JP2010269978A - 蓄熱燃焼装置用ハニカム蓄熱体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鋳物工場から廃出される鋳物廃砂を利用した蓄熱燃焼装置用ハニカム蓄熱体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】鋳物工場で収集した鋳物廃砂を500℃〜900℃の温度で仮焼成する。仮焼成した前記鋳物廃砂に有機バインダー及び分散媒を加えて原料組成物を調製する。押出成形により前記原料組成物からハニカム形状の成形体を成形する。押出成形した前記成形体を乾燥し、この成形体を1000℃〜1300℃の温度で本焼成する。こうして、蓄熱燃焼装置用ハニカム蓄熱体を得る。このハニカム蓄熱体は、主たる結晶相として、石英、クリストバライト及びコージェライトの三相を有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、蓄熱燃焼装置に用いられるハニカム蓄熱体と、その製造方法とに関する。
近年、工場排煙等に含まれる揮発性有機物質(VOC:Volatile Organic Compounds)が近隣住民の健康被害や酸性雨の原因になっているとの指摘がある。このため、揮発性有機物質を高効率で分解・除去する方策として、蓄熱式熱交換原理に基づいた蓄熱燃焼装置が提案されている。
図1及び図2は2ベッド型の蓄熱燃焼装置の一例を示す。図1及び図2に示すように、蓄熱燃焼装置は、バーナー1aを備えた燃焼室1と、その前後に配設された一対の蓄熱室2,3と、各蓄熱室2,3に対応して設けられた一対の切替弁機構4,5とを備えている。各蓄熱室には多数のハニカム蓄熱体10(図3参照)が積層配置されている。また、各切替弁機構4,5は、ガス吸入通路6及びガス排出通路7のいずれか一方を、対応する蓄熱室に選択的に連通させるための一対の開閉弁8,9を備えている。そして、図1に示すように、右側の蓄熱室3が左側の蓄熱室2よりも相対的に高温の蓄熱状態にある場合には、未燃焼ガス(VOCを含む)を右側の蓄熱室3に導入し、この蓄熱室3を通過させることで未燃焼ガスを高温予熱すると共に、その未燃焼ガスを燃焼室1で燃やして燃焼ガスとし、その燃焼室1から出る高温の燃焼ガスを左側の蓄熱室2に通過させ、当該蓄熱室2内のハニカム蓄熱体に熱を回収させてから、燃焼ガスをガス排出通路7に導いている。その後、右側の蓄熱室3が相対的に低温化すると共に左側の蓄熱室2が相対的に高温化したところで、図2に示すように、両切替弁機構4,5を作動させてガスの流れを逆転させる。このように図1の状態と図2の状態とを交互に繰り返し、燃焼ガスからの熱回収(即ち蓄熱)と、蓄えた熱による未燃焼ガスの高温予熱とを二つの蓄熱室2,3において交番に行わせることにより、未燃焼ガスに含まれる揮発性有機物質の高効率且つ持続的な分解・除去を可能ならしめている。
このような蓄熱燃焼装置に用いられるハニカム蓄熱体は、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1のハニカム蓄熱体は以下のように製造される。即ち、セラミック原料としてのコージェライト(95重量%)、並びに、セラミック化原料としてのタルク、カオリン及びアルミナ(残りの5重量%)を混合してなる原料混合物に、バインダーと界面活性剤とを添加して混練し成形原料を調製する。この成形原料をハニカム形状に押出し成形してハニカム成形体とし、次いでこれを乾燥及び焼成してセラミックハニカム構造体を得ている(同文献の段落[0037]〜[0039]参照)。このようにして得られるセラミックハニカム構造体は、その主結晶相がコージェライト(2MgO・2Al・5SiO)からなるため、熱伝導性に優れている。また、コージェライトの低い熱膨張率のために、耐熱衝撃性にも優れている。
特開2000−279823号公報
しかしながら、コージェライト製のハニカム蓄熱体といえども、蓄熱性能の指標となる比熱(又は容積比熱)については必ずしも十分とは言えず、更に高い比熱のハニカム蓄熱体が求められている。他方で、鋳物工場から廃出される鋳物廃砂(使用済み砂型からの回収砂やダスト等)については、資源として有効活用すべく再利用のための様々な用途が模索されている。
本発明の目的は、鋳物工場から廃出される鋳物廃砂を利用した蓄熱燃焼装置用ハニカム蓄熱体及びその製造方法を提供することにある。特に、コージェライト製のハニカム蓄熱体に匹敵する熱伝導率を備えると共に、コージェライト製のハニカム蓄熱体よりも優れた比熱を有する蓄熱燃焼装置用ハニカム蓄熱体を提供することにある。
本発明の蓄熱燃焼装置用ハニカム蓄熱体は、仮焼成した鋳物廃砂、バインダー及び分散媒を用いて原料組成物を調製し、この原料組成物からハニカム形状の成形体を成形し、この成形体を焼成することにより得られるものである。
本発明の蓄熱燃焼装置用ハニカム蓄熱体の製造方法は、A)鋳物工場で鋳物廃砂を収集する工程と、B)収集した前記鋳物廃砂を500℃〜900℃の温度で焼成する仮焼成工程と、C)仮焼成した前記鋳物廃砂にバインダー及び分散媒を加えて原料組成物を調製する工程と、D)押出成形により前記原料組成物からハニカム形状の成形体を成形する工程と、E)押出成形した前記成形体を乾燥する工程と、F)乾燥した前記成形体を1000℃〜1300℃の温度で焼成する本焼成工程と、からなることを特徴とする。
以上詳述したように本発明によれば、鋳物工場から廃出される鋳物廃砂を利用して、コージェライト製のハニカム蓄熱体に匹敵する熱伝導率を備えると共に、コージェライト製のハニカム蓄熱体よりも優れた比熱および容積比熱を有する蓄熱燃焼装置用ハニカム蓄熱体を提供することができる。その結果、単位体積あたりの蓄熱量が大きくコンパクトなハニカム蓄熱体を提供することができる。
特に本発明は、従来は単なる廃棄物と目されていた鋳物廃砂を有効活用する道を開くものであるから、廃棄物を減らして環境負荷を低減することができる。また、鋳物廃砂を主たる原料とするものであるから、原材料コストを抑制して、ハニカム蓄熱体を安価に製造することが可能になる。
蓄熱燃焼装置の一例(ガスの正方向流通時)を示す断面図。 蓄熱燃焼装置の一例(ガスの逆方向流通時)を示す断面図。 ハニカム蓄熱体の一単位の全体斜視図及び部分拡大図。 実施例1の粉末X線回折の結果(チャート)を示すグラフ。
本発明は、鋳物廃砂を主原料とする蓄熱燃焼装置用ハニカム蓄熱体と、その製造方法とに関するものであるが、これらの物及び方法の発明に共通した要点は、鋳物廃砂を仮焼成すること、仮焼成した鋳物廃砂、バインダー及び分散媒を用いて原料組成物を調製すること、そして、この原料組成物からハニカム形状の成形体を成形し、その成形体を本焼成することである。
本発明における主原料は鋳物廃砂である。「鋳物廃砂」とは、少なくとも一回、鋳造用砂型の造型に用いられた砂を意味し、一般に鋳物工場で収集又は回収される。鋳物廃砂には、使用済み砂型をばらして得られる砂だけでなく、砂型の解体作業を行う鋳物工場に設置された集塵機によって集められる集塵ダストも含まれる。砂型をばらして得られた砂も集塵ダストも、「使用済みの鋳造用砂型から廃棄物として回収された鋳物廃砂」であることに変わりはない。
一般に鋳物廃砂は珪砂を主成分とするが、その他に砂型の成形時に使用されたベントナイトや石炭粉、更には砂型に注がれた金属溶湯中から砂型内に転移した溶湯成分(例えばFe,Mg等)も鋳物廃砂中には含有されている。ちなみに、ベントナイトは、結晶水を保持した粘土質の物質であり、含水時には顕著に膨潤する。
なお、鋳物廃砂の組成は、概ね次の通りである。
SiO:54.9〜77.0(重量%)
Al: 9.6〜15.6(重量%)
CaO : 1.0〜3.0(重量%)
MgO : 1.7〜4.0(重量%)
NaO: 1.0〜3.0(重量%)
Fe: 1.9〜6.0(重量%)
その他 :29.9重量%以下
原料組成物の調製に先んじて、鋳物廃砂は仮焼成される。この仮焼成の目的は、鋳物廃砂中に残留する石炭粉、デンプンなどの炭素成分を燃焼・除去すること、及び、鋳物廃砂中に残留するベントナイトから結晶水を分離・蒸発させることにある。ベントナイト結晶水の残留量が多い鋳物廃砂をそのまま原料として使用すると、原料組成物を押出成形して得たハニカム成形体の乾燥時に、結晶水の分離・蒸発に起因して当該成形体が割れ易くなる。また、炭素成分の残留量が多い鋳物廃砂をそのまま原料として使用すると、乾燥後のハニカム成形体の焼成時に、炭素成分の燃焼によってハニカム成形体内に温度差が生じることによる収縮のばらつきにより、ハニカム成形体が割れ易くなる。このように鋳物廃砂の仮焼成には、乾燥工程や本焼成工程でのハニカム成形体の亀裂発生を未然防止する意味合いがある。
なお、鋳物廃砂を仮焼成する際の温度は、好ましくは500℃〜900℃である。仮焼成温度が500℃に満たないと、鋳物廃砂からの炭素成分やベントナイト結晶水の事前除去が不十分となり易い。他方、仮焼成温度が900℃を超えると、鋳物廃砂が一部変質する。
原料組成物は、仮焼成した鋳物廃砂に少なくともバインダー及び分散媒を加えて調製される。バインダーとしては、例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの有機バインダーを例示することができる。また、分散媒としては、水、アルコール、又はこれらの混合物を例示することができる。100重量部の鋳物廃砂に対して、好ましくは、5〜20重量部のバインダー、20〜40重量部の分散媒が配合される。原料組成物は十分に混練され、比較的硬めのスラリーあるいはペーストとして提供される。なお、原料組成物の調製後、原料組成物を脱気処理することは好ましい。
原料組成物からハニカム形状の成形体が成形される。この成形(工程)は、好ましくは押出成形によって達成される。ここで「ハニカム形状」又は「ハニカム(構造)」とは、図3に示すように、一軸方向に延びる複数のセル(ガス流通路)11を備えると共に前記一軸に直交する断面において前記複数のセル11が縦横に規則的に配列されており、隣り合う二つのセル11,11間には隔壁12が介在する形状又は構造をいう。
ハニカム形状の成形体は乾燥させた後、1000℃〜1300℃の温度で焼成される。より好ましくは、ハニカム形状の成形体を乾燥する工程と、乾燥した前記成形体を400℃〜600℃で所定時間加熱して脱脂する工程と、脱脂した前記成形体を1000℃〜1300℃の温度で焼成する工程(狭義の本焼成工程)とを経て、最終製品としてのハニカム蓄熱体に仕上げられる。
ハニカム成形体の乾燥は、原料組成物の調製に用いた分散媒の除去を目的とするものであり、熱風乾燥、マイクロ波乾燥又は自然乾燥により行われる。脱脂は、乾燥した成形体を400℃〜600℃の温度で加熱することにより行われる。脱脂時の加熱温度が400℃に満たないと、脱脂、即ち原料組成物の調製に用いたバインダーの分解除去が不十分となり、その後の本焼成において亀裂や割れを生ずるおそれがある。他方、脱脂時の加熱温度が600℃を超えると、成形体の一部が未脱脂のまま本焼成されて亀裂や割れを生ずるおそれがある。脱脂後の本焼成は、脱脂した成形体を1000℃〜1300℃の温度で加熱することにより行われる。本焼成時の温度を1000℃以上としているのは、一般に蓄熱燃焼装置のハニカム蓄熱体に流通させる燃焼ガスの温度としては、最大でも800℃〜900℃程度が想定されており、その程度の高温に曝されてもハニカム蓄熱体が変性(例えば結晶構造の転移)等しないような熱力学的安定性を確保するためである。他方、本焼成時の温度を1300℃以下にとどめているのは、珪砂を主成分とする鋳物廃砂が高温溶融してハニカム構造が崩れるのを防止するためである。
このようにして得られたハニカム構造体(焼成後の成形体)は、その主たる結晶相が、石英、クリストバライト及びコージェライトの三相からなっている。石英及びクリストバライトは二酸化珪素(SiO)の結晶であり、クリストバライトは石英の高温結晶形として知られている。コージェライトは、2MgO・2Al・5SiOの結晶であり、無機セラミックスとしては熱膨張係数が小さいため、耐熱衝撃性の向上に貢献する。本発明に従うハニカム構造体は、コージェライト製のハニカム蓄熱体に匹敵する熱伝導率を備えると共に、コージェライト製のハニカム蓄熱体よりも優れた比熱および容積比熱を有するため、蓄熱燃焼装置用ハニカム蓄熱体として優れた適性を有している。
本発明に従う実施例1、並びに、比較例1及び2について以下に説明する。
[実施例1]
先ず、使用済み砂型の解体作業を行う鋳物工場に設置された集塵機によって集められた集塵ダストから「鋳物廃砂」を調達した。この鋳物廃砂(集塵ダスト)は、珪砂、ベントナイト、炭素成分及びその他の金属成分(Fe,Mg等)からなるものであり、その成分分析結果は下記表1の通りである。この鋳物廃砂の粒径は2μm〜80μmの範囲に分布していた。
この鋳物廃砂を加熱炉で600℃にて2時間仮焼成し、その後、常温にまで冷ました。仮焼成した鋳物廃砂100重量部に対し、メチルセルロースを主成分とする有機バインダー10重量部と水23重量部とを配合し、混練機で混練して含水状態の原料組成物を調製した。そして、この原料組成物を真空脱気設備で脱気処理した。続いて、脱気した原料組成物を押出成形機に装填し、ハニカム形状の長尺な成形体を押出成形した。この段階のハニカム成形体は、正方形端面の一辺が165mmの長尺な四角柱体であり、セル密度が1平方インチあたり40セルのものである。この長尺なハニカム成形体を熱風乾燥機で乾燥(100℃×0.5時間)した後、330mm間隔で切断して、図3に示すような高さ330mmの直方体状のハニカム成形体を得た。次に、切断して得たハニカム成形体を加熱炉に移し、常温から500℃まで昇温後、500℃を2時間維持して脱脂を行った。その後、1100℃まで昇温し、1100℃を2時間維持して本焼成を行った。その後、加熱をやめ自然放冷して、実施例1のハニカム蓄熱体(150mm×150mm×300mm)を得た。
実施例1のハニカム蓄熱体に、ひび割れ等の損傷は発見されなかった。このハニカム蓄熱体を破砕して粉末状にすりつぶしたものを粉末X線回折装置で構造解析したときの結果(チャート)を図4に示す。図4からわかるように、実施例1のハニカム蓄熱体中には、石英、クリストバライト及びコージェライトの各結晶相の存在が確認された。
実施例1のハニカム蓄熱体について、かさ密度、比熱、容積比熱、熱伝導率を測定した結果を後掲の表2に示す。なお、比熱及び熱伝導率については、財団法人ファインセラミックスセンター(JFCC)に測定を委託し、レーザーフラッシュ法に基づいて測定された。また、容積比熱は、かさ密度×比熱で計算される。
[比較例1]
比較例1のハニカム蓄熱体は、鋳物廃砂(集塵ダスト)を仮焼成することなく集めた状態のまま使用した点と、鋳物廃砂100重量部に対する水の配合量を23重量部ではなく30重量部とした点を除いて、実施例1と全く同じ条件で作製された。
比較例1では、1100℃での本焼成時に割れが発生し、最終的には所望の寸法及び形状(150mm×150mm×300mm)のハニカム構造体を得ることができなかった。但し、比較例1の粉末X線回折での測定結果、並びに、かさ密度、比熱、容積比熱および熱伝導率の測定結果は、実施例1と同じ結果を示した。
[比較例2]
コージェライト100重量部に対し、実施例1と同じ有機バインダー20重量部と水25重量部とを配合し、混練機で混練して含水状態の原料組成物を調製した。そして、この原料組成物を真空脱気設備で脱気処理した。続いて、脱気した原料組成物を押出成形機に装填し、実施例1と同様、ハニカム形状の長尺な成形体を押出成形した。この段階のハニカム成形体は、正方形端面の一辺が155mmの長尺な四角柱体であり、セル密度が1平方インチあたり40セルのものである。この長尺なハニカム成形体を熱風乾燥機で乾燥(100℃×0.5時間)した後、310mm間隔で切断して高さ310mmの直方体状のハニカム成形体を得た。次に、切断して得たハニカム成形体を加熱炉に移し、常温から500℃まで昇温後、500℃を2時間維持して脱脂を行った。その後、1400℃まで昇温し、1400℃を2時間維持して本焼成を行った。その後、加熱をやめ自然放冷して、比較例2のハニカム蓄熱体(150mm×150mm×300mm)を得た。
比較例2のハニカム蓄熱体に、ひび割れ等の損傷は発見されなかった。このハニカム蓄熱体について、かさ密度、比熱、容積比熱、熱伝導率を測定した結果を後掲の表2に示す。なお、比熱及び熱伝導率については、財団法人ファインセラミックスセンター(JFCC)に測定を委託し、レーザーフラッシュ法に基づいて測定された。
[結果の考察]
実施例1と比較例1との比較から、鋳物廃砂をハニカム蓄熱体用の原料として再利用するためには、仮焼成が必要であることが確認された。かかる仮焼成により、鋳物廃砂中に残留する石炭粉、デンプンなどの炭素成分が燃焼・除去されると共に、鋳物廃砂中に残留するベントナイトから結晶水が分離されることで、炭素成分や結晶水が乾燥時および本焼成時にハニカム成形体に割れ等の悪影響を及ぼす事態を回避できたと考えられる。
表2からわかるように、仮焼成した鋳物廃砂を用いた実施例1によれば、コージェライト製の比較例2と同等の熱伝導率を保持しつつ、比熱および容積比熱の点で比較例2よりも1割程度すぐれたハニカム蓄熱体を得ることができた。
なお、ハニカム蓄熱体の比熱又は容積比熱が大きいということは、セル間に設けられた隔壁の壁厚が薄くても蓄熱量を大きくできることを意味する。また、ハニカム蓄熱体の熱伝導率が高いということは、セルを区画形成する隔壁での熱移動又は隔壁表面からの熱移動が早いことを意味する。蓄熱量大にしてコンパクトなハニカム蓄熱体を得るためには、比熱又は容積比熱がより大きいこと、熱伝導率がより高いことが非常に重要である。
1…燃焼室、2,3…蓄熱室、4,5…切替弁機構、
10…ハニカム蓄熱体、11…セル(ガス流通路)、12…隔壁。

Claims (6)

  1. 仮焼成した鋳物廃砂、バインダー及び分散媒を用いて原料組成物を調製し、この原料組成物からハニカム形状の成形体を成形し、この成形体を焼成することにより得られることを特徴とする、蓄熱燃焼装置用ハニカム蓄熱体。
  2. 焼成後の成形体の主たる結晶相が、石英、クリストバライト及びコージェライトの三相からなることを特徴とする、請求項1に記載の蓄熱燃焼装置用ハニカム蓄熱体。
  3. 仮焼成前の鋳物廃砂が、主成分としての珪砂のほかに、ベントナイト及び炭素成分を含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の蓄熱燃焼装置用ハニカム蓄熱体。
  4. 蓄熱燃焼装置用のハニカム蓄熱体を製造する方法であって、
    鋳物工場で鋳物廃砂を収集する工程と、
    収集した前記鋳物廃砂を500℃〜900℃の温度で焼成する仮焼成工程と、
    仮焼成した前記鋳物廃砂にバインダー及び分散媒を加えて原料組成物を調製する工程と、
    押出成形により前記原料組成物からハニカム形状の成形体を成形する工程と、
    押出成形した前記成形体を乾燥する工程と、
    乾燥した前記成形体を1000℃〜1300℃の温度で焼成する本焼成工程と、
    からなることを特徴とする、蓄熱燃焼装置用ハニカム蓄熱体の製造方法。
  5. 前記本焼成工程は、乾燥した前記成形体を400℃〜600℃で所定時間加熱して脱脂する工程と、その後に当該成形体を1000℃〜1300℃の温度で焼成する工程とからなることを特徴とする、請求項4に記載の蓄熱燃焼装置用ハニカム蓄熱体の製造方法。
  6. 鋳物工場で収集される前記鋳物廃砂が、主成分としての珪砂のほかに、ベントナイト及び炭素成分を含有することを特徴とする、請求項4又は5に記載の蓄熱燃焼装置用ハニカム蓄熱体の製造方法。
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