JP2010274527A - ハニカム構造板の製造方法 - Google Patents

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泰 中山
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Abstract

【課題】簡易な方法で安価に生産可能なハニカム構造板の製造方法を提供し、これにより生産性の向上を図る。
【解決手段】ハニカム構造を有するコアと、コアの表裏に取付けられる一対の外板とを備えたハニカム構造板の製造方法は、コアを樹脂製のコア成形用シートから成形する工程を有し、コアの成形工程は、コア成形用シートであって、その表裏一方の面を凹まし他方の面を突出させた複数の突出部を相互に離隔して所定の間隔に形成したものを一対の板材の間に配置する段階と、この配置により突出部の凹面と板材との間に形成された密閉空間を膨張させ、密閉空間を区画する突出部の側壁部が相互に隣接する他の突出部の側壁部と接触を開始するまで、前記側壁部を膨張変形させる段階、および、側壁部の接触面積を増大させるように側壁部を変形させる段階とを含む。
【選択図】図4

Description

本発明は、ハニカム構造板の製造方法に関する。
近年、軽量化・低燃費化が要求される車両、船舶、航空機等の構造材として、ハニカム構造板の使用が検討され、あるいは実際に使用されている。
ここで、ハニカム構造板は、一般に、略正六角柱状をなす複数のセル(単位コアともいう。以下、同じ。)をハニカム状に配設したもの(ハニカムコア)の表裏にそれぞれ所定のシートを接着剤等で張り合わせることで3層構造のボード体を構成するものである。
この種のハニカムコアの製造方法に関しては、従来、種々の方法が提案されており、例えば下記文献1には、単位コアを半割した第1半割部と、第1半割部と共同して単位コアを形成する第2半割部と、第1半割部と第2半割部との一端同士を接続し且つ単位コアの一方の端面に折り重なる第1被覆部と、第2半割部及び隣接する次点の単位コアの第1半割部の他端同士を接続し且つ単位コアの他方の端面に折り重なる第2被覆部とを備えたハニカムコア成形シートを製作し、当該成形シートを所定の位置で折曲げてその一部を重ね合わせることで、ハニカムコアを製造する方法が開示されている。
特開2007−301865号公報
上記特許文献1に記載の製造方法は、ハニカムコアを樹脂製のコア成形用シートから製造するため、材料コストの面では優れている。しかし、この方法は、上記コア成形シートを折り畳んで成形することから、対応する複数の折り畳み工程が必要となり、このことが生産性向上の妨げとなっていた。また、複数かつ複雑な工程を経ることで製造時間およびコストの増大をも招来していた。あるいは、単位コアを分割した形状の2つの半割部を1つのシートに成形するための成形金型も複雑化することから金型の製造コストが増大する問題もあった。
以上の事情に鑑み、本明細書では、簡易な方法で安価に生産可能なハニカム構造板の製造方法を提供し、これにより生産性の向上を図ることを本発明により解決すべき技術的課題とする。
本発明は、前記課題の解決を図るためになされたものである。すなわち、本発明に係るハニカム構造板の製造方法は、ハニカム構造を有するコアと、コアの表裏に取付けられる一対の外板とを備えたハニカム構造板の製造方法であって、コアを樹脂製のコア成形用シートから成形する工程を有するものにおいて、コアの成形工程は、コア成形用シートであって、その表裏一方の面を凹まし他方の面を突出させた複数の突出部を相互に離隔して所定の間隔に形成したものを一対の板材の間に配置する段階と、この配置により突出部の凹面と板材との間に形成された密閉空間を膨張させ、密閉空間を区画する突出部の側壁部が相互に隣接する他の突出部の側壁部と接触を開始するまで、側壁部を膨張変形させる段階、および、側壁部の接触面積を増大させるように側壁部を変形させる段階とを含む点をもって特徴付けられる。なお、ここでいう「ハニカム構造板」は、いわゆる広義のハニカム構造を有する板状体を意味するものとし、正六角柱以外の多角柱状を含むものとする。また、同一形状のセルの多角柱状空間のみで構成されたものだけでなく、2種類以上の多角柱状空間で構成されたものを含むものとする。
このように、本発明は、ハニカム構造を有する樹脂製のコアを成形する工程に特徴を有するものであり、予め上記所定の形状に成形した樹脂製のコア成形用シートの一部(突起部)を膨張変形させると共に、その際の変形部分(側壁部)の変形態様を2段階にコントロールすることで、所望のハニカム構造を成形する点に特徴を有する。すなわち、コア成形用シートに設けた突起部の側壁部を、相互に隣接する他の側壁部と接触を開始するまで膨張変形させると共に、接触後、当該接触面積を増大させるように引き続き側壁部を変形させるようにすることで、側壁部の接触部分が板材により拘束されていない方向に、言い換えると、コア成形用シートの平面に沿った向きに拡がっていく。そして、このようにして平面状に拡がる側壁部同士の接触部分が、相隣接する全ての側壁部の間に生じることで、これら側壁部の重ね合さった部分が多角柱状空間(セル空間)の側面を形成する。従って、この方法によれば、成形が容易な形状のコア成形用シートの一部を膨張変形させる段階を経るだけで、複雑な形状で従来の方法では成形が困難なハニカム構造を有するコアを簡易な工程で容易に成形することができる。また、成形に用いるシート形状についても、上記変形が可能なように、中空状の突出部を所定の間隔を空けて形成したもので足りるので、当該成形用シートを容易に成形でき、このシートの製作に要するコストを抑えることができる。また、成形工程に使用する設備についても簡易なもので済むため、製造コストを従来に比べて大幅に減らすことが可能となる。
ここで、コア成形用シートは、円筒状の側壁部を有する複数の突出部を配置したものであってもよい。このように、膨張変形に係る側壁部を円筒状とすることで、側壁部に、その外径側への均等な膨張変形が生じることになる。そのため、側壁部の膨張変形ないし接触後の変形を制御し易くして、所望の多角柱状空間(ひいてはハニカム構造)を形成することができる。また、円筒状の側壁部を有する突起部であれば、型成形により容易に成形でき、製作コストを低減できると共に、成形精度も確保できる。
また、コア成形用シートは、任意の一の突出部の周囲に6個の突出部を等間隔に配置したものであってもよい。このように突出部を配置することで、各突出部の側壁部の中心点が何れも、各辺を共有する正六角形の頂点と一致することになる。そのため、この態様に配置した突出部の側壁部を膨張変形させ、かつ相互に接触させた後、その接触面積が増大する向きに引き続き側壁部を変形させることで、側壁部の重合部分を正六角柱状空間(セル)の側面とすることができる。これにより、当該構造板の更なる高剛性化および軽量化を図ることができる。また、上述のように側壁部を円筒状とすることで、一の突起部と隣接する何れの突起部との間においても同様の変形を生じさせることができる。そのため、効率良くかつ精度良く側壁部を正六角柱状の側面に成形することが可能となる。
密閉空間を膨張させるための手段としては、突出部と突出部との間の空間を減圧する手段、突出部の密閉空間を加熱する手段など種々の手段が考えられるが、例えば、コア成形用シートを加熱することで密閉空間を膨張させる手段を採るようにしてもよい。この手段によれば、密閉空間ないし側壁部の膨張変形を温度単位で制御できるので、当該変形の制御を容易かつ高精度に実施できる。また、加熱により膨張させるのであれば、コア成形用シートの全体にわたって密閉空間を等しく膨張させることが比較的容易であり、この点でも精度良くコアを成形することができる。
また、コア成形用シートは、熱可塑性樹脂で形成されたものであってもよい。上述のように加熱により密閉空間の膨張を図る場合、熱可塑性樹脂をコア成形シートの材料に用いてある程度の温度(融点よりも低い温度)まで加熱することにより当該シートが軟化する。そのため、比較的小さい圧力(密閉空間の膨張圧)で上記シートに設けた突起部の側壁部を膨張変形させることができる。よって、密閉空間の膨張により側壁部以外の箇所に生じる不要な変形をできる限り抑えて、所望のハニカム構造を有するコアを精度よく成形することができる。
また、本発明では、一対の板材によりコア成形用シートを挟持した状態で上記密閉空間を膨張させるようにしてもよい。このようにすることで、密閉空間の上記成形用シートの厚み方向への膨張は、挟持した状態の一対の板材により積極的に規制され、側壁部の膨張変形が優先的に生じることとなる。そのため、コアの一層の成形性向上を図ることができる。
また、上記一対の板材に、例えば最終製品となるハニカム構造板の外板を用いて上記コアの成形を行うようにしても構わない。
この場合、外板を予めコア成形用シートの表裏に取付けたもの(ハニカム中間体)を用意し、この中間体内部の密閉空間(外板と突起部の凹面との間に形成される密閉空間)を膨張させるようにしてもよい。あるいは、一対の外板の間に当該成形用シートを別体に配置し、この配置により外板と突起部の凹面との間に形成された密閉空間を膨張させるようにしてもよい。前者の如く、予め一体化したものを使用することで、成形後のコアに対する外板の取付け精度を確保できる(後付け時にコアの形状精度を低下させる心配がない)。コアの成形も簡易な設備および手段で行うことができる。また、後者の如く、別体の外板の間にコア成形用シートを配置して当該コアの成形を行う場合には、接着等によりコアと外板との一体化をコアの成形と併せて行うことができ、工程数を減らすことができる。
また、加熱により密閉空間の膨張(側壁部の膨張変形)を図る場合、コア成形用シートと一対の外板を何れも熱可塑性樹脂製とし、かつ、膨張に要する加熱で両者(シートと外板)を融着することも可能である。この場合には、より効率よくかつ簡便に、コアの成形と外板の取付けとを行うことができ、さらなる工程数の低減化を図ることができる。
このように外板を樹脂製とした場合、密閉空間の膨張に伴う外板の変形を考慮する必要が生じるが、例えば外板の板厚を、コア成形用シートの(特に側壁部の)板厚よりも大きくすることで、側壁部の膨張変形時、外板の変形をなるべく抑制することができる。もちろん、外板を、コア成形用シートよりも剛性に優れた材料で形成してもよい。また、加熱により密閉空間の膨張を図る場合には、例えばコア成形用シートの材料を、外板の材料よりも熱変形温度の低い材料とすることによっても、同様の効果を得ることができる。
以上のように、本発明によれば、簡易な方法で安価に生産可能なハニカム構造板の製造方法を提供でき、これにより生産性の向上を図ることができる。
本発明の一実施形態に係るハニカム構造板の製造方法のうちコアの成形工程を説明するための図であって、一対の外板の間に配置した状態の成形前のコア成形用シートの斜視図である。 図1に示すコア成形用シートのA−A断面図である。 図2に示すコア成形用シートのB−B断面図である。 コア成形シートと外板との間に設けた密閉空間の膨張に伴う突出部の側壁部の変形態様を概念的に説明するための図であって、(a)は隣接する他の側壁部と接触を開始するまでの側壁部の膨張変形を示す側壁部の要部拡大断面図、(b)は側壁部の接触面積が増大するような側壁部の変形を示す側壁部の要部拡大断面図である。 成形後のコアを板厚方向から見た要部拡大断面図である。 成形後のコアをその板面に直交する向きに切ったときの断面図である。 本発明の他の実施形態に係るハニカム構造板の製造方法を説明するための図であって、外板の間に配置した状態の成形前のコア成形用シートの板面に直交する向きに切ったときの断面図である。
以下、本発明に係るハニカム構造板の製造方法の一実施形態を図面に基づき説明する。
この実施形態におけるハニカム構造板の製造方法は、ハニカム構造を有する樹脂製のコアの成形工程に特徴を有するもので、当該コアの成形用シートであって、その表裏一方の面を凹まし他方の面を突出させた複数の突出部を相互に所定の態様に配置してなるコア成形用シートを、コアの表裏に取付けられる一対の外板の間に配置する段階(A)と、この配置により突出部の凹面と外板との間に形成された密閉空間を膨張させ、この密閉空間を区画する突出部の側壁部が相互に隣接する他の突出部の側壁部と接触を開始するまで側壁部を膨張変形させる段階(B)、および、側壁部の接触面積を増大させるように側壁部を変形させる段階(C)とを含む。以下、各段階を詳細に説明する。
(A)コア成形用シートを一対の板材間に配置する(サンドイッチする)段階
まず、コア成形用シートの形状について説明する。図1は、一対の外板1,2の間に配置された状態の成形前のコア成形用シート3の斜視図を示している。また、図2は、図1に示すコア成形用シート3のA−A断面図(当該シートをその板面に直交する向きに切った場合に現れる断面図)を示し、図3は、図2に示すコア成形用シート3のB−B断面図(当該シートをその板面に沿った向きに切った場合に現れる断面図)を示している。これらの図に示すように、ハニカム構造を有するコアを成形するためのコア成形用シート3は、板状の基部4と、この基部4の表裏一方の面を凹まし他方の面を突出させることで他方の面に形成される複数の突出部5とを備えている。
ここで、突出部5の形状ないし配置態様につき詳述すると、突出部5は、基部4より立ち上がってその板厚方向に伸びる側壁部6と、側壁部6の、基部4とは反対側の開口端を閉塞する一端閉塞部7とを一体に有する。この場合、突出部5の内側には、側壁部6および一端閉塞部7の内面に対応した形状の凹面8が形成され、その外側には、同じく側壁部6と一端閉塞部7の外面に対応した形状の凸面9が形成される。
また、複数の突出部5は、相互に離隔し、かつ所定の間隔で配置されている。この実施形態では、任意の一の突出部5の周囲に6個の他の突出部5が配置されており、その何れに対しても上記一の突出部5が等間隔に配置されている。図3に基づき詳述すると、一の突出部5aの中心Oaと、相互に隣接する他の突出部5b,5c,5d…の中心Ob,Oc,Od…との距離は何れもd1で等しい。また、一の突出部5aの周囲に配置される他の突出部5b,5c,5d…同士の離間距離もd2で等しい。特に、この図示例のように、一の突出部5aの周囲に6個の他の突出部5b,5c,5d…を配置した構成を取る場合、上記の距離d1はd2に等しくなり、これら6個の他の突出部5b,5c,5d…は正六角形の頂点に、また、基準となる一の突出部5aは当該正六角形の中心に一致する。上記の位置関係は全ての突出部5(5b,5c,5d…を含む)について成立する。よって、この実施形態のように、突出部5の側壁部6が円筒形状をなす場合、相互に隣接する2個の突出部5,5間の距離(ここでは、最も近い側壁部6,6の対向間隔)が、何れの隣接する2個の突出部5,5間の距離についても等しくなるように複数の突出部5が配置形成されていることになる。言い換えると、全ての突出部5は複数の平行な列を成しており、かつ、隣接する列同士において各列を構成する突出部5の中心が交互に等距離ずつオフセットするように配置されている。
以上の形態をなすコア成形用シート3を、図1および図2に示すように、板材としての外板1,2の間に配置することで、突出部5の凹面8と、基部4と当接する一方の外板1との間に密閉空間10が形成される。この実施形態では、側壁部6は円筒形状を有することから、この側壁部6と一端閉塞部7、および一方の外板1との間に形成される密閉空間10は円柱形状をなす。
(B)側壁部同士の接触が開始するまで側壁部を膨張変形させる段階
上記段階Aのようにして配置された一対の外板1,2およびコア成形用シート3に対して、例えば所定の温度条件で加熱処理を施す。これにより、突出部5の凹面8と一方の外板1との間に形成された密閉空間10を膨張させ、この密閉空間10を区画する突出部5の側壁部6が相互に隣接する他の突出部5の側壁部6と接触を開始するまで側壁部6を膨張変形させる。以下、図3に示す突出部5a,5bの間における側壁部6a,6bの変形態様を例にとって、図4(a)および(b)に基づき説明する。
まず、一の突出部5a内に形成された密閉空間10aを加熱により膨張させることで、図4(a)に示すように、密閉空間10aの周囲を区画する側壁部6aを外径側に膨張変形させる。言い換えると、同図中、破線部から実線部に向けた矢印の方向に側壁部6aを膨張変形させる。また、この場合、コア成形用シート3の全面にわたって加熱処理が施されることで、全ての突出部5内の密閉空間10が膨張し、例えば一の突出部5aに隣接する他の突出部5bの側壁部6bについても外径側への膨張変形が生じる(図4(a)中左側の破線部から実線部に向けた矢印の方向に側壁部6bを膨張変形させる)。
このようにして相互に隣接する突出部5a,5bの側壁部6a,6bを、その対向間隔を詰める向きに膨張変形させ、図4(a)に示すように、相互に隣接する突出部5a,5bの側壁部6a,6b同士が接触を開始するまで側壁部6a,6bを膨張変形させる。
(C)側壁部の接触面積を増大させるように側壁部を変形させる段階
そして、側壁部6a,6bの膨張変形により双方の側壁部6a,6bが接触を開始した後(言い換えると、側壁部6a,6b間に接触領域11が生じた後)、当該接触領域11の面積が増大するように側壁部6a,6bを変形させる。この実施形態であれば、引き続き加熱処理を続行する(加熱条件は変更しても構わない)ことで、双方の側壁部6a,6bが互いに押し合う向き(図4(a)中の矢印の向き)に変形しようとし、その結果、当該押し合う向きの変形を左右に逃がす向きの変形が生じる(図4(b)中、相互に離隔する矢印の向き)。これにより、双方の側壁部6a,6bの接触領域11が拡大する向きに側壁部6a,6bの変形が進行し、曲線形状(曲壁状)の側壁部6a,6bが共に直線状(平板状)の側壁部6a’,6b’へと変形する。この結果、平板状の側壁部6a’,6b’は平面状に拡大した接触領域11を介して一体的に新たな平板状の側壁部14を構成する。
以上のようにして、他の突出部5c,5d…の側壁部6c,6d…(図3を参照)との間においても、各々の密閉空間10c,10d…の膨張に伴う同様の側壁部6aの変形を生じさせることで、周囲に配置された隣接する突出部5の数の新たな平板状の側壁部14が相互につながった状態で形成され、当該数に応じた多角形状の空間13、ないしコアの単位となるセル12が形成される。よって、この実施形態のように、一の突出部5aの周囲に6個の突出部5b,5c,5d…を配置した構成のコア成形用シート3を用いて上記コア15の成形を行った場合、図5に示すように、側壁部6の上記膨張変形により新たに生じた平板状の側壁部14を6辺とする六角柱状の空間13(ないしセル12)が形成される。特に、図3に示すように、各突出部5の中心が正六角形の頂点と一致するように、各突出部5をコア成形用シート3上に形成している場合には、図5および図6に示すように、最終的に形成される多角柱状空間13は正六角柱状をなし、かつ、同形状の空間13を、これら隣接する空間13,13を区画する平板状の側壁部14を介して隙間なく充填した形状の、いわゆる正六角柱状のハニカム構造を有するコア15が形成される。
この実施形態では、コア15の成形時に使用する板材として最終製品(ハニカム構造板)の外板1,2を使用しているので、コア15の成形後、そのまま間に挟んでいるコア15に取付ける(固定する)ことで、コア15の表裏に一対の外板1,2を取付けてなるハニカム構造板を製造することができる。なお、固定の手段は特に問わず、例えば接着剤等の媒体を介して両者15,1(2)を固定してもよく、溶接や溶着(融着を含む)のように媒体を用いることなく一体化する手段で固定してもよい。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記例示の方法に限定されるわけではなく、本発明の範囲内において任意の形態を採り得ることはもちろんである。
例えば、コア成形用シート3に関し、このシート3は樹脂製であれば特にその種類は問わないが、加熱による側壁部6の膨張変形を生じ易くする目的で、これ(コア成形用シート3)を熱可塑性樹脂で形成してもよい。
同様に、側壁部6の膨張変形を促進する目的で、例えばコア成形用シート3の表裏両側に配置した一対の外板1,2でコア成形用シート3を挟持し、この状態で突出部5内の密閉空間10を膨張させるようにしてもよい。また、この場合、外板1,2の変形を抑える目的で、剛性の高い金属製の板状治具で外板1,2を板厚方向に加圧してた状態で、密閉空間10の膨張を図るようにしてもよい。
また、上記実施形態のように、コア成形用シート3を加熱することで、密閉空間10の膨張(側壁部6の変形)を図る場合、側壁部6の膨張変形により生じた接触領域11の一部又は全体が融着するように加熱条件を定めるようにしてもよい。接触領域11において融着が生じることで、新たに形成される平板状の側壁部14(図5を参照)の剛性を高めて、ハニカム構造板全体の強度向上を図ることができる。また、加熱により側壁部6同士が一旦融着すれば、コア15成形後、常温まで冷却した際に、側壁部6’、6’同士が収縮して互いに離隔する(接触領域11が減少する)事態も防止できる。例えば、コア成形用シート3を形成する樹脂材料の熱変形温度(荷重たわみ温度ともいう。)又はそれ以上の温度で加熱することで、上記の融着およびコア15の成形を図ることができる。
もちろん、加熱により膨張させるのであれば、密閉空間10の膨張がコア成形用シート3の全体にわたってなるべく均一となるよう、外板1,2の両外側から同一温度で加熱するのがよい。これにより、これにより、側壁部6の変形がコア成形用シート3の変形が全体にわたって均一に生じる。また、外板1,2を樹脂製とする場合には、加熱による外板1,2の不要な変形(ヒケなど)もなるべく防止することができる。
もちろん、加熱による外板1,2の変形(形状精度の低下)を極力避けたい場合、これら外板1,2をコア15(コア成形用シート3)よりも剛性の高い材料で形成することも可能である。この場合、樹脂、金属、セラミック等の別は問わない。
また、上記実施形態のように、加熱により密閉空間10の膨張を図り、かつ、外板1,2を軽量化のため樹脂製とする場合、いかにして膨張時の外板1,2の変形を抑えて、その分だけ側壁部6の変形を促進させるかが問題となる。この点、例えば、外板1,2の板厚を、コア成形用シート3(特に側壁部6)の板厚よりも大きくすることで、外板1,2の変形を抑制することができる。
あるいは、コア成形用シート3を、外板1,2よりも熱変形温度の低い材料で形成するようにしてもよい。このようにすることで、コア成形用シート3(の側壁部6)が外板1,2に先んじて膨張変形を生じさせることができる。もしくは、この場合、コア成形用シート3を形成する材料の熱変形温度以上で、かつ、外板1,2の形成材料の熱変形温度未満の温度で加熱することで、側壁部6のみを可及的に大きく、かつ効率よく変形させることができる。
また、別の観点から、側壁部6の膨張変形を促進させることを考えた場合、例えば図7に示すように、コア成形用シート3の表裏両側に配置する外板1,2のうち、突出部5の一端閉塞部7と当接する側の外板2に微細な孔16を設けて、突出部5の外側の凸面9で囲まれる領域17(図2および図3を参照)と外部空間とを連通可能にしてもよい。このようにすることで、加熱により側壁部6が外径側に膨張変形し、側壁部6の外面で囲まれた領域17が縮小する際、当該領域17内の気体が孔16を介して外気へと放出される。そのため、突出部5の凸面9で囲まれた領域17内の気体が側壁部6の膨張変形を妨げずに済む。この手段は、側壁部6同士の膨張変形に伴う接触が開始され、上記領域17内の気体が逃げ場を失った場合に特に有効である。
もちろん、当該領域17を密閉空間10と同等あるいはそれ以下の気圧に維持できるのであれば、外板2に孔16を設ける手段以外の手段によっても、上記側壁部6の膨張変形を促すことは可能である。例えば、一対の外板1,2の間に配置したコア成形用シート3を減圧チャンバなどの減圧用容器に収容し、又はポンプ等で減圧可能な空間内に配置し、突出部5の外側の凸面9で囲まれる領域17を減圧することで、相対的に密閉空間10の圧力を高めて、側壁部6の膨張変形を図ることも可能である。また、この際、予め接触領域11となる部分に接着剤等を塗布しておくことで、融着と同様に、側壁部6,6の一体密着化を図ることも可能である。もちろん、上記の手段によりコア成形用シート3を減圧環境下に置いた上で、このコア成形用シート3を加熱する(減圧手段と加熱手段を併用する)ことによっても上記と同様の効果を得ることができる。
また、コア15の成形工程の簡略化を考えた場合、例えばコア成形用シート3と一対の外板1,2を何れも熱可塑性樹脂製とすると共に、側壁部6の段階(B)および(C)に係る変形が可能な程度で、かつ、コア成形用シート3と外板1,2との接触部分(基部4や一端閉塞部7)で融着が生じる程度の温度に加熱するようにしてもよい。このようにすることで、コア15の成形と、当該成形後のコア15と一対の外板1,2との一体化とを一の工程で行うことができる。
あるいは、予めコア成形用シート3の表裏に一対の外板1,2を取付けた(固定した)もの(ハニカム構造板の中間体)を製作しておき、この中間体内部の密閉空間10を加熱等により膨張させるようにしても構わない。このようにすることで、上記手段と同様、コア成形後に、コア15と一対の外板1,2を別途固定するための工程が不要となり、工程数の削減が図れる他、予め一体化したものに対して加熱処理を施すため、形状精度の良いコア成形用シート3に対して一対の外板1,2を正確に位置決め固定できる利点もある。
なお、以上の説明では、突出部5の側壁部6を円筒状とした場合を例示したが、もちろん側壁部6の形状はこれに限られるものではない。上記(B)および(C)の段階を経て所定のセル形状へと突出部5を変形可能な形状である限りにおいて、その形状は任意である。同様に、突出部5の配列態様も上記の説明や図に開示の態様に限定されることなく、例えば膨張変形により成形されるセル12が、正六角柱状を除く六角柱状や他の多角柱状をなすように、突出部5の配置態様を定めることもできる。
また、上記以外の事項についても、本発明の技術的意義を没却しない限りにおいて他の具体的形態を採り得ることはもちろんである。
1,2 外板
3 コア成形用シート
4 基部
5(5a,5b,5c,5d) 突出部
6(6a,6b,6c,6d) 側壁部
7 一端閉塞部
8 凹面
9 凸面
10(10a,10b,10c,10d) 密閉空間
11 接触領域
12 セル
13 多角柱状空間
14 側壁部
15 コア
16 孔
17 突出部の凸面で囲まれた領域
Oa,Ob,Oc,Od 突出部の中心

Claims (4)

  1. ハニカム構造を有するコアと、該コアの表裏に取付けられる一対の外板とを備えたハニカム構造板の製造方法であって、前記コアを樹脂製のコア成形用シートから成形する工程を有するものにおいて、
    前記コアの成形工程は、前記コア成形用シートであって、その表裏一方の面を凹まし他方の面を突出させた複数の突出部を相互に離隔して所定の間隔に形成したものを一対の板材の間に配置する段階と、
    この配置により前記突出部の凹面と前記板材との間に形成された密閉空間を膨張させ、該密閉空間を区画する前記突出部の側壁部が相互に隣接する他の前記突出部の側壁部と接触を開始するまで、前記側壁部を膨張変形させる段階、および、
    前記側壁部の接触面積を増大させるように前記側壁部を変形させる段階とを含むことを特徴とするハニカム構造板の製造方法。
  2. 前記コア成形用シートは、任意の一の前記突出部の周囲に6個の前記突出部を等間隔に配置したものである請求項1に記載のハニカム構造板の製造方法。
  3. 前記コア成形用シートを加熱することで前記密閉空間を膨張させる請求項1又は2に記載のハニカム構造板の製造方法。
  4. 前記コア成形用シートは、熱可塑性樹脂で形成されたものである請求項1〜3の何れかに記載のハニカム構造板の製造方法。
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