JPH0841775A - 人工芝 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 サッカー等におけるプレイヤーの転倒或いは
スライディングの際の抵抗を低減した人工芝を提供す
る。 【構成】 基布に合成樹脂からなる４０００〜８０００
デニール／４〜１６フィラメントのパイル糸をパイル高
８〜２５ｍｍ、パイル嵩密度０．１〜０．２に植毛した
人工芝のパイル面の表層に粒径０．０５〜１．０ｍｍの
ゴム粒子を充填する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、表面抵抗の少ない人工
芝に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、テニスコート、野球場等の運
動グラウンドに敷設される人工芝のパイル間に砂を充填
した、いわゆる砂入り人工芝については、公知であり、
また実用に供せられている。しかしながら、従来の人工
芝は勿論のこと砂入り人工芝においても、サッカー等プ
レイヤーが転倒したり、スライディングしたりするスポ
ーツのグラウンドとして使用する場合は、プレイヤーの
転倒或いはスライディングの際の抵抗が大きく、また、
長期間の使用或いは不使用により、また水分の存在によ
り加速されて、充填された砂が圧密により固化し、抵抗
が増大するという問題がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、サッ
カー等におけるプレイヤーの転倒或いはスライディング
の際の抵抗を低減した人工芝を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、基布に
４０００〜８０００デニール／４〜１６フィラメントの
パイル糸をパイル高８〜２５ｍｍ、パイル嵩密度０．１
〜０．２に植毛してなる人工芝のパイル面の表層に粒径
０．０５〜１．０ｍｍのゴム粒子を充填したことを特徴
とする人工芝にある。

【０００５】本発明を図面で説明すると、図１は、本発
明の人工芝の例の断面図であり、１はゴム粒子、２はパ
イル、３は基布部分、４はクッション材層を示し、人工
芝は、パイル２と、クッション材層４にパイル根元及び
基布の一部または全部が埋め込まれて形成された基布部
分３とからなり、パイル面の表層にゴム粒子１が充填さ
れている。

【０００６】本発明の人工芝の人工芝本体は、ポリプロ
ピレン、ポリエステル等の耐候性素材を用いた不織布、
織物等の基布に、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合
成樹脂からなる４０００〜８０００デニール／４〜１６
フィラメントの糸条がパイル糸として用いられ、パイル
が植毛されている。パイル糸の繊度が、４０００デニー
ル未満では、腰がなくパイルがねてしまい、８０００デ
ニールを超えると、硬すぎてパイルの変形が起きにくく
なる。

【０００７】人工芝のパイル高は、８〜２５ｍｍ、好ま
しくは１０〜１５ｍｍとする。パイル高が、８ｍｍ未満
では、芝としての機能を発揮できないだけでなく、ゴム
粒子の充分な量の保持ができず、２５ｍｍを超えると、
多量のゴム粒子が必要となるだけでなく、滑り易さが過
度となりプレイヤーの運動機能を損なう。

【０００８】また、本発明における人工芝のパイル嵩密
度は、空気を含むパイル層の見かけ体積に対するパイル
層のパイル実質重量の比をいうが、本発明において重要
な因子であり、パイル嵩密度を０．１〜０．２とするこ
とが必要である。パイル嵩密度が０．１未満では、パイ
ルが粗になり、ゴム粒子がパイルの根元部に沈積してし
まい、ゴム粒子をパイル面の表層のパイル先端部分で保
持することが困難となり、パイル嵩密度が０．２を超え
ると、パイルが密になりすぎ、ゴム粒子が飛散して必要
量のゴム粒子がパイル面の表層のパイル先端部分に保持
されない。

【０００９】かかる人工芝本体は、適宜のクッション材
層で裏打ちされ、人工芝が製造されるが、人工芝は、公
知の任意の方法により製造され、その製造方法が特に限
定されるものではない。パイル糸を構成する糸条も、そ
の断面形状が円形断面、偏平断面等の任意の形状であっ
てもよい。また、パイル糸自身、通常の溶融紡糸による
糸条、フィルムの割列による糸条等任意の方法によった
ものでよい。

【００１０】本発明においては、人工芝のパイル面の表
層に、ゴム粒子が充填されていることが必要である。ゴ
ム粒子としては、天然ゴムまたはブタジエンゴム、スチ
レン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、イソプレン
ゴム、ウレタンゴム等の合成ゴムの粒径０．０５〜１．
０ｍｍの粒状物が用いられる。かかるゴム粒子として、
硬質ゴムが好ましく用いられ、またタイヤ等の不要ゴム
製品を粉砕してなる粒状物も好ましく用いられる。粒径
が、０．０５ｍｍ未満では、ゴム粒子が飛散するおそれ
があり、１．０ｍｍを超えると、滑り抵抗が増大し、ス
ライディング機能が発揮されなくなる。

【００１１】ゴム粒子は、パイル面の表層、すなわちパ
イル面底部のパイル根元部分ではなく、パイル先端が位
置する部分の層に充填されている必要があり、またパイ
ル高にもよるが、充填量としては、１００〜４００ｇ／
ｍ²、好ましくは１００〜２００ｇ／ｍ²とする。充填量
が、１００ｇ／ｍ²未満では、スライディング機能が発
揮されなく、４００ｇ／ｍ²を超えると、弾性が過度に
増大し、プレーヤーの運動機能を阻害する。本発明で
は、ゴム粒子のみの充填であることが望ましいが、砂が
パイル面底部に充填されていてもよい。

【００１２】本発明の人工芝は、ゴム粒子をパイル面の
表層に充填していない人工芝を、適宜の下敷き材層を介
して、不陸修正面に敷設した後、或いは既設のグラウン
ドや浮き床構造の床面に敷設した後に、ゴム粒子を散布
してパイル面の表層に充填することによって構成するこ
ともでき、かつ人工芝敷設後のゴム粒子の充填は、好ま
しいことである。

【００１３】本発明の人工芝が浮き床構造の床に敷設さ
れることは、特に好ましいことであり、敷設される好ま
しい浮き床構造の床としては、ゴム状弾性材を介して立
てた支柱で梁を支持し、梁間に床板を敷き渡して下地構
造を形成した床であり、かかる下地構造体の床は、屋
外、屋内のいずれにも設置可能であり、人工芝グラウン
ドとして好適なるものであろ。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の人工芝の構成を実施例により
具体的に説明すると、基盤に載せたコンクリートの台座
の上に支柱として高さ位置調節可能な金属製ボルトを立
て、金属製ボルトと他の金属製ボルトによってゴム弾性
材を介在させて、１００ｍｍ角のロ型の大引鋼を架け渡
し、この上に７５ｍｍ角のロ型の副大引鋼を直交に、３
０ｍｍ角のほぼ下向きコ型の根太鋼を直交させて１ｍ間
隔で並行に架け渡し、更にこの上に床板としてほぼ１ｍ
×２ｍ、厚さ１５ｍｍの２枚重ねの合板のボードを全面
が覆われるように張り渡して下地構造を形成した。

【００１５】この下地構造の床上に厚み５ｍｍの発泡塩
化ビニル樹脂からなるシートを敷いてクッション層と
し、その上にポリエステル繊維製基布に、６０００デニ
ール／６フィラメントのポリプロピレン繊維をパイル糸
として用い、パイル高１５ｍｍのパイルをパイル嵩密度
０．１５に植毛して製作した人工芝を敷き込み、人工芝
のパイル面へ、ゴム粒子としてブタジエンゴムからなる
粒径０．２〜０．５ｍｍのゴム粒子を２００ｇ／ｍ²散
布し、パイル面表層にゴム粒子を充填してグラウンドを
構築した。このグラウンドにおいては、プレイヤーがス
ライディングしても表面抵抗が少なくスムースにスライ
ディング可能であった。

【００１６】

【発明の効果】本発明の人工芝は、充填されたゴム粒子
が、ゴム粒子の摩擦抵抗と特に高パイル嵩密度とによっ
てパイル面の表層部分に保持され、また相互に固定され
ておらず、外力により動きうることから、滑剤的な機能
を奏し、サッカーグラウンド、ホッケーグラウンド等の
グラウンドに好ましく適用され、プレイヤーの運動機能
を損なうことなく、スリップ防止機能を有しながら、プ
レイヤーの転倒或いはスライディングの際の抵抗を低減
し、またパイル面表層のゴム粒子層の弾性によりプレイ
ヤーの怪我の原因や疲労等をなくしてプレイヤーを安全
に保護する。

【００１７】さらに本発明の人工芝は、粒状物の充填で
あることから、透水性を損なわず、保守管理も容易であ
る。また、本発明の人工芝が浮き床構造体上に敷設され
るときには、全天候型の或いは水捌けの良好なグラウン
ドを提供するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の人工芝の例の断面図である。

【符号の説明】

１ ゴム粒子 ２ パイル ３ 基布部分 ４ クッション材層

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 基布に４０００〜８０００デニール／４
   〜１６フィラメントのパイル糸をパイル高８〜２５ｍ
   ｍ、パイル嵩密度０．１〜０．２に植毛してなる人工芝
   のパイル面の表層に粒径０．０５〜１．０ｍｍのゴム粒
   子を充填したことを特徴とする人工芝。