この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
<画像形成システムの構成>
図1は、この発明の実施の形態1に従う画像形成システムSYSの概略構成図である。図1を参照して、本実施の形態に従う画像形成システムSYSは、画像形成装置MFPと、画像形成装置MFPとネットワークNWを介してデータ通信可能に接続された複数の画像処理装置とを含む。
画像形成装置MFPは、少なくともプリントエンジンを搭載し、プリント処理が可能な装置であればどのような種類のものであってもよい。典型的には、画像形成装置100は、プリンタ、コピー機、ファクシミリ、複合機(MFP:Multi Function Peripheral)などを含む。以下の説明では、画像形成装置MFPの典型例として、複合機を用いた構成について例示する。
画像処理装置の典型例として、図1には、パーソナルコンピュータPC1〜PC3(以下、「パーソナルコンピュータPC」とも総称する。)を例示する。なお、本実施の形態に従う画像処理装置は、画像形成装置MFPで処理可能な印刷ジョブを生成し、その生成した印刷ジョブを画像形成装置MFPへ送信可能な装置であればどのような種類のものであってもよい。そのため、本実施の形態に従う画像処理装置には、図1に例示したパーソナルコンピュータPCに加えて、ワークステーション、PDA(Personal Digital Assistant)、ネットワークスキャナ、ネットワークファクシミリなどを含み得る。なお、説明を簡略化するために、画像処理装置の典型例として、パーソナルコンピュータPCを採用した場合について以下例示する。
<画像形成システムの処理概要>
本実施の形態に従う画像形成システムSYSにおいては、パーソナルコンピュータPC上で、文書作成アプリケーションや表計算アプリケーションが実行可能になっている。ユーザが印刷指示を与えると、パーソナルコンピュータPCにインストールされているプリンタドライバが、これらのアプリケーションにより出力されるデータから画像形成装置MFPにおいてプリント処理を行うための印刷ジョブを生成する。このとき、印刷ジョブには、各種の印刷パラメータが付与される。
あるいは、画像形成装置MFPは、スキャナなどを用いて原稿から画像情報(イメージデータ)を読取り、その読取った画像情報をユーザが予め入力する印刷設定に従って、プリント処理を実行する。
本実施の形態に従う画像形成システムSYSでは、ページ単位に区分された複数のページを単一のページに集約してプリント出力する、いわゆる「集約印刷」あるいは「Nin1プリント」に適した構成を有する。より具体的には、パーソナルコンピュータPC上または画像形成装置MFP上において、ユーザは、プリント出力における文字の大きさを確認できる状態で、当該プリント出力における文字サイズについての設定を入力する。すると、後述する処理に従って、当該入力された設定を満たすように、集約印刷に係るパラメータ、典型的には、1ページのプリント出力内、何ページ分の情報を含めるかといった集約率や文字の縮小率といったパラメータ(以下「集約印刷パラメータ」とも称す。)が最適な値に決定される。
この発明の実施の形態1においては、パーソナルコンピュータPCにおいて集約印刷パラメータを決定し、この決定した集約印刷パラメータを含む印刷パラメータをパーソナルコンピュータPCから画像形成装置MFPへ送信する形態について例示する。しかしながら、別形態として後述するように、画像形成装置MFPが単独で、あるいはパーソナルコンピュータPCと画像形成装置MFPとが協働して、このような集約印刷パラメータを決定するための処理を行ってもよい。
なお、後述するように、図1に示す印刷パラメータおよび印刷設定には、上述の集約印刷パラメータの他にも、プリント処理に用いられる用紙サイズの指定、片面/両面印刷の設定、モノクロ/カラー印刷の設定、ウォータマークなどの設定などを含む。
<用語>
本明細書において、「入力画像」とは、後述する集約印刷の対象となる、ページ単位に区分された画像情報を意味する。典型的には、パーソナルコンピュータPC上で実行されるアプリケーションがプリント処理の対象として出力するデータ、および、画像形成装置MFPにおいて読取られてプリント処理の対象となるデータなどが挙げられる。本明細書における「入力画像」は、文字情報(テキスト)と構造化情報(装飾など)とを含む構造化文書(典型的には、XML(eXtensible Markup Language))であってもよいし、文字を含む原稿全体がイメージ化されたイメージデータであってもよい。
また、本明細書において、「出力画像」とは、入力画像に含まれる複数のページを集約した結果を示す画像情報を意味する。典型的には、パーソナルコンピュータPCから画像形成装置MFPへ送信される印刷ジョブ、画像形成装置MFPの内部で生成されるプリントエンジンへの指令群、および画像形成装置MFPでプリント処理された結果などである。なお、パーソナルコンピュータPCから送信される印刷ジョブは、構造化文書に類似したページ記述言語(PDL:Page Description Language)として定義される場合もあるし、各画素の色情報などを含むラスターデータである場合もある。
<画像形成装置の構成>
図2は、この発明の実施の形態1に従う画像形成装置MFPの構成を示す概略図である。図3は、図2に示す画像形成装置MFPに含まれる制御部10のハードウェア構成を示す模式図である。
図2を参照して、画像形成装置MFPは、原稿から画像情報を読取ってイメージデータを生成するためのスキャナ2と、プリント処理が可能なプリントエンジン3とを含む。
スキャナ2は、プラテンガラスに載置された原稿に向けて光源から光を照射するとともに、原稿から反射した光を撮像素子などによって受光することで、原稿の画像情報を読取る。あるいは、スキャナ2は、連続的な原稿読取りを可能とするように、原稿給紙台、送出ローラ、レジストローラ、搬送ドラム、および排紙台などを含んでいてもよい。
プリントエンジン3は、パーソナルコンピュータPCから受信した印刷ジョブ、および/または、スキャナ2で読取られたイメージデータなどの画像データに基づいて、記録シートSなどの紙媒体上にプリント処理を行う。図2には、代表的に、タンデム式のカラー電子写真方式の構成を図示するが、モノクロの電子写真方式の構成、4サイクル式のカラー電子写真方式、インクジェット方式、感熱方式といった任意のプリント構成を採用することができる。
より具体的には、プリントエンジン3は、それぞれイエロー(Y),マゼンダ(M),シアン(C),黒(K)のトナー像を形成する4つのイメージングユニット(作像ユニット)20Y,20M,20C,20K(以下、「イメージングユニット20」とも総称する。)を含む。イメージングユニット20Y,20M,20C,20Kは、その順序に転写ベルト4の移動方向に配置される。各イメージングユニット20は、タイミングを同期させてこの転写ベルト4上に各色のトナー像を順次形成する。転写ベルト4は、その表面にトナー像を保持する像担持体であり、この転写ベルト4が各イメージングユニット20を一巡すると、その表面にはフルカラー(4色)のトナー像が形成される。
その後、転写ベルト4上に形成されたフルカラーのトナー像は、転写ローラ5によって記録シートSに転写される。転写ローラ5は所定電位にバイアスされており、このバイアス電位によって、帯電したトナー像に静電界による吸引力が生じる。すなわち、このトナー像に生じる吸引力を用いて、転写ベルト4から記録シートSへのトナー像の転写が行なわれる。カラーのトナー像が転写された記録シートSは、定着装置6により定着された後、排出トレーに出力される。
画像形成装置MFPは、全体制御を司る制御部10をさらに含む。イメージングユニット20Y,20M,20C,20Kは、出力画像に応じた各色のトナー像を形成するための感光体ドラム21Y,21M,21C,21K(以下、「感光体ドラム21」とも総称する。)をそれぞれ含む。なお、使用頻度の高い黒色の感光体ドラム21Kは、相対的に寿命が長くなるように、他の感光体ドラム21Y,21M,21Cに比較して一回り大きくなっている。各イメージングユニット20では、感光体ドラム21の回転方向に沿って、帯電装置、露光装置、現像装置、除電装置などが配置される。感光体ドラム21は、予め帯電装置によってその表面が帯電された状態で、制御部10からの指令に従って、露光装置により露光される。露光装置が出力画像に応じて感光体ドラム21の表面をレーザー光で走査することで、感光体ドラム21の表面に出力画像に応じた静電潜像を形成する。この静電潜像は、現像装置で供給されるトナーが付着することで、トナー像として現像される。そして、感光体ドラム21表面に現像されたトナー像は、各感光体ドラム21と転写ベルト4との接触によって、各感光体ドラム21から転写ベルト4に転写される。
なお、感光体ドラム21を帯電させるためのバイアス電圧が帯電グリッド高圧電源31により印可されるとともに、トナーを帯電させるためのバイアス電圧が現像バイアス高圧電源32により印可される。
また、画像形成装置MFPは、操作パネル7をさらに含む。操作パネル7は、各種ユーザ操作を受付ける入力部であって、かつ、各種情報をユーザに通知する表示部でもある。より具体的には、操作パネル7は、入力部の機能として、テンキーを含む各種入力キー群、およびタッチセンサなどを含むとともに、表示部の機能として、タッチセンサと一体化した液晶表示部、およびLED(Light Emitting Diode)などからなる各種インジケータを含む。
図3を参照して、制御部10は、CPU(Central Processing Unit)101と、RAM(Random Access Memory)103と、ROM(Read Only Memory)105と、EEPROM(Electrical Erasable and Programmable Read Only Memory)107と、HDD(Hard Disk Drive)109と、外部通信I/F(インターフェイス:Interface)111と、内部通信I/F113とを含む。なお、これらの部位は、内部バス115を介して互いに接続される。
制御部10では、CPU101が、ROM105などに予め格納されている各種処理を実行するためのプログラムをRAM103などに展開して実行することで、画像形成装置MFPが制御される。
RAM103は、揮発性メモリであり、ワークメモリとして使用される。より具体的には、RAM103には、実行されるプログラム自体に加えて、処理対象の画像データや各種変数データが一時的に格納される。EEPROM107は、典型的には不揮発性の半導体メモリであり、画像形成装置MFPのIPアドレスやネットワークドメインなどを各種設定値を記憶する。HDD109は、典型的には不揮発性の磁気メモリであり、画像処理装置から受信した印刷ジョブやスキャナ2によって読取ったイメージデータなどを蓄積する。
外部通信I/F111は、典型的にはイーサネット(登録商標)といった汎用的な通信プロトコルをサポートし、ネットワークNWを介してパーソナルコンピュータPCや他の画像形成装置との間でデータ通信を提供する。
内部通信I/F113は、操作パネル7と接続され、操作パネル7に対するユーザ操作に応じた信号を受信して、CPU101へ伝送するとともに、CPU101からの命令に従って、操作パネル7にメッセージなどを表示するために必要な信号を送信する。
<画像処理装置の構成>
図4は、この発明の実施の形態1に従う画像処理装置の典型例であるパーソナルコンピュータPCのハードウェア構成を示す模式図である。
図4を参照して、本実施の形態に従う画像処理装置の典型例であるパーソナルコンピュータPCは、オペレーティングシステム(OS:Operating System)を含む各種プログラムを実行するCPU201と、CPU201でのプログラムの実行に必要なデータを一時的に記憶する記憶部としてのメモリ213と、CPU201で実行されるプログラムを不揮発的に記憶するハードディスク(HDD)211とを含む。このようなプログラムは、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)ドライブ215またはフレキシブルディスク(FD:Flexible Disk)ドライブ217によって、それぞれCD−ROM215aまたはフレキシブルディスク217aなどのコンピュータ読取可能媒体から読取られる。
CPU101は、キーボード、マウス、タブレットなどからなる入力装置209を介してユーザによる操作要求を受取るとともに、プログラムの実行によって生成される画面出力を出力装置205へ出力する。出力装置205は、アプリケーションやプリンタドライバのユーザインターフェイス画面やダイアログをユーザに表示するためのデバイスであり、典型的には、モニターやプロジェクターなどからなる。
また、CPU201は、LANカードなどからなる通信I/F207を介して、画像形成装置MFPなどとの間でデータ通信を行う。なお、これらの部位は、内部バス203を介して互いに接続される。
<集約印刷>
図5は、この発明の実施の形態1に従う集約印刷の一例を示す図である。図5(a)を参照して、たとえば、4ページを含む入力画像を2ページの出力画像としてプリント出力(いわゆる、2in1出力)する場合の処理を示す。また、図5(b)には、同じ4ページを含む入力画像を1ページの出力画像としてプリント出力(いわゆる、4in1出力)する場合の処理を示す。
なお、入力画像の各ページを出力画像のいずれの位置に割り付けるかといった設定をさらに行うこともできる。
<印刷手順>
次に、本実施の形態に従う画像形成システムSYSにおけるユーザの印刷手順の一例について説明する。
図6は、この発明の実施の形態1に従うパーソナルコンピュータPC上に表示される印刷パラメータ設定画面の一例を示す図である。図7は、この発明の実施の形態1に従うパーソナルコンピュータPC上に表示される集約印刷パラメータ設定画面の一例を示す図である。
典型的な操作手順として、パーソナルコンピュータPCを操作するユーザは、パーソナルコンピュータPC上で実行される任意のアプリケーション上で印刷対象を指定(典型的には、ファイル名を指定)した上で、印刷指示を与えると、図6(a)に示すような印刷パラメータを設定するためのダイアログ300が表示される。なお、このようなダイアログ300は、典型的には、パーソナルコンピュータPC上で実行されるOSおよび/またはOSによってコールされるプリンタドライバによって提供される。
このダイアログ300には、設定項目301〜308が選択可能に表示される。設定項目301は、画像形成装置100に装着されている給紙カセットのうち、いずれの給紙カセットに格納されている記録シートをプリント処理に用いるかを指定するためのものである。設定項目302は、プリント処理の対象となる記録シートの種類を選択するためのものである。なお、設定項目302では、「普通紙」の他に「OHPシート」などを選択することが可能である。設定項目303は、プリント処理に用いる記録シートの用紙サイズを設定するためのものである。設定項目304は、プリント処理に用いる記録シートの向き(縦方向または横方向)を設定するためのものである。設定項目305は、集約印刷パラメータの設定するためのものである。この設定項目305の詳細については、後述する。設定項目306は、片面印刷または両面印刷を設定するためのものである。設定項目306については、画像形成装置100において両面印刷が設定可能である場合のみ有効化してもよい。設定項目307は、プリント処理の際に、プリント対象の内容に加えて、「Confidential」といったウォータマーク(透かし)を記録シートにプリントするか否か、および、そのプリントするウォータマークの種類を設定するためのものである。設定項目308は、その他のオプションを設定するためのものである。
ユーザは、設定項目301〜308に所望する値を入力した後、OKボタン309を選択すると、パーソナルコンピュータPCにおいて印刷ジョブが生成され、対応する印刷パラメータとともに画像形成装置100へ送信される。なお、キャンセルボタン310が選択されると、印刷処理は中断される。
ユーザがカーソルCRSなどで設定項目305のプルダウンボタンを選択すると、図6(b)に示すようなコンボボックスが表示される。このコンボボックスには、集約印刷を実行しない「なし」という項目の他に、選択可能な集約印刷の設定値「2in1」、「4in1」、「6in1」、「9in1」、「12in1」の一覧が表示される。さらに、このコンボボックスには、「プレビューから指定」という項目が選択可能になっており、この「プレビューから指定」が選択されると、後述するように、プリント結果における文字の大きさを確認できる状態で、プリント結果における文字サイズについてのユーザ設定を設定するためのダイアログが表示される。
図6(b)のダイアログ300に含まれる設定項目305において、「プレビューから指定」が選択されると、図7に示すような集約印刷パラメータを設定するためのダイアログ350が表示される。なお、このようなダイアログ350についても、典型的には、パーソナルコンピュータPC上で実行されるOSおよび/またはOSによってコールされるプリンタドライバによって提供される。
ダイアログ350には、設定可能な集約印刷パラメータに従って集約印刷された場合にそれぞれ生成されるプリント結果のイメージが実質的に実サイズで表示(プレビュー表示)される。すなわち、ダイアログ350は、プレビュー表示領域361〜366を含み、各プレビュー表示領域には、それぞれ対応する集約印刷パラメータに従って入力画像を集約した結果のイメージが実サイズで表示される。
ユーザは、このダイアログ350によって各集約印刷パラメータでのプリント結果を確認しながら、その中に含まれる必要な内容(文字)が十分に判読できると判断した集約印刷パラメータを選択する。具体的には、プレビュー表示領域361〜366にそれぞれ対応付けられたラジオボタン351〜356のいずれかを選択する。ユーザがラジオボタン351〜356のいずれかを選択した後、OKボタン358を選択すると、選択されている集約印刷パラメータが設定され、図6に示すダイアログ300に戻る。一方、キャンセルボタン359が選択されると、現在設定されている内容が破棄されて、図6に示すダイアログ300に戻る。
このように、本実施の形態に従うパーソナルコンピュータPC上では、それぞれの集約印刷パラメータにおいてそれぞれ生成されるプリント結果のイメージが実質的に実サイズで表示されるとともに、並べて表示されるので、ユーザは、最も適切な集約印刷パラメータを一見して判断することができる。
なお、プレビュー表示領域361〜366には、入力画像の一部もしくは全部の内容ではなく、予め定められたサンプル画像を集約印刷パラメータの別に表示するようにしてもよい。
さらに、ユーザによって選択されたラジオボタン351〜356に対応する集約印刷パラメータを自動的に選択する構成に代えて、プリント結果における文字のサイズが当該選択されたプレビュー表示領域に表示されるイメージに含まれる文字のサイズより小さくならないように、集約印刷パラメータを決定してもよい。たとえば、ユーザが「6in1」に対応するラジオボタン354を選択した場合であっても、入力画像が4ページだけであれば、「4in1」を集約印刷パラメータとして決定してもよい。すなわち、ユーザが選択するラジオボタン351〜356に対応する集約印刷パラメータは、実際にプリント処理を行う場合の最低限の値として扱われる。
また、ダイアログ350のプレビュー表示領域361〜366に表示される範囲は、ユーザが任意に設定することもできるが、後述するように、入力画像中の判読が難しい領域、すなわち出力画像への集約によって鮮明度の低下が予想される領域を自動的に抽出して、当該抽出された領域を表示することが好ましい。言い換えれば、ダイアログ350のプレビュー表示領域361〜366に入力画像中の最も判読が難しいと予想される条件下で、ユーザに集約印刷パラメータを設定させる。これにより、ある特定の領域について最も適切と考えられた集約印刷パラメータに従ってプリントしたにもかかわらず、その中の一部の内容が判読できないといった不具合の発生を抑制できる。
<難読文字領域の抽出処理>
次に、図7に示すダイアログ350のプレビュー表示領域361〜366に表示させる領域(以下「難読文字領域」とも称す。)を抽出する処理について説明する。なお、入力画像としては、典型的には、(1)文字情報(テキスト)と構造化情報(装飾など)とを含む構造化文書である場合と、(2)その内容がビットマップなどとしてイメージ化されたイメージデータである場合とが想定される。以下、それぞれの場合について、難読文字領域を抽出する手順について説明する。
(1.構造化文書)
構造化文書は、文字情報に加えて、構造化情報を含んでいるので、これの情報と予め定義された条件に合致する文字を含む領域を難読文字領域として抽出する。一般的に、難読文字領域は、文字サイズが小さい、線幅の太いフォントである、画数の多い漢字である、といった特徴を有する。そこで、本実施の形態に従うパーソナルコンピュータPCでは、このような難読文字領域の特徴を予め条件テーブルとして定義しておき、この条件テーブルに含まれる各条件を満たすか否かに基づいて、難読文字およびそれを含む難読文字領域を抽出する。
このような条件テーブルに含まれる条件としては、以下のようなものが挙げられる。
(a)文字サイズが所定値より小さい
(b)指定されたフォントが予め指定されたフォント種類である
(c)漢字については、画数が所定値より大きい
上述の条件テーブルに含まれる条件を満たす文字が同一のページに離散的に複数抽出された場合には、その合致度合いがより高い文字を含む領域を難読文字領域として抽出することが好ましい。この場合には、条件毎に満足した場合に与えられる評価点を予め割り当てておき、さらに文字毎に評価点の合計値を算出する。そして、評価点の合計値が最も高い文字を含む領域を難読文字領域として抽出する。
なお、いずれの領域も条件を満たさない場合には、予め定められた部分(たとえば、1ページ目の左上領域など)を難読文字領域として抽出してもよい。
また、この条件テーブルにおいては、入力画像の本質的な内容以外の情報を評価対象から除外するようにしてもよい。たとえば、入力画像に含まれる図表のタイトル、脚注、ヘッダやフッタに記述されるロゴなど、を難読文字領域として抽出すべき範囲から除くような除外条件を設定してもよい。このような除外条件を設定することで、入力画像の本質的な内容ではない、付属的な範囲の記述に影響を受けて、集約度を高めた集約印刷パラメータが設定されないような不具合を回避できる。
なお、難読文字領域の抽出後、図表の周辺にあるタイトル領域、脚注領域、抽出した難読文字領域周辺の余白領域などの有無を判断し、所定以上の余裕領域が存在する場合には、当該余裕領域をプリント対象から除外し、抽出した領域を拡大した上で、難読文字領域としてもよい。
(2.イメージデータ)
イメージデータでは、原稿全体がイメージ化されているので、文字情報(テキスト)を利用して難読文字領域を抽出することができない。そこで、公知の画像処理を用いて、難読文字領域を抽出することが好ましい。
より具体的な手順としては、まず、入力画像に含まれる要素を、レイアウト認識技術によって、文字領域と画像領域とに分離する。この領域分離は、入力画像の空間周波数などに基づいて行うことができる。すなわち、入力画像のある走査方向で見ると、文字領域は、文字の色と背景の色とが比較的短い周期で交互に現れるのに対して、画像領域では比較的緩やかな変化を生じるのみである。そのため、このような空間的な濃淡の変化に基づいて、文字領域と画像領域とを分離することができる。なお、この方法に限られず、任意の公知の方法を採用することもできる。
続いて、抽出された文字領域において、各文字を仮想的に「太らせる」ことで、文字を構成する線同士が重なるか否かを判断する。すなわち、抽出された文字領域に含まれる文字の輪郭を拡大したときに隣接する輪郭との干渉の度合いが予め定められた値を超えた場合に、その文字領域が文字難読領域であると判断する。
図8は、この発明の実施の形態1に従う難読文字領域の抽出処理を説明するための図である。たとえば、上述の文字領域の抽出処理によって、図8(a)に示すような文字を含む領域が抽出されたとする。この抽出された領域に含まれる文字(すなわち、「黒」のドット)の周囲に沿って、所定幅の「黒」のドットを追加する。たとえば、図8(a)に示す「借」という文字イメージに対して相対的に幅の狭いドットを追加した場合の結果を図8(b)に示し、相対的に幅の広いドットを追加した場合の結果を図8(c)に示す。そして、図8(c)に示すように、文字「借」を構成する線同士が重なっているような場合には、難読文字であると判断する。上述のような処理を、入力画像から抽出した文字領域に含まれる各文字に対して実行し、文字単位もしくは文字領域単位で難読文字領域を探索する。
当然のことながら、各文字においてどの程度の幅のドットを追加するかについては、任意に設定することができる。また、隣接する線同士がどの程度重なっていれば、難読文字領域とするかについても、任意に設定することができる。
<制御構造>
図9は、この発明の実施の形態1に従うパーソナルコンピュータPCの制御構造を示すブロック図である。図10は、この発明の実施の形態1に従う画像形成装置MFPの制御構造を示すブロック図である。
図9を参照して、パーソナルコンピュータPCの各々は、その制御構造として、アプリケーション252と、ファイル格納部254と、操作受付部256と、ジョブ生成部258と、表示制御部260と、ダイアログ生成部262と、プレビューイメージ生成部264と、領域抽出部266と、集約印刷パラメータ決定部268と、ジョブ送信部270とを含む。
操作受付部256は、入力装置209(図4)および関連するドライバソフトがCPU201で実行されることで提供される。表示制御部260は、出力装置205(図4)および関連するドライバソフトがCPU201で実行されることで提供される。ファイル格納部254は、HDD211および/またはメモリ213(図4)に含まれる所定の領域として提供される。また、ジョブ送信部270は、通信I/F207および関連するドライバソフトがCPU201で実行されることで提供される。その他の各部は、典型的に、CPU201(図4)がプログラムをメモリ213(図4)に展開し、各コマンドを実行することで提供される。
アプリケーション252は、典型的には、文書作成アプリケーションや表計算アプリケーションなどであり、ユーザ操作に応じて、プリント対象のデータを出力する。なお、アプリケーション252が扱うファイルは、ファイル格納部254などに一時的もしくは恒久的に格納され、ユーザからの印刷指示に応じて、必要に応じて読み出される。
操作受付部256は、上述のような各種ダイアログに対するユーザ操作に応じて、ユーザ設定を受付ける。操作受付部256は、受付けたユーザ設定をジョブ生成部258および/または集約印刷パラメータ決定部268へ出力する。
ジョブ生成部258は、ユーザからの印刷指示に応じて、アプリケーション252から印刷対象の入力画像を受取るとともに、設定された各種印刷パラメータに従って、印刷ジョブを生成する。具体的には、ジョブ生成部258は、画像形成装置MFPでのプリント処理を指示するためのPDL情報もしくはラスター情報などを生成する。また、ジョブ生成部258は、生成した印刷ジョブとともに、印刷パラメータをジョブ送信部270へ出力する。
表示制御部260は、出力装置205と関連付けられており、後述するダイアログ生成部262および/またはプレビューイメージ生成部264からの情報に基づいて、図6および図7に示すようなダイアログを表示するための表示データを出力装置205へ与える。
ダイアログ生成部262は、ユーザが各種印刷パラメータを設定するためのダイアログ300(図6(a))を表示するための情報を生成する。そして、ダイアログ生成部262は、生成した情報を表示制御部260へ出力する。
プレビューイメージ生成部264は、ユーザが集約印刷パラメータを設定するためのダイアログ350(図7)表示するめの情報を生成する。より具体的には、プレビューイメージ生成部264は、後述する領域抽出部266から受けた画像情報を予め用意された複数の集約印刷パラメータに従ってそれぞれスケーリング(サイズ調整)した複数のプレビュー画像を生成する。なお、ダイアログ350のプレビュー表示領域361〜366には、プリント結果のイメージが実質的に実サイズで表示されるが、パーソナルコンピュータPCに接続される出力装置205(典型的には、ディスプレイ)の解像度や画面サイズなどによって、同じ情報を与えた場合であっても、異なるサイズで表示されることが予想される。
そこで、本実施の形態に従うプレビューイメージ生成部264は、パーソナルコンピュータPC上で実行されるOSのディスプレイドライバを介して、接続されている出力装置205の画面サイズおよび解像度(ドットサイズ)などの機器情報を取得する。このような機器情報の取得は、いわゆるプラグアンドプレイと称される、公知の方法によって提供される。そして、プレビューイメージ生成部264は、取得した機器情報に基づいて、典型的には、出力装置205上の1画素(縦ドットピッチ×横ドットピッチ)がいくらの長さに相当するのかを予め取得する。そして、この取得した1画素と実サイズとの関係に応じて、領域抽出部266から受けた画像情報を表示すべきサイズを決定する。
領域抽出部266は、印刷対象の入力画像から上述したような難読文字領域を抽出する。より具体的には、領域抽出部266は、難読文字として抽出されるべき特徴を記述した条件テーブル266aを保持しており、この条件テーブル266aの内容を参酌して、難読文字領域を特定する。
集約印刷パラメータ決定部268は、ダイアログ350(図7)上でユーザが選択したプレビュー表示領域に表示されるイメージに含まれる文字のサイズより小さくならないように、集約印刷パラメータを決定する。典型的には、集約印刷パラメータ決定部268は、ダイアログ350(図7)上でユーザが選択したラジオボタン351〜356に対応する集約印刷パラメータを対象の印刷ジョブについての集約印刷パラメータとして決定する。
ジョブ送信部270は、ジョブ生成部258から受けた印刷ジョブおよび対応する印刷パラメータを目的の画像形成装置MFPへ送信する。
図10を参照して、画像形成装置MFPは、その制御構造として、ジョブ受信部152と、ジョブ蓄積部154と、ジョブ実行部156と、ジョブ実行制御部158と、操作受付部160と、表示制御部162とを含む。ジョブ蓄積部154は、RAM103、EEPROM107、HDD109(図3)に含まれる所定の領域として提供される。また、ジョブ受信部152は、外部通信I/F111および関連するドライバソフトがCPU101で実行されることで提供される。その他の各部は、典型的に、CPU101(図3)がプログラムをRAM103(図3)に展開し、各コマンドを実行することで提供される。
ジョブ受信部152は、パーソナルコンピュータPCなどの画像処理装置から送信される印刷ジョブを受信する。ジョブ受信部152は、この受信した印刷ジョブをジョブ蓄積部154へ渡す。なお、ジョブ受信部152がラスター変換を行う機能を有していてもよい。
ジョブ蓄積部154は、ジョブ受信部152からの印刷ジョブ(もしくは、印刷ジョブをラスター変換して得られたラスターデータ)を蓄積する。また、ジョブ蓄積部154は、印刷ジョブ蓄積リスト154aを保持しており、印刷ジョブの蓄積に併せて、その内容を逐次更新する。なお、ジョブ蓄積部154は、後述するジョブ実行部156により蓄積された印刷ジョブについてのプリント処理が実行されると、その印刷ジョブを削除するとともに、印刷ジョブ蓄積リスト154aの登録内容を更新する。
ジョブ実行部156は、ジョブ実行制御部158からの制御指令に従って、ジョブ蓄積部154に蓄積されている印刷ジョブのうち指定された印刷ジョブを読出し、その読出した印刷ジョブに基づく制御コマンドをプリンタエンジンへ出力する。このプリンタエンジンへ出力する制御コマンドには、各色のトナー像を形成するための情報やプリントに用いられる用紙のサイズなどの情報が含まれる。
ジョブ実行制御部158は、ジョブ蓄積部154に蓄積される印刷ジョブについてのプリント処理を制御する。より具体的には、ジョブ実行制御部158は、ジョブ蓄積部154に新たな印刷ジョブが蓄積されると、その印刷ジョブに付与されて印刷パラメータを判断するとともに、
操作受付部160は、ユーザによる操作を受付け、その操作内容をジョブ実行制御部158へ与える。表示制御部162は、ユーザに通知すべき情報などを表示させる。典型的には、表示制御部162は、操作パネル7に状況に応じたメッセージなどを表示させる。
<処理手順>
図11は、この発明の実施の形態1に従うパーソナルコンピュータPCにおける処理手順を示すフローチャートである。図12は、図11に示す集約印刷パラメータ決定サブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
なお、図11および図12に示す各ステップは、典型的には、パーソナルコンピュータPCのCPU201がプログラムを実行することで実現される。
(メインルーチン)
図11を参照して、まず、CPU201は、ユーザから印刷指示を受けたか否かを判断する(ステップS100)。ユーザから印刷指示を受けていない場合(ステップS100においてNOの場合)には、ステップS100の処理が繰返される。
ユーザから印刷指示を受けた場合(ステップS100においてYESの場合)には、CPU201は、プリント対象の入力画像を特定する(ステップS102)。なお、何らかの実行中のアプリケーション上で印刷指示を受けた場合には、CPU201は、当該アプリケーションが取扱っているデータもしくはファイルをプリント対象と決定する。これに対して、OS上のファイルマネージャなどにおいて印刷指示を受けた場合には、CPU201は、プリント対象のファイルの選択をユーザから受付ける。
続いて、CPU201は、印刷パラメータの設定を受付けるためのダイアログ300を出力装置205に表示し(ステップS104)、ダイアログ300に対して入力されるユーザ設定を受付ける(ステップS106)。その後、CPU201は、ダイアログ300の設定項目305(集約)において、「プレビューから指定」の項目が選択されたか否かを判断する(ステップS108)。
「プレビューから指定」の項目が選択された場合(ステップS108においてYESの場合)には、CPU201は、図12に示す集約印刷パラメータ決定サブルーチンを実行する(ステップS110)。この集約印刷パラメータ決定サブルーチンによって、集約印刷パラメータが決定される。その後、処理はステップS120へ進む。
これに対して、「プレビューから指定」の項目が選択されていない場合(ステップS108においてNOの場合)には、CPU201は、ダイアログ300のOKボタン309が選択されたか否かを判断する(ステップS112)。ダイアログ300のOKボタン309が選択された場合(ステップS112においてYESの場合)には、CPU201は、設定項目305(集約)において設定されている集約印刷パラメータの値を対象の印刷ジョブについての集約印刷パラメータとして決定する(ステップS114)。その後、処理はステップS120へ進む。
これに対して、ダイアログ300のOKボタン309が選択されていない場合(ステップS112においてNOの場合)には、CPU201は、ダイアログ300のキャンセルボタン310が選択されたか否かを判断する(ステップS116)。ダイアログ300のキャンセルボタン310が選択された場合(ステップS116においてYESの場合)には、CPU201は印刷処理を中止する。そして、処理は終了する。一方、ダイアログ300のキャンセルボタン310が選択されていない場合(ステップS116においてNOの場合)には、ステップS106以下の処理が繰返される。
ステップS120において、CPU201は、ステップS110またはS114において決定された集約印刷パラメータを含む印刷パラメータに従って、プリント対象の入力画像から印刷ジョブを生成する。続いて、CPU201は、生成した印刷ジョブおよび当該印刷ジョブの生成に用いた印刷パラメータを目的の画像形成装置MFPへ送信する(ステップS122)。そして、処理は終了する。
(集約印刷パラメータ決定サブルーチン)
次に、図12を参照して、CPU201は、プリント対象の入力画像に含まれる文字を抽出する(ステップS200)。より具体的には、入力画像が構造化文書であれば、CPU201は、それに含まれるテキストの文字毎にそのテキスト値および指定されているフォントサイズなどの属性を取得する。また、入力画像がイメージデータである場合には、CPU201は、レイアウト認識技術によって、文字領域と画像領域とに分離する。さらに、CPU201は、分離した文字領域に含まれる文字毎のイメージを抽出する。
続いて、CPU201は、ステップS200において抽出した文字毎に、難読文字領域の特徴を記述した条件テーブルを参照して、難読文字の度合いを評価する(ステップS202)。さらに、CPU201は、難読文字の度合いが最も高い文字を含む所定領域を難読文字領域として抽出する(ステップS204)。
続いて、CPU201は、予め用意された複数の集約印刷パラメータのうち、初期値を選択し(ステップS206)、選択した集約印刷パラメータに従って、ステップS204において抽出した難読文字領域のイメージをスケーリングしてプレビュー画像を生成する(ステップS208)。続いて、予め用意された複数の集約印刷パラメータのすべてについて、プレビュー画像が生成済であるか否かを判断する(ステップS210)。
予め用意された複数の集約印刷パラメータのすべてについてのプレビュー画像が生成済ではない場合(ステップS210においてNOの場合)には、CPU201は、予め用意された複数の集約印刷パラメータのうち、次の集約印刷パラメータを選択し(ステップS212)、ステップS208以下の処理を再度実行する。
これに対して、予め用意された複数の集約印刷パラメータのすべてについてのプレビュー画像が生成済である場合(ステップS210においてYESの場合)には、CPU201は、生成した複数のプレビュー画像に基づいてダイアログ350を出力装置205に表示する(ステップS214)。さらに、CPU201は、ダイアログ350に対して入力されるユーザ設定を受付ける(ステップS216)。
その後、CPU201は、ダイアログ350のOKボタン358が選択されたか否かを判断する(ステップS218)。ダイアログ350のOKボタン358が選択された場合(ステップS218においてYESの場合)には、CPU201は、ラジオボタン351〜356のうち、選択されているラジオボタンに対応する集約印刷パラメータの値を対象の印刷ジョブについての集約印刷パラメータとして決定する(ステップS220)。そして、処理はメインルーチンに戻る。
これに対して、ダイアログ350のOKボタン358が選択されていない場合(ステップS218においてNOの場合)には、CPU201は、ダイアログ350のキャンセルボタン359が選択されたか否かを判断する(ステップS222)。ダイアログ350のキャンセルボタン359が選択された場合(ステップS222においてYESの場合)には、処理はそのままメインルーチンに戻る。
これに対して、ダイアログ350のキャンセルボタン359が選択されていない場合(ステップS222においてNOの場合)には、ステップS216以下の処理が繰返される。
<作用・効果>
この発明の実施の形態1によれば、ユーザは、設定可能な集約印刷パラメータに従って集約印刷された場合にそれぞれ生成されるプリント結果のイメージが実質的に実サイズで一覧表示されたものから、最も適切と考えるものを選択することで、対応する集約印刷パラメータが決定され、集約印刷が実行される。そのため、ユーザから見れば、非常に簡単な操作で、集約後における文字サイズを当該ユーザが必要とするサイズに容易に維持できる。同時に、紙やトナー(または、インク)といった資源の無駄な消費を回避できる。
また、この発明の実施の形態1によれば、プリント結果のイメージが実質的に実サイズで表示されるので、画面上のイメージと略一致したプリント出力を得ることができる。また、画面上のプレビュー表示と紙媒体上のプリント結果とでは、解像度や表現色の範囲などの相違によって同じサイズであっても見栄えが判定し難いが、本実施の形態では、各集約印刷パラメータに従うプレビューイメージが比較可能に一覧表示されるので、ユーザはプリント結果をより予想しやすい。
また、この発明の実施の形態1によれば、集約印刷パラメータを決定するダイアログには、難読文字領域がプレビュー表示されるので、ユーザに過剰な操作を要求することなく、最も厳しい条件を想定して、集約印刷パラメータを決定することができる。
[実施の形態2]
上述の実施の形態1においては、プリント結果のイメージを実質的に実サイズで表示することで、ユーザが最も適切な文字サイズを決定する構成について例示した。一方、以下に示す実施の形態2においては、ユーザがプリント結果において必要とする文字サイズ(以下「最小文字サイズ」とも称す。)を予め登録しておき、この登録された最小文字サイズより小さくならないように、集約印刷パラメータを決定する構成について例示する。
本実施の形態に従う画像形成システムSYSの概略構成については、図1と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。また、本実施の形態に従う画像形成装置MFPの構成については、図2および図3と同様であり、本実施の形態に従う画像処理装置(パーソナルコンピュータPC)の構成については、図4と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
<印刷手順>
次に、本実施の形態に従う画像形成システムSYSにおけるユーザの印刷手順の一例について説明する。
図13は、この発明の実施の形態2に従うパーソナルコンピュータPC上に表示される印刷パラメータ設定画面の一例を示す図である。図14は、この発明の実施の形態2に従うパーソナルコンピュータPC上に表示される最小文字サイズ登録画面の一例を示す図である。図15は、この発明の実施の形態2に従うパーソナルコンピュータPC上に表示される集約印刷パラメータを通知する画面の一例を示す図である。
典型的な操作手順として、パーソナルコンピュータPCを操作するユーザは、パーソナルコンピュータPC上で実行される任意のアプリケーション上で印刷対象を指定(典型的には、ファイル名を指定)した上で、印刷指示を与えると、図13に示すような印刷パラメータを設定するためのダイアログ300Aが表示される。このダイアログ300Aでは、「通常モード」と「エコモード」とを選択可能になっている。すなわち、タブ322が選択されると、「通常モード」に係る印刷パラメータの設定が可能であり(図示しない)、一方、タブ324が選択されると、「エコモード」に係る印刷パラメータの設定が可能である。この「エコモード」では、上述の図6(a)に示すダイアログ300と同様の項目が設定可能であるが、ダイアログ300Aにおいては、設定項目305(集約)において「自動」の項目を選択することができる点が異なっている。
設定項目305において「自動」が選択されていると、可能な限り集約印刷が実行される。具体的には、パーソナルコンピュータPCでは、プリント結果において予め登録された最小文字サイズより小さくならないように、集約印刷パラメータが自動的に決定される。なお、この自動的に決定された集約印刷パラメータは、集約印刷の実行前に、ユーザに通知されるようにしてもよい。さらに、上述の実施の形態1と同様に、ユーザが任意に集約印刷パラメータを変更できるようにしてもよいし、図7に示す集約印刷パラメータを設定するためのダイアログ350を表示してもよい。
最小文字サイズの登録を指示するボタンを選択した場合、あるいは、ダイアログ300Aの設定項目305において「自動」が選択されているにもかかわらず、最小文字サイズが登録されていない場合には、図14に示すダイアログ350Aが表示される。
なお、上述のようなダイアログ300Aおよび350Aは、典型的には、パーソナルコンピュータPC上で実行されるOSおよび/またはOSによってコールされるプリンタドライバによって提供される。
ダイアログ350Aには、文字イメージ選択項目371と、対象フォント選択項目372と、画数選択項目373とが選択可能に表示される。文字イメージ選択項目371においては、プリント結果に現れる文字を実質的に実サイズで表示するとともに、各文字サイズに対応付けて、各サイズを選択するためのラジオボタンが表示される。ユーザは、この文字イメージ選択項目371に表示される文字のイメージを確認しながら、プリント結果において最低限必要な文字サイズを決定し、対応するラジオボタンを選択する。
なお、文字イメージ選択項目371に表示される文字イメージは、予め定められた文字(図14に示す例では「あ」)であってもよいが、入力画像に含まれる難読文字を表示することが好ましい。これは、プリント結果における判読性は、難読文字が最も厳しいからである。この場合には、上述の実施の形態1と同様の方法によって、入力画像から難読文字が抽出される。
また、対象フォント選択項目372および画数選択項目373は、ユーザによる最小文字サイズの登録の内容をより詳細に設定する場合に用いられる。
具体的には、対象フォント選択項目372は、コンボボックスになっており、ユーザがカーソルCRSなどでプルダウンボタンを選択すると、入力画像に含まれ得る複数のフォント種類が一覧表示される。そして、いずれかのフォントが選択されると、文字イメージ選択項目371に表示される文字イメージは、当該選択されたフォントに対応するものとなる。一般的に、フォント(特に文字を構成する線の幅)が異なると、判読可能な文字サイズの限界が変化するため、このようにフォント別に最小文字サイズを登録しておくことが好ましい。
また、画数選択項目373についても、コンボボックスになっており、ユーザがカーソルCRSなどでプルダウンボタンを選択すると、画数の異なる複数の漢字(典型的には、各画数を代表する漢字)が一覧表示される。そして、いずれかの漢字が選択されると、文字イメージ選択項目371に表示される文字イメージは、当該選択された漢字に対応するものとなる。一般的に、画数が多くなるほど判読可能な文字サイズの限界が大きくなるため、このように画数別に最小文字サイズを登録しておくことが好ましい。典型的には、入力画像に含まれる漢字のうち最も画数の多い漢字を抽出し、この抽出した漢字の文字サイズに着目して集約印刷パラメータを決定することになる。
なお、上述のような登録内容に加えて、たとえば会社などの定型文(フォーマット文)の別に最小文字サイズまたは集約印刷パラメータを登録しておいてもよい。
また、文字イメージ選択項目371には、離散的に文字サイズを異ならせた複数の文字イメージを表示したが、文字サイズを時間的に順次変化させるような動的表示を行うとともに、ユーザが判読限界と感じたタイミングを入力することで、最小文字サイズを登録してもよい。このような手段を採用した場合には、より詳細に最小文字サイズを決定することができる。
また、複数のフォント種類および/または画数の異なる複数の漢字について、それぞれ文字サイズを異ならせた文字イメージを比較可能な態様で一覧表示してもよい。このような一覧表示によって、ユーザは、より適切な文字サイズを容易に登録することができる。
また、出力装置205に対するユーザの位置に応じて、ユーザが視認する文字イメージの大きさが異なるので、出力装置205からユーザまでの距離を入力させて、その入力された距離に応じて表示するサイズを調整するようにしてもよい。
また、上述のような最小文字サイズは、ユーザ別に登録されることが好ましい。これは、ユーザの好みによってプリント結果において必要とされる文字サイズの大きさが異なるからである。そのため、たとえば、パーソナルコンピュータPCにログインする際のユーザIDを取得しておき、当該ユーザIDに対応付けて最小文字サイズを登録することが好ましい。あるいは、ユーザが印刷指示を与えた後、ユーザIDを入力することを条件に、ダイアログ300Aを表示してもよい。
再度図13を参照して、ユーザが設定項目301〜308に所望する値を入力した後、OKボタン309を選択すると、パーソナルコンピュータPCにおいて集約印刷パラメータが決定される。続いて、決定された集約印刷パラメータをユーザに通知するためのダイアログ380(図15)が表示される。図15に示す例では、「4in1」が集約印刷パラメータとして決定された場合に、「4in1で印刷します。よろしいですか?」といったメッセージが表示される。このダイアログ380において、OKボタン381が選択されると、パーソナルコンピュータPCにおいて印刷ジョブが生成され、対応する印刷パラメータとともに画像形成装置100へ送信される。すなわち、出力画像の生成前に、決定した集約印刷パラメータがユーザに通知され、ユーザからの承諾があった場合に限って、出力画像である印刷ジョブ(または、それによって得られるプリント出力)の生成が開始される。なお、キャンセルボタン382が選択されると、図13に示すダイアログ300Aが再度表示され、ユーザに対して、希望する集約印刷パラメータの設定が促される。
なお、ダイアログ380において、決定された集約印刷パラメータに加えて、決定された集約印刷パラメータに従って集約印刷された場合に生成されるプリント結果のイメージを実質的に実サイズで表示するようにしてもよい。
このように、本実施の形態に従うパーソナルコンピュータPC上では、ユーザが予め最小文字サイズを登録しておくことで、自動的に適切な集約印刷パラメータが決定されて、集約印刷が実行される。
<制御構造>
本実施の形態に従う画像形成装置MFPの制御構造については、上述の実施の形態1に従う画像形成装置MFPの制御構造(図10)と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
図16は、この発明の実施の形態2に従うパーソナルコンピュータPCの制御構造を示すブロック図である。図16を参照して、パーソナルコンピュータPCの各々は、その制御構造として、アプリケーション252と、ファイル格納部254と、操作受付部256と、ジョブ生成部258と、表示制御部260と、ダイアログ生成部262と、プレビューイメージ生成部264と、領域抽出部266と、ジョブ送信部270と、文字抽出部282と、集約印刷パラメータ決定部284と、通知メッセージ生成部286と、ログ格納部288と、ユーザ設定格納部290と、認証部292とを含む。
アプリケーション252、ファイル格納部254、操作受付部256、ジョブ生成部258、表示制御部260、およびジョブ送信部270については、図9に示す実施の形態1に従うパーソナルコンピュータPCにおける制御構造の同一参照符号を付したブロックと同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
文字抽出部282は、入力画像に含まれている文字のうち、文字サイズが最小のものを抽出する。より具体的には、文字抽出部282は、入力画像に含まる文字領域を文字単位に分離するとともに、公知の方法によって、文字サイズを判断する。なお、入力画像が構造化文書であれば、テキストの文字毎にそのテキストに指定されているフォントサイズに基づいて判断する。そして、文字抽出部282は、抽出した文字サイズを集約印刷パラメータ決定部284へ出力する。
集約印刷パラメータ決定部284は、ユーザからの印刷指示に応答して、ユーザ設定格納部290に登録されている対応するユーザについての最小文字サイズを取得する。そして、集約印刷パラメータ決定部284は、文字抽出部282により抽出された文字サイズと取得した最小文字サイズとに基づいて、集約印刷パラメータを決定する。すなわち、集約印刷パラメータ決定部284は、プリント結果における文字抽出部282により抽出された文字のサイズが登録されている最小文字サイズより小さくならないように、集約印刷パラメータを決定する。典型的には、集約印刷パラメータ決定部284は、文字抽出部282により抽出された文字サイズの値を登録されている最小文字サイズの値で除算することで、スケーリング率(縮小/拡大率)を算出する。
なお、上述したように、最小文字サイズだけではなく、フォント種類や漢字の画数などの条件も登録されている場合には、集約印刷パラメータ決定部284は、これらの条件を反映して集約印刷パラメータを決定する。なお、ユーザが登録した情報に加えて、予め実験的に取得された判読性の特性を数式またはテーブルなどとして予め格納しておき、これらの情報に基づいて、集約印刷パラメータを決定してもよい。
集約印刷パラメータ決定部284は、決定した集約印刷パラメータを通知メッセージ生成部286などへ出力する。
通知メッセージ生成部286は、集約印刷パラメータ決定部284により決定された集約印刷パラメータをユーザに通知するためのダイアログ380(図15)を表示するための情報を生成する。そして、通知メッセージ生成部286は、生成した情報を表示制御部260へ出力する。
ログ格納部288は、文字抽出部282により抽出された文字のサイズと印刷ジョブの生成に用いられた集約印刷パラメータとをユーザに対応付けて、ログ(履歴情報)288aとして格納する。このログ288aには、対象の入力画像に含まれる文字のサイズの分布などについても記録するようにしてもよい。
ユーザ設定格納部290は、図14に示すダイアログ350A上でユーザが設定する最小文字サイズなどをユーザ設定290aとして格納する。このユーザ設定290aには、認証部292によって特定されるユーザ別にその設定内容が登録される。さらに、ユーザ設定格納部290は、ログ格納部288から、対象のユーザに対応する、印刷ジョブの生成に用いられた集約印刷パラメータの履歴を取得する。そして、ユーザ設定格納部290は、この取得した集約印刷パラメータの履歴に基づいて、ユーザ設定格納部290の内容を修正する。たとえば、ユーザ登録された最小文字サイズに基づいて決定された集約印刷パラメータと、実際に印刷ジョブの生成に用いられた集約印刷パラメータとの間の一致度が低い場合などには、登録されている最小文字サイズ自体が変更される。
認証部292は、印刷指示を発したユーザを特定する。より具体的には、認証部292は、ユーザがパーソナルコンピュータPCにログインする際に入力したユーザIDを取得し、あるいは、ユーザが印刷指示を与えた後にユーザIDの入力を要求する。
領域抽出部266は、入力画像から難読文字を抽出する。より具体的には、領域抽出部266は、難読文字として抽出されるべき特徴を記述した条件テーブル266aを保持しており、この条件テーブル266aの内容を参酌して、難読文字を特定する。そして、領域抽出部266は、抽出した難読文字をプレビューイメージ生成部264へ出力する。
プレビューイメージ生成部264は、領域抽出部266によって抽出された難読文字を予め用意された複数の文字サイズのそれぞれにスケーリングすることで、難読文字についての複数のサイズのイメージ画像を生成する。そして、プレビューイメージ生成部264は、生成したイメージ画像をダイアログ生成部262へ出力する。
ダイアログ生成部262は、上述の実施の形態1に従うダイアログ生成部262における機能に加えて、プレビューイメージ生成部264から受けたイメージ画像に基づいて、図14に示すダイアログ350Aを表示するための情報を生成する。そして、ダイアログ生成部262は、生成した情報を表示制御部260へ出力する。
<処理手順>
図17は、この発明の実施の形態2に従うパーソナルコンピュータPCにおける処理手順を示すフローチャートである。図18は、図17に示す最小文字サイズ登録サブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
なお、図17および図18に示す各ステップは、典型的には、パーソナルコンピュータPCのCPU201がプログラムを実行することで実現される。
(メインルーチン)
図17を参照して、まず、CPU201は、ユーザから印刷指示を受けたか否かを判断する(ステップS300)。ユーザから印刷指示を受けていない場合(ステップS300においてNOの場合)には、ステップS300の処理が繰返される。
ユーザから印刷指示を受けた場合(ステップS300においてYESの場合)には、CPU201は、プリント対象の入力画像を特定する(ステップS302)。なお、何らかの実行中のアプリケーション上で印刷指示を受けた場合には、CPU201は、当該アプリケーションが取扱っているデータもしくはファイルをプリント対象と決定する。これに対して、OS上のファイルマネージャなどにおいて印刷指示を受けた場合には、CPU201は、プリント対象のファイルの選択をユーザから受付ける。
続いて、CPU201は、印刷パラメータの設定を受付けるためのダイアログ300Aを出力装置205に表示し(ステップS304)、ダイアログ300Aに対して入力されるユーザ設定を受付ける(ステップS306)。その後、CPU201は、ダイアログ300の設定項目305(集約)において、「自動」の項目が選択されたか否かを判断する(ステップS308)。
「自動」の項目が選択された場合(ステップS308においてYESの場合)には、CPU201は、印刷指示を発したユーザを特定する(ステップS310)。続いて、CPU201は、ステップS310において特定したユーザに対応付けて登録されている最小文字サイズを検索し、最小文字サイズが登録されているか否かを判断する(ステップS312)。最小文字サイズが登録されている場合(ステップS312においてYESの場合)には、処理はステップS316へ進む。
これに対して、最小文字サイズが登録されていない場合(ステップS312においてNOの場合)には、CPU201は、図18に示す最小文字サイズ登録サブルーチンを実行する(ステップS314)。この最小文字サイズ登録サブルーチンによって、対象のユーザに対応付けられた最小文字サイズが登録される。そして、処理はステップS316へ進む。
ステップS316において、CPU201は、ステップS310において特定したユーザに対応付けて登録されている最小文字サイズを取得する。続いて、CPU201は、入力画像に含まれている文字のうち、文字サイズが最小のものを抽出する(ステップS318)。より具体的には、入力画像が構造化文書であれば、CPU201は、それに含まれるテキストの文字毎にそのテキスト値および指定されているフォントサイズなどの属性を取得する。また、入力画像がイメージデータである場合には、CPU201は、レイアウト認識技術によって、文字領域と画像領域とに分離する。さらに、CPU201は、分離した文字領域に含まれる文字毎のイメージを抽出する。
続いて、CPU201は、ステップS318において抽出した入力画像に含まれる文字の文字サイズが、プリント結果において、ステップS316において取得された最小文字サイズより小さくならないように、集約印刷パラメータを決定する(ステップS320)。さらに、CPU201は、ステップS320において決定した集約印刷パラメータをユーザに通知するためのダイアログ380を出力装置205に表示する(ステップS322)。続いて、CPU201は、ダイアログ380のOKボタン381が選択されたか否かを判断する(ステップS324)。
ダイアログ380のOKボタン381が選択された場合(ステップS324においてYESの場合)には、CPU201は、ステップS320において決定した集約印刷パラメータの値を対象の印刷ジョブについての集約印刷パラメータとして決定する(ステップS326)。そして、処理はステップS340へ進む。
これに対して、ダイアログ380のOKボタン381が選択されていない場合(ステップS324においてNOの場合)には、ステップS320において決定した集約印刷パラメータが破棄されて、ステップS306以下の処理が繰返される。
一方、「自動」の項目が選択されていない場合(ステップS308においてNOの場合)には、CPU201は、ダイアログ300の設定項目305(集約)において、いずれかの集約印刷パラメータが選択されたか否かを判断する(ステップS330)。いずれかの集約印刷パラメータが選択された場合(ステップS330においてYESの場合)には、選択されている集約印刷パラメータの値を対象の印刷ジョブについての集約印刷パラメータとして決定する(ステップS332)。そして、処理はステップS340へ進む。
これに対して、いずれの集約印刷パラメータも選択されていない場合(ステップS330においてNOの場合)には、ステップS306以下の処理が繰返される。
ステップS340において、CPU201は、ダイアログ300AのOKボタン309が選択されたか否かを判断する。ダイアログ300AのOKボタン309が選択された場合(ステップS340においてYESの場合)には、CPU201は、ステップS326またはS332において決定された集約印刷パラメータを含む印刷パラメータに従って、プリント対象の入力画像から印刷ジョブを生成する(ステップS342)。続いて、CPU201は、生成した印刷ジョブおよび当該印刷ジョブの生成に用いた印刷パラメータを目的の画像形成装置MFPへ送信する(ステップS344)。さらに、CPU201は、入力画像から抽出した文字のサイズと決定した集約印刷パラメータとをユーザに対応付けたログ(履歴情報)としてハードディスク(HDD)211に記憶する(ステップS346)。そして、処理は終了する。
これに対して、ダイアログ300AのOKボタン309が選択されていない場合(ステップS340においてNOの場合)には、CPU201は、ダイアログ300Aのキャンセルボタン310が選択されたか否かを判断する(ステップS348)。ダイアログ300Aのキャンセルボタン310が選択された場合(ステップS348においてYESの場合)には、CPU201は印刷処理を中止する。そして、処理は終了する。一方、ダイアログ300Aのキャンセルボタン310が選択されていない場合(ステップS348においてNOの場合)には、ステップS306以下の処理が繰返される。
(最小文字サイズ登録サブルーチン)
次に、図18を参照して、CPU201は、プリント対象の入力画像に含まれる文字を抽出する(ステップS400)。この文字抽出の処理の詳細は、上述の実施の形態1に係る集約印刷パラメータ決定サブルーチンのステップS200(図11)と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
続いて、CPU201は、ステップS400において抽出した文字毎に、難読文字領域の特徴を記述した条件テーブルを参照して、難読文字を特定する(ステップS402)。
続いて、CPU201は、ステップS402において特定した難読文字を、予め用意された複数の文字サイズのそれぞれにスケーリングすることで、難読文字についての複数のサイズのイメージ画像を生成する(ステップS404)。さらに、CPU201は、生成した複数のイメージ画像に基づいてダイアログ350Aを出力装置205に表示する(ステップS406)。さらに、CPU201は、ダイアログ350Aに対して入力されるユーザ設定を受付ける(ステップS408)。
その後、CPU201は、ダイアログ350AのOKボタン374が選択されたか否かを判断する(ステップS408)。ダイアログ350AのOKボタン374が選択された場合(ステップS408においてYESの場合)には、CPU201は、文字イメージ選択項目371のラジオボタンのうち、選択されているラジオボタンに対応するイメージ画像に対応する文字サイズを最小文字サイズとして決定する(ステップS410)。続いて、CPU201は、ステップS410において決定した最小文字サイズを対象のユーザに対応付けて登録する(ステップS412)。そして、処理はメインルーチンに戻る。
これに対して、ダイアログ350AのOKボタン374が選択されていない場合(ステップS408においてNOの場合)には、CPU201は、ダイアログ350Aのキャンセルボタン375が選択されたか否かを判断する(ステップS414)。ダイアログ350Aのキャンセルボタン375が選択された場合(ステップS414においてYESの場合)には、それ以降の処理は中断する。
これに対して、ダイアログ350Aのキャンセルボタン375が選択されていない場合(ステップS414においてNOの場合)には、ステップS408以下の処理が繰返される。
<作用・効果>
この発明の実施の形態2によれば、ユーザは、プリント結果に現れる複数の文字サイズが実質的に実サイズで表示された状態で、プリント結果において必要な最小文字サイズを登録しておくことで、その後の印刷指示によって生成される印刷ジョブ(プリント出力)では、自動的に適切な集約印刷パラメータに従った集約印刷が実行される。そのため、ユーザから見れば、一旦、最小文字サイズを登録しておけば、いつでも判読可能な文字サイズに維持されたプリント結果を得ることができる。同時に、紙やトナー(または、インク)といった資源の無駄な消費を回避できる。
また、この発明の実施の形態2によれば、文字の間隔が詰まっている場合などの原稿のレイアウトによっては、通常とは異なる基準で最小文字サイズを設定しておく必要が生じる場合があるが、このような場合にも、自動的に決定された集約印刷パラメータがプリント処理の開始前に通知される。この通知に対して、ユーザの承諾があった場合に限って、プリント処理が開始されるので、状況(印刷内容や配布先など)に応じて、自動設定された集約印刷パラメータを変更することができる。
また、この発明の実施の形態2によれば、過去の集約印刷を反映したログ(履歴情報)を順次記憶しておき、このログに基づいて、最小文字サイズを修正することもできるので、万が一、登録された最小文字サイズが不適切である場合や、全く登録されていない場合であっても、適切な集約印刷を実行することができる。
また、この発明の実施の形態2によれば、最小文字サイズを決定するダイアログには、難読文字が異なる文字サイズでプレビュー表示されるので、ユーザに過剰な操作を要求することなく、最も厳しい条件を想定して、最小文字サイズを決定することができる。
[実施の形態1および2の変形例]
上述の実施の形態1および2においては、パーソナルコンピュータPCにおいてユーザに集約印刷を行う構成について例示したが、この機能の全部もしくは一部を画像形成装置MFPで提供するようにしてもよい。たとえば、画像形成装置MFPがパーソナルコンピュータPCから受信した(集約印刷の設定を行っていない)印刷ジョブを一旦蓄積しておき、実際のプリント処理の実行前に、操作パネル7上で上述したようなユーザインターフェイスを提供するとともに、最適な集約印刷パラメータを決定してもよい。
あるいは、パーソナルコンピュータPCと画像形成装置MFPとの間に印刷ジョブを管理するプリントサーバを設けておき、上述の機能の全部もしくは一部をこのプリントサーバで提供するようにしてもよい。
さらに、図1に示すように画像形成装置MFPを用いて、紙媒体の原稿をスキャナで読み込んでプリント処理を行うような場合には、画像形成装置MFPに上述の機能を組込んでもよい。この場合には、パーソナルコンピュータPCなどと接続されている必要はなく、ユーザは、画像形成装置MFPの操作パネル7を用いて、紙媒体の原稿をスキャナにセットすると、予め登録される最小文字サイズに応じた集約印刷パラメータによって、集約印刷されたプリント出力が得られる。
[その他の実施の形態]
本実施の形態に係るプログラムによって実現される機能の一部または全部を専用のハードウェアによって構成してもよい。
また、本実施の形態に従うCPUで実行されるプログラムは、コンピュータのOSの一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。したがって、このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明に係るプログラムに含まれ得る。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。