以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明による土壌処理構造は、具体的には、土壌処理車に具現化され、この土壌処理車は、図示するところでは、図1および図2に示すように、自走式車両たるトラックからなる。
もっとも、この発明の構成からすると、この土壌処理車が自走式車両ではなく牽引式車両、すなわち、トラクタに牽引されるトレーラに具現化されても良く、いずれにしても、この土壌処理車にあっては、全高を3.8メートル以下に設定することで、装置や部品の取り外しをせずして公道を走行でき、その移動範囲を広くし得る。
そして、この土壌処理車が4トントラックなどの比較すれば小型とされる車両に具現化される場合には、広い場所にはもちろんのこと、狭い住宅地などにも移動でき、その行動範囲を広くし得る。
また、この土壌処理車は、図示するところでは、トラックの後部架台(符示せず)に載置するように連結された荷台からなる基台Bと、この基台B上に配設されて掘削された土砂たる掘削土を受ける供給部Sと、同じく基台B上に配設されて供給部Sから排出される掘削土を処理して基台Bの外に排出する処理部Dと、同じく基台B上に配設されて処理部Dに処理材を供給する処理材供給装置Tとを有してなる。
基台Bは、図示する実施形態のように、この土壌処理車がトラックに具現化される場合には、トラックの後部架台に固定状態に連結され、図示しないが、トレーラに具現化される場合には、トレーラの架台に固定状態に連結されるのが好ましい。
そして、基台Bがトラックの後部架台に分離可能に連結される場合には、この基台Bをトラックの後部架台から分離することで、すなわち、降して適宜の平地などに移設することで、この土壌処理車を可搬型から設置型に変更し得る。
また、基台Bがトレーラの架台に固定状態に連結されていても、トラクタと分離されることで、設置型に代えられるが、基台Bがトレーラの架台に分離可能に連結されている場合には、上記の場合と同様に、基台Bごと平地などに降して設置型としても良い。
ちなみに、基台Bがトラックの後部架台やトレーラの架台にいわゆる後付けされる場合には、トラックやトレーラが準備されていなくても、基台B上への供給部Sおよび処理部Dの配設が可能になり、したがって、生産性が向上される。
そして、この土壌処理車を具現化するトラックが準備されていない場合には、この土壌処理車における諸々の稼働をトラックの駆動源に拠らないとする、すなわち、たとえば、この土壌処理車の電動化、すなわち、いわゆるオール電化を可能にし得る。
なお、土壌処理車のオール電化にする観点からすれば、この土壌処理車がトラックに具現化される場合よりも、トラクタに牽引されるトレーラに具現化される場合の方が、より適していると言えるであろう。
以上からすれば、基台Bは、所定の機械的強度を有するように型鋼や鋼板を利用したフレーム構造に形成のいわゆる一枚物からなり、たとえば、クレーンによる吊り上げを可能にするように形成されるのが好ましいであろう。
そして、この土壌処理車にあっては、主要な機器類の稼働については、制御盤Cで制御されるとし、この制御盤Cによる制御は、作業員による操作盤C1に対する操作で実現される。
ちなみに、制御盤Cは、図1および図2中で右側部となる基台Bの後部上に配設されて、供給部Sに掘削土を供給するときの建機類がこの制御盤Cに干渉し得ないように配慮している。
そして、この土壌処理車にあっては、図2中に丸付き×印で示すように、基台B上の任意の位置に複数の非常停止ボタンS1,S2,S3が配設され、いずれかの非常停止ボタンS1,S2,S3がオン作動されるときには、主要な機器類の稼働がすべて停止可能とされ、いわゆる緊急事態に対処し得るとしている。
ちなみに、非常停止ボタンS1,S2,S3のオン作動時には、図示しないが、併せて、警告灯が点灯点滅したり、警報音が発声されたりしても良いことはもちろんである。
また、この土壌処理車にあっては、トラックにおける運転席の直ぐ後となる基台Bの前部上に発電機Gを有し、この発電機Gで上記した主要な機器類の稼働を保障するが、この発電機Gは、故障したときにトラックの走行用エンジンの駆動で発電する構造に設定されるのが良い。
ちなみに、この土壌処理車が発電機Gを有して主要な機器類を稼働させる設定とされるから、主要な機器類をトラックの走行用エンジンを出力源にして稼働させる場合に比較して、たとえば、油圧機器類の利用を回避し得て、いわゆるエコ思想に沿う。
さらに、この土壌処理車にあっては、作業の特異性から、基台B上に作業員が立ち入る梯子付きの作業台Aを有してなるが、この作業台Aを設けることに代えて、図示しないが、折り畳み構造に形成された梯子をいわゆる空きスペースに積み込んだり、あるいは、伸縮構造に形成された梯子を基台Bに有したりしても良い。
特に、作業台Aが処理材供給装置Tに近隣するように設けられる場合には、この処理材供給装置Tへの処理材の収容に立ち会え、また、作業員の手作業による処理材の補充作業などを実践できる。
そしてさらに、この土壌処理車にあっては、この種の車両が多くの場合に有するように工具箱T1を有したり、図示しないが、処理済みの掘削土を任意の場所に搬送するためのベルトコンベアを基台B上に有したりするのが好ましい。
この発明による土壌処理車が基本的には以上のように形成されているとの前提の下に、この土壌処理車にあっては、基台B上にあって、供給部Sと処理部Dとが平面視で車両における図中で左右方向となる前後方向に沿って直列される(図2参照)としている。
これによって、この土壌処理車にあって、供給部Sと処理部Dとによる掘削土の搬送方向がU字状やL字状となる場合に比較して、土壌処理車における幅方向のいたずらな長大化を阻止して、土壌処理車における全体のコンパクト化を可能にし、土壌処理車の移動性や設置性を向上させている。
ここで、この発明に言う掘削土についてだが、凡そ建築物の構築などに際して掘削される土砂を言い、その限りには、性状において、たとえば、強度を有する固形状態にある一般土壌であるか、または、強度を全く有しない流動状態にある建設汚泥であるかは、区別していない。
また、掘削土が人体に有害な物質を含む場合には、強度を有するか否かより、その有害物質の不溶化処理を要すことになるが、この有害物質を含むものを含めてここに言う掘削土は、凡そ土や砂、さらには、粘土混じりのものを言うのであって、いわゆる「土」に限定されない。
なお、人体に有害な物質は、基本的には重金属であって、多くの場合に、二種類以上、たとえば、砒素と鉛などを含み、その意味では複合汚染された掘削土となる。
つぎに、図3にも示すように、この土壌処理車にあって、供給部Sは、掘削土を受け容れるホッパ1と、このホッパ1から排出される掘削土を処理部Dに向けて搬送する供給側搬送部2とを有してなる。
そして、この土壌処理車にあって、処理部Dは、供給側搬送部2からの掘削土を受けると共に処理材供給装置Tから排出される処理材を受けて図3中で右側となる下流側たる基台Bの後部側に向けて搬送する処理側搬送部3と、この処理側搬送部3の後方にあってこの処理側搬送部3から排出される掘削土および処理材を混合処理する混合装置4とを有してなる。
そしてまた、掘削土に処理材を供給する処理材供給装置Tは、処理部D、特に、処理部Dを構成する処理側搬送部3の上方および混合装置4における図3中で左側となる上流側の上方に位置決められている。
ところで、上記の供給部Sは、これが基台B上に配設されるのにあって、トラックの図2中で上下方向となる幅方向の中央部に配設されるとし、特に、ホッパ1内に投入される掘削土の重量をこの基台Bを有するトラックの幅方向の中央部に作用させている。
そして、このように、供給部Sを基台Bの言わば中央部に配設する場合には、後述する処理部Dや処理材供給装置Tも基台Bの言わば中央部に配設することとの協働で、この基台Bを有するトラックにおける荷重分布をいわゆる脇側に偏らせないことが可能になり、したがって、処理作業時の基台Bの揺れ止め構造や支え構造となるアウトリガなどを設けなくても済む点で有利となる。
供給部Sについて少し説明すると、まず、ホッパ1は、凡そこれまでにこの種のホッパとして周知されているものと同様に構成されていれば足りる、すなわち、詳しくは図示しないが、掘削土の円滑な投入を実現させる言わば広口の上端を有すると共に、下方の供給側搬送部2への掘削土の所定の排出を実現可能にする言わば狭い排出口1a(図3参照)を形成する下端を有してなれば良い。
なお、ホッパ1の下端の排出口1aには、図示しないが、簀の子のようなフィルタ機能を発揮するものが配設されるとしても良く、また、ホッパ1内の掘削土がいたずらに供給側搬送部2上に排出されないように定量器が併設されるなどしても良い。
そして、このホッパ1内に投入される掘削土については、障害物、たとえば、大きな石や鉄筋屑あるいはコンクリート塊は、あらかじめ除去されるが、この障害物の除去については、種々の方策が選択されて良く、掘削土が固形状態にある一般土壌の場合には、好ましくは、地盤などを掘削するときの掘削機が持ついわゆる篩構造のスケルトンバケットが利用されるのが良い。
一方、ホッパ1に投入される掘削土が固形状態にない、たとえば、半流動状態や流動状態にある場合には、バックホーなどと称されるパワーショベルが利用されることもあり、言わば掬い手段たるショベル内に入り込む石やコンクリート塊もそのままではホッパ1内に投入される危惧がある。
そして、この石やコンクリート塊がそのままホッパ1内に入り込んで止まる場合には、ホッパ1内に収容の掘削土の重量を検出する重量検出手段(図4中の符号M参照)による検出結果に影響するので、この石やコンクリート塊は、可能な限りに除去されるのが良い。
そこで、この土壌改良車にあっては、図4に示すように、ホッパ1の上面に言わば独立する篩5を有し、この篩5は、ホッパ1の上端に傾斜状態に配置される枠体51と、この枠体51に弾性体52および加振源53の配在下に同じく傾斜状態に担持される篩体54を有してなり、この篩体54の回転中心が加振源53と偏芯している。
ちなみに、篩体54における篩目は、図示しないが、適宜の手段で広狭変更可能とされるのが好ましいが、ホッパ1に投入される掘削土の性状に応じて、篩目が異なるものにその都度交換されることでも良い。
また、この篩5がホッパ1に対して言わば独立する態勢に設けられる、すなわち、枠体51が図示しない適宜の支持手段で支持されるとするのは、後述する重量検出手段Mに言わば余計な荷重たる負荷を掛けさせないためである。
それゆえ、この篩5にあっては、弾性体52に担持された状態の篩体54が加振源53で加振されるから、いわば不規則に振動して篩運動し、篩体54上に残る石やコンクリート塊などのいわゆる異物をその傾斜に沿って転がり落下させ、シュート55を介して基台B外に放出する。
以上からすると、この土壌処理車におけるホッパ1は、特に、半流動状態や流動状態にある掘削土たる建設汚泥の収容に向くが、固形状態の一般土壌からなる掘削土の収容に不向きとなる訳ではなく、仮に篩5を有するがゆえに、掘削土の収容効率が悪くなる場合には、篩体54における篩目を大きくするなどして対処すれば良く、その意味から上記の篩体54は、篩目を広狭可変に設定されるのが良い。
なお、掘削土が半流動状態や流動状態になる建設汚泥の場合には、上記した篩5の使用に代えて、図示しないが、たとえば、ホッパ1の上端に網体を架設し、この網体の上に異物が残ることが視認されたとき、この網体を人力で傾斜させて異物を撤去することでも良く、このとき、網体を任意の網目に変更しても良い。
上記のホッパ1は、適宜の手段で基台B上に支持されていれば良いが、図示するところでは、図4に示すように、複数本の支柱Pに支持されるとし、この複数本の支柱Pは、それぞれ重量検出手段Mを有し、この重量検出手段Mが検出したところを供給側搬送部2および処理側搬送部3を構成する無限平ベルトコンベアにおける回動速度の制御に利用し、そして、ゲート機構6(図1,図2および図3参照)における掘削土の通過量の制御に利用し、また、処理材供給装置Tから排出される処理材の量の制御に利用し、さらに、混合装置4の制御に利用することで、言わば最適な稼働を期待できる。
上記の支柱Pは、ホッパ1の支持専用とされても良いが、供給側搬送部2の支持にも併用されて良く、この場合には、重量検出手段Mによって供給側搬送部2にある掘削土の重量をも加味して検出し得る。
もっとも、供給側搬送部2における掘削土の重量のみを検出するためには、詳しくは図示しないが、この供給側搬送部2を専用の支柱で支持し(図4参照)、この支柱に設けられた重量検出手段を利用するのが好ましいであろう。
ちなみに、供給側搬送部2を支持する上記の専用の支柱は、これがホッパ1の支柱Pと同様に適宜の手段で基台B上に立設されても良いが、この支柱Pに架設された梁材などの横材に担持される(図4参照)としても良い。
また、この重量検出手段Mとしては、任意の構成のものが選択されて良いが、この実施形態にあっては、ロードセルが利用されるとし、このロードセルは、いわゆる軸方向となる縦荷重には強いが、軸方向を横切る方向となる横方向の荷重には弱いこともあって、不使用時にいたずらに横荷重が作用して故障などしないように配慮するのが適当で、図示するところでは、作動阻止手段7が利用される。
すなわち、この作動阻止手段7は、図示するところでは、ロードセルたる重量検出手段Mを有する支柱Pに接近並列して起立する控え支柱71と、この控え支柱71の上端に固定状態に保持されるアングル型のブラケット72と、このブラケット72の立ち上り部72aに対向するように上記の支柱Pに固定状態に展設されたプレート73とを有してなる。
このとき、プレート73は、ロードセルたる重量検出手段Mの上方に位置決められることもちろんで、この状態で、この作動阻止手段7は、上記のブラケット72の立ち上り部72aに開穿のボルト孔72bと上記のプレート73に開穿のボルト孔73aとを挿通するボルト(図示せず)にナット(図示せず)を螺合して、両者を結合して固定状態にし、重量検出手段Mたるロードセルの作動を阻止する。
上記の作動阻止手段7によって重量検出手段Mたるロードセルにおける不使用時の動きを阻止し得ることになり、この土壌処理車が任意の範囲を走行移動することを健全に保障する。
ちなみに、上記の重量検出手段Mが検出したところは、図示しないが、前記した制御盤Cにあるコントローラに入力され、コントローラは、処理材供給装置Tやゲート機構6、さらには、供給側搬送部2と処理側搬送部3とを構成する無限平ベルトコンベアや混合装置4の稼働を制御する信号を出力する。
そして、ホッパ1内における掘削土の収容量を検出するについては、上記したロードセル利用の重量検出に代えて、図示しないが、シーケンサ利用によるホッパ1内における掘削土の流量測定によるとしても良く、この場合には、上記した作動阻止手段7の併設を省略できる。
なお、供給側搬送部2にある掘削土の重量を検出するには、図示しないが、上記のホッパ1における重量検出手段Mと異なる重量検出手段を設けるのが良く、この場合の重量検出手段もロードセルからなるとき、この供給側搬送部2が後述するように無限平ベルトコンベアからなる場合には、この無限平ベルトコンベアにおける横揺れを危惧しなくて済むので、上記したような作動阻止手段7の併設は不要になる。
一方、供給側搬送部2は、上記のホッパ1から排出される掘削土を受け止めてこれを処理部Dに向けて搬送するもので、この実施形態にあっては、図3に示すように、ホッパ1の下端部に連設される収容函11内に収装されてなる。
このとき、この供給側搬送部2は、処理部Dを構成する処理側搬送部3と一体に、つまり、一連に形成されてなるとし、したがって、この処理側搬送部3も上記の収容函11内に併せて収装されてなる。
すなわち、供給側搬送部2と処理側搬送部3とは、図示するところでは、一台の無限平ベルトコンベアからなり、図3中でゲート機構6を挟んで左側となる言わば上流側部が供給側搬送部2とされ、同じく図3中でゲート機構6を挟んで右側となる言わば下流側部が処理側搬送部3とされる。
そして、この供給側搬送部2と処理側搬送部3とを構成する無限平ベルトコンベアは、水平配置とされて、特に、進行方向に向う登り勾配、すなわち、コンベアを形成する平ベルトが進行する方向に向かう登り勾配を有しないとする。
それゆえ、この無限平ベルトコンベアが水平配置されることで、ホッパ1から排出される掘削土が流動状態となる建設汚泥とされる場合であっても、この建設汚泥の供給側搬送部2および処理側搬送部3による処理部Dに向けての搬送が実現可能になる。
ところで、この無限平ベルトコンベアが水平配置されることで、掘削土たる建設汚泥の処理部Dに向けての搬送が可能になるとしても、それだけでは、建設汚泥のいわゆる零れを阻止するには十分でない。
そこで、この土壌処理車にあって、上記の無限平ベルトコンベアは、図6に示すように、その進行方向に沿う両側部にシール部材8を有してなり、このシール部材8の下端部が無限平ベルトコンベアの上面に接触すると共に、このシール部材8の上端部がホッパ1の下端部に連結されることで、ホッパ1から供給される掘削土たる建設汚泥が両側部から側方たる外方に零れないようにしている。
ちなみに、無限平ベルトコンベアの最上流側端部となるホッパ1の下端部には、図6中に仮想線図で示すように、この無限平ベルトコンベアを横切るように配設されるシール部材8の上端側部が接触して、建設汚泥の外部への零れを阻止している。
もっとも、シール部材8の上端部がホッパ1の下端部に連結されるのは、供給部Sの領域であって、処理部Dの領域にあっては、ホッパ1がないのでホッパ1に連結されないが、この処理部Dの領域にあっても、建設汚泥の零れを阻止することが必須になる観点からは、シール部材8の上端部が適宜の高さに立ち上がることに加えて、たとえば、収容函11の内壁に接触し、あるいは、連結支持などされるのが好ましい。
なお、供給側搬送部2および処理側搬送部3における建設汚泥の零れを阻止するについては、図示しないが、通常のベルトコンベアにあって、掘削土を載せる言わば上面部が巾方向から見て断面がV字状となったり凹状となったりすることでも、実現可能と言い得る。
ただ、この土壌処理車にあっては、供給部Sから処理部Dに供給される掘削土が言わば正確に計量されて、この計量された掘削土に同じく正確に計量された処理材を供給する観点からすると、ベルトコンベアの上面部の断面形状がV字状や凹状とされる場合に比較して、平ベルトからなる、すなわち、コンベアの上面部が平坦な方がゲート機構6による正確な量の制御の上からは有利になると言い得る。
また、上記した無限平ベルトコンベアを収容する収容函11は、図3中で右端部となる先端部に下方に向けて開口する排出孔11aを有し、この排出孔11aを介しての処理側搬送部3の混合装置4への接続を保障している。
なお、上記の無限平ベルトコンベアにあっては、掘削土を載置させるベルトが裏側から適宜の手段で補強されて、掘削土を載せてもいわゆる撓まないように配慮されるのが良い。
供給部Sが上記のように形成されるのに対して、処理部Dは、前記したが、図3に示すように、供給側搬送部2と一体となる処理側搬送部3を有すると共に、この処理側搬送部3からの掘削土および処理材を受けてこれを混合処理する混合装置4を有してなる。
そして、処理側搬送部3は、上記したように供給側搬送部2からの掘削土を受けると共に処理材供給装置Tから排出される処理材を受けるが、この処理側搬送部3からの掘削土と処理材とを混合処理するのが混合装置4である。
この混合装置4は、前記した収容函11に連設される収容函41と、この収容函41内に収容される一対のパドル機構42とを有してなり、この一対のパドル機構42が電動モータを有するなどの駆動源43によって駆動する。
なお、図示しないが、パドル機構42は、一対とされるが、この場合、水平方向に一対配置とされ、各パドル機構42におけるパドル42aが相隣するパドル機構42におけるパドル42a間に臨在される状態で、各パドル42aが互いに反対方向に回転される。
これによって、この混合装置4に供給される掘削土、つまり、処理材供給装置Tから供給された処理材を混入する掘削土が、各パドル機構42の回転で混合されて所定の通りに処理される。
そして、この混合装置4にあっては、パドル機構42の回転速度は、基本的には高低を自在にするが、掘削土の性状によって異なるのが良く、たとえば、掘削土が固形状態にあるときには低速で回転されて、高速で回転されるときに飛散現象が起きて混合性が低下されるのを回避するのが良く、掘削土が粘土質を多く含む場合には、粘土質ゆえ粘着性に富んでパドル42aに纏わり付き易いことを鑑みると、比較的高速で回転されるのが良い。
このとき、図示するところでは、図3中で左側となる基端側に前記した処理側搬送部3から供給される掘削土をその回転によって図3中で右側となる先端側に送り、処理済みの掘削土として収容函41の先端部に形成の排出口41aから、基台Bの外、すなわち、車外に放出する。
なお、基台Bの外に放出される処理済みの掘削土の扱いについては、任意の方策が採用されて良いが、たとえば、図示しないが、この土壌処理車がベルトコンベアを同時に搬送する場合には、このベルトコンベアを利用して、処理済みの掘削土の所定位置への埋め戻しや堆積などを容易に実践し得る。
また、混合装置4を収容する収容函41は、開閉操作可能にする蓋体(符示せず)を有し、平時、すなわち、混合装置4の利用時には、蓋体の開閉は実践されず、不使用時に開放されて、たとえば、パドル機構42の点検、特に、並列するパドル機構42にあってパドル42aに掘削土が纏わり付いているか否かの点検やその除去作業を可能にするのが良い。
一方、この土壌処理車にあって、処理材供給装置Tは、前記した処理部Dを構成する処理側搬送部3上にある掘削土に土壌改良材たる処理材を供給するもので、適宜の手段で基台B上に配設されるが、その構成については、凡そこれまでにこの種の供給装置として周知されているものと同様に構成されていれば足りる。
ちなみに、この種の処理材供給装置Tにおける稼働の基本は、掘削土における含水比やコーン指数などを基準にして、処理材の構成や処理材の量が決定されるもので、この点からして既存の処理材供給装置と同等のものが利用されて良い。
そして、この処理材供給装置Tは、詳しくは図示しないが、処理材を収容させる容器91を有すると共に、この容器91の下端に近隣する供給機構92を有してなる。
容器91は、ホッパ状に形成されて、所定量の処理材の円滑な収容を実現させる言わば広口の上端を有すると共に、下方の供給機構92への処理材の供給を可能にする下端開口91aを有してなる。
すなわち、この容器91は、図1から見る側面形状にあって、図3に示すように、下端側がいわゆる漏斗状を呈するとし、このときの下端側の言わば相対向する壁が処理材を滑り易くする安息角、あるいは、安息角以上の角度を有して下方に向けて収斂されている。
このように、容器91がホッパ状に形成されることで、処理財が容器91内に言わば動かないで死蔵される状態に貯留されなくなり、容器91をいたずらに大きくさせないことが可能になる。
そして、この容器91は、下端に定量供給器として機能する供給機構92を有してなり、この供給機構92は、駆動モータ93で駆動されるスクリューコンベアからなる。
ちなみに、駆動モータ93は、容器91の下端開口たる排出口91aを下方から塞ぐように容器91の下端に連設されるハウジング94に保持され、このハウジング94は、供給機構92によって下方の処理側搬送部3上に処理材を投入するための投入孔94aを有してなる。
なお、供給機構92たるスクリューコンベアは、その回転で容器91内から下りてくる処理材を投入孔94aに向けて移送するが、その回転速度が制御されることで、処理部D、すなわち、処理側搬送部3上にある掘削土に対する処理材の供給量を制御する。
なお、駆動モータ93の回転数の調整については、任意の方策が選択されて良いが、この実施形態では、前記した重量検出手段Mからの検出結果を入力するコントローラからの出力信号を受けるインバータ利用によるとしている。
また、上記の供給機構92は、上記のハウジング94内に言わばいたずらな隙間なく収容されて残留する処理材の量を少なくすると共に、上記の投入孔94aは、その内径をスクリューコンベアの外径とほぼ同じにしながら、スクリューコンベアを構成するブレードの間隔で、処理材供給装置Tの端面から一ピッチ以上下流側に開口し、定量化した処理材を下方に排出する。
それゆえ、この処理材供給装置Tにあっては、供給機構92の駆動するところで、すなわち、駆動モータ93の駆動が制御されることで、処理部D側に投下する処理材の量が決まる、すなわち、処理部D側にある掘削土の量に応じた量の処理材を投下する。
なお、図示しないが、処理部Dにおける処理側搬送部3たる無限平ベルトコンベアの下流側端部の上に処理材を投下するときに、いわゆる万遍なく処理材を掘削土に振りかけられるように、無限平ベルトコンベアを横切る方向に上記の投入孔94aを揺動させるなどして拡散させるのが好ましい。
また、同じく図示しないが、処理部Dにおける処理側搬送部3に処理材を投下するときに、掘削土が細幅で搬送される場合には、処理材のいたずらな拡散を防止する規制板を投入孔94aに設けても良い。
上記の容器91内に収容される土質改良材たる処理材は、多くの場合に、フレキシブルコンテナや塩化ビニル製の袋などに収容されて外部から供給され、袋の下部の破断などで容器91内に充填される。
また、土質改良材としては、一般的には、セメント混合物が挙げられ、混合物としては、高分子ポリマーが挙げられ、したがって、セメント混合物は、含水比が高く流動性に富む建設汚泥の処理に向く。
なお、この土壌処理車を掘削土の不溶化処理に利用する場合には、すなわち、掘削土に含まれる有害物質を不溶化する処理に利用する場合には、上記の処理材に代えて、不溶化剤が上記のホッパ内に収容される。
このとき、上記の処理材が少ないとは言えそのまま容器91内に止まる場合には、爾後の不溶化処理を不完全にするので、容器91内に収容の処理材は、全撤去されるのが良い。
以上からすると、要は、容器91内に所定の処理材なり不溶化剤が収容されることであるから、たとえば、総量が少ない、あるいは、不足分を補うなどの場合には、作業員による手作業で所定の補給作業が実践されても良い。
また、不溶化処理の対象となる有害物質としては、砒素、鉛、弗素などがあるが、周知のように、一の不溶化剤で全ての有害物質の不溶化処理を実践できる訳ではない。
そこで、掘削土が二種類以上の有害物質を含む複合汚染の場合にもその利用を可能にするためには、言わば複数の不溶化剤を収容する設備の設置が必要になるが、この土壌処理車にあっては、基台B上にいわゆる置き場にできる余裕があるので、複数の不溶化剤を収容する設備の設置が可能になる。
このとき、基台B上に置かれる不溶化剤は、その量が比較的少なくなることもあろうから、耐水性や耐油性に富む材料で形成された容器類に収容されるのが良い。
また、図示しないが、二種類の不溶化剤を準備するために、言わば第二の処理材供給装置を設けるとしても良く、この場合には、この第二の処理材供給装置を、たとえば、土壌改良材を収容する予備の処理材供給装置とし得る。
一方、この処理材供給装置Tにあっては、使用された処理材の残量を確認し得るのが良く、そのため、たとえば、レベルセンサを利用するなどで残量確認を実践しても良いが、土壌処理車のいたずらな製品コストの高騰化を回避する上からは、図示しないが、覗き窓を有しても良い。
そして、この覗き窓を有する場合には、覗き窓に処理材が露見する場合には、処理材の不足が危惧されないが、この覗き窓に処理材が露見しなくなる場合には、処理材の不足が示唆され、したがって、処理材の補充の目安になる。
また、この処理材供給装置Tにおける天端の蓋体(符示せず)の開閉については、仮に、いわゆる機械利用による自動開閉にするとなると、そのためには種々の機械機構の併設が必要とされる不具合を招く危惧があると共に、自動にする重要性も少ないので、作業員がする人力で開閉されるのが良い。
そして、この処理材供給装置Tにおける天端の蓋体の開閉を作業員がする人力による場合には、前記した処理材などの補充作業を簡単に成し得る上でも有利になる。
ところで、ゲート機構6は、図3に示すように、前記した供給側搬送部2と処理側搬送部3との境界部に設けられて、ホッパ1から排出された掘削土を受けた供給側搬送部2がこの掘削土を処理側搬送部3に向けて搬送する際にいわゆる絞りを掛けて掘削土における通過量を規制する。
そして、このゲート機構6にあっては、掘削土の性状によって適正な通過量を制御できるように、すなわち、掘削土が固形状態にある場合には、積極的に多量となる通過量制御を実践できるようにする反面、掘削土が流動状態にある場合には、ゲート開口を絞ることによる通過量制御を実践できるように構成されている。
すなわち、図示するゲート機構6は、図7に示すように、隔壁体61と、大ゲート62と、小ゲート63とを有し、小ゲート63の昇降で言わば少量域となる通過量の制御(図9中の(B)および(C)参照)を可能にし、大ゲート62の昇降で言わば多量域となる通過量の制御(図9中の(E)および(F)参照)を可能にする。
少し説明すると、まず、隔壁体61は、供給側搬送部2と処理側搬送部3との境界部を形成して、ホッパ1から排出された掘削土を受けた供給側搬送部2がこの掘削土を処理側搬送部3に向けて制限なしに搬送することを阻止する。
そして、この隔壁体61は、この実施形態では、供給側搬送部2および処理側搬送部3を形成する無限平ベルトコンベア(図3参照)上にあってこの無限平ベルトコンベアの進行方向を横切る方向に配設されて、その状態で固定状態に立設される。
このとき、この実施形態では、詳しくは図示しないが、隔壁体61がホッパ1の図3中で右端となる後方壁の一部をなすようにホッパ1に連設され、この隔壁体61およびホッパ1の後方壁によって、ホッパ1から排出された掘削土を受けた供給側搬送部2がこの掘削土を処理側搬送部3に向けて制限なしに搬送することを阻止している。
ちなみに、この掘削土の制限なしの搬送を阻止する観点からすれば、上記の隔壁体61がホッパ1の後方壁から分離されて独立に起立するとしても良く、その場合には、たとえば、図7中に仮想線図で示すように、隔壁体61の外周に遮断体64が設けられ、この遮断体64の外周が、たとえば、無限平ベルトコンベアを収容する収容函11(図3参照)の内壁に連結されるとしても良い。
なお、上記の隔壁体61は、ホッパ1に連設されるのにあって、図示しないが、いわゆる溶接されずして、リベット利用で連設されるとするが、これは、たとえば、溶接熱で隔壁体61が歪んだり、後述する樹脂ライナーが変形したりすることをあらかじめ阻止するためである。
また、図示する隔壁体61は、正面形状を矩形にするように形成されて、基本的には、ホッパ1の後方壁と分離されてなるが、これは、このゲート機構6の製作を容易にするためや組立を効率よくできるようにするためである。
一方、この隔壁体61は、供給側搬送部2が掘削土を制限なしに処理側搬送部3に向けて搬送するのを阻止する一方で、図8(A)に示すように、中央下端部に横長となる開口61aを有して、供給側搬送部2上の掘削土がこの開口61aを介して処理側搬送部3に向かえるようにしている。
このとき、この開口61aは、これがいわゆる全開状態になるときに、上記した多量域における最大量の掘削土の通過を許容する面積を有するように設定される。
そして、この隔壁体61は、大ゲート62のいわゆる密接状態での昇降を可能にする一対のガイド61bを有しており、この一対のガイド61bは、大ゲート62の左右部の摺動を保障する樹脂ライナー構造に形成されている。
つぎに、大ゲート62は、上記の隔壁体61における処理側搬送部3側に対向する言わば下流側面に昇降可能に、また、密接状態に展設されるもので、基本的には、その昇降時に上記の隔壁体61における開口61aを開閉するように機能する。
その一方で、図8(B)に示すように、この大ゲート62も中央下端部に縦長となる開口62aを有し、供給側搬送部2上の掘削土がこの開口62aを介して処理側搬送部3に向かえるようにしている。
このとき、この開口62aは、これがいわゆる全開状態になるときに、上記した少量域における最大量の掘削土の通過を許容する面積を有するように設定される。
そして、この大ゲート62は、その左右部を上記の隔壁体61に連設された一対のガイド61bに摺動可能に連繋し、その昇降時に上記の隔壁体61に形成の開口61aを開閉する。
また、この大ゲート62は、小ゲート63のいわゆる密接状態での昇降を可能にする一対のガイド62bを有しており、この一対のガイド62bは、小ゲート63の左右部の摺動を保障する樹脂ライナー構造に形成されている。
さらに、小ゲート63は、上記の大ゲート62における処理側搬送部3側に対向する言わば下流側面に昇降可能に、また、密接状態に展設されるもので、基本的には、その昇降時に上記の大ゲート62における開口62aを開閉するように機能する。
このとき、この小ゲート63は、その左右部が上記の大ゲート62に連設の一対のガイド62bに摺動可能に連繋し、その昇降時に上記の大ゲート62に形成の開口62aを開閉する。
そして、この小ゲート63にあっては、図8(C)に示すように、シリンダ65の伸縮で上記の一対のガイド62bに沿っての昇降を可能にし、このシリンダ65は、このゲート機構6を収容して前記したホッパ1に、あるいはまた、無限平ベルトコンベアを収容する収容函11に連設などされる収容函66(図3参照)側に連結されている。
上記したところが、隔壁体61,大ゲート62および小ゲート63の基本的な構成であるが、さらには、以下のような配慮がなされて、大ゲート62に対する小ゲート63の昇降を可能にし、また、小ゲート63による大ゲート62の連れ運動下での昇降を可能にする。
すなわち、図示する実施形態にあって、小ゲート63の左右部を摺動可能に連繋させる一対のガイド62b、つまり、大ゲート62に連設の一対のガイド62bは、小ゲート63の大ゲート62に対する押し付け力を設定する附勢手段62cと、小ゲート63の大ゲート62に対する昇降の可不可を選択可能にする連結手段62d(図7および図8(B)参照)とを有してなる。
そして、大ゲート62は、一対のガイド62bの上方にそれぞれストッパ62e(図7および図8(B)参照)を有し、このストッパ62eに対する小ゲート63の上端の当接を許容している。
また、大ゲート62は、上記の一対のガイド62bを両側から挟むように下端部に配設される一対のゲート受62f(図7および図8(B)参照)を有しており、このゲート受62fに対する小ゲート63の下端の当接を許容している。
さらに、上記した隔壁体61に連設される一対のガイド61bは、複数段となる附勢手段61cを有していて、この附勢手段61cによって、大ゲート62が隔壁体61に適宜の押し付け力で押し付けられて、両者間における掘削土の漏れ、つまり、建設汚泥からなる掘削土の漏れが阻止されるとしている。
なお、隔壁体61に連設される一対のガイド61bに設けられる附勢手段61cの配設数が大ゲート62に連設される一対のガイド62bに設けられる附勢手段62cの数より多いのは、両者に対する掘削土の土圧がかかる面積差の大小による。
それゆえ、以上のように形成されたゲート機構6にあっては、図9に示すところに基づいて説明すると、まず、図9(A)に示す状態、すなわち、隔壁体61に対して大ゲート62が下降状態にあり、この大ゲート62に対して小ゲート63が下降状態にある場合には、隔壁体61の開口61aおよび大ゲート62の開口62aが遮断状態に維持されて、供給側搬送部2と理側搬送部3との連通が遮断され、したがって、供給側搬送部2上の掘削土は、処理側搬送部3上に移送されない。
この状態から、図9(B)に示すように、シリンダ65(図7および図8(C)参照)の作動で小ゲート63が比較すれば低く上昇する場合には、大ゲート62の開口62aが言わば僅かに開口し、この限りにおいて、供給側搬送部2上の掘削土の処理側搬送部3上に移送が可能とされる。
このとき、小ゲート63のみ上昇して大ゲート62が言わば連れ運動しないのは、大ゲート62に作用する附勢手段61cの押し付け力から土圧による力を引いた押し付け力が小ゲート63のそれより大きくなり、また、大ゲート62の上昇作動力が小ゲート63より大きくなるからである。
ちなみに、附勢手段61cは、常に大ゲート62の作動力が小ゲート63のそれより大きくなるように配置してある。
そして、図9(C)に示すように、シリンダ65がさらに作動して小ゲート63が比較すれば高く上昇し、この小ゲート63の上端が大ゲート62に設けたストッパ62eに当接する状態になるときには、大ゲート62の開口62aが言わば大きく開口し、このときにも、供給側搬送部2上の掘削土の処理側搬送部3上への移送が許容される。
そしてまた、図9(D)に示すように、上端が大ゲート62に設けたストッパ62eに当接した状態のままシリンダ65がさらに作動して小ゲート63がさらに上昇する場合には、このストッパ62eを有する大ゲート62が連れ運動で強制的に上昇されて、その限りに、隔壁体61の開口61aが開口されて、供給側搬送部2上の掘削土の処理側搬送部3上への移送が許容される。
上記の作動に対して、図示しないが、図9(B),(C)に示す状態から、シリンダ65が作動することで、小ゲート63が下降する場合には、まず、小ゲート63が下降し、大ゲート62に形成の開口62aが小ゲートで閉塞される。
そして、図9(D)に示す状態から、シリンダ65が作動することで、小ゲート63が下降する場合には、この小ゲート63によって、言わば大ゲート62の開口62aが閉塞されると共に、これに引き続くシリンダ65の作動で小ゲート63の下端が大ゲート62のゲート受62fに当接されて、小ゲート63の下降で大ゲート62が下降し、隔壁体61の開口61aを閉塞する。
つまり、図9(D)に示すように、大ゲート62が小ゲート63の上昇に連れ運動で上昇状態におかれたとき、この大ゲート62の供給側搬送部2側に対向する面に掘削土の土圧が作用する場合には、この状態で小ゲート63を下降させても大ゲート62は、下降し得ない。
そこで、小ゲート63の下端を大ゲート62のゲート受62fに当接させ、この状態で小ゲート63を下降させることで、大ゲート62を下降させて、隔壁体61の開口61aを閉塞させるとする。
一方、図9(A)に示す状態のとき、図示しないが、連結手段62d(図7および図8(B)参照)を利用して小ゲート63と大ゲート62とを言わば一体化する場合には、シリンダ65を利用して小ゲート63を上昇させることで、図9(E),(F)に示すように、大ゲート62が直接上昇されることになり、隔壁体61の開口61aを直接開口させることが可能になる。
このとき、小ゲート63は、言わば下降した状態で大ゲート62に一体化されているから、大ゲート62の開口62aは、小ゲート63で閉塞された万のままの状態にあることはもちろんである。
そして、図9(E)および図9(F)のいずれに示す場合にあっても、この状態からシリンダ65が作動することで小ゲート63が下降する場合には、大ゲート62も一体となって下降して隔壁体61の開口61aを閉塞する。
それゆえ、このゲート機構6が以上のように作動することからすると、供給側搬送部2から処理側搬送部3へ搬送される掘削土が固形状態にある場合には、図9(E)あるいは図9(F)のいずれかに示す状態に大ゲート62が昇降されて開口61aの開閉が実行され、言わば多量域における掘削土のこのゲート機構6を通過する量が規制される。
そして、供給側搬送部2から処理側搬送部3へ搬送される掘削土が流動状態にある場合には、図9(B)あるいは図9(C)のいずれかに示す状態に小ゲート63が昇降されて開口62aの開閉が実行され、言わば小量域における掘削土のこのゲート機構6を通過する量が規制される。
また、上記のようにしてゲート機構6の作動状態が選択されることで、このゲート機構6を通過する掘削土の量が決定され、したがって、この掘削土に処理材供給装置Tから処理材が計量された状態で供給され、掘削土の最適な処理状態を具現化できる。
以上のように形成されたこの発明による土壌処理車にあっては、基台B上にあって供給部Sと処理部Dとが車両における前後方向に沿って直列されるから、供給側搬送部2と処理側搬送部3とによる掘削土の搬送方向がU字状やL字状となる場合に比較して、土壌処理車における幅方向のいたずらな長大化を阻止して、土壌処理車における全体のコンパクト化を可能にし、土壌処理車の搬送性や設置性を向上させる。
そして、この土壌処理車にあっては、供給側搬送部2と処理側搬送部3とが無限平ベルトコンベアで一連に形成されると共に、この無限平ベルトコンベアが水平配置とされるから、掘削土が固形状態にある場合はもちろんのこと、流動状態にある建設汚泥となる場合にも、掘削土を供給部Sから処理部Dに所望の通りに搬送し得ることになる。
また、この土壌処理車にあっては、供給側搬送部2と処理側搬送部3との境界部に掘削土の通過量を規制するゲート機構6が設けられ、このゲート機構6が掘削土の性状に応じて通過量を規制するから、供給部Sにおけるホッパ1から供給される掘削土を最適な量にして処理部Dに供給し得ることになる。
さらに、この土壌処理車にあっては、ゲート機構6の下流側となる処理側搬送部3上にある掘削土に処理材供給装置Tからの処理材が供給されるから、最適な量に計量された掘削土に最適な量の処理材を供給でき、掘削土を埋め戻すのに最適な状態にし得る。
そしてさらに、この土壌処理車にあっては、埋め戻しされる掘削土が有害物質を含む合にも、不溶化剤を利用することで、その不溶化処理も実践できる。