JP2015145000A - 除湿システム - Google Patents

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Abstract

【課題】デシカントローターの除湿機能を再生させる加熱空気が有する交換熱を再利用し、その交換熱をヒートポンプの回路に利用することができる除湿システムを提供する。
【解決手段】除湿システム10Aは、デシカント空調機11と第1〜第4熱交換機構12〜15とヒーター16とデシカントローター17と外調機18とを備え、湿度が低い除湿空気を作り、その除湿空気を除湿空調空間に給気する。除湿システム10Aでは、第2熱交換機構13によって回収された交換熱を冷媒を利用して熱交換器30に供給し、その交換熱を第1熱交換機構12における空気の加熱に利用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、加熱空気を除湿機構に給気して除湿剤の除湿機能を再生しつつ、除湿機構を利用して作られた除湿空気を除湿空調空間に給気する除湿システムに関する。
吸着剤を収容しつつその吸着剤を利用して通過する空気を除湿するデシカントローターと、ヒートポンプを利用し、吸着剤の吸着機能を再生させる加熱空気をデシカントローターに給気する空気加熱器と、デシカントローターと空気加熱器との間に配置されて加熱空気を加熱する補助ヒーターと、デシカントローターに流入させる空気の温度を低下させる外気冷却器およびプレクーラーとを備え、空気加熱器と補助ヒーターとによって加熱された加熱空気をデシカントローターに給気して吸着剤の吸着機能を再生しつつ、デシカントローターを利用して作られた所定温度の除湿空気を除湿空調空間に給気する除湿装置が開示されている(特許文献1参照)。
この除湿装置では、空気加熱器としてヒートポンプの凝縮器を利用し、外気冷却器およびプレクーラーとしてヒートポンプの蒸発器を利用している。除湿装置では、ヒートポンプの凝縮器を利用して外気を所定温度に加熱し、外気を加熱した加熱空気をデシカントローターに給気するとともに、ヒートポンプの蒸発器を利用した外気冷却器およびプレクーラーによって外気を冷却し、冷却した外気をデシカントローターに給気する。
特開2011−125826号公報
前記特許文献1に開示の除湿装置において外気を所定温度に加熱するには、ヒートポンプの凝縮器を利用した空気加熱器の加熱量とヒートポンプの蒸発器を利用した外気冷却器およびプレクーラーの冷却量とを略同等にする必要がある。外気の温度が高い夏期では、空気加熱器の加熱量と外気冷却器およびプレクーラーの冷却量とを略同等にすることができ、空気加熱器を利用して外気を所定温度の加熱空気に加熱することができる。しかし、外気の温度が低く、外気冷却器およびプレクーラーを利用して外気を冷却する必要がない冬期では、空気加熱器の加熱量と外気冷却器およびプレクーラーの冷却量とが不均衡になり、空気加熱器を利用して外気の温度を十分に上昇させることができず、デシカントローターに収容された吸着剤の吸着機能を再生することができない場合がある。また、この除湿装置では、デシカントローターを通流した再生用の加熱空気が外気に放出されるから、再生用の加熱空気が有する交換熱が無駄に捨てられ、その交換熱を再利用することができず、交換熱を空気加熱器における空気の加熱に利用することができない。
本発明の目的は、除湿機構の除湿機能を再生させる加熱空気が有する交換熱を再利用することができ、その交換熱をヒートポンプの安定運転に利用することができる除湿システムを提供することにある。本発明の他の目的は、外気の温度が低い冬期において、ヒートポンプの安定運転を行うことで除湿機構に給気する空気を十分に加熱することができ、その加熱空気を利用して除湿機構の除湿機能を再生することができる除湿システムを提供することにある。
前記課題を解決するための本発明の前提は、除湿空気を作る除湿処理ゾーンと、除湿機能を再生する除湿機能再生ゾーンと、除湿剤を有して除湿処理ゾーンおよび除湿機能再生ゾーンに配置された除湿機構と、除湿機構の上流側における除湿機能再生ゾーンに配置され、ヒートポンプを利用して除湿機構に給気する空気を加熱する第1熱交換機構とを備え、第1熱交換機構によって所定温度に加熱された加熱空気を除湿機能再生ゾーンに位置する除湿機構に給気して除湿剤の除湿機能を再生しつつ、除湿処理ゾーンに位置する除湿機構を利用して作られた除湿空気を除湿空調空間に給気する除湿システムである。
前記前提における本発明の除湿システムの第1の特徴は、除湿システムが除湿機能再生ゾーンに位置する除湿機構の下流側に配置された第2熱交換機構を含み、第2熱交換機構が第1熱交換機構と熱交換を行う熱交換器から供給された冷媒を利用して除湿機能再生ゾーンの除湿機構を通流した加熱空気の交換熱を回収し、除湿システムでは、第2熱交換機構によって回収された交換熱を冷媒を利用して第2熱交換機構から熱交換器に供給し、その交換熱を第1熱交換機構における空気の加熱に利用することにある。
前記第1の特徴を有する本発明の除湿システムの一例としては、除湿処理ゾーンに位置する除湿機構の上流側に配置され、除湿処理ゾーンの除湿機構に給気する空気の温度を低下させる第3熱交換機構を含み、除湿システムでは、熱交換器で作られた冷熱を冷媒を利用して熱交換器から第3熱交換機構に供給し、その冷熱を第3熱交換機構における空気の冷却に利用するとともに、第3熱交換機構によって空気から回収された交換熱を冷媒を利用して第3熱交換機構から熱交換器に供給し、その交換熱を第1熱交換機構における空気の加熱に利用する。
前記第1の特徴を有する本発明の除湿システムの他の一例としては、除湿処理ゾーンに位置する除湿機構の下流側に配置され、除湿処理ゾーンの除湿機構によって作られた除湿空気の温度を低下させる第4熱交換機構を含み、除湿システムでは、熱交換器で作られた冷熱を冷媒を利用して熱交換器から第4熱交換機構に供給し、その冷熱を第4熱交換機構における除湿空気の冷却に利用するとともに、第4熱交換機構によって除湿空気から回収された交換熱を冷媒を利用して第4熱交換機構から熱交換器に供給し、その交換熱を第1熱交換機構における空気の加熱に利用する。
前記前提における本発明の除湿システムの第2の特徴は、除湿システムが、除湿機能再生ゾーンに位置する除湿機構の下流側に配置された第2熱交換機構と、第1熱交換機構と熱交換を行う熱交換器に対して熱交換を行う熱回収型ヒートポンプとを含み、第2熱交換機構が熱回収型ヒートポンプから供給された冷媒を利用して除湿機能再生ゾーンの除湿機構を通流した加熱空気の交換熱を回収し、除湿システムでは、第2熱交換機構によって回収された交換熱を冷媒を利用して第2熱交換機構から熱回収型ヒートポンプに供給し、その交換熱を第1熱交換機構における空気の加熱に利用することにある。
前記第2の特徴を有する本発明の除湿システムの一例としては、除湿処理ゾーンに位置する除湿機構の上流側に配置され、除湿処理ゾーンの除湿機構に給気する空気の温度を低下させる第3熱交換機構を含み、除湿システムでは、熱回収型ヒートポンプで作られた冷熱を冷媒を利用して熱回収型ヒートポンプから第3熱交換機構に供給し、その冷熱を第3熱交換機構における空気の冷却に利用するとともに、第3熱交換機構によって空気から回収された交換熱を冷媒を利用して第3熱交換機構から熱回収型ヒートポンプに供給し、その交換熱を第1熱交換機構における空気の加熱に利用する。
前記第2の特徴を有する本発明の除湿システムの他の一例としては、除湿処理ゾーンに位置する除湿機構の下流側に配置され、除湿処理ゾーンの除湿機構によって作られた除湿空気の温度を低下させる第4熱交換機構を含み、除湿システムでは、熱回収型ヒートポンプで作られた冷熱を冷媒を利用して熱回収型ヒートポンプから第4熱交換機構に供給し、その冷熱を第4熱交換機構における除湿空気の冷却に利用するとともに、第4熱交換機構によって除湿空気から回収された交換熱を冷媒を利用して第4熱交換機構から熱回収型ヒートポンプに供給し、その交換熱を第1熱交換機構における空気の加熱に利用する。
前記第1および第2の特徴を有する本発明の除湿システムの一例としては、除湿システムが、第1熱交換機構と除湿機構との間の除湿機能再生ゾーンに配置され、第1熱交換機構によって所定温度に加熱された加熱空気を加熱するヒーターと、第1熱交換機構とヒーターとの間の除湿機能再生ゾーンに設置され、除湿機能再生ゾーンの除湿機構に給気する加熱空気の温度を計測する第1温度センサとを含み、除湿システムでは、第1温度センサが計測した加熱空気の第1計測温度が第1設定温度の範囲を下回る場合、ヒーターを稼働させるヒーター稼働手段と、稼働中のヒーターの熱量を増加させる熱量増加手段と、ヒートポンプの仕事量を増加させる仕事量増加手段とのうちの少なくとも1つを実施し、第1温度センサが計測した加熱空気の第1計測温度が第1設定温度の範囲を上回る場合、稼働中のヒーターを停止させるヒーター停止手段と、稼働中のヒーターの熱量を減少させる熱量減少手段と、ヒートポンプの仕事量を減少させる仕事量減少手段とのうちの少なくとも1つを実施する。
前記第1および第2の特徴を有する本発明の除湿システムの他の一例としては、除湿処理ゾーンに位置する除湿機構と第3熱交換機構との間に設置され、除湿処理ゾーンの除湿機構に給気する空気の温度を計測する第2温度センサを含み、除湿システムでは、第2温度センサが計測した空気の第2計測温度が第2設定温度の範囲内に入るように第3熱交換機構に流入する冷媒の流入量を調節する流入量調節手段を実施し、第2温度センサが計測した空気の第2計測温度が第2設定温度を下回る場合、または、第2温度センサが計測した空気の第2計測温度を第2設定温度の範囲内に維持し得る場合、第3熱交換機構に流入する冷媒の流入量を減少させる流入量減少手段と第3熱交換機構への冷媒の流入を停止させる流入停止手段とのいずれか一方を実施する。
前記第1および第2の特徴を有する本発明の除湿システムの他の一例としては、第4熱交換機構の下流側に設置され、第4熱交換機構によって温度が低下した除湿空気の温度を計測する第3温度センサを含み、除湿システムでは、第3温度センサが計測した除湿空気の第3計測温度が第3設定温度の範囲内に入るように第4熱交換機構に流入する冷媒の流入量を調節する流入量調節手段を実施し、第3温度センサが計測した空気の第3計測温度が第3設定温度を下回る場合、または、第3温度センサが計測した空気の第3計測温度を第3設定温度の範囲内に維持し得る場合、第4熱交換機構に流入する冷媒の流入量を減少させる流入量減少手段と第4熱交換機構への冷媒の流入を停止させる流入停止手段とのいずれか一方を実施する。
前記第1および第2の特徴を有する本発明の除湿システムの他の一例としては、除湿処理ゾーンに位置する除湿機構と第3熱交換機構との間に設置された外調機を含み、外調機が除湿処理ゾーンの除湿機構に給気する空気を除湿するとともにその空気の温度を調節する。
前記第1および第2の特徴を有する本発明の除湿システムの他の一例としては、冷媒が水またはブラインである。
第1の特徴を有する本発明の除湿システムによれば、除湿機能再生ゾーンの除湿機構を通流した加熱空気の交換熱を第2熱交換機構が冷媒を利用して回収し、第2熱交換機構によって回収された交換熱が冷媒を利用して第2熱交換機構から熱交換器に供給され、ヒートポンプを利用した第1熱交換機構と熱交換器との間で熱交換が行われることで、加熱空気の交換熱が第1熱交換機構における空気の加熱に利用されるから、除湿機構の除湿機能の再生のために使用された加熱空気の排熱が無駄に捨てられることはなく、排気空気から回収した交換熱を熱交換器利用してヒートポンプの冷媒に再利用することができる。除湿システムは、加熱空気の排熱の交換熱を受け取った冷媒を利用してその交換熱を熱交換器から第1熱交換機構に伝えることができるから、第1熱交換機構のヒートポンプを安定して運転することができる。また、除湿機能の再生に使用された加熱空気の残余の排気空気から回収した排熱を利用しない場合と比較し、除湿機構に給気する空気を第1熱交換機構において十分に加熱することができる。除湿システムは、加熱空気の交換熱を第1熱交換機構における空気の加熱に利用することで、外気の温度が低い冬期であってもヒートポンプを安定して運転することができるため、除湿機構に給気する空気を十分に加熱することができ、その加熱空気を利用して除湿機構の除湿機能を確実に再生することができる。
除湿処理ゾーンに位置する除湿機構の上流側に配置されて除湿機構に給気する空気の温度を低下させる第3熱交換機構を含み、熱交換器で作られた冷熱を冷媒を利用して熱交換器から第3熱交換機構に供給し、その冷熱を第3熱交換機構における空気の冷却に利用する除湿システムは、第1熱交換機構と熱交換した後の熱交換器から供給される冷熱を利用し、除湿処理ゾーンに位置する除湿機構に給気する空気と第3熱交換機構との間で熱交換を行うことで、除湿機構に給気する空気を冷却することができるから、第3熱交換機構によって冷却された空気を除湿処理ゾーンの除湿機構に給気することができ、除湿機構において温度が低下した除湿空気を容易に作ることができる。なお、第3熱交換機構の冷却機能によって季節の中間期では温度を下げることで、相対湿度を上げて除湿機構の除湿機能を高める効果がある。除湿システムは、除湿処理ゾーンの除湿機構に給気する空気から回収された交換熱が冷媒を利用して第3熱交換機構から熱交換器に供給され、第1熱交換機構と熱交換器との間で熱交換が行われることで、除湿機構に給気する空気の交換熱が第1熱交換機構における空気の加熱に利用されるから、除湿処理ゾーンの除湿機構に給気する空気の交換熱を再利用することができ、除湿機能再生ゾーンの除湿機構に給気する空気を第1熱交換機構において十分に加熱することができる。除湿システムは、第1〜第3熱交換機構の間において交換熱および冷熱の循環回路が形成され、冷媒を利用して交換熱および冷熱をその回路に循環させることで、交換熱や冷熱の有効利用を図ることができ、システムの省エネルギー化とヒートポンプの安定運転とを実現することができる。
除湿処理ゾーンに位置する除湿機構の下流側に配置されて除湿空気の温度を低下させる第4熱交換機構を含み、熱交換器で作られた冷熱を冷媒を利用して熱交換器から第4熱交換機構に供給し、その冷熱を第4熱交換機構における除湿空気の冷却に利用する除湿システムは、第1熱交換機構と熱交換した後の熱交換器から供給される冷熱を利用し、除湿処理ゾーンに位置する除湿機構を通流した除湿空気と第4熱交換機構との間で熱交換を行うことで、除湿空気を冷却することができるから、第4熱交換機構によって温度が低下した除湿空気を除湿空調空間に給気することができ、その除湿空気によって除湿空調空間を除湿機構を通流直後の加熱された空気温度よりも低温にすることができる。除湿システムは、除湿処理ゾーンの除湿機構を通流した除湿空気から回収された交換熱が冷媒を利用して第4熱交換機構から熱交換器に供給され、第1熱交換機構と熱交換器との間で熱交換が行われることで、除湿空気の交換熱が第1熱交換機構における空気の加熱に利用されるから、除湿処理ゾーンの除湿機構を通流した除湿空気の熱を再利用することができ、除湿機能再生ゾーンの除湿機構に給気する空気を第1熱交換機構において十分に加熱することができる。除湿システムは、第1〜第4熱交換機構の間において交換熱および冷熱の循環回路が形成され、冷媒を利用して交換熱および冷熱をその回路に循環させることで、熱の有効利用を図ることができ、システムの省エネルギー化とヒートポンプの安定運転とを実現することができる。
第2の特徴を有する本発明の除湿システムによれば、除湿機能再生ゾーンの除湿機構を通流した加熱空気の交換熱を第2熱交換機構が冷媒を利用して回収し、第2熱交換機構によって回収された交換熱が冷媒を利用して第2熱交換機構から熱回収型ヒートポンプに供給され、熱交換器と熱回収型ヒートポンプとの間で熱交換が行われるとともに、ヒートポンプを利用した第1熱交換機構と熱交換器との間で熱交換が行われることで、加熱空気の交換熱が第1熱交換機構における空気の加熱に利用されるから、除湿機構の除湿機能の再生のために使用された加熱空気の排熱が無駄に捨てられることはなく、排気空気から回収した交換熱を熱交換器利用してヒートポンプの冷媒に再利用することができる。除湿システムは、加熱空気の排熱の交換熱を受け取った冷媒を利用してその交換熱を熱回収型ヒートポンプから熱交換器に伝えることができるとともに、その交換熱を熱交換器から第1熱交換機構に伝えることができるから、第1熱交換機構のヒートポンプを安定して運転することができる。また、除湿機能の再生に使用された加熱空気の残余の排気空気から回収した排熱を利用しない場合と比較し、除湿機構に給気する空気を第1熱交換機構において十分に加熱することができる。除湿システムは、熱回収型ヒートポンプによって熱を低温域から高温域に効率よく移動させることができると同時に、冷媒の冷却機能が向上するから、ヒートポンプを利用した第1熱交換機構に加えて熱回収型ヒートポンプを利用することで、所定温度の加熱空気を確実に作ることができるとともに、空気の冷却に十分な冷熱を第2熱交換機構に供給することができる。除湿システムは、加熱空気の交換熱を第1熱交換機構における空気の加熱に利用することで、外気の温度が低い冬期であってもヒートポンプを安定して運転することができるため、除湿機構に給気する空気を十分に加熱することができ、その加熱空気を利用して除湿機構の除湿機能を確実に再生することができる。
除湿処理ゾーンに位置する除湿機構の上流側に配置されて除湿機構に給気する空気の湿度を低下させる第3熱交換機構を含み、熱回収型ヒートポンプで作られた冷熱を冷媒を利用して熱回収型ヒートポンプから第3熱交換機構に供給し、その冷熱を第3熱交換機構における空気の除湿に利用する除湿システムは、第1熱交換機構と熱交換器との間で熱交換が行われるとともに、熱交換器と熱回収型ヒートポンプとの間で熱交換が行われた後の冷熱を利用し、除湿処理ゾーンに位置する除湿機構に給気する空気と第3熱交換機構との間で熱交換を行うことで、除湿機構に給気する空気を冷却することができるから、第3熱交換機構によって冷却された空気を除湿処理ゾーンの除湿機構に給気することができ、除湿機構において除湿空気を容易に作ることができる。なお、第3熱交換機構の冷却機能によって季節の中間期では温度を下げることで、相対湿度を上げて除湿機構の除湿機能を高める効果がある。除湿システムは、除湿処理ゾーンの除湿機構に給気する空気から回収された交換熱が冷媒を利用して第3熱交換機構から熱回収型ヒートポンプに供給され、熱回収型ヒートポンプと熱交換器との間で熱交換が行われるとともに、第1熱交換機構と熱交換器との間で熱交換が行われることで、除湿機構に給気する空気の交換熱が第1熱交換機構における空気の加熱に利用されるから、除湿処理ゾーンの除湿機構に給気する空気の交換熱を再利用することができ、除湿機能再生ゾーンの除湿機構に給気する空気を第1熱交換機構において十分に加熱することができる。除湿システムは、第1〜第3熱交換機構と熱回収型ヒートポンプとの間において交換熱および冷熱の循環回路が形成され、冷媒を利用して交換熱および冷熱をその回路に循環させることで、交換熱や冷熱の有効利用を図ることができ、システムの省エネルギー化とヒートポンプの安定運転とを実現することができる。
除湿処理ゾーンに位置する除湿機構の下流側に配置されて除湿空気の温度を低下させる第4熱交換機構を含み、熱回収型ヒートポンプで作られた冷熱を冷媒を利用して熱回収型ヒートポンプから第4熱交換機構に供給し、その冷熱を第4熱交換機構における除湿空気の冷却に利用する除湿システムは、第1熱交換機構と熱交換器との間で熱交換が行われるとともに、熱交換器と熱回収型ヒートポンプとの間で熱交換が行われた後の熱回収型ヒートポンプから供給される冷熱を利用し、除湿処理ゾーンに位置する除湿機構を通流した除湿空気と第4熱交換機構との間で熱交換を行うことで、除湿空気を冷却することができるから、第4熱交換機構によって温度が低下した除湿空気を除湿空調空間に給気することができ、その除湿空気によって除湿空調空間を除湿機構を通流直後の加熱された空気温度よりも低温にすることができる。除湿システムは、除湿処理ゾーンの除湿機構を通流した除湿空気から回収された交換熱が冷媒を利用して第4熱交換機構から熱回収型ヒートポンプに供給され、熱回収型ヒートポンプと熱交換器との間で熱交換が行われるとともに、第1熱交換機構と熱交換器との間で熱交換が行われることで、除湿空気の交換熱が第1熱交換機構における空気の加熱に利用されるから、除湿処理ゾーンの除湿機構を通流した除湿空気の交換熱を再利用することができ、除湿機能再生ゾーンの除湿機構に給気する空気を第1熱交換機構において十分に加熱することができる。除湿システムは、第1〜第4熱交換機構と熱回収型ヒートポンプとの間において交換熱および冷熱の循環回路が形成され、冷媒を利用して交換熱および冷熱をその回路に循環させることで、交換熱や冷熱の有効利用を図ることができ、システムの省エネルギー化とヒートポンプの安定運転とを実現することができる。
第1熱交換機構と除湿機構との間の除湿機能再生ゾーンに配置されたヒーターと、第1熱交換機構とヒーターとの間の除湿機能再生ゾーンに設置された第1温度センサとを含み、第1温度センサが計測した加熱空気の第1計測温度が第1設定温度の範囲を下回る場合、ヒーターを稼働させるヒーター稼働手段と、稼働中のヒーターの熱量を増加させる熱量増加手段と、ヒートポンプの仕事量を増加させる仕事量増加手段とのうちの少なくとも1つを実施し、第1温度センサが計測した加熱空気の第1計測温度が第1設定温度の範囲を上回る場合、稼働中のヒーターを停止させるヒーター停止手段と、稼働中のヒーターの熱量を減少させる熱量減少手段と、ヒートポンプの仕事量を減少させる仕事量減少手段とのうちの少なくとも1つを実施する除湿システムは、加熱空気の交換熱を第1熱交換機構における空気の加熱に利用したとしても、第1計測温度が第1設定温度の範囲を下回る場合、ヒーターを利用して所定温度に加熱された加熱空気をさらに加熱するヒーター稼働手段、稼働中のヒーターの熱量を増加させる熱量増加手段、ヒートポンプの仕事量を増加させる仕事量増加手段のうちの少なくとも1つを実施するから、外気の温度が低い冬期のようにヒートポンプの蒸発器に供給する熱量が少ない状態であっても除湿機構に給気する空気を十分に加熱することができ、加熱空気の温度を第1設定温度の範囲内にすることができるとともに、その加熱空気を利用して除湿機構の除湿機能を確実に再生することができる。除湿システムは、第1計測温度が第1設定温度の範囲を上回る場合、稼働中のヒーターを停止させるヒーター停止手段と、稼働中のヒーターの熱量を減少させる熱量減少手段と、ヒートポンプの仕事量を減少させる仕事量減少手段とのうちの少なくとも1つを実施するから、ヒーターを停止させた状態でシステムを運転し、または、ヒーターの熱量を減少させた状態でシステムを運転することで、ヒーターの消費電力を節約することができるとともに、ヒートポンプの仕事量を減少させた状態でシステムを運転することで、ヒートポンプの消費電力を節約することができ、外気の温度が高い夏期においてシステムの省エネルギー化とヒートポンプの安定運転とを実現することができる。
除湿処理ゾーンに位置する除湿機構と第3熱交換機構との間に設置された第2温度センサを含み、第2温度センサが計測した空気の第2計測温度が第2設定温度の範囲内に入るように第3熱交換機構に流入する冷媒の流入量を調節する流入量調節手段を実施し、第2温度センサが計測した空気の第2計測温度が第2設定温度を下回る場合、または、第2温度センサが計測した空気の第2計測温度を第2設定温度の範囲内に維持し得る場合、第3熱交換機構に流入する冷媒の流入量を減少させる流入量減少手段と第3熱交換機構への冷媒の流入を停止させる流入停止手段とのいずれか一方を実施する除湿システムは、第2温度センサが計測した空気の第2計測温度が第2設定温度の範囲を上回る場合、第3熱交換機構における冷却機能が低下して除湿機構に給気する空気を十分に冷却することができないが、第3熱交換機構に流入する冷媒の流入量を多くすることで、第3熱交換機構における冷却機能を上昇させることができるから、第3熱交換機構によって空気が十分に冷却され、第2計測温度を第2設定温度の範囲内にすることができ、第3熱交換機構によって温度が低下した空気を除湿機構に給気することができる。除湿システムは、空気が乾燥し、空気の温度および湿度が低下する冬期において第2温度センサが計測した空気の第2計測温度が第2設定温度の範囲を下回る場合、または、第2温度センサが計測した空気の第2計測温度を第2設定温度の範囲内に維持し得る場合、第3熱交換機構を利用して空気を冷却する必要がなく、その場合、第3熱交換機構に流入する冷媒の流入量を減少させ、または、第3熱交換機構への冷媒の流入を停止させ、冷媒の冷熱を他の冷熱配管系に利用することで、冷媒の無駄を省くことができ、システムの省エネルギー化を図ることができる。除湿システムは、第1熱交換機構と熱交換した後の熱交換器または熱回収型ヒートポンプから供給される冷熱を必要最小限に利用し、除湿処理ゾーンに位置する除湿機構に給気する空気と第3熱交換機構との間で熱交換を行うことで、除湿機構に給気する空気を冷却することができるから、第3熱交換機構によって温度が低下した空気を除湿処理ゾーンの除湿機構に給気することができ、除湿機構において温度が低下した除湿空気を容易に作ることができる。
第4熱交換機構の下流側に設置された第3温度センサを含み、第3温度センサが計測した除湿空気の第3計測温度が第3設定温度の範囲内に入るように第4熱交換機構に流入する冷媒の流入量を調節する流入量調節手段を実施し、第3温度センサが計測した空気の第3計測温度が第3設定温度を下回る場合、または、第3温度センサが計測した空気の第3計測温度を第3設定温度の範囲内に維持し得る場合、第4熱交換機構に流入する冷媒の流入量を減少させる流入量減少手段と第4熱交換機構への冷媒の流入を停止させる流入停止手段とのいずれか一方を実施する除湿システムは、第3温度センサが計測した空気の第3計測温度が第3設定温度の範囲を上回る場合、第4熱交換機構における冷却機能が低下して第4熱交換機構を利用して除湿空気を十分に冷却することができないが、第4熱交換機構に流入する冷媒の流入量を多くすることで、第4熱交換機構における冷却機能を上昇させることができるから、第4熱交換機構によって除湿空気が十分に冷却され、第3計測温度を第3設定温度の範囲内にすることができ、第4熱交換機構によって温度が低下した除湿空気を除湿空調空間に給気することができる。除湿システムは、空気が乾燥し、空気の温度が低下する冬期において第3温度センサが計測した空気の第3計測温度が第3設定温度の範囲を下回る場合、または、第3温度センサが計測した空気の第3計測温度を第3設定温度の範囲内に維持し得る場合、第4熱交換機構を利用して空気を冷却する必要がなく、その場合、第4熱交換機構に流入する冷媒の流入量を減少させ、または、第4熱交換機構への冷媒の流入を停止させ、冷媒の冷熱を他の冷熱配管系に利用することで、冷媒の無駄を省くことができ、システムの省エネルギー化を図ることができる。除湿システムは、除湿システムは、第1熱交換機構と熱交換した後の熱交換器または熱回収型ヒートポンプから供給される冷熱を必要最小限に利用し、除湿処理ゾーンに位置する除湿機構を通流した除湿空気と第4熱交換機構との間で熱交換を行うことで、除湿空調空間に給気する空気を冷却することができるから、第4熱交換機構によって温度が低下した空気を除湿空調空間に給気することができる。
除湿処理ゾーンに位置する除湿機構と第3熱交換機構との間に設置された外調機を含み、外調機が除湿処理ゾーンの除湿機構に給気する空気を除湿するとともに、その空気の温度を調節する除湿システムは、外調機を利用することで、第3熱交換機構における空気冷却機能や第4熱交換機構における空気冷却機能を補うことができ、除湿機構において除湿空気を確実に作ることができ、除湿空気を確実に冷却することができる。
冷媒が水またはブラインである除湿システムは、冷媒として水やブラインを利用することで、たとえば、第3熱交換機構や第4熱交換機構に冷媒を使用しない場合、その冷媒を他の冷熱配管系に導入し、その冷媒を他の冷熱配管系において容易に利用することができ、冷媒の有効利用を図ることができる。なお、除湿機構としてデシカントローターが使用される場合、デシカントローターを利用して空気に含まれる湿気を除去した除湿空気を確実に作ることができ、その除湿空気を除湿空調空間に給気することができる。
一例として示す除湿システムの構成図。 除湿空調空間に対する除湿空気の給気および還気の一例を示す図。 除湿空調空間に対する除湿空気の給気および還気の他の一例を示す図。 除湿システムの運転状態の一例を示す図。 除湿システムの運転状態の他の一例を示す図。 他の一例として示す除湿システムの構成図。 除湿システムの運転状態の一例を示す図。 除湿システムの運転状態の他の一例を示す図。
一例として示す除湿システム10Aの構成図である図1等の添付の図面を参照し、本発明にかかる除湿システムの詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、除湿空調空間19に対する除湿空気の給気および還気の一例を示す図であり、図3は、除湿空調空間19に対する除湿空気の給気および還気の他の一例を示す図である。図1では、除湿空調空間19の図示を省略し、図2,3では、第1〜第4熱交換機構12〜15やヒーター16、デシカントローター17、外調機18の図示を省略している。
除湿システム10Aは、デシカント空調機11と第1〜第4熱交換機構12〜15とヒーター16とデシカントローター17(除湿機構)と外調機18とを備えている。除湿システム10Aは、湿度が低い除湿空気(低露点空気を含む)を作り、その除湿空気をリチウム電池製造工場や製薬工場、クリーンルーム、環境試験室、食品加工工場、半導体工場、機械製品倉庫等の除湿空気を必要とする除湿空調空間19(図2,3参照)に給気する。
デシカント空調機11は、デシカントローター17を利用して除湿空気を作る除湿処理ゾーン20と、デシカントローター17(除湿剤)の除湿機能を再生する除湿機能再生ゾーン21とを有する。デシカント空調機11の除湿処理ゾーン20に通じる空気取入口には、第1ダクト22が接続され、除湿処理ゾーン20に通じる空気給気口には、第2ダクト23が接続されている。デシカント空調機11の除湿機能再生ゾーン21に通じる空気取入口には、第3ダクト24が接続され、除湿機能再生ゾーン21に通じる空気排気口には、第4ダクト25が接続されている。
デシカント空調機11の除湿処理ゾーン20における空気取入口(第1ダクト22)とデシカントローター17との間には、給気用送風機26が設置されている。デシカント空調機11の除湿機能再生ゾーン21におけるデシカントローター17と空気排気口(第4ダクト25)との間には、排気用送風機27が設置されている。デシカント空調機11では、給気用送風機26が稼働すると、空気が第1ダクト22から空気取入口を通って除湿処理ゾーン20に流入し、空気がデシカントローター17の除湿剤に接触して湿気が吸湿された除湿空気が作られた後、その除湿空気が空気給気口から第2ダクト23に流入する。また、排気用送風機27が稼働すると、空気が第3ダクト24から空気取入口を通って除湿機能再生ゾーン21に流入し、加熱空気がデシカントローター17の除湿剤に接触して除湿剤を乾燥させた後、加熱空気が空気排気口から第4ダクト25に流入する。
除湿空調空間19に対する除湿空気の給排気の一例としては、図2に示すように、デシカント空調機11で作られた除湿空気が第2ダクト23から除湿空調空間19に給気され、除湿空調空間19から排気された空気が第1ダクト22に戻される場合がある。デシカント空調機11の除湿処理ゾーン20には、除湿空調空間19から排気された空気とともに外気が給気され、除湿機能再生ゾーン21には、外気が給気される。
除湿空調空間19に対する除湿空気の給排気の他の一例としては、図3に示すように、除湿空調空間19から排気された空気が第1ダクト22に戻されることなく、外気に放出される。デシカント空調機11の除湿機能再生ゾーン21には、外気が給気され、除湿処理ゾーン20には、外気が給気される。
第1熱交換機構12は、デシカントローター17の上流側における除湿機能再生ゾーン21に配置されている。第1熱交換機構12は、インバーター制御方式のコンプレッサー28を有するヒートポンプユニット29と熱交換器30とから形成されている。ヒートポンプユニット29は、CO2を冷媒とした冷凍サイクルを構成し、デシカント空調機11の除湿機能再生ゾーン21に設置された凝縮器31と、熱交換器30の内部に設置された蒸発器32と、膨張弁(図示せず)とを有する。
ヒートポンプユニット29の凝縮器31や蒸発器32、コンプレッサー28、膨張弁は、往管33および還管34によって連結されている。ヒートポンプユニット29のコンプレッサー28は、往管33に設置されている。ヒートポンプユニット29は、その制御部(図示せず)が制御信号線35を介して第1コントローラ36に接続されている。
第1コントローラ36は、中央処理装置とメモリとを有するコンピュータである。コントローラ36のメモリには、デシカントローター17の後記する放湿域41に給気される加熱空気の第1設定温度(約120〜約130℃)が格納されている。コントローラ36は、後記する第1温度センサ39から送信された第1計測温度と第1設定温度とを比較し、その結果に基づいてヒートポンプユニット29のコンプレッサー28の回転数の増減を調節し、ヒーター16の発停を行うとともに、ヒーター16の熱量(出力)の増減を調節する。
第1コントローラ36がコンプレッサー28の回転数を増加させる回転数増加信号をヒートポンプユニット29の制御部に送ると、制御部がコンプレッサー28の回転数を増加させ、ヒートポンプユニット29の仕事量が増加する。コントローラ36がコンプレッサー28の回転数を減少させる回転数減少信号をヒートポンプユニット29の制御部に送ると、制御部がコンプレッサー28の回転数を減少させ、ヒートポンプユニット29の仕事量が減少する。
熱交換器30には、第1熱交換機構12(ヒートポンプユニット29の蒸発器32)と熱交換する熱交換コイル37が設置されている。熱交換コイル37には、冷媒が環流する循環管38が連結されている。ヒートポンプユニット29の凝縮器31によって除湿機能再生ゾーン21を通る空気が所定温度(約120〜約130℃)に加熱され、熱交換コイル37がヒートポンプユニット29の蒸発器32と熱交換することにより、循環管38から熱交換コイル37に流入した冷媒が所定温度(約20℃)に冷却される。冷却された冷媒は、熱交換コイル37から循環管38に流入する。熱交換コイル37や循環管38に流れる冷媒には、水またはブラインが使用されているが、水やブラインとは異なる冷媒を利用することもできる。
ヒーター16は、第1熱交換機構12とデシカントローター17との間の除湿機能再生ゾーン21に設置されている。ヒーター16は、ヒートポンプユニット29の凝縮器31(第1熱交換機構12)によって所定温度に加熱された加熱空気をさらに加熱し、凝縮器31における空気の加熱が不十分である場合にその加熱機能を補うことで、除湿機能再生ゾーン21のデシカントローター17に給気する空気を所定温度(約120〜約130℃)まで昇温させる。ヒーター16は、その制御部(図示せず)が制御信号線35を介して第1コントローラ36に接続されている。
第1コントローラ36がON信号(稼働信号)をヒーター16の制御部に送ると、制御部がヒーター16を稼働させる。コントローラ36がOFF信号(停止信号)をヒーター16の制御部に送ると、制御部が稼働中のヒーター16を停止させる。コントローラ36が熱量増加信号をヒーター16の制御部に送ると、制御部が稼働中のヒーター16の熱量を増加させ、コントローラ36が熱量減少信号をヒーター16の制御部に送ると、制御部が稼働中のヒーター16の熱量を減少させる。
ヒーター16とデシカントローター17との間の除湿機能再生ゾーン21には、第1温度センサ39が設置されている。温度センサ39は、制御信号線35を介して第1コントローラ36に接続されている。温度センサ39は、除湿機能再生ゾーン21のデシカントローター17に給気される加熱空気の温度を計測し、計測した第1計測温度をコントローラ36に送信する。
デシカントローター17は、デシカント空調機11の除湿処理ゾーン20および除湿機能再生ゾーン21に配置されている。デシカントローター17は、円筒筐体の内部に除湿剤(図示せず)が収容され、デシカント空調機11の内部において一方向へ回転し、除湿処理ゾーン20および除湿機能再生ゾーン21を繰り返し移動する。除湿剤には、ゼオライトやシリカゲルが使用されている。
デシカントローター17は、除湿処理ゾーン20に位置する部分が除湿域40となり、除湿機能再生ゾーン21に位置する部分が放湿域41となる。除湿処理ゾーン20に位置するデシカントローター17の除湿域40では、空気に含まれる湿気を除湿剤に吸着(吸湿)させて除湿空気を作る。除湿機能再生ゾーン21に位置するデシカントローター17の放湿域41では、湿気を吸着した除湿剤に加熱空気を通流させて除湿剤を加熱し、除湿剤から湿気を放出させて除湿剤の除湿機能を再生する。
第2熱交換機構13は、除湿機能再生ゾーン21に位置するデシカントローター17の下流側に配置されている。第2熱交換機構13は、熱交換コイル42を備え、その熱交換コイル42が第4ダクト25の内部に設置されている。第2熱交換機構13の熱交換コイル42には、熱交換器30の熱交換コイル37から延びる循環管38が連結されている。なお、熱交換コイル42がデシカントローター17の下流側の除湿機能再生ゾーン21(デシカント空調機11の内部)に設置されていてもよい。
第2熱交換機構13では、熱交換コイル42を流動する冷媒(水やブライン)を利用して第4ダクト25に流入した空気(除湿機能再生ゾーン21のデシカントローター17の放湿域41を通流した加熱空気)と熱交換を行い、加熱空気の熱(排熱)を回収する。なお、第1熱交換機構12と第2熱交換機構13との間に延びる循環管38には、循環ポンプ57が設置されている。
第3熱交換機構14は、除湿処理ゾーン20に位置するデシカントローター17の上流側に配置されている。第3熱交換機構14は、熱交換コイル43を備え、その熱交換コイル43が第1ダクト22の内部に設置されている。第3熱交換機構14の熱交換コイル43には、往管44と還管45とが連結されている。往管44および還管45は、熱交換器30の熱交換コイル37から延びる循環管38に連結されている。
第3熱交換機構14では、熱交換コイル43を流動する冷媒(水やブライン)を利用して第1ダクト22に流入する空気(除湿処理ゾーン20のデシカントローター17の除湿域40に給気する空気)と熱交換を行い、その空気を冷却し、その結果として空気に含まれる湿気が除去され、空気の湿度を低下させる。往管44と循環管38との連結箇所には、三方弁46(電動弁)が設置されている。三方弁46は、その制御部(図示せず)が制御信号線47を介して第2コントローラ48に接続されている。
第2コントローラ48は、中央処理装置とメモリとを有するコンピュータである。コントローラ48のメモリには、デシカントローター17の除湿域40に給気される空気の第2設定温度(約27〜約29℃、好ましくは、約28℃)が格納されている。コントローラ48は、後記する第2温度センサ49から送信された第2計測温度と第2設定温度とを比較し、その結果に基づいて三方弁46の弁機構の開閉を行うとともに、三方弁46の弁機構の開度を調節する。
第2コントローラ48が三方弁46の弁機構を開放させる開放信号を三方弁46の制御部に送ると、制御部が三方弁46の弁機構を開放する。コントローラ48が三方弁46の弁機構を閉鎖させる閉鎖信号を三方弁46の制御部に送ると、制御部が三方弁46の弁機構を閉鎖する。コントローラ48が三方弁46の弁機構の開度に対応する開度信号(開度増加信号または開度減少信号)を制御部に送ると、制御部が三方弁46の弁機構の開度を開度信号によって指定された開度に変更し、変更した開度を維持する。
外調機18は、デシカント空調機11と第3熱交換機構14との間に延びる第1ダクト22に設置されている。第3熱交換機構14と外調機18との間の第1ダクト22の内部には、第2温度センサ49が設置されている。温度センサ49は、制御信号線47を介して第2コントローラ48に接続されている。温度センサ49は、第3熱交換機構14の下流側に延びる第1ダクト22を流動する空気(除湿処理ゾーン20のデシカントローター17に給気される空気)の温度を計測し、計測した第2計測温度をコントローラ48に送信する。
第4熱交換機構15は、除湿処理ゾーン20に位置するデシカントローター17の下流側に配置されている。第4熱交換機構15は、熱交換コイル50を備え、その熱交換コイル50がデシカント空調機11の除湿処理ゾーン20に設置されている。第4熱交換機構15の熱交換コイル50には、往管51と還管52とが連結されている。往管51および還管52は、熱交換器30の熱交換コイル37から延びる循環管38に連結されている。
第4熱交換機構15では、熱交換コイル50を流動する冷媒(水やブライン)を利用して除湿処理ゾーン20を流動する空気(除湿処理ゾーン20のデシカントローター17の除湿域40から流出した空気)と熱交換を行い、その空気を冷却し、空気の温度を低下させる。往管51と循環管38との連結箇所には、三方弁53(電動弁)が設置されている。三方弁53は、その制御部(図示せず)が制御信号線54を介して第3コントローラ55に接続されている。なお、第1熱交換機構12や第3熱交換機構14、第4熱交換機構15が別々の第1〜第3コントローラ36,48,55によって制御される場合を図示しているが、それら熱交換機構12,14,15が1つのコントローラによって制御される場合もある。
第3コントローラ55は、中央処理装置とメモリとを有するコンピュータである。コントローラ55のメモリには、デシカントローター17の除湿域40から流出し、第4熱交換機構15を通流した空気の第3設定温度(約24〜約26℃、好ましくは、約25℃)が格納されている。コントローラ55は、後記する第3温度センサ49から送信された第3計測温度と第3設定温度とを比較し、その結果に基づいて三方弁53の弁機構の開閉を行うとともに、三方弁53の弁機構の開度を調節する。
第3コントローラ55が三方弁53の弁機構を開放させる開放信号を三方弁53の制御部に送ると、制御部が三方弁53の弁機構を開放する。コントローラ55が三方弁53の弁機構を閉鎖させる閉鎖信号を三方弁53の制御部に送ると、制御部が三方弁53の弁機構を閉鎖する。コントローラ55が三方弁53の弁機構の開度に対応する開度信号(開度増加信号または開度減少信号)を制御部に送ると、制御部が三方弁53の弁機構の開度を開度信号によって指定された開度に変更し、変更した開度を維持する。
第4熱交換機構15と第2ダクト23との間のデシカント空調機11の除湿処理ゾーン20には、第3温度センサ56が設置されている。温度センサ56は、制御信号線54を介して第3コントローラ55に接続されている。温度センサ56は、第4熱交換機構14の下流側に延びるデシカント空調機11の除湿処理ゾーン20を流動する空気(除湿処理ゾーン20のデシカントローター17の除湿域40から流出し、第4熱交換機構15を通流した空気)の温度を計測し、計測した第3計測温度をコントローラ55に送信する。
図4は、除湿システム10Aの運転状態の一例を示す図である。図4では、除湿空調空間19の図示を省略している。図4の運転状態では、第2コントローラ48から三方弁46の弁機構を開放させる開放信号が送られ、三方弁46の弁機構が全開または所定開度に開放されている。また、第3コントローラ55から三方弁53の弁機構を開放させる開放信号が送られ、三方弁53の弁機構が全開または所定開度に開放されている。
除湿システム10Aが起動すると、デシカント空調機11が稼働し、第1熱交換機構12のヒートポンプユニット29やヒーター16が稼働するとともに、循環ポンプ57が稼働する。さらに、各温度センサ39,49,56が温度計測を開始し、各コントローラ36,48,55が稼働する。循環ポンプ57が稼働すると、冷媒が循環管38を環流する。デシカント空調機11が稼働すると、給気用送風機26や排気用送風機27が起動し、デシカントローター17が一方向へ回転を開始する。
除湿システム10Aでは、排気用送風機27によって空気(外気)が第3ダクト24を通ってデシカント空調機11の除湿機能再生ゾーン21に流入する。除湿機能再生ゾーン21に配置された第1熱交換機構12では、ヒートポンプユニット29のコンプレッサー28によって冷媒(CO2)が往管33および還管34(コンプレッサー28、凝縮器31、蒸発器32、膨張弁)を環流し、凝縮器31によって除湿機能再生ゾーン21に流入した空気が加熱され、所定温度の加熱空気が作られる。
第1熱交換機構12の熱交換機30では、ヒートポンプユニット29の蒸発器32と熱交換コイル37との間で熱交換が行われ、循環管38から熱交換コイル37に流入した冷媒(約25℃の水またはブライン)が所定温度(約20℃)に冷却されてその冷媒が再び循環管38に流出し、循環管38を通って第2〜第4熱交換機構13〜15に送られる。
第1熱交換機構12(ヒートポンプユニット29の凝縮器31)によって加熱された加熱空気は、除湿機能再生ゾーン21を通ってゾーン21に位置するデシカントローター17の放湿域41を通流する。加熱空気が放湿域41を通流する際、デシカントローター17の放湿域41に存在する除湿剤が加熱空気によって加熱され、除湿剤に吸着された湿気が放出されることで、デシカントローター17(除湿剤)の除湿機能が再生(乾燥による吸着性能の回復)する。
第1温度センサ39によって計測された加熱空気の温度が第1コントローラ36に送られ、コントローラ36が温度センサ39によって計測された加熱空気(デシカントローター17の放湿域41に給気される空気)の第1計測温度とメモリに格納された第1設定温度(約120℃〜約130℃)とを比較する。
コントローラ36は、第1計測温度が第1設定温度の範囲内に入るように、ヒーター16やヒートポンプユニット29のコンプレッサー28に対してフィードバック制御やフィードフォワード制御を行う。コントローラ36は、第1計測温度と第1設定温度とを比較した結果、第1計測温度が第1設定温度の範囲内にある場合、そのときの第1熱交換機構12(ヒートポンプユニット29のコンプレッサー28)の運転状態やヒーター16が稼働している場合はヒーター16の運転状態を維持する。
第1コントローラ36は、第1計測温度と第1設定温度とを比較した結果、第1計測温度が第1設定温度を下回る場合(外気空気や除湿空調空間19からの還気空気が低温になり、または、ヒートポンプユニット29やヒーター16の不調になる等の外乱によって第1計測温度が第1設定温度を下回った場合を含む)、ヒーター16が稼働していない場合はヒーター16を稼働させるヒーター稼働手段と、ヒーター16が稼働している場合は稼働中のヒーター16の熱量(出力)を増加させる熱量増加手段と、ヒートポンプユニット29の仕事量を増加させる仕事量増加手段とのうちの少なくとも1つを実施する。
ヒーター稼働手段においてコントローラ36は、ON信号(稼働信号)をヒーター16の制御部に送り、ヒーター16を稼働させる。ヒーター16が稼働することで、第1熱交換機構12によって加熱された加熱空気がヒーター16によってさらに加熱され、加熱空気の第1計測温度が第1設定温度の範囲内に入る。熱量増加手段においてコントローラ36は、熱量増加信号をヒーター16の制御部に送り、ヒーター16の熱量を増加させる。ヒーター16の熱量が増加すると、第1熱交換機構12によって加熱された加熱空気がヒーター16によって一層加熱され、加熱空気の第1計測温度が第1設定温度の範囲内に入る。
仕事量増加手段においてコントローラ36は、回転数増加信号をヒートポンプユニット29の制御部に送り、コンプレッサー28の回転数を増加させてヒートポンプユニット29の仕事量を増加させる。ヒートポンプユニット29の仕事量が増加することで空気が一層加熱され、加熱空気の第1計測温度が第1設定温度の範囲内に入る。
第1コントローラ36は、第1計測温度と第1設定温度とを比較した結果、第1計測温度が第1設定温度を上回る場合(外気空気や除湿空調空間19からの還気空気が高温になり、または、ヒートポンプユニット29やヒーター16の不調になる等の外乱によって第1計測温度が第1設定温度を上回った場合を含む)、ヒーター16が稼働している場合はヒーター16を停止させるヒーター停止手段と、稼働中のヒーター16の熱量(出力)を減少させる熱量減少手段と、ヒートポンプユニット29の仕事量を減少させる仕事量減少手段とのうちの少なくとも1つを実施する。
ヒーター停止手段においてコントローラ36は、OFF信号(停止信号)をヒーター16の制御部に送り、ヒーター16を停止させる。ヒーター16が停止することで、ヒーター16による加熱空気の加熱が停止し、加熱空気の第1計測温度が第1設定温度の範囲内に入る。熱量減少手段においてコントローラ36は、熱量減少信号をヒーター16の制御部に送り、ヒーター16の熱量を減少させる。ヒーター16の熱量が減少すると、ヒーター16による加熱空気の加熱が弱くなり、加熱空気の第1計測温度が第1設定温度の範囲内に入る。
仕事量減少手段においてコントローラ36は、回転数減少信号をヒートポンプユニット29の制御部に送り、コンプレッサー28の回転数を減少させてヒートポンプユニット29の仕事量を減少させる。ヒートポンプユニット29の仕事量が減少することで第1熱交換機構12による空気の加熱が弱くなり、加熱空気の第1計測温度が第1設定温度の範囲内に入る。
デシカントローター17の放湿域41を通流した加熱空気は、除湿機能再生ゾーン21から第4ダクト25に流入し、第4ダクト25から外気に放出される。その際に第2熱交換機構13の熱交換コイル42を流動する冷媒と第4ダクト25に流入した加熱空気との間で熱交換が行われ、加熱空気の排熱(交換熱)(コメント:クレームで交換熱という言葉を使っていますので、交換熱もそのまま記載しておきます)が第2熱交換機構13によって回収される。回収された交換熱は、冷媒によって熱交換機30の熱交換コイル37に運ばれる。
除湿システム10Aでは、給気用送風機26によって空気(外気、または、外気および除湿空調空間19から排気された還気空気)が第1ダクト22に流入する。三方弁46の弁機構が第3熱交換機構14の熱交換コイル43側に開放されているから、図4に矢印L1で示すように、熱交換機30の熱交換コイル37によって熱交換された冷媒(約20℃)が往管44を通って第3熱交換機構14の熱交換コイル43に流入するとともに、還管45を通って循環管38に流入する。
第3熱交換機構14では、熱交換コイル43を流動する冷媒と第1ダクト22に流入した空気(除湿処理ゾーン20のデシカントローター17の除湿域40に給気する空気)との間で熱交換が行われ、空気の温度が低下し、それによって空気に含まれる湿気が除去されて空気の湿度が低下するとともに、空気の交換熱が第3熱交換機構14によって回収される。回収された交換熱は、冷媒によって第2熱交換機構13を経由しつつ熱交換機30の熱交換コイル37に運ばれる。
第2温度センサ49によって計測された空気の温度が第2コントローラ48に送られ、コントローラ48が温度センサ49によって計測された空気の第2計測温度とメモリに格納された第2設定温度(27℃〜29℃、好ましくは、28℃)とを比較する。コントローラ48は、第2計測温度が第2設定温度の範囲内に入るように、第3熱交換機構14に対してフィードバック制御やフィードフォワード制御を行う。コントローラ48は、第2計測温度と第2設定温度とを比較した結果、第2計測温度が第2設定温度の範囲内にある場合、そのときの三方弁46の弁機構の開度を維持し、熱交換コイル43に流入する冷媒の流入量を維持する。
第2コントローラ48は、第2計測温度と第2設定温度とを比較した結果、第2計測温度が第2設定温度を上回る場合(外気や除湿空調空間19の還気空気が高温になる等の外乱によって第2計測温度が第2設定温度を上回った場合を含む)、三方弁46の弁機構の開度を現在のそれよりも大きくする開度信号を送り、三方弁46の弁機構の開度を開度信号によって指定した開度に変更し、熱交換コイル43に流入する冷媒の流入量を多くする流入量調節手段を実施する。
三方弁46の弁機構の開度が大きくなることで、第3熱交換機構14の熱交換コイル43に流入する冷媒の流入量が多くなり、第1ダクト22を流動する空気と熱交換コイル43に流れる冷媒との間の熱交換の割合が増加して空気が一層冷却され、空気の第2計測温度が第2設定温度の範囲内に入る。
除湿システム10Aは、第2温度センサ49が計測した空気の第2計測温度が第2設定温度の範囲を上回ると、第3熱交換機構14における除湿機能が低下してデシカントローター17の除湿域40に給気する空気を十分に冷却(除湿)することができないが、第3熱交換機構14(熱交換コイル43)に流入する冷媒の流入量を多くすることで、第3熱交換機構14における除湿機能を上昇させることができ、デシカントローター17に給気する空気を確実に冷却することができる。
第3熱交換機構14の熱交換コイル43によって温度が冷却(湿気が除去)された空気は、外調機18に流入し、外調機18によって空気の湿気がさらに除去されるとともに空気が所定温度に冷却される。除湿システム10Aは、外調機18を利用することで、第3熱交換機構14における除湿機能や第4熱交換機構15における空気冷却による除湿機能を補うことができる。
外調機18によって湿気が除去されるとともに所定温度に冷却された空気は、外調機18からデシカント空調機11の除湿処理ゾーン20に流入する。除湿処理ゾーン20に流入した空気は、除湿処理ゾーン20に位置するデシカントローター17の除湿域40を通流する。空気が除湿域40を通流することで、空気の湿気が除湿剤によって除去されて除湿空気(低露点空気を含む)が作られる。
除湿空気は、デシカントローター17の下流側に延びる除湿処理ゾーン20に流入する。三方弁53の弁機構が第4熱交換機構15の熱交換コイル50側に開放されているから、図4に矢印L2で示すように、熱交換機30の熱交換コイル37によって熱交換された冷媒(約20℃)が往管51を通って第4熱交換機構15の熱交換コイル50に流入するとともに、還管52を通って循環管38に流入する。
第4熱交換機構15では、熱交換コイル50を流動する冷媒と除湿空気(除湿空調空間19に給気する除湿空気)との間で熱交換が行われ、除湿空気の温度が低下するとともに、除湿空気の交換熱が第4熱交換機構15によって回収される。回収された交換熱は、冷媒によって第3熱交換機構14と第2熱交換機構13とを経由しつつ熱交換機30の熱交換コイル37に運ばれる。温度が低下した除湿空気は、第2ダクト23を通って除湿空調空間19に給気される。
第3温度センサ56によって計測された空気の温度が第3コントローラ55に送られ、コントローラ55が温度センサ56によって計測された空気の第3計測温度とメモリに格納された第3設定温度(約24〜約26℃、好ましくは、約25℃)とを比較する。コントローラ55は、第3計測温度が第3設定温度の範囲内に入るように、第4熱交換機構15に対してフィードバック制御やフィードフォワード制御を行う。コントローラ55は、第3計測温度と第3設定温度とを比較した結果、第3計測温度が第3設定温度の範囲内にある場合、そのときの三方弁53の弁機構の開度を維持し、熱交換コイル50に流入する冷媒の流入量を維持する。
第3コントローラ55は、第3計測温度と第3設定温度とを比較した結果、第3計測温度が第3設定温度を上回る場合(デシカントローター17の除湿域40からの放出熱等の外乱によって第3計測温度が第3設定温度を上回った場合を含む)、三方弁53の弁機構の開度を現在のそれよりも大きくする開度信号を送り、三方弁53の弁機構の開度を開度信号によって指定した開度に変更し、熱交換コイル50に流入する冷媒の流入量を多くする流入量調節手段を実施する。三方弁53の弁機構の開度が大きくなることで、第4熱交換機構15の熱交換コイル50に流入する冷媒の流入量が多くなり、除湿空気と熱交換コイル50に流れる冷媒との間の熱交換の量が増加して空気が一層冷却され、空気の第3計測温度が第3設定温度の範囲内に入る。
除湿システム10Aは、第3温度センサ56が計測した空気の第3計測温度が第3設定温度の範囲を上回る場合、第4熱交換機構15を利用して除湿空気を第3設定温度まで冷却することができないが、その場合に第4熱交換機構15(熱交換コイル50)に流入する冷媒の流入量を多くすることで、第4熱交換機構15によって除湿空気を確実に冷却することができ、第4熱交換機構15によって温度が低下した第3設定温度(目標温度)の除湿空気を除湿空調空間19に給気することができる。
除湿システム10Aは、除湿機能再生ゾーン21のデシカントローター17の放湿域41を通流した排気空気の排熱(交換熱)を第2熱交換機構13が冷媒を利用して回収し、除湿処理ゾーン20のデシカントローター17の除湿域40に給気する空気の交換熱を第3熱交換機構14が冷媒を利用して回収するとともに、除湿処理ゾーン20のデシカントローター17の除湿域40を通流した除湿空気の交換熱を第4熱交換機構15が冷媒を利用して回収し、第2〜第4熱交換機構13〜15によって回収された交換熱が冷媒を利用して熱交換機30内の熱交換コイル37に供給され、ヒートポンプユニット29を利用した第1熱交換機構12と熱交換コイル37との間で熱交換が行われることで、加熱空気の交換熱が第1熱交換機構12(凝縮器31)における空気の加熱に利用されるから、デシカントローター17(除湿剤)の除湿機能を再生させた後の排気空気やデシカントローター17の除湿域40に給気する空気、デシカントローター17の除湿域40を通流した除湿空気が有する交換熱を無駄にすることはなく、それら空気の交換熱を再利用することができ、それら空気の交換熱を利用しない場合と比較し、デシカントローター17(除湿剤)の放湿域41に給気する空気を第1熱交換機構12において十分に加熱することができる。
除湿システム10Aは、それら空気の交換熱を受け取った冷媒を利用してその交換熱を熱交換器30の熱交換コイル37から第1熱交換機構12に伝えることができ、交換熱を第1熱交換機構12のヒートポンプユニット29において有効に利用することができるから、外気の温度と湿度とが低い冬期であって第3熱交換機構14や第4熱交換機構15における冷却(除湿)の必要性が低い条件下であっても、第2熱交換機構13において冷媒を加熱でき、ヒートポンプユニット29における冷凍サイクルの熱収支バランスを良好にしてヒートポンプユニット29の運転効率(COP)を向上させることができるとともに、ヒートポンプユニット29を安定して運転することができる。除湿システム10Aは、それら空気の交換熱を第1熱交換機構12における空気の加熱に利用することで、外気の温度が低い冬期であってもデシカントローター17の放湿域41に給気する空気を十分に加熱することができ、その加熱空気を利用してデシカントローター17(除湿剤)の除湿機能を確実に再生することができる。
除湿システム10Aは、第1〜第4熱交換機構12〜15の間において交換熱および冷熱の循環回路が形成され、冷媒を利用して交換熱および冷熱をその回路に循環させることで、交換熱や冷熱の有効利用を図ることができ、システム10Aの省エネルギー化とヒートポンプユニット29の安定運転とを実現することができる。除湿システム10Aは、熱交換コイル37において熱交換に利用される冷媒として水やブラインが使用されており、安全性かつ安定した汎用性を備えた水冷媒やブラインを利用することで、第3熱交換機構15や第4熱交換機構15において水冷媒やブラインの流入を停止させた場合、または、第3熱交換機構15や第4熱交換機構15において水冷媒やブラインの流入量を減少させた場合、その水冷媒やブラインを他の冷熱配管系に導入し、その水冷媒やブラインを他の冷熱配管系において容易に利用することができ、冷媒を介して排熱(交換熱)の有効利用を図ることができる。
除湿システム10Aは、第1熱交換機構12と熱交換した後の熱交換コイル37から供給される冷熱を利用し、除湿処理ゾーン20に位置するデシカントローター17の除湿域40に給気する空気と第3熱交換機構14との間で熱交換を行うことで、デシカントローター17の除湿域40に給気する空気を冷却することができ、その結果として空気を除湿することができるから、第3熱交換機構14によって14の冷却機能によって温度が低下しかつ湿気が除去された空気をデシカントローター17に給気することができ、デシカントローター17(除湿剤)において除湿空気を容易に作ることができる。
除湿システム10Aは、第1熱交換機構12と熱交換した後の熱交換コイル37から供給される冷熱を利用し、除湿処理ゾーン20に位置するデシカントローター17の除湿域40を通流した除湿空気と第4熱交換機構15との間で熱交換を行うことで、除湿空気を冷却することができるから、第4熱交換機構15によって温度が低下した第3設定温度(目標温度)の除湿空気を除湿空調空間19に給気することができ、その除湿空気によって除湿空調空間19の乾燥状態を維持することができるとともに、除湿空調空間19を目標温度に冷房することができる。
図5は、除湿システム10Aの運転状態の他の一例を示す図である。図5では、除湿空調空間19の図示を省略している。第2コントローラ48は、第2温度センサ49が計測した空気の第2計測温度とメモリに格納された第2設定温度とを比較した結果、第2計測温度が第2設定温度を下回る場合、または、第2計測温度を第2設定温度の範囲内に維持し得る場合、流入停止手段と流入量減少手段とのいずれか一方を実施する。流入停止手段では、三方弁46の弁機構を閉鎖させる閉鎖信号を三方弁46の制御部に送り、三方弁46の弁機構を閉鎖させ、第3熱交換機構14への冷媒の流入を停止させる。流入量減少手段では、三方弁46の弁機構の開度を小さくする開度減少信号を三方弁46の制御部に送り、三方弁46の弁機構の開度を小さくし、第3熱交換機構14への冷媒の流入量を直近のそれよりも減少させる。
三方弁46の弁機構が閉鎖すると、熱交換コイル37によって熱交換された冷媒の往管44への流入が停止し、熱交換コイル43への冷媒の流入が停止する。冷媒は、第3熱交換機構14に流入することなく、図5に矢印L3で示すように、循環管38を通って第2熱交換機構13に流入する。また、三方弁46の弁機構の開度が小さくなると、熱交換コイル37によって熱交換された冷媒の往管44への流入量が減少する。第2計測温度が第2設定温度を下回り、または、第2計測温度を第2設定温度の範囲内に維持し得る限り、三方弁46の弁機構の閉鎖状態または三方弁46の弁機構の開度を小さくした変更後の開度が維持される。
三方弁46の弁機構の閉鎖中に、第2計測温度が第2設定温度を上回った場合、第2コントローラ48は、三方弁46の弁機構を熱交換コイル43側に開放させる開放信号を三方弁46の制御部に送り、三方弁46の弁機構を全開または所定開度に開放させ、第3熱交換機構14への冷媒の流入を開始させる流入開始手段を実施する。三方弁46の弁機構が熱交換コイル43側に開放されると、冷媒が往管44を通って熱交換コイル43へ流入し、第3熱交換機構14と空気との間で熱交換が再開され、第3熱交換機構14によって空気の温度が低下し(空気の湿気が除去され)、第2計測温度が第2設定温度の範囲内に入る。三方弁46の弁機構の開度を小さくした状態で第2計測温度が第2設定温度を上回った場合、第2コントローラ48は、三方弁46の弁機構の開度を大きくする開度増加信号を三方弁46の制御部に送り、三方弁46の弁機構の開度を大きくさせ、第3熱交換機構14への冷媒の流入量を増加させる流入量増加手段を実施する。三方弁46の弁機構の開度が大きくなると、冷媒の熱交換コイル43への流入量が増加し、第3熱交換機構14と空気との間における熱交換の量が多くなり、第2計測温度が第2設定温度の範囲内に入る。
第3コントローラ55は、第3温度センサ56が計測した除湿空気の第3計測温度とメモリに格納された第3設定温度とを比較した結果、第3計測温度が第3設定温度を下回る場合、または、第3計測温度を第3設定温度の範囲内に維持し得る場合、流入停止手段と流入量減少手段とのいずれか一方を実施する。流入停止手段では、三方弁53の弁機構を閉鎖させる閉鎖信号を三方弁53の制御部に送り、三方弁53の弁機構を閉鎖させ、第4熱交換機構15への冷媒の流入を停止させる。流入量減少手段では、三方弁53の弁機構の開度を小さくする開度減少信号を三方弁53の制御部に送り、三方弁53の弁機構の開度を小さくし、第4熱交換機構15への冷媒の流入量を直近のそれよりも減少させる。
三方弁53の弁機構が閉鎖すると、熱交換コイル37によって熱交換された冷媒の往管51への流入が停止し、熱交換コイル50への冷媒の流入が停止する。冷媒は、第4熱交換機構15に流入することなく、図5に矢印L4で示すように、循環管38を通って第2熱交換機構13に流入する。また、三方弁53の弁機構の開度が小さくなると、熱交換コイル37によって熱交換された冷媒の往管51への流入量が減少する。第3計測温度が第3設定温度を下回り、または、第3計測温度を第3設定温度の範囲内に維持し得る限り、三方弁53の弁機構の閉鎖状態または三方弁53の弁機構の開度を小さくした変更後の開度が維持される。
三方弁53の弁機構の閉鎖中に、第3計測温度が第3設定温度を上回った場合、第3コントローラ55は、三方弁53の弁機構を熱交換コイル50側に開放させる開放信号を三方弁53の制御部に送り、三方弁53の弁機構を全開または所定開度に開放させ、第4熱交換機構15への冷媒の流入を開始させる流入開始手段を実施する。三方弁53の弁機構が熱交換コイル50側に開放されると、冷媒が往管51を通って熱交換コイル50へ流入し、第4熱交換機構15と除湿空気との間で熱交換が再開され、第4熱交換機構15によって除湿空気の温度が低下し、第3計測温度が第3設定温度の範囲内に入る。三方弁53の弁機構の開度を小さくした状態で第3計測温度が第3設定温度を上回った場合、第3コントローラ55は、三方弁53の弁機構の開度を大きくする開度増加信号を三方弁53の制御部に送り、三方弁53の弁機構の開度を大きくさせ、第4熱交換機構15への冷媒の流入量を増加させる流入量増加手段を実施する。三方弁53の弁機構の開度が大きくなると、冷媒の熱交換コイル50への流入量が増加し、第4熱交換機構15と除湿空気との間における熱交換の量が多くなり、第3計測温度が第3設定温度の範囲内に入る。
除湿システム10Aは、外気空気が低温かつ乾燥する冬期において第2温度センサ49が計測した空気の第2計測温度が第2設定温度の範囲を下回る場合、または、第2計測温度を第2設定温度の範囲内に維持し得る場合、第3熱交換機構14を利用して空気の温度を低下させる(除湿する)必要がなく、その場合、第3熱交換機構14への冷媒の流入を停止させ、または、第3熱交換機構14に流入する冷媒の流入量を減少させ、冷媒(水またはブライン)を他の冷熱配管系に導入することで、冷媒の冷熱を他の冷熱配管系に利用することができ、システム10Aの省エネルギー化とヒートポンプユニット29の安定運転とを実現することができる。除湿システム10Aは、三方弁46の弁機構の閉鎖中または弁機構の開度を小さくした状態において、第3計測温度が第3設定温度を上回った場合、三方弁46の弁機構を熱交換コイル43側に再び開放し、または、弁機構の開度を大きくするから、第3熱交換機構14と空気との間の熱交換が再開され、または、第3熱交換機構14と空気との間の熱交換の量が多くなり、第3熱交換機構14によって第2設定温度(目標温度)に冷却された空気(湿気が除去された空気)を再びデシカントローター17に給気することができる。
除湿システム10Aは、第3温度センサ56が計測した空気の第3計測温度が第3設定温度の範囲を下回る場合、または、第3計測温度を第3設定温度の範囲内に維持し得る場合、第4熱交換機構15を利用して除湿空気を冷却する必要がなく、その場合、第4熱交換機構15への冷媒の流入を停止させ、または、第4熱交換機構15に流入する冷媒の流入量を減少させ、冷媒(水またはブライン)を他の冷熱配管系に導入することで、冷媒の冷熱を他の冷熱配管系に利用することができ、システム10Aの省エネルギー化とヒートポンプユニット29の安定運転とを実現することができる。除湿システム10Aは、三方弁53の弁機構の閉鎖中または弁機構の開度を小さくした状態において、第4計測温度が第4設定温度を上回った場合、三方弁53の弁機構を熱交換コイル50側に再び開放し、または、弁機構の開度を大きくするから、第4熱交換機構15と除湿空気との間の熱交換が再開され、または、第4熱交換機構15と除湿空気との間の熱交換の量が多くなり、第4熱交換機構15によって第3設定温度(目標温度)に冷却された除湿空気を除湿空調空間19に給気することができる。
図6は、他の一例として示す除湿システム10Bの構成図である。図6の除湿システム10Bが図1のそれと異なるところは熱回収型ヒートポンプ58を備えている点にあり、システム10Bのその他の構成は図1のシステム10Aのそれらと同一であるから、システム10Aと同一の符号を付すとともに、システム10Aの説明を援用することで、システム10Bのその他の構成の詳細な説明は省略する。
除湿システム10Bは、デシカント空調機11と第1〜第4熱交換機構12〜15とヒーター16とデシカントローター17(除湿機構)と外調機18と熱回収型ヒートポンプ58とを備えている。除湿システム10Bは、図1のそれと同様に、湿度が低い除湿空気(低露点空気を含む)を作り、その除湿空気を除湿空調空間19(図2,3援用)に給気する。
デシカント空調機11や第1〜第4熱交換機構12〜15、ヒーター16、デシカントローター17(除湿機構)、外調機18は、図1のシステム10Aのそれらと同一である。ヒートポンプユニット29は第1コントローラ36に接続され、三方弁46は第2コントローラ48に接続されているとともに、三方弁53は第3コントローラ55に接続されている。
熱回収型ヒートポンプ58は、熱交換器30に設置された熱交換コイル37に接続されている。熱回収型ヒートポンプ58には、冷媒(水またはブライン)が環流する循環管38が連結されている。熱交換器30に設置された熱交換コイル37には、往管59と還管60とが連結されている。還管60には、循環ポンプ61が設置されている。往管59と還管60とは、熱回収型ヒートポンプ58の内部に設置された熱交換コイル62に連結されている。熱交換コイル37と熱交換コイル62との間では、往管59と還管60とを介して冷媒(水またはブライン)が環流する。
除湿システム10Bでは、ヒートポンプユニット29の蒸発器32と熱交換コイル37との間で熱交換が行われ、往管59を流れる所定温度(約20℃)の冷媒が所定温度(約25℃)になって還管60を通って熱交換コイル62に流入する。さらに、熱交換コイル62と熱回収型ヒートポンプ58との間で熱交換が行われ、所定温度(約7℃)の冷媒が循環管38に流入する。
図7は、除湿システム10Bの運転状態の一例を示す図である。図7では、除湿空調空間19の図示を省略している。図7の運転状態では、三方弁46の弁機構が全開または所定開度に開放され、三方弁53の弁機構が全開または所定開度に開放されている。第1熱交換機構12では、ヒートポンプユニット29のコンプレッサー28によって冷媒(CO2)が往管33および還管34を環流し、凝縮器31によって除湿機能再生ゾーン21に流入した空気が加熱され、所定温度の加熱空気が作られる。
除湿システム10Bでは、ヒートポンプユニット29の蒸発器32と熱交換コイル37との間で熱交換が行われ、往管59から熱交換コイル37に流入した冷媒(約25℃の水またはブライン)が所定温度(約20℃)に冷却されてその冷媒が還管60に流入し、還管60を通って熱交換コイル62に送られる。さらに、熱交換コイル62と熱回収型ヒートポンプ58との間で熱交換が行われ、循環管38から熱回収型ヒートポンプ58に流入した冷媒(約12℃の水またはブライン)が所定温度(約7℃)に冷却されてその冷媒が再び循環管38に流出し、循環管38を通って第2〜第4熱交換機構13〜15に送られる。
第1熱交換機構12(ヒートポンプユニット29の凝縮器31)によって加熱された加熱空気は、除湿機能再生ゾーン21を通ってデシカントローター17の放湿域41を通流する。デシカントローター17の放湿域41に存在する除湿剤が加熱空気によって加熱され、除湿剤に吸着された湿気が放出されることで、デシカントローター17(除湿剤)の除湿機能が再生(乾燥による吸着性能の回復)する。
第1コントローラ36は、温度センサ39によって計測された加熱空気の第1計測温度と第1設定温度(約120℃〜約130℃)とを比較した結果、第1計測温度が第1設定温度の範囲内にある場合、ヒートポンプユニット29のコンプレッサー28の運転状態を維持するとともに、ヒーター16が稼働している場合はヒーター16の運転状態を維持する。
第1コントローラ36は、第1計測温度が第1設定温度を下回る場合(外気空気や除湿空調空間19からの還気空気が低温になり、または、ヒートポンプユニット29やヒーター16、熱回収型ヒートポンプ58の不調になる等の外乱によって第1計測温度が第1設定温度を下回った場合を含む)、図1のシステム10Aと同様に、ヒーター稼働手段、熱量増加手段、仕事量増加手段とのうちの少なくとも1つを実施する。コントローラ36は、第1計測温度が第1設定温度を上回る場合(外気空気や除湿空調空間19からの還気空気が高温になり、または、ヒートポンプユニット29やヒーター16、熱回収型ヒートポンプ58の不調になる等の外乱によって第1計測温度が第1設定温度を上回った場合を含む)、図1のシステム10Aと同様に、ヒーター停止手段、熱量減少手段、仕事量減少手段のうちの少なくとも1つを実施する。
デシカントローター17の放湿域41を通流した排気空気が除湿機能再生ゾーン21から第4ダクト25に流入し、第2熱交換機構13の熱交換コイル42を流動する冷媒と加熱空気との間で熱交換が行われ、加熱空気の交換熱が第2熱交換機構13によって回収される。回収された交換熱は、冷媒によって熱回収型ヒートポンプ58に運ばれる。
第3熱交換機構14では、熱交換コイル43を流動する冷媒と第1ダクト22に流入した空気との間で熱交換が行われ、空気が冷却されて空気の温度が低下し、その結果、空気に含まれる湿気が除去されて空気の湿度が低下する。第3熱交換機構14では、空気の交換熱が回収される。回収された交換熱は、冷媒によって第2熱交換機構13を経由しつつ熱回収型ヒートポンプ58に運ばれる。
第2コントローラ48は、第2計測温度と第2設定温度(27℃〜29℃、好ましくは、28℃)とを比較した結果、第2計測温度が第2設定温度の範囲内にある場合、熱交換コイル43に流入する冷媒の流入量を維持する。コントローラ48は、第2計測温度と第2設定温度とを比較した結果、第2計測温度が第2設定温度を上回る場合(外気や除湿空調空間19の還気空気が高温になる等の外乱によって第2計測温度が第2設定温度を上回った場合を含む)、図1のシステム10Aと同様に、第3熱交換機構14(熱交換コイル43)に流入する冷媒の流入量を多くする流入量調節手段を実施する。除湿システム10Bは、第2計測温度が第2設定温度の範囲を上回る場合、熱交換コイル43に流入する冷媒の流入量を多くするから、第3熱交換機構14における除湿機能を上昇させることができ、デシカントローター17に給気する空気を確実に冷却(除湿)することができる。
外調機18によって湿気が除去されるとともに所定温度に冷却された空気は、外調機18からデシカント空調機11の除湿処理ゾーン20に流入し、除湿処理ゾーン20に位置するデシカントローター17の除湿域40を通流する。空気が除湿域40を通流することで、空気の湿気が除湿剤によって除去されて除湿空気(低露点空気を含む)が作られる。
第4熱交換機構15では、熱交換コイル50を流動する冷媒と除湿空気との間で熱交換が行われ、除湿空気の温度が低下する。第4熱交換機構15では、除湿空気の交換熱が回収される。回収された交換熱は、冷媒によって第3熱交換機構14と第2熱交換機構13とを経由しつつ熱回収型ヒートポンプ58に運ばれる。温度が低下した除湿空気は、第2ダクト23を通って除湿空調空間19に給気される。
第3コントローラ55は、第3計測温度と第3設定温度(約24〜約26℃、好ましくは、約25℃)とを比較した結果、第3計測温度が第3設定温度の範囲内にある場合、熱交換コイル50に流入する冷媒の流入量を維持する。コントローラ55は、第3計測温度が第3設定温度を上回る場合(デシカントローター17の除湿域40からの放出熱等の外乱によって第3計測温度が第3設定温度を上回った場合を含む)、図1のシステム10Aと同様に、熱交換コイル50に流入する冷媒の流入量を多くする流入量調節手段を実施する。除湿システム10Bは、第3温度センサ56が計測した空気の第3計測温度が第3設定温度の範囲を上回る場合、熱交換コイル50に流入する冷媒の流入量を多くするから、第4熱交換機構15によって除湿空気を確実に冷却することができ、温度が低下した第3設定温度(目標温度)の除湿空気を除湿空調空間19に給気することができる。
除湿システム10Bは、除湿機能再生ゾーン21のデシカントローター17の放湿域41を通流した排気空気の排熱(交換熱)を第2熱交換機構13が冷媒を利用して回収し、除湿処理ゾーン20のデシカントローター17の除湿域40に給気する空気の交換熱を第3熱交換機構14が冷媒を利用して回収するとともに、除湿処理ゾーン20のデシカントローター17の除湿域40を通流した除湿空気の交換熱を第4熱交換機構15が冷媒を利用して回収し、第2〜第4熱交換機構13〜15によって回収された交換熱が冷媒を利用して熱回収型ヒートポンプ58に供給され、熱交換コイル62(熱交換コイル37)と熱回収型ヒートポンプ58との間で熱交換が行われるとともに、ヒートポンプユニット29を利用した第1熱交換機構12と熱交換コイル37との間で熱交換が行われることで、加熱空気の交換熱が第1熱交換機構12(凝縮器31)における空気の加熱に利用されるから、デシカントローター17(除湿剤)の除湿機能を再生させた後の排気空気やデシカントローター17の除湿域40に給気する空気、デシカントローター17の除湿域40を通流した除湿空気が有する交換熱を無駄にすることはなく、それら空気の交換熱を再利用することができ、それら空気の交換熱を利用しない場合と比較し、デシカントローター17(除湿剤)の放湿域41に給気する空気を第1熱交換機構12において十分に加熱することができる。
除湿システム10Bは、それら空気の交換熱を受け取った冷媒を利用してその交換熱を熱回収型ヒートポンプ58から熱交換コイル62に伝えることができるとともに、交換熱を熱交換器30の熱交換コイル37から第1熱交換機構12に伝えることができ、交換熱を第1熱交換機構12のヒートポンプユニット29において有効に利用することができるから、外気の温度と湿度とが低い冬期であって第3熱交換機構14や第4熱交換機構15における冷却(除湿)の必要性が低い条件下であっても、第2熱交換機構13において冷媒を加熱でき、ヒートポンプユニット29における冷凍サイクルの熱収支バランスを良好にしてヒートポンプユニット29の運転効率(COP)を向上させることができるとともに、ヒートポンプユニット29を安定して運転することができる。除湿システム10Bは、それら空気の交換熱を第1熱交換機構12における空気の加熱に利用することで、外気の温度が低い冬期であってもデシカントローター17の放湿域41に給気する空気を十分に加熱することができ、その加熱空気を利用してデシカントローター17(除湿剤)の除湿機能を確実に再生することができる。
除湿システム10Bは、第1〜第4熱交換機構12〜15と熱回収型ヒートポンプ58との間において交換熱および冷熱の循環回路が形成され、冷媒を利用して交換熱および冷熱をその回路に循環させることで、交換熱や冷熱の有効利用を図ることができ、システム10Bの省エネルギー化とヒートポンプユニット29の安定運転とを実現することができる。除湿システム10Bは、熱回収型ヒートポンプ58において熱交換に利用される冷媒として水やブラインが使用されており、安全性かつ安定した汎用性備えた水冷媒やブラインを利用することで、第3熱交換機構15や第4熱交換機構15において冷媒の流入を停止させた場合、または、第3熱交換機構15や第4熱交換機構15において水冷媒やブラインの流入量を減少させた場合、その水冷媒やブラインを他の冷熱配管系に導入し、その水冷媒やブラインを他の冷熱配管系において容易に利用することができ、冷媒を介して排熱(交換熱)の有効利用を図ることができる。
除湿システム10Bは、第1熱交換機構12と熱交換するとともに熱交換コイル62と熱交換した後の熱回収型ヒートポンプ58から供給される冷熱(約7℃)を利用し、除湿処理ゾーン20に位置するデシカントローター17の除湿域40に給気する空気と第3熱交換機構14との間で熱交換を行うことで、デシカントローター17の除湿域40に給気する空気を冷却することができ、その結果として空気を除湿することができるから、第3熱交換機構14の冷却機能によって温度が低下しかつ湿気が除去された空気をデシカントローター17に給気することができ、デシカントローター17(除湿剤)において除湿空気を容易に作ることができる。
除湿システム10Bは、第1熱交換機構12と熱交換するとともに熱交換コイル62と熱交換した後の熱回収型ヒートポンプ58から供給される冷熱(約7℃)を利用し、除湿処理ゾーン20に位置するデシカントローター17の除湿域40を通流した除湿空気と第4熱交換機構15との間で熱交換を行うことで、除湿空気を冷却することができるから、第4熱交換機構15によって温度が低下した除湿空気を除湿空調空間19に給気することができ、その除湿空気によって除湿空調空間19の乾燥状態を維持することができるとともに、除湿空調空間19を目標温度に冷房することができる。
図8は、除湿システム10Bの運転状態の他の一例を示す図である。図8では、除湿空調空間19の図示を省略している。第2コントローラ48は、第2計測温度と第2設定温度とを比較した結果、第2計測温度が第2設定温度を下回る場合、または、第2計測温度を第2設定温度の範囲内に維持し得る場合、図1のシステム10Aと同様に、第3熱交換機構14への冷媒の流入を停止させる流入停止手段と第3熱交換機構14への冷媒の流入量を減少させる流入量減少手段とのいずれか一方を実施する。流入停止手段を実施すると、冷媒が第3熱交換機構14に流入することなく、図8に矢印L3で示すように、冷媒が循環管38を通って第2熱交換機構13に流入する。流入量減少手段を実施すると、第3熱交換機構14への冷媒の流入量が直近のそれよりも減少する。コントローラ48は、三方弁46の弁機構の閉鎖中または三方弁46の弁機構の開度を小さくした状態において、第2計測温度が第2設定温度を上回った場合、図1のシステム10Aと同様に、第3熱交換機構14への冷媒の流入を開始させる流入開始手段と第3熱交換機構14への冷媒の流入量を増加させる流入量増加手段とのいずれか一方を実施する。流入開始手段を実施すると、冷媒が往管44を通って熱交換コイル43へ流入し、第3熱交換機構14と空気との間で熱交換が再開される。流入量増加手段を実施すると、冷媒の熱交換コイル43への流入量が増加し、第3熱交換機構14と空気との間における熱交換の量が多くなる。
第3コントローラ55は、第3計測温度と第3設定温度とを比較した結果、第3計測温度が第3設定温度を下回る場合、または、第3計測温度を第3設定温度の範囲内に維持し得る場合、図1のシステム10Aと同様に、第4熱交換機構15への冷媒の流入を停止させる流入停止手段と第4熱交換機構15への冷媒の流入量を減少させる流入量減少手段とのいずれか一方を実施する。流入停止手段を実施すると、冷媒が第4熱交換機構15に流入することなく、図8に矢印L4で示すように、冷媒が循環管38を通って第2熱交換機構13に流入する。流入量減少手段を実施すると、第4熱交換機構15への冷媒の流入量が直近のそれよりも減少する。コントローラ48は、三方弁53の弁機構の閉鎖中または三方弁53の弁機構の開度を小さくした状態において、第3計測温度が第3設定温度を上回った場合、図1のシステム10Aと同様に、第4熱交換機構15への冷媒の流入を開始させる流入開始手段と第4熱交換機構15への冷媒の流入量を増加させる流入量増加手段とのいずれか一方を実施する。流入開始手段を実施すると、冷媒が往管51を通って熱交換コイル50へ流入し、第4熱交換機構15と除湿空気との間で熱交換が再開される。流入量増加手段を実施すると、冷媒の熱交換コイル50への流入量が増加し、第4熱交換機構15と除湿空気との間における熱交換の量が多くなる。
除湿システム10Bは、外気空気が低温かつ乾燥する冬期において第2計測温度が第2設定温度の範囲を下回る場合、または、第2計測温度を第2設定温度の範囲内に維持し得る場合、第3熱交換機構14を利用して空気の温度を低下させる(除湿する)必要がないから、第3熱交換機構14への冷媒の流入を停止させ、または、第3熱交換機構14に流入する冷媒の流入量を減少させ、冷媒(水またはブライン)を他の冷熱配管系に導入することで、冷媒の冷熱を他の冷熱配管系に利用することができ、システム10Bの省エネルギー化とヒートポンプユニット29の安定運転とを実現することができる。除湿システム10Bは、三方弁46の弁機構の閉鎖中または弁機構の開度を小さくした状態において、第3計測温度が第3設定温度を上回った場合、三方弁46の弁機構を熱交換コイル43側に再び開放し、または、弁機構の開度を大きくするから、第3熱交換機構14と空気との間の熱交換が再開され、または、第3熱交換機構14と空気との間の熱交換の量が多くなり、第3熱交換機構14によって第2設定温度(目標温度)に冷却された空気(湿気が除去された空気)を再びデシカントローター17に給気することができる。
除湿システム10Bは、第3計測温度が第3設定温度の範囲を下回る場合、または、第3計測温度を第3設定温度の範囲内に維持し得る場合、第4熱交換機構15を利用して除湿空気を冷却する必要がないから、第4熱交換機構15への冷媒の流入を停止させ、または、第4熱交換機構15に流入する冷媒の流入量を減少させ、冷媒(水またはブライン)を他の冷熱配管系に導入することで、冷媒の冷熱を他の冷熱配管系に利用することができ、システム10Bの省エネルギー化とヒートポンプユニット29の安定運転とを実現することができる。除湿システム10Bは、三方弁53の弁機構の閉鎖中または弁機構の開度を小さくした状態において、第4計測温度が第4設定温度を上回った場合、三方弁53の弁機構を熱交換コイル50側に再び開放し、または、弁機構の開度を大きくするから、第4熱交換機構15と除湿空気との間の熱交換が再開され、または、第4熱交換機構15と除湿空気との間の熱交換の量が多くなり、第4熱交換機構15によって第3設定温度(目標温度)に冷却された除湿空気を除湿空調空間19に給気することができる。
10A 除湿システム
10B 除湿システム(熱回収型ヒートポンプを備えた構成)
11 デシカント空調機
12 第1熱交換機構
13 第2熱交換機構
14 第3熱交換機構
15 第4熱交換機構
16 ヒーター
17 デシカントローター(除湿機構)
18 外調機
19 除湿空調空間
20 除湿処理ゾーン
21 除湿機能再生ゾーン
22 第1ダクト
23 第2ダクト
24 第3ダクト
25 第4ダクト
26 給気送風機
27 排気送風機
28 コンプレッサー(圧縮機)
29 ヒートポンプユニット(ヒートポンプ)
30 熱交換器
31 凝縮器
32 蒸発器
36 第1コントローラ
37 熱交換コイル
38 循環管
39 第1温度センサ
40 除湿域
41 放湿域
42 熱交換コイル(第2熱交換機構)
43 熱交換コイル(第3熱交換機構)
46 三方弁(第3熱交換機構制御用)
48 第2コントローラ
49 第2温度センサ
50 熱交換コイル(第4熱交換機構)
53 三方弁(第4熱交換機構制御用)
55 第3コントローラ
56 第3温度センサ
58 熱回収型ヒートポンプ
62 熱交換コイル(熱回収型ヒートポンプ)

Claims (11)

  1. 除湿空気を作る除湿処理ゾーンと、除湿機能を再生する除湿機能再生ゾーンと、除湿剤を有して前記除湿処理ゾーンおよび前記除湿機能再生ゾーンに配置された除湿機構と、前記除湿機構の上流側における前記除湿機能再生ゾーンに配置され、ヒートポンプを利用して該除湿機構に給気する空気を加熱する第1熱交換機構とを備え、前記第1熱交換機構によって所定温度に加熱された加熱空気を前記除湿機能再生ゾーンに位置する前記除湿機構に給気して前記除湿剤の除湿機能を再生しつつ、前記除湿処理ゾーンに位置する前記除湿機構を利用して作られた除湿空気を除湿空調空間に給気する除湿システムにおいて、
    前記除湿システムが、前記除湿機能再生ゾーンに位置する除湿機構の下流側に配置された第2熱交換機構を含み、前記第2熱交換機構が、前記第1熱交換機構と熱交換を行う熱交換器から供給された冷媒を利用して前記除湿機能再生ゾーンの除湿機構を通流した加熱空気の交換熱を回収し、
    前記除湿システムでは、前記第2熱交換機構によって回収された交換熱を前記冷媒を利用して該第2熱交換機構から前記熱交換器に供給し、その交換熱を前記第1熱交換機構における空気の加熱に利用することを特徴とする除湿システム。
  2. 前記除湿システムが、前記除湿処理ゾーンに位置する除湿機構の上流側に配置され、該除湿処理ゾーンの除湿機構に給気する空気の温度を低下させる第3熱交換機構を含み、前記除湿システムでは、前記熱交換器で作られた冷熱を前記冷媒を利用して該熱交換器から前記第3熱交換機構に供給し、その冷熱を前記第3熱交換機構における空気の冷却に利用するとともに、前記第3熱交換機構によって空気から回収された交換熱を前記冷媒を利用して該第3熱交換機構から前記熱交換器に供給し、その交換熱を前記第1熱交換機構における空気の加熱に利用する請求項1に記載の除湿システム。
  3. 前記除湿システムが、前記除湿処理ゾーンに位置する除湿機構の下流側に配置され、該除湿処理ゾーンの除湿機構によって作られた除湿空気の温度を低下させる第4熱交換機構を含み、前記除湿システムでは、前記熱交換器で作られた冷熱を前記冷媒を利用して該熱交換器から前記第4熱交換機構に供給し、その冷熱を前記第4熱交換機構における除湿空気の冷却に利用するとともに、前記第4熱交換機構によって除湿空気から回収された交換熱を前記冷媒を利用して該第4熱交換機構から前記熱交換器に供給し、その交換熱を前記第1熱交換機構における空気の加熱に利用する請求項1または請求項2に記載の除湿システム。
  4. 除湿空気を作る除湿処理ゾーンと、除湿機能を再生する除湿機能再生ゾーンと、除湿剤を有して前記除湿処理ゾーンおよび前記除湿機能再生ゾーンに配置された除湿機構と、前記除湿機構の上流側における前記除湿機能再生ゾーンに配置され、ヒートポンプを利用して該除湿機構に給気する空気を加熱する第1熱交換機構とを備え、前記第1熱交換機構によって所定温度に加熱された加熱空気を前記除湿機能再生ゾーンに位置する前記除湿機構に給気して前記除湿剤の除湿機能を再生しつつ、前記除湿処理ゾーンに位置する前記除湿機構を利用して作られた除湿空気を除湿空調空間に給気する除湿システムにおいて、
    前記除湿システムが、前記除湿機能再生ゾーンに位置する除湿機構の下流側に配置された第2熱交換機構と、前記第1熱交換機構と熱交換を行う熱交換器に対して熱交換を行う熱回収型ヒートポンプとを含み、前記第2熱交換機構が、前記熱回収型ヒートポンプから供給された冷媒を利用して前記除湿機能再生ゾーンの除湿機構を通流した加熱空気の交換熱を回収し、
    前記除湿システムでは、前記第2熱交換機構によって回収された交換熱を前記冷媒を利用して該第2熱交換機構から前記熱回収型ヒートポンプに供給し、その交換熱を前記第1熱交換機構における空気の加熱に利用することを特徴とする除湿システム。
  5. 前記除湿システムが、前記除湿処理ゾーンに位置する除湿機構の上流側に配置され、該除湿処理ゾーンの除湿機構に給気する空気の温度を低下させる第3熱交換機構を含み、前記除湿システムでは、前記熱回収型ヒートポンプで作られた冷熱を前記冷媒を利用して該熱回収型ヒートポンプから前記第3熱交換機構に供給し、その冷熱を前記第3熱交換機構における空気の冷却に利用するとともに、前記第3熱交換機構によって空気から回収された交換熱を前記冷媒を利用して該第3熱交換機構から前記熱回収型ヒートポンプに供給し、その交換熱を前記第1熱交換機構における空気の加熱に利用する請求項4に記載の除湿システム。
  6. 前記除湿システムが、前記除湿処理ゾーンに位置する除湿機構の下流側に配置され、該除湿処理ゾーンの除湿機構によって作られた除湿空気の温度を低下させる第4熱交換機構を含み、前記除湿システムでは、前記熱回収型ヒートポンプで作られた冷熱を前記冷媒を利用して該熱回収型ヒートポンプから前記第4熱交換機構に供給し、その冷熱を前記第4熱交換機構における除湿空気の冷却に利用するとともに、前記第4熱交換機構によって除湿空気から回収された交換熱を前記冷媒を利用して該第4熱交換機構から前記熱回収型ヒートポンプに供給し、その交換熱を前記第1熱交換機構における空気の加熱に利用する請求項4または請求項5に記載の除湿システム。
  7. 前記除湿システムが、前記第1熱交換機構と前記除湿機構との間の除湿機能再生ゾーンに配置され、前記第1熱交換機構によって所定温度に加熱された加熱空気を加熱するヒーターと、前記第1熱交換機構と前記ヒーターとの間の除湿機能再生ゾーンに設置され、該除湿機能再生ゾーンの除湿機構に給気する加熱空気の温度を計測する第1温度センサとを含み、前記除湿システムでは、前記第1温度センサが計測した加熱空気の第1計測温度が第1設定温度の範囲を下回る場合、前記ヒーターを稼働させるヒーター稼働手段と、稼働中の前記ヒーターの熱量を増加させる熱量増加手段と、前記ヒートポンプの仕事量を増加させる仕事量増加手段とのうちの少なくとも1つを実施し、前記第1温度センサが計測した加熱空気の第1計測温度が第1設定温度の範囲を上回る場合、稼働中の前記ヒーターを停止させるヒーター停止手段と、稼働中の前記ヒーターの熱量を減少させる熱量減少手段と、前記ヒートポンプの仕事量を減少させる仕事量減少手段とのうちの少なくとも1つを実施する請求項1ないし請求項6いずれかに記載の除湿システム。
  8. 前記除湿システムが、前記除湿処理ゾーンに位置する除湿機構と前記第3熱交換機構との間に設置され、該除湿処理ゾーンの除湿機構に給気する空気の温度を計測する第2温度センサを含み、前記除湿システムでは、前記第2温度センサが計測した空気の第2計測温度が第2設定温度の範囲内に入るように前記第3熱交換機構に流入する冷媒の流入量を調節する流入量調節手段を実施し、前記第2温度センサが計測した空気の第2計測温度が第2設定温度を下回る場合、または、前記第2温度センサが計測した空気の第2計測温度を第2設定温度の範囲内に維持し得る場合、前記第3熱交換機構に流入する冷媒の流入量を減少させる流入量減少手段と該第3熱交換機構への冷媒の流入を停止させる流入停止手段とのいずれか一方を実施する請求項7に記載の除湿システム。
  9. 前記除湿システムが、前記第4熱交換機構の下流側に設置され、該第4熱交換機構によって温度が低下した除湿空気の温度を計測する第3温度センサを含み、前記除湿システムでは、前記第3温度センサが計測した除湿空気の第3計測温度が第3設定温度の範囲内に入るように前記第4熱交換機構に流入する冷媒の流入量を調節する流入量調節手段を実施し、前記第3温度センサが計測した空気の第3計測温度が第3設定温度を下回る場合、または、前記第3温度センサが計測した空気の第3計測温度を第3設定温度の範囲内に維持し得る場合、前記第4熱交換機構に流入する冷媒の流入量を減少させる流入量減少手段と該第4熱交換機構への冷媒の流入を停止させる流入停止手段とのいずれか一方を実施する請求項7または請求項8に記載の除湿システム。
  10. 前記除湿システムが、前記除湿処理ゾーンに位置する除湿機構と前記第3熱交換機構との間に設置された外調機を含み、前記外調機が、前記除湿処理ゾーンの除湿機構に給気する空気を除湿するとともに、その空気の温度を調節する請求項7ないし請求項9いずれかに記載の除湿システム。
  11. 前記冷媒が、水またはブラインである請求項1ないし請求項10いずれかに記載の除湿システム。
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