JP2010281183A - ハイブリッド建設機械 - Google Patents

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Hiroshi Ishiyama
寛 石山
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Abstract

【課題】回生電力の利用効率を向上させ、且つ、バッテリー及びエンジン用電動発電機の小型化を図る。
【解決手段】ブームシリンダ7の圧油を回生して回転駆動されるブーム用電動発電機39と、エンジン11により回転駆動されるエンジン用電動発電機12と、回生動作及び力行動作が可能な旋回用電動発電機21とは、インバータ41,18,20を介してバッテリー19に夫々接続する。又、ブーム用電動発電機39及び/又は旋回用電動発電機21の回生動作時にエンジン用電動発電機12を力行動作に移行させる駆動制御部33を備える。旋回用電動発電機21における旋回力行エネルギと旋回回生エネルギとの差は、ブーム用電動発電機39のブーム回生エネルギにより補給する。
【選択図】図3

Description

本発明はハイブリッド建設機械に関するものであり、特に、ブーム用電動発電機とエンジン用電動発電機と旋回用電動発電機とをバッテリーに接続して成るハイブリッド建設機械に関するものである。
従来、ハイブリッド建設機械としては、例えば、エンジンにより駆動される油圧ポンプと、該油圧ポンプからの圧油(保持油又は戻り油)により駆動される油圧アクチュエータ(油圧シリンダ、油圧モータ)と、該油圧アクチュエータの圧油を利用して電力を回生させる電動発電機とを搭載したものが知られている。
近年、ブームシリンダを備えたハイブリッド建設機械のエネルギ回生装置では、ブームシリンダの圧油を利用して回転駆動されるブーム用電動発電機と、エンジンにより回転駆動されるエンジン用電動発電機と、上部旋回体の慣性力により回転駆動される旋回用電動発電機とを備え、これら電動発電機で得られた電力をバッテリーに充電するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−190845号公報
上記従来技術では、ブーム用電動発電機及び旋回用電動発電機により回生した電力をバッテリーに充電しているが、該バッテリーには、前記回生した電力の全量が充電される。従って、回生した電力量に応じて充電量が増加するのでバッテリーが大型化する。
又、バッテリーにおける充放電量及び充放電回数の増加に伴い、電力の放充電ロスが発生して回生電力の利用効率が低下するという問題があった。
更に、エンジン用電動発電機は、該エンジン用電動発電機自身の力行動作用の電力に加えて、旋回用電動発電機の力行動作用の電力を供給するための電力源としても使用されている。その結果、旋回力行動作用の電力の分だけ、エンジン用電動発電機が大型化するという問題もあった。
そこで、回生電力の利用効率を向上させ、且つ、バッテリー及びエンジン用電動発電機の小型化を図るために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、ブームシリンダの圧油を回生して回転駆動されるブーム用電動発電機と、エンジンにより回転駆動されるエンジン用電動発電機と、回生動作及び力行動作が可能な旋回用電動発電機とがインバータを介してバッテリーに夫々接続されたハイブリッド建設機械において、前記各電動発電機を駆動制御するコントローラを設け、該コントローラは、前記ブーム用電動発電機及び/又は前記旋回用電動発電機の回生動作時に前記エンジン用電動発電機を力行動作に切り換える駆動制御部を備えることを特徴とするハイブリッド建設機械を提供する。
この構成によれば、ブーム用電動発電機及び/又は旋回用電動発電機が回生動作する時、エンジン用電動発電機は力行動作に切り換えられる。そして、ブーム用電動発電機及び/又は旋回用電動発電機による回生エネルギの一部は、エンジン用電動発電機の力行動作の動力として消費され、残りの回生エネルギ分のみがバッテリーに蓄電される。
請求項2記載の発明は、上記コントローラは、上記旋回用電動発電機における旋回力行エネルギと旋回回生エネルギとの差を上記ブーム用電動発電機のブーム回生エネルギにより補給するように制御することを特徴とする請求項1記載のハイブリッド建設機械を提供する。
この構成によれば、旋回用電動発電機における旋回力行エネルギと旋回回生エネルギとの差は、ブーム用電動発電機のブーム回生エネルギにより補給される。従って、エンジン用電動発電機は、エンジン力行動作用の電力のみを発生させればよく、旋回用電動発電機の力行動作用の電力を供給する必要はない。
請求項1記載の発明は、ブーム用電動発電機及び/又は旋回用電動発電機の回生エネルギの一部を直ちに動力として消費することにより、バッテリーに蓄電される量は、消費されなかった回生エネルギの残り分のみであり、回生エネルギの全部ではない。依って、バッテリーの小型化が可能になると共に、バッテリーへの放充電に伴うエネルギロスが低減して、回生エネルギの利用効率を向上させることができる。
請求項2記載の発明は、エンジン用電動発電機は、エンジン力行動作用の電力のみを確保すればよく、旋回力行動作用の電力を供給する必要がないので、請求項1記載の発明の効果に加えて、エンジン用電動発電機の小型化が可能になる。
本発明は、回生電力の利用効率を向上させ、且つ、バッテリー及びエンジン用電動発電機の小型化を図るという目的を達成するために、ブームシリンダの圧油を回生して回転駆動されるブーム用電動発電機と、エンジンにより回転駆動されるエンジン用電動発電機と、回生動作及び力行動作が可能な旋回用電動発電機とがインバータを介してバッテリーに夫々接続されたハイブリッド建設機械において、前記各電動発電機を駆動制御するコントローラを設け、該コントローラは、前記ブーム用電動発電機及び/又は前記旋回用電動発電機の回生動作時に前記エンジン用電動発電機を力行動作に切り換える駆動制御部を備えることにより実現した。
以下、本発明の好適な一実施例を図1乃至図3に従って説明する。尚、本発明は、ブーム用電動発電機の回生エネルギが旋回用電動発電機の旋回エネルギよりも大きいハイブリッド建設機械に適用することが好ましいが、これに限定されない。
図1は本実施例に係るハイブリッド建設機械としての油圧ショベルを示す。同図に示すように、下部走行体1上には旋回機構2を介して上部旋回体3が搭載され、又、該上部旋回体3にはブーム4、アーム5及びバケット6と、これらを駆動する油圧アクチュエータとしてのブームシリンダ7、アームシリンダ8及びバケットシリンダ9、並びにキャビン10が搭載されている。
図2は前記油圧ショベルの駆動回路を示す。同図において、11は機械式駆動部としてのディーゼルエンジンであり、該ディーゼルエンジン11の駆動軸にはエンジン用電動発電機(以下「エンジンモータ」という。)12が変速機13(図示せず)を介して接続されてい
更に、前記変速機13の出力軸には可変容量型のメイン油圧ポンプ14及びパイロットポンプ15(図示せず)が接続されている。而して、ディーゼルエンジン11の負荷が大きい時には、エンジンモータ12の力行動作を行い、メイン油圧ポンプ14に駆動力が伝達される。一方、ディーゼルエンジン11の負荷が小さい時には、該ディーゼルエンジン11の駆動力はエンジンモータ12に伝達されて発電を行う。
前記メイン油圧ポンプ14には高圧油圧ライン油圧16を介してコントロールバルブ17が接続されている。又、コントロールバルブ17には方向切換弁が複数連設されていると共に、各方向切換弁には走行用油圧モータ1A,1B、ブームシリンダ7及びアームシリンダ8等の各油圧アクチュエータが夫々接続されている。
符号21は旋回用電動発電機(以下「旋回モータ」という。)を示し、該旋回モータ21の回転軸21Aには、該回転軸21Aの回転位置及び回転角度を検出するレゾルバ22と、回転軸21Aに制動力を加えるメカニカルブレーキ23及び旋回用減速機24が接続されている。
又、旋回モータ21は、力行動作又は回生動作を選択的に駆動できるように構成され、上部旋回体3の慣性回転により旋回用減速機24を介して回生電力を発生させる。
上記パイロットポンプ15にはパイロットライン25を介して操作装置26が接続され、更に、該操作装置26には油圧ライン27,28を介して、コントロールバルブ17及び圧力センサ29が夫々接続されている。該操作装置26はブーム4及びアーム5等の各油圧アクチュエータを操作する。
圧力センサ29には、電気系の各駆動部を統括制御するコントローラ30が接続され、該コントローラ30は速度指令変換部31、エネルギ検出部32及び駆動制御部33などを内蔵している。前記エネルギ検出部32は、旋回モータ21における旋回力行動作のエネルギと旋回回生エネルギとの差を検出する。
又、駆動制御部33は、エネルギ検出部32で検出した前記エネルギの差をブーム回生エネルギにより補給するように、エンジンモータ12等の各駆動部を切り換え制御する。
図3は、本発明に係るエネルギ回生装置の要部を示す。同図に示すように、ブームシリンダ7のピストン側油室とコントロールバルブ17とを接続する油路35の途中にはホールディング弁36が介装されている。
更に、油路35から分岐する戻り油路37にはブーム用の回生油圧モータ38が設けられている。又、回生油圧モータ38の回転軸にはブーム用の電動発電機(以下「ブームモータ」という。)39が連結されている。
これにより、回生油圧モータ38はブームシリンダ7からの戻り油により回転駆動され、該回転エネルギはブームモータ39により電力に変換される。又、ブームモータ39及び/又は旋回モータ21が回生動作する時には、コントローラ30の駆動制御部33により、エンジンモータ12は力行動作を行うように駆動制御される。
前記エンジンモータ12、旋回モータ21及びブームモータ39は電動機の機能及び発電機の機能を有し、インバータ18,20及び41を介してバッテリー19の直流母線に夫々接続されている。また、バッテリー25の放充電は、インバータ18,20,41に接続されたコントローラ30により制御される。
コントローラ30は、旋回モータ21における力行動作時のエネルギと回生動作時のエネルギとの差を検出し、このエネルギ差(エネルギロス)をブームモータ39で生じたブーム回生エネルギにより補給すべく制御する。従って、ブーム回生エネルギの一部は動力として即時に消費されるので、バッテリー19に出し入れされる電力量は、ブーム回生エネルギの未消費分のみであり、ブーム回生エネルギの全量ではない。
本実施例では、上記ブームモータ39及び/又は旋回モータ21の回生動作時に、エンジンモータ12は力行動作に切り換えられる。依って、ブームモータ39及び/又は旋回モータ21の回生エネルギの一部は動力として消費される。更に、エンジンモータ12は、該エンジンモータ12の力行動作に必要な電力のみを発電により確保できるように制御される。そのため、エンジンモータ12は、旋回モータ21に旋回力行動作用の電力を供給する必要はない。
旋回操作により旋回モータは力行動作を行い速度指令に応じた回転まで加速する。旋回操作レバーをを戻す等により実回転数が速度指令を超えると回生動作により減速する。旋回動作の力行/回生は、オペレータのレバー操作で決定され、ブーム回生とオペレータのブーム下げ操作で決定されることとなり、コントローラが意図的に制御できるのは、エンジンモータを力行状態にした時か、それとも、発電状態か、それとも、無動作状態にした時となる。
操作方法は作業内容により異なり各動作の力行、回生は一動作中でも時間的に差異がある。旋回力行で得た回転エネルギーは減速動作時の回生で電力に変換されるが効率分回生エネルギーは小さい。ブームの回生エネルギーは旋回力行エネルギーより旋回回生分を差し引いたエネルギーより通常大きい為、ブーム回生エネルギーで旋回動作に必要なエネルギーをまかなうことはできるが、同時間に動作は実施されない為、ブーム回生エネルギーの余剰分はエンジンモータ駆動と蓄電に使われることになる。
次に、前記エンジンモータ12等の動作切り換えパターンについて詳述する。該動作切り換えパターンは、表1に示すように、ブームモータ39が無負荷状態である場合の動作切り換えパターン1,2と、ブームモータ39が回生動作である場合の動作切り換えパターン3,4とに分けられる。
Figure 2010281183
先ず、動作切り換えパターン1では、エンジンモータ12は無負荷状態に切り換えられ、且つ、旋回モータ21は力行動作に切り換えられる。この場合、前記旋回モータ21の力行動作に必要なエネルギはバッテリー19により出力される。このパターン1ではブーム下げ動作をしていないとき、旋回モータが操作されるとバッテリーよりエネルギーが供給されることとなる。
又、動作切り換えパターン2では、エンジンモータ12は力行動作に切り換えられ、且つ、旋回モータ21は回生動作に切り換えられる。この場合、旋回モータ21の回生エネルギの一部は、エンジンモータ12の力行動作のエネルギ(力行エネルギ)に使用され、残りの回生エネルギは旋回モータ21の力行動作用のエネルギとしてバッテリー19に蓄電される。このパターン2では、旋回レバーを戻すと旋回モータは回生制動により減速し、旋回の回生エネルギーをエンジンモータで消費する。
次に、動作切り換えパターン3では、エンジンモータ12は無負荷状態に切り換えられ、且つ、旋回モータ21は力行動作に切り換えられる。この場合、ブームモータ39の回生エネルギは、旋回モータ21の力行動作のエネルギとして使用される。
ここで、ブームモータ39の回生エネルギが旋回モータ21の力行エネルギよりも小さいとき、即ち、旋回モータ21の力行エネルギが不足するときは、その不足分だけバッテリー19から電力が補給される。
これに対して、ブームモータ39の回生エネルギが旋回モータ21の力行エネルギよりも大きいとき、即ち、ブームモータ39の回生エネルギに余剰が生ずるときは、その余剰分はバッテリー19に蓄電される。このパターン3ではブーム下げ動作での回生中に旋回レバーを操作すると、ブーム回生エネルギーは旋回力行に使用され、過不足分はバッテリーで調整することとなる。
更に、動作切り換えパターン4では、エンジンモータ12は力行動作に切り換えられ、且つ、旋回モータ21は回生動作に切り換えられる。この場合には、前記動作切り換えパターン2と同様に、旋回モータ21の回生エネルギの一部は、エンジンモータ12の力行動作のエネルギに使用され、残りのエネルギは旋回モータ21の力行動作用のエネルギとしてバッテリー19に蓄電される。このパターン4ではブーム上げ動作による回生エネルギーと旋回回生エネルギーとが発生する。これらをエンジンモータで消費し、過分はバッテリーに蓄電することとなる。
このように本実施例では、エンジンモータ12の力行動作の出力を制御することにより、ブームモータ39の回生エネルギのみで旋回モータ21を駆動することができる(上記動作切り換えパターン3)。
叙上の如く本発明によると、ブームモータ39及び/又は旋回モータ21が回生動作である時に、エンジンモータ12は力行動作に切り換えられる。これにより、ブームモータ39及び/又は旋回モータ21の回生電力の一部は、極力リアルタイムで動力として消費される。
斯くして、回生電力の全量がバッテリー19に出し入れされないので、バッテリー19の小型化が可能になる。又、回生電力を効率良く利用できるので、その分だけ他の油圧アクチュエータ(油圧シリンダ)を駆動するために必要なエンジン出力を低減でき、以て、省エネルギ効果に寄与することができる。
又、ブームモータ39及び/又は旋回モータ21が回生動作時には、従来例に比べてバッテリー19に出入りする電力量が減少し、それに伴いバッテリー19における発熱量も減少して作動温度が低下するので、バッテリー19の寿命がアップする。
本実施例では、ブームモータ39のブーム上げ動作の終了又は旋回モータ21の力行動作の終了をトリガーとして、エンジンモータ12が力行動作に自動的に切り換えられる。斯くして、回生エネルギの動力への消費が可及的速やかに行われるため、有効な動力消費量の増加に応じてバッテリー10の電圧レベルが低下する。それゆえ、バッテリー19の過電圧を未然に防止でき、バッテリー19の一層の小型化が可能になる。
更に、旋回モータ21における旋回力行エネルギと旋回回生エネルギとの差は、ブームモータ39からのブーム回生エネルギにより補給される。従って、エンジンモータ12は、該エンジンモータ12の力行動作に必要な電力のみを賄えばよく、前記旋回モータ21に旋回力行エネルギを補給する必要はない。そのため、エンジンモータ12の一層の小型化が可能になる。
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
本発明に係る一実施例を示し、ハイブリッド建設機械(油圧ショベル)の側面図。 一実施例に係るハイブリッド建設機械の駆動回路を示すブロック図。 一実施例に係るハイブリッド建設機械のエネルギ回生装置を示す電気油圧制御系の駆動回路構成図。
7 ブームシリンダ
8 アームシリンダ
11 エンジン
12 エンジンモータ(エンジン用電動発電機)
14 メイン油圧ポンプ
19 バッテリー
21 旋回モータ(旋回用電動発電機)
18,20,41 インバータ
30 コントローラ
33 駆動制御部
38 ブーム用回生油圧モータ
39 ブームモータ(旋回用電動発電機)

Claims (2)

  1. ブームシリンダの圧油を回生して回転駆動されるブーム用電動発電機と、エンジンにより回転駆動されるエンジン用電動発電機と、回生動作及び力行動作が可能な旋回用電動発電機とがインバータを介してバッテリーに夫々接続されたハイブリッド建設機械において、前記各電動発電機を駆動制御するコントローラを設け、該コントローラは、前記ブーム用電動発電機及び/又は前記旋回用電動発電機の回生動作時に前記エンジン用電動発電機を力行動作に切り換える駆動制御部を備えることを特徴とするハイブリッド建設機械。
  2. 上記コントローラは、上記旋回用電動発電機における旋回力行エネルギと旋回回生エネルギとの差を上記ブーム用電動発電機のブーム回生エネルギにより補給するように制御することを特徴とする請求項1記載のハイブリッド建設機械。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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