JP2010286031A - 配管加工量提示装置及び配管加工量提示システム - Google Patents

配管加工量提示装置及び配管加工量提示システム Download PDF

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Abstract

【課題】配管上に加工位置を提示することができ、加工位置に沿ってケガキ等をすることで配管の加工が容易となる。
【解決手段】回転機構12を用いて取付部材10の中心軸に対してアーム13を回転させ、アーム13が所望の位置に来たところでアーム13を固定する。回転機構12を用いてアーム13を取付部材10の中心軸と同じ方向に移動させ、アーム13の面13cを取付配管100の端面に当接させる。提示機構14をアーム13に沿って移動させ、提示機構14が取付配管100の端面及び外周面と当接したところで提示機構14を固定し、スライダー14Bを取付配管100の外周面上でスライドさせ、3次元CAD装置により算出された加工量だけスライダー14Bをスライドさせる。これにより、配管を切断すべき位置にスライダー14Bを配置し、加工位置を作業者に提示することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は配管加工量提示装置及び配管加工量提示システムに係り、特に施設内に既に設置された配管をつなぐ取付配管の加工量を提示する配管加工量提示装置及び配管加工量提示システムに関する。
施設内に既に設置された配管(以下、既設置配管という)をつなぐ配管(以下、取付配管という)は、加工代を含めた設計データよりも長い状態であえて製作されている。そのため、この取付配管の設置作業においては、2本の既設置配管が設置されている施設内で取付配管を実際に吊り上げ、既設置配管と取付配管との干渉状態の確認や取付配管の加工量を検討するという方法が一般的に行われている。
特許文献1には、プラント製品設計において部品を追加する過程で、追加部品と既設置の配管等との干渉の有無をCAD上で確認する技術が開示されている。
特許文献2には、配管に取り付けて配管端面を加工する管端加工機が開示されている。
特開2002−236711号公報 特開平11−138403号公報
しかしながら、一般的に行われている取付配管を実際に吊り上げる方法では、配管重量などの関係で多大な労力をかけて配管の吊り上げなどの作業を実施しているため、配管吊作業、干渉チェック、加工量指示等を複数回行うことが困難であり、詳細な検討を行うことができないという問題がある。
また、取付配管を実際に吊り上げる方法による現物での干渉検討や、三次元計測器で計測した数値情報(三次元座標データ)の解析に基づく加工量指示には、加工指示に反映できるだけの現場実績が必要となるため、容易に加工指示を行うことはできないうえ、経験が少ない作業者の場合には正しい判断ができない虞がある。また、目に見える形で配管干渉状態を確認することができないという問題もある。
特許文献1に記載の発明においては、配管の干渉検討に使用するCADデータは設計時のもの、すなわち現場の状況を反映せずに作成されたものであるため、あらかじめ現場状況を考慮し、加工代を持って現場に納品されている配管の干渉検討には使用できないという問題がある。
特許文献2に記載の発明においては、加工量を検討した結果と連係して配管の加工を行うことができないという問題がある。また、特許文献2に記載の発明においては、端面に傾斜や凹凸がある場合でも端面からの詳細な距離を考慮せずに加工を行うため、正確な加工ができないという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、配管上に加工位置を提示することができ、加工位置に沿ってケガキ等をすることで配管の加工が容易となる配管加工量提示装置及び配管加工量提示システムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に係る配管加工量提示装置は、配管の端面から配管の加工量だけオフセットした位置を加工位置として前記配管上に提示可能な提示手段と、前記提示手段が長手方向に沿って移動可能に設けられる棒状のアームと、前記アームが中心から放射方向に伸びるように設けられた取付手段であって、当該取付手段の中心が配管の中心軸と略一致するように前記取付手段を前記配管内部に固定する固定機構を有する取付手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項1に係る配管加工量提示装置によれば、取付手段の中心が配管の中心軸と略一致するように取付手段を配管内部に固定し、取付手段の中心から放射方向に伸びるように棒状のアームを取付手段に設け、アームの長手方向に沿って移動可能に提示手段をアームに設け、提示手段は、配管の端面から配管の加工量だけオフセットした位置を加工位置として配管上に提示する。これにより、配管上に加工位置を提示することができ、加工位置に沿ってケガキ等をすることで配管の加工が容易となる。
請求項2に係る配管加工量提示装置は、請求項1に記載の配管加工量提示装置において、前記提示手段は、配管端面及び配管外周面に当接させる第1のスライダーと、配管外周面上で前記加工位置を指し示すための第2のスライダーと、前記第1のスライダーと前記第2のスライダーとをスライド可能に連結するスライド機構であって、前記第2のスライダーを配管外周面に沿って配管の中心軸方向にスライドさせるスライド機構と、を有することを特徴とする。
請求項2に係る配管加工量提示装置によれば、第1のスライダーを配管端面及び配管外周面に当接させ、第2のスライダーを配管外周面に沿って配管の中心軸方向にスライドさせることにより、第2のスライダーが配管外周面上で加工位置を指し示す。これにより、配管端面から加工量だけオフセットした加工位置を正確に配管上に提示することができる。また、端面に傾斜等がある場合においても正確な加工位置の提示が可能となる。
請求項3に係る配管加工量提示装置は、請求項1又は2に記載の配管加工量提示装置において、前記アームは、可撓性を有することを特徴とする。
請求項3に係る配管加工量提示装置によれば、アームが可撓性を有するため、配管端面に凹凸がある場合においても提示手段を確実に配管に設置し、正確な加工量を配管上に提示することができる。
請求項4に係る配管加工量提示装置は、請求項1から3のいずれかに記載の配管加工量提示装置において、前記取付手段の中心軸に対して前記アームが回転自在となるように、前記アームを前記取付手段に配設する回転機構を備えたことを特徴とする。
請求項4に係る配管加工量提示装置によれば、アームが取付手段の中心軸に対して回転自在に設けられるため、配管の複数の位置で加工位置を提示することができる。したがって、正確な配管の切断加工が可能となる。
請求項5に係る配管加工量提示装置は、請求項4に記載の配管加工量提示装置において、前記回転機構は、前記アームの回転量を表示する表示部を有することを特徴とする。
請求項5に係る配管加工量提示装置によれば、アームの回転量を表示する表示部を有するため、アームを任意の位置(120度おきなど)に設置しやすくなる。
請求項6に係る配管加工量提示装置は、請求項1から5のいずれかに記載の配管加工量提示装置において、前記提示手段は、前記加工量を表示する第2の表示部を有することを特徴とする。
請求項6に係る配管加工量提示装置によれば、加工量を表示する第2の表示部を有するため、加工位置と共に加工量も提示可能となる。
請求項7に係る配管加工量提示システムは、請求項1から6のいずれかに記載の配管加工量提示装置と、前記加工量を算出する加工量算出装置と、を備えた配管加工量提示システムであって、前記加工量算出装置は、施設内に配設された2本の既設置配管の端面及び前記端面近傍の直線部の任意の位置における断面の形状と、前記2本の既設置配管を連結する取付配管の両端の端面及び前記端面近傍の直線部の任意の位置における断面の形状とに関する3次元計測結果を点情報の集合体である点群データとして取得する取得手段と、前記取得手段により取得された点群データに基づいて前記既設置配管及び前記取付配管の3次元データを生成する3次元データ生成手段と、前記3次元データ生成手段により生成された前記既設置配管及び前記取付配管の3次元データに基づいて前記既設置配管の3次元データと前記取付配管の3次元データとが干渉するか否かを判断し、干渉すると判断された場合には、前記取付配管と前記既設置配管との干渉部分の長さを前記取付配管の加工量として算出する加工量算出手段と、を備え、前記提示手段は、配管端面から前記加工量算出手段により算出された加工量だけオフセットした位置を前記配管上に提示することを特徴とする。
請求項7に係る配管加工量提示システムによれば、施設内に配設された2本の既設置配管の端面及び端面近傍の直線部の任意の位置における断面の形状と、2本の既設置配管を連結する取付配管の両端の端面及び端面近傍の直線部の任意の位置における断面の形状とに関する3次元計測結果を点情報の集合体である点群データとして取得し、取得された点群データに基づいて既設置配管及び取付配管の3次元データを生成し、生成された既設置配管及び取付配管の3次元データに基づいて既設置配管の3次元データと取付配管の3次元データとが干渉するか否かを判断し、干渉すると判断された場合には、取付配管と既設置配管との干渉部分の長さを取付配管の加工量として算出し、算出された加工量だけオフセットした位置を加工位置として配管上に提示する。これにより、現物に基づいて算出された正確な加工量に基づいて配管加工が可能となる。また、加工量の検討結果を現物の配管上へ容易に提示できるため、配管加工の指示作業を合理化することができる。
本発明によれば、配管上に加工位置を提示することができ、加工位置に沿ってケガキ等をすることで配管の加工が容易となる。
本発明に係る配管加工量提示装置1の正面斜視図である。 上記配管加工量提示装置1の背面斜視図である。 上記配管加工量提示装置1のアーム13近傍の拡大図である。 アーム13の断面図であり、(a)は図3のA−A断面図であり、(b)は図3のB−B断面図である。 上記配管加工量提示装置1の提示機構14近傍の拡大図である。 配管加工量提示装置1の電気的な接続を示すブロック図である。 3次元CAD装置3により加工量を検討する処理の流れを示すフローチャートである。 3次元計測器2により測定された点群データを説明する図である。 既設置配管と取付配管との干渉の検討を説明する図であり、(a)は検討開始状態を示し、(b)は(a)の状態から取付配管を平行移動及び回転移動した状態を示し、(c)は(b)の状態から取付配管を回転移動させた状態を示す。 自動で最適な位置に取付配管を配置する処理の流れを示すフローチャートである。 自動で最適な位置に取付配管を配置する過程を説明する図である。 自動で最適な位置に取付配管を配置する過程を説明する図である。 自動で最適な位置に取付配管を配置する過程を説明する図である。 既設置配管と取付配管との干渉の検討を説明する図である。 加工量を算出する処理の流れを示すフローチャートである。 加工量を算出する方法を説明する図である。 加工量を算出する方法を説明する図である。 加工量を算出する別の方法を説明する図である。
以下、添付図面に従って本発明に係る配管加工量提示装置の好ましい実施の形態について説明する。
<配管加工量提示装置について>
図1は、配管加工量提示装置1の概略を示す正面斜視図であり、図2は、配管加工量提示装置1の概略を示す背面斜視図である。配管加工量提示装置1は、図1に示すように、取付部材10と、固定機構11と、回転機構12と、アーム13と、提示機構14とで構成される。
取付部材10は、所定の厚みを有する略円板形状の部材であり、背面側には固定機構11が配設され、前面側には回転機構12が配設される。
固定機構11は、図2に示すように、取付部材10と同軸に配設された取付部材10と略同一形状の円板部11aと、円板部11aの中心位置から放射方向に突出するように配設された突出部11bとで構成される。
円板部11aには、突出部11bを円板部11aの外周から突出させる突出機構(図示せず)を介して、3本の突出部11bが設けられる。3本の突出部11bは、約120度間隔、すなわち3本の突出部11bの間隔が略均等となるように配設される。
突出部11bは、図1に示すように、図示しない突出機構により円板部11a外周から突出される。突出機構は、3本の突出部11bを円板部11a外周から突出させ、取付配管100(図1では1点鎖線で表示)の内周面に3本の突出部11bを押し付けることにより、配管加工量提示装置1を配管に固定する。突出機構は、3本の突出部11bの円板部11a外周からの突出量が常に同量となるように、3本の突出部11bを突出させる。これにより、取付部材10の中心と配管中心とが略一致する。
なお、突出機構は、リンク機構等の既に公知の様々な機構を用いることで実施可能であるため、突出機構の詳細な説明は省略する。また、固定機構11は、この形態に限定されるものではなく、取付部材10の中心と配管中心とが略一致するように配管加工量提示装置1を配管に固定可能なものであればどのような形態であってもよい。
回転機構12は、アーム13を取付部材10の中心軸に対して回転自在に、かつ取付部材10の中心軸と同じ方向に移動自在に配設する略円筒形の部材である。回転機構としては、ラチェット機構等の回転動作及び停止動作が可能な様々な機構を用いることができる。ラチェット機構を用いる場合には、固定機構を別に設けることなくアーム13を固定することができる。また、軸方向の移動機構としては、スライド機構、送りねじ等の軸方向の移動動作及び停止動作が可能な様々な機構を用いることができる。
回転機構12の前面には、アーム13の回転角度を表示する表示手段12aが配設される。図3においては、表示手段12aとして液晶パネルを用い、回転機構12の内部に設けた図示しない制御手段等により回転角度をデジタル表示するが、表示手段12aはデジタル表示をする形態に限られない。例えば、針、回転ダイヤル等のアナログ表示により回転角度を表示するようにしてもよい。
アーム13は、断面が略矩形形状の棒状の部材であり、可撓性のある材料(MCナイロン(登録商標)、アクリル等の合成樹脂)により形成される。アーム13の一端は回転機構12に取り付けられる。アーム13の一端が回転機構12に取り付けられることで、アーム13は、回転機構12により、取付部材10の中心から放射方向に伸びるように配設される。アーム13には長孔13aが形成され、長孔13aの両端には、図4(a)に示すように、提示機構14を固定するための凹部13bが形成される。なお、アーム13は、断面が略矩形形状の棒状の部材に限定されない。例えば、略丸棒の部材でも良い。
提示機構14は、ノギス状の提示機構であり、図4(b)及び図5に示すように、主として、位置決め部材14Aと、スライダー14Bと、スライド機構14Cと、スライド量提示部14Dと、固定部材14E、14Fとで構成される。
位置決め部材14Aは、面14aを配管端面に当接させることで提示機構14を配管の軸方向に位置決めするブロック上の部材であり、図4(b)に示すように、長孔13aの内部を摺動可能な凸部14bが一体形成される。凸部14bの略中央には、ネジ14cが一体形成される。
スライダー14Bは、スライド機構14Cを介して位置決め部材14Aに取り付けられる。スライダー14Bは、スライド機構14Cにより、位置決め部材14Aに当接する位置から、位置決め部材14Aから約300mm程度離れた位置まで移動可能である。本実施の形態では、位置決め部材14Aとスライダー14Bとが最も離れた場合の間隔を約30mmとしたが、300mmには限定されず、様々な距離となるように設計することができる。
スライド機構14Cは、面14aと垂直方向にスライダー14Bをスライドさせるための部材である。スライド機構14Cとしては、溝の内部にリブを設け、溝に沿ってリブを移動させる等の周知の構造を用いることができる。
スライド量提示部14Dは、スライダー14Bに設けられ、位置決め部材14Aとスライダー14Bとの距離(以下、スライド量という)を表示する表示手段である。図5においては、スライド量提示部14Dとして液晶パネルを用い、内部に設けた図示しない制御手段等によりデジタル表示するが、スライド量提示部14Dはデジタル表示に限定されない。例えば、スライド機構14Cの表面に目盛りをふり、スライダー14Bがその目盛りを指し示した大きさをスライド量とするようなアナログ表示によりスライド量を提示してもよい。
固定部材14E、14Fは、位置決め部材14Aをアーム13に固定するための部材である。固定部材14Eは、略中央に孔14eが形成された板状の部材であり、凹部13b内に嵌合可能な大きさで形成される。固定部材14Fは、蝶ナット等のネジ14cに螺嵌可能な部材である。図4(b)に示すように、凸部14bを長孔13aに沿って摺動させ、ネジ14cを孔14eに貫通させて固定部材14Eを凹部13b内に嵌合させた状態で固定部材14Fをネジ14cに螺嵌することで、提示機構14がアーム13に固定される。
なお、本実施の形態では、位置決め部材14Aに凸部14bを設け、これをアーム13の長孔13a内で摺動させることにより提示機構14をアーム13に沿ってスライドさせたが、より提示機構14をアーム13に沿ってスライドさせる機構はこれに限られない。例えば、提示機構に孔を形成し、アームを孔に挿入することにより提示機構をアームに沿ってスライドさせても良い。また、アームにラックを形成し、提示機構にピニオンを形成することにより提示機構をアームに沿ってスライドさせても良い。
このように構成された配管加工量提示装置1を配管に設置する方法について説明する。配管加工量提示装置1の配管への設置は、以下の(1)〜(4)の順に行われる。
(1)取付部材10の固定
取付部材10及び固定機構11を取付配管100の端面から取付配管100内に挿入し、突出機構により突出部11bを円板部11aの外周から突出させ、3本の突出部11b全てを取付配管100の内面に圧接させる。これにより、取付部材10及び固定機構11の中心と、取付配管100の中心軸とが略同軸となった状態で、配管加工量提示装置1が取付配管100に取り付けられる。
(2)提示機構14の位置調整
回転機構12を用いてアーム13を取付部材10の中心軸と同じ方向に移動させ、アーム13の面13cを取付配管100の端面に当接させる。
固定部材14Fを緩め、位置決め部材14Aのアーム13への固定を緩め、位置決め部材14Aの凸部14bをアーム13の長孔13a内で摺動させる。これにより、提示機構14がアーム13に沿ってスライドされる。
そして、提示機構14の面14fと取付配管100の外周とが当接し、位置決め部材14Aの面14aと取付配管100の端面とが当接したところで、固定部材14Fを締める。アーム13は可撓性があるため、位置決め部材の面14gの厚さt(図4(b)参照)分を吸収することができる。また、アーム13は可撓性があるため、配管端面に凹凸がある場合においても、取付配管100の端面と面14aとを確実に当接させることができる。これにより、提示機構14の放射方向の位置(アーム13の長手方向の位置)を調整することができる。
以上により、提示機構14のスライダー14Bを取付配管100の外周上でスライドさせることができるように、提示機構14を取付配管100に設置することができる。
(3)アームの角度(取付配管100の周方向の位置)調整
回転機構12を用いて取付部材10の中心軸に対してアーム13を回転させ、アーム13が所望の位置に来たところでアーム13を固定する。これにより、アーム13の角度を調整することができる。
(4)提示機構14による加工位置の提示
スライド機構14Cによりスライダー14Bを取付配管100の外周面上でスライドさせ、スライダー14Bを所定のスライド量(3次元CAD装置3により算出された加工量、後に詳述する)だけスライドさせる。これにより、配管を切断すべき位置にスライダー14Bを配置し、取付配管100の加工位置を作業者に提示することができる。この時、スライド量提示部14Dには、スライド量がデジタル表示されるため、加工位置と共に加工量を作業者に提示することができる。
また、作業者がこの加工位置をケガキ等することで、取付配管100に正確な切断位置を記すことができ、正確な配管加工が可能となる。
これにより、取付配管100上で加工位置を提示する一連の流れが終了する。この後、上記(2)〜(4)の操作を繰り返し行うことで、取付配管100の周方向の複数個所に正確な切断位置を記すことができ、取付配管100の端面に凹凸がある場合においても正確な配管加工が可能となる。この時、最低でも90度間隔で4箇所(取付配管100の端面の上下左右の位置)に切断位置を記すことが望ましい。この時、アーム13の回転角度が表示手段12aに表示されるため、アーム13の角度が確認可能となり、作業者は、例えば90度等の所望の角度だけアーム13を回転させる等の操作が可能である。
なお、本実施の形態では、アーム13に沿って提示機構14をスライドさせることにより、提示機構14のスライダー14Bを取付配管100上でスライドさせることができるようにしたが、提示機構14のスライダー14Bを取付配管100上でスライドさせることができるように提示機構14の位置を調整する方法はこれに限定されない。例えば、アームの先端近傍に提示機構を固定し、スライド機構等によりアーム自体の長さを変えるようにしても同様の効果が得られる。
また、本実施の形態では、回転機構12を用いてアーム13を取付部材10の中心軸と同じ方向に移動させ、アーム13の面13cを取付配管100の端面に当接させたが、軸方向の移動機構は必須ではない。軸方向の移動機構が無い場合には、上記(1)で取付部材10を取付配管110に取り付ける時にアーム13の面13cを取付配管100の端面に当接させるようにすればよい。また、本実施の形態では、回転機構12を用いてアーム13を回転させ、取付配管100の周方向の複数個所に正確な切断位置を記したが、取付配管100の端面に凹凸がなく、直径が小さい場合等においては、回転機構12の回転方向の移動機構についても必須ではない。
また、本実施の形態では、作業者が突出機構、回転機構、スライド機構等を操作して配管加工量提示装置1を取付配管100に設置したが、内部に制御手段を設け、作業者がスイッチ等を押すことにより、制御手段が上記(1)〜(4)の操作を自動的に行なうようにしてもよい。
<スライド量の検討、算出について>
配管加工量提示装置1で用いるスライド量を3次元CAD装置3により検討、算出する方法について説明する。
配管加工量提示装置1は、図6に示すように、立体である物体にレーザ光等を照射して形状や位置を3次元で計測する非接触式の3次元計測器2と、3次元CAD装置3と電気的に接続される。3次元計測器2で配管の3次元データを計測し、3次元CAD装置3で配管加工量を検討することにより、現状の配管端面からみてどの位置まで加工すべきかが確認される。配管加工量提示装置1は、その検討結果を実際の配管へ提示する手段として適用する。
3次元CAD装置3は、主として、CPU31と、メモリ32と、表示制御手段33と、入力手段34と、3次元計測データ取得手段35と、3次元データ生成手段36と、加工量算出手段37と、画像生成手段38と、表示手段39で構成される。
CPU31は、バスを介して3次元CAD装置3内の各ブロックに接続されており、各ブロックの動作を制御する。また、CPU31は、3次元CAD装置3と、3次元計測器2及び配管加工量提示装置1と間でデータのやり取りを行う。
メモリ32は、制御プログラム、各種のアプリケーションソフト等が格納される記憶領域や、プログラム実行時の作業領域を含んでいる。
表示制御手段33は、画像生成手段38で生成された画像の中から表示手段39に表示する画像を選択して表示させる。表示手段39は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)モニタや液晶モニタにより構成される。
入力手段34は、キーボード及びマウスで構成され、操作者からの操作入力を受け付けて、操作入力に応じた信号をCPU31に入力する。なお、ポインティングデバイスとしては、マウスのほか、タッチパネルやタッチパッド等を用いることができる。
3次元計測データ取得手段35は、既設置配管及び取付配管のそれぞれについて、端面の形状及び位置と、端面近傍の配管の直線部の任意の位置における断面の形状及び位置の計測データを3次元計測器2から取得する。既設置配管及び取付配管の端面及び断面の計測データは、例えば、各点が三次元座標データを有する複数の点情報の集合体である点群データとして取得される。
さらに、3次元計測データ取得手段35は、3次元計測器2から取得した3次元データの一覧表、たとえば既設置配管又は取付配管の名称、点群データの種類(端面又は断面)、点群データの3次元座標などが関連付けられた一覧表を生成する。生成された一覧表は、3次元計測データ取得手段35からメモリ32に出力され、メモリ32に保存される。
3次元データ生成手段36は、3次元計測データ取得手段35が取得した3次元データに基づいて、既設置配管の先端部の3次元データ及び取付配管の先端部の3次元データを生成する。
加工量算出手段37は、既設置配管と取付配管とが重複する部分である干渉部分を加工部分として認識し、加工量を算出する。
図7は、3次元CAD装置3の全体の処理の流れを示すフローチャートである。
まず、CPU31は、3次元計測器2に指示を出し、3次元計測器2は、既設置配管の端面及び端面近傍の配管の直線部の任意の位置における断面のそれぞれについて点群データを取得する(ステップS1)。さらに、CPU31は、3次元計測器2に指示を出し、3次元計測器2は、取付配管の先端の端面及び端面近傍の配管の直線部の任意の位置における断面の形状を計測し、それぞれについて点群データ(図8に示すように配管の外周にそった8点の計測点の3次元座標)を取得する(ステップS2)。
CPU31は、3次元計測データ取得手段35に指示を出し、3次元計測データ取得手段35は、ステップS1、S2で3次元計測器2が取得したデータを3次元計測器2から取得し、メモリ32に保存する(ステップS3)。また、3次元計測データ取得手段35は、ステップS3で取得したデータの一覧表を生成し、メモリ32に保存する(ステップS4)。
CPU31は、3次元データ生成手段36に指示を出し、3次元データ生成手段36は、メモリ32に記憶された点群データを取得し、8点の計測点を連結することにより、既設置配管及び取付配管のそれぞれについて先端端面及び端面近傍の配管の直線部の任意の位置における断面の各形状の略円形(2次元)のCADデータを生成する(ステップS5)。
3次元データ生成手段36は、ステップS5で生成された既設置配管の先端端面及び端面近傍の配管の直線部の任意の位置における断面の略円形のCADデータに基づいて、各既設置配管毎に先端部の3次元CADデータを生成し、計測点の3次元座標に基づいて既設置配管の3次元CADデータを仮想空間内の既設置配管の座標系に配置する(ステップS6)。
すなわち、3次元データ生成手段36は、既設置配管毎に、端面の略円形のCADデータ及び端面近傍の配管の直線部の任意の位置における断面の略円形のCADデータを選択し、これらに基づいて既設置配管の軸芯の位置及び方向を算出する。これにより、端面が配管に対して傾斜を持って切断されている場合においても、軸芯の方向を正確に算出することができる。
軸芯方向は、通常、数式1に示すようなベクトル式で与えられる。また、軸芯の位置は、端面を示す略円形のCADデータの中心として求められる。ベクトル式や軸芯の位置は既設置配管の点群データと関連付けてメモリ32の一覧表に保存される。
Figure 2010286031
3次元データ生成手段36は、略円形のCADデータを軸芯方向に伸ばすことにより略円筒形の3次元CADデータを生成する。
そして、3次元データ生成手段36は、計測された3次元座標を再現するように、全ての既設置配管の3次元CADデータを仮想空間内の既設置配管の座標系に配置する。これにより、実際の配管設置状況を仮想空間内に忠実に再現することができる。
次に、3次元データ生成手段36は、ステップS6と同様の方法により、取付配管の端面及び端面近傍の配管の直線部の任意の位置における断面の略円形のCADデータに基づいて取付配管の先端部の3次元CADデータ(軸芯のベクトル式を含む)を生成し、計測点の3次元座標に基づいて取付配管の3次元CADデータを仮想空間内の取付配管の座標系に配置する(ステップS7)。その結果、取付配管の両端の先端部の相対的な位置関係を再現した3次元データを生成することができる。
3次元データ生成手段36は、取付配管の座標系に配置された取付配管の両端の3次元CADデータを選択し、これを一体化する(ステップS8)。これにより、取付配管の両端の先端の3次元データを一組のデータとして扱うことができる。したがって、仮想空間内でこの座標系を移動させることで、取付配管の両端の先端部の3次元データを同時に、かつ同様に移動させることができる。
なお、既設置配管の座標系と取付配管の座標系とは同じ座標系でもよいし、別の座標系でもよい。また、複数の取付配管がある場合には、全ての取付配管を同じ座標系に配置してもよいし、取付配管毎に異なる座標系に配置してもよい。
CPU31は、ステップS6で生成された既設置配管の座標系に、ステップS8で生成された取付配管の座標系を挿入する(ステップS9)。これにより、既設置配管の座標系と、取付配管の座標系との2つの座標系を含む仮想空間が生成され、実際の配管端面の位置や面倒れ状況などをCADシステム上で再現することができる。
そして、取付配管の配置位置を検討するステップ(ステップS10)へ進む。取付配管の配置位置を検討するステップは、操作者が手動で行う場合と、CPU31が自動で行う場合とが考えられる。以下、操作者が手動で行う場合と、CPU31が自動で行う場合とについてそれぞれ説明する。
(A)操作者が手動で行う場合
CPU31は、画像生成手段38に指示を出し、画像生成手段38は、ステップS9で仮想空間に配置された既設置配管及び取付配管の3次元CADデータをXY平面、YZ平面、及びXZ平面のそれぞれに投影した投影図を生成する。また、画像生成手段38は、仮想空間に配置された既設置配管及び取付配管の3次元CADデータをそのまま図示した3次元画像(既設置配管の3次元画像及び取付配管の3次元画像が重ねて表示された3次元画像)を生成する。操作者が入力手段34を操作して所望の画像を入力すると、表示制御手段33は、画像生成手段38が生成した投影図及び3次元画像のなかから操作者が選択した図を選択し、表示手段39に出力する。これにより表示手段39に仮想空間を示す画像が表示され、操作者が既設置配管と取付配管の位置関係を確認することができる。
その結果、図9(a)〜(c)に示すように、操作者は、CADシステム上で既設置配管等の配置位置の確認や、加工代を持つ取付配管の干渉状況などの検討をすることができる。
操作者が表示手段39に表示された画像を確認しながら入力手段34を操作して取付配管の座標系を平行・回転移動させると、入力手段34からCPU31にその指示が入力され、CPU31は取付配管の座標系を移動させることにより取付配管の位置を移動させる。図9(a)に示す検討開始状態から取付配管を平行移動及び回転移動させると図9(b)に示す状態となり、この状態から取付配管を回転移動させると図9(c)に示す状態となる。このようにして操作者が配置位置の検討を行い、取付配管が最適な位置、すなわち取付配管が既設置配管(1)と既設置配管(2)とを最も適切に連結する位置に配置されたら、操作者が入力手段34を操作して操作終了を示す指示を入力すると、当該ステップ(ステップS10)を終了する。
なお、ステップS9において取付配管の両端の3次元データが一体化され、一組のデータとして移動が可能となっているので、平行・回転移動を行う際にどちらかの先端部の3次元データのみが移動するということは無く、従属してもう一方の先端面の3次元データも移動する。これにより、移動を指示していない側のCAD端面データの移動に気を使う必要がなくなり,配置位置の検討が容易になる。
(B)CPU31が自動で行う場合
図10は、CPU31が自動で取付配管の配置位置を検討し、最適な位置に取付配管を配置する処理の流れを示すフローチャートである。
まず、CPU31は、図11に示すように、取付配管の一方の端面の端面中心と、その端面と接続される既設置配管(ここでは、既設置配管(1))の端面中心とを一致させるように、数式2を用いて取付配管用の座標系を平行移動する(ステップS30)。ここで、端面中心とは、端面と軸芯とが交差する点である。
CPU31は、取付配管の軸芯の方向と、既設置配管(1)の軸芯の方向とが一致するように、すなわち既設置配管(1)のベクトル式のベクトル成分と、取付配管のベクトル式のベクトル成分とが一致するように、ステップS30で既設置配管(1)の端面中心と一致させた側の取付配管の端面中心(以下、既設置配管(1)側の端面中心という。また、反対側の端面中心を既設置配管(2)側の端面中心という)を軸に数式2を用いて取付配管用の座標系を回転する(ステップS31)。
Figure 2010286031
CPU31は、図11に示すように、取付配管の既設置配管(2)側の端面中心と、その端面と接続される既設置配管(ここでは、既設置配管(2))の端面中心との距離aが基準(1mm程度)以上か否かを判断する(ステップS32)。取付配管の既設置配管(2)側の端面中心と、既設置配管(2)の端面中心とは、完全に一致する必要は無く、配管の肉厚等の条件にもよるが1mm程度離れていても配管の接続に問題はない。そのため、ステップS32では、基準を配管の接続に問題がない程度(1mm程度)を基準としている。
取付配管の既設置配管(2)側の端面中心と、既設置配管(2)の端面中心との距離aが基準未満である場合(ステップS32で基準未満)には、CPU31は、取付配管が最適な位置にあると判断し、最適な位置に取付配管を配置する処理を終了する。
取付配管の既設置配管(2)側の端面中心と、既設置配管(2)の端面中心との距離aが基準以上である場合(ステップS32で基準以上)には、図12に示すように、取付配管の軸芯と、既設置配管(2)の軸芯とが交差し、かつ取付配管の既設置配管(2)側の端面中心と、既設置配管(2)の端面中心との距離bが最小となるように、既設置配管(1)側の端面中心を軸に取付配管を回転させる(ステップS33)。
取付配管の既設置配管(2)側の端面中心と、既設置配管(2)の端面中心との距離bが基準(数mm程度)以上であるか否かを判断する(ステップS34)。
取付配管の既設置配管(2)側の端面中心と、既設置配管(2)の端面中心との距離bが基準未満である場合(ステップS34で基準未満)には、CPU31は、取付配管が最適な位置にあると判断し、最適な位置に取付配管を配置する処理を終了する。
取付配管の既設置配管(2)側の端面中心と、既設置配管(2)の端面中心との距離bが基準以上である場合(ステップS34で基準以上)には、図13に示すように、CPU31は、取付配管の軸芯と既設置配管(1)及び既設置配管(2)の軸芯とが交差し、かつ取付配管の既設置配管(1)側の端面中心と既設置配管(1)の端面中心との距離c及び取付配管の既設置配管(2)側の端面中心と既設置配管(2)の端面中心との距離dが最小となるように、取付配管の軸芯の方向に沿って取付配管を平行移動させる(ステップS35)。この位置が取付配管の最適な位置である。そして、CPU31は、最適な位置に取付配管を配置する処理を終了する。これにより、取付配管を自動的に最適な位置に配置することができる。
取付配管の配置位置を検討するステップ(ステップS10)が終了したら、最適な位置に配置された取付配管の点群データの3次元座標、軸芯のベクトル式をメモリ32に保存する。
CPU31は、取付配管の干渉状況等の検討、すなわち図14に示すように、既設置配管と取付部分が重複する部分、すなわち干渉部分があるかどうかを確認する(ステップS11)。この処理は、3次元CADデータが重なるか否かを検討することにより行われる。
そして、CPU31は、ステップS11において干渉部分があることが確認された場合には、加工量算出手段37に指示を出し、加工量算出手段37は加工量を算出する(ステップS12)。
図15は、加工量算出手段37が加工量を算出する処理の流れを示すフローチャートである。
加工量算出手段37は、加工量を算出する配管(例えば、既設置配管(1)、既設置配管(2)及び取付配管)の端面に評価点をつける処理(ステップS40〜S45)を行う。
まず、加工量算出手段37は、メモリ32に保存された一覧表から既設置配管の点群データ及び軸芯のベクトル式と、最適な位置に配置された取付配管の点群データの3次元座標、軸芯のベクトル式を取得し(ステップS40)、その中から既設置配管(1)、既設置配管(2)及び取付配管の端面を構成する点(本実施の形態では、8個の計測点)と、軸芯のベクトル式を指定する(ステップS41)。
加工量算出手段37は、ステップS41で指定したベクトル式に基づいて、軸芯が地軸と一致するように端面の点群データの座標を変換する(ステップS42)。座標変換は数式3を用いて行うことができる。
加工量算出手段37は、座標変換後の8個の計測点の座標に基づいて、端面を示す円の中心位置と円半径を算出し(ステップS43)、算出された中心位置と円半径とに基づいて端面を示す円の円周上に所定の数(例えば8点、16点、32点・・・)の評価点を等間隔に設置する(ステップS44)。評価点とは、後に説明する加工量算出時(ステップS47)の基準となる点であり、数が多いほど正確な加工量が算出可能であるが、本実施の形態では8個の評価点を設置する。
ステップS44で設置された評価点の座標を逆座標変換し、ステップS42で座標変換する前の座標(現座標)へ戻す(ステップS45)。これにより、既設置配管(1)、既設置配管(2)及び取付配管の端面に評価点をつける処理を終了する。
なお、ステップS44で評価点を配置するときの基準点を決めておく(例えば、軸芯が地軸と一致するように座標変換された状態でX軸又はY軸の値が一番大きい点を基準とする、現座標でZ軸の値が一番大きい点を基準とする等)ことにより、ステップS45で現座標に戻した後の既設置配管の評価点と取付配管の評価点の位置とを揃えることができる。
次に、加工量算出手段37は、既設置配管(1)及び既設置配管(2)の評価点と、取付配管の評価点との間で最短距離にある評価点を探索し、対応付けを行う(ステップS46)。そして、対応付けが行われた評価点間の距離を加工量として算出する(ステップS47)。
ステップS46、S47の処理について、図16を用いて説明する。取付配管の端面に設置された評価点t1と、既設置配管に設置された評価点k1〜k8(図16では評価点k6〜k8は視認不可)との距離を算出する。評価点t1と最も距離の小さい評価点は評価点k1であるため、評価点t1と評価点k1とを対応付ける。同様にして、評価点t2〜t8についての対応付けを行い、評価点t2〜t8はそれぞれ評価点k2〜k8と対応付けられる。
そして、評価点t1と評価点k1との距離、評価点t2と評価点k2との距離・・・評価点t8と評価点k8との距離(加工量)をそれぞれ数式3を用いて算出する。
Figure 2010286031
このように、評価点間の距離を用いて加工量を算出することにより、図17に示すように、既設置配管と取付配管の端面間に傾斜がある場合にも容易に加工量を算出することができる。
なお、本実施の形態では、ステップS44で評価点を配置するときの基準点が決められていることにより、既設置配管の評価点と取付配管の評価点の位置を揃えることができるが、基準点を決めない場合等には、図18に示すように、既設置配管の評価点と取付配管の評価点位置がそろわない場合もある。このような場合には、取付配管の評価点から取付配管の端面の法線方向に伸ばした線と、既設置配管とが交差する点と、取付配管の評価点との距離を求めるようにすればよい。これにより、正確な加工量の算出が可能となる。
加工量算出手段37は、算出した加工量を点群データと共にメモリ32に保存する。それと共に、加工量算出手段37は、算出された加工量を配管加工量提示装置1へ出力する。これにより、算出された加工量をそのまま配管加工量提示装置1で使用することができる。その結果、加工量の配管加工作業者への指示作業を合理化することができる。
本実施の形態によれば、実際の配管の設置位置等に基づいて取付配管の加工量を自動的に算出し、その加工量をそのまま配管加工量提示装置で使用することができる。したがって、配管加工量提示装置は、正確な加工位置を取付配管上で提示することができる。そのため、切断位置のケガキ等の関連作業が円滑に実施できる。したがって、配管加工量の指示作業の合理化を促進することができる。
また、本実施の形態によれば、可撓性のアーム用いることで、配管端面に凹凸がある場合でも配管上で正確な加工量を提示することができる。
さらに、本実施の形態によれば、アームを配管中心軸方向及び回転方向に移動可能としたこと、提示機構をアームに対してスライド可能としたことにより、様々な異なるサイズの配管に対応可能となり、配管サイズ毎の治具を製作する必要がなくなる。
なお、本発明は、配管加工量提示装置としての提供に限らず、配管加工量提示装置などの装置に適用するプログラムとして提供することも可能である。
1:配管加工量提示装置、2:3次元計測器、3:3次元CAD装置、10:本体部、11:固定機構、12:回転機構、13:アーム、14:提示機構

Claims (7)

  1. 配管の端面から配管の加工量だけオフセットした位置を加工位置として前記配管上に提示可能な提示手段と、
    前記提示手段が長手方向に沿って移動可能に設けられる棒状のアームと、
    前記アームが中心から放射方向に伸びるように設けられた取付手段であって、当該取付手段の中心が配管の中心軸と略一致するように前記取付手段を前記配管内部に固定する固定機構を有する取付手段と、
    を備えたことを特徴とする配管加工量提示装置。
  2. 前記提示手段は、
    配管端面及び配管外周面に当接させる第1のスライダーと、
    配管外周面上で前記加工位置を指し示すための第2のスライダーと、
    前記第1のスライダーと前記第2のスライダーとをスライド可能に連結するスライド機構であって、前記第2のスライダーを配管外周面に沿って配管の中心軸方向にスライドさせるスライド機構と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の配管加工量提示装置。
  3. 前記アームは、可撓性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の配管加工量提示装置。
  4. 前記取付手段の中心軸に対して前記アームが回転自在となるように、前記アームを前記取付手段に配設する回転機構を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の配管加工量提示装置。
  5. 前記回転機構は、前記アームの回転量を表示する第1の表示部を有することを特徴とする請求項4に記載の配管加工量提示装置。
  6. 前記提示手段は、前記加工量を表示する第2の表示部を有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の配管加工量提示装置。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の配管加工量提示装置と、
    前記加工量を算出する加工量算出装置と、
    を備えた配管加工量提示システムであって、前記加工量算出装置は、
    施設内に配設された2本の既設置配管の端面及び前記端面近傍の直線部の任意の位置における断面の形状と、前記2本の既設置配管を連結する取付配管の両端の端面及び前記端面近傍の直線部の任意の位置における断面の形状とに関する3次元計測結果を点情報の集合体である点群データとして取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得された点群データに基づいて前記既設置配管及び前記取付配管の3次元データを生成する3次元データ生成手段と、
    前記3次元データ生成手段により生成された前記既設置配管及び前記取付配管の3次元データに基づいて前記既設置配管の3次元データと前記取付配管の3次元データとが干渉するか否かを判断し、干渉すると判断された場合には、前記取付配管と前記既設置配管との干渉部分の長さを前記取付配管の加工量として算出する加工量算出手段と、
    を備え、
    前記提示手段は、配管端面から前記加工量算出手段により算出された加工量だけオフセットした位置を前記配管上に提示することを特徴とする配管加工量提示システム。
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