JP2010283663A - 中波放送機の発振部 - Google Patents

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武史 藤本
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Abstract

【課題】2台の水晶発振器を備え、一方の水晶発振器が出力する周波数信号を利用して発振する中波放送機の発振部において、2台の水晶発振器各々の発振器の出力周波数のズレを監視し、ズレが発見された場合に、アラーム信号を発生し、迅速な対応を即すことで、中波放送機の信頼性をより高める。
【解決手段】現用と予備の2台の水晶発振器の出力周波数を、常に比較若しくは監視し、周波数ズレが発生した場合に対応できるように発振制御を行う中波放送機の発振部とした。
【選択図】図2

Description

本発明は中波放送機に関し、特に、搬送波周波数の発振器が二重化されている中波放送機の発振部に関わるものである。
中波放送機において、放送する電波の搬送波周波数は単一周波数である。この搬送周波数を生成するためには、水晶発振器が用いられている。そして中波放送機に信頼性を持たせるために、発振部は、発振器を2台搭載し、どちらか一方の発振器の出力信号に基づいた搬送波周波数をよって、放送業務を行っている。
しかし従来の中波放送機における発振部では、2台の発振器を搭載していながら、各々が発振するビート(うなり:周波数ズレ)については監視しておらず、一方の発振周波数に変化があったとしても、なんのアラーム信号を出すことすらなく、そのまま運用する方向であった。ただし、これでは運用に支障をきたし、搬送波であるため、受信する側でも問題となるため、中波放送機のシステム運用の信頼性は十分とは言えなかった。
図1によって、従来の中波放送機の発振部の一例を説明する。図1は従来の中波放送機の発振部の概要を示すブロック図である。111と112は周波数調整器、121と122は水晶発振器、131と132は増幅器、140は切換器である。
図1において、周波数調整器111、水晶発振器121、及び増幅器131は現用中の周波数発振部であり、周波数調整器112、水晶発振器122、及び増幅器132は予備の周波数発振部である。両者は、常に放送するための搬送周波数信号を出力しており、切替器140が、現用側と予備側との出力の切替えを行っている。
しかし、現用と予備の互いの発振周波数を監視することはなく、発振出力の低下、及び停止等の異常時にのみ、現用の水晶発振器と予備の水晶発振器とを切替えていた。従って、水晶発振器の発振する周波数がズレていた場合でも、異常の監視やアラーム信号の出力等の対策を施していなかった。即ち、図1の発振部では、使用される水晶発振器の周波数に、ズレが生じた場合でも、そのまま運用されてしまう構成となっていた。
従来の発振部では、2台の水晶発振器を用いて、一方の温度変化による周波数と他方の水晶発振器の周波数と比較して、一方の水晶発振器の周波数の補正を行う発振回路があった(特許文献1参照。)。しかし、特許文献1の水晶発振器を2台用いた発振部は、温度補償用であって、一方の水晶発振器の出力に異常があった場合に、アラーム信号を発生することも無く、他方の水晶発振器に切替える発振部では無かった。
特開2001−292030号公報
上述の従来技術で述べたように、中波放送機の発振部において、搬送波周波数は、搭載した2台水晶発振器の片方を使用して発振される。これら水晶発振器の出力信号の周波数ズレは、中波放送機の発振周波数のズレに直結するために、運用上問題となってくる。
しかし、使用される水晶発振器の周波数に、万が一、ズレが生じた場合でも、そのまま運用されてしまう構成となっていた。即ち、従来は、互いの発振周波数を監視することはなく、発振出力の低下、及び停止等の異常時にのみ、現用の水晶発振器と予備の水晶発振器とを切替えていた。即ち、万が一、水晶発振器の発振する周波数がズレていった場合でも、異常の監視やアラーム信号の出力等の対策を施していなかった。
本発明の目的は、2台の水晶発振器を備え、一方の水晶発振器が出力する周波数信号を利用して発振する中波放送機の発振部において、2台の水晶発振器各々の発振器の出力周波数のズレを監視し、ズレが発見された場合に、アラーム信号を発生し、迅速な対応を即すことで、中波放送機の信頼性をより高めることにある。
上記の課題を解決するために、本発明の中波放送機の発振部は、2台の水晶発振器を備え、装置の2重化を行い、それら2台の出力する周波数に基づいて搬送波周波数を生成する。2台の水晶発振器は、常に動作しており、どちらか一方を現用の水晶発振器とし、現用の水晶発振器の出力信号に基づいて搬送波周波数を生成し、他方の水晶発振器を予備としている。
そのため、本発明の中波放送機の発振部は、2台の水晶発振器の出力周波数を常に比較若しくは監視し、周波数ズレが発生した場合に対応できるように発振制御する発振部を設けた。即ち、各々の水晶発振器が発振する出力信号を増幅するそれぞれの増幅器と、それぞれの増幅器の出力信号を入力し、ミキシングし、2つの入力信号の周波数ズレからビート信号を発生し出力するミキサと、ミキサから出力されたビート信号から第1の所定の周波数未満の周波数成分を除去するLPF( Low Pass Filter )と、第2の所定の周波数以上の周波数成分を除去するHPF( High Pass Filter )と、LPF及びHPFを通過したビート信号をDC(直流)検波するDC検波器と、検波された信号のDC電圧を所定の電圧値と比較するコンパレータと、コンパレータにおいて、DC検波された出力信号の電圧が所定の電圧値以上の場合に、異常として異常検知信号を出力するアラーム出力手段とを備える。
上記発明の中波放送機の発振部において、好ましくは、上記LPFと上記BPFとは、上記LPFと上記BPF両方の機能を有するBPF( Band Pass Filter )であっても良い。
さらに、好ましくは、LPFが除去する第1の所定の周波数成分は、3.4[kHz]未満の周波数成分である。また好ましくは、HPFが除去する第2の所定の周波数成分は、5.0[kHz]以上の周波数成分である。
更に好ましくは、上記発明の中波放送機の発振部において、コンパレータが異常として検知する電圧値は、5[Hz]以上のビートがある場合である。
また更に好ましくは、発振周波数のズレが検知された発振器は、遠隔制御により異常信号としてモニタ表示される。また、互いのビートがHPF以下の周波数であれば、運用に問題となるズレではないとして、コンパレータは異常検知信号を出力しない。
本発明によれば、搭載された2台の水晶発振器の出力周波数を常に比較し、万が一ズレが発生した場合にも対応できるようになり、運用に支障をきたすことはなくなった。従って、中波放送機の信頼性を向上することができた。
従来の中波放送機の発振部の概要を示すブロック図である。 本発明の一実施例の中波放送機の発振部の概要を示すブロック図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、各図の説明において、従来の技術を説明した図1を含め、同一の機能を有する構成要素には同一の参照番号を付し、重複を避けるため、できるだけ説明を省略する。
また、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素若しくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本願発明の範囲に含まれる。
本発明の一実施例の中波放送機の発振部の概要を示すブロック図である。250はミキサ、260はBPF( Band Pass Filter )、270はDC検波器、280はコンパレータ、290は基準電圧発生器、300はアラーム出力手段である。
図2において、増幅器131から出力される周波数信号と増幅器132から出力される周波数信号とは、ミキサ250に入力され、位相検波されてBPF260に出力される。BPF260は、入力された信号から、5.0[kHz]以上の信号成分と、3.4[kHz]未満の信号成分とを除去してDC検波器270に出力する。DC検波器270は、入力された信号をDC検波して、コンパレータ280に出力する。
基準電圧発生器290は、予め定められた基準電圧を生成し、コンパレータ280に出力する。コンパレータ280は、DC検波器270から入力された電圧値が基準電圧以上の場合には、ビートが5[Hz]以上あると判定し、アラーム出力手段300から異常検知信号を出力する。
なお、上記実施例では、初期設定として、5[Hz]ずれた信号を入力し、その時の電圧を基準電圧として、ビートのずれを判定する。しかし、5[Hz]である必要はなく、実施状況に応じて設定するものであることは明らかである。
即ち、上記実施例の発明の中波放送機の発振部は、2台の水晶発振器と該2台の水晶発振器がそれぞれ発振する出力信号を増幅するそれぞれの増幅器と、それぞれの増幅器の出力信号を入力し、ミキシングし、2つの入力信号の周波数ズレからビート信号を発生し出力するミキサと、ミキサから出力されたビート信号から第1の所定の周波数未満の周波数成分を除去するLPF( Low Pass Filter )と、第2の所定の周波数以上の周波数成分を除去するHPF( High Pass Filter )と、LPF及びHPFを通過したビート信号をDC(直流)検波するDC検波器と、検波された信号のDC電圧を所定の電圧値と比較するコンパレータと、コンパレータにおいて、DC検波された出力信号の電圧が所定の電圧値以上の場合に、異常として異常検知信号を出力するアラーム出力手段とを備えたものである。
上記図2の実施例によれば、2台搭載された水晶発振器の発振周波数がズレた場合においても、各々の周波数を監視することで、発振部の異常を検知することができ、中波放送機のシステム運用の信頼性をより高いものにすることができた。また、技術分野としては、中波帯のみならず、他の周波数帯でも適用可能であり、実用上の効果が大きい。
なお、図2の実施例では、BPFを用いたが、LPFとHPFとを組合わせて使用しても良い。
111、112:周波数調整器、 121、122:水晶発振器、 131、132:増幅器、 140:切換器、 250はミキサ、 260:BPF、 270:DC検波器、 280:コンパレータ、 290:基準電圧発生器、 300:アラーム出力手段。

Claims (1)

  1. 2台の水晶発振器と該2台の水晶発振器がそれぞれ発振する出力信号を増幅するそれぞれの増幅器と、それぞれの増幅器の出力信号を入力し、ミキシングし、2つの入力信号の周波数ズレからビート信号を発生し出力するミキサと、ミキサから出力されたビート信号から第1の所定の周波数未満の周波数成分を除去するLPF( Low Pass Filter )と、第2の所定の周波数以上の周波数成分を除去するHPF( High Pass Filter )と、LPF及びHPFを通過したビート信号をDC(直流)検波するDC検波器と、検波された信号のDC電圧を所定の電圧値と比較するコンパレータと、コンパレータにおいて、DC検波された出力信号の電圧が所定の電圧値以上の場合に、異常として異常検知信号を出力するアラーム出力手段とを備えたことを特徴とする中波放送機の発振部。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103336174A (zh) * 2013-05-29 2013-10-02 国家电网公司 检验特高压直流试验线路电晕电流数据中am信号的方法

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CN103336174A (zh) * 2013-05-29 2013-10-02 国家电网公司 检验特高压直流试验线路电晕电流数据中am信号的方法
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