JP2010275999A - 内燃機関の排気構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関2の2つのバンク2L,2Rに個別に接続される2つの排気通路12L,12Rが排ガス流れ方向下流側で合流されるとともに、この合流部14の下流側に触媒15が設置され、一方排気通路12Lにおいて合流部14までの長さが、他方排気通路12Rにおいて合流部14までの長さより長く設定された排気構造において、触媒15の耐久性を確保可能としたうえで、触媒15の暖機に要する時間を短縮可能とする。
【解決手段】一方排気通路12Lにおいて排ガス流れ方向上流側で排ガスの熱を回収し、この熱を一方排気通路12Lにおいて合流部14寄りの領域を流れる排ガスに伝達するための排熱回収装置20を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の2つのバンクに個別に接続される2つの排気通路が排ガス流れ方向の下流側で合流されるとともに、この合流部の下流側に触媒が設置され、前記一方排気通路において前記合流部までの長さが、前記他方排気通路において前記合流部までの長さより長く設定された排気構造に関する。なお、前記2つのバンクを有する内燃機関とは、例えばV型、水平対向型と呼ばれる内燃機関が挙げられる。
従来から、自動車等の車両に搭載される内燃機関の排ガスの熱を、ヒートパイプでもって回収し、触媒の活性化を促進させるためや、内燃機関の暖機運転を促進させるため等に利用することが知られている(特許文献1,2参照。)。
特許文献1に係る従来例は、ヒートパイプの一端を、内燃機関の排気通路において触媒装置より下流側に取り付けて加熱部(受熱部に相当)とするとともに、ヒートパイプの他端を、排気通路において触媒装置より上流側に取り付けて冷却部(放熱部に相当)とし、触媒装置よりも上流側の排ガスを加熱昇温させることで、触媒装置を間接的に昇温させるような構成になっている。
この従来例に示すヒートパイプは、その内部空間に純水等の作動流体を密封し、一端側を加熱して作動流体を蒸発させることで他端側に送り、他端側で蒸気からなる作動流体の熱を放出させることで凝縮させて一端側へ戻すような構成になっている。そして、排気通路において触媒装置よりも下流側で排ガスの熱を回収して触媒装置よりも上流側に輸送するようにしている。
特許文献2に係る従来例は、内燃機関の排気通路の排気熱を回収して作動流体を蒸発させる蒸発部(受熱部に相当)と、この蒸発させた作動流体を凝縮させる凝縮部(放熱部に相当)とを隣り合わせに配置した状態で一体化し、それらを閉ループに接続した構成の排熱回収装置である。
この従来例では、蒸発部と凝縮部とを隣り合わせに一体化したタイプのループ式ヒートパイプが用いられており、前記凝縮部に内燃機関の冷却水流路の一部を近接配置させることにより、排気熱で内燃機関の冷却水を加熱するようにしている。
ところで、V型エンジンや水平対向エンジンでは、例えば特許文献3〜5に示されているように、2つのバンクに個別に接続されるエキゾーストマニホールドに個別に接続される2つのフロント排気管が、1つに合流されてから1つのセンター排気管に接続されるように構成されていることが多い。
また、車両フレームに対するエンジンの搭載の向きや、排気管全体のレイアウトが制約される関係より、一方バンク用のエキゾーストマニホールドに接続されるフロント排気管の長さが他方バンク用のエキゾーストマニホールドに接続されるフロント排気管の長さよりも長くなっている場合がある。
実開昭63−22321号公報 特開2008−14304号公報 実公平4−52417号公報 実開平6−73318号公報 特開2004−308641号公報
前記したような排気管レイアウトにおいて、内燃機関の冷間始動時のエミッション低減を図るために触媒の活性化に要する暖機時間を短くするには、触媒を2つのフロント排気管においてエキゾーストマニホールドに可及的に近い位置に個別に設置することにより、触媒に可及的に高温の排ガスを流入させることが好ましい。
しかしながら、その場合、内燃機関の温間運転時においても、触媒に比較的高温の排ガスが流入することになるために、この触媒が熱劣化しやすくなって、触媒の耐久性が低下することが懸念される。そのことを考慮し、従来では、センター排気管に触媒を設置する傾向になっている。
ところで、前記のようにセンター排気管に触媒を設置する形態において、特に前記したように、一方バンク用のフロント排気管の長さが他方バンク用のフロント排気管の長さよりも長い場合に、次のような不具合が懸念される。
つまり、内燃機関の冷間始動時に、内燃機関から排出された排ガスがエキゾーストマニホールドを経て長さが長い側のフロント排気管に流入すると、このフロント排気管の下流側で排ガスの温度が低下しやすくなる関係より、両方のフロント排気管から送られる排ガスが合流することに伴い、センター排気管に設置される触媒に流入する排ガスの温度が必要十分に高くなるまでに時間がかかる等、触媒の暖機が長引くことが懸念される。このために、エンジンの冷間始動時のエミッションが増加しやすくなる。
このように、触媒の耐久性を向上させることと、触媒の暖機時間を短縮させることとを両立することは困難であった。
なお、特許文献3に係る従来例では、その明細書の考案の効果欄に記載されているように、長さの短い側のフロント排気管(後側排気管17b)を、センター排気管(排気管19)において集合部(18)から触媒コンバータ(20)までの領域の内側に、入れるようにすることで、2重管構造とし、この長さの短いフロント排気管(17b)内を通過する高温の排ガスを触媒コンバータ(20)に流入させることによって触媒コンバータ(20)を早期に暖機させるようにしている。
しかしながら、この特許文献3に係る従来例の場合には、排気管の構造が複雑になることが懸念される。
また、特許文献4に係る従来例では、その要約書に記載されているように、触媒コンバータ(4)を、仕切板(43)にて仕切って互いに平行な第1、第2通路(41,42)を作り、その内部に触媒(5,5’)を収容した構造に一体に構成し、第1通路(41)を左バンクの排気集合管2(長さの短い側のフロント排気管)に、第2通路(42)を右バンクの排気集合管2’(長さの長い側のフロント排気管)に設けることにより、触媒コンバータ4を活性温度に達する時間を短縮させるようにしている。
しかしながら、この特許文献4に係る従来例の場合には、触媒コンバータ(4)や排気管の構造が複雑になるうえ、この複雑な触媒コンバータ(4)を左右バンクの各排気集合管(2,2’)に取り付ける作業が面倒になることが懸念される。
さらに、特許文献5に係る従来例には、その明細書の段落0031に記載されているように、センター排気管17及び第2フロント排気管11(長さの長い側のフロント排気管)上に、メインヒートプロテクタ19及びサブヒートプロテクタ21等の保温材を組み込むことにより、大気温度による排ガスの冷却を防止し、高温の排ガスをメイン触媒コンバータ15に供給するようにして触媒の排ガスの浄化効率を高めるようにしている。
しかしながら、この特許文献5に係る従来例は、長さの長い側の第2フロント排気管11を流れる排ガスが冷却されないように保温するという技術思想であるが、第2フロント排気管11の全体を保温材で覆うようになっていないために、排ガス流れ方向の下流側で排ガスの温度が低下することは避けられない。
このような事情に鑑み、本発明は、内燃機関の2つのバンクに個別に接続される2つの排気通路が排ガス流れ方向の下流側で合流されるとともに、この合流部の下流側に触媒が設置され、一方排気通路において合流部までの長さが、他方排気通路において合流部までの長さより長く設定された排気構造において、触媒の耐久性を確保可能としたうえで、触媒の暖機に要する時間を可及的に短縮可能とすることを目的としている。
本発明は、内燃機関の2つのバンクに個別に接続される2つの排気通路が排ガス流れ方向下流側で合流されるとともに、この合流部の下流側に触媒が設置され、前記一方排気通路において前記合流部までの長さが、前記他方排気通路において前記合流部までの長さより長く設定された排気構造であって、前記長さの長い一方排気通路において前記排ガス流れ方向上流側で排ガスの熱を回収し、この熱を前記一方排気通路において前記合流部寄りの領域で排ガスに伝達するための排熱回収装置を有する、ことを特徴としている。
この構成では、2つの排気通路の合流部よりも下流側に触媒を設置しているので、2つの排気通路の上流側に触媒を個別に設置する場合に比べると、触媒の耐久性を高くするうえで有利となる。
このような排気構造の場合、長さの短い他方排気通路だと排ガスが合流部に到達するまでに排ガスの温度が低下しにくいが、長さの長い一方排気通路では排ガスが合流部に到達するまでに排ガスの温度が低下しやすくなると言える。
そこで、本発明では、排熱回収装置を用いることにより、長さの長い一方排気通路における排ガス流れ方向上流側の高温の排ガスの熱を回収して、前記一方排気通路における排ガス流れ方向下流側の排ガスに伝達するようにしている。
これにより、長さの長い一方排気通路から合流部に比較的高温の排ガスを流入させることが可能になるので、長さの短い他方排気通路から合流部に流入される排ガスの温度が低下せずに済むようになる。言い換えると、2つの排気通路から共に比較的高温の排ガスを触媒に流入させることが可能になるから、この触媒を比較的速やかに昇温させることが可能になる。
これらのことから、触媒の高い耐久性を確保することが可能になって、しかも、触媒の暖機に要する時間を短縮することが可能になる。
この他、前記のように、排熱回収装置を用いることにより、長さの長い一方排気通路における排ガス流れ方向上流側の高温の排ガスの熱を回収して、前記一方排気通路における排ガス流れ方向下流側の排ガスに伝達するようにしている場合、一方排気通路の排ガス流れ方向上流側での熱回収に伴い排ガスの温度が下がって体積流量が下がるために、排気圧損が小さくなる。
好ましくは、前記排熱回収装置は、内部に封入される流体を前記一方排気通路において前記排ガス流れ方向上流側の排ガスの熱で蒸発させるための受熱部と、前記受熱部で蒸発された流体を受け入れて当該流体の熱を前記一方排気通路において前記合流部寄りの領域で排ガスに伝達させるための放熱部とを含むループ式ヒートパイプ構造とされる。
この構成では、排熱回収装置の加熱対象を1箇所のみとする場合において、この排熱回収装置の構成を特定している。この特定によれば、排熱回収装置を具現化するための構成が明確になる。
好ましくは、前記排熱回収装置は、前記受熱部から前記放熱部へ流体を移送するための移送路と、前記放熱部から前記受熱部へ流体を戻すための還流路とをさらに含み、前記移送路または還流路のいずれか一方には、弁装置が設けられる。
この構成では、排熱回収装置の移送路および還流路を明確にし、そのいずれか一方に弁装置を設置するようにしている。この場合、弁装置を閉じると、受熱部と放熱部との間で流体を移動させることができなくなり、それによって長さの長い一方排気通路における排ガス流れ方向下流側の排ガスを昇温させることができなくなる。つまり、前記下流側の領域を流れる排ガスを無駄に加熱せずに済むようになる。
例えば排熱回収装置でもって、長さの長い一方排気通路における排ガス流れ方向上流側の高温の排ガスの熱を回収して、前記一方排気通路における排ガス流れ方向下流側の排ガスに伝達することにより、触媒の暖機を早期に完了させた後、弁装置を閉じることによって前記排熱回収装置の熱循環を停止させれば、前記下流側の領域を流れる排ガスを無駄に加熱せずに済むようになり、触媒の過剰加熱を防止することが可能になる。
好ましくは、前記弁装置は、予め設定される条件に従い自動的に作動する駆動源を有する自己作動式とされる。
なお、前記駆動源は、周知のサーモスタットやダイアフラムスプリング等を用いる構成とされる。また、この駆動源は、例えば触媒の温度計測値が、当該触媒の活性化温度に基づいて設定される適宜の判定基準値未満であると感知した場合に開き、また、前記判定基準値以上であると感知した場合に閉じるようになっている。
このような自己作動式の弁装置は、駆動源としてアクチュエータを用いる弁装置に比べて安価であり、設備コストの上昇を抑制するうえで有利となる。
好ましくは、前記移送路および還流路の少なくとも一方は、車両において前記内燃機関の出力を駆動輪に伝達するためのパワートレーンの上方に配置される。
この構成では、車両の走行風が移送路および還流路に当たりにくくなり、特に移送路における熱の損失が軽減または防止されるようになる。これにより、移送路から放熱部への熱輸送効率が向上する。
好ましくは、前記排熱回収装置は、内部に封入される流体を前記一方排気通路において前記排ガス流れ方向上流側の排ガスの熱で蒸発させるための受熱部と、前記受熱部で蒸発された流体を受け入れて当該流体の熱を前記一方排気通路において前記合流部寄りの領域で排ガスに伝達させるための第1放熱部と、前記受熱部で蒸発された流体を受け入れて当該流体の熱を前記内燃機関または前記内燃機関に連結される変速機に伝達するための第2放熱部とを含むループ式ヒートパイプ構造とされる。
この構成では、排熱回収装置の加熱対象を2箇所とする場合において、この排熱回収装置の構成を特定している。この特定によれば、排熱回収装置を具現化するための構成が明確になる。
好ましくは、排熱回収装置は、前記受熱部から前記第1放熱部へ流体を移送するための移送路と、前記第1放熱部から前記受熱部へ流体を戻すための還流路とをさらに含み、前記移送路および還流路の各途中には、それぞれ分岐して前記第2放熱部に接続される支流部が設けられ、前記移送路において前記第1放熱部の上流側には第1弁装置が、また、前記移送路の支流部には第2弁装置が設けられる。
この構成では、排熱回収装置の加熱対象を2箇所とする場合において、この2箇所の加熱対象に対する熱輸送を選択可能とするための構成を特定している。この特定によれば、排熱回収装置を具現化するための構成が明確になる。
好ましくは、前記触媒の温度が活性化温度に基づき設定される第1判定基準値未満である場合に、前記第2弁装置が閉じて前記第1弁装置が開く状態になり、また、前記触媒の温度が前記第1判定基準値以上で、かつ前記内燃機関または変速機の温度が暖機完了温度に基づき設定される第2判定基準値未満である場合に、前記第2弁装置が開いて前記第1弁装置が閉じる状態になる。
この構成では、触媒に対する熱輸送を行わせる場合と、一方排気通路での熱輸送を行わせる場合とにおいて、2つの弁装置の状態を特定している。
好ましくは、前記内燃機関または変速機の温度が前記第2判定基準値以上である場合に、前記両弁装置が閉じる状態になる。
この構成では、排熱回収装置による熱循環を停止する場合における2つの弁装置の状態を特定している。
好ましくは、前記両弁装置は、共に、弁体の駆動源としてアクチュエータを用いる構成とされ、予め設定される条件に従い前記アクチュエータを制御するための制御装置をさらに備える。
この構成では、制御装置によりアクチュエータを作動させるための条件を比較的簡単に任意に設定することが可能になり、汎用性を高めるうえで有利となる。
好ましくは、前記両排気通路は、両バンクに個別に取り付けられる2つのエキゾーストマニホールドと、この両エキゾーストマニホールドに個別に接続されかつ下流側で合流される長短2つのフロント排気管とを少なくとも含んだ構成とされ、前記長さの長い側のフロント排気管が、前記排熱回収装置による熱回収と熱伝達の対象とされる。
本発明によれば、内燃機関の2つのバンクに個別に接続される2つの排気通路が排ガス流れ方向下流側で合流されるとともに、この合流部の下流側に触媒が設置され、一方バンク用の一方排気通路において合流部までの長さが、他方バンク用の他方排気通路において合流部までの長さより長く設定された排気構造において、触媒の耐久性を確保することが可能になり、しかも、触媒の暖機に要する時間を短縮することが可能になる。したがって、長期にわたって内燃機関の冷間始動時におけるエミッション低減を図るうえで有利となる。
本発明に係る内燃機関の排気構造の一実施形態を示す概略構成図である。 図1の排熱回収装置の具体構成を示す断面図である。 本発明に係る内燃機関の排気構造の一実施形態を示す概略構成図である。 図1の排熱回収装置の具体構成を示す断面図である。 図3の実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1および図2に本発明の一実施形態を示している。この実施形態では、車両に搭載されるV型の内燃機関に適用される排気構造を例に挙げている。図1を参照して、車両のフレーム1に対するV型の内燃機関2の搭載形態やV型の内燃機関2の排気構造について説明する。
図1に示すパワートレーンは、FR(フロントエンジンリアドライブ)ベースの四輪駆動車両用とされている。図中、3は自動変速機、4はトランスファ、5はリアプロペラシャフト、6はフロントプロペラシャフト、7は燃料タンクである。
この内燃機関2は、吸気系から供給される空気と燃料供給系から供給される燃料とを適宜の空燃比で混合してなる混合気を内燃機関2の燃焼室に供給して燃焼させた後、燃焼室内の排ガスを排気系に排出するようになっている。
排気系は、主として、エキゾーストマニホールド11L,11Rと、2つのフロント排気管12L,12Rと、1つのセンター排気管13と、図示していないリア排気管とを含む構成になっている。
2つのエキゾーストマニホールド11L,11Rは、内燃機関2の左右バンク2L,2Rに個別に取り付けられている。2つのフロント排気管12L,12Rは、2つのエキゾーストマニホールド11L,11Rに個別に接続されており、排ガス流れ方向の下流側で合流されている。この2つのフロント排気管12L,12Rの合流部14に、1つのセンター排気管13が接続されている。
センター排気管13には、2つの触媒15,16が直列に設置されており、この2つの触媒15,16により排ガスが浄化される。
これらの触媒15,16のうち、排気通路において排ガス流れ方向の上流側に設置される触媒15は、いわゆるスタートキャタリスタ(S/C)と呼ばれるもので、上流側触媒と言うことにし、一方、排気通路において排ガスの流れ方向の下流側に設置される触媒16は、いわゆるメインキャタリスト(M/C)またはアンダーフロアキャタリスタ(U/F)と呼ばれるもので、下流側触媒と言うことにする。
これらの触媒15,16は、共に、例えば三元触媒と呼ばれるものとすることができる。この三元触媒は、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)を一括して化学反応により無害な成分に変化させる、浄化作用を発揮するものである。
そして、車両フレーム1に対する内燃機関2の搭載の向きや、排気管全体のレイアウトが制約される関係より、左側バンク2L用のフロント排気管12Lにおいて合流部14までの長さが、右側バンク2R用のフロント排気管12Rにおいて合流部14までの長さより長く設定されている。
そして、この実施形態では、図1に示すように、車体フレーム1に内燃機関2が縦置きに搭載されている。この縦置きとは、内燃機関2の前端、後端を車体フレーム1の前後に対応させることで各バンク2L,2Rを車体フレーム1の左右方向に並べた状態で配置する形態のことである。
また、車体フレーム1の前後方向中間領域で左右方向の左側半分領域のみに、燃料タンク7が設置されている関係から、センター排気管13やそれより後ろの部分については、車体フレーム1における左右方向の右側半分領域に片寄せて配置されるようになっている。
このように、センター排気管13を車体フレーム1における左右方向の右側半分領域に片寄せて配置している関係から、右側フロント排気管12Rについては、直線形状に形成し、また、左側フロント排気管12Lについては、エキゾーストマニホールド11Lとの接続部寄りの位置で略90度屈曲させて、車体フレーム1における左右方向に沿わせるように延ばして、右側フロント排気管12Rにおいて上流側触媒15寄りの位置で合流させるようにしている。この結果、左側フロント排気管12Lが、右側フロント排気管12Rよりも長くなっているのである。
なお、左側フロント排気管12Lにおいて、車体フレーム1の前後方向に沿う領域12Laが短くなっており、車体フレーム1の左右方向に沿う領域12Lbが長くなっている。この左側フロント排気管12Lにおいて車体フレーム1の左右方向に沿う領域12Lbは、自動変速機3の下側に配置されている。このような配置にしていると、車両走行中に、この左側フロント排気管12Lにおいて左右方向に沿う領域12Lbに走行風が当たりやすくなって、前記領域12Lbを流れる排ガスを冷やしやすくするためである。
このような内燃機関2の排気系には、下記するような形態で排熱回収装置20が付設されている。
この排熱回収装置20は、長さの長い左側フロント排気管12Lにおいて排ガス流れ方向上流側の領域(12La)、例えば左側エキゾーストマニホールド11L寄りの領域で排ガスの熱を回収し、この熱を左側フロント排気管12Lにおいて合流部14寄りの領域(12Lb)の排ガスに伝達するものである。
具体的に、排熱回収装置20は、主として、受熱部21、放熱部22、移送路23、還流路24を含んだループ式ヒートパイプ構造になっている。
なお、ループ式ヒートパイプ構造の排熱回収装置20とは、受熱部21と放熱部22との間で流体を相転移させながら循環させることによって、排気熱の回収と放熱とを繰り返すようなもののことである。
図示例の排熱回収装置20は、受熱部21と放熱部22とを離隔して配置したセパレートタイプとされている。
この排熱回収装置20の内部は、真空状態とされていて、そこに適量の流体が封入されている。流体は、例えば純水等とされる。水の沸点は、1気圧で100℃であるが、排気熱回収装置1内を減圧(例えば0.01気圧)しているため、沸点は、例えば5〜10℃となる。なお、流体は、純水の他に、例えばアルコール、フロロカーボン、フロン等とすることが可能である。また、排熱回収装置20の主要構成要素は、例えば高耐食性を備えるステンレス材で形成されている。
受熱部21は、長さの長い左側フロント排気管12Lにおいて車体フレーム1の前後方向に沿う領域12Laの左側エキゾーストマニホールド11L寄りの領域に付設されており、内部に密封される液相状の流体が排ガスの熱を受けて蒸発することにより気化熱として熱を回収するように構成されている。
具体的に、受熱部21は、左側フロント排気管12Lに対してその排ガス流れ方向と直交する方向に設置されるものであって、例えば図2に示すように、上部タンク21aと下部タンク21bとを複数の流体通路21c・・・で連通させて、隣り合う各流体通路21cの対向間の排気通路21dに、多数のフィン21e・・・を設けた構成になっている。このフィン21eは、熱交換面積を拡大するように、コルゲートタイプとされている。このコルゲートタイプのフィン21eとは、例えば薄肉の帯板材をローラ加工によって円周方向に波形に成形したものである。
なお、上部タンク21aは、主に蒸発された気相状の流体が集められるので、高温側タンクとなる。下部タンク21bは、主に凝縮された液相状の流体が集められるので、低温側タンクとなる。
放熱部22は、長さの長い左側フロント排気管12Lにおいて車体フレーム1の左右方向に沿う領域12Lbの合流部14寄りの領域に付設されており、受熱部21で蒸気とされた流体を受け取って、この流体の熱を左側フロント排気管12Lにおいて合流部14寄りの領域を流れる排ガスに伝達するものである。この放熱部22内で流体が熱伝達に伴い凝縮されて受熱部21に戻される。この放熱部22は、左側フロント排気管12Lを囲むように設けられる円環状の中空ボックスとされている。
移送路23は、受熱部21の上部タンク21aと放熱部22の内部空間とを接続するための配管で、受熱部21で蒸発された気相状の流体を放熱部22へ移送するものである。
還流路24は、放熱部22の内部空間と受熱部21の下部タンク21bとを接続するための配管で、放熱部22で凝縮された液相状の流体を受熱部21へ戻すものである。この還流路24は、放熱部22で凝縮された液相状の流体を受熱部21へ戻しやすくするために適宜の下り勾配がつけられている。
そして、移送路23の途中には、弁装置25が設置されている。この弁装置25は、予め設定される条件に従い自動的に開度を制御する自己作動タイプとされている。この自己作動タイプの弁装置25は、例えば周知のサーモスタットを駆動源とする感熱タイプとすることができる。但し、弁装置25は、ダイアフラムスプリングを駆動源とする感圧タイプとすることも可能である。
この自己作動タイプの弁装置25の動作を説明する。まず、弁装置25は、上流側触媒15が活性化温度未満である場合に開く。これにより、受熱部21内で蒸発された作動流体を放熱部22へ移送できるようになるので、排熱回収装置20による熱循環が可能になる。一方、弁装置25は、上流側触媒15が活性化温度以上である場合に閉じる。これにより、受熱部21内で蒸発された作動流体を放熱部22へ移送できなくなるので、排熱回収装置20による熱循環が停止される。
次に、内燃機関2の冷間始動時の基本的な動作について説明する。内燃機関2を冷間始動する場合、上流側触媒15および下流側触媒16、内燃機関2の冷却水のすべてが低温になっている。そこで、内燃機関2の始動すると、この内燃機関2から排出される例えば300〜400℃の排ガスが左右2つのエキゾーストマニホールド11L,11Rおよびフロント排気管12L,12Rを経てセンター排気管13に集合されることになり、この排ガスが2つの触媒15,16に流入することによって、当該触媒15,16が内部から加熱されることになる。その一方で内燃機関2の暖機運転も進展されることになる。
この内燃機関2の暖機運転中における排熱回収装置20の動作について説明する。内燃機関2の冷間始動時には上流側触媒15が活性化温度になっていないので、弁装置25が開いた状態になっている。
そもそも、右側フロント排気管12Rは長さが短いので、この右側フロント排気管12Rから合流部14に到達する排ガスの温度は比較的高温に保たれる。その一方で、左側フロント排気管12Lは長さが長いので、排ガスの熱が移動の過程で放出されたり排気管そのものに奪われたりして、合流部14に到達する排ガスの温度が低下しやすい。そのために、この左側フロント排気管12Lから合流部14に送られる排ガスの温度は比較的低くなる。
ここで、左側のフロント排気管12Lにおいて排ガス流れ方向上流側を流れる排ガスの熱が、受熱部21内の液相状の流体を加熱するので、この流体が蒸発されることになる。この蒸発された気相状の流体は、移送路23を経て放熱部22に移送される。この放熱部22に送り込まれた気相状の流体の熱は、左側のフロント排気管12Lの排ガス流れ方向下流側を流れる排ガスに伝達される。これにより、加熱された排ガスが合流部14およびセンター排気管13を経て上流側触媒15に流入することになる。
この放熱部22内に導入された高温の気相状の流体と左側のフロント排気管12Lにおいて排ガス流れ方向下流側を流れる排ガスとの間の熱交換に伴い、放熱部22内の気相状の流体が凝縮されて液相状となる。この液相状の流体は、還流路24から受熱部21に戻される。以降、受熱部21と放熱部22との間を流体が相転移しながら循環されることによって、左側のフロント排気管12Lにおいて排ガス流れ方向下流側を流れる排ガスが加熱される。
このように、排熱回収装置20によって長さの長い左側フロント排気管12Lにおいて前後方向に沿う領域12La、つまり排ガス流れ方向上流側を流れる比較的高温の排ガスの熱を回収して左右方向に沿う領域12Lbの下流側を流れる排ガスに伝達させるようにしているので、この左側フロント排気管12Lから合流部14に比較的高温の排ガスを流入させることが可能になるのである。
そのため、合流部14からセンター排気管13を経て上流側触媒15に流入する排ガスの温度は比較的高温に保たれるようになるので、排熱回収装置20を用いていない場合に比べると、上流側触媒15が速やかに昇温するようになって、活性化温度に立ち上げるまでの時間を短縮することが可能になる。
そして、上述したようにして上流側触媒15の暖機が完了した場合、つまり上流側触媒15が活性化温度(予め設定した弁装置25の閉弁温度)になると、弁装置25の駆動源がそれを感知して弁体を自動的に閉じる状態とする。
これにより、受熱部21で蒸発された流体が放熱部22に流入できない状態になるので、放熱部22内の液相状の流体が受熱部21にすべて戻されると、その後は、受熱部21で蒸発された流体が放熱部22に流入できなくなる。そのため、排熱回収装置20による熱循環が停止されるので、上流側触媒15が必要以上に昇温することが防止される。
以上説明したように、本発明を適用した実施形態では、まず、2つのフロント排気管12L,12Rの合流部14に接続される1つのセンター排気管13に上流側触媒15を設置する形態を採用しているから、前記両フロント排気管12L,12Rに個別に触媒を設置する場合に比べて、上流側触媒15の高い耐久性を確保することが可能になる。
このような前提構成において、左側フロント排気管12Lの長さが、右側フロント排気管12Rの長さより長く設定されていることに伴い、長さの長い左側フロント排気管12Lから合流部14に流入する排ガスの温度が低下しやすくなるという事情を考慮し、ループ式ヒートパイプ構造の排熱回収装置20を用いることによって、長さの長い左側フロント排気管12Lから合流部14に流入する排ガスの温度を可及的に高くするようにしている。
これにより、長さの短い右側フロント排気管12Rから合流部14に流入する排ガスの温度が低下せずに済むようになる。言い換えると、左右2つのフロント排気管12L,12Rから共に比較的高温の排ガスを上流側触媒15に流入させることが可能になるから、この上流側触媒15を比較的速やかに昇温させることが可能になる。
これらのことから、上流側触媒15の高い耐久性を確保することが可能になって、しかも、上流側触媒15の暖機に要する時間を短縮することが可能になる。したがって、長期にわたって内燃機関2の冷間始動時におけるエミッション低減を図るうえで有利となる。
この他、前記のように、排熱回収装置20を用いることにより、長さの長い左側フロント排気管12Lにおいて排ガス流れ方向上流側を流れる高温の排ガスの熱を回収して、左側フロント排気管12Lにおいて排ガス流れ方向下流側を流れる排ガスに伝達するようにしている場合、左側フロント排気管12Lにおいて排ガス流れ方向上流側での熱回収に伴い排ガスの温度が下がって体積流量が下がるために、排気圧損が小さくなるという効果が得られる。
次に、図3から図5を参照して、本発明の他の実施形態を説明する。この実施形態では、排熱回収装置20による加熱対象を、上述した左側フロント排気管12Lと自動変速機3との2つにしていることが上記実施形態と相違している。
この実施形態での排熱回収装置20は、図3に示すように、主として、受熱部21と、第1放熱部22Aと、第2放熱部22Bと、移送路23と、還流路24とを含んだ構成になっている。
受熱部21と、第1放熱部22Aと、移送路23と、還流路24とは、図4に示すように、図1と同じ構成とされて、図1と同じ位置に設置されている。
第2放熱部22Bは、受熱部21で蒸発された流体を受け入れて当該流体の熱を自動変速機3に伝達するもので、図3および図4に示すように、受熱部21と第1放熱部22Aとの中間の位置で自動変速機3の上部に付設されている。
移送路23および還流路24の各途中には、それぞれ分岐した支流部23a,24aが設けられており、この支流部23a,24aが第2放熱部22Bに接続されている。これによって、第2放熱部22Bが受熱部21に対し第1放熱部22Aと並列に接続されるようになっている。
そして、移送路23において第1放熱部22Aの上流側には第1弁装置26が、また、移送路23の支流部23aには第2弁装置27が、それぞれ設けられている。
第1、第2弁装置26,27は、共に、詳細に図示していないが、弁体の駆動源としてアクチュエータを用いるアクチュエータ駆動式とされており、前記アクチュエータを予め設定される条件に従い制御装置30で制御することにより弁体を開閉するように構成されている。
制御装置30は、主としてCPU、ROM、RAM、不揮発性メモリ等を有する一般的に公知のECU(Electronic Control Unit)である。この制御装置30は、少なくとも、例えば図5のフローチャートに示す処理を実行する。但し、この制御装置30は、例えば内燃機関2に備えるEFI_ECU等のような既存のECU等に置き換えることも可能である。
次に、図5のフローチャートを参照して、内燃機関2の動作に応じた制御装置30の処理について説明する。図5のフローチャートは、内燃機関2の冷間始動に伴いエントリーされる。
内燃機関2を冷間始動する場合、上流側触媒15および下流側触媒16、内燃機関2の冷却水のすべてが低温になっている。そこで、内燃機関2の始動すると、この内燃機関2から排出される例えば300〜400℃の排ガスが左右2つのエキゾーストマニホールド11L,11Rおよびフロント排気管12L,12Rを経てセンター排気管13に集合されることになり、この排ガスが2つの触媒15,16に流入することによって、当該触媒15,16が内部から加熱されることになる。その一方で内燃機関2の暖機運転も進展されることになる。
そして、ステップS1において、上流側触媒15の暖機が完了しているか否かを判定する。ここでは、上流側触媒15の温度が第1判定基準値以上であるか否かを判定する。なお、前記第1判定基準値は、上流側触媒15の活性化温度(例えば400℃)に基づいて適宜のマージンを見込んだ値に設定される。この上流側触媒15の温度計測は、上流側触媒15において排ガス流れ方向下流側に取り付けられる温度センサ31で行うようになっている。
ここで、上流側触媒15の暖機が完了していない場合、つまり上流側触媒15の温度が前記第1判定基準値未満である場合には、前記ステップS1で否定判定して、ステップS2において、第1弁装置26を開いて第2弁装置27を閉じる状態にすることにより、排熱回収装置20を利用して左側のエキゾーストマニホールド11L内における下流側の排ガスを昇温させる状態にする。
これにより、左側のエキゾーストマニホールド11Lから左側のフロント排気管12Lを流入した比較的高温の排ガスの熱が排熱回収装置20の受熱部21で回収され、この熱が第1放熱部22Aのみに輸送されて左側のフロント排気管12Lにおける左右領域12Lbの下流側を流れる排ガスに伝達されることになる。
詳しくは、左側のエキゾーストマニホールド11Lから左側のフロント排気管12Lを流入した比較的高温の排ガスの熱は、受熱部21内の液相状の流体を加熱するので、この流体が蒸発されることになり、この気相状になった流体が移送路23を経て第1放熱部22Aのみに導入され、この第1放熱部22A内の気相状流体の熱が左側のフロント排気管12Lにおける左右領域12Lbの下流側を流れる排ガスに伝達されることになる。そのため、左右のフロント排気管12L,12Rから共に高温の排ガスが合流部14およびセンター排気管13を経て上流側触媒15に流入することになるので、この上流側触媒15が速やかに昇温するようになる。なお、第1放熱部22A内で凝縮された液相状流体は、還流路24に排出されて受熱部21に戻されるようになる。
一方、例えば上流側触媒15の暖機が完了した場合、つまり上流側触媒15の温度が前記第1判定基準値以上になった場合には、前記ステップS1で肯定判定して、ステップS3において、第1弁装置26を閉じて第2弁装置27を開く状態にすることにより、排熱回収装置20を利用して自動変速機3を暖機させる状態にする。
これにより、左側のフロント排気管12Lにおける前後領域12Laの上流側を流れる比較的高温の排ガスの熱が排熱回収装置20の受熱部21で回収され、この熱が第2放熱部22Bのみに輸送されて自動変速機3に伝達されることになる。
詳しくは、左側のエキゾーストマニホールド11Lから左側のフロント排気管12Lを流入した直後の排ガスは比較的高温であり、その排ガスの熱によって受熱部21内の液相状の流体を加熱するので、この流体が蒸発されることになり、この気相状になった流体が移送路23および支流部23aを経て第2放熱部22Bのみに導入され、この第2放熱部22B内の気相状流体の熱が自動変速機3のケース(図示省略)に伝達されることになる。そのため、自動変速機3内のオイルが速やかに昇温するようになる。なお、第2放熱部22B内で凝縮された液相状流体は、支流部24aから還流路24に排出されて受熱部21に戻されるようになる。
このステップS3の後は、続くステップS4において、自動変速機3の暖機が完了しているか否かを判定する。ここでは、自動変速機3のオイル温度が第2判定基準値以上であるか否かを判定する。なお、前記第2判定基準値は、自動変速機3の暖機後におけるオイルの温間温度(例えば80℃)に基づいて適宜のマージンを見込んだ値に設定される。この自動変速機3のオイルの温度計測は、自動変速機3に取り付けられる温度センサ32で行うようになっている。
自動変速機3の暖機が完了していない場合、つまり自動変速機3のオイル温度が第2判定基準値未満の場合には、前記ステップS4で否定判定して、自動変速機3の暖機が完了するまで前記状態を継続する。その一方で、自動変速機3の暖機が完了すると、つまり自動変速機3のオイル温度が第2判定基準値以上になると、前記ステップS4で肯定判定して、続くステップS5に移行する。
このステップS5では、第1、第2弁装置26,27の両方を共に閉じる状態にすることにより、受熱部21で蒸発された流体を第1、第2放熱部22A,22Bの両方に導入できない状態にする。この場合、第1、第2放熱部22A,22B内の液相状の流体が受熱部21にすべて戻されると、その後は、受熱部21で蒸発された流体を第1、第2放熱部22A,22Bの両方に導入できなくなる。そのため、排熱回収装置20による熱循環が停止するようになるので、上流側触媒15や自動変速機3が必要以上に昇温することが防止される。
以上説明したように、本発明を適用した実施形態では、上記実施形態と同様に、上流側触媒15の高い耐久性確保と上流側触媒15の暖機に要する時間の短縮とを両立することができるという作用効果が得られることに加えて、内燃機関2の冷間始動時において排熱回収装置20を利用して上流側触媒15の暖機を優先的に完了させた後、排熱回収装置20を利用して自動変速機3の暖機を促進させることが可能になる。
これにより、排熱回収装置20を利用して自動変速機3の暖機を促進させるように構成していない場合に比べて、内燃機関2を冷間始動してから自動変速機3の暖機を早期に完了させることが可能になる。そのため、車両の走行初期における自動変速機3のフリクションロスを軽減できて、内燃機関2の負担を軽減できるようになるので、燃費向上を図るうえで有利となる。
なお、本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲で包含されるすべての変形や応用が可能である。以下で例を挙げる。
(1)図1および図2に示す実施形態では、弁装置25について、自己作動式とした例を挙げているが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば電磁弁等のように弁体を駆動するための駆動源をアクチュエータとして、このアクチュエータを制御装置で制御する構成とすることが可能である。
(2)図3から図5に示す実施形態では、弁装置26,27について、例えば電磁弁等のように弁体を駆動するための駆動源をアクチュエータとして、このアクチュエータを制御装置30で制御する構成とした例を挙げている。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではなく、弁装置26,27は、自己作動式の弁装置に置き換えることができる。この自己作動式の弁装置は、弁体の駆動源として例えば周知のサーモスタットやダイアフラムスプリング等を用いるものであって、この駆動源が予め設定される条件に従い自動的に作動して弁体を開閉させる構成になっている。
(3)図3から図5に示す実施形態では、自動変速機3を第2の加熱対象とした例を挙げているが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば内燃機関2とすることができる。
(4)上記各実施形態において、内燃機関2はガソリンエンジンやディーゼルエンジン、その他のエンジンに限定されるものではない。また、内燃機関2はV型に限らず、水平対向型であってもよい。
なお、ディーゼルエンジンとする場合には、触媒15,16を例えばDPF(Diesel Particulate Filter)やDPNR(Diesel Particulate -NOx Reduction system)等とすることができる。また、ディーゼルエンジンの場合において、上流側触媒15をNOx吸蔵還元触媒(NSR:NOx storage reduction)として、下流側触媒16をNOx選択還元触媒(SCR:Selective Catalytic Reduction)とすることも可能である。
(5)上記各実施形態では、2つの触媒15,16を備える場合の例を挙げているが、触媒の数は限定されるものではなく、例えば1個、あるいは3個以上であってもよい。
2 内燃機関
2L 左側バンク
2R 右側バンク
3 自動変速機
11L 左側エキゾーストマニホールド
11R 右側エキゾーストマニホールド
12L 左側フロント排気管
12R 右側フロント排気管
13 センター排気管
14 合流部
15 上流側触媒
16 下流側触媒
20 排熱回収装置
21 受熱部
22 放熱部
23 移送路
24 還流路
25 弁装置

Claims (10)

  1. 内燃機関の2つのバンクに個別に接続される2つの排気通路が排ガス流れ方向下流側で合流されるとともに、この合流部の下流側に触媒が設置され、前記一方排気通路において前記合流部までの長さが、前記他方排気通路において前記合流部までの長さより長く設定された排気構造であって、
    前記長さの長い一方排気通路において前記排ガス流れ方向上流側で排ガスの熱を回収し、この熱を前記一方排気通路において前記合流部寄りの領域で排ガスに伝達するための排熱回収装置を有する、ことを特徴とする内燃機関の排気構造。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の排気構造において、
    前記排熱回収装置は、内部に封入される流体を前記一方排気通路において前記排ガス流れ方向上流側の排ガスの熱で蒸発させるための受熱部と、前記受熱部で蒸発された流体を受け入れて当該流体の熱を前記一方排気通路において前記合流部寄りの領域で排ガスに伝達させるための放熱部とを含むループ式ヒートパイプ構造とされる、ことを特徴とする内燃機関の排気構造。
  3. 請求項2に記載の内燃機関の排気構造において、
    前記排熱回収装置は、前記受熱部から前記放熱部へ流体を移送するための移送路と、前記放熱部から前記受熱部へ流体を戻すための還流路とをさらに含み、
    前記移送路または還流路のいずれか一方には、弁装置が設けられる、ことを特徴とする内燃機関の排気構造。
  4. 請求項3に記載の内燃機関の排気構造において、
    前記弁装置は、予め設定される条件に従い自動的に作動する駆動源を有する自己作動式とされる、ことを特徴とする内燃機関の排気構造。
  5. 請求項2から4のいずれか1つに記載の内燃機関の排気構造において、
    前記移送路および還流路の少なくとも一方は、車両において前記内燃機関の出力を駆動輪に伝達するためのパワートレーンの上方に配置される、ことを特徴とする内燃機関の排気構造。
  6. 請求項1に記載の内燃機関の排気構造において、
    前記排熱回収装置は、内部に封入される流体を前記一方排気通路において前記排ガス流れ方向上流側の排ガスの熱で蒸発させるための受熱部と、前記受熱部で蒸発された流体を受け入れて当該流体の熱を前記一方排気通路において前記合流部寄りの領域で排ガスに伝達させるための第1放熱部と、前記受熱部で蒸発された流体を受け入れて当該流体の熱を前記内燃機関または前記内燃機関に連結される変速機に伝達するための第2放熱部とを含むループ式ヒートパイプ構造とされる、ことを特徴とする内燃機関の排気構造。
  7. 請求項6に記載の内燃機関の排気構造において、
    前記排熱回収装置は、前記受熱部から前記第1放熱部へ流体を移送するための移送路と、前記第1放熱部から前記受熱部へ流体を戻すための還流路とをさらに含み、
    前記移送路および還流路の各途中には、それぞれ分岐して前記第2放熱部に接続される支流部が設けられ、
    前記移送路において前記第1放熱部の上流側には第1弁装置が、また、前記移送路の支流部には第2弁装置が設けられる、ことを特徴とする内燃機関の排気構造。
  8. 請求項7に記載の内燃機関の排気構造において、
    前記触媒の温度が活性化温度に基づき設定される第1判定基準値未満である場合に、前記第2弁装置が閉じて前記第1弁装置が開く状態になり、
    また、前記触媒の温度が前記第1判定基準値以上で、かつ前記内燃機関または変速機の温度が暖機完了温度に基づき設定される第2判定基準値未満である場合に、前記第2弁装置が開いて前記第1弁装置が閉じる状態になる、ことを特徴とする内燃機関の排気構造。
  9. 請求項8に記載の内燃機関の排気構造において、
    前記内燃機関または変速機の温度が前記第2判定基準値以上である場合に、前記両弁装置が閉じる状態になる、ことを特徴とする内燃機関の排気構造。
  10. 請求項7から9のいずれか1つに記載の内燃機関の排気構造において、
    前記両弁装置は、共に、弁体の駆動源としてアクチュエータを用いる構成とされ、
    予め設定される条件に従い前記アクチュエータを制御するための制御装置をさらに備える、ことを特徴とする内燃機関の排気構造。
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