JP2010272505A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池の停止の際に、燃料電池内部のガス不均一による燃料電池の触媒劣化を抑制することができる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池スタック1には、管路14、16が接続する。管路14のバルブ5下流位置と、管路16のシャットバルブ6上流位置とを、循環管路18が接続する。循環管路18には、循環ポンプ7が設けられている。循環ポンプ7の駆動により、バルブ5およびシャットバルブ6が閉じられることで形成された閉鎖系内で、ガス不均一を緩和する。セル電圧が低下するときの電圧変化率ΔV/Δtが、所定値X以上となったら、循環ポンプ7を駆動する。セル電圧が電圧V2を下回ったら、循環ポンプ7の駆動を終了する。
【選択図】図1

Description

この発明は、燃料電池システムに関する。
従来、例えば、特開2008−4564号公報に開示されているように、燃料電池の運転停止時に関する各種技術が知られている。上記公報の燃料電池システムは、次回のシステム始動性を良好にするために、システム停止時に、燃料電池に水素を再供給している。これにより、燃料電池が停止された後、次回の起動時までの期間に、燃料電池内部に水素を存在させることができる。上記公報によれば、この残存水素が、次回始動時の燃料電池の起動を良好にするという効果をもたらす。
特開2008−4564号公報 特開2007−141476号公報 特開2005−251434号公報 特開2004−179054号公報 特開2005−166424号公報 特開2006−120414号公報
燃料電池の停止時には、それまで発電に供していた反応ガスが、燃料電池内部つまりアノードとカソードのそれぞれに残存する。反応ガス中の水素及び酸素は、燃料電池が停止している間、電解質を透過して、燃料電池内部のアノードとカソード内に分布する。このとき、アノードとカソードにおいてガス分布が不均一となり燃料電池内部に部分水素欠状態を招くと、燃料電池の触媒の劣化反応が起きてしまう。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、燃料電池の停止の際に、燃料電池内部のガス不均一による燃料電池の触媒劣化を抑制することができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、燃料電池システムであって、
アノードに水素含有ガスの供給を受けカソードに酸素含有ガスの供給を受けて発電する燃料電池と、
前記燃料電池の前記アノードの入口と出口に連通する循環管路と、
前記循環管路に設けられたポンプと、
前記循環管路と前記アノードを含む閉鎖系を形成するように、前記アノードの前記入口側と前記出口側とを閉じる閉鎖機構と、
前記燃料電池の停止要求があった後、前記閉鎖系が形成されるように前記閉鎖機構を制御し、且つ、前記ポンプの駆動を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記ポンプの前記駆動が、前記ポンプを間欠的に駆動させる間欠的駆動であることを特徴とする。
また、第3の発明は、第2の発明において、
前記燃料電池の電圧を検知する検知手段と、
前記検知手段が検知した前記電圧に基づいて、前記燃料電池の電圧変化率を算出する算出手段と、
を備え、
前記制御手段が行う前記ポンプの前記間欠的駆動は、前記燃料電池の電圧が低下するときの前記電圧変化率が所定割合よりも急である場合に前記ポンプを所定期間駆動させるものであることを特徴とする。
また、第4の発明は、第3の発明において、
前記所定期間は、前記間欠的駆動における前記ポンプの駆動の開始後、前記燃料電池の電圧が上昇するときの電圧変化率が所定値以下になるまでの期間であることを特徴とする。
また、第5の発明は、第3の発明において、
前記所定期間は、前記間欠的駆動における前記ポンプの駆動の開始から前記アノードの水素濃度が実質的に均一になる程度の期間であることを特徴とする。
また、第6の発明は、第1乃至5の発明のいずれか1つにおいて、
前記燃料電池の電圧を検知する検知手段を備え、
前記制御手段が、前記燃料電池の停止要求があった後前記ポンプの駆動制御を行っている期間に、前記燃料電池の電圧が所定値を下回った場合は、前記ポンプの駆動制御を終了することを特徴とする。
また、第7の発明は、第1乃至6のいずれか1つの発明において、
一端が前記燃料電池の前記カソードと連通し他の一端が開放されたカソード管路と、
前記カソード管路に設けられ前記カソードに空気を供給する空気供給機構と、
前記燃料電池の停止要求があった後、前記カソード管路が前記カソードと前記他の一端とを連通させた状態で、前記空気供給機構を停止する空気系制御手段と、
を備え、
前記制御手段が、
前記燃料電池の停止要求があった後、前記閉鎖系が形成されるように前記閉鎖機構を制御する閉鎖機構制御手段と、
前記閉鎖系の形成後の所定期間、前記ポンプの停止維持または前記ポンプの駆動抑制を行うポンプ動作抑制手段と、
を含むことを特徴とする。
また、第8の発明は、第7の発明において、
前記ポンプ動作抑制手段は、前記閉鎖系の形成後、前記燃料電池の電圧が低下するときの前記燃料電池の電圧変化が変曲点に達した場合に、前記ポンプの前記停止維持または前記ポンプの前記駆動抑制を解除することを特徴とする。
また、第9の発明は、第7の発明において、
前記ポンプ動作抑制手段は、前記燃料電池の電圧が、第1の所定値を下回った後、第2の所定値まで上昇した場合に、前記ポンプの前記停止維持または前記ポンプの前記駆動抑制を解除することを特徴とする。
また、第10の発明は、第1乃至第9の発明において、
前記制御手段が、前記ポンプの前記駆動を行うときに、前記燃料電池に負荷を接続することを特徴とする。
また、第11の発明は、第1乃至第10の発明において、
前記燃料電池の前記アノード内の圧力を検知するアノード圧力検知手段と、
前記制御手段が前記閉鎖系が形成されるように前記閉鎖機構を制御した後、前記アノード圧力検知手段で検知した前記アノード内の圧力が減少を示している間は、前記制御手段に前記ポンプの前記駆動を待機させるポンプ駆動待機手段と、
をさらに備えることを特徴とする。
第1の発明によれば、燃料電池の停止時に、アノード内の水素の偏りを減らすように、アノード内のガス不均一を緩和することができる。これにより、燃料電池内部のガス不均一による燃料電池の触媒劣化を、抑制することができる。
第2の発明によれば、ポンプの駆動時間を少なく抑えることができる。これにより、ポンプの消費電力を少なくしつつ、ガス不均一による燃料電池の触媒劣化を抑制するようにアノード内のガス不均一を緩和することができる。
第3の発明によれば、燃料電池の電圧変化率に基づいて、燃料電池の触媒劣化防止に好適なタイミングで、ポンプを駆動させることができる。
第4の発明によれば、アノード内のガス不均一を緩和する際に、ポンプが過度に駆動し続けてしまうことを、抑制することができる。
第5の発明によれば、アノード内のガス不均一を緩和する際に、ポンプを過不足なく駆動させることができる。
第6の発明によれば、燃料電池内部の水素がある程度まで減少した場合に、ポンプの駆動を終了することができる。これにより、ガス不均一時の濃度差を低減したうえで燃料電池を停止できるので、燃料電池の触媒劣化を少なく抑えることができる。
第7の発明によれば、燃料電池の停止動作期間の初期は、ポンプの駆動を控えることができる。このポンプの駆動タイミングの工夫により、ポンプの消費電力を少なくしつつ、ガス不均一による触媒劣化を抑制することができる。
第8の発明によれば、燃料電池の停止動作期間の初期は、燃料電池の電圧変化が変曲点を経るまでは、ポンプの駆動を控えることができる。
第9の発明によれば、燃料電池の停止動作期間の初期に、燃料電池の電圧が所定量の低下と上昇を経るまでは、ポンプの駆動を控えることができる。
第10の発明によれば、アノード内ガス不均一緩和効果とともに燃料電池の電圧低減効果が得られる。
第11の発明によれば、燃料電池の電圧とアノード内圧力との関係を利用して、燃料電池のアノードの圧力に基づいて、ポンプの駆動を所望のタイミングで開始することができる。
本発明の実施の形態1にかかる燃料電池システムの構成を示す図である。 実施の形態1にかかる燃料電池システムの動作について説明するための図である。 実施の形態1においてコントローラが実行するルーチンのフローチャートである。 実施の形態1の効果を説明するための比較例の図である。 実施の形態1の変形例を説明するための図である。 実施の形態1の変形例の他のバリエーションを説明するための図である。 実施の形態1の変形例のさらに他のバリエーションを説明するための図である。 実施の形態1の変形例を説明するための図である。 実施の形態1の変形例を説明するための図である。 実施の形態2にかかる燃料電池システムの構成を示す図である。 実施の形態2にかかる燃料電池システムの動作について説明するための図である。 実施の形態2においてコントローラが実行するルーチンのフローチャートである。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
図1は、本発明の実施の形態1にかかる燃料電池システムの構成を示す図である。本実施形態の燃料電池システムは、車両等の移動体に好適である。実施の形態1の燃料電池システムは、燃料電池スタック1を備えている。燃料電池スタック1は、図示しないが、複数の単位セルが積層されることにより構成される。個々の単位セルは、膜電極接合体のアノード側とカソード側にそれぞれ、ガス拡散層、セパレータが、積層されたものである。膜電極接合体は、プロトン伝導性の固体高分子電解質膜の両面に、電極触媒層が設けられた平面体である。電極触媒層は、触媒貴金属(例えば白金)が担持されたカーボン担体微粒子を含有する。また、燃料電池スタック1の内部には、個々の単位セルのアノードに連通するアノードマニホールドと、個々の単位セルのカソードに連通するカソードマニホールドとが延びている。
燃料電池スタック1には、管路14、16が接続する。管路14および管路16は、燃料電池スタック1のアノードマニホールドと接続することにより、個々の単位セルのアノードに連通する。管路14の上流は、高圧の水素を貯留する水素ボンベ4と連通する。水素ボンベ4の下流には、バルブ5が設けられる。バルブ5は、調圧弁としての調圧機能とシャットバルブ(遮断弁)としての閉じ機能とを兼備する。管路16には、シャットバルブ6が備えられる。
管路14のバルブ5下流位置と、管路16のシャットバルブ6上流位置とを、循環管路18が接続する。循環管路18には、循環ポンプ7が設けられている。バルブ5およびシャットバルブ6を閉じることにより、循環管路18と燃料電池スタック1のアノードを含む閉鎖系が形成される。
燃料電池スタック1には、管路20、22も接続する。管路20および管路22は、燃料電池スタック1のカソードマニホールドと接続することにより、個々の単位セルのカソードに連通する。管路20には、エアポンプ2が設けられ、その末端は大気に開放されている。管路22には調圧弁3が設けられる。エアポンプ2の駆動により、燃料電池スタック1内の各単位セルのカソードに空気が供給される。調圧弁3の調節により、カソード圧が調節される。
実施の形態1の燃料電池システムは、コントローラ8を備えている。コントローラ8は、エアポンプ2、バルブ5、シャットバルブ6、循環ポンプ7、調圧弁3と接続し、それらの制御を行う。燃料電池スタック1には、負荷10および電圧計12が接続されている。負荷10は、具体的には例えばモータが挙げられる。コントローラ8は、負荷10と電圧計12にも接続している。電圧計12は、実施の形態1では、燃料電池スタック1の各セル電圧を計測できるものとする。
[実施の形態1の動作]
<燃料電池停止時のアノード内ガス不均一の緩和>
以下、図2を用いて、実施の形態1の燃料電池システムの動作について説明する。燃料電池スタック1の停止時には、燃料電池スタック1の発電が停止され(つまり負荷10との接続が遮断され)、燃料電池スタック1への水素および空気の供給が停止される。バルブ5およびシャットバルブ6は閉じられる。このとき、それまで発電に供していた反応ガス(水素および空気)が、燃料電池スタック1内部つまり単位セルのアノードとカソードのそれぞれに残存する。
水素及び酸素は、燃料電池スタック1が停止している間、単位セル内の電解質膜を透過して、単位セルのアノードとカソード内に分布する。このとき、アノードとカソードにおいてガス分布が不均一となり単位セル内部に部分水素欠状態を招くと、カソードの電極触媒層のカーボン酸化反応が生じて触媒劣化を招いてしまう。そこで、実施の形態1では、下記の動作によって、触媒劣化を抑制する。
実施の形態1では、先ず、基本的に、循環ポンプ7の駆動により、バルブ5およびシャットバルブ6が閉じられることで形成された閉鎖系内で、ガス不均一を緩和する。これにより、燃料電池スタック1の停止時に、アノード内の水素の偏りを減らすように、アノード内のガス不均一を緩和、具体的にはアノード内ガスを攪拌することができる。これにより、燃料電池スタック1内部のガス不均一によるカソード電極触媒層のカーボン酸化を、抑制することができる。
<電圧低下率ΔV/Δtに基づく循環ポンプの間欠的駆動>
さらに、実施の形態1の燃料電池システムには、次のような工夫も施される。実施の形態1では、循環ポンプ7を間欠的に駆動させる間欠的駆動を行う。具体的には、実施の形態1では、セル電圧が低下するときの電圧変化率ΔV/Δtが、所定値X以上となったら、循環ポンプ7を駆動しその後数秒間の駆動後循環ポンプ7を停止する。この動作が繰り返されることにより、実施の形態1の間欠的ポンプ駆動が実現される。これにより、循環ポンプ7の駆動時間を少なく抑えることができる。よって、ポンプの消費電力を少なくしつつ、ガス不均一による燃料電池スタック1の触媒劣化を抑制するようにアノード内のガス不均一を緩和することができる。
循環ポンプ7を駆動すると、図2に示すように、セル電圧が回復(上昇)する。アノード内でガスの攪拌が行われた結果、部分水素欠が解消されたからである。ここでは「電圧がV1から低下するときの電圧変化率ΔV/Δtが所定値Xより大きい」とは、ΔV/Δtの絶対値が所定値Xより大きいということを意味し、すなわち所定値Xの割合よりも電圧低下割合が急であることを意味する。図2にあるように、停止時電圧V1以降、複数回の循環ポンプ7の駆動/停止を経て、燃料電池スタック1内の電圧が上昇と低下を繰り返していく。
特に、実施の形態1では、ΔV/Δtに基づくポンプ駆動制御が、下記の効果をもたらす。単位セル内部のガス不均一がカーボン酸化を招く程度に深刻になると、電圧変化率ΔV/Δtは大きくなり、電圧低下が急激になる。実施の形態1によれば、セル電圧低下時の電圧変化率ΔV/Δtが所定値X以上に急な低下を示した場合に、循環ポンプ7の駆動により好適なタイミングでアノード内のガスを攪拌することができる。これにより、必要なタイミングで、燃料電池スタック1内のアノードガス攪拌を行い、カソード電極触媒層のカーボン酸化を抑制することができる。また、これにより過不足なく循環ポンプ7を動かすことができ、循環ポンプ7の消費電力も更に少なくすることができる。所定値Xの値は、単位セル内部のガス不均一がカーボン酸化を招く程度に深刻になったときのΔV/Δtを予め測定することにより、設定しておけばよい。より好ましくは、カーボン酸化開始直前のΔV/Δtが望ましい。
<電圧V2に応じた循環ポンプ駆動の終了>
さらに、実施の形態1の燃料電池システムには、次のような工夫も施される。燃料電池スタック1内の水素量(すなわち単位セル内の水素量)が少なければ、セル電圧は低めになる。図2に示すように、複数回のセル電圧上昇低下を繰り返しながらも、徐々にセル電圧上昇の飽和位置が低下していく。アノード内の水素量が減っていき、水素濃度が全体的に低くなるからである。
燃料電池スタック1内部のガス不均一により問題となる触媒劣化反応(カーボン酸化反応)は、ガス不均一時における単位セル面内の水素濃度差が小さいほど、少量に抑えることができる。そこで、実施の形態1では、燃料電池スタック1内の水素量が所定の電圧V2の程度に少なくなるまでは、循環ポンプ7の間欠的駆動を継続することとした。そして、セル電圧が電圧V2を下回ったら、循環ポンプ7の駆動を終了することとした。この動作により、燃料電池スタック1内の水素量が電圧V2の程度まで少なくなりガス不均一時の濃度差が小さくなった段階で、循環ポンプ7の駆動が終了される。その後、図2にあるように、セル電圧が電圧V2を下回った後は、循環ポンプ7の駆動による電圧上昇がなくそのままセル電圧が低下していく。これにより、ガス不均一時の濃度差を低減したうえで、燃料電池スタック1を停止できる。よって、カーボン酸化量つまり触媒劣化量も少なく抑えることができる。
図2には、カーボン酸化量を模式的に示している。ここで、比較のために、図4を参照する。図4は、実施の形態1の効果を説明するための比較例の図である。図4は、実施の形態1にかかるアノード内のガス不均一緩和を行わなかった場合のセル電圧とカーボン酸化量の関係を、例示する図である。実施の形態1の動作を行わない場合、電圧V1から、アノードとカソードにおいてガス分布が不均一となり単位セル内部に部分水素欠状態を招いた状態で、単位セル内の水素と酸素がカーボン酸化反応を伴いながら消費されていく。その結果、図4では図2に比べてカーボン酸化量が多くなっており、図2、4の比較から実施の形態1にかかるアノード内のガス不均一緩和手法がカーボン酸化量低減に資することがわかる。なお、図2や図4に示したカーボン酸化量の波形は、例示である。燃料電池システムの構成によっては、必ずしも図2や図4に示したカーボン酸化量の波形と同じになるとは限らない。しかしながら、カーボン酸化量の波形が図2、4と異なったとしても、実施の形態1にかかるアノード内のガス不均一緩和を燃料電池システムに適用することにより、触媒劣化抑制効果を得ることが可能である。
[実施の形態1の具体的処理]
以下、図3を用いて、実施の形態1の燃料電池システムにかかる具体的処理を説明する。図3は、実施の形態1においてコントローラ8が実行するルーチンのフローチャートである。図3のルーチンは、燃料電池システムの停止時、より具体的には例えば燃料電池スタック1の停止要求時、例えば車両搭載燃料電池システムであればイグニッションOFFとなった場合に、実行される。
図3に示すルーチンでは、先ず、水素及び酸素の供給が停止される(ステップS100)。このステップでは、バルブ5およびシャットバルブ6の閉鎖、および、エアポンプ2の停止が行われる。循環ポンプ7も、停止される。このステップの処理により、燃料電池スタック1のアノードと循環管路18を含む閉鎖系が形成される。また、負荷10の接続が遮断され、燃料電池スタック1の発電も停止される。
次いで、セル電圧Vが設定値V2以上であるか否かが判定される(ステップS102)。このステップでは、コントローラ8において、電圧計12の示す値が、設定値V2(本具体的処理では0.5Vとする)以上であるか否かが判定される。
ステップS102においてV≧V2が成立している場合には、次いで、単位時間当たりのセル電圧低下率が設定値X以上であるか否かが判定される(ステップS104)。ここでは、セル電圧が低下する時の電圧変化率ΔV/Δtの大きさを「セル電圧低下率」と呼称している。実施の形態1では、コントローラ8が、電圧計12の計測値を用いて、単位時間当たりの電圧変化率ΔV/Δtを計算するものとする。そして、|ΔV/Δt|≧Xが成立しているか否かを判定する。この条件が成立するまでは、ステップS102に処理が戻る。
ステップS102→S104の処理が繰り返し行われ、やがて|ΔV/Δt|≧Xの条件が成立した場合には、循環ポンプ7が駆動される(ステップS106)。ステップS106では、循環ポンプ7が所定時間(例えば数秒程度)駆動され、その後停止される。次いで、処理はステップS102に戻る。なお、循環ポンプ7の駆動時間は、例えば、ポンプ駆動開始から、アノード水素濃度が実質的に均一になる程度の期間に定めてもよい。あるいは、それよりも短くとも良い。循環ポンプ7を駆動させれば、その分だけアノードのガスに圧力が加わりガス不均一緩和効果が生ずるからである。
これらステップS102、S104、S106の処理が繰り返されることにより、図2に示したようにΔV/Δtに基づく間欠的な循環ポンプ7の駆動動作が実現される。これに応じて、セル電圧の低下と上昇が繰り返されながら、アノードのガス不均一が緩和されつつ全体的に水素量が減少していく。その結果、セル電圧が全体的に低下していき、やがて、ステップS102においてセル電圧がV2を下回る。
ステップS102においてセル電圧がV2を下回ったら、今回のルーチンが終了する。
以上の処理によれば、燃料電池の電圧変化率ΔV/Δtと所定値Xとに基づいて、燃料電池スタック1の触媒劣化防止に好適なタイミングで、ポンプを駆動させることができる。電圧V2を下回った後、循環ポンプ7の駆動による電圧上昇がおきることなくそのままセル電圧が低下していく。これにより、ガス不均一時の濃度差を低減したうえで燃料電池スタック1を停止できるので、カーボン酸化量つまり触媒劣化量を少なく抑えることができる。
尚、上述した実施の形態1では、燃料電池スタック1が、前記第1の発明における「燃料電池」に、循環管路18が、記第1の発明における「循環管路」に、循環ポンプ7が、前記第1の発明における「ポンプ」に、バルブ5およびシャットバルブ6が、前記第1の発明における「閉鎖機構」に、それぞれ相当している。そして、コントローラ8が、図3のルーチンにかかるステップS100およびS106の処理を実行することにより、前記第1の発明にかかる「制御手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態1では、図3のルーチンにかかるステップS100およびS106の処理を実行することによる循環ポンプ7の駆動/停止が、前記第2の発明における「間欠的駆動」に相当している。
また、上述した実施の形態1では、電圧計12が、前記第3の発明における「検知手段」に相当している。そして、コントローラ8が図3のルーチンのステップS104の処理を実行することにより、前記第3の発明における「算出手段」および「制御手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態1では、コントローラ8が図3のルーチンのステップS102の処理を実行することにより、前記第6の発明における「制御手段」の制御が実現されている。
なお、ステップS102は、主に、実施の形態1の動作説明の<電圧V2に応じた循環ポンプ駆動の終了>の動作を実現し、ステップS104は、主に、実施の形態1の動作説明の<電圧低下率ΔV/Δtに基づく循環ポンプの間欠的駆動>の動作を実現する。これらの動作のうち片方のみを用いても良い。つまり、ステップS102とステップS104のいずれか一方の処理のみを行っても良い。
[実施の形態1の変形例]
(第1変形例)
実施の形態1の具体的制御では、V2=0.5Vとした。しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。V2は低ければ低いほど好ましく、V2を、0.4、0.3、0.2V或いはそれよりも低くしてもよい。
電圧V2が低い電圧である場合には、実施の形態1にかかる間欠的ポンプ駆動の効果がより一層有効に発揮される。すなわち、電圧V2が低ければ低いほど、アノードガス攪拌の継続による触媒劣化抑制を行いながら、残存水素量を少なくしていくことができる。その結果、セル電圧が低下し十分に水素量が少なくなった後、循環ポンプ7停止後に最終的に発生するカーボン酸化量が十分に少なく抑えられる。カーボン酸化量は、ガス不均一による水素濃度差が0.001%〜0.00数%という極めて微小なレベルで異なると、それに応じて変わってくる。従って、最終的に燃料電池スタック1を停止してそのまま電圧低下させるときの単位セル面内の水素濃度差は、可能な限り小さくしたい。しかしながら、その一方で、V2が低ければ、その分だけ、循環ポンプ7を駆動させる期間が延びる。循環ポンプ7によって消費される電力は決して無視できず、システムのエネルギ効率の観点からは多くの駆動は控えるべきである。この点、実施の形態1によれば、ΔV/Δtに基づいて、触媒劣化のおそれを招くほどの電圧低下が見られたタイミングでの循環ポンプ7駆動によるアノードガス攪拌動作を、間欠的に行うことができる。この動作によれば、循環ポンプ7の電力消費量を最大限に抑制しつつ、アノードのガス不均一緩和による触媒劣化抑制を確実に実現することができる。
(第2変形例)
実施の形態1では、循環ポンプ7を備えた水素循環型の燃料電池システムとした。しかしながら、本発明はこれに限られない。燃料電池の発電中に水素を循環させない燃料電池システムがある。具体的には、水素の流れを止めた状態で発電を行うタイプ、あるいは微小量のガスを排出しながら発電を行うタイプの燃料電池システムがある。これらのタイプでも、循環管路およびポンプを備え、燃料電池システムの停止時に実施の形態1のようにアノード内ガス攪拌を行うことができるようにシステムを構築しておけば良い。停止時に実施の形態1にかかる動作を実現するようにすればよく、通常発電中の動作には限定はない。この場合、水素循環型の燃料電池システムの循環ポンプに比べ、小型のポンプでも良い。
(第3変形例)
実施の形態1の第3変形例では、燃料電池スタック1の停止動作期間の初期は、循環ポンプ7の駆動を控えることとした。すなわち、閉鎖系が形成された直後は、アノードには水素が残存しカソードには空気が残存している。この残存水素と残存空気中の酸素とが反応する期間には、触媒劣化が問題にならない程度の水素濃度バラツキで燃料電池スタック1内部(単位セル面内)の水素が減少しうる。この期間、セル電圧は低下していく。その後、燃料電池スタック1内部に余った水素と、管路20を介してカソードに侵入した空気とが、アノードとカソードのガス交換(クロスリーク)を経て単位セル面内で不均一に分布する。これ以降、アノード触媒層やカソード触媒層で水素と酸素の反応が起きる際に、ガス不均一によるカーボン酸化が心配される状況になる。第3変形例では、この一連の現象に鑑み、燃料電池スタック1の停止動作期間の初期は、循環ポンプ7の駆動を控えることとした。
図5は、実施の形態1の第3変形例を説明するための図である。燃料電池スタック1の発電停止後、セル電圧が予め定めた電圧Aを下回ったあとセル電圧が電圧Aを越えるまでは、循環ポンプ7の駆動は禁止(停止)される。具体的処理としては、本変形例では、先ず、燃料電池スタック1の停止要求の後図3のルーチンのステップS100が実行される。この後、コントローラ8の処理は、ステップS102の前で、待ち状態となる。この待ち状態のとき、セル電圧が予め定めた電圧Aを下回ったあと、セル電圧が電圧Aを越えて上昇したら、待ち状態が解除されてステップS102の処理をコントローラ8が開始する。言い換えれば、ステップS102やS104の判定処理が、セル電圧が予め定めた電圧Aを下回ったあとセル電圧が電圧Aを越えるまでは、禁止(停止)されている。なお、図5の本変形例では、セル電圧が電圧Aを越えた後、図5のTSのタイミングで、ステップS102以降の処理が開始する。
これにより、ガス不均一による触媒劣化が心配される期間に合わせて、循環ポンプ7の駆動を開始することができる。このポンプ駆動タイミングの工夫により、循環ポンプ7の消費電力を少なくしつつ、ガス不均一による触媒劣化を抑制することができる。しかも、電圧Aを基準にしてセル電圧の低下および上昇を監視するのみなので、コントローラ8が実行すべき処理の演算負荷も少ない。
尚、上述した第3変形例では、管路20が、前記第7の発明における「カソード管路」に、エアポンプ2が、前記第7の発明における「空気供給機構」に、それぞれ相当している。また、上述した第3変形例では、コントローラ8が図3のルーチンのステップS100を実行することにより、前記第7の発明における「空気系制御手段」と「閉鎖機構制御手段」とが実現されている。また、上記のコントローラ8が上述した待ち状態の処理を実行することにより、前記第7の発明における「ポンプ動作抑制手段」が実現されている。
図6は、実施の形態1の第3変形例の他のバリエーションを説明するための図である。燃料電池スタックへ空気の流入の仕方やクロスリークの状況によっては、図5に示す程度に明確にシステム停止初期のセル電圧低下→上昇が起きない場合が考えられる。つまり、セル電圧の下がり幅が図5に比べて微小である場合が考えられる。そこで、図6の例では、燃料電池スタック1への水素及び空気の供給が停止された後(ステップS100の後)、セル電圧が、電圧V1から一旦下がって上がる動作を経たら、ステップS102以降の処理が再開される。セル電圧が一旦下がって上がる動作とは、ΔV/Δtが、一旦マイナスの値をとった後、プラスの値に転じたタイミングと言うことができる。図6の本変形例では、セル電圧が電圧Aを越えた後、図6のTSのタイミングで、ステップS102以降の処理が開始する。
図7は、実施の形態1の第3変形例のさらに他のバリエーションを説明するための図である。図6に示す程度のセル電圧低下→上昇さえも、起きない場合が考えられる。そこで、図7の例では、先ず、ステップS100の実行後、ステップS102の前の待ち状態のときに、セル電圧が低下するときの電圧変化が、変曲点に達したか否かを判定する判定処理を実行する。この判定処理は、ΔV/Δtがマイナスからプラスに転じたか否かを判定する処理である。さらに、図7の例では、セル電圧が変曲点(点P1)を経て、その後、電圧変化率ΔV/Δtが最小となったら(点P2)、ステップS102以降の処理が再開される。図7の本変形例では、セル電圧が電圧Aを越えた後、図7のTSのタイミング(点P2のタイミング)でステップS102以降の処理が再開する。
なお、上記の図5、6で述べたセル電圧の低下→上昇は、セル電圧が変曲点を経たか否かによって判断してもよい。ΔV/Δtが一旦マイナスの値をとった後プラスの値に転じたか否かを判定する処理、または、負の値を取っていたΔV/Δtがゼロになったか否かを判定する処理を、コントローラ8に実行させればよい。
(第4変形例)
図8および図9は、実施の形態1の第4変形例を説明するための図である。第4変形例では、図3のルーチンのステップS106の循環ポンプ駆動時間に工夫が施される。図8は、コントローラ8が、予め定めた時間TBだけ、循環ポンプ7が駆動される。この時間TBは、配管容積や、停止時圧力から予め定めておくことができる。
図9に示した手法で、コントローラ8が、循環ポンプ7の駆動後、ΔV/Δtがプラス→マイナスとなった時点(ΔV/Δt=0となった時点)で、循環ポンプ7を停止する。循環ポンプ7の駆動後には、アノード内でガス攪拌が起きるためセル電圧が上昇する。しかしこの上昇はやがて飽和し、セル電圧は低下に転ずる。図9の手法では、この動作を検知して、アノード内でガス攪拌効果が得られている期間つまりセル電圧の変化率がプラスである期間に限って、循環ポンプ7を駆動することができる。なお、ΔV/Δt=0以外にも、プラス側の所定値や、マイナス側の所定値を設定して、ΔV/Δtがそれらの所定値に一致したら循環ポンプ7を停止させても良い。
(第5変形例)
実施の形態1では、電圧計12が各セル電圧を計測した。各セル電圧のうち、触媒劣化が深刻になりそうな単位セルの電圧を用いて、図3のルーチンを行うことが好ましい。つまり、S104については、各セル電圧のうち、1つでもΔV/Δt≧Xのセル電圧があれば、速やかにステップS106に進むことが好ましい。また、燃料電池スタック1の空気流入上流側の単位セル、つまり管路20との接続部に近い単位セルのセル電圧は、他の単位セルに比べて酸素が多く侵入しガス不均一による触媒劣化の問題が発生しやすい。このため、燃料電池スタック1の空気流入上流側の単位セルのセル電圧を監視することも効果的である。なお、全ての単位セルのセル電圧の平均値を用いてもよい。
(第6変形例)
図3のルーチンのステップS106における循環ポンプ7の駆動電力は、他のエネルギ供給設備(具体的には、システムに備えられたバッテリ)からではなく、燃料電池スタック1により供給しても良い。また、循環ポンプ7の駆動時に燃料電池スタック1から電流を取り出すべく、コントローラ8が、循環ポンプ7の駆動時に、燃料電池スタック1と負荷10(抵抗)とを接続してもよい。その結果、アノード内ガス不均一緩和効果とともにセル電圧低減効果が得られる。
なお、実施の形態1では、ΔV/Δtに基づいて、循環ポンプ7の間欠的駆動を行った。しかしながら、本発明はこれに限られない。所定周期で循環ポンプ7の駆動/停止を繰り返すことにより、循環ポンプ7の間欠的駆動を行ってもよい。
なお、図2を用いて例示したように、実施の形態1において循環ポンプ7の動作は、セル電圧が電圧V2に至るまでに多数回のポンプ駆動/停止を繰り返す。しかしながら、本発明はこれに限られない。電圧V1からセル電圧が低下する途中で、1度だけあるいは2、3回などの少数回だけポンプ駆動/停止が行われ、その後セル電圧が電圧V2に至りそのまま燃料電池スタック1が停止(放置)されるというケースも、実施の形態1で述べた間欠的ポンプ駆動に含まれるものとする。
つまり、1度だけあるいは少数回だけポンプ駆動/停止が行われる場合も、前記第2の発明における「間欠的駆動」に含まれるものとする。
なお、上記の変形例は組み合わせて用いても良い。
実施の形態2.
[実施の形態2の構成]
図10は、本発明の実施の形態2にかかる燃料電池システムの構成を示す図である。実施の形態2にかかる燃料電池システムは、圧力センサ30を備える点を除き、実施の形態1と同じハードウェア構成を備えている。圧力センサ30は、コントローラ8に接続している。コントローラ8は、圧力センサ30からの信号に基づいて、燃料電池スタック1のアノードの圧力を検知することができる。以下、実施の形態1と共通する構成、事項については、実施の形態1と同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
[実施の形態2の動作]
図11は、実施の形態2にかかる燃料電池システムの動作について説明するための図である。図11は、燃料電池スタック1の発電停止後における、経過時間に伴う、燃料電池スタック1におけるセル電圧およびアノード内圧力の対応関係を示す。
通常の燃料電池スタックおよび配管の容積では、セル電圧は、図11の紙面上側の線図のごとく推移する。セル電圧の推移と図11の紙面下側のアノード内圧力の推移とが、図11に示すように時間軸上で対応している。そこで、実施の形態2では、図11に示したようなアノード内圧力およびセル電圧の推移を考慮し、アノード内圧力変化に基づいて、実施の形態1にかかる循環ポンプ7の制御開始タイミングを定める。
実施の形態2では、アノード内の圧力を監視し、運転停止後に圧力が減少し続ける間は、実施の形態1で述べた循環ポンプ7の駆動を待機する。つまり、制御は待ち状態となる。その後、実施の形態2では、アノード圧力の変化が変曲点を迎え、アノード圧力変化が零となった時点、あるいは、アノード圧力変化が上昇に転じた(変化率がプラスに転じた)時点で、実施の形態1で述べた循環ポンプ7の制御を開始する。これにより、図11に示した「制御開始ポイント」において、循環ポンプ7の駆動を開始することができる。よって、循環ポンプ7の駆動制御を、効率よく且つ確実に実行することができる。
[実施の形態2の具体的処理]
図12は、実施の形態2においてコントローラ8が実行するルーチンのフローチャートである。図12のルーチンは、ステップS201の処理を除き、実施の形態1で述べた図3のフローチャートと同じである。
図12のルーチンでは、先ず、図3のルーチンと同じくステップS100により水素及び酸素の供給停止処理が行われる。
次に、アノード圧力が上昇を示しているか否かが判定される(ステップS201)。このステップでは、コントローラ8において、圧力センサ30の出力に基づいてアノード圧力の変化率(以下、「ΔP/Δt」とも記す)を算出する処理が実行され、その変化率の値がプラスの値を取っているか否かが判定される。アノード圧力の変化率を算出する処理はあらかじめ作成しておき、コントローラ8上で実行可能としておく。
ステップS201の条件の成立が認められない場合には、変化率ΔP/Δtの値がプラスではない。つまり、ΔP/Δt>0の条件が成立していない。この場合には、ステップS102以降の処理へは進まず、処理待ち状態となる。
その後、ステップS201の条件成立が認められた場合には、実施の形態1と同様に、ステップS102以降の処理が実行される。これにより、図11に示した「制御開始ポイント」において、循環ポンプ7の駆動を開始することができる。
以上の処理によれば、燃料電池の電圧とアノード内圧力との関係を利用して、燃料電池スタック1のアノードの圧力に基づいて、循環ポンプ7の駆動を適切なタイミングで開始することができる。
尚、実施の形態2においては、圧力センサ30が、前記第11の発明における「アノード圧力検知手段」に相当しており、コントローラ8が図12のルーチンにおけるステップS201を実行することにより、前記第11の発明における「ポンプ駆動待機手段」が実現されている。
なお、上記の図12のフローチャートでは、ステップS201において、アノード圧力の変化率ΔP/Δtの値がプラスであるか否かを判定した。つまり、ΔP/Δt>0であるか否かを判定した。しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。ステップS201において、アノード圧力の減少中にアノード圧力の変化が変曲点を迎えたか否か、つまり、アノード圧力変化率ΔP/Δtが零となったか否かを判定してもよい。
なお、実施の形態2でも、実施の形態1で各変形例を述べたのと同様の各種の変形を加えることができる。
1 燃料電池スタック
2 エアポンプ
3 調圧弁
4 水素ボンベ
5 バルブ
6 シャットバルブ
7 循環ポンプ
8 コントローラ
10 負荷
12 電圧計
14、16、20、22 管路
18 循環管路
30 圧力センサ

Claims (11)

  1. アノードに水素含有ガスの供給を受けカソードに酸素含有ガスの供給を受けて発電する燃料電池と、
    前記燃料電池の前記アノードの入口と出口に連通する循環管路と、
    前記循環管路に設けられたポンプと、
    前記循環管路と前記アノードを含む閉鎖系を形成するように、前記アノードの前記入口側と前記出口側とを閉じる閉鎖機構と、
    前記燃料電池の停止要求があった後、前記閉鎖系が形成されるように前記閉鎖機構を制御し、且つ、前記ポンプの駆動を行う制御手段と、
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記ポンプの前記駆動が、前記ポンプを間欠的に駆動させる間欠的駆動であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃料電池の電圧を検知する検知手段と、
    前記検知手段が検知した前記電圧に基づいて、前記燃料電池の電圧変化率を算出する算出手段と、
    を備え、
    前記制御手段が行う前記ポンプの前記間欠的駆動は、前記燃料電池の電圧が低下するときの前記電圧変化率が所定割合よりも急である場合に前記ポンプを所定期間駆動させるものであることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記所定期間は、前記間欠的駆動における前記ポンプの駆動の開始後、前記燃料電池の電圧が上昇するときの電圧変化率が所定値以下になるまでの期間であることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記所定期間は、前記間欠的駆動における前記ポンプの駆動の開始から前記アノードの水素濃度が実質的に均一になる程度の期間であることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  6. 前記燃料電池の電圧を検知する検知手段を備え、
    前記制御手段が、前記燃料電池の停止要求があった後前記ポンプの駆動制御を行っている期間に、前記燃料電池の電圧が所定値を下回った場合は、前記ポンプの駆動制御を終了することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  7. 一端が前記燃料電池の前記カソードと連通し他の一端が開放されたカソード管路と、
    前記カソード管路に設けられ前記カソードに空気を供給する空気供給機構と、
    前記燃料電池の停止要求があった後、前記カソード管路が前記カソードと前記他の一端とを連通させた状態で、前記空気供給機構を停止する空気系制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段が、
    前記燃料電池の停止要求があった後、前記閉鎖系が形成されるように前記閉鎖機構を制御する閉鎖機構制御手段と、
    前記閉鎖系の形成後の所定期間、前記ポンプの停止維持または前記ポンプの駆動抑制を行うポンプ動作抑制手段と、
    を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  8. 前記ポンプ動作抑制手段は、前記閉鎖系の形成後、前記燃料電池の電圧が低下するときの前記燃料電池の電圧変化が変曲点に達した場合に、前記ポンプの前記停止維持または前記ポンプの前記駆動抑制を解除することを特徴とする請求項7に記載の燃料電池システム。
  9. 前記ポンプ動作抑制手段は、前記燃料電池の電圧が、第1の所定値を下回った後、第2の所定値まで上昇した場合に、前記ポンプの前記停止維持または前記ポンプの前記駆動抑制を解除することを特徴とする請求項7に記載の燃料電池システム。
  10. 前記制御手段が、前記ポンプの前記駆動を行うときに、前記燃料電池に負荷を接続することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  11. 前記燃料電池の前記アノード内の圧力を検知するアノード圧力検知手段と、
    前記制御手段が前記閉鎖系が形成されるように前記閉鎖機構を制御した後、前記アノード圧力検知手段で検知した前記アノード内の圧力が減少を示している間は、前記制御手段に前記ポンプの前記駆動を待機させるポンプ駆動待機手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至10に記載の燃料電池システム。
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