JP2010285931A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸素濃度センサの出力値の較正を適正に実施して酸素濃度の検出精度を向上させる。
【解決手段】エンジン10は、排気通路において排気中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサ22と、エンジン10の出力軸に初期回転を付与する始動装置としてのスタータモータ16とを備える。ECU30は、排気通路内が大気状態又はこれに準じた状態にあるときの酸素濃度センサ22の出力値に基づいて同センサ出力値を較正する大気学習を実施する。大気学習についてECU30は、エンジン10の停止状態における大気学習モードであるか否かを判定し、同モードと判定された場合にスタータモータ16を駆動し、その後大気学習を実行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関し、詳しくは、酸素濃度センサの出力値を較正するための大気学習を実施する内燃機関の制御装置に関するものである。
従来、内燃機関から排出される排ガスを対象に同ガス中の酸素濃度(空燃比)を検出する酸素濃度センサ(いわゆるA/Fセンサ)が知られている。この酸素濃度センサは、排ガス中の酸素濃度に応じてセンサ素子に流れる素子電流が変化するよう構成されている。内燃機関においては、センサ素子に流れる素子電流の計測結果を基に空燃比制御が実施される。
酸素濃度センサでは、製造ばらつきや経年変化等に起因して出力誤差が生じることがある。そこで、従来、車両減速時等の燃料カット期間で内燃機関の排気管内が大気状態になると判断し、同期間に酸素濃度センサで計測した計測値を大気の酸素濃度に相当する値とみなして酸素濃度センサの出力値を較正する大気学習を実施することが提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2003−3903号公報
しかしながら、車両運転中において、大気学習の実行に十分な時間の燃料カット期間を確保できるとは限らない。すなわち、燃料カットの実行が開始されてから排気管内が大気状態になるまでには時間を要するため、大気学習が完了する前に燃料カット期間が終了してしまうことがある。この場合、センサ出力値を較正できず、その結果、酸素濃度の検出精度が低下することが懸念される。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、酸素濃度センサの出力値の較正を適正に実施することができ、ひいては酸素濃度の検出精度を向上させることができる内燃機関の制御装置を提供することを主たる目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
本発明は、排気通路において排気中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサと、内燃機関の出力軸に初期回転を付与する始動装置とを備える内燃機関に適用され、前記排気通路内が大気状態又はこれに準じた状態にあるときの前記酸素濃度センサの出力値に基づいて同センサ出力値を較正する大気学習を実施する内燃機関の制御装置に関するものである。請求項1に記載の発明は、前記内燃機関の停止状態における大気学習モードであることを判定する判定手段と、前記判定手段により前記大気学習モードと判定された場合に、前記始動装置を駆動し、その後前記大気学習を実行する学習実行手段と、を備えることを特徴とする。
要するに、酸素濃度センサの大気学習を実施する際には、排気通路内を大気状態又は大気に準じた状態にする必要があり、そのために、排気通路内に大気状態を形成するのに要する時間を大気学習の実行前に確保する必要がある。ところが、車両運転等を目的とした通常の内燃機関の運転状態では、内燃機関の運転状態が都度変動することにより、排気通路内が大気状態とされる期間を十分に確保できず、大気学習が適正に実施されないことが考えられる。これに対し、内燃機関の停止状態では、内燃機関の運転状態の変化の影響を考慮しなくてもよいため、酸素濃度センサ周辺を十分に長い時間、大気状態に保持することができると考えられる。
その点に鑑み、本発明では、内燃機関の停止状態においてクランキングを強制的に行うことにより、排気通路内を強制的に大気状態又はこれに準じた状態にして、その後に大気学習を実行する。この構成によれば、内燃機関の運転状態の変化の影響を受けないため、排気通路内を大気状態にするための十分な時間を確保でき、大気学習を確実に実施することができる。また、内燃機関の運転状態の変化の影響を受けない等により、排気通路内を大気状態に安定に保持することができ、大気学習の精度を高めることができる。したがって、本発明によれば、酸素濃度センサの出力値の較正を適正に実施することができ、ひいては酸素濃度の検出精度を向上させることができる。
請求項2に記載の発明では、前記学習実行手段が、前記内燃機関に流入する吸気量を調整するスロットルバルブを全開状態にして前記始動装置を駆動する。この構成によれば、排気通路内の掃気を効率よく実施することができ、始動装置の駆動時間をできるだけ短くすることができる。したがって、始動装置の負荷を軽減できるとともに、クランキング開始から大気学習完了までの時間を短くすることができる。
請求項3に記載の発明では、前記学習実行手段が、前記内燃機関に流入する吸気量を調整するスロットルバルブを全閉状態にするか又は前記始動装置の駆動を停止して前記大気学習を実行する。この構成によれば、スロットルバルブを全閉状態にするか、又はクランキングを停止することにより、排気通路内の排気流速が抑制された状態となり、酸素濃度センサ周辺のガス雰囲気を安定化させることができる。したがって、酸素濃度センサの出力変動を抑制することができ、大気学習の精度を高める上で好適である。
請求項4に記載の発明では、前記大気学習モードであることを判定する判定条件として、前記内燃機関が運転状態とされる場合には生じ得ない特定信号を入力することを含む。こうすれば、内燃機関の停止状態における大気学習モードであるか否かを容易に区別することができる。また、特定信号を、通常制御で用いられる各種信号を組み合わせたものとした場合には、本制御装置に新たに特別な入力端子を設ける必要がなく実用上好ましい。
請求項5に記載の発明では、前記大気学習モードであることを判定する判定条件として、前記内燃機関での燃料の燃焼に関するアクチュエータ類の電気配線が取り外されていることを含む。こうすれば、内燃機関の停止状態における大気学習モードであることを容易に判定できるし、また内燃機関の停止状態において始動装置を駆動した際に、上記アクチュエータ類が作動するのに起因して排気通路内を大気状態に制御できなくなるのを回避することができる。ここで、内燃機関での燃料の燃焼に関するアクチュエータ類としては、内燃機関の燃料噴射弁(インジェクタ)や点火装置(イグナイタ)を含む。
内燃機関の停止後において、始動装置を所定時間駆動した後の酸素濃度センサの出力値に基づいて大気学習を実行する構成では、請求項6に記載したように、該所定時間を、前記内燃機関の停止開始からの経過時間に基づいて可変にしてもよい。内燃機関の停止後では、その停止開始からの経過時間が長くなるにつれて、排気通路内が大気状態に近付いていくと推測される。その点に鑑み、本構成のように、内燃機関の停止時間に応じて始動装置の駆動時間を変更することにより、排気通路内を確実に大気状態にして大気学習を実行することができる。また、始動装置の駆動を最小限にすることができ、始動装置の負荷を軽減することができる。さらに、始動装置の駆動開始から大気学習を開始するまでの時間が不要に長くなるのを抑制することができる。
エンジン制御システムの全体概略構成図。 大気学習制御の処理手順を示すフローチャート。 検査モードでの大気学習制御の具体的な態様を示すタイムチャート。 他の実施形態のエンジン制御システムの全体概略構成図。
以下、本発明を具体化した実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施の形態は、車載エンジンに適用されるエンジン制御システムの制御装置に具体化している。当該制御システムにおいては、電子制御ユニット(以下、ECUという)を中枢として燃料噴射量の制御や点火時期の制御等を実施する。この制御システムの全体概略を示す構成図を図1に示す。
図1において、エンジン10は例えば多気筒ガソリンエンジンであり、インジェクタ11と点火装置12(イグナイタ等)とを備えている。また、エンジン10には、DCモータ等のスロットルアクチュエータ13によって開度調節されるスロットルバルブが設けられている。スロットルバルブの開度(スロットル開度)は、スロットルアクチュエータ13に内蔵されたスロットル開度センサ21により検出される。
エンジン10には、イグニッションスイッチ14やスタータスイッチ15、始動装置としてのスタータモータ16等により構成される始動回路17が設けられている。始動回路17では、イグニッションスイッチ14がオンされることによりバッテリ18とECU30とが電気的に接続される。これにより、制御系に電力が供給され、エンジン10を駆動するための各種制御が開始される。また、始動回路17では、更にスタータスイッチ15がオンされることによりバッテリ18とスタータモータ16とが電気的に接続される。なお、スタータスイッチ15がオンされた場合、その旨の信号がECU30に入力される。バッテリ18からの電力供給によりスタータモータ16が駆動され、その駆動に伴いエンジン10に初期回転(クランキング回転)が付与される。
エンジン10の排気管には、排ガスを検出対象として混合気の空燃比(酸素濃度)を検出するための酸素濃度センサ22が設けられている。酸素濃度センサ22について詳しくは、センサ素子への電圧印加により排出ガス中の酸素濃度に比例した広域の空燃比信号を出力する広域検出タイプのA/Fセンサである。
その他、本システムには、エンジン10の所定クランク角毎に矩形状のクランク角信号を出力するクランク角センサ23や、エンジン冷却水の温度を検出する冷却水温センサ24、アクセル操作量を検出するアクセルセンサ25、ブレーキ操作量を検出するブレーキセンサ26等といった各種センサが設けられている。
ECU30は、周知の通りCPU、ROM、RAM等よりなるマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)31を主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、都度のエンジン運転状態に応じてエンジン10の各種制御を実施する。すなわち、ECU30のマイコン31は、前述した各種センサ等からの検出信号を入力し、それらの各種信号に基づいて燃料噴射量や点火時期等を演算してインジェクタ11や点火装置12の駆動を制御する。
上記システムでは、酸素濃度センサ22を対象にして、同センサの出力誤差を補正する、つまりセンサ出力値を較正する処理として大気学習が実施される。大気学習について詳しくは、車両運転中にエンジン10への燃料供給が停止される期間(例えば車両減速中の燃料カット期間)では、酸素濃度センサ22の周辺が大気に準ずる酸素濃度になっていると判断し、そのときの酸素濃度センサ22の出力値に基づいてセンサ出力値を較正する。より具体的には、例えば燃料カットが実施されている期間において同センサ22の出力値Vatmを取得し、その取得した出力値Vatmと、ROMに予め記憶された大気状態での基準出力値Vstdとの比から学習値Flea(=Vstd/Vatm)を算出して記憶する。そして、酸素濃度センサ22の実際の出力値Vafを、下記の式(1)により、製造ばらつきや経時劣化等による出力誤差を含まない値Vleaに補正する。
Vlea=Vaf×Flea …式(1)
しかしながら、車両運転中では、エンジン10の運転状態が都度変化するため、十分な長さの燃料カット期間を確保することができず、大気学習を実施できないことが考えられる。つまり、燃料カット開始直後では排気通路に混合気が残存しているため、燃料カットの実行が開始されてから排気管内が大気状態になるまでには十分な時間を要する。そのため、燃料カット期間が短いと、大気学習が完了する前に燃料カット期間が終了してしまうことがあり、この場合にはセンサ出力値を較正できない。かかる場合、大気学習を実行できず、酸素濃度センサ22による酸素濃度の検出精度が低下することが懸念される。
ここで、本発明者らは、車両が例えばディーラ等の修理工場に搬送された際の検査工程(ディーラモード)や、車両の工場出荷前の検査工程(生産ラインモード)といったように、車両の使用者や管理者の意思の下でエンジン10が停止状態とされる状況であれば、エンジン10の運転状態の変化に左右されることなく、排気通路内を所望の時間、大気状態に保持することができ、これにより、大気学習を確実に完了させることができることに着目した。また、スタータモータ16によるクランキングによれば、エンジン10の停止状態において排気通路内の掃気を十分に実施できることに着目した。
すなわち、本実施形態では、検査モード(ディーラモードや生産ラインモード)での大気学習の実行条件が成立しているか否かを判定し、同実行条件が成立していると判定された場合にスタータモータ16を駆動し、その後大気学習を実行する。より具体的には、検査モードでの大気学習の実行条件を、
・エンジン10が停止状態にあること
・エンジン10が運転状態のときには生じ得ない特定信号を入力したこと
・エンジン10の燃料の燃焼に関する各種アクチュエータの電気配線が取り外されていること
とし、その成否結果に基づいてスロットルバルブを全開状態にしてスタータモータ16を駆動する。そして、スタータモータ16の駆動開始後、排気通路内が大気状態又はこれに準ずる酸素濃度になったと判断される時点で酸素濃度センサ22の出力値を取得し、その出力値を基に大気学習を実行する。なお、エンジン10の燃料の燃焼に関する各種アクチュエータとして本実施形態では、インジェクタ11及び点火装置12を含む。
本実施形態での大気学習の処理手順を図2のフローチャートを用いて説明する。この処理は、ECU30に電源が投入された状態で、ECU30により所定周期で繰り返し実行される。なお、ECU30への電源投入状態は、イグニッションスイッチ14をオン状態にすることにより行ってもよいし、外部電源から電力供給することにより行ってもよい。
図2において、まずステップS10では、学習実行条件成立フラグFが値0か否かを判定する。この学習実行条件成立フラグFは、検査モードでの大気学習の実行条件が成立したことを示すフラグであり、その実行条件の全てが成立している場合に値1にセットされる。実行条件の全てが未だ成立していなければ、学習実行条件成立フラグFに値0がセットされたままとなっており、この場合にはステップS11へ進む。
ステップS11では、特定信号としてのディーラモード信号を入力したか否かを判定する。ディーラモード信号について本実施形態では、車両運転中に成立する可能性が極めて低いと考えられるエンジン運転状態に対応する各種信号を組み合わせたものとして設定されている。つまり、通常のエンジン運転制御においてECU30に入力される信号の組み合わせとしてあり得ない信号情報をディーラモード信号としている。例えば、車両修理工場や車両生産工場での検査の実行者によりアクセル全開操作とブレーキ全開操作とが同時に行われた状態でスタータスイッチ15がオンされた場合、つまりアクセルセンサ25からのオン信号、ブレーキセンサ26からのオン信号、及びスタータスイッチ15のオン信号を同時に入力した場合にディーラモード信号を入力したと判定する。
ディーラモード信号を入力したことを条件にステップS12へ進み、クランク角センサ23の出力値等に基づいてエンジン停止状態か否かを判定する。また、ステップS13,S14では、エンジン10の燃料の燃焼に関する各種アクチュエータの電気配線が取り外されているか否かを判定する。本実施形態では、ステップS13において、インジェクタ11からコネクタが取り外されているか否かを判定し、ステップS14において、点火装置12からコネクタが取り外されているか否かを判定する。なお、インジェクタ11及び点火装置12には、コネクタの接続状態を検知する検知部が設けられており、この検知部の検知結果に基づいて、ECU30においてステップS13,S14の判定が実施される。
そして、ステップS12〜S14で肯定判定された場合にはステップS15へ進み、検査モードでの大気学習の実行条件が成立しているとして、学習実行条件成立フラグFに値1をセットする。続くステップS16では、スロットル開度センサ21の出力値に基づいてスロットルバルブが全開状態になっているか否かを判定する。スロットル全開状態であれば、そのままステップS18へ進む。一方、スロットル全開状態でなければステップS17へ進み、スロットルアクチュエータ13を駆動してスロットルバルブを全開状態にした後、ステップS18へ進む。
なお、スロットルバルブが全開状態であることは、アクセルセンサ25の出力値を基にアクセル操作量が最大値であることを検出することによって判定してもよい。
ステップS18では、スタータモータ16へ通電を行い、スタータモータ16の駆動を開始する。これにより、エンジン10に初期回転が付与され(クランキングが開始され)、エンジン10に新気が導入される。また、クランキングが継続されることで、酸素濃度センサ22周辺の混合気が排出されて新気と入れ替わる。そして、クランキング開始からの経過時間が所定時間TAになるまでクランキングを継続し、ステップS19でクランキング開始からの経過時間が所定時間TAになったと判定された場合にステップS20へ進み、大気学習を実行する。つまり、エンジン10の停止状態においてスロットル開度を全開にしてクランキングを行うことにより、酸素濃度センサ22周辺を強制的に大気状態とした後、その大気状態での酸素濃度センサ22の出力値Vatmと、基準出力値Vstdとの比から学習値Fleaを算出し、これを記憶する。
また、大気学習に際し本実施形態では、所定時間TAが経過した時点で、スタータモータ16の駆動を停止するとともに、スロットルバルブを全開状態から全閉状態に変更し、その状態で取得したセンサ出力値Vatmを用いて学習値Fleaを算出するようにしている。
なお、スタータモータ16及びスロットルアクチュエータ13の駆動は、イグニッションスイッチ14及びスタータスイッチ15がオン状態であれば、バッテリ18からの電力供給により行う。このとき、スタータスイッチ15のオン/オフの切り替えは、ECU30からの指令信号に基づき自動で行う構成としてもよいし、検査者が手動で行う構成としてもよい。自動で行う構成であれば、操作を簡略化できる点で好ましく、手動で行う構成であれば、検査者の意思に基づき駆動できる点で好ましい。また、外部電源からECU30への電源投入状態であれば、例えばECU30からスタータモータ16及びスロットルアクチュエータ13へ電力供給可能に構成しておき、ECU30からの指令信号又は検査者の操作に基づいて、ECU30を介して外部電源から電力供給を行ってもよい。あるいは、スタータモータ16及びスロットルアクチュエータ13と外部電源とを直接接続し、ECU30からの指令信号又は検査者の操作に基づいて、スタータモータ16及びスロットルアクチュエータ13へ外部電源から直接電力供給を行ってもよい。
大気学習の実行が完了した場合、ステップS21において、学習実行条件成立フラグFを値0にリセットして本ルーチンを終了する。
図3は、検査モードにて実行される大気学習の具体的な態様を示すタイムチャートである。この大気学習は、例えば、酸素濃度センサ22及びECU30が車両に搭載された状態でディーラ等の修理工場に搬送された場合に、同工場の検査工程にてECU30が電源投入状態とされたり、車両が製品として工場から出荷される前において同工場の検査工程にてECU30が電源投入状態とされたりすることで実行される。
図3では、タイミングt1以前に、例えば工場の検査者によりエンジン10が停止状態にされ、かつインジェクタ11及び点火装置12のコネクタが取り外された場合を想定している。図3において、タイミングt1で例えば検査者により車両が操作されることでディーラモード信号が入力されると、その入力に伴いスタータモータ16の駆動が開始され、クランキングが開始される。このとき、スロットルバルブが全開状態でなければ、併せてスロットルアクチュエータ13が駆動されることによりスロットルバルブが全開状態に保持される。クランキング開始により、排気通路内に新気が導入され、排気ガスと新気とが入れ替わる。また、タイミングt1から所定時間TAが経過すると、排気通路内が大気状態又はこれに準じた状態になったと判断され、タイミングt2の時点で大気学習が実行される。スタータモータ16の停止は、排気通路内が大気状態又はこれに準じた状態となった時点以降であれば特に限定しないが、本実施形態では図3に示すように、大気学習の開始時点であるタイミングt2で行われる。
以上、詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
検査モードでの大気学習の実行条件が成立しているか否かを判定し、同実行条件が成立していると判定された場合にスタータモータ16を駆動して、その後大気学習を実行する構成としたため、エンジン10の運転状態の変化の影響を受けることなく、排気通路内を大気状態に安定に保持できる。また、排気通路内を大気状態にするための十分な時間を確保できる。つまり、車両運転時における燃料カット期間のようにエンジン10の運転状態では、排気通路内のガス雰囲気がエンジン運転状態に左右されやすく、酸素濃度センサ22周辺のガス雰囲気を大気学習の実行に十分な時間だけ大気状態に保持できなかったり、あるいは大気状態に制御しているはずが十分に大気状態に近付いていなかったりすることが考えられる。これに対し、エンジン10が停止状態であれば、エンジン運転状態の変動要因が生じないことから、十分に長い時間、排気通路内を大気状態に安定にかつ精度よく保持できる。したがって、酸素濃度センサ22の出力値の較正を確実にかつ適正に実施することができ、ひいては酸素濃度の検出精度を向上させることができる。
スロットルバルブを全開状態にしてスタータモータ16を駆動する構成としたため、排気通路内の掃気を効率よく実施することができる。これにより、スタータモータ16の駆動時間をできるだけ短くすることができる。したがって、スタータモータ16の負荷を軽減させることができるとともに、クランキング開始から大気学習完了までの時間をできるだけ短くすることができる。
所定時間TAが経過した時点で、スタータモータ16によるクランキングを停止するとともにスロットルバルブを全開状態から全閉状態に変更することで、クランキング停止かつスロットルバルブ全閉の状態で大気学習を実行する構成としたため、排気通路内の排気流速を極力小さくすることができる。これにより、酸素濃度センサ22周辺のガス雰囲気を安定させることができ、センサ出力を安定化させることができる。また、所定時間TAの経過時点でスタータモータ16の駆動を停止することにより、スタータモータ16の負荷をできるだけ軽減させることができる。
検査モードでの大気学習の実行条件として、エンジン10が運転状態とされる場合には生じ得ない特定信号(ディーラモード信号)を入力することを含む構成としたため、上記実行条件の成否を容易に判定することができる。また、ディーラモード信号を、車両運転中に成立する可能性が極めて低いと考えられるエンジン運転状態に対応する各種信号の組み合わせとしたため、ディーラモード信号入力のための新たな特別な入力端子をECU30に設ける必要がなく、実用上好ましい。
また、上記実行条件として、インジェクタ11及び点火装置12のコネクタが取り外されていることを含む構成としたため、実行条件の成否を容易に判定できるし、またエンジン10の停止状態においてスタータモータ16を駆動した際に、インジェクタ11及び点火装置12が作動するのに起因して排気通路内を大気状態に制御できなくなるのを回避することができる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
・上記実施形態では、オペレータが車両を操作することによりディーラモード信号がECU30に入力される構成としたが、図4に示すように、パーソナルコンピュータ等の外部装置40からディーラモード信号がECU30に入力される構成としてもよい。図4において、ECU30には、外部装置40用の接続端子が設けられている。パーソナルコンピュータ等からなる外部装置40であれば、エンジン10の通常制御でECU30に入力され得る複数信号の組み合わせを、実際に車両を操作することなく容易に作り出すことが可能となる。したがって、ディーラモード信号の入力を、煩雑な操作を必要とすることなく簡易にかつ迅速に行うことができる。
・通常のエンジン運転制御でECU30に入力される種々の信号の組み合わせをディーラモード信号とする構成に代えて、予め規定された専用信号をディーラモード信号とする構成としてもよい。専用信号であれば、ドライバによる車両運転中にECU30に入力される可能性が特定信号よりも低いため、ディーラモードであるか否かをより確実に区別することができる。
・上記実施形態では、エンジン10の停止状態であることの他に、(1)ディーラモード信号を入力したこと、(2)インジェクタ11及び点火装置12のコネクタが取り外されていることの双方が成立している場合に、検査モードでの大気学習の実行条件が成立していると判定する構成としたが、上記(1)及び(2)の少なくともいずれかが成立した場合に上記実行条件が成立していると判定する構成としてもよい。なお、条件(1)のみの成立に伴い大気学習を実行する場合には、ディーラモード信号の入力により、ECU30からインジェクタ11及び点火装置12への駆動信号の出力を停止する構成とする。この場合であっても、燃料噴射及び点火を実施させないようにすることができ、インジェクタ11及び点火装置12のコネクタを取り外す作業を省略することができる。つまり、ディーラモード信号の入力により、大気学習完了までを自動制御することが可能となる。また、上記実行条件として更に、シフトポジションが前進レンジ及び後進レンジ以外であること、具体的には、シフトポジションセンサ(図示略)により検出されるシフトポジションがPレンジかNレンジであることを含んでいてもよい。
・上記実施形態では、スタータモータ16の駆動開始から所定時間TAが経過した場合に、排気通路内が大気に準ずる酸素濃度になったと判断して大気学習を実施する構成としたが、これを変更し、エンジン停止開始からの経過時間に応じてスタータ駆動時間を設定し、その設定したスタータ駆動時間が経過した場合に大気学習を実施する構成とする。このとき、エンジン停止からの経過時間が長いほど、排気通路内が大気に準ずる酸素濃度に近付きやすいと推測されることに鑑み、エンジン停止開始からの経過時間が長いほど、スタータ駆動時間が短く設定されるようにする。こうすることで、排気通路を大気状態にするのに必要な時間に応じてスタータモータ16を駆動することができ、スタータモータ16の負荷を軽減させることができる。また、スタータモータ16の駆動開始から大気学習を開始するまでの時間が不要に長くなるのを抑制することができる。
・上記実施形態では、スタータモータ16を停止しかつスロットルバルブを全閉状態にして大気学習を実行する構成としたが、スタータモータ16の停止及びスロットルバルブの全閉の少なくともいずれかを実施することで大気学習を実行する構成としてもよい。この場合、上記のいずれも実施しない場合に比べて排気通路内の排気流速が小さくなるため、酸素濃度センサ22周辺のガス雰囲気を安定させることができ、センサ出力を安定化させる上で好適である。あるいは、スタータモータ16を駆動したまま(クランキングを継続したまま)、かつスロットルバルブを全開状態にしたままで大気学習を実行してもよい。この場合にも、排気通路内を大気状態にするための十分な時間が確保されるといった効果を得ることができる。
・バッテリ18からの電力供給によりスタータモータ16を駆動して大気学習を実施する場合、バッテリ18の充電状態が所定電圧以下の低電圧状態ではスタータモータ16の駆動を実施せず大気学習を実施しない構成とする。バッテリ18の充電状態が低下している場合に大気学習を実施すべくスタータモータ16を駆動させると、酸素濃度センサ22周辺が大気状態になる前にスタータモータ16を駆動できなくなったり、あるいは、大気学習を完了できたとしても、次回のエンジン始動に必要なバッテリ電圧を確保できなかったりするおそれがあるからである。
・図3では、排気通路内が大気に準じた状態となったと判断されるタイミングt2の時点を大気学習の開始タイミングとしたが、タイミングt2よりも後の時点を学習開始タイミングとしてもよい。
・上記実施形態では、スタータモータ16の駆動後における大気学習を、車両が修理工場に搬送された際の検査工程や、車両の工場出荷前の検査工程において実施することについて説明したが、エンジン10が停止状態とされる状況下であれば、検査工程で検査者によって実施される以外に、例えば車両のユーザによって実施されるものであってもよい。
・上記実施形態では、ガソリンエンジンについて説明したが、ディーゼルエンジンとしてもよい。また、エンジンを搭載する車両であれば、エンジン車に限定せず、エンジンとエンジン以外の動力装置(例えば発電機)とを備える車両に本発明を適用してもよい。
10…エンジン、13…スロットルアクチュエータ、15…スタータスイッチ、16…スタータモータ(始動装置)、17…始動回路、22…酸素濃度センサ、30…ECU、31…マイコン(判定手段、学習実行手段)、40…外部装置。

Claims (6)

  1. 排気通路において排気中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサと、内燃機関の出力軸に初期回転を付与する始動装置とを備える内燃機関に適用され、
    前記排気通路内が大気状態又はこれに準じた状態にあるときの前記酸素濃度センサの出力値に基づいて同センサ出力値を較正する大気学習を実施する内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関の停止状態における大気学習モードであることを判定する判定手段と、
    前記判定手段により前記大気学習モードと判定された場合に、前記始動装置を駆動し、その後前記大気学習を実行する学習実行手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記学習実行手段は、前記内燃機関に流入する吸気量を調整するスロットルバルブを全開状態にして前記始動装置を駆動する請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記学習実行手段は、前記内燃機関に流入する吸気量を調整するスロットルバルブを全閉状態にするか又は前記始動装置の駆動を停止して前記大気学習を実行する請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記判定手段により前記大気学習モードであることを判定する判定条件には、前記内燃機関が運転状態とされる場合には生じ得ない特定信号を入力することを含む請求項1乃至3のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記判定手段により前記大気学習モードであることを判定する判定条件には、前記内燃機関での燃料の燃焼に関するアクチュエータ類の電気配線が取り外されていることを含む請求項1乃至4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記学習実行手段は、前記内燃機関の停止後において前記始動装置を所定時間駆動した後の前記酸素濃度センサの出力値に基づいて前記大気学習を実行するものであり、
    該所定時間を、前記内燃機関の停止開始からの経過時間に基づいて可変にする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
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JP2011226460A (ja) * 2010-04-01 2011-11-10 Ngk Spark Plug Co Ltd 酸素センサの大気学習方法

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