JP2010286392A - 光学的測定方法及び光学的測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】検査対象の表面特性によるノイズから生じる測定精度の劣化を回避し、求めたい測定値を精度よく安定して測定することができる光学的測定方法及び光学的測定装置を提供する。
【解決手段】
検査対象の表面状態を測定するに際して必要な信号である注目信号とノイズ信号とを分離することにより注目信号のみを抽出する。抽出された注目信号と所定の閾値とを比較することを特徴とし、2次元画像の隣接する画素の光強度信号に順次差分処理を行い、隣接する画素間の差分値に基づいて注目画素の位置を認識することによりノイズ信号を算出し、ノイズ信号を除去することにより注目信号を抽出するアルゴリズムを有する。2次元画像に対し、アルゴリズムをXY平面の異なる複数の方向に独立して適用し、結果から同じ座標に存在する注目画素を共通注目画素として認識し、共通注目画素から求めるべき測定信号を抽出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光学的測定方法及び光学的測定装置に関する。より詳しくは、ガラス基板などの測定対象のうち、その表面特性に起因するノイズが存在し且つそのノイズの分布が一定でない測定対象に好適な光学的測定方法及び光学的測定装置に関する。
測定対象物に光を当て、その散乱光を用いた光学的測定方法の一つとして、例えば特開2006−30024号公報に記載されるように、所定の閾値を用いる検査方法がある。この方法を用いることにより、液晶パネル等に用いるガラス基板に付着したゴミ等の異物を検出する異物検出装置が実現できる。本発明における表面特性に起因するノイズとは、測定対象物の屈折率、反射率、表面粗さ、膜厚などのばらつきやムラなどにより発生する光信号、あるいは薄膜で形成されたパターンのデザインにより発生する光信号であって、測定に悪影響を及ぼすためこれをノイズと呼ぶ。
図6は従来の光学的測定方法を用いた異物検出装置5の原理図、図7は図6で示す異物IBによる散乱光の光強度信号S1と閾値T0との関係を示す図である。図7上部はガラス基板GL上に異物IBa、IBbを含む4つの異物が存在することを示し、図7下部のグラフは図7上部のラインL0における光強度信号S1を表す。図6に示すように、異物検出装置5は、検査対象であるガラス基板GLに光を照射する照光手段51、照光手段51により照射された光のうちガラス基板GL上において散乱した散乱光を受光して最終的に2次元的な散乱光の光強度信号S1に変換可能な受光手段53、及び散乱光の光強度信号S1を所定の閾値T0と比較する比較手段63を有する。
異物検出装置5によると、ガラス基板GL上に異物IBが付着していた場合、照光手段51により照射された光は、異物IBにより散乱し散乱光となる。散乱光の一部は受光手段53で受光され、散乱光の光強度信号S1に変換されて出力される。散乱光の光強度信号S1は、A/D変換器61でA/D変換された後、比較部63において所定の閾値T0と比較され、図7(A)のように、閾値T0よりも大きい場合にのみ異物信号SBが出力される。この処理はガラス基板GLの2次元表面全てについて行われる。これにより、異物信号SBの画素に対応するガラス基板GL上の位置に異物IBが付着していることがわかる。また、異物信号SBの強度に基づいて、異物IBの高さ、幅、体積等を知ることができる。
さらには、検査対象とするガラス基板GLの表面には、検出対象とする異物IBの大きさの1/2から1/10程度あるいはそれ以下の微小なキズ、突起物、その他表面粗さなどが一般的には存在し、これらの表面特性はいずれもノイズを引き起こすことがある。この種のノイズは、場所的にも時間的にもその大きさは一定せず変動する。このような変動するノイズの存在下では、上述の異物検出装置5は検出精度が良くないという問題があった。
例えば、図7(A)のように表面特性によるノイズSNが小さく且つ一定であった場合には、2つの異物IBa、IBbによる散乱光の光強度信号SBa、SBbは、光強度信号S1(=SB+SN)と所定の閾値T0との比較により良好に検出することができる。しかし、図7(B)のように、ノイズSNが一定でない分布を持っている場合には、所定の閾値T0を設定することにより、左側の異物IBaを検出することはできても、右側の異物IBbのように、比較的小さなノイズSNが存在する位置に異物IBが付着している場合には、その散乱光の光強度信号S1(=SBb+SN)は上記閾値T0を超えないため、異物IBbを検出することはできない。更に、このノイズ分布は検査対象であるガラス基板GLの面内の場所によって異なり、しかもガラス基板GL毎にも異なるため、そもそも所定の閾値T0を共通の値で設定することすら困難である。フラットパネルディスプレイ向けのガラス基板には金属膜などでコーティングがされたものも多く、特にこのような場合には、表面粗さなどがノイズを引き起こし、検出精度の劣化が顕著になる。このため、検査対象の表面特性によらず良い検出精度を達成できる異物検出装置が要望されていた。
このような課題を解決するために、検査対象GLの表面特性を光学的に測定するための光学的測定方法が特開2006−30024号公報に開示されている。前記検査対象GLに光を照射し、前記検査対象GLから得られる光を受光して最終的に2次元的な光強度信号S1に変換し、前記光強度信号S1のなかから、前記表面特性を測定するに際して必要な信号である注目信号SBと前記表面特性を測定するに際して不要な信号であるノイズ信号SNとを分離することにより注目信号SBのみを抽出し、抽出された注目信号SBと所定の閾値T1とを比較する方法である。
特開2006−30024号公報
ところで、前述のノイズ分布の状態によっては前記方法によっても、ノイズと注目信号との区別が困難な場合がある。たとえば、他の部分に比べて表面粗さが粗いところが基板内に部分的に線状に存在することにより、ノイズがガラス基板の面内に線状に分布した場合では、この線状のノイズを注目信号として判定してしまうことがある。具体的には例えば図10(a)のような形状を有する基板を、図示するようにX方向に測定すると、図10(b)の信号分布図によりノイズ信号を注目信号と誤判定してしまうことがある。ここで
ノイズが線状に分布するとは、たとえば、基板内の表面粗さが他の部分に比べて荒いところが基板内に部分的に線状に存在したり基板の回路パターンが線状に配置されているとき、荒い部分やパターン部分からの散乱光信号は他の部分に比べて大きくなる状態のことをいう。また、線状のノイズとは線幅が1μmから5mm程度を指す。
特に、検出対象とする異物IBの大きさと比べて1/2から1/10程度あるいはそれ以下の厚みの膜で、幅が1μmから100μm程度の線状のパターンが形成されているガラス基板を検査対象としたとき、このパターンのエッジや表面特性によるノイズがガラス基板の面内に線状に分布することになるため、線状のノイズを注目信号として判定してしまうことになる。具体的には図14のような基板を測定すると、パターンに起因するノイズ信号を注目信号と誤判定してしまうことがある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、検査対象の表面特性によるノイズから生じる測定精度の劣化を回避し、求めたい測定値を精度よく安定して測定することができる光学的測定方法及び光学的測定装置を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、請求項1、4の発明は、検査対象の表面状態に起因する光信号を元に2次元画像を作成し、各画素の信号を元に前記表面状態を光学的に測定するための光学的測定方法、装置であって前記表面状態を測定するに際して必要な信号である注目信号と前記表面状態を測定するに際して不要な信号であるノイズ信号とを分離することにより注目信号のみを抽出する。抽出された注目信号と所定の閾値とを比較することを特徴とし、前記2次元画像の隣接する画素の光強度信号に順次差分処理を行い、該隣接する画素間の差分値に基づいて注目画素の位置を認識することによりノイズ信号を算出し、前記ノイズ信号を除去することにより注目信号を抽出するアルゴリズムを有する。さらに、前記2次元画像に対し、前記アルゴリズムをXY平面の異なる複数の方向に独立して適用し、その結果から同じ座標に存在する前記注目画素を共通注目画素として認識し、前記共通注目画素から求めるべき測定信号を抽出することを特徴とする光学的測定方法、装置である。
請求項2、5の発明は、前記共通注目画素から求める信号値は上記アルゴリズムをXY平面の異なる複数の方向に独立して適用した結果のうち信号値が最も小さいものを採用することを特徴とする。
請求項3、6の発明は、特に効果的な検査対象として検査対象はパターンが形成された基板であることを特徴とする。
したがって、本発明では、検査対象の表面特性によるノイズから生じる測定精度の劣化を回避し、求めたい測定値を精度よく安定して測定することが可能になる。
本発明によると、検査対象の表面特性によるノイズから生じる測定精度の劣化を回避し、求めたい測定値を精度よく安定して測定することができる光学的測定方法及び光学的測定装置が提供される。
本発明に係る異物検出装置の原理図である。 演算処理部における処理を説明するための図である。 異物信号を含む光強度信号を示す図である。 異物画素抽出部における処理を説明するための図である。 光強度信号と実質上の閾値との関係を示す図である。 従来の光学的測定方法を用いた異物検出装置の原理図である。 図16で示す異物による散乱光の光強度信号と閾値との関係を示す図である。 画素判定を示す図である。(a)は測定対象物、(b)は(a)において破線矢印の方向に測定した場合の測定信号値を示す。 画素判定を示す図である。(a)は測定対象物、(b)は(a)において破線矢印の方向に測定した場合の測定信号値を示す。 画素判定を示す図である。(a)は測定対象物、(b)は(a)において破線矢印の方向に測定した場合の測定信号値を示す。 画素判定を示す図である。(a)は測定対象物、(b)は(a)において破線矢印の方向に測定した場合の測定信号値を示す。 画素判定を示す図である。(a)は測定対象物、(b)は(a)において破線矢印の方向に測定した場合の測定信号値を示す。 画素判定を示す図である。(a)は測定対象物、(b)は(a)において破線矢印の方向に測定した場合の測定信号値を示す。 画素判定を示す図である。(a)は測定対象物、(b)は(a)において破線矢印の方向に測定した場合の測定信号値を示す。 画素判定を示す図である。(a)は測定対象物、(b)は(a)において破線矢印の方向に測定した場合の測定信号値を示す。 画素判定を示す図である。(a)は測定対象物、(b)は(a)において破線矢印の方向に測定した場合の測定信号値を示す。 画素判定を示す図である。(a)は測定対象物、(b)は(a)において破線矢印の方向に測定した場合の測定信号値を示す。
図1は本発明に係る異物検出装置1の原理図、図2は演算処理部20における処理を説明するための図、図3は異物信号SBを含む光強度信号S1を示す図、図4は異物画素抽出部32における処理を説明するための図、図5は光強度信号S1と実質上の閾値T1’との関係を示す図である。また、図8〜17に示す暗色部は、たとえば基板内の表面粗さが他の部分に比べて粗い部分であったり、基板の回路パターンが配置されている部分を示す。
図1に示すように異物検出装置1は、照光手段11、光学系12、受光手段13、演算処理装置20及び表示手段14を備える。照光手段11は、検査対象であるガラス基板GLに向けてレーザービームを斜め上方から照射するように配置される。光学系12は、ガラス基板GLと受光手段13との間に配され、受光手段13における受光面にガラス基板GLの表面からの散乱光を導くレンズを備える。受光手段13は、例えばこの散乱光を受光して最終的に2次元的な光強度信号S1に変換可能なアレイセンサカメラである。
前記2次元的な光強度信号S1は演算処理装置20に入り信号処理を実行する。演算処理装置20はA/D変換部21、異物信号抽出部30、共通注目画素信号抽出部101及び比較部23を備えている。
前記2次元的な光強度信号S1はA/D変換部21を介して2次元画像を形成する。A/D変換部21は受光手段13内に配置されていても良いすなわち受光手段13が、デジタル信号を出力するいわゆるデジタルセンサであっても良い。
異物信号抽出部30は、記憶部31、異物画素抽出部32及びノイズ減算部33を備える。記憶部31は、第1パラメータP1及び第2パラメータP2を予め記憶している。パラメータΔL、ΔR及びWも記憶しておいてもよい。これらの各パラメータの機能については後述する。異物画素抽出部32は、XY平面の異なる複数の方向に着目して、それぞれの方向に対して次のように注目画素を抽出する。光強度信号S1から異物信号SBの存在を検知し、図2(B)のように、この異物信号SBの存在する画素またはその領域(以降異物画素または異物領域と呼ぶ)40を抽出する。なお異物信号SBが、本発明における注目信号に相当する。さらに、それぞれの方向の注目画素に対してノイズ減算部33でノイズ減算処理を実施したのち、それぞれの方向の注目画素を抽出する。
次に、共通注目画素信号抽出部101ではそれぞれの方向の注目画素のうち、同じ位置に存在する注目画素を共通注目画素として認識して信号を抽出する。共通注目画素信号抽出部101は、共通注目画素を認識するために位置座標の一致判定を行う共通画素一致判定部102と、共通注目画素の信号を特定するためにそれぞれの方向に対する2つの注目信号のうち、どちらの値を共通注目信号として採用するかを判定する共通注目信号判定部103からなる。
比較部23では、共通注目画素信号抽出部101で共通注目画素として判定された異物信号SBの値と所定の閾値T1とを比較し、閾値T1よりも大きい場合のみ出力する。
表示手段14は、CRTまたは液晶画面などの表示画面を備えたディスプレイ装置であり、演算処理装置20から出力される異物信号SBに基づいて異物IBの情報を表示画面に表示する。
次に、前述のように構成された異物検出装置1の異物検出機能、注目画素抽出する処理に関して詳しく説明する。図1において、照光手段11はガラス基板GLを照射する。ガラス基板GLに異物IBが付着していると、照射光は異物IBに当たって散乱する。この散乱光の一部は、光学系12を介して集光され受光手段13に導かれる。受光手段13は、上記散乱光の一部を光強度信号S1に変換する。この光強度信号S1は、ノイズ信号SNと異物信号SBとを含んでいる。
ここで、検査対象とするガラス基板GLの表面には、検出対象とする異物IBの大きさの1/2から1/10程度あるいはそれ以下の微小なキズ、突起物、その他表面粗さなどが一般的には存在し、これらの表面特性はいずれもノイズを引き起こすことがある。ノイズ信号SNはこのようなガラス基板GLの表面特性に基づく信号である。異物信号SBは異物IBにより散乱した散乱光の光強度信号でありノイズ信号SNの上に乗っている。
演算処理装置20に取り込まれたアナログの光強度信号S1は、A/D変換部21においてデジタル信号に変換される。異物画素抽出部32では、異物信号SBの両端部を認識し、それらに挟まれる領域を異物画素40として抽出する。具体的には、例えば図3のような光強度信号S1について、隣接する画素間で順次差分処理を行い、図4のような差分値ΔS1の関係を得る。図4より、ΔS1が第1パラメータP1よりも大きい差分値を立上り信号として持つ画素41があった場合、その画素のアドレスを異物IBの左端部候補とする。第1パラメータP1よりも大きい差分値を立上り信号として持つ画素が隣合う数画素で続いた場合には、最も右側の画素のアドレスを左端部候補にする。
そして、左端部候補からパラメータΔL、例えば1〜5画素だけ差し引いたアドレスを異物IBの左端部42とする。パラメータΔLだけ差し引くことで、より精度良く異物IBの端部を認識することができる。つづいて、第2パラメータP2よりも小さい差分値を立下り信号として持つ画素43があった場合、その画素43のアドレスを異物IBの右端部候補とする。第2パラメータP2よりも小さい差分値を立下がり信号として持つ画素が隣合う数画素で続いた場合には、最も左側の画素を左端部候補にする。
そして、右端部候補からパラメータΔR、例えば1〜5画素だけ加算したアドレスを異物IBの右端部44とする。パラメータΔRだけ加算することで、より精度良く異物の端部を認識することができる。もちろん左端部候補の認識にはいろいろなバリエーションが考えられる。例えば第1パラメータP1よりも大きい差分値を立上り信号として持つ画素が、隣合う数画素で続いた場合に、最も左側の画素としてもよいし、それらの中央値としてもよい。右端部候補も同様である。
ここで、第1パラメータP1は高周波ノイズの振幅と同程度の値が好ましい。第2パラメータP2はその絶対値が第1パラメータP1と同じかまたはそれよりも小さな値が好ましく、より好ましくは第1パラメータP1の1/2程度がよい。第1及び第2パラメータP1,P2は、除去したい高周波ノイズ、例えば膜面の粗さに応じて設定すればよい。パラメータΔL,ΔRは、ともに検出対象とする異物IBの平均的な注目画素の端部間距離、すなわち異物領域40の1/3程度の大きさが好ましい。例えば、P1=10、P2=−5、ΔL=3、ΔR=−3と設定する。このようにして異物信号SBの左端部42と右端部44とを認識し、それらに挟まれる領域を異物領域40として抽出する。
次に実行するのが、この異物領域40の光強度信号S1からその異物領域40におけるノイズ信号SNを除去する処理である。左端部42の信号強度を左端部42のノイズ信号とし、同様に右端部44の信号強度を右端部44のノイズ信号とし、その間は、図3のように線形補間する。こうして異物領域40内のノイズ信号SNを求めることができ、異物領域40内の光強度信号S1から、このノイズ信号SNの値を差し引いた値を異物信号SBの信号強度として求めることができる。
なお、あるアドレスを異物IBの左端部42とみなした後に、異物IBの右端部44とみなせる信号が見つからなかった場合は、強制的に左端部42から所定画素幅W(特に図示せず)だけ右に当該異物の右端部があったとみなすか、または異物IBははじめから存在しなかったかとみなすかを選択できる。こうすることで、左端部42を見つけたが右端部44が見つからないという状態を回避することができる。あるいは想定外の位置に右端部44を誤って検出することを回避することができる。この所定画素幅Wは検出対象とする異物IBの平均的な注目画素の端部間距離、すなわち異物領域40の平均程度の値が好ましい。
また、左端部42とみなした後、右端部候補よりも先に再び左端部候補がきたときの処理は、その目的に応じて、新たな左端部候補を無視するか、新たな左端部候補を左端部とみなし直すかを選択することができる。更に、異物が近接して存在することで、2つの異物領域が重なってしまったときの処理は、その目的に応じて2つの異物領域として分割する処理か、2つの異物領域を繋げて1つとする処理かを選択することができる。これにより、異物検出がより一層的確にできるようになる。
次に共通注目信号処理に関して詳しく説明する。共通注目信号抽出部101は共通画素一致判定部102および共通注目信号判定部103から構成される。
共通画素一致判定部102の処理を説明する。異なる方向をそれぞれ測定した例として互いに直行するX方向とY方向を考えた場合、図8と図9の●印部に注目すると、図8からX方向の注目信号として、図9からY方向の注目信号して抽出される。それぞれの位置が同じことから、共通注目画素と判定する。図12と図13および図16と図17の●印部でも同様に共通注目画素と判定する。また、図10と図11の○印部に注目すると、図10からX方向の注目信号として抽出するが、図11からY方向の注目信号としては抽出しない。このような場合は共通注目画素として判定しない。図14と図15の○印部場合にも同様に共通注目画素として判定しない。共通画素一致判定部102はこのような処理を行う。
つぎに、共通画素として判定された注目信号は共通注目信号判定部103で処理される。共通注目信号判定部103の処理を説明する。共通画素として判定された注目信号のうち、同じ値の場合はその値を採用し、異なる場合はこれらのうち小さい方を採用する。ノイズ信号の値と求めたい測定信号の値が足し合わされた値ではなく、求めたい測定信号のみを抽出する。図8と図9の●印部に注目すると、X方向からの注目信号はノイズと欠陥信号の足し合わされた値として抽出され、Y方向からの注目信号は欠陥信号のみが抽出される。これらのうち小さいほうを採用することで、Y方向から抽出された注目信号が採用されて、求めたい欠陥信号のみを抽出することができる。図12と図13、図16と図17の●印部の場合でも同様の処理を行う。
以上のように共通注目信号抽出部101で処理された抽出された異物信号S3(SB)は比較部23で処理される。
比較部23は、異物信号抽出部30および共通注目信号抽出部101の処理で抽出した異物信号S3(SB)の値と所定の閾値T1とを比較し、閾値T1よりも大きい場合のみ出力する。この閾値T1は、小さくすればより小さな異物IBを検出でき、大きくすればより大きな異物のみ検出することができるようになる。つまり検出の感度を決める値といえる。以上の処理をガラス基板GLの表面全体について行うことにより、閾値T1に応じた異物信号SBを抽出する。
このように比較部23は、ノイズ信号SNを取り除いた異物信号S3(SB)の値を、所定の大きさの閾値T1と比較する。これは、実質上、図5のように、光強度信号S1とノイズ信号SNに追随した閾値T1’とを比較していることになる。したがって、表面に金属膜がコーティングされたガラス基板GLであっても、金属膜の粗さに基づくノイズ信号のムラに影響されることなく精度良く異物の検出ができる。
また、ガラス基板GLが金属膜やその他の材質の膜によりパターン形成された基板であった場合、そのパターンの表面やエッジによる散乱がノイズ信号となるが、このようなノイズ信号に対しても同様に影響されることなく精度良く異物の検出ができる。
表示手段14は、抽出した異物信号SBを、ガラス基板GL上における付着位置を示す2次元画像として表示画面に表示する。もちろん、異物IBの大きさを表示することもできるし、大きさ毎の個数分布や付着位置分布なども表示することができる。更には、これとは全く逆にノイズの分布を表示することも可能である。すなわちガラス基板GLの粗さ分布も知ることが可能になる。
さらに共通注目画素信号抽出部101を備えることにより、検査対象の表面特性によるノイズから生じる測定精度の劣化を回避し、求めたい測定値を精度よく安定して測定することができる。
上の実施形態において、異物検出装置1の全体または各部の構成、構造及び個数など並びに演算処理装置20における処理の内容及び順序などは、本発明の主旨に沿って適宜変更することができる。上の演算処理装置20では、隣接する画素について差分処理等の上記処理を行っているが、隣同士でなく一画素、または2画素とばした画素同士で上記処理を行うようにすることも可能である。したがって本発明の「隣接する画素」は近傍の画素の意味も含む。また、差分処理の代わりに、より複雑なローパスフィルタリングを用いることも当然可能である。また、本発明は異物検出装置に限定されず、他の用途の光学的測定装置にも適用できる。例えば、欠陥検査装置、突起高さ測定装置、3次元形状測定装置、膜厚測定装置、粗さ計測装置、パターン認識装置及び幅計測装置などに適用することも可能である。
一般産業で表面形状測定方法・装置に利用できる。
1 異物検出装置(光学的測定装置)
11 照光手段
13 受光手段
23 比較部(比較手段)
30 異物信号抽出部(注目信号抽出手段)
31 記憶部
32 異物画素抽出部(注目画素抽出部)
33 ノイズ減算部
42 左端部(一方端部)
44 右端部(他方端部)
GL ガラス基板(検査対象)
IB 異物(表面特性)
S1 光強度信号
S3 異物信号(注目信号)
SB 異物信号(注目信号)
SN ノイズ信号
T1 閾値
40 異物画素、異物領域(注目画素)
P1 第1パラメータ
P2 第2パラメータ
101 共通注目画素信号抽出部
102 共通画素一致判定部
103 共通注目信号判定部

Claims (6)

  1. 検査対象の表面状態に起因する光信号を元に2次元画像を作成し、前記2次元画像の各画素信号を元に前記表面状態を光学的に測定するための光学的測定方法であって、
    前記表面状態を測定するに際して必要な信号である注目信号と前記表面状態を測定するに際して不要な信号であるノイズ信号とを分離することにより注目信号のみを抽出し、抽出された注目信号と所定の閾値とを比較することを特徴とし、
    前記2次元画像の隣接する画素の光強度信号に順次差分処理を行い、該隣接する画素間の差分値に基づいて注目画素の位置を認識することによりノイズ信号を算出し、さらに、前記ノイズ信号を除去することにより注目信号を抽出するアルゴリズムを有するステップと、
    前記2次元画像に対し、前記アルゴリズムをXY平面の異なる複数の方向に独立して適用し、その結果から同じ座標に存在する前記注目画素を共通注目画素として認識するステップと、前記共通注目画素から求めるべき測定信号を抽出するステップを有することを特徴とする光学的測定方法。
  2. 前記共通注目画素から求める信号値は上記アルゴリズムをXY平面の異なる複数の方向に独立して適用した結果のうち信号値が最も小さいものを採用するステップを有することを特徴とする請求項1の光学的測定方法。
  3. 上記検査対象はパターンが形成された基板であることを特徴とする請求項1および2の光学的測定方法。
  4. 検査対象の表面状態に起因する光信号を元に2次元画像を作成し、前記2次元画像の各画素信号を元に前記表面状態を光学的に測定するための光学的測定装置であって、
    前記表面状態を測定するに際して必要な信号である注目信号と前記表面状態を測定するに際して不要な信号であるノイズ信号とを分離することにより注目信号のみを抽出し、抽出された注目信号と所定の閾値とを比較することを特徴とし、
    前記2次元画像の隣接する画素の光強度信号に順次差分処理を行い、該隣接する画素間の差分値に基づいて注目画素の位置を認識することによりノイズ信号を算出し、さらに、前記ノイズ信号を除去することにより、注目信号を抽出するアルゴリズムを用いる手段と、
    前記2次元画像に対し、前記アルゴリズムをXY平面の異なる複数の方向に独立して適用し、その結果から同じ座標に存在する前記注目画素を共通注目画素として認識する手段と、前記共通注目画素から求めるべき測定信号を抽出する手段を有することを特徴とする光学的測定装置。
  5. 前記共通注目画素から求める信号値は上記アルゴリズムをXY平面の異なる複数の方向に独立して適用した結果のうち信号値が最も小さいものを採用する手段を有することを特徴とする請求項4の光学的測定装置。
  6. 上記検査対象はパターンが形成された基板であることを特徴とする請求項4および5の光学的測定装置。
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