JP2012102923A - 熱回収装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱媒体が流通する偏平形状の管部材がバーリング加工部に接合された構造に対し、熱媒体の流通の円滑化を図り、且つ応力集中を緩和することができる熱回収装置を提案する。
【解決手段】排熱回収装置の熱回収部のコアはケーシングのロアプレート37dにバーリング加工された開口が形成され、このバーリング加工部71の内部に偏平形状のチューブ34が挿入されてロウ付けされた構成となっている。バーリング加工部71における屈曲部分は、前後端部分71bにおける曲率半径に対して側面部分71aにおける曲率半径の方が大きく設定される。これにより、バーリング加工部71の側面部分71aの剛性を高め、バーリング加工部71の各部の剛性の均等化を図る。
【選択図】図7

Description

本発明は、内燃機関等に設けられ、例えば排気の熱を回収することにより適宜の加熱対象の昇温を促進させる熱回収装置に係る。特に、本発明は、熱回収を行う熱媒体が流通する管部材(チューブ)の接合箇所の構成の改良に関する。
従来より、自動車等の車両に搭載される内燃機関(以下、エンジンと呼ぶ)の排気ガスの熱を、ヒートパイプを利用して回収し、エンジンの暖機を促進させるようにした排熱回収装置が知られている(例えば下記の特許文献1及び特許文献2を参照)。
この種の排熱回収装置は、蒸発部(熱回収部)と凝縮部とを備え、これら蒸発部と凝縮部との間で熱媒体(例えば水等の冷媒)を循環させるようになっている。具体的に、蒸発部では、熱媒体と排気ガスとの間で熱交換を行い排気ガスの熱によって熱媒体を蒸発させる。そして、気相となった熱媒体を凝縮部に搬送し、この凝縮部において、熱媒体とエンジンの冷却水との間で熱交換を行い、この冷却水の温度を急速に高める。これにより、例えばエンジンの冷間始動時におけるエンジンの暖機運転時間を短縮化し、燃料消費率の改善を図ることができる。
また、上記凝縮部では、冷却水との間で熱交換を行った熱媒体が凝縮し、自重によって蒸発部に戻される。そして、この蒸発部において熱媒体が再び排気ガスの熱によって蒸発し、凝縮部に搬送されるといった循環を行う。
このような排熱回収装置における上記蒸発部の具体構成としては、熱媒体の導入空間を形成する導入側シェル(例えば下側に位置するシェル)と熱媒体の導出空間を形成する導出側シェル(例えば上側に位置するシェル)との間を金属製の管部材(以下、チューブと呼ぶ場合もある)によって連結している。つまり、凝縮部から導入側シェルを経てチューブに戻された熱媒体を排気ガスの熱によって蒸発させ、気相となった熱媒体を、導出側シェルを経て凝縮部に搬送する構成となっている。また、上記チューブとしては、例えば下記の特許文献3に開示されているように、断面が偏平形状のものとし、チューブの内部流路面積に対する表面積の比率を高めることで熱媒体と排気ガスとの間の熱交換効率を高める構成が採用可能である。
このような偏平形状のチューブを使用する場合におけるチューブと各シェルとの接合構造としては、例えば図9(チューブaの下端部と導入側シェルbとの接合箇所の斜視図)及び図10(チューブaの下端部と導入側シェルbとの接合箇所の断面図:図9におけるX−X線に沿った断面図)に示すように、チューブaが接続される導入側シェルbの開口縁部をバーリング加工しておき、そのバーリング加工部cの内側にチューブaの下端部を差し込んで、これら両者をロウ付けや溶接により接合することが挙げられる。また、チューブaの上端部も同様にして導出側シェルに接合される。
特開2010−59862号公報 特開2010−84692号公報 実開昭63−30789号公報
ところが、上述した偏平形状のチューブaの接合構造にあっては、排気ガスの熱を受けてチューブaにその長手方向(図9及び図10における上下方向)の寸法が長くなる熱変形が生じた場合に以下に述べるような不具合が生じる可能性があった。
チューブaに上記熱変形が生じた場合、上記バーリング加工部cには、チューブaの熱変形に伴う応力が作用する。つまり、例えばチューブaの下端部が接合しているバーリング加工部cに対しては下方に向かう応力(図10における矢印f,fを参照)が、逆に、チューブaの上端部が接合しているバーリング加工部に対しては上方に向かう応力がそれぞれ作用することになる。以下では、上記熱変形によってチューブaの下端部が接合しているバーリング加工部cに応力が作用する場合を代表して説明する。
上記チューブaの熱変形に伴う応力がバーリング加工部cに作用した場合、その応力の作用に伴う変形状態や応力集中状態は、バーリング加工部cの側面部分と前後端部分とで異なっている。ここで、バーリング加工部cの側面部分とは、シェルbの開口縁部の長手方向に沿って延びている部分であって、図9において破線dで囲んだ領域である。一方、バーリング加工部cの前後端部分とは上記シェルbの開口縁部の長手方向の端部であって、図9において破線eで囲んだ領域である。以下、バーリング加工部cの側面部分d及び前後端部分eそれぞれの変形状態について説明する。
−バーリング加工部cの側面部分dの変形状態−
バーリング加工部cの側面部分dは、平板形状であるため剛性が比較的低く、上記チューブaの熱変形に伴う応力の作用に伴って比較的容易に変形する。図11(a)は、その変形状態を示している(図9におけるX−X線に沿った断面での変形状態を示している)。図11(a)における仮想線は変形前の状態を、実線は変形後の状態をそれぞれ示している。このように、チューブaの熱変形によってその下端部が下方に移動することに伴い、バーリング加工部c,cの各側面部分d,dは、互いに近付くように(倒れ込むように)弾性変形することになる。
このようにバーリング加工部c,cの側面部分d,dでは、剛性が比較的低いことに起因して、変形量が大きくなり熱媒体の流路面積が極端に小さくなって熱媒体の流量が少なくなったり、チューブaの内圧が上昇することに伴って凝縮部からの熱媒体の戻し動作(熱媒体の自重による戻し動作)に支障を来してしまう可能性がある。図12は、この側面部分d,dの変形によって熱媒体の流路面積が小さくなっている状態を示す断面図(図9におけるXII−XII線に沿った断面図)である。
これらの不具合を防止するためには、予め熱媒体の流路面積(チューブaの断面積)を大きく設定しておく必要があるが、これでは排熱回収装置全体の大型化や製造コストの高騰を招いてしまうため好ましくない。また、凝縮部からの熱媒体の戻し動作に支障を来さないためには、凝縮部を高い位置に配置して、この凝縮部内の熱媒体の位置エネルギを高くしておく必要があるが、この場合にも排熱回収装置全体の大型化や製造コストの高騰を招いてしまうため好ましくない。
−バーリング加工部cの前後端部分eの変形状態−
一方、バーリング加工部cの前後端部分eは、平面視において大きく屈曲しているため剛性が比較的高く、上記チューブaの熱変形に伴う応力が作用してもその変形量は僅かである。また、この部分ではチューブaの外面形状も屈曲(バーリング加工部cと同様に平面視において大きく屈曲)しているため剛性が比較的高くなっており、これによってもバーリング加工部cの変形量は制限される。図11(b)は、その変形状態を示している(図9におけるY−Y線に沿った断面での変形状態を示している)。図11(b)における破線は変形前の状態を、実線は変形後の状態をそれぞれ示している。このように、チューブaの熱変形によってその下端部が下方に移動した場合、このバーリング加工部cの前後端部分eでは倒れ込むような変形は殆ど生じず、バーリング加工部cの形状(R形状)が略維持されたままシェルbを構成しているプレートb1,b1自体が下方へ湾曲するように弾性変形することになる。このような状況にあっては、バーリング加工部cの変形量が少ないためにその反力が大きくなり、その結果、このバーリング加工部cの前後端部分eでの応力は、上記バーリング加工部cの側面部分dに比べて高くなる。つまり、この前後端部分eに応力が集中することになる。更には、バーリング加工部cの変形量が少ないことに起因し、上記ロウ付け部分にはチューブaとバーリング加工部cとを剥離させる方向の力が作用することになる。
このようにバーリング加工部cの前後端部分eは、剛性が比較的高いことに起因して、応力が高くなり、且つ上記剥離方向の力が作用するため、ロウ付け部分における接合強度の信頼性が害される可能性があった。
以上のような応力の作用による課題は、チューブaの上端部が接合しているバーリング加工部においても同様に生じている。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、熱媒体が流通する偏平形状の管部材がバーリング加工部に接合された構造に対し、管部材が熱変形する状況となっても熱媒体の流通の円滑化を図り、且つ応力集中を緩和することができる熱回収装置を提案することにある。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、偏平形状のチューブが接合されるバーリング加工部の曲率半径をバーリング加工部の各部で異ならせることにより、このバーリング加工部の各部の剛性の差を小さくし、チューブに熱変形が生じた場合におけるバーリング加工部の変形量の抑制及び応力集中の緩和が図れるようにしている。
−解決手段−
具体的に、本発明は、長辺側部分及び短辺側部分を有して断面が偏平形状とされたチューブの先端部を、シェルプレートにおいてバーリング加工された開口部に接合し、このチューブの内部空間を流れる流体とチューブの外部空間を流れる流体との間で熱交換を行う構成とされた熱回収装置を前提とする。この熱回収装置に対し、上記バーリング加工により成形された屈曲部分の曲率半径として、上記チューブの長辺側部分に対応する箇所での曲率半径に対してチューブの短辺側部分に対応する箇所での曲率半径の方を小さく設定している。
この特定事項により、チューブの長辺側部分に対応する箇所での剛性が高まり、この部分での剛性が、チューブの短辺側部分に対応する箇所での剛性に近付く。つまり、バーリング加工部の全体に亘って剛性の均等化が図れることになる。このため、例えばチューブの外部空間を流れる流体の熱を受けてチューブにその長手方向の寸法が長くなる熱変形が生じた場合、チューブの長辺側部分に対応する箇所での変形(倒れ込むような変形)は抑制され、チューブ内部の流体の流路面積が極端に小さくなってしまうといったことは回避される。また、上記チューブの熱変形に伴うバーリング加工部の変形も、その全体に亘って均一化され、一部分のみの剛性が高いことで応力集中が生じるといったことがなくなる。このため、シェルプレートに対するチューブの接合部分の接合強度の信頼性が害されるといったこともなくなる。更には、チューブの短辺側部分に対応する箇所での曲率半径を小さく設定したことで、この部分にあってはチューブとバーリング加工部との接触面積を拡大することができる。つまり、ロウ付け面積または溶接面積の拡大を図ることができる。その結果、この部分に作用していた剥離方向の力(チューブに対してバーリング加工部を剥離させる方向の力)に対して十分な接合強度を確保することができ、その信頼性を確保できる。
上記バーリング加工により成形された屈曲部分の曲率半径として、より具体的には以下の構成が挙げられる。つまり、上記バーリング加工により成形された屈曲部分における上記チューブの長辺側部分に対応する箇所と短辺側部分に対応する箇所との境界部分では、長辺側部分に対応する箇所から短辺側部分に対応する箇所に向かうに従って上記屈曲部分の曲率半径が次第に小さくなる構成としている。
これによれば、屈曲部分の曲率半径が急激に変化することに伴う応力集中を回避することができ、シェルプレートに対するチューブの接合部分の接合強度の信頼性が十分に確保できる。
熱回収装置の具体構成としては以下のものが挙げられる。先ず、上記チューブの内部空間には熱搬送用流体が、チューブの外部空間には熱源用流体がそれぞれ流れる構成とする。そして、熱源用流体の熱が熱搬送用流体に与えられることで熱搬送用流体が蒸発し、この気相となった熱搬送用流体を放熱部に搬送し、この放熱部において熱搬送用流体により加熱対象流体を加熱する構成としている。例えば内燃機関の排気熱を回収して冷却水の昇温を促進させる場合、上記熱源用流体が排気ガスとなり、上記加熱対象流体が内燃機関の冷却水となる。つまり、熱搬送用流体を介して排気ガスの熱を冷却水に与えることで、この冷却水の昇温を促進させることになる。
本発明では、偏平形状のチューブが接合されるバーリング加工部の曲率半径を、チューブの長辺側部分に対応する箇所での曲率半径に対してチューブの短辺側部分に対応する箇所での曲率半径の方を小さく設定している。これにより、バーリング加工部の各部の剛性の差を小さくし、チューブに熱変形が生じた場合におけるバーリング加工部の変形量の抑制及び応力集中の緩和を図ることができる。
実施形態に係る排熱回収システムの概略構成を示す図である。 排熱回収装置の設置状態を示す斜視図である。 排熱回収装置の設置状態を車体前方から見た図である。 熱回収部のコアを示す斜視図である。 排熱回収装置を車体前方から見た断面図である。 図3におけるVI−VI線に沿った断面図である。 実施形態におけるチューブの下端部とケーシングロアプレートとの接合箇所を示す斜視図である。 図8(a)は図7におけるA−A線に沿った断面図、図8(b)は図7におけるB−B線に沿った断面図、図8(c)は図7におけるC−C線に沿った断面図である。 従来例におけるチューブの下端部と下側シェルとの接合箇所を示す斜視図である。 図9におけるX−X線に沿った断面図である。 図11(a)は図9におけるX−X線に沿った断面での変形状態を示す図であり、図11(b)は図9におけるY−Y線に沿った断面での変形状態を示す図である。 バーリング加工部の側面部分の変形によって熱媒体の流路面積が小さくなっている状態を示す図9におけるXII−XII線に沿った断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、自動車に搭載された多気筒ガソリンエンジン(内燃機関)に備えられる排熱回収装置に本発明を適用した場合について説明する。
−排熱回収システム−
図1は、本実施形態に係るエンジン1に備えられた排熱回収システムの概略構成を示している。
本実施形態に係るエンジン1は、吸気系から供給される空気と燃料供給系から供給される燃料とを適宜の空燃比で混合して成る混合気を燃焼室に供給して燃焼させた後、その燃焼に伴って発生する排気ガスを排気系から大気に放出するようになっている。
排気系は、エンジン1に取り付けられたエキゾーストマニホールド2と、このエキゾーストマニホールド2に球面継手3を介して接続された排気管4とを少なくとも有した構成となっている。そして、上記エキゾーストマニホールド2と排気管4とによって排気通路が形成されている。
上記球面継手3は、エキゾーストマニホールド2と排気管4との適度な揺動を許容するとともに、エンジン1の振動や動きを排気管4に伝達させないか、あるいは減衰して伝達するように機能する。
上記排気管4には、2つの触媒5,6が直列に設置されており、この2つの触媒5,6により排気ガスが浄化される。
これらの触媒5,6のうち、排気管4において排気ガスの流れ方向の上流側に設置される触媒5は、いわゆるスタートキャタリスタ(S/C)と呼ばれるものであって、以下、上流側触媒と呼ぶ。一方、排気管4において排気ガスの流れ方向の下流側に設置される触媒6は、いわゆるメインキャタリスタ(M/C)またはアンダーフロアキャタリスタ(U/F)と呼ばれるものであって、以下、下流側触媒と呼ぶ。
これらの触媒5,6は、共に、例えば三元触媒により構成されている。この三元触媒は、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)を一括して化学反応により無害な成分に変化させるといった浄化作用を発揮する。
エンジン1の内部(ウォータジャケット)にはロングライフクーラント(LLC)と呼ばれる冷却液(以下、単に冷却水という)が充填されている。この冷却水は、冷却水取り出し路8から一旦取り出されてラジエータ7に供給され、このラジエータ7から冷却水還流路9を経てエンジン1に戻されるようになっている。ラジエータ7は、ウォータポンプ10によって循環される冷却水を外気との熱交換により冷却するものである。
そして、サーモスタット11によって、ラジエータ7を流通する冷却水量と、このラジエータ7をバイパスさせるバイパス路12を流通する冷却水量とが調節されるようになっている。例えばエンジン1の暖機運転時においてはバイパス路12側の冷却水量が増加されて暖機が促進されるようになっている。
冷却水取り出し路8から分岐され、ラジエータ7をバイパスしてウォータポンプ10の上流側に接続されるヒータ流路13の途中には、ヒータコア14が設けられている。このヒータコア14は、上記冷却水の熱を利用して車室内の暖房を行うための熱源である。このヒータコア14によって暖められた空気は、ブロアファン15によって車室内に導入されるようになっている。尚、上記ヒータコア14とブロアファン15とによりヒータユニット16が構成されている。上記ヒータ流路13は、後述する排熱回収装置(熱回収装置)20よりも上流側(冷却水の流れ方向の上流側)の上流側流路13aと、排熱回収装置20よりも下流側の下流側流路13bとを備えている。この下流側流路13bを流れる冷却水の温度は、排熱回収装置20での排熱回収動作(この排熱回収動作の詳細については後述する)が行われている場合には、上流側流路13aを流れる冷却水の温度よりも高くなる。
−排熱回収装置20の構成−
上述の如く構成されたエンジン1の排気系には、排熱回収装置20が付設されている。
図2は排熱回収装置20の設置状態を示す斜視図である。図3は排熱回収装置20の設置状態を車体前方から見た図である。図4は排熱回収装置20の内部に収容されているコア31を示す斜視図である。図5は排熱回収装置20を車体前方から見た断面図である。また、図6は図3のVI−VI線に沿った断面図である。
この排熱回収装置20は、エンジン1から排出される排気ガスの熱を回収して上記冷却水の昇温を促進させるためのものであって、主として、熱回収部(受熱部)30及び凝縮部(放熱部)40を備え、これら熱回収部30と凝縮部40とが、蒸気供給管(流体供給管)50及び凝縮水還流部(還流路)60によって接続された構成となっている(図3及び図5を参照)。
具体的には、熱回収部30の上側に凝縮部40が配置されている。そして、この熱回収部30の上部と凝縮部40の下部とが蒸気供給管50によって接続され、熱回収部30の側部と凝縮部40の側部とが凝縮水還流部60によって接続された構成となっている。これにより、熱回収部30、蒸気供給管50、凝縮部40、凝縮水還流部60の順で熱媒体(流体)を循環させるループ式ヒートパイプ構造となっている。
尚、上記ループ式ヒートパイプ構造の排熱回収装置20とは、熱回収部30と凝縮部40との間で熱媒体を相転移(液相と気相との間で相転移)させながら循環させることによって、熱回収部30での排気熱の回収と凝縮部40での放熱(冷却水への放熱)とを繰り返して行うものをいう。
上記熱回収部30、蒸気供給管50、凝縮部40及び凝縮水還流部60により形成される熱媒体の循環経路の内部は真空状態とされており、その循環経路内に適量の熱媒体が封入されている。この熱媒体は、例えば純水等が採用される。水の沸点は、1気圧で100℃であるが、上記熱媒体の循環経路内を減圧(例えば0.01気圧に減圧)していることにより、沸点は、例えば5〜10℃となる。尚、熱媒体としては、純水の他に、例えばアルコール、フロロカーボン等を採用することも可能である。また、排熱回収装置20の主要構成要素は、例えば高耐食性を有するステンレス材で形成されている。
この排熱回収装置20の構成部材の概要として、上記熱回収部30は、内部に封入される液相状の熱媒体を排気ガスの熱で蒸発させるものである。この熱回収部30は、単一のコア31を用いた構成になっている。このコア31には、図4及び図5に示すように、上下方向に延びる複数本の金属製のチューブ34,34,…を備えており、このチューブ34の内部である熱媒体通路33を流通する熱媒体と、チューブ34,34,…の外部である排気通路32,32,…を流れる排気ガスとの間で熱交換を行う構成となっている。この熱回収部30の具体的な構成については後述する。
凝縮部40は、熱回収部30で蒸気とされた気相状の熱媒体を受け入れて、この熱媒体の潜熱及び顕熱によって加熱対象である上記冷却水を加熱するものである。この凝縮部40内の気相状の熱媒体は、冷却水との間での熱交換に伴い凝縮されて液相状となり、凝縮水還流部60を経て熱回収部30に戻されるようになっている。この凝縮部40の具体的な構成についても後述する。
−排熱回収装置20の配置形態−
次に、上記排熱回収装置20の配置形態について説明する。
図1及び図2に示すように、排熱回収装置20は、上記熱回収部30が排気管4の途中に設置され、この排気管4を経て流れ込んだ排気ガスの熱が、熱回収部30において熱媒体により回収されるようになっている。
排気管4は、排熱回収装置20を設置することによって、それを境に上流部4aと下流部4bとに分割されている。
上記熱回収部30における各排気通路32の入口が排気管4の上流部4a側に配置されている一方、各排気通路32の出口が排気管4の下流部4b側に配置されている。
熱回収部30における排気入口側と排気管4の上流部4aとの連結部分、及び、熱回収部30における排気出口側と排気管4の下流部4bとの連結部分には、テーパコーン形状の中継パイプ4c,4dが設けられている。
上流側連結部分に設置される中継パイプ4cは、排気流れ方向の上流側から下流側へ向けて内径寸法を漸次大きくする形状であり、それによって排気管4の上流部4aを流れる排気を排熱回収装置20の熱回収部30の排気入口全域に行き届かせることが可能になっている。
下流側連結部分に設置される中継パイプ4dは、排気流れ方向の上流側から下流側へ向けて内径寸法を漸次小さくする形状であり、それによって排熱回収装置20の熱回収部30の排気出口全域から流出する排気を排気管4の下流部4bに抵抗を少なくしながら集めて流すことが可能になっている。
また、上記排気管4は、車体のフロアパネル(車両フロア)17に形成され且つ車体前後方向に延びるトンネル部17a内に収容されている。このため、図3に示すように、上記中継パイプ4c,4dの間に配設されている熱回収部30、この熱回収部30の上側に配置されている凝縮部40もそれぞれトンネル部17a内(フロアパネル17の下側空間)に収容されている。
このような排熱回収装置20の設置状態によれば、車両の走行時においてフロアパネル17のトンネル部17a内に流れ込む走行風は、熱回収部30の下面及び側面に沿って流れることになる(図3では、この走行風の流量が比較的多い領域に破線の斜線を付している)。つまり、上記凝縮部40の側面や上面には殆ど走行風は流れないことになるので、この走行風によって凝縮部40から熱が奪われてしまうことは殆どない。
−熱回収部30の構成−
次に、上記熱回収部30の構成を詳しく説明する。
熱回収部30は、図4に示すコア31を備えている。このコア31は、ケーシング37内に複数本のチューブ34,34,…が収容された構成となっている。
上記ケーシング37は、排気流れ方向の上流側に位置する中継パイプ4cに臨む排気ガス導入開口37a及び排気流れ方向の下流側に位置する中継パイプ4dに臨む排気ガス導出開口37bを備えている。つまり、排気管4を流れてきた排気ガスが、排気ガス導入開口37aからケーシング37内に導入され、排気ガス導出開口37bから排出される構成となっている。
そして、このケーシング37のアッパプレート37c及びロアプレート37dには、上記各チューブ34,34,…を接続するための複数の開口38,38,…、39,39,…(図5参照)が形成されている。つまり、ケーシング37のロアプレート37dには各チューブ34,34,…の下端部がそれぞれ接続される熱媒体導入開口39,39,…が形成され、ケーシング37のアッパプレート37cには各チューブ34,34,…の上端部がそれぞれ接続される熱媒体導出開口38,38,…が形成されている。
各開口38,38,…、39,39,…の形状はチューブ34の外形形状に略一致している。具体的に、チューブ34は、図7(この図7では後述するフィン34bを省略している)に示すように、流路の断面形状が、排気流れ方向に沿う方向を長辺とする偏平形状(略長円形状)の配管で成っており、ケーシング37内において、その幅方向(排気流れ方向に対して直交する水平方向)に6本が並設されている。つまり、このチューブ34は、上記排気流れ方向に沿う長辺側部分34c,34cと、各長辺側部分34c,34c同士を接続するように屈曲された短辺側部分34d,34dとを備えている。このため、ケーシング37のアッパプレート37c及びロアプレート37dに形成されている複数の開口38,38,…、39,39,…も、排気流れ方向に沿う方向を長辺とする略長円形状で形成され、ケーシング37の幅方向(排気流れ方向に対して直交する水平方向)の6箇所に形成されている。
また、このケーシング37のアッパプレート37c及びロアプレート37dに形成されている複数の開口38,38,…、39,39,…の開口縁には、バーリング加工によってケーシング37の内側空間に向かって延びるバーリング加工部70,70,…、71,71,…(図3及び図7を参照)が形成されている。つまり、ケーシング37のロアプレート37dに形成されているバーリング加工部71,71,…は、このケーシング37のロアプレート37dの熱媒体導入開口39の開口縁が上側に屈曲されて形成されている。一方、ケーシング37のアッパプレート37cに形成されているバーリング加工部70,70,…は、このケーシング37のアッパプレート37cの熱媒体導出開口38の開口縁が下側に屈曲されて形成されている。このバーリング加工部70,71のより詳細な形状については後述する。また、これらバーリング加工部70,71の加工方法は従来から周知のバーリング加工が採用可能である。
そして、各チューブ34,34,…の下端部は、ケーシング37のロアプレート37dに形成されているバーリング加工部71,71,…に対してその内側に差し込まれ、ロウ付けにより接合されている。同様に、各チューブ34,34,…の上端部は、ケーシング37のアッパプレート37cに形成されているバーリング加工部70,70,…に対してその内側に差し込まれ、ロウ付けにより接合されている。
このようにしてケーシング37内に複数本のチューブ34,34,…が配設されていることにより、各チューブ34,34,…の内部空間である熱媒体通路33,33,…と、各チューブ34,34,…の外側空間(ケーシング37の内部空間)である排気通路32,32,…とが隣接されることになり、熱媒体と排気ガスとの間で熱交換が可能となっている。
また、互いに隣り合うチューブ34,34同士の間、及び、車幅方向の両端に位置するチューブ34とケーシング37のサイドプレート37e,37eとの間には、排気の熱を受ける受熱体としてのフィン34bが設けられている。このフィン34bは、例えば一般的に公知のコルゲートタイプのフィンとされている。
このような構成とされたコア31の上部には、上側ケース35が取り付けられ(図5を参照)、この上側ケース35によって、上記チューブ34の内部空間である熱媒体通路33内で蒸発した気相状の熱媒体を集めて凝縮部40に向けて送り出すための送出用の合流空間35aが形成されている。この上側ケース35は、全ての熱媒体通路33,33,…の上部開口を覆うように、コア31の上部に設置されている。つまり、上記ケーシング37のアッパプレート37cと上記上側ケース35とによって上側のシェルが形成されている。このため、ケーシング37のアッパプレート37cは本発明でいうシェルプレートに相当することになる。これにより、上記合流空間35aには、コア31の全ての熱媒体通路33,33,…内で蒸発した気相状の熱媒体が集められることになり、この合流空間35aに集められた気相状の熱媒体が蒸気供給管50によって凝縮部40に供給されることになる。
また、コア31の下部及び側部には、下側ケース36が取り付けられ、この下側ケース36によって、上記凝縮部40で凝縮された水を回収するための回収空間36aが形成されている。この下側ケース36は、全ての熱媒体通路33,33,…の下部開口を覆うように、コア31の下部に設置されている。つまり、上記ケーシング37のロアプレート37dと上記下側ケース36とによって下側のシェルが形成されている。このため、ケーシング37のロアプレート37dは本発明でいうシェルプレートに相当することになる。これにより、上記回収空間36aには、凝縮部40から受け入れた液相状の熱媒体が、コア31の全ての熱媒体通路33,33,…に分散して流入されるようになっている。
−蒸気供給管50−
蒸気供給管50は、鉛直方向に延びる軸線を有して熱回収部30の上部(上壁)と凝縮部40の下部(下壁)とを接続し、これら熱回収部30の内部空間(熱媒体通路33,33,…及び合流空間35a)と凝縮部40の内部空間とを連通させている。より具体的には、熱回収部30の上面の中央部と凝縮部40の下面の中央部とを接続している。
また、この蒸気供給管50の上端は、凝縮部40の下壁を貫通して凝縮部40の内部空間に延びており、その蒸気供給管50の上端位置は、この凝縮部40の内部空間において、比較的低い位置に設定されている。つまり、熱回収部30で蒸発した熱媒体が蒸気供給管50により凝縮部40の内部空間に供給される場合、その凝縮部40の内部空間の比較的低い位置で、その熱媒体(蒸気)は水平方向へ拡散されるようになっている。言い換えると、熱媒体に対し、蒸気供給管50による上向きのガイドが凝縮部40の内部空間の比較的低い位置で解除されることによって、その熱媒体(蒸気)は水平方向へ拡散されるようになっている(図5の矢印Aを参照)。これにより、蒸気供給管50から凝縮部40の内部空間に導入された熱媒体の大部分が凝縮部40の上面に直接的に吹き付けられるといった状態を招きにくい構成となっている。
この蒸気供給管50の上端位置として具体的には、後述するLLCパイプ42の外面の下端の高さ位置と同一高さ位置、または、このLLCパイプ42の外面の下端の高さ位置よりも低い位置に設定されている。
−凝縮部40の構成−
次に、上記凝縮部40の構成を詳しく説明する。
凝縮部40は、略直方体形状の中空のケーシング41と、このケーシング41内に配設されたLLCパイプ(加熱対象流路配管)42とを備えている。
上記ケーシング41は、平面視形状が上記熱回収部30の平面視形状に略一致している一方、その高さ寸法は熱回収部30の高さ寸法に対して約1/4程度となっており、偏平な形状となっている。また、このケーシング41の内部空間は、上記蒸気供給管50により供給された熱媒体(蒸気)が導入され且つ水平方向へ拡散される熱媒体拡散空間として構成されている。
そして、このケーシング41内に配設されたLLCパイプ42の形状としては、上記蒸気供給管50の開口位置(凝縮部40の底面の中央位置)を囲むように屈曲されている。
具体的には、図6(図3のVI−VI線に沿った断面図)に示すように、LLCパイプ42の上流端及び下流端が、ケーシング41の各側壁のうち車体前方側の側壁41aを貫通している。このLLCパイプ42としては、導入パイプ部分42a、屈曲パイプ部分42b、導出パイプ部分42cが連続して形成されている。
上記導入パイプ部分42aは、上記ヒータ流路13の上流側流路13aを形成する上流側配管13Aに連続し且つケーシング41における車体前方側の側壁41aを貫通した直管部分である。導出パイプ部分42cは、上記ヒータ流路13の下流側流路13bを形成する下流側配管13Bに連続し且つケーシング41における車体前方側の側壁41aを貫通した直管部分である。そして、屈曲パイプ部分42bは、凝縮部40のケーシング41内部において上記導入パイプ部分42aの下流端と導出パイプ部分42cの上流端とを連結する屈曲(湾曲)された配管部分である。また、これら導入パイプ部分42a、屈曲パイプ部分42b、導出パイプ部分42cは、ケーシング41内の上下方向の略中央位置にそれぞれの軸線の高さ位置が設定されている。つまり、これらパイプ部分42a,42b,42cは、同一の仮想水平面上に配置されている。
このような構成により、ヒータ流路13の上流側流路13aからLLCパイプ42内に冷却水が流入されると、この冷却水は、導入パイプ部分42a、屈曲パイプ部分42b、導出パイプ部分42cの順に流れ、ヒータ流路13の下流側流路13bに流出されることになる。このようにして冷却水がLLCパイプ42内を流れている間に、凝縮部40のケーシング41内に導入されている熱媒体(蒸気)との間での熱交換により、上記冷却水が加熱される構成となっている。
−凝縮水還流部60−
凝縮水還流部60は、図5に示すように、凝縮部40の側壁と熱回収部30の側壁(下側ケース36)とを接続している還流配管61の途中に開閉弁62が設けられた構成となっている。この開閉弁62は、排熱回収動作時には開放し、凝縮部40から熱回収部30への熱媒体の回収を可能にして、上述した熱回収部30、蒸気供給管50、凝縮部40、凝縮水還流部60での熱媒体の循環が行われるようにする。一方、例えば冷却水温度が所定温度に達して排熱回収動作が不要になった場合には開閉弁62が閉鎖し、凝縮部40から熱回収部30への熱媒体の回収を禁止することで上述した熱媒体の循環を停止するようになっている。この開閉弁62は電磁開閉弁で構成されていてもよいし、温度変化に伴って開閉動作を行うサーモスタットで構成されていてもよい。
−排熱回収装置20の動作−
次に、排熱回収装置20の動作について説明する。
エンジン1の冷間始動時には、上流側触媒5及び下流側触媒6、エンジン1の冷却水の全てが低温(外気温程度)になっている。この状態からエンジン1が始動されると、それに伴いエンジン1からエキゾーストマニホールド2を経て排気管4に例えば300〜400℃の排気ガスが排出されることになり、2つの触媒5,6が排気ガスにより昇温されることになる。また、冷却水がラジエータ7を通らずにバイパス路12を経てエンジン1へ戻されることによって暖機運転が行われることになる。
このような暖機運転中において、排気管4を流れる排気ガスは、熱回収部30におけるコア31の排気通路32,32,…に流入して通過することになるが、その過程で排気通路32内のフィン34bの外表面に接触して下流側へ流れる。これにより、フィン34bに排気の熱が伝わることになる。
その一方で、熱回収部30の回収空間36aやチューブ34,34,…の内部空間である熱媒体通路33,33,…に貯留されている液相状の熱媒体は、コア31における全ての熱媒体通路33,33,…内において、上記排気通路32,32,…を流れる排気ガスの熱を受け、加熱されて蒸発する。
この蒸発した気相状の熱媒体は、全ての熱媒体通路33,33,…内を上昇(図5に破線で示す矢印を参照)して合流空間35aにおいて合流され、蒸気供給管50を経て凝縮部40に導入される(図5の矢印Aを参照)。
この凝縮部40においては、気相状の熱媒体の潜熱や顕熱によってLLCパイプ42内を流通する冷却水が加熱される。これにより、凝縮部40内の気相状の熱媒体が凝縮されて液相状となり、凝縮水還流部60を経て熱回収部30の回収空間36aに戻される(図5の矢印Bを参照)。暖機運転中には上記開閉弁62は開放状態となっており、熱回収部30の回収空間36aに戻された液相状の熱媒体は、再び、排気通路32,32,…を流れる排気ガスの熱を受けて蒸発し、凝縮部40に導入される。このような熱媒体の循環動作が暖機運転中に繰り返される。
このようにして、熱回収部30、蒸気供給管50、凝縮部40、凝縮水還流部60により形成される閉ループ内で熱媒体が相転移しながら循環されることになって、排気の熱の回収と冷却水の加熱とが繰り返されることになる。これにより、エンジン1の暖機運転を早期に終了させることが可能になり、燃料消費率の改善を図ることができる。
そして、凝縮部40において冷却水との熱交換が不要となった暖機完了時にあっては、開閉弁62が閉鎖し、凝縮部40から熱回収部30への熱媒体の回収を禁止することで上述した熱媒体の循環を停止する。
−チューブ34の接合部の構成−
本実施形態の特徴は、上記ケーシング37のアッパプレート37c及びロアプレート37dに対してチューブ34を接合する部分の構成にある。
上述した如くケーシング37のアッパプレート37c及びロアプレート37dにおけるチューブ34の接続部分にはバーリング加工部70,71が設けられている。本実施形態の特徴は、このバーリング加工部70,71とケーシング37のアッパプレート37c及びロアプレート37dとの間に形成されている屈曲部分の曲率半径にある。以下の説明では、ケーシング37のロアプレート37dに対するチューブ34の下端部の接合部分を代表して説明する。
図7においてバーリング加工部71の側面部分71a(上記チューブ34の長辺側部分34cに対応する箇所)と、バーリング加工部70の前後端部分71b(上記チューブ34の短辺側部分34dに対応する箇所)とでは、バーリング加工により成形された屈曲部分の曲率半径が異なっている。具体的には、バーリング加工部70の前後端部分71bの屈曲部分における曲率半径に対してバーリング加工部70の側面部分71aの屈曲部分における曲率半径の方が大きく設定されている。言い換えると、バーリング加工部70の側面部分71aの屈曲部分における曲率半径に対してバーリング加工部70の前後端部分71bの屈曲部分における曲率半径の方が小さく設定されている。また、これらバーリング加工部70の側面部分71aと前後端部分71bとの境界部分の屈曲部分にあっては、バーリング加工部70の前後端部分71bから側面部分71aに向かうに従って上記曲率半径が次第に大きくなっている。
図8(a)は図7におけるA−A線に沿った断面図であって、バーリング加工部70の前後端部分71bにおける屈曲部分の断面形状を示している。また、図8(b)は図7におけるB−B線に沿った断面図であって、バーリング加工部70の前後端部分71bと側面部分71aとの境界部分における屈曲部分の断面形状を示している。また、図8(c)は図7におけるC−C線に沿った断面図であって、バーリング加工部70の側面部分71aにおける屈曲部分の断面形状を示している。
具体的に、バーリング加工部70の前後端部分71bの曲率半径は0.5mmとされ、バーリング加工部70の側面部分71aの曲率半径は2.0mmとされている。尚、本実施形態では、チューブ34の幅寸法(車幅方向の寸法)が4mm、奥行き寸法(車体前後方向の寸法)が50mm、肉厚寸法が0.8mmであって、バーリング加工部71の板厚寸法(上記ロアプレート37dの板厚寸法に一致)が1.2mmのものを採用している。以上の値はこれに限定されるものではなく、適宜設定が可能である。
このようにバーリング加工部71の前後端部分71bにおける屈曲部分の曲率半径に対してバーリング加工部70の側面部分71aにおける屈曲部分の曲率半径を大きく設定したことにより、バーリング加工部70の前後端部分71bの剛性に対して、側面部分71aの剛性を高く設定することができる。
尚、ケーシング37のアッパプレート37cに対するチューブ34の上端部の接合部分も同様の構成となっている。
従来では、これらバーリング加工部の前後端部分の曲率半径と側面部分の曲率半径とが同一であった。この場合、上述した如く、バーリング加工部の側面部分は剛性が比較的低く、このため、チューブの熱変形に伴う応力が作用した場合には、各側面部分が互いに近付くように(倒れ込むように)弾性変形し、熱媒体の流路面積が極端に小さくなって熱媒体の流量が少なくなったり、チューブの内圧が上昇することに伴って凝縮部からの熱媒体の戻し動作に支障を来してしまう可能性があった(図11(a)を参照)。一方、バーリング加工部の前後端部分は、平面視において大きく屈曲しているため剛性が比較的高く、このため、チューブの熱変形に伴う応力が作用してもその変形量は僅かである。その結果、このバーリング加工部の前後端部分では反力が大きくなり、この部分に応力が集中していた。また、バーリング加工部の変形量が少ないことに起因し、上記ロウ付け部分にはチューブに対してバーリング加工部を剥離させる方向の力が作用し、ロウ付け部分における接合強度の信頼性が害される可能性があった(図11(b)を参照)。
これに対し、本実施形態では、上述の如く各部の曲率半径を変更したことにより、バーリング加工部70,71の側面部分71aでは剛性が高まり、この部分での剛性が、バーリング加工部70,71の前後端部分71bでの剛性に近付くことになる。つまり、バーリング加工部70,71の全体に亘って剛性の均等化が図れることになる。このため、例えばチューブ34の外部空間(排気通路32)を流れる排気ガスの熱を受けてチューブ34にその長手方向の寸法が長くなる熱変形が生じた場合、チューブ34の長辺側部分34cに対応する箇所である上記側面部分71aの変形(倒れ込むような変形)は抑制され、チューブ34内部の熱媒体の流路面積が極端に小さくなってしまうといったことは回避される。また、上記チューブ34の熱変形に伴うバーリング加工部70,71の変形も、その全体に亘って均一化され、一部分のみの剛性が高いことで応力集中が生じるといったことがなくなる。このため、ケーシング37のアッパプレート37cやロアプレート37dに対するチューブの接合部分の接合強度の信頼性が害されるといったこともなくなる。更には、バーリング加工部70,71の前後端部分71bでの屈曲部分の曲率半径を小さく設定したことで、この部分にあってはチューブ34とバーリング加工部70,71との接触面積を拡大することができる(図8(a)における寸法tを参照)。つまり、ロウ付け面積の拡大を図ることができる。その結果、この部分に作用していた剥離方向の力(チューブ34に対してバーリング加工部70,71を剥離させる方向の力)に対して十分な接合強度を確保することができ、その信頼性を確保できる。
−他の実施形態−
以上説明した実施形態における排熱回収装置20はガソリンエンジンに設けられたものとしていた。本発明はこれに限らず、ディーゼルエンジンに設けられるものであってもよい。この場合、触媒装置としては例えばDPF(Diesel Particulate Filter)やDPNR(Diesel Particulate -NOx Reduction system)等が適用されることになる。また、上流側触媒5をNOx吸蔵還元触媒(NSR:NOx storage reduction)として、下流側触媒6をNOx選択還元触媒(SCR:Selective Catalytic Reduction)とすることも可能である。
また、本発明は、動力源として内燃機関と電動モータとを併用可能な構成とされたハイブリッド車両に対しても適用可能である。このハイブリッド車両に適用した場合、冷間時の暖機運転完了(暖機運転完了によるエンジンの停止)を短時間で達成することができ、燃料消費量の削減を図ることができる。
また、上記実施形態におけるバーリング加工部70,71はケーシング37の内側に向かって延びる構成とした。本発明はこれに限らず、ケーシング37の外側に向かって延びるバーリング加工部に対しても適用可能である。
また、上記実施形態では、バーリング加工部70,71の内部にチューブ34の先端部を挿入して接合するものとしていた。本発明はこれに限らず、バーリング加工部70,71の外部にチューブ34の先端部を外嵌して接合するものに対しても適用可能である。
更に、上述した実施形態では、本発明を、エンジン1の排気ガスの熱を回収して冷却水温度を上昇させるための排熱回収装置20に適用した場合について説明した。本発明はこれに限定されるものではなく種々の熱回収装置に適用可能である。例えば、エンジンからのEGRガスを吸気系に還流させる際に、このEGRガスを冷却するEGRクーラに適用することなどが挙げられる。
本発明は、自動車用エンジンに搭載され、排気ガスの熱を回収して冷却水の温度上昇を促進させる排熱回収装置に適用可能である。
1 エンジン(内燃機関)
20 排熱回収装置
30 熱回収部
32 排気通路
33 熱媒体通路
34 チューブ
34c 長辺側部分
34d 短辺側部分
37 ケーシング
37c アッパプレート(シェルプレート)
37d ロアプレート(シェルプレート)
38 熱媒体導入開口(開口部)
39 熱媒体導出開口(開口部)
40 凝縮部(放熱部)
70,71 バーリング加工部

Claims (3)

  1. 長辺側部分及び短辺側部分を有して断面が偏平形状とされたチューブの先端部を、シェルプレートにおいてバーリング加工された開口部に接合し、このチューブの内部空間を流れる流体とチューブの外部空間を流れる流体との間で熱交換を行う構成とされた熱回収装置において、
    上記バーリング加工により成形された屈曲部分の曲率半径は、上記チューブの長辺側部分に対応する箇所での曲率半径に対してチューブの短辺側部分に対応する箇所での曲率半径の方が小さく設定されていることを特徴とする熱回収装置。
  2. 請求項1記載の熱回収装置において、
    上記バーリング加工により成形された屈曲部分における上記チューブの長辺側部分に対応する箇所と短辺側部分に対応する箇所との境界部分では、上記長辺側部分に対応する箇所から短辺側部分に対応する箇所に向かうに従って上記屈曲部分の曲率半径が次第に小さくなっていることを特徴とする熱回収装置。
  3. 請求項1または2記載の熱回収装置において、
    上記チューブの内部空間には熱搬送用流体が、チューブの外部空間には熱源用流体がそれぞれ流れ、熱源用流体の熱が熱搬送用流体に与えられることで熱搬送用流体が蒸発し、この気相となった熱搬送用流体を放熱部に搬送し、この放熱部において熱搬送用流体により加熱対象流体を加熱するよう構成されていることを特徴とする熱回収装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20190065958A (ko) * 2017-12-04 2019-06-12 제네럴 일렉트릭 컴퍼니 응력-저항 구조를 갖는 부가적 제조된 유동 구성요소

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