JP2010283752A - 光通信方法、局側装置および光通信システム - Google Patents

光通信方法、局側装置および光通信システム Download PDF

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Abstract

【課題】ユーザ側の負担を増大させることなく、所要分散補償量が明らかでない場合にも、伝送路の分散を補償可能とする光通信システムを得ること。
【解決手段】各ONUを認証する際に、プリディストーションパラメータを変更し、認証応答が得られた場合には認証時に用いたプリディストーションパラメータを当該ONUのプリディストーションパラメータとして設定し、さらに、レンジング測定により当該ONUとの間の伝送距離を測定し、当該伝送距離に基づいて当該ONUのプリディストーションパラメータを決定して再設定するPON制御部12と、PON制御部12により設定されるONUのプリディストーションパラメータを用いて伝送信号にプリディストーションを行い、プリディストーション実行後の伝送信号を当該ONUに向けて送信する制御を行う下り分散補償器(D)13を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、光信号により通信を行う光通信システムに関する。
近年、伝送技術の進歩や、映像などの広帯域サービスの需要にともない、PON(Passive Optical Network)システムの伝送速度の高速化が進められている。また、PONシステムの距離を延伸化できれば、より多くのユーザを1つのシステムに収容でき、ネットワークの利用効率を向上させることができる。しかしながら、伝送速度を高速化し、また距離の延伸化を行う場合、伝送媒体である光ファイバの分散の影響を無視できなくなる。具体的には、伝送距離差が大きくなるほど、各ONU(Optical Network Unit)から送信される光バースト信号の伝送特性差が大きくなる。
これに対し、下記特許文献1では、分散補償器を用いて上り信号の分散補償を行い、高品質な通信を実現する方法が開示されている。
また、下記特許文献2では、下記特許文献1の構成に加えて、下り信号の分散補償を行う分散補償器を局側装置(OLT:Optical Line Terminal)へ設け、上り信号の各ユーザの補償分散量と同じ補償分散量により、下り信号の各ユーザへの分散補償を行う方法が開示されている。
特開2008−245179号公報 特開2008−312071号公報
しかしながら、一般にPONシステムの上り信号には1.3μm帯の波長が使用され、下り信号には1.5μm帯の波長が使用される。ゼロ分散波長が1.3μm帯の通常シングルモードファイバを使用する場合、下り信号の波長分散は、約20ps/nm/kmとなり、高速化や長距離化による分散ペナルティが著しく大きくなる。したがって、上記特許文献1の技術を用いて、OLTの受信側に分散補償器を設ける場合、ユーザ側の装置コストが上昇し、また、消費電力や装置サイズが増大する、という問題があった。
また、上記特許文献2の技術によれば、上り信号と下り信号の波長が異なる場合には、上り信号の補償分散量で下り信号の分散補償を行うことができない、という問題があった。また、PONシステムでは、下り信号が正常に通信できなければ上りのバースト位相を管理できない。このため、装置立ち上げ時に、下りの所要分散量が不明であることから下りの通信が正常とならない場合、上り信号の所要分散補償量を決定できず、当然下り信号の所要分散量も決定できないので、通信を確立できない、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザ側の負担を増大させることなく、伝送路の分散を補償可能とする光通信システムを得ることを目的とする。
また、ユーザ側装置に対する所要分散補償量が予め明らかでない場合にも、伝送路の分散を補償可能とする光通信システムを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、局側装置と複数のユーザ側装置とを受動素子を介して接続する光通信システムにおける前記局側装置の光通信方法であって、前記ユーザ側装置を認証する際に、分散補償量を決定するためのパラメータであるプリディストーションパラメータを変更するパラメータ検索ステップと、前記ユーザ側装置から認証応答が得られた場合に、認証時に用いたプリディストーションパラメータを当該ユーザ側装置のプリディストーションパラメータとして設定する第1のパラメータ設定ステップと、レンジング測定を行うことにより前記ユーザ側装置との間の伝送距離を測定し、当該伝送距離に基づいて当該ユーザ側装置のプリディストーションパラメータを決定して再設定する第2のパラメータ設定ステップと、前記ユーザ側装置のプリディストーションパラメータを用いて伝送信号にプリディストーションを行い、プリディストーション実行後の伝送信号を当該ユーザ側装置に向けて送信する下り信号送信ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、ユーザ側の負担を増大させることなく、所要分散補償量が判明していないユーザ装置に対して伝送路の分散を補償可能となる、という効果を奏する。
図1は、本実施の形態におけるPONシステムの構成例を示す図である。 図2は、プリディストーションを行った場合の信号波形のイメージ例を示す図である。 図3は、本実施の形態におけるプリディストーションパラメータを決定する手順の一例を示すフローチャートである。 図4は、変形例におけるPONシステムの構成例を示す図である。
以下に、本発明にかかる光通信システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。以下では、光通信システムの一例としてPONシステムの場合を説明する。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態におけるPONシステムの構成例を示す図である。図1のPONシステムは、局側装置であって、上位ネットワークからの信号を変換して光ファイバ2へ送出するOLT1と、光ファイバ2と、光ファイバ2上の光信号をn本(nは自然数)に分岐させる光スプリッタ3と、光ファイバ4−1〜4−nと、ONU5−1〜5−nとを備える。また、OLT1は、上位ネットワークからの信号を処理するネットワークインタフェース部(NW IF部)11と、NW IF部11からの信号をPON上の信号へフォーマット変換し、各種制御を行うPON制御部12と、下り信号の分散補償を行う分散補償器(D)13と、下り信号の電気光変換を行う光送信器14と、上り光信号と下り光信号の合分波を行う波長フィルタ15と、上り信号の光電気変換を行う光受信器16とを備える。分散補償器(D)13は、PON制御部12からの信号をプリディストーションすることで、分散補償を行う。
PONシステムの上り伝送方式には、時分割多元アクセス方式(Time Division Multiple Access)が適用される。OLT1は、各ONUから送信される光バースト信号が光スプリッタで重なることがないように、各ONUの送信タイミングを制御する。また、下り信号では、複数のユーザ宛の信号が同報伝送され、各ONUは、それぞれ該当する信号のみを取り出して、各ユーザとの通信を行う。
ここで、「プリディストーション」とは、分散の影響を考慮して予め信号波形を歪ませることをいう。これにより、下り光信号が光ファイバ2,4−1〜4−nにより分散の影響を受けても、ONU5−1〜5−nは、分散の影響を受けない波形と同等の波形を受信できる。電気領域の処理は、たとえば、FIR(Finite Impulse Response)フィルタ,LUT(Look up Table)などによるディジタルフィルタにより実施できる。
図2は、プリディストーションを行った場合の信号波形のイメージ例を示す図である。<入力波形>は、PON制御部12から出力され分散補償器(D)13へ入力される信号波形である。<伝送波形>は、光ファイバ2,4−1〜4−nにより伝送される信号波形である。<受信波形>は、ONU5−1〜5−n(受信端)における信号波形である。図2の例では、伝送距離が、「ONU5−n>ONU5−1>ONU5−2」の順番で長い場合を示す。分散補償器(D)13が、各ONU宛の信号に対する歪み量を逐次変更することで、伝送距離の異なる複数の受信端(ONU)にて、分散の影響を受けない信号波形とすることができる。
つづいて、以上のように構成されたPONシステムの動作について説明する。PON制御部12は、NW IF部11からの下り信号に対し、各ONU5−1〜5−n宛として、PON制御に必要なヘッダを付与する。また、宛先ごとに必要となる分散補償量を逐次決定し、当該分散補償量に基づいて、分散補償器(D)13へプリディストーションパラメータを設定する。分散補償器(D)13は、PON制御部12により設定されるプリディストーションパラメータにしたがい、信号ごとに所定の波形に歪ませる処理を行う。
プリディストーションパラメータの変更は、たとえば、分散補償器(D)13内にパラメータテーブルを2面具備し、宛先信号が切り替わるたびに面切り替えを行うことで、容易に実行可能である。
ここで、たとえば、ONUそれぞれへの伝送距離が予めわかっていることで、ONUごとのプリディストーションパラメータが既知である場合には、PON制御部12は、これに従いプリディストーションパラメータを決定すればよい。
しかしながら、ONUそれぞれへの伝送距離が未知であることで、各ONUの立ち上げ時にプリディストーションパラメータが不正である場合には、OLT1と当該ONUとの通信が確立しない可能性がある。
図3は、本実施の形態におけるプリディストーションパラメータを決定する手順の一例を示すフローチャートである。まず、いずれかのONUの立ち上げにより、当該ONU(ONU5−1〜5−n)を認証する際、OLT1のPON制御部12は、粗いステップで、プリディストーションパラメータを逐次変更する(ステップS1)。具体的には、PON制御部12は、たとえば、当該PONシステム上の光ファイバ特性における、波長,伝送距離,ビット誤り率と、プリディストーションパラメータ(分散補償量)との対応関係を保持する。そして、PON制御部12は、たとえば、各ONUにてビット誤り率が10-4〜10-8程度となるようなプリディストーションパラメータを検索し、当該プリディストーションパラメータを分散補償器(D)13へ通知する。分散補償器(D)13は、通知されたプリディストーションパラメータにて上述のようにプリディストーションを行い、光送信器14へ信号を出力する。光送信器14は、波長フィルタ15を介して、当該ONUへ伝送信号を送信する。
そして、PON制御部12は、波長フィルタ15および光受信器16を介して、当該ONU(ONU5−1〜5−n)から認証応答を受信する。PON制御部12は、認証応答が得られた場合のプリディストーションパラメータを、そのONU用のパラメータとして分散補償器(D)13へ設定する(ステップS2)。PON制御部12は、さらに、レンジング測定を行い、各ONUについてのRTT(Round Trip Time)に基づいて伝送距離を測定する。PON制御部12は、測定した伝送距離に基づいて各ONUに対する最適なプリディストーションパラメータを決定し(ステップS3)、当該パラメータを分散補償器(D)13に再設定する(ステップS4)。これにより、分散の影響のない高品質な伝送が確立され、実際のユーザへの通信が開始可能となる。以後、設定が完了したONUに対しては、適切な分散補償を行った伝送を行う。
以上説明したように、本実施の形態では、局側装置の送信側に分散補償器を設け、伝送距離の異なるユーザ側装置に対して、ユーザ宛先信号ごとに異なるプリディストーションを行う構成とした。これにより、伝送距離の異なる光信号を送受信する光通信システムにおいて、所要分散補償量が判明していないユーザ装置に対する伝送路の分散を補償可能となる。したがって、光通信システムの高速化および延伸化(長距離化)を図ることが可能となる。また、当該補償は、局側装置の実装のみにより可能であるため、ユーザ側の負担(装置コスト,装置の消費電力,装置サイズなど)を増大させることなく、簡易な構成にて光通信システムの補償機能を実現できる。
また、ユーザ側装置立ち上げ時の認証の際に、局側装置が、まず、プリディストーションパラメータを粗いステップで検索し、ユーザ側装置にて伝送にかかる誤り率が所定のビット誤り率となるように分散補償量を設定して、つぎに、レンジング測定により伝送距離を測定し、ユーザ側装置に最適となるプリディストーションパラメータを再設定する手順とした。これにより、局側装置とユーザ側装置との伝送距離が未知の場合にも、ユーザ側装置ごとに最適なプリディストーションを実行可能となるため、光通信システムにて分散に影響されない高品質な伝送を行うことが可能である。
なお、本実施の形態では、分散補償器として電気処理によるディジタルフィルタを用いるとしたが、電気処理による他の方法でもよく、また、光処理による分散補償器を用いても同様の効果を奏することは言うまでもない。
また、上記実施の形態では、局側装置からユーザ側装置への方向(下り方向)のみに対し分散補償器を設けることとしたが、さらに、ユーザ側装置から局側装置への方向(上り方向)に対する分散補償器をも設けてもよい。
図4は、変形例におけるPONシステムの構成例を示す図である。図4のPONシステムは、図1のPONシステムと比較すると、OLT1の代わりにOLT1Bを備える。OLT1Bは、PON制御部12の代わりにPON制御部12Bを備え、また、分散補償器(U)17をさらに備える。
OLT1BのPON制御部12Bは、分散補償器(D)13にONUに対するプリディストーションパラメータを再設定する際には、得られた伝送距離を用いて、上りの波長に対応した上りのプリディストーションパラメータを決定し、当該上りのプリディストーションパラメータを分散補償器(U)17に設定する。分散補償器(U)17は、光受信器16から信号を受けると、上述同様にして、パラメータを通信先のONUに合わせた上りのプリディストーションパラメータに切り替え、当該パラメータを用いてプリディストーションすることで分散補償を行う。分散補償器(U)17は、分散補償を行った信号をPON制御部12Bへ出力する。
この場合には、局側装置の送信側および受信側に分散補償器を設け、ユーザ宛先信号ごとに異なるプリディストーションを行う構成とした。これにより、下り方向に加えて上り方向も分散補償を実現でき、上り方向についても上述同様の効果が得られる。また、上りと下りの波長が異なる場合にも、適切な分散補償を実行できる。
以上のように、本発明にかかる光通信システムは、PONシステムなどに有用であり、特に、伝送速度が高速である場合や伝送距離が長い場合に適している。
1,1B OLT
2,4−1〜4−n 光ファイバ
3 光スプリッタ
5−1〜5−n ONU
11 NW IF部
12,12B PON制御部
13 分散補償器(D)
14 光送信器
15 波長フィルタ
16 光受信器
17 分散補償器(U)

Claims (7)

  1. 局側装置と複数のユーザ側装置とを受動素子を介して接続する光通信システムにおける前記局側装置の光通信方法であって、
    前記ユーザ側装置を認証する際に、分散補償量を決定するためのパラメータであるプリディストーションパラメータを変更するパラメータ検索ステップと、
    前記ユーザ側装置から認証応答が得られた場合に、認証時に用いたプリディストーションパラメータを当該ユーザ側装置のプリディストーションパラメータとして設定する第1のパラメータ設定ステップと、
    レンジング測定を行うことにより前記ユーザ側装置との間の伝送距離を測定し、当該伝送距離に基づいて当該ユーザ側装置のプリディストーションパラメータを決定して再設定する第2のパラメータ設定ステップと、
    前記ユーザ側装置のプリディストーションパラメータを用いて伝送信号にプリディストーションを行い、プリディストーション実行後の伝送信号を当該ユーザ側装置に向けて送信する下り信号送信ステップと、
    を含むことを特徴とする光通信方法。
  2. 前記第2のパラメータ設定ステップにて測定した伝送距離に基づいて上りのプリディストーションパラメータを決定し、当該上りのプリディストーションパラメータを用いて当該ユーザ側装置から受信した伝送信号にプリディストーションを行う上り信号プリディストーションステップ、
    をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の光通信方法。
  3. 前記プリディストーションは、ディジタルフィルタを用いて実行する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の光通信方法。
  4. 局側装置と複数のユーザ側装置とを受動素子を介して接続する光通信システムにおける前記局側装置であって、
    前記ユーザ側装置を認証する際に、分散補償量を決定するためのパラメータであるプリディストーションパラメータを変更し、当該ユーザ側装置から認証応答が得られた場合には認証時に用いたプリディストーションパラメータを当該ユーザ側装置のプリディストーションパラメータとして設定し、さらに、レンジング測定を行うことにより当該ユーザ側装置との間の伝送距離を測定し、当該伝送距離に基づいて当該ユーザ側装置のプリディストーションパラメータを決定して再設定する制御手段と、
    前記制御手段により設定される前記ユーザ側装置のプリディストーションパラメータを用いて伝送信号にプリディストーションを行い、プリディストーション実行後の伝送信号を当該ユーザ側装置に向けて送信する制御を行う下り分散補償手段と、
    を備えることを特徴とする局側装置。
  5. 前記ユーザ側装置から受信した伝送信号にプリディストーションを行う上り分散補償手段、
    をさらに備え、
    前記制御手段は、前記伝送距離に基づいてさらに上りのプリディストーションパラメータを決定し、当該上りのプリディストーションパラメータを前記上り分散補償手段に設定する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の局側装置。
  6. 前記プリディストーションは、ディジタルフィルタにより実現される、
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の局側装置。
  7. 1以上のユーザ側装置と、
    請求項4〜6のいずれか1つに記載の局側装置と、
    を備えることを特徴とする光通信システム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5416844B2 (ja) * 2010-09-06 2014-02-12 株式会社日立製作所 Ponシステム,およびolt
JP5542227B1 (ja) * 2013-03-19 2014-07-09 日本電信電話株式会社 時刻および搬送波割り当て方法
JP2017073702A (ja) * 2015-10-08 2017-04-13 日本電信電話株式会社 局側光終端装置及び等化処理共通化方法

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