JP2010276317A - デシカント空調機 - Google Patents
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Abstract
ヒートポンプシステムを組み込んだデシカント空調機において、デシカント空調機単独で除湿と冷却のすべてをまかない、室内に供給する空気の空調を、容易にかつ微妙に制御可能なデシカント空調機を提供する。
【解決手段】
外気を取り込む処理側デシカントロータの前段にプレクーラとしての蒸発器を配置するとともに、デシカントロータの後段にアフタークーラを配置して外気を空調して室内に供給し、室内還気を取り込む再生側デシカントロータの前段に再生器としての凝縮器を配置するとともに、記蒸発器と前記凝縮器とはヒートポンプシステムを形成するデシカント空調機。
【選択図】図5
Description
本来、ヒートポンプシステムを組み込んだデシカント空調機は、対象空気の冷却をヒートポンプで行い、除湿をデシカントで行なおうというものが知られている。
例えば、図1に示すように、外気OAを吸い込み、処理側のデシカントロータaの前段に除湿効率を上げるためのプレクーラとしての蒸発器b1を配置し、後段には冷却を目的とした蒸発器b2を配置して空調空気を室内に給気し、室内還気RAを再生側に吸い込み、両蒸発器の排熱である凝縮器cを処理空気側のデシカントロータaの前段に配置して、凝縮器cでデシカントロータaを乾燥再生して戸外に排気し、これら蒸発器b1、b2と凝縮器cに圧縮機dと膨張弁e1,e2とを組み合わせてヒートポンプを構成することが基本的で理想的な構成である。
一方、例えば、居室内の還気RAが28℃、RH45%であれば、凝縮器cで加熱され右方へ移動して40℃、RH27%となり、次に、デシカントロータaの通過で水分を受取り左上方へ移動して29℃、RH60%の排気EAとなって室外へ放出される。
このように、冷房時にあっても、デシカント空調機だけでは、出口空気である給気は、35℃、RH32%であり、十分な冷房はできない。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、ヒートポンプシステムを組み込んだデシカント空調機において、デシカント空調機単独で除湿と冷却のすべてをまかなうことができ、室内に供給する空気の空調を、容易にかつ微妙に制御可能なデシカント空調機を提供することにある。
請求項2の発明は、前記請求項1のデシカント空調機において、外気側デシカントロータの下流側に配置した蒸発器(第1の蒸発器)とは別にデシカントロータの上流側に第2の蒸発器を配置し、前記蒸発器及び前記第2の蒸発器を直列、又は並列に冷媒接続し、前記の蒸発器、第2の蒸発器、再生器、及び水冷凝縮器とはヒートポンプを形成していることを特徴とする。
請求項4の発明は、前記請求項3のデシカント空調機において、冷水コイルと水冷凝縮器とを直列に冷水接続し、冷水コイルで昇温した冷水を水冷凝縮器で再使用することを特徴とする。
更に、従来のデシカント空調機は湿度調整を行う外調機であり、温度調整を行う内調機が別に必要であったが、第1凝縮器(再生器)とは別の第2の(水冷)凝縮器を含めたヒートポンプシステムを用いたので、外調機と内調機とを一体として一台のデシカント空調機とすることが可能となり、空調機全体の小型化も可能になる。
以下、本発明の好適な実施例を図面に沿って説明する。
デシカントロータ21の片側(図では下側)211は、処理対象空気である外気OAを取り込んで処理(除湿)し空調された供給空気SAを室内に供給する処理側1Aを構成し、デシカントロータ21の他方の片側(図では上側)212は、再生側の対象空気である対象室内還気RAを取込んでデシカントロータ21で乾燥させ戸外等に排気EAする再生側1Bを構成している。
ここで、第1の蒸発器341と第2の蒸発器342の冷媒の流路は並列に配置されるが、第2の蒸発器342はプレクーラとしてデシカントロータ21の上流側である前段に配置され、第1の蒸発器341はアフタークーラとしてデシカントロータ21の下流側である後段に配置される。尤も、本実施例では第1の蒸発器341の冷媒の流路と第2の蒸発器342の冷媒流路とを並列にしたが、直列にしても良い。
また、凝縮器32は再生側1Bに配置され、デシカントロータ21の片側(図では上側)212の上流側である前段に配置され、凝縮器32によりデシカントロータ21を乾燥して再生させている。
この水冷凝縮器4は、上述したように、通常のデシカントシステムとヒートポンプシステムを組み合わせた空調機の冷房稼働時では、冷却負荷が大きくなると凝縮圧力が上昇してしまうが、外部から水冷凝縮器4によって冷やすことで凝縮圧力を低く抑えることができる。このことにより、ヒートポンプシステムとしての運転が成立すことができる。言い換えれば、蒸発器341,342と凝縮器32との能力が不均衡であっても水冷凝縮器4を制御することによって均衡させることができる。
これにより、アフタークーラである第1の蒸発器341においては給気SA温度を所望の温度に精密に独立して制御し、他方、デシカントロータ212における再生温度として凝縮器32において所望の温熱に独立して制御し、その際の両者の能力の不均衡を水冷凝縮器4で調整すればよく、給気SA温度と再生温度を自由に精密に制御可能となる。
このことは、例えば、本実施例1では、室内還気RAの空気量を100%とした場合、返還路1Cから外気OAに混合する室内還気RAの一部の空気量を75%としたので、外気OA及び排気EAは25%となり、両蒸発器341、342の負荷を低減することができ、運転効率のよいデシカント空調機としている。
本実施例1では、被空調室内の室内還気RAの一部は、空調機内の返還路1Cを介して処理側1Aの第1の蒸発器341の上流に戻しているが、更に、両蒸発器341、342に戻して外気OAの温度を下げて、これらのクーラとしての蒸発器の負荷を低減するようにしてもよい。
次に、外気OAがデシカントロータ21を通過して水分が減少すると空気線図上で右下へ移動し、温度が上昇して35℃、RH32%の点へ移動し、更に、第1の蒸発器341で冷却されて、この点が左へ移動し22℃、RH65%の点へ移動し、この際、第2の蒸発器342と同様に結露が生じるので、わずかに除湿するので、真横左より少し下へ下がるが、この空調空気が出口空気が給気SAとなり、居室等の室内に供給される。
一方、例えば、居室内の還気RAが28℃、RH45%であれば、凝縮器32で加熱され右方へ移動して40℃、RH27%となり、次に、デシカントロータ21の通過で水分を受取り左上方へ移動して29℃、RH60%の排気EAとなって室外へ放出される。
このように、実施例1の冷房時において温度と湿度は、デシカント空調機だけで、22℃、RH65%となり、十分に温度と湿度が維持できる。
図7は、実施例2のデシカント空調機1の系統図であって、デシカント空調システム2を構成するデシカントロータ21と、ヒートポンプシステム3から構成され、デシカントロータ21の片側(図では下側)211は、処理対象空気である外気OAを取り込んで処理(除湿)し空調された供給空気SAを室内に供給する処理側1Aを構成し、デシカントロータ21の他方の片側(図では上側)212は、再生側の対象空気である対象室内還気RAを取込んでデシカントロータ21を凝縮器32により乾燥させ戸外等に排気EAする再生側1Bを構成している。
また、凝縮器32は再生側1Bに配置され、デシカントロータ21の上側212の上流側である前段に配置され、デシカントロータ21を凝縮器32により乾燥させて再生させ、プレクーラである蒸発器36は処理側1Aのデシカントロータ21の下側211の上流側である前段に配置されている。
そして、処理側1Aのデシカントロータ21の下側211の下流側である後段には、アフタークーラである水冷コイル5が配置されている。
実施例2での水冷凝縮器4、及び、アフタークーラである水冷コイル5は、冷熱源施設の冷熱源の往路51から冷水が供給され、還路52から冷熱源施設に戻される。冷熱源施設としては、実施例1のような冷却塔でもよいが、夜間電力を用いた空冷チラーと蓄熱槽による冷熱源施設、産業廃液、地域冷暖房システム等のDHCの冷熱源施設等がある。
先ず、往路51から、例えば、上記の冷熱源施設等の12℃程度の冷水がポンプ53によって、アフタークーラの冷水コイル5に供給され、外気空気OAを冷却して、12℃程度の冷水が、熱交換により例えば17℃に上昇し、一部は三方弁54を還路52側に開き冷熱源施設に戻す。ここで、水冷凝縮器4を稼働させるには、三方弁54の戻り側を制御して水冷凝縮器4側に開通させ、熱交換器であるコイル43によりコイル44を冷却してから、還路52側の冷熱源施設に戻せばよい。この場合、凝縮器32の出口冷媒は十分に高温であるので、冷水が17℃程度でも十分に冷却するのに役立ち、この例では、熱交換して20℃程度に上昇して還路52に還水する。
この実施例2でも、室内還気RAの一部を返還路1Cを介して処理側1Aの水冷コイル5の上流に戻す。
この結果、水冷凝縮器4の能力分だけ凝縮器32の能力は小さくてよく、ヒートポンプ装置の規模が小型になり初期コストが抑制され、運転期間中を通じてヒートポンプがほぼ最大容量で運転でき、安定した省エネルギー効果が得られる。特に、デシカント空調機単独で除湿と冷却のすべてをまかなうことができる。その上に、アフタークーラとして外部の冷熱源施設を利用するので、設計の自由度が増し、蒸発器36を小型にでき従来のヒートポンプを組み込んだデシカント空調機をより小型にすることができる。更に、従来のデシカント空調システムでは外調機と内調機とは別であったが、第2の凝縮器(水冷凝縮器)を配置することによって、除湿の外調機と冷却の内調機とを一体として一台のデシカント空調機とすることが可能となり、空調機全体の小型化も可能となる。
なお、本発明の特徴を損なうものでなければ、上記の各実施例に限定されるものでないことは勿論である。
2…デシカント空調システム、21…デシカントロータ、
211…デシカントロータの下側、212…デシカントロータの上側、
3…ヒートポンプシステム、31…圧縮機、32…凝縮器、
331…第1の膨張弁、332…第2の膨張弁、
3322…温度センサー、3321…弁制御装置、
341…第1の蒸発器、342…第2の蒸発器、
35…膨張弁、36…蒸発器、
4…水冷凝縮器、41…冷却塔、411…ノズル、412…ファン、
413…貯留槽、42…ポンプ、43,44…コイル
5…冷水コイル、51…往路、52…還路、53…ポンプ、54…三方弁
Claims (4)
- 外気側デシカントロータの下流側に被空調室内からの還気の一部を導入してデシカントロータを通過して湿度調整した外気と混合させ、合流点の下流側に蒸発器を配置し、混合空気を温度調整して室内に供給し、
再生側デシカントロータの上流側に第1凝縮手段としての再生器を配置し、第2凝縮手段として外部の冷熱源により冷却する水冷凝縮器を空調機内又はその近傍に配置し、前記再生器と前記水冷凝縮器と前記蒸発器とはヒートポンプシステムを形成していることを特徴とするデシカント空調機。 - 前記請求項1において、外気側デシカントロータの下流側に配置した前記蒸発器とは別にデシカントロータの上流側に第2の蒸発器を配置し、前記蒸発器及び前記第2の蒸発器を直列、又は並列に冷媒接続し、前記の蒸発器、第2の蒸発器、再生器、及び水冷凝縮器とはヒートポンプを形成していることを特徴とする請求項1のデシカント空調機。
- 外気側デシカントロータの上流側にプレクーラとしての蒸発器を配置し、デシカントロータの下流側に冷水コイルを配置し、デシカントロータと冷水コイルの間に被空調室内からの還気を導入してデシカントロータを通過して湿度調整した外気と混合させ、前記冷水コイルで混合空気を温度調整して室内に供給し、
再生側デシカントロータの上流側に第1凝縮手段としての再生器を配置し、第2凝縮手段として外部の冷熱源により冷却する水冷凝縮器を空調機内又はその近傍に配置し、前記凝縮器と前記水冷凝縮器と前記蒸発器とはヒートポンプシステムを形成すると共に、前記冷水コイルと水冷凝縮器へ外部冷熱源より冷水を供給されていることを特徴とするデシカント空調機。 - 前記請求項3において、冷水コイルと水冷凝縮器とを直列に冷水接続し、冷水コイルで昇温した冷水を水冷凝縮器で再使用することを特徴とする請求項3のデシカント空調機。
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