JP2010282939A - 車輌用灯具 - Google Patents

Abstract

【課題】 太陽光の回路基板への入射を防止する。
【解決手段】 一方に開口されたランプボデイ２と該ランプボデイに取り付けられ開口を閉塞するアウターカバー３とによって構成された灯具外筐４と、光源として用いられた発光ダイオード１１ｂと該発光ダイオードが搭載された回路基板１１ａとを有し灯具外筐の内部に配置された発光ユニット１１と、アウターカバーを透過され発光ユニットへ向かう太陽光を反射する反射部材１５とを設け、反射部材によって回路基板の発光ダイオードが搭載された面における少なくとも一部を覆うようにした。
【選択図】 図２

Description

本発明は車輌用灯具に関する。詳しくは、回路基板を覆う反射部材を設けて太陽光の回路基板への入射を防止する技術分野に関する。

車輌用灯具には、ランプボデイと該ランプボデイの開口を閉塞するアウターカバーとによって構成された灯具外筐の内部に、光源として発光ダイオード（ＬＥＤ：Light Emitting Diode）が用いられたランプユニットが配置されたタイプがある（例えば、特許文献１参照）。発光ダイオードは回路基板に搭載され、発光ダイオード及び回路基板等によって発光ユニットが構成されている。

このようなランプユニットは、光源（発光ダイオード）、リフレクター、シェード及び投影レンズ等の各部又はその一部によって構成されている。

上記のような車輌用灯具にあっては、例えば、発光ダイオードから出射された光がリフレクターによって投影レンズへ向けて反射され、一部がシェードによって遮蔽された状態で投影レンズ及びアウターカバーを透過されて外部へ照射される。

特開２００７−２０７５２７号公報

ところで、車輌の走行中や停車中には太陽光が車輌用灯具の内部に入射される可能性がある。例えば、走行中や停車中に偶然に車輌用灯具の光軸と太陽の光線の進行方向が一致した状態になると、太陽光が発光ダイオードから出射された光の経路と反対の経路を通って発光ユニットの回路基板に入射されるおそれがある。

太陽光が回路基板に入射されてしまうと、回路基板の溶融、損傷、破壊等と言った不具合を生じるおそれがある。

特に、太陽光には熱線としての性質を有し加熱作用の高い赤外光が含まれているため、回路基板への太陽光の入射による回路基板の温度上昇を抑制して、回路基板の溶融等を防止する必要がある。

そこで、本発明車輌用灯具は、太陽光の回路基板への入射を防止することを課題とする。

車輌用灯具は、上記した課題を解決するために、一方に開口されたランプボデイと該ランプボデイに取り付けられ前記開口を閉塞するアウターカバーとによって構成された灯具外筐と、光源として用いられた発光ダイオードと該発光ダイオードが搭載された回路基板とを有し前記灯具外筐の内部に配置された発光ユニットと、前記アウターカバーを透過され前記発光ユニットへ向かう太陽光を反射する反射部材とを設け、前記反射部材によって前記回路基板の前記発光ダイオードが搭載された面における少なくとも一部を覆うようにしたものである。

従って、車輌用灯具にあっては、アウターカバーを透過されて発光ユニットへ向かった太陽光が反射部材によって反射される。

本発明車輌用灯具は、一方に開口されたランプボデイと該ランプボデイに取り付けられ前記開口を閉塞するアウターカバーとによって構成された灯具外筐と、光源として用いられた発光ダイオードと該発光ダイオードが搭載された回路基板とを有し前記灯具外筐の内部に配置された発光ユニットと、前記アウターカバーを透過され前記発光ユニットへ向かう太陽光を反射する反射部材とを備え、前記反射部材によって前記回路基板の前記発光ダイオードが搭載された面における少なくとも一部を覆うようにしたことを特徴とする。

従って、アウターカバーを介して太陽光が入射されたときに、太陽光が反射部材によって反射され回路基板への入射が防止され、回路基板の溶融、損傷、破壊等と言った不具合の発生を防止することができる。

請求項２に記載した発明にあっては、前記反射部材に太陽光を乱反射させる乱反射部を形成したので、発光ユニットへ向かった光が反射部材で乱反射されるため、反射部材で反射された光が対向車輌等に対する幻惑光として照射され難く、幻惑光の発生を抑制することができる。

以下に、本発明車輌用灯具を実施するための最良の形態について添付図面を参照して説明する。

以下に示した最良の形態は、本発明車輌用灯具を車輌用前照灯に適用したものである。尚、本発明車輌用灯具の適用範囲は車輌用前照灯に限られることはなく、本発明は、光源として発光ダイオードが用いられる各種の車輌用灯具に適用することができる。

車輌用灯具（車輌用前照灯）１は、車体の前端部における左右両端部にそれぞれ取り付けられて配置されている。

車輌用灯具１は、図１に示すように、例えば、前方に開口されたランプボデイ２と該ランプボデイ２の前端部に取り付けられたアウターカバー３とによって構成された灯具外筐４の内部が灯室５として形成され、該灯室５にランプユニット６が配置されている。

灯室５には保持部材７が光軸調整機構８を介して水平方向及び垂直方向に傾動自在に配置されている。

保持部材７は熱伝導性の高い金属材料によって形成され、前後方向を向くベース部９と、該ベース部９の上下方向における中央部から前方へ突出された取付突部１０とを有している。

ベース部９の上下両端部には被支持部９ａ、９ａ、９ａが設けられている（図１には二つの被支持部９ａ、９ａのみを示す。）。ベース部９の後面には後方へ突出された放熱フィン９ｂ、９ｂ、・・・が上下に離隔して設けられている。

取付突部１０の上面には発光ユニット１１が配置されている。

発光ユニット１１は回路基板１１ａと該回路基板１１ａ上に搭載され光源として機能する発光ダイオード１１ｂと該発光ダイオード１１ｂを閉塞して保護する保護カバー１１ｃとを有している。

取付突部１０の上面における後端部にはリフレクター１２が取り付けられている。リフレクター１２は内面が反射面１２ａとして形成されている。

取付突部１０の前面には連結部材１３が取り付けられている。連結部材１３は後半部がシェード１３ａとして設けられ、前半部がシェード１３ａから前方へ突出された保持突部１３ｂとして設けられている。シェード１３ａの上面における前端は発光ダイオード１１ｂから出射されリフレクター１２によって反射された光の集光点１３ｃとして形成されている。

連結部材１３の前端部には投影レンズ１４が取り付けられている。

投影レンズ１４の焦点はシェード１３ａの集光点１３ｃに一致され、該集光点１３ｃはリフレクター１２の前側焦点に一致されている。リフレクター１２の後側焦点は発光ダイオード１１ｂの出射点に一致されている。

ランプユニット６の内部には反射部材１５が配置されている（図１及び図２参照）。反射部材１５はランプユニット６の内部に入射される太陽光を反射する機能を有し、耐熱性をも有する材料によって形成されている。

反射部材１５は、例えば、樹脂材料の表面に反射層が形成された板状の部材や金属板等から成り、中央部に配置孔１５ａを有している。反射部材１５の上面又は下面には多数の所定の微細形状によって構成された乱反射部１５ｂが形成されている。従って、反射部材１５に入射された光は乱反射部１５ｂによって乱反射される。

反射部材１５は配置孔１５ａに保護カバー１１ｃが挿入された状態で配置され、下面が回路基板１１ａの上面に対向し回路基板１１ａとの間に所定の隙間を有した状態で配置されている。従って、回路基板１１ａは上面における発光ダイオード１１ｂ及び保護カバー１１ｃが配置された部分以外の部分が反射部材１５によって覆われている。

尚、反射部材１５によって覆われる部分は、回路基板１１ａの上面における発光ダイオード１１ｂ及び保護カバー１１ｃが配置された部分以外の全ての部分ではなく、当該部分の一部であってもよい。

車輌用灯具１において、上記した発光ユニット１１、リフレクター１２、連結部材１３、投影レンズ１４及び反射部材１５によってランプユニット６が構成される。

光軸調整機構８はエイミングスクリュー１６、１６（図１に一方のエイミングスクリュー１６のみを示す。）とレベリングアクチュエーター１７を有している。

エイミングスクリュー１６、１６は灯室５の上部において左右に離隔して位置され、回転操作部１８、１８と該回転操作部１８、１８からそれぞれ前方へ突出された軸部１９、１９とから成り、該軸部１９、１９の前端部が螺軸部１９ａ、１９ａとして設けられている。

エイミングスクリュー１６、１６は回転操作部１８、１８がそれぞれランプボデイ２の後端部に回転自在に支持され、螺軸部１９ａ、１９ａがそれぞれ保持部材７の上側の被支持部９ａ、９ａに螺合されている。

レベリングアクチュエーター１７は駆動部２０と該駆動部２０から前方へ突出された軸部２１とから成り、該軸部２１の前端部が螺軸部２１ａとして設けられている。レベリングアクチュエーター１７は螺軸部２１ａが保持部材７の下側の被支持部９ａに螺合されている。

車輌用灯具１において、回転操作部１８が図示しないドライバー等の治具によって操作されて被支持部９ａに連結されたエイミングスクリュー１６が回転されると、その回転方向に応じた方向へ他の被支持部９ａ、９ａを支点として保持部材７が傾動され、ランプユニット６の光軸調整（エイミング調整）が行われる。

また、駆動部２０の駆動力によって被支持部９ａに連結された軸部２１が回転されると、その回転方向に応じた方向へ他の被支持部９ａ、９ａを支点として保持部材７が上下方向へ傾動され、ランプユニット６の光軸調整（レベリング調整）が行われる。

以上のように構成された車輌用灯具１において、ランプユニット６の発光ダイオード１１ｂから光が出射されると、出射された光はリフレクター１２で反射され投影レンズ１４及びアウターカバー３を透過されて前方へ照射される。

以上に記載した通り、車輌用灯具１にあっては、回路基板１１ａの上面における発光ダイオード１１ｂ及び保護カバー１１ｃが配置された部分以外の部分が反射部材１５によって覆われている。従って、アウターカバー３及び投影レンズ１４を介して太陽光が入射されたときに、太陽光が反射部材１５によって反射され回路基板１１ａへの入射が防止され、回路基板１１ａの溶融、損傷、破壊等と言った不具合の発生を防止することができる。

また、反射部材１５には乱反射部１５ｂが形成されているため、発光ダイオード１１ｂから出射されランプユニット６の各部、例えば、リフレクター１２に形成された段差面や投影レンズ１４の後面で反射されて発光ユニット１１へ向かう光が乱反射部１５ｂで乱反射される。従って、ランプユニット６の各部で反射され発光ユニット１１へ向かい反射部材１５で反射された光が対向車輌等に対する幻惑光として照射され難く、幻惑光の発生を抑制することができる。

さらに、反射部材１５が耐熱性を有する材料によって形成されているため、太陽光の熱による反射部材１５の変形や温度上昇が抑制され、回路基板１１ａに対する太陽光の熱による悪影響を防止することができる。

尚、上記には、投影レンズ１４を用いて光を照射する所謂プロジェクター型のランプユニット６を例として示したが、本発明の適用範囲は、プロジェクター型のランプユニット６に限られることはない。例えば、本発明は、発光ダイオードから出射されリフレクターで反射された光を照射する所謂リフレクター型のランプユニットにも適用することが可能である。また、発光ダイオードから出射された光をリフレクターで反射させず直射光として投影レンズによって投影して照射する所謂直射型のランプユニットにも適用することが可能である。

以下に、配光パターンを分割して投影する車輌用前照灯について説明する（図３及び図４参照）。

車輌用灯具１Ａは、図３に示すように、例えば、遠距離を照射するハイビーム用の二つのリフレクター１２Ａ、１２Ａが隣接して配置され、該リフレクター１２Ａ、１２Ａ間に遮光板２２、２２が設けられたランプユニット６Ａを有している。ランプユニット６Ａにはリフレクター１２Ａ、１２Ａに対応してそれぞれ発光ユニット１１、１１が配置されている。ランプユニット６Ａにあっては、遮光板２２、２２の前端部を接合した点２３を投影レンズ１４の焦点に一致させ、配光パターンが分割して投影されるように制御している。

このようなランプユニット６Ａを有する車輌用灯具１Ａにあっては、前方における車輌の存在の有無を検出し、検出結果に応じて発光ダイオード１１ｂ、１１ｂの点消灯の制御が行われる。例えば、前方における車輌の存在が検出された場合には一方の発光ダイオード１１ｂのみを点灯して前方の車輌及びその周辺の領域を照射しないようにして幻惑光の発生を防止し、前方における車輌の存在が検出されなかった場合には双方の発光ダイオード１１ｂ、１１ｂを点灯して良好な視認性を確保するようにしている。

車輌用灯具１Ａにおいては、遮光板２２、２２が設けられているため、分割された配光パターン間に遮光板２２、２２の陰が投影されて境界線が生じてしまう。車輌用灯具１Ａは、通常、遠距離を照射するタイプであるため、遠距離を照射する場合には境界線が目立たず車輌の運転者が違和感を生じることはないが、市街地等での走行中に建物や壁面等に光が照射された場合には境界線が目立って車輌の運転者が違和感を生じるおそれがある。

そこで、車輌用灯具１Ａにあっては、車輌の走行速度が一定以下の場合には、投影レンズ１４を光軸Ｐ方向へ移動して焦点を点２３からシフトさせ、境界線を生じないようにしている。従って、市街地等において低速で走行する場合には境界線が生じることがなく、車輌の運転者が違和感を生じることはない。

尚、投影レンズ１４を光軸Ｐ方向へ移動した場合には、ランプユニット６Ａから照射される光の最高光度が低下するが、低速で走行する場合には遠方に対する視認性を必要としないため、最高光度の低下によって車輌の走行に支障を来たすことはない。

上記した車輌用灯具１Ａにあっては、低速走行時に投影レンズ１４が光軸Ｐ方向へ移動され焦点がシフトされるため、日中における低速走行時に太陽光が投影レンズ１４を透過されたときに、太陽光が発光ユニット１１における発光ダイオード１１ｂの周辺の領域に入射される可能性がある。

そこで、太陽光の発光ダイオード１１ｂの周辺の領域への入射を防止するために、上記した反射部材１５を配置することが望ましい。上記したように、反射部材１５を回路基板１１ａのうち発光ダイオード１１ｂ及び保護カバー１１ｃが配置された部分以外の部分を覆う位置に配置することにより、投影レンズ１４を光軸Ｐ方向へ移動したときの太陽光の回路基板１１ａへの入射を防止することができる。

また、車輌用灯具１Ｂは、図４に示すように、例えば、遠距離を照射するハイビーム用の三つのリフレクター１２Ｂ、１２Ｂ、１２Ｂが隣接して配置され、該リフレクター１２Ｂ、１２Ｂ、１２Ｂ間にそれぞれ遮光板２４、２４が設けられたランプユニット６Ｂを有している。ランプユニット６Ｂにはリフレクター１２Ｂ、１２Ｂ、１２Ｂに対応してそれぞれ発光ユニット１１、１１、１１が配置されている。ランプユニット６Ｂにあっては、遮光板２４、２４の前端を含む曲面２５を投影レンズ１４の焦点面に一致させ、配光パターンが分割して投影されるように制御している。

このようなランプユニット６Ｂを有する車輌用灯具１Ｂにあっても、車輌用灯具１Ａと同様に、前方における車輌の存在の有無を検出し、検出結果に応じて発光ダイオード１１ｂ、１１ｂの点消灯の制御が行われ、幻惑光の発生が防止されると共に良好な視認性が確保される。

車輌用灯具１Ｂにおいても、車輌用灯具１Ａと同様に、車輌の走行速度が一定以下の場合に投影レンズ１４を光軸Ｐ方向へ移動して境界線を生じないようにしている。

従って、車輌用灯具１Ｂにおいても、太陽光の発光ダイオード１１ｂの周辺の領域への入射を防止するために、上記した反射部材１５を配置することが望ましい。反射部材１５を回路基板１１ａのうち発光ダイオード１１ｂ及び保護カバー１１ｃが配置された部分以外の部分を覆う位置に配置することにより、投影レンズ１４を光軸Ｐ方向へ移動したときの太陽光の回路基板１１ａへの入射を防止することができる。

尚、上記には、配光パターンを分割して投影する車輌用前照灯の例として、隣接して配置された二つのリフレクター１２Ａ、１２Ａを有する車輌用前照灯１Ａ及び隣接して配置された三つのリフレクター１２Ｂ、１２Ｂ、１２Ｂを有する車輌用前照灯１Ｂの例を示したが、リフレクターの数は二つ又は三つに限られることはなく、四つ以上であってもよい。

上記した発明を実施するための最良の形態において示した各部の形状及び構造は、何れも本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。

図２乃至図４と共に本発明車輌用灯具の最良の形態を示すものであり、本図は、車輌用灯具の概略縦断面図である。 発光ユニットと反射部材を示す拡大断面図である。 二つのリフレクターが隣接して配置されているランプユニットを有する車輌用灯具を示す概念図である。 三つのリフレクターが隣接して配置されているランプユニットを有する車輌用灯具を示す概念図である。

１…車輌用灯具、２…ランプボデイ、３…アウターカバー、４…灯具外筐、１１…発光ユニット、１１ａ…回路基板、１１ｂ…発光ダイオード、１５…反射部材、１５ｂ…乱反射部、１Ａ…車輌用灯具、１Ｂ…車輌用灯具

Claims (2)

1. 一方に開口されたランプボデイと該ランプボデイに取り付けられ前記開口を閉塞するアウターカバーとによって構成された灯具外筐と、
   光源として用いられた発光ダイオードと該発光ダイオードが搭載された回路基板とを有し前記灯具外筐の内部に配置された発光ユニットと、
   前記アウターカバーを透過され前記発光ユニットへ向かう太陽光を反射する反射部材とを備え、
   前記反射部材によって前記回路基板の前記発光ダイオードが搭載された面における少なくとも一部を覆うようにした
   ことを特徴とする車輌用灯具。
2. 前記反射部材に太陽光を乱反射させる乱反射部を形成した
   ことを特徴とする請求項１に記載の車輌用灯具。

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