JP2010276337A - ガスセンサ - Google Patents

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Yasuhiro Fujita
康弘 藤田
Naokatsu Atsumi
尚勝 渥美
Kazuhiro Kanzaki
和裕 神前
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【課題】通気孔に設けられるフィルタと外筒との間に間隙を有しつつも、外筒内への水滴等の浸入を確実に防止することのできるガスセンサを提供する。
【解決手段】外筒3に形成された通気孔34から導入される外気が、フィルタ70および通気路10を通過する前に、フィルタ70と外筒3との間に設けられた第1間隙36を経るガスセンサ1において、通気孔34から浸入した水滴等がこの第1間隙36に溜まる場合があるが、グロメット9の第1部材80に形成された第1密着部82が、外筒3の内面37に対して密着した状態を維持するので、この第1密着部82よりも外筒3の先端側に、水滴が浸入することが防止される。
【選択図】図2

Description

本発明は、外筒の内部と外部との通気性を確保するための通気構造を有するガスセンサに関するものである。
従来、ジルコニア等のセラミックスからなる固体電解質体を用い、内燃機関の排出する排気ガス中の特定ガス成分(例えば酸素など)を検出する検出素子を備えたガスセンサが知られている。例えば、酸素を検出する酸素センサの検出素子は、排気ガス中に晒される検出電極と、基準となるガス(通常は大気)中に晒される基準電極とが一対となって固体電解質体を挟むようにその表面上に形成された構成を有する。この検出素子は、固体電解質体に隔てられた2つの雰囲気間、すなわち排気ガスと基準ガス(大気)との間における酸素分圧の差に応じ、両電極間に生ずる起電力によって排気ガス中の酸素の検出を行うものである。
このようなガスセンサでは、基準電極側に外気を導入し、基準電極を外気に晒す必要があるが、固体電解質体を保持するための主体金具や、外部からの衝撃に対して固体電解質体等を保護するための外筒や、外筒の後端部内に挿入された栓部材等により、基準電極と外部との間の通気がとれない構造となっている。このため、外筒の後端部に通気孔が開口され、栓部材に通気孔から導入される外気を外筒内に導くための通気路が設けられている。そして通気孔には、外気を導入しつつも水滴等を浸入させない構造を有するフィルタが設けられており、通気路を介した水滴等の浸入が防止されている(例えば特許文献1または特許文献2参照)。
特開平11−248671号公報 特開2001−215210号公報
しかしながら、特許文献1では、外筒とフィルタとの間に間隙が設けられており、通気孔から入り込む水滴等がこの間隙内に溜まると、外筒とフィルタとの間をつたって外筒内に浸入する虞があった。そこで、特許文献2のように、通気孔が形成された領域を加締めて通気孔付近の外筒とフィルタを密着させ間隙をなくすと、間隙内で水滴等が溜まらないが、外筒に設けられた通気孔と栓部材に設けられた通気路との位置がずれると、通気孔からフィルタを通過して通気路内に導入される外気の量が少なくなるため、ガスセンサの検出精度が低下する虞があった。
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、通気孔に設けられるフィルタと外筒との間に間隙を有しつつも、外筒内への水滴等の浸入を確実に防止することのできるガスセンサを提供することを目的とする。
本発明の実施態様によれば、軸線方向に沿って延びるとともに、自身の後端部に開口を有する筒状の外筒と、前記軸線方向に沿って延び、自身の先端側に被検出ガスを検出するための検出部が形成されるとともに、自身の後端側が前記外筒内に配置される検出素子と、前記外筒の前記後端部内に配置される栓部材であって、前記検出素子の検出信号を取り出すための複数のリード線がそれぞれ挿通される複数の挿通孔が、前記軸線方向に貫通して形成された栓部材と、前記栓部材と前記外筒との間に配置されたフィルタと、を備え、前記フィルタに対応する位置において前記外筒に形成された通気孔から導入される外気が、前記フィルタと前記外筒との間に設けられた第1間隙および前記フィルタを透過した後、前記栓部材に形成された通気路を経て、前記外筒の内部に導かれるガスセンサであって、前記栓部材は、前記フィルタよりも前記軸線方向の先端側において、前記外筒の内面に対し、周方向の全周にわたって密着する第1密着部を有するガスセンサが提供される。
本実施態様に係るガスセンサは、外筒に形成された通気孔から導入される外気が、フィルタおよび通気路を通過する前に、フィルタと外筒との間に設けられた第1間隙を経るものである。このため、外部から通気孔を介して水滴等が入り込み、外筒とフィルタとの間に設けられた第1間隙に溜まる場合があるが、本実施態様では、フィルタよりも先端側において、第1密着部が外筒の内面に対して周方向の全周にわたって密着しているので、水滴等が外筒とフィルタとの間をつたってこの第1密着部に達しても、第1密着部よりも外筒の先端側に浸入することがない。
また、上記のように通気孔付近の外筒とフィルタとの間に第1間隙が形成されているので、外筒に設けられた通気孔と栓部材に設けられた通気路との位置がずれたとしても、この第1間隙が、通気孔と通気路との連通路として機能する。よって、通気孔からフィルタを通過して通気路内に導入される外気の量が少なくなることを防止でき、ガスセンサの検出精度の低下を防止できる。
なお、「第1間隙」は、外筒に形成された通気孔から導入される外気が、フィルタおよび通気路を通過する前に通過すればよく、通気孔、フィルタおよび通気路との位置関係により、第1間隙の位置、大きさを決めればよい。例えば、通気孔、フィルタおよび通気路が軸線方向に垂直な方向に一直線上に並ぶものであれば、第1間隙も、その一直線上に並んで外筒とフィルタとの間に設けられていればよい。また、通気孔と、フィルタおよび通気路とが周方向にずれて配置されていれば、第1間隙は、通気孔と、フィルタおよび通気路とを繋ぐように周方向に設けられていればよい。また、第1間隙は、外筒内に導入される外気の量が第1間隙により規制されない程度の大きさにすればよい。
本実施態様において、前記栓部材が、前記フィルタよりも前記軸線方向の後端側において、前記外筒の前記内面に対し、前記周方向の全周にわたって密着する第2密着部を有してもよい。このように、第2密着部においても外筒の内面との間で密着性を維持することができるので、外筒の後端の開口から外筒をつたって水滴等が外筒内に浸入することを防止でき、外筒内の水密性を、より高めることができる。
また、本実施態様は、前記栓部材よりも先端側の前記外筒内に配置され、前記複数のリード線を互いに絶縁するセパレータを備えてもよい。この際、前記第1密着部は、前記セパレータで前記栓部材を前記外筒の前記内面に押し付けることにより前記栓部材に設けられてもよい。セパレータで栓部材を外筒の内面に押し付ければ、第1密着部が外筒の内面により密着した状態を容易に維持することができ、外筒内の水密性をより確実に高めることができる。
また、本実施態様において、前記外筒が、前記後端部含み前記軸線方向に延びる小径部と、前記小径部よりも先端側において前記小径部よりも大径に形成され前記軸線方向に延びる大径部と、前記小径部と前記大径部を接続する段部と、を有し、前記栓部材は、胴部と、該胴部よりも前記軸線方向に垂直な径方向に突出する鍔部を有してもよい。この際、前記第1密着部は、前記セパレータで前記栓部材の前記鍔部を前記外筒の前記段部の前記内面に押し付けることにより前記栓部材の前記鍔部に設けられてもよい。栓部材に外筒の段部よりも大径の鍔部を形成し、外筒の段部に鍔部を当接させることで、栓部材が外筒から抜けることを防止できる。そして、セパレータと栓部材とは軸線方向に配置されるので、セパレータで栓部材の鍔部を外筒の段部に押し付けると、第1密着部が外筒の段部の内面にさらに密着した状態を容易に維持することができる。また、第1密着部と外筒の内面とが、面同士で、軸線方向に密着しているならば、たとえ、栓部材が外筒に対して径方向にずれを生じたとしても、その密着状態を維持することは容易である。
本実施形態において、前記外筒の前記後端部には、前記通気孔を前記軸線方向に挟む形態で前記外筒を前記栓部材へ向けて内向きに加締めることで、前記フィルタを前記外筒と前記栓部材との間に保持する2本の環状の加締部が形成されるとともに、2本の前記加締部間に位置する部位における前記フィルタと前記外筒との間に前記第1間隙が形成されてもよい。このように、通気孔を前記軸線方向に挟む形態で栓部材へ向けて内向きに加締めることで、フィルタを外筒と栓部材との間に強固に固定できる。その上、通気孔を前記軸線方向に挟む形態で栓部材へ向けて内向きに加締めることで、2本の加締部間に位置する部位の外筒は径方向外側に膨らむこととなり、フィルタと外筒との間に第1間隙を容易に形成することができる。
また、本実施態様において、前記セパレータが、前記栓部材を前記外筒に押し付ける本体部と、該本体部よりも前記軸線方向の後端側へ向けて突出する突出部を有し、前記栓部材は、前記突出部が挿入される挿入孔を有しており、前記突出部が、前記栓部材に前記加締部が形成されることで、前記挿入孔内に保持されてもよい。加締部によって外筒の後端部に加締められた栓部材の挿入孔内にセパレータの突出部を保持することで、栓部材を介し、セパレータ自身を外筒の後端部に強固に保持することができる。つまり、栓部材とセパレータとの位置関係が固定されることになり、セパレータが栓部材に対してずれを生じない。これにより、第1密着部と外筒の内面との間の密着性を確実に維持することができる。
また、本実施態様において、前記フィルタは筒状であって、前記栓部材と前記外筒との間に周方向に配置されており、前記第1間隙は前記外筒の周方向に連なるように形成されていてもよい。外筒に設けられた通気孔と栓部材に設けられた通気路との位置がずれていたとしても(同一の径方向において重なる配置とならなかったとしても)、フィルタが筒状に設けられ、且つ第1間隙が、前記栓部材と前記外筒との間において周方向に連なるように形成されることによって、通気孔から外筒内に導入された外気が、フィルタの通過前に、第1間隙内を自在に流通することができる。これにより、外気は、フィルタを通過して通気路内に容易に到達することができるので、確実に、通気路内に多量の外気を導入できる。さらに通気孔が、外筒の周方向に複数個設けられていてもよい。第1間隙内への外気の導入を複数の通気孔から行えば、よりスムーズに、第1間隙内に外気を導入することができるので、フィルタを通過させて、より確実に、外筒内に多量の外気を導入できる。
また、本実施態様において、前記通気路は、前記栓部材の外面を一端とし、径方向に延びる第1通路と、一端が前記第1通路に繋がり、他端が前記栓部材の先端面に開口する第2通路と、を有し、前記栓部材は、周方向に連なるように形成されて、前記フィルタと前記第1通路とを連通する第2間隙を有していてもよい。外筒の通気孔から外筒内へ外気を導く方法として、通気路を径方向と軸線方向に延ばすことで容易に達成できる。その上、栓部材に、周方向に連なるように第2間隙を形成することで、フィルタを通過した外気が第2間隙を通過した上で第1通路に導入されることとなり、フィルタから直接第1通路に導入される場合と比べ、より多量の外気を第1通路内に導入することができる。さらに、第1通路は、栓部材の周方向に複数個設けられていてもよい。フィルタを通過した外気の導入を複数の第1通路から行えば、外気の導入を、よりスムーズに行うことができるので、より確実に、外筒内に多量の外気を導入できる。なお、この場合においても、第2間隙を形成すると、第1通路と通気孔との位置合わせを行う必要がない。
なお、「第2間隙」は、外筒に形成された通気孔から導入される外気が、通気路を通過する前に通過すればよく、通気孔、フィルタおよび通気路との位置関係により、第2間隙の位置、大きさを決めればよい。また、第2間隙は、外筒内に導入される外気の量が第2間隙により規制されない程度の大きさにすればよい。
また、本実施態様において、前記栓部材は、前記軸線方向において互いに隣接し、前記外筒の先端側に配置されるとともに、前記第1密着部が設けられる第1部材と、前記外筒の後端側に配置される第2部材と、からなり、前記第1通路は、前記第1部材と前記第2部材との互いの隣接面間で外気を流通させ、前記第2通路は、前記第1部材を前記軸線方向に貫き、前記第1部材の先端面に開口するものであってもよい。通気路は、径方向に延びる第1通路と軸線方向に延びる第2通路を形成する必要があるが、複雑な通気路構造を有する栓部材を作製する上で、栓部材を第1部材と第2部材の2つの部材に分けて成形し、通気路についても第1通路と第2通路とに分けて形成し、両部材を組み合わせることで栓部材を形成すれば、第1部材と第2部材のそれぞれの構造を簡易なものとすることができる。
また、本実施態様において、前記第1部材は、弾性部材からなり、前記第1密着部を有する筒状の外郭部と、前記外郭部よりも硬質の部材からなり、前記挿通孔および前記第2通路が形成され、前記外郭部内に配置される内包部と、からなるものであってもよい。栓部材を外筒の後端部に加締めによって保持するにあたって、第1部材の外郭部が内向きに圧縮されて変形を生じても、その外郭部よりも硬質の部材からなる内包部は、その形状を維持することができる。このため、内包部の有する第2通路は加締めの影響を受けにくく、その形状を維持することができるので、外気の流路を確保することができる。
ガスセンサ1の縦断面図である。 ガスセンサ1の後端側を拡大した断面図である。 グロメット9、フィルタ70およびセパレータ2の分解斜視図である。 ガスセンサ101の後端側を拡大した断面図である。 グロメット109、フィルタ70およびセパレータ102の分解斜視図である。 ガスセンサ201の後端側を拡大した断面図である。 ガスセンサ301の縦断面図である。 ガスセンサ301の後端側を拡大した断面図である。 グロメット309、フィルタ70およびセパレータ302の分解斜視図である。
以下、本発明を具体化したガスセンサの一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、第1の実施の形態として、ガスセンサ1を例に、その構造について図1〜図3を参照して説明する。なお、図1に示すガスセンサ1は自動車等の内燃機関のエンジンから排出される排気ガスの排気管(図示外)に取り付けられて使用されるものである。以下では、ガスセンサ1の軸線O方向において、排気管内に挿入される検出素子6の先端に向かう側(閉じている側であり図中下側)を先端側とし、これと反対方向に向かう側(図中上側)を後端側として説明するものとする。
図1に示すガスセンサ1は、排気管内を流通する排気ガス中の酸素の濃度を検出するためのセンサであり、細長で先が閉じられた筒状の検出素子6を主体金具5に保持した構造を有する。ガスセンサ1からは、この検出素子6の出力する信号を取り出したり、検出素子6に併設されるヒータ7への通電を行ったりするためのリード線18が引き出されている。各リード線18は、ガスセンサ1とは離れた位置に設けられる図示外のセンサ制御装置あるいは自動車の電子制御装置(ECU)に電気的に接続されている。
ガスセンサ1の検出素子6は、ジルコニアを主成分とする固体電解質体61を軸線O方向に延びる有底筒状に形成し、固体電解質体61の内面には、PtまたはPt合金からなる基準電極62がそのほぼ全面を覆うように多孔質状に形成されている。また、固体電解質体61の外面にも、基準電極62と同様に、PtまたはPt合金からなる検出電極63が多孔質状に形成されている。検出素子6の先端側(閉じている側)は検出部64として構成され、外面の検出電極63が排気管(図示外)内を流通する排気ガス中に晒される。図示しないが、この検出電極63は耐熱性セラミックスよりなる多孔質状の電極保護層により被覆されており、排気ガスによる被毒から保護されている。また、検出素子6の軸線O方向の略中間位置には、径方向外側に向かって突出する鍔状のフランジ部65が設けられている。そして、検出素子6の有底筒内には、固体電解質体61を加熱して活性化させるための棒状のヒータ7が挿入されている。
検出素子6は、自身の径方向周囲を筒状の主体金具5に取り囲まれた状態で、その主体金具5の筒孔55内に保持されている。主体金具5はSUS430等のステンレス鋼からなる筒状の部材であり、先端側に、排気管の取付部(図示外)に螺合する雄ねじ部52が形成されている。雄ねじ部52よりも先端側には、その外周に後述するプロテクタ4が係合される先端係合部56が形成されている。検出素子6の検出部64は、この先端係合部56よりも先端側に突出されている。
主体金具5の雄ねじ部52の後端側には径方向に拡径された工具係合部53が形成されており、ガスセンサ1を排気管の取付部(図示外)に取り付ける際に使用される取り付け工具が係合される。この工具係合部53と雄ねじ部52との間の部位には、排気管の取付部を介したガス抜けを防止するための環状のガスケット11が嵌挿されている。そして主体金具5の後端側には、自身の筒孔55内で保持する検出素子6を加締め固定するための加締部57が設けられている。検出素子6の後端部66は、この加締部57よりも後端側に突出されている。また、工具係合部53と加締部57との間には、その外周に、後述する外筒3の先端部31の先端が係合される後端係合部58が形成されている。
次に、主体金具5の筒孔55内の先端側には、その内周を径方向内側に向けて突出させた段部59が設けられており、この段部59に、金属製のパッキン12を介し、アルミナからなる筒状の支持部材13が係止されている。支持部材13の内周も段状に形成されており、その段状の部位に配置される金属製のパッキン14を介し、検出素子6のフランジ部65が支持部材13により支持されている。さらに筒孔55内には、支持部材13の後端側に滑石粉末からなる充填部材15が充填され、その充填部材15を支持部材13との間で挟むように、充填部材15の後端側にアルミナ製で筒状のスリーブ16が配置されている。
スリーブ16の後端側には環状のリング17が配置されており、主体金具5の加締部57を内側先端方向に加締めることで、リング17を介し、スリーブ16が充填部材15に対して押しつけられている。この加締部57の加締めを通じ、充填部材15が、主体金具5の段部59に係止された支持部材13に向けて検出素子6のフランジ部65を押圧するよう主体金具5の筒孔55内に圧縮充填されると供に、筒孔55の内周面と検出素子6の外周面との間の間隙が気密に埋められている。このように、検出素子6は、主体金具5の加締部57と段部59との間において挟持された各部材を介し、主体金具5の筒孔55内で保持されている。
次に、主体金具5の先端係合部56には、その先端係合部56から軸線O方向の先端側に向け突出された検出素子6の検出部64を覆うプロテクタ4が、溶接によって組み付けられている。プロテクタ4は、ガスセンサ1が排気管に取り付けられた際に排気管内に突き出される検出素子6の検出部64を、排気ガス中に含まれる水滴や異物等の衝突から保護するものである。プロテクタ4は、有底筒状をなし開放された側の周縁部が先端係合部56に接合される外側プロテクタ41と、その外側プロテクタ41の内部に固定された有底筒状の内側プロテクタ45とからなる2重構造をなすように構成されている。外側プロテクタ41および内側プロテクタ45の外周面には内部に排気ガスを導入し、検出素子6の検出部64へと導くための導入口42がそれぞれ開口されている(内側プロテクタ45のガス導入口は図示せず)。また、外側プロテクタ41および内側プロテクタ45の底面には、内部に入り込んだ水滴や排気ガスを排出するための排出口43,48がそれぞれ開口されている。
また、前述したように、検出素子6の後端部66は、主体金具5の後端(加締部57)よりも後方に突出されている。この後端部66よりも軸線O方向の後端側には、絶縁性セラミックスからなる筒状のセパレータ2が配置されている。セパレータ2は、4つの接続端子19(図1ではそのうちの3つの接続端子19を示している)をそれぞれ独立に収容する収容部22を有する。収容部22はセパレータ2を軸線O方向に貫通しており、セパレータ2よりも先端側と後端側との間において通気可能に構成されて、外気として導入される大気の流路A(図2中、点線で示す)が確保されている。また、図2,図3に示すように、セパレータ2の後端面23に、後述するグロメット9の通気路10に接続される凹部24と、その凹部24から、後端面23に開口した収容部22に接続される溝部25とが形成されている。これにより、グロメット9とセパレータ2が密着しても、通気路10から凹部24および溝部25を介して収容部22につながる大気の流路Aが確保されている。
収容部22に収容される各接続端子19は、図1に示すように、検出素子6の基準電極62、検出電極63、およびヒータ7の有する発熱抵抗体に通電するため後端側にて露出された一対の電極71(図1ではそのうちの一方の電極71を示している)に、それぞれ電気的に接続されるものである。セパレータ2は、各接続端子19を分離した状態で収容し、接続端子19同士の接触を防止している。各接続端子19には4本のリード線18の芯線がそれぞれ加締め接合されており(図1ではそのうちの2本のリード線18を示している)、各リード線18は、後述するグロメット9を介してガスセンサ1の外部に引き出されている。なお、図2,図3に示す、上記の溝部25は、本実施の形態では4つの収容部22のうちの2つを凹部24に接続されている。そして、溝部25に接続された収容部22は、内部に配置されるリード線18の周りを大気が通過可能となるように後端面23における開口面積が広げられて、大気の流路Aが確保されている。また、図1に示すように、セパレータ2の外周面には、径方向外側に突出するフランジ部21が設けられており、そのフランジ部21よりも先端側の外周面に、略円筒状の保持金具29が嵌挿されている。
次に、セパレータ2の後端側には、フッ素系ゴムからなるグロメット9が配置されている。図2に示すように、グロメット9は、軸線O方向を高さ方向とする略円柱状に形成された部材であり、軸線O方向に分割される2つの部材からなる。図2,図3に示すように、グロメット9のうち、先端側に配置される第1部材80は、円柱状をなす胴部81の先端側に、先端面87が胴部81の外周よりも径方向に張り出す形態をなし、軸線O方向に厚みを有する第1密着部82が形成されている。第1部材80は、軸線O方向に貫通する4つの挿通孔83を有し、この挿通孔83には4本のリード線18がそれぞれ通される。さらに、中央に軸線O方向に貫通する貫通孔85を有する。貫通孔85は、第1部材80の後端面84において、径方向に延びる溝状に形成された、先溝部86内に開口されている。この先溝部86は、両端がそれぞれ第1部材80の外周面に達している。また、挿通孔83のうちの2つは、先溝部86内に開口されており、挿通孔83の内径よりも、先溝部86の幅が大きく形成されている。なお、グロメット9が、本発明における「栓部材」に相当し、貫通孔85が、本発明における「第2通路」に相当する。さらに、先溝部86および後述する後溝部96が、本発明における「第1通路」に相当する。
一方、グロメット9のうち、後端側に配置される第2部材90は、第1部材80と同様に円柱状をなす胴部91を有する。その胴部91の後端側に、後端面94が胴部91の外周よりも径方向に張り出す形態をなし、軸線O方向に厚みを有する第2密着部92が形成されている。第2部材90も、軸線O方向に貫通し、リード線18が挿通される4つの挿通孔93を有している。第2部材90の先端面97における各挿通孔93の開口位置は、第1部材80と第2部材90とが軸線O方向に重ねて配置されたときに、第1部材80の後端面84における各挿通孔83の開口位置に対応している。また、第2部材90の先端面97には、上記同様、径方向に溝状に延び、両端がそれぞれ第2部材90の外周面に達する後溝部96が形成されている。挿通孔93のうちの2つは、この後溝部96内に開口されており、挿通孔93の内径よりも、後溝部96の幅が大きく形成されている。さらに、後溝部96の径方向外側には、第2間隙95が設けられている。この第2間隙95は、図3に示すように、周方向にわたって設けられており、ガスセンサ1が組み立てられた際には、フィルタ70と第1通路76とを連通している。
そして、先溝部86と後溝部96とは、第1部材80と第2部材90とが軸線O方向に配置されたとき互いに合わせられ、グロメット9の外周面を径方向に貫通する、第1通路76を形成する。さらに、上記のように、貫通孔85が、先溝部86内に開口されており、貫通孔85と第1通路76とが通じることにより、通気路10が形成されている。この通気路10によって、グロメット9の外周面における第1通路76の開口と、第1部材80の先端面87における貫通孔85の開口との間での通気が可能となっており、グロメット9を介した大気の流路Aが確保されている。この通気路10は、セパレータ2の収容部22を介して、ガスセンサ1内(後述する外筒3内)に外気(大気)を導入するために設けられたものである。外筒3内では、検出素子6が、後端部66を突き出した形態で主体金具5に保持されているが、その検出素子6の有底の筒内に形成された基準電極62が、大気に晒されるように構成されている。そして図2に示すように、前述した4本(図示は2本)のリード線18は、第1部材80の挿通孔83と、その挿通孔83に対応する第2部材90の挿通孔93とに、それぞれ独立に挿通されている。なお、先溝部86,後溝部96にそれぞれ挿通孔83,93が開口されているので、第1通路76内をリード線18が軸線O方向に横切ることとなるが、先溝部86,後溝部96の幅が挿通孔83,93の内径より大きいため、リード線18が流路Aを断絶することはない。
次に、フィルタ70は、気孔が連続する多孔質のPTFEを筒状に形成したものであり、通気性および水密性を有する。フィルタ70は、グロメット9の第1部材80の胴部81および第2部材90の胴部91を取り巻いて配置され、両端の開口が、第1部材80,第2部材90それぞれの第1密着部82,第2密着部92によって塞がれる。これにより、グロメット9の外周面側に開口された通気路10の第1通路75の開口は、フィルタ70によって覆われる。フィルタ70は、この状態で、グロメット9とともに外筒3の後端部33内に配置される。
次に、主体金具5の後端側には、軸線O方向に延びる筒状の外筒3が組み付けられている。図1に示すように、外筒3は、SUS304等のステンレス鋼を軸線O方向に沿って延びる筒状に形成し、さらに略中央より先端側(図1において下側)に位置する先端部31を、それより後端側の中間部32よりも大径に形成したものである。
また、図2に示すように、中間部32の後端側の後端部33は、中間部32よりもさらに縮径されており、外周面に通気孔34が開口されている。通気孔34は周方向の複数箇所(例えば2カ所)に設けられており、この通気孔34を介して後端部33内にグロメット9とともに配置されるフィルタ70が、大気と接触可能となる。グロメット9の第1部材80の第1密着部82は、外面88が一周にわたって、外筒3の後端部33の内面37に対し径方向に密着している。同様に、グロメット9の第2部材90の第2密着部92も、外面98が一周にわたって後端部33の内面37に密着している。
さらに、後端部33には、周方向に一周する内向きの加締めが2カ所に施され、形成された環状の加締部35が、通気孔34を軸線O方向の両側から挟む形態をなしている。加締部35によってグロメット9が後端部33内で位置決め保持され、さらに、後端部33とグロメット9との間に挟まれるフィルタ70も、位置決め保持される。また、加締めによって、外筒3の後端部33において通気孔34の形成された部位(換言すると、加締部35間に位置する部位)が、径方向外向きに膨らみ、後端部33の内面37とフィルタ70の外面との間に周方向に連通する第1間隙36が生ずる。この第1間隙36が生ずることにより、たとえ通気孔34と通気路10のグロメット9の外周面における第1通路76の開口とがずれたとしても、通気孔34から後端部33内に入り込んだ大気がフィルタ70の外面に沿って周方向に自在に移動することができる。
このような構造を有する外筒3は、図1に示すように、軸線O方向に連ねて配置された検出素子6の後端部66、セパレータ2およびグロメット9の各側面を、周方向に取り囲んだ状態で、主体金具5の後端側に配置される。外筒3の先端部31は、先端側の開口部分が主体金具5の後端係合部58に係合され、さらに外周が、一周にわたって加締められた上でレーザ溶接されて、外筒3が主体金具5に固定されている。これにより、外筒3と主体金具5との間のつなぎ目を介した外筒3の内部の水密性が保たれている。
また、セパレータ2は、外筒3の中間部32内に配置される。そしてセパレータ2のフランジ部21よりも先端側の部分の位置に対応する中間部32の側面が、外周を一周して径方向内向きに加締められている。この位置には保持金具29が配置されており、保持金具29は、自身の内部にセパレータ2を保持した状態で、外筒3内に加締め保持される。さらに、セパレータ2のフランジ部21よりも後端側の部分の位置に対応する中間部32の側面も、周方向の複数箇所において、径方向内向きに加締められている。この部分の加締めはフランジ部21の後端に接する位置に行われ、この加締め部分と保持金具29とでフランジ部21が挟まれて、セパレータ2の軸線O方向への移動が規制されている。
上記したように、外筒3に形成された通気孔34から導入される外気(大気)が、フィルタ70および通気路10を通過する前に、フィルタ70と外筒3との間に設けられた第1間隙36を経るものである。このため、外部から通気孔34を介して水滴等が入り込み、外筒3とフィルタ70との間に設けられた第1間隙36に溜まる場合があるが、第1密着部82が外筒3の内面37に対して周方向の全周にわたって密着しているので、外筒3の先端側に浸入することがない。さらにグロメット9は、上記のように中間部32内で位置決めされたセパレータ2が押し付けられた状態で後端部33内に加締め保持されるので、軸線O方向に位置決めされることになる。ゆえに、第1密着部82も、軸線O方向に位置決めされ、後端部33の内面37との間でずれを生ずることなく、密着状態を維持することができる。
また、通気孔34付近の外筒3とフィルタ70との間に第1間隙36が形成されているので、外筒3に設けられた通気孔34とグロメット9に設けられた通気路10との位置がずれたとしても、この第1間隙36を介して、通気孔34と通気路10とを連通することができる。これにより、通気孔34からフィルタ70を通過して通気路10内に導入される大気の量が少なくなることを防止でき、その結果、ガスセンサの検出精度の低下を防止できる。
さらに、グロメット9が、外筒3の内面37に対し、周方向の全周にわたって密着する第2密着部92を有しているので、第2密着部92においても外筒3の内面37との間で密着性を維持することができる。よって、外筒3の後端の開口から外筒3をつたって水滴等が外筒3内に浸入することを防止でき、外筒3内の水密性を、より高めることができる。
さらに、グロメット9を、外筒3の先端側に配置される第1部材80と、外筒3の後端側に配置される第2部材90から形成する。そして通気路10を、第1部材80と第2部材90との互いの隣接面間で大気を流通させる第1通路76と、第1部材80を貫通する貫通孔85から形成する。このようにすることで、グロメット9に形成される複雑な通気路構造を簡易に形成することができる。
さらに、筒状のフィルタ70が設けられると共に、第1間隙36がグロメット9と外筒3との間に周方向に配置されていることで、通気孔34から外筒3内に導入された外気(大気)が、フィルタ70の通過前に、第1間隙36内を自在に流通することができる。これにより、外筒3に設けられた通気孔34と栓部材10に設けられた通気路10との位置がずれていたとしても、外気は、フィルタ70を通過して通気路10内に容易に到達することができるので、確実に、通気路10内に多量の外気を導入できる。
さらに通気孔34が、外筒3の周方向に複数個、設けられていることによって、第1間隙36内への外気の導入を、よりスムーズに、行うことができるので、フィルタ70を通過させて、より確実に、外筒3内に多量の外気を導入できる。
また、グロメット9に周方向に連なる第2間隙95を形成することで、フィルタ70を通過した外気が第2間隙95を通過した上で第1通路76に導入されることとなり、フィルタ70から直接第1通路76に導入される場合と比べ、より多量の外気を第1通路76内に導入することができる。さらに、第1通路76が、グロメット9の周方向に複数個設けられることによって、フィルタ70を通過した外気の導入を、複数の第1通路76から行うことができる。これにより、外気の導入を、よりスムーズに行うことができるので、より確実に、外筒3内に多量の外気を導入できる。そして、第2間隙95を形成したことによって、第1通路76と通気孔34との位置合わせを行わなくとも十分に、多量の外気の導入を行うことができる。
なお、本実施の形態は、各種変更が可能である。例えば、図4に示す、ガスセンサ101のように、グロメット109の第1部材180の第1密着部182を、本実施の形態と同様、外筒103の後端部133の内面137に密着させる際に、第1密着部182の後端側の周縁部分にかかるように、加締部135を形成してもよい。上記同様、セパレータ102は外筒103の中間部132内で加締められ、径方向および軸線O方向に位置決めされており、そのセパレータ102の後端面123に、グロメット109の第1部材180の先端面187が押し付けられている。また、外筒103の後端部133にはグロメット109を保持するため径方向内向きに加締めた加締部135が形成されるが、本変形例では、その加締部135のうちの先端側の加締部135を、第1密着部182の後端側の周縁部分にかかる位置に形成する。すると、後端部133の内面137が一周にわたって、径方向内向きかつ先端向きに、第1密着部182の後端側の周縁を押し付ける形態となる。第1密着部182は、先端面187側がセパレータ102によって押さえられているので、後端部133の内面137に押し付けられた部分に変形を生じ、自身の弾性力によって、後端部133の内面137に対し密着する。このように、第1密着部182は、セパレータ102で後端部133の内面137に押し付けられるので、第1密着部182と後端部133との密着位置における抗力の発生方向が、径方向成分に加えて軸線O方向成分を有することになるので、第1密着部182と後端部133との間において高い密着性を得ることができる。
また、図4,図5に示すように、セパレータ102に、本体部125の後端面123よりも軸線O方向の後端側へ向けて突出する突出部126を設けるとともに、この突出部126を挿入する挿入孔140(先挿入孔189と後挿入孔199)を、グロメット109の第1部材180と第2部材190にそれぞれ設けてもよい。セパレータ102には、中心軸を軸線Oと一致させた突出部126を形成する。また、第1部材180には、突出部126の外径とほぼ同じ内径を有した先挿入孔189を軸線O方向に貫通させて形成する。また、第2部材190にも、突出部126の外径とほぼ同じ内径を有した後挿入孔199を軸線O方向に非貫通に形成する。さらに、突出部126には、その外周面に、自身の突出方向に沿って延びる溝部127を、周方向の複数箇所(図5では4カ所)に形成する。そして、セパレータ102の後端面123で且つ突出部126の根元付近に、突出部126の周囲を取り巻くように凹部124を形成し、収容部122に接続する。
このような突出部126を設ければ、外筒103の後端部133にてグロメット109を加締めた際に、グロメット109の挿入孔140内にて突出部126が径方向に保持されるので、後端部133内にて、グロメット109とともに、セパレータ102を位置決め保持することができる。つまり、グロメット109に対するセパレータ102の位置決めを確実に行うことができる。これにより、セパレータ102の後端面123と、グロメット109の第1部材180の先端面187との間においてずれを生ずることがないので、第1密着部182と後端部133との密着状態を確実に維持することができる。
また、先挿入孔189および後挿入孔199に突出部126が挿入されても、突出部126に形成された溝部127が、挿入孔140の内周面との間に通気可能な間隙を形成し、第2通路として機能する。第1通路176については本実施の形態と同様であり、第1部材180の先溝部186と第2部材190の後溝部196とが合わせられ第1通路176が形成され、この第1通路176に、溝部127が接続されることによって、グロメット9を介した大気の流路Aが確保されている。さらに溝部127は、セパレータ102の凹部124を介して収容部122へ接続されている。よって、本実施の形態と同様、外筒103の後端部133に開口された通気孔134、フィルタ70、第1通路176と溝部127からなる通気孔110、凹部124および収容部122を介し、外筒103の内部と外部とで大気が流通可能な流路Aが確保されている。
また、図4、図5に示すように、第2間隙195が、第1部材180の先溝部186の径方向外側に設けられていてもよい。この第2間隙195は、図5に示すように、周方向にわたって設けられており、フィルタ70と第1通路176とを連通している。
なお、グロメット109の第1通路176は、溝部127を中心に、本変形例のように四方に延びていてもよいし、本実施の形態のように二手に延びてもよい。同様に、外筒103の後端部133に設ける通気孔134の数についても限定はなく、第1通路176にあわせて4カ所に形成してもよいし、もちろんそれ以上でもそれ以下でもよく、任意に増減すればよい。
また、図6に示す、ガスセンサ201のグロメット209のように、第1部材280に胴部281よりも径方向に大きく形成した鍔部282を設け、セパレータ202の後端面223と、外筒203の内面237との間において、軸線O方向に挟み込んで密着性を確保する形態であってもよい。外筒203は、中間部232と、中間部232よりも縮径した後端部233を有しており、両者間にて内面237が軸線O方向と直交する段部238を有する。この段部238に対応させて、第1部材280の鍔部282を張り出させるとともに、セパレータ202の後端にも、後端面223を径方向に広げて段部238に対応させた拡径部228を形成する。そして、セパレータ202の後端面223を第1部材280の先端面287に押し付けた状態で外筒203の中間部232を加締めてセパレータ202を固定する。この状態で、第1部材280の鍔部282が、セパレータ202の後端面223と、外筒203の段部238とに挟まれて、段部238に密着する第1密着部を構成し、段部238との間で密着性を軸線O方向に確保することができる。そして外筒203の後端部233を加締めて加締部235を形成し、グロメット209を後端部233内に保持すれば、鍔部282が径方向に位置決めされ、段部238との間でずれを生ずることなく、第1密着部における密着状態を維持することができる。なお、中間部232が、本発明における「大径部」に相当し、後端部233が、本発明における「小径部」に相当する。
上記の変形例と同様にセパレータ202に溝部227を有した突出部226を設け、第1部材280に設けた挿入孔289内に挿入した状態でグロメット209の加締めを行えば、セパレータ202を位置決め保持することができる。これにより、セパレータ202の後端面223と、第1部材280の先端面287との間において、ずれを生ずることがないので、鍔部282と段部238との密着状態を確実に維持することができる。なお、グロメット209の第2部材290は、上記変形例とは異なり突出部226の挿入孔を有しない構成であるが、後端部233の加締部235によって第1部材280の挿入孔289を介して突出部226を保持するだけでも十分に、セパレータ202の位置決めを行うことは可能である。そして、外筒203の後端部233に開口された通気孔234、フィルタ70、先溝部286および後溝部296からなる第1通路276、さらに第2通路として機能する溝部227、セパレータ202に形成された凹部224および収容部222を介し、外筒203の内部と外部とで大気が流通可能な流路Aが確保されることは、上記変形例と同様である。
次に、本発明を具体化したガスセンサの第2の実施の形態について、ガスセンサ301を例に、その構造について図7〜図9を参照して説明する。第2の実施の形態のガスセンサ301では、外筒303、セパレータ302およびグロメット309の構造が第1の実施の形態のガスセンサ1と異なるが、その他の部位については、ガスセンサ1のものと同一のものが用いられている。したがって、ガスセンサ1と共通する部分について、図面においては同一の符号を付し、説明については省略または簡略化する。
図7に示す、ガスセンサ301の検出素子6は、周囲を主体金具5によって囲われて、その主体金具5内に保持されている。また、検出素子6の検出部64は主体金具5の先端から突出し、周囲を2重構造のプロテクタ4によって囲われて保護されている。そして、検出素子6の後端部66は、主体金具5の後端係合部58に接合される外筒303内に収容されている。外筒303は、第1の実施の形態と同様に筒状をなし、略中央より先端側に位置する先端部331が、それより後端側の中間部332よりも大径に形成されている。また、外筒303の後端側の後端部333には、周方向の複数箇所に、通気孔334が開口されている。
図8,図9に示すように、筒状をなすセパレータ302は、軸線O方向の先端に、本体部325から径方向外側に突出するフランジ部321が設けられており、そのフランジ部321はセパレータ302の先端面328を含んで形成されている。フランジ部321は、後端側の面がテーパ状をなし、外筒303の中間部332内に収容された際に、そのテーパ部分が、外筒303の先端部331と中間部332との間の段部339に当接する。セパレータ302は、第1の実施の形態と同様に、内部に4つの接続端子19(図8ではそのうちの2つを示している)をそれぞれ独立に収容する収容部322を有し、この収容部322を介して大気の流路Aが確保される。このため、セパレータ302の先端面328および後端面323に、各収容部322がセパレータ302内部を軸線O方向に貫通して開口されている。また、セパレータ302には、本体部325の後端面323から軸線O方向の後端側へ向けて突出する突出部326が設けられている。上記した第1の実施の形態の変形例の突出部126,226とは異なり、この突出部326には溝部が形成されていない。
次に、グロメット309は、第1の実施の形態と同様に、第1部材380および第2部材390からなる。さらに第1部材380は、フッ素系ゴムからなる外郭部350と、外郭部350内に配置される内包部360とからなる。外郭部350は筒状の胴部381を有し、胴部381の先端側の開口端を径方向に張り出す形態をなす第1密着部382が形成されている。外郭部350の内径は、後述する第2部材390に開口されるリード線18の挿通孔393の形成領域をすべて囲む大きさよりも大きく確保されている。この外郭部350内に配置される内包部360は、樹脂、セラミックあるいは金属など、外郭部350よりも硬質の材料を用いて形成されたものである。内包部360は、筒状の胴部361と、胴部361の先端側の開口端を径方向に張り出す形態をなす鍔部362と、胴部361の後端側の開口端を閉じる蓋部363とからなる。胴部361の外径は、上記の外郭部350の内径とほぼ同径に形成され、外郭部350内に内包部360を配置した際に、内包部360の鍔部362が外郭部350の第1密着部382に当接して抜けが防止される。また、蓋部363には、内包部360内を挿通される4本のリード線18の挿通孔364が、4つ開口されている。この挿通孔364の開口は、リード線18の外径よりも大きく形成されている。さらに、蓋部363には、中央に、セパレータ302の突出部326が挿入される挿入孔365が開口されている。この挿入孔365の開口は、突出部326の外径とほぼ同径となっている。そして、外郭部350内に内包部360が配置され、第1部材380が形成されたときには、内包部360の蓋部363の後端側の面と、外郭部350の後端側の面が揃い、ほぼ平面状をなす。
また、グロメット309の第2部材390は、第1の実施の形態の第2部材90とほぼ同様に構成され、円柱状をなす胴部391を有するとともに、胴部391の後端側に、後端面394が胴部391の外周よりも径方向に張り出す形態をなした第2密着部392が形成されている。第2部材390には、軸線O方向に貫通し、リード線18が挿通される4つの挿通孔393が設けられている。また、第2部材390の先端面397における各挿通孔393の開口位置は、第1部材380と第2部材390とが軸線O方向に重ねて配置されたときに、第1部材380の内包部360に設けられた各挿通孔364の開口位置に対応している。また、第2部材390の先端面397には、径方向に溝状に延び、両端がそれぞれ第2部材390の外周面に達する溝部396が形成されている。挿通孔393のうちの2つは、この溝部396内に開口されており、挿通孔393の内径よりも、溝部396の幅が大きく形成されている。そして、溝部396は、その深さが、第1の実施の形態の後溝部96よりも深く形成されている。さらに、第2部材390には、上記した変形例の第2部材190と同様、セパレータ302の突出部326が挿入される挿入孔399が、先端面397の中央から軸線O方向に非貫通に形成されている。
このような構造の第1部材380と第2部材390とが軸線O方向に配置されたとき、第2部材390の溝部396が、グロメット309の外周面を径方向に貫通する、通気路310の第1通路として機能する。また、リード線18が第2部材390の挿通孔393と第1部材380の内包部360の挿通孔364を挿通されるので、内包部360の挿通孔364を介して、第1通路と、内包部360の胴部361内とが繋がる。この胴部361が通気路310の第2通路として機能し、挿通孔364を介した第1通路と第2通路との間の通気が可能となる。これにより、グロメット309の外周面における第1通路(溝部396)の開口と、第2通路(内包部360の胴部361)の先端側開口との間を結ぶ通気路310が形成されて、グロメット309を介した大気の流路Aが確保される。上記のように、リード線18の外径よりも内包部360の挿通孔364の開口が大きいので、挿通孔364において、大気の流通は妨げられない。
このグロメット309の外周にフィルタ70が配置され、そのグロメット309を外筒303の後端部333内に配置する際に、第2部材390の挿入孔399内に、セパレータ302の突出部326が挿入される。この状態で、外筒303の後端部333に、第1の実施の形態と同様、周方向に一周する内向きの加締めを2カ所に施し、通気孔334を軸線O方向の両側から挟む形態をなす環状の加締部335を2本形成する。これにより、グロメット309が、フィルタ70ごと後端部333内に加締め保持され、さらにグロメット309の第2部材390の挿入孔399内で、セパレータ302の突出部326が保持される。また、内包部360が外郭部350よりも硬質な材料から形成されているので、加締めによって外郭部350が内向きに圧縮されて変形を生じても、内包部360は加締めの影響を受けにくく、その形状を維持することができる。このため、内包部360の胴部361内が変形することはなく、大気の流路Aを確保することができる。
また、後端部333の加締めは、セパレータ302の後端面323を第1部材380の内包部360の鍔部362に押し付けた状態でなされる。そして第1の実施の形態の変形例と同様に、2本の加締部335のうち、先端側の加締部335が、外郭部350の第1密着部382における後端側の周縁部分にかかるように形成される。このため、内包部360の鍔部362を介してセパレータ302の後端面323に押さえられた第1密着部382が、後端部333の内面337に押し付けられて変形し、自身の弾性力によって、後端部333の内面337に対し密着することができる。さらに、後端部333の加締めによって、通気孔334の形成された部位が径方向外向きに膨らみ、後端部333の内面337とフィルタ70の外面との間に第1間隙336が生ずることとなる。
なお、本発明のガスセンサは、第1実施の形態、第2実施の形態、変形例に限られるものではなく、種々、変更可能である。例えば、第1実施の形態、第2実施の形態、変形例は、検出素子6が軸線O方向に延びる有底筒状を有していたが、これに限られず、検出素子が板状のガスセンサであってもよい。板状のガスセンサにおいて、基準電極に大気を晒す必要がある場合には、本発明の同様の構成を用いることができる。また、ガスセンサとして、上記では酸素センサを例に挙げたが、全領域空燃比センサ、NOxセンサ、HCセンサなどにも適用可能である。
また、第1実施の形態、第2実施の形態、変形例は、通気孔34、134、234、334が2個、もしくは4個形成されていたが、これに限られず、1個でもよいし、複数個でもよい。ガスセンサ内に取り込む気体の量に合わせて適宜変更可能である。また、第1実施の形態、第2実施の形態、変形例は、グロメット9が、第1部材80、180、280、380と、第2部材90、190、290,390との2部材で形成されていたが、これに限られず、1部材にて形成してもよいし、3部材以上にて形成してもよい。また、第1実施の形態は、貫通孔85が1個であったが、これに限られず、複数個形成してもよい。
また、第1実施の形態および変形例では、リード線18が第1通路76,176,276内をリード線18が軸線O方向に横切る形態であったが、第1通路76,176,276の形成位置と、リード線18の挿通孔83,93の形成位置とを、それぞれ独立させて、両者が交差しない形態としてもよい。
1、101、201、301 ガスセンサ
2、102、202、302 セパレータ
3、103、203、303 外筒
6 検出素子
9、109、209、309 グロメット
10、110、210、310 通気路
18 リード線
32、132、232、332 中間部
33、133、233、333 後端部
34、134、234、334 通気孔
35、135、235、335 加締部
36、136、236、336 第1間隙
70 フィルタ
80、180、280、380 第1部材
82、182、382 第1密着部
90、190、290、390 第2部材
92、192、292、392 第2密着部
126、226、326 突出部
238 段部
282 鍔部
350 外郭部
360 内包部

Claims (10)

  1. 軸線方向に沿って延びるとともに、自身の後端部に開口を有する筒状の外筒と、
    前記軸線方向に沿って延び、自身の先端側に被検出ガスを検出するための検出部が形成されるとともに、自身の後端側が前記外筒内に配置される検出素子と、
    前記外筒の前記後端部内に配置される栓部材であって、前記検出素子の検出信号を取り出すための複数のリード線がそれぞれ挿通される複数の挿通孔が、前記軸線方向に貫通して形成された栓部材と、
    前記栓部材と前記外筒との間に配置されたフィルタと、
    を備え、
    前記フィルタに対応する位置において前記外筒に形成された通気孔から導入される外気が、前記フィルタと前記外筒との間に設けられた第1間隙および前記フィルタを透過した後、前記栓部材に形成された通気路を経て、前記外筒の内部に導かれるガスセンサであって、
    前記栓部材は、前記フィルタよりも前記軸線方向の先端側において、前記外筒の内面に対し、周方向の全周にわたって密着する第1密着部を有することを特徴とするガスセンサ。
  2. 前記栓部材は、前記フィルタよりも前記軸線方向の後端側において、前記外筒の前記内面に対し、前記周方向の全周にわたって密着する第2密着部を有することを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記栓部材よりも先端側の前記外筒内に配置され、前記複数のリード線を互いに絶縁するセパレータを備え、
    前記第1密着部は、前記セパレータで前記栓部材を前記外筒の前記内面に押し付けることにより前記栓部材に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載のガスセンサ。
  4. 前記外筒は、前記後端部含み前記軸線方向に延びる小径部と、前記小径部よりも先端側において前記小径部よりも大径に形成され前記軸線方向に延びる大径部と、前記小径部と前記大径部を接続する段部と、を有し、
    前記栓部材は、胴部と、該胴部よりも前記軸線方向に垂直な径方向に突出する鍔部を有し、
    前記第1密着部は、前記セパレータで前記栓部材の前記鍔部を前記外筒の前記段部の前記内面に押し付けることにより前記栓部材の前記鍔部に設けられことを特徴とする請求項3に記載のガスセンサ。
  5. 前記外筒の前記後端部には、前記通気孔を前記軸線方向に挟む形態で前記外筒を前記栓部材へ向けて内向きに加締めることで、前記フィルタを前記外筒と前記栓部材との間に保持する2本の環状の加締部が形成されるとともに、2本の前記加締部間に位置する部位における前記フィルタと前記外筒との間に前記第1間隙が形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガスセンサ。
  6. 前記セパレータは、前記栓部材を前記外筒に押し付ける本体部と、該本体部よりも前記軸線方向の後端側へ向けて突出する突出部を有し、
    前記栓部材は、前記突出部が挿入される挿入孔を有しており、
    前記突出部は、前記栓部材に前記加締部が形成されることで、前記挿入孔内に保持されることを特徴とする請求項5に記載のガスセンサ。
  7. 前記フィルタは筒状であって、前記栓部材と前記外筒との間に周方向に配置されており、前記第1間隙は前記外筒の周方向に連なるように形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のガスセンサ。
  8. 前記通気路は、前記栓部材の外面を一端とし、径方向に延びる第1通路と、一端が前記第1通路に繋がり、他端が前記栓部材の先端面に開口する第2通路と、を有し、
    前記栓部材は、周方向に連なるように形成されて、前記フィルタと前記第1通路とを連通する第2間隙を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のガスセンサ。
  9. 前記栓部材は、前記軸線方向において互いに隣接し、前記外筒の先端側に配置されるとともに、前記第1密着部が設けられる第1部材と、前記外筒の後端側に配置される第2部材と、からなり、
    前記第1通路は、前記第1部材と前記第2部材との互いの隣接面間で外気を流通させ、
    前記第2通路は、前記第1部材を前記軸線方向に貫き、前記第1部材の先端面に開口することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のガスセンサ。
  10. 前記第1部材は、
    弾性部材からなり、前記第1密着部を有する筒状の外郭部と、
    前記外郭部よりも硬質の部材からなり、前記挿通孔および前記第2通路が形成され、前記外郭部内に配置される内包部と、
    からなることを特徴とする請求項9に記載のガスセンサ。
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