JP2010275124A - 超早強セメント組成物、及びその製造方法 - Google Patents

超早強セメント組成物、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 混練後しばらくは(打設までに要する時間は)流動性を有しつつ打設後は比較的短い期間で十分な強度を呈することができうる超早強セメント組成物を提供ことにある。
【解決手段】 超早強ポルトランドセメントと亜硝酸カルシウムとが含有され、前記超早強ポルトランドセメントは、粉砕されたセメントクリンカーと石膏とを含有し、前記超早強ポルトランドセメントの粉末度は、ブレーン比表面積で5000〜7000cm2 /gであり、前記セメントクリンカーには、ケイ酸三カルシウム(C3 S)が60〜70質量%含有され、前記亜硝酸カルシウムは、前記超早強ポルトランドセメント100質量部に対して1.5〜3.0質量部含有されてなることを特徴とする超早強セメント組成物を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、超早強ポルトランドセメントを備えてなる超早強セメント組成物、及びその製造方法に関する。
橋梁や道路等の補修工事等の緊急性を要する工事においては、打設後短期間に強度が十分に得られるセメント組成物が求められている。
斯かる観点から、従来、超速硬セメントが用いられている。
しかるに、従来の超速硬セメントでは、生コンクリートが製造されてから硬化するまでの時間が短すぎるため、例えば、生コン工場で超速硬セメントを用いて生コンクリートを製造した場合、この生コンクリートが生コン工場から工事現場まで運搬されるまでに生コンクリートの硬化が進んでしまう場合がある。そのような場合には、打設する前に生コンクリートの流動性が損なわれてしまい、打設が困難となってしまう虞がある。
そこで、生コン工場で生コンクリートを製造する代わりに、例えば、移動式の練りミキサー等の移動式設備を用いて工事現場で生コンクリートを製造する方法が考えられるが、この場合には、生コンクリートを製造するための設備や生コンクリートの材料を工事現場に準備する必要があることから、コストが掛かってしまうという問題がある。また、移動式設備では、生コン工場に比して、製造できる生コンクリートの量がかなり限られてしまうため、超速硬セメントは、大規模な工事等において使用できない場合があるという問題もある。
斯かる観点から、超速硬セメントに比して混練後比較的長い間生コンクリートの流動性が確保されている超早強セメント組成物が提案されている(例えば、特許文献1)。
例えば、特許文献1に記載の超早強セメント組成物は、混練後比較的長い間生コンクリートの流動性があり、更に、打設後は比較的短い期間(例えば、1日)で十分な強度を呈するため、作業性が優れるという利点がある。
特開平5−9045号公報
しかしながら、打設後は、より一層短い期間で高強度となることが求められる昨今に於いては、より短い期間(例えば、0.5日)で十分な強度(例えば、圧縮強度が24N/mm2以上)を呈する超早強セメント組成物が望まれている。
本発明は、上記問題点及び要望に鑑み、混練後しばらくは(打設までに要する時間は)流動性を有しつつ打設後は比較的短い期間で十分な強度を呈することができうる超早強セメント組成物を提供することを課題とする。
本発明は、超早強ポルトランドセメントと亜硝酸カルシウムとが含有され、前記超早強ポルトランドセメントが、粉砕されたセメントクリンカーと石膏とを含有し、前記超早強ポルトランドセメントの粉末度が、ブレーン比表面積で5000〜7000cm2 /gであり、前記セメントクリンカーにケイ酸三カルシウム(C3 S)が60〜70質量%含有され、前記亜硝酸カルシウムが、前記超早強ポルトランドセメント100質量部に対して1.5〜3.0質量部含有されてなることを特徴とする超早強セメント組成物にある。
また、本発明は、セメントクリンカーと前記石膏とを粉砕して、粉末度がブレーン比表面積で5000〜7000cm2 /gである超早強ポルトランドセメントを得る粉砕工程と、該超早強ポルトランドセメント及び水を混練する第1混練工程と、亜硝酸カルシウム及び水を混合して懸濁液を作製し、第1混練工程で得られる混練物及び前記懸濁液を混練して超早強セメント組成物を得る第2混練工程とを実施することを特徴とする超早強セメント組成物の製造方法にある。
本発明によれば、混練後しばらくは(打設までに要する時間は)流動性を有しつつ打設後は比較的短い期間で十分な強度を呈することができうる超早強セメント組成物を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
本発明に係る超早強セメント組成物は、超早強ポルトランドセメントと亜硝酸カルシウムとを含有してなる。
前記超早強ポルトランドセメントは、粉砕されたセメントクリンカーと石膏とを含有してなる。
前記石膏は、好ましくは、半水石膏及び/又は無水石膏である。前記超早強ポルトランドセメントは、好ましくは、セメントクリンカー100質量部に対して石膏をCaSO4 換算で2〜10質量部含有してなる。
本発明に係る超早強セメント組成物は、前記超早強ポルトランドセメントがセメントクリンカー100質量部に対する石膏の含有量がCaSO4 換算で2質量部以上であるので、超早強ポルトランドセメントと水とが練り混ぜられた直後においてこわばりが生じ難くなり良好な流動性が保たれ得るという利点がある。また、本発明に係る超早強セメント組成物は、前記超早強ポルトランドセメントがセメントクリンカー100質量部に対する石膏の含有量がCaSO4 換算で10質量部以下であるので、水中養生を長期間行っても膨張が生じ難く、安定的となるという利点がある。
本発明に係る超早強セメント組成物は、セメントクリンカーがケイ酸三カルシウム(C3 S)を60〜70質量%含有してなる。
本発明に係る超早強セメント組成物は、セメントクリンカーにおけるケイ酸三カルシウム(C3 S)の含有量が70質量%以下であるので、凝結時間が適切に保たれるとともに、収縮が過大となり難いという利点がある。また、本発明に係る超早強セメント組成物は、セメントクリンカーにおけるケイ酸三カルシウム(C3 S)の含有量が60質量%以上であるので、打設後は比較的短い期間で十分な強度を呈することができうるという利点がある。
本発明に係る超早強セメント組成物は、前記超早強ポルトランドセメントの粉末度が、ブレーン比表面積で5000〜7000cm2 /gであり、好ましくは、5500〜7000cm2 /gである。
本発明に係る超早強セメント組成物は、前記超早強ポルトランドセメントの粉末度が、ブレーン比表面積で7000cm2 /g以下であるので、前記超早強ポルトランドセメントと水とが練り混ぜられる際に、一定の流動性を得るための水量が過剰にならず収縮も過大となり難いという利点があり、また、凝結時間が適切に保たれ得るという利点もあり、更に、該粉末度を有する超早強ポルトランドセメントを得る際のコストや労力が抑制されるという利点もある。また、本発明に係る超早強セメント組成物は、前記超早強ポルトランドセメントの粉末度が、ブレーン比表面積で5000cm2 /g以上であるので、打設後は比較的短い期間で十分な強度を呈することができうるという利点がある。
また、本発明に係る超早強セメント組成物は、前記亜硝酸カルシウムが、前記超早強ポルトランドセメント100質量部(セメントクリンカーと石膏との合計量100重量部)に対して、1.5〜3.0質量部含有されてなり、好ましくは、2.0〜3.0質量部含有されてなる。
本発明に係る超早強セメント組成物は、前記超早強ポルトランドセメント100質量部に対する前記亜硝酸カルシウムの含有量が3.0質量部以下であるので、スランプの経時変化が小さくなるという利点がある。また、本発明に係る超早強セメント組成物は、前記超早強ポルトランドセメント100質量部に対する前記亜硝酸カルシウムの含有量が1.5質量部以上であるので、打設後は比較的短い期間で十分な強度を呈することができうるという利点がある。
さらに、本発明に係る超早強セメント組成物は、必要に応じて、本発明の効果が損なわれない範囲内において、細骨材、粗骨材等を含有してもよい。
また、本発明に係る超早強セメント組成物は、必要に応じて、本発明の効果が損なわれない範囲内において、各種の混和材を含有してもよく、また、亜硝酸カルシウム以外の各種の混和剤を含有してもよい。
さらに、本発明に係る超早強セメント組成物は、本発明の効果が損なわれない範囲内において、水を含有してなる。本発明に係る超早強セメント組成物は、打設時において、水/セメント比が、好ましくは、30〜50質量%であり、より好ましくは、35〜45質量%であり、更により好ましくは、37.5〜42.5質量%である。
本発明に係る超早強セメント組成物は、打設時において、水/セメント比が、30質量%以上であることにより、粘性がさほど強すぎず、施工性に優れるという利点がある。また、本発明に係る超早強セメント組成物は、打設時において、水/セメント比が、50質量%以下であることにより、強度発現性だけでなく、耐久性にも優れるという利点がある。
本発明に係る超早強セメント組成物は、上記の如く構成されてなるが、次ぎに、本発明に係る超早強セメント組成物の製造方法の一実施形態について説明する。
本実施形態に係る超早強セメント組成物の製造方法では、セメントクリンカーと前記石膏とを粉砕して、粉末度がブレーン比表面積で5000〜7000cm2 /gである超早強ポルトランドセメントを得る粉砕工程と、該超早強ポルトランドセメント、細骨材、粗骨材、及び水を混練して生コンクリートを得る第1混練工程と、亜硝酸カルシウム及び水を混合して懸濁液を作製し、該懸濁液と前記生コンクリートを混練して超早強セメント組成物を得る第2混練工程とを実施する。
本実施形態に係る超早強セメント組成物の製造方法では、亜硝酸カルシウム及び水を混合したスラリー状のものを生コンクリートに混合するため、亜硝酸カルシウムが爆発してしまう虞を抑制し得るという利点がある。
尚、本実施形態に係る超早強セメント組成物の製造方法は、上記構成に限定されず、適宜設計変更可能である。
例えば、本実施形態に係る超早強セメント組成物の製造方法では、前記粉砕工程において、前記セメントクリンカーと前記石膏とを別々に粉砕してもよい。
次に、実施例および比較例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。
(実施例1)
まず、超早強ポルトランドセメント(住友大阪セメント社製、商品名:DAY 300(超早強コンクリート用セメント))、細骨材(茨城県結城産陸砂、表乾密度:2.58g/cm3 、吸水率:2.2%)、粗骨材(茨城県桜川産硬質砂岩砕石、表乾密度2.65g/cm3 、吸水率:0.7%)、水、高性能AE減水剤としてのポリカルボン酸系エーテル(BASFポゾリス社製、商品名:レオビルドSP8SV、及びAE調整剤としての変性ロジン酸化合物系陰イオン界面活性剤(BASFポゾリス社製、商品名:マイクロエア202)を表1の混合割合となるように混練して生コンクリートを得た。尚、本明細書における「C×%」は、セメント100質量部に対する量(質量部)を意味する。
次に、該超早強ポルトランドセメント100質量部に対して促進剤としての亜硝酸カルシウムが1.5質量部となるように、該超早強ポルトランドセメントと、亜硝酸カルシウム(関東化学社製、商品名:亜硝酸カルシウム試薬1級)及び水を混合して作製した該懸濁液とを混練して、実施例1の超早強セメント組成物を得た。
尚、DAY 300(超早強コンクリート用セメント)(住友大阪セメント社製)は、C3 Sが64質量%含有されてなるセメントクリンカーと、石膏とが粉砕されて作製されたもの(粉末度がブレーン比表面積で6400cm2 /gである。)である。
Figure 2010275124
(実施例2,3)
超早強ポルトランドセメント100質量部に対して亜硝酸カルシウムが2.0質量部,3.0質量部となるようにした以外は、実施例1と同様にして、それぞれ実施例2,3の超早強セメント組成物を得た。
(実施例4〜11)
水セメント比、細骨材率、AE調整剤を表2のようにしたこと以外は、実施例2と同様にして、それぞれ実施例4〜11の超早強セメント組成物を得た。
Figure 2010275124
(実施例12)
超早強ポルトランドセメントとして、粉末度がブレーン比表面積で5020cm2 /gであるものを用いたこと以外は、実施例2と同様にして、実施例12の超早強セメント組成物を得た。
(実施例13)
超早強ポルトランドセメントとして、粉末度がブレーン比表面積で5535cm2 /gであるものを用いたこと以外は、実施例2と同様にして、実施例13の超早強セメント組成物を得た。
(実施例14)
超早強ポルトランドセメントとして、粉末度がブレーン比表面積で6980cm2 /gであるものを用いたこと以外は、実施例2と同様にして、実施例14の超早強セメント組成物を得た。
(実施例15)
超早強ポルトランドセメントとして、C3 Sが69.5質量%含有されてなるセメントクリンカーと、石膏とが粉砕されて作製されたものを用いたこと以外は、実施例2と同様にして、実施例15の超早強セメント組成物を得た。
(比較例1,2)
超早強ポルトランドセメント100質量部に対して亜硝酸カルシウムが0.0質量部,1.0質量部となるようにした以外は、実施例1と同様にして、それぞれ比較例1,2の超早強セメント組成物を得た。
(比較例3,5,7)
亜硝酸カルシウムの代わりに、硝酸カルシウム(関東化学社製、商品名:硝酸カルシウム試薬1級)、ギ酸カルシウム(関東化学社製、商品名:ギ酸カルシウム試薬1級)、硫酸アルミニウム(関東化学社製、商品名:硫酸アルミニウム試薬1級)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、それぞれ比較例3,5,7の超早強セメント組成物を得た。
(比較例4,6,8)
亜硝酸カルシウムの代わりに、硝酸カルシウム(関東化学社製、商品名:硝酸カルシウム試薬1級)、ギ酸カルシウム(関東化学社製、商品名:ギ酸カルシウム試薬1級)、硫酸カルシウム(関東化学社製、商品名:硫酸カルシウム試薬1級)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、それぞれ比較例4,6,8の超早強セメント組成物を得た。
(比較例9)
超早強ポルトランドセメントの代わりに、粉末度がブレーン比表面積で4450cm2 /gである早強ポルトランドセメント(住友大阪セメント社製)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、比較例9の早強セメント組成物を得た。
(比較例10)
亜硝酸カルシウムを用いなかったこと以外は、比較例9と同様にして、比較例10の早強セメント組成物を得た。
(比較例11)
亜硝酸カルシウムを用いなかったこと、超早強ポルトランドセメントとして粉末度がブレーン比表面積で6570cm2 /gであるものを用いたこと、及び超早強ポルトランドセメントとしてC3 Sが69.5質量%含有されてなるセメントクリンカーと、石膏とが粉砕されて作製されたものを用いたこと以外は、実施例2と同様にして、比較例11の超早強セメント組成物を得た。
(比較例12,13)
亜硝酸カルシウムを用いなかったこと以外は、実施例12,13と同様にして、それぞれ比較例12,13の超早強セメント組成物を得た。
(比較例14,15)
亜硝酸カルシウムを用いなかったこと、及び超早強ポルトランドセメントとして粉末度がそれぞれブレーン比表面積で6420cm2 /g、6980cm2 /gであるものを用いたこと以外は、実施例2と同様にして、それぞれ比較例14、比較例15の超早強セメント組成物を得た。
(比較例16)
超早強ポルトランドセメントとして、C3 Sが58.9質量%含有されてなるセメントクリンカーと、石膏とが粉砕されて作製されたものを用いたこと以外は、実施例2と同様にして、比較例16の超早強セメント組成物を得た。
(比較例17)
亜硝酸カルシウムを用いなかったこと以外は、比較例16と同様にして、比較例17の早強セメント組成物を得た。
(比較例18)
亜硝酸カルシウムを用いなかったこと、及び超早強ポルトランドセメントとして粉末度がブレーン比表面積で6570cm2 /gであるものを用いたこと以外は、実施例2と同様にして、比較例18の超早強セメント組成物を得た。
尚、上記超早強ポルトランドセメントとしては、JIS R 5210の超早強ポルトランドセメントの規格値を満足することが確認されたものを用いた。
具体的には、以下の品質項目すべてを満足することが確認されたものを用いた。
比表面積:4000cm2 /g以上
凝結の始発時間:45分以上
凝結の終結時間:10時間以上
安定性:バット法「良」又はルシャテリエ法10mm以下
圧縮強さ(1日):20.0N/mm2 以上
圧縮強さ(3日):30.0N/mm2 以上
圧縮強さ(7日):40.0N/mm2 以上
圧縮強さ(28日):50.0N/mm2 以上
酸化マグネシウム:5.0質量%以下
三酸化硫黄:4.5質量%以下
強熱減量:3.0質量%以下
全アルカリ:0.75質量%以下
塩化物イオン:0.02質量%以下
(スランプ試験)
JIS A 1101のコンクリートのスランプ試験方法に準じ、実施例及び比較例の超早強セメント組成物、並びに比較例の早強セメント組成物の作製後、0分、30分、60分、90分のスランプ値を求めた。
(圧縮強度)
JIS A 1132の供試体の作製方法に準じ、実施例及び比較例の超早強セメント組成物、並びに比較例の早強セメント組成物を用いてそれぞれ供試体を作製し、材齢0.375日、0.5日、1.0日の圧縮強度をそれぞれ測定した。圧縮強度については、それぞれ、JIS R 5201の圧縮強さ試験に準じて試験を行った。
(ひび割れ発生の有無)
実施例及び比較例の超早強セメント組成物、並びに比較例の早強セメント組成物それぞれに対して、水中養生を三ヶ月実施し、ひび割れの発生の有無を観察した。
上記試験(スランプ試験、圧縮強度)の結果を以下に示す。尚、実施例及び比較例の超早強セメント組成物、並びに比較例の早強セメント組成物の何れの試料においても、ひび割れの発生は確認されなかった。
(促進剤としての亜硝酸カルシウムの量)
実施例1〜3及び比較例1,2,11,14,15,18の超早強セメント組成物に対する上記試験の結果を表3に示す。
Figure 2010275124
表3に示すように、本発明の範囲内である実施例1〜3の超早強セメント組成物は、超早強ポルトランドセメント100質量部に対して亜硝酸カルシウムが1.0質量部以下である比較例1,2,11,14,15,18に比して、材齢0.375日及び0.5日における圧縮強度が極めて高い値を示した。更に、本発明の範囲内である実施例1〜3の超早強セメント組成物は、材齢0.5日における圧縮強度が所定の強度24N/mm2 以上の値を示した。
また、本発明の範囲内である実施例1〜3の超早強セメント組成物は、練り上がり後90分までのスランプの値が15.0±2.5cm内にあり、スランプの値の経時変化が少ないことが確認された。
更に、本発明の範囲内である実施例1〜3の超早強セメント組成物は、水中養生における供試体にひび割れが発生せず安定していた。
(促進剤の種類)
実施例1、2及び比較例3〜8の超早強セメント組成物に対する上記試験の結果を表4に示す。
Figure 2010275124
本発明の範囲内である実施例1,2の超早強セメント組成物は、促進剤が同程度の量が含有されているが、促進剤として亜硝酸カルシウム以外のもの(硝酸カルシウム、ギ酸カルシウム硫酸カルシウム)が含有されている比較例3〜8の超早強セメント組成物に比して、材齢0.375日及び0.5日における圧縮強度が極めて高い値を示した。更に、本発明の範囲内である実施例1,2の超早強セメント組成物は、材齢0.5日における圧縮強度が所定の強度24N/mm2 以上の値を示した。
また、本発明の範囲内である実施例1,2の超早強セメント組成物は、練り上がり後90分までのスランプの値が15.0±2.5cm内にあり、スランプの値の経時変化が少ないことが確認された。
更に、本発明の範囲内である実施例1,2の超早強セメント組成物は、水中養生における供試体にひび割れが発生せず安定していた。
(水セメント比、細骨材率)
実施例2、4〜11の超早強セメント組成物に対する上記試験の結果を表5に示す。
Figure 2010275124
本発明の範囲内である実施例2,4〜11の超早強セメント組成物は、材齢0.375日及び0.5日における圧縮強度が極めて高い値を示した。更に、本発明の範囲内である実施例2,4〜11の超早強セメント組成物は、材齢0.5日における圧縮強度が所定の強度24N/mm2 以上の値を示した。
また、本発明の範囲内である実施例2,4〜11の超早強セメント組成物は、練り上がり後90分までのスランプの値が15.0±2.5cm内にあり、スランプの値の経時変化が少ないことが確認された。
更に、本発明の範囲内である実施例2,4〜11の超早強セメント組成物は、水中養生における供試体にひび割れが発生せず安定していた。
(ポルトランドセメントの粉末度)
実施例2,12〜14及び比較例1,9,10,12,13の超早強セメント組成物、並びに比較例9,10の早強セメント組成物に対する上記試験の結果を表6に示す。
Figure 2010275124
本発明の範囲内である実施例2,12〜14の超早強セメント組成物は、セメントのブレーン比表面積が4450cm2 /gである比較例9,10の早強セメント組成物、及び超早強ポルトランドセメント100質量部に対して亜硝酸カルシウムが0.0質量部である比較例1,10,12,13の超早強セメント組成物に比して、材齢0.375日及び0.5日における圧縮強度が極めて高い値を示した。更に、本発明の範囲内である実施例2,12〜14の超早強セメント組成物は、材齢0.5日における圧縮強度が所定の強度24N/mm2 以上の値を示した。
更に、本発明の範囲内である実施例2,12〜14の超早強セメント組成物は、練り上がり後90分までのスランプの値が15.0±2.5cm内にあり、スランプの値の経時変化が少ないことが確認された。
また、本発明の範囲内である実施例2,12〜14の超早強セメント組成物は、水中養生における供試体にひび割れが発生せず安定していた。
本発明の範囲内である実施例2の超早強セメント組成物(セメントのブレーン比表面積:6400cm2 /g)は、材齢0.5日における圧縮強度が27.0N/mm2 であり、セメントのブレーン比表面積が実施例2の超早強セメント組成物と同程度であるが亜硝酸カルシウムが含有されていない比較例1の超早強セメント組成物は、材齢0.5日における圧縮強度が10.3N/mm2 であった。従って、セメントのブレーン比表面積が6400cm2 /gである超早強セメント組成物に於いては、亜硝酸カルシウムが含有されることによって、材齢0.5日における圧縮強度が16.7N/mm2 も増加することが確認された。
また、本発明の範囲内である実施例12の超早強セメント組成物(セメントのブレーン比表面積:5020cm2 /g)は、材齢0.5日における圧縮強度が24.1N/mm2 であり、セメントのブレーン比表面積が実施例12の超早強セメント組成物と同程度であるが亜硝酸カルシウムが含有されていない比較例12の超早強セメント組成物は、材齢0.5日における圧縮強度が4.2N/mm2 であった。従って、セメントのブレーン比表面積が5020cm2 /gである超早強セメント組成物に於いては、亜硝酸カルシウムが含有されることによって、材齢0.5日における圧縮強度が19.9N/mm2 も増加することが確認された。
更に、本発明の範囲内である実施例13の超早強セメント組成物(セメントのブレーン比表面積:5535cm2 /g)は、材齢0.5日における圧縮強度が26.3N/mm2 であり、セメントのブレーン比表面積が実施例13の超早強セメント組成物と同程度であるが亜硝酸カルシウムが含有されていない比較例13の超早強セメント組成物は、材齢0.5日における圧縮強度が4.3N/mm2 であった。従って、セメントのブレーン比表面積が5535cm2 /gである超早強セメント組成物に於いては、亜硝酸カルシウムが含有されることによって、材齢0.5日における圧縮強度が22.0N/mm2 も増加することが確認された。
一方で、亜硝酸カルシウムが実施例2,12,13と同程度含有されているが、セメントのブレーンの比表面積が本発明の範囲よりも低い値(4450cm2 /g)である比較例9の早強セメント組成物は、材齢0.5日における圧縮強度が10.5N/mm2 であり、セメントのブレーン比表面積が比較例9の早強セメント組成物と同程度であるが亜硝酸カルシウムが含有されていない比較例10の早強セメント組成物は、材齢0.5日における圧縮強度が3.2N/mm2 であった。従って、セメントのブレーン比表面積が4450cm2 /gである早強セメント組成物に於いては、亜硝酸カルシウムが含有されても、材齢0.5日における圧縮強度が7.3N/mm2 しか増加しないことが確認された。
従って、セメントのブレーン比表面積が5000〜7000cm2 /gである超早強セメント組成物においては、亜硝酸カルシウムが含有されることによって、材齢0.5日における圧縮強度が顕著に増加することが確認された。
(セメントクリンカーに含まれるC3 Sの含有割合)
実施例2,15及び比較例16,17の超早強セメント組成物に対する上記試験の結果を表7に示す。
Figure 2010275124
本発明の範囲内である実施例2,15の超早強セメント組成物は、セメントクリンカーに含まれるC3 Sの含有割合が58.9質量%である比較例16,17の超早強セメント組成物に比して、材齢0.375日及び0.5日における圧縮強度が極めて高い値を示した。更に、本発明の範囲内である実施例2,15の超早強セメント組成物は、材齢0.5日における圧縮強度が所定の強度24N/mm2 以上の値を示した。
更に、本発明の範囲内である実施例2,15の超早強セメント組成物は、練り上がり後90分までのスランプの値が15.0±2.5cm内にあり、スランプの値の経時変化が少ないことが確認された。
また、本発明の範囲内である実施例2,15の超早強セメント組成物は、水中養生における供試体にひび割れが発生せず安定していた。

Claims (2)

  1. 超早強ポルトランドセメントと亜硝酸カルシウムとが含有され、前記超早強ポルトランドセメントは、粉砕されたセメントクリンカーと石膏とを含有し、前記超早強ポルトランドセメントの粉末度は、ブレーン比表面積で5000〜7000cm2 /gであり、前記セメントクリンカーには、ケイ酸三カルシウム(C3 S)が60〜70質量%含有され、前記亜硝酸カルシウムは、前記超早強ポルトランドセメント100質量部に対して1.5〜3.0質量部含有されてなることを特徴とする超早強セメント組成物。
  2. セメントクリンカーと前記石膏とを粉砕して、粉末度がブレーン比表面積で5000〜7000cm2 /gである超早強ポルトランドセメントを得る粉砕工程と、該超早強ポルトランドセメント及び水を混練する第1混練工程と、亜硝酸カルシウム及び水を混合して懸濁液を作製し、第1混練工程で得られる混練物及び前記懸濁液を混練して超早強セメント組成物を得る第2混練工程とを実施することを特徴とする超早強セメント組成物の製造方法。
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