JP2010281765A - 渦電流探傷方法および装置 - Google Patents

渦電流探傷方法および装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010281765A
JP2010281765A JP2009136919A JP2009136919A JP2010281765A JP 2010281765 A JP2010281765 A JP 2010281765A JP 2009136919 A JP2009136919 A JP 2009136919A JP 2009136919 A JP2009136919 A JP 2009136919A JP 2010281765 A JP2010281765 A JP 2010281765A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
detection
signal
eddy current
defect
signals
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009136919A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5191446B2 (ja
Inventor
Hirofumi Ouchi
弘文 大内
Hisashi Endo
久 遠藤
Akira Nishimizu
亮 西水
Yoshio Nonaka
善夫 野中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Original Assignee
Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi GE Nuclear Energy Ltd filed Critical Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Priority to JP2009136919A priority Critical patent/JP5191446B2/ja
Publication of JP2010281765A publication Critical patent/JP2010281765A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5191446B2 publication Critical patent/JP5191446B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)

Abstract

【課題】多くのコイルを備えたプローブ構成とすることにより一度のプローブ走査で広い面の探傷を行えるが、その反面一度に得られる情報が多く、どの信号を用いて欠陥の長さを判定測定するのがよいかが問題となる。特に、欠陥がプローブ進行方向に対して斜め欠陥である場合には多くの情報が収集されるため、判定には困難が伴う。
【解決手段】励磁コイルと検出コイルを搭載するプローブを試験体上で走査して複数の検出コイルからの渦電流変化の信号を検知し、複数の検出コイル信号の中から欠陥に近づくときに信号変化したひとつの信号を選択し、複数の検出コイル信号の中から欠陥から離れるときに信号変化したひとつの信号を選択し、選択した夫々の信号から変化開始点位置と、変化終了点位置を特定し、
変化開始点位置と変化点終了位置の差分として試験体の欠陥の長さを決定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、渦電流探傷方法により試験体に付与された欠陥の長さを測定する渦電流探傷方法および装置に関する。
渦電流探傷方法は、試験体表面を渦電流プローブで走査しながら励磁コイルに交流電圧を印加して、導電体である試験体の表層部に渦電流を発生させ、欠陥がある部分での渦電流の乱れを検出コイルで検知することにより、欠陥の有無を判定する非破壊検査方法である。
渦電流プローブの種類は、コイルの形式や励磁方法の違いにより多数存在する。このうち、相互誘導形標準比較方式の上置式プローブは、渦電流プローブが浮いた時に強い信号が出力されるため、実機検査における密着状態の確認に適しているだけではなく、ある程度の長さを持った欠陥であれば、欠陥開口面の端部で強い信号ピークが得られるため、欠陥長さサイジングがしやすいというメリットがある。さらにコイルを任意の方向へ並べてマルチ化することにより、一度の探傷で、各検出モードが有する複数の検出コイルの信号情報が得られる。この形式による公知の探傷技術を紹介したものに特許文献1がある。
また自己誘導型標準比較方式と呼ばれるものもあり、この一例が特許文献2に紹介されている。
特開2009-19909号公報 特開平9-178710号公報
特許文献1に開示されているように、コイルを複数備えて探傷を行うことは、広い面積を一度の走査で検査できるので有効である。試験体の母材部や溶接部を検査する場合、欠陥の進展方向が渦電流プローブに対して平行の場合、欠陥端部の信号特徴点を示す検出コイルは概ね1つに限定されるため、欠陥長さ判定方法により欠陥長さを容易に評価できる。また、欠陥の進展方向が渦電流プローブに対して直交の場合、平面表示上で欠陥端部の信号特徴点が同一ライン上に載るため、欠陥長さ判定方法により欠陥長さを容易に算出できる。
しかし、渦電流プローブの進行方向に対して傾きを持つような欠陥の場合、欠陥端部に起因して発生する信号は複数のコイルの信号波形に跨り、かつ欠陥の傾き具合によっては、どの検出器で検出信号のピークが得られるか分からないため、各検出器における複数の信号波形を見比べながら、詳細に欠陥端部の特徴点を抽出する必要がある。
そこで、本発明の渦電流探傷方法においては、励磁コイルにより試験体に渦電流を生じせしめ、渦電流の変化を複数の検出コイルで検知して試験体の欠陥の長さを判定する渦電流探傷方法において、
励磁コイルと検出コイルを搭載するプローブを試験体上で走査して複数の検出コイルからの渦電流変化の信号を検知し、
複数の検出コイル信号の中から欠陥に近づくときに信号変化したひとつの信号を選択し、
複数の検出コイル信号の中から欠陥から離れるときに信号変化したひとつの信号を選択し、
選択した夫々の信号から変化開始点位置と、変化終了点位置を特定し、
開始点位置と変化終了点位置の差分として試験体に付与された欠陥の長さを決定する。
また本発明の渦電流探傷装置においては、励磁コイルと複数の検出コイルを複数組搭載したプローブを試験体上で走査し、励磁コイルにより試験体に渦電流を生じせしめ、渦電流の変化を複数の検出コイルで検知する探傷メカ装置と、複数の検出コイルからの信号と試験体上の探傷位置信号を得る渦電流探傷器と、渦電流探傷器からの信号を用いて演算処理を実行する計算機と、計算機からの出力を表示する表示部とから構成される渦電流探傷装置において、
表示部には、欠陥に近づくときの複数の検出コイル信号と、欠陥から離れるときの複数の検出コイル信号が、夫々横軸に試験体上の探傷位置信号をとり、縦軸に振幅値として重ね表示することとした。
上記本発明の方法および装置によれば広い範囲を一度のプローブ走査で探傷することができるとともに、欠陥の長さを簡便に判定することができる。
本発明による渦電流探傷方法の処理フローを示す図 要素プローブの一例を示す図 マルチプローブの一例を示す図 通常使用される二軸走査の探傷装置の平面図 通常使用される二軸走査の探傷装置の側面図 通常使用される二軸走査の探傷装置のプローブ取り付けを示す図 二軸走査の探傷装置からの信号を処理する処理装置の一例を示す図 平板試験体での探傷方法を示す図 信号強度の平面図 信号波形を説明するための図 平板試験体での探傷結果を示す図 通常行われている渦電流探傷方法の処理フローを示す図 プローブに対して斜め方向の欠陥を探傷するときに応答する検出コイルの関係を示す図 探傷時のチャンネル信号波形を表示部に重ね合わせ表示した図 選択した2つの波形を表示部に表示した図
以下本発明について詳細に説明する。
まず図2に、本発明に適用可能なプローブの一例として、相互誘導形標準比較方式の上置式プローブの概要を示す。このプローブは先に挙げた特許文献1の図2に紹介されたと同じものである。この図に示すように、図2(b)のマルチプローブ1は、図2(a)の要素プローブ2をプローブ長さ方向に複数(2a、2b、2c)並べたものである。要素プローブ2は、図1(a)に示すように1つの励磁コイル8と3つの検出コイル9a、9b、9cから構成されるので、要素プローブのみで3組の検出信号を得ることになる。まして、マルチプローブ1の場合には更に要素プローブの積載数を乗じた検知信号を取り扱い、信号処理を行うことになる。
この要素プローブは、励磁コイル8と検出コイル9aが配置された方向をd1、励磁コイル8と検出コイル9bが配置された方向をd2、励磁コイル8と検出コイル9cが配置された方向をd3としたとき、方向d1に対して交鎖する方向に検出コイル9b、9cを配置した構成ということができる。
図1(b)のマルチプローブ1は、図1(a)の要素プローブ2を複数組d1方向に配置したものであり、図の例では3つの要素プローブ2a、2b、2cから構成される。マルチプローブ1は、アレイ化した検出コイル8の数に相当するチャンネル数を有しており、スイッチング制御により短時間でチャンネル切り替えが可能であるため、一度の探傷で広範囲の検査を実施することが可能である。
なお、要素プローブ2、マルチプローブ1ともに、励磁コイル8が発生する渦電流を、異なる位置に置かれた3つの検出コイル9a、9b、9cによって検出するため、検出コイル9の位置によって、3つの検出モードを持っており、各検出モードのデータは一度の探傷で取得することが可能である。
以上、本発明に適用可能なプローブとして相互誘導形標準比較方式の上置式プローブの例を示したが、本発明はこの方式に限定されるものではなく複数の検出信号を得てそのいずれかから欠陥を検出するものであれば適用可能である。
プローブは、通常2軸走査の探傷装置に取り付けて使用される。2軸走査の探傷装置としては、周知の装置を使用可能であるが、その一例を図3に示す。
図3は、マルチプローブ1を使った場合の2軸走査の渦電流探傷装置の一例を示している。同図(a)は探傷走査メカの平面図であり、同図(b)はその側面図である。同図(a)(b)に示すように、探傷走査メカの外形は、探傷メカフレーム14a、14b、14c、14dで構成され、フレーム14a、14bの間にレール16が固定配置され、レール上に走行車15が移動可能に設置される。マルチプローブ1を搭載する走行車15は、走行レール16、走行車輪17、X軸駆動モータ18を使ってX方向へ1軸走行する。
なお、探傷走査メカ自身は図示せぬY軸駆動モータにより、Y軸方向へも移動可能とされている。また走行レール16は軸中心に回転し、Y方向へ首振りが可能であり、これらのメカニックにより任意の探査位置をとりうる。
同図(c)は、上記のようにして位置づけされたプローブが、被試験面に当接されて探傷を行う模様を示している。要素プローブ2あるいはマルチプローブ1(図の例ではマルチプローブ)は、走行車15に取り付けられて被試験面に密着され、探傷を行う。
なお、マルチプローブ1は、例えばコンプレッサー等で供給されるエアーによって上部から押付けられ、被試験面に密着する。このとき励磁コイル8や検出コイル9は、エアーおよび弾性材20により上部から押付けられるが、例えばスポンジのような緩衝材21によって保護されるため、マルチプローブ1は試験体の表面上を密着した状態で探傷することができる。
図4は、図3の探傷走査メカ22を用いて探傷信号を入力しデータ処理により探傷を行う一般的な処理装置構成を示している。装置はマルチプローブ1または要素プローブ2、位置エンコーダ19を搭載した探傷メカ装置22、及び渦電流探傷器11、各コイルでの検出信号から信号振幅値や位相角度の算出、位置エンコーダの算出を行う演算部5、演算した信号や位置情報を保存するメモリ4を含む計算機3、この計算機3の入力部6、表示部7等で構成される。
次に、以上のようなよく知られた探傷装置や演算処理装置を用いて行う探傷について説明する。
まず、探傷は図5に示すように例えば平板試験体23の上でプローブ1を欠陥12、13の方向に駆動しながら行う。ここで、欠陥12は進行方向に対しては平行な欠陥であり、欠陥13は進行方向に対して直交方向の欠陥である。
なおここでは、励磁コイル8と検出コイル9aの組み合わせによるプローブ長さ方向(前記図2(a)のd1方向)の励磁・検出方法をV検出モード、励磁コイル8と検出コイル9bの組み合わせによるプローブ幅方向(前記図2(a)のd2方向)の励磁・検出方法をH1検出モード、励磁コイル8と検出コイル9cの組み合わせによるプローブ幅方向(前記図2(a)のd3方向)の励磁・検出方法をH2検出モードと呼ぶことにする。
励磁コイル8と検出コイル9の位置関係は、励磁方向に対して、欠陥が直角に入る場合に最も渦電流が乱されてインピーダンス変化が大きくなるため、V検出モードはプローブに対して平行方向の欠陥12の検出に適しており、前述のH1及びH2検出モードはプローブに対して直交方向の欠陥13の検出に適している。
図6は図5において、H検出モードの検出コイル9bあるいは9cが欠陥13を検知したときに得られる信号であり、(a)に信号強度の平面図、(b)に信号波形を示している。(b)の信号波形の横軸は、プローブが欠陥に近づき、欠陥に達し、その後通過するまでの間に得られる探傷位置をあらわしており、信号強度の平面図として現れる欠陥13の左端部において信号振幅最大値24a、信号振幅最小値25a及び信号消失点26aを抽出し、欠陥13の右端部において信号振幅最大値24b、信号振幅最小値25b及び信号消失点26bを抽出する。なお、図6では一例としてH検出モードの検知コイル9bあるいは9cが欠陥13を検知したときに得られる信号とした。
このように、プローブを移動しながら探傷を行うと、欠陥13の左端部に近づいたところで信号に変化が現れ始め、その後プローブの移動に伴い26aから25aに向かって減衰し、24aで最大となる。しばらく最大値近傍で推移するが、欠陥13の右端部に近づいたところで24bから25bに向かって減衰し、26bまで増加した後は信号に変化を生じなくなる。
図7は、前記平板試験体23の探傷結果を示している。プローブに対して平行方向の欠陥12であればV検出モード、プローブに対して直交方向の欠陥13であればH1またはH2検出モードの信号波形に信号振幅最大値24および信号振幅最小値25が現れ、さらにそのピーク点は、概ね1つのチャンネルの信号波形に限定される。
次に、渦電流探傷における一般的な長さ測定方法の手順を説明する。図8は図3の二軸探傷装置を用い、図4の処理装置に取り込んだ探傷信号から欠陥長さを測定するときのよく知られた通常の処理手順を示すフローチャートを示している。以下、図6の信号が得られたときの処理について、長さ測定を行う一般的な手法について説明する。
長さ測定の手順として、まず各プローブを使って探傷した結果から、ステップ101において信号強度を示す平面表示を作成し、ステップ102において要素プローブ2であれば各1ライン走査、マルチプローブ1であれば各検出コイル9における信号波形を表示する。次に、ステップ103において複数作成表示された信号波形を比較して、ステップ104において欠陥開口面の端部に起因する信号特徴点を抽出する。この信号特徴点が、図6(b)を用いて先ほど説明の信号振幅最大値24、信号振幅最小値25、信号消失点26等である。
さらにそれらの情報からステップ105において各信号特徴点の位置データを抽出し、ステップ106a,107aにおいて、信号消失点の抽出ならびに信号消失長さの算出を行う。またステップ106b,107bにおいて、信号振幅最大値、信号振幅最小値、−12dBドロップ点の抽出を行い、−12dB指示長さの算出を行う。なお、位置データは図4の探傷装置の位置エンコーダ19から得られる信号を用いる。
上記の長さ測定についてより詳細に説明すると、−12dB指示長さであれば、図6の欠陥両端部それぞれにおいて、信号振幅最大値24a(または24b)と信号振幅最小値25a(または25b)の信号振幅差を1とした場合に、信号振幅最大値24a(または24b)から3/4ダウンした点を−12dBドロップ点27a(または27b)として、欠陥左端部と右端部の座標差から算出する(107)。信号消失長さも同様に、両者の信号消失点26a、26bの座標差から算出する。これらの信号評価手法は通常よく知られた手法を利用することができ、評価者は容易に信号ピーク点を抽出し、欠陥長さ測定が可能である。
以上の説明は、欠陥が平行あるいは直交する場合について述べたが、むしろ一般には欠陥は任意の方向にあり必ずしもプローブの走査方向(X、Y軸方向)に対して平行または直交に形成されたものばかりではない。
図9はプローブに対して斜め方向の欠陥18を探傷するときに応答する検出コイルの関係を示しており、図10はその探傷結果を示している。図5の探傷の場合には欠陥は平行あるいは直交していたため、マルチプローブ1を使用しても特徴信号を表すのはいずれか一つのプローブであったが、斜め欠陥の検出では複数の要素プローブが特徴信号を表す。このため、複数の要素プローブの信号を評価する必要があるため、各プローブあるいはその信号をチャンネルと呼ぶことにする。
図9は、マルチプローブ1が斜め欠陥18を通過するときに、これに応答して信号を発生する検出コイル9を太く表記して示しており、V検出モードのチャンネルch1乃至ch6と、H検出モードのチャンネルch7乃至ch18がこれに相当する。
図10は、このときに各チャンネルから得られる信号波形を図4の計算機で処理し表示部7に表示した波形図であり、各波形図の横軸に位置エンコーダ19で検知した位置信号を示し、縦軸に波形の振幅値を示している。特にここでは欠陥に応答した複数チャンネルの信号を重ね合わせて表記した点に特徴がある。
本発明によれば、斜め欠陥18の端部18aに起因する領域1に応答したチャンネルの信号として、図10の左側にV検出モードの波形ch1、ch2、ch3と、H検出モードの波形ch7、ch8、ch9、ch10、ch11、ch12が表示される。さらに斜め欠陥18の端部18bに起因する領域2に応答したチャンネルの信号として、図10の右側にV検出モードの波形ch4、ch5、ch6と、H検出モードの波形ch13、ch14、ch15、ch16、ch17、ch18が表示される。
この図10の波形図の例では、斜め欠陥18の端部18aに起因する領域1に応答したチャンネルとしては、H検出モードでの応答よりもV検出モードのほうが顕著に応答しており、かつV検出モードでの信号の中でも端部に最も近い位置に検出コイルのあったch1がいち早く応答していることがわかる。また、斜め欠陥18の端部18bに起因する領域に応答したチャンネルについてみても、H検出モードでの応答よりもV検出モードのほうが顕著に応答しており、かつV検出モードでの信号の中でも端部に最も近い位置に検出コイルのあったch6が最後に応答していることがわかる。
このようにすべての波形を重ね表示してみると、V検出モードを選択すべきか、H検出モードを選択すべきかが判明する。ちなみに、検出モードを選択するときの観点は、より顕著に信号変化をしている検出モードとすることであり、大きな信号波形であるほど精度よく位置が特定でき、かつ欠陥長さ測定に有効である。
また、欠陥を表す信号強度の平面表示も表示部7に表示しているが、信号強度の大きくなり始める位置(端部18a)においては、いち早く信号変化を引き起こしたチャンネルch1が最も端部18aに近いことからこの信号を端部18aの位置検出に使用すればよいことがわかる。同じ理由で、信号強度がなくなり始める位置(端部18b)においては、最後に信号変化を引き起こしたチャンネルch6が最も端部18bに近いことからこの信号を位置検出に使用すればよい。
図11は、このようにして選択された2つの波形(ch1とch6からの波形)のみを表示部7に表示したものであり、ch1では横軸の位置変化に対して立ち上がり点の情報から欠陥端部18aの位置を評価し、ch6では立下り部の情報から欠陥端部18bの位置を評価する。この結果として12dBドロップ点の間の位置の差分を導出すれば、欠陥の長さを求めることができる。
図1は、以上のように表示された斜め欠陥の長さ測定手法を示すフロー図であり、その一部の考え方は前述の図8の考え方と同じである。
まず、ステップ201では各検出モード(H、V1、V2)における信号強度の平面表示を作成する。次にステップ202では信号変化を表した各検出コイル9の信号波形(ch1乃至ch18)を図4の表示部7に表示する。このときに表示された表示画面は、図10のようであり、端部18aの領域1での応答信号がV検出モードとH検出モードに分けて横軸を位置とし縦軸を波形の長さとする画面上に重ね表示される。同様に端部18bの領域2での応答信号がV検出モードとH検出モードに分けて横軸を位置とし縦軸を波形の長さとする画面上に重ね表示される。
この重ね表示を見ると、図9の方向にプローブが移動したとき最初に図10左側の各検出コイル(ch1、ch2、ch3、ch7乃至ch12)が応答し、その後右側の各検出コイル(ch4、ch5、ch6、ch13乃至ch18)が応答したことがわかる。横軸はプローブ位置であることからこのプローブ走査方向を考えると、この横軸は時間軸ということもできる。したがって、図10左側の波形群は欠陥に近づいたときの最初に応答した波形群、右側の波形群は欠陥から離れるときの最後に応答した波形群ということができる。
次にステップ203において、端部ごとの応答性を評価するが、この中での処理は基本的に同じであるので、ここでは端部18a側のステップ203(a)を例にとり説明する。ステップ204では、まずどちらかの端部を選定し、205で選定した端部で信号変化したすべての信号波形のみを取り出し重ね表示する。このときの表示は、図10が表示されていたものが、図10の左側の画面のみが抽出され拡大表示されたと考えればよい。
次にステップ206で、図10左側の画面のうち上に表示されたV検出モードの画面と下に表示されたH検出モードのいずれかを選択する。この図の例では、信号変化が顕著なV検出モードの信号を選択する。なお、同様にしてステップ206(b)側でもV検出モードの信号を選択する。
ステップ207では、抽出されたV検出モードの3つの信号の中から欠陥検査に使用するひとつのチャンネルの信号を選択する。このときの選択の考え方は欠陥に近づいて最初に応答を始めたチャンネルの信号ch1とする。同様に207(b)での選択では、欠陥から遠ざかるときに最後に応答したチャンネルの信号ch6とする。ステップ208では、図11に示すように選択したチャンネルch1の信号について、振幅最大点、振幅最小点、信号消失点を計算する。
各端部についてステップ203の一連の処理が完了すると、次に画面表示は図11に切り替わりチャンネルch1とチャンネルch6について、その波形が特徴点(振幅最大点、振幅最小点、信号消失点)とともに表示される。そのうえで、欠陥に近づいたときの最初の応答信号であるch1について、立ち上がり点で12dBドロップ位置を計算する。同様に欠陥から離れるときの最後の応答信号であるch6について立ち下がり点で12dBドロップ位置を計算する。さらには、信号消失点の位置を夫々計算する。
ステップ209では、欠陥の大きさを12dBドロップ位置で算定するか、あるいは信号消失点位置で算出するかを選択し、ステップ210ではch1とch6の各座標位置間の差として欠陥の長さを決定する。
以上詳細に述べたように、本発明の方法および装置によれば、一度のプローブ走査で広い範囲の探傷を実施することができ、かつ複数の応答信号の中から最適の組み合わせを抽出することで、欠陥の長さを簡便に測定することができる。
本発明は例えば原子力発電プラントの炉内構造物における渦電流探傷検査等に適用可能であり、広い面を短時間でかつ欠陥の方向性に因らない長さ測定が行える。
1 マルチプローブ
2 要素プローブ
3 メモリを含む計算機
4 メモリ
5 演算部
6 計算機の入力部
7 計算機の表示部
8 励磁コイル
9 検出コイル(a、b、c)
11 渦電流探傷器
12 プローブに対して平行方向の欠陥
13 プローブに対して直交方向の欠陥
14 探傷メカフレーム
15 走行車
16 走行レール
17 走行車輪
18 駆動モータ
19 位置エンコーダ
20 弾性材
21 緩衝材
22 探傷メカ装置
23 平板試験体
24 信号振幅最大値(a、b)
25 信号振幅最小値(a、b)
26 信号消失点(a、b)
27 −12dBドロップ点(a、b)

Claims (7)

  1. 励磁コイルにより試験体に渦電流を生じせしめ、渦電流の変化を複数の検出コイルで検知する渦電流探傷方法であって、
    前記励磁コイルと前記複数の検出コイルを搭載するプローブを試験体上で走査して前記複数の検出コイルからの渦電流変化の信号を検出し、
    前記複数の検出コイル信号の中から欠陥に近づくときに信号変化したひとつの信号を選択し、
    前記複数の検出コイル信号の中から欠陥から離れるときに信号変化したひとつの信号を選択し、
    前記選択した夫々の信号から変化開始点位置と、変化終了点位置を特定し、
    該変化開始点位置と変化終了点位置の差分として試験体の欠陥の長さを決定することを特徴とする渦電流探傷方法。
  2. 請求項1記載の渦電流探傷方法において、
    前記変化開始点位置でのひとつの信号の選択は、最初に変化開始を検知した検出コイルからの信号とし、
    前記変化終了点位置でのひとつの信号の選択は、最後に変化終了を検知した検出コイルからの信号とすることを特徴とする渦電流探傷方法。
  3. 励磁コイルと第一の検出コイルが配置された方向と交差する方向に複数の第二の検出コイルを備えた要素プローブを複数組備え、前記励磁コイルにより試験体に渦電流を生じせしめ、渦電流の変化を前記複数の検出コイルで検知する渦電流探傷方法であって、
    前記複数の励磁コイルと前記複数の検出コイルを搭載する前記プローブを試験体上で走査して前記複数の検出コイルからの渦電流変化の信号を検知し、
    前記複数の検出コイル信号の中から欠陥に近づくときに信号変化したひとつの信号を選択し、
    前記複数の検出コイル信号の中から欠陥から離れるときに信号変化したひとつの信号を選択し、
    該選択した夫々の信号から変化開始点位置と、変化終了点位置を特定し、
    該変化開始点位置と変化終了点位置の差分として試験体の欠陥の大きさを決定することを特徴とする渦電流探傷方法。
  4. 請求項3記載の渦電流探傷方法において、
    前記複数の第一検出コイルから構成される第一検出コイル群と、前記複数の第二検出コイルから構成される第二検出コイル群がともに渦電流の変化を検知したとき、変化の大きいほうの検出コイル群の信号を選択し、
    当該選択した検出コイル群からの信号に対して、複数の検出コイル信号の中からひとつの信号を選択することを特徴とする渦電流探傷方法。
  5. 請求項3記載の渦電流探傷方法において、
    前記複数の第一検出コイルから構成される第一検出コイル群と、前記複数の第二検出コイルから構成される第二検出コイル群がともに渦電流の変化を検知したとき、変化の大きいほうの検出コイル群の信号を選択するに際し、この選択は欠陥に近づくときと、欠陥から離れるときとでそれぞれ個別に選択することを特徴とする渦電流探傷方法。
  6. 励磁コイルと複数の検出コイルを複数組搭載したプローブを試験体上に走査し、前記励磁コイルにより試験体に渦電流を生じせしめ、渦電流の変化を前記複数の検出コイルで検知する探傷メカ装置と、前記複数の検出コイルからの信号と試験体上の探傷位置信号を得る渦電流探傷器と、該渦電流探傷器からの信号を用いて演算処理を実行する計算機と、該計算機からの出力を表示する表示部とから構成される渦電流探傷装置であって、
    前記表示部には、欠陥に近づくときの前記複数の検出コイル信号と、欠陥から離れるときの前記複数の検出コイル信号が、夫々横軸に試験体上の探傷位置信号をとり、縦軸に振幅値として重ね表示されることを特徴とする渦電流探傷装置。
  7. 請求項6記載の渦電流探傷装置において、
    前記表示部には、欠陥に近づくときの前記複数の検出コイル信号のうち最初に変化した検出コイルからの信号と、欠陥から離れるときの前記複数の検出コイル信号のうち最後に変化した検出コイルからの信号のみが選択され、夫々横軸に試験体上の探傷位置信号をとり、縦軸に振幅値として表示される渦電流探傷装置。
JP2009136919A 2009-06-08 2009-06-08 渦電流探傷方法および装置 Active JP5191446B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009136919A JP5191446B2 (ja) 2009-06-08 2009-06-08 渦電流探傷方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009136919A JP5191446B2 (ja) 2009-06-08 2009-06-08 渦電流探傷方法および装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010281765A true JP2010281765A (ja) 2010-12-16
JP5191446B2 JP5191446B2 (ja) 2013-05-08

Family

ID=43538621

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009136919A Active JP5191446B2 (ja) 2009-06-08 2009-06-08 渦電流探傷方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5191446B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101679520B1 (ko) 2015-12-02 2016-11-24 한국가스공사 다채널 rfect를 이용한 배관의 결함 폭 측정 시스템 및 이를 이용한 측정방법
EP3101417A1 (en) * 2015-06-03 2016-12-07 Hitachi-GE Nuclear Energy, Ltd. Multi coil eddy current inspection device
JP2016205902A (ja) * 2015-04-17 2016-12-08 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 渦電流探傷装置および渦電流探傷方法
CN106574912A (zh) * 2014-06-27 2017-04-19 霍释特博士有限两合公司 用于漏损通量检验的方法和装置
JP2020079747A (ja) * 2018-11-13 2020-05-28 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 渦電流探傷システム及び渦電流探傷方法
CN114330429A (zh) * 2021-12-21 2022-04-12 中国国家铁路集团有限公司 一种钢轨擦伤识别方法、装置、系统、设备及存储介质

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003344360A (ja) * 2002-05-23 2003-12-03 Central Res Inst Of Electric Power Ind 3次元形状物検査装置
JP2008008806A (ja) * 2006-06-30 2008-01-17 Hitachi Ltd 渦電流探傷法による表面欠陥長さ評価方法及び装置
JP2008175638A (ja) * 2007-01-17 2008-07-31 Toshiba Corp 構造材の欠陥検出装置及び方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003344360A (ja) * 2002-05-23 2003-12-03 Central Res Inst Of Electric Power Ind 3次元形状物検査装置
JP2008008806A (ja) * 2006-06-30 2008-01-17 Hitachi Ltd 渦電流探傷法による表面欠陥長さ評価方法及び装置
JP2008175638A (ja) * 2007-01-17 2008-07-31 Toshiba Corp 構造材の欠陥検出装置及び方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106574912A (zh) * 2014-06-27 2017-04-19 霍释特博士有限两合公司 用于漏损通量检验的方法和装置
JP2017520005A (ja) * 2014-06-27 2017-07-20 インスティトゥート ドクトル フェルスター ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト 漏れ磁束検査のための方法および装置
JP2016205902A (ja) * 2015-04-17 2016-12-08 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 渦電流探傷装置および渦電流探傷方法
EP3101417A1 (en) * 2015-06-03 2016-12-07 Hitachi-GE Nuclear Energy, Ltd. Multi coil eddy current inspection device
JP2016224010A (ja) * 2015-06-03 2016-12-28 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 渦電流検査装置
US10132779B2 (en) 2015-06-03 2018-11-20 Hitachi-Ge Nuclear Energy, Ltd. Eddy current inspection device
KR101679520B1 (ko) 2015-12-02 2016-11-24 한국가스공사 다채널 rfect를 이용한 배관의 결함 폭 측정 시스템 및 이를 이용한 측정방법
JP2020079747A (ja) * 2018-11-13 2020-05-28 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 渦電流探傷システム及び渦電流探傷方法
JP7174600B2 (ja) 2018-11-13 2022-11-17 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 渦電流探傷システム及び渦電流探傷方法
CN114330429A (zh) * 2021-12-21 2022-04-12 中国国家铁路集团有限公司 一种钢轨擦伤识别方法、装置、系统、设备及存储介质

Also Published As

Publication number Publication date
JP5191446B2 (ja) 2013-05-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5191446B2 (ja) 渦電流探傷方法および装置
KR101757019B1 (ko) 써모그래픽 검사 방법 및 검사 방법을 수행하기 위한 검사 장치
US9146214B2 (en) Leakage magnetic flux flaw inspection method and device
JP6472334B2 (ja) 渦電流検査装置
JP4902448B2 (ja) 欠陥識別方法及び欠陥識別装置
JP5922633B2 (ja) 渦電流探傷プローブ、及び、渦電流探傷方法
JP6594065B2 (ja) ロープ検査装置、および、ロープ検査システム
JP2011133268A (ja) 探傷装置及び探傷方法
JP2006177952A (ja) 渦電流プローブ、検査システム及び検査方法
JP6283965B2 (ja) 検査装置、検査方法及び非接触式センサ
JP2018071983A (ja) 磁気的非破壊検査方法及び磁気的非破壊検査装置
JP2001056317A (ja) 渦流探傷方法および装置
JP6209119B2 (ja) 探傷方法及び探傷システム
US10775346B2 (en) Virtual channels for eddy current array probes
JP2011069623A (ja) 渦電流探傷方法
JP4701389B2 (ja) 燃料電池の電極面の欠陥検査装置
JP4742757B2 (ja) 漏洩磁束探傷装置
JP2007263930A (ja) 渦電流探傷装置
JP2001059836A (ja) 渦流探傷方法および装置
JP2003149209A (ja) 渦電流探傷用プローブとそのプローブを用いた渦電流探傷装置
JP5032438B2 (ja) 渦電流探傷試験方法及び渦電流探傷試験装置
JP2016080596A (ja) 渦電流探傷プローブ
JP2008145137A (ja) 渦電流探傷プローブ,探傷装置及び探傷方法
JPH06242076A (ja) 電磁気探傷装置
WO2024150473A1 (ja) 渦電流探傷装置、及び渦電流探傷方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110627

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121113

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5191446

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160208

Year of fee payment: 3