JP2010287268A - フィルタードカソーディックアーク装置およびそれを用いて成膜したカーボン保護膜 - Google Patents

フィルタードカソーディックアーク装置およびそれを用いて成膜したカーボン保護膜 Download PDF

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Abstract

【課題】フィルタードカソーディックアーク装置において、パーティクル粒子の低減と高い成膜レートを両立させた成膜装置を提供すること。
【解決手段】成膜処理室へ誘導する屈曲した磁場ダクトの内壁を非磁性の金属繊維からなるウール材によって被覆し、かつウール材にバイアス電圧を印加することを特徴とする。
ウール材はアルミニウム合金、ステンレス合金または銅を含むことが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、陰極アーク放電を用いた薄膜の成膜装置、および、耐摺動部材または耐磨耗部材のコーティングに用いられる硬質皮膜として形成されるカーボン保護膜に関する。
耐摺動部材または耐磨耗部材のコーティングに用いられる硬質皮膜として、カーボンを用いたダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜が用いられている。DLC膜は表面平滑性に優れ、硬度も高いため、表面皮膜として適している。このようなDLC膜を形成する方法として、スパッタリング法、プラズマCVD法などが用いられているが、特に、高硬度なテトラヘドラルアモルファスカーボン(ta−C)膜を成膜する方法として、フィルタードカソーディックアーク法が提案されている(例えば、特許文献1等参照。)。
図2は従来のフィルタードカソーディックアーク装置の例を示すもので、プラズマ発生部1、磁場ダクト2、スキャニング装置3および成膜処理室4から構成されている。陰極部12に設置されるターゲット11に対して陽極部13との間にトリガー14を用いてアーク放電を発生させ、陰極物質イオンを含むプラズマを生成する。生成されたプラズマが磁場によって誘導されて磁場ダクト2を通過して被成膜基板41へ到達することにより、被成膜基板上へターゲット材料のイオンが堆積する。ta−C膜を成膜する場合には、ターゲット材料としてグラファイトが用いられている。
生成されたプラズマ中には、イオン、電子およびターゲット材料から発生した中性の原子が含まれている。これらは原子レベルで飛翔するだけでなく、一部はクラスター化して粒子状となる。これらをパーティクル粒子と呼ぶことにする。このパーティクル粒子は、アーク放電によってターゲットから放出され、イオン化されずに飛散した原子からなる中性のパーティクル粒子と正負に帯電したパーティクル粒子が存在する。被成膜基板上にイオンによる膜を堆積する際にこれらのパーティクル粒子が混入すると、膜質の低下や平滑性の低下を引き起こすため、被成膜基板へ到達するパーティクル粒子数を減らす必要がある。
このようなパーティクル粒子を減らすために、プラズマ発生部と被成膜基板が保持される処理室との間の磁場ダクトを屈曲させる構造が用いられている。屈曲した磁場ダクトは、荷電粒子である電子および陰極物質イオンのみを誘導し、中性粒子は誘導しないため、被成膜基板へ到達する中性パーティクル粒子を低減することができる。
特開2003−160858号公報 特開2004−244667号公報 特開2002−105628号公報
屈曲した磁場ダクトを用いることで、大部分の中性粒子は被成膜基板へ誘導されないが、中性粒子の一部は磁場ダクトの内壁に衝突して反跳し、成膜処理室へ入り込むことがある。そのため、イオンを被成膜基板へ誘導して堆積する際に中性パーティクル粒子が混入し、膜質は低下し、膜の平滑性も低下することになる。
内壁に反跳する粒子を捕集するために、ダクト内に種々のトラップ機構を設けることが提案されている。例えば、特許文献2はフィン形状のバッフル構造を提案しており、特許文献3はフェルト状の多孔質部材を提案している。しかしながら、パーティクル粒子の混入を防止するために、トラップ機構での捕集効率を向上しようとすると、フィンを長くしたり、あるいはトラップ機構の占める断面積を拡大する必要がある。この結果、成膜に寄与するプラズマが通過できる空間が減少し、プラズマの一部がトラップ機構によって遮蔽されるため、成膜レートが低下する場合がある。成膜レートとパーティクル捕集効率の向上を両立させるためには、プラズマが誘導される空間を遮蔽せずにトラップ機構を改善することが必要である。
また、屈曲した磁場ダクトは中性のパーティクル粒子に対しては、一定の効果を有するものの、パーティクル粒子は前述したように正負に帯電したものも存在する。これらの正負に帯電したパーティクル粒子に対しても、その混入を防止するための更なる改善が必要である。
上記の目的を解決するために、本発明のフィルタードカソーディックアーク装置は、成膜原料を陰極ターゲットとするアーク放電によりプラズマを発生させるプラズマ発生部と、被成膜基板が設置される成膜処理室と、前記プラズマ発生部と前記成膜処理室との間に設置され、前記プラズマ発生部から発生したプラズマを磁場により前記成膜処理室へ誘導する屈曲した磁場ダクトとを有し、前記磁場ダクトの内壁を被覆する非磁性の金属繊維からなるウール材と、該ウール材用のバイアス電源とを備えたことを特徴とする。
前記ウール材の金属繊維はアルミニウム合金、ステンレス合金または銅を含むことが好ましい。
また、前記陰極ターゲットは炭素を含むことが好ましい。
また、本発明の他の側面は、前記したフィルタードカソーディックアーク装置を用いて成膜されたカーボン保護膜であって、前記カーボン保護膜はテトラヘドラルアモルファスカーボンからなることを特徴とする。
屈曲した磁場ダクト内壁を非磁性かつ導電性の金属繊維からなるウール材によって被覆することにより、磁場ダクト内のトラップ形状を容易に複雑化させることができ、中性粒子の捕集効率が上がり、被成膜基板に到達するパーティクル粒子を減らすことが可能となる。加えて、ウール材にバイアス電圧を印加することにより、帯電したパーティクル粒子の捕集効率が上がり、被成膜基板に到達するパーティクル粒子を減らすことが可能となる。
さらには、磁場ダクト内壁を被覆したウール材にバイアス電圧を印加することにより、磁場ダクト内にラジアル電場を発生させ、荷電粒子のプラズマビームをダクト中心へ集束できることから、プラズマビーム径が絞られるため、ダクト内壁に設けたトラップ機構にプラズマが遮蔽されることなく被成膜基板へ誘導され、成膜レートの低下も防ぐことが可能となる。これらの効果により、パーティクル粒子捕集効率の向上と高い成膜レートを両立させた成膜装置を提供することが可能となる。
また、上記の改良を加えたフィルタードカソーディックアーク装置を用いて、成膜原料をカーボンとして保護膜を成膜することにより、パーティクル粒子の混入による膜質の劣化や平滑性の低下の無い、硬質で高品質なカーボン保護膜を提供することができる。
本発明のフィルタードカソーディックアーク装置のひとつの実施形態を説明するための装置構成図である。 従来のフィルタードカソーディックアーク装置の構成図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明のフィルタードカソーディックアーク装置のひとつの実施形態を示す装置構成図である。成膜装置は、プラズマ発生部1、磁場ダクト2、スキャニング装置3、および成膜が行われる処理室4から構成されている。なお、成膜装置内は真空排気装置(不図示)により1×10-4Pa程度まで真空排気される。
プラズマ発生部1は、成膜原料となるターゲット11と、ターゲット11が装着される陰極部12と、ターゲットとの間でアーク放電を発生させる陽極部13と、アーク放電のきっかけを作るためのトリガ14を備えている。ターゲット11は成膜したい材料であり、例えばC、Ti、Cu、Al、Ta、Wやその合金などの導電性部材を用いることが出来る。陰極部12はアーク電源15に接続し、陽極部13およびトリガ14は接地されてアース電位となっている。陰極部12にアーク電圧を印加した状態で、トリガ14をターゲット11に瞬間的に衝突(ストライク)させることで、アーク放電を発生させることができる。
磁場ダクト2は、屈曲した円筒ダクト21と、その周囲に設けられた磁気コイル22によって構成される。磁気コイルには磁気コイル用電源23から励磁電流が供給され、円筒ダクト21に沿って磁場が形成されている。プラズマ発生部1にて生成されたプラズマは、円筒ダクト21に沿った磁場により誘導され、屈曲した円筒ダクト21を通過して被成膜基板41が設置された成膜処理室4へ到達する。
円筒ダクト21は、剛性を有する材料で構成し、導電性を有し、かつ非磁性の材料で構成する。例えば、アルミニウム合金、ステンレス合金、あるいは銅等を用いることができる。
円筒ダクト21には、バイアス電源24によりバイアス電圧を印加できる。円筒ダクト21と成膜処理室4とは絶縁材51を介して接続され、電気的に絶縁されている。また、円筒ダクト21とプラズマ発生部1の間にも絶縁材52を配設し、電気的に絶縁されている。
屈曲した円筒ダクト21の内壁には、内壁を被覆するように非磁性で導電性の金属繊維からなるウール材101を設置する。これにより、円筒ダクト21の内側における壁面構造が容易に複雑化し、3次元的に入り組んだ構造とすることができる。また、円筒ダクト21とウール材101を接触することで、ウール材101にバイアス電圧が印加される。なお、ウール材101に直接バイアス電圧を印加しても良い。
ここで、ウール材とは、繊維材料の集合体からなり、占める空間体積において繊維材料の占める割合である体積充填率が2%以上であるものを指す。ウール材を構成する金属繊維の繊維径は150μm以下とし、好ましくは50μm以下のような繊維径が細いものが良い。バイアス電圧を効果的に印加するためには、ウール材としての比抵抗は0.1Ωcm以下であれば良い。
ターゲット11からアーク放電によって放出された中性粒子は、放出時の方向へ直進し、磁場ダクト2の曲がりには追従しないため、ダクト内壁に向かう。3次元的に入り組んだ構造のウール材101を設置したことにより、円筒内壁での反跳は阻止され、ウール材101の内部に中性粒子を捕集する。よって、中性粒子は被成膜基板へ到達できず、高品質な膜を成膜可能な装置となる。なお、非磁性の素材を用いることで、円筒ダクトの周囲にまかれた磁気コイルによって形成される磁場には影響を与えない。非磁性で導電性の金属繊維としては、アルミニウム合金、ステンレス合金、あるいは銅などを用いることができる。
ダクト内部に導電性ウール材を設置すると、内部でプラズマが通過できる空間は減少するが、導電性ウール材に印加される正バイアス電圧によって作られるラジアル電場の効果により、磁場ダクト内部を誘導されるプラズマビームに含まれる正のイオンはダクト中心に集束される。従って、イオンはウール材により遮蔽されることなく、高密度なビームとして処理室へ誘導されて高い成膜レートを実現することが可能である。一方で、中性のパーティクル粒子は電場による影響を受けないため、アーク放電時の初速方向に直線的に飛散する。よって、屈曲した円筒ダクトの内壁に設けたウール材にトラップされ効率よく捕集することができ、中性粒子が被成膜基板へ到達することを防ぐ。
アーク放電においては、成膜に寄与する正に帯電したターゲット材料イオンや中性パーティクル粒子以外に、負に帯電したイオンまたはクラスターも生成される。この負帯電粒子もパーティクル粒子の原因となる。トラップ機構を正に帯電させることで、負に帯電したパーティクル粒子を静電引力により吸着し捕集するため、バイアス電圧を印加しない場合と比べ、パーティクル粒子をより低減させることができる。この結果、捕集効率と成膜レートを両立させ、高品質な膜を成膜可能な装置となる。負帯電粒子を吸着する効果のみを考慮すると印加する電圧は高い方が好ましいが、バイアス電圧が高くなりすぎると、円筒ダクト内の磁場によって誘導されている電子流に対しての影響が無視できなくなり、プラズマビームを乱して成膜レートが低下してしまう。負帯電粒子の吸着によるパーティクル低減と、プラズマビーム集光による成膜レート向上の効果を得るためには、印加する電圧は、装置構成や使用条件により個々に設定を行うが、好ましくは、5Vから100Vの範囲である。
スキャニング装置3は、2対のソレノイドコイル31(1対のみ図示)と、ソレノイドコイル31に電流を供給する制御装置32とから構成される。成膜処理室4へ導入されるプラズマに対し、ソレノイドコイル31による偏向磁場を印加することで、進行方向に対して垂直にビームを偏向する。これにより、ビームの径よりも大きな被成膜基板においても、全面に膜を堆積することが可能である。
なお、本装置において成膜を繰り返し行った後は、ウール材を交換することにより容易にメンテナンスが行える。したがって、ウール材にパーティクル粒子が溜まり、そのパーティクル粒子が剥離して2次的なパーティクル粒子の発生源になることを防ぐことができる。加えて、ウール材101が円筒ダクト21の内壁を覆っているため、円筒ダクト21の汚染は無く清掃が不要であり、装置自体のメンテナンスが簡略化できる。
(実験例1)
次に、本発明のフィルタードカソーディックアーク装置を用いて実際に成膜した例について説明する。
本例では、ターゲット11としてグラファイトターゲットを使用し、被成膜基板41として、直径65mmのガラス円板を用いてカーボン膜を成膜した。
ガラス円板を良く洗浄した後に、成膜処理室4に設置し、装置内部を真空度1×10-4Paに排気した。陰極部12にアーク電圧として−30Vを印加した状態で、トリガ14をターゲット11に瞬間的に衝突(ストライク)させることで、アーク放電を発生させた。放電時のアーク電流は30Aとした。
磁気コイルには磁気コイル用電源23から励磁電流を供給して、円筒ダクト21に沿って約130mTの磁場を形成した。円筒ダクト21には、ウール材用バイアス電源24により20Vのバイアス電圧を印加した。
ウール材101としては、鉄含有量70重量%、ニッケル含有量8重量%、クロム18重量%のステンレス材料からなり、繊維径20μm、空間充填率が約10%のものを用いた。
本装置を用いて5秒間の成膜を行った結果、膜厚4.0nmのta−C膜が得られた。このときの面内パーティクル数は9.7個/cm2と少なかった。
本例における成膜レート、および粒径で分類したパーティクル粒子の個数を表1に示す。各数値は、成膜した円板5枚の平均値である。
(比較例1)
ウール材用バイアス電源24を取り外したことを除いて実験例1と同じ装置を用い、実験例1と同様にして5秒間の成膜を行った。即ち、円筒ダクト21にバイアス電圧は印加されていない。得られた膜の膜厚は約2.2nmとなり、実験例1と比べ成膜レートが低下した。また、パーティクル数は11.5個/cm2となり、実験例1よりも増加した。
(比較例2)
円筒ダクト内壁のウール材101およびウール材用バイアス電源24を取り外したことを除いて実験例1と同じ装置を用い、実験例1と同様にして5秒間の成膜を行った。得られた膜の膜厚は約5nmと成膜レートは高くなったが、面内パーティクル数は1124.1個/cm2と多かった。
Figure 2010287268
(実験例2)
磁性層の上に保護層を成膜して磁気記録媒体を形成した例について説明する。
直径65mmのガラス円板を準備し、ガラス円板を良く洗浄した後に、スパッタ装置に導入して、CoZrNb軟磁性裏打ち層、NiFeCrシード層、Ru中間層、
CoCrPt−SiO2グラニュラ垂直磁性層を順次成膜した。
これを被成膜基板41として、フィルタードカソーディックアーク装置の成膜処理室4に設置し、図示していない基板バイアス電源を用いて基板に−120Vを印加したこと以外は実験例1と同様にして膜厚が2.5nmのta−C膜を成膜した。基板バイアス電圧は、正イオンの衝突エネルギーを高めることによってsp3結合比率を向上させる効果を有し、FCVA装置ではよく用いられる機構である。
得られたta−C膜は、水素を含まず、XPS測定で得られたC1sスペクトルの波形分離の結果、sp3結合比率が85%と高く、高硬度の膜であり、パーティクル粒子の混入が少ないことから、従来のスパッタ装置を用いたa−C膜やCVD装置を用いたa−C:H膜の保護膜と比べ、耐摺動性と耐食性に富んだ保護膜とすることができ、磁気記録媒体の信頼性を向上させることができた。
なお、本発明により得られるta−C膜は、パーティクル混入の少ない硬質で高品質な薄膜であり、磁気記録媒体の保護膜以外にも、耐摺動部材や耐磨耗部材の保護膜としても好適である。
1 プラズマ発生部
2 磁場ダクト
3 スキャニング装置
4 成膜処理室
11 ターゲット
12 陰極部
13 陽極部
14 トリガ
15 アーク電源
21 円筒ダクト
22 磁気コイル
23 磁気コイル用電源
24 ウール材用バイアス電源
31 ソレノイドコイル
32 制御装置
41 被成膜基板
51、52 絶縁材
101 導電性のウール材

Claims (4)

  1. 成膜原料を陰極ターゲットとするアーク放電によりプラズマを発生させるプラズマ発生部と、被成膜基板が設置される成膜処理室と、前記プラズマ発生部と前記成膜処理室との間に設置され、前記プラズマ発生部から発生したプラズマを磁場により前記成膜処理室へ誘導する屈曲した磁場ダクトとを備えた、フィルタードカソーディックアーク装置において、
    前記磁場ダクトの内壁を被覆する非磁性の金属繊維からなるウール材と、該ウール材用のバイアス電源とを備えたことを特徴とするフィルタードカソーディックアーク装置。
  2. 前記ウール材の金属繊維がアルミニウム合金、ステンレス合金または銅を含むことを特徴とする請求項1に記載のフィルタードカソーディックアーク装置。
  3. 前記陰極ターゲットが炭素を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のフィルタードカソーディックアーク装置。
  4. 請求項3に記載のフィルタードカソーディックアーク装置を用いて成膜されたカーボン保護膜であって、前記カーボン保護膜はテトラヘドラルアモルファスカーボンからなることを特徴とするカーボン保護膜。

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