JP2010275787A - 人工芝生 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】植設された芝糸間に粒状体を充填して粒状体層を設ける人工芝生において、前記粒状体層の少なくとも表面部に、比重1以上で独立発泡構造を含む弾性発泡粒状体で構成される弾性層を設ける。
前記弾性発泡粒状体を独立発泡構造に構成するので、雨などが降って水に濡れることがあっても、弾性発泡粒状体の内部に水が入り込むことによって生じる膨潤などが抑制され、弾性発泡粒状体の水濡れによる状態変化を小さなものとして人工芝生の使用感の変動を小さくする。また、前記弾性発泡粒状体の比重が1以上なので、雨などが降っても浮上して流されない。
【選択図】 図1
Description
上記充填材には、吸水により初期体積の1.2倍以上に膨張し、乾燥によりほぼ初期体積まで収縮する膨張性弾性粒状物が含まれていることを特徴とする充填材入り人工芝が開示されている。
すなわち本発明に係る人工芝生は、芝糸を基布に植設し、前記植設された芝糸間に粒状体を充填して粒状体層を設けた人工芝生であって、
前記粒状体層の少なくとも表面部に、比重1以上で独立発泡構造を有する弾性発泡粒状体を含む弾性層を設けたことを特徴としている。
また、前記弾性発泡粒状体を独立発泡構造に構成するので、雨などが降って水に濡れることがあっても、弾性発泡粒状体の内部に水が入り込むことによって生じる膨潤などが抑制され、弾性発泡粒状体の水濡れによる状態変化を小さなものとして人工芝生の使用感の変動を小さくする。
また、前記弾性発泡粒状体の比重が1以上なので、雨などが降って人工芝生上に水たまりなどが形成されても、弾性発泡粒状体が水に浮上して流されることがなく、弾性発泡粒状体が容易に移動せず、粒状体層の表面部に設けられた弾性層が継続的に保たれる。
また、熱可塑性エラストマーに炭酸カルシウムを配合して前記弾性粒状体を形成すれば、容易にその比重を1以上にして押出成形などによって形成できるので好ましい。
また、熱可塑性エラストマーに酸化チタンを配合して前記弾性粒状体を形成すれば、その日射反射率を容易に向上させることができる。
本実施形態の人工芝生は、ポリプロピレン製の平織りの織布を用いた基布2にポリエチレン製の芝糸3をカットパイル状に植設して芝葉を形成し、基布2の裏面からウレタン樹脂等のバッキング材5を塗布して芝糸3を固定している。これを、基礎層4に敷設した後、その上方から散布機によって粒状体を散布し、植設された各芝糸3の間に充填して粒状体層1を形成している。
また、本実施形態では、基礎層4の上面にバッキング材5を接して人工芝生を敷設させているが、これに限るものではなく、基礎層4とバッキング材5との間に発泡ウレタンなどで形成させた弾性舗装層などを設けても良い。
また、本実施形態は上層11と下層12の二層構造に構成しているが、これに限るものではなく、下層12の下方に更に異なる粒状体層を追加して設けてもよい。
本実施形態では、発泡剤に炭酸水素ナトリウムを主成分とした化学発泡剤を用いているが、これに限るものではなく、弾性発泡粒状体を独立発泡構造に形成するものであればなんでもよい。一例として、有機系や無機系の化学発泡剤や物理発泡剤を用いることができ、中でも重炭酸塩、炭酸塩、亜硝酸塩、水素化物などの無機系の熱分解型化学発泡剤を好適に用いることができる。
これにより、雨などが降って水に濡れることがあっても、連続発泡構造を有するものと異なり、弾性発泡粒状体の内部に水が入り込みにくくなるので、弾性発泡粒状体の膨潤などが抑制され、弾性層11の水濡れによる状態変化を小さなものとして人工芝生の使用感の変動を小さくできる。
本実施形態の弾性発泡粒状体の成形は、発泡剤とその他の原材料とを押出機の中で混合させているが、これに限るものではなく、押出機へ供給する前に混合させても良い。また、弾性発泡粒状体の成形は上記の方法に限るものではなく、独立発泡構造を有する粒状体に形成できればなんでもよく、射出成形などによってあらかじめ大きな塊に形成した弾性発泡体を粒状体に粉砕してもよいが、原材料の混練と発泡成形とを同時に行える押出成形を用いるのが好ましい。
上記の原料を発泡剤とともに押出機に供給して発泡させて、弾性発泡粒状体を独立発泡構造に形成すると共に、その比重を1以上に構成させる。発泡倍率は発泡剤混入前の原料の比重に応じて適宜調整可能であるが、本実施形態はベース材2重量部に対して炭酸カルシウム3重量部を配合させて、発泡剤混入前の原料の比重を1.4程度に形成し、これを発泡倍率1.3倍程度に発泡成型させて、弾性発泡粒状体の比重を1.07程度に構成させている。
本実施形態では、弾性層11を弾性発泡粒状体のみで構成させているが、これに限るものではなく、弾性発泡粒状体以外の粒状体を含有させても良い。しかし、弾性発泡粒状体のみで構成させることで、上記の効果をより大きく得られ好ましい。
最後に下式に基づき、測定サンプルの比重を算出する。下式においてCはエタノール中のサンプル重量Bの測定時の温度におけるエタノールの比重である。
サンプルの比重=(A×C)÷(A−B)
上記に記載の重量の測定には、メトラ・トレド社製のXS204を用いて実施した。
弾性発泡粒状体の材料の配合としては、スチレン系樹脂エラストマーを50wt%、炭酸カルシウムを48.6wt%、炭酸水素ナトリウムを0.4wt%配合し、その他の添加剤として紫外線吸収剤や調色用の顔料などを合計で1wt%配合している。
実施例1は、調色用の顔料として、亜鉛フェライト、酸化チタンを配合し、弾性発泡粒状体をベージュ色の色調に形成した。
平均分光反射率および日射反射率の算出の方法は、最初に弾性発泡粒状体の原料構成から発泡剤のみを除去した組成の原料によってシート状サンプルを作成する。
次に、(株)島津製作所製の紫外・可視・近赤外 分光光度計 UV-3150を用い、波長350〜2100nmの範囲の分光反射率を50nm間隔で測定する。
平均分光反射率はこの測定値を単純平均して算出したものであり、可視光と赤外線の波長領域の平均分光反射率として、350〜750nmの波長領域と、800〜2100nmの波長領域との平均分光反射率をそれぞれ算出している。
日射反射率は、上記の測定データを用い、JIS A 5759に基づく方法で算出した
可視光の波長領域の平均分光反射率は52.8%、赤外線の波長領域の平均分光反射率は57.8%、日射反射率は61.8%であった。
可視光の波長領域の平均分光反射率は25.4%、赤外線の波長領域の平均分光反射率は50.9%、日射反射率は40.1%であった。
可視光の波長領域の平均分光反射率は7.8%、赤外線の波長領域の平均分光反射率は8.7%、日射反射率は9.1%であった。
45.5℃、実施例2が49.4℃、比較例1が55.2℃であり、実施例1,2が比較例1よりも高い温度抑制効果を示すことを確認した。
また上記の実施例および比較例を目視で観察したときに、眩しいと感じるまでには至らないレベルであったが、中でも実施例2は明るさが抑えられているように視認された。
上記の表面温度の測定方法は、作成した各弾性発泡粒状体のサンプルを10×10×3cmの木製容器に入れ、快晴の日に上面を上に向けて屋外で曝露した。このときの表面温度を、株式会社アピステ社製のサーモグラフィー FSV−7000Sによって、11時〜13時半の間を30分間隔で測定し、各測定値の平均値を算出している。
トラクション試験に用いる試験装置6は、BS7044の規定の試験装置を用いて実施している。
詳細には、試験装置6は総重量46kg、シャフト61の長さ800mm、接地ディスク62の直径145mmm、接地ディスク62下面のスタッド63の配置を接地ディスク62の中心からスタッド63の中心まで46mmとし、6個のスタッド63を配置している。
次に、シャフト61の上部に取り付けられたトルクメータ64を回転させて、試験装置6の接地ディスク62を上層11の上面で滑らせて回転させ、その回転の角度が45゜を超えない範囲で回転させる時に、トルクメータ64が示した抵抗の最高値を読み取り、記録する。トルクメータ64を回転させるときには、垂直方向に余分な力がかからないように注意する。
上記の試験を測定場所を変更して5回行い、その記録値の平均値をトラクションの値とする。
粒状体層1は、弾性層11と下層12との二層構造に形成し、それぞれ10mmの厚みに形成している。
下層12は下層弾性粒状体と硅砂とで構成され、それぞれ1:1の重量比で配合している。
下層弾性粒状体は廃タイヤなど廃棄ゴム製品の粉砕品で構成されており、その中には多数の材質のゴム製品が混合されて構成させている。
弾性層11を構成する粒状体としては、それぞれ前記の実施例1の構成の弾性発泡粒状体と、実施例1の原材料から発泡剤を除去して同重量の炭酸カルシウムを配合させて形成した粒状体である比較例2とを用いて、トラクション試験を実施した。
11 弾性層
12 下層
2 基布
3 芝糸
4 基礎層
5 バッキング材
6 試験装置
61 シャフト
62 接地ディスク
63 スタッド
64 トルクメータ
Claims (3)
- 芝糸を基布に植設し、前記植設された芝糸間に粒状体を充填して粒状体層を設けた人工芝生であって、
前記粒状体層の少なくとも表面部に、比重1以上で独立発泡構造を有する弾性発泡粒状体を含む弾性層を設けたことを特徴とする人工芝生。 - 前記弾性発泡粒状体が、熱可塑性エラストマーに炭酸カルシウム及び酸化チタンが配合され、かつ日射反射率が60%以上であることを特徴とする請求項1に記載の人工芝生。
- 前記弾性発泡粒状体の分光反射率において、波長350〜750nm域の平均分光反射率が35%以下であるとともに、波長800〜2100nm域の平均分光反射率が45%以上であること特徴とする請求項1に記載の人工芝生。
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