JP2010273452A - 被電力供給装置、電力供給装置システム、消磁防止制御方法 - Google Patents

被電力供給装置、電力供給装置システム、消磁防止制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】充電台の電子機器が持ち上げられて磁束が徐々に無くなっていく状況になったとしても、電子機器内部の永久磁石部品が消磁されないようにする。
【解決手段】被充電機器には、2次コイルとともに補助コイルを備える。2次コイルが発生する磁束が時間経過に応じて減少していく状態であると判定されているときには、2次コイルにて発生している磁束についての、規定量の磁束に対する不足分を求める。この不足分の磁束が補助コイルにより発生するようにして、補助コイルを駆動する。
【選択図】図3

Description

本発明は、非接触充電動作中に生じ得る、内部の永久磁石デバイスの消磁を防止する制御動作を実行するようにされた被電力供給装置、及び電力供給装置システムと、これらの装置、システムにおける消磁防止制御方法に関する。
非接触で電子機器(2次電池)に充電する技術が以前から知られている。
このような非接触充電は、例えば充電台に1次コイルを備え、電子機器側に2次コイルを備える。充電時には、充電台のしかるべき定位置に電子機器を置くようにして、1次コイルを駆動する。これにより、1次コイルと2次コイルとの間で誘導起電力が発生する。電子機器側では、この誘導起電力を利用して2次電池への充電を行う。
特許文献1には、非接触充電装置として、充電動作を終了させるのにあたって、充電電流を徐々に減少させていくことで、短時間で充電が完了し、且つ、過充電が生じないようにした構成が記載されている。
特開昭49−113136号公報
現状における電子機器として、例えばデジタルカメラ、ビデオカメラなどの撮像装置の充電に応用する場合を考えてみる。
例えばこれらの撮像装置は、フォーカス調整やズームなどのレンズ駆動などのために、MRセンサ、ホール素子、モータなど、永久磁石を用いたデバイスを内蔵しているのが通常である。また、表示パネルの開閉検出や反転検出に永久磁石、GMRセンサなどを用いることも行われている。さらに、機種によっては、磁気記録が行われる記録メディアを内部に装填しているものもある。
このように、現在における電子機器は、上記撮像装置に代表されるように、永久磁石を用いた何らかのデバイス、記録メディア等を少なからず有している場合が多い。
上記の特許文献1では、充電中において充電電流を徐々に減少させているが、これは即ち、1次コイルと2次コイルの間に発生している交流磁束が徐々に減少していくことを意味している。このようにして徐々に減少する磁束は、消磁の作用を有する。従って、特許文献1による非接触充電を行うと、徐々に減少する磁界の影響で、電子機器内のデバイスにおける永久磁石が消磁されてしまうことになる。これらの永久磁石が消磁されてしまえば、例えば、レンズ駆動、表示パネルの開閉、反転検出が適正に行われなくなる、また、記録メディアに記録されたデータが消去される、などの不具合を招くことになる。
このことからすれば、例えば上記特許文献1に記載された充電の構成は、多くの永久磁石部品を内部に備える現在の多くの電子機器に応用するべきではない、ということになる。
しかし、実用上のことを考慮すると、特許文献1に記載された充電の構成を採用しなくとも、高い可能性で、磁束が徐々に弱まるようにして充電が終了する状況が発生し得る。このような状況が発生する典型的な事例としては、充電中の状態においてユーザが充電台に載せられていた電子機器を手に持って、充電台から離していってしまう、という場合を挙げることができる。
非接触充電では、電子機器が単に位置決めされた状態で充電台に対して載置させるような態様とされていることが多く、通常、ユーザは、いつでも充電台の上に載っている電子機器を持ち上げることはできる。とはいえ、このような電子機器の扱いができないようにしてしまうと、かえって不便になってしまうので好ましくない。
消磁への対策としては、例えば電子機器内部の消磁されたくない部品を物理的に磁気シールドすることが考えられるが、電子機器の軽量小型化の妨げになったり、内部部品のレイアウトの自由度が低くなったりするので現実的ではない。
本願発明としては、上記したように、例えば充電台の電子機器(被電力供給装置)が持ち上げられるなどして、充電中において磁束が徐々に弱まるようにして充電が終了する状況になったとしても、電子機器(被電力供給装置)内部の永久磁石部品が消磁されないようにすることを、その課題とする。
そこで本発明は上記した課題を考慮して、被電力供給装置として次のように構成する。
上記電力供給装置の1次コイルとの結合により規定量の誘導起電力が発生するようにして設けられる2次コイルと、補助コイルと、上記1次コイルからの誘導起電力に応じて上記2次コイルにて発生する磁束量を検出する磁束量検出手段と、上記磁束量検出手段により検出される磁束が時間経過に応じて減少していく、磁束減少状態であるか否かを判定する状態判定手段と、上記状態判定手段により上記減少状態であることが判定されることに応じて、上記電磁束量検出手段により検出される現在の上記磁束量についての、上記規定量の誘導起電力に応じて2次コイルにて得られるとされる上記磁束量に対する不足分を算出する不足磁束量算出手段と、上記不足磁束量算出手段により算出される磁束が上記補助コイルにより発生するようにして上記補助コイルを駆動する補助コイル駆動手段とを備えることとした。
また、電力供給装置システムとして次のように構成することとした。
つまり、電力供給装置と、この電力供給装置からの電力供給を受ける被電力供給装置とから成り、上記電力供給装置において、1次コイルと、上記電力供給装置において、上記1次コイルを駆動する1次コイル駆動手段と、上記電力供給装置において、補助コイルと、上記被電力供給装置において、上記1次コイルとの結合により規定量の誘導起電力が発生するようにして設けられる、上記2次コイルと、上記被電力供給装置において、上記電力供給装置に対して無線によりデータを送信する被電力供給装置側通信手段と、上記電力供給装置において、上記被電力供給装置から無線により送信されるデータを受信する電力供給装置側通信手段と、上記被電力供給装置において、上記1次コイルからの誘導起電力に応じて上記2次コイルにて発生する電流値又は電圧値を検出する電流/電圧検出手段と、
上記被電力供給装置又は電力供給装置において、上記電流/電圧検出手段により検出された電流値又は電圧値に基づいて、上記1次コイルからの誘導起電力に応じて上記2次コイルにて発生する磁束が時間経過に応じて減少していく、磁束減少状態であるか否かを判定する状態判定手段と、上記被電力供給装置又は電力供給装置において、上記状態判定手段により上記減少状態であることが判定されることに応じて、上記電磁束量検出手段により検出される現在の上記磁束量についての、上記規定量の誘導起電力に応じて2次コイルにて得られるとされる上記磁束量に対する不足分を算出する不足磁束量算出手段と、上記被電力供給装置又は電力供給装置において、上記不足磁束量算出手段により算出される磁束が上記補助コイルにより発生するようにして上記補助コイルを駆動する補助コイル駆動手段とを備えることとした。
上記各構成によっては、非接触で電力供給が行われる被電力供給装置において、2次コイルが発生する磁束が時間経過に応じて減少していく状態であると判定されているときには、2次コイルにて発生している磁束についての、規定量の磁束に対する不足分を求める。そして、この不足分の磁束が補助コイルにより発生するようにして、補助コイルを駆動する。
これにより、実際には1次コイルにより誘起される2次コイルの磁束成分が減少しているとしても、その減少分が補助コイルにて発生している磁束により補填され、見かけ上は、2次コイルにて発生している磁束が規定量のまま減少しない状態を維持できる。これにより、2次コイルが発生する磁束が時間経過に応じて減少していくことによる交流消磁が行われることが防止される。
このようにして、本発明は、例えばシールドなどを施すことなく、電子機器などとしての被電力供給装置において備えられる永久磁石部品が交流消磁されてしまうことを有効に防止できる。
第1実施形態に対応する非接触充電装置システムとしての充電台及び被充電機器を、1次コイル、2次コイル、及び補助コイルの位置関係例とともに示す図である。 第1実施形態に対応する、充電台と被充電機器の各システム構成例を示す図である。 第1実施形態の被充電機器が実行する消磁防止制御のための処理例を示すフローチャートである。 消磁防止制御中において発生する磁束の状態を説明するための図である。 消磁防止制御の動作を説明するものとして、1次コイル由来で2次側に発生する電流と、補助コイルにて流れる電流とを、2次コイル電流の検出タイミングによる時間経過とともに示す図である。 消磁防止制御の動作を説明するものとして、1次コイル由来で2次側に発生する電流と、補助コイルにて流れる電流との変化を、制御の終了時点まで、時間経過とともに示す図である。 補助コイルについての、1次コイルと2次コイルに対する位置関係の態様例を示す図である。 第2実施形態に対応する、充電台と被充電機器の各システム構成例を示す図である。 第2実施形態の被充電機器が実行する消磁防止制御のための処理例を示すフローチャートである。 交流消磁の原理を説明するための図である。 電子機器(縦型ビデオカメラ)についての磁気デバイスの実装例を示す図である。 電子機器(横型ビデオカメラ)についての磁気デバイスの実装例を示す図である。
以下、本願発明を実施するための形態(以下、実施形態という)について、下記の順により説明する。

<1.消磁の原理>
<2.非接触充電における消磁の問題>
<3.電子機器における永久磁石部品の実際例>
<4.非接触充電装置システム(第1実施形態)>
[4−1.ハードウェア構成]
[4−2.システム構成]
[4−3.アルゴリズム]
<5.コイル配置態様例>
<6.非接触充電装置システム(第2実施形態)>
[6−1.システム構成]
[6−2.アルゴリズム]
<1.消磁の原理>

先ず、図10により交流消磁の原理について説明する。
図10(a)は、コイルに流す交流電流量の振幅[mA]を時間経過とともに示している。ここで示されている交流電流は、その開始時点であるA点付近では振幅が最大で、時間が経過するに従って徐々に小さくなり、最終的に、開始時点から或る時間を経過したB点に至って0となるように変化している。
このような交流電流がコイルに流れることにより、その極性に応じて、コイルに発生する磁束も極性を反転させるようにして変化する。また、時間経過に応じて振幅が減少していくのにしたがって、コイルに発生する磁束も減少していく。即ち、図10(a)に示す交流電流によっては、コイルに発生する磁束は、A点付近で最大の状態から、その交流周期に応じて極性を反転させながら徐々に減少していき、最終的にB点にて0となる。
ここで、コイルにて発生する磁界内に磁性体が存在しているとする。この磁性体は、図10(a)に示す交流電流に応じて発生する磁束により、その極性に応じて着磁することになる。つまり、交流周期に応じて磁化の方向が反転するようにして着磁する状態変化を示す。例えば、A点の近傍での交流電流のピーク値が得られているときには、例えば図10(b)に示すようにして、磁性体の分子磁石が、1つの極に揃うようにして磁化された状態、即ち着磁した状態が得られる。しかし、これとともに、時間経過に従ってコイルに発生する磁束が減少していくことに応じて、磁化により生じる磁力も小さくなっていく。そして、最終的に磁束が0となるB点に至ったときには、図10(c)に示すようにして分子磁石ごとの極性の向きはばらばらの状態になる。つまり、磁性体としては磁力を有していない状態となる。
このようにして、徐々に磁束が減少する交流磁界によっては、磁性体が磁化していない状態とすることができる。これが交流消磁といわれる。
<2.非接触充電における消磁の問題>

例えば充電台(充電器)と2次電池を内蔵する電子機器とを、物理的に接続しない状態で充電を行う非接触充電は、これまでにもいくつかの電子機器で広く採用されている。
非接触充電は、充電台に1次コイルを設け、電子機器側に2次コイルを設けるようにしたうえで、充電台に対して電子機器をしかるべき位置状態により載せるようにする。この状態で充電台側で1次コイルに交流電流を流すことで、磁気結合によって電子機器側の2次コイルにも交流電流が流れ誘導起電力が発生する。電子機器側では、この誘導起電力を例えば直流化するなどして2次電池に対して充電を行う。
このような非接触充電では、電子機器について、単に位置決めされた状態で充電台に対して載置させるような態様とすることが多い。これは、別の見方をすれば、充電動作中において、いつでも、ユーザが電子機器を持ち上げて充電台から離すことができる、ということを意味する。
充電中においては、充電台側では1次コイルに対して規定量の電流を流し、1次コイルにおいて一定の磁束を発生させている。しかし、この充電中において上記のようにして電子機器が持ち上げられる場合、電子機器内の2次コイルからみた場合には、電子機器が持ち上げられて充電台、つまり1次コイルから離れていくのに従って、誘導起電力も小さくなっていくことになる。このとき、2次コイルにおいては、図10にて説明したのと同様に、時間経過に従って、2次コイルに流れる電流が0になるまで徐々に減少し、これに応じて磁束も0になるまで徐々に減少していく状態が生じていることになる。
ここで電子機器が内部に何らかの永久磁石を有するデバイスを備えていたとすると、これらの永久磁石を有するデバイスは、2次コイルにて発生する磁界内に存在していることになる。従って、充電動作中に電子機器が持ち上げられたときには、電子機器内の永久磁石部品が消磁する可能性があることになる。
このような永久磁石を有するデバイスが消磁してしまうと、当然、そのデバイスは適切に動作できなくなる、という不具合を生じることになる。
<3.電子機器における永久磁石部品の実際例>

近年では多くの電子機器においてセンサなどに永久磁石を有するデバイスが多数実装されている傾向にある。このような永久磁石を有するデバイスを備える電子機器の具体例として、図11,図12にビデオカメラを示しておく。
また、これらの図に示されるビデオカメラは、それぞれ、内部に2次コイルを備えるものとしている。つまり、非接触充電により内蔵の2次電池(図示せず)に充電できるように構成されているものとする。なお、2次電池は、本体内部に内蔵される態様の他、外付けの態様で電子機器の本体に取り付けられる態様の場合もある。
先ず、図11のビデオカメラ100は、いわゆる縦型のものであり、図11(a)に側面図を示し、図11(b)に正面図を示す。
この図のビデオカメラ100は、本体上部においてレンズ部101が設けられている。ビデオカメラ100内部において、このレンズ部101の周辺には、例えばフォーカスレンズやズームレンズ、またホール素子を備えて成る絞りなど光学系の駆動のために、MRセンサ(磁気センサ、磁気抵抗素子)102,103を有している。また、レンズ駆動モータ104a,104b,104cを有している。また、パネル状の表示部107の開閉、正転/反転状態を検知するために、GMR(Giant Magneto Resistive)センサ105も有することとしている。これらのMRセンサ102,103,レンズ駆動モータ104a,104b,104c、及びGMR(Giant Magneto Resistive effect)センサ105は、何れも永久磁石を有して構成されるデバイスである。なお、レンズ駆動モータに採用されるデバイスとしては、例えばDCモータ、ステッピングモータ、リニアモータなどとなる。
さらにその場合には、記録媒体として磁気記録媒体106を内蔵している例を示している。ここでの磁気記録媒体106としては、例えばMRAM(磁気抵抗メモリ:Magneto resistive Random Access Memory)であるとか、Magnetic Race-track Memoryなどを挙げることができる。あるいは、磁気テープ、フロッピーディスク(登録商標)、光磁気ディスクなども磁気記録媒体として挙げられる。
また、この図では、下側本体内部において、正面から見て左側面の内壁側において2次コイル22が配されていることとしている。この2次コイル22は基板21に対して取り付けられており、例えば、この基板21が、本体内部において固定されることで図示する2次コイル22の位置状態が得られているものである。この2次コイル22の配置の場合、非接触充電を行う際には、ビデオカメラ100の本体左側面を下側にして充電台の上に載せることになる。
このようにして、ビデオカメラ100においては多くの永久磁石を有するデバイス、また、磁気記録媒体を備えている。これらのデバイスや磁気記録媒体は、2次コイル22との距離に差はあるものの、同じビデオカメラ100の本体内にあるために、いずれにせよ、2次コイルの磁束による磁界の影響を受けやすい。従って、例えば充電動作中においてビデオカメラ100が持ち上げられて充電台から離されていくことによっては、これらのデバイス、磁気記録媒体106が消磁される、あるいは磁力が弱まる可能性がある。
ちなみに、この例では、2次コイル22の磁束が通過する経路において配置されている磁気記録媒体106が最も影響を受けやすい。
例えば、光学系の駆動に関するMRセンサやレンズ駆動モータにおける永久磁石部品が消磁されると、ホール素子での制御による適正な絞り調整、フォーカス制御、ズーム調整などが行えなくなる可能性がある。例えば絞りなどの調整に際してホール素子での検出が不適切になると、高輝度の被写体を撮影した場合にサチュレーションが起きたまま補正されない画になる。
また、表示部に関連するGMRセンサにおける永久磁石部品が消磁されると、表示部を開いても電源がオンにならなかったり(表示部を開くと電源がオンとなる仕様の場合)、表示が開始されなかったりするなどの不具合が生じる。また、表示部を回転して向きを反転させたとしても、これに応じて表示画像の走査が切り替わらないなどの不具合を生じる。
さらに、記録媒体として上記のようにしてMRAMなどを採用していれば、これらの記録媒体に記録されたデータが消去されたりでたらめに書き換えられたりする可能性がでてくる。
また、図12には、いわゆる横型のビデオカメラ200を示している。図12(a)は、左側面図であり、図12(b)は平面図である。
先ず、この場合には、2次コイル22は、ビデオカメラ200の本体の底面の内壁側に配置される。この2次コイル22も、基板21に取り付けられた状態となっている。この基板21が、本体内部において固定されている。
また、この場合にも、レンズ部201に対応する光学系を駆動するために、MRセンサ202a,202b,レンズ駆動モータ204a,204b,204c,204dが備えられている。また、左側面に設けられるパネル状の表示部208の開閉、正転/反転を検知するためのGMRセンサ205も備えられている。
また、この場合には、本体右側面において、記録媒体として、磁気記録媒体であるHDD(Hard Disc Drive)を備えている。
この図12に示されるビデオカメラ200としても、図11と同様に、各種の永久磁石を有するデバイスを備えている。従って、充電動作中に持ち上げられることによっては、永久磁石部品が消磁される可能性があることになる。
特に、この横型のビデオカメラ200においては、ほとんどのデバイスが、2次コイル22を磁束が貫通する経路と非常に近いために、2次コイル22の磁界の影響はより強いと考えられる。
現状において、電子機器内に備えられる可能性のある、永久磁石を備えるデバイスとして、上記図11,図12に示した以外のものについての例を挙げておく。
スピントランジスタ、アクチュエーター、アンジュレーター、ウィグラー、自由電子レーザ、アナログポインティングデバイス、光アイソレーター、マイクロアクチュエーター、マイクロセンサ、強磁性半導体のデバイス、磁場でレーザの進行方向を制御する磁気光デバイス、半導体スピンエレクトロニクスデバイス、ホールICを用いた回転デバイス(JOG機構)、光バッファメモリ、ディスク状ナノ磁石を使用したデバイス、半導体電界吸収型光変調器、ボックス回転型多元対向スパッタ装置などである。
上記の交流消磁の問題を解決するには、例えば、永久磁石を有するデバイスに対して、例えば軟磁性体などにより、物理的な磁気シールドを施すようにすることが考えられる。しかし、磁気シールドを施せば、それだけデバイスとシールドから成る部分のサイズが大きくなり、機器の小型軽量化や設計自由度の妨げであるとか、コストアップなどを生じる。
そこで、本実施形態としては以降説明するようにして、非接触充電を行う場合の電子機器における永久磁石部品の消磁を防止する。
<4.非接触充電装置システム(第1実施形態)>
[4−1.ハードウェア構成]

図1は、第1の実施形態に対応する非接触充電装置システムのハードウェア構成例を示している。本実施形態の充電装置システムは、充電台(充電器:電力供給装置)1と、充電台1からの電力を受電する電子機器である被充電機器2(被電力供給装置)とから成る。
なお、ここで図示している被充電機器2は、デジタルカメラとされているが、先の図11,図12においてビデオカメラ100,200を例としてあげていることからも理解されるように、デジタルカメラに限定されるべきものではない。例えば本体内部において永久磁石部品を備えるものであれば、本実施形態の充電装置システムの構成は有用に適用できる。
充電台1は、例えば商用交流電源を入力して充電電力を被充電機器2側に供給する。
被充電機器2は、内蔵の2次電池の電力により動作するもので、充電台1から供給される充電電力を受けて、内蔵若しくは外付けの2次電池に対して充電を行うことができる。
先ず、充電台1においては、その筐体1aの上面部の所定位置において、その内壁にほぼ接するようにして1次コイル12を配置するようにしている。なお、この場合の1次コイル12は基板11上に設けられており、実際には、この基板11が筐体1a内部で位置決め固定されていることにより、1次コイル12が図示する位置にて配置されるようになっている。
また、ここでは図示していないが、充電台1内部においては、商用交流電源を電力源として1次コイルに流すべき電流を生成するための電源回路、また、CPUなどを備えて内部制御を実行する制御部等を備える。
被充電機器2においては、筐体2a内部の底面部の所定位置において2次コイル22が設けられている。この2次コイル22は、被充電機器2が充電台1における適正位置に載せられた状態のときに、充電台1側に設けられる1次コイル12とちょうど対向する位置となるように設けられる。これにより、1次コイルとの間での誘導起電力ができるだけ効率よく発生されるようにしている。
そのうえで、本実施形態においては、被充電機器2側において、2次コイル22の直下に対して、この2次コイル22と対向するようにして、補助コイル23を設けることとしている。この場合、補助コイル23は、発生した磁束が、補助コイル23にも貫通するようにして配置されている状態である。
なお、この場合には、基板21に対して2次コイル22を取り付け、さらにその上側に補助コイル23を取り付けるようにしている。そして、この基板21を上下逆向きにして、被充電機器2の底面内壁部に対して、位置決め固定するようにしている。なお、この図では、基板21をビスにより固定している態様としているが、他の態様による固定がおこなわれてよい。
また、本実施形態において、1次コイル12、2次コイル22、及び補助コイル23についての形状は、例えば巻き線型であってもよいし、シート型であってもよい。
先ず、非接触充電を行うにあたっては、充電台1の電源をオンとした状態で、この充電台1の規定の位置に対して、被充電機器2を配置する。なお、このとき、被充電機器2は、例えば物理的な位置決め機構などにより位置決めされていてもよいが、あくまでも非接触充電であるから、充電台1側との電気的な物理的接続はされていない。
本実施形態の場合、上記のようにして充電台1に被充電機器2が配置されると、充電台1は、このことを検知するようになっており、1次コイル12に対して充電のための規定量の交流電流を流す動作を開始させる。これにより、以降、1次コイル12にて交流磁束が発生することになり、2次コイル22にも誘導起電力が発生する。つまり、1次コイル12から2次コイル22経由で、充電台1から被充電機器2側に電力伝送が行われる。このとき、充電台1に被充電機器2が適正状態で配置されていれば、2次コイル22においては、上記1次コイル12に流される規定量の電流に応じて決まる規定量の磁束と、この磁束に応じた電流・電圧が発生する。
被充電機器2側では、2次コイルに発生した誘導起電力から例えば定電流化された充電電力を生成し、2次電池に供給する。つまり、2次電池に対する充電を行う。
また、詳細な制御については後述するが、充電中において例えば被充電機器2をユーザが持ち上げるなどしたことに応じて、2次コイル22に流れる電流(交流磁束)が徐々に減少していく状態となったときには、被充電機器2は、補助コイル22にコイル電流を流す。このときに補助コイル22に対しては、2次コイル22の磁束と同位相であり、かつ、2次コイル22における磁束の減少分が補填されるようにしてコイル電流を流す。
これにより、被充電機器2が充電台1から離れていくのにかかわらず、被充電機器2においては、充電台1に適正にセットされているときと同じ磁束を維持することになる。そして、最終的には、1次コイル12から伝送される電力が0となった後のしかるべきタイミング、例えば一次コイルからの送電が完全に完了していると認識できたタイミングで、補助コイル22に流す電流を停止させるようにする。これにより、本実施形態では、被充電機器2側にて磁束が徐々に減少しないことになり、結果として、被充電機器2内の永久磁石部品が消磁されることを防止できる。
[4−2.システム構成]

図2は、上記した消磁防止のための制御(消磁防止制御)に対応した、被充電機器2のシステム構成例を示している。なお、この図においては充電台1についても示されている。
先ず、充電台1においては、制御部13と1次コイル12が示されている。この制御部13は、1次コイル12に対して電流を流すための制御を実行する部位として示されている。また、ここでの制御部13は、例えば商用交流電源ACから1次コイル12に流すべきコイル電流を生成するための電源回路なども含んでいる。
被充電機器2においては、2次コイル22及び補助コイル23とともに、第1電源制御部24、第2電源制御部25、実効値算出器26、微分器27、比較器28、補助コイル電流算出部29、デジタル可変抵抗30、充電回路31、2次電池32を備えるものとしている。
充電回路31は、2次コイル22にて得られている誘導起電力を入力して充電電流を生成し、2次電池32に供給する。これにより2次電池32に対する充電が行われる。また、この場合の第2電源制御部25は、例えば2次電池32の両端電圧などに基づいて、2次電池32の充電量を検知することが可能とされている。第2電源制御部25は、2次電池32が満充電の状態になったことを検知したことに応じて、2次コイル22に対する通電を遮断し、駆動を停止する。これにより、満充電の状態の2次電池32に対してさらに充電が行われてしまうことを防止している。
この場合の被充電機器2は、電源制御部として、第1電源制御部24と第2電源制御部25との2つを備えている。
消磁防止制御に際して、主たる制御は第1電源制御部24が実行する。第1電源制御部24は、消磁防止制御のために、2次コイル22に流れる電流若しくは電圧を検出することとしている。なお、説明の便宜上、以降においては、第1電源制御部24は2次コイル22に流れる電流値を検出するものとする。
また、ここで、検出される電流は、以降の説明から理解されるように、消磁防止制御において、1次コイル12との結合によってコイル22に発生する磁束成分の減少を補助コイルにより補うために用いられる。従って、ここでの電流値の検出は、1次コイル由来(1次コイル12との結合による)の2次コイル22にて発生する磁束成分量を検出しているものと見ることができる。
第2電源制御部25は、2次コイル22と補助コイル23の駆動を制御する。例えばこの場合の第2電源制御部25は、第1電源制御部24の命令に応じて、2次コイル22と補助コイル23に対するコイル電流の通電、遮断(停止)を制御することができる。
第1電源制御部24は、実効値算出器26、微分器27、及び比較器28を利用して、2次コイル22に流れる電流量が時間経過に応じて減少している状態について判定を行う。つまり、2次コイル22において、1次コイル12からの誘導起電力に応じて発生している磁束が減少している状態について判定する。これは即ち、例えばユーザが被充電機器2を持ち上げるなどして、被充電機器2が充電台1から離れていく過程にある状況を検知することを意味する。
第1電源制御部24は、1次コイル12からの誘導起電力に応じて発生している磁束が減少している状態であることを判定すると、以降、自身が検出している2次コイル22の電流量に基づいて、補助コイル電流算出部29により、補助コイル23に流すべき電流値を算出させる。このときに補助コイル電流算出部29が算出することとなる電流値は、正常な充電動作が行われているときに2次コイル22にて得られるべき規定量の磁束に対する不足分に対応した磁束を発生させるべきものとなる。このとき、2次コイル22の磁束は、時間経過に応じて減少している。従って、補助コイル電流算出部29が算出する電流値は、時間経過に応じて増加していくものとなる。
デジタル可変抵抗30は、例えば実際には、補助コイル23に流すべき電流の経路に挿入されていることで、その抵抗値が可変されることによって、補助コイル23に流すべき電流量が可変されるようになっている。
補助コイル電流算出部29は、算出した電流値が補助コイル22に流れるようにしてデジタル可変抵抗30の抵抗値を変更設定する。上記のようにして、補助コイル電流算出部29が算出する電流値は、時間経過に応じて増加するものなので、デジタル可変抵抗30の抵抗値は、時間経過に従って小さくなっていくようにして可変される。この結果、補助コイル23に流れる電流は、時間経過に従って増加していくことになり、補助コイル23にて発生する磁束により、2次コイル22の磁束(時間経過に応じて減少)の不足分が補填されることになる。つまり、2次側(被充電機器2)においては、正常な充電が行われているときと同じ磁束量が継続的に維持される。
なお、上記した被充電機器2側のシステム構成において、第1電源制御部24と第2電源制御部25は、実際のハードウェア構成においては、1つのデバイスとされていてもよい。図2では、説明の便宜のために、機能に応じて2つの電源制御部に分けて示している。
また、上記第1電源制御部24及び第2電源制御部25は、例えばプログラムを実行するCPUを備えるマイクロコンピュータなどとして構成することができる。また、実効値算出器26、微分器27、比較器28、及び補助コイル電流算出部29の各々については、ハードウェアにより構成されてもよいし、上記電源制御部と同様に、プログラムを実行するCPUにより実現される機能として構成されてもよい。
また、実際に、被充電機器2において2次コイル電流(又は電圧)を、どの部位に流れる電流から検出するのかについては、下記の態様を挙げることができる。
2次コイル22を実装したモジュールで2次コイル22に流れる電流を検出する。
2次コイル22で発生した誘導起電力による電圧もしくは電流の値を電源制御部(IC)で取得する。本実施形態としては、この態様を採るものとしている。
2次コイル22で発生した誘導起電力を2次電池32に伝送する経路の電流を検出する。
2次コイル22で発生した誘導起電力を2次電池32に伝送する経路において、2次電池32の端子にて得られる誘導起電力由来の電流を検出する。
2次電池32の内部に実装されたクーロンカウンターを用いて誘導起電力由来の電流を検出する。
[4−3.アルゴリズム]

上記構成による第1実施形態としての非接触充電装置システムにおける、被充電機器2の消磁防止制御のアルゴリズム例について、図3のフローチャートを参照して説明する。
なお、この図に示す手順は、第1電源制御部24、実効値算出器26、微分器27、比較器28、補助コイル電流算出部29が適宜実行するものとしてみることができる。また、上記各部位に対応するハードウェアが実際にはマイクロコンピュータなどとして構成される場合には、CPUがプログラムを実行することにより得られる処理としてみることができる。
第1電源制御部24は、ステップS101において、現在において充電中であるか否かについて判別している。ステップS101において、充電中であるとして肯定の判別結果が得られたのであれば、ステップS102に進むが、否定の判別結果が得られたのであれば、この図に示す消磁防止制御の処理を抜け、例えば一定時間後に、ステップS101の処理に戻る。
ステップS102においては、2次コイル22に流れている電流の実効値(2次コイル電流実効値Ie)を算出する。このためには、先ず、第1電源制御部24により2次コイル22に流れている電流値を検知するようにして、この検知される2次コイルの電流値を実効値算出器26に出力する。実効値算出器26は、入力される電流値から、例えば演算によって、その実効値を求めていく。このようにして求められる実効値が2次コイル電流実効値Ieとなる。
なお、ここで、2次コイル22に流れる電流について、その実効値を求めることとしているのは、充電動作中において2次コイル22に流れる電流は交流であることによる。実効値を求めることで、実際に有効な電力に対応した正確な2次コイルの電流量が得られる。なお、2次コイル電流実効値Ieは、例えば2次コイル電流の最大値から求めることができる。
ステップS102の手順を実行した後は、ステップS103以降の手順と、ステップS108以降の手順とが併行して実行される。
ステップS103においては、上記ステップS102により算出された2次コイル電流実効値Ieについての、時間Δtにおける実効値の変化量ΔIeを算出する。このためには、実効値算出器26により求められた2次コイル電流実効値Ieを微分器27が入力して微分演算を行う。
上記実効値変化量ΔIeは、2次コイル電流の時間経過に応じた増減の程度を表すものとなる。
例えば充電動作中において充電台1に対して被充電機器2が適正に配置されたままの状態であれば、実効値変化量ΔIeは、0近傍の値を維持することになる。これに対して、被充電機器2が持ち上げられて充電台1から徐々に離れていくことに応じては、徐々に誘導起電力が弱まっていくことになるので、2次コイル電流は単位時間においてあきらかに減少していくことになる。このとき、実効値変化量ΔIeは、例えば交流消磁が発生し得る状態に対応した一定以下の負の値を取ることになる。
そこで、ステップS104においては、第1電源制御部24が、実効値変化量ΔIeと予め設定された閾値thとについて、
ΔIe < th
が成立するか否かについて判別する。このためには、先ず、比較器28が微分器27から実効値変化量ΔIeを入力し、この入力した実効値変化量ΔIeと閾値thとを比較して、ΔIeが閾値thよりも小さいときに、このことを示す信号を出力する。第1電源制御部24は、比較器28から取り込んだ信号に基づいて、ΔIe < thが成立しているか否かについての判別を行う。
ここで、比較器28に設定される閾値thは、負の値であり、例えば上記した被充電機器2が持ち上げられて充電台1から徐々に離れていく状態に対応して得られるとする単位時間あたりの2次コイル電流の減少量に基づいて設定されるものである。
従って、ステップS104においては、時間経過に応じて、徐々に、2次コイルの電流が減少している状態にあるか否かについて判別していることになる。
ステップS104において否定の判別結果が得られた場合には、現在、2次コイル電流は、減少傾向ではないことになる。この場合には、ステップS102の処理に戻る。
これに対して、ステップS104において肯定の判別結果が得られた場合には、現在、2次コイル電流が減少している状態であり、従って、このままでは、2次コイルの磁束も減少して最終的には0になる可能性があることになる。そこで、この場合には、ステップS105の消磁防止のための処理手順に移行する。
ステップS105においては、先ず、第1電源制御部24が不足電流値Ishを算出したうえで、この不足電流値Ishを補助コイル電流算出部29に通知する。
ここでの不足電流値Ishとは、現在において実際に2次コイル22にて得られている電流量についての、正常時において2次コイル22にて得られるとする規定の電流量に対する不足分をいう。ここでの正常時に対応する状態とは、例えば、1次コイル12に対して充電のための規定量の交流電流が正常に流されており、かつ、充電台1に対して被充電機器2が適正位置に配置されていることで、1次コイル12と2次コイル22との位置関係が適正を保っているような状態をいう。
この不足分電流値Ishは、下記のようにして求めることができる。
例えば、第1電源制御部24は、予め上記正常時に対応して2次コイル22にて得られるべき、2次コイル電流実効値を保持しておく。そして、この保持している電流値と、現時点において求められている最新の2次コイル電流実効値Ieとの差分を求めることとすればよい。
若しくは、第1電源制御部24は前回のステップS105〜S107の処理を実行したことによって得られた2次コイル電流実効値Ieを保持しておくこととする。そのうえで、この保持した過去の2次コイル電流実効値Ieと、現時点において求められている最新の2次コイル電流実効値Ieとの差分を求めるようにしてもよい。
上記ステップS105により不足分電流値Ishの通知を受けた補助コイル電流算出部29は、ステップS106により、通知された不足分電流値Ishに対応して補助コイル23に流すべき電流値(補助コイル電流値Id:実効値)を算出する。
ここで、不足分電流値Ishは、必ずしも補助コイル電流値Idと一致しない。これは、例えば2次コイル22と補助コイル23の巻数などの条件が同じであるとは限らないからである。
補助コイル23は、1次コイル12からの誘導起電力により2次コイル23において生じる、1次コイル由来の磁束の減少分(不足分)を補填するだけの磁束を生成するためのものである。従って、補助コイル電流算出部29は、不足分電流値Ishを利用したうえで、例えば上記巻き数などの既知の項を含む所定の演算式により、上記不足分に応じた磁束を発生させることのできる補助コイル電流値Idを求めることになる。
次に、補助コイル電流算出部29は、ステップS107において、上記ステップS106により求めた補助コイル電流値Idが実際に補助コイル23に流れるように、デジタル可変抵抗30の抵抗値を可変する制御を実行する。
ステップS107の処理を実行した後は、ステップS102に戻る。例えば充電台1から被充電機器2が徐々に離れていくことで、2次コイル電流実効値Ieが徐々に減少している期間においては、ステップS104にて肯定の判別結果が得られることとなって、ステップS105〜ステップS107の手順が繰り返されることになる。この結果、徐々に2次コイル電流実効値Ieが減少していくのに応じて、補助コイル電流値Idは、増加していくように制御されることになる。
図4は、上記ステップS105〜S107の処理が実行されているときの磁束の状態を示している。
この図においては、図1に示した配置にならって、1次コイル12、2次コイル22、及び補助コイル23が示されている。例えば被充電機器2が充電台1から離れていくときには、2次コイル22及び補助コイル23側と、1次コイル12との間隔が離れていくことになる。なお、図1に示した1次コイル12、2次コイル22、及び補助コイル23の配置構成の場合においては、2次コイル22と補助コイル23は、同じ被充電機器2において固定的に設けられているから、両者が離れていくことはない。
この図において、1次コイル由来で発生している磁束(交流磁束)については実線で示している。この1次コイル由来の磁束は、例えば被充電機器2が充電台1から離れていくのに応じて、つまり、2次コイル22及び補助コイル23に対する1次コイル12の距離が離れていくのに応じて、減少していくものとなる。これに対して、破線で示す補助コイル23から発生する磁束(交流磁束である)は、1次コイル由来の磁束と同位相とされたうえで、上記1次コイル由来の磁束の減少分に応じて増加していくものとなる。
被充電機器2側においては、このような1次コイル由来の磁束と、補助コイル由来の磁束が、同じ位相で2次コイル22を貫通することになる。この結果、被充電機器2側では、充電台1から離れていくのにかかわらず、正常な充電動作時において得られる正規量と同等の磁束が維持される。
説明を図3に戻す。
ステップS108〜S112の処理について説明する。このステップS108〜S112は、ステップS103〜S107と併行して実行される処理であり、被充電機器2側から見た充電台1(1次コイル12)からの電力伝送が停止したことに応じて、被充電機器2側における受電動作を停止させるための処理となる。
なお、ステップS108〜S112の処理は第1電源制御部24が実行するものとしてみることができる。
ステップS108においては、ステップS102にて算出された2次コイル電流実効値Ieについて、補助コイル23に由来する電流I2と同等になったか否かについて判別する。
ここで、消磁防止制御実行中の2次コイル電流は、図5,図6により後述するように、1次コイル12由来の電流I1と補助コイル23由来の電流I2とを合成したものとなる。ステップS108において肯定の判別結果が得られる場合、即ち、実際に検出される2次コイル電流実効値Ieが、補助コイル23に由来する電流I2になったということは、2次コイル電流実効値Ieに含まれる1次コイル12由来の電流I1の成分は0になったことを意味する。そして、電流I1が0であるということは、2次コイル22側から見れば、1次コイル12からの誘導起電力が全く得られていない状態であることになる。これは、例えば充電台1から被充電機器2が徐々に離れていくような状況との対応では、1次コイル12が2次コイル22と全く結合できなくなった程度にまで、相互の距離が離れた状態になったことに相当する。
ステップS108において否定の判別結果が得られた場合には、ステップS102に戻る。これに対して、ステップS108において肯定の判別結果が得られた場合には、ステップS109に進む。
ステップS109においては、後述する図6の待機期間Twに相当する計時時間Tが設定されるタイマが動作中であるか否かについて判別し、タイマが動作中であるとして肯定の判別結果が得られたのであれば、ステップS110をスキップしてステップS111に進む。これに対して、ステップS109において否定の判別結果が得られたのであれば、ステップS110により、タイマについて、例えばリセットを行ったうえでカウントを開始させてステップS111に進む。
ステップS111においては、計時時間Tが経過したか否かについての判別を行う。ここで否定の判別結果が得られた場合には、ステップS112によりタイマのカウントを停止させ、さらにステップS102の処理を経て新たに2次コイル電流実効値Ieを求めたうえで、ステップS108に戻る。
これに対して、ステップS111において肯定の判別結果が得られた場合には、ステップS113に進む。ステップS113において、第1電源制御部24は、2次コイル22と補助コイル23への通電の停止を、第2電源制御部25に対して指示する。これに応じて、第2電源制御部25は、2次コイル22と補助コイル23に対する通電を停止させる。これにより、以降、充電回路31に対しては電力は供給されないことになり、2次電池32への充電が停止されることになる。
なお、図3に示す処理として、ステップS102〜S107までのループ処理と、ステップS102〜S112までのループ処理を実行する実際のタイミングとしては、予め定めた、一定の時間間隔ごとに実行させるようにすればよい。この時間間隔としては、例えば100msなどの、予め設定した時間長に基づくものとすることが考えられる。また、例えば撮像装置などでは、各種のタイミング制御に、ビデオ信号におけるV(垂直)若しくはH(水平)の同期タイミングを利用することができるので、例えば5Vであるとか、V同期に基づいたタイミングとすることも考えられる。
上記図3に示した処理によって得られる動作について、図5及び図6を参照して説明する。
先ず、図5においては、1次コイル2由来で2次側に得られる電流、つまり、1次コイルの誘導起電力によって2次側にて得られる電流成分である電流I1と、補助コイル23の誘導起電力によって2次側にて得られる電流成分である電流I2とを、時間経過とともに示している。
ここでは、ステップS102に応じた2次コイル電流の検出(2次コイル電流実効値Ieの算出)、及びこれに応じたステップS103〜S107の処理は、上記したように、一定時間間隔ごとに実行されるものであり、その時間間隔についてはΔtにより表している。
ここで、例えばこれまで正常に充電台1から被充電機器2に対して充電が行われていた状態から、被充電機器2が充電台1から離されていく状態になったとする。すると、時間経過に応じては、電流I1が減少していくことになる。
図5においては、時刻tの直前までは、2次コイル電流は、1次コイル由来の電流成分のみとされている。そのうえで、時刻tの検出タイミングにおいて、2次コイル電流が減少している。これに応じて、ステップS104によりΔIe < thであるとして判別される。これに応じて、図示するようにしてステップS105により、不足分電流値Ish1が求められることになる。次に、ステップS106,S107が実行されることで、時刻t直後においては、不足分電流値Ish1に応じて求められた補助コイル電流Idにより補助コイル23が駆動される。この結果、図示するようにして、2次側電流としては、1次コイル由来の電流I1に、不足分電流値Ish1と同等の補助コイル由来の電流I2が足し合わされたものとなる。この状態では、2次コイル電流(Ie)は、飽和レベルIA(絶対値)と同等となる。
次に、この時刻tから次のステップS102〜S107が実行される処理タイミング(即ちステップS102が実行されてから、次のステップS102が実行されるタイミングまでに相当する時間間隔)に相当するΔtの期間においても、被充電機器2が充電台1から離されていく状態が継続されているものとする。このため、1次コイル由来の電流I1の成分の電流値は、徐々に減少していくものとなる。
従って、時刻tからΔtを経過した、時刻t+ΔtのタイミングのステップS102においては、2次コイル電流(Ie)は、上記の電流I1の減少分だけ、飽和レベルIAから減少した値が検出されることになる。これにより、時刻t+ΔtのステップS104においても肯定の判別結果が得られる。これに応じて、ステップS105により、図示するようにして新たに不足分電流値Ish2が求められ、ステップステップS106、S107により新たに求めた補助コイル電流Idにより補助コイル23を駆動する。この結果、補助コイル由来の電流I2は、図示するようにして前回の時刻tのときよりも増加することになる。
上記のようにして時刻t+Δtにおいては、補助コイル由来の電流I2が増加されることで、2次コイル電流(Ie)としては、再び、飽和レベルIAと同等となるようにされるが、次の検出処理タイミングである時刻t+2ΔtまでのΔtの期間においても、1次コイル由来の電流I1については、1次コイル12と2次コイル22との距離が拡大しているのに応じて減少する。従って、時刻t+2Δtに対応して実行されるステップS102〜S107によっても、新たに不足分電流値Ish2が求められ、この分、電流I2を増加させて、2次コイル電流(Ie)を飽和レベルIAにまで引き上げるようにされる。
このようにして、本実施形態においては、図3のステップS102〜S107の処理によって、1次コイル由来の電流I1の成分が時間経過に応じて徐々に減少していくのに応じて、補助コイル由来の電流I2を増加させていくように制御することが可能となっていることが理解される。
次に、図6は、図3に示す消磁防止制御が開始されてから終了するまでの1次コイル由来の電流I1と補助コイル由来の電流I2とについての時間経過に応じた変化を示している。
例えば充電台1から被充電機器2が離されていくなどすれば、時間経過に応じて1次コイル由来の電流I1が減少していく。そして、これによってステップS104にて、2次コイル電流実効値Ieの減少(ΔIe < th)が判定される。そして、2次コイル電流実効値Ieが減少していると判定される限りは、図5により説明したように、ステップS105〜ステップS107の処理によって、補助コイル由来の電流I2を増加させるという制御がΔtごとのタイミングで実行される。
上記図5に示したΔtごとの短時間の動作を、より長期の時間幅によりみたばあいには、図6において待機期間Twの前の期間において示される電流I1,I2が得られることになる。
つまり、ステップS104において肯定の判別結果が得られ、ステップS105〜ステップS107の処理が繰り返される結果として、図示するようにして、図6に示すようにして、時間経過に応じて、1次コイル由来の電流I1が減少するのに対して、補助コイル由来の電流I2は徐々に増加していく動作が得られる。
そして、このような時間幅で観察した場合には、同時刻における電流I1と電流I2は、待機期間Twに至るまでの期間においては、IA=I1+I2が成立するものとしてみてよい。つまり、2次側において得られる誘起電流については、電流I1の減少に関わらず、飽和状態にほぼ相当するIAで維持される。
続いて、図6における待機期間Twの開始タイミングは、ステップS108において2次コイル電流実効値Ieが0となったことが判別されて、ステップS110によりタイマのカウントが開始されるときに対応する。ステップS110によりスタートするタイマは、この待機期間Twに対応する時間をカウントする。
ステップS108〜S113の処理によっては、ステップS108にて、一旦、2次コイル電流実効値Ieが0になったと検知されても、待機期間Twに相当する計時時間Tが経過するまでの間に、再度、2次コイル電流実効値Ieが0より大きな絶対値に復帰したときには、また、計時時間Tのカウントが停止されるようになっている。本実施形態では、2次コイル電流実効値Ieが0を維持している状態で計時時間Tが経過した場合にのみ、ステップS113により通電(駆動)停止を行うようにしている。
実際において、ステップS108にて2次コイル電流実効値Ieが0になったと検知されても、これが瞬時的なものであり、実際には、その後においても、2次コイル電流実効値Ieが0より大きな値に復帰した状態となる可能性は当然のこととしてあるものと考えられる。そこで、本実施形態では、上記のようにして、2次コイル電流実効値Ieが0を維持している状態で計時時間Tが経過したとして、完全に2次コイル電流実効値Ieが0になったとみなしてよい状態になったことを以て、2次コイル22と補助コイル23への通電を停止させることとしているものである。
図6においては、計時時間Tをカウントしている期間が、待機期間Twに相当する。この待機期間Twにおいては、ステップS103〜S107の処理も併行して実行されているために、補助コイル電流値Idに対応する電流I2のみによって、IAで示される電流量をまかなっている状態となる。
そして、待機期間Twの終了時点が、ステップS111にて肯定の判別結果が得られるタイミングとなる。そして、待機期間Twが終了して減衰期間Teが開始されるタイミングは、ステップS113により2次コイル22と補助コイル23への通電を停止させたタイミングに相当する。例えば、2次コイル22と補助コイル23への通電を停止させるには、2次コイル22と補助コイル23のそれぞれに接続されている駆動回路の動作を停止させる。この駆動回路は、例えば実際には、IC(Integrated Circuit)などとされるが、これらの駆動回路を停止させたとしても、回路の時定数などにより電流Idが瞬時的に停止することはなく、或る時間幅をもって0に減衰していく。この駆動回路の停止から実際に電流Idが0にまで減衰する期間が減衰期間Teとなる。
これまでの説明から理解されるように、電流I1の時間経過に応じた減少に対して、電流I2を増加させていく動作により、被充電機器2の内部における永久磁石部品の消磁は防止される。しかし、例えば、2次コイル22と補助コイル23への通電の遮断に応じて,図6の電流I2も瞬断されるようにして停止したとすると、逆に、金属を帯磁させる可能性がでてくる。そこで、本実施形態では、例えば駆動回路の時定数を利用することで、電流I2が瞬断することなく時間幅をもって減衰するようにし、かつ、その時間幅としては、交流消磁も消磁させない程度に短い減衰期間Teを設定することとしたものである。
このようにして、本実施形態においては、消磁防止とともに、補助コイル電流の停止に伴って生じ得る帯磁も防止している。
<5.コイル配置態様例>

図7は、1次コイル12、2次コイル22、及び補助コイル23の配置位置関係についての態様例のバリエーションを示している。
先ず、図7(a)は、第1実施形態に対応する図1と同様となる。つまり、充電台1側に1次コイル12を配置し、被充電機器2において、充電台1にセット(配置)された状態では、1次コイル12と2次コイル22の間に補助コイル23が位置するようにして、2次コイル22及び補助コイル23を配置する。
図7(b)は、充電台1側に1次コイル12が配置され、被充電機器2側において2次コイル22と補助コイル23が配置される点では図7(a)と同様となっている。
ただし、2次コイル22と補助コイル23の位置関係が図7(a)とは逆になる。つまり、図7(b)においては、被充電機器2において、充電台1にセットされた状態では、1次コイル12と補助コイル23との間に2次コイル22が位置するようにして、2次コイル22及び補助コイル23が配置される態様となっている。
図7(c)では、補助コイル23を1次側の充電台1側に設けている。この場合、被充電機器2側は2次コイル22のみとなる。また、この場合には、充電台1に対して被充電機器2がセットされた状態では、1次コイル12と2次コイル22との間に補助コイル23が位置するようにして配置される態様である。
図7(d)も、補助コイル23を1次側の充電台1側に設けているが、この場合には、充電台1に対して被充電機器2がセットされた状態では、補助コイル23と2次コイル22との間に1次コイル12が位置するようにして配置される態様である。
<6.非接触充電装置システム(第2実施形態)>
[6−1.システム構成]

次に、第2実施形態として、上記図7(c)若しくは図7(d)に示したようにして、補助コイル23が充電台1側に設けられる場合の非接触充電装置システムの構成について説明する。
図8は、第2実施形態としての非接触充電装置システムを形成する、充電台1と被充電機器2の内部システム構成例を示している。
先ず、充電台1においては、1次コイル12とともに、補助コイル23が備えられる。また、充電台1においては、制御部13に加えて、補助コイル電流算出部29、デジタル可変抵抗30、通信部14が備えられる。
通信部14は、被充電機器2の通信部33との間で無線通信を行うために設けられる。この通信部14と、通信部33との無線通信方式は特に限定されないが、例えば電波による通信などを採用できる。
被充電機器2は、図2の第1実施形態の場合と同様に、第1電源制御部24、第2電源制御部25、実効値算出器26、微分器27、比較器28を備えるとともに、上記した通信部33を備える。また、図2の第1実施形態において備えられていた補助コイル電流算出部29、デジタル可変抵抗30は、補助コイル23が充電台1側に設けられたことに応じて、上記のように充電台1側に対して設けられる。
[6−2.アルゴリズム]

図9は、上記図8に示した第2の実施形態としての被充電機器2と充電台1との間で実行される処理手順例を示している。
先ず、被充電機器2が実行する処理として、ステップS201、S202の処理は、先の第1実施形態に対応する図3のステップS101,S102と同様となる。
また、図9におけるステップS203〜S205の処理も、図3のステップS103〜S105と同様となる。ただし、ステップS205の不足分電流値Ishの通知は、第1電源制御部24が通信部33に不足分電流値Ishのデータを転送し、この不足分電流値Ishのデータを通信部33により、充電台1側に対して送信させる。
また、被充電機器2の処理として、ステップS206〜S209の処理は、図3のステップS108〜S111と同様となる。
そのうえで、ステップS209において肯定の判別結果が得られた場合、第1電源制御部24は、先ず、ステップS211により、通信部33を制御して、充電台1に対して、充電を停止すべきことを通知する。次に、ステップS212により、2次コイル22への通電を停止させる制御を実行する。
充電台1においては、先ず、制御部13は、ステップS301において、上記ステップS211により送信されてくる充電停止の通知が受信されることを待機する。また、ステップS302において、ステップS205により送信されてくる不足分電流値Ishの通知データが受信されるのを待機する。
ここで、例えば不足分電流値Ishの通知データが通信部14にて受信されて制御部13にて受け取られると、ステップS302において肯定の判別結果が得られることになり、ステップS303に進む。
ステップS303においては、制御部13が受け取った不足分電流値Ishのデータを補助コイル電流算出部29に出力し、補助コイル電流値Idの算出を命令する。これにより、補助コイル電流算出部29は、補助コイル電流値Idを算出する。次に、補助コイル電流算出部29は、ステップS304として、図3のステップS107と同様に、求めた補助コイル電流値Idが補助コイル23に流れるように、デジタル可変抵抗30を可変する制御を行う。ステップS304の処理の後はステップS202に戻る。
また、充電台1の通信部14にて、ステップS211により送信された充電停止の通知が受信されて制御部13にて受け取られると、ステップS301において肯定の判別結果が得られ、ステップS305に進む。
ステップS305は、ステップS301に対応する充電停止の通知の受信に応答する動作として、制御部13が補助コイル23への通電を停止させる。また、この場合には、1次コイル12についても通電を停止させることとしている。
ここで、被充電機器2がステップS211により充電停止の通知を送信したタイミングから、この通知が充電台1にて受信され、これに応じてステップS301として肯定の判別結果が得られ、さらにステップS305よる補助コイル23と一次コイル12への通電が停止されるまでの所要時間は、既知の値として予め把握できる。そこで、例えば被充電機器2においては、ステップS211による通知の送信を実行してから、ステップS212の2次コイル22への通電停止の処理を開始するまでの時間について、上記の所要時間に応じて設定する。これにより、被充電機器2側でのステップS212による2次コイルへの通電停止のタイミングと、充電台1側でのステップS305による補助コイル23と一次コイル12への通電停止のタイミングとを一致させることができる。
図8の例のようにして補助コイル23が充電台1側に備えられる構成では、より万全に消磁が防止されるようにするためには、充電台1側の補助コイル23及び一次コイル12と、被充電機器2側の2次コイル22とを同時のタイミングで通電を停止させることが好ましい。本実施形態では、上記のようにしてステップS212と、ステップS305の処理タイミングを一致させることができるので、万全な消磁防止効果を得ることができる。
また、図8の例のようにして、補助コイル23を充電台1側に備える構成では、2次コイル22と補助コイル23とがそれぞれ異なる装置に備えられている。このために、例えば、補助コイル23と一次コイル12による、2次コイル22側への電力伝送が飽和状態よりも大きくなって過剰供給となる可能性がある。
そこで、図8の例では、このような過剰供給を防止する構成を与えるようにしてもよい。このための構成としては、例えば、被充電機器2において微分器27が算出した実効値変化量ΔIe(S203)について、ステップS204にて閾値th以上であると判別された場合には、閾値thとの差分に基づいて、例えば過剰の電力供給分に相当する過剰分の電流値(過剰電流値)を求めるようにする。そして、この過剰電流値を充電台1側に通知する。充電台1では、過剰電流値の通知を受信したときには、通知された過剰電流値に基づいて、ステップS303により、現在の補助コイル電流値Idから過剰分の電流値を減算するようにして補助コイル電流値Idを算出する。これによって、例えば適度に飽和レベルIAが保たれ、過剰供給が防止される。
また、図8の例のようにして、補助コイル23を充電台1側に備える場合には、実効値算出部26、微分器27、比較器28の全て、もしくは、微分器27と比較器28、若しくは比較器28のみを、充電台1側に設けることができる。例えば、実効値算出部26、微分器27、比較器28の全てを充電台1側に設けた場合には、第1電源制御部24が検出した2次コイル22の電流値若しくは電圧値のデータを、通信部33により、充電台1側に送信して通知するように構成すればよい。
また、これまでの説明においては、非接触充電の動作中に際して充電器と被充電機器とが徐々に離されていく状態、つまり、2次コイル22に誘起して発生する磁束が時間経過に応じて減少していく状態の例として、充電台に置かれていた被充電機器を意図的にユーザが持ち上げるという状況を挙げている。しかし、非接触充電の動作中に際して充電器と被充電機器とが徐々に離されていく状態は、これ以外の場合にも生じ得る。例えば、充電台が不安定な状態で設置されているところに被充電機器を置いたために、被充電機器が徐々に充電台からずり落ちていくような場合である。これまでの説明から理解できるように、本実施形態の消磁防止制御であれば、このような状況にも対応して消磁防止を行える。
また、これまでの説明では補助コイルは1つのみとされているが、例えば複数が設けられるようにしてもよい。複数を設ける場合については、例えば充電台と被充電機器とに、それぞれ必要数の補助コイルを設けるようにすることができる。
また、消磁防止制御を実行していない正常な充電動作中においては、1次コイルとともに補助コイルも受電用コイルとして利用して、1次コイル電流と補助コイル電流とにより2次電池に対する充電を行うようにしてもよい。このような構成により、補助コイルを用いた急速充電が可能になる。
また、先にも述べたように、本願発明に基づいた消磁防止の構成は、被充電機器についての具体的な特定は特にないものであって、内部に永久磁石を有するデバイスを備える電子機器全般、また、磁気記録媒体が装填、内蔵される電子機器全般について有効に動作する。
また、この場合には、非接触充電を例に挙げているが、充電に限定されることなく、無線で電力供給を行うようにされた装置システム、また、電力供給を受ける電子機器に対して、本願発明は適用されるべきものである。
また、本願発明は被電力供給装置として一般の電子機器以外にも適用できるものであり、例えば電気自動車、ハイブリッド車などの自動車が実装する2次電池への非接触充電にも応用できる。つまり、この場合の充電施設としては、地面などに一次コイルを設置する。そして、この1次コイルが設定されているところにまで、自動車を運転して移動させて停止させておき、この停止させた状態で、1次コイルと、自動車側に備えられる2次コイルとの間で誘導起電力を生じさせて2次電池への充電を行う。充電を解除するときには、そのまま自動車を運転してその場から離れる、というものである。
このような充電施設(電力供給装置)を利用する際には、充電場所から自動車を移動させるときに、自動車が搭載する永久磁石部品について消磁が発生する可能性がある。そこで、例えば自動車(被電力供給装置)側に補助コイルを設ける、若しくは充電施設側に補助コイルを設けることとして、本願発明の消磁制御を適用すれば、自動車の永久磁石部品の消磁が防止される。
1 充電台、2 被充電機器、12 1次コイル、13 制御部、22 2次コイル、23 補助コイル、24 第1電源制御部、25 第2電源制御部、26 実効値算出器、27 微分器、28 比較器、29 補助コイル電流算出部、30 デジタル可変抵抗、31 充電回路、32 2次電池、14・33 通信部

Claims (16)

  1. 電力供給装置の1次コイルとの結合により規定量の誘導起電力が発生するようにして設けられる2次コイルと、
    補助コイルと、
    上記1次コイルからの誘導起電力に応じて上記2次コイルにて発生する磁束量を検出する磁束量検出手段と、
    上記磁束量検出手段により検出される磁束が時間経過に応じて減少していく、磁束減少状態であるか否かを判定する状態判定手段と、
    上記状態判定手段により上記減少状態であることが判定されることに応じて、上記電磁束量検出手段により検出される現在の上記磁束量についての、上記規定量の誘導起電力に応じて2次コイルにて得られるとされる上記磁束量に対する不足分を算出する不足磁束量算出手段と、
    上記不足磁束量算出手段により算出される磁束が上記補助コイルにより発生するようにして上記補助コイルを駆動する補助コイル駆動手段と、
    を備える被電力供給装置。
  2. 上記磁束量検出手段は、
    検出すべき磁束量に相当するものとして、上記2次コイルに流れる電流値又は電圧値を検出し、
    上記状態判定手段は、上記磁束量に相当するものとして検出される上記電流値又は電圧値が時間経過に応じて減少していく状態であるか否かに基づいて、上記磁束減少状態か否かについて判定する、
    請求項1に記載の被電力供給装置。
  3. 上記磁束量検出手段は、
    上記磁束量に相当するものとして検出される上記電流値又は電圧値について、その実効値を得る、
    請求項2に記載の被電力供給装置。
  4. 上記状態判定手段は、
    上記磁束量に相当するものとして検出される上記電流値又は電圧値について微分演算を実行し、この微分演算により得られる微分値について、負の所定値以下であるか否かについて判別することにより、上記磁束減少状態か否かについて判定する、
    請求項2又は請求項3に記載の被電力供給装置。
  5. 上記不足磁束量算出手段は、
    現在において、2次コイルにて得られている電流値についての、上記正規量の誘導起電力に応じて2次コイルにて得られるとされる規定電流値に対する不足分を求めるとともに、
    求められた上記規定電流値に対する不足分に基づいて補助コイルに流すべき電流値を求める補助コイル電流値設定手段をさらに備え、
    上記補助コイル駆動手段は、
    上記補助コイル電流値設定手段により求められた電流値が上記補助コイルに流れるように制御する、
    請求項1乃至請求項4に記載の被電力供給装置。
  6. 上記磁束量検出手段により磁束がないものとの検出される状態が一定時間経過してから、上記補助コイルに対する通電を停止させる通電停止制御手段をさらに備える、
    請求項1乃至請求項5に記載の被電力供給装置。
  7. 上記2次コイルにて発生する誘導起電力を利用して、2次電池に対して充電を行う充電手段を備える、
    請求項1乃至請求項6に記載の被電力供給装置。
  8. 電力供給装置と、この電力供給装置からの電力供給を受ける被電力供給装置とから成り、
    上記電力供給装置において、1次コイルと、
    上記電力供給装置において、上記1次コイルを駆動する1次コイル駆動手段と、
    上記電力供給装置において、補助コイルと、
    上記被電力供給装置において、上記1次コイルとの結合により規定量の誘導起電力が発生するようにして設けられる、上記2次コイルと、
    上記被電力供給装置において、上記電力供給装置に対して無線によりデータを送信する被電力供給装置側通信手段と、
    上記電力供給装置において、上記被電力供給装置から無線により送信されるデータを受信する電力供給装置側通信手段と、
    上記被電力供給装置において、上記1次コイルからの誘導起電力に応じて上記2次コイルにて発生する電流値又は電圧値を検出する電流/電圧検出手段と、
    上記被電力供給装置又は電力供給装置において、上記電流/電圧検出手段により検出された電流値又は電圧値に基づいて、上記1次コイルからの誘導起電力に応じて上記2次コイルにて発生する磁束が時間経過に応じて減少していく、磁束減少状態であるか否かを判定する状態判定手段と、
    上記被電力供給装置又は電力供給装置において、上記状態判定手段により上記減少状態であることが判定されることに応じて、上記電磁束量検出手段により検出される現在の上記磁束量についての、上記規定量の誘導起電力に応じて2次コイルにて得られるとされる上記磁束量に対する不足分を算出する不足磁束量算出手段と、
    上記被電力供給装置又は電力供給装置において、上記不足磁束量算出手段により算出される磁束が上記補助コイルにより発生するようにして上記補助コイルを駆動する補助コイル駆動手段と、
    を備える電力供給装置システム。
  9. 上記磁束量検出手段は、
    検出すべき磁束量に相当するものとして、上記2次コイルに流れる電流値又は電圧値を検出し、
    上記状態判定手段は、上記磁束量に相当するものとして検出される上記電流値又は電圧値が時間経過に応じて減少していく状態であるか否かに基づいて、上記磁束減少状態か否かについて判定する、
    請求項8に記載の電力供給装置システム。
  10. 上記磁束量検出手段は、
    上記磁束量に相当するものとして検出される上記電流値又は電圧値について、その実効値を得る、
    請求項9に記載の電力供給装置システム。
  11. 上記状態判定手段は、
    上記磁束量に相当するものとして検出される上記電流値又は電圧値について微分演算を実行し、この微分演算により得られる微分値について、負の所定値以下であるか否かについて判別することにより、上記磁束減少状態か否かについて判定する、
    請求項9又は請求項10に記載の電力供給装置システム。
  12. 上記不足磁束量算出手段は、
    現在において、2次コイルにて得られている電流値についての、上記正規量の誘導起電力に応じて2次コイルにて得られるとされる規定電流値に対する不足分を求めるとともに、
    求められた上記規定電流値に対する不足分に基づいて補助コイルに流すべき電流値を求める補助コイル電流値設定手段をさらに備え、
    上記補助コイル駆動手段は、
    上記補助コイル電流値設定手段により求められた電流値が上記補助コイルに流れるように制御する、
    請求項8乃至請求項11に記載の電力供給装置システム。
  13. 上記磁束量検出手段により磁束がないものとの検出される状態が一定時間経過してから、上記補助コイルに対する通電を停止させる通電停止制御手段をさらに備える、
    請求項8乃至請求項12に記載の電力供給装置システム。
  14. 上記2次コイルにて発生する誘導起電力を利用して、2次電池に対して充電を行う充電手段を備える、
    請求項8乃至請求項13に記載の電力供給装置システム。
  15. 上記電力供給装置の1次コイルとの結合により規定量の誘導起電力が発生するようにして設けられる2次コイルにて発生する磁束量を検出する磁束量検出手順と、
    上記磁束量検出手順により検出される磁束が時間経過に応じて減少していく、磁束減少状態であるか否かを判定する状態判定手順と、
    上記状態判定手順により上記減少状態であることが判定されることに応じて、上記電磁束量検出手段により検出される現在の上記磁束量についての、上記規定量の誘導起電力に応じて2次コイルにて得られるとされる上記磁束量に対する不足分を算出する不足磁束量算出手順と、
    補助コイルにて、上記不足磁束量算出手順により算出される磁束が発生するようにして上記補助コイルを駆動する補助コイル駆動手順と、
    を実行する消磁防止制御方法。
  16. 電力供給装置と、この電力供給装置からの電力供給を受ける被電力供給装置とから成る電力供給装置システムにおける消磁防止制御方法であって、
    上記電力供給装置においては、1次コイルと、
    上記電力供給装置においては、上記1次コイルを駆動する1次コイル駆動手段と、
    上記電力供給装置においては、補助コイルと、
    上記被電力供給装置においては、上記1次コイルとの結合により規定量の誘導起電力が発生するようにして設けられる、上記2次コイルを備えたうえで、
    上記被電力供給装置において、上記電力供給装置に対して無線によりデータを送信する被電力供給装置側通信手順と、
    上記電力供給装置において、上記被電力供給装置から無線により送信されるデータを受信する電力供給装置側通信手順と、
    上記被電力供給装置において、上記1次コイルからの誘導起電力に応じて上記2次コイルにて発生する電流値又は電圧値を検出する電流/電圧検出手順と、
    上記被電力供給装置又は電力供給装置において、上記電流/電圧検出手順により検出された電流値又は電圧値に基づいて、上記1次コイルからの誘導起電力に応じて上記2次コイルにて発生する磁束が時間経過に応じて減少していく、磁束減少状態であるか否かを判定する状態判定手順と、
    上記被電力供給装置又は電力供給装置において、上記状態判定手順により上記減少状態であることが判定されることに応じて、上記電磁束量検出手順により検出される現在の上記磁束量についての、上記規定量の誘導起電力に応じて2次コイルにて得られるとされる上記磁束量に対する不足分を算出する不足磁束量算出手順と、
    上記被電力供給装置又は電力供給装置において、上記不足磁束量算出手順により算出される磁束が上記補助コイルにより発生するようにして上記補助コイルを駆動する補助コイル駆動手順と、
    を実行する消磁防止制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014023397A (ja) * 2012-07-24 2014-02-03 Ihi Corp 密閉空間用の非接触電力伝送装置

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