JP2010275984A - エンジン制御装置、及び、エンジン制御方法 - Google Patents

エンジン制御装置、及び、エンジン制御方法 Download PDF

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Takayuki Demura
隆行 出村
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Abstract

【課題】適切に燃料蒸気濃度を検知して効率よく燃料蒸気をパージすることを可能にしながらも、僅かなパージ機会に確実にパージでき、また、パージ通路等の損傷を検知できるエンジン制御装置を提供する。
【解決手段】エンジン制御装置は、燃料蒸気濃度計測装置に対して、締切圧計測処理と空気圧計測処理と燃料蒸気圧計測処理を実行し、その結果に基づいて燃料蒸気濃度を算出し、パージ実行条件が成立すると燃料蒸気濃度に基づいたパージ量でパージする第一パージ制御処理を実行し、燃料蒸気圧計測処理の終了前にパージ実行条件が成立すると、空燃比センサの出力に基づいてパージ量を調整する第二パージ制御処理を実行する。
【選択図】図10

Description

本発明は、キャニスタとエンジンの吸気管を接続するパージ管に設置されたパージバルブを制御して、キャニスタに捕集された燃料蒸気を吸気管にパージするプラグインハイブリッド電気自動車のエンジン制御装置、及び、エンジン制御方法に関する。
近年、燃料の燃焼により駆動するエンジンと、バッテリからの電力により駆動するモータとを備え、エンジン及びモータを併用して車輪を駆動するハイブリッド車両が知られている。
ハイブリッド車両には、エンジンを制御するエンジン制御装置やモータを制御するMG制御装置が設けられ、エンジン制御装置によってエンジンの吸入空気量や燃料噴射量が制御され、MG制御装置によってモータのトルクが制御されている。さらに、エンジン制御装置やMG制御装置と統括するハイブリッド制御装置が設けられている。
ハイブリッド制御装置は、アクセルペダルの操作量、ブレーキペダルの操作量、車速等の情報に基づいて運転者の要求出力を算出するとともに、バッテリの充電状態から充電要求値を算出し、それらの値に基づいて算出した車両要求トルクに基づいて、エンジン制御装置を制御して必要なパワーをエンジンに出力させ、MG制御装置を制御して必要な駆動トルクでモータを駆動させる。
ハイブリッド制御装置は、車両要求トルクが低く、モータのみで走行可能な場合には、エンジンを停止してモータのみで走行制御し、逆に車両要求トルクが高い場合には、エンジンとモータの双方を駆動制御するため、従来のガソリン車に比べて、エンジンを始動する機会が少なく、燃費の向上が図られる。
ところで、ハイブリッド車両にも、燃料タンクで発生した蒸発燃料の大気への放散を防止するために、燃料タンクから導入通路を介して導入された燃料蒸気を捕集する吸着材が充填されたキャニスタを備えている。
キャニスタに捕集された燃料蒸気は、エンジンの駆動時に吸気管に発生する負圧を利用してパージ通路を介して吸気管にパージされ、燃料蒸気のパージにより吸着材の吸着能力が回復する。
エンジン制御装置により、目標空燃比となるように、パージ通路に設けられたパージバルブを調整することにより、キャニスタに捕集された燃料蒸気のパージ量が制御される。
しかし、ハイブリッド車両では、車両要求トルクが低いときにエンジンを駆動することなくモータのみで走行するため、パージ量を稼ぐことのできる吸気管の負圧が大きい状態でエンジンを駆動する機会が少なく、従来のエンジンのみで駆動される車両に比べて、キャニスタに捕集された燃料蒸気のパージが困難となる。このため、蒸発燃料がキャニスタから漏れ出てガソリン臭が発生するという問題があった。
このような問題を解決するため、特許文献1には、吸気管の負圧が低い高負荷域でエンジンが駆動されることが多いハイブリッド車両であっても、適切にパージできるように、燃料タンク、キャニスタ、エンジン吸気管、燃料タンクとキャニスタを接続するベーパ通路、及びキャニスタとエンジン吸気管を接続するパージ通路を有する第1のパージ系統と、燃料タンクとキュニスタよりエンジン吸気管側とをキャニスタをバイバスして接続するバイパス通路、及びバイパス通路に設けられた開閉弁を有する第2のパージ系統を備えた蒸発燃料パージ装置が提案されている。
また、特許文献2には、蒸発燃料濃度を速やかにかつ精度よく測定可能とすることにより、効率よく蒸発燃料をパージするとともに、適正に空燃比制御を行うために、燃料蒸気の計測用に途中に絞りを有する計測通路と、計測通路内に計測通路に沿ってガス流を発生させるガス流発生手段と、計測通路を両端で大気に開放して計測通路に流れるガスを空気とする第1の濃度計測状態と、計測通路を両端でキャニスタと連通して計測通路に流れるガスをキャニスタからの混合気とする第2の濃度計測状態との何れかに切替える計測通路切替え手段と、絞りの両端の差圧を検出する差圧検出手段と、第1の濃度計測状態における検出差圧と第2の濃度計測状態における検出差圧とに基づいて燃料蒸気濃度を演算する燃料蒸気濃度演算手段を備えた蒸発燃料処理装置が提案されている。
上述の構成によれば、パージ通路に流量計を設けてパージ中に燃料蒸気濃度を求める場合と比較して、速やかに燃料蒸気濃度が求まるので、効率よく燃料蒸気をパージしつつ、適正に空燃比制御を行うことができるようになる。
特開平11−13559号公報 特開2006−161795号公報
しかし、モータを駆動するためのバッテリを家庭用電源等で充電可能なプラグイン車両では、ますますパージ機会が減少するため、特許文献1に記載された蒸発燃料パージ装置であっても、十分にパージ処理が行なうことができず、特許文献2に記載された蒸発燃料処理装置では、ポンプの安定駆動や流路の切替等、燃料蒸気濃度を計測するために所要の時間が必要とされるため、エンジンが駆動され、パージ可能な条件に到る前に燃料蒸気濃度が計測できなければ、パージ機会を逸するという問題があった。
さらに、特許文献2に記載された蒸発燃料処理装置では、計測通路に亀裂等の損傷が発生した場合に、適切に燃料蒸気濃度の計測ができず、燃料蒸気が大気に漏洩する虞があるという問題があった。
本発明の目的は、上述の問題点に鑑み、適切に燃料蒸気濃度を検知して効率よく燃料蒸気をパージすることを可能にしながらも、僅かなパージ機会に確実にパージでき、また、パージ通路等の損傷を検知できるエンジン制御装置、及び、エンジン制御方法を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明によるエンジンの制御装置の特徴構成は、キャニスタとエンジンの吸気管を接続するパージ管に設置されたパージバルブを制御して、キャニスタに捕集された燃料蒸気を吸気管にパージするプラグインハイブリッド電気自動車のエンジン制御装置であって、
制御データを記録する記憶部と、
一端が大気開放された計測管に吸引ポンプと絞り部を備え、他端に大気中の空気またはキャニスタからの燃料蒸気を選択的に通流させるバルブ機構を備えるとともに、絞り部の下流側の圧力を検知する圧力センサを備えている燃料蒸気濃度計測装置に対して、吸引ポンプとバルブ機構を制御して計測管に空気及び燃料蒸気の何れも通流させないときに圧力センサにより検知される圧力を計測して記憶部に記憶する締切圧計測処理と、吸引ポンプとバルブ機構を制御して、計測管に空気を通流したときに圧力センサにより検知される圧力を計測して記憶部に記憶する空気圧計測処理と、空気圧計測処理及び締切圧計測処理の終了後に、吸引ポンプとバルブ機構を制御して、計測管に燃料蒸気を通流させたときに圧力センサにより検知される圧力を計測して記憶部に記憶する燃料蒸気圧計測処理と、空気圧計測処理及び燃料蒸気圧計測処理により計測された圧力に基づいて、キャニスタに捕集されている燃料蒸気濃度を算出して記憶部に記憶する燃料蒸気濃度算出処理と、を実行し、燃料蒸気圧計測処理の終了後に所定のパージ実行条件が成立した場合に、燃料蒸気濃度算出処理により算出された燃料蒸気濃度に基づいて、パージバルブの開度を制御する第一パージ制御処理を実行し、燃料蒸気圧計測処理の終了前に所定のパージ実行条件が成立した場合に、排気管に備えた空燃比センサにより検知される空燃比に基づいて、パージバルブの開度を制御する第二パージ制御処理を実行する制御部と、を備えた点にある。
制御部により、燃料蒸気濃度計測装置に対して締切圧計測処理が実行されることにより燃料蒸気濃度計測装置の配管の亀裂等の異常の有無が検知され、空気圧計測処理及び燃料蒸気圧計測処理の結果、得られた各圧力から燃料蒸気濃度算出処理が実行される。そして、制御部は、パージ実行条件が成立すると、算出された燃料蒸気濃度に基づいてパージバルブの開度を制御する第一パージ制御処理を実行することにより、キャニスタに捕集された燃料蒸気を効率的にパージする。さらに、制御部は、燃料蒸気圧計測処理の終了前にパージ実行条件が成立すると、燃料蒸気濃度算出処理の終了を待つことなく、排気管に備えた空燃比センサにより検知される空燃比に基づいて、パージバルブの開度を制御する第二パージ制御処理を実行することにより、発生機会の少ないパージ実行条件の成立時に、キャニスタに捕集された燃料蒸気が確実にパージされるようになる。
以上説明した通り、本発明によれば、適切に燃料蒸気濃度を検知して効率よく燃料蒸気をパージすることを可能にしながらも、僅かなパージ機会に確実にパージでき、また、パージ通路等の損傷を検知できるエンジン制御装置を提供することができるようになった。
本発明によるエンジン制御装置を備えたプラグインハイブリッド車の機能ブロック構成図 動力分割機構を介して接続されるモータジェネレータとエンジンの回転数の関係を示す説明図 エンジンの要部説明図 燃料蒸気濃度計測装置による締切圧測定の説明図 燃料蒸気濃度計測装置による空気圧測定の説明図 燃料蒸気濃度計測装置による燃料蒸気圧測定の説明図 キャニスタに捕集された燃料蒸気のパージ状態の説明図 エンジン制御装置のブロック構成図 燃料蒸気のパージ制御の説明図であり、(a)は第一パージ制御処理の説明図、(b)は第二パージ制御処理の説明図 エンジン制御装置により実行される燃料蒸気濃度計測処理のフローチャート エンジン制御装置により実行されるパージ制御処理のフローチャート 燃料蒸気のパージ制御の別実施形態を示す第二パージ制御処理の説明図
以下、本発明によるエンジン制御装置が組み込まれたハイブリッド電気自動車について説明する。
図1に示すように、ハイブリッド電気自動車1は、動力源として、燃料タンクに充填されたガソリン等で駆動されるエンジン100、主に発電機として機能する第1モータジェネレータ(以下、モータジェネレータを「MG」と記す。)110、主に電動機として機能する第2MG120を備えている。
第1MG110及び第2MG120は交流回転電機で構成され、例えば、U相コイル、V相コイル及びW相コイルを備える三相交流同期回転機が用いられる。
第1MG110による発電電力により第2MG120が駆動され、或いは高圧バッテリ140が充電される。高圧バッテリ140に充電された電力は必要に応じて第2MG120に供給されて車両の走行に消費される。
エンジン100または第2MG120の少なくとも一方からの駆動力によって車両が走行可能なように、エンジン100と第1MG110及び第2MG120が動力分割機構130に連結されている。
動力分割機構130は、サンギヤと、ピニオンギヤと、キャリアと、リングギヤとを含み、ピニオンギヤがサンギヤ及びリングギヤと係合する遊星歯車機構で構成されている。ピニオンギヤを自転可能に支持するキャリアがエンジン100のクランクシャフトに連結され、サンギヤが第1MG110の回転軸に連結され、リングギヤが第2MG120の回転軸及び減速機150に連結され、減速機150を介して車軸160に駆動力が伝達される。尚、図1中、符号170で示される部位は、車軸160に固定された車輪170を示している。
図2に示すように、遊星歯車機構は、サンギヤ、リングギヤ、及びプラネタリキャリヤのうちの何れか二つについて回転数が決定されると、残り一つの回転数は一定に定まり、エンジン100、第1MG110、及び第2MG120の回転数が共線図上に直線で結ばれるように関係付けられている。
図2(a)の停車時から車両が発進するときには、図2(b)に示すように、エンジン100が停止された状態で、第二MG120が駆動される。軽負荷での走行時も、同様にエンジン100が停止された状態で、第二MG120が駆動される。エンジン効率のよい運転領域で定常走行する場合には、主にエンジン100の出力で走行し、動力分割機構を介して駆動される第1MG110による発電電力で第2MG120が駆動され、エンジン出力がアシストされる。
図2(c)に示すように、エンジン100の始動時には、スタータとして機能する第1MG110が駆動され、エンジン100の始動後は第1MG110による発電電力で高圧バッテリが充電される。図2(d)に示すように、定常走行から加速する場合には、エンジン100の回転数を上昇させると同時に、第1MG110による発電電力により第二MG120を駆動し、発電電力が不十分な場合には、高圧バッテリから第二MG120に電力が供給される。
図1に示すように、ハイブリッド電気自動車1には、エンジン100を制御するエンジンECU(以下、「ENG−ECU」と記す。)11、第1MG110及び第2MG120を制御するモータECU(以下、「MG−ECU」と記す。)12、車両外部の電源から供給される電力によって高圧バッテリ1140を制御する充電ECU(以下、「CHG−ECU」と記す。)13が設けられ、これらのECU11,12,13を統括して車両の走行システムを制御するプラグインハイブリッドビークルECU(以下、「PIHV−ECU」と記す。)10が設けられている。
さらに、ナビゲーションシステムを構成するディスプレイECU(以下、「DSP−ECU」と記す。)、各種の情報を運転席全部のパネルに表示するメータECU、盗難防止機能を実現する防盗ECU、スマートキーで車両のロックまたはロック解除を制御するスマートECUなどの電子制御装置(以下、「ECU」と記す。尚、ECUは、Electric Control Unitを意味する)が搭載されている。
各ECUには、CPU、CPUで実行される制御プログラムが格納されたROM、ワーキングエリアとして使用されるRAMを備えた単一または複数のマイクロコンピュータと、入出力インタフェース回路等の周辺回路、必要に応じて重要な制御データを格納するためのEEPROM等の不揮発性メモリが設けられている。
各ECUには、補機バッテリから供給されるDC12Vの直流電圧から所定レベルの制御電圧(例えば、DC5V)を生成するDCレギュレータが設けられ、DCレギュレータの出力電圧がマイクロコンピュータ等の制御回路に供給され、CPUにより制御プログラムが実行されることにより、ECU毎に所期の機能が実現される。
各ECUは、バス型ネットワークであるCAN(Controller Area Network)やBEAN(Body Electronics Area Network)等の通信ライン14を介して接続され、ECU間で各種の制御情報が授受される。尚、CAN通信ラインにはパワートレーン系のECUが接続され、BEAN通信ラインには電装系のECUが接続され、双方の交信のためにゲートウェイECUが設けられている。
システムスイッチが投入されると、PIHV−ECU10は、運転者により操作されるアクセルペダルの踏込み量等に基づいて算出した運転者の要求出力と、高圧バッテリの充電状態に基づいて算出した充電要求値とから車両に必要される全出力を算出し、エンジン動力が必要な場合にENG−ECU11にエンジン制御指令を出力し、モータ動力が必要な場合にMG−ECU12にモータ制御指令を出力する。
PIHV−ECU10により所定インタバルで高圧バッテリ140の電流、電圧、温度が監視され、それらの値を変数とする所定の演算式に基づいて、高圧バッテリ140の充電状態SOC(State of Charge)が算出され、PIHV−ECU10に備えた不揮発性メモリに記憶されている。
ENG−ECU11は、PIHV−ECU10からのエンジン制御指令に基づいて、目標回転数と目標トルクを満たすようにエンジン100を駆動制御する。エンジンの動力の一部が車両の走行に用いられ、一部が第1MG11による発電動力に用いられる。
高圧バッテリ140からの給電経路には、システムメインリレー(SMR)20を介して昇降圧DC−DCコンバータ21が設けられ、昇降圧DC−DCコンバータ21に並列に接続された第1インバータ22、第2インバータ23を介して第1MG110及び第2MG120のU相,V相,W相の各コイルが接続されている。
MG−ECU12は、PIHV−ECU10からのモータ制御指令に基づいて、動力分割機構を介して駆動される第1MG110からの発電電力を、第1インバータ22を介して取り出して、第2インバータ23を介して第2MGに供給し、或いは、第1インバータ22を介して取り出した電力を昇降圧DC−DCコンバータ21を介して所定の充電電圧に降圧して高圧バッテリ140を充電する。
また、モータ単独走行時には、MG−ECU12は、PIHV−ECU10からのモータ制御指令に基づいて、高圧バッテリの出力電圧を昇降圧DC−DCコンバータ21により昇圧するとともに第2インバータ23を制御して、第2MG120を所定のトルクで駆動する。
システムスイッチが遮断されているときに、車両に備えた充電用のインレット25に外部の商用電源28と接続された充電ケーブル26のコネクタ27が装着されると、PIHV−ECU10は、そのときの高圧バッテリ140の充電状態に基づいて必要な充電量を算出し、CHG−ECU13に充電指令を出力する。
CHG−ECU13には、外部電源から供給される交流電力を直流電力に変換するAC/DC変換器を備え、AC/DC変換器により変換された直流電力を高圧バッテリに供給して充電する。
高圧バッテリとしてニッケル水素二次電池やリチウムイオン二次電池が用いられ、その充電状態SOCが所定の上限値及び下限値の範囲に維持されるように、PIHV−ECU10により管理される。
図3に示すように、エンジン100は、内燃部30と、内燃部30へ吸入される空気及び燃料の通路となる吸気管31と、内燃部30で燃焼されたガスを排気する排気管35を備えている。
吸気管31には、吸気管31に吸入される空気量を制御するスロットルバルブ34が設けられ、内燃部30の吸気ポート31に燃料タンク50に貯蔵された燃料を噴射するための燃料噴射弁33が設けられ、排気管35には、内燃部30から排気されたガスを浄化する三元触媒36と、三元触媒36の上流側に設置された空燃比(A/F)センサ37が設けられている。
燃料タンク50とキャニスタ52が蒸気通路51を介して接続され、キャニスタ40と吸気管31がパージ管38で接続されている。燃料タンク50で発生した燃料蒸気が蒸気通路51を介してキャニスタ52に充填された活性炭等の吸着剤に吸着捕集され、パージ管38に備えたパージバルブ39が開放されると、キャニスタ52に捕集された燃料蒸気がパージ管38を介して吸気管31にパージされる。
図8に示すように、ENG−ECU11は、マイクロコンピュータ11aと、EEPROM11gと、入出力回路11hが組み込まれている。マイクロコンピュータ11aは、内部バスを介してROM11c、RAM11d、CANインタフェース11e、入出力インタフェース11f等が接続されたCPU11bを備えている。
ENG−ECU11は、CANを介した他のECUからの制御データに加えて、システムスイッチ信号、クランクパルス信号、空燃比センサ信号、圧力センサ信号等の信号が入力され、それらの制御データや信号状態に基づいて所定の演算処理が実行され、演算処理の結果に基づいて、スロットルバルブ信号、噴射パルス信号、点火パルス信号、パージバルブ信号、吸引ポンプ信号等の駆動信号が出力される。つまり、ROM11cに記憶された制御プログラムに基づいて、各種の演算処理を実行するCPUにより制御部が構成される。
ENG−ECU11は、PIHV−ECU10からの要求出力に基づいてスロットルバルブ34の開度を制御するとともに、空燃比センサ37により検出された酸素濃度に基づいてPI制御によるフィードバック演算で算出した目標燃料供給量となるように噴射パルス信号により燃料噴射弁33を制御する。尚、フィードバック演算では、エンジンの状態により変動する燃焼状態に追随するため、フィードバック演算による補正量を適正な値に調整する学習演算が実行される。このようにして、ENG−ECU11では、安定走行時に三元触媒36が適正に機能するように、理論空燃比の近傍の上下で酸素リッチ及び燃料リッチな状態を交互に切り替えるストイキ制御が実行される。
また、ENG−ECU11は、エンジン100の駆動時に、所定のパージ実行条件が成立すると、パージバルブ39を制御して、キャニスタ52に捕集された燃料蒸気を吸気管31にパージすることにより、キャニスタ52から大気への燃料蒸気の漏洩を回避する。
所定のパージ実行条件が成立するとは、例えば、エンジン回転数が所定の回転数以上で変動が少ない安定状態であること、空燃比センサ37が活性化された安定状態であること、上述した学習演算が終了していること、エンジン制御に必要な各種のセンサの値が正常であること、補機バッテリの電圧が適正な値であること等の複数の条件が同時に成立することをいう。
また、このようなパージ実行条件が成立してパージが行なわれている間に、エンジン回転数が所定数、例えば500rpm低下した場合、空燃比センサ37の値に基づいて、空燃比のフィードバック制御が不安定になったと判断された場合、ENG−ECU11により実行される他のエレメントに対する自己診断処理の結果、或いはCANを介して受信した他のECUにより検知された故障情報に基づいてパージを停止する必要が生じた場合の何れかのパージ禁止条件が成立したときにはパージ処理が禁止される。勿論、パージ実行条件が崩れた場合にもパージ処理が禁止される。
図3及び図4に示すように、キャニスタ52には燃料蒸気濃度計測装置40が接続されている。燃料蒸気濃度計測装置40は、一端がフィルタFを介して大気開放された計測管D1に吸引ポンプ41と絞り部42を備え、吸引ポンプ41と絞り部42の間にサブキャニスタ43を備え、絞り部42の下流側の圧力を検知する圧力センサPを備えている。圧力センサPにより大気圧との相対圧が検知されるのである。
計測管D1の他端が分岐管D2,D3で分岐され、分岐管D2の端部がバルブ機構44を介して大気開放され、分岐管D3の端部がバルブ機構45を介してキャニスタ52に接続されている。つまり、計測管D1の他端に大気中の空気またはキャニスタ52からの燃料蒸気を選択的に通流させる一対のバキュームスイッチングバルブでなるバルブ機構44,45が設けられている。
フィルタFを介して大気開放された計測管D1の一端も、分岐管D4で分岐され、分岐管D4が流路切替弁46、逆止弁47を介して分岐管D3に接続されている。流路切替弁46には、吸引ポンプ41とサブキャニスタ43の間で計測管D1から分岐された分岐管D5が接続され、分岐管D4または分岐管D5の何れかを分岐管D3と通流するように流路切替される。
バルブ機構44,45、吸引ポンプ41、及び、流路切替弁46がENG−ECU11により制御され、キャニスタ52に捕集された燃料蒸気の濃度が算出される。
図4に示すように、流路切替弁46により分岐管D4と分岐管D3を接続し、バルブ機構44,45を閉塞した状態で吸引ポンプ41が駆動すると、計測管D1内部の圧力が低下する。このときに圧力センサにより検知される圧力により締切圧Pclsが計測される。その結果に基づいて計測管D1に亀裂等の損傷があるか否かが判別される。
また、図5に示すように、流路切替弁46により分岐管D4と分岐管D3を接続し、バルブ機構44を開放し、バルブ機構45を閉塞した状態で吸引ポンプ41を駆動すると、分岐管D2から計測管D1に空気が流入し、絞り部42の下流側では圧力損失分だけ大気圧より圧力が低下する。このときに圧力センサにより検知される圧力により空気差圧Pairが計測される。
更に、図6に示すように、流路切替弁46により分岐管D4と分岐管D3を接続し、バルブ機構44を閉塞し、バルブ機構45を開放した状態で吸引ポンプ41を駆動すると、キャニスタ52に捕集された燃料蒸気が分岐管D3、バルブ機構45を介して計測管D1に流入し、キャニスタ52、分岐管D3、計測管D1、分岐管D4、逆止弁47を経由した燃料蒸気の循環経路が形成される。このときに圧力センサにより検知される圧力により燃料蒸気圧Pfuelが計測される。尚、計測管D1に流入した燃料蒸気はサブキャニスタ43で捕集される。
燃料蒸気濃度HCは、以下の関係式により算出される。尚、Kは補正係数であり、その値は1.0898である。
HC=K・50・(−M−(M −4×M1/2
ここに、M,Mは、上述した締切圧Pclsと空気差圧Pairと燃料蒸気圧Pfuelに基づいて、以下の関係式により算出される。
=(Pfuel−Pcls)/(Pair−Pcls
=Pair/Pfuel
ρ=−0.0145165474
=100・P ・P・ρ−2
=1−P ・P
つまり、ENG−ECU11の制御部は、燃料蒸気濃度計測装置40に対して、吸引ポンプ41とバルブ機構44,45を制御して計測管D1に空気及び燃料蒸気の何れも通流させないときに圧力センサPにより検知される圧力を計測して記憶部に記憶する締切圧計測処理と、吸引ポンプ41とバルブ機構44,45を制御して、計測管D1に空気を通流したときに圧力センサPにより検知される圧力を計測して記憶部に記憶する空気圧計測処理と、空気圧計測処理及び締切圧計測処理の終了後に、吸引ポンプ41とバルブ機構44,45を制御して、計測管D1に燃料蒸気を通流させたときに圧力センサPにより検知される圧力を計測して記憶部に記憶する燃料蒸気圧計測処理と、空気圧計測処理及び燃料蒸気圧計測処理により計測された圧力に基づいて、キャニスタに捕集されている燃料蒸気濃度を算出して記憶部に記憶する燃料蒸気濃度算出処理とを実行する。
締切圧計測処理と空気圧計測処理は何れを先に実行されるものであってもよいが、燃料蒸気圧計測処理は、締切圧計測処理と空気圧計測処理が実行された後に行なわれる必要がある。
尚、ここにいう記憶部とは、図8に示すRAM11d及びEEPROM11gを指し、システムスイッチの投入後には、専ら燃料蒸気濃度等の演算値がRAM11dに記憶され、システムスイッチの遮断時には、その直前にEEPROM11gに退避され、システムスイッチの投入時にEEPROM11gからRAM11dに復帰される。
図7及び図9(a)に示すように、ENG−ECU11は、上述したパージ実行条件が成立すると、燃料蒸気濃度算出処理で算出された燃料蒸気濃度に対応した開度でパージバルブ39を制御して、キャニスタ52に捕集された燃料蒸気を短時間でパージする。
パージバルブ39の開度は、予め燃料蒸気濃度とエンジンの回転数により設定された開度マップ情報がROM11cに記憶されており、制御部はROM11cに格納された開度マップ情報に基づいてパージバルブ39を制御する。
このとき、上述した流路切替弁46により、吸引ポンプ41とサブキャニスタ43の間で計測管D1から分岐された分岐管D5が分岐管D3と接続され、サブキャニスタ43に捕集された燃料蒸気も同時にパージされる。
ENG−ECU11は、燃料蒸気濃度算出処理で算出された燃料蒸気濃度に基づいて、空燃比が変動しないように燃料噴射弁33から供給される燃料量を減量調整するとともに、空燃比センサ37により検出された酸素濃度に基づいて、燃料噴射弁33から供給される燃料量を更にフィードバック調整して、空燃比の急激な変動を抑制する。このときの燃料量も、予め燃料蒸気濃度とエンジンの回転数により設定された燃料量マップ情報がROM11cに記憶されており、制御部はROM11cに格納された燃料量マップ情報に基づいて燃料量を設定する。
パージ処理に要する時間は、予め燃料蒸気濃度とエンジンの回転数により設定されたパージ時間マップ情報をROM11cに記憶し、当該パージ時間マップ情報に基づいて決定してもよいし、空燃比センサ37により検出された酸素濃度の変化率に基づいて決定してもよい。
後者の場合、パージされる燃料蒸気が減少するに連れて燃料リーンとなり、燃料噴射弁33から供給される燃料量が増加するので、空燃比センサ37により検出された酸素濃度の上昇率または燃料噴射弁33から供給される燃料量の増加率に閾値を設定し、空燃比センサ37により検出された酸素濃度の上昇率または燃料噴射弁33から供給される燃料量の増加率が閾値を超えたときに、パージ処理を終了するように構成することができる。
高圧バッテリ140が外部電源により充電可能なプラグインタイプのハイブリッド電気自動車では、エンジン始動機会が極めて少なくなり、キャニスタ52に捕集された燃料蒸気をパージする機会も極めて制限されるのであるが、このようなパージ制御により、適切に燃料蒸気濃度を検知して効率よく燃料蒸気をパージすることが可能となる。
しかし、上述した締切圧計測処理、空気圧計測処理、燃料蒸気圧計測処理のそれぞれは、吸引ポンプ41の動作が安定した状態で圧力を計測する必要があり、通常、それぞれの処理に数秒を必要とする。
そのため、パージ実行条件が成立したときに、締切圧計測処理、空気圧計測処理、燃料蒸気圧計測処理の何れかが終了しておらず、それらの処理を継続して、燃料蒸気濃度算出処理の実行後にパージを開始するように制御すると、パージ開始時点でパージ実行条件が崩れ、パージ機会を逸した状態でエンジンを停止しなければならない状態が発生する虞がある。
そこで、本発明によるENG−ECU11の制御部は、燃料蒸気圧計測処理の終了後に所定のパージ実行条件が成立した場合に、燃料蒸気濃度算出処理により算出された燃料蒸気濃度に基づいて、パージバルブの開度を制御する第一パージ制御処理を実行するように構成され、燃料蒸気圧計測処理の終了前に所定のパージ実行条件が成立した場合に、排気管35に備えた空燃比センサ37により検知される空燃比に基づいて、パージバルブ38の開度を制御する第二パージ制御処理を実行するように構成されている。
図9(a)で説明した通り、第一パージ制御処理とは、パージ実行条件が成立すると、燃料蒸気濃度算出処理で算出された燃料蒸気濃度に対応した開度でパージバルブ39を制御して、キャニスタ52に捕集された燃料蒸気を短時間でパージする制御処理である。
図9(b)に示すように、第二パージ制御処理とは、パージ実行条件が成立したときに、燃料蒸気圧計測処理が完了していないと、燃料蒸気圧計測処理を実行することなく、パージバルブ38の開度を所定の最小開度に調整してキャニスタ52に捕集された燃料蒸気をパージし、空燃比センサ37により検知される空燃比に基づいて、空燃比の変動を抑制するようにパージバルブ38の開度を制御する処理である。
このとき、同時に、空燃比センサ37により検知される空燃比に基づいて、燃料噴射弁33の開度が微調整され、空燃比の急激な変動が抑制される。
図12に示すように、第二パージ制御処理として、パージバルブ38の開度を可変に調整することなく、一定の開度、例えば、20%程度の開度に調整し、空燃比センサ37により検知される空燃比に基づいて、燃料噴射弁33の開度を調整することにより空燃比の急激な変動を抑制するように制御することも可能である。
第二パージ制御処理では、キャニスタ52に捕集された燃料蒸気濃度が算出されていないため、第一パージ制御処理のように一気にパージすることができないが、僅かのパージ機会を逸することなくパージするものである。
第二パージ制御処理に要する時間は、第一パージ制御処理で説明したような、空燃比センサ37により検出された酸素濃度の変化率に基づいて決定することができる。つまり、空燃比センサ37により検出された酸素濃度の上昇率または燃料噴射弁33から供給される燃料量の増加率に閾値を設定し、空燃比センサ37により検出された酸素濃度の上昇率または燃料噴射弁33から供給される燃料量の増加率が閾値を超えたときに、パージ処理を終了するのである。
しかしながら、パージバルブ38の開度が小さく、パージ量が少ないため一回のパージ実行条件成立時に全量パージできる確率は低い。
図9(b)に示されているように、制御部は、燃料蒸気圧計測処理の終了前に所定のパージ実行条件が成立した場合に、少なくとも締切圧計測処理及び空気圧計測処理が終了した後に、第二パージ制御処理を実行することが好ましい。締切圧計測処理または空気圧計測処理の実行中にパージ実行条件が成立して、それらの処理を停止すると、再度同様の処理を繰り返す必要があり、パージ機会を逸する確率が高くなるからである。
しかし、燃料蒸気圧計測処理の終了前に所定のパージ実行条件が成立した場合に、制御部は、締切圧計測処理または空気圧計測処理の終了を待たずに、第二パージ制御処理を実行してもよい。この場合には、再度締切圧計測処理または空気圧計測処理を繰り返す必要がある。
また、図9(b)に示されているように、締切圧計測処理及び空気圧計測処理が終了していると、制御部は、第二パージ制御処理の終了後に、燃料蒸気圧計測処理及び燃料蒸気濃度算出処理を実行することにより、次のパージ実行条件の成立に備える。
制御部は、システムスイッチが投入された後、締切圧計測処理及び空気圧計測処理を実行すると、その後システムスイッチが再投入されるまでの間は、締切圧計測処理及び空気圧計測処理を行なうことなく、燃料蒸気圧計測処理及び燃料蒸気濃度算出処理を実行する。システムスイッチが投入された後に一度締切圧計測処理及び空気圧計測処理が実行されると、その後締切圧や空気圧が大きく変動することは稀であり、極力パージ機会を確保するためである。
燃料蒸気圧計測処理及び燃料蒸気濃度算出処理は、第一パージ制御処理または第二パージ制御処理の実行後に、定期的に実行される。
尚、締切圧計測処理、空気圧計測処、燃料蒸気圧計測処理、及び燃料蒸気濃度算出処理は、必ずしもエンジン100の駆動時に実行される必要は無く、エンジン100を停止した第2MG120のみによるモータ走行時に行なうことも可能である。
締切圧計測処理により、計測管D1等の異常、つまり亀裂等の発生が検知されると、燃料蒸気濃度計測装置40の故障を示すコード情報を生成して、RAM11dに記憶するとともに、CANを介してメータECUにコード情報を送信する。メータECUは、受信した故障コードに基づく警告表示をインスツルメントパネルに表示する。ENG−ECU11は、システムスイッチが遮断されると、その直前にコード情報をRAM11dから読み出してEEPROM11gにセーブする。
システムスイッチが遮断されたか否かは、ENG−ECU11に入力されるシステムスイッチ信号により判別され、システムスイッチが遮断されたと判別したENG−ECU11は、重要な制御情報をRAM11dから読み出してEEPROM11gにセーブするとともに必要な処理を実行した後に、補機バッテリからENG−ECU11に給電される電源リレーを遮断するように構成されている。
尚、システムスイッチがPIHV−ECU10により監視され、CANを介して当該情報を受信することによりシステムスイッチが遮断されたことを検知してもよい。この場合には、PIHV−ECU10により補機バッテリから各ECUに給電される電源リレーが遮断されるので、CANを介して当該情報を受信した各ECUが、電源リレーが遮断される迄の所定時間内に重要な制御時データの退避処理等を行なうように構成すればよい。
ENG−ECU11は、燃料蒸気濃度計測装置40が故障したと判定すると、燃料蒸気濃度算出処理により算出された燃料蒸気濃度は、最早信頼できないため、以後、燃料蒸気圧計測処理及び燃料蒸気濃度算出処理を行なうことなく、専ら第二パージ制御処理によりキャニスタ52に捕集された燃料蒸気のパージを行なう。
以下、図10及び図11のフローチャートに基づいて、ENG−ECU11の制御部により実行されるパージ制御について説明する。
制御部は、PIHV−ECU10からの制御指令に基づいてエンジンを駆動しているときに、上述したパージ条件が成立するとパージ実行条件成立フラグをセットし、パージ実行条件が破綻し、或いはパージ禁止条件が成立するとパージ実行条件成立フラグをリセットする。
図10に示すように、制御部は、パージ実行条件成立フラグがリセットされている場合、或いはエンジンが停止している場合に(S1,N)、締切圧計測処理を実行して、その計測値をRAMに記憶し(S2)、その結果に基づいて計測管の異常、つまり燃料蒸気濃度計測装置40が故障しているか否かを判定する(S3)。
燃料蒸気濃度計測装置40が故障していると判定すると、RAMに故障情報を記憶するとともにメータECUに故障コードを送信し(S4)、燃料蒸気濃度計測装置40が正常であると判定すると(S3,Y)、続けて空気圧計測処理を実行し、その計測値をRAMに記憶する(S5)。
続けて、燃料蒸気計測処理を実行する必要があるか否か判断され(S6)、必要がある場合には、燃料蒸気計測処理を実行し、その計測値をRAMに記憶し(S7)、ステップS2,S5,S7の結果を、既に説明した演算式に代入して、キャニスタに捕集された燃料蒸気濃度を求める燃料蒸気濃度演算処理を実行する(S8)。
ステップS6の判断処理は、ステップS7の燃料蒸気計測処理、及びステップS8の燃料蒸気濃度演算処理が、パージ処理の実行後または前回の実行から所定時間経過しているか否かを判断する処理で、燃料蒸気計測処理及び燃料蒸気濃度演算処理が、パージ処理の実行後または所定時間間隔で繰り返され、常に最新の燃料蒸気濃度が算出されるように処理される。
制御部は、このような燃料蒸気濃度計測処理の最中に、他の制御処理でパージ実行条件成立フラグがセットされたことを確認すると(S1,Y)、計測処理を中断して図11に示す燃料蒸気パージ処理を実行する。
図11に示すように、パージ実行条件成立フラグがセットされると(S10)、燃料蒸気圧計測処理が終了しているか否かが判断され(S11)、燃料蒸気圧計測処理が終了している場合には、第一パージ制御処理が実行される(S19)。ステップS19の実行に際して、燃料蒸気濃度演算処理が終了していなければ、燃料蒸気濃度演算処理の終了後に第一パージ制御処理が実行されることはいうまでもない。
パージ実行条件成立フラグがリセットされると(S10)、パージ制御を終了してパージバルブ39を閉塞してパージ処理を終了する(S20)。
ステップS11で燃料蒸気圧計測処理が終了していないと判断されると、空気圧計測処理までの処理が完了しているか否かが判断され(S12)、空気圧計測処理までの処理が完了していない場合には、締切圧計測処理(S13)、締切圧の異常判断(S14)、異常である場合にRAMへの故障情報の記憶、及び、メータECUへの故障コードの送信処理(S15)を実行し、RAMに記憶された故障コードに基づいて燃料蒸気濃度計測装置40が故障していると判定すると(S16)、空気圧計測処理を行なうことなく、直ちに第二パージ制御処理を実行する(S18)。
ステップS16で燃料蒸気濃度計測装置40が正常であると判定すると、空気圧計測処理を実行した後に(S17)、第二パージ制御処理を実行する(S18)。
ステップS13からステップS15の処理は、既に図10で説明した燃料蒸気濃度計測処理で終了している場合には実行されず、ステップS16からステップS17の処理が実行される。
つまり、ENG−ECU11の制御部により、燃料蒸気濃度計測装置に対して、吸引ポンプとバルブ機構を制御して計測管に空気及び燃料蒸気の何れも通流させないときに圧力センサにより検知される圧力を計測する締切圧計測処理と、吸引ポンプとバルブ機構を制御して、計測管に空気を通流したときに圧力センサにより検知される圧力を計測する空気圧計測処理と、空気圧計測処理及び締切圧計測処理の終了後に、吸引ポンプとバルブ機構を制御して、計測管に燃料蒸気を通流させたときに圧力センサにより検知される圧力を計測する燃料蒸気圧計測処理と、空気圧計測処理及び燃料蒸気圧計測処理により計測された圧力に基づいて、キャニスタに捕集されている燃料蒸気濃度を算出する燃料蒸気濃度算出処理とが実行され、燃料蒸気圧計測処理の終了後に所定のパージ実行条件が成立した場合に、燃料蒸気濃度算出処理により算出された燃料蒸気濃度に基づいて、パージバルブの開度を制御する第一パージ制御処理が実行され、燃料蒸気圧計測処理の終了前に所定のパージ実行条件が成立した場合に、排気管に備えた空燃比センサにより検知される空燃比に基づいて、燃料噴射弁またはパージバルブの開度を制御する第二パージ制御処理が実行される。
上述した実施形態では、パラレルシリーズハイブリッドシステムを採用したプラグインハイブリッド自動車について説明したが、本発明はプラグイン機構を備えていないパラレルシリーズハイブリッドシステムを採用したハイブリッド自動車にも適用可能である。
また、本発明は、車輪の駆動をモータで行ない、エンジンはモータへの電力供給のための発電機を駆動するために用いられるシリーズハイブリッドシステムを採用したプラグインハイブリッド自動車や、エンジンとモータの双方で車輪を直接駆動するパラレルハイブリッドシステムを採用したプラグインハイブリッド自動車にも適用可能である。
以上説明した実施形態は、本発明の一例に過ぎず、本発明の作用効果を奏する範囲において各ブロックの具体的構成等を適宜変更設計できることは言うまでもない。
1:プラグインハイブリッド電気自動車
10:PIHV−ECU
11:エンジン制御装置(ENG−ECU)
12:MG−ECU
13:CHG−ECU
38:パージ管
39:パージバルブ
40:燃料蒸気濃度計測装置
41:吸引ポンプ
42:絞り部
43:サブキャニスタ
44,45:バルブ機構
50:燃料タンク
52:キャニスタ
100:エンジン
110:第1MG
120:第2MG
130:動力分割機構
140:高圧バッテリ
D1:計測管
P:圧力センサ

Claims (5)

  1. キャニスタとエンジンの吸気管を接続するパージ管に設置されたパージバルブを制御して、キャニスタに捕集された燃料蒸気を吸気管にパージするプラグインハイブリッド電気自動車のエンジン制御装置であって、
    制御データを記録する記憶部と、
    一端が大気開放された計測管に吸引ポンプと絞り部を備え、他端に大気中の空気またはキャニスタからの燃料蒸気を選択的に通流させるバルブ機構を備えるとともに、絞り部の下流側の圧力を検知する圧力センサを備えている燃料蒸気濃度計測装置に対して、
    吸引ポンプとバルブ機構を制御して計測管に空気及び燃料蒸気の何れも通流させないときに圧力センサにより検知される圧力を計測して記憶部に記憶する締切圧計測処理と、
    吸引ポンプとバルブ機構を制御して、計測管に空気を通流したときに圧力センサにより検知される圧力を計測して記憶部に記憶する空気圧計測処理と、
    空気圧計測処理及び締切圧計測処理の終了後に、吸引ポンプとバルブ機構を制御して、計測管に燃料蒸気を通流させたときに圧力センサにより検知される圧力を計測して記憶部に記憶する燃料蒸気圧計測処理と、
    空気圧計測処理及び燃料蒸気圧計測処理により計測された圧力に基づいて、キャニスタに捕集されている燃料蒸気濃度を算出して記憶部に記憶する燃料蒸気濃度算出処理と、を実行し、
    燃料蒸気圧計測処理の終了後に所定のパージ実行条件が成立した場合に、燃料蒸気濃度算出処理により算出された燃料蒸気濃度に基づいて、パージバルブの開度を制御する第一パージ制御処理を実行し、
    燃料蒸気圧計測処理の終了前に所定のパージ実行条件が成立した場合に、排気管に備えた空燃比センサにより検知される空燃比に基づいて、パージバルブの開度を制御する第二パージ制御処理を実行する、
    制御部と、
    を備えているエンジン制御装置。
  2. 制御部は、燃料蒸気圧計測処理の終了前に所定のパージ実行条件が成立した場合に、少なくとも締切圧計測処理及び空気圧計測処理が終了した後に、第二パージ制御処理を実行する請求項1記載のエンジン制御装置。
  3. 制御部は、第二パージ制御処理の終了後に、燃料蒸気圧計測処理及び燃料蒸気濃度算出処理を実行する請求項1または2記載のエンジン制御装置。
  4. 制御部は、システムスイッチが投入された後、締切圧計測処理及び空気圧計測処理を実行すると、その後システムスイッチが再投入されるまでの間は、締切圧計測処理及び空気圧計測処理を行なうことなく、燃料蒸気圧計測処理及び燃料蒸気濃度算出処理を実行する請求項1から3の何れかに記載のエンジン制御装置。
  5. キャニスタとエンジンの吸気管を接続するパージ管に設置されたパージバルブを制御して、キャニスタに捕集された燃料蒸気を吸気管にパージするプラグインハイブリッド電気自動車のエンジン制御方法であって、
    一端が大気開放された計測管に吸引ポンプと絞り部を備え、他端に大気中の空気またはキャニスタからの燃料蒸気を選択的に通流させるバルブ機構を備えるとともに、絞り部の下流側の圧力を検知する圧力センサを備えている燃料蒸気濃度計測装置に対して、
    吸引ポンプとバルブ機構を制御して計測管に空気及び燃料蒸気の何れも通流させないときに圧力センサにより検知される圧力を計測する締切圧計測処理と、
    吸引ポンプとバルブ機構を制御して、計測管に空気を通流したときに圧力センサにより検知される圧力を計測する空気圧計測処理と、
    空気圧計測処理及び締切圧計測処理の終了後に、吸引ポンプとバルブ機構を制御して、計測管に燃料蒸気を通流させたときに圧力センサにより検知される圧力を計測する燃料蒸気圧計測処理と、
    空気圧計測処理及び燃料蒸気圧計測処理により計測された圧力に基づいて、キャニスタに捕集されている燃料蒸気濃度を算出する燃料蒸気濃度算出処理と、
    を実行し、
    燃料蒸気圧計測処理の終了後に所定のパージ実行条件が成立した場合に、燃料蒸気濃度算出処理により算出された燃料蒸気濃度に基づいて、パージバルブの開度を制御する第一パージ制御処理を実行し、
    燃料蒸気圧計測処理の終了前に所定のパージ実行条件が成立した場合に、排気管に備えた空燃比センサにより検知される空燃比に基づいて、パージバルブの開度を制御する第二パージ制御処理を実行する、
    エンジン制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106704041A (zh) * 2015-09-02 2017-05-24 北汽福田汽车股份有限公司 碳罐脱附系统的控制方法、控制装置及碳罐电磁阀
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