JP2010285900A - 排気浄化触媒を備えた内燃機関 - Google Patents
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Abstract
【課題】排気浄化触媒の温度をより正確に検出すること。
【解決手段】排気通路50に排気浄化触媒52を備える。排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比を検出する上流側排気空燃比検出手段53と、排気浄化触媒から流出する排気ガスの空燃比を検出する下流側排気空燃比検出手段54とを具備する。下流側空燃比検出手段が排気浄化触媒から流出する排気ガス中の成分濃度を検出することによって排気浄化触媒から流出する排気ガスの空燃比が検出される。排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときに上流側排気空燃比検出手段によって検出される排気ガスの空燃比と下流側排気空燃比検出手段によって検出される排気ガスの空燃比との差がリッチ空燃比差として算出される。リッチ空燃比差に基づいて排気浄化触媒の温度が算出される。
【選択図】図1
【解決手段】排気通路50に排気浄化触媒52を備える。排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比を検出する上流側排気空燃比検出手段53と、排気浄化触媒から流出する排気ガスの空燃比を検出する下流側排気空燃比検出手段54とを具備する。下流側空燃比検出手段が排気浄化触媒から流出する排気ガス中の成分濃度を検出することによって排気浄化触媒から流出する排気ガスの空燃比が検出される。排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときに上流側排気空燃比検出手段によって検出される排気ガスの空燃比と下流側排気空燃比検出手段によって検出される排気ガスの空燃比との差がリッチ空燃比差として算出される。リッチ空燃比差に基づいて排気浄化触媒の温度が算出される。
【選択図】図1
Description
本発明は排気浄化触媒を備えた内燃機関に関する。
特許文献1には内燃機関の排気浄化装置が開示されている。ここに開示されている排気浄化装置は内燃機関の排気通路に配置された排気浄化触媒と、該排気浄化触媒下流の排気通路に配置された空燃比センサとを有する。この空燃比センサはそこに流入する排気ガスの空燃比に応じた出力値を出力する。
ところで排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比よりもリッチであると排気浄化触媒において排気ガス中の一酸化炭素と水分とが反応して水素が発生するいわゆる水性反応が生じることが知られている。このことは特許文献1にも記載されている。そして特許文献1に記載されているタイプの空燃比センサは排気ガス中の水素濃度が高いほど実際の空燃比よりもリッチな空燃比を示す出力値を出力してしまう。そこで特許文献1に記載の発明では排気浄化触媒において発生する水素の量に応じて空燃比センサの出力値を補正するようにしている。
ここで特許文献1に記載の発明では排気浄化触媒において発生する水素の量の算出に排気浄化触媒の温度を利用している。そして特許文献1に記載の発明では排気浄化触媒の温度を燃料噴射弁から噴射される燃料の量および内燃機関の回転数といった内燃機関の運転状態に基づいて推定したり、排気浄化触媒に取り付けられた温度センサによって検出したりしている。
特許文献1に記載されているように排気浄化触媒を備えた内燃機関では排気浄化触媒の温度が内燃機関の運転の制御に利用される。ここで特許文献1に記載されているように燃料噴射弁から噴射される燃料の量と内燃機関の回転数とに基づいて排気浄化触媒の温度を推定する場合、燃料噴射弁から噴射される燃料の量および内燃機関の回転数といった2つのパラメータを利用することからこれら2つのパラメータのいずれか一方でも正確に検出されなければ最終的に推定される排気浄化触媒の温度は実際の温度に対応していないことになる。一方、特許文献1に記載されているように排気浄化触媒に取り付けられた温度センサによって排気浄化触媒の温度を検出する場合、温度センサは排気浄化触媒の一部の領域の温度を検出することになるが排気浄化触媒の温度は領域毎にバラツキがあり、温度センサによって検出される温度が排気浄化触媒の実際の温度を代表しているとは必ずしも言えない。いずれにしても特許文献1に記載されているように推定され或いは検出される排気浄化触媒の温度は必ずしも排気浄化触媒の実際の温度を示しているとは言えない。
そこで本発明の目的は排気浄化触媒の温度をより正確に検出することにある。
1番目の発明によれば、排気通路に排気浄化触媒を備えた内燃機関において、前記排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比を検出する上流側排気空燃比検出手段と、前記排気浄化触媒から流出する排気ガスの空燃比を検出する下流側排気空燃比検出手段とを具備し、前記下流側空燃比検出手段が前記排気浄化触媒から流出する排気ガス中の成分濃度を検出することによって該排気浄化触媒から流出する排気ガスの空燃比が検出され、前記排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときに前記上流側排気空燃比検出手段によって検出される排気ガスの空燃比と前記下流側排気空燃比検出手段によって検出される排気ガスの空燃比との差がリッチ空燃比差として算出され、該リッチ空燃比差に基づいて排気浄化触媒の温度が算出される。
2番目の発明によれば、1番目の発明において、前記排気浄化触媒に流入する排気浄触媒の空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときに算出されるリッチ空燃比差に基づいて該リッチ空燃比差の変化率がリッチ空燃比差変化率として算出され、該リッチ空燃比差変化率に基づいて排気浄化触媒の温度を算出することによってリッチ空燃比差に基づいて排気浄化触媒の温度が算出される。
3番目の発明によれば、2番目の発明において、前記排気浄化触媒に流入する排気浄化触媒の空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときに前記排気浄化触媒の温度が変化しているか否かが推定され、前記排気浄化触媒の温度が変化していると推定されるときには該排気浄化触媒の温度が上昇しているか下降しているかが判別され、該排気浄化触媒の温度の上昇または下降と前記リッチ空燃比差変化率とに基づいて排気浄化触媒の温度が算出される。
4番目の発明によれば、1番目の発明において、前記排気浄化触媒に流入する排気浄化触媒の空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときに算出されるリッチ空燃比差に基づいて該リッチ空燃比差の変化率がリッチ空燃比差変化率として算出され、該リッチ空燃比差変化率と前記リッチ空燃比差とに基づいて排気浄化触媒の温度が算出される。
5番目の発明によれば、4番目の発明において、前記排気浄化触媒に流入する排気浄化触媒の空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときに前記排気浄化触媒の温度が変化しているか否かが推定され、前記排気浄化触媒の温度が変化していると推定されるときには該排気浄化触媒の温度が上昇しているか下降しているかが判別され、該排気浄化触媒の温度の上昇または下降と前記リッチ空燃比差変化率と前記リッチ空燃比差とに基づいて排気浄化触媒の温度が算出される。
6番目の発明によれば、1番目の発明において、前記排気浄化触媒に流入する排気浄化触媒の空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときに前記排気浄化触媒の温度が変化しているか否かが推定され、前記排気浄化触媒の温度が変化していると推定されるときには該排気浄化触媒の温度が上昇しているか下降しているかが判別され、該排気浄化触媒の温度の上昇または下降と前記リッチ空燃比差とに基づいて排気浄化触媒の温度が算出される。
7番目の発明によれば、1〜6番目の発明のいずれか1つにおいて、前記排気浄化触媒が排気ガス中のパティキュレートを捕捉することができ、該排気浄化触媒に捕捉されているパティキュレートの量が予め定められた量を超えたときには該排気浄化触媒の温度がパティキュレートを燃焼処理可能な温度まで上昇せしめられ、該排気浄化触媒の温度が前記リッチ空燃比差に基づいて算出される排気浄化触媒の温度に基づいてパティキュレートを燃焼処理可能な温度に維持される。
8番目の発明によれば、7番目の発明において、前記排気浄化触媒の温度をパティキュレートを燃焼処理可能な温度に維持するときには理論空燃比よりもリーンな空燃比または理論空燃比の排気ガスを排気浄化触媒に供給すると共に該排気浄化触媒に燃料を供給する触媒温度上昇制御と、理論空燃比よりもリッチな空燃比の排気ガスを排気浄化触媒に供給する触媒温度低下制御とが交互に行われ、該触媒温度低下制御の終了直前または終了時のリッチ空燃比差から次の触媒温度低下制御の開始直後または開始時のリッチ空燃比差を差し引いた値がリッチ空燃比差低下量として算出され、該リッチ空燃比差低下量が零よりも小さいときには前記触媒温度上昇制御中に前記排気浄化触媒に供給する燃料の量が増大せしめられる。
9番目の発明によれば、7または8番目の発明において、前記排気浄化触媒の温度をパティキュレートを燃焼処理可能な温度近傍に維持するときには理論空燃比よりもリーンな空燃比または理論空燃比の排気ガスを排気浄化触媒に供給すると共に該排気浄化触媒に燃料を供給する触媒温度上昇制御と理論空燃比よりもリッチな空燃比の排気ガスを排気浄化触媒に供給する触媒温度低下制御とが交互に行われ、該触媒温度低下制御の開始直後または開始時のリッチ空燃比差から当該触媒温度低下制御の終了直前または終了時のリッチ空燃比差を差し引いた値がリッチ空燃比差上昇量として算出され、該リッチ空燃比差上昇量が零よりも大きいときには前記触媒温度上昇制御中に前記排気浄化触媒に供給する燃料の量が減少せしめられる。
10番目の発明によれば、1〜9番目の発明のいずれか1つにおいて、前記排気浄化触媒が排気ガス中のSOxを吸収することができ、該排気浄化触媒に吸収されているSOxが予め定められた量を超えたときには該排気浄化触媒の温度が該排気浄化触媒からSOxを放出可能な温度まで上昇せしめられ、該排気浄化触媒の温度が前記リッチ空燃比差に基づいて算出される排気浄化触媒の温度に基づいてSOxを排気浄化触媒から放出可能な温度に維持される。
11番目の発明によれば、10番目の発明において、前記排気浄化触媒の温度をSOxを該排気浄化触媒から放出可能な温度に維持するときには理論空燃比よりもリーンな空燃比または理論空燃比の排気ガスを排気浄化触媒に供給すると共に該排気浄化触媒の温度を上昇させ且つ該排気浄化触媒内を還元雰囲気にする量の燃料を該排気浄化触媒に供給する触媒温度上昇リッチ空燃比制御と、理論空燃比よりもリーンな空燃比または理論空燃比の排気ガスを排気浄化触媒に供給すると共に該排気浄化触媒の温度を低下させ且つ該排気浄化触媒内を還元雰囲気にする量の燃料を該排気浄化触媒に供給する触媒温度低下リッチ空燃比制御とが交互に行われ、これら触媒温度上昇リッチ空燃比制御と触媒温度低下リッチ空燃比制御とが交互に行われている間において予め定められた期間に亘って前記リッチ空燃比差が積算され、該リッチ空燃比差の積算値が予め定められた値よりも大きいときには前記触媒温度上昇リッチ空燃比制御および触媒温度低下リッチ空燃比制御の少なくとも一方において排気浄化触媒に供給する燃料の量が増大せしめられる。
1番目の発明によれば、排気浄化触媒から流出する排気ガスの空燃比を利用して算出されるリッチ空燃比差に基づいて排気浄化触媒の温度が算出される。ここで排気浄化触媒から流出する排気ガスの空燃比は排気浄化触媒内における温度のバラツキの有無に無関係なパラメータである。したがってこれによれば排気浄化触媒内において温度のバラツキがあったとしても排気浄化触媒の温度を正確に検出することができる。
3番目の発明によれば、排気浄化触媒の温度に関連するリッチ空燃比差変化率と排気浄化触媒の温度の上昇または下降との2つのパラメータに基づいて排気浄化触媒の温度が算出される。したがってこれによれば排気浄化触媒の温度をより正確に検出することができる。
4番目の発明によれば、排気浄化触媒の温度に関連するリッチ空燃比差とリッチ空燃比差変化率との2つのパラメータに基づいて排気浄化触媒の温度が算出される。したがってこれによれば排気浄化触媒の温度をより正確に検出することができる。
5番目の発明によれば、排気浄化触媒の温度に関連するリッチ空燃比差とリッチ空燃比差変化率と排気浄化触媒の温度の上昇または下降との3つのパラメータに基づいて排気浄化触媒の温度が算出される。したがってこれによれば排気浄化触媒の温度をより正確に検出することができる。
6番目の発明によれば、排気浄化触媒の温度に関連するリッチ空燃比差と排気浄化触媒の温度の上昇または下降との2つのパラメータに基づいて排気浄化触媒の温度が算出される。したがってこれによれば排気浄化触媒の温度をより正確に検出することができる。
7番目の発明によれば、リッチ空燃比差に基づいて算出される排気浄化触媒の温度に基づいて排気浄化触媒の温度がパティキュレートを燃焼処理可能な温度に維持される。ここで算出される排気浄化触媒の温度は排気浄化触媒内において温度のバラツキがあったとしても正確に検出される温度である。したがって本発明によれば排気浄化触媒の温度を正確にパティキュレートを燃焼処理可能な温度に維持することができる。
8番目の発明によれば、リッチ空燃比差低下量に基づいて触媒温度上昇制御中に排気浄化触媒に供給する燃料の量が制御される。ここでリッチ空燃比差低下量はパティキュレートを燃焼処理可能な温度に対する排気浄化触媒の温度の制御精度を反映するパラメータであり、このリッチ空燃比差低下量が零よりも小さいことは排気浄化触媒の温度がパティキュレートを燃焼処理可能な温度よりも低いことを意味する。この場合、本発明によれば排気浄化触媒に供給する燃料の量が増大せしめられ、これによれば排気浄化触媒における燃料の燃焼による発熱量が増大し、排気浄化触媒の温度がより上昇せしめられる。このため本発明によれば排気浄化触媒の温度をより正確にパティキュレートを燃焼処理可能な温度に維持することができる。
9番目の発明によれば、リッチ空燃比差上昇量に基づいて触媒温度上昇制御中に排気浄化触媒に供給する燃料の量が制御される。ここでリッチ空燃比差上昇量はパティキュレートを燃焼処理可能な温度に対する排気浄化触媒の温度の制御精度を反映するパラメータであり、このリッチ空燃比差上昇量が零よりも大きいことは排気浄化触媒の温度がパティキュレートを燃焼処理可能な温度よりも高いことを意味する。この場合、本発明によれば排気浄化触媒に供給する燃料の量が減少せしめられ、これによれば排気浄化触媒における燃料の燃焼による発熱量が減少し、排気浄化触媒の温度の上昇が抑制される。このため本発明によれば排気浄化触媒の温度をより正確にパティキュレートを燃焼処理可能な温度に維持することができる。
10番目の発明によれば、リッチ空燃比差に基づいて算出される排気浄化触媒の温度に基づいて排気浄化触媒の温度が該排気浄化触媒からSOxを放出可能な温度に維持される。ここで算出される排気浄化触媒の温度は排気浄化触媒内において温度のバラツキがあったとしても正確に検出される温度である。したがって本発明によれば排気浄化触媒の温度を正確に該排気浄化触媒からSOxを放出可能な温度に維持することができる。
11番目の発明によれば、リッチ空燃比差の積算値に基づいて触媒温度上昇リッチ空燃比制御および触媒温度低下リッチ空燃比制御の少なくとも一方において排気浄化触媒に供給する燃料の量が制御される。ここでリッチ空燃比差の積算値は排気浄化触媒からSOxを放出可能な温度に対する排気浄化触媒の温度の制御精度を反映するパラメータであり、このリッチ空燃比差の積算値が予め定められた値よりも大きいことは排気浄化触媒の温度が該排気浄化触媒からSOxを放出可能な温度よりも低いことを意味する。この場合、本発明によれば排気浄化触媒に供給する燃料の量が増大せしめられ、これによれば排気浄化触媒における燃料の燃焼による発熱量が増大し、排気浄化触媒の温度がより上昇せしめられる。このため本発明によれば排気浄化触媒の温度をより正確に該排気浄化触媒からSOxを放出可能な温度に維持することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1に示されている内燃機関は本発明が適用される内燃機関であって圧縮自着火式の内燃機関である。なお図1に示されている内燃機関は複数の燃焼室、すなわち複数の気筒を備えた多気筒内燃機関であり、図1には特定の1つの気筒のみの構成が示されているが残りの気筒もこれと同じ構成を備えている。また以下では本発明が圧縮自着火式の内燃機関に適用された場合を例にとって本発明の実施形態を説明するが本発明は例えば燃焼室に燃料を直接噴射する筒内噴射型の火花点火式の内燃機関や吸気ポートに燃料を噴射する吸気ポート内噴射型火花点火式の内燃機関にも適用可能である。
図1に示されている内燃機関10はシリンダブロック、シリンダブロックロワケース、およびオイルパン等を含むシリンダブロック部20と、該シリンダブロック部20上に固定されるシリンダヘッド部30と、シリンダブロック部20に空気を供給するための吸気通路40と、シリンダブロック部20からの排気ガスを外部に放出するための排気通路50とを具備する。
シリンダブロック部20はシリンダヘッド21と、ピストン22と、コンロッド23と、クランクシャフト24とを有する。ピストン22はシリンダ21内で往復動し、このピストン22の往復動がコンロッド23を介してクランクシャフト24に伝達され、これによってクランクシャフト24が回転せしめられる。またシリンダ21の内壁面とピストン22の上壁面とシリンダヘッド部30の下壁面とによって燃焼室25が形成されている。
シリンダヘッド部30は燃焼室25に連通する吸気ポート31と、該吸気ポート31を開閉する吸気弁32と、該吸気弁32を駆動する吸気弁駆動機構32aと、燃焼室25に連通する排気ポート33と、該排気ポート33を開閉する排気弁34と、該排気弁34を駆動する排気弁駆動機構34aと、燃料を燃焼室25内に噴射する燃料噴射弁37と、該燃料噴射弁37に燃料を高圧で供給する蓄圧室37aと、該蓄圧室37aに燃料を圧送する燃料ポンプ37bとを有する。吸気弁駆動機構32aおよび排気弁駆動機構34aは駆動回路38に接続されている。
吸気通路40は吸気ポート31に接続された吸気枝管41と、該吸気枝管41に接続されたサージタンク42と、該サージタンク42に接続された吸気ダクト43とを有する。吸気ダクト43にはその上流端から順にエアフィルタ44と、スロットル弁48とが配置されている。スロットル弁48は吸気ダクト43に回転可能に取り付けられており、スロットル弁駆動用アクチュエータ48aによって駆動される。
排気通路50は排気ポート33に接続された排気枝管49と、該排気枝管49に接続された排気管51とを有する。排気管51には排気ガス中の成分を浄化する排気浄化触媒52が配置されている。排気浄化触媒52上流の排気管51には排気浄化触媒52に流入する排気ガスの空燃比を検出する上流側排気空燃比センサ53が配置され、排気浄化触媒52下流の排気管51には排気浄化触媒52から流出する排気ガスの空燃比を検出する下流側排気空燃比センサ54が配置されている。
なお本実施形態において排気ガスの空燃比とは燃焼室25に供給される燃料の量に対する吸気通路40を介して燃焼室25に供給される空気の量の比を意味する。しかしながら例えば排気浄化触媒52上流の排気通路50に燃料(すなわち炭化水素)を供給したり空気を供給したりするようになっている場合、排気ガスの空燃比とは燃焼室25に供給される燃料と排気浄化触媒52上流の排気通路50に供給される燃料とのトータルの量に対する吸気通路40を介して燃焼室25に供給される空気と排気浄化触媒52上流の排気通路50に供給される空気とのトータルの量の比を意味する。
さらに内燃機関10は吸気ダクト43内を流れる空気の流量を検出するエアフローメータ61と、クランクシャフト24の回転位相、すなわちクランク角度を検出するクランクポジションセンサ62と、燃焼室25内の圧力を検出する筒内圧センサ63と、アクセルペダル65の踏込量を検出するアクセル開度センサ64と、電気制御装置(ECU)70とを具備する。クランクポジションセンサ62はクランクシャフト24が1°回転する毎に幅狭のパルスを出力すると共にクランクシャフト24が360°回転する毎に幅広のパルスを出力する。クランクポジションセンサ62が出力するパルスに基づいて内燃機関の回転数(以下「機関回転数」という)を算出可能である。
電気制御装置(ECU)70はマイクロコンピュータからなり、双方向性バスによって互いに接続されたCPU(マイクロプロセッサ)71と、ROM(リードオンリメモリ)72と、RAM(ランダムアクセスメモリ)73と、バックアップRAM74と、AD変換器を含むインターフェース75とを有する。上流側排気空燃比センサ53、下流側排気空燃比センサ54、エアフローメータ61、クランクポジションセンサ62、筒内圧センサ63、およびアクセル開度センサ64はインターフェース75に接続されている。
図2に示されているように排気浄化触媒52はハニカム構造をなしており、互いに平行をなして延びる複数個の排気流通路55、56を有する。これら排気流通路は下流端が栓57によって閉塞された排気ガス流入通路55と、上流端が栓58によって閉塞された排気ガス流出通路56とによって構成されている。なお図2(B)においてハッチングを付した部分は栓58を示している。すなわち排気ガス流入通路55および排気ガス流出通路56は薄肉の隔壁59を介して交互に配置されている。言い換えると排気ガス流入通路55および排気ガス流出通路56は各排気ガス流入通路55が4つの排気ガス流出通路56によって包囲され、各排気ガス流出通路56が4つの排気ガス流入通路55によって包囲されるように配置されている。
また排気浄化触媒52は例えばコージェライトのような多孔質材料から形成されており、したがって排気ガス流入通路55に流入した排気ガスは図2(B)において矢印で示されているように周囲の隔壁59内を通って隣接する排気ガス流出通路56に流出する。また排気浄化触媒52の各排気ガス流入通路55および各排気ガス流出通路56の周壁面、すなわち各隔壁59の両側表面および隔壁59内の細孔内壁面上には例えばアルミナからなる触媒担体80が担持されており、図3はこの触媒担体80の表面部分の断面を図解的に示している。図3に示されているように触媒担体80の表面上には貴金属触媒81が分散して担持されており、さらに触媒担体80の表面上にはNOx吸収剤60の層が形成されている。
上述したように排気ガスは排気浄化触媒52の排気ガス流入通路55内に流入し、該排気ガス流入通路55内を流れ、隔壁59を通って排気ガス流出通路56に流出し、該排気ガス流出通路56内を流れ、排気浄化触媒52から流出する。そして排気ガスが排気浄化触媒52内を流れている間に排気ガス中の微粒子、すなわちパティキュレートは隔壁59の両側表面上および隔壁59内の細孔内壁面上に捕捉される。
このように排気浄化触媒52は排気ガス中のパティキュレートを捕捉する機能を備えていることから排気浄化触媒52はパティキュレートフィルタであるとも言える。
また本実施形態では貴金属触媒81として白金(Pt)が用いられており、NOx吸収剤60を構成する成分としては例えばカリウム(K)、ナトリウム(Na)、セシウム(Cs)のようなアルカリ金属、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)のようなアルカリ土類、ランタン(La)、イットリウム(Y)のような希土類から選ばれた少なくとも一つが用いられている。
NOx吸収剤60は排気ガスの空燃比が理論空燃比よりもリーンであるとき(すなわち、排気ガス中の酸素濃度が高いとき)にはNOxを吸収し、排気ガスの空燃比が理論空燃比または理論空燃比よりもリッチであるとき(すなわち排気ガス中の酸素濃度が低いとき)には吸収したNOxを放出するNOxの吸放出作用を行う。すなわちNOx吸収剤60を構成する成分としてバリウム(Ba)を用いた場合を例にとって説明すると排気ガスの空燃比が理論空燃比よりもリーンであるときときには排気ガス中に含まれるNOは図3(A)に示されているように白金(Pt)81上において酸化されてNO2となり、次いでNOx吸収剤60内に吸収されて酸化バリウム(BaO)と結合しながら硝酸イオン(NO3 −)の形でNOx吸収剤60内に拡散する。このようにしてNOxがNOx吸収剤60内に吸収される。そして排気ガス中の酸素濃度が高い限り白金の表面でNO2が生成され、NOx吸収剤60のNOx吸収能力が飽和しない限りNO2がNOx吸収剤60内に吸収されて硝酸イオンが生成される。
一方、図3(B)に示されているように排気ガスの空燃比が理論空燃比または理論空燃比よりもリッチになると排気ガス中の酸素濃度が低下するために反応が逆方向(NO3 −→NO2)に進み、斯くしてNOx吸収剤60内の硝酸イオンがNO2の形でNOx吸収剤60から放出される。放出されたNOxは排気ガス中に含まれる未燃炭化水素や一酸化炭素によって還元される。
このように排気浄化触媒52は排気ガス中のNOxを還元することによって浄化する機能を備えていることから排気浄化触媒52はNOx浄化触媒であるとも言える。
ところで本実施形態では排気浄化触媒52の温度を様々な目的に応じて所望の温度に制御する。この具体的な排気浄化触媒の温度の制御については後述するがこのように排気浄化触媒52の温度を所望の温度に制御するためには排気浄化触媒52の温度を正確に把握する必要がある。本実施形態では下流側排気空燃比センサの出力に基づいて排気浄化触媒の温度を検出する。次にこの本実施形態に従った排気浄化触媒の温度の検出方法について説明する。
図4は排気空燃比センサ53、54の出力特性を示した図である。図4に示されているように排気空燃比センサは排気空燃比が理論空燃比よりもリーンであるときには1.0Vに近い一定の電圧を出力する。一方、排気空燃比センサは排気空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときには0Vに近い一定の電圧を出力する。そして排気空燃比が理論空燃比よりもリッチからリーンに移行する領域では排気空燃比センサの出力電圧が急激に変化し、排気空燃比が理論空燃比となるところで略0.5Vの電圧を出力する。したがってこの排気空燃比センサによればそれが出力する電圧が1.0Vに近い一定値であるのか或いは0Vに近い一定値であるのかによって排気空燃比が理論空燃比よりもリッチであるのか或いはリーンであるのかを判別することができる。
ところで排気空燃比センサが図4に示されているように電圧を出力する理由は以下の通りである。すなわち排気空燃比センサはジルコニア固体電解質層を有し、該ジルコニア固体電解質層の両面に電極が設けられている。そしてジルコニア固体電解質層の一方の表面は大気に晒され、他方の表面は排気ガスに晒されるようになっている。そしてジルコニア固体電解質層はその両側のガス中の酸素濃度が異なると酸素濃度が高い側のガス中の酸素をイオン化し、該酸素イオンをジルコニア電解質層を通して酸素濃度が低い側のガス中に放出する。ここでジルコニア固体電解質層によって酸素をイオン化されるときに酸素はジルコニア固体電解質層から電子を受け取り、このイオン化された酸素はジルコニア固体電解質層を通って酸素濃度の低い側のガス中に放出されるときに電子を放出する。このためジルコニア固体電解質層の両側に設けられた電極間に電圧が発生する。この電圧が排気空燃比センサが出力する電圧である。基本的には排気空燃比センサは斯くして排気ガス中の酸素濃度に応じた値の電圧、すなわち排気空燃比に応じた値の電圧を出力する。したがって排気空燃比センサが出力する電圧は排気ガス中の酸素濃度にリニアに対応する電圧である。しかしながら上述したように排気空燃比センサの出力電圧は排気空燃比が理論空燃比となるところを境に急激に変化する。これは以下の理由から生じる現象である。すなわちジルコニア電解質層の表面のうち排気ガスに晒される側の表面上には白金がコーティングされている。この白金は還元雰囲気において還元反応を促進する触媒作用を有する。したがって排気空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときには排気空燃比センサに到来する排気ガスは還元雰囲気にあるのでこのときには排気ガス中の酸素が白金の触媒作用によって還元され、排気ガス中の酸素濃度が低下する。このため排気空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときには排気空燃比が理論空燃比よりもリーンであるときに比べて排気空燃比センサの出力電圧がステップ的に大きくなるのである。
ところで排気ガスが還元雰囲気にあるとき、すなわち排気空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときには排気浄化触媒52内において排気ガス中の一酸化炭素と水分とが反応して水素が発生するいわゆる水性反応が行われることが知られている。したがってこの水性反応が排気浄化触媒において行われたときには排気浄化触媒下流の下流側排気空燃比センサ54には水性反応が排気浄化触媒において行われなかったときに比べて水素濃度の高い排気ガスが到来することになる。そして下流側排気空燃比センサに到来した排気ガス中の水素は該下流側排気空燃比センサのジルコニア固体電解質層の表面上にコーティングされた白金の還元作用によって酸素を還元する。ここで水素の拡散速度は一酸化炭素の拡散速度よりも速い。したがって水素は一酸化炭素に比べて速く下流側排気空燃比センサのジルコニア固体電解質層に到達する。したがって水素は一酸化炭素に比べて速く酸素を還元することになる。このときには排気ガス中の水素濃度が低いときに比べて排気ガス中の酸素濃度が速く低下する。このため酸素濃度が高い大気側からジルコニア固体電解質層を通って排気ガス側に放出される酸素イオンの量が多くなり、その結果、図5の鎖線で示されているように下流側排気空燃比センサの出力電圧は排気ガス中の酸素濃度が低いときに比べて高くなる。そして排気浄化触媒において水素が生成されたときの下流側排気空燃比センサの出力電圧と排気浄化触媒において水素が生成されなかったときの下流側排気空燃比センサの出力電圧との差(以下「出力電圧差」という)ΔVは排気浄化触媒において生成された水素の量に比例する。ここで上流側排気空燃比センサ53に到来する排気ガスは排気浄化触媒を通る前の排気ガスである。したがって排気浄化触媒において水素が生成されなかったときの下流側排気空燃比センサの出力電圧は上流側排気空燃比センサの出力電圧に等しいはずである。したがって上記出力電圧差ΔVは下流側排気空燃比センサの出力電圧と上流側排気空燃比センサの出力電圧との差に相当する。
一方、排気空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときに排気浄化触媒52において生成される水素の量は排気浄化触媒の温度(以下「触媒温度」ともいう)に応じて図6に示されているようになることが本願の発明者の研究によって判明した。すなわち触媒温度が温度T1(以下「第1温度T1」という)よりも低い温度領域Aにあるときには触媒温度に係わらず排気浄化触媒において生成される水素の量(以下「水素生成量」という)は零または零に近い値(以下「下限値」という)Hlである。また触媒温度が温度領域Aよりも高い第1温度T1と温度T2(以下「第2温度」という)との間の温度領域B1にあるときには触媒温度が高くなるにつれて水素生成量は下限値Hlから上限値Hhまで多くなる。また触媒温度が温度領域B1よりも高い第2温度T2と温度T3(以下「第3温度T3」という)との間の温度領域B2にあるときには触媒温度に係わらず水素生成量は上限値Hhである。また触媒温度が温度領域B2よりも高い第3温度T3と温度T4(以下「第4温度T4」という)との間の温度領域B3にあるときには触媒温度が高くなるにつれて水素生成量は上限値Hhから下限値Hlまで少なくなる。そして触媒温度が温度領域B3よりも高い第4温度T4よりも高い温度領域Cにあるときには触媒温度に係わらず水素生成量は下限値H1である。このように排気空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときの触媒温度と水素生成量との間に図6に示されているような関係があることから水素生成量が判れば触媒温度も判ることになる。ここで上記出力電圧差、すなわち下流側排気空燃比センサの出力電圧と上流側排気空燃比センサの出力電圧との差は水素生成量に比例する。そこで本実施形態では排気空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときの上記出力電圧差と水素生成量との間の関係を予め実験等によって求めて図7に示されているような出力電圧差ΔVの関数のマップの形で水素生成量Phを内燃機関のECU70に記憶させておく。そして内燃機関の運転中、排気空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときには上記出力電圧差ΔVに基づいて図7のマップから水素生成量Phを算出する。
一方、本実施形態では内燃機関の運転状態、具体的には機関回転数と機関負荷と触媒温度領域との関係を予め実験等によって求めて図8に示されているような機関回転数NEと機関負荷Lとの関数のマップの形で触媒温度領域Rを内燃機関のECU70に記憶させておく。すなわち触媒温度は内燃機関の運転状態(以下「機関運転状態」という)に応じて異なり、機関運転状態からどの温度領域にあるか或る程度推定可能である。そこで本実施形態では機関運転状態を代表する機関回転数と機関負荷とをパラメータとして触媒温度領域を規定するマップを予め実験等によって求めて内燃機関のECU70に記憶させておく。そしてここでの触媒温度領域は図6に示されている触媒温度領域R1〜R4である。すなわち図6に示されている温度領域A、B1、B2、B3、Cのうち隣接する2つの温度領域をそれぞれ含む4つの触媒温度領域R1〜R4である。ここで触媒温度領域R1は温度領域Aと温度領域B1とを含む領域(以下「第1触媒温度領域」という)であり、触媒温度領域R2は温度領域B1と温度領域B2とを含む領域(以下「第2触媒温度領域」という)であり、触媒温度領域R3は温度領域B2と温度領域B3とを含む領域(以下「第3触媒温度領域」という)であり、触媒温度領域R4は温度領域B3と温度領域Cとを含む領域(以下「第4触媒温度領域」という)である。
そして内燃機関の運転中、機関回転数NEと機関負荷Lとに基づいて図8のマップから触媒温度領域Rを求める。さらに触媒温度領域と水素生成量と触媒温度との関係を予め実験等によって求めて図9に示されているような触媒温度領域Rと水素生成量Hとの関数のマップの形で触媒温度Tを内燃機関のECU70に記憶させておく。そして内燃機関の運転中、触媒温度領域Rと水素生成量Hとに基づいて図9のマップから触媒温度Tを求める。
これによれば触媒温度領域が第1触媒温度領域R1であると推定されたときであって且つ水素生成量が下限値Hlであるときには触媒温度として第1温度T1よりも低い温度を表す値が算出される。すなわちこのときには特定の触媒温度は算出されず、触媒温度が第1温度T1よりも低い温度であることを表す値が算出される。一方、触媒温度領域が第1触媒温度領域Rであると推定されたときであって且つ水素生成量が下限値Hlよりも多いときには触媒温度として水素生成量に応じた第1温度T1から第2温度T2までの間の温度が算出される。すなわちこのときには特定の触媒温度が算出される。
また触媒温度領域が第2触媒温度領域R2であると推定されたときであって且つ水素生成量が上限値Hhよりも少ないときには触媒温度として水素生成量に応じた第1温度T1から第2温度T2までの間の温度が算出される。すなわちこのときには特定の触媒温度が算出される。一方、触媒温度領域が第2触媒温度R2であると推定されたときであって且つ水素生成量が上限値Hhであるときには触媒温度として第2温度T2から第3温度T3までの間の温度を表す値が算出される。すなわちこのときには特定の触媒温度は算出されず、触媒温度が第2温度T2から第3温度T3までの間の温度であることを表す値が算出される。
また触媒温度領域が第3触媒温度領域R3であると推定されたときであって且つ水素生成量が上限値Hhであるときには触媒温度として第2温度T2から第3温度T3までの間の温度を表す値が算出される。すなわちこのときには特定の触媒温度は算出されず、触媒温度が第2温度T2から第3温度T3までの間の温度であることを表す値が算出される。一方、触媒温度領域が第3触媒温度領域R3であると推定されたときであって且つ水素生成量が上限値Hhよりも少ないときには触媒温度として水素生成量に応じた第3温度T3から第4温度T4までの間の温度が算出される。すなわちこのときには特定の触媒温度が算出される。
また触媒温度領域が第4触媒温度領域R4であると推定されたときであって且つ水素生成量が下限値Hlよりも多いときには水素生成量に応じた第3温度T3から第4温度T4までの間の温度が算出される。すなわちこのときには特定の触媒温度が算出される。一方、触媒温度領域が第4触媒温度領域R4であると推定されたときであって且つ水素生成量が下限値Hlであるときには第4温度T4よりも高い温度を表す値が算出される。すなわちこのときには特定の触媒温度は算出されず、触媒温度が第4温度T4よりも高い温度であることを表す値が算出される。
なおこの実施形態では出力電圧差に基づいて算出される水素生成量を1つのパラメータとして利用して触媒温度を算出しているが出力電圧差自体を1つのパラメータとして利用して触媒温度を算出するようにしてもよい。さらに出力電圧差は下流側排気空燃比センサの出力電圧と上流側排気空燃比センサの出力電圧との差であり、各排気空燃比センサの出力電圧は排気ガスの空燃比に対応するものである。したがってこのことを考慮すれば上述した実施形態は排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときに下流側排気空燃比センサによって検出される排気ガスの空燃比と上流側排気空燃比センサによって検出される排気ガスの空燃比との差に基づいて排気浄化触媒の温度を算出するものとも言える。
ところで上述した実施形態では機関回転数と機関負荷とに基づいて触媒温度が第1触媒温度領域R1〜第4触媒温度領域R4のいずれの領域にあるかを判定し、ここで判定された触媒温度領域に基づいて触媒温度を算出するようにしている。しかしながらこれに代えて或いはこれに適宜組み合わせて以下のようにして触媒温度を算出するようにしてもよい。
すなわち機関運転状態に基づいて触媒温度が上昇傾向にあるか或いは下降傾向にあるかを判断することができる。ここで触媒温度が温度領域Aにあるときには触媒温度が上昇傾向にあっても下降傾向にあっても水素生成量の変化率は零または略零である。また触媒温度が温度領域Cにあるときにも触媒温度が上昇傾向にあっても下降傾向にあっても水素生成量の変化率は零または略零である。そこで触媒温度が上昇傾向または下降傾向にあると判断された場合に触媒温度領域が第1触媒温度領域R1であると推定されたときであって且つ水素生成量の変化率が零または略零であるときには触媒温度が温度領域Aにあることになるので触媒温度として第1温度T1よりも低い温度を表す値が算出されるようにする。
また触媒温度が温度領域B1にあるときに触媒温度が上昇傾向にあるときには水素生成量の変化率は正の値をとる。一方、触媒温度が温度領域B1にあるときに触媒温度が下降傾向にあるときには水素生成量の変化率は負の値をとる。そこで触媒温度が上昇傾向にあると判断された場合に水素生成量の変化率が正の値であるときには触媒温度が温度領域B1にあることになるので触媒温度として水素生成量に応じた第1温度T1から第2温度T2までの間の温度が算出されるようにする。一方、触媒温度が下降傾向にあると判断された場合に水素生成量の変化率が負の値であるときにも触媒温度が温度領域B1にあることになるので触媒温度として水素生成量に応じた第1温度T1から第2温度T2までの間の温度が算出されるようにする。なおこれらの場合、触媒温度領域が第1触媒温度領域R1から第4触媒温度領域R4のいずれの領域にあるかの情報がなくても触媒温度が温度領域B1にあることを特定することができるので触媒温度領域が第1触媒温度領域R1から第4触媒温度領域R4のいずれの領域にあるかを判定する必要はない。
また触媒温度が温度領域B2にあるときには触媒温度が上昇傾向にあっても下降傾向にあっても水素生成量の変化率は零または略零である。そこで触媒温度が上昇傾向または下降傾向にあると判断された場合に触媒温度領域が第2触媒温度領域R2または第3触媒温度領域R3であると推定されたときであって且つ水素生成量の変化率が零または略零であるときには触媒温度が温度領域B2にあることになるので触媒温度として第2温度T2から第3温度T3までの温度を表す値が算出されるようにする。
また触媒温度が温度領域B3にあるときに触媒温度が上昇傾向にあるときには水素生成量の変化率は負の値をとる。一方、触媒温度が温度領域B3にあるときに触媒温度が下降傾向にあるときには水素生成量の変化率は正の値をとる。そこで触媒温度が上昇傾向にあると判断された場合に水素生成量の変化率が負の値であるときには触媒温度が温度領域B3にあることになるので触媒温度として水素生成量に応じた第3温度T3から第4温度T4までの間の温度が算出されるようにする。一方、触媒温度が下降傾向にあると判断された場合に水素生成量の変化率が正の値であるときにも触媒温度が温度領域B3にあることになるので触媒温度として水素生成量に応じた第3温度T3から第4温度T4までの間の温度が算出されるようにする。なおこれらの場合、触媒温度領域が第1触媒温度領域R1から第4触媒温度領域R4のいずれの領域にあるかの情報がなくても触媒温度が温度領域B3にあることを特定することができるので触媒温度領域が第1触媒温度領域R1から第4触媒温度領域R4のいずれの領域にあるかを判定する必要はない。
また触媒温度が温度領域Cにあるときには触媒温度が上昇傾向にあっても下降傾向にあっても水素生成量の変化率は零または略零である。そこで触媒温度が上昇傾向または下降傾向にあると判断された場合に触媒温度領域が第4触媒温度領域R4であると推定されたときであって且つ水素生成量の変化率が零または略零であるときには触媒温度が温度領域Cにあることになるので触媒温度として第4温度T4よりも高い温度を表す値が算出されるようにする。
なおこの実施形態では出力電圧差に基づいて算出される水素生成量を1つのパラメータとして利用して触媒温度を算出しているが出力電圧差自体を1つのパラメータとして利用して触媒温度を算出するようにしてもよい。さらに出力電圧差は下流側排気空燃比センサの出力電圧と上流側排気空燃比センサの出力電圧との差であり、各排気空燃比センサの出力電圧は排気ガスの空燃比に対応するものである。したがってこのことを考慮すれば上述した第2実施形態は排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときに下流側排気空燃比センサによって検出される排気ガスの空燃比と上流側排気空燃比センサによって検出される排気ガスの空燃比との差の変化率と排気浄化触媒の温度が上昇傾向にあるか下降傾向にあるかとに基づいて排気浄化触媒の温度を算出するものとも言える。
また第2実施形態では排気浄化触媒の温度が上昇傾向にあるか下降傾向にあるかを利用して排気浄化触媒の温度が温度領域B2にあるか温度領域B4にあるかを判定して排気浄化触媒の温度を算出するようにしているが排気浄化触媒の温度が上昇傾向にあるか下降傾向にあるかを利用しなくても排気浄化触媒の温度が温度領域B2にあるか温度領域B4にあるかを判定することができるのであればこれを利用しなくてもよい。したがってこのことを考慮すれば上述した実施形態は広くは排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときに下流側排気空燃比センサによって検出される排気ガスの空燃比と上流側排気空燃比センサによって検出される排気ガスの空燃比との差の変化率に基づいて排気浄化触媒の温度を算出するものとも言える。
もちろん上述した実施形態において排気浄化触媒の温度を算出するときに排気浄化触媒の温度が上昇傾向にあるか下降傾向にあるかを利用してもよい。例えば、水素生成量が下限値Hlと上限値Hhとの間の量である場合、該水素生成量に対応する触媒温度は温度領域B1内の温度と温度領域B3内の温度との2つの温度のいずれかの温度である。ここで触媒温度が上昇傾向にあるときに水素生成量の変化率が零よりも大きい正の値であれば触媒温度は温度領域B1内の温度であり、水素生成量の変化率が零よりも小さい負の値であれば触媒温度は温度領域B3内の温度である。すなわち水素生成量の変化率に基づいて触媒温度が温度領域B1内の温度であるか温度領域B3内の温度であるかを判定することができる。このように上述した実施形態において排気浄化触媒の温度を算出するときに排気浄化触媒の温度が上昇傾向にあるか下降傾向にあるかを利用することができる。そしてこの場合、上述した実施形態は排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときに下流側排気空燃比センサによって検出される排気ガスの空燃比と上流側排気空燃比センサによって検出される排気ガスの空燃比との差と排気浄化触媒の温度が上昇傾向にあるか下降傾向にあるかとに基づいて排気浄化触媒の温度を算出するものと言える。
また上述した実施形態において触媒温度が温度領域Aまたは温度領域Cにあるときには排気浄化触媒において生成される水素が殆どないことからこのときの水素生成量を零とみなすこともできる。すなわち触媒温度が温度領域Aまたは温度領域Cにあるときに算出される水素生成量を誤差とみなすことができる。そこで上述した実施形態において触媒温度が温度領域Aまたは温度領域Cにあるときに算出される水素生成量を基準水素生成量として内燃機関のECU70に記憶させ、排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときに算出される水素生成量から上記基準水素生成量を差し引いた値を最終的な水素生成量としてもよい。これによれば上流側排気空燃比センサまたは下流側排気空燃比センサに空燃比の検出誤差があったとしてもこの空燃比の検出誤差を相殺することができる。
次に上述した実施形態に従った触媒温度の算出を実行するフローチャートの一例を図10および図11を参照して説明する。図10のルーチンが開始されると始めにステップ101において排気空燃比A/Fが理論空燃比よりも小さい(A/F<A/Fst)か否か、すなわち排気空燃比が理論空燃比よりもリッチであるか否かが判別される。ここでA/F<A/Fstであると判別されたときにはルーチンはステップ102に進む。一方、A/F≧A/Fstであると判別されたときにはルーチンはそのまま終了する。
ステップ102では上流側排気空燃比センサの出力電圧Vuが読み込まれる。次いでステップ103において下流側排気空燃比センサの出力電圧Vdが読み込まれる。次いでステップ104において上流側排気空燃比センサの出力電圧と下流側排気空燃比センサの出力電圧との出力電圧差(ΔV=Vd−Vu)が算出される。次いでステップ105においてステップ104において算出された出力電圧差ΔVに対応する水素生成量Hが算出される。次いでステップ106において機関回転数NEが読み込まれる。次いでステップ107において機関負荷Lが読み込まれる。次いでステップ108において触媒温度が属すると推定される触媒温度領域Rが算出される。
次いで図11のステップ109においてステップ108において推定された触媒温度領域Rが第1触媒温度領域R1である(R=R1)か否かが判別される。ここでR=R1であると判別されたときにはルーチンはステップ110に進んでステップ105において算出された水素生成量Hに基づいて触媒温度Tが算出され、ルーチンが終了する。ここでは水素生成量Hが上記下限値Hlであるときには上記第1温度T1よりも低い温度を表す値Tが算出され、水素生成量が上記下限値Hlよりも多いときには水素生成量Hに応じた触媒温度Tが算出される。一方、R≠R1であると判別されたときにはルーチンはステップ111に進む。
ステップ111ではステップ108において推定された触媒温度領域Rが第2触媒温度領域R2である(R=R2)か否かが判別される。ここでR=R2であると判別されたときにはルーチンはステップ112に進んでステップ105において算出された水素生成量Hに基づいて触媒温度Tが算出され、ルーチンが終了する。ここでは水素生成量Hが上記上限値Hhよりも少ないときには水素生成量Hに応じた触媒温度Tが算出され、水素生成量Hが上記上限値Hhであるときには上記第2温度T2から上記第3温度T3までの間の温度を表す値Tが算出される。一方、R≠R2であると判別されたときにはルーチンはステップ113に進む。
ステップ113ではステップ108において推定された触媒温度領域Rが第3触媒温度領域R3である(R=R3)か否かが判別される。ここでR=R3であると判別されたときにはルーチンはステップ114に進んでステップ105において算出された水素生成量Hに基づいて触媒温度Tが算出され、ルーチンが終了する。ここでは水素生成量Hが上記上限値Hhであるときには上記第2温度T2から上記第3温度T3までの間の温度を表す値Tが算出され、水素生成量Hが上記上限値Hhよりも少ないときには水素生成量Hに応じた温度Tが算出される。一方、R≠R3であると判別されたときにはルーチンはステップ115に進む。
ステップ115ではステップ105において算出された水素生成量Hに基づいて触媒温度Tが算出され、ルーチンが終了する。ここでは水素生成量Hが上記下限値Hlよりも多いときには水素生成量に応じた温度Tが算出され、水素生成量Hが上記下限値Hlであるときには上記第4温度T4よりも高い温度を表す値Tが算出される。
次に上述した実施形態(以下「第1実施形態」ともいう)に従った排気浄化触媒の温度の算出を利用した内燃機関の運転状態の制御について説明する。上述したように排気浄化触媒52は排気ガス中のパティキュレートを捕捉する。したがって排気浄化触媒に捕捉されたパティキュレートを何ら処理しなければ排気浄化触媒内の捕捉されているパティキュレートの量が徐々に多くなり、やがては排気浄化触媒がパティキュレートを捕捉することができなくなる。一方、排気浄化触媒の温度(触媒温度)を或る一定の温度よりも高くすれば排気浄化触媒に捕捉されているパティキュレートは燃焼によって処理される。しかしながら触媒温度を過剰に高くすると排気浄化触媒が熱によって劣化してしまう。すなわち排気浄化触媒に捕捉されているパティキュレートを燃焼処理するときには触媒温度をパティキュレートを燃焼処理可能な温度近傍に維持することが好ましい。そこで本実施形態では排気浄化触媒に捕捉されているパティキュレートを燃焼処理するときには以下のようにして触媒温度をパティキュレートを燃焼処理可能な温度近傍に維持する。
すなわち本願の発明者の研究から排気浄化触媒に捕捉されているパティキュレートを燃焼処理ために最適な排気浄化触媒52の温度(触媒温度)は図6の温度領域B3内の温度であることが判明した。したがって本実施形態では排気浄化触媒に捕捉されているパティキュレートを燃焼処理するときには触媒温度をこの温度領域B3内の温度に維持する。すなわち内燃機関の運転中、通常、触媒温度は図6の温度領域Aにある。ここで排気浄化触媒に捕捉されているパティキュレートを燃焼処理すべきであると判断されたときには理論空燃比よりもリーンな空燃比(以下単に「リーン空燃比」という)または理論空燃比の排気ガスが燃焼室25から排出されるように燃焼室に吸入される空気の量と燃料噴射弁37から噴射させる燃料の量とを制御しつつ排気行程中に燃料噴射弁から予め定められた量の燃料を噴射させる制御(以下「触媒温度上昇制御」という)を行う。これによれば排気浄化触媒には燃料と比較的多くの量の酸素とを含んだ排気ガスが供給され、この排気ガス中の燃料が排気浄化触媒において燃焼することによって触媒温度が上昇される。
さらに触媒温度上昇制御が行われている間に予め定められた時間間隔でもって理論空燃比よりもリッチな空燃比(以下単に「リッチ空燃比」という)の排気ガスが燃焼室25から排出されるように燃焼室に吸入される空気の量と燃料噴射弁から噴射させる燃料の量とを制御する。これによれば上流側排気空燃比センサ53および下流側排気空燃比センサ54にリッチ空燃比の排気ガスが到来することになるので上述した第1実施形態に従ってこのときの出力電圧差(上流側排気空燃比センサの出力電圧と下流側排気空燃比センサの出力電圧との差)に基づいて触媒温度を算出することができる。そこで本実施形態では触媒温度上昇制御が行われている間に予め定められた時間間隔でもってリッチ空燃比の排気ガスを燃焼室から排出させ、このときの出力電圧差に基づいて上述した第1実施形態に従って触媒温度を算出する。
そして斯くして算出される触媒温度が図6の温度領域B3に到達した後は以下のように内燃機関の運転を制御する。すなわち触媒温度が温度領域B3に到達した後も触媒温度上昇制御を行い続けていると触媒温度が徐々に上昇し、やがて温度領域B3を外れて高い温度になってしまう。ここで触媒温度が温度領域B3にあるときに排気浄化触媒52にリッチ空燃比の排気ガスが供給されると触媒温度が低下することが判っている。そこで触媒温度が温度領域B3に到達した後はリーン空燃比または理論空燃比の排気ガスを燃焼室25から排出させつつ排気行程中に燃料噴射弁37から予め定められた量の燃料を噴射して触媒温度を上昇させる触媒温度上昇制御と、リッチ空燃比の排気ガスを燃焼室から排出させて触媒温度を低下させる触媒温度低下制御とを予め定められた時間間隔でもって交互に行う。これによれば触媒温度が温度領域B3内において上昇と低下とを繰り返すことになり、その結果、触媒温度が温度領域B3内に維持されることになる。
さらに触媒温度が図6の温度領域B3に到達した後に触媒温度上昇制御を行うときに排気行程中に燃料噴射弁37から噴射させる量を以下のように制御することによって触媒温度を温度領域B3に確実に維持する。すなわち上述したように触媒温度が温度領域B3に到達した後は触媒温度上昇制御と触媒温度低下制御とを予め定められた時間間隔でもって交互に行う。ここで触媒温度上昇制御において触媒温度が上昇せずに逆に低下してしまうと当該触媒温度上昇制御中に触媒温度が温度領域B3を外れて低い温度になってしまうか或いは当該触媒温度上昇制御の直後に行われる触媒温度低下制御において触媒温度が温度領域B3から外れて低い温度になってしまう可能性がある。したがってこの場合には触媒温度上昇制御において排気行程中に燃料噴射弁37から噴射させる燃料の量を増大し、排気浄化触媒52に供給される燃料の量を増大し、排気浄化触媒における燃焼量を増大し、触媒温度が十分に上昇するようにすべきである。ここで触媒温度上昇制御において触媒温度が温度領域B3内において低下してしまった場合、当該触媒温度上昇制御の直前に行われた触媒温度低下制御(この制御中は燃焼室25からリッチ空燃比の排気ガスが排出される)の終了直前または終了時の出力電力差よりも当該触媒温度上昇制御の直後に行われる触媒温度低下制御の開始直後または開始時の出力電圧差のほうが大きくなる。したがって触媒温度上昇制御の直前に行われた触媒温度低下制御の終了直前または終了時の出力電圧差よりも当該触媒温度上昇制御の直後に行われる触媒温度低下制御の開始直後または開始時の出力電圧差のほうが大きいことをもって当該触媒温度上昇制御において触媒温度が温度領域B3内において低下してしまったと判断することができる。
そこで本実施形態では触媒温度が図6の温度領域B3に到達した後に触媒温度上昇制御と触媒温度低下制御とを予め定められた時間間隔でもって交互に行うときには先に行われた触媒温度低下制御(この制御中は燃焼室25からリッチ空燃比の排気ガスが排出される)の終了直前または終了時の出力電圧差から次に行われる触媒温度低下制御の開始直後または開始時の出力電圧差を差し引いた値を出力電圧差上昇量ΔUとして算出する。ここで出力電圧差上昇量ΔUが零よりも小さい負の値であるときには上記2つの触媒温度低下制御の間に行われた触媒温度上昇制御において触媒温度が低下してしまったことになるのでこのときには触媒温度上昇制御において排気行程中に燃料噴射弁37から噴射させる燃料の量を多くする。これによれば触媒温度上昇制御において触媒温度が温度領域B3内においてより確実に上昇せしめられ、その結果、触媒温度がより確実に温度領域B3内に維持される。
なお上述したように触媒温度上昇制御において排気行程中に燃料噴射弁37から噴射させる燃料の量を制御するのに代えて或いはこれに加えて以下のように触媒温度上昇制御において排気行程中に燃料噴射弁から噴射させる燃料の量を制御するようにしてもよい。すなわち上述したように触媒温度が図6の温度領域B3に到達した後は触媒温度上昇制御と触媒温度低下制御とを予め定められた時間間隔でもって交互に行う。ここで触媒温度低下制御において触媒温度が低下せずに逆に上昇してしまうと当該触媒温度低下制御中に触媒温度が温度領域B3を外れて高い温度になってしまうか或いは当該触媒温度低下制御の直後に行われる触媒温度上昇制御において触媒温度が温度領域B3から外れて高い温度になってしまう可能性がある。したがって触媒温度低下制御において触媒温度が上昇してしまうときには触媒温度上昇制御において排気行程中に燃料噴射弁37から噴射させる燃料の量を減少し、排気浄化触媒52に供給される燃料の量を減少し、排気浄化触媒における燃焼量を減少すべきである。ここで触媒温度低下制御において触媒温度が上昇してしまった場合、当該触媒温度低下制御の開始直後または開始時の出力電圧差よりも当該触媒温度低下制御の終了直前または終了時の出力電圧差のほうが小さくなる。したがって触媒温度低下制御の開始直後または開始時の出力電圧差よりも当該触媒温度低下制御の終了直前または終了時の出力電圧差のほうが小さいことをもって当該触媒温度低下制御において触媒温度が温度領域B3内において上昇してしまったと判断することができる。
そこで触媒温度が図6の温度領域B3に到達した後に触媒温度上昇制御と触媒温度低下制御とを予め定められた時間間隔でもって交互に行うときには触媒温度低下制御の開始直後または開始時の出力電圧差から当該触媒温度低下制御の終了直前または終了時の出力電圧差を差し引いた値を出力電圧差低下量ΔDとして算出する。ここで出力電圧差低下量ΔDが零よりも大きい正の値であるときには当該触媒温度低下制御において触媒温度が上昇してしまったことになるのでこのときには触媒温度上昇制御において排気行程中に燃料噴射弁37から噴射させる燃料の量を少なくする。これによれば触媒温度低下制御において触媒温度が温度領域B3内においてより確実に低下せしめられ、その結果、触媒温度がより確実に温度領域B3内に維持される。
なお上述したように出力電圧差低下量ΔDが零よりも大きい正の値であるときに触媒温度上昇制御における排気行程中に燃料噴射弁37から噴射させる燃料の量を少なくする代わりに触媒温度低下制御を2回以上連続して行うようにしてもよい。これによれば触媒温度低下制御が行われる期間が長くなることから触媒温度低下制御において触媒温度が温度領域B3内においてより確実に低下せしめられ、その結果、触媒温度がより確実に温度領域B3内に維持される。
なお触媒温度が図6の温度領域B3に到達した後に触媒温度低下制御を行っているときにはリッチ空燃比の排気ガスが上流側排気空燃比センサ53および下流側排気空燃比センサ54に到来することになるので出力電圧差(上流側排気空燃比センサの出力電圧と下流側排気空燃比センサの出力電圧との差)に基づいて触媒温度を算出することができる。そこで上述した実施形態において触媒温度低下制御を予め定められた時間間隔毎に行う代わりに触媒温度低下制御を行っている間に触媒温度を算出し、この算出された触媒温度が温度領域B3の下限温度T3に到達するまで触媒温度低下制御を行い、触媒温度が下限温度T3に到達したときに触媒温度上昇制御を行うようにしてもよい。
さらに上述した実施形態において触媒温度が図6の温度領域B3に到達した後に予め定められた時間間隔毎に触媒温度上昇制御を行う代わりに触媒温度上昇制御を行っている間に間欠的に短い期間だけリッチ空燃比の排気ガスを燃焼室から排出させてこのときに出力電圧差(上流側排気空燃比センサの出力電圧と下流側排気空燃比センサの出力電圧との差)に基づいて触媒温度を算出し、この算出された触媒温度が温度領域B3の上限温度T4に到達するまで触媒温度上昇制御を行い、触媒温度が上限温度T4に到達したときに触媒温度低下制御を行うようにしてもよい。
なお上述した実施形態では先の触媒温度低下制御の終了直前または終了時の出力電圧差と次の触媒温度低下制御の開始直後または開始時の出力電圧差とに基づいて、或いは、触媒温度低下制御の開始直後または開始時の出力電圧差と当該触媒温度低下制御の終了直前または終了時の出力電圧差とに基づいて触媒温度上昇制御において排気行程中に燃料噴射弁から噴射させる燃料の量を制御することによって触媒温度を排気浄化触媒に捕捉されているパティキュレートを燃焼処理可能な温度に維持している。したがって上述した実施形態は広くは出力電圧差、すなわち上流側排気空燃比センサの出力電圧と下流側排気空燃比センサの出力電圧との差に基づいて排気浄化触媒の温度を該排気浄化触媒に捕捉されているパティキュレートを燃焼処理可能な温度に維持するものとも言える。また各排気空燃比センサの出力電圧は排気ガスの空燃比に対応するものである。したがってこのことを考慮すれば上述した実施形態は広くは上流側排気空燃比センサによって検出される排気ガスの空燃比と下流側排気空燃比センサによって検出される排気ガスの空燃比との差に基づいて排気浄化触媒の温度を該排気浄化触媒に捕捉されているパティキュレートを燃焼処理可能な温度に維持するものとも言える。
次に上述した実施形態(以下「第2実施形態」ともいう)に従った排気浄化触媒に捕捉されているパティキュレートの燃焼処理を実行するフローチャートの一例を図12および図13を参照して説明する。図12のルーチンが開始されると始めにステップ201において排気浄化触媒に捕捉されているパティキュレートの量Apが予め定められた量Apthよりも多い(Ap>Apth)か否か、すなわち排気浄化触媒に捕捉されているパティキュレートを燃焼処理する必要があるか否かが判別される。ここでAp>Apthであると判別されたときには排気浄化触媒に捕捉されているパティキュレートを燃焼処理する必要があると判断されたことになるのでルーチンはステップ202以降に進んで排気浄化触媒に捕捉されているパティキュレートの燃焼処理が行われる。一方、Ap≦Apthであると判別されたときには排気浄化触媒に捕捉されているパティキュレートを燃焼処理する必要がないと判断されたことになるのでルーチンはそのまま終了する。
ステップ202では触媒温度が図6の温度領域B3の下限温度T3を超えてから経過した時間tpが予め定められた時間tpthよりも短い(tp<tpth)か否か、すなわち排気浄化触媒に捕捉されているパティキュレートの燃焼処理が開始されてから該パティキュレートが十分に燃焼処理されるだけの時間が経過したか否かが判別される。ここでtp<tpthであると判別されたときにはパティキュレートの燃焼処理が開始されてからパティキュレートが十分に燃焼処理されるだけの時間が経過していないと判断されたことになるのでルーチンはステップ203以降に進んで排気浄化触媒に捕捉されているパティキュレートの燃焼処理が継続される。一方、tp≧tpthであると判別されたときにはパティキュレートの燃焼処理が開始されてからパティキュレートが十分に燃焼処理されるだけの時間が経過したと判断されたことになるのでルーチンはステップ208に進んで触媒温度が温度領域B3の下限温度T3に到達したことを示すフラグF3がリセットされ(F3←0)、ルーチンが終了する。
ステップ203では触媒温度Tが図6の温度領域B3の下限温度T3よりも高い(T>T3)か否か、すなわち触媒温度が温度領域B3に到達しているか否かが判別される。ここでT>T3であると判別されたときにはルーチンはステップ204に進んで触媒温度が温度領域B3の下限温度T3に到達したことを示すフラグF3がセットされ(F3←1)、次いでルーチンは図13のステップ209以降に進んで触媒温度上昇制御と触媒温度低下制御とが予め定められた時間間隔でもって交互に行われる。一方、T≦T3であると判別されたときにはルーチンはステップ205に進む。
ステップ205では触媒温度が温度領域B3の下限温度T3の下限温度T3に到達したことを示すフラグF3がリセットされている(F3=0)か否かが判別される。ここでF3=0であると判別されたときにはルーチンはステップ206に進んで触媒温度上昇制御が実行され、次いでステップ207において触媒温度上昇制御が行われていることを示すフラグFuがセットされ(Fu←1)、ルーチンが終了する。一方、F3≠0である、すなわちF3=1であると判別されたときにはルーチンは図13のステップ209以降に進んで触媒温度上昇制御と触媒温度低下制御とが予め定められた時間間隔でもって交互に行われる。
図13のステップ209では触媒温度上昇制御が行われていることを示すフラグFuがセットされている(Fu=1)か否かが判別される。ここでFu=1であると判別されたときにはルーチンはステップ210に進んで触媒温度低下制御が触媒温度上昇制御に切り替わってから経過した時間(以下「切替後経過時間」という)tが予め定められた時間tthよりも短い(t<tth)か否かが判別される。ここでt<tthであると判別されたときにはルーチンはステップ211に進んで切替後経過時間tがインクリメントされ(t←t+1)、ルーチンはステップ212に進む。一方、t≧tthであると判別されたときにはルーチンはステップ217に進んで切替後経過時間tがリセットされ(t←0)、ルーチンはステップ220に進む。
ステップ212では触媒温度上昇制御が実行され或いは既に触媒温度上昇制御が実行されているときには触媒温度上昇制御の実行が継続され、次いでステップ213において触媒温度上昇制御が行われていることを示すフラグFuがセットされ(Fu←1)、ルーチンが終了する。
ステップ209において触媒温度上昇制御が行われていることを示すフラグFuがリセットされている(Fu≠1、すなわちFu=0)であると判別されたときにはルーチンはステップ218に進んで切替後経過時間tが予め定められた時間tthよりも短い(t<tth)か否かが判別される。ここでt<tthであると判別されたときにはルーチンはステップ219に進んで切替後経過時間tがインクリメントされ(t←t+1)、ルーチンはステップ220に進む。一方、t≧tthであると判別されたときにはルーチンはステップ214に進んで切替後経過時間tがリセットされ(t←0)、ルーチンはステップ215に進む。
ステップ215では先の触媒温度低下制御の終了直前または終了時の出力電圧差から今回の触媒温度低下制御の開始直後または開始時の出力電圧差を差し引いた値、すなわち出力電圧差上昇量ΔUが零よりも小さい(ΔU<0)か否かが判別される。ここでΔU<0であると判別されたときにはルーチンはステップ216に進んでこれから実行される触媒温度上昇制御において排気行程中に燃料噴射弁から噴射させる燃料の量TAUを予め定められた量kだけ増大させ(TAU←TAU+k)、ルーチンは上述したステップ212に進む。一方、ΔU≧0であると判別されたときにはそのまま上述したステップ212に進む。
ステップ220では触媒温度低下制御が実行され或いは既に触媒温度低下制御が実行されているときには触媒温度低下制御の実行が継続され、次いでステップ221において触媒温度上昇制御が実行されていることを示すフラグFuがリセットされ(Fu←0)、ルーチンが終了する。
ところで排気ガス中には硫黄酸化物(SOx)、すなわちSO2が含まれており、このSO2が排気浄化触媒52に流入するとこのSO2はNOx吸収剤60の白金(Pt)において酸化されてSO3となる。次いでこのSO3はNOx吸収剤内に吸収されて酸化バリウム(BaO)と結合しながら硫酸イオン(SO4 2−)の形でNOx吸収剤内に拡散し、安定した硫酸塩(BaSO4)を生成する。この硫酸塩は安定していて分解しづらく、排気ガスの空燃比を単に理論空燃比よりもリッチにしただけでは分解されずにそのまま残る。したがってNOx吸収剤内には時間が経過するにつれて硫酸塩が増大することになり、斯くして時間が経過するにつれてNOx吸収剤が吸収しうるNOxの量が低下することになる。一方、排気浄化触媒の温度、すなわちNOx吸収剤の温度を600℃以上の温度まで上昇させた状態でフィルタに流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比よりもリッチにするとNOx吸収剤からSOxが放出される。しかしながら排気浄化触媒の温度を過剰に高くすると排気浄化触媒が熱によって劣化してしまう。すなわちSOxから排気浄化触媒を放出させるときには排気浄化触媒の温度をSOxを放出可能な温度(すなわち約600℃)近傍に維持することが好ましい。そこで本実施形態では排気浄化触媒に吸収されているSOxを排気浄化触媒から放出させるときには以下のようにして排気浄化触媒の温度をSOxを放出可能な温度近傍に維持する。
すなわち本願の発明者の研究から排気浄化触媒に吸収されているSOxを排気浄化触媒から放出させるために最適な排気浄化触媒52の温度(触媒温度)は図6の温度領域C内の温度であって温度領域B3に近い温度、すなわち温度領域B3と温度領域Cとの境界をなす第4温度T4であることが判明した。したがって本実施形態では排気浄化触媒に吸収されているSOxを排気浄化触媒から放出させるときには触媒温度を第4温度T4に維持する。すなわち内燃機関の運転中、通常、触媒温度は図6の温度領域Aにある。ここで排気浄化触媒に吸収されているSOxを排気浄化触媒から放出させるべきであると判断されたときにはリーン空燃比または理論空燃比の排気ガスが燃焼室25から排出されるように燃焼室に吸入される空気の量と燃料噴射弁37から噴射させる燃料の量とを制御しつつ排気行程中に燃料噴射弁から予め定められた量の燃料を噴射させる制御(以下「触媒温度上昇制御」という)を行う。これによれば排気浄化触媒には燃料と比較的多くの量の空気とを含んだ排気ガスが供給され、この排気ガス中の燃料が排気浄化触媒において燃焼することによって触媒温度が上昇される。
さらに触媒温度上昇制御が行われている間に予め定められた時間間隔でもってリッチ空燃比の排気ガスが燃焼室25から排出されるように燃焼室に吸入される空気の量と燃料噴射弁から噴射させる燃料の量とを制御する。これによれば上流側排気空燃比センサ53および下流側排気空燃比センサ54にリッチ空燃比の排気ガスが到来することになるので上述した第1実施形態に従ってこのときの出力電圧差(上流側排気空燃比センサの出力電圧と下流側排気空燃比センサの出力電圧との差)に基づいて触媒温度を算出することができる。そこで本実施形態では触媒温度上昇制御が行われている間に予め定められた時間間隔でもってリッチ空燃比の排気ガスを燃焼室から排出させ、このときの出力電圧差に基づいて上述した第1実施形態に従って触媒温度を算出する。
そして斯くして算出される触媒温度が図6の温度領域Cに到達した後は以下のように内燃機関の運転を制御する。すなわち触媒温度が温度領域Cに到達した後も触媒温度上昇制御を行い続けていると触媒温度が徐々に上昇し、第4温度T4を外れて高い温度になってしまうし、排気浄化触媒52に供給される排気ガスの空燃比がリッチ空燃比でなければ排気浄化触媒からSOxを放出させることができない。そこでリーン空燃比または理論空燃比の排気ガスを燃焼室25から排出させると共に触媒温度を上昇させ且つ排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比がリッチ空燃比となるのに十分な量の燃料を排気行程中に燃料噴射弁37から噴射する制御(以下「触媒温度上昇リッチ空燃比制御」という)と、リーン空燃比または理論空燃比の排気ガスを燃焼室から排出させると共に触媒温度を低下させ且つ排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比がリッチ空燃比となるのに十分な量の燃料を排気行程中に燃料噴射弁から噴射する制御(以下「触媒温度低下リッチ空燃比制御」という)とを予め定められた時間間隔でもって交互に行う。これによれば触媒温度が第4温度T4近傍で上昇と低下とを繰り返すことになり、その結果、触媒温度が第4温度T4に維持されることになる。
さらに触媒温度が図6の温度領域Cに到達した後に触媒温度上昇リッチ空燃比制御または触媒温度低下リッチ空燃比制御を行うときに排気行程中に燃料噴射弁37から噴射させる燃料の量を以下のように制御することによって触媒温度を第4温度T4に確実に維持する。すなわち上述したように触媒温度が温度領域Cに到達した後は触媒温度上昇リッチ空燃比制御と触媒温度低下リッチ空燃比制御とを予め定められた時間間隔でもって交互に行う。ここで触媒温度上昇リッチ空燃比制御において触媒温度が十分に上昇せず或いは触媒温度低下リッチ空燃比制御において触媒温度が過剰に低下してしまうと触媒温度が第4温度T4を越えて低い温度になってしまう可能性がある。したがってこの場合には触媒温度上昇リッチ空燃比制御において排気行程中に燃料噴射弁から噴射させる燃料の量を増大し、排気浄化触媒52に供給される燃料の量を増大し、排気浄化触媒における燃焼量を増大し、触媒温度が十分に上昇するようにするか、或いは、触媒温度低下リッチ空燃比制御において排気行程中に燃料噴射弁から噴射させる燃料の量を増大し、排気浄化触媒に供給される燃料の量を増大し、排気浄化触媒における燃焼量を増大し、触媒温度が過剰に低下しないようにするべきである。ここで触媒温度上昇リッチ空燃比制御と触媒温度低下リッチ空燃比制御とを交互に行っている間において触媒温度が温度領域Cにあれば出力電圧差(上流側排気空燃比センサ53の出力電圧と下流側排気空燃比センサ54の出力電圧との差)は零または略零である。一方、触媒温度が温度領域B3にあれば触媒温度が低くなるほど出力電圧差は大きくなる。したがって触媒温度上昇リッチ空燃比制御と触媒温度低下リッチ空燃比制御とが交互に行われているときに触媒温度が温度領域B3と温度領域Cとの境界をなす第4温度T4に維持されていれば或る期間における出力電圧差の積算値は零または極めて小さい値となる。一方、触媒温度が第4温度T4よりも低くなっている期間が長ければ或る期間における出力電圧差の積算値は比較的大きい値となる。したがって触媒温度上昇リッチ空燃比制御と触媒温度低下リッチ空燃比制御とが交互に行われているときに或る期間における出力電圧差の積算値が比較的大きい値であることをもって触媒温度が第4温度T4よりも低い温度になってしまったと判断することができる。
そこで本実施形態では触媒温度上昇リッチ空燃比制御と触媒温度低下リッチ空燃比制御とが交互に行われているときに触媒温度が第4温度T4に維持されていた場合の予め定められた期間における出力電圧差の積算値を基準出力電圧差として予め実験等によって求めて内燃機関のECU70に記憶させておく。そして内燃機関の運転中、触媒温度上昇リッチ空燃比制御と触媒温度低下リッチ空燃比制御とが交互に行われているときに予め定められた期間における出力電圧差の積算値を算出し、該出力電圧差の積算値が上記基準出力電圧差積算値よりも大きいときには触媒温度上昇リッチ空燃比制御において排気行程中に燃料噴射弁37から噴射させる燃料の量を予め定められた量だけ増大させるか或いは基準出力電圧差積算値からの出力電圧差の積算値の偏差が大きいほど大きい量だけ増大させるか、または、触媒温度低下リッチ空燃比制御において排気行程中に燃料噴射弁から噴射させる燃料の量を予め定められた量だけ増大させるか或いは基準出力電圧差積算値からの出力電圧差の積算値の偏差が大きいほど大きい量だけ増大させる。これによれば触媒温度上昇リッチ空燃比制御と触媒温度低下リッチ空燃比制御とが交互に行われている間において触媒温度がより確実に第4温度T4に維持されることになる。
なお上述した出力電圧差の積算値に基づいた触媒温度の制御の実施形態は触媒温度を図6の温度領域B3の高温側の温度に維持する場合にも利用可能である。すなわち触媒温度上昇リッチ空燃比制御と触媒温度低下リッチ空燃比制御とが交互に行われているときに触媒温度が温度領域B3の高温側の温度に維持されていた場合の予め定められた期間における出力電圧差の積算値を基準出力電圧差として予め実験等によって求めて内燃機関のECU70に記憶させておく。そして内燃機関の運転中、触媒温度上昇リッチ空燃比制御と触媒温度低下リッチ空燃比制御とが交互に行われているときに予め定められた期間における出力電圧差の積算値を算出し、該出力電圧差の積算値が上記基準出力電圧差積算値よりも大きいときには触媒温度が温度領域B3の低温側の温度に維持されているものと判断し、触媒温度上昇リッチ空燃比制御において排気行程中に燃料噴射弁37から噴射させる燃料の量を予め定められた量だけ増大させるか或いは基準出力電圧差積算値からの出力電圧差の積算値の偏差が大きいほど大きい量だけ増大させるか、または、触媒温度低下リッチ空燃比制御において排気行程中に燃料噴射弁から噴射させる燃料の量を予め定められた量だけ増大させるか或いは基準出力電圧差積算値からの出力電圧差の積算値の偏差が大きいほど大きい量だけ増大させる。一方、出力電圧差の積算値が上記基準出力電圧差積算値よりも小さいときには触媒温度が温度領域Cに維持されているものと判断し、触媒温度上昇リッチ空燃比制御において排気行程中に燃料噴射弁から噴射させる燃料の量を予め定められた量だけ減少させるか或いは基準出力電圧差積算値からの出力電圧差の積算値の偏差が大きいほど大きい量だけ減少させるか、または、触媒温度低下リッチ空燃比制御において排気行程中に燃料噴射弁から噴射させる燃料の量を予め定められた量だけ減少させるか或いは基準出力電圧積算値からの出力電圧差の積算値の偏差が大きいほど大きい量だけ減少させる。
もちろんこの実施形態は触媒温度を図6の温度領域B3の低温側の温度に維持する場合、触媒温度を図6の温度領域B2内のいずれかの温度に維持する場合、および、触媒温度を図6の温度領域B1内のいずれかの温度に維持する場合にも同様に利用可能である。
なお上述した実施形態では出力電圧差の積算値に基づいて触媒温度上昇リッチ空燃比制御または触媒温度低下リッチ空燃比制御において排気行程中に燃料噴射弁から噴射させる燃料の量を制御することによって触媒温度を排気浄化触媒からSOxを放出可能な温度に維持している。したがって上述した実施形態は広くは出力電圧差、すなわち上流側排気空燃比センサの出力電圧と下流側排気空燃比センサの出力電圧との差に基づいて排気浄化触媒の温度を該排気浄化触媒からSOxを放出可能な温度に維持するものとも言える。また各排気空燃比センサの出力電圧は排気ガスの空燃比に対応するものである。したがってこのことを考慮すれば上述した実施形態は広くは上流側排気空燃比センサによって検出される排気ガスの空燃比と下流側排気空燃比センサによって検出される排気ガスの空燃比との差に基づいて排気浄化触媒の温度を該排気浄化触媒からSOxを放出可能な温度に維持するものとも言える。
次に上述した実施形態(以下「第4実施形態」ともいう)に従った排気浄化触媒に吸収されているSOxの放出を実行するフローチャートの一例を図14および図15を参照して説明する。図14のルーチンが開始されると始めにステップ301において排気浄化触媒に吸収されているSOxの量Asが予め定められた量Asthよりも多い(As>Asth)か否かが判別され、すなわち排気浄化触媒に吸収されているSOxを排気浄化触媒から放出させる必要があるか否かが判別される。ここでAs>Asthであると判別されたときには排気浄化触媒に吸収されているSOxを排気浄化触媒から放出させる必要があると判断されたことになるのでルーチンはステップ302以降に進んでSOxを排気浄化触媒から放出させる処理が行われる。一方、As≦Asthであると判別されたときにはSOxを排気浄化触媒から放出させる必要がないと判断されたことになるのでルーチンはそのまま終了する。
ステップ302では触媒温度が図6の温度領域Cの下限温度T4を超えてから経過した時間tsが予め定められた時間tsthよりも短い(ts<tsth)か否か、すなわちSOxを排気浄化触媒から放出させる処理が開始されてからSOxが十分に排気浄化触媒から放出されるだけの時間が経過したか否かが判別される。ここでts<tsthであると判別されたときにはSOxを排気浄化触媒から放出させる処理が開始されてからSOxが十分に排気浄化触媒から放出されるだけの時間が経過していないと判断されたことになるのでルーチンはステップ303以降に進んでSOxを排気浄化触媒から放出させる処理が継続される。一方、ts≧tsthであると排気浄化触媒SOxを排気浄化触媒から放出させる処理が開始されてからSOxが十分に排気浄化触媒から放出されるだけの時間が経過したと判断されたことになるのでルーチンはステップ307に進んで触媒温度が温度領域Cの下限温度T4に到達したことを示すフラグF4がリセットされ、ルーチンが終了する。
ステップ303では触媒温度Tが図6の温度領域Cの下限温度T4よりも高い(T>T4)か否か、すなわち触媒温度が温度領域Cに到達しているか否かが判別される。ここでT>T4であると判別されたときにはルーチンはステップ304に進んで触媒温度が温度領域Cの下限温度T4に到達したことを示すフラグF4がセットされ(F4←1)、次いでルーチンは図15のステップ309以降に進んで触媒温度上昇リッチ空燃比制御と触媒温度低下リッチ空燃比制御とが予め定められた時間間隔でもって交互に行われる。一方、T>T4であると判別されたときにはルーチンはステップ305に進む。
ステップ305では触媒温度が温度領域Cの下限温度T4に到達したことを示すフラグF4がリセットされている(F4=0)か否かが判別される。ここでF4=0であると判別されたときにはルーチンはステップ306に進んで触媒温度上昇制御が実行され、ルーチンが終了する。
図15のステップ309では触媒温度上昇リッチ空燃比制御が行われていることを示すフラグFurがセットされている(Fur=1)か否かが判別される。ここでFur=1であると判別されたときにはルーチンはステップ310に進んで触媒温度低下リッチ空燃比制御が触媒温度上昇リッチ空燃比制御に切り替わってから経過した時間(以下「切替後経過時間」という)tが予め定められた時間tthよりも短い(t<tth)か否かが判別される。ここでt<tthであると判別されたときにはルーチンはステップ311に進んで切替後経過時間tがインクリメントされ(t←t+1)、ルーチンはステップ312に進む。一方、t≧tthであると判別されたときにはルーチンはステップ318に進んで切替後経過時間tがリセットされ(t←0)、ルーチンはステップ320に進む。
ステップ312では触媒温度上昇リッチ空燃比制御が実行され或いは既に触媒温度上昇リッチ空燃比制御が実行されているときには触媒温度上昇リッチ空燃比制御の実行が継続され、次いでステップ313において触媒温度上昇リッチ空燃比制御が行われていることを示すフラグFurがセットされ(Fur←1)、ルーチンが終了する。
ステップ309において触媒温度上昇リッチ空燃比制御が行われていることを示すフラグFurがリセットされている(Fur≠1、すなわちFur=0)であると判別されたときにはルーチンはステップ319に進んで切替後経過時間tが予め定められた時間tthよりも短い(t<tth)か否かが判別される。ここでt<tthであると判別されたときにはルーチンはステップ320に進んで切替後経過時間tがインクリメントされ(t←t+1)、ルーチンはステップ321に進む。一方、t≧tthであると判別されたときにはルーチンはステップ314に進んで切替後経過時間tがリセットされ(t←0)、ルーチンはステップ315に進む。
ステップ315では先の触媒温度低下リッチ空燃比制御中にステップ323において算出される出力電圧差の積算値ΣRが予め定められた値、すなわち上述した基準出力電圧差積算値ΣRthよりも大きい(ΣR>ΣRth)か否かが判別される。ここでΣR>ΣRthであると判別されたときにはルーチンはステップ316に進んでこれから実行される触媒温度上昇リッチ空燃比制御において排気行程中に燃料噴射弁から噴射させる燃料の量TAUを予め定められた量kだけ増大させ(TAU←TAU+k)、次いでステップ317において出力電圧差の積算値ΣRがリセットされ(ΣR←0)、ルーチンは上述したステップ312に進む。一方、ΣR≦ΣRthであると判別されたときにはルーチンはそのままステップ317に進んで出力電圧差の積算値ΣRがリセットされ(ΣR←0)、ルーチンは上述したステップ312に進む。
ステップ321では触媒温度低下リッチ空燃比制御が実行され或いは既に触媒温度低下リッチ空燃比制御が実行されているときには触媒温度低下リッチ空燃比制御の実行が継続され、次いでステップ322において触媒温度上昇リッチ空燃比制御が実行されていることを示すフラグFurがリセットされ(Fur←0)、次いでステップ323において出力電圧差の積算値ΣRが算出され、ルーチンが終了する。
なお上述した実施形態において排気浄化触媒の温度を上昇させるときにはリーン空燃比または理論空燃比の排気ガスを燃焼室から排出させると共に排気行程中に燃料噴射弁から予め定められた量の燃料を噴射させ、斯くして排気浄化触媒に燃料を含んだリーン空燃比または理論空燃比の排気ガスを供給している。しかしながらこれに代えて或いはこれに加えて排気浄化触媒上流の排気通路に燃料(すなわち炭化水素)を噴射する手段を配置し、排気浄化触媒の温度を上昇させるときにリーン空燃比または理論空燃比の排気ガスを燃焼室から排出させると共に排気浄化触媒上流の排気通路に燃料(すなわち炭化水素)を噴射させ、斯くして排気浄化触媒に燃料を含んだリーン空燃比または理論空燃比の排気ガスを供給するようにしてもよい。このことを考慮すれば上述した実施形態は広くは排気浄化触媒の温度を上昇させるときにはリーン空燃比または理論空燃比の排気ガスを排気浄化触媒に供給すると共に該排気浄化触媒に燃料を供給するものとも言える。
10…内燃機関、25…燃焼室、37…燃料噴射弁、50…排気通路、52…排気浄化触媒、53…上流側排気空燃比センサ、54…下流側排気空燃比センサ、70…ECU
Claims (11)
- 排気通路に排気浄化触媒を備えた内燃機関において、前記排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比を検出する上流側排気空燃比検出手段と、前記排気浄化触媒から流出する排気ガスの空燃比を検出する下流側排気空燃比検出手段とを具備し、前記下流側空燃比検出手段が前記排気浄化触媒から流出する排気ガス中の成分濃度を検出することによって該排気浄化触媒から流出する排気ガスの空燃比が検出され、前記排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときに前記上流側排気空燃比検出手段によって検出される排気ガスの空燃比と前記下流側排気空燃比検出手段によって検出される排気ガスの空燃比との差がリッチ空燃比差として算出され、該リッチ空燃比差に基づいて排気浄化触媒の温度が算出されることを特徴とする内燃機関。
- 前記排気浄化触媒に流入する排気浄触媒の空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときに算出されるリッチ空燃比差に基づいて該リッチ空燃比差の変化率がリッチ空燃比差変化率として算出され、該リッチ空燃比差変化率に基づいて排気浄化触媒の温度を算出することによってリッチ空燃比差に基づいて排気浄化触媒の温度が算出されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
- 前記排気浄化触媒に流入する排気浄化触媒の空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときに前記排気浄化触媒の温度が変化しているか否かが推定され、前記排気浄化触媒の温度が変化していると推定されるときには該排気浄化触媒の温度が上昇しているか下降しているかが判別され、該排気浄化触媒の温度の上昇または下降と前記リッチ空燃比差変化率とに基づいて排気浄化触媒の温度が算出されることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関。
- 前記排気浄化触媒に流入する排気浄化触媒の空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときに算出されるリッチ空燃比差に基づいて該リッチ空燃比差の変化率がリッチ空燃比差変化率として算出され、該リッチ空燃比差変化率と前記リッチ空燃比差とに基づいて排気浄化触媒の温度が算出されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
- 前記排気浄化触媒に流入する排気浄化触媒の空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときに前記排気浄化触媒の温度が変化しているか否かが推定され、前記排気浄化触媒の温度が変化していると推定されるときには該排気浄化触媒の温度が上昇しているか下降しているかが判別され、該排気浄化触媒の温度の上昇または下降と前記リッチ空燃比差変化率と前記リッチ空燃比差とに基づいて排気浄化触媒の温度が算出されることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関。
- 前記排気浄化触媒に流入する排気浄化触媒の空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときに前記排気浄化触媒の温度が変化しているか否かが推定され、前記排気浄化触媒の温度が変化していると推定されるときには該排気浄化触媒の温度が上昇しているか下降しているかが判別され、該排気浄化触媒の温度の上昇または下降と前記リッチ空燃比差とに基づいて排気浄化触媒の温度が算出されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
- 前記排気浄化触媒が排気ガス中のパティキュレートを捕捉することができ、該排気浄化触媒に捕捉されているパティキュレートの量が予め定められた量を超えたときには該排気浄化触媒の温度がパティキュレートを燃焼処理可能な温度まで上昇せしめられ、該排気浄化触媒の温度が前記リッチ空燃比差に基づいて算出される排気浄化触媒の温度に基づいてパティキュレートを燃焼処理可能な温度に維持されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の内燃機関。
- 前記排気浄化触媒の温度をパティキュレートを燃焼処理可能な温度に維持するときには理論空燃比よりもリーンな空燃比または理論空燃比の排気ガスを排気浄化触媒に供給すると共に該排気浄化触媒に燃料を供給する触媒温度上昇制御と、理論空燃比よりもリッチな空燃比の排気ガスを排気浄化触媒に供給する触媒温度低下制御とが交互に行われ、該触媒温度低下制御の終了直前または終了時のリッチ空燃比差から次の触媒温度低下制御の開始直後または開始時のリッチ空燃比差を差し引いた値がリッチ空燃比差低下量として算出され、該リッチ空燃比差低下量が零よりも小さいときには前記触媒温度上昇制御中に前記排気浄化触媒に供給する燃料の量が増大せしめられることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関。
- 前記排気浄化触媒の温度をパティキュレートを燃焼処理可能な温度近傍に維持するときには理論空燃比よりもリーンな空燃比または理論空燃比の排気ガスを排気浄化触媒に供給すると共に該排気浄化触媒に燃料を供給する触媒温度上昇制御と理論空燃比よりもリッチな空燃比の排気ガスを排気浄化触媒に供給する触媒温度低下制御とが交互に行われ、該触媒温度低下制御の開始直後または開始時のリッチ空燃比差から当該触媒温度低下制御の終了直前または終了時のリッチ空燃比差を差し引いた値がリッチ空燃比差上昇量として算出され、該リッチ空燃比差上昇量が零よりも大きいときには前記触媒温度上昇制御中に前記排気浄化触媒に供給する燃料の量が減少せしめられることを特徴とする請求項9に記載の内燃機関。
- 前記排気浄化触媒が排気ガス中のSOxを吸収することができ、該排気浄化触媒に吸収されているSOxが予め定められた量を超えたときには該排気浄化触媒の温度が該排気浄化触媒からSOxを放出可能な温度まで上昇せしめられ、該排気浄化触媒の温度が前記リッチ空燃比差に基づいて算出される排気浄化触媒の温度に基づいてSOxを排気浄化触媒から放出可能な温度に維持されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の内燃機関。
- 前記排気浄化触媒の温度をSOxを該排気浄化触媒から放出可能な温度に維持するときには理論空燃比よりもリーンな空燃比または理論空燃比の排気ガスを排気浄化触媒に供給すると共に該排気浄化触媒の温度を上昇させ且つ該排気浄化触媒内を還元雰囲気にする量の燃料を該排気浄化触媒に供給する触媒温度上昇リッチ空燃比制御と、理論空燃比よりもリーンな空燃比または理論空燃比の排気ガスを排気浄化触媒に供給すると共に該排気浄化触媒の温度を低下させ且つ該排気浄化触媒内を還元雰囲気にする量の燃料を該排気浄化触媒に供給する触媒温度低下リッチ空燃比制御とが交互に行われ、これら触媒温度上昇リッチ空燃比制御と触媒温度低下リッチ空燃比制御とが交互に行われている間において予め定められた期間に亘って前記リッチ空燃比差が積算され、該リッチ空燃比差の積算値が予め定められた値よりも大きいときには前記触媒温度上昇リッチ空燃比制御および触媒温度低下リッチ空燃比制御の少なくとも一方において排気浄化触媒に供給する燃料の量が増大せしめられることを特徴とする請求項10に記載の内燃機関。
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