JP2010280978A - 直接切削用非調質棒鋼 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】C:0.37〜0.53%、Si:0.05%以上0.50%未満、Mn:1.55%〜1.90%、P≦0.040%、S:0.010%以上0.030%未満、Cr:0.15〜0.80%、Al≦0.06%、N:0.005〜0.025%及びNb:0.010〜0.050%を含有し、残部がFeと不純物からなり、〔1.90<Mn+Cr≦2.50〕を満足する化学組成を有し、しかも、フェライト・パーライト組織の割合が90%以上で、かつ、旧オーステナイト粒径が150μm以下であるミクロ組織を有する直接切削用非調質棒鋼。V<0.15%、Ca≦0.010%、Pb≦0.35%のうちの1種以上を含んでいてもよい。
【選択図】なし
Description
1.90<Mn+Cr≦2.50・・・(1)
ただし、(1)式中の元素記号は、その元素の質量%での含有量を表す。
C:0.37〜0.53%
Cは、鋼の引張強度を高める作用を有し、0.37%以上含有させることで効果が得られる。しかも、「高周波焼入れ−焼戻し」の処理を施す場合には、高周波焼入れによって必要なマルテンサイト硬さを得るために0.37%以上のC含有量が必要となる。しかしながら、Cの含有量が0.53%を超えると、高い降伏比が得られず、また、靱性も低下する。さらに、降伏強度の割には引張強度が高くなりすぎて、被削性の低下が生じる。したがって、Cの含有量を0.37〜0.53%とした。なお、C含有量の好ましい上限は0.48%である。
Siは、鋼の脱酸に有効であるとともに固溶強化によって鋼の降伏強度を高める作用を有する。しかしながら、その含有量が0.05%未満では添加効果に乏しい。一方、Siを、0.50%以上含有させてもコストが嵩む上に、鋼の熱間加工性が低下する。したがって、Siの含有量を0.05%以上0.50%未満とした。
Mnは、鋼の脱酸作用を有するとともに、フェライトの固溶強化に寄与し降伏強度を高める作用を有する。これらの効果を得るためにはMnの含有量を1.55%以上とする必要がある。しかしながら、Mnの含有量が1.90%を超えると、鋼の熱間加工性が低下し、さらに、焼入れ性が高くなりすぎてベイナイト組織を生じ、降伏比や靱性の低下をきたす。したがって、Mnの含有量を1.55%〜1.90%とした。
Pは、結晶粒界に偏析して熱間加工性を低下させ、さらに、固溶強化によりフェライトが硬くなって靱性を低下させる場合がある。特に、その含有量が0.040%を超えると熱間加工性および靱性の低下が大きくなる。したがって、Pの含有量を0.040%以下とした。なお、Pの含有量は少なければ少ないほど好ましい。
Sは、Mnとともに硫化物を形成して鋼の被削性を高める作用を有する。この効果を得るには、Sの含有量を0.010%以上とする必要がある。しかしながら、Sの含有量が0.030%以上になると、鋼の熱間加工性が低下し、さらに、靱性も低下する。したがって、Sの含有量を0.010%以上0.030%未満とした。
Crは、パーライト中のセメンタイトの強化に寄与し鋼の降伏強度を高める作用を有する。特に本発明は、ミクロ組織に占めるフェライト・パーライト組織の割合が90%以上の非調質棒鋼を対象とするものであり、さらには、高価なVの含有量を極力制限して高い降伏強度と降伏比を得ることを目的とするものである。このため、Crのパーライト中のセメンタイトの強化効果を十分に活用することが有効である。上記Crのパーライト中のセメンタイトの強化効果を得るには、0.15%以上のCr含有量とすることが必要である。しかしながら、Crの含有量が0.80%を超えるとベイナイト組織を生じ、降伏比および靱性の低下をきたす。したがって、Crの含有量を0.15〜0.80%とした。なお、Cr含有量の好ましい下限は0.20%であり、また、好ましい上限は0.45%である。
Alは、鋼の脱酸剤として有効な元素である。しかしながら、Alを0.06%を超えて含有させてもその効果は飽和し、合金コストが嵩むばかりである。したがって、Alの含有量を0.06%以下とした。Alの含有量は、好ましくは、0.05%以下である。
Nは、CとともにNbと炭窒化物を形成して、また、Vを含む場合には、CとともにVとも炭窒化物を形成して、鋼の析出強化に寄与する重要な元素である。この効果を得るには、0.005%以上のN含有量が必要である。しかしながら、Nを0.025%を超えて含有させても上記の効果は飽和する。したがって、Nの含有量を0.005〜0.025%とした。なお、N含有量の好ましい下限は0.007%であり、また、好ましい上限は0.020%である。
Nbは、本発明において重要な元素である。すなわち、Nbは、CおよびNと結合してフェライト中に炭窒化物として析出し、降伏強度を高める作用を有する。こうした効果を得るには、Nbの含有量を0.010%以上とする必要がある。しかしながら、Nbを0.050%を超えて含有させても、熱間加工時の加熱温度でマトリックスに固溶しきれなくなるため、前記した効果の増大はほとんど得られず、このため、Vほどではないもののコストが高くなってしまう。したがって、Nbの含有量を0.010〜0.050%とした。なお、Nb含有量の好ましい上限は0.035%である。
1.90<Mn+Cr≦2.50・・・(1)
を満足する化学組成を有するものでなければならない。ただし、(1)式中の元素記号は、その元素の質量%での含有量を表す。
MnおよびCrの含有量が既に述べた範囲にあっても、〔Mn+Cr〕の値が1.90以下である場合には、既に述べた本発明の降伏強度についての目標を達成できないことがある。
1.90<Mn+Cr≦2.50・・・(1)
を満たすこととした。
本発明は、高い降伏強度、降伏比および靱性を高価なVの含有量を極力制限して達成することを目的としている。したがって、Vは含有させなくともよい。
Caは、被削性を高める作用を有する。したがって、この効果を得るためにCaを含有してもよい。しかしながら、0.010%を超える量のCaを含有させても上記の効果は飽和し、コストが嵩むばかりである。したがって、Caを含有させる場合、その含有量を0.010%以下とした。なお、Caの含有量は0.005%以下とすることが好ましい。
Pbは、被削性を高める作用を有する。したがって、この効果を得るためにPbを含有してもよい。しかしながら、Pbの含有量が0.35%を超えると、熱間加工性の低下を招く。したがって、Pbを含有させる場合、その含有量を0.35%以下とした。なお、Pbの含有量は0.30%以下とすることが好ましい。
本発明の直接切削用非調質棒鋼は、そのミクロ組織がフェライト・パーライト組織の割合が90%以上であり、かつ、旧オーステナイト粒径が150μm以下であるものでなければならない。
引張特性は、上記各棒鋼の中心と表面の中間の部位から、JIS Z 2201(1998)に記載の、平行部の直径が7mmの14A号引張試験片を切り出し、通常の方法により室温で引張試験を行って調査した。なお、引張強度および0.2%耐力を測定し、上記の0.2%耐力を降伏強度として、降伏比を算出した。
Claims (3)
- 質量%で、C:0.37〜0.53%、Si:0.05%以上0.50%未満、Mn:1.55%〜1.90%、P:0.040%以下、S:0.010%以上0.030%未満、Cr:0.15〜0.80%、Al:0.06%以下、N:0.005〜0.025%およびNb:0.010〜0.050%を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、MnおよびCrの含有量が下記の(1)式で表される関係を満足する化学組成を有し、しかも、フェライト・パーライト組織の割合が90%以上であり、かつ、旧オーステナイト粒径が150μm以下であるミクロ組織を有することを特徴とする直接切削用非調質棒鋼。
1.90<Mn+Cr≦2.50・・・(1)
ただし、(1)式中の元素記号は、その元素の質量%での含有量を表す。 - Feの一部に代えて、さらに、質量%で、V:0.15%未満を含む化学組成を有することを特徴とする請求項1に記載の直接切削用非調質棒鋼。
- Feの一部に代えて、さらに、質量%で、Ca:0.010%以下およびPb:0.35%以下の1種または2種を含む化学組成を有することを特徴とする請求項1または2に記載の直接切削用非調質棒鋼。
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