JP2010270971A - マルチ空気調和機 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数台の室内機が高低差をもって設置された場合でも、それに起因する不暖房の発生を防止することができるマルチ空気調和機を提供することを目的とする。
【解決手段】暖房運転時、室内機7A,7Bの熱交出口温度または冷媒過冷却度が目標値となるように室内膨張弁72の開度を制御する構成とされているマルチ形空気調和機1において、室外制御部40に、高低差をもって設置される複数台の室内機7A,7Bの各室内膨張弁72の制御に用いられる目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を設定する制御目標値設定部43が設けられ、室内制御部50または室外制御部40のいずれかで、制御目標値設定部43により設定された制御目標値に基づいて室内膨張弁72の開度を制御するように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、1台の室外機に対して、室内機が複数台並列に接続されているマルチ空気調和機に関するものである。
マルチ空気調和機に接続される複数台の室内機は、必ずしも同じ階層に設置されるわけではなく、異なる階層に高低差をもって設置されることが多々ある。この場合、高低差が大きくなると、暖房運転時に、下方に設置されている室内機に重力の影響により凝縮された液冷媒が溜まり込み易くなる。これによって、下方に設置されている室内機の暖房能力が低下し、これが顕著になると、いわゆる不暖房に至るという問題がある。
そこで、暖房運転を行い、一定時間経過後に不暖房となっている室内機が存在していることが判明したとき、暖房目標高圧を一定値上昇させるか、もしくは不暖房となっている室内機の膨張弁開度もしくは室内熱交換器の目標出口温度を変更することによって、不暖房を解消できるようにしたものが特許文献1により提示されている。
一方、マルチ空気調和機において、暖房運転時の過冷却度制御を正確に行うため、室内機の冷媒配管長や室外機と室内機との高低差等を加味して圧損を算出し、この圧損を考慮した補正過冷却度を求め、それが実質上一定範囲となるように室内膨張弁を制御することによって、高効率な暖房運転を可能としたものが特許文献2により提示されている。
特開2008−121970号公報 特開平9−280681号公報
しかしながら、特許文献1に示されたものでは、一定時間暖房運転を行い、不暖房となっている室内機が存在していたときに、暖房目標高圧や目標過冷却度もしくは目標出口温度を変更するものであるため、いったん不暖房になってしまうことは避けられない。従って、一時的とは云え、空調エリアにいる人に不快感を与えてしまうという問題がある。
また、特許文献2に示されたものは、冷媒配管長や室外機と室内機との高低差等による圧損を加味して過冷却度の補正値を算出し、その補正過冷却度に基づいて過冷却度制御を行っているが、これは暖房運転時の過冷却度制御を正確に行うことによって高効率な暖房運転を可能としたものであり、従って、複数台の室内機が高低差をもって設置されることに起因する不暖房の発生を防止できるものではない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、複数台の室内機が高低差をもって設置された場合でも、それに起因する不暖房の発生を防止することができるマルチ空気調和機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のマルチ空気調和機は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかるマルチ空気調和機は、圧縮機、室外熱交換器および室外膨張弁を有する室外機と、室内熱交換器および室内膨張弁を有し、前記室外機にガス側配管および液側配管を介して並列に接続されている複数台の室内機とを備え、前記室外機および前記室内機には、互いに通信可能とされた室外制御部および室内制御部が設けられ、暖房運転時、前記室内制御部または前記室外制御部のいずれかで、前記室内機の熱交出口温度または冷媒過冷却度が目標値となるように前記室内膨張弁の開度が制御される構成とされているマルチ形空気調和機において、前記室外制御部には、高低差をもって設置される前記複数台の室内機の前記各室内膨張弁の制御に用いられる目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を設定する制御目標値設定部が設けられ、前記室内制御部または前記室外制御部のいずれかで、前記制御目標値設定部により設定された制御目標値に基づいて前記室内膨張弁の開度を制御するように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、1台の室外機に複数台の室内機が並列に接続され、各々の室外機および室内機に互いに通信可能とされた室外制御部および室内制御部が設けられているマルチ形空気調和機の室外制御部に、高低差をもって設置される複数台の室内機の各室内膨張弁の制御に用いられる目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を設定する制御目標値設定部が設けられ、室内制御部または室外制御部のいずれかで、制御目標値設定部により設定された制御目標値に基づいて室内膨張弁の開度を制御するように構成されているため、複数台の室内機が大きな高低差をもって設置された場合でも、各室内機に対して高低差に対応した適切な目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を設定することができ、これに基づいて各室内機の室内膨張弁が制御されることにより上方に設置されている室内機の室内膨張弁の開度が絞り気味となることから、下方に設置されている室内機の熱交換器への冷媒の溜り込みを抑制することができる。従って、下方に設置される室内機の暖房能力の低下を防止し、複数台の室内機が高低差をもって設置されることに起因する不暖房の発生を解消することができる。また、室内機毎の目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を室外機側で一括して設定できるため、制御目標値の設定作業を簡略化することができる。更に、マルチ空気調和機の据え付け時に適切な目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を初期設定できるため、運転開始当初から不暖房とならないように運転することができる。
さらに、本発明にかかるマルチ空気調和機は、圧縮機、室外熱交換器および室外膨張弁を有する室外機と、室内熱交換器および室内膨張弁を有し、前記室外機にガス側配管および液側配管を介して並列に接続されている複数台の室内機とを備え、前記室外機および前記室内機には、互いに通信可能とされた室外制御部および室内制御部が設けられ、暖房運転時、前記室内制御部または前記室外制御部のいずれかで、前記室内機の熱交出口温度または冷媒過冷却度が目標値となるように前記室内膨張弁の開度が制御される構成とされているマルチ形空気調和機において、前記室外制御部には、前記複数台の室内機と前記室外機との間の高低差を入力する入力部および該入力部からの入力値に基づき高低差をもって設置される前記複数台の室内機の前記各室内膨張弁の制御に用いられる目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を算出する制御目標値算出部が設けられ、前記室内制御部または前記室外制御部のいずれかで、前記制御目標値算出部により算出された制御目標値に基づいて前記室内膨張弁の開度を制御するように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、1台の室外機に複数台の室内機が並列に接続され、各々の室外機および室内機に互いに通信可能とされた室外制御部および室内制御部が設けられているマルチ形空気調和機の室外制御部に、複数台の室内機と室外機との間の高低差を入力する入力部および該入力部からの入力値に基づき高低差をもって設置される複数台の室内機の各室内膨張弁の制御に用いられる目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を算出する制御目標値算出部が設けられ、室内制御部または室外制御部のいずれかで、制御目標値算出部により算出された制御目標値に基づいて室内膨張弁の開度を制御するように構成されているため、複数台の室内機が大きな高低差をもって設置された場合でも、複数台の室内機と室外機との間の高低差を入力することにより制御目標値算出部で各室内機に高低差に対応した適切な目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を算出することができ、これに基づいて各室内機の室内膨張弁が制御されることにより上方に設置されている室内機の室内膨張弁の開度が絞り気味となることから、下方に設置されている室内機の熱交換器への冷媒の溜り込みを抑制することができる。従って、下方に設置される室内機の暖房能力の低下を防止し、複数台の室内機が高低差をもって設置されることに起因する不暖房の発生を解消することができる。また、室内機毎の目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を室外機側で一括して設定できるため、制御目標値の設定作業を簡略化することができる。更に、マルチ空気調和機の据え付け時に適切な目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を初期設定できるため、運転開始当初から不暖房とならないように運転することができる。
さらに、本発明のマルチ空気調和機は、上記のマルチ空気調和機において、前記入力部は、前記複数台の室内機と前記室外機との間の高低差に代え、最下方に設置された前記室内機に対する目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度との温度差を入力する入力部とされていることを特徴とする。
本発明によれば、入力部が、複数台の室内機と室外機との間の高低差に代え、最下方に設置された室内機に対する目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度との温度差を入力する入力部とされているため、最下方に設置された室内機に対する目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度をベースにした温度差を入力することにより、制御目標値算出部で各室内機に対する高低差に対応した適切な目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を算出することができ、これに基づいて各室内機の室内膨張弁の開度を制御し、下方に設置されている室内機の熱交換器への冷媒の溜り込みを抑制することができる。これによって、下方に設置される室内機の暖房能力の低下を防止し、複数台の室内機が高低差をもって設置されることに起因する不暖房を解消することができる。
さらに、本発明のマルチ空気調和機は、上記のマルチ空気調和機において、前記制御目標値算出部は、前記複数台の室内機と前記室外機との間の高低差より前記各室内機間の高低差を算出し、それに基づいてサーモオン室内機間の目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を算出可能とされていることを特徴とする。
本発明によれば、制御目標値算出部が、複数台の室内機と室外機との間の高低差より各室内機間の高低差を算出し、それに基づいてサーモオン室内機間の目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を算出可能とされているため、サーモオンされている室内機間のみの目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を算出すればよく、全体として目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を高めにすることができる。これによって、サーモオンされている室内機の暖房能力の低下を抑制し、暖房性能の向上を図ることができる。
さらに、本発明のマルチ空気調和機は、上述のいずれかのマルチ空気調和機において、前記制御目標値は、前記複数台の室内機のリモコンからも各々設定可能とされていることを特徴とする。
本発明によれば、制御目標値が、複数台の室内機のリモコンからも各々設定可能とされているため、室内機毎の目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を室外機側で一括して設定できるのみならず、各室内機のリモコンからも設定することができる。従って、室内機の高低差に対応した目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度の設定の利便性を更に向上することができる。
さらに、本発明のマルチ空気調和機は、上述のいずれかのマルチ空気調和機において、前記室外制御部は、前記複数台の室内機の高低差に対応して新たな前記制御目標値が設定された場合、暖房目標高圧を一定値上昇させるように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、室外制御部は、複数台の室内機の高低差に対応して新たな制御目標値が設定された場合、暖房目標高圧を一定値上昇させるように構成されているため、新たに設定された目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度による室内膨張弁の制御により、下方に設置されている室内機の熱交換器への冷媒の溜り込みを抑制できるのみならず、暖房目標高圧が一定値上昇されることによっても、室内熱交換器への液冷媒の溜まり込みを抑制することができる。従って、複数台の室内機が高低差をもって設置されることに起因する不暖房の発生を解消することができるとともに、高圧が上昇されることによって能力の低下を最小限に抑えることができる。
本発明によると、複数台の室内機の高低差に対応して適切な目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を設定することができ、この制御目標値に基づいて各室内機の室内膨張弁が制御されることにより、上方に設置されている室内機の室内膨張弁の開度が絞り気味となることから、下方に設置されている室内機の熱交換器への冷媒の溜り込みを抑制することができるため、下方に設置される室内機の暖房能力の低下を防止し、複数台の室内機が高低差をもって設置されることに起因する不暖房の発生を解消することができる。また、室内機毎の目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を室外機側で一括して設定できるため、制御目標値の設定作業を簡略化することができる。更に、マルチ空気調和機の据え付け時に適切な目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を初期設定できるため、運転開始当初から不暖房とならないように運転することができる。
本発明の第1実施形態に係るマルチ空気調和機の冷媒回路図である。 図1に示すマルチ空気調和機における複数台の室内機の設置状態を示す模式図である。 図1に示すマルチ空気調和機における複数台の室内機に対する目標熱交出口温度の設定例を示す説明図である。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1ないし図3を用いて説明する。
図1には、本実施形態に係るマルチ空気調和機の冷媒回路図が示されている。マルチ空気調和機1は、1台の室外機2と、室外機2から導出されるガス側配管4および液側配管5と、このガス側配管4および液側配管5間に分岐器6を介して並列に接続されている複数台の室内機7A,7Bと、から構成されている。
室外機2は、冷媒を圧縮するインバータ駆動の圧縮機21と、冷媒ガス中から冷凍機油を分離する油分離器22と、冷媒の循環方向を切り換える四方切換弁23と、冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換器24と、室外熱交換器24と一体的に構成されている過冷却コイル25と、暖房用の室外膨張弁(EEVH)26と、液冷媒を貯留するレシーバ27と、液冷媒に過冷却を与える過冷却熱交換器28と、過冷却熱交換器28に分流される冷媒量を制御する過冷却用膨張弁(EEVSC)29と、圧縮機21に吸入される冷媒ガスから液分を分離し、ガス分のみを圧縮機21に吸入させるアキュームレータ30と、ガス側操作弁31と、液側操作弁32と、を備えている。
室外機2側の上記各機器は、吐出配管33A、ガス配管33B、液配管33C、ガス配管33D、吸入配管33E、および過冷却用の分岐配管33F等の冷媒配管を介して公知の如く接続され、室外側冷媒回路34を構成している。また、室外機2には、室外熱交換器24に対して外気を送風する室外ファン35が設けられている。さらに、油分離器22と圧縮機21の吸入配管33Eとの間には、油分離器22内で吐出冷媒ガスから分離された冷凍機油を所定量ずつ圧縮機21側に戻すための油戻し回路36が設けられている。
ガス側配管4および液側配管5は、室外機2のガス側操作弁31および液側操作弁32に接続される冷媒配管であり、現場での据え付け施工時に、室外機2とそれに接続される室内機7A,7Bとの間の距離に応じてその長さが設定されるようになっている。ガス側配管4および液側配管5の途中には、適宜数の分岐器6が設けられ、この分岐器6を介してそれぞれ適宜台数の室内機7A,7Bが接続されている。これによって、密閉された1系統の冷凍サイクル3が構成されている。
室内機7A,7Bは、冷媒と室内空気とを熱交換させて室内の空調に供する室内熱交換器71と、冷房用の室内膨張弁(EEVC)72と、室内熱交換器71を通して室内空気を循環させる室内ファン73と、を備えており、室内側の分岐ガス側配管4A,4Bおよび分岐液側配管5A,5Bを介して分岐器6に接続されている。
上記マルチ空気調和機1において、冷房運転は、以下のように行われる。
圧縮機21で圧縮された高温高圧の冷媒ガスは、吐出配管33Aに吐出され、油分離器22で冷媒中に含まれている冷凍機油が分離される。その後、冷媒ガスは、四方切換弁23によりガス配管33B側に循環され、室外熱交換器24で室外ファン35により送風される外気と熱交換されて凝縮液化される。この液冷媒は、過冷却コイル25で更に冷却された後、室外膨張弁26を通過し、レシーバ27にいったん貯留される。
レシーバ27で循環量が調整された液冷媒は、液配管33Cを介して過冷却熱交換器28を流通される過程で、過冷却用分岐配管33Fに一部が分流され、過冷却用膨張弁(EEVSC)29で断熱膨張された冷媒と熱交換されて過冷却度が付与される。この液冷媒は、液側操作弁32を経て室外機2から液側配管5へと導出され、更に液側配管5に導出された液冷媒は、分岐器6により各室内機7A,7Bの分岐液側配管5A,5Bへと分流される。
分岐液側配管5A,5Bに分流された液冷媒は、各室内機7A,7Bに流入し、室内膨張弁(EEVC)72で断熱膨張され、気液二相流となって室内熱交換器71へと流入される。室内熱交換器71では、室内ファン73により循環される室内空気と冷媒とが熱交換され、室内空気は冷却されて室内の冷房に供される。一方、冷媒はガス化され、分岐ガス側配管4A,4Bを経て分岐器6に至り、他の室内機からの冷媒ガスとガス側配管4で合流される。
ガス側配管4で合流された冷媒ガスは、再び室外機2に戻り、ガス側操作弁31、ガス配管33D、四方切換弁23を経て吸入配管33Eに至り、分岐配管33Fからの冷媒ガスと合流された後、アキュームレータ30に導入される。アキュームレータ30では、冷媒ガス中に含まれている液分が分離され、ガス分のみが圧縮機21へと吸入される。この冷媒は、圧縮機21において再び圧縮され、以上のサイクルを繰り返すことによって冷房運転が行われる。
一方、暖房運転は、以下のように行われる。
圧縮機21により圧縮された高温高圧の冷媒ガスは、吐出配管33Aに吐出され、油分離器22で冷媒中に含まれている冷凍機油が分離された後、四方切換弁23によりガス配管33D側に循環される。この冷媒は、ガス側操作弁31、ガス側配管4を経て室外機2から導出され、更に分岐器6、室内側の分岐ガス側配管4A,4Bを経て室内機7A,7Bへと導入される。
室内機7A,7Bに導入された高温高圧の冷媒ガスは、室内熱交換器71で室内ファン73を介して循環される室内空気と熱交換され、室内空気は加熱されて室内の暖房に供される。室内熱交換器71で凝縮された液冷媒は、室内膨張弁(EEVC)72、分岐液側配管5A,5Bを経て分岐器6に至り、他の室内機からの冷媒と合流された後、液側配管5を経て室外機2に戻される。なお、暖房時、室内機7A,7Bでは、凝縮器として機能する室内熱交換器71の冷媒出口温度(以下、熱交出口温度という。)または冷媒過冷却度が制御目標値となるように、後述の通り室内膨張弁(EEVC)72の開度が制御されるようになっている。
室外機2に戻った冷媒は、液側操作弁32、液配管33Cを経て過冷却熱交換器28に至り、冷房時の場合と同様に過冷却が付与された後、レシーバ27に流入され、いったん貯留されることにより循環量が調整される。この液冷媒は、液配管33Cを介して室外膨張弁(EEVH)26に供給され、そこで断熱膨張された後、過冷却コイル25を経て室外熱交換器24へと流入される。
室外熱交換器24では、室外ファン35から送風される外気と冷媒とが熱交換され、冷媒は外気から吸熱して蒸発ガス化される。この冷媒は、室外熱交換器24からガス配管33B、四方切換弁23、吸入配管33Eを経て過冷却用分岐配管33Fからの冷媒と合流され、アキュームレータ30に導入される。アキュームレータ30では、冷媒ガス中に含まれている液分が分離されてガス分のみが圧縮機21へと吸入され、圧縮機21において再び圧縮される。以上のサイクルを繰り返すことによって暖房運転が行われる。
マルチ空気調和機1では、複数台の室内機7A,7Bがそれぞれ異なる場所に設置されるのが常であり、特に建屋の異なる階層に設置される場合は、複数台の室内機7A,7B間において大きな高低差が生じることがある。このため、上記暖房運転時において、下方に設置されている室内機7A,7Bに重力の影響によって室内熱交換器71で凝縮された液冷媒が溜り込み、これによって、暖房能力が低下し、不暖房に陥ることがある。このような不暖房を防止するため、本実施形態では以下のような手段を採用している。
室外機2および室内機7A,7Bには、互いに通信可能とされた室外制御部40および室内制御部50が設けられている。また、各室内機7A,7Bには、運転操作を行うリモコン60が設けられている。ここでは、ワイヤードリモコンが示されているが、ワイヤレスリモコンであってもよい。
室外制御部40は、室内制御部50からの制御情報や外気温センサ41および高圧センサ42等からの入力情報に基づいて、圧縮機21の回転数や室外膨張弁26の開度等を適宜制御するとともに、四方切換弁23を作動させて冷房、暖房の切り換えが行えるように構成されている。また、室外制御部40は、暖房運転時、高圧センサ42の検出値に基づいて高圧圧力を暖房目標高圧HPに制御できるように構成されている。
室内制御部50は、吸込み空気温度センサ51、吹出し空気温度センサ52、熱交温度センサ53、熱交出口温度センサ54,55等からの入力情報に基づいて室外制御部40に必要な制御情報を送信するとともに、室内膨張弁72の開度や室内ファン73による風量等を適宜制御するように構成されている。また、室内制御部50は、暖房運転時、熱交出口温度センサ55および/または高圧センサ42の検出値により、室内熱交換器71の熱交出口温度または冷媒過冷却度が制御目標値となるように室内膨張弁(EEVC)72の開度を制御する構成とされている。
更に、室外制御部40には、高低差をもって設置される複数台の室内機7A,7Bの各室内膨張弁72の制御に用いられる目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を設定する7セグメント等からなる制御目標値設定部43が設けられており、室内制御部50は、この制御目標値設定部53を介して設定された制御目標値(目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度)に基づいて室内膨張弁72の開度を制御するように構成されている。
続いて、暖房運転時、下方に設置されている室内機7A,7Bに重力の影響により液冷媒が溜り込まないようにする熱交出口温度制御の制御目標値の設定の仕方について、図2の模式図を参照して詳細に説明する。図2には、室外機2と室内機7A、室内機7Bおよび室内機7Cとの間の高低差が各々40m、30m、20m、室内機7Aと室内機7Bとの間の高低差が10m(40m−30m)、MAX室内機間高低差が20m(40m−20m)とされた設置例が示されている。
ここで、一般式は、以下の通りである。
MAX飽和温度差=最下方室内機の飽和温度−最上方室内機の飽和温度
MAX室内機間高低差=最上方室内機高さ−最下方室内機高さ
最下方室内機目標熱交出口温度=目標熱交出口温度初期値
最上方室内機目標熱交出口温度=目標熱交出口温度初期値−MAX飽和温度差
中間室内機目標熱交出口温度=目標熱交出口温度初期値−MAX飽和温度差×(最下方室内機と該当室内機の高低差/MAX室内機間高低差)
(a)ヘッド差のみを考慮した場合の目標熱交出口温度の算出について
高低差によるヘッド差ΔPは、
ΔP=ρgΔH
=1000kg/m×10m/s×10m
=0.1MPa
但し、密度ρ=1000kg/m、重力加速度g=10m/sと仮定(この場合、室内機7Aには、室内機7Bの圧力+0.1MPa(液ヘッド差)の圧力がかかり、室内機7Cには、室内機7Bの圧力−0.1MPa(液ヘッド差)の圧力がかかる)。
冷媒の熱物性より、室内機7A、室内機7B、および室内機7Cの圧力は、
室内機7Aの圧力=室内機7Bの圧力+0.1MPa(液ヘッド差)
室内機7Bの圧力
室内機7Cの圧力=室内機7Bの圧力−0.1MPa(液ヘッド差)
となり、それぞれの圧力飽和温度を求めると、例えば、
室内機7Bの圧力=2.7MPaG→飽和温度=46℃
室内機7Aの圧力=2.7+0.1=2.8MPaG→飽和温度=48℃
室内機7Cの圧力=2.7−0.1=2.6MPaG→飽和温度=44℃
となる。
各室内機7Aないし7C間の飽和温度差を無くするために、各室内機7Aないし7Cの目標熱交出口温度に温度差を設けると、
各室内機7Aないし7Cの目標熱交出口温度は、
目標熱交出口温度初期値=40℃とすると、
室内機7Aの目標熱交出口温度=40℃
室内機7Bの目標熱交出口温度=40−(48−44)/(10/20)=38℃
室内機7Cの目標熱交出口温度=40−(48−44)=36℃
となる。これによって、各室内機7Aないし7Cに、図3(A)に示されるように、目標熱交出口温度が設定され、上方に設置されている室内機7B,7Cの室内膨張弁72の開度が絞り気味となり、下方に設置されている室内機7Aへの冷媒の溜り込みを防止することができる。
また、上記一般式において、
新目標熱交出口温度初期値=目標熱交出口温度初期値+MAX飽和温度差/2
最下方室内機新目標熱交出口温度=新目標熱交出口温度初期値
最上方室内機新目標熱交出口温度=新目標熱交出口温度初期値−MAX飽和温度差
中間室内機新目標熱交出口温度=新目標熱交出口温度初期値−MAX飽和温度差×(最下方室内機と該当室内機の高低差/MAX室内機間高低差)
とすると、
室内機7Aと室内機7Bとの飽和温度差は、48−46=2deg
室内機7Aと室内機7Cとの飽和温度差は、48−44=4deg
となる。
ここで、目標熱交出口温度初期値=40℃とすると、
新目標熱交出口温度初期値=40+(48−44)/2=42℃
室内機7Aの新目標熱交出口温度=42℃
室内機7Bの新目標熱交出口温度=42℃−(48−44)×(10/20)=40℃
室内機7Cの新目標熱交出口温度=42℃−(48−44)=38℃
となる。これによって、上方に設置されている室内機7B,7Cの室内膨張弁72の開度が絞り気味となり、下方に設置されている室内機7Aへの冷媒の溜り込みを防止することができる。なお、この場合は、上記ケースよりも目標熱交出口温度を高くすることができるため、各室内機7Aないし7Cからの吹出し空気温度を高くすることが可能となる。
(b)ヘッド差と配管圧損を考慮した場合の目標熱交出口温度の算出について
高低差によるヘッド差ΔPは、上記と同様、
ΔP=ρgΔH
=1000kg/m×10m/s×10m
=0.1MPa
但し、密度ρ=1000kg/m、重力加速度g=10m/sと仮定(室内機7Aには、室内機7Bの圧力+0.1MPa液ヘッド圧力がかかり、室内機7Cには、室内機7Bの圧力−0.1MPa液ヘッド圧力がかかる)。
更に、配管長が室内機7A>室内機7Bとなる場合、室内機7Aと室内機7B間の液配管5Aの圧損ΔPは、
ΔP=λ・L/d・ρv/2
=0.016×10m/11.1mm×1000kg/m×(2m/s)/2
=0.03MPa
但し、λ=0.016、密度ρ=1000kg/m、配管流速v=2m/s、重力加速度g=10m/s、室内機7Aと室内機7Bとの配管長差L=10m、配管内径d=11.1mmと仮定。なお、配管流速vは、圧縮機21の押しのけ量、回転数および冷媒熱物性から算出した。
冷媒の熱物性より、室内機7Aおよび室内機7Bの圧力は、
室内機7Aの圧力=室内機7Bの圧力+0.1MPa(液ヘッド差)+0.03MPa(液配管圧損)
室内機7Bの圧力
となり、それぞれの圧力飽和温度を求めると、例えば、
室内機7Bの圧力=2.7MPaG→飽和温度=46℃
室内機7Aの圧力=2.7+0.13=2.83MPaG→飽和温度=49℃
となる。
上記の飽和温度差を無くするために、室内機7Aと室内機7Bの目標熱交出口温度に温度差を設けると、
室内機7Aと室内機7Bの目標熱交出口温度は、
目標熱交出口温度初期値=40℃とすると、
室内機7Aの目標熱交出口温度=40℃
室内機7Bの目標熱交出口温度=40−(49−46)=37℃
となる。これによって、上方に設置されている室内機7Bの室内膨張弁72の開度が絞り気味となり、下方に設置されている室内機7Aへの冷媒の溜り込みを防止することができる。
また、室内機7Aと室内機7Bとの飽和温度差は、49−46=3degであり、
目標熱交出口温度初期値=40℃とすると、
新目標熱交出口温度初期値=40+(49−46)/2=41.5℃
室内機7Aの新目標熱交出口温度=41.5℃
室内機7Bの新目標熱交出口温度=41.5℃−(49−46)=38.5℃
となる。これによって、上方に設置されている室内機7Bの室内膨張弁72の開度が絞り気味となり、下方に設置されている室内機7Aへの冷媒の溜り込みを防止することができる。また、上記の場合よりも、目標熱交出口温度を高くすることができるため、各室内機7Aないし7Cからの吹出し空気温度を高くすることができる。
なお、上記にて算出される制御目標値は、実際には、マルチ空気調和機1が据え付けられる際に、その据え付け現場の状況に応じて施工業者が適宜算出し、室外機2の室外制御部40に設けられている制御目標値設定部43において設定することにより、例えば、図3(A)に示されるように、各室内機7Aないし7Cの制御目標値として設定することができる。その結果、当該マルチ空気調和機1では、暖房運転時、熱交出口温度センサ55によって検出される室内熱交換器72の出口冷媒温度が、上記の如く設定された目標熱交出口温度となるように室内制御部50を介して室内膨張弁72の開度が制御されることとなる。
このように、本実施形態によれば、複数台の室内機7Aないし7Cが大きな高低差をもって設置された場合でも、各室内機7Aないし7Cに高低差に対応した適切な目標熱交出口温度を設定することができ、これに基づいて各室内機7Aないし7Cの室内膨張弁72が制御されることにより、上方に設置されている室内機7Aないし7Cの室内膨張弁72の開度が絞り気味となるため、下方に設置されている室内機7Aないし7Cの室内熱交換器71への冷媒の溜り込みを抑制することができる。
従って、下方に設置される室内機7Aないし7Cの暖房能力の低下を防止し、複数台の室内機7Aないし7Cが高低差をもって設置されることに起因する不暖房の発生を解消することができる。また、室内機7Aないし7C毎の目標熱交出口温度を室外機2側で一括して設定できるため、制御目標値の設定作業を簡略化することができる。更に、マルチ空気調和機1の据え付け時に適切な目標熱交出口温度を初期設定できるため、運転開始当初から不暖房とならないように運転することが可能となる。
なお、上記では、熱交出口温度センサ55により検出される室内熱交換器72の出口冷媒温度が目標熱交出口温度となるように室内制御部50を介して室内膨張弁72の開度を制御する例について説明したが、熱交出口温度制御に代えて、高圧センサ42により検出される高圧圧力の飽和温度と熱交出口温度センサ55により検出される室内熱交換器72の出口冷媒温度とから算出される冷媒過冷却度を、制御目標値として室内膨張弁72の開度を制御するようにしている場合においても、目標冷媒過冷却度を適宜算出し、それを室外機2の制御目標値設定部43において設定することにより、上記と同様に、下方に設置される室内機7Aないし7Cの暖房能力の低下を防止し、複数台の室内機7Aないし7Cが高低差をもって設置されることに起因する不暖房の発生を解消することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図1を参照して説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、室外制御部40に高低差の入力部44とその入力値により目標熱交出口温度を算出する制御目標値算出部45が設けられている点が異なる。その他の点については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態では、図1に示されるように、制御目標値設定部43に代えて、室外制御部40に複数台の室内機7A,7Bと室外機2との間の高低差を入力する入力部45と、該入力部45からの入力値に基づき高低差をもって設置された複数台の室内機7A,7Bの各室内膨張弁72の制御に用いられる目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を算出する制御目標値算出部46とが設けられた構成とされている。
つまり、本実施形態は、施工業者が現場で目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を計算し、それを制御目標値設定部43に設定する代わりに、施工業者がマルチ空気調和機1の据え付け現場で計測した複数台の室内機7A,7Bと室外機2との間の高低差を入力部44から入力することにより、制御目標値算出部45が各室内機7A,7B間の高低差を算出するとともに、上記の一般式に従って目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を自動的に算出し、それが図3(A)に示されるように、各室内機7A,7Bの室内制御部50に設定されるように構成されている。
このように、室外制御部40に、高低差の入力部44と、その入力値に基づいて目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を算出する制御目標値算出部45とを設けることによって、複数台の室内機7A,7Bが高低差をもって設置された場合でも、高低差の計測データを入力するだけで、それに対応した目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を自動的に算出して設定することが可能となる。そして、それを制御目標値として室内膨張弁72の開度を熱交出口温度制御または過冷却度制御することができるようになる。
従って、本実施形態によっても、上記した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、本実施形態では、目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を自動的に算出することができるため、現場において面倒な計算を行う必要がなくなり、マルチ空気調和機1の据え付け作業を効率化することができる。
[その他の実施形態]
次に、本発明のその他の実施形態について、以下に説明する。
(1)上記実施形態では、高低差情報を入力することにより、図3(A)に示されるように、各室内機7Aないし7Cの制御目標値として目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を算出、設定するようにしているが、高低差情報ではなく、図3(B)に示されるように、最下方に設置されている室内機7Aの制御目標値をベースに、それとの温度差を入力するようにしてもよい。これによっても上記と同様の作用効果を得ることができる。
(2)上記実施形態では、制御目標値算出部46により、複数台の室内機7Aないし7Cと室外機2との間の高低差より各室内機7Aないし7C間の高低差を算出し、それに基づいて各室内機7Aないし7Cの目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度が算出するようにしているが、図3(C)に示されるように、サーモオンされている室内機7Aないし7C間の目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度もしくはサーモオンされている最下方の室内機の制御目標値との温度差を算出し、設定するようにしてもよい。
これによると、サーモオンされている室内機7Aないし7C間のみの目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を算出すればよく、全体として目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を高めにすることができる。このため、サーモオンされている室内機7Aないし7Cの暖房能力の低下を抑制し、暖房性能の向上を図ることができる。
(3)上記実施形態では、目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度もしくは高低差のデータ等を室外制御部40の制御目標値設定部43または入力部45において設定する例について説明したが、これらの設定は、各室内機7Aないし7Cに設けられているリモコン60から設定できるようにすることも可能である。
このように、暖房運転時、室内膨張弁72を制御する制御目標値を複数台の室内機7Aないし7Cのリモコンから設定可能とすることにより、室内機7Aないし7C毎の目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を室外機2側で一括して設定できるのみならず、各室内機7Aないし7Cのリモコン60からも設定することができるため、室内機7Aないし7Cの高低差に対応した目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度の設定の利便性を更に向上することができる。
(4)上記実施形態では、高低差をもって設置される複数台の室内機7Aないし7Cに対応して、暖房運転時、室内膨張弁72を制御する目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を設定するようにしているが、室外制御部40において、複数台の室内機7Aないし7Cの高低差に対応して新たな制御目標値が設定された場合に、室外制御部40は、暖房目標高圧HPを一定値上昇させ、高圧センサ42の検出値に基づいて高圧圧力が一定値上昇された暖房目標高圧HPとなるように圧縮機21を制御する構成としてもよい。
このように、室内膨張弁72を制御する新たな目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度が設定された場合に、暖房目標高圧HPを一定値上昇させることにより、下方に設置されている室内機7Aないし7Cの室内熱交換器71への冷媒の溜り込みを抑制できるのみならず、暖房目標高圧が一定値上昇されることによっても、室内熱交換器71への液冷媒の溜まり込みを抑制することができるため、複数台の室内機7Aないし7Cが高低差をもって設置されることに起因する不暖房の発生をより確実に解消することが可能となるとともに、高圧が上昇されることによって能力低下を最小限に抑えることができる。
(5)上記実施形態では、室内膨張弁72の開度を各室内機7Aないし7Cの室内制御部50で演算し、各室内膨張弁72に指令するようにしているが、室外制御部40側で演算し、室外制御部40側から指令するように構成してもよく、これによっても上記と同様の作用効果を得ることができる。
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、上記した目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度等の算出方法は、一例にすぎず、これに制限されるものでないことは云うまでもない。また、図1に示される実施形態では、室内機7Aのみに室内制御部50およびリモコン60が図示されているが、他の室内機にも同様に室内制御部50およびリモコン60が設けられることは云うまでもない。
1 マルチ空気調和機
2 室外機
4,4A,4B ガス側配管
5,5A,5B 液側配管
7A,7B,7C 室内機
21 圧縮機
24 室外熱交換器
26 室外膨張弁
40 室外制御部
43 制御目標値設定部
45 入力部
46 制御目標値算出部
50 室内制御部
60 リモコン
71 室内熱交換器
72 室内膨張弁

Claims (6)

  1. 圧縮機、室外熱交換器および室外膨張弁を有する室外機と、室内熱交換器および室内膨張弁を有し、前記室外機にガス側配管および液側配管を介して並列に接続されている複数台の室内機とを備え、前記室外機および前記室内機には、互いに通信可能とされた室外制御部および室内制御部が設けられ、暖房運転時、前記室内制御部または前記室外制御部のいずれかで、前記室内機の熱交出口温度または冷媒過冷却度が目標値となるように前記室内膨張弁の開度が制御される構成とされているマルチ形空気調和機において、
    前記室外制御部には、高低差をもって設置される前記複数台の室内機の前記各室内膨張弁の制御に用いられる目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を設定する制御目標値設定部が設けられ、前記室内制御部または前記室外制御部のいずれかで、前記制御目標値設定部により設定された制御目標値に基づいて前記室内膨張弁の開度を制御するように構成されていることを特徴とするマルチ空気調和機。
  2. 圧縮機、室外熱交換器および室外膨張弁を有する室外機と、室内熱交換器および室内膨張弁を有し、前記室外機にガス側配管および液側配管を介して並列に接続されている複数台の室内機とを備え、前記室外機および前記室内機には、互いに通信可能とされた室外制御部および室内制御部が設けられ、暖房運転時、前記室内制御部または前記室外制御部のいずれかで、前記室内機の熱交出口温度または冷媒過冷却度が目標値となるように前記室内膨張弁の開度が制御される構成とされているマルチ形空気調和機において、
    前記室外制御部には、前記複数台の室内機と前記室外機との間の高低差を入力する入力部および該入力部からの入力値に基づき高低差をもって設置される前記複数台の室内機の前記各室内膨張弁の制御に用いられる目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を算出する制御目標値算出部が設けられ、前記室内制御部または前記室外制御部のいずれかで、前記制御目標値算出部により算出された制御目標値に基づいて前記室内膨張弁の開度を制御するように構成されていることを特徴とするマルチ空気調和機。
  3. 前記入力部は、前記複数台の室内機と前記室外機との間の高低差に代え、最下方に設置された前記室内機に対する目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度との温度差を入力する入力部とされていることを特徴とする請求項2に記載のマルチ空気調和機。
  4. 前記制御目標値算出部は、前記複数台の室内機と前記室外機との間の高低差より前記各室内機間の高低差を算出し、それに基づいてサーモオン室内機間の目標熱交出口温度または目標冷媒過冷却度を算出可能とされていることを特徴とする請求項2に記載のマルチ空気調和機。
  5. 前記制御目標値は、前記複数台の室内機のリモコンからも各々設定可能とされていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のマルチ空気調和機。
  6. 前記室外制御部は、前記複数台の室内機の高低差に対応して新たな前記制御目標値が設定された場合、暖房目標高圧を一定値上昇させるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のマルチ空気調和機。

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