JP2004211448A - 粒体入り人工芝生およびその製造方法 - Google Patents

粒体入り人工芝生およびその製造方法 Download PDF

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誠 中原
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稔 高橋
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Abstract

【解決課題】衝撃吸収性に優れ、競技者の疲労感が少なく、衝撃吸収性の低下が少ないうえに軟質粒体の流出等を防止できて競技者の受ける感触の変化の少ない粒体入り人工芝生とその製造方法を提供する。
【解決手段】基材に植設されたパイル間に硬質粒体と軟質粒体との混合物が充填されており、かつ、軟質粒体は、1mあたり5〜25kgの範囲内で充填されているとともに粒径0.7mm以下の微細粒体の含有率が10重量%以下である粒体入り人工芝生を、パイル間に上記混合物を充填したり、パイル間に硬質粒体を充填する工程とパイル間に軟質粒体を充填する工程とを交互に繰り返し行うとともに、これら両工程の交互繰り返しのたびに硬質粒体と軟質粒体とを混合することによって得る。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テニス、サッカー、野球、ラグビー、ホッケー、フットサル、アメリカンフットボール、陸上競技等の運動施設に敷設して用いるのに好適な粒体入り人工芝生に関する。
【0002】
【従来の技術】
よく知られているように、サッカーや野球等の運動施設に人工芝生が用いられている。なかでも、天然芝生に近い人工芝生が得られることから、基材に植設されたパイル間に粒体を充填してなる、一般に砂入り人工芝生と呼ばれる粒体入り人工芝生が多用されている。
【0003】
そのような粒体入り人工芝生は、珪砂等の硬質粒体を充填してなるものが主であるが、近年はゴムチップ等の軟質粒体を充填してなるものもある。また、上述の硬質粒体と軟質粒体とを層状に充填したり、硬質粒体と軟質粒体との混合物を充填したりして両者を併用したものがある。近年は、重量があるために下地基盤に接着する必要がなく、施工が容易な硬質粒体を充填してなるものの長所と、衝撃吸収性に優れていて競技者がけがをしにくいという弾性粒体を充填してなるものの長所とをあわせて発現することができるという理由で、後者の、硬質粒体と軟質粒体とを併用してなるもの、なかでも、硬質粒体と軟質粒体との混合物を充填してなるものが注目されている。
【0004】
硬質粒体と軟質粒体との混合物を充填してなる粒体入り人工芝生は、他の粒体入り人工芝生と同様、比較的長いパイル長を有し、その葉先は、充填された混合物の表面から長いものでは10mm以上突出するように構成されていて、衝撃吸収性に優れ、競技者の疲労感が少なく、ボールの転がり特性の変化も少ないといわれている(たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。しかしながら、衝撃吸収性は軟質粒体の充填量によって変わり、その量によっては期待するほどの衝撃吸収性は得られない。また、微細な軟質粒体が含まれていると、軟質粒体は比重が小さいゆえに降雨や競技時の衝撃等によってそれが表面に浮き出してきたり流出したりして、衝撃吸収性が低下してくる。また、競技者の受ける感触が微妙に変わったり、競技者の衣服に付着するといった問題もある。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−112906号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平5−112907号公報
【0007】
【特許文献3】
特開平5−171612号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来の技術の上述した問題点を解決し、衝撃吸収性に優れ、競技者の疲労感が少なく、衝撃吸収性の低下が少ないうえに軟質粒体の流出等を防止できて競技者の受ける感触の変化の少ない粒体入り人工芝生と、そのような粒体入り人工芝生を容易に製造する方法を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、基材に植設されたパイル間に硬質粒体と軟質粒体との混合物が充填されており、かつ、軟質粒体は、1mあたり5〜25kgの範囲内で充填されているとともに粒径0.7mm以下の微細粒体の含有率が10重量%以下である粒体入り人工芝生を提供する。
【0010】
上記において、硬質粒体は、真比重が1.5〜2.8の範囲内にあるものが好ましい。また、硬質粒体は、1mあたり7〜40kgの範囲内で充填されているのが好ましく、粒径は0.05〜1.5mmの範囲内にあるのが好ましい。
【0011】
また、軟質粒体は、真比重が0.95〜2.5の範囲内にあるものが好ましく、粒径が0.4〜5mmの範囲内にあるものが好ましい。
【0012】
上述したような粒体入り人工芝生は、基材に植設されたパイル間に硬質粒体と軟質粒体との混合物を充填することによって製造される。基材に植設されたパイル間に硬質粒体を充填する工程と基材に植設されたパイル間に軟質粒体を充填する工程とを交互に繰り返し行うとともに、これら両工程の交互繰り返しのたびに硬質粒体と軟質粒体とを混合することによってもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の粒体入り人工芝生は、ポリプロピレン、ポリエチレン等のマルチフィラメント糸、スリットヤーン等の平織物等からなる基材に、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン66、塩化ビニリデン等のマルチフィラメント糸、スリットヤーン等からなるパイル糸をタフティングしてカットパイルやループパイルを形成し、基布の裏面にゴム等の塗布層を設けてパイル糸を固定した人工芝生のパイル間に、硬質粒体と軟質粒体との混合物を充填してなる。パイルは、充填される混合物を十分に保持し、その流出や飛散等を防止して長期にわたって高い衝撃吸収性が得られるよう、35mm以上といった比較的長いものとするとともに、天然芝生に近い風合いが得られるよう、長さ80mm以下のものとするのが好ましい。そのようなパイル間に硬質粒体とともに充填される軟質粒体は、1mあたり5〜25kgの範囲内で充填されており、また、粒径0.7mm以下の微細粒体の含有率が10重量%以下のものである。
【0014】
上記において、硬質粒体としては、珪砂、まさ土、セラミックス粒、陶磁器屑粒、廃ガラス粒、下水汚泥溶融スラグ粒、ごみ溶融スラグ粒等を用いることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なかでも、珪砂は、安価であるばかりでなく、全国各地で産出されるので、これを用いると粒体入り人工芝生施設を低コストで施工することができるようになる。また、陶磁器屑粒、廃ガラス粒、下水汚泥溶融スラグ粒、ごみ溶融スラグ粒等を用いると、産業廃棄物の量を削減できるようになる。
【0015】
硬質粒体は、真比重が1.5〜2.8の範囲内にあるものを用いるのが好ましい。硬質粒体は、その重量により粒体入り人工芝生を下地基盤上に固定するのに有用であるが、真比重があまり低いと固定が不十分になることがあり、使用時に粒体入り人工芝生が剥がれたり部分的にしわを発生したりすることがある。一方、あまり高いと、軟質粒子との真比重の差が大きくなりすぎ、長期間使用すると軟質粒体が表層部に浮き出し、衝撃吸収性が低下することがある。それゆえ、硬質粒体は真比重が1.5〜2.8の範囲内にあるものを用いるのが好ましい。
【0016】
また、硬質粒体は、1mあたり5〜25kgの範囲内で充填されているのが好ましい。硬質粒体は、上述したように、その重量により粒体入り人工芝生を下地基盤上に固定するのに有用であるが、充填量があまり少ないと固定が不十分になることがあり、使用時に粒体入り人工芝生が剥がれたり部分的にしわを発生したりすることがある。また、粒体入り人工芝生を下地基盤上に接着することが必要になる場合もある。一方、あまり多いと降雨時等に流出することがある。それゆえ、硬質粒体は1mあたり5〜25kgの範囲内で充填されているのが好ましい。
【0017】
さらに、硬質粒体は、粒径が0.05〜1.5mmの範囲内にあるものを用いるのが好ましい。粒径があまりに小さいと、競技者の動きや、ボールの反発、転がり等によって粉塵が発生することがあり、その場合、プレー環境が悪化したり、観客席を汚したり、張り替える際の施工環境が悪化したりするようになる。また、あまりに大きいと、競技者が転倒時やスライディング時等に擦り傷を受けたり、大きな打撲を受けたりすることがある。それゆえ、硬質粒体は粒径が0.05〜1.5mmの範囲内にあるものを用いるのが好ましい。
【0018】
一方、軟質粒体としては、ゴムチップ、プラスチック粒、発泡プラスチック粒等を用いることができる。なかでも、弾性を有し、繰り返し衝撃を受けても初期の形状を保ちやすく、しかも、粒体入り人工芝生に優れた衝撃吸収性を与えることができるゴムチップを用いるのが好ましい。ゴムチップの素材としては、天然ゴム、エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンターポリマーゴム、シリコーンゴム、クロロスルフフォン化ポリエチレンゴム等を用いることができる。また、プラスチック粒の素材としては、ナイロン6、ナイロン66、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリウレタン等を用いることができるし、発泡プラスチック粒の素材としては、ナイロン6、ナイロン66、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリウレタン等の独立発泡体または連続発泡体や、これらの素材からなる不織布、織物、編物等の裁断片を用いることができる。
【0019】
上述したような軟質粒体は、真比重が0.95〜2.5の範囲内にあるものを用いるのが好ましい。軟質粒体の真比重が低すぎると、硬質粒体との真比重の差によって降雨時や競技時に硬質粒体と分離したり、降雨時に流出したりして衝撃吸収性が低下することがある。また、真比重が高すぎると、やはり硬質粒体との真比重の差によって使用時に硬質粒体と分離し、衝撃吸収性が低下することがある。それゆえ、軟質粒体は真比重が0.95〜2.5の範囲内にあるものを用いるのが好ましい。
【0020】
軟質粒体は、また、粒径が0.4〜5mmの範囲内にあるものを用いるのが好ましい。粒径が小さすぎると、競技者の動きや、ボールの反発、転がり等によって粉塵が発生することがあり、その場合、プレー環境が悪化したり、観客席を汚したり、張り替える際の施工環境が悪化したりするようになる。また、あまりに大きいと、表面品位が低下し、天然芝生に近い風合いを得られなくなることがある。それゆえ、軟質粒体は粒径が0.4〜5mmの範囲内にあるものを用いるのが好ましい。
【0021】
さて、上述したように、軟質粒体は、1mあたり5〜25kgの範囲内で充填されている。1mあたりの充填量が5kgよりも少ないと、衝撃吸収特性が極端に低下し、競技者が転倒時やスライディング時等に擦り傷を受けたり、大きな打撲を受けたりするようになる。また、25kgよりも多いと、競技者の受ける疲労感が大きく増大する。それゆえ、軟質粒体は1mあたり5〜25kgの範囲内で充填するようにする。軟質粒体は、さらに好ましくは1mあたり8〜20kgの範囲内で充填する。
【0022】
また、軟質粒体は、粒径0.7mm以下の微細粒体の含有率を10重量%以下に制限している。これにより、降雨や衝撃による軟質粒体の流出、飛散が防止され、長期間の使用においても衝撃吸収性を維持することができるようになる。また、パイル間に充填する際の飛散が防止されるので、良好な作業環境を保つことができるようになる。さらに、使用時における競技者の衣服等への付着も少なく、黒色や緑色の軟質粒体を用いたような場合でも汚れが目立たない。好ましくは、粒径0.7mm以下の微細粒体の含有率を5重量%以下とする。ここで、粒径0.7mm以下の微細粒体の含有率は、まず、粒体を乾燥機にて100℃で加熱して水分を除去した後、100gの粒体について、JIS A 1102「骨材のふるい分け試験」に規定される方法に準拠し、目が0.106mmの篩いを用い、その篩いを通過した粒体の重量A(g)と、篩い上に残留した粒体の重量B(g)とから次式によって求める。
【0023】
微細粒体の含有率(重量%)=[A/(A+B)]×100
ところで、衝撃吸収性は、近畿地方建設局近畿技術事務所発行に係る「簡易支持力測定器による試験方法」(1996年5月15日)に記載される地盤支持力の測定方法に準拠し、Ia値として定量的に示すことができる。この方法は、簡易支持力測定器を用いて衝撃加速度法によるインパクト値を求め、地盤の支持力や締め固めの状態を測定するもので、具体的には、加速度計を内蔵した、重量4.5kg、外形50mmの鋼製の円筒形のランマー(重錘)を45cmの高さから自由落下させ、ランマーが地盤に衝突したときの加速度の最大値をもってIa値としている。Ia値が小さいほど、衝撃吸収性に優れているといえる。本発明においては、この方法に準拠し、コンクリート基盤上に敷設した粒体入り人工芝生についてIa値を測定するが、Ia値が22以下という、衝撃吸収性に極めて優れた粒体入り人工芝生が得られる。したがって、本発明の粒体入り人工芝生は、競技者の動きが激しく、高い衝撃吸収性が特に要求される、たとえば、テニス、サッカー、野球、ラグビー、ホッケー、フットサル、アメリカンフットボール、陸上競技といった運動施設に敷設される人工芝生として特に好適であり、これを敷設することによって競技者を打撲等のけがから有効に保護することができるようになる。
【0024】
Ia値の測定に関する上述の方法は、また、本発明の粒体入り人工芝生の衝撃応答長さの測定にも準用することができる。衝撃応答長さは、競技者の疲労感に関連する指標であり、これが10mm以下である場合に疲労感が少なくなる。すなわち、競技者が瞬発的なプレーや走行を行ったとき、競技者の足が充填されている硬質粒体と軟質粒体との混合物に沈みにくい状態にあると、余分なエネルギーを発散させることがなくなり、足腰の筋肉にかかる負担を軽減することができるようになって疲労感が少なくなる。この衝撃応答長さは、上述の方法において、ランマーが粒体入り人工芝生に衝突したときに沈み込む長さとして表されるが、これが10mm以下であると、長時間の競技においても競技者の疲労感が少なくなる。本発明の粒体入り人工芝生によれば、衝撃応答長さ10mm以下を容易に達成できる。
【0025】
さて、本発明の粒体入り人工芝生においては、好ましくは1mあたり7〜40kgの硬質粒体に対して、1mあたり5〜25kgの軟質粒体を混合によって併用する。そのため、衝撃が加わったときの軟質粒体の弾性挙動と、この弾性挙動に追従する硬質粒体の微動との相互作用による高い衝撃吸収性が得られる。この点、硬質粒体と軟質粒体とを両者が分離するように充填している、たとえば、硬質粒体が下層、軟質粒体が上層になるように充填している場合のような、競技者が転倒したとき等にかかる衝撃が上の軟質粒体の層を貫通して下の硬質粒体の層に達することによる衝撃吸収作用の低下を防止することができるようになる。なお、硬質粒体と軟質粒体との混合割合は、重量比で、硬質粒体1に対して軟質粒体0.2〜1の範囲内になるようにするのが、衝撃吸収性と衝撃応答長さをバランスよく得るうえで好ましい。
【0026】
本発明の粒体入り人工芝生は、上述したように、基材にパイル糸をタフティングしてパイルを形成し、基布の裏面にゴム等の塗布層を設けてパイル糸を固定した人工芝生のパイル間に、硬質粒体と軟質粒体との混合物を充填して製造する。硬質粒体と軟質粒体とをミキサー等を用いてあらかじめ混合し、充填してもよく、パイル間に硬質粒体と軟質粒体とを交互に繰り返し層状に充填し、交互繰り返しのたびにブラシやエアジェット等を用いて硬質粒体と軟質粒体とを攪拌、混合してもよい。後者の場合、まず軟質粒体を充填し、その上に硬質粒体を充填するようにすると、軟質粒体にくらべて比重の大きい硬質粒体が自重によって軟質粒体の間に入り込み、より均一な混合が行われるようになるので好ましい。
【0027】
本発明の粒体入り人工芝生は、衝撃吸収性に優れ、しかも、長時間の使用でも競技者に疲労感を与えにくいことから、テニス、サッカー、野球、ラグビー、ホッケー、フットサル、アメリカンフットボール、陸上競技等の運動施設に敷設して用いるのに特に好適である。
【0028】
【実施例および比較例】
以下に示す実施例および比較例において、衝撃吸収性と衝撃応答長さの評価は、上述の「簡易支持力測定器による試験方法」によった。また、風合い、軟質粒体の流出性、軟質粒体の分離性および散水後の衝撃吸収性は、次のようにして評価した。
風合いの評価:
10人のパネラーに、粒体入り人工芝生の外観、手触り、踏み心地について以下の基準で点数付けをしてもらい、10人の単純平均値で評価した。平均値が高いほど風合いに優れていることになる。
【0029】
3点:天然芝に非常に近い
2点:天然芝との比較においてやや違和感を感じる
1点:天然芝とは大きく異なる
軟質粒体の流出性の評価:
粒体入り人工芝生を30cm角に切り取り、傾斜3°のアスファルトコンクリート上に敷設し、1mの高さから満水時の水量が3リットルの如雨露を用いて散水する。この作業を繰り返し50回行い、軟質粒体の流出の程度を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
【0030】
◎:流出はほとんど認められない
○:若干の流出が認められる
△:流出が認められるが、減少の程度までは確認できない
×:大量に流出し、減少を明確に確認できる
軟質粒体の分離性の評価:
粒体入り人工芝生を30cm角に切り取り、傾斜3°のアスファルトコンクリート上に敷設し、1mの高さから満水時の水量が3リットルの如雨露を用いて散水する作業を繰り返し50回行った後、表面に形成された軟質粒体の層の厚みの最大値(mm)を測定することによって評価した。この層の厚みが大きいほど、軟質粒体が分離しやすいことを示している。なお、軟質粒体の層が局部的に形成されている場合には、最大値をもって評価する。
散水後の衝撃吸収性の評価:
粒体入り人工芝生を30cm角に切り取り、傾斜3°のアスファルトコンクリート上に敷設し、1mの高さから満水時の水量が3リットルの如雨露を用いて散水する作業を繰り返し50回行った後、屋外に48時間以上放置して乾燥させ、衝撃吸収性の評価と同様にしてIa値を測定することによって評価した。Ia値が小さく、初期のIa値に近いほど衝撃吸収性に優れ、かつ、降雨による衝撃吸収性の変化が少ないことを示している。
(実施例1)
ポリプロピレンフィルム製スリットヤーン(厚み:150μm、幅1mm)からなる織密度が24本/25.4mmの平織物に、ポリエチレンテレフタレート製不織布(目付:90g/m)をニッドルパンチによって一体化し、さらにその不織布の上に上述の平織物を重ね合わせ、基材を得た。一方、単糸数8本、繊度460dtexのナイロン66糸を撚糸機にて3本撚り合わせ、パイル糸を得た。
【0031】
次に、上記基材に上記パイル糸をゲージ15.9mmでタフティングし、基材の裏面にスチレンブタジエンゴムを塗布、乾燥してパイル糸を固定し、基材の表面からパイルの先端までの長さ、すなわちパイル長が60mmの人工芝生を得た。パイル糸の目付は1,350g/mであった。
【0032】
この人工芝生をアスファルトコンクリート上に敷設し、軟質粒体として、真比重が1.1で、粒径が0.5〜2.5mmの範囲内にあり、粒径0.7mm以下の微細粒体の含有率が4重量%の天然ゴムチップを、1mあたり1.8kgの割合で散布しつつブラシを用いてパイルの隙間に充填した。次に、硬質粒体として、真比重が2.6で、粒径が0.07〜1.2mmの範囲内にある珪砂を1mあたり6.5kgの割合で散布しつつブラシを用いてパイルの隙間に充填するとともに天然ゴムチップと混合した。かかる操作を5回繰り返し、1mあたりの天然ゴムチップの充填量が9kg、珪砂の充填量が32.5kgの粒体入り人工芝生を得た。この粒体入り人工芝生について、風合い、衝撃吸収性、衝撃応答長さ、軟質粒体の流出性、軟質粒体の分離性および散水後の衝撃吸収性を評価したところ、以下のとおりであった。
【0033】
Figure 2004211448
(実施例2)
実施例1において、パイル長を55mm、1mあたりの天然ゴムチップの充填量を7kg、珪砂のそれを30kgに変更した。得られた粒体入り人工芝生について実施例1と同様の評価をした結果を以下に示す。
【0034】
Figure 2004211448
(実施例3)
実施例1において、パイル長を50mm、1mあたりの天然ゴムチップの充填量を5.5kg、珪砂のそれを28kgに変更した。得られた粒体入り人工芝生について実施例1と同様の評価をした結果を以下に示す。
【0035】
Figure 2004211448
(実施例4)
実施例1において、軟質粒体たる天然ゴムチップを、粒径0.7mm以下の微細粒体の含有率が1重量%のものに変更した。得られた粒体入り人工芝生について実施例1と同様の評価をした結果を以下に示す。
【0036】
Figure 2004211448
(実施例5)
実施例1において、軟質粒体を、真比重が1.2で、粒径が0.5〜2.4mmの範囲内にあり、粒径0.7mm以下の微細粒体の含有率が3重量%のエチレンプロピレンゴムチップに変更した。得られた粒体入り人工芝生について実施例1と同様の評価をした結果を以下に示す。
【0037】
Figure 2004211448
(比較例1)
実施例1において、1mあたりの天然ゴムチップの充填量を4kg、珪砂のそれを47.5kgに変更した。得られた粒体入り人工芝生について実施例1と同様の評価をした結果を以下に示す。
【0038】
Figure 2004211448
(比較例2)
実施例1において、1mあたりの天然ゴムチップの充填量を15kg、珪砂のそれを17.5kgに変更した。ただし、天然ゴムチップとしては、粒径0.7mm以下の微細粒体の含有率が12重量%のものを用いた。得られた粒体入り人工芝生について実施例1と同様の評価をした結果を以下に示す。
【0039】
Figure 2004211448
上記実施例と比較例との対比から明らかなように、本発明の粒体入り人工芝生は、良好な風合いと優れた衝撃吸収性を有し、競技者に与える疲労感の指標である衝撃応答長さが小さく、かつ、衝撃吸収性の変化が少ない。
【0040】
【発明の効果】
本発明の粒体入り人工芝生は、基材に植設されたパイル間に硬質粒体と軟質粒体との混合物が充填されており、かつ、軟質粒体は、1mあたり5〜25kgの範囲内で充填されているとともに粒径0.7mm以下の微細粒体の含有率が10重量%以下であるものであるから、実施例と比較例との対比からも明らかなように、衝撃吸収性に優れ、競技者の疲労感が少なく、衝撃吸収性の低下が少ないうえに軟質粒体の流出等を防止できて競技者の受ける感触の変化が少ない。そのため、本発明の粒体入り人工芝生は、競技者が激しい動きをするテニス、サッカー、野球、ラグビー、ホッケー、フットサル、アメリカンフットボール、陸上競技等の運動施設に敷設して用いるのに特に好適である。
【0041】
また、本発明は、そのような粒体入り人工芝生を、パイル間に上述の混合物を充填したり、パイル間に硬質粒体を充填する工程とパイル間に軟質粒体を充填する工程とを交互に繰り返し行うとともに、これら両工程の交互繰り返しのたびに硬質粒体と軟質粒体とを混合することによって得るから、製造が極めて容易である。

Claims (9)

  1. 基材に植設されたパイル間に硬質粒体と軟質粒体との混合物が充填されており、かつ、軟質粒体は、1mあたり5〜25kgの範囲内で充填されているとともに粒径0.7mm以下の微細粒体の含有率が10重量%以下である粒体入り人工芝生。
  2. 硬質粒体の真比重が1.5〜2.8の範囲内にある、請求項1に記載の粒体入り人工芝生。
  3. 硬質粒体が1mあたり7〜40kgの範囲内で充填されている、請求項1または2に記載の粒体入り人工芝生。
  4. 硬質粒体の粒径が0.05〜1.5mmの範囲内にある、請求項1〜3のいずれかに記載の粒体入り人工芝生。
  5. 軟質粒体の真比重が0.95〜2.5の範囲内にある、請求項1〜4のいずれかに記載の粒体入り人工芝生。
  6. 軟質粒体の粒径が0.4〜5mmの範囲内にある、請求項1〜5のいずれかに記載の粒体入り人工芝生。
  7. 基材に植設されたパイル間に硬質粒体と軟質粒体との混合物を充填する工程を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の粒体入り人工芝生の製造方法。
  8. 基材に植設されたパイル間に硬質粒体を充填する工程と基材に植設されたパイル間に軟質粒体を充填する工程とを交互に繰り返し行うとともに、これら両工程の交互繰り返しのたびに硬質粒体と軟質粒体とを混合する、請求項1〜6のいずれかに記載の粒体入り人工芝生の製造方法。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載の粒体入り人工芝生または請求項7もしくは8に記載の製造方法によって製造された粒体入り人工芝生を敷設してなる運動施設。
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