JP2010284269A - Oct装置及びその干渉信号レベル制御方法 - Google Patents

Oct装置及びその干渉信号レベル制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】干渉信号を飽和させることなく、かつSNを低下させることなく、適正なレベルの干渉信号を検出し、測定対象の光構造情報を生成する。
【解決手段】OCT計測装置1は、干渉光検出部72から出力される干渉情報の信号強度情報の信号レベルを検出するレベル検出部200と、参照光L2の戻り光L2aの光量を調整する可変光減衰器(VOA)220と、レベル検出部200が検出した干渉情報の信号強度情報の信号レベルに基づいてVOA220を制御する光量制御部210とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明はOCT装置及びその干渉信号レベル制御方法に係り、特に測定対象からの干渉信号を適正レベルにて検出して光構造情報を生成するOCT装置及びその干渉信号レベル制御方法に関する。
従来、生体組織の光断層画像を取得する際に、OCT(Optical Coherence Tomography)計測を利用した光断層画像取得装置が用いられることがある。この光断層画像取得装置は、光源から射出された低コヒーレント光を測定光と参照光とに分割した後、該測定光が測定対象に照射されたときの測定対象からの反射光、もしくは後方散乱光と参照光とを合波し、該反射光と参照光との干渉光の強度に基づいて光断層画像を取得するものである(特許文献1)。以下、測定対象からの反射光、後方散乱光をまとめて反射光と標記する。
上記のOCT計測には、大きくわけてTD−OCT(Time domain OCT)計測とFD−OCT(Fourier Domain OCT)計測の2種類がある。TD−OCT計測は、参照光の光路長を変更しながら干渉光強度を測定することにより、測定対象の深さ方向の位置(以下、深さ位置という)に対応した反射光強度分布を取得する方法である。
一方、FD−OCT計測は、参照光と信号光の光路長は変えることなく、光のスペクトル成分毎に干渉光強度を測定し、ここで得られたスペクトル干渉強度信号を計算機にてフーリエ変換に代表される周波数解析を行うことで、深さ位置に対応した反射光強度分布を取得する方法である。TD−OCTに存在する機械的な走査が不要となることで、高速な測定が可能となる手法として、近年注目されている。
FD−OCT計測を行う装置構成で代表的なものとしては、SD−OCT(Spectral Domain OCT)装置とSS−OCT(Swept Source OCT)の2種類が挙げられる。SD−OCT装置は、SLD(Super Luminescence Diode)やASE(Amplified Spontaneous Emission)光源、白色光といった広帯域の低コヒーレント光を光源に用い、マイケルソン型干渉計等を用いて、広帯域の低コヒーレント光を測定光と参照光とに分割した後、測定光を測定対象に照射させ、そのとき戻って来た反射光と参照光とを干渉させ、この干渉光をスペクトロメータを用いて各周波数成分に分解し、フォトダイオード等の素子がアレイ状に配列されたディテクタアレイを用いて周波数成分毎の干渉光強度を測定し、これにより得られたスペクトル干渉強度信号を計算機でフーリエ変換することにより測定対象の光断層構造情報を取得し、該光断層構造情報より光断層画像を構築するようにしたものである。
一方、SS−OCT装置は、光周波数を時間的に掃引させるレーザを光源に用い、反射光と参照光とを各波長において干渉させ、光周波数の時間変化に対応した信号の時間波形を測定し、これにより得られたスペクトル干渉強度信号を計算機でフーリエ変換することにより測定対象の光断層構造情報を取得し、該光断層構造情報より光断層画像を構築するようにしたものである。
ところで、OCT計測は上述したように特定の領域の光断層像を取得する方法であるが、内視鏡下では、例えば癌病変部を通常照明光内視鏡や特殊光内視鏡の観察により発見し、その領域をOCT測定することで、癌病変部がどこまで浸潤しているかを見わけることが可能となる。また、測定光の光軸を2次元的に走査することで、OCT計測による深さ情報と合わせて3次元的な情報を取得することができる。
OCT計測と3次元コンピュータグラフィック技術の融合により、マイクロメートルオーダの分解能を持つ3次元構造モデルを表示することが可能となる事から、以下ではこのOCT計測による3次元構造モデルを光立体構造像(あるいは光立体構造情報)と呼ぶ。
従来のOCT計測装置においても、OCT計測の自動化は様々行われており、例えば測定対象を超音波計測することで、測定対象が離れてもいいようにOCT計測における光路長を自動調整する技術が開示されている(特許文献2)。
特開2008−128708号公報 特開2006−192059号公報
しかしながら、OCT計測において出力される干渉信号に関しては、従来技術においてはレーザ光源の光量が少ないこともあり光量の自動調整は行われていない。このため、例えばステントなどの金属処置具が留置された計測対象、あるいは反射強度の高い計測対象を計測した場合は、干渉信号を検出する検出器の出力信号が飽和してしまう可能性がある。また、このような飽和を避けるためにレーザ光源の光量(すなわち、測定光及び参照光の光量等)の初期値を小さく設定してしまうと、検出器が検出する干渉信号のSNの低下、測定光の測定対象における深達度が低下する等、の問題が生じる虞がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、干渉信号を飽和させることなく、かつSNを低下させることなく、適正なレベルの干渉信号を検出し、測定対象の光構造情報を生成することのできるOCT装置及びその干渉信号レベル制御方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載のOCT装置は、低干渉光を測定光と参照光に分波して、前記測定光を計測対象の深さ方向に照射し、前記計測対象からの前記測定光の戻り光と前記参照光との干渉信号を検出することにより、前記干渉信号に基づき前記計測対象の光構造情報を生成するOCT装置において、前記戻り光に関する戻り光情報を検出する戻り光情報検出手段と、前記戻り光情報に基づいて前記干渉信号の信号レベルを所定のレベル範囲内に制御する干渉信号レベル制御手段と、を備えて構成される。
請求項1に記載のOCT装置では、前記戻り光情報検出手段にて前記戻り光に関する戻り光情報を検出し、前記干渉信号レベル制御手段にて前記戻り光情報に基づいて前記干渉信号の信号レベルを所定のレベル範囲内に制御することで、干渉信号を飽和させることなく、かつSNを低下させることなく、適正なレベルの干渉信号を検出し、測定対象の光構造情報を生成することができる。
請求項2に記載のOCT装置のように、請求項1に記載のOCT装置であって、前記戻り光情報検出手段は、前記戻り光の光量レベルを前記戻り光情報として検出することが好ましい。
請求項3に記載のOCT装置のように、請求項1に記載のOCT装置であって、前記戻り光情報検出手段は、前記干渉信号の信号レベルを前記戻り光情報として検出することが好ましい。
請求項4に記載のOCT装置のように、請求項1ないし3のいずれか1つに記載のOCT装置であって、前記干渉信号レベル制御手段は、前記参照光の光量を調整する参照光光量調整手段を備え、前記戻り光情報に基づいて前記参照光の光量を調整することにより前記干渉信号の信号レベルを前記所定のレベル範囲内に制御することが好ましい。
請求項5に記載のOCT装置のように、請求項1ないし3のいずれか1つに記載のOCT装置であって、前記干渉信号レベル制御手段は、前記参照光の光量を調整する参照光光量調整手段と、前記戻り光の光量を調整する戻り光光量調整手段と、所定の参照光情報と前記戻り光情報検出手段が検出した前記戻り光情報を比較する光情報比較手段と、を備え、前記光情報比較手段の比較結果を基づき前記参照光光量調整手段または前記戻り光光量調整手段のいずれか一方により前記参照光または前記戻り光の光量を調整することで、前記参照光と前記戻り光の光量比を略1:1の関係に近づけて、前記干渉信号の信号レベルを所定のレベル範囲内に制御することが好ましい。
請求項6に記載のOCT装置のように、請求項5に記載のOCT装置であって、前記所定の参照光情報は前記参照光の所定光量であり、前記戻り光情報検出手段が検出した前記戻り光情報は前記戻り光の光量であって、前記干渉信号レベル制御手段は、前記参照光の所定光量と前記戻り光の光量を比較し、参照光光量調整手段または戻り光光量調整手段により光量が高い前記参照光または前記戻り光のいずれか一方を減衰させ、前記参照光と前記戻り光の光量比を略1:1の関係に近づけることが好ましい。
請求項7に記載のOCT装置のように、請求項1ないし3のいずれか1つに記載のOCT装置であって、前記干渉信号レベル制御手段は、前記戻り光の光量を調整する戻り光光量調整手段を備え、前記戻り光情報に基づいて前記戻り光の光量を調整することにより前記干渉信号の信号レベルを前記所定のレベル範囲内に制御することが好ましい。
請求項8に記載のOCT装置のように、請求項1ないし3のいずれか1つに記載のOCT装置であって、前記干渉信号レベル制御手段は、前記低干渉光の光量を調整する低干渉光光量調整手段を備え、前記戻り光情報に基づいて前記低干渉光の光量を調整することにより前記干渉信号の信号レベルを前記所定のレベル範囲内に制御することが好ましい。
請求項9に記載のOCT装置のように、請求項1ないし8のいずれか1つに記載のOCT装置であって、前記測定光を、前記計測対象の深さ方向を含むスキャン面に沿って走査する測定光走査手段と、前記光構造情報より前記計測対象の光構造断層像を構築する光構造断層像構築手段と、を備えることが好ましい。
請求項10に記載のOCT装置のように、請求項9に記載のOCT装置であって、前記スキャン面を該スキャン面に略直交する方向に走査するスキャン面走査手段と、前記光構造情報より前記計測対象の光立体構造像を構築する光立体構造像構築手段と、をさらに備えることが好ましい。
請求項11に記載のOCT装置の干渉信号レベル制御方法は、低干渉光を測定光と参照光に分波して、前記測定光を計測対象の深さ方向に照射し、前記計測対象からの前記測定光の戻り光と前記参照光との干渉信号を検出することにより、前記干渉信号に基づき前記計測対象の光構造情報を生成する光構造情報生成装置の干渉信号レベル制御方法において、前記戻り光に関する戻り光情報を検出する戻り光情報検出ステップと、前記戻り光情報に基づいて前記干渉信号の信号レベルを所定のレベル範囲内に制御する干渉信号レベル制御ステップと、を備えて構成される。
請求項11に記載のOCT装置の干渉信号レベル制御方法では、前記戻り光情報検出ステップにて前記戻り光に関する戻り光情報を検出し、前記干渉信号レベル制御ステップにて前記戻り光情報に基づいて前記干渉信号の信号レベルを所定のレベル範囲内に制御することで、干渉信号を飽和させることなく、かつSNを低下させることなく、適正なレベルの干渉信号を検出し、測定対象の光構造情報を生成することができる。
以上説明したように、本発明によれば、干渉信号を飽和させることなく、かつSNを低下させることなく、適正なレベルの干渉信号を検出し、測定対象の光構造情報を生成することができるという効果がある。
本発明の実施形態に係るOCT計測装置の構成を示すブロック図 図1のOCT計測装置において走査手段の変形例を示す図 図1の光量制御部の作用を説明するフローチャート 図3のフローチャートを説明するための第1の図 図3のフローチャートを説明するための第2の図 図3のフローチャートを説明するための第3の図 図1のOCT計測装置の変形例1の構成を示すブロック図 図1のOCT計測装置の変形例2の構成を示すブロック図 図1のOCT計測装置の変形例3の構成を示すブロック図 図1のOCT計測装置の変形例4の構成を示すブロック図 図1のOCT計測装置の変形例5の構成を示すブロック図
以下、添付図面を参照して、本発明に係るOCT装置としてのOCT計測装置の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係るOCT計測装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、OCT装置であるOCT計測装置1は、例えば体腔内の生体組織や細胞等の測定対象の断層画像を例えば波長1.3μmを中心とするSS−OCT計測により取得するものであって、OCT光源10、干渉情報検出部70を有するOCT干渉計30、プローブ40、断層画像生成部90及びモニタ100を備えて構成される。
OCT光源10は周波数を一定の周期で掃引させながら赤外領域のレーザ光Lを射出する光源である。
OCT光源10から射出されたレーザ光Lは、OCT干渉計30内の光分波部3により測定光L1と参照光L2とに分波される。光分波部3は、例えば、分岐比90:10の光カプラから構成され、測定光:参照光=90:10の割合で分波する。
OCT干渉計30では、光分波部3により分波された参照光L2は、サーキュレータ5aを介して参照光調整手段としての光路長調整部80により光路長が調整されて反射される。
この光路長調整部80は、断層画像の取得を開始する位置を調整するために参照光L2の光路長を変更するものであり、コリメータレンズ81、82および反射ミラー83を有している。そして、サーキュレータ5aからの参照光L2はコリメータレンズ81、82を透過した後に反射ミラー83により反射され、参照光L2の戻り光L2aは再びコリメータレンズ81、82を介してサーキュレータ5aに入射される。
ここで、反射ミラー83は可動ステージ84上に配置されており、可動ステージ84はミラー移動部85により矢印A方向に移動可能に設けられている。そして可動ステージ84が矢印A方向に移動することにより、参照光L2の光路長が変更するようになっている。そして、光路長調整部80からの参照光L2の戻り光L2aは、サーキュレータ5aを介して光合分波部4に導光される。
一方、光分波部3により分波された測定光L1は、サーキュレータ5b及び光ファイバFBを介してプローブ40に導光される。プローブ40の出射端から測定光L1が出射されて測定対象Tに照射され、その戻り光L3が再びプローブ40に入射し、サーキュレータ5bに戻ってくる。
プローブ40は、入射された測定光L1を光学ロータリコネクタ部41を介して測定対象Tまで導光し、測定対象Tに照射する。また、プローブ40は、測定光L1が測定対象Tに照射されたときの測定対象Tからの戻り光L3を導光する。
測定対象Tの深さ方向をZ、プローブの長手軸方向をX、ZX面に直角な方向をYとすると、プローブ40は、走査手段としての光走査部42内の図示しないモータにより、光学ロータリコネクタ部41から先のファイバ部が回転する構成となっている。ファイバ部の先端側には偏向ミラーが固定され、ファイバ部と共に偏向ミラーを回転させるようになっている。それにより測定対象T上において円周状に測定光L1を走査(ラジアル走査)するようになっており、これによりZY平面の2次元断層画像が計測可能となっている。さらに、光走査部42内の図示しないモータによりプローブ40の先端が測定光L1の走査円が形成する平面に対して垂直な方向Xに進退走査することにより、XYZの3次元断層画像の計測が可能となっている。また、プローブ40は、図示しない光コネクタにより光ファイバFBに対して着脱可能に取り付けられている。
なお、本実施形態では、図示はしないが、例えば、プローブ40が内視鏡の鉗子チャンネル等に挿通可能になっており、内視鏡の挿入部を体腔内に挿入し、内視鏡画像の観察下で体腔内の組織、例えば、大腸、胃等の粘膜組織、気管支内の軟骨組織等を測定対象Tとして鉗子チャンネルを介してプローブ40により測定対象TをOCT計測ができるようになっている。
図2は図1のOCT計測装置において走査手段の変形例を示す図である。
もちろん、プローブ先端形状や走査方向はこれに限るものではなく、例えば、ファイバ先端側に図2に示すように、レンズL及びガルバノミラー等の高速走査ミラーMを配置した光送受部900を設け、測定光L1を測定対象Tに照射し、測定光L1を高速走査ミラーMにより走査を行って光断層構造情報を取得する構成でもよいし、さらに加えてステージSによって高速走査ミラーMによる走査方向に対して、例えば略直交する方向に測定対象Tを進退走査することで光立体構造情報を取得するように構成してもよい。あるいは高速走査ミラーMを用いず、測定対象TをステージSによって2次元的に走査してもよい。あるいは、これら光軸走査機構、および測定試料移動機構を組み合わせて構成してもよい。OCT装置の光軸走査は、このように高速走査ミラーM(ガルバノミラー)を用いたものでも、ステージSによって走査するタイプでも、どれでもよい。
なお、プローブ40の場合、図示しないが、ファイバ部を回転させることなく、プローブ40の先端内部に偏向ミラーを設け、この偏向ミラーのみをモータで回転させてラジアル走査を行うようにしてもよい。
また、測定光L1の走査はラジアル走査及びリニア走査(いわゆる、スパイラル走査)に限らず、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーをプローブ40の先端内部に設け、このMEMSミラーを用いて測定光L1を2次元的に線形走査させてもよい。
測定対象Tからの反射光(あるいは後方散乱光)L3は、OCT干渉計30に導光され、OCT干渉計30にてサーキュレータ5bを介して光合分波部4に導光される。そして、この光合分波部4において測定光L1の反射光(あるいは後方散乱光)L3と参照光L2の戻り光L2aとを合波し干渉情報検出部70側に射出するようになっている。
干渉情報検出部70は、光合分波部4により合波された測定光L1の反射光(あるいは後方散乱光)L3と参照光L2の戻り光L2aとの干渉光L5を、所定のサンプリング周波数で検出するものであり、干渉光L5の光強度を測定するInGaAsフォトディテクタ71aおよび71bと、InGaAsフォトディテクタ71aの検出値とInGaAsフォトディテクタ71bの検出値のバランス検波を行なう干渉光検出部72とを備えている。なお、干渉光L5は、光合分波部4において2分され、InGaAsフォトディテクタ71aおよび71bにおいて検出され、干渉光検出部72に出力される。干渉光検出部72は、OCT光源10の掃引トリガ信号Sに同期して、干渉光L5をフーリエ変換することにより、測定対象Tの各深さ位置における反射光(あるいは後方散乱光)L3の強度を検出する。
断層画像生成部90は、干渉光検出部72により検出された測定対象Tの各深さ位置における反射光(あるいは後方散乱光)L3の強度を干渉情報の信号強度情報としてメモリ91に格納する。断層画像生成部90はメモリ91のほかに、信号処理部93、制御部94を備えて構成される。信号処理部93は、メモリ91に格納された干渉情報の信号強度情報に基づいて測定対象Tの構造情報である断層画像を構築し、断層画像から光立体構造像を生成する。制御部94は、信号処理部93を制御すると共に、OCT光源10の発光制御を行うと共に、ミラー移動部85を制御する。
また、本実施形態のOCT計測装置1は、さらに、干渉光検出部72から出力される干渉情報の信号強度情報の信号レベルを検出する戻り光情報検出手段としてのレベル検出部200と、参照光L2の戻り光L2aの光量を調整する参照光光量調整手段としての可変光減衰器(以下、VOA:Variable Optical Attenuator)220と、レベル検出部200が検出した干渉情報の信号強度情報の信号レベルに基づいてVOA220を制御する光量制御部210を備えている。図1及び図2の場合、干渉信号レベル制御手段は、光量制御部210及びVOA220により構成される。
図3は図1の光量制御部の作用を説明するフローチャートであり、図4ないし図6は図3のフローチャートを説明するための図である。
図3に示すように、光量制御部210は、レベル検出部200にて検出した干渉情報の信号強度情報の信号レベルをレベル検出部200から読み出す(ステップS1)。
そして、光量制御部210は、読み出した干渉情報の信号強度情報の信号レベルが信号処理部93において処理が適切に行えるダイナミックレンジ内、例えば所定の信号レベル範囲L1〜L2内のレベルであるかどうかを判断する(ステップS2)。光量制御部210は、図4に示すように、干渉情報の信号強度情報の信号レベルが所定の信号レベル範囲L1〜L2内にあると判断すると処理をステップS4に移行し、例えば図5のように干渉情報の信号強度情報の信号レベルが飽和している場合、あるいは飽和はしていないが、干渉情報の信号強度情報の信号レベルが所定の信号レベル範囲L1〜L2を超えている場合には処理をステップS3に移行する。
光量制御部210は、干渉情報の信号強度情報の信号レベルが所定の信号レベル範囲L1〜L2を超えていると判断すると、VOA220を制御して参照光L2の戻り光L2aの光量を所定量減衰させて、ステップS1に戻る(ステップS3)。
そして、光量制御部210は、干渉情報の信号強度情報の信号レベルが所定の信号レベル範囲L1〜L2内にあると判断すると、OCT計測が終了するまで、上記ステップS1〜S3の処理を繰り返す(ステップS4)。
このように本実施形態のOCT計測装置1では、光量制御部210がレベル検出部200にて検出した干渉情報の信号強度情報の信号レベルを読み出して、干渉情報の信号強度情報の信号レベルを所定の信号レベル範囲L1〜L2内とするように上記ステップS1〜S3の処理を行い、VOA220を制御するので、干渉光検出部72から出力される干渉情報の信号強度情報の信号レベルが所定の信号レベル範囲L1〜L2内となり、信号処理部93においてダイナミックレンジ内の飽和していない信号レベルの干渉情報の信号強度情報に対してフーリエ変換等の処理を行い、測定対象Tの光構造情報を生成する。
すなわち、本実施形態のOCT計測装置1は、干渉信号を飽和させることなく、かつSNを低下させることなく、適正なレベルの干渉信号を検出し、測定対象の光構造情報を生成することができる。
なお、本実施形態のOCT計測装置1は、図1に示したように、戻り光情報検出手段を干渉光検出部72から出力される干渉情報の信号強度情報の信号レベルを検出するレベル検出部200により構成し、干渉信号レベル制御手段を光量制御部210及びVOA220により構成するとしたが、これに限らず、以下の変形例1〜5のように、戻り光情報検出手段、及び干渉信号レベル制御手段を構成してもよい。
<変形例1>
図7は図1のOCT計測装置の変形例1の構成を示すブロック図である。
OCT計測装置の変形例1としては、図7に示すように、戻り光情報検出手段は、例えばサーキュレータ5bから光合分波部4に導光される反射光(あるいは後方散乱光)L3の光量レベルを戻り光情報として検出するレベル検出部200により構成し、上記本実施形態と同様に、干渉信号レベル制御手段は、光量制御部210及び参照光L2の戻り光L2aの光量を所定量減衰させる参照光光量調整手段としてのVOA220により構成するようにしてもよい。
この変形例1の構成では、図3にて説明したフローチャートにおいて、光量制御部210は、ステップS1にて、レベル検出部200が検出した反射光(あるいは後方散乱光)L3の光量レベルを読み出す。そして、光量制御部210は、ステップS2にて、レベル検出部200から読み出した反射光(あるいは後方散乱光)L3の光量レベルが信号処理部93において処理が適切に行えるダイナミックレンジ内、例えば所定の光量レベル範囲内のレベルであるかどうかを判断する。また、光量制御部210は、反射光(あるいは後方散乱光)L3の光量レベルが所定の光量レベル範囲を超えていると判断すると、ステップS3にてVOA220を制御して参照光L2の戻り光L2aの光量を所定量減衰させて、ステップS1に戻る。
<変形例2>
図8は図1のOCT計測装置の変形例2の構成を示すブロック図である。
OCT計測装置の変形例2としては、図8に示すように、戻り光情報検出手段は、例えばサーキュレータ5bから光合分波部4に導光される反射光(あるいは後方散乱光)L3の光量レベルを戻り光情報として検出するレベル検出部200により構成し、干渉信号レベル制御手段は、光量制御部210及び反射光(あるいは後方散乱光)L3の光量を所定量減衰させる戻り光光量調整手段としてのVOA220により構成するようにしてもよい。
この変形例2の構成では、図3にて説明したフローチャートにおいて、光量制御部210は、ステップS1にて、レベル検出部200が検出した反射光(あるいは後方散乱光)L3の光量レベルを読み出す。そして、光量制御部210は、ステップS2にて、レベル検出部200から読み出した反射光(あるいは後方散乱光)L3の光量レベルが信号処理部93において処理が適切に行えるダイナミックレンジ内、例えば所定の光量レベル範囲内のレベルであるかどうかを判断する。また、光量制御部210は、反射光(あるいは後方散乱光)L3の光量レベルが所定の光量レベル範囲を超えていると判断すると、ステップS3にてVOA220を制御して反射光(あるいは後方散乱光)L3の光量を所定量減衰させて、ステップS1に戻る。
<変形例3>
図9は図1のOCT計測装置の変形例3の構成を示すブロック図である。
OCT計測装置の変形例3としては、図9に示すように、戻り光情報検出手段は、上記本実施形態と同様に、戻り光情報検出手段を干渉光検出部72から出力される干渉情報の信号強度情報の信号レベルを検出するレベル検出部200により構成し、干渉信号レベル制御手段は、光量制御部210及び反射光(あるいは後方散乱光)L3の光量を所定量減衰させる戻り光光量調整手段としてのVOA220により構成するようにしてもよい。
この変形例3の構成では、図3にて説明したフローチャートにおいて、光量制御部210は、ステップS1にて、レベル検出部200が検出した干渉情報の信号強度情報の信号レベルを読み出す。そして、光量制御部210は、ステップS2にて、レベル検出部200から干渉情報の信号強度情報の信号レベルが信号処理部93において処理が適切に行えるダイナミックレンジ内、例えば所定の信号レベル範囲L1〜L2内のレベルであるかどうかを判断する。また、光量制御部210は、干渉情報の信号強度情報の信号レベルが所定の信号レベル範囲L1〜L2を超えていると判断すると、ステップS3にてVOA220を制御して制御して反射光(あるいは後方散乱光)L3の光量を所定量減衰させて、ステップS1に戻る。
<変形例4>
図10は図1のOCT計測装置の変形例4の構成を示すブロック図である。
OCT計測装置の変形例4としては、図10に示すように、戻り光情報検出手段は、上記本実施形態と同様に、戻り光情報検出手段を干渉光検出部72から出力される干渉情報の信号強度情報の信号レベルを検出するレベル検出部200により構成し、干渉信号レベル制御手段は、光量制御部210により構成し、光量制御部210がOCT光源10を制御するようにしてもよい。この変形例4の場合、光量制御部210は、干渉信号レベル制御手段及びOCT光源10からの低干渉光の光量を調整する低干渉光光量調整手段を構成する。
この変形例4の構成では、図3にて説明したフローチャートにおいて、光量制御部210は、ステップS1にて、レベル検出部200が検出した干渉情報の信号強度情報の信号レベルを読み出す。そして、光量制御部210は、ステップS2にて、レベル検出部200から干渉情報の信号強度情報の信号レベルが信号処理部93において処理が適切に行えるダイナミックレンジ内、例えば所定の信号レベル範囲L1〜L2内のレベルであるかどうかを判断する。また、光量制御部210は、干渉情報の信号強度情報の信号レベルが所定の信号レベル範囲L1〜L2を超えていると判断すると、ステップS3にてVOA220を制御して制御してOCT光源10からの低干渉光の光量を所定量減衰させて、ステップS1に戻る。
<変形例5>
図11は図1のOCT計測装置の変形例5の構成を示すブロック図である。
OCT計測装置の変形例5としては、図11に示すように、戻り光情報検出手段は、例えばサーキュレータ5bから光合分波部4に導光される反射光(あるいは後方散乱光)L3の光量レベルを戻り光情報として検出するレベル検出部200により構成し、干渉信号レベル制御手段は、光量制御部210により構成し、光量制御部210がOCT光源10を制御するようにしてもよい。この変形例5の場合、光量制御部210は、干渉信号レベル制御手段及びOCT光源10からの低干渉光の光量を調整する低干渉光光量調整手段を構成する。
この変形例5の構成では、図3にて説明したフローチャートにおいて、光量制御部210は、ステップS1にて、レベル検出部200が検出した反射光(あるいは後方散乱光)L3の光量レベルを読み出す。そして、光量制御部210は、ステップS2にて、レベル検出部200から読み出した反射光(あるいは後方散乱光)L3の光量レベルが信号処理部93において処理が適切に行えるダイナミックレンジ内、例えば所定の光量レベル範囲内のレベルであるかどうかを判断する。また、光量制御部210は、反射光(あるいは後方散乱光)L3の光量レベルが所定の光量レベル範囲を超えていると判断すると、ステップS3にてVOA220を制御して制御してOCT光源10からの低干渉光の光量を所定量減衰させて、ステップS1に戻る。
なお、光量制御部210は、ステップS2(図3参照)において、レベル検出部200から読み出した干渉情報の信号強度情報の信号レベルが信号処理部93において処理が適切に行えるダイナミックレンジ内、例えば所定の信号レベル範囲L1〜L2の間のレベルであるかどうかを判断するとしたが、これに限らず、例えば信号レベルの所定の上限値を設定し、光量制御部210は、この上限値をレベル検出部200から読み出した干渉情報の信号強度情報の信号レベルが超えたかどうかをステップS2にて判断し、この判断結果に基づいてステップS3,S4の処理を行うようにしてもよい。
なお、本実施形態では、光量制御部210は、所定の参照光情報とレベル検出部200(例えば戻り光情報検出手段)が検出した前記戻り光情報を比較する光情報比較手段を備えることができ、該光情報比較手段の比較結果を基づきVOA220(参照光光量調整手段または戻り光光量調整手段のいずれか一方)により参照光または戻り光の光量を調整することで、参照光と戻り光の光量比を略1:1の関係に近づけて、干渉信号の信号レベルを所定のレベル範囲内に制御することができる。
ここで、所定の参照光情報とは、参照光光量測定の受光素子で測定した値でも良いし、最大光量が被検体に依存しない定数なので光量データ(テーブル)でも良い。また、参照光と戻り光の光量比を略1:1の関係に近づけることは、VOA220を介さない場合の光量比に対して、VOA220を介すことで1:1に近づけるという作用であり、厳密に1:1にする必要はない。これにより干渉信号で高いコントラストが得られる。
以上、本発明の光構造情報生成装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
1…OCT計測装置、10…OCT光源、30…OCT干渉計、40…プローブ、70…干渉情報検出部、90…断層画像生成部、91…メモリ、93…信号処理部、94…制御部、100…モニタ、200…レベル検出部、210…光量制御部、220…VOA

Claims (11)

  1. 低干渉光を測定光と参照光に分波して、前記測定光を計測対象の深さ方向に照射し、前記計測対象からの前記測定光の戻り光と前記参照光との干渉信号を検出することにより、前記干渉信号に基づき前記計測対象の光構造情報を生成するOCT装置において、
    前記戻り光に関する戻り光情報を検出する戻り光情報検出手段と、
    前記戻り光情報に基づいて前記干渉信号の信号レベルを所定のレベル範囲内に制御する干渉信号レベル制御手段と、
    を備えたことを特徴とするOCT装置。
  2. 前記戻り光情報検出手段は、前記戻り光の光量レベルを前記戻り光情報として検出することを特徴とする請求項1に記載のOCT装置。
  3. 前記戻り光情報検出手段は、前記干渉信号の信号レベルを前記戻り光情報として検出することを特徴とする請求項1に記載のOCT装置。
  4. 前記干渉信号レベル制御手段は、前記参照光の光量を調整する参照光光量調整手段を備え、前記戻り光情報に基づいて前記参照光の光量を調整することにより前記干渉信号の信号レベルを前記所定のレベル範囲内に制御することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のOCT装置。
  5. 前記干渉信号レベル制御手段は、前記参照光の光量を調整する参照光光量調整手段と、前記戻り光の光量を調整する戻り光光量調整手段と、所定の参照光情報と前記戻り光情報検出手段が検出した前記戻り光情報を比較する光情報比較手段と、を備え、前記光情報比較手段の比較結果を基づき前記参照光光量調整手段または前記戻り光光量調整手段のいずれか一方により前記参照光または前記戻り光の光量を調整することで、前記参照光と前記戻り光の光量比を略1:1の関係に近づけて、前記干渉信号の信号レベルを所定のレベル範囲内に制御することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のOCT装置。
  6. 前記所定の参照光情報は前記参照光の所定光量であり、前記戻り光情報検出手段が検出した前記戻り光情報は前記戻り光の光量であって、前記干渉信号レベル制御手段は、前記参照光の所定光量と前記戻り光の光量を比較し、参照光光量調整手段または戻り光光量調整手段により光量が高い前記参照光または前記戻り光のいずれか一方を減衰させ、前記参照光と前記戻り光の光量比を略1:1の関係に近づけることを特徴とする請求項5に記載のOCT装置。
  7. 前記干渉信号レベル制御手段は、前記戻り光の光量を調整する戻り光光量調整手段を備え、前記戻り光情報に基づいて前記戻り光の光量を調整することにより前記干渉信号の信号レベルを前記所定のレベル範囲内に制御することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のOCT装置。
  8. 前記干渉信号レベル制御手段は、前記低干渉光の光量を調整する低干渉光光量調整手段を備え、前記戻り光情報に基づいて前記低干渉光の光量を調整することにより前記干渉信号の信号レベルを前記所定のレベル範囲内に制御することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のOCT装置。
  9. 前記測定光を、前記計測対象の深さ方向を含むスキャン面に沿って走査する測定光走査手段と、前記光構造情報より前記計測対象の光構造断層像を構築する光構造断層像構築手段と、を備えたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載のOCT装置。
  10. 前記スキャン面を該スキャン面に略直交する方向に走査するスキャン面走査手段と、前記光構造情報より前記計測対象の光立体構造像を構築する光立体構造像構築手段と、をさらに備えたことを特徴とする請求項9に記載のOCT装置。
  11. 低干渉光を測定光と参照光に分波して、前記測定光を計測対象の深さ方向に照射し、前記計測対象からの前記測定光の戻り光と前記参照光との干渉信号を検出することにより、前記干渉信号に基づき前記計測対象の光構造情報を生成するOCT装置の干渉信号レベル制御方法において、
    前記戻り光に関する戻り光情報を検出する戻り光情報検出ステップと、
    前記戻り光情報に基づいて前記干渉信号の信号レベルを所定のレベル範囲内に制御する干渉信号レベル制御ステップと、
    を備えたことを特徴とするOCT装置の干渉信号レベル制御方法。
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