JP2010271987A - 領域分類装置、画質改善装置、映像表示装置、およびそれらの方法 - Google Patents

領域分類装置、画質改善装置、映像表示装置、およびそれらの方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 画像内の領域を複数の種別に分類する方法を提供する。
【解決手段】 領域分割部1において画素値の近い領域ごとに入力画像を分割し、広さ算出部2において各領域の広さを算出し、判定部3において各領域に対して複雑さに基づいた判定処理を行うために広さについての閾値処理を行うことで画像の領域を幾つかの種別に分類し、分類結果生成部4において領域分割部1で得られた分割結果と判定部3で得られた判定結果に基づいて画素ごとの分類結果を生成し、領域分類結果として出力する領域分割装置100を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、テレビやデジタルカメラにおいて用いる領域分割装置および画質改善装置に関する。
従来のノイズ低減やエッジ強調などの画像処理は画面全体に処理を行う。そのため、不必要な部分にまで処理が行われ画質低下の要因となる。例えば、ノイズ低減処理は、輪郭部分などのぼやけの要因となる。また、エッジ強調処理は、エッジだけでなくノイズまでも強調し、画質劣化の要因となる。
この改善策として、部分ごとの複雑さに応じて適応的に処理することで画質劣化に対応する方法が開発されている。人間の視覚特性上、平坦な部分に存在するノイズは目立つが、複雑な部分ではノイズは目立ちにくい。このため、ノイズ低減処理は平坦な部分だけに行えば、輪郭部分のぼやけによる画質劣化を抑えつつ主観的にはノイズ低減効果が得られる。また、エッジ強調処理に関しても、複雑な部分にのみ処理を行うことで、平坦な部分でのノイズの強調を抑え、画質の向上が見込める。
例えば、特許文献1に開示された手法では画像の局所的な情報を利用して、部分ごとに複雑さを算出し、それに応じた処理を行うことで画質劣化に対応している。
この手法において出力画像の画素値O(i、j)は、入力画像の画素値I(i、j)、入力画像の位置(i、j)を中心とした近傍の画素の平均画素値A(i、j)、係数kを用いて式(1)及び式(2)のように示される。
Figure 2010271987
Figure 2010271987
A(i、j)は、入力画像の位置(i、j)を中心とした近傍の平均画素値であるので、画素値A(i、j)の画素からなる平均値画像は入力画像の低周波成分を示している。このためI(i、j)とA(i、j)との差を画素値とする差分画像は、入力画像の高周波成分となる。従ってf(x)が1より大きくなるにつれて、出力画像は入力画像の高周波成分がより強調されたエッジ強調画像となる。一方、f(x)が1より小さくなるにつれて、入力画像に対して平均値画像の比率が大きくなるため、出力画像はより平滑化されたノイズ低減画像となる。
この手法では、f(x)の値を局所的な複雑さに応じて変えることによって画質劣化に対応している。複雑さとしては注目画素近傍の所定領域内における分散や平均絶対偏差を用いる方法が提案されている。例えば、入力画像の位置(i、j)を中心とした近傍の分散V(i、j)をxとしてf(x)に代入する。これによりV(i、j)>kならばエッジ強調処理が、V(i、j)<kならばノイズ低減処理が実行される。
特開平8−317255号公報
しかし、上述の手法では複雑さに応じた補正量で処理が行われているため、処理が必要な部分に対しても弱い補正しかされない場合がある。例えば、エッジ強調の場合、エッジ強調が必要なややぼやけたエッジ部分では分散や平均絶対偏差はそれほど高くないため、補正量は小さくなる。ある基準点で明確に複雑な部分と平坦な部分に分け、複雑な部分にはエッジ強調を、平坦な部分にはノイズ低減を同じ補正量で処理すれば、この問題は生じない。しかし、その場合、粗い模様では模様内に複雑とみなされる部分と平坦とみなされる部分が混在する可能性がある。これにより、模様内で処理の切り替えが生じ、質感が不均一になり、場合によっては不自然な境界が発生することもある。
この発明は、上述のような課題を解消するためになされたものであり、互いに類似した特徴を有する画素から構成される領域に入力画像を分割する領域分割部と、前記領域分割部により得られた各領域の広さ情報を取得する広さ算出部と、前記広さ算出部により得られた広さ情報を基に各領域の種別を判定する判定部と、前記領域分割部により得られた分割結果と前記判定部により得られた各領域の判定結果に基づき画素ごとの分類結果を生成する分類結果生成部とを備えた領域分類装置を提供するものである。
本発明によれば、粗い模様部分をまとめて同じ種別に分類することが可能となる。これにより、本発明による分類結果を用いた適応処理実行時に処理の切り替えによる不自然な境界の発生を防ぎ、かつ、補正の必要な部分に適切に補正を行うことで高い画質改善効果が得られる。
本発明の実施の形態1に係る領域分類装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態1および2に係る領域分類装置の領域分割部を説明する図である。 本発明の実施の形態1に係る領域分類装置の判定部の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1および2に係る領域分類装置のエッジ部の分類を説明する図である。 本発明の実施の形態2に係る領域分類装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態2に係る領域分類装置の近傍領域を説明する図である。 本発明の実施の形態2に係る領域分類装置の相対評価による判定部の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係る領域分類装置の近傍領域が存在しない例を説明する図である。 本発明の実施の形態2に係る領域分類装置の特徴を説明する図である。 本発明の実施の形態3に係る画質改善装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態3に係る画質改善装置の画像処理部を説明する構成図である。 本発明の実施の形態4に係る画質改善装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態4に係る画質改善装置のパラメータ可変画像処理部を説明するブロック図である。 本発明の実施の形態5に係る映像表示装置を示す構成図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1の領域分類装置の構成を示す構成図である。
本実施の形態の領域分類装置100は、入力画像に対して画像内の領域の分類を行い、その分類結果を出力する装置であり、領域分割部1、広さ算出部2、判定部3、及び分類結果生成部4から構成される。
この装置は適応的な画像処理による画質改善に利用でき、テレビやモニターなどの映像表示装置、デジタルカメラへの搭載、さらには、パーソナルコンピュータ上での画像処理への適用等が考えられる。
領域分割部1では、入力画像を類似した特徴を持つ領域ごとに分割し、その結果を、例えば各画素が所属する領域の番号を示すラベル情報として、広さ算出部2と分類結果生成部4に出力する。分割する際に用いる特徴としては色や輝度、分散、勾配情報などがある。本実施の形態では、一例として輝度が近い領域ごとに分割する。
輝度が近い領域ごとに分割する例を図2によって説明する。図2(a)は領域分割を行う前の原画像である。図2(a)に対して輝度が近い領域ごとに分割を行った結果が、図2(b)である。図2(b)において、太い枠は領域の境界を示している。図2(a)において、5は大きな面積の領域において輝度の変化が小さい部分である。領域分割の結果、大きな面積の領域において輝度の変化が小さい部分5は、図2(b)の7に示すように1つの領域として分割される。一方、図2(a)において6は隣り合う小さな面積の領域ごとに輝度の変化が大きい模様の部分である。領域分割の結果、この模様の部分6は図2(b)の8に示すように複数の小領域に分割される。
広さ算出部2では、領域分割部1で得られた分割結果に基づいて各領域の広さを算出し、判定部3に出力する。本実施の形態では、領域の広さとして、その領域を構成する画素数を用いる。
判定部3では、広さ算出部2から出力された各領域の広さ情報を受けて、各領域を広さに基づいて定義される種別ごとに分類する。領域分割部1で入力画像がN個の領域に分割された場合、本実施の形態では、図3に示す手順に従って領域を平坦部、複雑部に分類する。なお、図3においてA[i]は領域の番号がiである領域(以下では、領域iと呼ぶ)の広さ、Th1は分類のための閾値でTh1>0である。
閾値Th1の設定方法は、画像のサイズや解像度に応じて設定してもよいし、可変にしておき、ユーザの好みに応じて設定できるようにしてもよい。また、テレビなどに搭載する場合には、表示する映像の内容に応じて設定を変えてもよい。
図3に示す手順では、まず、判定中の領域の番号に相当するiを1に初期化する(S1)。そして、領域iの広さと閾値Th1とが比較される(S2)。ここで広さがTh1よりも大きい領域は平坦部に分類され(S3)、広さがTh1以下の領域は複雑部に分類される(S4)。領域iの分類が終わったら、iに1を加算し次の領域の判定に移る(S5)。このとき、領域番号が画像内に存在する領域の数Nを超えているかどうかを判定し(S6)、超えていた場合は判定処理を終了し、超えていない場合は判定処理を継続する。
この分類方法に従った場合、図2(a)の画像に対しては図2(c)のような分類結果が得られる。図2(a)において、大きな面積の領域において輝度の変化が小さい部分5が平坦部、隣り合う小さな面積の領域ごとに輝度の変化が大きい模様の部分6が複雑部に分類されていることがわかる。このように領域の広さ情報を利用して領域の複雑さを判断することが可能である。
領域の広さ情報を利用して領域の複雑さを判断できる理由について説明する。本実施の形態において、入力画像を輝度の近い領域ごとに分割しているため、領域内部の輝度の変化は小さいが、領域の境界では輝度の変化は大きい。そのため、小領域は周囲との輝度の変化が大きい模様のような部分の一部と判断できる。このため、領域の広さ情報を利用することで領域の複雑さを判断できる。
図1の説明に戻る。分類結果生成部4では、領域分割部1で得られた分割結果(各画素が所属する領域の番号を示すラベル情報)と判定部3で得られた判定結果を入力として受け取り、分類結果を出力する。分類結果は、例えば各画素が所属する領域の種別に対応した値を画素値とする多値画像として出力する。領域をn個の種別に分類する場合、分類結果はn値画像となる。
なお、広さ算出部2において、上記の例では領域を構成する画素数を広さ情報としたが、広さ情報の取得方法はこれに限らない。例えば、領域を完全に囲むことができる矩形を検出し、その大きさを広さ情報として用いることもできる。例えば、領域に外接する長方形の大きさを広さ情報としても良い。
また、判定部3において、上記の例では広さ情報のみで領域の種別を判定しているが、その他の情報を追加して利用することもできる。例えば、領域を完全に囲むことができる最小の矩形を検出し、そのアスペクト比を追加情報として用いてもよい。例えば、横方向に延びる細線のような領域は、横方向には輝度の変化が小さいため分割が起こらないが、一方で縦方向には輝度の変化が大きいため細かく分割されている。したがって、縦方向に関しては変化の大きい複雑な領域である。このような広くてもアスペクト比が極端な領域を複雑部と判定するために、例えば、縦横の長さにおいて、一方がもう一方の10倍以上のとき、その領域を複雑部とする条件を領域の種別の判定に追加してもよい。なお、アスペクト比は、広さ算出部2において、領域を完全に囲むことができる矩形の大きさを広さ情報とした場合には、その矩形のアスペクト比を利用することができる。さらに領域の広さとアスペクト比の両方を考慮して、種別を判定することも可能である。
また、判定部3において、上記の例では領域を平坦部、複雑部の2つの種別に分類したが、閾値の数を増やし3つ以上の種別に分類してもよい。例えば、新たに中間部を設定し、広い領域を平坦部、狭い領域を複雑部、その中間の領域を中間部に分類してもよい。
また、判定部3において、図3の流れによって分類した後、エッジ部分を他の部分とは別に分類することもできる。このことを図4によって説明する。図4(a)に示す高輝度と低輝度の2つの領域からなる画像に対して領域分割処理を行った場合、図4(b)に示す領域分割結果のように2つの領域に分割される。領域の境界部分では輝度の変化が大きいため、この周辺をエッジ部分と判断し、図4(c)のように分類できる。このように平坦部に分類された領域が他の平坦部に分類された領域と隣接する場合、隣接する部分を新たにエッジ部と分類することで容易にエッジ部分を他の部分とは別に分類できる。
本実施の形態によれば、粗い模様において模様内に複数の種別の領域が混在することを防ぎ、質感ごとに統一された分類結果が、簡単な演算処理によって得られる。
実施の形態2.
実施の形態1の領域分類装置では、領域の広さについて閾値処理を行うことによって、粗い模様部分を同じ種別に分類することができる。このとき、どの程度の粗さまで同じ模様と判断するかは閾値に依存する。例えば、より広い領域から成る模様部分を複雑部として分類したい場合、複雑部の分類に用いる閾値Th1を大きな値に設定すればよい。しかし、閾値を大きくしすぎると、模様とは関係のない領域が模様と一緒に複雑部と判定される可能性も生じる。画像によって存在する模様の粗さは異なるため、領域単体と閾値を比較する絶対的な広さの評価を行う実施の形態1の分類方法では、模様と模様とは関係のない領域を判断して区別する対応が難しい場合がある。そこで、本実施の形態においては、画像による模様の粗さの違いに対応できる領域分類装置について述べる。
図5はこの発明の実施の形態2の領域分類装置の構成を示す構成図である。
本実施の形態の領域分類装置200は、入力画像に対して画像内の領域の分類を行い、その分類結果を出力する装置であり、領域分割部1、広さ算出部2、相対評価による判定部9、及び分類結果生成部4から構成される。
この装置は適応的な画像処理による画質改善に利用でき、テレビやモニターなどの映像表示装置、デジタルカメラへの搭載、さらには、パーソナルコンピュータ上での画像処理への適用等が考えられる。
本実施の形態の領域分類装置と実施の形態1の領域分類装置との相違点は、判定部3の代わりに相対評価による判定部9を置いている点である。判定部3では領域単体と閾値を比較する絶対的な広さの評価を行っていたが、相対評価による判定部9では、判定を行う領域とその周囲の領域との相対的な広さの評価によって領域の分類を行う。領域分割部1、広さ算出部2、及び分類結果生成部4の動作については実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
相対評価による判定部9では、広さ算出部2から出力された各領域の広さ情報を用いて、各領域について周囲の領域と広さを比較し種別ごとに分類する。広さの比較は、判定の対象となる注目領域とその近傍領域について行う。ここでは、近傍領域を注目領域の中心から距離Dth以内に中心を持つ領域と定義する。ある領域を構成する画素数をM、その領域に属する画素の番号がiである画素(以下では、画素iと呼ぶ)の座標を(x[i]、y[i])とし、領域を構成する画素の集合をU={(x[i]、y[i])}(1<=i<=M)とすると、その領域の中心(X、Y)は画素の集合Uの各画素の座標の平均値であり、式(3)及び(4)によって算出される。また、注目領域の中心を(X1、Y1)、近傍領域の中心を(X2、Y2)とすると、近傍領域の定義は式(5)のように表せる。
Figure 2010271987
Figure 2010271987
Figure 2010271987
図6に注目領域と近傍領域の関係を示す。図6において、黒点は各領域の中心である。注目領域の中心から距離Dth以内に中心がある全ての領域が近傍領域となる。
本実施の形態における分類の流れを図7に示す。なお、図7においてA[i]は注目領域iの広さ、Mean(i)は注目領域iの近傍領域の広さの平均値、NAは注目領域iの近傍領域を示す領域番号、Nは画像内に存在する領域の数、k1とk2は予め定められた定数(k1>1、0<k2<1)、Th2は閾値(Th2>0)である。
まず、判定中の領域の番号に相当するiを1に初期化する(S11)。そして、領域iに対する近傍領域が存在しているかどうかを判定する(S12)。上述した近傍領域の定義に従って、注目領域以外の領域について、その領域の中心が注目領域の中心から距離Dth以内ならば近傍領域とする。もし、注目領域に近傍領域が存在しなければ、実施の形態1のような領域単体と閾値を比較する絶対的な広さの評価により注目領域を分類する(S13)。この理由を近傍領域が存在しない場合の例を示した図8を用いて説明する。近傍領域が存在しない場合としては、図8(a)のように注目領域が広い場合や図8(b)のように注目領域に隣接する領域が広い場合が考えられる。このように注目領域の大きさによらず近傍領域が存在しない可能性は有り得るため、S12の判定だけでは注目領域の広さを把握できず、S13のように絶対的な広さの評価により注目領域の分類が必要である。
次に注目領域の広さと近傍領域の広さの平均を比較する。まず、注目領域の広さが近傍領域の広さの平均のk1倍よりも大きいかどうかを判定する(S14)。注目領域の広さが近傍領域の広さの平均値のk1倍よりも大きければ注目領域を平坦部に分類する(S15)。k1の大きさを調整することで、注目領域と近傍領域の比がどの程度なら平坦部に分類されるかを調整できる。ここで、平坦部と判定されなかった場合、注目領域の広さが近傍領域の広さの平均値のk2倍よりも小さいかどうかを判定する(S16)。注目領域の広さが近傍領域の広さの平均値のk2倍よりも小さければ注目領域を複雑部に分類する(S17)。k2の大きさを調整することで、注目領域と近傍領域の比がどの程度なら複雑部に分類されるかを調整できる。
ここまでの判定で分類が決まらない場合、さらに、注目領域である領域iと全ての近傍領域xについて広さを比較する(S18)。全ての近傍領域NAにおいて、その広さと注目領域の広さの差の絶対値が閾値Th2以下ならば、注目領域を複雑部に分類する(S19)。差の絶対値がTh2より大きくなる近傍領域xがひとつでも存在した場合には、注目領域を平坦部に分類する(S20)。領域iの分類が終わったら、iに1を加算し次の領域の判定に移る(S21)。このとき、領域番号が画像内に存在する領域の数Nを超えているかどうかを判定し(S22)、超えていた場合は判定処理を終了し、超えていない場合は判定処理を継続する。
なお、実施の形態1及び本実施の形態においては、領域を分割する際に輝度情報を用いたが、輝度情報の代わりに色や分散、勾配情報を用いても同様の効果が得られる。
本実施の形態によれば、画像による模様の粗さの違いに対応できるため、図9(a)に示すような小領域ではあるが周囲に比べれば大きい異質な部分10を、図9(b)のように相対的な広さの評価によって異なる領域として適切に分類することができる。
実施の形態3.
図10はこの発明の実施の形態3の画質改善装置の構成を示す構成図である。
本実施の形態の画質改善装置300は、入力画像に対して画質改善処理を行った画質改善画像を出力する装置であり、領域分類部11と画像処理部12から構成される。
この装置は適応的な画像処理による画質改善に利用でき、テレビやモニターなどの映像表示装置、デジタルカメラへの搭載、さらには、パーソナルコンピュータ上での画像処理への適用等が考えられる。
領域分類部11では、画像を複数の領域に分割し、その領域の広さによって各領域を幾つかの種別に分類する。具体的には、実施の形態1または実施の形態2で示した領域分類装置100または200と同等の機能を有する装置により実現される。
画像処理部12は、例えば、図11のような構成である。入力画像と領域分類部11からの出力である分類結果を入力、画質改善画像を出力とするものであり、ノイズ低減処理部13、エッジ強調処理部14、及び処理制御部15から成る。また、図において16、19はセレクタ、17、18、20、21は接続端子を示している。入力画像は、セレクタ16と19の切り替えによりノイズ低減処理部13またはエッジ強調処理部14のいずれかを通過し、画質改善画像として出力される。セレクタ16、19の切り替えは、分類結果を基に処理制御部15で生成された制御信号によって制御される。
ノイズ低減処理部13では入力された画像に対してノイズ低減処理を行い、その結果を画質改善画像として出力する。ノイズ低減処理は、画素位置(i、j)における入力画像の画素値をI(i、j)、出力画像の画素値をOsmooth(i、j)とすると、例えば式(6)に示す処理である。
Figure 2010271987
エッジ強調処理部14では入力された画像に対してエッジ強調処理を行い、その結果を画質改善画像として出力する。エッジ強調処理は、画素位置(i、j)における入力画像の画素値をI(i、j)、出力画像の画素値をOsharp(i、j)とすると、例えば式(7)に示す処理である。
Figure 2010271987
処理制御部15では、分類結果を基にセレクタ16と19の切り替えを制御する制御信号を生成する。これにより、入力画像に対してノイズ低減処理とエッジ強調処理のどちらを実行するかを制御する。分類結果が平坦部を示す信号であれば、処理制御部15ではセレクタ16を端子17、セレクタ19を端子20に動かすための制御信号を出力し、結果として入力画像にノイズ低減処理が実行される。分類結果が複雑部を示す信号であれば、セレクタ16を端子18に、セレクタ19を端子21に動かすための制御信号を出力し、結果として入力画像にエッジ強調処理が実行される。これにより、人間の視覚特性上ノイズが目につきやすい平坦部ではノイズ低減処理、複雑部ではぼやけを補正し先鋭感を向上させるエッジ強調処理が実行され画質が改善する。
本実施の形態によれば、粗い模様部分を同じ種別の領域と判断して同じ処理を実行するため、処理の切り替えによる不自然な境界の発生を防ぎ、かつ、補正の必要な部分に適切に補正を行うことで高い画質改善効果が得られる。
実施の形態4.
実施の形態3に示した画質改善装置により、模様部分において処理の切り替えによる不自然な境界の発生を防ぎ、かつ、補正の必要な部分に適切に補正を行うことで高い画質改善効果が得られる。しかし、ユーザによって好みの画質は異なるため、幅広いユーザが利用する場合、十分な画質改善効果が感じられないユーザが存在する可能性がある。そこで、本実施の形態では、ユーザの好みに合わせて画質の調整ができる機能を備えることで、この問題を解決する。
図12は、この発明の実施の形態4の画質改善装置の構成を示す構成図である。
本実施の形態の画質改善装置400は、入力画像に対して処理設定信号と補正量設定信号によって制御される画質改善処理を行い、その結果である画質改善画像を出力する装置であり、領域分類部11とパラメータ可変画像処理部22から構成される。
この装置は適応的な画像処理による画質改善に利用でき、テレビやモニターなどの映像表示装置、デジタルカメラへの搭載、さらには、パーソナルコンピュータ上での画像処理への適用等が考えられる。
本実施の形態の実施の形態3との相違点は、画像処理部12の代わりにパラメータ可変画像処理部22を置いている点である。パラメータ可変画像処理部22では、処理設定信号と補正量設定信号によって処理内容の切り替えが可能である。画像分類部11の動作については実施の形態3と同様であり、説明を省略する。
パラメータ可変画像処理部22は、例えば、図13のような構成である。入力画像と領域分類部11からの出力である分類結果、画像処理内容の切り替えに係る信号である処理設定信号と補正量設定信号を入力、画質改善画像を出力とするもであり、ノイズ低減処理部23、エッジ強調処理部24、及び処理制御部25から成る。また、図において26、30はセレクタ、27、28、29、31、32、33は接続端子を示している。入力画像は、セレクタ26、30の切り替えにより、そのまま通過するか、あるいはノイズ低減処理部23またはエッジ強調処理部24により画像処理が行われ、画質改善画像として出力される。ノイズ低減処理部23とエッジ強調処理部24における補正量は補正量設定信号に応じて変わる。また、セレクタ26、30の切り替えは、分類結果と処理設定信号を基に処理制御部25で生成された制御信号によって制御される。
ノイズ低減処理部23では入力された画像に対して補正量設定信号に応じた補正量によってノイズ低減処理を行い、その結果を出力する。ノイズ低減処理は、位置(i、j)における入力画像の画素値をI(i、j)、出力画像の画素値をOsmooth2(i、j)、ノイズ低減処理用の補正量設定信号a(0<a<=1)とすると、例えば式(8)のような処理である。
Figure 2010271987
エッジ強調処理部24では入力された画像に対して補正量設定信号に応じた補正量によってエッジ強調処理を行い、その結果を出力する。エッジ強調処理は、位置(i、j)における入力画像の画素値をI(i、j)、出力画像の画素値をOsharp2(i、j)、エッジ強調処理用の補正量設定信号b(0<b<=1)とすると、例えば式(9)のような処理である。
Figure 2010271987
処理制御部25では、分類結果と処理設定信号を基にセレクタ26、30の切り替えを制御する制御信号を生成する。これにより、入力画像に対してノイズ低減処理とエッジ強調処理のどちらを実行するか、またはいずれの処理も行わずにそのまま通過させるかを制御する。分類結果が平坦部を示す信号であれば、処理制御部25ではセレクタ26を端子28、セレクタ30を端子32に動かすための制御信号を出力し、結果として入力画像にノイズ低減処理が実行される。分類結果が複雑部を示す信号であれば、セレクタ26を端子29に、セレクタ30を端子33に動かすための制御信号を出力し、結果として入力画像にエッジ強調処理が実行される。
ただし、処理設定信号によりこれらの処理のオンオフの切り替えが可能である。処理制御部25においてノイズ低減処理が不要であるという処理設定信号を受け取った場合、分類結果が平坦部を示す信号であれば、セレクタ26を端子27、セレクタ30を端子31に動かすための制御信号を出力し、結果として入力画像がそのまま出力される。また、エッジ強調処理が不要であるという処理設定信号を受け取り、かつ、分類結果が複雑部を示す信号であった場合にも同様に、セレクタ26を端子27、セレクタ30を端子31に動かすための制御信号を出力し、結果として入力画像がそのまま出力される。
補正量設定信号や処理設定信号は、ユーザにより設定可能である。例えば、テレビの場合にはリモコン等が設定のための入力装置として利用される。また、パソコンでは、キーボードやマウスで入力できる。
また、入力画像の状態を判断して、自動的に設定されるようにしても良い。例えば、テレビで放送を受信する場合、受信波の強度を測定し、受信状態が良好と判断すれば、ノイズ低減処理を不要とするよう処理設定信号を自動設定するようにしても良い。
本実施の形態によれば、粗い模様部分において処理の切り替えによる不自然な境界の発生を防ぎ、かつ、補正量の変更や処理のオンオフが可能となり、ユーザの好みに応じたより高い画質改善効果が得られる。
実施の形態5.
図14はこの発明の実施の形態5の映像表示装置の構成を示す構成図である。
本実施の形態の映像表示装置500は、入力映像に対して映像のコンテンツ情報や時間情報を基づいてユーザの好みに応じた画質改善処理を行い、その結果を出力映像として表示する装置であり、画質改善装置400、表示部34、コンテンツ情報取得部35、時間情報取得部36、パラメータ記録装置37から構成される。
画質改善装置400は、実施の形態4で示したように、映像の各フレームにおいて、画像内の領域を複数の種別に分類し、その分類に応じて処理を切り替えて画質を改善する装置である。画質改善処理の結果は領域の分類のための閾値や画像処理の補正量などのパラメータにより調整可能である。これらの処理パラメータはパラメータ記録装置37に記録されているパラメータを用いる。
表示部34では、画質改善装置400から出力される画質改善映像を受け取り、出力映像として画面に表示する。
コンテンツ情報取得部35では、コンテンツ情報を取得し、その情報を基にパラメータ記録装置37にコンテンツに関する制御信号を送る。コンテンツ情報は、例えばデジタルテレビなどの場合、番組表から取得することができる。
時間情報取得部36では、時間情報を取得し、その情報を基にパラメータ記録装置37に時間に関する制御信号を送る。時間に関する制御信号は、例えば、「朝」、「昼」、「夜」などの時間帯を示す信号である。また、曜日を示す信号でもよい。
パラメータ記録装置37では、コンテンツ別、時間帯別に画質改善のためのパラメータを記録する。ここに記録された処理パラメータは、画質改善装置400において画質を改善する際に参照される。処理パラメータを参照する際にアクセスする位置は、コンテンツ情報取得部35、時間情報取得部36から送られる制御信号により制御され、例えば、コンテンツ情報取得部35から「コンテンツ1」、時間情報所得部36から「夜」へのアクセスを指示する制御信号が送られた場合、38に示す位置に記録された処理パラメータが参照される。また、パラメータ記録装置37はユーザによって処理パラメータが変更された際に、パラメータ設定信号を受け取り、新たな処理パラメータを記録する。処理パラメータの記録位置は、参照時と同様にコンテンツ情報取得部35と時間情報所得部36から送られる制御信号によって制御される。
本実施の形態では、画質改善装置400において処理パラメータを自由に設定できるため、ユーザは自分に適した高画質な映像を楽しむことができる。パラメータ記録装置37において、コンテンツの種別ごとに処理パラメータを記録する機能を備えているため、記録された処理パラメータを次回の表示に反映させることで、処理パラメータ調整の手間を省くことが可能である。また、時間帯ごとに処理パラメータを記録する機能を備えているため、1台のテレビを複数のユーザが使う場合にも対応できる。また、あらかじめコンテンツの種別ごとに適当な処理パラメータをパラメータ記録装置37に記録しておくことで、処理パラメータの調整が煩わしいと感じるユーザにも対応できる。
本実施の形態によれば、画像内の領域の種別に応じた適切な処理がユーザの好みに応じた処理パラメータによって行われるため高い画質改善効果が得られるとともに、コンテンツの種別や時間帯に応じて処理パラメータを記録することで処理パラメータ調整の手間を軽減しユーザの負担を軽減することができる。
100、200 領域分類装置
1 領域分割部
2 広さ算出部
3 判定部
4 分類結果生成部
9 相対評価による判定部
300、400 画質改善装置
11 領域分類部
12 画像処理部
13、23 ノイズ低減処理部
14、24 エッジ強調処理部
15、25 処理制御部
22 パラメータ可変画像処理部
500 映像表示装置
34 表示部
35 コンテンツ情報取得部
36 時間情報取得部
37 パラメータ記憶装置

Claims (15)

  1. 互いに類似した特徴を有する画素から構成される領域に入力画像を分割する領域分割部と、
    前記領域分割部により得られた各領域の広さ情報を取得する広さ算出部と、
    前記広さ算出部により得られた広さ情報を基に各領域の種別を判定する判定部と、
    前記領域分割部により得られた分割結果と前記判定部により得られた各領域の判定結果に基づき画素ごとの分類結果を生成する分類結果生成部と
    を備えたことを特徴とする領域分類装置。
  2. 請求項1に記載の領域分類装置において、前記領域分割部は、前記入力画像を構成する画素が互いに類似した特徴を有するか否かを画素値に基づいて決定することを特徴とする領域分類装置。
  3. 請求項1または2に記載の領域分類装置において、前記領域広さ算出部は、各領域に属する画素数をその領域の広さ情報とすることを特徴とする領域分類装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の領域分類装置において、前記判定部は、領域の広さと予め定めた1または複数の閾値との比較処理を行うことにより、各領域を複数の種別に分類することを特徴とする領域分類装置。
  5. 請求項4に記載の領域分類装置において、前記判定部は、予め定めた閾値がひとつである場合に、当該閾値より大きな広さを持つ領域を平坦部、当該閾値以下の広さを持つ領域を複雑部に分類すること、または当該閾値以上の広さを持つ領域を平坦部、当該閾値より小さな広さを持つ領域を複雑部に分類することを特徴とする領域分類装置。
  6. 請求項1から3のいずれか1項に記載の領域分類装置において、前記判定部は、判定対象である注目領域の広さとその周囲の領域との広さの比較を行い、広さの相対的な評価により各領域を複数の種別に分類することを特徴とする領域分類装置。
  7. 請求項6に記載の領域分類装置において、前記判定部は、前記周辺の領域の広さの平均値の予め定めた1より大きい定数倍よりも大きな広さを持つ領域を平坦部、当該周辺の領域の広さの平均値の予め定めた1より小さく0より大きい定数倍よりも小さな広さを持つ領域を複雑部に分類することを特徴とする領域分類装置。
  8. 請求項1から3のいずれか1項に記載の領域分類装置において、前記判定部は、広さ情報に加えて領域の形状の情報を用いて各領域を複数の種別に分類することを特徴とする領域分類装置。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の領域分類装置を備え、当該領域分類装置により画像内の領域を幾つかの種別に分類し、当該種別に応じて領域の処理の内容を変更することによって画質を改善することを特徴とする画質改善装置。
  10. 請求項9に記載の画質改善装置を備えた映像表示装置。
  11. 互いに類似した特徴を有する画素から構成される領域に入力画像を分割する領域分割ステップと、
    前記領域分割ステップにより得られた各領域の広さ情報を取得する広さ算出ステップと、
    前記広さ算出ステップにより得られた広さ情報を基に各領域の種別を判定する判定ステップと、
    前記領域分割ステップにより得られた分割結果と前記判定ステップにより得られた各領域の判定結果に基づき画素ごとの分類結果を生成する分類結果生成ステップと
    を備えたことを特徴とする領域分類方法。
  12. 請求項11に記載の領域分類方法において、前記領域分割ステップは、前記入力画像を構成する画素が互いに類似した特徴を有するか否かを画素値に基づいて決定することを特徴とする領域分類方法。
  13. 請求項11または12に記載の領域分類方法において、前記領域広さ算出ステップは、各領域に属する画素数をその領域の広さ情報とすることを特徴とする領域分類方法。
  14. 請求項11から13のいずれか1項に記載の領域分類方法により画像内の領域を幾つかの種別に分類し、当該種別に応じて領域の処理の内容を変更することによって画質を改善することを特徴とする画質改善方法。
  15. 請求項14に記載の画質改善方法により改善された映像を表示することを特徴とする映像表示方法。
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