少振幅を抑制するための第2の閾値を大きい値に設定して、第2の閾値以下の輝度成分の微小振幅を抑制するコアリング処理を行うことを特徴とする。
ここで、上記の第2の発明において、第1の粒状輪郭軽減度合い制御データにより設定される第1の閾値と、第2の粒状輪郭軽減度合い制御データにより設定される第2の閾値とを比較して、より大きい閾値を示す粒状輪郭軽減度合い補正制御データに基づいて、輝度成分の微小振幅を抑制するコアリング処理を行うようにしてもよい。
また、上記の目的を達成するため、第4の発明の輪郭補正装置は、映像信号の画面内の所定の領域に含まれる複数の画素データそれぞれに対して、映像信号の輝度成分が取り得る最大輝度レベルから最小輝度レベルまでのレベル範囲を複数の階調に分割し、輝度成分に基づいて複数の画素データを複数の階調に振り分けて、各階調における複数の画素データの分布を示す輝度成分ヒストグラムデータを生成する第1の画像特徴検出部と、映像信号の色信号成分に基づいて複数の画素データの色信号成分が予め設定した色範囲内にあるか否かを判定し、色範囲内にあると判定された複数の画素データの数を示す色成分量データを生成する第2の画像特徴検出部と、映像信号の輝度成分の所定の周波数以上である周波数帯域を複数に分割し、複数の画素データを複数の周波数帯域に振り分けて生成される周波数分布情報を生成する周波数成分検出部と、周波数分布情報に基づいて、輪郭補正をする周波数帯域を決める輪郭補正周波数制御データと、輪郭を強調する程度を示す第1の輪郭補正度合い制御データと、輝度成分の微小振幅を抑制するための粒状輪郭軽減度合いを示す第1の粒状輪郭軽減度合い制御データとを生成し、輝度成分ヒストグラムデータに基づいて第2の輪郭補正度合い制御データを生成し、色成分量データに基づいて第2の粒状輪郭軽減度合い制御データとを生成する制御データ生成手段と、輪郭補正周波数制御データと、第1の輪郭補正度合い制御データ及び第2の輪郭補正度合い制御データと、第1の粒状輪郭軽減度合い制御データと第2の粒状輪郭軽減度合い制御データのうちいずれか一方の粒状輪郭軽減度合い制御データとに基づく輪郭補正制御データを用いて、映像信号中の輝度成分に対して輪郭補正を行う輪郭補正手段とを有することを特徴とする。
ここで、上記の制御データ生成手段は、第1の輪郭補正度合い制御データと第2の輪郭補正度合い制御データとに基づいて第3の輪郭補正度合い制御データを生成し、輪郭補正手段は、輪郭補正周波数制御データの値が大きいほど、高い周波数帯域での輝度成分の輪郭補正を行い、第3の輪郭補正度合い制御データの値が大きいほど輝度成分の輪郭補正度合いを強くし、値が小さいほど輪郭補正度合いを弱くし、第1の粒状輪郭軽減度合い制御データの値に基づいて、映像信号の解像度が低いほど輝度成分に含まれる微少振幅を抑制するための第1の閾値を大きい値に設定して、第1の閾値以下の輝度成分の微小振幅を抑制するコアリング処理を行い、第2の粒状輪郭軽減度合い制御データの値に基づいて、色成分量が多いときほど輝度成分に含まれる微少振幅を抑制するための第2の閾値を大きい値に設定して、第2の閾値以下の輝度成分の微小振幅を抑制するコアリング処理を行うことを特徴とする。
また、上記の制御データ生成手段は、第1の粒状輪郭軽減度合い制御データにより設定される第1の閾値と、第2の粒状輪郭軽減度合い制御データにより設定される第2の閾値とを比較して、より大きい閾値を示す粒状輪郭軽減度合い補正制御データを出力し、上記の輪郭補正手段は、制御データ生成手段から出力された粒状輪郭軽減度合い補正制御データに基づいて、輝度成分の微小振幅を抑制するコアリング処理を行うことを特徴とする。
本発明によれば、画像の輪郭を補正し、ノイズの少ない高解像度感の増した視覚上の画質を得ることができる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明になる輪郭補正装置の一実施の形態のブロック図を示す。同図に示すように、本実施の形態の輪郭補正装置10は、周波数成分検出部11、画像特徴検出部12、データ処理部13、輪郭補正部14、及び補正情報設定部15から構成されている。入力映像信号は、周波数成分検出部11、画像特徴検出部12、及び輪郭補正部14にそれぞれ供給される。入力映像信号は、輝度信号Y、色差信号B−Y、及び色差信号R−Yからなる。
周波数成分検出部11は、まず、入力映像信号が予め定めた周波数以上の周波数成分(エッジ成分)を有するか否かを検出する。更に検出した予め定めた周波数以上の周波数成分が、予め定めた周波数以上の周波数帯域を複数(例えば本実施形態では8)に分割した分割周波数帯域のいずれの帯域のものであるかを検出する。続いて、周波数成分検出部11は入力映像信号の1画面(フレーム又はフィールド)毎に、各分割周波数帯域の周波数成分の量を示す周波数信号分布(エッジ成分ヒストグラム)を生成し、それを周波数分布情報としてデータ処理部13へ供給する。
画像特徴検出部12は、入力映像信号の1画面(フレーム又はフィールド)毎に、予め設定した検出枠内の画像データの輝度信号分布(輝度のヒストグラム)、色成分(肌色)などを検出し、それを画像特徴情報としてデータ処理部13へ供給する。
なお、入力映像信号はフィールド単位のインターレース信号でもフレーム単位のプログレッシブ信号でもよい。以下の説明ではプログレッシブ信号がフレーム単位で入力される場合の例を説明する。
データ処理部(CPU)13は、周波数成分検出部11から出力された周波数分布情報と、画像特徴検出部12から出力された画像特徴情報とを取り込み、これらの情報を基に、入力映像信号の輪郭補正を行うための輪郭補正制御データを生成する。
輪郭補正部14は、入力映像信号に対して、データ処理部13で生成された制御データを用いて、公知の方法により入力映像信号の輪郭補正を行い、その補正した映像信号を出力映像信号として出力する。出力映像信号は、輝度信号Y’、色差信号B−Y’、及び色差信号R−Y’からなる。輪郭補正部14は、例えば特開2001−285672号公報に記載の公知の輪郭補正を行う。なお、特開2001−285672号公報記載の輪郭補正回路では、エッジ成分のレベルに応じた補正係数で、入力映像信号の輪郭補正をしている。本実施の形態における輪郭補正は、一画面毎にデータ処理部13が輪郭補正制御データを生成し、輪郭補正部14に供給することを特徴とする。
補正情報設定部15は、予め装置出荷時または利用者のマニュアル操作などによって設定された、輪郭補正を設定するための初期値を保持している。そして、補正情報設定部15は、輪郭補正装置10の動作開始時にその保持している設定値をデータ処理部13に設定する。
周波数成分検出部11、画像特徴検出部12、及び輪郭補正部14は、画素単位で、かつ、比較的処理が単純な情報処理を行うため、一般的には高速処理が可能なハードウェアで実現される。一方、データ処理部13は、フレーム単位で、かつ、複雑な演算処理で画像解析を行う必要があるので、一般的には中央処理装置(CPU)などを用いたソフトウェアで実現される。
次に、本実施の形態の輪郭補正装置10の動作について詳細に説明する。図1に示した周波数成分検出部11は、図2(A)に示すように高域フィルタ(HPF)111〜118、絶対値化部(ABS)121〜128、2値化部131〜138からなり、入力映像信号中の輝度信号成分に基づいてエッジ成分ヒストグラムを生成する。
HPF111〜118は入力映像信号の輝度信号成分(Y入力)を受け取り、それぞれ予め設定した周波数以上の高周波成分を出力する。HPF111は第1の周波数を閾値とし、HPF112は第1の周波数に対して1/2の周波数である第2の周波数を閾値とする。同様に、HPF113は第1の周波数に対して1/3の周波数である第3の周波数、HPF114は第1の周波数に対して1/4の周波数である第4の周波数、HPF115は第1の周波数に対して1/5の周波数である第5の周波数、HPF116は第1の周波数に対して1/6の周波数である第6の周波数、HPF117は第1の周波数に対して1/7の周波数である第7の周波数、HPF118は第1の周波数に対して1/8の周波数である第8の周波数を閾値として設定する。
HPF111〜118は、入力映像信号中の輝度信号成分に含まれる全画素データの画素を対象とし、対象とした画素と周辺の画素との差分値を求める。図2(B)に差分を求める対象の画素(注目画素)とその周辺画素との関係を示す。H( )の数字は、黒丸で示す注目画素に対して斜線を付した丸で示す周辺画素が水平方向に何画素離れているかを示す数である。注目画素を中心として、水平方向にそれぞれ1画素離れた2つの周辺画素をH(1)、注目画素からそれぞれ2画素離れた周辺画素をH(2)とし、同様に3画素〜8画素離れた2つの周辺画素をH(3)〜H(8)とした。
HPF111は、2つの周辺画素H(1)の画素値の和から、注目画素の画素値の2倍の値を減算して差分値を求める。ここで、画素値は各画素の輝度値とした。差分値は、H(2)〜H(8)についても同様に求める。HPF112がH(2)から差分値を求め、HPF113がH(3)から差分値を求める。同様にHPF114〜HPF118がそれぞれH(4)〜H(8)から差分値を求める。HPF111〜118は、一つの注目画素に対して得られた差分値をそれぞれ出力する。ここでHPF111〜118が出力した8つの差分値は、第1の周波数〜第8の周波数の8つの周波数の高周波輝度信号成分である。
絶対値化部(ABS)121〜128は、HPF111〜118から出力された8つの差分値をそれぞれ絶対値化する。2値化部131〜138は、図2(C)の入出力特性図に示すように、絶対値化部121〜128から供給される差分値の絶対値が、所定の値以上のときは「1」、所定の値より小さいときは「0」として出力する。ここで所定の値は、一定振幅以上の輪郭を検出できる値を適宜設定する。これにより、2値化部131〜138からは、注目画素と周辺画素H(1)〜H(8)との輝度レベルの差を検出して得た、8つの差分値に基づく2値化信号が、画素単位で得られる。
周波数成分検出部11は、上記の動作を1フレーム又は1フィールドの一画面全体の入力映像信号中の輝度信号成分に対して行うことにより、一画面全体の輝度信号のうち予め定めた第1の周波数から第8の周波数を有する画素数の分布(エッジ成分ヒストグラム)を得る。
図3は、エッジ成分ヒストグラムの一例を示す。図3の横軸は、図2(A)の2値化部131〜138の出力である8ステップ(EdgHist[1]〜EdgHist[8])をとる。また、図3の縦軸は、2値化部131〜138がそれぞれ1をカウントした頻度(画素数)すなわち、エッジ成分を有する画素の数を表している。図3において、EdgHist[1]の頻度は、図2(B)に示した注目画素に近い画素H(1)が第1の周波数以上のエッジ成分を有すると判定した注目画素の数を示し、EdgHist[8]の頻度は、注目画素から遠い画素H(8)が第8の周波数以上のエッジ成分を有すると判定した注目画素の数を示す。
図3(A)は、各ステップEdgHist[1]〜EdgHist[8]の値が、EdgHist[1]からEdgHist[8]までほぼ均一の割合で増加しているエッジ成分ヒストグラムを示す。この場合、注目画素に近い周辺画素H(1)が第1の周波数以上のエッジ成分を有することを示す注目画素の数が少ないので、一画面内で周波数の高いエッジ成分が少なく、入力映像信号の画像は解像度の低い画像であると考えられる。
これに対し、図3(B)は、EdgHist[1]の値が大きい、すなわち注目画素に近い周辺画素H(1)が第1の周波数以上のエッジ成分を有する注目画素の数が多い場合のエッジ成分ヒストグラムを示す。この場合、注目画素から近い周辺画素のエッジ成分が所定の周波数以上であることを示す頻度が図3(A)と比較して多いので周波数の高いエッジ成分が多く、入力映像信号の画像は解像度の高い画像であると考えられる。
図3(B)のようなエッジ成分ヒストグラムを示し、更にエッジ成分ヒストグラム全体の頻度が多い場合、入力映像信号の画像は一定振幅以上の輪郭が多く、輪郭がはっきりした画像であると考えられる。
そこで、周波数成分検出部11は、エッジ成分ヒストグラムの各ステップEdgHist[1]〜EdgHist[8]の値に基づいて、下記の(1)式によって周波数分布情報(EdgData)を算出し、データ処理部13へ供給する。
一方、画像特徴検出部12は、入力映像信号の1画面(フレーム又はフィールド)毎に、一画面の中の予め設定した検出枠内の入力映像信号の輝度信号分布(輝度成分ヒストグラム)を生成する。なお、本実施の形態では、1フレーム又は1フィールド毎に輝度成分ヒストグラムを生成するものとして説明するが、複数フレーム又は複数フィールド毎に輝度成分ヒストグラムを生成してもよく、画面の所定単位(画素単位)毎にヒストグラムを生成すればよい。更に、上記の検出枠は、有効映像期間内であれば、大きさは任意である。
画像特徴検出部12は、検出枠内の入力映像信号の取り得る輝度レベルの範囲(最大輝度レベルから最小輝度レベルまでの範囲)を、例えば32個の分割輝度レベル領域(階調)に等分割する。そして、画像特徴検出部12は、入力映像信号中の輝度信号の輝度レベル(例えば上位5ビットの値)が、32個の分割輝度レベル領域のうちのどの分割輝度レベル領域に存在するかを画素単位でハードウェア構成により検出し、各分割輝度レベル領域毎に検出された1画面の検出枠内における画素数をカウントし、そのカウント値を保持する。このカウント値は、輝度成分ヒストグラムデータとしてデータ処理部13へ供給される。
図4は、上記の輝度成分ヒストグラムの一例を示す。図4の横軸は32個の分割輝度レベル領域(階調)を示し、縦軸は1画面の検出枠内の画素数(頻度)を示す。階調「0」は黒を示し、階調「31」は白を示し、階調の値が大きくなるほど明るいことを示す。
この図4に示す輝度成分ヒストグラムは、階調が「14」〜「19」の特定の輝度レベルに集中しており、このような輝度成分ヒストグラムはパソコンなどで表示される画像が示す。このような階調が特定の輝度レベルに集中するような画像に対しては、輝度成分ヒストグラムの集中度を示す広がり係数に合わせて輪郭補正を行う。
ここで、広がり係数について説明する。図5(A)は、入力輝度信号の輝度レベルが特定の階調に集中していることを示す輝度成分ヒストグラム、図5(B)は、入力輝度信号の輝度レベルが複数の階調に平均的に広がっていることを示す輝度成分ヒストグラムである。パソコンなどが表示するテキストを中心とする画像では、図5(A)のような輝度成分ヒストグラムを示し、図5(A)に示す分布状態を本明細書では「広がっていない」というものとする。通常の画像(自然画)では、図5(B)のような輝度成分ヒストグラムを示し、分布状態を本明細書では「広がっている」というものとする。
画像特徴検出部12は、輝度成分ヒストグラムのデータに基づいて、広がり係数expCoefを(2)式に基づいて算出する。
これにより、例えば図5(A)に示すような一様でない分布の輝度成分ヒストグラムに対しては、広がり係数expCoefの値は「0」を示す。また、例えば図5(B)に示すような完全一様な分布の輝度成分ヒストグラムに対しては、広がり係数expCoefの値は大きい値(例えば、32階調に一様に分布した場合は40×31=1240)を示す。このように、テキストを中心とする画像のような特定の階調に頻度が集中する輝度成分ヒストグラムに対しては、広がり係数expCoefの値は小さな値を示す。
また、画像特徴検出部12は、入力映像信号中の肌色成分量を検出する。この肌色成分量の検出方法は公知であり、例えば、入力映像信号の各画素が予め設定してある肌色の色範囲内にあるか否かを判定することで検出を行う。肌色の色範囲は、色相、彩度及び輝度が、それぞれ所定の範囲に設定される。
このようにして、画像特徴検出部12は、入力映像信号の検出枠内における1画面の各画素と肌色の色範囲とを、1画面の全画素について画素単位で比較し、肌色の色範囲に含まれる画素数をカウントし、そのカウント値を保持する。このカウント値は、検出枠内の肌色を示す画像の面積(肌色成分量)を示す。画像特徴検出部12は、このようにして生成した輝度成分ヒストグラムのデータと、肌色成分量を示すデータとを画像特徴情報としてデータ処理部13へ出力する。
データ処理部13は、上記の周波数分布情報及び画像特徴情報と、補正情報設定部15から供給される初期値(補正情報設定データ)とに基づいて、図6に示すフローチャートに従って輪郭補正用の制御データを一画面単位で生成する。次に、このデータ処理部13の動作について図6のフローチャートを併せ参照して説明する。
データ処理部13は、まず、周波数成分検出部11からエッジ成分ヒストグラムに基づいて生成された周波数分布情報のデータを取得する(ステップS1)。続いて、データ処理部13は、画像特徴検出部12から画像特徴情報である輝度成分ヒストグラムと肌色成分量の各データを取得する(ステップS2、ステップS3)。
次に、データ処理部13は、取得した上記の周波数分布情報、輝度成分ヒストグラム、及び肌色成分量の各データと、補正情報設定部15から供給される補正情報設定データD1とに基づいて、輪郭補正制御データAを生成する(ステップS4)。ここで、補正情報設定データD1は、検出した情報の値に対して生成する輪郭補正制御データAの基準値と上限値と下限値とを指定しておくデータのことである。例えば、輪郭補正する周波数帯域を示す制御データの生成に対しては、周波数分布情報の値に対して生成される上限値と下限値とを指定しておくことで、基準値に対して上限、下限の範囲内で制御データが生成される。つまり、補正情報設定データD1により、高解像度のときは基準値に対してどの程度高い周波数まで輪郭補正するのか、低解像度のときは基準値に対してどの程度低い周波数まで輪郭補正するのかを決めることができる。データ処理部13は、予め定めた補正情報設定データD1の上限値と下限値を超えない値の輪郭補正制御データAを生成する。
ステップS4の輪郭補正制御データAは、周波数分布情報、輝度成分ヒストグラム、及び肌色成分量のうちいずれかのデータに基づいて生成される制御データを複数含むものである。複数の制御データの中には、制御する対象が同じである制御データがある。同じ制御対象に対する各制御データは、周波数分布情報、輝度成分ヒストグラム、及び肌色成分量のうち、異なるデータに基づいて生成される。データ処理部13は輪郭補正制御データAを生成し、輪郭補正部14へ供給する。
データ処理部13は、ステップS4において、周波数分布情報に基づいて、輪郭補正周波数制御データと、第1の輪郭補正度合い制御データと、第1の粒状輪郭軽減度合い制御データとを生成する。
輪郭補正周波数制御データは、輪郭補正をする周波数帯域を示すデータで、データ処理部13は入力映像信号が高解像度のときは高い周波数を輪郭補正し、低解像度のときは低い周波数を輪郭補正することを示す輪郭補正周波数制御データを生成する。
第1の輪郭補正度合い制御データは、輪郭を強調する程度を示すデータで、データ処理部13は周波数分布情報が大きい値を示すときは、輪郭補正度合い(輪郭強調度合い)を弱くし、周波数分布情報が小さい値を示すときは、輪郭補正度合いを強くすることを示す第1の輪郭補正度合い制御データを生成する。データ処理部13は、周波数分布情報が大きい値を示すと入力映像信号は所定の振幅以上の信号を多く含み、輪郭がはっきりとした画像であると判断して、周波数分布情報が小さい値を示すと入力映像信号は所定の振幅以上の信号をあまり含まないと判断する。
第1の粒状輪郭軽減度合い制御データは、ノイズ感の軽減度合いを示すデータである。データ処理部13は、入力映像信号が高解像度のときは輝度成分の微小振幅を抑制するための閾値を小さくして粒状輪郭軽減度合いを弱くし、低解像度のときは閾値を大きくして粒状輪郭軽減度合いを強くすることを示す第1の粒状輪郭軽減度合い制御データを生成する。粒状輪郭は、輝度信号の微小振幅のノイズ成分が画像の輪郭に粒状に現れたものである。
また、データ処理部13は、ステップS2において取得した輝度成分ヒストグラムの広がり係数に応じた第2の輪郭補正度合い制御データをステップS4において生成する。第2の輪郭補正度合い制御データは、輪郭を強調する程度を示すデータで、データ処理部13は輝度成分ヒストグラムが拡散分布を示しているときは輪郭強調を強くし、輝度成分ヒストグラムが集中分布を示しているときは輪郭強調を弱くすることを示す第2の輪郭補正度合い制御データを生成する。
また、データ処理部13は、ステップS4において、肌色成分量のデータに基づいて、第2の粒状輪郭軽減度合い制御データを生成する。第2の粒状輪郭軽減度合い制御データは、入力映像信号の肌色成分量に応じて輝度成分の微小振幅を抑制する閾値を示すデータで、データ処理部13は入力映像信号の肌色成分量が少ないときは上記閾値を小さくし、肌色成分量が多いときは閾値を大きくすることを示す第2の粒状輪郭軽減度合い制御データを生成する。閾値が小さいと粒状輪郭軽減度合いが弱くなり画像のノイズ感が軽減され、閾値が大きいと粒状輪郭軽減度合いが強くなる。
ここで、データ処理部13は、輪郭補正度合いを制御する点で重複している第1の輪郭補正度合い制御データ及び第2の輪郭補正度合い制御データについては、両者のデータ値を加算して最終的な輪郭補正度合い制御データ(第3の輪郭補正度合い制御データ)として生成する。またデータ処理部13は、粒状輪郭軽減度合いを制御する点で重複している第1の粒状輪郭軽減度合い制御データ及び第2の粒状輪郭軽減度合い制御データについては、2つのうち値が大きい、すなわち、軽減度合いが強い方の制御データを採用する。
以上より、輪郭補正制御データAには、輪郭補正周波数制御データ、第3の輪郭補正度合い制御データ、第1粒状輪郭軽減度合い制御データまたは第2の粒状輪郭軽減度合い制御データのうちいずれか一方、が含まれる。データ処理部13は、輪郭補正制御データAを生成した後、輪郭補正制御データAと現在保持している輪郭補正制御データBとを比較し、両者が同じ値かどうかを制御データ毎に判定する(ステップS5、ステップS6)。輪郭補正制御データBは、輪郭補正制御データAを生成した画面よりも前の画面に基づいて生成されたもので、輪郭補正制御データAと同様の各制御データを含む。データ処理部13は、新たに生成した輪郭補正制御データAと現在の輪郭補正制御データBの値が同じでないと判定したときは、現在の輪郭補正制御データBを新たに生成した輪郭補正制御データAに更新する(ステップS7)。データ処理部13は、更新した輪郭補正制御データBを輪郭補正部14に送信し、再びステップS1に戻り輪郭補正制御データAを生成する処理を開始する。
一方、ステップS6において、データ処理部13は、新たに生成した輪郭補正制御データAと現在の輪郭補正制御データBの値が同じと判定したときは、更新することなく次の輪郭補正制御データAを生成するためにステップS1に戻る。
再び図1に戻って説明する。輪郭補正部14は、データ処理部13からの輪郭補正制御データB(以下、単に輪郭補正制御データとする。)に基づいて、入力映像信号の輪郭補正を行う。この輪郭補正は、フィルタ特性選択による入力映像信号中の輝度信号の周波数特性の補正と、上記輝度信号の輪郭強調度合いの補正と、上記輝度信号の微小振幅を抑制する補正とからなる。
輪郭補正部14は、輪郭補正周波数制御データに基づいて、図示しないエンハンサのフィルタ特性を制御して輪郭補正を行う。エンハンサは、低い周波数の信号レベルを入力時より大きくして出力する所謂増強補正するためのフィルタ特性から高い周波数の信号レベルを増強補正するためのフィルタ特性までの、予め設定された複数の周波数にそれぞれ対応した複数のフィルタ特性を有し、輪郭補正周波数制御データに基づいて使用するフィルタ特性が選択される。これらのフィルタ特性は、入力信号レベルに対して出力信号レベルを増強する特性を示す。
輪郭補正周波数制御データは、小さい値のときは低い周波数を輪郭補正することを示し、大きい値をとるほどより高い周波数を輪郭補正することを示す。データ処理部13は周波数分布情報の値が小さいときは入力映像信号が低解像度と判断し、小さい値の輪郭補正周波数制御データを出力する。一方データ処理部13は、周波数分布情報の値が大きいときは入力映像信号が高解像度であるため、大きい値の輪郭補正周波数制御データを出力する。このため、輪郭補正部14は、輪郭補正周波数制御データの値が小さいほど低い周波数帯域において信号レベルを増強するエンハンサのフィルタ特性を選択して入力映像信号中の輝度信号の周波数特性を補正し、輪郭補正周波数制御データの値が大きいほど高い周波数帯域で信号レベルを増強するエンハンサのフィルタ特性を選択して入力映像信号中の輝度信号の周波数特性を補正する。
これにより、例えば、輪郭補正部14に入力される映像信号中の輝度信号が図7(A)に示す波形である場合、輪郭補正部14が大きい値の輪郭補正周波数制御データを受け取ると、入力映像信号が高解像度であるため高い周波数帯域で信号レベルを増強するエンハンサのフィルタ特性を選択して図7(B)に示す波形の細い輪郭をつけた輝度信号を出力する。また、輪郭補正部14は小さい値の輪郭補正周波数制御データを受け取ると、入力映像信号が低解像度であるため、低い周波数帯域で信号レベルを増強するエンハンサのフィルタ特性を選択して図7(C)に示す波形の太い輪郭をつけた輝度信号を出力する。
また、輪郭補正部14は、第1の輪郭補正度合い制御データと第2の輪郭補正度合い制御データとから生成された第3の輪郭補正度合い制御データに基づいて、入力映像信号中の輝度信号の輪郭の強調度合いを補正する。
第1の輪郭補正度合い制御データは、周波数分布情報(EdgData)に基づいて生成された制御データであり、周波数分布情報(EdgData)の値と対応している。従って、データ処理部13は、周波数分布情報が小さいほど入力映像信号は輪郭がはっきりとした画像をあまり含まないと判断して第1の輪郭補正度合い制御データの値を大きくし、周波数分布情報が大きいほど入力映像信号は輪郭がはっきりとした画像を多く含むと判断して第1の輪郭補正度合い制御データの値を小さくする。
一方、第2の輪郭補正度合い制御データは、広がり係数(expCoef)に基づいて生成された制御データである。データ処理部13は、広がり係数が予め設定した値以下であるときはテキストなどの人工的な画像であると判別し、入力映像信号中の輝度信号の輪郭部分(エッジ部分)を強調する輪郭補正度合いを弱めることを示す第2の輪郭補正度合い制御データを生成する。第2の輪郭補正度合い制御データは広がり係数が小さいほど小さい値とし、本実施形態では0より小さい値とする。またデータ処理部13は、広がり係数が予め設定した値より大きいときは、第2の輪郭補正度合い制御データの値を広がり係数に基づいた輪郭強調は行わないことを示す0とする。
データ処理部13は第1の輪郭補正度合い制御データと第2の輪郭補正度合い制御データとを足した値を、第3の輪郭補正度合い制御データの値とし、足した値が0より小さい場合は第3の輪郭補正度合い制御データを0とする。第2の輪郭補正度合い制御データが0である場合は、第3の輪郭補正度合い制御データの値は第1の輪郭補正度合い制御データと等しい値となる。
輪郭補正部14は、第3の輪郭補正度合い制御データの値に基づき、値が大きいほど輝度信号の輪郭補正度合いを強くし、値が小さいほど輝度信号の輪郭補正度合いを弱くする。輪郭補正度合いは、入力映像信号中の輝度信号の輪郭部分(エッジ部分)を強調する強調度合いを示しており、エッジ成分の強調方法は公知の方法を採用すればよい。
これにより、例えば、輪郭補正部14に入力される映像信号中の輝度信号が図8(A)に示す波形である場合、輪郭補正部14は輪郭の強調度合いが強い輪郭補正を行うことを示す大きい値の第3の輪郭補正度合い制御データを受け取ると、シュートゲインを強めてエッジ部分がより大きく強調された図8(B)に示すような信号波形の輝度信号を出力する。また、輪郭補正部14は、輪郭の強調度合いが弱い輪郭補正を行うことを示す小さい値の第3の輪郭補正度合い制御データを受け取ると、シュートゲインを弱めてエッジ部分があまり強調されない図8(C)に示すような信号波形の輝度信号を出力する。
更に、輪郭補正部14は、第1の粒状輪郭軽減度合い制御データと第2の粒状輪郭軽減度合い制御データとのうち、データ処理部13より出力されたいずれか一方に基づいて、入力映像信号中の輝度信号の微小振幅を抑える補正(コアリング処理)を行う。
第1の粒状輪郭軽減度合い制御データは、周波数分布情報(EdgData)に基づいて生成された制御データである。データ処理部13は、大きい値のときは粒状輪郭軽減度合いを弱め、小さい値の時は粒状輪郭軽減度合いを強めることを示す第1の粒状輪郭軽減度合い制御データを生成する。従って、輪郭補正部14は、第1の粒状輪郭軽減度合い制御データの値が小さいときは入力映像信号中の輝度信号に含まれるノイズと判断する微小振幅の閾値を、高解像度の映像信号が入力されたことを示す第1の粒状輪郭軽減度合い制御データを受け取った際に設定する第1の値よりも大きい第2の値に設定して、第2の値以下の輝度信号の微小振幅を抑制するコアリング処理を行う。また、輪郭補正部14は、第1の粒状輪郭軽減度合い制御データの値が大きいときは、第1の値を閾値として小さな振幅までしか抑制しないコアリング処理を行う。第1の粒状輪郭軽減度合い制御データの値が大きい場合は、入力映像信号が高解像度であるので輝度信号の微小振幅も画像情報の一部であると判断する。
ここでコアリング処理は、入力される輝度信号に対して閾値以下の振幅の輝度信号はノイズとして遮断し、閾値より大なる振幅の輝度信号のみ、その振幅と閾値との差の振幅に変換して出力する処理である。
一方、第2の粒状輪郭軽減度合い制御データは、肌色成分量のデータに基づいて生成された制御データであり、肌色成分量のデータの値に対応している。データ処理部13は、小さい値のときは粒状輪郭軽減度合いを弱め、大きい値のときは粒状輪郭軽減度合いを強めることを示す第2の粒状輪郭軽減度合い制御データを生成する。従って、輪郭補正部14は、第2の粒状輪郭軽減度合い制御データの値が大きいときは入力映像信号中の輝度信号に含まれるノイズと判断する微小振幅の閾値を、第2の粒状輪郭軽減度合い制御データの値が小さいときに設定する第3の値よりも大きい第4の値に設定して、第4の値以下の輝度信号の微小振幅を抑制するコアリング処理を行う。第2の粒状輪郭軽減度合い制御データの値が大きい場合、一画面中の肌色の面積(肌色成分量)が大きいため、ノイズを防いで肌がざらついて表示されることを抑えることができる。また、輪郭補正部14は、第2の粒状輪郭軽減度合い制御データの値が小さいと輝度信号に対し第3の値を閾値として設定して、より小さな振幅までしか抑制しないようなコアリング処理を行う。第2の粒状輪郭軽減度合い制御データの値が小さい場合、一画面中の肌色成分量が小さいため、肌の表示にノイズによる悪影響がおよびにくい。
第2の粒状輪郭軽減度合い制御データに基づくコアリング処理で抑制する微小振幅は、粒状輪郭軽減度合いに対応しており、輪郭補正部14は、肌色成分量が多い(第2の粒状輪郭軽減度合い制御データが大きい値)ときには、少ない(第2の粒状輪郭軽減度合い制御データが小さい値)ときよりも粒状輪郭軽減度合いが強くなるように補正する。
上記したように、第1の粒状輪郭軽減度合い制御データと第2の粒状輪郭軽減度合い制御データとは、いずれも入力映像信号中の輝度信号の閾値以下の微小振幅をノイズとして抑える補正を行うためのデータである。データ処理部13は、第1の粒状輪郭軽減度合い制御データによる微小振幅の抑制の閾値と、第2の粒状輪郭軽減度合い制御データによる微小振幅の抑制の閾値とを比較して、より大きい閾値を示す粒状輪郭軽減度合い制御データを採用する。輪郭補正部14は、データ処理部13から供給された粒状輪郭軽減度合い制御データに基づいて微小振幅を抑制することで、粒状輪郭軽減度合いの補正を行う。
このようにして、輪郭補正部14は入力映像信号中の輝度信号Yに対して上記の輪郭補正動作を行って得た輝度信号Y’と、入力映像信号中の色差信号(B−Y)及び(R−Y)に対して固定値により輪郭補正した色差信号(B−Y)’及び(R−Y)’とからなる出力映像信号を生成して出力する。
次に、本実施の形態の輪郭補正装置10の効果について説明する。図9は、人間が撮影された画像の一例を示す。図9(A)と図9(B)の画像に対して同じ設定の輪郭補正を行うと、同図(A)の画像に対しては輪郭補正が適切であっても、同図(B)に示す画像は、同図(A)に示す画像よりも人間が大きく撮影されているために、輪郭を過度に強調させ人間の肌がざらついて見えてしまうという現象が起きる可能性がある。
しかし、本実施の形態の輪郭補正装置10は、輪郭補正部14がデータ処理部13より第2の粒状輪郭軽減度合い制御データを受け取った場合、第2の粒状輪郭軽減度合い制御データは画像中の肌色の面積を色成分量として検出した、肌色成分量のデータに基づくため肌色成分量の割合に合わせた輪郭補正を動的に行うことができる。従って、本実施の形態によれば、図9(A)の画像に対して適切な輪郭補正を行うと共に、同図(B)の画像に対しては輪郭補正を抑えることで、粒状輪郭軽減度合いを大きくし、肌のざらつきを軽減することができる。
また、本実施の形態の輪郭補正装置10及び輪郭補正方法によれば、入力映像信号における周波数分布情報、輝度成分ヒストグラム、肌色成分量の割合などの特徴に応じて動的に輪郭補正するようにしているため、HD画像を表示することができる高解像度の画像表示装置に適用した場合、入力映像信号であるハイビジョン信号がSD画像をHD画像にアップコンバートした信号や、アップコンバートしていないHD画像のハイビジョン信号であっても撮影するカメラや編集機器によってぼけた画像の映像信号に対して、輪郭がぼけた画像の輪郭を補正することができる。また、本実施の形態の輪郭補正装置10及び輪郭補正方法によれば、過渡に輪郭が強調されてノイズとして表示されてしまうような入力映像信号に対しても、ノイズの少ない視覚上高解像度感の増した画質を得ることができる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、例えば、輪郭補正部14は、フィルタ特性選択による入力映像信号中の輝度信号の周波数特性の補正と、上記輝度信号の輪郭強調度合いの補正と、上記輝度信号の微小振幅を抑制する補正とを行うように説明したが、これら3種類の補正のうちの1種類だけ又は2種類の補正を行うようにしてもよい。
10 輪郭補正装置
11 周波数成分検出部
12 画像特徴検出部
13 データ処理部(CPU)
14 輪郭補正部
15 補正情報設定部
11 周波数成分検出部
12 画像特徴検出部
13 データ処理部(CPU)
14 輪郭補正部
15 補正情報設定部
Claims (6)
- 映像信号の画面内の所定の領域に含まれる複数の画素データそれぞれに対して、前記映像信号の輝度成分が取り得る最大輝度レベルから最小輝度レベルまでのレベル範囲を複数の階調に分割し、前記輝度成分に基づいて前記複数の画素データを前記複数の階調に振り分けて、前記各階調における前記複数の画素データの分布を示す輝度成分ヒストグラムデータを生成し、
前記映像信号の色信号成分に基づいて前記複数の画素データの前記色信号成分が予め設定した色範囲内にあるか否かを判定し、前記色範囲内にあると判定された前記複数の画素データの数を示す色成分量データを生成し、
前記映像信号の輝度成分の所定の周波数以上である周波数帯域を複数に分割し、前記複数の画素データを前記複数の周波数帯域に振り分けて周波数分布情報を生成し、
前記周波数分布情報に基づいて、輪郭補正をする周波数帯域を決める輪郭補正周波数制御データと、輪郭を強調する程度を示す第1の輪郭補正度合い制御データと、前記輝度成分の微小振幅を抑制するための粒状輪郭軽減度合いを示す第1の粒状輪郭軽減度合い制御データとを生成し、
前記輝度成分ヒストグラムデータに基づいて第2の輪郭補正度合い制御データを生成し、
前記色成分量データに基づいて第2の粒状輪郭軽減度合い制御データを生成し、
前記輪郭補正周波数制御データと、前記第1の輪郭補正度合い制御データ及び前記第2の輪郭補正度合い制御データと、前記第1の粒状輪郭軽減度合い制御データと前記第2の粒状輪郭軽減度合い制御データのうちいずれか一方の粒状輪郭軽減度合い制御データとに基づく輪郭補正制御データを用いて、前記映像信号中の前記輝度成分に対して輪郭補正を行うことを特徴とする輪郭補正方法。 - 前記輪郭補正周波数制御データの値が大きいほど、高い周波数帯域での前記輝度成分の輪郭補正を行い、
前記第1の輪郭補正度合い制御データと前記第2の輪郭補正度合い制御データとに基づいて第3の輪郭補正度合い制御データを生成し、
前記第3の輪郭補正度合い制御データの値が大きいほど前記輝度成分の輪郭補正度合いを強くし、値が小さいほど前記輪郭補正度合いを弱くし、
前記第1の粒状輪郭軽減度合い制御データの値に基づいて、前記映像信号の解像度が低いほど前記輝度成分に含まれる微少振幅を抑制するための第1の閾値を大きい値に設定して、前記第1の閾値以下の前記輝度成分の微小振幅を抑制するコアリング処理を行い、
前記第2の粒状輪郭軽減度合い制御データの値に基づいて、前記色成分量が多いときほど前記輝度成分に含まれる微少振幅を抑制するための第2の閾値を大きい値に設定して、前記第2の閾値以下の前記輝度成分の微小振幅を抑制するコアリング処理を行う
ことを特徴とする請求項1記載の輪郭補正方法。 - 前記第1の粒状輪郭軽減度合い制御データにより設定される前記第1の閾値と、前記第2の粒状輪郭軽減度合い制御データにより設定される前記第2の閾値とを比較して、より大きい閾値を示す粒状輪郭軽減度合い補正制御データに基づいて、前記輝度成分の微小振幅を抑制するコアリング処理を行うことを特徴とする請求項2記載の輪郭補正方法。
- 映像信号の画面内の所定の領域に含まれる複数の画素データそれぞれに対して、前記映像信号の輝度成分が取り得る最大輝度レベルから最小輝度レベルまでのレベル範囲を複数の階調に分割し、前記輝度成分に基づいて前記複数の画素データを前記複数の階調に振り分けて、前記各階調における前記複数の画素データの分布を示す輝度成分ヒストグラムデータを生成する第1の画像特徴検出部と、
前記映像信号の色信号成分に基づいて前記複数の画素データの前記色信号成分が予め設定した色範囲内にあるか否かを判定し、前記色範囲内にあると判定された前記複数の画素データの数を示す色成分量データを生成する第2の画像特徴検出部と、
前記映像信号の輝度成分の所定の周波数以上である周波数帯域を複数に分割し、前記複数の画素データを前記複数の周波数帯域に振り分けて生成される周波数分布情報を生成する周波数成分検出部と、
前記周波数分布情報に基づいて、輪郭補正をする周波数帯域を決める輪郭補正周波数制御データと、輪郭を強調する程度を示す第1の輪郭補正度合い制御データと、前記輝度成分の微小振幅を抑制するための粒状輪郭軽減度合いを示す第1の粒状輪郭軽減度合い制御データとを生成し、前記輝度成分ヒストグラムデータに基づいて第2の輪郭補正度合い制御データを生成し、前記色成分量データに基づいて第2の粒状輪郭軽減度合い制御データとを生成する制御データ生成手段と、
前記輪郭補正周波数制御データと、前記第1の輪郭補正度合い制御データ及び前記第2の輪郭補正度合い制御データと、前記第1の粒状輪郭軽減度合い制御データと前記第2の粒状輪郭軽減度合い制御データのうちいずれか一方の粒状輪郭軽減度合い制御データとに基づく輪郭補正制御データを用いて、前記映像信号中の前記輝度成分に対して輪郭補正を行う輪郭補正手段と
を有することを特徴とする輪郭補正装置。 - 前記制御データ生成手段は、
前記第1の輪郭補正度合い制御データと前記第2の輪郭補正度合い制御データとに基づいて第3の輪郭補正度合い制御データを生成し、
前記輪郭補正手段は、
前記輪郭補正周波数制御データの値が大きいほど、高い周波数帯域での前記輝度成分の輪郭補正を行い、
前記第3の輪郭補正度合い制御データの値が大きいほど前記輝度成分の輪郭補正度合いを強くし、値が小さいほど前記輪郭補正度合いを弱くし、
前記第1の粒状輪郭軽減度合い制御データの値に基づいて、前記映像信号の解像度が低いほど前記輝度成分に含まれる微少振幅を抑制するための第1の閾値を大きい値に設定して、前記第1の閾値以下の前記輝度成分の微小振幅を抑制するコアリング処理を行い、
前記第2の粒状輪郭軽減度合い制御データの値に基づいて、前記色成分量が多いときほど前記輝度成分に含まれる微少振幅を抑制するための第2の閾値を大きい値に設定して、前記第2の閾値以下の前記輝度成分の微小振幅を抑制するコアリング処理を行う
ことを特徴とする請求項4記載の輪郭補正装置。 - 前記制御データ生成手段は、
前記第1の粒状輪郭軽減度合い制御データにより設定される前記第1の閾値と、前記第2の粒状輪郭軽減度合い制御データにより設定される前記第2の閾値とを比較して、より大きい閾値を示す粒状輪郭軽減度合い補正制御データを出力し、
前記輪郭補正手段は、
前記制御データ生成手段から出力された前記粒状輪郭軽減度合い補正制御データに基づいて、前記輝度成分の微小振幅を抑制するコアリング処理を行う
ことを特徴とする請求項5記載の輪郭補正装置。
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