[主要構成]
この実施形態に係るパチンコ機の主要構成について図を参照して説明する。図1は、この実施形態に係るパチンコ機を正面から見た説明図である。
図1に示すように、この実施形態に係るパチンコ機1には、外殻を構成する前枠2が設けられており、その前枠2にはガラス枠3が開閉可能に取付けられている。ガラス枠3の内側には遊技盤5が設けられており、前枠2の前面右下方には、遊技盤5へ遊技球を発射する発射装置を操作する発射ハンドル4が取付けられている。遊技盤5の下方には、払出された賞球や貸球を収容する上受け皿6が設けられており、上受け皿6の下方には、上受け皿6の収容可能数を超えて流下した賞球を収容する下受け皿7が設けられている。
[遊技盤の主要構成]
次に、遊技盤5の主要構成について図を参照して説明する。図2は、遊技盤5の構成を示す説明図であり、(a)は遊技盤の全体の説明図、(b)は(a)においてAで示す領域を拡大して示す説明図、(c)は普通電動役物を拡大して示す説明図である。
遊技盤5の盤面には、多数の遊技釘50が打ち込まれており、遊技釘50によって遊技球の流下経路が形成されている。遊技盤5の盤面の周囲には、発射装置によって発射された遊技球を遊技領域に案内するためのレールセット71が設けられている。レールセット71の終端であって、遊技領域の右上角部には、矢印F2で示す起動で飛んできた遊技球を跳ね返すための返しゴム63が設けられている。
遊技盤5の中央には、センター飾り51が設けられている。このセンター飾り51は、大仏を模した飾りであり、盤面から前方へ突出する立体形状に形成されており、遊技領域の中央においてかなりの面積を占めている。センター飾り51自身の下部には、演出表示装置52が設けられている。この実施形態では、演出表示装置52は、複数のLEDを縦横に配置したドットマトリクスにより構成されている。センター飾り51自身の左端には、遊技球が通過可能な左通過口58が開口形成されている。盤面の左側には、レールセット71の内周に沿って左サイド飾り68が設けられている。左サイド飾り68とセンター飾り51との間には、遊技球が流下する左寄り遊技領域が形成されている。
その左遊技領域には、風車69が回転自在に設けられている。また、図2(b)に示すように、左サイド飾り68には、普通図柄表示装置54と、普通図柄保留数表示装置54aと、第1特別図柄表示装置55と、第2特別図柄表示装置56とが設けられている。普通図柄表示装置54、第1特別図柄表示装置55および第2特別図柄表示装置56は、それぞれLEDにより構成されている。普通図柄表示装置54は、1個のLEDにより構成されており、そのLEDが点灯したときの発光色および消灯したときのLEDの色が普通図柄を構成する。
また、普通図柄表示装置54がLEDを点滅させている状態が、普通図柄が変動表示している状態であり、変動表示が終了したときにLEDが点灯している状態が、普通図柄の当りを示す。普通図柄保留数表示装置54aは、4個のLEDにより構成されており、その点灯数により、普通図柄の保留数を最大4個表示する。
第1特別図柄表示装置55は4個のLEDにより構成されており、第2特別図柄表示装置56は2個のLEDにより構成されている。第1特別図柄表示装置55および第2特別図柄表示装置56において、LEDが点灯したときの発光色および消灯したときのLEDの色が特別図柄を構成する。また、LEDを点滅させている状態が、特別図柄が変動表示している状態である。第1特別図柄表示装置55は、各LEDをランダムに点滅させ、その点滅が停止したときの点灯しているLEDの組合せが特定の組合せであるときに大当りが発生し、その組合せの種類によって大当りの種類が異なる。
たとえば、4個のLEDが点滅を繰り返した後、4個のLEDが総て点灯した状態になった場合は、最大14ラウンドまで大当り遊技を行うことができ、かつ、大当り遊技終了後の遊技状態が確変に変化する大当りが発生し、2個のLEDが点灯した状態になった場合は、最大2ラウンドまで大当り遊技を行うことができ、かつ、大当り遊技終了後の遊技状態が確変に変化する大当りが発生する。
ここで、確変とは、特別図柄および普通図柄が変動表示を開始してから変動表示を終了するまでに要する時間(以下、変動時間という)が短縮され(時短)、かつ、普通電動役物60の開閉翼片60aの開放時間が通常時よりも長くなることにより、単位時間当りに大当りの発生する確率が通常時よりも高い遊技状態のことをいう。
また、第2特別図柄表示装置56は、各LEDをランダムに点滅させ、その点滅が停止したときに少なくとも1個のLEDが点灯しているときの大当りが発生し、点灯しているLEDの数によって大当りの種類が異なる。たとえば、2個のLEDが点滅を繰り返した後、2個のLEDが総て点灯した状態になった場合は、最大14ラウンドまで大当り遊技を行うことができ、かつ、大当り遊技終了後の遊技状態が時短に変化する大当りが発生し、1個のLEDが点灯した状態になった場合は、最大2ラウンドまで大当り遊技を行うことができ、かつ、時短に変化する大当りが発生する。
第1特別図柄表示装置55または第2特別図柄表示装置56が特別図柄を変動表示している間、演出表示装置52が演出図柄を変動表示する。たとえば、演出表示装置52は、連続した複数の数字(たとえば、0〜9)を示す演出図柄を横方向の3箇所において上下方向に変動表示する。また、演出表示装置52は、大当り発生を祝福する演出画像や大当り遊技期間中の演出画像などを表示する。
演出表示装置52の左側には、第1特別図柄表示装置55の保留数を表示する第1保留数表示装置55aが設けられており、右側には第2特別図柄表示装置56の保留数を表示する第2保留数表示装置56aが設けられている。第1保留数表示装置55aおよび第2保留数表示装置56aは、それぞれ4個のLEDにより構成されており、その点灯数により、各特別図柄表示装置の保留数を最大4個ずつの計8個表示する。第1特別図柄表示装置55および第2特別図柄表示装置56が同時に特別図柄を変動表示することはなく、第2特別図柄表示装置56の保留が1以上存在する場合は、第1特別図柄表示装置55は、特別図柄を変動表示しないようになっている。
また、左サイド飾り68には、左袖上入賞口64と、左袖入賞口65と、左下入賞口66とが設けられている。センター飾り51の直下には、第1始動口53が設けられている。この第1始動口53に遊技球が入賞すると、第1特別図柄表示装置55が特別図柄を変動表示する。第1特別図柄表示装置55が特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口53に入賞したときは、その入賞による特別図柄の変動表示は保留され、その保留数は第1保留数表示装置55aにより表示される。
第1始動口53の下方には、大当りが発生したときに、大当り遊技期間に実行される最大のラウンド数を演出により表示するための演出判定表示装置72が設けられている。センター飾り51と盤面の右端との間には、遊技球が流下する右寄り遊技領域が形成されている。その右寄り遊技領域には、右肩入賞口62が設けられており、その下方には、ゲート61が設けられている。
このゲート61を遊技球が通過すると、普通図柄表示装置54が普通図柄を変動表示する。また、普通図柄表示装置54が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート61を通過したときは、その通過による普通図柄の変動表示が保留され、その保留数は普通図柄保留数表示装置54aにより表示される。
ゲート61の下方には、普通電動役物60が設けられている。普通電動役物60は、図2(c)に示すように、一対の開閉翼片60aを備えている。各開閉翼片60aは、その基部が回動可能に軸支されており、その基部の回動によって先端を外方へ開いたり内方へ閉じたりする。図2(c)は、各開閉翼片60aが開いた状態である。普通電動役物60の直上には、遊技釘が存在するため、各開閉翼片60aが閉じた状態では、第2始動口59は遊技球が入賞できない大きさになり、各開閉翼片60aが開くと、第2始動口59が拡張され、遊技球が容易に入賞できる大きさになる。
普通電動役物60の下方には、右サイド飾り70が設けられており、その右サイド飾り70には、開閉部材を有する変動入賞装置57が設けられている。変動入賞装置57は、大当りが発生したときに開閉部材を作動させることにより、大入賞口57aを開口し、所定時間経過後に大入賞口57aを閉口する。遊技盤5自身の下部には、どこにも入賞などしなかった遊技球を回収するためのアウト口67が開口形成されている。
また、遊技盤5は、左寄り遊技領域を流下する遊技球が第1始動口53に入賞し易いように構成されている。このため、遊技者は、通常、遊技球が左寄り遊技領域を流下するように矢印F1で示す領域を狙って遊技球を発射する。また、確変になると、普通電動役物60の開閉翼片60aが開放している時間が通常よりも長くなり、遊技球が第2始動口59に入賞し易くなるため、遊技者は、遊技球が右寄り遊技領域を流下するように矢印F2で示す領域を狙って遊技球を発射する。いわゆる右打ちをする。
[演出表示装置52の主な表示内容]
次に、演出表示装置52の主な表示内容について図を参照して説明する。図3(a)は図柄が変動している状態を示す説明図であり、(b)はリーチの状態を示す説明図であり、(c)は図柄が上下に振動している状態を示す説明図である。
なお、以下の説明では、大当り図柄とは、大当たり判定の結果が大当りのときに、特別図柄の変動表示が終了したときに表示される大当り図柄のことであり、ハズレ図柄とは、大当たり判定の結果がハズレのときに、特別図柄の変動表示が終了したときに表示されるハズレ図柄のことである。また、確定図柄とは、大当り図柄およびハズレ図柄の両方を指す。
さらに、演出大当り図柄とは、大当たり判定の結果が大当りのときに、演出表示装置52が演出図柄の変動表示を終了したときに表示する演出用の大当り図柄のことであり、演出ハズレ図柄とは、大当たり判定の結果がハズレのときに、演出表示装置52が演出図柄の変動表示を終了したときに表示する演出用のハズレ図柄のことである。また、確定演出図柄とは、演出大当り図柄および演出ハズレ図柄の両方を指す。
演出表示装置52は、複数の演出図柄をその画面52aに変動表示する。この実施形態では、演出表示装置52は、図3(a)に示すように、0〜9の連続する数字を表す演出図柄からなる演出図柄列を、画面52aの横方向の3箇所において、数字の昇順に画面52aの上から下へ変動表示する。また、図示しないが、演出表示装置52は、各演出図柄列が変動表示している表示領域の背景にストーリー性を有する動画を表示する。
また、演出表示装置52は、演出図柄を変動表示するときの演出図柄の変動パターンとして、通常変動パターンと、再変動パターンと、リーチパターンとを表示する。ここで、リーチとは、演出図柄が変動表示している複数の表示領域のうち、1つの表示領域のみが演出図柄を変動表示しており、他の表示領域において大当り図柄を構成する演出図柄が確定表示されている状態のことである。
たとえば、図3(b)に示す例では、画面52aの中央の表示領域のみが演出図柄を変動表示しており、左右の表示領域において大当り図柄を構成する図柄「7」が確定表示されている。また、リーチパターンとは、リーチの状態になる変動パターンのことであり、通常変動パターンとは、再変動パターンおよびリーチパターン以外の変動パターンのことである。
再変動パターンとは、総ての表示領域において演出図柄を確定表示する前に、各表示領域において演出図柄の変動を完全に停止させない状態を作り、その状態から所定時間経過後に各表示領域において演出図柄を再度変動表示させる変動パターンのことである。この実施形態では、総ての表示領域において演出図柄の変動表示を開始し、その開始から所定時間経過後にリーチの状態に変化し、最後に変動している演出図柄が完全に停止する直前に、図3(c)に示すように、各表示領域において、既に停止していた演出図柄および停止する直前の演出図柄をそれぞれ上下に振動させ、その振動開始から所定時間経過後に各表示領域において演出図柄の変動表示が再開する変動パターンのことである。なお、以下の説明では、演出図柄が上下に振動している状態のことを疑似変動という。
また、演出図柄の変動開始から総ての表示領域において演出図柄が確定表示されるまでを1回の変動表示とし、最後に変動している演出図柄が停止しそうな状態になってから各表示領域において再度図柄が変動表示する状態になるまでを1回の再変動表示とした場合に、再変動パターンは、1回の変動表示において1回または複数回実行される。また、再変動パターンが実行されているときは、その背景にストーリー性を有する動画が表示される。
また、1回の変動表示において再変動パターンが複数回実行される場合は、再変動パターンが実行される毎に動画のストーリーが進行する。そして、1回の変動表示において再変動パターンが実行される回数が多い程、動画のストーリーが完結する確率が高く、大当り演出図柄が確定表示される確率、つまり、大当りが発生する確率が高い。また、逆に、1回の変動表示において再変動パターンが実行される回数が少なく程、動画のストーリーが未完結に終わる確率が高く、ハズレ演出図柄が確定表示される確率、つまり、ハズレになる確率が高い。
[主な電気的構成]
次に、パチンコ機1の主な電気的構成についてそれをブロックで示す図4を参照して説明する。
パチンコ機1には、主制御基板10が設けられており、その主制御基板10には、主制御用MPU11が搭載されている。主制御用MPU11は、主制御用CPU12と、主制御用ROM13と、主制御用RAM14とを備える。主制御用CPU12は、大当りか否か(ハズレか)の判定(以下、大当り判定という)、大当り図柄および演出大当り図柄の抽選、入賞の検出、賞球の払出命令など、遊技における重要な処理を実行する。また、大当り判定には、通常大当りか否かの判定と、確変大当りか否かの判定とがある。確変大当りとは、大当り遊技終了後の遊技状態が確変に変化することが約束された大当りのことであり、通常大当りとは確変大当りではない大当りのことである。
主制御用ROM13には、主制御用CPU12が上記の処理を実行するためのコンピュータプログラム、各制御基板へ送信する制御コマンド、大当りか否かの判定を行う際に参照する大当り値などが読出し可能に格納されている。主制御用RAM14は、主制御用CPU12が上記のコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に格納する。
主制御基板10には、払出制御基板30が電気的に接続されている。払出制御基板30には、遊技球の払出しを制御する払出制御用MPU31が搭載されており、その払出制御用MPU31は、払出制御用CPU32と、払出制御用ROM33と、払出制御用RAM34とを備える。
払出制御用ROM33には、払出制御用CPU32が実行するコンピュータプログラムなどが読出し可能に格納されている。払出制御用RAM34は、払出制御用CPU32が上記のコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび上書き可能に格納する。
払出制御基板30には、遊技球を払出す部材を駆動するための払出モータ83と、この払出モータ83によって払出された遊技球を検出するための払出センサ85と、払出す遊技球がなくなった状態を検出するための球切れスイッチ86と、下皿7が遊技球で満杯になった状態を検出するための下皿満杯スイッチ(下皿満杯SW)84と、ガラス枠3が開放された状態を検出するための扉開放スイッチ(扉開放SW)90と、遊技球を発射するロータリソレノイドなどの発射装置87とが電気的に接続されている。発射装置87には、発射ハンドル4の回動量に応じて発射装置の発射強度を調節するための発射ボリューム88と、遊技者が発射ハンドル4に触れたことを検出して発射装置87を駆動させるためのタッチセンサ89とが接続されている。
主制御基板10には、盤面中継端子板80が電気的に接続されており、その盤面中継端子板80には、変動入賞装置57を作動させるための大入賞口ソレノイド57bと、普通電動役物60の開閉翼片60aを開閉動作させるための普通電動役物ソレノイド60bと、大入賞口57aに入賞した遊技球を検出するための大入賞口スイッチ(大入賞口SW)57cと、第1始動口53に入賞した遊技球を検出するための第1始動口スイッチ(第1始動口SW)53aと、第2始動口59に入賞した遊技球を検出するための第2始動口スイッチ(第2始動口SW)59aと、ゲート61を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(ゲートSW)61aと、右肩入賞口62に入賞する遊技球を検出するための入賞口スイッチ(入賞口SW)62aと、左袖上入賞口64に入賞した遊技球を検出するための入賞口スイッチ(入賞口SW)64aと、左袖入賞口65に入賞した遊技球を検出するための入賞口スイッチ(入賞口SW)65aと、左下入賞口66に入賞した遊技球を検出するための入賞口スイッチ(入賞口SW)66aと、普通図柄保留数表示装置54aと、第1保留数表示装置55aと、第2保留数表示装置56aとが電気的に接続されている。
主制御基板10には、演出制御基板20が電気的に接続されている。演出制御基板20には、演出制御用MPU21が搭載されており、その演出制御用MPU21は、演出制御用CPU22と、演出制御用ROM23と、演出制御用RAM24とを備える。演出制御用ROM23には、演出表示装置52が演出内容を表示するためのデータと、第1特別図柄表示装置55および第2特別図柄表示装置56が所定の点灯パターンでLEDを点灯させるためのデータとが記録されている。
演出制御用CPU22は、演出表示装置52が表示する演出内容と、第1特別図柄表示装置55および第2特別図柄表示装置56の点灯パターンとを抽選により決定する処理を実行し、その決定された演出内容が演出表示装置52に表示されるように演出表示装置52を制御し、かつ、決定された点灯パターンにてLEDが点灯するように第1特別図柄表示装置55および第2特別図柄表示装置56を制御する。
演出制御基板20には、第1特別図柄表示装置55と、第2特別図柄表示装置56と、普通図柄表示装置54と、演出判定表示装置72と、演出表示装置52と、パチンコ機1に設けられた装飾用LEDの点灯を制御するランプ制御基板81と、遊技中に効果音を出力する音声出力装置(図示せず)を制御する音声制御基板82とが電気的に接続されている。なお、音声制御基板82は、遊技内容に対応する音声をパチンコ機1の所定箇所に設けられたスピーカ(図示省略)から出力する。
[保留発生時の格納内容]
次に、保留が発生したときに主制御用RAM14に格納される内容について図を参照して説明する。図5は、主制御用RAM14に格納される内容を示す説明図である。
第1保留テーブル14aおよび第2保留テーブル14bは、主制御用RAM14に設定されている。第1保留テーブル14aは、遊技球が第1始動口53に入賞したときに発生したデータを格納し、第2保留テーブル14bは、遊技球が第2始動口59に入賞したときに発生したデータを格納する。図中、「保留順位」は、保留が発生した順番である。また、「判定結果」は、遊技球が始動口に入賞したときに主制御用CPU12が行った大当りかハズレの判定の結果である。
「確定演出図柄」は、遊技球が始動口に入賞したときに演出制御用CPU22が抽選により決定した確定演出図柄である。また、図示しないが、第1保留テーブル14aには、第1特別図柄表示装置55の確定特別図柄(点灯するLEDの組合せ)が各保留順位と対応付けて格納されており、第2保留テーブル14bには、第2特別図柄表示装置56の確定特別図柄(点灯するLEDの組合せ)が各保留順位と対応付けて格納されている。
図示の例では、第1保留テーブル14aの保留順位4番目(※)には、「確変大当り」の判定結果と、「777」の確定演出図柄とが格納されている。また、第1保留テーブル14aおよび第2保留テーブル14bは、それぞれ保留順位1〜4まで総てデータが格納されているため、第1保留数U1および第2保留数U2は、それぞれ上限の4になっている。
[演出テーブル]
次に、演出制御用ROM23に格納されている演出テーブルの格納内容について図を参照して説明する。図6(a)〜(d)は、演出テーブルA〜Dの構成を示す説明図である。
各演出テーブルA〜Dは、演出制御用CPU22が演出内容を抽選により選択するときに参照するテーブルであり、演出番号と演出内容とを対応付けて構成されている。演出番号は、演出内容選択カウンタのカウント値と対応している。演出内容選択カウンタは、演出内容を選択するための複数のカウント値をカウントする。演出制御用CPU22は、演出内容を選択するタイミングになったときに演出内容選択カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値に対応付けられている演出内容を選択する。演出内容選択カウンタは、たとえば、リングカウンタである。
また、各演出テーブルA〜Dは、演出内容を構成する動画の数が演出テーブル毎に異なるように設定されている。図中の信頼度とは、大当りの発生する確率の高さを示しており、信頼度が示す数字が大きい程、大当りの発生する確率が高くなる。また、信頼度の高い演出テーブルほど、演出内容を構成する動画の数が多くなるように設定されている。また、各演出内容を構成する動画には、演出図柄の変動パターンも含まれている。
たとえば、図6(a)の演出テーブルAの演出番号0に対応付けられている演出内容「動画A1・A2・A3・A4」には、動画の切替わりタイミングで演出図柄が再変動する再変動パターンが含まれている。さらに、図示しないが、各演出テーブルA〜Dの各演出内容には、第1特別図柄表示装置55および第2特別図柄表示装置56のLEDの点灯パターンも対応付けられている。
図6(a)に示す演出テーブルAは、信頼度4に設定されており、複数の演出番号(0〜7・・)と、4つの動画から構成された演出内容とを対応付けて構成されている。たとえば、演出番号0には、4つの動画A1・A2・A3・A4により構成された演出内容が対応付けられている。また、4つの動画は、それぞれストーリーの起承転結の「起」、「承」、「転」および「結」の内容を表示する。また、図6(b)に示す演出テーブルBは、信頼度3に設定されており、複数の演出番号(0〜7・・)と、3つの動画から構成された演出内容とを対応付けて構成されている。
つまり、3つの動画は、ストーリー性を有する動画の中から少なくともストーリーの最後に表示すべき動画を省いた動画である。たとえば、演出番号0には、3つの動画A1・A2・A3により構成された演出内容が対応付けられており、ストーリーの最後に表示すべき動画A4が省かれている。
また、図6(c)に示す演出テーブルCは、信頼度2に設定されており、複数の演出番号(0〜7・・)と、2つの動画から構成された演出内容とを対応付けて構成されている。たとえば、演出番号0には、2つの動画A1・A2により構成された演出内容が対応付けられている。また、図6(d)に示す演出テーブルDは、信頼度1に設定されており、複数の演出番号(0〜7・・)と、1つの動画から構成された演出内容とを対応付けて構成されている。たとえば、演出番号0には、1つの動画A1により構成された演出内容が対応付けられている。
[演出内容選択テーブル]
次に、演出制御用ROM23に格納されている演出内容選択テーブルの格納内容について図を参照して説明する。図7(a)および(b)は、演出内容選択テーブルEおよびFの構成を示す説明図である。
各演出内容選択テーブルE,Fは、演出制御用CPU22が図6に示した演出テーブルの中から所定の演出テーブルを抽選により選択するときに参照するテーブルであり、演出テーブル選択カウンタのカウント値の範囲と演出テーブルとを対応付けて構成されている。演出テーブル選択カウンタは、複数のカウント値をカウントし、演出制御用CPU22は、演出テーブルを選択するタイミングになったときに演出テーブル選択カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値が含まれるカウント値の範囲と対応付けられている演出テーブルを選択する。
演出テーブル選択カウンタは、たとえば、リングカウンタであり、この実施形態では、0〜499の計500の連続した数値をカウントする。
演出内容選択テーブルEは、大当たり判定の結果が大当りであった場合に演出制御用CPU22が参照するテーブルであり、演出内容選択テーブルFは、大当たり判定の結果がハズレであった場合に演出制御用CPU22が参照するテーブルである。
演出内容選択テーブルEは、0〜349のカウント値の範囲と演出テーブルAとを、350〜424のカウント値の範囲と演出テーブルBとを、425〜474のカウント値の範囲と演出テーブルCとを、475〜499のカウント値の範囲と演出テーブルDとをそれぞれ対応付けて構成されている。つまり、大当たり判定の結果が大当りであった場合に演出制御用CPU22が選択する確率は、演出テーブルAが最も高く、以下、順に演出テーブルB,C,Dの順に低くなり、演出テーブルDが最も低い。
具体的には、選択される確率は、演出テーブルAから順に、70%,15%,10%,5%である。これを信頼度によって表すと、図示のように、演出テーブルAから順に、信頼度4,3,2,1となる。前述したように、演出テーブルA〜Dを構成する動画の数は、順に、4,3,2,1である。つまり、遊技者から見ると、演出表示装置52によって1回の演出図柄の変動表示の期間中に表示される動画の数によって信頼度の大きさを知ることができ、動画の数が多い程、信頼度が高いことが分かる。
また、演出図柄が再変動するときに動画が切替わるため、演出図柄の再変動の回数によって信頼度の大きさを知ることもできる。たとえば、遊技者は、演出テーブルAから所定の演出内容が選択され、1回の演出図柄の変動表示期間中に演出図柄が3回再変動して4つの動画が表示された場合は、信頼度が4であり、大当り発生の確率が最も高いことを知ることができる。
一方、演出内容選択テーブルFにおけるカウント値の範囲と演出テーブルとの対応関係は、演出内容選択テーブルEと逆に設定されている。つまり、選択される確率は、演出テーブルDが最も高く、以下、順に演出テーブルC,B,Aの順に低くなり、演出テーブルAが最も低い。具体的には、選択される確率は、演出テーブルDから順に、70%,15%,10%,5%である。これを信頼度によって表すと、図示のように、演出テーブルAから順に、信頼度4,3,2,1となる。たとえば、遊技者は、演出テーブルDから所定の演出内容が選択され、1回の演出図柄の変動表示期間中に演出表示装置52によって1つの動画だけが表示された場合は、信頼度が1であり、大当り発生の確率が最も低いことを知ることができる。
[主な遊技の流れ]
次に、主な遊技の流れについて図を参照して説明する。
(始動口処理)
図8は、主制御用CPU12が実行する第1始動口処理の流れを示すフローチャートである。ここでは、第1始動口53に入賞したときの第1始動口処理を代表に説明する。
主制御用CPU12は、第1始動口スイッチ53aがオンしたか否か、つまり遊技球が第1始動口53に入賞したか否かを判定する(ステップ(以下、Sと略す)1)。ここで、肯定判定すると(S1:Yes)、第1保留テーブル14aの第1保留数U1を参照し(S2)、第1保留数U1が上限の4未満であるか否かを判定する(S3)。
ここで、肯定判定すると(S3:Yes)、このとき大当り抽選カウンタがカウントした大当り抽選カウンタ値を取得する(S4)。ここで、大当り抽選カウンタとは、主制御用CPU12が大当り判定を行う基準となる大当り抽選カウンタ値をカウントするものであり、複数の数値(たとえば、0〜3490の計3491個の数値)をカウントするリングカウンタである。
続いて、主制御用CPU12は、大当り値を参照し、通常大当りか否かを判定する(S5)。ここで、大当り値とは、通常大当り値(たとえば、3、7、77、333および777)および確変大当り値(たとえば、1111および2222)により構成されている。つまり、先のS4において大当り抽選カウンタから取得した大当り抽選カウンタ値が通常大当り値のいずれかと同一である場合は通常大当りと判定する。ここで、通常大当りと判定した場合は(S5:Yes)、通常大当りの発生を示す通常大当りフラグをオンし(S6)、通常大当り図柄を抽選により決定する(S7)。
通常大当り図柄とは、通常大当り時の大当り図柄および演出大当り図柄を意味する。また、主制御用CPU12は、通常大当りではないと判定した場合は(S5:No)、確変大当りか否かを判定する(S8)。つまり、先のS4において大当り抽選カウンタから取得した大当り抽選カウンタ値が確変大当り値のいずれかと同一である場合は確変大当りと判定する。ここで、確変大当りと判定した場合は(S8:Yes)、確変大当りの発生を示す確変大当りフラグをオンし(S9)、確変大当り図柄を抽選により決定する(S10)。確変大当り図柄とは、確変大当り時の大当り図柄および演出大当り図柄を意味する。
通常大当り図柄および確変大当り図柄は、大当り図柄抽選カウンタを用いて決定する。大当り図柄抽選カウンタは、演出大当り図柄の種類の数と対応する複数の数値(例えば、0〜9の計10個の数値)をカウントするリングカウンタである。主制御用ROM13には、大当り図柄抽選カウンタの各カウンタ値と演出大当り図柄(例えば、000、111〜999の計10種類の大当り図柄)とを対応付けた大当り図柄テーブルが格納されており、主制御用CPU12は、大当り図柄抽選カウンタから取得したカウンタ値と対応付けられている演出大当り図柄を選択する。また、各演出大当り図柄には、大当り図柄も対応付けられており、大当り図柄は演出大当り図柄と共に決定される。
また、演出大当り図柄には、確変演出大当り図柄(たとえば、111、222、333、555、666、777、999)と、通常演出大当り図柄(例えば、000、444、888)とが設定されており、確変大当り判定されているときに通常演出大当り図柄を選択した場合は、いずれかの確変演出大当り図柄を選択するまで演出大当り図柄の選択を繰り返し、通常大当りと判定されているときに確変演出大当り図柄を選択した場合は、いずれかの通常演出大当り図柄を選択するまで演出大当り図柄の選択を繰り返す。たとえば、確変大当りと判定されているときに大当り図柄抽選カウンタから取得したカウンタ値が7であった場合は、確変演出大当り図柄777と、この確変演出大当り図柄と対応付けられている確変大当り図柄とを選択する。
また、主制御用CPU12は、確変大当りではないと判定した場合は(S8:No)、通常大当りフラグがオンしているか否かを判定し(S11)、オンしていないと判定した場合は(S11:No)、ハズレ図柄を抽選により決定する(S12)。ハズレ図柄は、ハズレ図柄抽選カウンタを用いて決定する。ハズレ図柄抽選カウンタは、ハズレ図柄の種類の数と対応する複数の数値(たとえば、0〜9の計10個の数値)をカウントするリングカウンタである。主制御用ROM13には、ハズレ図柄抽選カウンタの各カウンタ値とハズレ図柄(たとえば、0〜9の計10種類のハズレ図柄)とを対応付けたハズレ図柄テーブルが格納されており、主制御用CPU12は、ハズレ図柄抽選カウンタから取得したカウンタ値と対応付けられているハズレ図柄を選択する。
ハズレ図柄の選択は、演出表示装置52に表示すべきハズレ図柄の数だけ繰り返し行い、選択された各ハズレ図柄が大当り図柄と同一になった場合は、大当り図柄と同一でなくなるまでハズレ図柄の選択を繰り返す。なお、ハズレの場合は、第1特別図柄表示装置55および第2特別図柄表示装置56は、総てのLEDを消灯した状態にする。
続いて、主制御用CPU12は、第1保留数U1に1を加算する(S13)。なお、第2始動口59に対する処理は、第2保留テーブル14bを用いて実行され、上記のS1〜S13と同じ流れである。
(図柄処理)
図9は、主制御用CPU12が実行する図柄処理の流れを示すフローチャートである。主制御用CPU12は、変動時間がタイムアップしたか否かを判定し(S20)、肯定判定すると(S20:Yes)、第1保留数U1を参照する(S21)。続いて、主制御用CPU12は、第1保留数U1が1以上か否かを判定し(S22)、肯定判定すると(S22:Yes)、第1保留数U1から1を減算し(S23)、第1保留テーブル14aの保留順位1に格納されている判定結果、確定演出図柄および変動時間などの変動内容をコマンドとして演出制御基板20へ送信し(S27)、その送信した変動時間の計測を行うタイマーをスタートさせる(S28)。なお、コマンドとして送信する変動内容には、第1保留テーブル14aに格納されているデータであることを特定するデータが含まれている。
また、第1保留数U1が1以上ないと判定した場合は(S22:No)、第2保留数U2を参照し(S24)、第2保留数U2が1以上か否かを判定する(S25)。ここで、肯定判定すると(S25:Yes)、第2保留数U2から1を減算し(S26)、第2保留テーブル14bの保留順位1に格納されている判定結果、確定演出図柄および変動時間などの変動内容をコマンドとして演出制御基板20へ送信する(S27)。なお、コマンドとして送信する変動内容には、第2保留テーブル14bに格納されているデータであることを特定するデータが含まれている。
(演出処理)
図10は、演出制御用CPU22が実行する演出処理の流れを示すフローチャートである。演出制御用CPU22は、主制御用CPU12が送信した変動内容を示すコマンドを受信したか否かを判定する(S30)。ここで、受信したと判定すると(S30:Yes)、その受信した変動内容の中に大当り判定において大当りと判定された判定結果が含まれているか否か、つまり大当りか否かを判定する(S31)。
ここで、大当りと判定すると(S31:Yes)、このとき演出テーブル選択カウンタがカウントしたカウント値を1つ取得し(S32)、演出内容選択テーブルE(図7(a))を参照し、取得したカウント値が含まれる範囲に対応付けられている演出テーブルを選択する(S33)。たとえば、演出テーブル選択カウンタから取得したカウント値が「7」であった場合は、そのカウント値「7」が含まれるカウント値の範囲0〜349と対応付けられている演出テーブルAを演出内容選択テーブルEから選択する。
続いて、演出制御用CPU22は、このとき演出内容選択カウンタがカウントしたカウント値を1つ取得し(S34)、先のS33において選択した演出テーブルを参照し、取得したカウント値に対応付けられている演出内容を選択する(S35)。たとえば、先のS33において選択した演出テーブルが演出テーブルAであり、演出内容選択カウンタから取得したカウント値が「0」であった場合は、そのカウント値「0」と対応付けられている演出内容「動画A1・A2・A3・A4」を演出テーブルAから選択する。
また、大当りではない、ハズレであると判定した場合は(S31:No)、このとき演出テーブル選択カウンタがカウントしたカウント値を1つ取得し(S36)、演出内容選択テーブルF(図7(b))を参照し、取得したカウント値が含まれる範囲に対応付けられている演出テーブルを選択する(S37)。たとえば、演出テーブル選択カウンタから取得したカウント値が「7」であった場合は、そのカウント値「7」が含まれるカウント値の範囲0〜349と対応付けられている演出テーブルDを演出内容選択テーブルFから選択する。
続いて、演出制御用CPU22は、このとき演出内容選択カウンタがカウントしたカウント値を1つ取得し(S38)、先のS37において選択した演出テーブルを参照し、取得したカウント値に対応付けられている演出内容を選択する(S39)。たとえば、先のS37において選択した演出テーブルが演出テーブルDであり、演出内容選択カウンタから取得したカウント値が「0」であった場合は、そのカウント値「0」と対応付けられている演出内容「動画A1」を演出テーブルDから選択する。
演出制御用CPU22は、上記のように演出内容を選択すると、特別図柄および演出図柄の変動時間を計測するタイマーがスタートしたことを示すスタートフラグがオンしているか否かを判定する(S40)。この時点では、まだタイマーはスタートしていないため、否定判定し(S40:No)、先のS35またはS39において選択した演出内容に基づいて第1特別図柄表示装置55および第2特別図柄表示装置56が特別図柄の変動表示を開始し(S41)、演出表示装置52が演出図柄の変動表示および動画の表示を開始する(S42)。
続いて、演出制御用CPU22は、特別図柄および演出図柄の変動時間を計測するタイマーをスタートさせ(S43)、スタートフラグをオンする(S44)。そして、演出制御用CPU22は、この演出処理を実行する次のサイクルが到来し、主制御用CPU12から変動内容を受信していないと判定すると(S30:No)、スタートフラグがオンしているか否かを判定し(S40)、オンしていると判定すると(S40:Yes)、先のS43においてスタートさせたタイマーがタイムアップしたか否かを判定する(S45)。
ここで、タイムアップしたと判定すると(S45:Yes)、第1特別図柄表示装置55および第2特別図柄表示装置56に特別図柄の変動表示を終了させて確定特別図柄を表示させ(S46)、演出表示装置52に演出図柄の変動表示および動画の表示を終了させて確定演出図柄を表示させる(S47)。続いて、演出判定表示装置72を作動させ、大当り判定結果に対応した演出内容を表示させる(S48)。たとえば、演出判定表示装置72は、大当たり判定結果が大当りであった場合は、大当り遊技において実行可能な最大のラウンド数(たとえば、14ラウンド、2ラウンド)を表示する。そして、スタートフラグをオフする(S49)。
(動画の表示タイミングの一例)
図11は、動画A1〜A4の表示タイミングの一例を示すタイミングチャートである。時刻t1に遊技球が第1始動口53または第2始動口59に入賞すると、時刻t2に演出表示装置52が演出図柄の変動表示を開始するとともに動画A1の表示を開始している。そして、その開始から所定時間経過後の時刻t3に演出図柄が疑似変動を開始している。このとき、遊技者は、演出図柄が疑似変動から停止するのか、あるいは、再変動に移行するのか、ハラハラドキドキ感を高める。
そして、その疑似変動の開始から所定時間経過後の時刻t4に演出図柄が一旦停止しないで再度変動表示を開始するとともに動画A2の表示を開始している。
この時点で、2つ目の動画A2が始まったことを知った遊技者は、まだ大当り発生の可能性があると期待するため、ワクワク・ドキドキ感が高まってくる。そして、動画A2の表示開始から所定時間経過後の時刻t5に演出図柄が疑似変動を開始している。このとき、遊技者は、演出図柄が疑似変動から停止するのか、あるいは、再変動に移行するのか、ハラハラドキドキ感を高める。
特に、二度目の疑似変動であるため、再変動に移行すれば、大当り発生の信頼度がより一層高まるので、一度目の疑似変動のとき以上にハラハラドキドキ感を高める。そして、その疑似変動の開始から所定時間経過後の時刻t6に演出図柄が一旦停止しないで再度変動表示を開始するとともに動画A3の表示を開始している。
この時点で、3つ目の動画A3が始まったことを知った遊技者は、まだ大当り発生の可能性があると期待するため、ワクワク・ドキドキ感が高まってくる。
そして、動画A3の表示開始から所定時間経過後の時刻t7に演出図柄が疑似変動を開始している。このとき、遊技者は、演出図柄が疑似変動から停止するのか、あるいは、再変動に移行するのか、ハラハラドキドキ感を高める。特に、三度目の疑似変動であるため、再変動に移行すれば、大当り発生の信頼度がより一層高まるので、二度目の疑似変動のとき以上にハラハラドキドキ感を高める。そして、その疑似変動の開始から所定時間経過後の時刻t8に演出図柄が一旦停止しないで再度変動表示を開始するとともに動画A4の表示を開始している。
この時点で、4つ目の動画A4が始まったことを知った遊技者は、大当り発生の可能性がかなり高いと期待するため、ワクワク・ドキドキ感が最高潮に達する。そして、動画A4の表示開始から所定時間経過後の時刻t9に動画のストーリーが完結し、確定演出図柄が表示されている。この例の場合は、A1〜A4の4つの動画が表示され、動画のストーリーが完結しているため、確定演出図柄として演出大当り図柄が表示される確率が高い。
[実施形態の効果]
(1)以上のように、上述した実施形態のパチンコ機1を実施すれば、大当り判定の判定結果が大当りであった場合は、ハズレであった場合よりも高い確率で、ストーリー性を有する動画をストーリーが完結するまで演出表示装置52に表示させ、かつ、大当り判定の判定結果がハズレであった場合は、大当りであった場合よりも高い確率で、ストーリーが完結する前に表示が終了するように動画を演出表示装置52に表示させることができる。
したがって、ストーリー性を有する動画がストーリーが完結するまで演出表示装置52に表示されれば、大当りが発生する確率が高いため、遊技者は、ストーリーが完結するか否か、動画に対する関心を高めることになる。
つまり、遊技者が関心を持つ時間が長く、遊技が単調にならず、パチンコ機離れを遅くすることのできるパチンコ機を実現することができる。
(2)特に、大当り判定の判定結果がハズレであった場合に演出表示装置52に高い確率で表示させる動画は、ストーリー性を有する動画の中から少なくともストーリーの最後に表示すべき動画を省いた動画により構成されているため、遊技者は、最後に表示すべき動画が表示されるか否か、スリルのある遊技を楽しむことができる。
(3)また、大当り判定の判定結果が大当りであった場合は、ハズレであった場合よりも動画の数が多いストーリーの動画を高い確率で表示装置に表示させるため、遊技者は、幾つの動画が表示されるか否か、スリルのある遊技を楽しむことができる。
(4)さらに、複数の演出図柄が変動を開始してから所定時間経過後に変動が停止に近い状態になり、その後再度変動を開始する表示態様が動画に含まれているため、遊技者は、演出図柄の変動が停止して動画のストーリーが完結しないで終わるか、あるいは、演出図柄が再変動してストーリーの完結まで到達するか否か、スリルのある遊技を楽しむことができる。
〈他の実施形態〉
(1)前述の実施形態では、演出テーブルA〜C(図6)の演出内容に設定した動画は、複数の動画から構成したが、一連の連続した動画でも良い。この場合、所定のタイミングで演出図柄の再変動を行うようにしても良いし、動画が表示されている間は、演出図柄の再変動を行わないようにしても良い。
(2)前述の実施形態では、動画の切替わりタイミングで演出図柄の再変動を行う演出内容を説明したが、動画の切替わりタイミングで演出図柄の再変動を行わないようにすることもできる。