JP2010272834A - 太陽電池用バックシートおよびそれを用いた太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池用バックシートおよびそれを用いた太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】耐候性、水蒸気遮断性、電気絶縁性、機械的強度、意匠性等の諸特性に優れ、特に長期的な性能劣化を最小限に抑えた、低コストで安全な太陽電池用バックシートおよびそれを用いた太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】金属酸化物からなる薄膜層を設けた耐加水分解性樹脂フィルム、着色樹脂フィルムおよび電気絶縁性を有するポリエステルフィルムを、この順で積層して一体化されてなることを特徴とする太陽電池用バックシートおよびそれを用いた太陽電池モジュール。
【選択図】図1

Description

発明の詳細な説明
産業上の利用分野
本発明は、太陽電池用バックシート並びにそのバックシートを用いた太陽電池モジュールに関し、さらに詳しくは、耐候性、水蒸気遮断性、電気絶縁性、機械的強度、意匠性等の諸特性に優れ、特に長期的な性能劣化を最小限に抑えた、低コストで安全な太陽電池用バックシートおよびそれを用いた太陽電池モジュールに関わるものである。
近年、環境問題に対する意識の高まりから、クリ−ンなエネルギ−源としての太陽電池が注目されている。一般に、太陽電池モジュ−ルは、例えば、結晶シリコン太陽電池セル、アモルファスシリコン太陽電池セル等を製造し、表面ガラス板、封止樹脂、太陽電池セル、封止樹脂およびバックシートを、この順に積層し、真空吸引して加熱圧着するラミネ−ション法等を利用して製造されている。
太陽電池モジュ−ルを構成するバックシ−トとしては、現在、強度に優れたプラスチック基材等が、最も一般的に使用されている。而して、太陽電池モジュ−ルを構成するバックシ−トとしては、強度に優れ、かつ、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐薬品性、光反射性、意匠性等の諸特性に優れ、特に、水分、酸素等の侵入を防止する防湿性に優れ、極めて耐久性に富み、その保護能力性が高いことが必要とされている。
また、建築分野での適用では、太陽電池モジュールの意匠性が重要視され、既建築物とのバランスの上に立った白、黒、青色等の種々の色相への着色が太陽電池モジュールを構成するバックシートに求められている。
従来、着色されたバックシートとしては、図5のように、着色樹脂フィルム121、ガスバリア性樹脂フィルム122および電気絶縁性樹脂フィルム123を、接着剤124で貼り合わせた構成が提案されている(特許文献1参照)。
また、従来、着色されたバックシートとしては、図6のように、着色樹脂フィルム131、ガスバリア性樹脂フィルム132および耐加水分解性樹脂フィルム133を、接着剤134で貼り合わせた構成が提案されている(特許文献2参照)。
これらの従来技術は、着色樹脂フィルムが、バックシートの最外側に位置し、太陽電池モジュールを作製するに際し、封止樹脂層と直接接触する。而して、封止樹脂は、通常、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)であり、長期間の使用において、劣化し、微量のガス、例えば酢酸が発生する。この発生ガスは着色樹脂フィルムを劣化させ、バックシートの電気的特性、機械的特性、熱的特性等が低下し、ひいては太陽電池モジュールの長期の信頼性が低下する恐れがある。また、着色樹脂フィルムの色相や色の濃さが変化する恐れがある。さらに、着色樹脂フィルム中の着色剤が封止樹脂層へ移行して、封止樹脂層が着色する恐れがある。
以下に、特許文献を記す。
特開2006−253264号公報 特開2002−100788号公報
発明が解決しようとする課題
本発明は、上記の技術的背景に基づく問題点を解決するためになされたものであって、耐候性、水蒸気遮断性、電気絶縁性、機械的強度、意匠性等の諸特性に優れ、特に長期的な性能劣化を最小限に抑えた、低コストで安全な太陽電池用バックシートおよびそれを用いた太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、金属酸化物からなる薄膜層を設けた耐加水分解性樹脂フィルム、着色樹脂フィルムおよび電気絶縁性を有するポリエステルフィルムを、この順で積層して一体化されてなることを特徴とする太陽電池用バックシートおよびそれを用いた太陽電池モジュールを提供するものである。
課題を解決するための手段
本発明は、かかる課題を解決するために、次の手段を採用するものである。
すなわち、
請求項1に係る発明は、
金属酸化物からなる薄膜層を設けた耐加水分解性樹脂フィルム、着色樹脂フィルムおよび電気絶縁性を有するポリエステルフィルムを、この順で積層して、一体化されてなることを特徴とする太陽電池用バックシートである。
請求項2に係る発明は、
前記金属酸化物が、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化錫からなる群より選ばれた1種以上の金属酸化物を含む組成物であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用バックシートである。
請求項3に係る発明は、
前記金属酸化物が、酸化シリコンおよび/または酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項2に記載の太陽電池用バックシートである。
請求項4に係る発明は、
前記耐加水分解性樹脂フィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用バックシートである。
請求項5に係る発明は、
前記ポリエチレンテレフタレートが、オリゴマー含有量が0.8重量%以下であることを特徴とする請求項4に記載の太陽電池用バックシートである。
請求項6に係る発明は、
前記着色樹脂フィルムが、白色、黒色、青色から選ばれた色相に着色されたことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用バックシートである。
請求項7に係る発明は、
前記着色樹脂フィルムが、白色、黒色、青色から選ばれた着色剤を塗布および/または練りこんだことを特徴とする請求項6に記載の太陽電池用バックシートである。
請求項8に係る発明は、
前記着色樹脂フィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項6および7に記載の太陽電池用バックシートである。
請求項9に係る発明は、
前記電気絶縁性を有するポリエステルフィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用バックシートである。
請求項10に係る発明は、
前記耐加水分解性樹脂フィルム、着色樹脂フィルムおよび電気絶縁性を有するポリエステルフィルムを、接着剤で積層して一体化したことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用バックシートである。
請求項11に係る発明は、
請求項1〜10のいずれかに記載の太陽電池用バックシートを使用したことを特徴とする太陽電池モジュールである。
本発明の太陽電池用バックシートを構成する金属酸化物からなる薄膜層を設けた耐加水分解性フィルムは、耐加水分解性フィルムの表面に金属酸化物の薄膜層を設けたものであり、太陽電池モジュールに対して水蒸気遮断効果を発揮するものである。金属酸化物は絶縁性を有し、化学的に安定で水分とも反応することはない。従って太陽電池モジュールに使用した場合、電流がリークする恐れもなく、建築材料としても耐電圧の高い材料とすることができる。
金属酸化物としては、透明性を有しかつ水蒸気等のガスバリア性を有するものであればよく、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化錫からなる群より選ばれた1種以上が利用できる。これらの金属酸化物は単体でも良いし、複合酸化物となっていても良い。
金属酸化物としては、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化錫からなる群より選ばれた1種以上が利用できるが、薄膜層の形成のしやすさ、水蒸気遮断性能などより、酸化シリコンおよび/または酸化アルミニウムが好んで用いられる。
金属酸化物薄膜層の厚さは、用いられる金属酸化物の種類、構成により異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましい。膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、水蒸気遮断効果を十分に果たすことができない場合がある。また、膜厚が300nmを越える場合は金属酸化物薄膜層に可撓性を保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、金属酸化物薄膜層に亀裂を生じるおそれがある。好ましくは、10〜150nmの範囲内である。
耐加水分解性フィルム上に金属酸化物薄膜層を形成するには、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法、各種CVD法等公知の方法やメッキ法等、いずれも可能であるが、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法等が好んで用いられる。
耐加水分解性フィルム上に金属酸化物薄膜層を形成するには、水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシド及び/又はその加水分解物からなる溶液を塗布形成してもよい。前記金属アルコキシドとしては、テトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウム、またはこれらの混合物等が好んでもちいられる。
前記の溶液の塗布方法は、ロールコーティング法、スクリ−ン印刷法、グラビア印刷法、ダイコーティング法、ディッピング法、スプレー法等の従来公知の手段を用いることができる。
本発明の耐加水分解性樹脂フィルムは、ポリエステルフィルムである。
本発明におけるポリエステルとは、ジカルボン酸誘導体とジオール誘導体との重縮合体であるポリエステル樹脂を含み、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどを用いることができる。
これらポリエステルのなかでも、特にポリエチレンテレフタレートが、機械的性質、熱的性質、電気的性質などに優れているため、本発明の耐加水分解性樹脂として、好んで用いられる。また、機械特性と生産性の上から問題ない範囲内であれば、滑り剤、着色剤、帯電防止剤、低密度化剤などの添加剤が添加されていてもよい。
通常のポリエチレンテレフタレートは、エチレングリコールとテレフタル酸を縮合重合させたいわゆるポリマーであり、モノマーとポリマーの中間体であるオリゴマーが1.6〜2重量%含まれている。ここでオリゴマーとは構造単位の繰返しの数(重合度)が2から20程度の低重合体である。オリゴマーの含有量は、核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance:NMR)等の手段を利用して知ることができる。これに対して本発明で使用する耐加水分解性樹脂は、重合反応が高度に進んで、オリゴマー含有量が0.8重量%以下の樹脂となっている。重合反応が進んでオリゴマー含有量が0.8重量%以下と低くなれば、耐加水分解性に優れた、すなわち、長期の使用にさいして、機械的性質、熱的性質、電気的性質等が安定した優れた樹脂シートとすることができる。
本発明の太陽電池用バックシートを構成する着色樹脂フィルムは、白色、黒色、青色から選ばれた色相に着色される。色相は目的によって異なり、入射光の反射・再利用を目的とするときは白色である。また、屋根材としての意匠性、装飾性等を重視するときは黒色あるいは青色である。
白色樹脂フィルムに用いられる白色顔料としては、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク等の無機フィラー、架橋ポリスチレン樹脂、架橋アクリル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機フィラーがある。
黒色樹脂フィルムに用いられる黒色顔料としては、カ−ボンブラック(チャンネルまたはファ−ネス)、黒色酸化鉄、その他の黒色顔料等である。
本発明において、黒色樹脂フィルムは、茶色系あるいは褐色系の黒色、灰色系の黒色等の黒色味を帯びた黒色層でもよい。
青色樹脂フィルムに用いられる青色顔料としては、ウルトラマリン、コバルトブルー、プルシアンブルー、ターコイズブルー、マンガニーズブルー、フタロシアニンブルー等がある。また、色相を調整するために、他の色の顔料を併用してもよい。
着色樹脂フィルムに用いられる白色、黒色および青色着色剤の使用量は、樹脂100重量部に対して0.1〜15重量部である。
本発明の太陽電池用バックシートを構成する着色樹脂フィルムの樹脂は、耐候性、耐水性、電気的特性、機械的特性、熱的特性等に優れたポリエチレンテレフタレートが好適である。
着色剤は樹脂、溶剤、粘度調整剤等ともに組成物とされ、ベタ刷りによりポリエチレンテレフタレートフィルムフイルムの片面に着色層が形成される。ベタ刷り手段は、公知のロールコーティング法、スクリ−ン印刷法、グラビア印刷法、ダイコーティング法、ディッピング法、スプレー法等、いかなるものを使用してもよい。
着色剤は、あらかじめフィルム化のためのポリエチレンテレフタレート樹脂組成物(ペレット)に添加することで、押出成形等により、着色剤がフィルム全体に均一に練り込まれた着色樹脂フィルムを形成することもできる。
本発明の太陽電池用バックシートを構成する電気絶縁性を有するポリエステルフィルムは、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
太陽電池モジュールに用いられる太陽電池用バックシートは、実用化に
Figure 2010272834
s Verein)の部分放電電圧(VDC)試験の認証を得ることが求められる。太陽電池用バックシートを構成する電気絶縁性を有するポリエチレンテレフタレートフィルムの設計電圧は、最大許容電位傾度から決められる。
金属酸化物からなる薄膜層を設けたポリエチレンテレフタレートフィルムフィルムの場合は、ポリエチレンテレフタレートフィルムの最大許容電位傾度は4.04VDC/μmである。而して、バックシートの総厚みは、部分放電電圧が250VDCの場合は62μm、1000VDCの場合は250μmが必要である。
本発明の太陽電池用バックシートを構成する電気絶縁性を有するポリエチレンテレフタレートフィルムの厚みは50μm以上、300μm以下の範囲で設定される。
ポリエチレンテレフタレートフィルムの厚みを50μm以上とすることで、電気絶縁性が向上し、太陽電池のシステム電圧1000Vに対応できる電気絶縁性の代表的特性である部分放電電圧として1000VDC以上を満たす太陽電池用バックシ−トが得られる。フィルム厚みが50μm未満では、部分放電電圧1000VDCをクリアできない。フィルム厚みが300μmを超えると、太陽電池モジュール製造時の作業性が悪く、また封止樹脂、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂との接着不良等の不具合を生じる。
本発明の太陽電池用バックシートにおいて、金属酸化物からなる薄膜層を設けた耐加水分解性樹脂フィルム、着色樹脂フィルムおよび電気絶縁性を有するポリエステルフィルムをこの順で積層して、接着剤にて一体化されて、太陽電池用バックシートとなる。本発明の太陽電池用バックシートの構成は図1である。バックシート1は、金属酸化物からなる薄膜層を設けた耐加水分解性樹脂フィルム2、着色樹脂フィルム3および電気絶縁性を有するポリエステルフィルム4からなり、接着剤層5によって積層・一体化される。
積層・一体化の方法としては、本発明のバックシートを構成する各フィルムに接着剤を塗布し、重ね合せ、加圧あるいは、加熱下で接着する方法などを用いることができる。
接着に用いられる接着剤として代表的なものは、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂,ポリアミド、フェノール、ポリオレフィン、アイオノマー、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアセタールなどがあげられるが、必ずしもこれらには限定さるものではない。
さらに、接着剤としては、ポリオール成分とイソシアネート成分の、通常は各々の溶剤溶液からなる2液硬化型ポリウレタン樹脂が用いられる。
この場合、ポリオール成分としては、アルキット樹脂、アクリル樹脂、ポリビニールアルコール等が、イソシアネート成分としては、各種イソシアネート樹脂等が用いられる。
接着剤の厚みは、接着力、水蒸気遮断性等の点で1〜10μmが好ましい。また、接着剤の塗布に際しては、ロールコーティング法、スクリ−ン印刷法、グラビア印刷法、ダイコーティング法、ディッピング法、スプレー法等の従来公知の手段を用いることができる。
本発明の太陽電池用バックシートにおいて、バックシートと封止樹脂(通常、エチレン・酢酸ビニル共重合体)シートとの接着性を強固にするために易接着処理層を設けることができる。図3の6が易接着処理層であり、電気絶縁性を有するポリエステルフィルム4の片側に設けられる。
易接着剤としては、ポリウレタン系、ポリエステル系、アクリル系等の熱可塑性樹脂を主成分として含有することが好ましい。これらは常温下でほとんどタック性を有さないものであり、加熱時においてタック性を有するものであればよい。したがって、ガラス転移点が20〜100℃の範囲内にあることが好ましい。ガラス転移点が20℃未満の場合には、易接着処理層が常温においてタック性を有しやすく、易接着処理層と易接着処理層を重ね合わせた際に接着してしまう場合があり、取扱性に問題を生じる。100℃を超える場合は、接着性が減少する恐れや、易接着処理層が脆くなって密着性が保てなくなる場合がある。
易接着処理層の厚さは0.1〜1μmであることが好ましい。0.1μm未満では易接着処理層を施したバックシートと封止樹脂との接着力が不十分になる恐れがある。1μmを超えるとニュートンリングが発生しやすくなる場合があり、光透過率が減少する恐れがある。
易接着処理層の形成には、ロールコーティング法、スクリ−ン印刷法、グラビア印刷法、ダイコーティング法、ディッピング法、スプレー法等の従来公知の手段を用いることができる。
本発明の太陽電池用バックシートにおいて、水蒸気透過率が、温度40℃、湿度90%において厚さ100μm換算で、0.3g/m・24hr以下であることが望ましい。0.3g/m・24hrよりも多くの水蒸気を通してしまうと、ポリエチレンテレフタレートフィルムの加水分解を促進し、強度、伸度ともに低下し、劣化して、脆くなってしまう等、太陽電池モジュールのトラブルとなる。また、水蒸気が太陽電池モジュール内の回路にまで入り込み、回路がショートするなどの不具合が生じる。
本発明の太陽電池用バックシートにおいて、温度85℃、湿度85%の環境下において、3000時間処理後の伸度保持率が50%以上であることが望ましい。温度85℃、湿度85%の環境下における3000時間のエージングは、太陽電池用バックシートとして、屋外暴露状態で20年間相当の耐加水分解性を検査する試験の一つである。この条件で試験した時の伸度保持率が50%未満であれば、バックシートの劣化が著しく、バックシートとしての役目を果たさない。
本発明の太陽電池用バックシートにおいて、温度85℃、湿度85%の環境下において、3000時間処理後の交流全面耐電圧が2000V/mil以上であることが望ましい。交流全面耐電圧が2000V/mil未満の時は、バックシートの電気絶縁性が不十分で、バックシートとしての役目を果たさない。
本発明の太陽電池用バックシートの実施態様を図1、図2および図3に、本発明のバックシートを用いた太陽電池モジュールの実施態様を図4に示す。また、従来の太陽電池用バックシートの実施態様を図5および図6に示す。
図1は本発明の太陽電池用バックシートの断面図である。2は金属酸化物からなる薄膜層を設けた耐加水分解性樹脂フィルム、3は着色樹脂フィルム、4は電気絶縁性を有するポリエステルフィルムであり、この順に積層して、接着剤層5にて一体化される。金属酸化物からなる薄膜層を設けた耐加水分解性樹脂フィルム2は、耐加水分解性樹脂フィルム21に金属酸化物からなる薄膜層22を設けることで作製される。
図2は本発明の太陽電池用バックシートの他の一例の断面図である。2は金属酸化物からなる薄膜層を設けた耐加水分解性樹脂フィルム、3は着色樹脂フィルム、4は電気絶縁性を有するポリエステルフィルムであり、この順に積層して、接着剤層5にて一体化される。着色樹脂フィルム3は、樹脂フィルム31に着色層32を設けることで作製される。
図3は本発明の太陽電池用バックシートの他の一例の断面図である。2は金属酸化物からなる薄膜層を設けた耐加水分解性樹脂フィルム、3は着色樹脂フィルム、4は電気絶縁性を有するポリエステルフィルムであり、この順に積層して、接着剤層5にて一体化される。さらに、電気絶縁性を有するポリエステルフィルム4の片面に易接着処理層6が設けられる。これにより、バックシートと封止樹脂シートとの接着強度が増大する。
図4は本発明の太陽電池用バックシート1を用いた太陽電池モジュール7の断面図である。表面保護板であるガラス板8、エチレン・酢酸ビニル共重合体からなる封止樹脂シート9、予め配線10を配設した太陽電池セル11および本発明の太陽電池用バックシ−ト1を順次積層し、真空吸引等により一体化した後、加熱圧着成形により一体成形する。
図5は、従来の太陽電池用バックシートの断面図である。121は着色樹脂フィルム、122はガスバリア性樹脂フィルム、123は電気絶縁性樹脂フィルムであり、この順に積層して、接着剤層124にて一体化される。
図6は、従来の太陽電池用バックシート他の一例の断面図である。131は着色樹脂フィルム、132はガスバリア性樹脂フィルム、133は耐加水分解性樹脂フィルムであり、この順に積層して、接着剤層134にて一体化される。
発明の効果
本発明によれば、耐候性、水蒸気遮断性、電気絶縁性、機械的強度、意匠性等の諸特性に優れ、特に長期的な性能劣化を最小限に抑えた、低コストで安全な太陽電池用バックシートおよびそれを用いた太陽電池モジュールを提供することができる。
本発明によれば、封止樹脂層と接触する最外層に耐加水分解性樹脂フィルムを用いることで、長期の使用における劣化が防止でき、バックシート、ひいては太陽電池モジュールの長期信頼性が低下することを防止できる。また、長期の使用における色相や色の濃さが変化するのを防止できる。さらに、着色樹脂フィルム中の着色剤が封止樹脂層へ移行して、封止樹脂層が着色することが防止できる。
本発明によれば、軽量で優れた耐水性や耐電圧性を具備し、意匠性に優れ、安価な太陽電池用バックシートが得られる。したがって、本発明のバックシ−トを用いた太陽電池モジュールは一般住宅用の屋根材と一体化して太陽電池モジュールとした場合に、軽量で耐久性に優れ、かつ、電力変換効率が高く、しかも、安価な太陽電池モジュールとすることができる。
本発明の太陽電池用バックシートの一例を示す断面図である。 本発明の太陽電池用バックシートの他の一例を示す断面図である。 本発明の太陽電池用バックシートの他の一例を示す断面図である。 本発明の太陽電池用バックシートを用いた太陽電池モジュールの断面図である 従来の太陽電池用バックシートの一例を示す断面図である。 従来の太陽電池用バックシートの他の一例を示す断面図である。
1 バックシート
2 金属酸化物からなる薄膜層を設けた耐加水分解性樹脂フィルム
21 耐加水分解性樹脂フィルム
22 金属酸化物からなる薄膜層
3 着色樹脂フィルム
31 樹脂フィルム
32 着色層
4 電気絶縁性を有するポリエステルフィルム
5 接着剤層
6 易接着処理層
7 太陽電池モジュール
8 ガラス板
9 封止樹脂シート
10 配線
11 太陽電池セル
12 従来の太陽電池用バックシート
121 着色樹脂フィルム
122 ガスバリア性樹脂フィルム
123 電気絶縁性樹脂フィルム
124 接着剤層
13 従来の他の太陽電池用バックシート
131 着色樹脂フィルム
132 ガスバリア性樹脂フィルム
133 耐加水分解性樹脂フィルム
134 接着剤層

Claims (11)

  1. 金属酸化物からなる薄膜層を設けた耐加水分解性樹脂フィルム、着色樹脂フィルムおよび電気絶縁性を有するポリエステルフィルムを、この順で積層して、一体化されてなることを特徴とする太陽電池用バックシート。
  2. 前記金属酸化物が、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化錫からなる群より選ばれた1種以上の金属酸化物を含む組成物であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用バックシート。
  3. 前記金属酸化物が、酸化シリコンおよび/または酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項2に記載の太陽電池用バックシート。
  4. 前記耐加水分解性樹脂フィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用バックシート。
  5. 前記ポリエチレンテレフタレートが、オリゴマー含有量が0.8重量%以下であることを特徴とする請求項4に記載の太陽電池用バックシート。
  6. 前記着色樹脂フィルムが、白色、黒色、青色から選ばれた色相に着色されたことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用バックシート。
  7. 前記着色樹脂フィルムが、白色、黒色、青色から選ばれた着色剤を塗布および/または練りこんだことを特徴とする請求項6に記載の太陽電池用バックシート。
  8. 前記着色樹脂フィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項6および7に記載の太陽電池用バックシート。
  9. 前記電気絶縁性を有するポリエステルフィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用バックシート。
  10. 前記耐加水分解性樹脂フィルム、着色樹脂フィルムおよび電気絶縁性を有するポリエステルフィルムを、この順で積層して、接着剤にて一体化したことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用バックシート。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の太陽電池用バックシートを使用したことを特徴とする太陽電池モジュール。
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